説明

情報表示器、及び情報表示システム

【課題】複数の情報表示器を冊子状に綴った状態で個別に識別可能で、且つ識別した該当する情報表示器に所定の情報を表示させる。
【解決手段】情報表示器110は、制御装置と連結される連結機構とを有する。連結機構は、制御装置と電気的に接続される導通部分と、制御装置と電気的に絶縁された絶縁部分と、を有する。導通部分には、制御信号を受信する制御信号受信部が形成されている。導通部分と絶縁部分との配置パターンと、制御信号受信部によって受信した制御信号とに基づいて、情報表示器自身の表示情報を書き換えるか書き換えないかを決定するように構成された判定回路を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示用電極と、複数の表示用電極の間に配置され、且つ表示用電極間に印加された電圧によって駆動される表示媒体とを有する情報表示器、及び複数の情報表示器が一纏めに綴られた冊子型の情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも観察側となる基板が透明な2枚の基板を対向させて形成した空間に、電気的に駆動できる表示媒体を配置した情報表示パネルが情報表示器として知られている。
【0003】
更に、紙と同様に、複数の情報表示器を見開き可能に綴った情報表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような情報表示装置によれば、情報表示器を冊子のように利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−162902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載された情報表示装置では、次のような問題点があった。すなわち、情報表示装置の各情報表示器を一度見開きにしなければ、本体に認識されず、各情報表示器に表示させる情報の書き換えを行うことができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の情報表示器を冊子状に綴った状態で個別に識別可能で、且つ該当する情報表示器に所定の情報を表示させることができる情報表示器、及び情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明の特徴は、少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を備える2つの基板と、前記2つの基板の間に対向して配置された複数の表示用電極と、複数の前記表示用電極間に配置されており前記表示用電極間に印加した電圧によって駆動される表示媒体と、前記表示用電極と電気的に接続されており制御装置から送信される制御信号によって前記情報表示領域に情報を表示するように前記表示用電極間に電圧を印加する駆動回路と、前記制御装置と連結される連結機構とを有する情報表示器であって、前記連結機構は、前記制御装置と電気的に接続される導通部分と、前記制御装置と電気的に絶縁された絶縁部分と、を有し、前記導通部分には、前記制御信号を受信する制御信号受信部が形成されており、前記導通部分と前記絶縁部分との配置パターンと、前記制御信号受信部によって受信した制御信号とに基づいて、当該情報表示器自身の表示情報を書き換えるか書き換えないかを決定するように構成された判定回路を有することを要旨とする。
【0008】
本発明の特徴によれば、情報表示器が備える判定回路が、導通部分と絶縁部分との配置パターンと、制御信号受信部によって受信した制御信号とに基づいて、その情報表示器の表示情報を書き換えるか書き換えないかを決定する。このため、制御装置は、導通部分と絶縁部分との配置パターンと、制御装置が送信した制御信号とに基づいて、特定した所定の情報表示器に情報を表示させる処理を行わせることができる。
【0009】
また、本発明の特徴によれば、制御装置に連結される全ての情報表示器の駆動回路に向けて制御信号を送信し、表示情報を書き換えることになった情報表示器のみにおいて書き換えを実行することができる。これにより、制御装置と複数の情報表示器との電気的な接続部を共通化できる。従って、1台の制御装置と複数の情報表示器とを連結する連結機構に電気的な接続部を設けて、複数の情報表示器を綴じた構造の冊子を形成することができる。
【0010】
本発明に係る情報表示システムは、複数の情報表示器と、複数の前記情報表示器に情報を表示するように制御する制御装置と、を備え、前記情報表示器の各々は、少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を備える2つの基板と、前記2つの基板の間に対向して配置された複数の表示用電極と、複数の前記表示用電極間に配置されており前記表示用電極間に印加された電圧によって駆動される表示媒体と、前記表示用電極と電気的に接続されており制御装置から送信される制御信号によって前記情報表示領域に情報を表示するように前記表示用電極間に電圧を印加する駆動回路と、を備え、前記制御装置は、前記情報表示器の各々と連結される制御装置側連結機構を有し、前記制御装置側連結機構には、前記制御信号を送信する制御信号送信部が形成され、前記情報表示器の各々は、前記制御装置と連結される情報表示器側連結機構を有し、前記情報表示器側連結機構は、前記制御装置と電気的に接続される導通部分と、前記制御装置と電気的に絶縁された絶縁部分と、を有し、前記導通部分には、前記制御信号を受信する制御信号受信部が形成されており、前記情報表示器の各々は、前記導通部分と前記絶縁部分との配置パターンと、前記制御信号受信部によって受信した制御信号とに基づいて、当該情報表示器自身の表示情報を書き換えるか書き換えないかを決定するように構成された判定回路を有しており、前記情報表示器側連結機構における前記導通部分と前記絶縁部分の配置パターンは、前記情報表示器毎に異なっていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の情報表示器を冊子状に綴った状態で個別に識別可能にして、見開いていない状態(綴じられた冊子を閉じている状態)であっても該当する情報表示器に所定の情報を表示させることができる情報表示器および複数の情報表示器で構成される情報表示システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの情報表示器を説明する平面図である。
【図5】図5は、図4に示す情報表示器のA−A線における断面図である。
【図6】図6は、実施形態に係る情報表示器の判定回路の回路構成を部分的に拡大した部6分拡大図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に係る情報表示器の断面図である。
【図8】図8は、実施形態に係る情報表示器の孔部の拡大図である。
【図9】図9は、実施形態に係る情報表示器の識別信号受信部の判定回路構成を説明する回路図である。
【図10】図10は、実施形態に係る情報表示器に配置される駆動回路と、駆動回路に接続される接続線を説明する図である。
【図11】図11は、制御装置が複数の情報表示器のうち所定の情報表示器に情報を表示する処理を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、制御装置側連結機構の変形例を説明する図である。
【図13】図13は、制御装置側連結機構の変形例を説明する図である。
【図14】図14は、制御装置側連結機構の変形例を説明する図である。
【図15】図15は、制御装置側連結機構において電気を導通するための構造の変形例を説明する図である。
【図16】図16は、図15のD−D線における断面図である。
【図17】図17(a)は、図15,16に示す変形例に対応する孔部を説明する平面図であり、図17(b)は、孔部の変形例を説明する平面図である。
【図18】図18は、本実施形態に係る情報表示システムに適用可能な情報表示器の一例を説明する概略斜視図である。
【図19】図19は、情報表示システムの機能ブロック構成図である。
【図20】図20は、情報表示システムに適用可能な情報表示器の一例である粒子移動型の情報表示器の一部を分解して示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る情報表示器の一例及び制御装置の一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)情報表示システムの概略構成、(2)情報表示器の概略構成、(3)識別信号受信部の構成、(4)判定回路の回路構成、(5)情報表示器に情報を表示する処理、(6)作用・効果、(7)連結機構の変形例、(8)連結機構の導通構造の変形例、(9)情報表示器の概略構成、(10)その他実施形態について説明する。
