説明

情報表示システム、情報表示装置、情報表示制御方法およびプログラム

【課題】ユーザの外出情報を表示させることが可能な情報表示システム、情報表示装置、情報表示制御方法およびプログラムに関する。
【解決手段】ユーザ入力された外出情報と、情報入力装置10の識別情報とをリーダ/ライタ20に送信する情報入力装置10と、1又は2以上の情報入力装置10の識別情報と、情報入力装置10に対応するユーザ情報とを関連付けたユーザ情報テーブル308を保持し、ユーザ情報テーブル308に基づいて、情報入力装置10からリーダ/ライタ20を介して取得した識別情報に対応するユーザ情報を決定し、ユーザ情報と、情報入力装置10からリーダ/ライタ20を介して取得した外出情報を表示装置40に送信する制御装置30と、制御装置30から受信したユーザ情報と外出情報とを対応付けて表示する表示装置40とを備えることを特徴とする情報表示システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システム、情報表示装置、情報表示制御方法およびプログラムに関し、特に、非接触通信可能な情報入力装置からの入力に応じて、ユーザの外出情報を表示させることが可能な情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス等での外出の有無を表示するために、ホワイトボード等の外出表示板に行き先や帰社時間等を手書きで記入していた。この場合、外出する従業者は、外出する都度ホワイトボードに氏名、行き先、帰社時間等を記入しなければならず、急いで外出する場合などには記入が困難であるという問題があった。また、ホワイトボード等に手書きで記入するため、外出者本人以外の者であっても、簡単に書き換えることができてしまうという問題があった。
【0003】
そこで、携帯電話等を用いて行き先や帰社時間等の外出情報を入力して、外出表示板の外出表示タグに記憶する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。また、従業者に携帯させた非接触ICカードによる認証や、携帯電話の電波を用いて、従業者の外出の有無を管理する技術が開発されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。これらの引用文献にかかる技術においては、外出表示タグやデータベース等に従業者の外出情報が記憶されるため、本人以外は外出情報を書き換えることができず、外出情報の信頼性を向上させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−134193号公報
【特許文献1】特開11−203367号公報
【特許文献1】特開2002−269307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、外出情報は外出表示板に大きく表示され、社内の上司や他の従業者により外出情報をすぐに確認できなければ、業務上支障が生ずることとなる。上記引用文献においては、セキュリティを確保して外出情報の信頼性を向上させることはできるが、従業者の外出情報を手早く表示することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、簡易な入力により外出情報等を手早く表示し、かつ、当該外出情報等の信頼性を向上させることが可能な、新規かつ改良された情報表示システム、情報表示装置、情報表示制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、非接触通信可能なICチップを搭載した情報入力装置と、情報入力装置と非接触通信可能なリーダ/ライタと、リーダ/ライタと接続された制御装置と、制御装置と接続された表示装置とを備えた情報表示システムが提供される。上記情報入力装置は、ユーザ入力された外出情報と、情報入力装置の識別情報とをリーダ/ライタに送信する。制御装置は、1又は2以上の情報入力装置の識別情報と、情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けたユーザ情報テーブルを保持し、ユーザ情報テーブルに基づいて、情報入力装置からリーダ/ライタを介して取得した情報入力装置の識別情報に対応するユーザ情報を決定し、ユーザ情報と、情報入力装置からリーダ/ライタを介して取得した外出情報を表示装置に送信し、上記表示装置は、制御装置から受信したユーザ情報と外出情報とを対応付けて表示することを特徴とする。
【0008】
また、上記制御装置は、リーダ/ライタ介して取得した入力装置の識別情報とユーザ情報テーブルの情報入力装置の識別情報とが一致するか否かを判定し、識別情報が一致していた場合に、識別情報に対応するユーザ情報を決定し、ユーザ情報と外出情報とを表示装置に送信する。
【0009】
