説明

情報管理装置

【課題】、監視対象機器のログ情報を、ログ情報の内容に応じて適切な期間保存する。
【解決手段】インクジェット印刷装置2のログ情報を収集するログ収集部14と、収集された所定量分のログ情報を1つの第1のログファイルとして、第1のログファイルを第1の期間記憶する第1のログ記憶部15と、第1のログファイルを第2のログファイルとして、第2の期間記憶する第2のログ記憶部16と、インクジェット印刷装置2が正常に停止されるときに、終了フラグを記憶するフラグ記憶部13と、インクジェット印刷装置2が起動されるときに、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されているか否かを判定する判定部17と、終了フラグが記憶されていないと判定された場合、第1のログ記憶部15に記憶された1以上の第1のログファイルのうち最後に記憶されたものを、第2のログ記憶部16に第2のログファイルとして記憶させるログ移動部18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する情報を取得し、この取得した情報を管理する情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、印刷媒体に対して印刷を行う画像形成装置とネットワークを介して接続され、画像形成装置の通信ログ、操作ログ、及びエラーログ等のログ情報を収集する情報収集装置がよく知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、障害発生時の原因調査用の詳細ログ情報と通常状態把握用の通常時ログ情報の2種類のログ情報をそれぞれ収集するログ情報収集部と、ログ情報収集部によって収集された詳細ログ情報と通常時ログ情報とを、設定部により設定された保存期間を越えないように、それぞれ蓄積保存するログ情報蓄積部とを設ける情報収集装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−172401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された情報収集装置では、ログの内容にかかわらず、設定部により設定された保存期間だけ詳細ログ情報と通常時ログ情報とをそれぞれ蓄積保存するので、必要性の薄い詳細ログ情報と通常時ログ情報を記憶してしまい、必要な記憶容量が増大していた。
【0006】
一般的に監視対象装置に障害が発生した場合、ログ情報を障害発生時の原因解析等に活用することが多いので、この障害発生時のログ情報を、長期間保存しておく必要がある。一方、障害が発生した場合以外のログ情報については利用価値が低いので保存しておく必要性は薄く、記憶容量を節約するため短期間で消去する方が好ましい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、監視対象機器のログ情報を、ログ情報の内容に応じて適切な期間保存する情報管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報管理装置の第1の特徴は、監視対象機器のログ情報を収集するログ収集手段と、前記ログ収集手段により収集された所定量分のログ情報を1つの第1ログファイルとして、1以上の前記第1ログファイルの各々を第1期間記憶する第1ログ記憶手段と、前記第1ログ記憶手段に記憶された第1ログファイルを第2ログファイルとして、前記第1期間より長い第2期間記憶する第2ログ記憶手段と、前記監視対象機器が正常に停止されたか否かを示す停止情報を記憶する記憶手段と、前記監視対象機器が起動されるときに、前記停止情報に基づいて、前記監視対象機器が前回正常に停止されたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記監視対象機器が前回正常に停止されなかったと判定された場合、前記第1ログ記憶手段に記憶された1以上の第1ログファイルのうち最後に記憶されたものを、前記第2ログ記憶手段に前記第2ログファイルとして記憶させるログ移動手段と、を備えたことにある。
【0009】
本発明に係る情報管理装置の第2の特徴は、前記第1ログ記憶手段は、前記ログ収集手段により収集された所定量分のログ情報を1つの第1ログファイルとして、最新の前記第1ログファイルを1つだけ第1期間記憶するように、古い前記第1ログファイルを順次消去することにある。
【0010】