【0014】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。具体的な寸法などは、以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
(1)情報表示システムの概略構成
図1は、情報表示システム100の概略構成を示す斜視図である。図2は、情報表示システム100の分解斜視図である。図3は、情報表示システム100の断面図である。情報表示システム100は、複数の情報表示器110と、複数の情報表示器110に対する情報の表示を制御する制御装置120とを備える。実施形態では、制御装置120は、外装体Cを構成している。制御装置120は、CPU20、グラフィックコントローラ30、メモリなどを備えており、情報表示器110への情報の表示を制御する。
【0016】
実施形態に係る情報表示システム100では、制御装置120には、外装体Cから突出した複数の突出部121が形成されており、複数の情報表示器110には孔部(貫通孔)110hが形成されている。孔部110hに突出部121が貫通されることにより、情報表示器110が制御装置120に取り付けられる。複数の情報表示器110は、制御装置120に冊子状に綴られている。また、制御装置120には、パーソナルコンピュータ(PC)、その他の電子機器、記憶装置などと接続可能な接続端子が設けられていてもよい(不図示)。
【0017】
さらにまた、情報表示を実行する時に必要な電源供給は、外装体Cにシート電池やコイン型電池などの電源を搭載して制御装置120と接続させたり、外装体Cに設けた制御装置120と接続した接続端子に外部電源を接続させたりして行うことができる。
【0018】
図1には、冊子状に綴じられた情報表示器の外装体Cに制御装置120を設けた構成を示したが、制御装置120を、冊子状に綴じられた情報表示器とは別体として、外装体Cに設けられた接続端子に接続して情報表示を実行する構成の情報表示システムとしてもよい。
【0019】
実施形態では、突出部121は、情報表示器110が積層して載置される外装体Cの載置部Caから突出し、一方向に並列して形成されている。突出部121のうちのいくつかは、導電性の部材を備えて形成されており、CPU20などの電子デバイスと電気的に接続されている。また、孔部110hは、情報表示器110の一辺に並列して所定数形成されており、孔部110hのうちのいくつかは、導電性の部材を備えて形成されており、導電性を備えた突出部121と電気的に接続可能に構成されている。突出部121と孔部110hとは互いに係合可能に構成されている。
【0020】
実施形態では、突出部121と孔部110hとは、互いに係合することによって、情報表示器110と制御装置120とを機械的に連結するとともに、情報表示器110と制御装置120とを電気的に接続する。制御装置120は、複数の情報表示器110を一纏めに綴るとともに、情報表示器110と電気的に接続されている。すなわち、導電性の部材を備えた突出部121と導電性の部材を備えた孔部(貫通孔)110hとは、情報表示器110と制御装置120との物理的、機械的に連結する部分であって、かつ電気的に接続する部分である。導電性の部材を備えない突出部121と導電性の部材を備えない孔部(貫通孔)110hとは、情報表示器110と制御装置120とを専ら、物理的、機械的に連結する部分となる。実施形態において、突出部121は、制御装置側連結機構を構成し、孔部110hは、情報表示器側連結機構を構成する。突出部121および孔部110hのいくつかを、専ら物理的、機械的係合構造を形成する構造部材として、電気的接続とは無関係に形成することができる。
【0021】
図1に示す情報表示システム100は、少なくとも表面が絶縁性の材料で形成された留め具130を備える。突出部121に孔部110hが挿通されることによって積層された情報表示器110は、絶縁性の留め具130によって、導電部分が形成された突出部121同士がリークしない状態で固定されている。
【0022】
(2)情報表示器の概略構成
図4は、情報表示器110を説明する平面図である。実施形態において、情報表示器110は、矩形状の薄いパネル型であって、電子ペーパーなどとして用いることができる。ここで言う矩形状は、ノート用紙などで一般的に知られている形状であり、角部が丸くカットされていたり、角部が少し直線的にカットされていたりすることを含む。情報表示器110には、情報が表示される情報表示領域110aが形成されている。
【0023】
図5は、図4に示す情報表示器110のA−A線における断面図である。情報表示器110は、一対の基板(観察側基板181,背面側基板182)を備える。観察側基板181は、透明である。情報表示領域110aは、観察側基板181に形成される。観察側基板181には、観察側電極(図4、図5には不図示)が形成されている。また、背面側基板182には、背面側電極192が形成されている。一対の表示用電極(観察側電極、背面側電極)が形成された一対の基板間には、所定の間隔(ギャップ)が形成されており、観察側電極と背面側電極との間には、表示媒体層115が配置されている。
【0024】
図2では、各情報表示器の向きを揃えて、すなわち、各情報表示器の表示画面を上にして重ねている様子を示しているが、2枚の情報表示器の背面側を貼り合せ、表裏の両面に表示画面を備えた情報表示器としてもよい。この場合にも貼り合わされた2枚の情報表示器において、絶縁部分として例えば設ける切欠部300の配置位置および配置個数で決まる絶縁部分と導通部分との配置パターンは異なる。
【0025】
表示媒体層115は、帯電性粒子を含んだ粒子群が表示媒体として配置されている気体層(真空層を含む)または液体層であったり、コレステリック液晶層であったりする。いずれも表示メモリ性を備え、無給電状態でも表示させた情報(画像)を保持できる。実施形態では、表示媒体は、帯電特性及び光学的反射率を有する少なくとも2種類の粒子群であり、例えば、負帯電性白色粒子又は正帯電性黒色粒子とされている。これらの帯電性粒子は、基板間に印加された電圧で形成された電界によって観察側電極に(または背面側電極)に向けて気体中(真空中を含む)または液体中を移動する。実施形態では、背面側基板182は、情報表示領域110aよりも広く形成されており、情報表示器110の骨格をなす。背面側基板182には、電極117を介して、駆動回路200が配置されている。電極117及び駆動回路200は、絶縁膜118によって被覆されている。実施形態で適用可能な情報表示器110の一例については、後述する。
【0026】
情報表示器110は、平面において、情報表示領域110aの外側に複数の駆動回路200a〜200eを備える。駆動回路200a〜200eは、ドライバICとも呼ばれるものであり、このドライバICはOUTPUT(パネルへの信号出力)を無効にする機能を備えており、後述する観察側電極と背面側電極との間に印加する電圧を制御することによって、情報表示領域110aに所望の情報を表示させる。情報表示領域110aの外側の孔部110hのいくつかの箇所には、情報表示器110のページ番号と対応させるように切欠部(絶縁部分)300が形成されている。従って、情報表示システムが備える複数の情報表示器においてこの切欠部(絶縁部分)が設けられた孔部110hの配置位置および配置個数によるパターンはそれぞれ異なる。制御装置側に備えるCPU20から複数の情報表示器がそれぞれに備える駆動回路に対して制御信号が送信される。制御信号は、後述する判定回路に送信される識別信号と、情報表示器110に表示する描画データを含む描画データ信号とを含む。
【0027】
本実施形態では、制御装置の複数の突出部121は、識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lと、導通接続部124a、124c、124e、124g、124i、124kと、係合部123Xと、を有する。識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lは、CPUからの制御信号に含まれる識別信号をすべての情報表示器110に対して送信する。各情報表示器110は、送信された識別信号について判定回路310によって、自身が表示する制御信号(描画データ信号)であるか、そうでない制御信号(描画データ信号)であるかを判定する。この判定方法については、図9等を用いて詳細に後述する。
【0028】
