説明

情報表示装置

【課題】 操作性を向上させた、トラックボールを備えた情報表示装置を提供する。
【解決手段】 制御部105は、第1の情報表示領域111とは別に第2の情報表示領域109を設けて、その間の領域に操作ボタン領域110を配置して表示し、第2の情報表示領域をカーソル表示禁止領域200とし、トラックボール104の操作により、勢いよく操作がなされたとしても、第2の情報表示領域にカーソル103が進入することなく、操作ボタン領域110でカーソル103が止まり、操作ボタン領域110の操作ボタンa〜fのいずれかが選択されるよう表示する機構を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上に複数の操作ボタンを備えたメニュー画面を表示し、メニュー画面の各種操作を実行する情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコンや各種の情報処理装置においては、各種の操作指示をカーソル設定部で行うことが多くなってきている。カーソル設定部には、マウスとトラックボールがある。しかし、マウスは、マウス本体を物理的に移動させることにより、トラックボール機構のボールを回転させるものである。特に、カーソルを長い距離移動させる場合には、A地点からB地点にマウス本体を移動させて、マウス本体を一旦引き上げてA地点に戻して再びB地点まで移動させる動作を繰り返さなくてはならない。
【0003】
このような、マウスの欠点を補う装置としてトラックボールがある。このトラックボールは、操作者が本体の上面に配置されたボールを指先で任意の方向に回転させ、表示画面上のカーソルを簡単に移動させることができる。そのため、トラックボールは操作テーブル面がなくともマウスと同様な操作を実現することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−29896号公報
【特許文献2】特開2004−271439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トラックボールでは、操作者はボールの回転量とカーソルの移動距離との対応を取りにくいという未解決の問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、カーソル設定部の操作性を向上可能な情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の代表的なものを挙げると、本発明は、表示画面(108)の所定の領域に各種の情報を表示する第1の情報表示領域(111)と、前記第1の情報表示領域(111)と隣接して配置され前記第1の情報表示領域(111)内に表示された情報を変更するための操作ボタン領域(115)の各表示領域が割り当てられ、該表示画面(108)上の任意の位置に表示されるカーソル(103)を表示する表示部(100)と、該表示されたカーソル(103)の移動量および移動方向を設定するとともに、該カーソル(103)の移動量および移動方向に応じて操作信号を発生するカーソル設定部(104)と、前記発生された操作信号に基づいて前記表示部(100)の各領域とカーソルの表示を制御する制御部(105)と、を備えた情報処理装置において、前記制御部(105)は、前記第1の情報表示領域(111)内に表示された前記カーソル(103)が前記操作ボタン領域(115)との境界を超えて移動したことが、前記カーソル設定部(104)によって発生された操作信号から検知された場合.前記カーソル(103)を前記操作ボタン領域(115)内に表示するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カーソル設定部の操作性を向上可能な情報処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図1から図4を参照して、この発明に係るトラックボールを用いた情報表示装置について詳細に説明する。なお、同一の部位や方向などは同一符号を付しており重複する説明を省略する。また、本明細書で表示画面の上下左右および縦横と表現する場合には、表示装置を設置した後の状態における操作者の視点を基準とする。
【0010】
図1は、この実施の形態に係るトラックボールを備えた情報表示装置のブロック構成を示した図である。この情報処理装置は、各種の情報を表示することが可能な表示画面108を備えた表示装置100と、各種の動作プログラムや表示装置100に表示する画面情報などの情報を格納した記憶装置101と、文字情報の入力や詳細な操作指示を入力することが可能なキーボード102と、表示画面108に表示されるカーソル103の移動と決定操作を操作指示することができるトラックボール104と、この情報処理装置の動作を統括的に制御する制御部105と、詳細な操作指示を入力することが可能なダイヤル式エンコーダ106と、を含んで構成される。この実施の形態では、出力装置としての図示しないプリンタや、他の機器との接続やインターネットとの接続を可能とする図示しない通信装置などを備えることもできる。また、この実施の形態では、表示画面108に表示されるメニュー画面や操作画面に基づいた操作指示により動作する処理実行部107が接続されている。なお、キーボード102およびダイヤル式エンコーダ106は必要に応じて用いるものであり、本実施の形態では必須の構成ではない。
【0011】
この実施の形態では、処理実行部107として、超音波診断装置が接続される。即ち、前記情報処理装置は、超音波診断装置の処理装置に対応するものである。なお、この実施の形態の情報処理装置は一般的な情報処理を行うことができ、この実施の形態は、必ずしも超音波診断装置に限定されるものではない。
【0012】
まず、トラックボール104について説明する。この実施の形態に係るトラックボール104は、トラックボールトラックボール本体104aと、このトラックボール本体104aの上面に配置されるボール104bと、一対の操作ボタン104cとを含んで構成されている。このトラックボール本体104aは、超音波診断装置の図示しない本体に直接取り付けたり、装置の所定の位置に設置したりして使用することができる。即ち、このトラックボール本体104aは、操作時に移動しないように固定されて設置される。また、ボール104bは任意の方向に回転可能に取り付けられており、このボール104bの回転は、トラックボール本体104a内に設けた図示しない公知の回転ローラ検知部により検知され、その回転量と回転方向とが制御部105によってカーソル103の移動量と移動方向に変換処理される。更に、一対の操作ボタン104cは、マウスの左クリックと右クリックボタンに対応するものであり、プログラムに対応して任意の機能を設定することができる。この実施の形態では、左操作ボタン104cに選択と決定操作が割り当てられており、右操作ボタン104cは、図示しないサブメニューウインドウを表示する操作が割り当てられている。なお、ボール104bの下部にスイッチ機構を設けて、このボール104bを押下することにより、左操作ボタン104cに対応する機能を割り当てるようにしても良い。