かかる構成により、情報入力装置に入力された外出情報と情報入力装置の識別情報とが、リーダ/ライタを介して制御装置に送信される。制御装置は、当該情報入力装置の識別情報が、ユーザ情報テーブルに保持されているか否かを判定し、保持されていた場合に、情報入力装置の識別情報に対応するユーザ情報と上記外出情報とを表示装置に表示させることができる。したがって、上記情報表示システムによれば、情報入力装置への簡易な入力により、表示装置にユーザの外出情報を表示することができる。また、制御装置により取得された情報入力装置の識別情報が、ユーザ情報テーブルに保持されている場合に外出情報を表示装置に送信するため、表示装置に表示を許可されたユーザの外出情報のみを表示させることが可能となる。これにより、外出情報等を表示装置に手早く表示し、かつ、当該外出情報等の信頼性を向上させることができる。また、ユーザ認証が行われることによって使用可能なユーザが限定されるため、使用可能なユーザ以外の他人に表示内容が改ざんされない。
【0010】
また、制御装置は、1又は2以上のユーザ情報と、外出情報とを関連付けた外出情報テーブルを保持してもよい。また、外出情報は、少なくともユーザの外出先と帰社時間とを含むようにしてもよく、ユーザ情報は、少なくともユーザを識別するユーザ識別情報と、ユーザの氏名とを含むようにしてもよい。かかる構成により、ユーザが入力した外出情報をユーザ情報と関連付けて保持し、ユーザ情報に関連付けられた外出情報を表示装置に確実に表示させることが可能となる。また、情報入力装置の識別情報と関連付けられたユーザ情報にユーザの氏名が含まれているため、ユーザがユーザの氏名の入力をする必要がない。すなわち、ユーザは外出情報のみを入力すればよいため、より簡易な入力によりユーザの氏名とともに外出情報を表示させることが可能となる。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、情報入力装置と非接触通信可能な情報表示装置であって、情報入力装置から入力された外出情報と情報入力装置の識別情報とを取得する情報取得部と、1又は2以上の情報入力装置の識別情報と情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けて保持するユーザ情報テーブルと、ユーザ情報テーブルに基づいて、情報取得部により取得された識別情報に対応するユーザ情報を決定するユーザ情報決定部と、ユーザ情報と情報取得部により取得された外出情報とを対応付けて表示する表示部と、を備えることを特徴とする情報表示装置が提供される。
【0012】
上記情報表示装置は、情報入力装置の識別情報とユーザ情報テーブルの情報入力装置の識別情報とが一致するか否かを判定する識別情報判定部をさらに備えてもよい。上記ユーザ情報決定部は、識別情報が一致していた場合に、識別情報に対応するユーザ情報を決定するようにしてもよい。
【0013】
上記情報表示装置は、また、1又は2以上のユーザ情報と、外出情報とを関連付けて保持する外出情報テーブルを備えてもよい。また、外出情報は、少なくともユーザの外出先と帰社時間とを含み、ユーザ情報は、少なくともユーザを識別するユーザ識別情報と、ユーザの氏名とを含むようにしてもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、情報入力装置と非接触通信可能な情報表示装置において実行される情報表示制御方法であって、情報入力装置から入力された外出情報と情報入力装置の識別情報とを取得するステップと、1又は2以上の情報入力装置の識別情報と情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けて保持するステップと、ユーザ情報テーブルに基づいて、取得した情報入力装置の識別情報に対応するユーザ情報を決定するステップと、ユーザ情報と、取得された外出情報とを対応付けてを表示するステップと、を含むことを特徴とする、情報表示制御方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、情報入力装置と非接触通信可能な情報表示装置であって、情報入力装置から入力された外出情報と情報入力装置の識別情報とを取得する情報取得部と、1又は2以上の情報入力装置の識別情報と情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けて保持するユーザ情報テーブルと、ユーザ情報テーブルに基づいて、情報取得部により取得された識別情報に対応するユーザ情報を決定するユーザ情報決定部と、ユーザ情報と、情報取得部により取得された外出情報とを対応付けて表示する表示部と、を備える情報表示装置として機能させるための、プログラムが提供される。
【0016】