導通接続部124a、124c、124e、124g、124i、124kは、情報表示器110の後述する導通接続部と電気的に接続される。係合部123Xは、情報表示器110の孔部(貫通孔)1131Xに挿入されて、複数の情報表示器110を束ねる機能を有する。なお、本実施の形態では、複数の突出部121のうち、両端の突出部121を係合部123Xとして構成しているが、係合部123Xは、別の突出部121によって構成してもよいし、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、突出部121は、係合部123Xを備えていなくてもよい。
【0029】
本実施形態では、情報表示器110の複数の孔部(貫通孔)110hは、導電性の部材を備えて導通部分を構成する孔部と、導電性の部材を備えずに導通部分を構成しない孔部とを有する。導通部分を構成する孔部は、突出部121の識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lに対応して識別信号を受信する識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lと、制御装置の導通接続部124a、124c、124e、124g、124i、124kと電気的に接続される導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131kとを有する。導通部分を構成しない孔部は、制御装置の係合部123Xが挿入され、制御装置と情報表示器110とを物理的、機械的に接続するための係合孔部(貫通孔)1131Xである。
【0030】
係合孔部1131Xは、機械的係合にのみ用いる孔部であり、導電性の部材を備えていない孔部とすることができるが、もちろん、導電性の部材を備えた孔部とすることもできる。係合部123Xは機械的係合にのみ用いる突出部であり、導電性の部材を備えていない突出部とすることができるが、もちろん、導電性の部材を備えた突出部とすることもできる。なお、本実施の形態では、複数の孔部110hのうち係合部に対応する両端の孔部を係合孔部1131Xとして構成しているが、係合孔部1131Xは、導電性の部材を備える別の孔部よって構成してもよいし、導電性の部材を備えない孔部によって構成してもよいし、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、情報表示器110は、係合孔部1131Xを備えていなくてもよい。
【0031】
図6は、情報表示器110の識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lと、識別信号受信部以外の導通部分である導通接続部1131a、1131c(不図示、絶縁部分1132(切欠部300)として図示)、1131e、1131g、1131i、1131kおよび情報表示器が備える判定回路の構成を示した部分拡大図である。図7(a)は、識別信号送信部123h及び識別信号受信部1131hを通る断面における情報表示器の部分断面図であり、図7(b)は、導通接続部124c及び絶縁部分1132(切欠部300)を通る断面における情報表示器の部分断面図である。
【0032】
情報表示器110において、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131l(図中、●印の部分)以外の導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131k(図中、○印の部分)において絶縁部分が形成される。ここでは、別の情報表示器においては導通部分となる1131cの部分に、切欠部300として絶縁部分1132が形成されている。識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131l及び導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131kは、互いに隣接配置されて判定回路を構成している。
【0033】
この判定回路を構成している識別信号受信部以外の導通部分において、絶縁部分として例えば設ける切欠部300の配置位置および配置個数で決まる絶縁部分と導通部分との配置パターンは、情報表示器ごとに異なる。導電性の部材を備えた突出部121のうち導通接続部124cは、切欠部300において、情報表示器110と電気的に接続されない。すなわち、切欠部300は絶縁部分1132を構成する。
【0034】
(3)識別信号受信部の構成
情報表示器110の判定回路を構成する導通部分は、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lと、導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131kとで構成される。導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131kには、絶縁部分1132(例えば切欠部300)が少なくとも一つ設けられる。識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lは、識別信号を送信する制御装置120の識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lと電気的に接続される。導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131kは、制御装置120の導通接続部124a、124c、124e、124g、124i、124kと電気的に接続されるが、この情報表示器110において導電部分1131cは、絶縁部分1132とされるので、制御装置120の導通接続部124cと電気的に絶縁される。
【0035】
図6の絶縁部分1132は切欠部として示しているが、切り欠きではなく孔部(貫通孔)とすることもできる。絶縁部分1132が切り欠きではなく孔部(貫通孔)として形成される孔部110hにおいては導電性部材を少なくとも孔の内側に露出させない。そしてその孔径は、対応する位置にある制御装置側の導電性の部材を備えた突出部である導通接続部124cの直径よりも大きい。
【0036】
絶縁部分1132を孔部(貫通孔)として形成する場合、貫通孔の孔径は、導通接続部1131a、1131b、1131d、1131e、1131f、1131g、1131h、1131i、1131j、1131k、1131lが形成された貫通孔の孔径よりも大きくする。実施形態では、絶縁部分1132は、貫通孔を円形ではなく貫通孔の面積よりも大きな面積の矩形に切り欠いた切欠部300としている。導通接続部1131cとなる孔部110hにおいて孔径を大きくして形成した孔部110hは、導通接続部124cに接触しないので電気的に絶縁される絶縁部分1132となる。
【0037】
なお、図6では切欠部300を設けて絶縁部分1132を形成している例を示しているが、図6において、導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131kから論理回路側に延びる配線を断線させて絶縁部分1132を形成してもよい。この場合には、絶縁部分1132とする孔部110hも他の導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131kとする孔部110hと同様に設けておくことができる。
【0038】
図8は、情報表示器110の平面視において導電性の部材を備えた孔部110h(導通接続部1131aが形成された孔部)を拡大した拡大図である。情報表示器110の背面側(ここでは背面側基板182)に形成された孔部110hは、貫通されている。図8に示すように、電極117は、露出部117aを有する。露出部117aは、孔部110hの中心に向けて突出し、露出している。露出部117aは、導電性の部材を備えた突出部(図2では121)と接触することにより、情報表示器110と制御装置120とが電気的に導通可能になる。図5に示す例では、孔部110hを情報表示器の背面側基板に設けているが、孔部110hは、情報表示器の一辺に実装されたテープキャリアパッケージ(TCP)やフレキシブル回路基板(FPC)に設けることもできる。
【0039】
(4)判定回路の回路構成
図9は、実施形態に係る情報表示器110の識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lに設けられる判定回路の回路構成を説明する回路図である。図9には、識別信号を含む制御信号を送信するCPU20及び、切欠部300として示した絶縁部分1132、制御装置120側および情報表示器110側の導通部分の近傍の一部が示されている。図10は、実施形態に係る情報表示器110に配置される駆動回路200a〜200eと、駆動回路200a〜200eに接続される接続線を説明する図である。