本発明に係る情報管理装置の第3の特徴は、監視対象機器のログ情報を収集するログ収集手段と、前記ログ収集手段により収集された所定量分のログ情報を1つの第1ログファイルとして、1以上の前記第1ログファイルを第1期間記憶する第1ログ記憶手段と、前記第1ログ記憶手段に記憶された第1ログファイルを第2ログファイルとして、前記第1期間より長い第2期間記憶する第2ログ記憶手段と、前記監視対象機器に障害が発生したことを検出する障害検出手段と、前記障害検出手段により障害が発生したことが検出された場合に、前記第1ログ記憶手段に記憶された1以上の第1ログファイルのうち最後に記憶されたものを、前記第2ログ記憶手段に前記第2ログファイルとして記憶させるログ移動手段と、を備えたことにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る情報管理装置の第1の特徴によれば、判定手段により、監視対象機器が前回正常に停止されなかったと判定された場合、第1ログ記憶手段に記憶された1以上の第1ログファイルのうち最後に記憶されたものを、第2ログ記憶手段に第2ログファイルとして記憶させるので、監視対象機器のログ情報を、ログ情報の内容に応じて適切な期間保存することができる。
【0012】
本発明に係る情報管理装置の第2の特徴によれば、最新の第1ログファイルを1つだけ第1期間記憶するので、第1ログ記憶手段の記憶容量を低減することができる。
【0013】
本発明に係る情報管理装置の第3の特徴によれば、障害検出手段により障害が発生したことが検出された場合に、第1ログ記憶手段に記憶された1以上の第1ログファイルのうち最後に記憶されたものを、第2ログ記憶手段に第2ログファイルとして記憶させるので、監視対象機器に軽微な障害が発生したときにおいても、監視対象機器のログ情報を、ログ情報の内容に応じて適切な期間保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態である情報管理装置が適用された印刷システムの構成を示した構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である情報管理装置における監視対象機器停止時処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態である情報管理装置における監視対象機器起動時処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態である情報管理装置におけるログファイルの移動を説明した図である。
【図5】本発明の一実施形態である情報管理装置における監視対象機器障害発生時処理の処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
本発明の一実施形態では、印刷ジョブに基づいて所定の印刷媒体に印刷を行うインクジェット印刷装置と接続され、インクジェット印刷装置に関するログ情報を取得し、この取得したログ情報を管理する情報管理装置を例に挙げて説明する。
【0017】
<画像形成システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態である情報管理装置が適用された印刷システムの構成を示した構成図である。
【0018】
図1に示すように、印刷システム10は、情報管理装置1と、画像形成装置であるインクジェット印刷装置2とを備えている。
【0019】
インクジェット印刷装置2は、印刷制御部21と、印刷部22とを備えている。
【0020】
印刷制御部21は、利用者の操作に基づいて生成された印刷ジョブ又は外部から供給された印刷ジョブに基づいて、印刷部22に印刷させる。
【0021】
また、印刷制御部21は、インクジェット印刷装置2のログ情報を情報管理装置1へ送信する。さらに、印刷制御部21は、インクジェット印刷装置2を起動する際、インクジェット印刷装置2の電源がオンされたことを示す電源状態情報を情報管理装置1へ送信し、インクジェット印刷装置2を正常に停止する際、インクジェット印刷装置2の電源がオフされたことを示す電源状態情報を情報管理装置1へ送信する。なお、例えば、利用者の操作により、インクジェット印刷装置2が強制終了された場合、正常に終了処置を実行できないので、電源状態情報を情報管理装置1へ送信することはない。
【0022】
さらに、印刷制御部21は、インクジェット印刷装置2がフリーズすることなく、通信障害等の何らかのエラーを検出した場合、印刷制御部21は、インクジェット印刷装置2に障害が発生したことを示す障害発生情報を情報管理装置1へ送信する。
【0023】
印刷部22は、印刷制御部21から供給される印刷ジョブに基づいて、インクジェットヘッド(図示しない)からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の合計4色のインクを吐出することにより、所定の寸法に切断された印刷媒体に対してカラー印刷を行う。
【0024】
情報管理装置1は、入出力インタフェース11と、フラグ記憶制御部12と、フラグ記憶部13と、ログ収集部14と、第1のログ記憶部15と、第2のログ記憶部16と、判定部17と、ログ移動部18と、障害検出部19とを備えている。
【0025】
入出力インタフェース11は、インクジェット印刷装置2と接続するための接続インタフェースであり、インクジェット印刷装置2から、インクジェット印刷装置2の電源がオン又はオフされたことを示す電源状態情報が供給される。また、入出力インタフェース11は、インクジェット印刷装置2から、インクジェット印刷装置2のログ情報や、障害発生情報が供給される。