かかるプログラムは、例えばCPU、ROMまたはRAMなどを含むコンピュータのハードウェア資源に、上記のような情報処理サーバ、提供サーバおよび通信装置の各構成の機能を実行させることができる。すなわち、当該プログラムを用いるコンピュータを、上述の情報表示システムとして機能させることが可能である。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明にかかる情報表示システム、情報表示装置、情報表示制御方法およびプログラムによれば、外出情報等を手早く表示し、かつ、当該外出情報等の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
まず、図1を参照し、本発明の一実施形態にかかる情報表示システムの概要について説明する。図1は、本実施形態にかかる情報表示システム1の構成例を示した説明図である。
【0020】
図1に示したように、本実施形態にかかる情報表示システムの一例としての情報表示システム1は、情報入力装置10と、リーダ/ライタ20と、制御装置30と、表示装置40と、を含む。情報入力装置10と、リーダ/ライタ20とは非接触式に通信可能であり、リーダ/ライタ20と制御装置30、制御装置30と表示装置40は、それぞれ通信線22、通信線32を介して接続されている。なお、通信線22、通信線32は、銅線または光ファイバなどの有線ケーブルや、赤外線通信,Bluetooth,UWB(Ultra Wide Band)などの無線電波などのデータの伝送路であってもよい。
【0021】
情報入力装置10は、制御装置30とリーダ/ライタ20を介して接続されており、ユーザにより入力されたユーザの外出情報を、リーダ/ライタ20を介して制御装置30に送信する。具体的には、情報入力装置10には、非接触通信可能なICチップが搭載されており、情報入力装置10とリーダ/ライタ20とは、特定の周波数(例えば13.56Hz)の磁界を用いて非接触式に通信を行うことができる。また、情報入力装置10とリーダ/ライタ20とは、相互に認証することにより、セキュリティを確保して外出情報の送受信をすることができる。
【0022】
ユーザの外出情報とは、ユーザの外出先や帰社時間等、後述する表示装置40に表示される情報である。情報入力装置10としては、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System),PDA(Personal Digital Assistants)、携帯用ゲーム機器、時計などを例示することができる。
【0023】
リーダ/ライタ20は、無線通信装置であり、無線通信可能な範囲内に存在する非接触型ICチップからの送信電文を無線通信により受信する機能を有する。具体的には、リーダ/ライタ20は、情報入力装置10と非接触式に通信して、上述したユーザの外出情報を取得する。さらに、リーダ/ライタ20は、ユーザの外出情報を、通信線22で接続された制御装置30に送信する。
【0024】
制御装置30は、リーダ/ライタ20を介して情報入力装置10から情報入力装置10の識別情報と、ユーザ入力された外出情報を取得する。制御装置30は、入力された外出情報が表示装置40に表示可能か否かを判定する。そして、表示装置40に表示可能である場合には、表示装置40に表示させる外出情報を表示装置40に送信する機能を有する。制御装置30は、取得した情報入力装置10の識別情報が、予め保持している識別情報と一致する場合に、入力された外出情報が表示可能であると判定する。本実施形態においては、リーダ/ライタ20と制御装置30を独立した装置としたが、リーダ/ライタ20が制御装置30に組み込まれ、制御装置30と一体的に構成されていてもよい。
【0025】
表示装置40は、制御装置30に接続され、制御装置30により送信されたユーザの外出情報を表示する機能を有する。表示装置40は、ホワイトボードなどの掲示板として用いられるものである。したがって、表示装置40に表示される外出情報は、見えやすく、かつ、わかりやすい表示である必要がある。具体的には、表示装置40のディスプレイは、液晶画面、電光掲示板、電子ペーパーなどを例示でき、外出情報が当該ディスプレイに表示される。表示装置40に表示される外出情報は、ユーザの氏名順でもよいし、外出情報の入力順であってもよいし、帰社時間順に表示されてもよい。表示装置40についても、制御装置30と一体的に構成されていてもよい。すなわち、リーダ/ライタ20と、制御装置30と、表示装置40とが一体的に構成されて、一の情報表示装置とするようにしてもよい。
【0026】
以上、情報表示システム1の全体構成について説明した。本実施形態にかかる情報表示システム1によれば、情報入力装置10から入力された外出情報が、リーダ/ライタ20および制御装置30を介して表示装置40に表示される。これにより、簡易な入力により、外出情報を表示装置40に手早く表示することができる。また、情報入力装置10とリーダ/ライタ20との間で相互認証することにより、外出情報を入力したユーザ以外が当該外出情報を書き換えることができないため、表示された外出情報の信頼性を向上させることが可能となる。
【0027】
図2〜図6を参照し、本実施形態にかかる情報表示システム1の各装置の機能構成について説明する。特に、本発明の特徴的な機能を有する制御装置30について詳細に説明する。図2は、本実施形態にかかる情報表示システム1の各装置の構成を示す機能構成図である。