【0013】
次に、ダイヤル式のエンコーダ106について説明する。このエンコーダは左右回転可能なダイヤル部品を備えた公知のエンコーダであり、ダイヤルを左右回転方向に操作することにより、その回転量に応じた処理を実行することができる。例えば、この実施の形態に係る超音波診断装置では、表示画面108に表示した画像の明るさを調節したり、焦点を調節したりすることができる。
【0014】
次に、表示画面108について説明する。図1に示されている表示画面108は、情報処理装置の電源が入っている状態であり、表示画面108には、人間の体内のエコー画像等を表示するための第1の情報表示領域111と、第1の情報表示領域の明るさや焦点情報等を表示するための第2の情報表示領域109と、第1の情報表示領域と第2の情報表示領域との間に表示されている操作ボタン領域110と、第1の情報表示領域の画面を変更するためのメニュー項目等を画面に表示するためのタブA〜C112と、カーソル103と、が表示されている。カーソル103は、トラックボール104のボール操作によって、上下左右に移動させることができる。また、操作ボタン領域110内には、操作ボタンa〜fが横方向に順次配列され、各操作ボタンのそれぞれは、カーソル103が各操作ボタン表示と重なる位置にあるときには、その操作ボタンが選択されたことを示すように、例えば色を変えることで、選択表示へと変化する。そのため、操作者に対し、特定の操作ボタンが選択可能な操作ボタンであることが識別できるようになっている。つまり、各操作ボタンa〜fは、各選択ボタンに割り当てられたほぼ選択ボタンの表示領域と少なくとも一部重複する選択検知領域を有しており、この選択検知領域内にカーソル103が進入することにより、所定の選択ボタンの表示が選択表示へと変化するようになっている。そして、操作ボタン104cを押すことで決定操作がなされ、制御部は操作ボタンa〜fのいずれが決定されたことを検知し、操作ボタンに割り当てられた処理内容を実行する。なお、この実施の形態では、設置された状態での横方向(左右方向)をX方向、縦方向(上下方向)をY方向とする。また、115は、操作ボタン領域110のY方向の幅を示している。
【0015】
そして、この情報処理装置の大きな特徴の1つは、表示装置100の表示画面108に第2の情報表示領域109を表示し、かつ、この領域109を、カーソル103を表示しないカーソル表示禁止領域200として設けている点にある。すなわち、カーソル103は、カーソル表示禁止領域200以外の領域である第1の情報表示領域111および操作ボタン領域110内では、トラックボール104の操作指示に従い上下左右に移動するが、カーソル表示禁止領域への移動操作指示に対して、カーソル103は、カーソル表示禁止領域200に進入することなく、手前の操作ボタン領域110で止まるようになっている。このため、カーソル禁止領域200内に表示される各種の情報表示とカーソル103とが重なり、カーソル103に該情報の一部が隠れることがなく、表示画面が見やすくなる。そのため、操作者が、逐一カーソル103を第2の情報表示領域109内に表示された目的の情報を見るために、カーソル103移動させることが不要となり、操作性が向上する。また、カーソル禁止領域200内に表示される各種の情報表示とカーソル103とが重なることがないため、操作者が第2の情報表示領域109内に表示された情報に対し、カーソル103によって、直接、変更操作等を加えられるような誤認識を防ぐことができる。
【0016】
また、この情報処理装置の大きな特徴の1つは、このカーソル表示禁止領域200は、表示画面108の最も下の位置に設けられており、そのカーソル表示禁止領域200の直上には操作ボタンa〜fが配置された操作ボタン領域110が設けられている点である。つまり、操作ボタン領域110は、第2の情報表示領域109でありカーソル表示禁止領域200でもある領域と隣接して配置されている。この情報処理装置は、カーソル表示禁止領域109の直上に選択ボタン領域110が配置されているため、カーソル103に対し下方向への移動操作指示を行ったとしてもカーソル表示禁止領域109の手前の選択ボタン領域110内でカーソルは止まることになる。このため、操作者が、操作ボタンa〜fのいずれかを選択するために、ボール104bをカーソル103が下方向に移動するように勢いよく下向きに回転させたとしても、カーソル103は操作ボタン領域110内の操作ボタンa〜fのいずれかで止まることになり、選択ボタンに対して上下方向の微調整をする必要なくなる。そのため、選択ボタンの選択操作を短時間で行うことができ、操作性が向上する。また、操作ボタンaおよびfのように、操作ボタンを左右の表示画面の端に配置し、かつ、それぞれの選択検知領域を左右の表示画面の端に配置することにより、操作者が、ボール104bを左下又は右下に勢いよく回転操作したとしても、常に操作ボタンa又はfを選択することができる。そのため、微調整の操作が不要になり1回のボール104bの操作で目的の操作ボタンを選択でき、操作性が向上する。なお、本実施の形態ではカーソル表示禁止領域200を下方に、操作ボタン領域110をその直上に設けているが、カーソル表示禁止領域200の位置は、下方に限らず右左端のいずれにあってもよいし、上端にあっても構わない。重要なのは、カーソル表示禁止領域200が表示画面108の四隅のうちのいずれかの端にあって、情報表示領域111とカーソル表示禁止領域200との間に操作ボタン領域110が配置されている点である。
【0017】