【0026】
フラグ記憶制御部12は、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2が正常に停止されるときに、終了フラグ(停止情報)をフラグ記憶部13に記憶させる。また、フラグ記憶制御部12は、インクジェット印刷装置2が正常に電源がオフされた後に起動する場合に、フラグ記憶部13に記憶された終了フラグを消去する。
【0027】
フラグ記憶部13は、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2が正常に停止されるときに、終了フラグを記憶する。
【0028】
ログ収集部14は、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2から入出力インタフェース11を介して供給されたログ情報を収集し、収集したログ情報を第1のログ記憶部15に記憶させる。このログ情報には、インクジェット印刷装置2の操作履歴を示す操作ログ情報や、インクジェット印刷装置2の印刷制御部21と印刷部22との間の通信履歴を示す通信ログ情報や、インクジェット印刷装置2で発生した障害の履歴を示すエラーログ情報等が含まれている。
【0029】
第1のログ記憶部15は、ログ収集部14により収集された所定量分のログ情報を1つの第1のログファイルとして、1以上の第1のログファイルを第1の期間だけ記憶する。ここでは、第1のログ記憶部15は、ファイル名“file0”〜“file4”の5つの第1のログファイルを記憶しており、それぞれの第1のログファイルは、1週間分のログ情報が順に書き込まれる。例えば、ファイル名“file0”の第1のログファイルに1週間分のログ情報が書き込まれた後、順次、ファイル名“file1”〜“file4”の第1のログファイルに1週間毎にログ情報が書き込まれる。そして、ファイル名“file4”の第1のログファイルに1週間分のログ情報が書き込まれると、既存のファイル名“file0”の第1のログファイルが消去され、新たなファイル名“file0”の第1のログファイルを生成し、このファイル名“file0”の第1のログファイルにログ情報が書き込まれていく。
【0030】
このように、ファイル名“file0”〜“file4”の5つの第1のログファイルに順次1週間分のログ情報が書き込まれるので、第1のログファイルは、それぞれ5週間(第1の期間)だけ第1のログ記憶部15に記憶されていることになる。
【0031】
第2のログ記憶部16は、第1のログ記憶部15に記憶された第1のログファイルを第2のログファイルとして、第1の期間より長い第2の期間記憶する。ここで、後述するが、第2のログファイルには、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2の障害発生時のログ情報が含まれているので、第2の期間は、例えば、6ケ月等、障害発生時のログ情報を保存しておきたい期間として設定される。
【0032】
判定部17は、監視対象機器が起動されるときに、終了フラグに基づいて、監視対象機器が前回正常に停止されたか否かを判定する。具体的には、判定部17は、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されている場合、監視対象機器が前回正常に停止されたと判定し、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されていない場合、監視対象機器が前回正常に停止されなかったと判定する。
【0033】
障害検出部19は、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2に障害が発生したことを検出する。
【0034】
ログ移動部18は、判定部17により、監視対象機器が前回正常に停止されなかった、即ち、終了フラグが記憶されていないと判定された場合、第1のログ記憶部15に記憶された1以上の第1のログファイルのうち最後に記憶されたものを、第2のログ記憶部16に第2のログファイルとして記憶させる。
【0035】
また、ログ移動部18は、障害検出部19により障害が発生したことが検出された場合に、第1のログ記憶部15に記憶された1以上の第1のログファイルのうち最後に記憶されたものを、第2のログ記憶部16に第2のログファイルとして記憶させる。
【0036】
<情報管理装置1の作用>
本発明の一実施形態である情報管理装置1の作用について説明する。
【0037】
本発明の一実施形態である情報管理装置1は、主に監視対象機器停止時処理、監視対象機器起動時処理、及び監視対象機器障害発生時処理を行う。そのため、各々の処理について以下に詳細に説明する。
【0038】
≪監視対象機器停止時処理≫
図2は、本発明の一実施形態である情報管理装置1における監視対象機器停止時処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0039】