【0040】
識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lは、制御装置120の導電性の部材を備えた突出部121のうち識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lと電気的に接続される。識別信号受信部以外の導通接続部1131a、1131c(図9では切欠部300として図示)、1131e、1131g、1131i、1131kは、制御装置120の導通接続部124a、124c、124e、124g、124i、124kと電気的に接続される。この導通接続部1131a、、1131c、1131e、1131g、1131h、1131kの少なくとも一つに、制御装置120側と電気的に接続されない絶縁部分1132(例えば切欠部300)を設ける。
【0041】
図9に示す情報表示器110では、他の情報表示器において導通接続部1131cとなる部分に絶縁部分1132を切欠部300として形成することによって、1個の絶縁部分と5個の導通接続部との配置パターンを構成して、当該情報表示器の識別情報としている。図6に示すような識別信号受信部以外の導通接続部を6個、判定回路に設けた構成の情報表示器110においては、1個から6個まで絶縁部分を設けることができ、〔2−1〕通りの配置パターンを得ることができる。
【0042】
なお、絶縁部分は、1つの情報表示器110において、1個設けてもよいし、複数個設けてもよい。また、情報表示システムが備える複数の情報表示器のうち1つの情報表示器は、絶縁部分が設けられていなくもよい。すなわち、複数の情報表示器において、絶縁部分の配置パターンが互いに異なるように構成されていればよい。
【0043】
なお、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131l、導通接続部1131a、1131e、1131g、1131h、1131k、及び絶縁部分1132は、例えば図9に示すように形成されて、XNOR回路311、NAND回路312を論理回路として備えた判定回路310を構成して、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lを介して受信した識別信号と、当該情報表示器における絶縁部分(導通接続部に形成される絶縁部分)と導通部分(導通接続部に形成される導通部分)との配置パターンで決められた識別情報とを比較して一致するか一致しないかを判定し、判定結果に応じて当該情報表示器が備える駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル(OUTPUT−ENABLE)を有効にしたり無効にしたりできるように駆動回路200a〜200eと電気的に接続されるように構成されている。
【0044】
判定回路310の出力線は分岐されており、駆動回路200a〜200eの各々に接続されている。ここでは、駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル用ライン320a〜320eに接続している。
【0045】
図9に示す例とは異なる回路配線にして、駆動回路200a〜200eのチップセレクト用ライン320a〜320eに接続するような構成にすることもでき、判定回路を構成する回路配線は、図9に示す例に限定されるものではない。
【0046】
判定回路には、当該情報表示器を特定するための識別情報が必要である。上述の図9に示した実施形態では、判定回路内に形成した絶縁部分1132(切欠部300)の個数と位置とで決められる配置パターンが上記識別情報として形成されているが、識別情報はこれに限られず、当該情報表示器を特定する情報、例えばページ番号を記憶させたICチップ(メモリ)を設けて、制御装置から描画データとともに送信された識別信号と、メモリに記憶させてあるページ番号情報とを比較して、一致か不一致かを判定するような構成にすることもできる。
【0047】
図9に示したように、絶縁部分1132(例えば、切欠部300)を備えた情報表示器の方が、ICチップメモリを備えた情報表示器よりも回路構成が簡単であるとともに、高価なICチップを要しないことで安価にできるという利点がある。
【0048】
(5)情報表示器に情報を表示する処理
次いで、図11に基づいて、判定回路の具体的な判定態様、及び制御装置120が複数の情報表示器110に情報を表示する処理について説明する。図11は、制御装置120が複数の情報表示器110に情報を表示する処理を説明するフローチャートである。以下に示す具体例では、1つの制御装置に64枚の情報表示器110が綴じられており、2頁目にあたる#2情報表示器のデータを表示する場合を説明する。よって、制御装置のCPUから2ページ目を識別するための識別信号を含んだ制御信号を送信し、2ページ目に描画データ信号に基づく画像を表示させる。
【0049】
ステップ1において、制御装置120は、制御信号を情報表示器110に対して送信する。具体的には、描画データ信号送信部122を介して、情報表示領域110aに所望の情報を表示させるための描画データ信号を情報表示器110に対して送信し、識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lを介して、判定回路において情報表示器110を識別するための識別信号を情報表示器110に対して送信する。
【0050】
描画データ信号送信部122からの描画データ信号は、情報表示器110の描画データ信号受信部1120によって受信し、駆動回路200a〜200eに入力される。なお、識別信号および描画データ信号は、全ての情報表示器110に対して送信される。
【0051】
ステップ21において、#2情報表示器は、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lで受信した識別信号と、絶縁部分1132(切欠部300)と導通接続部1131a、1131e、1131g、1131h、1131kとの配置パターンとで決まる識別情報と、を比較して一致しているか一致していないかを判定する。
【0052】
具体的には、制御装置120の識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lから情報表示器110側の判定回路に、2ページ目に表示すべき識別信号(例えば、「010000」)が64枚全ての情報表示器110に対して送信される。#2情報表示器は、識別信号受信部1131b、1131f、1131h、1131j、1131lの出力が「0」となる。一方、識別信号受信部1131dの出力が「1」となる。また、導通接続部1131a、1131e、1131g、1131i、1131kの出力は、導通接続部124a、124e、124g、124i、124kを介して接地されて、「0」となる。一方、切欠部300が形成された部分は、接地されないため「1」が出力される。よって、#2情報表示器110では、判定回路310のXNOR回路311の出力側の真理値は、「111111」となる。全てのXNOR回路311の出力が「1」となり、NAND回路312の出力は「0」となる。すなわち、#2情報表示器においては、#2情報表示器の識別情報と受信した識別信号とが一致する(ステップ21:YES)。
【0053】
よって、スイッチ350がオフ(OFF)となって(ステップ31)、駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル(OUTPUT−ENABLE)が有効となり(ステップ41)、CPUからの出力信号を受信した際に、駆動回路200a〜200eから情報表示器の情報表示領域110aへ描画データが出力される(ステップ51)。よって、#2情報表示器の書き換えが実行される(ステップ61)。
【0054】
一方、他のページ、例えば、1ページ目にあたる#1情報表示器は、導通接続部1131aに対応する部分に切り欠きが形成されている。ステップ1において、制御装置120が、#1情報表示器に対して制御信号(2ページ目に表示する描画データと2ページ目を識別するための識別信号)を送信すると、#1情報表示器は、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lで受信した識別信号と、絶縁部分1132(切欠部300)と導通接続部1131a、1131e、1131g、1131h、1131kとの配置パターンとで決まる識別情報と、を比較して一致しているか一致していないかを判定する。
