説明

情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム,プログラム及び記憶媒体

【課題】 汎用のコンピュータを用いて、所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを有した閲覧アプリケーションを容易に作成できるようにし、汎用性の向上を図る。
【解決手段】 固有のオペレーティングシステムによって稼働する情報表示端末Tにインストールされページ分けされた文書データの閲覧アプリケーションAであって、この文書データを所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを有した閲覧アプリケーションAを作成するシステムであり、任意に作成された文書データに対する印刷要求に基づいて当該文書データを画像化データに変換する仮想プリンタ10と、仮想プリンタ10により変換された画像化データについての情報表示端末Tに対応する閲覧アプリケーションを生成する閲覧アプリケーション生成手段20とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の情報表示端末で用いられる文書データ閲覧アプリケーションの作成システムに係り、特に、任意に作成された文書データを実紙面イメージで書籍のようにして閲覧できるようにする文書データ閲覧アプリケーションを容易に作成できる情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム,プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、電子書籍端末では、任意に作成された文書データを実紙面イメージで閲覧できるようにするシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、ブリッジメディアに対するリーダ・ライタを備えたコンピュータにより、任意の文書作成ソフトにて作成された文書データを、印刷要求により仮想プリンタドライバを実行させてこの文書データをページ毎に電子書籍端末の表示器の解像度に応じたイメージデータに変換し、この変換したイメージデータをブリッジメディアに書込む。そして、電子書籍端末において、これに備えられたビューアにより、ブリッジメディアに書込まれたイメージデータを読出して表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−65204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この電子書籍端末では、専用のビューアによりイメージデータを読出して表示するので、専用のビューアを搭載していない情報表示端末にはそのまま適用できない。例えば、スマートメディアやタブレット型PC等の固有のオペレーティングシステム(OS)によって稼働する情報表示端末においては、OSの種類毎に対応した専用のビューアを逐一入手してインストールして用いなければならないので、処理が煩雑になっているという問題があった。
【0005】
また、任意の文書作成ソフトにて作成された文書データを、プログラマーにより、アプリケーション開発キットを用いて、所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを有した閲覧アプリケーションを作成することもできるが、専門知識が要求されるので汎用性がなくコスト高になってしまう。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為されたもので、汎用のコンピュータを用いて、所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを有した閲覧アプリケーションを容易に作成できるようにし、汎用性の向上を図った情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム,プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムは、固有のオペレーティングシステムによって稼働する情報表示端末にインストールされページ分けされた文書データの閲覧アプリケーションであって、該文書データを所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを有した閲覧アプリケーションを作成する情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいて、
任意に作成された文書データに対する印刷要求に基づいて当該文書データを画像化データに変換する仮想プリンタと、
該仮想プリンタにより変換された画像化データについての上記情報表示端末に対応する閲覧アプリケーションを生成する閲覧アプリケーション生成手段とを備えた構成としている。
【0008】
これにより、本システムは、例えば汎用のパソコン上で実行させられる。パソコン上では、任意の文書作成ソフトにて作成された文書データが保持されている。この状態で、この任意に作成された文書データに対して印刷要求をすると、仮想プリンタが機能して文書データをページ毎に画像化データに変換する。そして、閲覧アプリケーション生成手段において、仮想プリンタにより変換された画像化データについての情報表示端末に対応する閲覧アプリケーションを生成する。