【0028】
上述したように、情報表示システム1は、情報入力装置10と、リーダ/ライタ20と、制御装置30と、表示装置40などから構成される。上述したように、情報入力装置10に入力されたユーザの外出情報がリーダ/ライタ20を介して制御装置30に送信される。また、情報入力装置10の識別情報もリーダ/ライタ20を介して制御装置30に送信される。
【0029】
ここで、図3および図4を参照して、情報入力装置10における、ユーザの外出情報入力方法について説明する。図3は、情報入力装置10におけるユーザの外出情報の入力を説明する説明図である。情報入力装置10は、上述したように、携帯可能な携帯電話等の情報処理装置であり、表示画面102と入力ボタン104等から構成される。
【0030】
図4に表示画面102の一例を示した。表示画面102には、例えば、ユーザの外出先である、行先110と、帰社時間114などが表示される。行先110は、「1:A社、2:B社、3:C社・・・」のように、ユーザが行先110を選択できるようにしてもよい。帰社時間114についても、「1:12:00、2:12:30、3:13:00」のように、ユーザが帰社時間114を選択できるようにしてもよい。また、表示画面102に選択項目の一覧が表示されてもよいし、プルダウンメニューにより表示されるようにしてもよい。また入力ボタン104を押下することにより、行先110と帰社時間114が直接入力されるようにしてもよい。
【0031】
ユーザの外出情報は、上記した行先110と帰社時間114のみでもよいし、ユーザの外出に関する情報であれば、同行者、経路、利用交通機関、滞在先、連絡先などを含んでもよい。ユーザは、これらの外出情報のすべてを入力してもよいし、外出情報のうちのいずれかについてのみ入力してもよい。
【0032】
上記の如く情報入力装置10により入力された外出情報と、情報入力装置10の識別情報とがリーダ/ライタ20に送信される。具体的には、ユーザが、情報入力装置10をリーダ/ライタ20にかざして、情報入力装置10に搭載されたICチップとリーダ/ライタ20との間で非接触通信を行う。リーダ/ライタ20は、情報入力装置10と相互認証することにより情報入力装置10の識別情報を取得する。当該識別情報の取得については、後で詳細に説明する。
【0033】
図2に戻り、制御装置30は、情報取得部302と、識別情報判定部304と、ユーザ情報決定部306と、ユーザ情報テーブル308と、外出情報テーブル310と、送信部312と、を備える。制御装置30は、上述したように、リーダ/ライタ20を介して取得した外出情報と情報入力装置10の識別情報とから、取得した外出情報を表示装置40に表示させるか否かを判定する。そして、外出情報を表示装置40に表示させる場合には、当該外出情報を表示装置40に送信する機能を有する。以下、制御装置30の各機能について詳細に説明する。
【0034】
情報取得部302は、リーダ/ライタ20と接続して、情報入力装置10に入力されたユーザの外出情報を取得する機能を有する。また、リーダ/ライタ20が情報入力装置10と相互認証することにより取得した情報入力装置10の識別情報を取得する機能を有する。情報取得部302は、取得したユーザの外出情報と情報入力装置10とを識別情報判定部304に提供する。
【0035】
ユーザ情報テーブル308は、情報入力装置10の識別情報と、情報入力装置10に対応するユーザ情報とを関連付けて保持する機能を有する。図5は、ユーザ情報テーブル308の保持内容を示した説明図である。ユーザ情報テーブル308には、情報入力装置10を識別する情報入力装置識別情報3082と、情報入力装置10を利用するユーザを識別するユーザ識別情報3084とが関連付けて保持されている。ユーザ識別情報3084は、情報入力装置10を利用するユーザを識別する情報であり、例えば企業の各従業者を識別する従業者IDであってもよい。また、ユーザ情報テーブル308において、ユーザ識別情報3084とともに、ユーザ氏名を関連付けて記憶するようにしてもよい。本実施形態では、ユーザ識別情報3084とユーザ氏名を総称してユーザ情報ともいう。
【0036】
ユーザ情報テーブル308は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R(Compact Disc Recordable)/RW(ReWritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)/RW/+R/+RW/RAM(Ramdam Access Memory)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0037】
図2に戻り、識別情報判定部304は、情報取得部302により取得された情報入力装置10の識別情報と、ユーザ情報テーブル308の情報入力装置10の識別情報とが一致するか否かを判定する。そして、当該判定の結果をユーザ情報決定部306に提供する機能を有する。