図2に示すように、フラグ記憶制御部12は、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2の電源が正常にオフされたか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、フラグ記憶制御部12は、インクジェット印刷装置2の印刷制御部21から入出力インタフェース11を介して、インクジェット印刷装置2の電源が正常にオフされたことを示す電源状態情報が供給されると、インクジェット印刷装置2の電源が正常にオフされたと判定する。
【0040】
ステップS101において、インクジェット印刷装置2の電源が正常にオフされたと判定された場合(YESの場合)、フラグ記憶制御部12は、終了フラグを生成する(ステップS103)。
【0041】
次に、フラグ記憶制御部12は、ステップS103において生成した終了フラグをフラグ記憶部13に記憶させる(ステップS105)。
【0042】
このように、本発明の一実施形態である情報管理装置1は、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2の電源が正常にオフされた場合、終了フラグをフラグ記憶部13に記憶させるので、例えば、インクジェット印刷装置2が強制終了された場合、インクジェット印刷装置2から、電源が正常にオフされたことを示す電源状態情報が供給されないので、終了フラグはフラグ記憶部13に記憶されない。
【0043】
これにより、後述するように、インクジェット印刷装置2が電源が正常にオフされたか、強制終了されたのかを判定することができる。
【0044】
≪監視対象機器起動時処理≫
図3は、本発明の一実施形態である情報管理装置1における監視対象機器起動時処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0045】
図3に示すように、判定部17は、インクジェット印刷装置2の電源がオンされたか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、判定部17は、インクジェット印刷装置2の印刷制御部21から入出力インタフェース11を介して、インクジェット印刷装置2の電源がオンされたことを示す電源状態情報が供給されると、インクジェット印刷装置2の電源がオンされたと判定する。
【0046】
ステップS201において、インクジェット印刷装置2の電源がオンされたと判定された場合(YESの場合)、判定部17は、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されているか否かを判定する(ステップS203)。
【0047】
ステップS203において、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されていると判定された場合(YESの場合)、インクジェット印刷装置2は、前回の電源オフ時、正常にオフされたと判定できるので、フラグ記憶制御部12は、フラグ記憶部13に記憶された終了フラグを消去する(ステップS205)。
【0048】
一方、ステップS203において、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されていないと判定された場合(NOの場合)、インクジェット印刷装置2は、前回の電源オフ時、強制終了された、即ち、インクジェット印刷装置2が前回正常に停止されなかったと判定できるので、ログ移動部18は、第1のログ記憶部15に最後に記憶された第1のログファイルを第2のログ記憶部16に移動する(ステップS207)。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態である情報管理装置1におけるログファイルの移動を説明した図である。
【0050】
図4(a)に示すように、第1のログ記憶部15は、ファイル名“file0”〜“file4”の5つの第1のログファイル100〜104が記憶されている。それぞれの第1のログファイル100〜104は、上述したように、1週間分のログ情報が書き込まれおり、5週間(第1の期間)だけ第1のログ記憶部15に記憶されている。
【0051】
ここで、ログ収集部14が、第1のログ記憶部15の第1のログファイル104にログ情報を記憶しているときに、インクジェット印刷装置2に何らかの障害が発生してフリーズし、利用者の操作によりインクジェット印刷装置2が強制終了されたとする。
【0052】
この場合、インクジェット印刷装置2から、電源が正常にオフされたことを示す電源状態情報が供給されないので、終了フラグはフラグ記憶部13に記憶されない。
【0053】
次に、インクジェット印刷装置2の電源がオンされた場合、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されていないので、図4(b)に示すように、ログ移動部18は、第1のログ記憶部15に最後に記憶された第1のログファイル104のファイル名を、“file4”から“fileL0”に変更して、第2のログファイル200として第2のログ記憶部16に記憶させると共に、第1のログファイル104を消去する。