【0055】
具体的には、制御装置120の識別信号送信部123b、123d、123f、123h、123j、123lから#1情報表示器110側の判定回路に、2ページ目に表示すべき描画データであることを識別するための識別信号(例えば、「010000」)が送信される。
【0056】
識別信号受信部1131b、1131f、1131h、1131j、1131lの出力は、「0」となる。一方、識別信号受信部1131dの出力は、「1」となる。また、導通接続部1131c、1131e、1131g、1131i、1131kの出力は、導通接続部124c、124e、124g、124i、124kを介して接地されて、「0」となる。一方、切欠部300が形成された部分は、接地されないため「1」が出力される。よって、#1情報表示器110では、判定回路310のXNOR回路311の出力側の真理値は、「001111」となる。全てのXNOR回路311の出力が「1」とならないため、NAND回路312の出力は「1」となる。すなわち、#1情報表示器においては、#1情報表示器の識別情報と受信した識別信号とが一致しない(ステップ21:NO)。
【0057】
よって、スイッチ350がオン(ON)となって(ステップ32)、駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル(OUTPUT−ENABLE)が無効となり(ステップ42)、CPUからの出力信号を受信しても、駆動回路200a〜200eから情報表示器の情報表示領域110aへ描画データが出力されない(ステップ52)。よって、#1情報表示器(#2情報表示器以外の他の情報表示器も同様)の書き換えが実行されない(ステップ62)。
【0058】
なお、ここでは、1ページ目にあたる#1情報表示器を例に挙げて説明しているが、3ページ目にあたる#3情報表示器、4ページ目にあたる#4情報表示器、5ページ目にあたる#5情報表示器のほか64ページ目にあたる#64情報表示器までの他の情報表示器については、#1情報表示器110同様に、入力された識別信号と切欠部300の配置パターンが一致せず、書き換えが実行されない。
【0059】
このように、情報表示システム100では、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lで受信した識別信号と、絶縁部分1132(切欠部300)と導通接続部1131a、1131e、1131g、1131h、1131kとの配置パターンで決まる識別情報とを比較して一致しているか一致していないかを判定する判定回路310を備えており、識別信号と識別情報とが一致した情報表示器110の情報表示領域110aに、駆動回路200a〜200eから描画データが出力される。これにより、制御装置120から送信された識別信号に一致した情報表示器110にだけ、この識別信号を含んだ制御信号に基づいた所定の描画データに基づいた情報(表示させたい情報)が表示される。
【0060】
また、上記本発明の実施形態で示した判定回路の構成は一例である。上記実施形態では絶縁部分(切欠部)と、CPUの各端子からの入力をXNOR論理回路で比較しているが、例えば、CPU端子からの入力を一度シフトレジスタで受ける方法等も考えられる。このように、絶縁部分(切欠部)の配置パターンとして与えられる情報と、制御装置から送信される識別信号による情報を比較して、一致しているか一致していないかを検出して判定する回路は、本発明の実施形態に記載した論理回路(XNOR、NAND)に限定されるものではなく、他の論理回路やメモリ回路など一般的に用いられる電子回路とすることもできる。絶縁部分(切欠部)の配置パターンと、電子回路とを組み合せて判定回路を構成した情報表示器を用いて本発明の情報表示システムを構成している点に特徴がある。
【0061】
(6)作用・効果
実施形態として示す情報表示システム100では、制御装置120に形成される複数の突出部121は、制御装置側連結機構を構成している。また、突出部121のうち導電性の部材を備えた突出部121のいくつかは、駆動回路200a〜200eを制御する制御信号を送信する制御信号送信部を構成している。制御信号送信部のいくつかは、制御信号に含まれる識別信号(情報表示器110を識別するために送信する信号)を送信する識別信号送信部123を構成し、他の制御信号送信部のいくつかは、描画データを含む描画データ信号を送信する描画データ信号送信部122を構成している。突出部121のいくつかは、電気的接続を行わずに、単に機械的接続を行うために用いることができる。この突出部は、導電性の部材を備えていなくてもよい。
【0062】
情報表示器110に形成される判定回路310を構成し、電気的接続に供される導電性の部材を備えた孔部(貫通孔)110hは、識別信号送信部と接続される識別信号受信部と、導通接続部とで構成され、ている。識別信号受信部と、導通接続部とはペアとなって配置され、絶縁部分1132(例えば切欠部300)は、この導通接続部において形成される。この導通接続部において設ける絶縁部分1132は、1個でも複数個でもよく、配置個数と配置位置との組み合わせによって複数の配置パターンが形成される。識別信号受信部113となる導通部分(導通接続部)と、それ以外の導通部分(導通接続部)とのペアがN個ある判定回路では、〔2(2のN乗)−1〕個の配置パターンが形成できる。図9に一例として導通接続部において形成される導通接続部において形成される絶縁部分が1個の例を示したが、絶縁部分を複数(図9のように、例えば6個のXNOR回路を備える判定回路構成では6個まで)形成することができ、図9のように、導通接続部において形成される絶縁部分を少なくとも備え、導通部分と絶縁部分の配置パターンが異なる63(2−1)個の情報表示器と、絶縁部分(切欠部)がない情報表示器を1個加えた64個(2)個、すなわち、N個のXNOR回路を備える情報表示器においては、2〔(2のN乗)〕個の情報表示器を備えた情報表示システムとすることができる。
【0063】
情報表示システム100では、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131lで受信した識別信号と、絶縁部分1132(切欠部300)と導通接続部1131a、1131e、1131g、1131h、1131kとの配置パターンによって決まる識別情報と、を比較して一致しているか一致していないかを判定し、この識別信号とこの識別情報とが一致した情報表示器110に対してだけ駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブルが有効になり、制御信号(描画データ信号)に基づく出力が可能となる。そして、この識別信号とこの識別情報とが一致した情報表示器にだけ、この識別信号を含んだ制御信号(描画データ信号)に基づいた所定の情報(画像)を表示させることができる。
【0064】
従って、制御装置120から送信された識別信号と一致した情報表示器110に所定の情報(画像)が表示される。また、情報表示システム100は、「ページ」を構成する複数の情報表示器110が見開き状態か否かによらず、すなわち、冊子状の情報表示システム100では、冊子を閉じたままで、所定の情報表示器110に対して、所定の情報(画像)を表示させることができる。
【0065】
本実施形態に係る情報表示システム100では、制御装置120は、連結された全ての情報表示器110の判定回路に識別信号を送信し、この識別信号と、情報表示器の番号を識別するための識別情報とが一致した情報表示器110が備える駆動回路200a〜200eのみアウトプットイネーブルが有効になる。この情報表示器の番号を識別するための識別情報は、識別信号受信部以外の導通部分において、絶縁部分(切欠部)の配置位置および絶縁部分(切欠部)の配置個数と、他の導通部分との組み合わせで決まる配置パターンとして与えられ、判定回路を構成する論理回路を使って、識別信号との一致または不一致を判定し、一致した場合にスイッチ350をオフ(OFF)にして、制御装置120からの制御信号に対して、駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブルが有効になるように構成されている。
【0066】
従って、制御装置120において、複数の情報表示器110との電気的な接続部を共通化することができる。これにより、制御装置120の突出部121に複数の情報表示器110に形成された孔部110hを挿通することによって情報表示器110を冊子状にすることができる。
【0067】
(7)連結機構の変形例
(7−1)変形例1