【0038】
ユーザ情報決定部306は、ユーザ情報テーブル308に基づいて、情報取得部302により取得された情報入力装置10の識別情報に対応するユーザ識別情報を決定する機能を有する。具体的には、識別情報判定部304により、情報取得部302により取得された情報入力装置10の識別情報と、ユーザ情報テーブル308の情報入力装置10の識別情報とが一致していると判定された場合には、当該識別情報に関連付けられたユーザ識別情報をユーザ情報テーブル308から取得する。識別情報が一致しない場合には、情報入力装置10の識別情報に対応するユーザは表示装置40に表示を許可されたユーザではないため、ユーザ情報決定部306は、ユーザ識別情報の取得等を行わない。
【0039】
外出情報テーブル310は、ユーザ識別情報を含むユーザ情報と、情報取得部302により取得された外出情報とを関連付けて保持する機能を有する。図6は、外出情報テーブル310の保持内容を示した説明図である。外出情報テーブル310には、各ユーザを識別するユーザ識別情報3102と、ユーザの氏名3104と、行先(外出先)3106と、帰社時間3108とが関連付けて保持されている。行先3106および帰社時間3108は、情報取得部302により取得された外出情報である。
【0040】
上記したように、外出情報は、行先3106と帰社時間3108のみでもよいし、同行者、経路、利用交通機関、滞在先、連絡先などでもよい。外出情報テーブル310においては、これらの外出情報が、ユーザ識別情報3102と関連付けて保持されることとなる。本実施形態では、ユーザ情報テーブル308と外出情報テーブル310とは別のテーブルとしたが、ユーザ情報テーブル308と外出情報テーブル310とを一のテーブルとしてもよい。この場合には、情報入力装置の識別情報をキーとして、ユーザ情報と外出情報とを保持するようにしてもよい。
【0041】
ユーザ情報テーブル308は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R(Compact Disc Recordable)/RW(ReWritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)/RW/+R/+RW/RAM(Ramdam Access Memory)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0042】
図2に戻り、ユーザ情報決定部306は、情報入力装置10の識別情報に関連付けられたユーザ識別情報を決定し、当該ユーザ識別情報と上記した外出情報とを関連付けて外出情報テーブル310に保持させるようにしてもよい。また、外出情報を外出情報テーブル310に保持させずに、ユーザ情報とともに送信部312に提供するようにしてもよい。また、一度外出情報テーブル310に保持された外出情報を書き換えて、書き換えた外出情報を、ユーザ情報とともに送信部312に提供するようにしてもよい。
【0043】
送信部312は、ユーザ情報決定部306により提供されたユーザ情報と外出情報とを表示装置40に提供する機能を有する。また、送信部312は、外出情報テーブル310に保持されたユーザ情報と外出情報とを取得して、表示装置40に送信するようにしてもよい。
【0044】
表示装置40は、送信部312により送信されたユーザ情報と外出情報とを対応付けて表示する機能を有する。表示装置40は、液晶ディスプレイ(LCD)や電光掲示板、電子ペーパー等の表示装置である。送信部312により送信されるユーザ情報には、ユーザの氏名のみ含まれるようにしてもよい。また、外出情報のすべてを表示させるようにしもよいし、一部を表示させるようにしてもよい。
【0045】
以上、本実施形態にかかる情報表示システム1の各装置の機能構成について説明した。上記制御装置30は、リーダ/ライタ20を介して情報入力装置10から取得した情報入力装置10の識別情報が、ユーザ情報テーブル308に保持されているか否かを判定し、保持されていた場合に、情報入力装置10の識別情報に対応するユーザ情報と外出情報とを表示装置40に表示させることができる。これにより、情報入力装置10を用いた簡易な入力により表示装置40にユーザの外出情報を表示するとともに、表示装置40に表示を許可されたユーザの外出情報のみを表示させることが可能となる。さらに、一度表示された外出情報を書き換えることも可能となるが、その際には、情報入力装置10とリーダ/ライタ20との間で相互認証することにより、外出情報を入力したユーザ以外が当該外出情報を書き換えることができないため、表示された外出情報の信頼性を向上させることができる。すなわち、認証によって使用可能なユーザが限定されるため、使用可能なユーザ以外の他人に表示内容が改ざんされないこととなる。
【0046】