次に、図2を用いてこの実施の形態に係る情報表示装置についてさらに詳細に説明する。図2は、表示装置100の表示画面108を表した図である。なお、タブ112については省略する。表示画面108は、第1の情報表示領域111と、操作ボタン領域110と、第2の情報表示領域109とを備えて表示され、操作ボタン領域110は、図示の通り、第1の情報表示領域111と第2の情報表示領域109との間に配置されて表示されている。さらに、操作ボタン領域110は、第2の情報表示領域109に隣接するように配置されて表示されており、第1の情報表示領域111から移動してくるカーソル103は、操作ボタン領域110内で止まるようになっている。そのため、勢いよくボール104bを操作したとしても、操作ボタン領域110の操作ボタンを選択することが可能である。また、操作ボタン領域110はX方向に対して延びる帯状の領域でありX方向に対しては表示画面108と同じ幅により表示され、Y方向に対しては一定の幅により構成されている。さらに、第2の情報表示領域109についても、この領域は帯状の領域でありX方向に対しては表示画面108と同じ幅により構成され、Y方向に対しては一定の幅により構成されている。なお、201は、操作ボタン領域110と第2の情報表示領域109との間の実際には図示されない境界線である。
【0018】
ここで、この実施の形態である超音波診断装置において、情報表示領域111には、超音波を用いて検知した人体内部のエコー画像を表示する。医師は、トラックボール104を操作しながら、このエコー画面を見て被験者を診断することができる。また、操作ボタンa〜fは、例えば、エコー画面の明るさ、コントラスト、縮尺、焦点等を調節するための操作ボタンであり、明るさが不足している場合には、明るさ調節に対応する操作ボタンにカーソル103を合わせ、操作ボタン103cを押した後に所望の操作を行うことで明るさを明るくする調節をすることができる。また、第2の情報表示領域109は、第1の情報表示領域と異なる情報を表示し、この第2の情報表示領域109には、現在時刻、焦点、縮尺、メモリ使用量等を表示している。
【0019】
次に、図2を用いて、第2の情報表示領域109周辺のカーソルの移動動作について説明する。図2は、カーソル103を最大限、下側へ移動させた状態を示す図である。点線で示されたカーソル112は、仮想カーソル112を示している。仮想カーソル112は実際には表示されないカーソルであり説明を分かりやすくするために表示しているものである。113は、操作ボタン領域の操作ボタンが選択されたことを検知するための選択検知領域のY方向の幅である。制御部105は、X軸方向とY軸方向とで規定されるXY座標を検知して、カーソル103を表示画面108に表示している。そして、ボール104bの操作が行われると、制御部105は、ボール104bの回転量と回転方向を検知して、その回転量と回転方向に応じてカーソル103を移動させる。ここで、制御部105は、仮想カーソル112を制御しており、第1の情報表示領域111および操作ボタン領域110では、仮想カーソル112とカーソル103とが重なるように、カーソル103が表示されながら移動する。ここで、仮想カーソル112が選択ボタン領域110内のXY座標に進入するようなボール104bの操作がなされた場合には、カーソル103は、仮想カーソル112と同じXY座標に表示され、カーソル103が位置する操作ボタンが選択されていることを示すように表示表示がなされる。次に、さらにカーソル103が第2の情報表示領域109が配置表示されている下方へ移動するようにボール104bを操作すると、仮想カーソル112は第2の情報表示領域109(カーソル表示禁止領域200)内に移動するが、実際に表示されているカーソル103は操作ボタン領域110内の操作ボタン上に留まった状態で表示され、カーソル103の第2の情報表示領域109への移動はなされない。このため、操作ボタンが選択表示される。すなわち、選択ボタンa〜fは、予め割り振られた仮想カーソルの位置座標に反応する選択検知領域が設けられており、この選択検知領域は、図2の113の範囲で示されているように、第2の情報表示領域109まで延びている。それゆえ、仮想カーソル112がこの第2の情報表示領域内の座標にいる場合には、仮想カーソルXY座標のY方向にある選択ボタンが選択されているかのように、カーソル103を選択ボタン上に表示し、かつ、選択表示がなされる。なお、図2では、操作ボタンcについて示しているが、操作ボタンa、b、d〜fについても同様である。
【0020】
このようにこの実施の形態では、カーソル103が、カーソル表示禁止領域200である第2の情報表示領域109内にカーソル103が表示されることがなく、前述のように微調整を省くことができるので、第2の情報表示領域109内に表示される情報の視認性が向上し、かつ、カーソル103の微調整が不要な分、目的の操作ボタンを素早く選択することができる。そのため、操作性が向上する。
【0021】
ところで、トラックボール104の課題として、直線的な動きがし難いということがある。これは、トラックボール104での操作では、ボール104bを指先又は掌を接触させながら操作したり、あるいは、指先又は掌でボール104bを回転させることを繰り返しながら操作するため、常に一定の方向成分で回転操作するのが困難なためである。このように直線的な動きがし難いトラックボール104操作では、ボール104bに応じて動作するカーソル103も当然に直線的な動きとなり難い。
【0022】
このようにこの実施の形態では、上記課題に対して、選択検知領域の幅113が、実際に表示されている操作ボタン領域110のY方向の幅115よりも第2の情報表示領域109の幅分に広いため、例えばカーソル103を操作ボタンc上から操作ボタンe上に移動させる場合に、多少ボール104bの回転にY方向成分が入ったとしても、仮想カーソル112を選択検知領域の幅113の範囲内に留めつつX方向に移動させることが容易に可能となる。別の言い方をすると、仮想カーソル112が第2の情報表示領域109の最下のY座標に位置する場合であって、操作ボタン領域110外の第1の情報表示領域111側にカーソル103を移動するためには、少なくともY方向に幅113に対応する分だけボール104bを回転させる必要がある。また、別の言い方をすると、仮想カーソル112が第2の情報表示領域109の最下のY座標に位置する場合には、第2の情報表示領域109のY方向の幅分だけ、Y方向(上下方向)のボール104bを操作しても、カーソル103はその操作ボタン上に留まる表示がなされる。このように、操作ボタン領域内の横方向に配列された各操作ボタンの選択に対してY方向に大きい選択検知領域の幅113を有しているので、不用意にカーソル103が操作ボタン領域110の外に移動することが避けられ、操作性が向上する。