【0054】
このように、インクジェット印刷装置2が強制終了された場合、障害が発生した時点のログ情報を含む第1のログファイルを第2のログファイルとして第2のログ記憶部16に記憶するので、障害発生の原因解析等に活用される可能性が高いログ情報を含む第2のログファイルを長期間記憶することができる。
【0055】
以上のように、本発明の一実施形態である情報管理装置1によれば、判定部17により、終了フラグが記憶されていないと判定された場合、第1のログ記憶部15に記憶された1以上の第1のログファイルのうち最後に記憶されたものを、第2のログ記憶部16に第2のログファイルとして記憶させるので、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2に障害が発生したときのログ情報を長期間保存することができると共に、インクジェット印刷装置2に障害が発生していないときのログ情報は短期間保存することにより必要な記憶容量を節約することができる。
【0056】
≪監視対象機器障害発生時処理≫
図5は、本発明の一実施形態である情報管理装置1における監視対象機器障害発生時処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0057】
図5に示すように、障害検出部19は、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2に障害が発生したか否かを判定する(ステップS301)。具体的には、障害検出部19は、インクジェット印刷装置2がフリーズすることなく、印刷制御部21が何らかのエラーを検出した場合、印刷制御部21は、インクジェット印刷装置2に障害が発生したことを示す障害発生情報を情報管理装置1へ送信する。そして、インクジェット印刷装置2から入出力インタフェース11を介して障害発生情報が供給された場合、障害検出部19は、インクジェット印刷装置2に障害が発生したことを検出する。
【0058】
ステップS301において、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2に障害が発生したと判定された場合(YESの場合)、ログ移動部18は、第1のログ記憶部15に最後に記憶された第1のログファイルを第2のログ記憶部16に移動する(ステップS303)。
【0059】
これにより、インクジェット印刷装置2に、フリーズしない軽微な障害が発生した場合においても、障害が発生した時点のログ情報を含む第1のログファイルを第2のログファイルとして第2のログ記憶部16に記憶するので、障害発生の原因解析等に活用される可能性が高いログ情報を含む第2のログファイルを長期間記憶することができる。
【0060】
以上のように、本発明の一実施形態である情報管理装置1によれば、障害検出部19により障害が発生したことが検出された場合に、第1のログ記憶部15に記憶された1以上の第1のログファイルのうち最後に記憶されたものを、第2のログ記憶部16に第2のログファイルとして記憶させるので、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2に軽微な障害が発生したときにおいても、軽微な障害が発生したときのログ情報を長期間保存することができると共に、インクジェット印刷装置2に軽微な障害が発生していないときのログ情報は短期間保存することにより必要な記憶容量を節約することができる。
【0061】
なお、本発明の一実施形態である情報管理装置1では、インクジェット印刷装置2から障害発生情報が供給された場合、インクジェット印刷装置2に障害が発生したと判定し、ログ移動部18が、第1のログ記憶部15に最後に記憶された第1のログファイルを第2のログ記憶部16に移動したが、これに限らない。
【0062】
例えば、インクジェット印刷装置2から供給されるログ情報に基づいて、インクジェット印刷装置2に障害が発生したか否かを判定するようにしてもよい。
【0063】
また、本発明の一実施形態では、第1のログ記憶部15が、ログ収集部14により収集された所定量分のログ情報を1つの第1のログファイルとして、5つの第1のログファイルを第1の期間だけ第1のログ記憶部15に記憶する情報管理装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、ログ収集部14により収集された所定量分のログ情報を1つの第1のログファイルとして、最新の第1のログファイルを1つだけ第1の期間だけ第1のログ記憶部15に記憶するように、古い第1のログファイルを順次消去するようにしてもよい。
【0064】