実施形態では、制御装置側連結機構は、突出部121であり、情報表示器側連結機構は、孔部110hであると説明した。制御装置側連結機構と情報表示器側連結機構との形態は変更可能である。
【0068】
図12,13は、制御装置側連結機構の変形例を説明する図である。図12に示すように、留め具130が設けられる替わりに、外装体Cに湾曲部材140が取り付けられている。湾曲部材140の一方の端部140aは、外装体Cに取り付けられている。また、湾曲部材140の他方の端部140bは、突出部121の固定されていない端部121fに当接されている。すなわち、湾曲部材140と突出部121とによって閉じられた環状構造が形成される。
【0069】
湾曲部材140は、端部140bと突出部121の端部121fとが離間する方向に可動自在に構成されており、突出部121に挿通された情報表示器110は、リング(湾曲部材140と突出部121とによって閉じられた環状構造)から取り外すことができる。
【0070】
湾曲部材140は、導電性の材料で形成することができる。これにより、情報表示器110を、図13における右側から左側に移動させた状態で、左側に位置する(すなわち、ユーザが見ていない情報表示器110に情報を表示させる処理を行うことができる。
【0071】
(7−2)変形例2
図14は、制御装置側連結機構の別の変形例を説明する図である。図14に示すように、湾曲部材140の一方の端部140aは、回動機構150を介して外装体Cに取り付けられている。湾曲部材140は、回動機構150によって、図14の矢印方向に回動することにより、端部140bと端部121fとが離間する。
【0072】
(8)連結機構の導通構造の変形例
情報表示システム100では、突出部121(或いは変形例1,2として示した湾曲部材140)の一部分に電気を導通する構造が形成されていてもよい。図15は、連結機構の電気を導通するための構造の変形例を説明する図である。図16は、図15に示すD−D線における断面図である。
【0073】
図15には、変形例1として示した湾曲部材140と類似の形状を有する湾曲部材160が示されている。湾曲部材160は、絶縁性の材料で形成されており、絶縁性の材料の一部に導電性の材料161が配置されている。また、この変形例では、突出部121も絶縁性の材料で形成されており、突出部121の一部に導電性の材料162が配置されている。
【0074】
湾曲部材160及び突出部121において、導電性の材料161,162は、湾曲部材160と突出部121とによって形成される環状構造の内側の一部に配置される。
【0075】
図17(a)、(b)は、図1〜図3、図12〜図15に示す連結機構における情報表示器の孔部110hの構造として図8に示した孔部の変形例である孔部170を説明する平面図である。孔部170には、孔部170の中心に向けて電極の一部が突出している。孔部170の中心に向けて突出した電極(露出電極171という)は、制御装置側の突出部に配置された導電性の材料(図16で示される例では、161,162)に対応する位置に形成されている。
【0076】
図17(a)、図17(b)に示す点線で囲まれた領域Rは、電極が露出していない部分を示している。露出電極171は、図21に示す絶縁性の突出部121及び絶縁性の湾曲部材160に配置された導電性の材料161,162に対応する位置に形成されている。
【0077】
以上説明したように連結機構における制御装置側の突出部121の主たる部分を絶縁性とし一部を導電性にした導通構造を構成することにより、情報表示器110に情報を表示する処理を実行している時などに、ユーザが隣接する突出部121(或いは変形例1,2として示した湾曲部材140)同士を同時に触れてしまったとしても、ショートを防止でき、情報を表示する処理を確実に実行することができる。
【0078】
(9)情報表示器の概略構成
図18は、本実施形態に係る情報表示システム100及びこれに適用可能な情報表示器110の構成概要を説明する概略斜視図である。
【0079】
図18に示すように、情報表示器110は、一対の電極(観察側電極191,背面側電極192)と、一対の基板(観察側基板181,背面側基板182)とを備える。一対の基板間には、ギャップ確保用隔壁119a及び粒子偏在抑制用隔壁119b(図18においては、いずれも不図示。図20においては、ギャップ確保用隔壁と粒子偏在抑制用隔壁とを兼用する隔壁としてギャップ確保用隔壁を示している)とが設けられる。
【0080】
また、情報表示器110は、電極を介して、電気的に駆動する表示メモリ性を有する表示媒体116を配置した表示媒体層115を備える。情報表示器110は、さらに駆動回路200a〜200eを備え、駆動回路200a〜200e(図23において不図示、図2の200参照)による制御に基づいて、情報表示器110の情報表示領域110aに所望の情報を画像として表示する。
【0081】
観察側基板181は、情報表示領域110a側、つまり、観察される側に配置される少なくとも情報表示領域110aが透明な基板である。背面側基板182は、観察側基板181と対向し、情報表示器110の背面110b側に設けられる。観察側基板181及び背面側基板182は、一対の電極(観察側電極191,背面側電極192)の外側に設けられる。なお、観察側基板181及び背面側基板182の厚みは、25μm〜2,000μmが好ましく、より好ましくは、25μm〜500μmであり、さらに好ましくは、25μm〜200μmである。
【0082】
観察側基板181及び背面側基板182の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリル樹脂などの高分子材料や、ガラス、石英、硬質プラスチックなどが挙げられる。
【0083】
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートをはじめ、上述した高分子材料は可撓性を有するため、情報表示器110に可撓性を持たせる場合には、観察側基板181及び背面側基板182を形成する材料として好ましい。ここで、本発明に係る情報表示器110の情報表示領域110aにおいては、観察側基板181及び背面側基板182は、情報表示システム全体を軽量で薄型にするためできるだけ薄くしたいが、製造時のハンドリングの点を考慮して、それぞれの厚みは25μm以上とされている。
【0084】
また、観察側基板181及び背面側基板182を形成する材料としてガラスを使用した場合には、200μm以下の厚みとすれば可撓性を有するため、情報表示器110に可撓性を持たせる場合には好ましい。さらには、アルミニウム、銅、ニッケルや、これらの合金、ステンレスなどの金属材料も可撓性を有するため、情報表示器110に可撓性を持たせる場合には、観察側基板181及び背面側基板182の材料として使用することができるが、基板に形成する電極間で漏電することを防ぐために表面を絶縁体の膜やシートで被覆する必要がある。
【0085】
背面側基板182は、必ずしも透明でなくてもよいため、上述した材料のなかから透明でないものを選択して用いることができる。
【0086】
観察側電極191は、情報表示領域110a側、つまり、観察される側に配置される透明な電極である。背面側電極192は、観察側電極191と対向し、情報表示器110の背面110b側に設けられる。背面側電極192は、必ずしも透明でなくてもよい。観察側電極191及び背面側電極192を構成する導電性材料としては、(i)酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛などの導電金属酸化物類、(ii)ポリアニリン、ポリビロール、ポリチオフェン(例えば、PEDOT:PSS)などの導電性高分子類、(iii)金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属、(iv)これらの金属を主成分とする合金が挙げられる。
【0087】
観察側電極191及び背面側電極192の形成方法としては、上述した導電性材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法などで薄膜状に形成する方法や、金属箔(例えば、圧延銅箔)をラミネートする方法、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布する方法を用いることができる。なお、観察側電極191及び背面側電極192の厚みは、導電性が確保できればよく、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。なお、ITOなどの金属酸化物系の導電性材料は、金属材料に比べて可撓性が小さいため、これら金属酸化物系の導電性材料を用いて観察側電極191及び背面側電極192を構成する場合には、断線防止のため、可撓性に優れる銅、アルミニウム、ニッケルや、これらの合金などの金属細線を併用することが好ましい。