この生成された閲覧アプリケーションを用いるときは、対応する固有のオペレーティングシステムによって稼働する情報表示端末にインストールする。これにより、情報表示端末では、インストールされた閲覧アプリケーションのビューアを作動させ、文書データを所定の閲覧機能に従って実紙面イメージで書籍のようにして閲覧することができる。
【0009】
この場合、汎用のパソコン等で任意に作成された文書データに対して印刷要求をする簡単な操作で、情報表示端末に対応する閲覧アプリケーションを生成することができるので、プログラマーなどの熟練した技術がなくても誰でも容易に閲覧アプリケーションを作成することができ、汎用性が向上させられる。また、閲覧アプリケーションは、文書データを所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを備えているので、情報表示端末に逐一専用のビューアを別途インストールし、加えて文書データの書込みを行わなくても、閲覧アプリケーションをインストールするだけで、即座に文書データを書籍のようにして見ることができるようになり、この点でも汎用性が向上させられる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記閲覧アプリケーション生成手段は、
複数種類の情報表示端末に夫々対応した動作仕様のビューアに係る複数のプログラムソースを記憶するプログラムソース記憶手段と、
上記複数種類の情報表示端末の種類を指定する情報表示端末指定手段と、
該情報表示端末指定手段によって指定された情報表示端末に対応するプログラムソースを上記プログラムソース記憶手段から選択するプログラムソース選択手段と、
該プログラムソース選択手段が選択したプログラムソースと上記仮想プリンタにより変換された画像化データとを所要のプログラム言語を用いてコンパイルするコンパイル手段とを備えた構成としている。
【0011】
これにより、情報表示端末指定手段により、情報表示端末の種類を指定することにより、情報表示端末の種類に対応した閲覧アプリケーションが生成されるので、例えば、近年、普及しているスマートフォン、タブレット型PC等の種々の端末に容易に対応することができ、より一層、汎用性を向上させることができる。
【0012】
また、必要に応じ、上記仮想プリンタは、上記文書データをテキストデータに変換して上記画像化データに付帯させる機能を備えた構成としている。テキストデータを内包することで、情報表示端末に表示された文書に、検索機能を付与する等、機能性の向上を図ることができる。
【0013】
更に、必要に応じ、上記ビューアの閲覧機能を設定する閲覧機能設定手段を備えた構成としている。閲覧機能設定手段により、ビューアの閲覧機能を設定することができるので、ユーザーの好みなどに合わせて使用し易く設定することができるようになる。
【0014】
この場合、必要に応じ、上記閲覧機能設定手段は、仮想プリンタにより変換された画像化データを編集する機能を備えた構成としている。画像化データを編集できるので、例えば、動画を挿入する等、バラエティに富んだ画像にすることができ、より一層機能性の向上を図ることができる。
【0015】
更にまた、必要に応じ、上記ビューアのセキュリティを設定するセキュリティ設定手段を備えた構成としている。例えば、情報表示端末上で、パスワードを用いて起動するようにすることができる。そのため、情報表示端末を紛失しても、文書データの機密を保持することができる等、安全性が向上させられる。
【0016】
そしてまた、本発明は、上記の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムを実行する情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成プログラムにある。
また、本発明は、上記の文書データ閲覧アプリケーション作成プログラムを格納した記憶媒体にある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、汎用のパソコン上等で任意に作成された文書データに対して印刷要求をする簡単な操作で、情報表示端末に対応する閲覧アプリケーションを生成することができるので、プログラマーなどの熟練した技術がなくても誰でも容易に閲覧アプリケーションを作成することができ、汎用性を向上させることができる。また、閲覧アプリケーションは、文書データを所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを備えているので、情報表示端末に逐一専用のビューアを別途インストールし、加えて文書データの書込みを行わなくても、閲覧アプリケーションをインストールするだけで、即座に文書データを書籍のようにして見ることができるようになり、この点でも汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムを示す構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいてその処理フローを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいて仮想プリンタの構成及びその処理フローを