【0023】
なお、操作ボタン領域110内の特定の選択ボタンにカーソル103が表示されている場合であって、他の操作ボタンに移動する際にも、各操作ボタンの選択をし易くするのが望ましい。そのため、各操作ボタンの選択検知領域のX方向の幅を広く確保し、かつ、第1の情報表示領域111のY方向の幅を広く確保するために、個々の操作ボタンの形状はY方向よりもX方向に広い幅を有する横長の形状としてX方向に順次配列表示することが望ましい。
【0024】
次に、図3を用いて、ダイヤル式エンコーダ106の操作について説明する。図3では、操作ボタン領域110内の操作ボタンcとdとは、それぞれ第1の情報表示領域111の明るさを調節するためのボタンと焦点を調節するためのボタンであり、それぞれの機能が割り振られている。図3では、操作ボタンcが選択されている状態である選択表示がなされている。なお、カーソル103の表示は省略する。この状態は、操作ボタンcに対して操作ボタン104cの決定操作がなされた後の状態であり、操作ボタンcが選択されていることを示すために、第2の情報表示領域109に操作ボタンcが選択されていることを示す表示がなされている。ここで、操作ボタンcは明るさを調整するためのボタンであるため、明るさ調整モードになっている。ここで、操作者がダイヤル式エンコーダ106のダイヤルを右側に回転させる操作を行うと、制御部105はその操作を検知して、第1の情報表示領域111の明るさが明るくなるように表示画面を制御する。そして、第2の情報表示領域109に示されたインジケータ114のゲージが表示画面の明るさに応じて変化する。また、これと同様に、焦点調整用操作ボタンdがカーソルを用いて選択され、決定操作がなされると、今後は、操作ボタンcが非選択状態の表示になり、操作ボタンdが選択状態の選択表示に変化する。これと共に、第2の情報表示領域109のインジケータ114が焦点のレベルを示すゲージに変更され、ダイヤル式エンコーダ106を用いて、そのレベルを変化させることができ、その操作に合わせて第1の情報表示画面111の焦点レベルが変更される。
【0025】
このように、第2の情報表示領域109は、第1の情報表示領域111の明るさ、焦点等の設定情報を表示するための領域としても機能する、そのため第2の情報表示領域109にカーソル103の表示を表示した場合には、カーソル103とインジケータ114とが重複することにより、インジケータ114の情報が読み取りにくくなる。そのため、このような状態になった場合には、ダイヤル式エンコーダ106を操作する前に、一旦カーソル103をインジケータ114と重複しない場所に移動させてから、ダイヤル式エンコーダ106を操作する必要があり操作が煩雑になる。この実施の形態では、カーソル表示禁止領域200により、そのようなことが起こりえない。そのため、操作性が向上する。また、状況に応じて操作ボタンa〜fの表示を切り換えることによって、ひとつのダイヤル式エンコーダ106に対して、制限なく機能振り分けをすることが出来る。
【0026】
次に、図4を用いて、動作フローについて詳細に説明する。ここでは、カーソル103が第1の情報表示領域111から操作ボタンa〜fまでを選択表示するまでのフローを説明する。また、操作ボタンa〜fの入力操作については、省略する。なお、操作ボタンa〜fの入力操作が操作ボタン104cでなされる、予め割り振られた操作の実行が実行処理部107でなされる。
【0027】
300のスタートでは、仮想カーソル112が第1の情報表示領域111内のXY座標上にある状態である。つまり、この第1の情報表示領域111では、仮想カーソル112のXY座標が、そのままカーソル103のXY座標となるため、仮想カーソル112の座標の位置にカーソル103が表示されている。
【0028】
次に、制御部105は、トラックボール104のボール104bの動きを監視する。つまり、操作者がボール104bを操作しているかを監視しており(301)、ボール104bの状態が変化しない場合には、ボール104bの状態が変化するまで、制御部はカーソルの移動表示を行わない。すなわち、ボール104bの状態に変化がない場合には、スタート300状態の座標にカーソル103が静止した状態として表示され続ける。ここで、ボール104bの状態が変化した場合、つまり、操作者がボール104bを操作した場合には、トラックボール本体104aに内蔵されたセンサが操作情報を検知し、ボール104bの回転量および回転方向の情報を制御部105に伝達する。つまり、制御部105は、トラックボール104から伝達された信号を検知する。そして、制御部105は、スタート時点の仮想カーソル112の座標と、ボール104bの回転量および回転方向の情報を基に、操作後の仮想カーソル112の座標を計算する(302)。
【0029】
次に、制御部105は、302で計算された仮想カーソル112のXY座標が、操作ボタン領域110の選択表示領域内であるか、又は、カーソル表示禁止領域200内かを予め記憶装置101に格納された領域情報と照合し(303)、それらの領域内の座標ではない場合には、仮想カーソル112が第1の情報表示領域111内を移動する操作であるため、座標変更後の仮想カーソル112のXY座標と同じXY座標にカーソル103を表示する(307)。
【0030】
一方、それらのいずれかの領域にある場合には、制御部105は、座標変更後の仮想カーソル112のXY座標がカーソル表示禁止領域200内にあるか否かを予め記憶装置101に格納された領域情報と照合する(304)。ここで、仮想カーソル112がカーソル表示禁止領域200内の座標ではない場合には、仮想カーソル112は、操作ボタン領域110の選択表示領域内への移動操作である。そのため、移動後の仮想カーソル112と同じXY座標にカーソル103を表示し、操作ボタン領域110の選択表示領域に対応するいずれかの操作ボタン110a〜fを選択表示とする(308)。
【0031】
そして、制御部105は、照合された結果、仮想カーソル112の座標がカーソル表示禁止領域200内にあるXY座標と検知した場合には(304のYES)、制御部105は、カーソル表示禁止領域200内の仮想カーソル112のXY座標のうちY座標を変換し、X座標が対応する操作ボタン領域110の操作ボタン上に、カーソル103が表示されるようにカーソル103を表示する。これにより、カーソル表示禁止領域200に移動するようなボール104b操作がなされたとしても、カーソル103は、カーソル表示禁止領域200であり第2の情報表示領域109でもある、この領域にカーソル103が表示されることはなく、操作ボタン領域110内のいずれかの操作ボタンa〜fを選択表示することとなる。そして、操作は終了する(306)。