次に、図7および図8を参照して、情報入力装置10とリーダ/ライタ20との相互認証について説明する。図7は、情報入力装置10とリーダ/ライタ20との相互認証の流れを説明するタイミングチャートである。リーダ/ライタ20は、通信範囲内に、非接触通信可能なICチップを搭載した情報入力装置10が存在するか否かを探索する(ポーリング)(ステップS102)。ステップS102において、リーダ/ライタ20から情報入力装置10にポーリングコマンドが送信されると、情報入力装置10は、情報入力装置10の識別情報をリーダ/ライタ20に送信する(S104)。ステップS104において、情報入力装置10の識別情報が送信されることにより、後述する相互認証やデータ送信が開始されることとなる。
【0047】
そして、リーダ/ライタ20は、認証コマンド1を情報入力装置10に送信し(S106)、情報入力装置10は、当該送信に対して応答する(S108)。さらに、リーダ/ライタ20は、認証コマンド2を情報入力装置10に送信し(S110)、情報入力装置10は、当該送信に対して応答する(S112)。これらの認証コマンド1および認証コマンド2の送信および応答により、情報入力装置10とリーダ/ライタ20との間でセキュリティを確保してデータを送受信することが可能となる。
【0048】
ステップS106からステップS112までの、情報入力装置10とリーダ/ライタ20との相互認証が行われた後に、リーダ/ライタ20は、送信データを暗号化するための暗号化リードコマンドを情報入力装置10に送信する(S114)。ステップS114において暗号化リード/コマンドを送信された情報入力装置10は、情報入力装置10の識別情報と、ユーザにより入力された外出情報とをリーダ/ライタ20に送信する(S116)。以上、情報入力装置10とリーダ/ライタ20との相互認証の流れを説明した。
【0049】
次に、図8を参照して、情報入力装置10の認証と、制御装置30および表示装置40の表示処理について説明する。図8は、情報入力装置10の認証と、制御装置30および表示装置40の表示処理について説明するフローチャートである。制御装置30は、まず、情報入力装置10の識別情報が制御装置30内に保持された識別情報と一致するか否かを判定する(S120)。ステップS120において、識別情報が一致した場合には、リーダ/ライタ20との間で行われた認証コマンド1の送信による認証(認証1)が正当であるか否かを判定する(S122)。さらに、ステップS122において認証コマンド1の送信による認証が正当である場合には、認証コマンド2の送信による認証(認証2)が正当であるか否かを判定する(S124)。ステップS124において。認証コマンド2の送信による認証(認証2)が正当である場合には、表示装置40に外出情報を表示させる処理を実行する(S126)。
【0050】
ステップS122において情報入力装置の識別情報が一致しなかった場合、ステップS122において認証1が正当ではない場合、ステップS124において認証2が正当ではない場合には、表示装置40に外出情報を表示させる処理を実行しない(S128)。以上、情報入力装置10の認証と、制御装置30および表示装置40の表示処理について説明した。
【0051】
次に、図9を参照して、情報表示システム1における各装置の間の情報の流れを説明する。図9は、情報表示システム1における情報入力装置10、リーダ/ライタ20、制御装置30、表示装置40の間の情報の流れを示すタイミングチャートである。まず、情報入力装置10によりユーザ入力がなされる(S202)。すなわち、ステップS202において、情報入力装置10に外出情報が入力される。ステップS202において入力された外出情報と、情報入力装置10の識別情報がリーダ/ライタ20に送信される(S204)。ステップS204において送信された外出情報と識別情報とを、リーダ/ライタ20が取得する(S206)。ステップS206においてリーダ/ライタ20により取得された外出情報と識別情報は、制御装置30に送信される(S208)。
【0052】
ステップS208において送信された情報入力装置10の識別情報に対応するユーザ情報を決定する(S210)。制御装置30は、ステップS210において決定したユーザ情報とともに、ステップS208において送信された外出情報を送信する(S212)。表示装置40は、ステップS212において送信されたユーザ情報と外出情報とを対応付けて表示する(S214)。以上、情報表示システム1における情報の流れについて説明した。
【0053】
次に、図10を参照して、制御装置30における情報表示制御方法について説明する。図10は、制御装置30における情報表示制御方法を示すフローチャートである。制御装置30は、まず、情報入力装置10の識別情報と情報入力装置10により入力された外出情報を取得する(S302)。ステップS302において取得された情報入力装置10の識別情報が、制御装置30内に保持されている情報入力装置10の識別情報と一致するか否かを判定する(S304)。ステップS304の判定の結果、識別情報が一致すると判定された場合には、当該識別情報に対応するユーザ情報を決定する(S308)。ステップS304の判定の結果、識別情報が一致しないと判定された場合には、処理を終了する。