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいてプリンタドライバの選択画面を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいて出力設定画面を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいてページ設定画面を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいてページ設定画面における詳細な設定画面を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムの動作工程を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る文書データ閲覧アプリケーションがインストールされた情報表示端末の処理フローを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る文書データ閲覧アプリケーションがインストールされた情報表示端末における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム,プログラム,記憶媒体について詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る文書データ閲覧アプリケーション作成システムは、CD−ROM等の記憶媒体に記憶させた文書データ閲覧アプリケーション作成プログラムを、汎用のパーソナルコンピュータにインストールすることで実行される。
図1及び図2に示すように、実施の形態に係る文書データ閲覧アプリケーション作成システムSは、固有のオペレーティングシステム(OS1〜OSn)によって稼働する情報表示端末Tにインストールされページ分けされた文書データの閲覧アプリケーションAであって、文書データを所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを有した閲覧アプリケーションAを作成するものである。
【0020】
情報表示端末Tとしては、画面表示が可能な、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末(「PDA(Personal Digital Assistant)」)、スマートフォン、タブレット型PC等の端末をいい、インターネット等の通信ネットワークに接続可能であることが望ましい。実施の形態では、特に、スマートフォン、タブレット型PC用の端末を対象にしている。スマートフォンとしては、例えば、「Android(登録商標)」(米Google社)、「iPhone(登録商標)」(Apple社)、「Symbian(登録商標)」(Symbian社)、「BlackBerry(登録商標)」(RIM社)、「Windows Phone(登録商標)」(Microsoft社)等種々のものが知られている。
【0021】
図1に示すように、パソコン1には、文書作成ソフト2(文書作成アプリケーションソフト)が搭載されており、各種文書データを作成できる。文書データとしては、文字コード等を含む電子データ,画像として表されている画像データ,これらの組み合わせを含むものとする。例えば、Wordファイル,Excelファイル、PDFファイルなどのデータやTIFF,JPEGなどの画像データをいう。
【0022】
実施の形態に係る作成システムSの基本的構成は、任意に作成された文書データに対する印刷要求に基づいて当該文書データを画像化データに変換する仮想プリンタ10と、仮想プリンタ10により変換された画像化データについての情報表示端末Tに対応する閲覧アプリケーションAを生成する閲覧アプリケーション生成手段20とを備えてなる。
【0023】
仮想プリンタ10は、図3に示すように、印刷命令に基づいて必要なデータへの変換及び受け渡し処理を行う仮想プリンタドライバ11と、仮想プリンタドライバ11からのデータを一時的に記憶するプリントスプーラー12と、閲覧アプリケーション生成手段20を起動してプリントスプーラー12からのデータを受け渡す仮想プリンタポートモニター13を含む。図4に示すように、パソコン1上においては、任意に作成された文書データに対して印刷要求をすると、プリンタドライバの選択画面30を表示する。このプリンタドライバの選択画面30において、選択リストに印字する実際のプリンタ名とともに本システム名31(図では「アプリ作成プリンタ」と表示)を掲載し、このシステム名31を選択して、印刷釦32をクリックすることにより、本システム専用の仮想プリンタ10が選択されて、これが実行させられる。仮想プリンタ10は、図2に示すように、印刷指令を受けて、文書データを画像化データ14に変換するとともに、文書データをテキストデータ15に変換する。
【0024】
閲覧アプリケーション生成手段20は、図1及び図2に示すように、複数種類の情報表示端末Tに夫々対応した動作仕様のビューアに係る複数のプログラムソース22を記憶するプログラムソース記憶手段21を備えている。ビューアは、上記の種類の異なる情報表示端末T毎のオペレーティングシステム(OS1〜OSn)に夫々対応し、このオペレーティングシステム(OS1〜OSn)よって稼働するプログラムであり、各種の閲覧機能を実現する。