また、本発明の一実施形態では、フラグ記憶制御部12が、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2が正常に停止されるときに、終了フラグをフラグ記憶部13に記憶させ、インクジェット印刷装置2が正常に電源がオフされた後に起動する場合に、フラグ記憶部13に記憶された終了フラグを消去すると共に、判定部17が、インクジェット印刷装置2が起動されるときに、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されていない場合、インクジェット印刷装置2が前回正常に停止されなかったと判定する情報管理装置1を例に挙げて説明したが、これに限らない。
【0065】
例えば、フラグ記憶制御部12が、監視対象機器であるインクジェット印刷装置2が起動するときに、終了フラグをフラグ記憶部13に記憶させ、インクジェット印刷装置2が正常に停止されるときに、フラグ記憶部13から終了フラグを消去させると共に、判定部17が、インクジェット印刷装置2が起動されるときに、フラグ記憶部13に終了フラグが記憶されている場合、インクジェット印刷装置2が前回正常に停止されなかったと判定するようにしてもよい。
【0066】
また、本発明の一実施形態では、インクジェット印刷装置2と接続され、インクジェット印刷装置2から、ログ情報、電源状態情報、及び障害発生情報を取得する情報管理装置1を例に挙げて説明したが、これに限らない。
【0067】
例えば、情報管理装置1が、インクジェット印刷装置2の内部に備えられ、印刷制御部21からログ情報、電源状態情報、及び障害発生情報を取得する構成としてもよい。
【0068】
また、本発明の一実施形態である情報管理装置1は、インクジェットヘッドから4色のインクを吐出することにより、所定の寸法に切断された印刷媒体に対してカラー印刷を行うインクジェット方式のプリンタであるインクジェット印刷装置2と接続される構成を例に挙げて説明したが、接続先のプリンタは、これに限らず、レーザ方式、又は孔版印刷方式等の印刷装置であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…情報管理装置
2…インクジェット印刷装置
10…印刷システム
11…入出力インタフェース
12…フラグ記憶制御部
13…フラグ記憶部
14…ログ収集部
15…第1のログ記憶部
16…第2のログ記憶部
17…判定部
18…ログ移動部
19…障害検出部
21…インクジェット印刷部
21…印刷制御部
22…印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象機器のログ情報を収集するログ収集手段と、
前記ログ収集手段により収集された所定量分のログ情報を1つの第1ログファイルとして、1以上の前記第1ログファイルの各々を第1期間記憶する第1ログ記憶手段と、
前記第1ログ記憶手段に記憶された第1ログファイルを第2ログファイルとして、前記第1期間より長い第2期間記憶する第2ログ記憶手段と、
前記監視対象機器が正常に停止されたか否かを示す停止情報を記憶する記憶手段と、
前記監視対象機器が起動されるときに、前記停止情報に基づいて、前記監視対象機器が前回正常に停止されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記監視対象機器が前回正常に停止されなかったと判定された場合、前記第1ログ記憶手段に記憶された1以上の第1ログファイルのうち最後に記憶されたものを、前記第2ログ記憶手段に前記第2ログファイルとして記憶させるログ移動手段と、
を備えたことを特徴とする情報管理装置。
【請求項2】
前記第1ログ記憶手段は、
前記ログ収集手段により収集された所定量分のログ情報を1つの第1ログファイルとして、最新の前記第1ログファイルを1つだけ第1期間記憶するように、古い前記第1ログファイルを順次消去する
ことを特徴とする請求項1記載の情報管理装置。
【請求項3】
監視対象機器のログ情報を収集するログ収集手段と、
前記ログ収集手段により収集された所定量分のログ情報を1つの第1ログファイルとして、1以上の前記第1ログファイルを第1期間記憶する第1ログ記憶手段と、
前記第1ログ記憶手段に記憶された第1ログファイルを第2ログファイルとして、前記第1期間より長い第2期間記憶する第2ログ記憶手段と、
前記監視対象機器に障害が発生したことを検出する障害検出手段と、
前記障害検出手段により障害が発生したことが検出された場合に、前記第1ログ記憶手段に記憶された1以上の第1ログファイルのうち最後に記憶されたものを、前記第2ログ記憶手段に前記第2ログファイルとして記憶させるログ移動手段と、
を備えたことを特徴とする情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−118589(P2012−118589A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264965(P2010−264965)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】