【0054】
ステップS308において決定されたユーザ情報と、外出情報とを対応付けて、外出情報テーブル310に書き込む(S310)。ステップS310において書き込まれたユーザ情報と外出情報とを表示装置40に送信する(S312)。ステップS312において送信される外出情報は、ステップS310において外出情報テーブル310に書き込まれた外出情報でもよいし、ステップS302において取得した外出情報であってもよい。以上、制御装置30における情報表示制御方法について説明した。
【0055】
以上説明したように、本実施形態にかかる情報表示システムによれば、情報入力装置への簡易な入力により、表示装置にユーザの外出情報を表示することが可能となる。これにより、ホワイトボード等に手書きで外出情報を記入する煩わしさを省くことができる。また、制御装置内に、情報入力装置の識別情報とユーザ情報とが対応付けられて保持されているため、取得した情報入力装置の識別情報が保持されているか否かによりユーザ認証をすることができる。また、情報入力装置の識別情報は、情報入力装置とリーダ/ライタとの相互認証により取得されるため、ユーザ自身がユーザID等の入力をすることなくユーザ認証を行うことが可能となる。また、認証によって使用可能なユーザが限定されるため、使用可能なユーザ以外の他人に表示内容が改ざんされない。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
例えば、上記実施形態では、情報入力装置に入力された外出情報が表示装置に表示されることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、情報入力装置が、リーダ/ライタを介して、表示装置に表示された情報を取得するようにしてもよい。外出情報としては、上記したように、行先と帰社時間以外の情報を含めることができるため、表示装置には行先と帰社時間のみを表示し、外出情報テーブルには行先と帰社時間以外の情報も保持されている場合が考えられる。その場合に、外出情報テーブルに保持された情報を、情報入力装置が取得することができるようにしてもよい。この場合においても、ユーザ認証をして情報の取得をすることができるため、外出情報のセキュリティを確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態にかかる情報表示システムの概要を示す説明図である。
【図2】同実施形態にかかる情報表示システムの各装置の構成を示す機能構成図である。
【図3】同実施形態にかかる情報入力装置における外出情報入力方法を説明する説明図である。
【図4】同実施形態にかかる情報入力装置の表示画面の一例を示す説明図である。
【図5】同実施形態にかかるユーザ情報テーブルの保持内容を示した説明図である。
【図6】同実施形態にかかる外出情報テーブルの保持内容を示した説明図である。
【図7】同実施形態にかかる情報入力装置とリーダ/ライタとの相互認証の流れを説明するタイミングチャートである。
【図8】同実施形態にかかる情報入力装置の認証と、制御装置および表示装置の表示処理について説明するフローチャートである。
【図9】同実施形態にかかる情報表示システムにおける各装置の間の情報の流れを説明するタイミングチャートである。
【図10】同実施形態にかかる情報表示制御方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
10 情報入力装置
20 リーダ/ライタ
30 制御装置
40 表示装置
302 情報取得部
304 識別情報判定部
306 ユーザ情報決定部
308 ユーザ情報テーブル
310 外出情報テーブル
312 送信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触通信可能なICチップを搭載した情報入力装置と、前記情報入力装置と非接触通信可能なリーダ/ライタと、前記リーダ/ライタと接続された制御装置と、前記制御装置と接続された表示装置とを備えた情報表示システムであって:
前記情報入力装置は、ユーザ入力された外出情報と、前記情報入力装置の識別情報とをリーダ/ライタに送信し、
前記制御装置は、
1又は2以上の前記情報入力装置の識別情報と、前記情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けたユーザ情報テーブルを保持し、
前記ユーザ情報テーブルに基づいて、前記情報入力装置から前記リーダ/ライタを介して取得した前記識別情報に対応する前記ユーザ情報を決定し、
前記ユーザ情報と、前記情報入力装置から前記リーダ/ライタを介して取得した前記外出情報を表示装置に送信し、