【0025】
ビューアによる閲覧機能としては、表示された文書をスクロールする機能、文書のページをめくる機能、ページの場所を示すしおり機能、ページのリストを表示するサムネール機能、ページを拡大縮小するズーム機能、インターネットへ接続して動画を取り込む動画機能、あるいは、ウエブサイトを表示するリンク機能等、種々の機能が知られている。
【0026】
また、閲覧アプリケーション生成手段20は、複数種類の情報表示端末Tの種類を指定する情報表示端末指定手段23と、この情報表示端末指定手段23によって指定された情報表示端末Tに対応するプログラムソース22をプログラムソース記憶手段21から選択するプログラムソース選択手段24とを備えている。情報表示端末Tの指定は、図5に示す出力設定画面40で行う。詳しくは、プリンタドライバの選択画面30により、本システム名31(「アプリ作成プリンタ」)を選択して、印刷釦32をクリックすると、図5に示す出力設定画面40が表示される。この出力設定画面40においては、情報表示端末Tのオペレーションシステムに係る名称(OS1〜OSn)選択して入力する端末種類入力部41(「出力対象」)が設けられており、この端末種類入力部41(「出力対象」)への入力を行って、決定すると(「アプリ生成」釦42の押釦)、情報表示端末Tの指定が行われ、指定された情報表示端末Tに対応するプログラムソース22が選択される。
【0027】
更に、閲覧アプリケーション生成手段20は、プログラムソース選択手段24が選択したプログラムソース22と仮想プリンタ10により変換された画像化データ14とを所要のプログラム言語を用いてコンパイルするコンパイル手段25を備えている。また、コンパイル手段25は、プログラムソース選択手段24が選択したプログラムソース22と仮想プリンタ10により変換された画像化データ14とテキストデータ15を内包して所要のプログラム言語を用いてコンパイルする機能を有する。パソコン1には、図1に示すように、複数のプログラム言語に係るツール(W1〜Wn)を収容する外部ライブラリ3が搭載されており、コンパイル手段25は、最適なツールを選択する。ツール(W1〜Wn)は、予め、インターネット等を利用して外部ライブラリ3にインストールしておけばよい。ツールとしては、例えば、「Java(登録商標)」(Oracle社)、「AndroidSDK(登録商標)」(米Google社)等が挙げられる。
【0028】
更に、本システムは、ビューアの閲覧機能を設定する閲覧機能設定手段26を備えている。詳しくは、図4に示すプリンタドライバの選択画面30により、本システム名31(「アプリ作成プリンタ」)選択して、印刷釦32をクリックすると、図5に示すように、出力設定画面40が表示される。この出力設定画面40においては、動作設定画面43において、画像を縦表示するか横表示にするかの表示方向設定を行うことができる。これは、表示方向設定部43aで「タテ表示する」,「ヨコ表示する」のいずれかを指定することにより行われる。また、表示画像をスクロールする方向のスクロール設定を行うことができる。実施の形態では、スクロール設定部43bで、「右から左」、「左から右」、「上から下」、「下から上」の4種類の何れかに設定する。
【0029】
更に、めくり設定を行うことができる。実施の形態では、めくり設定部43cで、「ページカール」によるめくり、「スライド」させるスライドめくりの2種類の何れかに設定する。更にまた、文書データの一覧表示設定をすることができる。実施の形態では、一覧表示設定部43dで「サムネールリスト・サムネールツールバー」形式で表示(図10中L1)、「縮小イメージリスト」でサムネールを行列表示(図10中L2)、「カバーフロー」でサムネールを順次移動させる表示(図10中L3)の何れかに設定する。図10に示すように、情報表示端末Tにおいて、文書データの一覧表示(L1〜L3)では、一覧されたページをクリックするとそのページを表示可能になる。また、表示器に対する表示ページ数設定を、ページ設定部で「2ページ表示」の有無を設定する。尚、設定をキャンセルするにはキャンセル釦45(図5)をクリックする。
【0030】
また、閲覧機能設定手段26は、仮想プリンタ10により変換された画像化データ14を編集する機能を備えている。詳しくは、出力設定画面40の下のページ設定釦44をクリックすると、図6に示すように、ページ設定画面50に移行し、このページ設定画面50において、表示する画像データにインターネットへ接続して動画を取り込んで表示できるようにする動画設定、指定したウエブサイトを表示できるようにするリンク先設定、ページを飛ばして別のページを表示できるようにするページ移動設定を行うことができる。画像化データ14を編集できるので、例えば、動画を挿入する等、バラエティに富んだ画像にすることができ、機能向上を図ることができる。
【0031】
動画設定においては動画釦51をクリックして行う。この動画設定においてはこれを表示する対象エリア54は適宜に設定できるとともに、ドラッグしてその面積を変えて設定することができる。また、ページ設定画面50の内容設定画面55でURLの設定を行う。マウスを右クリックして編集と削除の項目を表示し、編集を選択すると、図7(a)に示すように、動画のURL設定画面56に移行する。動画においては、ここでURLを入力し確認釦56aにより動画再生の確認をする。設定釦56bの押釦により確定する。一方、ページ設定画面50の内容設定画面55で、削除の項目を選択すると該当する動画設定が削除される。