【0032】
この実施の形態での特徴の1つは、305で説明したように、カーソル表示禁止領域200に仮想カーソル112が移動するような指示がなされたときには、実際に表示されるカーソル103は、カーソル表示禁止領域200に表示されることなく、操作ボタン領域110内のいずれかの操作ボタンa〜fが選択される点である。
【0033】
つまり、第1の情報表示領域111内に表示されたカーソル103を第2の情報表示領域109に向かって移動する操作信号であり、かつ、カーソル103の位置と、操作ボタン領域110と第2の情報表示領域109との境界との間の距離よりも大きい移動量の操作信号を制御部が検知した場合に、制御部は、カーソル103を操作ボタン領域110に向かって移動させ、カーソル103を操作ボタン領域内に表示する。
【0034】
このため、トラックボール104の操作によって、勢いよく操作がなされたとしても、カーソル表示禁止領域200である第2の情報表示領域109にカーソル103が表示されることなく、かつ、常に操作ボタンa〜fのいずれかを選択することができるため、操作性が向上する。
【0035】
次に、図5および図6を用いて、この実施の形態に係る情報表示装置のタブ112表示について説明する。第1の情報表示領域111は、各種の情報を表示する領域であり、広い領域であることが望ましい。また、操作ボタンが少なく、必要な場合のみに表示させることが、視認性および操作性向上の面から望ましい。そのため、この実施の形態の場合には、第1の情報表示領域111を広く確保すると共に、不要な表示領域を出来る限り少なくし操作性を向上させる実施の形態について説明する。
【0036】
また、密集した多くの操作ボタンを表示させ、そのなかから1つの操作ボタンを選択可能とするような場合には、所望の操作ボタンを選択し難く、さらには誤って他の操作ボタンを選択操作、決定操作してしまうという操作上の不都合がある。そのため、所望の操作ボタンを選択するためにカーソル103の微調整が常に必要となる。そのため、この実施の形態では、カーソル103の微調整を少なくすることで、操作性を向上させる実施の形態について説明する。
【0037】
まず、図5を用いてタブ表示について説明する。図5(a)は、カーソル103が第1の情報表示領域111内に位置していることを示す図である。この場合、タブ112に相当するタブA(400A)、タブB(400B)、タブC(400C)の全体は、それぞれ表示画面108に表示されていない。その代わりに、タブの一部が表示され、タブの情報Aが表示されない状態で表示がなされる。なお、タブの存在が分かるように、タブの一部が表示されている部分に矢印マーク等の符号を付し、タブの存在を操作者が気づくような表示がなされると望ましい。なお、本説明では、タブA、タブB、タブCを表示しているが、表示方法については同じであるため、タブAの説明のみ行う。また、タブB、タブCはこの実施の形態に係る発明に必須の構成ではなく、少なくともタブA〜Cのいずれかのタブに対して適応することができる。
【0038】
そして、タブAには、タブ選択領域401Aが設けられており、このタブ選択領域401Aは、X方向ではタブが表示される幅402A、Y方向でもタブが表示される幅403Aで規定されている。
【0039】
まず、ボール104bの操作により、カーソル103がこのタブ選択領域401A内に進入すると、制御部105は、タブAが選択されたことを検知し、タブAを表示画面108に表示させ、タブAが選択されていることを操作者が認識できるようにタブAを選択表示する(図5(b))。
【0040】
そして、操作ボタン104cにより決定入力がなされると、タブA内のメニュー項目A1〜A10が表示されたメニュー表示領域403が表示される。それと共に、制御部105は、カーソル103を画面表示108から消す動作を行う。そして、決定操作が行われた時点で、カーソル103があった位置、すなわち、仮想カーソル112がある位置の座標を検知して、図5(d)で説明する選択検知領域407と照合し、いずれかのメニュー項目A1〜A10を選択表示する。なお、図5(c)における仮想カーソル112は、説明の便宜上、X方向にずらして表示している。
【0041】
ここで、メニュー表示領域403が表示された場合には、図5(c)の404の幅で示すように、実際に表示されているメニュー表示領域403のX方向の幅408よりも広い幅を有するメニュー表示維持領域409が設けられる。このメニュー表示維持領域409は、予め記憶装置101内に格納されている領域情報であり、仮想カーソル112のXY座標が移動したとしても、この領域409内に仮想カーソル112の座標がある場合にはメニュー表示領域403を制御部105は表示し続ける。
【0042】
次に、図5(d)を用いて、仮想カーソル112がY方向に移動する場合の動作について説明する。図5(d)では、それぞれのメニュー項目A1〜10は、それぞれ、一対一に対応する選択検知領域407が設けられている。ここでは、メニュー項目A4に対応する領域のみを407A4として示しているが、A1〜A10に対してそれぞれ選択検知領域が割り振られている。
【0043】
そして、ここでこの実施の形態の特徴の1つは、実際に表示されているメニュー項目A4のY方向の幅405よりも、選択検知領域407A4の幅406の方が広い幅であるという点である。このようにすることにより、多くのメニュー項目を表示するためにそれぞれのメニュー項目の幅405が狭い場合であっても、それぞれのメニュー項目をさらに広い領域の幅406で選択状態にすることができるので、ボール104bの操作での微調整が不要となり、密集したメニュー項目群が表示されていたとしても、容易に目的のメニュー項目の選択が可能となる。そのため、使い勝手がよく、操作性が向上する。例えば、幅405が表示画面の実寸で1cmの幅しかない場合に、この1cmの幅内に仮想カーソルのY座標を制御するためには、上下方向の微調整が必要となる。ここで、選択検知領域の幅406を3cm設けておけば、この3cmの幅内に仮想カーソルを制御することは微調整を必要とせず比較的容易に行うことができる。なお、図4(c)でカーソル表示を消去した理由は、図4(d)で示されているように、メニュー項目A4の選択検知領域407A4が、メニュー項目A7およびA8と重複している領域であるため、カーソル103が表示される場合は、カーソル103がメニュー項目A7上に表示されているのにもかかわらず、メニュー項目A4が選択表示されていることになり、誤操作を誘発する可能性がある。そのため、タブの決定操作後に、制御部105は、カーソル103を表示画面108から消す動作を行うことが望ましい。