【0088】
ギャップ確保用隔壁119aは、一対の基板間に設けられ、一対の基板間のギャップを確保するために設けられる。また、ギャップ確保用隔壁119aは、情報表示領域110aにおいては、一対の基板間に配置した表示媒体116が後述するセル132内において偏ることを抑制する粒子偏在抑制用隔壁119bとしても機能する。従って、以下の説明において、ギャップ確保用隔壁が粒子偏在抑制用隔壁も兼ねる場合、すなわち同一の構成である場合には、ギャップ確保用隔壁と表現する。隔壁がギャップ確保機能を有しないで粒子偏在抑制機能だけを有し、ギャップ確保用隔壁と異なる構成の場合は、粒子偏在抑制用隔壁と表現する(図20参照)。
【0089】
ギャップ確保用隔壁119aの形成材料としては、レジスト材を用いることができ、例えば、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)などのドライフィルムレジスト材が挙げられる。また、ギャップ確保用隔壁119aは、例えば、一方の基板上にドライフィルムレジスト材を積層した後、フォトリソグラフィー技術を用いて格子状またはハニカム状の隔壁に形成され、全ての隔壁上面と他方の基板とが接合されることによって、一対の基板の双方に接合されている。本実施形態では、ギャップ確保用隔壁119aは、観察側基板181に形成された後、背面側基板182に接合されている。なお、ギャップ確保用隔壁119aを、背面側基板182に形成した後、観察側基板181に接合することもできる。
【0090】
ギャップ確保用隔壁119aは、ギャップに対応する厚みを有するとともに、表示媒体116を収納するための凹部、またはシートを貫通する孔部が形成されているシート部材とすることもできる。この場合、シートを一対の基板間に挟むように配置した後、シートの両面とそれぞれの基板とを接合することによって、ギャップ確保用隔壁119aは形成される。
【0091】
表示媒体116は、観察側電極191と背面側電極192との間に封入される。表示媒体116は、電極を介して電気的に観察側電極191と背面側電極192との間で駆動する。本実施形態では、表示媒体116は、負帯電性白色粒子を含んだ粒子群と正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群との二種類の帯電特性及び光学的反射率を有する粒子群で構成され、電極を介して形成される電界によってそれぞれ反対の基板側(電極側)に移動する。表示媒体116の詳細については、後述する。
【0092】
図19は、情報表示システム100の機能ブロック構成図である。図19に示すように、情報表示器110は、少なくともアウトプットを無効にする機能を有するとともに情報表示部を駆動させる機能を有する駆動回路200a〜200eを備えており、情報表示器110には、制御装置のCPU20、グラフィックコントローラ30が接続される。
【0093】
CPU20は、所定のフォーマットに従った情報の画像データをグラフィックコントローラ30に出力する。グラフィックコントローラ30は、CPU20から出力された描画データ信号(制御信号)に基づいて駆動回路200a〜200eを制御する。駆動回路200a〜200eは、グラフィックコントローラ30による制御に基づいた制御信号に従って観察側電極191及び背面側電極192に所定の電圧を印加する。
【0094】
本実施形態では、観察側電極191及び背面側電極192は、複数のストライプ電極によって構成される。観察側電極191と背面側電極192とは、互いに直交するように設けられる。なお、観察側電極191と背面側電極192とは交差していればよく、直交することに限られない。このようなストライプ電極を用いた観察側電極191と背面側電極192の制御方法としては、公知の方法(例えば、特開2008−268650号公報参照)を用いることができる。なお、図19では、観察側基板181、背面側基板182及び表示媒体116は省略されている。
【0095】
図20は、情報表示器110の一部分解斜視図である。図20に示すように、ギャップ確保用隔壁119aは、複数のセル132を形成する。セル132のそれぞれには、表示媒体116が配置、好ましくは、封入される。ギャップ確保用隔壁119aは、上述したように、観察側電極191と背面側電極192との間に配置される。
【0096】
離隔して設けられた観察側電極191と背面側電極192との間に形成された空間の外側、つまり、ギャップ確保用隔壁119aの情報表示領域110a側及び背面110b側には、観察側基板181と背面側基板182とが設けられる。具体的には、ギャップ確保用隔壁119aの情報表示領域110a側には観察側基板181が設けられ、背面110b側には背面側基板182が設けられる。
【0097】
図20に示すセル132は、情報表示器110の平面視において、略四角形であり、ギャップ確保用隔壁119aの縦方向及び横方向に連続して形成される。本実施形態では、セル132は、縦方向及び横方向に延在する直線状のギャップ確保用隔壁119aによってマトリックス状に形成される。セル132は、六角形にしてハニカム構造で配置することもできる。
【0098】
実施形態では、図20に示すように、表示媒体116は、表示媒体151と表示媒体152とを含む。表示媒体151は、黒色の正帯電性粒子を含む粒子群である。表示媒体152は、白色の負帯電性粒子を含む粒子群である。表示媒体151及び表示媒体152の二種類の表示媒体が、それぞれのセル132に配置される。
【0099】
表示媒体151とする黒色粒子群は、次のように製造することができる。(i)メチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)60重量部、及び1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ポントロンNo7:オリエント化学製)3重量部、及び黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系樹脂)−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディバーF600:日本油脂製)5重量部を溶解させる。(ii)2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に(i)の生成物を懸濁、重合させ、濾過、乾燥させる。(iii)分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業性)を用いて(ii)の生成物を分級して平均粒子径9.2μmの正帯電性の黒色粒子群を得る。
【0100】
また、表示媒体152とする白色粒子群は、次のように製造することができる。(i)ポリメチルペンテンポリマー(TPX−R18:三井化学社製)100重量部と、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR−90:石原産業社製)100重量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ポントロンE89:オリエント化学製)5重量部とを、2軸混練機により溶融混練する。(ii)ジェットミル(ラボジェットミルIDS−LJ型:日本ニューマチック工業製)で(i)の生成物を細かく粉砕し、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業製)を用いて分級する。(iii)溶融球状化装置(MR−10:日本ニューマチック工業製)を用いて(ii)の生成物を溶融球状化した後さらに分級して、平均粒子径が9.5μmの負帯電性の白色粒子群を得る。
【0101】
(10)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【0102】
実施形態では、突出部121は、略円柱形状であって、断面形状が円形であると説明しているが、突出部121の断面は円形でなくてもよい。楕円、角形であってもよい。突出部121と孔部110hに形成された電極との接触面積を確保するためには、円形であることが好ましい。
【0103】
絶縁部分は、切り欠きであると説明したが、制御装置120と情報表示器110とが物理的に連結された際に、絶縁が確保できる構成であればよく、切欠部300に限定されない。情報表示器110の判定回路310において駆動回路200a〜200eまでの間の導線に設けた断線部分によって絶縁部分が形成されていてもよい。
【0104】