【0032】
図6に示すように、リンク先設定においては、Link釦52をクリックして行う。このリンク先設定においては、指定する対象エリア54は適宜に設定できるとともに、ドラッグしてその面積を変えて設定することができる。また、ページ設定画面50の内容設定画面55でURLの設定を行う。マウスを右クリックして編集と削除の項目を表示し、編集を選択すると、図7(b)に示すように、リンク先のURL設定画面57に移行する。ここでURLを入力し確認釦57aによりブラウザを起動し確認をする。設定釦57bの押釦により確定する。一方、ページ設定画面50の内容設定画面55で、削除の項目を選択すると該当するLink設定が削除される。
【0033】
図6に示すように、ページ移動設定においては、ページ移動釦53をクリックして行う。このページ移動設定においては、指定する対象エリア54は適宜に設定できるとともに、ドラッグしてその面積を変えて設定することができる。ページ設定画面50の内容設定画面55でマウスを右クリックして編集と削除の項目を表示し、編集を選択すると、図7(c)に示すように、移動先ページ設定画面58に移行する。ここで移動先のページを入力する。設定釦58aの押釦により確定する。一方、ページ設定画面50の内容設定画面で、削除の項目を選択するとキャンセルされる。上記の各設定は、ページ設定画面50の下の出力設定釦59をクリックすることにより、内容が確定し、ページ設定データ50a(図2)として設定の書き出しが行われる。
【0034】
その他、本システムにおいては、閲覧機能設定手段26により特別に設定しなくても、標準に備えられる機能が自動的に設定される。これらは、例えば、図10に示すように、情報表示端末Tにおいて、ページGを表示した際、主メニューMやサブメニューMaを表示し、主メニューMの項目(B1,B2,B3,B4)の指定、あるいは、サブメニューMaの項目指定により実行される。例えば、主メニューMの検索項目B4のクリックにより検索画面P1を表示し、文字入力によりこの入力された文字が表示されているページリストを出力する文字検索設定の機能が搭載される。文字検索設定等は、テキストデータ15を内包することにより実現され、機能性の向上を図ることができる。また、サブメニューMaの項目(「目次」)選択により、目次一覧表P2を表示し、目次をクリックするとそのページを表示可能にする目次設定の機能が搭載される。
【0035】
また、サブメニューMaの項目から、明度調整部46で明度を調整する明度調整、回転設定部47で表示するページを情報表示端末Tの回転に追従させて回転させあるいは回転を停止する回転設定、移動先ページの設定部48によるページ選択設定等が自動的にプログラムされる。上記のしおり機能は、メインメニューMのしおり釦B2のクリックにより実行される。
【0036】
また、本システムは、ビューアのセキュリティを設定するセキュリティ設定手段27を備えている。詳しくは、図5に示すように、出力設定画面40のセキュリティ設定画面60において、起動パスワード入力部61に対する起動するためのパスワードの入力設定、有効期限入力部62に対する有効期限の入力設定、データ暗号化入力部63に対するデータの暗号化の有無の設定、透かし画像入力部64に対する透かし画像の入力設定ができるようになっている。
【0037】
そしてまた、出力設定画面40においては、名称設定部65に対する閲覧アプリケーションAの名前の入力設定、出力方法設定部66に対する出力方法の設定を行うことができる。出力方法の設定は、閲覧アプリケーションAを直接情報表示端末Tに送出するか、あるいは、ファイルに保存するかの選択を行う。ファイルに保存する場合は、ファイル先を指定画面66aで指定する。上記出力設定画面40の各設定は、出力設定画面40の下のアプリ生成釦42をクリックすることにより、内容が確定し、出力設定データ40a(図2)として設定の書き出しが行われる。
【0038】
従って、この実施の形態に係る情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムSによって、閲覧アプリケーションAを作成するときは以下のようになる。
パソコン1には、予め、本文書データ閲覧アプリケーション作成システムSを実行するプログラムを、CD−ROM等の記憶媒体を用いてインストールしておく。また、必要なプログラム言語に係るツールをインターネットからダウンロードする等して外部ライブラリ3に格納しておく。そしてまた、パソコン1において、文書作成ソフト2(文書作成アプリケーションソフト)で、各種文書データを作成し保持しておく。尚、文書作成ソフト2によらずに、外部から入力されて保持されている文書データであっても良い。
【0039】
この状態で、任意に作成された文書データに対して印刷要求をすると、図4に示すように、プリンタドライバの選択画面30が表示される。図8に示すフローチャートを用い、この選択画面で、本システム名31(「アプリ作成プリンタ」)を選択して、印刷釦32をクリックする(S1)。これにより、図2及び図3に示すように、本システム専用の仮想プリンタ10が選択されて、これが実行させられる。仮想プリンタ10は、印刷指令を受けて、仮想プリンタドライバ11が機能し、文書データを画像化データ14に変換するとともに、文書データをテキストデータ15に変換する(S2)。そして、プリントスプーラー12を介して仮想プリンタポートモニター13が閲覧アプリケーション生成手段20を起動させデータを受け渡す。この場合、汎用のパソコン1上で任意に作成された文書データに対して印刷要求をする簡単な操作でよいので、汎用性が向上させられる。