前記表示装置は、前記制御装置から受信した前記ユーザ情報と前記外出情報とを対応付けて表示することを特徴とする、情報表示システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記リーダ/ライタを介して取得した前記情報入力装置の識別情報と前記ユーザ情報テーブルの前記情報入力装置の識別情報とが一致するか否かを判定し、
前記識別情報が一致していた場合に、前記識別情報に対応する前記ユーザ情報を決定し、前記ユーザ情報と前記外出情報とを前記表示装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
1又は2以上の前記ユーザ情報と、前記外出情報とを関連付けた外出情報テーブルを保持することを特徴とする、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記外出情報は、少なくともユーザの外出先と帰社時間とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、少なくともユーザを識別するユーザ識別情報と、ユーザの氏名とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項6】
情報入力装置と非接触通信可能な情報表示装置であって:
前記情報入力装置から入力された外出情報と前記情報入力装置の識別情報とを取得する情報取得部と;
1又は2以上の前記情報入力装置の識別情報と前記情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けて保持するユーザ情報テーブルと;
前記ユーザ情報テーブルに基づいて、前記情報取得部により取得された前記識別情報に対応するユーザ情報を決定するユーザ情報決定部と;
前記ユーザ情報と、前記情報取得部により取得された前記外出情報とを対応付けて表示する表示部と;
を備えることを特徴とする、情報表示装置。
【請求項7】
前記情報入力装置の識別情報と前記ユーザ情報テーブルの前記情報入力装置の識別情報とが一致するか否かを判定する識別情報判定部を備え、
前記ユーザ情報決定部は、前記識別情報が一致していた場合に、前記識別情報に対応する前記ユーザ情報を決定することを特徴とする、請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項8】
1又は2以上の前記ユーザ情報と、前記外出情報とを関連付けて保持する外出情報テーブルを備えることを特徴とする、請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記外出情報は、少なくともユーザの外出先と帰社時間とを含むことを特徴とする、請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記ユーザ情報は、少なくともユーザを識別するユーザ識別情報と、ユーザの氏名とを含むことを特徴とする、請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項11】
情報入力装置と非接触通信可能な情報表示装置において実行される情報表示制御方法であって:
前記情報入力装置から入力された外出情報と前記情報入力装置の識別情報とを取得するステップと;
1又は2以上の前記情報入力装置の識別情報と前記情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けて保持するステップと;
前記ユーザ情報テーブルに基づいて、前記取得した情報入力装置の識別情報に対応するユーザ情報を決定するステップと;
前記ユーザ情報と、前記取得された外出情報とを対応付けてを表示するステップと;
を含むことを特徴とする、情報表示制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、
情報入力装置と非接触通信可能な情報表示装置であって:
前記情報入力装置から入力された外出情報と前記情報入力装置の識別情報とを取得する情報取得部と;
1又は2以上の前記情報入力装置の識別情報と前記情報入力装置に対応するユーザ情報とを関連付けて保持するユーザ情報テーブルと;
前記ユーザ情報テーブルに基づいて、前記情報取得部により取得された前記識別情報に対応するユーザ情報を決定するユーザ情報決定部と;
前記ユーザ情報と、前記情報取得部により取得された前記外出情報とを対応付けて表示する表示部と;
を備える情報表示装置として機能させるための、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−151679(P2009−151679A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330659(P2007−330659)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504134520)フェリカネットワークス株式会社 (129)
【Fターム(参考)】