実施形態では、情報表示器110の一方の面が観察側であると説明した。しかし、2枚の情報表示器110の背面側基板182同士を貼り合わせて一体化することによって、表裏に観察面を有する情報表示器を構成してもよい。この場合、貼り合わされる2枚の情報表示器の絶縁部分(例えば、切欠部)は配置位置や配置個数を異なるようにした配置パターン(識別情報)で形成されることは上述の通りである。このような構成の情報表示器110では、表側の1ページと裏側の1ページとで2ページを構成することになる。
【0105】
表示媒体116は、白色表示媒体及び黒色表示媒体に限られず、他の色の表示媒体であってもよい。また、表示媒体は、対向する電極間に印加した電圧で駆動し、電源からの給電を切断しても表示した情報が保持できる表示メモリ性があるものであればよい。
【0106】
例えば、帯電性粒子を含んだ粒子群を透明な絶縁液体中で駆動させる、マイクロカプセル型の電気泳動方式の情報表示器であってもよい。
【0107】
また、帯電性粒子を含んだ粒子群を有色の絶縁液体中で駆動させるタイプであってもよい。このタイプは、例えば、負帯電性白色粒子で構成した白色表示媒体が、青色のパラフィンオイルなどの有色の絶縁液体とともに隔壁で形成したセル内に封入されている。
【0108】
更に、情報表示器としては、半分ずつ2色かつ異帯電極性に構成した球状粒子を表示媒体として使用するタイプ(例えば、マイクロカプセル内で回転駆動させるツイストボール方式)やコレステリック液晶を駆動させるタイプを使用することができる。なかでも、粒子群を気体中(真空中を含む)で駆動させる方式は、駆動応答速度が速く、表示メモリ性にも優れているので好ましい。
【0109】
また、本実施の形態では、駆動回路と情報表示器とを一体化しているが、駆動回路と情報表示器とを着脱自在に構成してもよい。なお、駆動回路と情報表示器とを一体化しない場合においては、駆動回路と情報表示器を電気的かつ物理的に着脱自在に接続する接続手段を設ける必要がある。この接続手段の構成としては、例えば、情報表示器と駆動回路のうち一方に凹型接続端子部を設け、この凹型接続端子部と噛み合う凸型接続端子部を設け、凹型接続端子部と凸型接続端子部との嵌合によって駆動回路と情報表示器を電気的かつ物理的に着脱自在に接続する構成を例示できる。また、他の接続手段の構成としては、情報表示器と駆動回路のうち一方に凸型端子部を設け、この凸型端子部が挿入可能な円形孔、十文字形状をしたスリット孔、円形孔と十文字スリット孔を組合せた孔、円形孔と三方スリット孔を組合せた孔、複数のスリット孔を星型に集合させた孔、星型の孔を有する受け部を設ける構成を例示できる。更に、接続手段を合わせて、情報表示器に駆動回路を装着する際のガイドとなるガイド部材や、互いの位置決めを行うための位置決め部材を設けることが望ましい。
【0110】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0111】
20…CPU、 30…グラフィックコントローラ、 100…情報表示システム、 110…情報表示器、 110a…情報表示領域、 110b…背面、 110h…孔部、 115…表示媒体層、 116…表示媒体、 117…電極、 117a…露出部、 118…絶縁膜、 119a…ギャップ確保用隔壁、 119b…粒子偏在抑制用隔壁、 120…制御装置、 121…突出部、 121f…端部、 122…描画データ信号送信部、123b、123d、123f、123h、123j、123l…識別信号送信部、 124a、124c、124e、124g、124i、124k…導通接続部、 130…留め具、 132…セル、 140…湾曲部材、 140a…端部、 140b…端部、 150…回動機構、 151…表示媒体、 152…表示媒体、 160…湾曲部材、 161,162…導電性の材料、 170…孔部、 171…露出電極、 181…観察側基板、 182…背面側基板、 191…観察側電極、 192…背面側電極、 200a〜200e…駆動回路、 300…切欠部、 310…判定回路、311…XNOR回路、 312…NAND回路、 350…スイッチ、 320a〜320e…アウトプットイネーブル用ライン、 1120…描画データ信号受信部、 1131b、1131d、1131f、1131h、1131j、1131l…識別信号受信部、 1131a、1131c、1131e、1131g、1131i、1131k…導通接続部、 1132…絶縁部分、 C…外装体、 Ca…載置部、 R…領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を備える2つの基板と、
前記2つの基板の間に対向して配置された複数の表示用電極と、
複数の前記表示用電極間に配置されており前記表示用電極間に印加した電圧によって駆動される表示媒体と、
前記表示用電極と電気的に接続されており制御装置から送信される制御信号によって前記情報表示領域に情報を表示するように前記表示用電極間に電圧を印加する駆動回路と、
前記制御装置と連結される連結機構とを有する情報表示器であって、
前記連結機構は、前記制御装置と電気的に接続される導通部分と、前記制御装置と電気的に絶縁された絶縁部分と、を有し、
前記導通部分には、前記制御信号を受信する制御信号受信部が形成されており、
前記導通部分と前記絶縁部分との配置パターンと、前記制御信号受信部によって受信した制御信号とに基づいて、当該情報表示器自身の表示情報を書き換えるか書き換えないかを決定するように構成された判定回路を有することを特徴とする情報表示器。
【請求項2】
前記導通部分には、前記制御装置と電気的に接続され、かつ前記制御信号を受信しない導通接続部が形成されており、
前記判定回路は、前記導通接続部と前記絶縁部分の配置パターンと、前記制御信号受信部によって受信した制御信号とに基づいて、当該情報表示器自身の表示情報を書き換えるか書き換えないかを決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示器。
【請求項3】
複数の情報表示器と、
複数の前記情報表示器に情報を表示するように制御する制御装置と、を備え、
前記情報表示器の各々は、
少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を備える2つの基板と、
前記2つの基板の間に対向して配置された複数の表示用電極と、
複数の前記表示用電極間に配置されており前記表示用電極間に印加された電圧によって駆動される表示媒体と、
前記表示用電極と電気的に接続されており制御装置から送信される制御信号によって前記情報表示領域に情報を表示するように前記表示用電極間に電圧を印加する駆動回路と、を備える情報表示システムであって、
前記制御装置は、前記情報表示器の各々と連結される制御装置側連結機構を有し、
前記制御装置側連結機構には、前記制御信号を送信する制御信号送信部が形成され、
前記情報表示器の各々は、前記制御装置と連結される情報表示器側連結機構を有し、
前記情報表示器側連結機構は、前記制御装置と電気的に接続される導通部分と、前記制御装置と電気的に絶縁された絶縁部分と、を有し、
前記導通部分には、前記制御信号を受信する制御信号受信部が形成されており、
前記情報表示器の各々は、前記導通部分と前記絶縁部分との配置パターンと、前記制御信号受信部によって受信した制御信号とに基づいて、当該情報表示器自身の表示情報を書き換えるか書き換えないかを決定するように構成された判定回路を有しており、
前記情報表示器側連結機構における前記導通部分と前記絶縁部分の配置パターンは、前記情報表示器毎に異なっていることを特徴とする情報表示システム。
【請求項4】
前記制御装置側連結機構は、
前記情報表示器が載置される載置部と、
前記載置部の平面から突出し一方向に並列して形成された突出部と、を有し、
前記情報表示器の平面形状は、矩形状であり、
前記情報表示器側連結機構は、
前記突出部に対応して前記情報表示器の一辺に並列された複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔の少なくとも1の貫通孔は、前記絶縁部分を構成し、
前記絶縁部分を構成する貫通孔は、前記突出部に接しないことを特徴とする請求項3に記載の情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−3166(P2013−3166A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130592(P2011−130592)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】