【0040】
次に、パソコン1においては、図5に示すように、出力設定画面40が表示され、必要な設定を行う(S3)。この出力設定画面40において、先ず、閲覧アプリケーションAの名前の設定を行う。また、端末種類入力部(「出力対象」)に、情報表示端末Tのオペレーションシステムに係る名称(OS1〜OSn)選択して入力する。更に、閲覧アプリケーションAを直接情報表示端末Tに送出するか、あるいは、ファイルに保存するかの出力方法の選択を行う。
【0041】
次に、出力設定画面40の動作設定画面において、画像を縦表示するか横表示にするかの表示方向設定、表示画像をスクロールする方向のスクロール設定、めくり設定、文書データの一覧表示設定、表示器に対する表示ページ数設定を行う。また、出力設定画面40のセキュリティ設定画面において、起動するためのパスワードの入力設定、有効期限の設定、データの暗号化の有無の設定、透かし画像を入力する設定を行う。
【0042】
次にまた、出力設定画面40の下のページ設定釦44をクリックすると(S4YES)、図6に示すように、ページ設定画面50に移行し、このページ設定画面50において、必要な設定を行う(S5)。ここでは、動画設定、リンク先設定、ページ移動設定を行うことができる。設定を行ったならば、ページ設定画面50の下の出力設定釦59をクリックすることにより、内容が確定し、設定の書き出しが行われ(S6)、再び、出力設定画面40に戻る(S7)。
【0043】
そして、修正等なければ、出力設定画面40下のアプリ生成釦42をクリックする(S8)。一方、キャンセル釦45をクリックすると、作業データが消去されて(S9)、終了する(S10)。アプリ生成釦42をクリックすると(S8)、出力設定データ40aの書き出しが行われ(S11)、閲覧アプリケーション生成手段20のプログラムソース選択手段24が、情報表示端末指定手段23によって指定された情報表示端末Tに対応するプログラムソース22をプログラムソース記憶手段21から選択する(S12)。即ち、端末種類入力部41(「出力対象」)に入力されて指定された情報表示端末Tのオペレーションシステム(OS)に対応するプログラムソース22が選択される。そして、コンパイル手段25により、選択したプログラムソース22と仮想プリンタ10により変換された画像化データ14及びテキストデータ15とを所要のプログラム言語を用いてコンパイルする(S13)。これにより、閲覧アプリケーションAが生成される(S14)。次に、出力設定画面40においてこの閲覧アプリケーションAを直接情報表示端末Tに送出することが選択されている場合には、USB等を介して閲覧アプリケーションAが対応する情報表示端末Tにインストールされる(S16)。一方、出力設定画面40においてこの閲覧アプリケーションAをファイルに保存することが選択されている場合には、ファイルへの書き出しが行われ(S17)、終了する(S18)。具体的には、例えば、パソコン1に保持され、USBメモリに保存され、SDカード等の媒体に保存される等である。
【0044】
このようにして作成された閲覧アプリケーションAがインストールされた情報表示端末Tにおいて、この閲覧アプリケーションAを稼働させると、図9及び図10に示すように、別途用意した起動画面Gaが表示され、必要に応じ、起動パスワードを入力すると、閲覧アプリケーションAのビューアにより、文書データの各種表示が行われる。この場合、文書データは、スクロール設定に従ってスクロールし、めくり設定に従ってページをめくることができる。また、情報表示端末Tの表示器がタッチパネルの場合、例えば、画面をタップすることで、サムネールの何れかの表示、サムネールリストをツールバー形式で表示(L1)、縮小イメージを行列表示(L2)、サムネールが順次移動表示される所謂カバーフロー形式による表示(L3)の何れかの表示が行われる。また、メインメニューMで検索B4をクリックすると、文字入力によりその文字が表示されたページリストを出力することができる。サブメニューMaの項目をクリックすると、ページ選択、明度調整、目次表示、画面の回転の許容若しくはロックの選択を行うことができる。そして、表示され所定の画像Gにおいては動画を挿入する等、バラエティに富んだ画像になっており、機能の向上を図られている。
【0045】
尚、上記実施の形態では、パソコン1上で文書作成ソフト2によって作成した文書データを用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、外部で作成された文書データを処理しても良く、適宜変更して差し支えない。また、情報表示端末は、スマートフォンに限らず、どのような情報表示端末であっても良いことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、数分で電子書籍を作成できるソフトウェアとして、ITリテラシーの高くない人でも、容易に使い方を理解し、スマートフォン等の端末向け電子書籍アプリを容易に作成することができる。また、通常の文書のみならずページ数の多いマニュアルやカタログを電子書籍化するのにも役に立つ。更に、個人ユーザでも手軽に利用できるソフトウェアになっており、価格も低減でき、普及が期待される。