【0044】
また、実際に表示されているメニュー表示領域403のX方向の幅408よりも広い幅404を有するメニュー表示維持領域409が設けられているため、一度、メニュー表示領域403が表示されると、仮想カーソル112がメニュー表示領域403のX方向の幅の範囲から外に出たとしても、メニュー表示が維持される。このため、メニュー表示領域403内のメニュー項目A1〜10を選択し易くなり、操作性が向上する。特に、第1の情報表示領域111を広く確保する場合には、幅408を広く確保することが困難であるため、このようなメニュー表示維持領域409を設けることが望ましい。また、特に、カーソル103が消去されることにより、仮想カーソルの座標を操作者は正確に認識できないため、このようなメニュー表示維持領域409を設けることが望ましい。
【0045】
次に、図6を用いて、このタブ表示における動作フローについて詳細に説明する。スタート500は、第1の情報表示領域111にカーソル103がある状態である。まず、制御部105はトラックボール104のボール104bの操作がなされたかを監視している(501)。このボール104bに変化がない場合には、カーソル103の表示座標は変化せずに、同じ位置を表示し続ける。ここで、ボール104bの操作がなされた場合、すなわち、操作者がボール104bを操作した場合には、トラックボール本体104aに内蔵されたセンサが操作情報を検知し、ボール104bの回転量および回転方向の情報を制御部105に伝達する。つまり、制御部105は、トラックボール104から伝達された信号を検知する。そして、制御部105は、スタート時点の仮想カーソル112の座標と、ボール104bの回転量および回転方向の情報を基に、操作後の仮想カーソル112の座標を計算する(502)。次に、制御部105は、変更後の仮想カーソル112の座標が、予め設定されているタブ選択領域内の座標であるかを、記憶装置102に格納されている領域情報と照合することにより把握し、タブ選択領域401A〜Cの範囲内にないと検知した場合には、変更後の仮想カーソル112のXY座標と同じXY座標にカーソル103を表示する。一方、照合した結果、仮想カーソルの座標がタブ選択領域内にあると検知した場合には、タブ選択領域401A〜Cに対応するタブ400A〜Cのいずれかを表示する(504)、図では省略されているが、ここで、タブ400A〜Cに対して選択表示を行ってもよい。次に、制御部105は、操作ボタン104cにより決定操作が入力されたかを監視し、操作ボタンが入力されない場合には、タブ表示をし続け、次にボール操作がなされたかを監視する(513)。ここで、ボール操作がなされなかった場合には、タブ表示をし続ける。一方、ボール104bの操作がなされた場合には、502へ戻り、再度、ボールの回転量および回転方向に応じて、仮想カーソル112の座標を計算する。なお、図では省略したが、仮想カーソルの座標がタブ選択領域外となった場合には、タブ表示を消去して、図5(a)の状態に戻る。
【0046】
次に、決定操作がなされた506以降のフローについて、説明する。制御部105は、決定操作が入力されたことを検知した場合には、カーソル103を表示画面から消去すると共に、複数のメニュー項目が順次配列されたメニュー表示領域403を表示する。また、さらに、仮想カーソル112の座標が、どのメニュー項目の選択検知領域407に対応しているかを、予め記憶装置102に格納されている領域情報と照合し、対応しているメニュー項目を選択表示とする(506)。そして、再度、制御部105は、ボールの操作がなされたかを監視する(507)。ボールの操作がなされなかった場合には、506で選択表示している状態を維持する。一方、ボール104bの操作がなされた場合には、ボールの回転量および回転方向を検知して、仮想カーソル112の座標を計算する(508)。計算した結果、制御部105は、変更後の仮想カーソル112の座標が、予め記憶装置102に格納されているメニュー表示維持領域409と照合する(509)。照合した結果、仮想カーソル112のXY座標が、メニュー表示維持領域409内のXY座標であると制御部105により検知された場合には、制御部105は仮想カーソル112の座標に対応したいずれかのメニュー項目A1〜10を選択表示する(510)。これで終了となる(511)。なお、決定操作については、省略したが、メニュー項目が選択表示された状態で、操作ボタン104cによる決定操作を行うと、制御部105は決定操作を検知し、処理実行部107は、メニュー項目に割り振られた操作を実行し、制御部105は、処理された結果を表示画面108に反映させて表示する。
【0047】
ここで、509で、仮想カーソル112がメニュー表示維持領域409内のXY座標ではないと制御部105により検知された場合について説明する。前述したように、メニュー表示維持領域409の幅404は、実際に表示されているメニュー表示領域403のX座標での幅408よりも広く設けられている。そのため、一度、メニュー表示領域403を表示した場合には、仮想カーソル112の座標がメニュー表示領域403の外に出にくくなるため、ボール104bの操作の際にY方向に動かすつもりで、X方向の成分が入ってしまうという操作を行ったとしても、不用意にメニュー表示領域403が表示画面108から消えてしまうのを防ぐことができる。一方、仮に、仮想カーソル112がメニュー表示維持領域409の外に出た場合には、制御部105は、メニュー表示領域408を表示画面108から消去する動作を行う。この際に、仮想カーソル112のX座標をメニュー表示領域維持領域409内のX座標に変更し、変更した後のX座標を用いて、実際のカーソル103を表示する(514)。これにより、メニュー表示領域が現れている状態から消える状態への遷移を自然な動作で行うことができる。例えば、図5(c)のようにメニュー表示維持領域409が設けられていた場合、カーソル103は、操作ボタンcが配置されているY座標上に登場することになるが、このような表示の場合であっても、仮想カーソル112のX座標を変換することにより、カーソル103を操作ボタンa又はbのY座標上に表示する。これにより、メニュー表示領域403側に配置された操作ボタンa又はbへの移動が、スムーズに行うことができ、操作性が向上する。その後、スタートの状態に戻る(511)。