【符号の説明】
【0047】
S 文書データ閲覧アプリケーション作成システム
T 情報表示端末
A 閲覧アプリケーション
1 パソコン
2 文書作成ソフト
3 外部ライブラリ
10 仮想プリンタ
11 仮想プリンタドライバ
12 プリントスプーラー
13 プリンタポートモニター
14 画像化データ
15 テキストデータ
20 閲覧アプリケーション生成手段
21 プログラムソース記憶手段
22 プログラムソース
23 情報表示端末指定手段
24 プログラムソース選択手段
25 コンパイル手段
26 閲覧機能設定手段
27 セキュリティ設定手段
30 プリンタドライバの選択画面
32 印刷釦
40 出力設定画面
41 端末種類入力部
43 動作設定画面
43a 表示方向設定部
43b スクロール設定部
43c めくり設定部
43d 一覧表示設定部
50 ページ設定画面
51 動画釦
52 Link釦
53 ページ移動釦
60 セキュリティ設定画面
61 起動パスワード入力部
65 出力方法設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有のオペレーティングシステムによって稼働する情報表示端末にインストールされページ分けされた文書データの閲覧アプリケーションであって、該文書データを所定の閲覧機能に従って閲覧可能にするビューアを有した閲覧アプリケーションを作成する情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムにおいて、
任意に作成された文書データに対する印刷要求に基づいて当該文書データを画像化データに変換する仮想プリンタと、
該仮想プリンタにより変換された画像化データについての上記情報表示端末に対応する閲覧アプリケーションを生成する閲覧アプリケーション生成手段とを備えたことを特徴とする情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム。
【請求項2】
上記閲覧アプリケーション生成手段は、
複数種類の情報表示端末に夫々対応した動作仕様のビューアに係る複数のプログラムソースを記憶するプログラムソース記憶手段と、
上記複数種類の情報表示端末の種類を指定する情報表示端末指定手段と、
該情報表示端末指定手段によって指定された情報表示端末に対応するプログラムソースを上記プログラムソース記憶手段から選択するプログラムソース選択手段と、
該プログラムソース選択手段が選択したプログラムソースと上記仮想プリンタにより変換された画像化データとを所要のプログラム言語を用いてコンパイルするコンパイル手段とを備えたこと特徴とする請求項1記載の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム。
【請求項3】
上記仮想プリンタは、上記文書データをテキストデータに変換して上記画像化データに付帯させる機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム。
【請求項4】
上記ビューアの閲覧機能を設定する閲覧機能設定手段を備えたことを特徴とする請求項2または3記載の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム。
【請求項5】
上記閲覧機能設定手段は、仮想プリンタにより変換された画像化データを編集する機能を備えたことを特徴とする請求項4記載の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム。
【請求項6】
上記ビューアのセキュリティを設定するセキュリティ設定手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至5何れかに記載の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システム。
【請求項7】
上記請求項1乃至6何れかに記載の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成システムを実行する情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成プログラム。
【請求項8】
上記請求項7記載の情報表示端末用の文書データ閲覧アプリケーション作成プログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−16001(P2013−16001A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148062(P2011−148062)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2011年6月28日に株式会社Impress Touchにより発行された東京IT新聞 第166号 2011年6月28日に株式会社Impress Touchにより発行された電子版東京IT新聞 第166号
【出願人】(511162196)株式会社 プラスプラス (1)
【Fターム(参考)】