【0048】
この実施の形態の特徴の1つは、510におけるメニュー項目A1〜10の表示のXY方向の幅とそれに対応するメニュー項目A1〜10の選択検知領域のXY方向の幅との関係にある。つまり、順次配列されたメニュー項目A1〜10には、各メニュー項目A1〜10が選択されたことを検知する選択検知領域407が割り当てられ、順次配列された方向において、それぞれの選択検知領域407の幅が、それぞれのメニュー項目A1〜10が表示される領域の幅よりも広いことに特徴がある。これにより、メニュー項目A1〜10の選択がし易くなり、操作性が向上する。また、さらに、これらのメニュー項目A1〜10は縦方向に順次配列されているものであり、前述の領域の幅は上下方向の幅である。これにより、メニュー項目A1〜10を縦方向に密集させて表示させたとしても、メニュー項目A1〜10の選択がし易くなり、操作性が向上する。
【0049】
次に、図7を用いて、メニュー表示領域403のメニュー項目A1〜10の表示について詳細に説明する。メニュー表示領域403のメニュー項目A1〜10は、本実施の形態の超音波診断装置では、心臓、肺、腹部といった人体の部位が表示される。操作者は、これらの部位の決定操作を行うと、第1の情報表示領域111の表示が、それぞれの部位を診断するに適した表示に遷移する。このような、医療用装置においては、メニュー項目A1〜10として英語が使用されるのが一般的で、日本語に比べて多くの文字数で表示される。そのため、メニュー項目A1〜10が表示されている幅408は広い方が望ましい。しかし、あまりにもメニュー項目A〜10の幅408を広く取り過ぎると、第1の情報表示領域111がそれにより圧迫されて狭くなってしまい、操作者にとって、第1の情報表示領域の情報が読み取り難いものとなり、視認性や操作性が低下してしまう。そのため、図7に係る実施の形態では、このように、視認性や操作性が低下するのを防ぐために、メニュー項目A1〜10の幅408を適度に確保し、かつ、誤操作を防止する表示としたものである。なお、メニュー項目A1〜10は英文に限定されるものではなく、国外の言語でもよいし、日本語であっても適応することができる。なお、超音波診断装置に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0050】
以下、詳細に説明する。図7は、メニュー項目A1が選択されている状態を示す図である。これまで、メニュー項目はA1〜A10といった符号が割り振られていたが、実際の装置では、人体の部位等の名称が表示される。図7では、仮にA1が「A1あああああああ」という名称であるとする。しかし、このように、長い名称であった場合に、メニュー表示領域403の幅408にこの名称を収めようとすると、文字を小さくするか、又は、幅408を広く確保する必要がある。このような方法では、メニュー項目の視認性が低下する。そのため、図7で示すように、文字列の最初の方の一部である「A1ああ」を表示し、残りの部分については、「…」を表示することで、省略している旨が操作者に認識できるような表示とする。しかしながら、この方法では、他のメニュー項目A4、A5において「A1ああいい」、「A1ああうう」といったメニュー項目であった場合に、それぞれ「A1ああ…」と表示されるために、異なるメニュー項目であったとしても同じ表示であるため、操作者の誤操作を招く。そのため、このような誤操作を抑制するため、タブ410の下側にある選択メニュー項目表示領域411に、全文である「A1あああああああ」を表示する。この実施の形態では、メニュー項目を縦に表示することにより、非常にわずかなX方向の幅を用いて表示することができ、第1の情報表示領域111への圧迫を防ぐことができる。また、図7に示すように、タブ410の表示のX方向の幅内に収めることにより、全くの幅の増加なしに、メニュー項目の全文を表示することができ、操作者は自ら選択しているメニュー項目を把握することができ、上記誤操作を防ぐことができる。なお、本実施の形態では、「…」を用いた省略形態であったが、「…」を用いずに英語又はその他の言語の一部の頭文字をメニュー項目表示とし、選択メニュー項目表示領域411に全文表示としても同様の効果が得られる。また、選択メニュー項目表示領域411は、必ずしもタブ410の下側にある必要はなく、上下逆であってもよい。特に、この選択メニュー項目表示領域411が、タブ410の上下の方向にあることで、操作者が着目している選択操作中のメニュー表示領域403と非常に近い位置に全文表示がなされる。そのため、操作者は、メニュー項目A1〜10を選択しながら、選択メニュー項目の認識が容易に行えるため、操作性が向上する。
【0051】
ここで、この実施の形態の特徴の1つは、制御部は、表示画面に縦方向に配列された複数のメニュー項目A1〜10を表示するメニュー表示領域403を表示し、制御部は、選択されたメニュー項目を選択表示とすると共に、選択されたメニュー項目を横向きに表示する点にある。また、特に、メニュー項目を横方向に表示し、メニュー項目の表示幅がメニュー表示領域403の幅408よりも広い場合には、制御部は、メニュー表示領域403内にメニュー項目A1〜10の一部を表示し、さらにタブ110の表示の上又は下方向に横向きに表示されたメニュー項目A1〜10のいずれかを表示する点にある。また、さらに、メニュー表示領域403は、左右方向の幅408よりも上下方向の幅の方が広い点も特徴である。これは、第1の情報表示領域111のX方向の幅を確保するためであり、また、左右方向の幅が上下方向の幅よりも広い場合には、特定のメニュー項目を横向きでの縦表示しようとすると各文字の大きさを小さく表示する必要があり、メニュー項目の視認性が低下するためである。
【0052】
以上、本発明に係る情報表示装置について説明したが、この実施の形態では、仮想カーソル112はボール104bの移動量に対してカーソル103と同じ移動量であることを前提に説明した。しかし、かならずしも同じ移動量であることに限定されるものではない。すなわち、メニュー表示維持領域409や選択検知領域407の幅について説明したが、これは、メニュー表示領域403の表示の際に、ボール104bの移動量に対して仮想カーソルの移動量を例えばn分の1倍にするような変換処理を行っても同様の効果が得られる。そのため、本発明の技術思想を逸脱しない限り、様々な設計変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る情報表示装置の装置構成図である。
【図2】本発明に係る表示画面の説明図である。
【図3】本発明に係る表示画面の説明図である。
【図4】本発明に係るフロー図である。
【図5】本発明に係る表示画面の説明図である。
【図6】本発明に係るフロー図である。
【図7】本発明に係る表示画面の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
100…表示装置、101…記憶装置、102…キーボード、103…カーソル、104…トラックボール、104a…トラックボール本体、104b…ボール、105…制御部、105c…操作ボタン、106…ダイヤル式エンコーダ、107…処理実行部、108…表示画面、109…第2の情報表示領域、110…操作ボタン領域、111…第1の情報表示領域、112…タブ、113…選択検知領域の幅、114…インジケータ、115…操作ボタン領域の幅、200…カーソル表示禁止領域、201…操作ボタン領域と第2の情報表示領域との境界線、400A〜C…タブ、401A〜C…タブ選択領域、402A…タブAのタブ選択領域のX方向の幅、403A…タブAのタブ選択領域のY方向の幅、403…メニュー表示領域、404…メニュー表示維持領域のX方向の幅、405…メニュー項目のY方向の幅、406…選択検知領域のY方向の幅、407…選択検知領域、408…メニュー表示領域のX方向の幅、409…メニュー表示維持領域、410…タブ、411…選択メニュー項目表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の所定の領域に各種の情報を表示する第1の情報表示領域と、前記第1の情報表示領域と隣接して配置され前記第1の情報表示領域内に表示された情報を変更するための操作ボタン領域の各表示領域が割り当てられ、該表示画面上の任意の位置に表示されるカーソルを表示する表示部と、
該表示されたカーソルの移動量および移動方向を設定するとともに、該カーソルの移動量および移動方向に応じて操作信号を発生するカーソル設定部と、
前記発生された操作信号に基づいて前記表示部の各領域とカーソルの表示を制御する制御部と、を備えた情報処理装置において、
前記制御部は、前記第1の情報表示領域内に表示された前記カーソルが前記操作ボタン領域との境界を超えて移動したことが、前記カーソル設定部によって発生された操作信号から検知された場合.前記カーソルを前記操作ボタン領域内に表示するように制御することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記操作ボタン領域と隣接して配置される位置に第2の情報表示領域がさらに割り当てられ、
前記制御部は、前記第1の情報表示領域内に表示された前記カーソルを前記第2の情報表示領域に向かって移動する操作信号であり、かつ、前記カーソルの位置と、前記操作ボタン領域と前記第2の情報表示領域との境界との間の距離よりも大きい移動量の操作信号を検知した場合に、前記カーソルを前記操作ボタン領域に向かって移動させ、前記カーソルを前記操作ボタン領域内に表示するように制御する徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の情報表示領域が、前記表示画面の略端部に配置され、前記操作ボタン領域が、横長の操作ボタン群が配置されて前記表示画面に表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2の情報表示領域が、前記カーソルの非表示領域であるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の情報表示領域内に表示された情報を変更するために順次配列され、前記メニュー項目が前記カーソル設定部によって選択されたことを検知する選択検知領域が割り当てられた複数のメニュー項目を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数のメニュー項目が順次配列された方向において、それぞれの前記選択検知領域の幅が、前記カーソル設定部によって選択されない前記メニュー項目の領域の幅よりも広く生成することを特徴とする請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の前記メニュー項目を前記表示画面の縦方向に配列し、
前記選択検知領域の幅および前記メニュー項目の領域の幅は、前記表示画面に対して上下方向の幅であることを特徴とする請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記メニュー表示領域が表示されている際に、前記カーソルを前記表示画面に非表示とすることを特徴とする請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記メニュー項目を変更するために設けられたタブ表示領域に前記カーソルが表示された場合、前記カーソルがタブ表示領域の前記メニュー項目変更情報を表示することを特徴とする請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記表示されたタブ表示領域の決定操作を検知することで、前記メニュー表示領域を変更表示することを特徴とする請求項9に記載の情報表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記表示画面の縦方向に配列された複数のメニュー項目を表示するメニュー表示領域を表示し、前記カーソル設定部によって選択された前記メニュー項目を選択表示とすると共に、前記選択された前記メニュー項目を前記表示画面の横方向に再配列して表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項12】
さらに、前記メニュー表示領域にタブ表示が備えられており、
前記制御部は、前記メニュー項目を前記表示画面の横方向に表示し、
前記メニュー項目の表示幅が前記メニュー表示領域の幅よりも広い場合には、前記制御部は、前記メニュー表示領域内に前記メニュー項目の一部を表示し、さらに前記タブ表示の上又は下方向に前記表示画面の横方向に表示されたメニュー項目を表示することを特徴とする請求項11に記載の情報表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate