説明

情報記録媒体、記録再生装置およびスタンパー

【課題】内周側から外周側までの全域において磁気的信号の確実な読み取りが可能なサーボパターンを有する情報記録媒体を提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一面側に凹凸パターンによってサーボパターン(凹凸パターン20sa)が形成されると共に、同心円状または螺旋状のデータ記録トラックが一面側に設けられてデータトラックパターン(凹凸パターン20t)が形成され、サーボパターンを構成する凹凸パターン20saは、データトラックパターンと同心の複数の環状領域A1a,A2a・・(環状領域Aa)に区分けされると共に、基材の回転方向(矢印R)に沿った単位凹部長の各環状領域Aa内における平均長をデータトラックパターンの中心から各環状領域Aaまでの距離で除した値が内周側の環状領域Aaよりも外周側の環状領域Aaほど小さくなるように各環状領域Aa毎に単位凹部長が規定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸パターンによってサーボパターンが形成された情報記録媒体、その情報記録媒体を備えた記録再生装置、およびその情報記録媒体を製造するためのスタンパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子や情報記録媒体などを製造する工程において、ナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したスタンパーを基材上の樹脂層に押し付けてスタンパーの凹凸形状を樹脂層に転写することで基材の上にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成するナノインプリントリソグラフィ法(ナノメートルサイズの凹凸パターンを形成するインプリント方法:以下、「インプリント方法」ともいう)が米国特許5772905号明細書に開示されている。このインプリント方法では、まず、その転写面にナノメートルサイズ(一例として、最小幅が25nm程度)の凹凸パターンが形成されたスタンパー(mold)を製造する。具体的には、シリコン基板(silicon substrate )の表面に形成された酸化シリコン等の薄膜(molding layer )を覆うようにして形成された樹脂層に電子ビームリソグラフィ装置を用いて所望のパターンを描画した後に、反応性イオンエッチング装置によって樹脂層をマスクとして薄膜をエッチング処理することによって複数の凸部(features)を有する凹凸パターンを薄膜の厚み内に形成する。これにより、スタンパーが製造される。
【0003】
次いで、例えば、シリコン製の基材(substrate )の表面にポリメチルメタクリレート(PMMA:樹脂材料)をスピンコートして厚み55nm程度の樹脂層(薄膜:thin film layer )を形成する。続いて、基材および樹脂層の積層体、並びにスタンパーの双方を加熱した後に、基材上の樹脂層にスタンパーの各凸部を押し付ける。この際には、スタンパーの凸部が押し込まれた部位の樹脂材料がスタンパーの凹部に向けて移動することにより、凸部が押し込まれた部位に凹部(regions )が形成(転写)される。次いで、スタンパーを押し付けた状態の積層体を室温となるまで放置した後に(冷却処理した後に)、樹脂層からスタンパーを剥離する。これにより、スタンパーの凹凸パターンにおける各凸部が樹脂層に転写されて、基材の上(樹脂層)にナノメートルサイズの凹凸パターンが形成される。この後、凹凸パターンが形成された樹脂層をマスクとして用いて基材をエッチング処理することにより、基材に複数の凹部が形成される。したがって、上記のような技術(インプリント方法)によって情報記録媒体用基材上の樹脂層に凹部を形成することにより、その樹脂層をマスクとして用いたエッチング処理によってナノメートルサイズの凹凸パターンを有する情報記録媒体を製造することが可能となる。
【特許文献1】米国特許5772905号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のインプリント方法(製造方法)に従って製造された情報記録媒体には、以下の問題点がある。すなわち、従来の製造方法では、基材上に形成した樹脂層にスタンパーの凸部を押し込むことによって樹脂層に凹部を設けて凹凸パターンを形成し、凹凸パターンが形成された樹脂層をマスクとして用いて基材をエッチング処理することによって基材に凹凸パターンを形成している。しかし、この製造方法に従って例えばディスクリートトラック型の磁気記録媒体(情報記録媒体)を製造したときには、磁気記録媒体の外周側となる領域において樹脂層に対する凸部(スタンパーの凸部)の押し込み量が不足して、樹脂層に形成される(転写される)凹凸パターンにおける凹部の底部に大量の樹脂材料が残存するおそれがある。この結果、従来の製造方法に従って磁気記録媒体を製造したときには、凹部の底部に残存する樹脂材料の取り除き処理時に凹部が過剰に拡がることに起因して磁気記録媒体に凹凸パターンを高精度で形成するのが困難となるおそれがある。なお、以下の説明では、スタンパーの押し付けによって樹脂層に形成される凹部の底面と基材との間に取り残された樹脂材料を「残渣」ともいう。
【0005】
具体的には、例えば、図22に示すように、上記の製造方法に従って製造した磁気ディスク10xは、同心円状の複数の記録トラックで構成された凹凸パターン20tが形成されたトラックパターン領域Atと、トラッキングサーボ用の凹凸パターン20sxが形成されたサーボパターン領域Asxとが磁気ディスク10xの回転方向(同図に示す矢印Rの向き)で交互に並ぶように規定されて製造されている。この場合、この種の磁気記録媒体を搭載した記録再生装置では、記録再生時に磁気記録媒体を角速度一定で回転させるのが一般的となっている。したがって、この磁気ディスク10xでは、単位時間当たりに磁気ヘッド(図示せず)の下方を通過させられる磁気ディスク10x上の長さに比例して、磁気ディスク10xの回転方向に沿ったサーボパターン領域Asxの長さが内周側から外周側に向かうほど長くなるように(サーボパターン領域Asxが外周側ほど幅広となるように)規定されている。具体的には、図23,24に示すように、凹凸パターン20tの中心O(図22参照)からの距離に比例して、内周側サーボパターン領域Asxiの回転方向に沿った長さよりも、外周側サーボパターン領域Asxoの回転方向に沿った長さの方が長くなっている。
【0006】
また、この種の磁気ディスクでは、サーボパターン領域Asx(凹凸パターン20sx)における凸部21sxi,21sxo(以下、区別しないときは「凸部21sx」ともいう)の回転方向に沿った単位凸部長(磁気信号の読み取りに際して「1つの凸部有り」と検出される基準の長さ:図23,24におけるL1xi,L1xo)と、凹部22sxi,22sxo(以下、区別しないときは「凹部22sx」ともいう)の回転方向に沿った単位凹部長(磁気信号の読み取りに際して「1つの凹部有り」と検出される基準の長さ:図23,24におけるL2xi,L2xo)とが磁気ディスク10xの内周側領域Axiから外周側領域Axoまでの全域において1:1の比(単位凸部長に対する単位凹部長の比が1)となるように規定されている。したがって、この磁気ディスク10xでは、内周側サーボパターン領域Asxiにおける凹部22sxiの長さL2xiよりも、外周側サーボパターン領域Asxoにおける凹部22sxoの長さL2xoの方が凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して長くなっている。
【0007】
一方、上記の磁気ディスク10xを製造するためのスタンパー(図25,26参照)には、磁気ディスク10xに形成すべき凹凸パターン20t,20sxとは凹凸位置関係が反転している凹凸パターン39xが形成されている。したがって、図25,26に示すように、磁気ディスク10xを製造するためのスタンパーでは、内周側サーボパターン領域Asxiにおける凹部22sxiに対応する凸部(図25に示す凸部39ax)の回転方向に沿った長さLSxiよりも、外周側サーボパターン領域Asxoにおける凹部22sxoに対応する凸部(図26に示す凸部39ax)の回転方向に沿った長さLSxoの方が長くなっている。
【0008】
この場合、従来の製造方法では、スタンパーの全域に亘ってほぼ均一な押圧力で凹凸パターン39xを樹脂層に押し付けている。したがって、図25に示すように、回転方向に沿った長さLSxiが比較的短い凸部39axが形成されている部位(内周側サーボパターン領域Asxiの凹凸パターン20sxが形成される部位)では、凸部39axが押し込まれた部位の樹脂材料がスタンパーの凹部39bx,39bx内に向けてスムーズに移動する結果、凸部39axを十分に奥深くまで樹脂層に押し込むことができる。この結果、凸部39axの先端と基材との間(凹部41bxの底部)の樹脂層の厚みT1が十分に薄い凹凸パターン41xを基材の上に形成することができる。これに対して、図26に示すように、回転方向に沿った長さLSxoが比較的長い凸部39axが形成されている部位(外周側サーボパターン領域Asxoの凹凸パターン20sxが形成される部位)では、凸部39axが押し込まれた部位の樹脂材料がスタンパーの凹部39bx,39bx内に向けて移動するのが困難となる結果、凸部39axを樹脂層に奥深くまで十分に押し込むのが困難となる。この結果、凸部39axの先端と基材との間(凹部41bxの底部)に厚みT2の残渣が生じることとなる。
【0009】
一方、凹凸パターン41xが形成された樹脂層をマスクとして用いて基材をエッチング処理する際には、凹凸パターン41xにおける凹部41bxの底面の残渣をエッチング処理等によって除去する必要がある(前述した取り除き処理)。この場合、前述したように、回転方向に沿ったLSxiが短い凸部39ax,39ax・・を押し込んだ部位の残渣の厚みT1は、回転方向に沿ったLSxoが長い凸部39ax,39ax・・を押し込んだ部位の残渣の厚みT2よりも十分に薄くなっている。したがって、後に外周側サーボパターン領域Asxoとなる外周側の領域において厚みT2の残渣を確実に取り除くことができるように十分な時間のエッチング処理(取り除き処理)を実行したときには、厚みT2の残渣の取り除きが完了するのに先立ち、内周側の領域において厚みT1の残渣の取り除きが完了する。この結果、厚みT1の残渣が取り除かれた部位(回転方向に沿った長さが短い凹部41bxの部位)では、厚みT2の残渣の取り除きが完了するまでエッチングされ続けることによって凹部41bxの内側壁(凸部41axの側面)が浸食されて凹部41bxが過剰に拡がってしまう。このため、従来の製造方法に従って製造した磁気ディスク10xには、所望する広さの凹部41bxを形成するのが困難であることに起因して、内周側サーボパターン領域Asxiにおいて凹部22sxiが過剰に拡がり、これに起因して磁気的信号の確実な読み取りが困難となるおそれがある。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その内周側から外周側までの全域において磁気的信号の確実な読み取りが可能なサーボパターンを有する情報記録媒体および記録再生装置、並びに、このような情報記録媒体を製造し得るスタンパーを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく本発明に係る情報記録媒体は、基材の少なくとも一面側に凹凸パターンによってサーボパターンが形成されると共に、同心円状または螺旋状のデータ記録トラックが当該一面側に設けられてデータトラックパターンが形成され、前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記データトラックパターンと同心の複数の環状領域に区分けされると共に、前記基材の回転方向に沿った単位凹部長の当該各環状領域内における平均長を当該データトラックパターンの中心から当該環状領域までの距離で除した値が内周側の当該環状領域よりも外周側の当該環状領域ほど小さくなるように当該各環状領域毎に当該単位凹部長が規定されている。
【0012】
なお、本明細書における「同心円状または螺旋状のデータ記録トラック」には、凹凸パターンの凹部によって情報記録媒体における半径方向および回転方向の双方に対して分離された凸部(単位記録要素)が同心円状または螺旋状に配列させられたパターンド媒体のデータトラックパターンにおけるトラック状のデータ記録部が含まれる。また、本明細書における「単位凹部長」とは、情報記録媒体からの磁気信号の読み取りに際して「1つの凹部有り」と検出するための基準の長さをいう。したがって、実際の情報記録媒体では、サーボデータの内容に応じて、単位凹部長の整数倍の長さの凹部が形成されてサーボパターンが構成される。この場合、「1つの凹部有り」と検出するための基準の長さについては、サーボパターン全体において1つの共通する長さに規定してもよいし、サーボパターンを構成する各種パターンの種類(プリアンブルパターン、アドレスパターンおよびバーストパターン等)に応じて各パターン毎に相違する長さに規定することもできる。また、一般的には、凹部の形成部位は「検出信号の出力なし」または「信号レベルがLow の検出信号」として検出される。さらに、本明細書における「データトラックパターンの中心から環状領域までの距離」とは、例えば、「データトラックパターンの中心から、環状領域の最内周部位までの距離」や、「データトラックパターンの中心から、環状領域の最外周部位までの距離」のみならず、「データトラックパターンの中心から、環状領域の半径方向における中央部位などの任意の部位までの距離」などがこれに含まれる。ただし、この距離を規定する部位はすべての環状領域において同じ部位とする。
【0013】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記基材の回転方向に沿った単位凸部長に対する前記単位凹部長の比が前記環状領域内において当該環状領域の内周側から当該環状領域の外周側に向かうほど小さくなるように当該単位凸部長および当該単位凹部長が規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。なお、本明細書における「単位凸部長」とは、情報記録媒体からの磁気信号の読み取りに際して「1つの凸部有り」と検出するための基準の長さをいう。したがって、実際の情報記録媒体では、サーボデータの内容に応じて、単位凸部長の整数倍の長さの凸部が形成されてサーボパターンが構成される。この場合、「1つの凸部有り」と検出するための基準の長さについては、サーボパターン全体において1つの共通する長さに規定してもよいし、サーボパターンを構成する各種パターンの種類(プリアンブルパターン、アドレスパターンおよびバーストパターン等)に応じて各パターン毎に相違する長さに規定することもできる。また、一般的には、凸部の形成部位は「検出信号の出力有り」または「信号レベルがHighの検出信号」として検出される。
【0014】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凸部長が前記環状領域内において当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど長くなるように規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。
【0015】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凹部長が前記環状領域内における当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側までの全域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。なお、本発明では、極く僅かな程度の製造誤差が生じて、凹凸パターンにおける単位凹部長が各環状領域内において僅かにばらついた状態になったとしても、それらの長さは等しい長さの範疇に含まれるものとする。また、本明細書における「ほぼ等しい長さ」には、製造目標としての所定の長さを中心として、製造誤差とは別に当初から規定した僅かな幅の許容範囲内の長さが含まれるものとする。
【0016】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凸部長および前記単位凹部長の合計長が前記環状領域内において前記データトラックパターンの中心からの距離に比例して当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど長くなるように規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。なお、本発明では、極く僅かな程度の製造誤差が生じて、凹凸パターンにおける単位凸部長と単位凹部長との合計長が環状領域内においてデータトラックパターンの中心からの距離に対して比例する長さとは僅かに相違する長さになったとしても、その凹凸パターンにおける単位凸部長と単位凹部長との合計長は、中心からの距離に比例している長さの範疇に含まれるものとする。
【0017】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凹部長が前記環状領域内において前記データトラックパターンの中心からの距離に比例して当該環状領域の内周側から当該環状領域の外周側に向かうほど長くなるように規定されると共に、前記基材の回転方向に沿った前記単位凹部長と単位凸部長の合計長が当該環状領域内において前記データトラックパターンの中心からの距離に比例して当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど長くなるように当該単位凸部長および当該単位凹部長が規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。なお、本発明では、極く僅かな程度の製造誤差が生じて、凹凸パターンにおける単位凹部長が環状領域内においてデータトラックパターンの中心からの距離に対して比例する長さとは僅かに相違する長さになったとしても、その凹凸パターンにおける単位凹部長は、中心からの距離に比例している長さの範疇に含まれるものとする。
【0018】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凹部長の前記環状領域内における前記平均長が前記内周側の環状領域から前記外周側の環状領域までの全環状領域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。なお、本発明では、極く僅かな程度の製造誤差が生じて、各環状領域毎の単位凹部長の平均長が僅かに相違する状態になったとしても、それらの平均長は等しい長さの範疇に含まれるものとする。
【0019】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凹部長を前記データトラックパターンの中心からの距離で除した値が前記環状領域内において当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど小さくなるように当該単位凹部長が規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。
【0020】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、前記基材の回転方向に沿った単位凸部長を前記データトラックパターンの中心からの距離で除した値が前記環状領域内において当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど小さくなるように当該単位凸部長が規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。
【0021】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凹部長が前記環状領域内における当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側までの全域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。なお、本発明では、極く僅かな程度の製造誤差が生じて、凹凸パターンにおける単位凹部長が各環状領域内において僅かにばらついた状態になったとしても、それらの長さは等しい長さの範疇に含まれるものとする。
【0022】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、前記単位凸部長が前記環状領域内における当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側までの全域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されて前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンが形成されている。なお、本発明では、極く僅かな程度の製造誤差が生じて、凹凸パターンにおける単位凸部長が各環状領域内において僅かにばらついた状態になったとしても、それらの長さは等しい長さの範疇に含まれるものとする。
【0023】
また、本発明に係る記録再生装置は、上記のいずれかの情報記録媒体と、前記サーボパターンに対応付けられているサーボデータに基づいてサーボ制御を実行する制御部とを備えている。
【0024】
また、本発明に係る記録再生装置は、上記のいずれかの情報記録媒体と、前記各環状領域毎に予め規定された読み出し周波数情報に基づいて前記情報記録媒体から前記サーボパターンに対応付けられているサーボデータを読み出してサーボ制御する制御部とを備えている。
【0025】
また、本発明に係る記録再生装置は、上記のいずれかの情報記録媒体と、前記データトラックパターンの中心からの距離に応じて予め規定された読み出し周波数情報に基づいて前記情報記録媒体から前記サーボパターンに対応付けられているサーボデータを読み出してサーボ制御する制御部とを備えている。
【0026】
また、本発明に係るスタンパーは、情報記録媒体製造用のスタンパーであって、上記のいずれかの情報記録媒体における前記凹凸パターンの凹部に対応して形成された凸部と、前記情報記録媒体における前記凹凸パターンの凸部に対応して形成された凹部とを有する凹凸パターンが形成されている。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、各環状領域内における単位凹部長の平均長をデータトラックパターンの中心から環状領域までの距離で除した値が内周側の環状領域よりも外周側の環状領域ほど小さくなるように各環状領域毎に単位凹部長を規定してサーボパターンを構成する凹凸パターンを構成したことにより、単位凹部長がその内周側から外周側に向けて徐々に長くなるように凹凸パターンが形成されている従来の磁気ディスク10xと比較して、外周側の環状領域における単位凹部長を十分に短くすることができる。したがって、この情報記録媒体を製造するためのスタンパーにおいて情報記録媒体の各凹部に対応する各凸部の回転方向に沿った長さを十分に短くすることができるため、インプリント処理時に厚手の残渣を生じさせることなく、スタンパーの各凸部を十分に奥深くまで樹脂層に押し込むことができる。この結果、残渣の厚みが内周側の環状領域に対応する部位と外周側の環状領域に対応する部位とで大きく相違することなくほぼ同様の厚みとなるため、残渣の取り除き処理時に内周側の環状領域に対応する部位の各凹部が過剰に拡がる事態が回避される。したがって、樹脂層における各凹部の部位に最終的に形成される凹部(サーボパターン用の凹部)が過剰に拡がる事態が回避されてサーボパターン用の凹凸パターンを高精度で形成することができる。このため、サーボパターン形成領域の全域において磁気的信号の確実な読み取りが可能なサーボパターンを有する情報記録媒体、およびその情報記録媒体を備えた記録再生装置を提供することができる。
【0028】
この場合、単位凹部長の平均長をデータトラックパターンの中心から環状領域までの距離で除した値が外周側の環状領域よりも内周側の環状領域ほど大きくなるように各環状領域毎に単位凹部長が規定されているため、内周側の環状領域においても単位凹部長が過度に短くなる事態が回避されている。したがって、インプリント法以外の各種製造方法によって情報記録媒体を製造する際にも凹部の形成処理(レジスト層に対する現像処理や、磁性層などに対するエッチング処理等)が困難となる事態を回避することができる結果、サーボパターン形成領域の全域において凹部を高精度で形成することができる。
【0029】
また、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凸部長に対する単位凹部長の比が各環状領域内において環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど小さくなるように単位凸部長および単位凹部長を規定したことにより、各環状領域内における外周側の単位凹部長を十分に短くすることができる。したがって、この情報記録媒体を製造するためのスタンパーにおいて各環状領域の外周側に対応する部位に過剰に長い凸部が存在しないため、インプリント処理時に、スタンパーにおける各凸部を一層スムーズに樹脂層に押し込むことができる。また、単位凸部長に対する単位凹部長の比が環状領域の外周側から内周側に向かうほど大きくなるように単位凸部長および単位凹部長が規定されているため、環状領域の内周側においても単位凹部長が過度に短くなる事態が回避されている。したがって、インプリント法以外の各種製造方法によって情報記録媒体を製造する際にも凹部の形成処理(レジスト層に対する現像処理や、磁性層などに対するエッチング処理等)が困難となる事態を回避することができる結果、サーボパターン形成領域の全域において凹部を高精度で形成することができる。
【0030】
さらに、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凸部長が環状領域内において環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど長くなるように規定したことにより、例えば単位凸部長を環状領域内における環状領域の内周側から環状領域の外周側までの全域に亘って等しい長さに規定して単位凹部長を変化させることで単位凸部長に対する単位凹部長の比を環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど小さくする構成とは異なり、環状領域における外周側において単位凹部長が過度に短くなる事態を回避することができる。したがって、この情報記録媒体に対する記録再生時に各環状領域における外周側の凹部を確実に検出することができる結果、サーボデータの読み出しエラーの発生を確実に回避することができる。
【0031】
また、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凹部長が環状領域における環状領域の内周側から環状領域の外周側までの全域において等しい長さとなるように規定したことにより、例えばインプリント法によってこの情報記録媒体を製造する際にサーボパターン用の凹部に対応する部位に形成される残渣の厚みを各環状領域の内周側から外周側の全域において均一にすることができる。したがって、同一の環状領域内における各凹部の長さ(単位凹部長)にばらつきが生じる事態を回避して均一にすることができる。また、各環状領域内における内周側から外周側までの全域において単位凹部長を等しい長さ、または、ほぼ等しい長さに規定したことにより、インプリント法以外の各種製造方法によって情報記録媒体を製造する場合にも、凹部の形成処理(レジスト層に対する現像処理や、磁性層などに対するエッチング処理等)が容易となる結果、サーボパターン形成領域の全域において凹部を高精度で形成することができる。
【0032】
さらに、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凸部長および単位凹部長の合計長(すなわち、凸部および凹部の形成ピッチ)がデータトラックパターンの中心からの距離に比例して環状領域内において環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど長くなるように規定したことにより、情報記録媒体を角速度一定の条件で回転させつつサーボパターン領域からサーボデータを読み出す際に使用されるクロックの基準となる周波数情報(読み出し周波数情報)を一つの環状領域内において変化させることなく、その環状領域における環状領域の内周側から環状領域の外周側までのサーボパターン領域からサーボデータを確実に読み出す(検出する)ことができる。したがって、例えば、環状領域の内周側から外周側まで磁気ヘッドをシーク動作させる際における読み出し周波数情報の周波数切替え処理を不要とすることができる結果、シーク動作を短時間で実行することができる。このため、データアクセスを高速に行うことができる。また、読み出し周波数情報として環状領域の数に対応する種類の周波数情報を出力できればよいため、簡易な構成の制御部によってトラッキングサーボを行うことができる。
【0033】
また、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凹部長が環状領域内においてデータトラックパターンの中心からの距離に比例して環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど長くなり、かつ単位凸部長と単位凹部長の合計長が環状領域内においてデータトラックパターンの中心からの距離に比例して環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど長くなるように単位凸部長および単位凹部長を規定したことにより、外周側の環状領域において単位凹部長が長くなる事態を回避しつつ、1つの環状領域内において読み出し周波数情報の周波数を変化させることなく、サーボデータの読み取りができるため、例えば、環状領域の内周側から外周側まで磁気ヘッドをシーク動作させる際における読み出し周波数情報の周波数切替え処理を不要とすることができる。したがって、シーク動作を短時間で実行することができるため、データアクセスを高速に行うことができる。また、読み出し周波数情報として環状領域の数に対応する種類の周波数情報を出力できればよいため、簡易な構成の制御部によってトラッキングサーボを行うことができる。また、この情報記録媒体および記録再生装置によれば、磁気ヘッドの下方を単位凸部長の凸部および単位凹部長の凹部が通過させられる時間が1つの環状領域内における内周側と外周側とで等しくすることができる。したがって、磁気ヘッドが検出するサーボデータの単位凸部長および単位凹部長の信号形状を1つの環状領域内における内周側から外周側までの全域において等しくすることができる。このため、より一層確実にサーボデータを読み出す(検出する)ことができる。
【0034】
さらに、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凹部長の環状領域内における平均長が内周側の環状領域から外周側の環状領域までの全環状領域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定したことにより、例えば、インプリント法によって情報記録媒体を製造する際に、サーボパターン用の凹部に対応する部位に生じる残渣の厚みを内周側の環状領域から外周側の環状領域までほぼ均一にすることができる。したがって、各環状領域毎の凹部の拡がり度合いを大きくばらつかせることなく、すべての環状領域(すなわち、情報記録媒体の内周側から外周側までの全域)に亘って所望の長さの凹部を高精度で形成することができる。また、インプリント法以外の各種製造方法によって情報記録媒体を製造する場合にも、凹部の形成処理(レジスト層に対する現像処理や、磁性層などに対するエッチング処理等)が容易となる結果、サーボパターン形成領域の全域において凹部を高精度で形成することができる。
【0035】
また、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凹部長をデータトラックパターンの中心からの距離で除した値が環状領域内において環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど小さくなるように単位凹部長を規定したことにより、各環状領域内における外周側の単位凹部長を十分に短くすることができる。したがって、この情報記録媒体を製造するためのスタンパーにおいて各環状領域の外周側に対応する部位に過剰に長い凸部が存在しないため、インプリント処理時に、スタンパーの各凸部を一層スムーズに樹脂層に押し込むことができる。また、単位凹部長をデータトラックパターンの中心からの距離で除した値が環状領域の外周側から環状領域の内周側に向かうほど大きくなるように単位凹部長が規定されているため、各環状領域の内周側においても単位凹部長が過度に短くなる事態が回避されている。したがって、インプリント法以外の各種製造方法によって情報記録媒体を製造する際にも凹部の形成処理(レジスト層に対する現像処理や、磁性層などに対するエッチング処理等)が困難となる事態を回避することができる。
【0036】
さらに、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凸部長をデータトラックパターンの中心からの距離で除した値が環状領域内において環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど小さくなるように単位凸部長を規定してサーボパターンを構成する凹凸パターンを形成したことにより、基材の回転方向に沿った単位凸部長がデータトラックパターンの中心からの距離に比例して長くなるように(単位凸部長を中心からの距離で除した値が内周側から外周側までの全域に亘って等しくなるように)凹凸パターンが形成されている従来の情報記録媒体(磁気ディスク10x)と比較して、環状領域内における外周側の単位凸部長を十分に短くすることができる。したがって、この情報記録媒体を製造するためのスタンパーにおいて環状領域内に対応する領域の外周側に形成された各凹部の回転方向に沿った長さを十分に短くすることができるため、インプリント処理時に、スタンパーにおける凸部の押し込みによってその凸部に隣接する凹部内に移動させられた樹脂材料によって十分な高さの凸部(十分な厚みのマスク)を形成することができる。この結果、十分な厚みのマスク(十分な高さの凸部)を用いてサーボパターン用の凹部を高精度で形成することができる。
【0037】
また、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凹部長が環状領域における環状領域の内周側から環状領域の外周側までの全域において等しい長さとなるように規定してサーボパターンを構成する凹凸パターンを形成したことにより、例えばインプリント法によってこの情報記録媒体を製造する際にサーボパターン用の凹部に対応する部位に形成される残渣の厚みを各環状領域の内周側から外周側の全域において均一にすることができる。したがって、同一の環状領域内における各凹部の長さ(単位凹部長)にばらつきが生じる事態を回避して均一にすることができる。また、各環状領域内における内周側から外周側までの全域において単位凹部長を等しい長さ、または、ほぼ等しい長さに規定したことにより、インプリント法以外の各種製造方法によって情報記録媒体を製造する場合にも、凹部の形成処理(レジスト層に対する現像処理や、磁性層などに対するエッチング処理等)が容易となる結果、サーボパターン形成領域の全域において凹部を高精度で形成することができる。
【0038】
さらに、本発明に係る情報記録媒体および記録再生装置によれば、単位凸部長が環状領域内における環状領域の内周側から環状領域の外周側までの全域において等しい長さとなるように規定してサーボパターンを構成する凹凸パターンを形成したことにより、この情報記録媒体を製造するためのスタンパーにおいて情報記録媒体の各凸部に対応する各凹部の回転方向に沿った長さを各環状領域における内周側に対応する部位から外周側に対応する部位まで均一にすることができるため、インプリント処理時に、スタンパーにおける各凸部の押し込みによって各凹部内に移動させられた樹脂材料によって形成される凸部(マスクとして機能する樹脂材料)の高さを環状領域内における内周側から外周側まで均一にすることができる。この結果、均一な厚みのマスク(均一な高さの凸部)を用いてサーボパターン用の凹部を高精度で形成することができる。
【0039】
また、本発明に係る記録再生装置によれば、サーボパターンに対応付けられているサーボデータに基づいてサーボ制御を実行する制御部を備え、各環状領域毎に予め規定された読み出し周波数情報に基づいて制御部が情報記録媒体からサーボパターンに対応付けられているサーボデータを読み出すように構成したことにより、例えば、情報記録媒体の内周側の環状領域内から外周側の環状領域内まで磁気ヘッドをシーク動作させる際における検出用クロックの周波数切替え処理の回数を少なくすることができる。したがって、シーク動作を短時間で実行することができるため、データアクセスを高速に行うことができる。
【0040】
また、本発明に係る記録再生装置によれば、サーボパターンに対応付けられているサーボデータに基づいてサーボ制御を実行する制御部を備え、データトラックパターンの中心からの距離に応じて予め規定された読み出し周波数情報に基づいて制御部が情報記録媒体からサーボパターンに対応付けられているサーボデータを読み出すように構成したことにより、情報記録媒体を角速度一定の条件で回転させつつサーボパターン(サーボデータ)を確実に読み出すことができる。
【0041】
また、本発明に係るスタンパーによれば、上記の情報記録媒体における凹凸パターンの凹部に対応して形成した凸部と、情報記録媒体における凹凸パターンの凸部に対応して形成した凹部とを有する凹凸パターンを備えたことにより、スタンパーの外周側に回転方向に沿った長さが過剰に長い凸部が存在しないため、凹凸パターンを形成するためのインプリント処理時(情報記録媒体製造用の中間体における樹脂層にスタンパーの凹凸パターンを転写する処理時)に、樹脂層に対してスタンパーの凹凸パターン(各凸部)をスムーズに押し込むことができる。したがって、各凸部の押し込み量の不足に起因する不都合(厚手の残渣が生じることに起因して各凹部が過剰に拡がる事態)が生じる事態を回避することができる。これにより、サーボデータの確実な読み取りが可能な情報記録媒体を製造することができる。また、回転方向に沿った長さが過剰に長い凹部がスタンパーに存在しないため、インプリント処理時にこのスタンパーの凸部の押し込みによってスタンパーの凹部内に移動させられる樹脂材料によって、十分に高い凸部を樹脂層に形成する(十分に厚い樹脂マスクを形成する)ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明に係る情報記録媒体、記録再生装置およびスタンパーの最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0043】
図1に示すハードディスクドライブ1は、本発明に係る記録再生装置の一例としての磁気記録再生装置であって、スピンドルモータ2、磁気ヘッド3、信号変換部4、検出用クロック出力部5、サーボデータ検出部6、ドライバ7、制御部8、ROM9および磁気ディスク10aを備えて構成されている。この場合、磁気ディスク10aは、一例として、垂直記録方式で記録データを記録可能なディスクリートトラック型の磁気ディスク(パターンド媒体)であって、本発明における情報記録媒体に相当する。具体的には、図2に示すように、この磁気ディスク10aは、軟磁性層12、中間層13および磁性層14がガラス基材11の上にこの順で形成されている。この場合、中間層13の上に形成されている磁性層14は、磁性材料で形成された凸部21,21・・と凹部22,22・・とが交互に形成されることによって所定の凹凸パターン20を構成する。また、凹部22,22・・には、SiO等の非磁性材料15が埋め込まれている。さらに、凹部22に埋め込まれた非磁性材料15、および凸部21の上には、一例としてダイヤモンドライクカーボン(DLC)の薄膜がCVD法によって成膜されて厚みが2nm程度の保護層(DLC膜)16が形成されている。また、この磁気ディスク10aでは、保護層16の表面に潤滑剤(一例として、フッ素系の潤滑剤)が塗布されている。
【0044】
ガラス基材11は、本発明における基材に相当し、直径2.5インチのガラス板を表面研磨して厚みが0.6mm程度となるように形成されている。なお、本発明における基材は、ガラス材料に限定されるものではなく、アルミニウムやセラミックなどの各種非磁性材料で形成することができる。軟磁性層12は、CoZrNb合金などの軟磁性材料をスパッタリングすることによって厚みが100nm〜200nm程度となるように形成されている。中間層13は、磁性層14を形成するための下地層として機能する層であって、CrやCoCr非磁性合金などの中間層形成用材料をスパッタリングすることによって厚みが40nm程度となるように形成されている。磁性層14は、磁性材料で形成された凸部21,21・・で構成された層であって、例えばCoCrPt合金をスパッタリングする処理と、レジストパターン等をマスクとして用いてエッチング処理して凹部22,22・・を形成する処理とがこの順で実行されることによって、凸部21,21・・(凹凸パターン20)が形成されて構成されている。
【0045】
この場合、図3に示すように、この磁気ディスク10aでは、凹凸パターン20(凹凸パターン20t)の中心Oを中心とする同心円状の(すなわち、凹凸パターン20tと同心の)4つの環状領域A1a〜A4a(本発明における複数の環状領域の一例:以下、区別しないときには、環状領域Aaともいう)に区分けされて凹凸パターン20(凹凸パターン20t、凹凸パターン20sa)が形成されている。なお、本発明における「複数の環状領域」の数は上記の4つに限定されず、磁気ディスク10aの内周側から外周側までを2つ以上の任意の数に区分けすることができる。また、この磁気ディスク10aでは、トラックパターン領域At,Atの間にサーボパターン領域Asaが設けられてトラックパターン領域Atおよびサーボパターン領域Asaが磁気ディスク10aの回転方向(矢印Rの向き)において交互に並ぶように形成されている。
【0046】
また、図5,6に示すように、トラックパターン領域At(各環状領域Aaにおける内周側の内周側トラックパターン領域Ati、および各環状領域Aaにおける外周側の外周側トラックパターン領域Ato)には、データトラックパターンとしての凹凸パターン20tが形成されている。この場合、凹凸パターン20tは、磁気ディスク10aの回転中心を中心O(図3参照)とする同心円状の多数の凸部21t,21t・・(データ記録用トラック)と、各凸部21t,21t・・の間の凹部22t,22t・・とで構成されている。なお、磁気ディスク10aの回転中心と凹凸パターン20tの中心Oとが一致しているのが好ましいが、実際には、製造誤差に起因する30〜50μm程度の極く小さなずれが生じることがある。しかし、この程度のずれ量であれば磁気ヘッド3に対するトラッキングサーボ制御が十分に可能であるため、回転中心と中心Oとは、実質的には同様であるといえる。また、凹凸パターン20tの凹部22t,22t・・には、非磁性材料15が埋め込まれてトラックパターン領域Atの表面が平坦化されている。
【0047】
また、図4〜6に示すように、サーボパターン領域Asa(各環状領域Aaにおける内周側の内周側サーボパターン領域Asai、および各環状領域Aaにおける外周側の外周側サーボパターン領域Asao)には、サーボパターンとしての凹凸パターン20saが形成されている。この場合、図5,6に示すように、凹凸パターン20saは、プリアンブルパターン、アドレスパターンおよびバーストパターンなどの各種サーボパターンを構成する凸部21s,21s・・(凸部21siおよび凸部21so)並びに凹部22s,22s・・(凹部22siおよび凹部22so)で構成されている。また、この磁気ディスク10aでは、回転方向(各図における矢印Rの向き)に沿った凸部21sの長さと凹部22sの長さとの合計長(すなわち、凸部21sおよび凹部22sの形成ピッチ)が各環状領域Aa内において凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例してその内周側からその外周側に向けて徐々に長くなるように規定されている。したがって、図4に示すように、各環状領域Aaは、回転方向に沿った長さが環状領域Aaにおける内周側の長さL4iよりも、外周側の長さL4oの方が僅かに長くなっている。
【0048】
また、この磁気ディスク10aでは、回転方向に沿った凹部22sの長さが環状領域Aaにおける内周側から外周側までの全域において等しい長さとなるように(本発明における「単位凹部長が等しい長さ、または、ほぼ等しい長さ」となるように規定した一例)各凹部22s,22s・・が形成されると共に、回転方向に沿った凸部21sの長さが各環状領域Aaの内周側から外周側に向けて徐々に長くなるように各凸部21s,21s・・が形成されている。したがって、この磁気ディスク10aでは、回転方向に沿った凸部21sの長さに対する凹部22sの長さの比が各環状領域Aaにおいてその内周側からその外周側に向けて徐々に小さくなるように規定されている。さらに、このこの磁気ディスク10aでは、凹部22sの長さがすべての環状領域Aaに亘って等しい長さとなるように規定されている。この結果、この磁気ディスク10aでは、各環状領域Aa内の凹部22sの平均長がすべての環状領域Aaにおいて等しくなると共に、各環状領域Aa内の凹部22sの平均長を凹凸パターン20tの中心Oから環状領域Aaまでの距離(一例として、環状領域Aaにおける最内周の部位とする)で除した値が内周側の環状領域A1aから外周側の環状領域A4aに向かうほど小さくなっている。また、図4に示すように、この磁気ディスク10aでは、各環状領域Aaの内周側の長さL4i,L4i・・が互いに等しくなるように規定され、各環状領域Aaの外周側の長さL4o,L4o・・が互いに等しくなるように規定されている。
【0049】
具体的には、図5に示すように、各環状領域Aaにおける内周側領域Aia(一例として、環状領域A1a内における中心Oからの距離が11mmの部位におけるプリアンブルパターンの形成領域)では、凸部21siの長さL1i(一例として、220nm)と凹部22siの長さL2i(一例として、220nm)との合計長である長さL3iが440nmとなるように規定されている。これに対して、図6に示すように、各環状領域Aaにおける外周側領域Aoa(一例として、環状領域A1a内における中心Oからの距離が16mmの部位におけるプリアンブルパターンの形成領域)では、凸部21soの長さL1o(一例として、420nm)と凹部22soの長さL2o(一例として、凹部22siの長さL2iと等しい220nm)との合計長である長さL3oが640nmとなっている。この結果、図5に示すように、この磁気ディスク10aでは、各環状領域Aaにおいて、その内周側領域Aiaにおける凹凸パターン20saの凸部21siの長さL1iに対する凹部22siの長さL2iの比が1であるのに対して、図6に示すように、外周側領域Aoaにおける凸部21soの長さL1oに対する凹部22soの長さL2oの比が11/21となっている。
【0050】
この場合、各環状領域Aa毎の凸部21sの長さ(単位凸部長)に対する凹部22sの長さ(単位凹部長)の比については、上記のプリアンブルパターンのみならず、アドレスパターンやバーストパターンを構成する凹凸パターン20saについても同様に規定されている。また、バーストパターンについては、磁気ディスク10aの回転方向に沿って複数の矩形状の凹部22s,22s・・が凸部21sを挟んで並んでいる領域において、単位凸部長に対する単位凹部長の比が上記の条件を満たすように規定されている。なお、図5,6では、本発明についての理解を容易とするために、凸部21soの長さL1oに対する凹部22soの長さL2oの比を誇張して小さくした状態(凸部の長さを誇張して長くした状態)を図示している。また、両図では、サーボパターンにおけるプリアンブルパターンおよびバーストパターンを模式的に図示しており、理解を容易にすべく、回転方向に沿った各凸部21s,21s・・や各凹部22s,22s・・の長さをサーボパターンの単位凸部長および単位凹部長のみで図示している。したがって、実際の磁気ディスク10aでは、凸部21s,21s・・や凹部22s,22s・・の数、形成位置および長さが各図に示す状態とは異なり、トラッキングサーボ制御に必要なトラックアドレスおよびセクターアドレス等の情報(パターン)を含む各種の制御用データに対応して、凸部21sや凹部22sのそれぞれの数、形成位置および長さが規定されて凹凸パターン20saが形成されている。この場合、凸部21sや凹部22sの実際の長さは、凸部21sや凹部22sの長さ(単位凸部長および単位凹部長)の整数倍の長さとなる。
【0051】
一方、スピンドルモータ2は、制御部8の制御下で磁気ディスク10aを一例として4200rpmの回転数で定速回転させる。磁気ヘッド3は、図1に示すように、スイングアーム3aを介してアクチュエータ3bに取り付けられて磁気ディスク10aに対する記録データの記録再生時において磁気ディスク10a上を移動させられる。また、磁気ヘッド3は、磁気ディスク10aの各環状領域Aaにおけるサーボパターン領域Asaからのサーボデータの読み出しと、各環状領域Aaにおけるトラックパターン領域At(凸部21t,21t・・)に対する記録データの磁気的な書き込みと、各環状領域Aaにおけるトラックパターン領域Atに磁気的に書き込まれている記録データの読み出しとを実行する。なお、磁気ヘッド3は、実際には磁気ディスク10aに対して磁気ヘッド3を浮上させるためのスライダの底面(エアベアリング面)に形成されているが、このスライダについての説明および図示を省略する。アクチュエータ3bは、制御部8の制御下でドライバ7から供給される駆動電流によってスイングアーム3aをスイングさせることにより、磁気ヘッド3を磁気ディスク10a上の任意の記録再生位置に移動させる。
【0052】
信号変換部4は、アンプ、LPF(Low Pass Filter)およびA/D変換器等(図示せず)を備え、磁気ヘッド3によって磁気ディスク10aから取得された各種信号を増幅してノイズを除去した後にA/D変換して出力する。ROM9は、制御部8が出力すべき読み出し周波数情報についてのクロックデータDclを各環状領域Aa毎に記憶している。この場合、制御部8は、後述するように、クロックデータDclに基づき、一例として、同一の環状領域Aa内では周波数を変化させず、かつ、凹凸パターン20tの中心Oから離れている環状領域Aa内の記録トラックにオントラックさせるときほど周波数が高くなるように読み出し周波数情報の周波数を変化させて検出用クロック出力部5に出力する。検出用クロック出力部5は、制御部8がクロックデータDclに基づいて出力する読み出し周波数情報を取得すると共に、信号変換部4から出力されたデジタルデータのうちから、磁気ヘッド3を介して各環状領域Aaのサーボパターン領域Asaから読み出されたプリアンブル用のデータ(プリアンブル用の信号)を取得(検出)する。また、検出用クロック出力部5は、読み出し周波数情報とプリアンブル用のデータとに基づいて位相や周波数等の調整を行うことにより、実際のサーボデータ検出時に使用される検出用クロックClsを生成してサーボデータ検出部6に出力する。
【0053】
この場合、この磁気ディスク10aでは、前述したように、各環状領域Aaにおける長さL4i,L4i・・が互いに等しく、かつ長さL4o,L4o・・が互いに等しくなるように凹凸パターン20saが形成されている。このため、磁気ディスク10aを角速度一定の回転速度で定速回転させたときには、磁気ヘッド3の下方をサーボパターン領域Asaが通過させられる時間が外周側の環状領域Aaほど短時間となる。したがって、制御部8は、一例として、磁気ディスク10aが4200rpmで定速回転させられている状態において、磁気ヘッド3が環状領域A1a内の記録トラック(凸部21t)にオントラックさせられているときには、22MHzの読み出し周波数情報を出力し、磁気ヘッド3が環状領域A2a内の記録トラックにオントラックさせられているときには、32MHzの読み出し周波数情報を出力し、環状領域A3a内の記録トラックにオントラックさせられているときには、42MHzの読み出し周波数情報を出力し、環状領域A4a内の記録トラックにオントラックさせられているときには、52MHzの読み出し周波数情報を出力する。
【0054】
サーボデータ検出部6は、検出用クロック出力部5から出力された検出用クロックClsに同期して読み込むことにより、信号変換部4から出力されたデジタルデータからサーボデータDsを取得(検出)して制御部8に出力する。ドライバ7は、制御部8からの制御信号に従ってアクチュエータ3bを制御して磁気ヘッド3を所望の記録トラック(凸部21t)にオントラックさせる。制御部8は、ハードディスクドライブ1を総括的に制御する。また、制御部8は、サーボデータ検出部6から出力されるヘッド位置情報に基づいて磁気ヘッド3が磁気ディスク10a上の内周側の各環状領域Aaから外周側の各環状領域Aaまでの間のいずれの環状領域Aa内の記録トラックにオントラックしているかを特定すると共に、所望の磁気ヘッド3の位置(磁気ヘッド3を移動させようとする環状領域Aaおよび記録トラックの位置)に応じて、環状領域Aa毎に予め規定されてROM9に記憶させられているクロックデータDcl(周波数変更条件についてのデータ)に応じて前述したように読み出し周波数情報の周波数を変化させて検出用クロック出力部5に出力する。さらに、制御部8は、サーボデータ検出部6から出力されたサーボデータDsに基づいてドライバ7を制御する。
【0055】
次に、磁気ディスク10aの製造方法、および使用方法について説明する。
【0056】
上記の磁気ディスク10aの製造に際しては、図7に示す中間体30と図8に示すスタンパー35aとを使用する。この場合、図7に示すように、中間体30は、軟磁性層12、中間層13、および磁性層14がガラス基材11の上にこの順で形成されると共に、磁性層14の上に、マスク層17と、厚み80nm程度の樹脂層(レジスト層)18とが形成されて構成されている。一方、スタンパー35aは、本発明に係る情報記録媒体製造用のスタンパーの一例であって、図8に示すように、磁気ディスク10aにおける凹凸パターン20(凹凸パターン20t,20sa)とは凹凸位置関係が反転している凹凸パターン39が形成されて、インプリント法による磁気ディスク10aの製造が可能に構成されている。この場合、スタンパー35aの凹凸パターン39は、凸部39a,39a・・が磁気ディスク10aの凹凸パターン20における凹部22,22・・に対応し、凹部39b,39b・・が凹凸パターン20における凸部21,21・・に対応して形成されている。したがって、このスタンパー35aでは、凸部39aの回転方向に沿った長さが凹凸パターン20における凹部22の回転方向に沿った長さとほぼ等しく、かつ凹部39bの回転方向に沿った長さが凹凸パターン20における凸部21の回転方向に沿った長さとほぼ等しくなっている。なお、中間体30およびスタンパー35aの製造方法については、特に限定されず、公知の各種製造方法によって製造することができる。
【0057】
この中間体30およびスタンパー35aを用いた磁気ディスク10aの製造に際しては、図9に示すように、まず、中間体30の樹脂層18にスタンパー35aの凹凸パターン39をインプリント法によって転写する。具体的には、スタンパー35aにおける凹凸パターン39の形成面を中間体30の樹脂層18に押し付けることにより、凹凸パターン39の凸部39a,39a・・を中間体30の樹脂層18に押し込む。
【0058】
この場合、このスタンパー35aを用いて製造する磁気ディスク10aは、前述したように、各環状領域Aa内における内周側の凹部22si,22si・・の長さL2iと、環状領域Aa内における外周側の凹部22so,22so・・の長さL2oとが等しい長さ(この例では、220nm)となるように形成されている。また、磁気ディスク10aでは、環状領域A1a〜A4aのすべて(すなわち、磁気ディスク10aの全域)の凹部22si,22si・・の長さL2iと、外周側の凹部22so,22so・・の長さL2oとが等しい長さとなるように形成されている。この結果、各凸部21s,21s・・の長さ(単位凸部長)に対する各凹部22s,22s・・の長さ(単位凹部長)の比が各環状領域Aa内において内周側から外周側に向かうほど小さくなるように規定されて凹凸パターン20が形成されている。したがって、磁気ディスク10aを製造するためのスタンパー35aには、磁気ディスク10aにおけるサーボパターン領域Asaに対応する全域において、回転方向に沿った長さが長さL2i,L2oを大きく超える凸部39aが存在しないように(凸部39aの長さが長さL2i,L2oとほぼ等しくなるように)凹部39b,39b・・が形成されている。この結果、凸部39a,39a・・が樹脂層18にスムーズに押し込まれる。これにより、スタンパー35aにおける凸部39aの先端部と中間体30のマスク層17との間に厚手の残渣が生じることなく、スタンパー35aの凸部39a,39a・・が十分に奥深くまで中間体30の樹脂層18に押し込まれる。
【0059】
次いで、中間体30からスタンパー35aを剥離し、さらに、凹部41bの底面に残存する樹脂(残渣:図示せず)を酸素プラズマ処理によって除去することにより、図10に示すように、中間体30におけるマスク層17の上に樹脂層18からなる凹凸パターン41が形成される。この場合、前述したように中間体30の樹脂層18に対してスタンパー35aにおける内周側の凸部39a,39a・・(内周側の環状領域Aaに対応して形成された凸部)から外周側の凸部39a,39a・・(外周側の環状領域Aaに対応して形成された凸部)までがほぼ均等に押し込まれてマスク層17上の残渣の厚みが全域においてほぼ均等となっているため、いずれかの環状領域Aaにおける内周側の各凹部22si,22si・・において残渣の取り除きが完了した時点で、他の部位においてもほぼ同時に残渣の取り除きが完了する。次いで、残渣の取り除きが完了した凹凸パターン41(樹脂層18)をマスクとして用いてエッチング処理を実行することにより、凹凸パターン41における凹部41b,41b・・の底部においてマスク(凸部41a,41a・・)から露出しているマスク層17をエッチングする。
【0060】
この場合、マスクとして用いる凹凸パターン41を形成するのに使用したスタンパー35aは、その凹凸パターン39が磁気ディスク10aの凹凸パターン20とは凹凸位置関係が反転しているため、凹凸パターン39の単位凹部長(凹部39bの単位凹部長に対応する長さ)に対する単位凸部長(凸部39aの単位凸部長に対応する長さ)の比が各環状領域Aa内においてその内周側から外周側に向かうほど小さくなっている。言い換えれば、スタンパー35aの凹凸パターン39は、単位凹部長に対する単位凸部長の比が各環状領域Aa毎に外周側から内周側に向かうほど大きくなっている。したがって、この凹凸パターン39を転写して形成した凹凸パターン41では、単位凸部長(凸部41aの単位凸部長に対応する長さ)に対する単位凹部長(凹部41bの単位凹部長に対応する長さ)の比が各環状領域Aa内においてその外周側から内周側に向かうほど大きくなっており、これにより、各環状領域Aaにおける内周側の凹部41bにおける回転方向に沿った長さが過度に短くなる事態が回避されている。したがって、凹部41bが過度に狭いことに起因するエッチング不良を招くことなく、十分に広い凹部41bから露出しているマスク層17を確実にエッチングすることが可能となっている。これにより、図11に示すように、凸部42aおよび凹部42bを有する凹凸パターン42が中間体30のマスク層17に形成される。
【0061】
次いで、凹凸パターン42(マスク層17)をマスクとして用いてエッチング処理を実行することにより、凹凸パターン42における凹部42b,42b・・の底部においてマスク(凸部42a,42a・・)から露出している磁性層14をエッチングする。これにより、図12に示すように、その回転方向に沿った長さがスタンパー35aにおける凹部39bの回転方向に沿った長さとほぼ等しい凸部21と、その回転方向に沿った長さがスタンパー35aにおける凸部39aの回転方向に沿った長さとほぼ等しい凹部22とを有する凹凸パターン20(凹凸パターン20t,20sa)が中間体30の磁性層14に形成される。次いで、凸部21,21・・の上に残存しているマスク層17に対して選択的にエッチング処理を行うことにより、残存しているマスク層17を完全に除去して凸部21,21・・の突端面を露出させる。
【0062】
次いで、非磁性材料15としてのSiOをスパッタリングする。この際には、非磁性材料15によって凹部22,22・・が完全に埋め尽くされ、かつ、凸部21,21・・の上に例えば厚みが60nm程度の非磁性材料15の層が形成されるように、非磁性材料15を十分にスパッタリングする。続いて、磁性層14の上(凸部21,21・・の上および凹部22,22・・の上)の非磁性材料15の層に対してイオンビームエッチング処理を実行する。この際には、各凸部21,21・・の突端面が非磁性材料15から露出するまでイオンビームエッチング処理を継続する。これにより、中間体30の表面が平坦化される。続いて、中間体30の表面を覆うようにしてCVD法によってダイヤモンドライクカーボン(DLC)の薄膜を成膜することによって保護層16形成した後に、保護層16の表面にフッ素系の潤滑剤を平均厚さが例えば2nm程度となるように塗布する。これにより、図2に示すように、磁気ディスク10aが完成する。
【0063】
この磁気ディスク10aでは、前述したように、各環状領域Aaにおける長さL4i,L4i・・が互いに等しく、かつ長さL4o,L4o・・が互いに等しくなるように凹凸パターン20saが形成されている。このため、磁気ディスク10aを角速度一定の回転速度で定速回転させたときに、磁気ヘッド3の下方をサーボパターン領域Asaが通過させられる時間が外周側の環状領域Aaほど短時間となっている。したがって、制御部8は、外周側の環状領域Aaに磁気ヘッド3を位置させるときほど短い波長の読み出し周波数情報を出力する。また、この磁気ディスク10aでは、凸部21sの長さと凹部22sの長さとの合計長(長さL3i,L3o)が各環状領域Aa内において凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して内周側から外周側に向かうほど長くなるように規定されて凹凸パターン20saが形成されている。したがって、制御部8は、同一の環状領域Aa内においては、上記の読み出し周波数情報のクロック周波数を変化させることなく出力する。これにより、各環状領域A1a〜A4a内のサーボパターン領域Asaから読み出されたサーボデータDsに基づき、制御部8がドライバ7を制御してアクチュエータ3bを駆動させ、磁気ヘッド3を所望の環状領域Aa内におけるいずれかのトラックにオントラックさせる。これにより、トラックパターン領域At内の凸部21t,21t・・(データ記録トラック)にオントラックさせた磁気ヘッド3を介して記録データの記録再生が行われる。
【0064】
このように、この磁気ディスク10aおよびハードディスクドライブ1によれば、各環状領域Aa内における単位凹部長の平均長を中心Oから環状領域Aaまでの距離で除した値が内周側の環状領域Aaよりも外周側の環状領域Aaほど小さくなるように各環状領域Aa毎に単位凹部長を規定してサーボパターンを構成する凹凸パターン20saを構成したことにより、単位凹部長が内周側から外周側に向けて徐々に長くなるように凹凸パターンが形成されている従来の磁気ディスク10xと比較して、外周側の環状領域Aaにおける単位凹部長を十分に短くすることができる。したがって、この磁気ディスク10aを製造するためのスタンパー35aにおいて磁気ディスク10aの各凹部22s,22s・・に対応する凸部39a,39a・・の回転方向に沿った長さを十分に短くすることができるため、インプリント処理時に、スタンパー35aにおける凸部39aの先端部と中間体30のマスク層17との間に厚手の残渣を生じさせることなく、スタンパー35aの凸部39a,39a・・を十分に奥深くまで中間体30の樹脂層18に押し込むことができる。この結果、残渣の厚みが内周側の環状領域Aaに対応する部位と外周側の環状領域Aaに対応する部位とで大きく相違することなくほぼ同様の厚みとなるため、残渣の取り除き処理時に内周側の環状領域Aaに対応する部位の凹部41b,41b・・が過剰に拡がる事態が回避される。したがって、凹凸パターン41における凹部41b,41b・・の部位に最終的に形成される凹部22si,22si・・が過剰に拡がる事態が回避されて凹凸パターン20saを高精度で形成することができる。このため、サーボパターン領域Asaの全域において磁気的信号の確実な読み取りが可能なサーボパターン(凹凸パターン20sa)を有する磁気ディスク10a、およびその磁気ディスク10aを備えたハードディスクドライブ1を提供することができる。
【0065】
この場合、単位凹部長の平均長を凹凸パターン20tの中心Oから環状領域Aaまでの距離で除した値が外周側の環状領域Aaよりも内周側の環状領域Aaほど大きくなるように各環状領域Aa毎に単位凹部長が規定されているため、内周側の環状領域Aaにおいても単位凹部長が過度に短くなる事態が回避されている。したがって、凹部の形成処理(マスク層17や磁性層14に対するエッチング処理等)が困難となる事態を回避することができる結果、サーボパターン領域Asaの全域において凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0066】
また、この磁気ディスク10aおよびハードディスクドライブ1によれば、単位凸部長に対する単位凹部長の比が各環状領域Aa内においてその内周側からその外周側に向かうほど小さくなるように単位凸部長および単位凹部長を規定して凹凸パターン20sa(サーボパターン)を形成したことにより、各環状領域Aa内における外周側の単位凹部長を十分に短くすることができる。したがって、この磁気ディスク10aを製造するためのスタンパー35aにおいて各環状領域Aaの外周側に対応する部位に過剰に長い凸部が存在しないため、インプリント処理時に、スタンパー35aにおける凸部39aを一層スムーズに樹脂層18に押し込むことができる。また、単位凸部長に対する単位凹部長の比が環状領域Aaの外周側から内周側に向かうほど大きくなるように単位凸部長および単位凹部長が規定されているため、環状領域Aaの内周側においても単位凹部長が過度に短くなる事態が回避されている。したがって、凹部の形成処理(マスク層17や磁性層14に対するエッチング処理等)が困難となる事態を回避することができる結果、サーボパターン領域Asaの全域において凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0067】
さらに、この磁気ディスク10aおよびハードディスクドライブ1によれば、単位凸部長が環状領域Aa内においてその内周側からその外周側に向かうほど長くなるように規定して凹凸パターン20sa(サーボパターン)を形成したことにより、例えば単位凸部長を環状領域Aa内における内周側から外周側までの全域に亘って等しい長さに規定して単位凹部長を変化させることで単位凸部長に対する単位凹部長の比を環状領域Aaの内周側から外周側に向かうほど小さくする構成とは異なり、環状領域Aaにおける外周側において単位凹部長が過度に短くなる事態を回避することができる。したがって、この磁気ディスク10aに対する記録再生時に環状領域Aaにおける外周側の凹部を確実に検出することができる結果、サーボデータDsの読み出しエラーの発生を確実に回避することができる。
【0068】
また、この磁気ディスク10aおよびハードディスクドライブ1によれば、単位凹部長が環状領域Aaにおける内周側から外周側までの全域において等しい長さとなるように規定して凹凸パターン20sa(サーボパターン)を形成したことにより、インプリント処理時に凹部22sに対応する部位に形成される残渣の厚みを各環状領域Aaの内周側から外周側の全域において均一にすることができる。したがって、同一の環状領域Aa内における各凹部22s,22s・・の長さ(単位凹部長)にばらつきが生じる事態を回避して均一にすることができる。また、各環状領域Aa内の内周側から外周側までの全域において単位凹部長が等しくなるように規定したことにより、製造時における凹部の形成処理(マスク層17や磁性層14に対するエッチング処理等)が容易となる結果、サーボパターン領域Asaの全域において凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0069】
さらに、この磁気ディスク10aおよびハードディスクドライブ1によれば、単位凸部長および単位凹部長の合計長(すなわち、凸部21sおよび凹部22sの形成ピッチ)が凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して環状領域Aa内においてその内周側からその外周側に向かうほど長くなるように規定して凹凸パターン20sa(サーボパターン)を形成したことにより、磁気ディスク10aを角速度一定の条件で回転させつつサーボパターン領域AsaからサーボデータDsを読み出す際に使用されるクロックの基準となる周波数情報(読み出し周波数情報)を一つの環状領域Aa内において変化させることなく、環状領域Aaにおける内周側から外周側までのサーボパターン領域AsaからサーボデータDsを確実に読み出す(検出する)ことができる。
【0070】
また、この磁気ディスク10aおよびハードディスクドライブ1によれば、各環状領域Aa内における単位凹部長の平均長が内周側の環状領域A1aから外周側の環状領域A4aまでの全環状領域Aaにおいて等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定してサーボパターンを構成する凹凸パターン20saを構成したことにより、サーボパターン用の凹部22s,22s・・・に対応する部位に生じる残渣の厚みを内周側の環状領域A1aから外周側の環状領域A4aまでほぼ均一にすることができる。したがって、残渣の取り除き処理時に生じる各環状領域Aa毎の凹部41b,41b・・の拡がり度合いを大きくばらつかせることなく、内周側の環状領域A1aから外周側の環状領域A4aまでのすべての環状領域Aa(すなわち、磁気ディスク10aの内周側から外周側までの全域)に亘って所望の長さの凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。また、凹部の形成処理(マスク層17や磁性層14に対するエッチング処理等)が容易となる結果、サーボパターン領域Asaの全域において凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0071】
さらに、この磁気ディスク10aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、サーボパターンに対応付けられているサーボデータDsに基づいてサーボ制御を実行する制御部8を備え、各環状領域Aa毎に予め規定された読み出し周波数情報に基づいて制御部8がサーボデータ検出部6を制御して磁気ディスク10aからサーボパターンに対応付けられているサーボデータDsを読み出すように構成したことにより、例えば、磁気ディスク10aの内周側の環状領域A1aから外周側の環状領域A4aまで磁気ヘッド3をシーク動作させる際における読み出し周波数情報の周波数切替え処理の回数を3回だけに止めることができる。したがって、シーク動作を短時間で実行することができるため、データアクセスを高速に行うことができる。また、読み出し周波数情報として環状領域の数(この例では4つ)に対応する種類の周波数情報を出力できればよいため、簡易な構成の制御部(検出用クロック出力部5および制御部8)によってトラッキングサーボを行うことができる。
【0072】
また、この磁気ディスク10aを製造するためのスタンパー35aによれば、磁気ディスク10aにおける凹凸パターン20(凹凸パターン20t,20sa)の凹部22,22・・に対応して形成された凸部39a,39a・・と、磁気ディスク10aにおける凹凸パターン20の凸部21,21・・に対応して形成された凹部39b,39b・・とを有する凹凸パターン39を形成したことにより、磁気ディスク10aの外周側に対応するスタンパー35aの外周側に回転方向に沿った長さが過剰に長い凸部39aが存在しないため、中間体30の樹脂層18に対してスタンパー35aの凹凸パターン39(各凸部39a,39a・・)をスムーズに押し込むことができる。したがって、各凸部39a,39a・・の押し込み量の不足に起因する不都合(マスク層17上に厚手の残渣が生じることに起因して各凹部41b,41b・・が過剰に拡がる事態)が生じる事態を回避することができる。これにより、サーボデータDsの確実な読み取りが可能な磁気ディスク10aを製造することができる。また、回転方向に沿った長さが過剰に長い凹部39bがスタンパー35aに存在しないため、インプリント処理時に凸部39a,39a・・の押し込みによって凹部39b,39b・・内に移動させられる樹脂材料によって、十分に高い凸部41a,41a・・を樹脂層18に形成する(十分に厚い樹脂マスクを形成する)ことができる。
【0073】
次いで、本発明における情報記録媒体の他の一例である磁気ディスク10b、および磁気ディスク10bを搭載したハードディスクドライブ1b(本発明における記録再生装置の他の一例)について、図面を参照して説明する。なお、磁気ディスク10aおよびハードディスクドライブ1と共通の構成要素については、共通の符号を付して重複する説明を省略する。また、この磁気ディスク10bの製造方法については、前述した磁気ディスク10aの製造方法と同様であるため、重複する製造工程についての説明を省略する。
【0074】
図13に示す磁気ディスク10bでは、磁気ディスク10bの内周側から外周側までが凹凸パターン20tの中心Oを中心とする同心円状の(すなわち、凹凸パターン20tと同心の)4つの環状領域A1b〜A4b(本発明における複数の環状領域の一例:以下、区別しないときには、環状領域Abともいう)に区分けされて凹凸パターン20が形成されている。また、この磁気ディスク10bでは、磁気ディスク10aにおけるサーボパターン領域Asaに代えて、トラックパターン領域At,At・・の間にサーボパターン領域Asb,Asb・・が設けられてトラックパターン領域Atおよびサーボパターン領域Asbが磁気ディスク10bの回転方向(矢印Rの向き)において交互に並ぶように規定されている。
【0075】
また、図14〜16に示すように、サーボパターン領域Asb(環状領域Ab内における内周側の内周側サーボパターン領域Asbi、および環状領域Ab内における外周側の外周側サーボパターン領域Asbo)には、磁気ディスク10aにおける凹凸パターン20saに代えてサーボパターンとしての凹凸パターン20sbが形成されている。この場合、凹凸パターン20sbは、凹凸パターン20saと同様にして、プリアンブルパターン、アドレスパターンおよびバーストパターンなどの各種サーボパターンを構成する凸部21s,21s(凸部21siおよび凸部21so)・・並びに凹部22s,22s・・(凹部22siおよび凹部22so)で構成されている。また、この磁気ディスク10bでは、回転方向(各図における矢印Rの向き)に沿った凹部22sの長さを凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例させずに(外周側ほど長くせずに)、各環状領域Ab内における内周側から外周側までの全域において等しくなるように(単位凹部長をデータトラックパターンの中心からの距離で除した値を環状領域内において環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど小さく規定した一例であって、本発明における「単位凹部長が等しい長さ、または、ほぼ等しい長さ」となるように規定した一例)、各凹部22s,22s・・が形成されている。
【0076】
同様にして、回転方向に沿った凸部21sの長さについても、凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例させずに(外周側ほど長くせずに)、環状領域Ab内における内周側から外周側までの全域において等しくなるように(単位凸部長をデータトラックパターンの中心からの距離で除した値を環状領域内において環状領域の内周側から環状領域の外周側に向かうほど小さく規定した一例であって、本発明における「単位凸部長が等しい長さ、または、ほぼ等しい長さ」となるように規定した一例)各凸部21s,21s・・が形成されている。このため、この磁気ディスク10bでは、回転方向に沿った凸部21sの長さと凹部22sの長さとの合計長(すなわち、凸部21sおよび凹部22sの形成ピッチ)が凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例せずに(外周側ほど長くせずに)、各環状領域Ab内における内周側から外周側までの全域において等しくなるように規定されている。したがって、図14に示すように、例えば、環状領域A2bでは、環状領域A2bの内周側における回転方向に沿った長さL52と、環状領域A2bの外周側における回転方向に沿った長さL52とが等しくなっている。この場合、この磁気ディスク10bでは、環状領域A1b〜A4bのそれぞれの回転方向に沿った長さL51〜L54が、一例として、外周側の環状領域Abほど徐々に長くなるように規定されている。また、図15,16に示すように、回転方向に沿った凸部21sの長さに対する凹部22sの長さの比が各環状領域Ab内における内周側から外周側までの全域において等しくなるように凹凸パターン20sbが形成されている。
【0077】
具体的には、図15に示すように、環状領域Abにおける内周側の内周側領域Aib(一例として、環状領域A1bにおける中心Oからの距離が11mmの部位におけるプリアンブルパターンの形成領域)では、凸部21siの長さL6i(一例として、220nm)と凹部22siの長さL7i(一例として、220nm)との合計長である長さL8iが440nmとなるように規定されている。また、図16に示すように、環状領域Abにおける外周側の外周側領域Aob(一例として、環状領域A1bにおける中心Oからの距離が16mmの部位におけるプリアンブルパターンの形成領域)においても、凸部21soの長さL6o(一例として、凸部21siの長さL6iと等しい220nm)と凹部22soの長さL7o(一例として、凹部22siの長さL7iと等しい220nm)との合計長である長さL8oが440nmとなっている。この結果、図15,16に示すように、この磁気ディスク10bでは、環状領域Ab内の内周側領域Aibにおける凹凸パターン20sbの凸部21siの長さL6iに対する凹部22siの長さL7iの比と、環状領域Ab内の外周側領域Aobにおける凸部21soの長さL6oに対する凹部22soの長さL7oの比とが各環状領域Ab内においてそれぞれ1となっている。また、この磁気ディスク10bでは、各環状領域Ab内の凹部22sの平均長が内周側の環状領域A1bから外周側の環状領域A4bに向かうほど僅かに長くなっている。一方、この磁気ディスク10bでは、各環状領域Ab内の凹部22sの平均長を凹凸パターン20tの中心Oから環状領域Abまでの距離(一例として、環状領域Abにおける最内周の部位とする)で除した値は内周側の環状領域A1bから外周側の環状領域A4bに向かうほど小さくなっている。
【0078】
この場合、凸部21sの長さ(単位凸部長)に対する凹部22sの長さ(単位凹部長)の比については、上記のプリアンブルパターンのみならず、アドレスパターンやバーストパターンを構成する凹凸パターン20sbについても同様に規定されている。また、バーストパターンについては、磁気ディスク10bの回転方向に沿って複数の矩形状の凹部22s,22s・・が凸部21sを挟んで並んでいる領域において、単位凸部長に対する単位凹部長の比が上記の条件を満たすように規定されている。なお、図15,16では、サーボパターンにおけるプリアンブルパターンおよびバーストパターンを模式的に図示しており、理解を容易にすべく、回転方向に沿った各凸部21s,21s・・や各凹部22s,22s・・の長さをサーボパターンの単位凸部長および単位凹部長のみで図示している。したがって、実際の磁気ディスク10bでは、凸部21s,21s・・や凹部22s,22s・・の数、形成位置および長さが各図に示す状態とは異なり、トラッキングサーボ制御に必要なトラックアドレスおよびセクターアドレス等の情報(パターン)を含む各種の制御用データに対応して、凸部21sや凹部22sのそれぞれの数、形成位置および長さが規定されて凹凸パターン20sbが形成されている。この場合、凸部21sや凹部22sの実際の長さは、凸部21sや凹部22sの長さ(単位凸部長および単位凹部長)の整数倍の長さとなる。
【0079】
この磁気ディスク10bの製造に際しては、前述した中間体30と、スタンパー35b(図8参照)とを使用する。この場合、スタンパー35bは、本発明に係る情報記録媒体製造用のスタンパーの他の一例であって、磁気ディスク10bにおける凹凸パターン20(凹凸パターン20t,20sb)とは凹凸位置関係が反転している凹凸パターン39が形成されて、インプリント法による磁気ディスク10bの製造が可能に構成されている。具体的には、スタンパー35bの凹凸パターン39は、凸部39a,39a・・が磁気ディスク10bの凹凸パターン20における凹部22,22・・に対応し、凹部39b,39b・・が凹凸パターン20における凸部21,21・・に対応して形成されている。したがって、このスタンパー35bでは、凸部39aの回転方向に沿った長さが磁気ディスク10bの凹凸パターン20における凹部22の回転方向に沿った長さとほぼ等しく、かつ凹部39bの回転方向に沿った長さが凹凸パターン20における凸部21の回転方向に沿った長さとほぼ等しくなっている。
【0080】
また、このスタンパー35bを用いて製造する磁気ディスク10bでは、環状領域Abにおける内周側の凹部22si,22si・・の長さL7iと、環状領域Abにおける外周側の凹部22so,22so・・の長さL7oとが等しい長さ(例えば、環状領域A1bでは、220nm)となるように形成されている。したがって、このスタンパー35bには、磁気ディスク10bにおけるサーボパターン領域Asbに対応する全域において、回転方向に沿った長さが長さL7i,L7oを大きく超える凸部39aが存在しないように(凸部39aの長さが長さL7i,L7oとほぼ等しくなるように)凹部39b,39b・・が形成されている。この結果、磁気ディスク10bの製造時に凸部39a,39a・・が中間体30の樹脂層18にスムーズに押し込まれる。したがって、スタンパー35bにおける凸部39aの先端部と中間体30のマスク層17との間に厚手の残渣が生じることなく、スタンパー35bの凸部39a,39a・・が十分に奥深くまで中間体30の樹脂層18に押し込まれる。これにより、中間体30における各環状領域Abに対応する領域内においてマスク層17の上に生じるの残渣の厚みがほぼ均一となる。この結果、前述した磁気ディスク10aと同様にして、樹脂層18に転写された凹凸パターン41における凹部41b,41b・・が過剰に拡がる事態が回避されて、凹凸パターン20sbを高精度で形成することが可能となっている。
【0081】
さらに、このスタンパー35bでは、各凸部39a,39a・・の回転方向に沿った長さが各環状領域Abに対応する領域内において等しい長さとなっているため、凸部39a,39a・・の押し込みによって凹部39b,39b・・内に向けて移動する樹脂材料(中間体30の樹脂層18を構成する材料)の移動量が各環状領域Abに対応する領域内において均一となる。また、このスタンパー35bを用いて製造する磁気ディスク10bでは、凸部21s(凸部21si,21so)の長さが各環状領域Ab内において等しい長さとなるように規定されている。したがって、このスタンパー35bでは、磁気ディスク10bにおける各環状領域Abに対応する領域毎に回転方向に沿った長さが長さL6i,L6oを大きく超える凹部39bが存在しないように(凹部39bの長さが長さL6i,L6oとほぼ等しくなるように)凸部39a,39a・・が形成されている。この結果、凸部39aの押し込みによって凹部39b内に移動させられた樹脂材料の高さ、すなわち、凸部41aの高さが各環状領域Abに対応する領域毎にそれぞれ均一となる。これにより、凹凸パターン20sbを高精度で形成することが可能となっている。
【0082】
一方、この磁気ディスク10bでは、前述したように、サーボパターン領域Asbの凹凸パターン20sbにおける回転方向に沿った凸部21sの長さと凹部22sの長さとの合計長(長さL8i,L8o)が環状領域Abにおける環状領域Abの内周側から外周側までの全域に亘って等しくなるように各凸部21s,21s・・および各凹部22s,22s・・が形成されている。したがって、図14に示すように、例えば環状領域A2bにおける内周側サーボパターン領域Asbi(内周側の凹凸パターン20sb)の回転方向に沿った長さL52と、外周側サーボパターン領域Asbo(外周側の凹凸パターン20sb)の回転方向に沿った長さL52とが等しくなっている。このため、この磁気ディスク10bでは、トラックパターン領域Atの回転方向に沿った長さが環状領域Abの内周側から外周側に向けて徐々に長くなっている。具体的には、内周側トラックパターン領域Ati(内周側の凹凸パターン20t)の回転方向に沿った長さよりも、外周側トラックパターン領域Ato(外周側の凹凸パターン20t)の回転方向に沿った長さの方が長くなっている。したがって、従来の磁気ディスク10xと比較して、環状領域Abの外周側において凸部21tの長さが長くなっている分だけ、記録データの記録可能容量が増加している。
【0083】
この場合、この磁気ディスク10bでは、回転方向に沿ったサーボパターン領域Asbの長さが各環状領域Ab内における内周側から外周側までの全域において等しくなるように凹凸パターン20sbが形成されている。このため、磁気ディスク10bを角速度一定の回転速度で定速回転させたときには、磁気ヘッド3の下方をサーボパターン領域Asbが通過させられる時間が環状領域Abの内周側よりも環状領域Abの外周側ほど短時間となる。したがって、この磁気ディスク10bを搭載したハードディスクドライブ1b(図1参照)では、前述した磁気ディスク10aを搭載したハードディスクドライブ1とは異なり、ROM9が、読み出し周波数情報についてのクロックデータDclを各環状領域Ab内における磁気ヘッド3の移動位置(環状領域Ab内における中心Oからの距離)に関連付けて記憶している。また、制御部8は、クロックデータDclに基づき、一例として、各環状領域Ab内において、凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して環状領域Abの内周側よりも環状領域Abの外周側ほど波長が短くなるように読み出し周波数情報の周波数を直線的に変化させて検出用クロック出力部5に出力する。したがって、磁気ディスク10bを角速度一定の条件で回転させつつサーボパターン領域Asbからサーボパターン(サーボデータ)を確実に読み出すことができる。
【0084】
このように、この磁気ディスク10bおよびハードディスクドライブ1bによれば、各環状領域Ab内における単位凹部長の平均長を中心Oから環状領域Abまでの距離で除した値が内周側の環状領域Abよりも外周側の環状領域Abほど小さくなるように各環状領域Ab毎に単位凹部長を規定してサーボパターンを構成する凹凸パターン20sbを構成したことにより、単位凹部長が内周側から外周側に向けて徐々に長くなるように凹凸パターンが形成されている従来の磁気ディスク10xと比較して、外周側の環状領域Abにおける単位凹部長を十分に短くすることができる。したがって、この磁気ディスク10bを製造するためのスタンパー35bにおいて磁気ディスク10bの各凹部22s,22s・・に対応する凸部39a,39a・・の回転方向に沿った長さを十分に短くすることができるため、インプリント処理時に、スタンパー35bにおける凸部39aの先端部と中間体30のマスク層17との間に厚手の残渣を生じさせることなく、スタンパー35bの凸部39a,39a・・を十分に奥深くまで中間体30の樹脂層18に押し込むことができる。この結果、残渣の厚みが内周側の環状領域Abに対応する部位と外周側の環状領域Abに対応する部位とで大きく相違することなくほぼ同様の厚みとなるため、残渣の取り除き処理時に内周側の環状領域Abに対応する部位の凹部41b,41b・・が過剰に拡がる事態が回避される。したがって、凹凸パターン41における凹部41b,41b・・の部位に最終的に形成される凹部22si,22si・・が過剰に拡がる事態が回避されて凹凸パターン20sbを高精度で形成することができる。このため、サーボパターン領域Asbの全域において磁気的信号の確実な読み取りが可能なサーボパターン(凹凸パターン20sb)を有する磁気ディスク10b、およびその磁気ディスク10bを備えたハードディスクドライブ1bを提供することができる。
【0085】
この場合、単位凹部長の平均長を凹凸パターン20tの中心Oから環状領域Abまでの距離で除した値が外周側の環状領域Abよりも内周側の環状領域Abほど大きくなるように各環状領域Ab毎に単位凹部長が規定されているため、内周側の環状領域Abにおいても単位凹部長が過度に短くなる事態が回避されている。したがって、凹部の形成処理(マスク層17や磁性層14に対するエッチング処理等)が困難となる事態を回避することができる結果、サーボパターン領域Asbの全域において凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0086】
また、この磁気ディスク10bおよびハードディスクドライブ1bによれば、単位凹部長を凹凸パターン20tの中心Oからの距離で除した値が環状領域Ab内においてその内周側からその外周側に向かうほど小さくなるように単位凹部長を規定して凹凸パターン20sb(サーボパターン)を形成したことにより、各環状領域Ab内における外周側の単位凹部長を十分に短くすることができる。したがって、この磁気ディスク10bを製造するためのスタンパー35bにおいて各環状領域Abの外周側に対応する部位に過剰に長い凸部39a,39a・・が存在しないため、スタンパー35bの凸部39a,39a・・を中間体30の樹脂層18に一層スムーズに押し込むことができる。また、単位凹部長を凹凸パターン20tの中心Oからの距離で除した値が各環状領域Abの外周側から各環状領域Abの内周側に向かうほど大きくなるように単位凹部長が規定されているため、環状領域Abの内周側においても単位凹部長が過度に短くなる事態が回避されている。したがって、製造時における凹部の形成処理(マスク層17や磁性層14に対するエッチング処理等)が困難となる事態を回避することがきる。
【0087】
さらに、この磁気ディスク10bおよびハードディスクドライブ1bによれば、単位凸部長を凹凸パターン20tの中心Oからの距離で除した値が環状領域Ab内においてその内周側からその外周側に向かうほど小さくなるように単位凸部長を規定して凹凸パターン20sb(サーボパターン)を形成したことにより、回転方向に沿った単位凸部長が中心Oからの距離に比例して長くなるように(単位凸部長を中心Oからの距離で除した値が内周側から外周側までの全域に亘って等しくなるように)凹凸パターンが形成されている従来の磁気ディスク10xと比較して、環状領域Ab内における外周側の単位凸部長を十分に短くすることができる。したがって、この磁気ディスク10bを製造するためのスタンパー35bにおいて環状領域Ab内における外周側の各凸部21s,21s・・に対応する各凹部39b,39b・・の回転方向に沿った長さを十分に短くすることができるため、インプリント処理時に、スタンパー35bにおける凸部39aの押し込みによって凹部39b内に移動させられた樹脂材料によって十分な高さの凸部41a(十分な厚みのマスク)を形成することができる。この結果、十分な厚みのマスク(十分な高さの凸部41a)を用いて凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0088】
また、この磁気ディスク10bおよびハードディスクドライブ1bによれば、単位凹部長が環状領域Abにおける内周側から外周側までの全域において等しい長さとなるように規定して凹凸パターン20sb(サーボパターン)を形成したことにより、インプリント処理時に凹部22sに対応する部位に形成される残渣の厚みを各環状領域Abの内周側から外周側の全域において均一にすることができる。したがって、同一の環状領域Ab内における各凹部22s,22s・・の長さ(単位凹部長)にばらつきが生じる事態を回避して均一にすることができる。また、各環状領域Ab内の内周側から外周側までの全域において単位凹部長が等しくなるように規定したことにより、製造時における凹部の形成処理(マスク層17や磁性層14に対するエッチング処理等)が容易となる結果、サーボパターン領域Asbの全域において凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0089】
さらに、この磁気ディスク10bおよびハードディスクドライブ1bによれば、単位凸部長が環状領域Ab内における内周側から外周側までの全域において等しい長さとなるように規定して凹凸パターン20sb(サーボパターン)を形成したことにより、この磁気ディスク10bを製造するためのスタンパー35bにおいて磁気ディスク10bの各凸部21s,21s・・に対応する凹部39b,39b・・の回転方向に沿った長さを各環状領域Ab内の内周側に対応する部位から外周側に対応する部位まで均一にすることができるため、インプリント処理時に、スタンパー35bにおける凸部39aの押し込みによって凹部39b内に移動させられた樹脂材料によって形成される凸部41a(マスクとして機能する樹脂材料)の高さを各環状領域Abに対応する領域毎に内周側から外周側まで均一にすることができる。この結果、均一な厚みのマスク(均一な高さの凸部41a)を用いて凹部22s,22s・・を高精度で形成することができる。
【0090】
また、この磁気ディスク10bを搭載したハードディスクドライブ1bによれば、凹凸パターン20tの中心Oからの距離に応じて予め規定された読み出し周波数情報に基づいて制御部8がサーボデータ検出部6を制御して磁気ディスク10bからサーボパターンに対応付けられているサーボデータを読み出すことにより、磁気ディスク10bを角速度一定の条件で回転させつつサーボパターン(サーボデータ)を確実に読み出すことができる。
【0091】
また、この磁気ディスク10bを製造するためのスタンパー35bによれば、磁気ディスク10bにおける凹凸パターン20(凹凸パターン20t,20sb)の凹部22,22・・に対応して形成された凸部39a,39a・・と、磁気ディスク10bにおける凹凸パターン20の凸部21,21・・に対応して形成された凹部39b,39b・・とを有する凹凸パターン39を形成したことにより、磁気ディスク10bの外周側に対応するスタンパー35bの外周側領域に回転方向に沿った長さが過剰に長い凸部39aが存在しないため、中間体30の樹脂層18に対してスタンパー35bの凹凸パターン39(各凸部39a,39a・・)をスムーズに押し込むことができる。したがって、各凸部39a,39a・・の押し込み量の不足に起因する不都合(マスク層17上に厚手の残渣が生じることに起因して各凹部41b,41b・・が過剰に拡がる事態)が生じる事態を回避することができる。これにより、サーボデータDsの確実な読み取りが可能な磁気ディスク10bを製造することができる。また、回転方向に沿った長さが過剰に長い凹部39bがスタンパー35bに存在しないため、インプリント処理時に凸部39a,39a・・の押し込みによって凹部39b,39b・・内に移動させられる樹脂材料によって、十分に高い凸部41a,41a・・を樹脂層18に形成する(十分に厚い樹脂マスクを形成する)ことができる。
【0092】
続いて、本発明における情報記録媒体のさらに他の一例である磁気ディスク10cについて、図面を参照して説明する。なお、磁気ディスク10a,10bと共通の構成要素、およびハードディスクドライブ1における磁気ディスク10aを除く構成要素については、共通の符号を付して重複する説明を省略する。また、この磁気ディスク10cの製造方法については、前述した磁気ディスク10a,10bの製造方法と同様であるため、重複する製造工程についての説明を省略する。
【0093】
図17に示す磁気ディスク10cでは、前述した磁気ディスク10a,10bと同様にして、磁気ディスク10cの内周側から外周側までが凹凸パターン20tの中心O(図示せず)を中心とする同心円状の(すなわち、凹凸パターン20tと同心の)4つの環状領域A1c〜A4c(本発明における複数の環状領域の一例:以下、区別しないときには、環状領域Acともいう)に区分けされて凹凸パターン20(凹凸パターン20t,20sc)が形成されている。なお、同図では環状領域A2cを中心として環状領域A1c〜A3cの3つの領域のみを図示している。また、この磁気ディスク10cでは、磁気ディスク10aにおけるサーボパターン領域Asaに代えて、トラックパターン領域At,At・・の間にサーボパターン領域Asc,Asc・・が設けられてトラックパターン領域Atおよびサーボパターン領域Ascが磁気ディスク10cの回転方向(矢印Rの向き)において交互に並ぶように規定されている。
【0094】
また、図18,19に示すように、サーボパターン領域Asc(環状領域Ac内における内周側の内周側サーボパターン領域Asci、および環状領域Ac内における外周側の外周側サーボパターン領域Asco)には、磁気ディスク10aにおける凹凸パターン20saに代えてサーボパターンとしての凹凸パターン20scが形成されている。この場合、凹凸パターン20scは、凹凸パターン20sa,20sbと同様にして、プリアンブルパターン、アドレスパターンおよびバーストパターンなどの各種サーボパターンを構成する凸部21s,21s(凸部21siおよび凸部21so)・・並びに凹部22s,22s・・(凹部22siおよび凹部22so)で構成されている。また、この磁気ディスク10cでは、回転方向(各図における矢印Rの向き)に沿った凹部22sの長さが凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して環状領域Ac内においてその内周側からその外周側に向かうほど長くなるように規定されて各凹部22s,22s・・が形成されている。同様にして、回転方向に沿った凸部21sの長さについても、凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して環状領域Ac内においてその内周側からその外周側に向かうほど長くなるように規定されて各凸部21s,21s・・が形成されている。このため、この磁気ディスク10cでは、回転方向に沿った凸部21sの長さと凹部22sの長さとの合計長(すなわち、凸部21sおよび凹部22sの形成ピッチ)が凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して環状領域Ac内においてその内周側からその外周側に向かうほど長くなるように規定されている。
【0095】
具体的には、図18に示すように、環状領域Acにおける内周側の内周側領域Aic(一例として、環状領域A1cにおける中心Oからの距離が11mmの部位におけるプリアンブルパターンの形成領域)では、凸部21siの長さL11i(一例として、220nm)と凹部22siの長さL12i(一例として、220nm)との合計長である長さL13iが440nmとなるように規定されている。また、図19に示すように、環状領域Acにおける外周側の外周側領域Aoc(一例として、環状領域A1cにおける中心Oからの距離が16mmの部位におけるプリアンブルパターンの形成領域)では、凸部21soの長さL11o(一例として、320nm)と凹部22soの長さL12o(一例として、320nm)との合計長である長さL13oが640nmとなるように規定されている。この結果、図18,19に示すように、この磁気ディスク10cでは、環状領域Ac内の内周側領域Aicにおける凹凸パターン20scの凸部21siの長さL11iに対する凹部22siの長さL12iの比と、環状領域Ac内の外周側領域Aocにおける凸部21soの長さL11oに対する凹部22soの長さL12oの比とが各環状領域Ac内においてそれぞれ1となっている。
【0096】
この場合、各環状領域Ac毎の凸部21sの長さ(単位凸部長)に対する凹部22sの長さ(単位凹部長)の比については、上記のプリアンブルパターンのみならず、アドレスパターンやバーストパターンを構成する凹凸パターン20scについても同様に規定されている。また、バーストパターンについては、磁気ディスク10cの回転方向に沿って複数の矩形状の凹部22s,22s・・が凸部21sを挟んで並んでいる領域において、単位凸部長に対する単位凹部長の比が上記の条件を満たすように規定されている。なお、図18,19では、サーボパターンにおけるプリアンブルパターンおよびバーストパターンを模式的に図示しており、理解を容易にすべく、回転方向に沿った各凸部21s,21s・・や各凹部22s,22s・・の長さをサーボパターンの単位凸部長および単位凹部長のみで図示している。したがって、実際の磁気ディスク10cでは、凸部21s,21s・・や凹部22s,22s・・の数、形成位置および長さが各図に示す状態とは異なり、トラッキングサーボ制御に必要なトラックアドレスおよびセクターアドレス等の情報(パターン)を含む各種の制御用データに対応して、凸部21sや凹部22sのそれぞれの数、形成位置および長さが規定されて凹凸パターン20scが形成されている。この場合、凸部21sや凹部22sの実際の長さは、凸部21sや凹部22sの長さ(単位凸部長および単位凹部長)の整数倍の長さとなる。
【0097】
また、この磁気ディスク10cでは、各環状領域Ac内における凹部22sの平均長が各環状領域A1c〜A4cの全領域において等しくなるように規定されている。したがって、各環状領域Ac内の凹部22sの平均長を凹凸パターン20tの中心Oから環状領域Acまでの距離(一例として、環状領域Acにおける最内周の部位とする)で除した値が内周側の環状領域A1cから外周側の環状領域A4cに向かうほど小さくなっている。この場合、各環状領域Acにおける回転方向に沿った内周側の長さについては、磁気ディスク10cにおける外周側の環状領域Acほど僅かに長くなっている。具体的には、例えば、環状領域A2cにおける回転方向に沿った内周側の長さL92iよりも、環状領域A3cにおける回転方向に沿った内周側の長さL93iの方が僅かに長くなっている。また、各環状領域Acにおける回転方向に沿った外周側の長さについては、磁気ディスク10cにおける外周側の環状領域Acほど僅かに短くなっている。具体的には、例えば、環状領域A2cにおける回転方向に沿った外周側の長さよりも、環状領域A3cにおける回転方向に沿った外周側の長さの方が僅かに短くなっている。
【0098】
この磁気ディスク10cの製造に際しては、前述した中間体30と、スタンパー35c(図8参照)とを使用する。この場合、スタンパー35cは、本発明に係る情報記録媒体製造用のスタンパーのさらに他の一例であって、磁気ディスク10cにおける凹凸パターン20(凹凸パターン20t,20sc)とは凹凸位置関係が反転している凹凸パターン39が形成されて、インプリント法による磁気ディスク10cの製造が可能に構成されている。具体的には、スタンパー35cの凹凸パターン39は、凸部39a,39a・・が磁気ディスク10cの凹凸パターン20における凹部22,22・・に対応し、凹部39b,39b・・が凹凸パターン20における凸部21,21・・に対応して形成されている。したがって、このスタンパー35cでは、凸部39aの回転方向に沿った長さが磁気ディスク10cの凹凸パターン20における凹部22の回転方向に沿った長さとほぼ等しく、かつ凹部39bの回転方向に沿った長さが凹凸パターン20における凸部21の回転方向に沿った長さとほぼ等しくなっている。
【0099】
また、このスタンパー35cを用いて製造する磁気ディスク10cでは、上記のように各環状領域Ac内における凹部22sの平均長が各環状領域A1c〜A4cの全領域において等しくなるように規定されている。したがって、このスタンパー35cでは、各環状領域Acに対応する領域内において各凹部22sに対応する凸部39a,39a・・の平均長がスタンパー35cの全域において等しくなっている。これにより、インプリント処理時にスタンパー35cの全域に亘って凸部39a,39a・・を中間体30の樹脂層18に均一に押し込むことが可能となっている。この結果、マスク層17上に生じる残渣の厚みを全域において均一にすることができるためため、凸部39a,39a・・を押し込んだ部位に最終的に形成される凹部22s,22s・・を各環状領域A1c〜A4cの全領域に亘って高精度で形成することが可能となっている。
【0100】
一方、この磁気ディスク10cでは、前述したように、回転方向に沿った凸部21sの長さと凹部22sの長さとの合計長(すなわち、凸部21sおよび凹部22sの形成ピッチ)が環状領域Ac内において凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例してその内周側からその外周側に向かうほど長くなるように規定して凹凸パターン20sc(サーボパターン)を形成したことにより、磁気ディスク10cを角速度一定の条件で回転させつつサーボパターン領域AscからサーボデータDsを読み出す際に使用されるクロックの基準となる周波数情報(読み出し周波数情報)を一つの環状領域Ac内において変化させることなく、環境領域Acにおける内周側から外周側までのサーボパターン領域AscからサーボデータDsを確実に読み出す(検出する)ことができる。また、回転方向に沿った単位凸部長および単位凹部長が環状領域Ac内において凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例してその内周側から外周側に向かうほど長くなるように規定して凹凸パターン20sc(サーボパターン)が形成されているため、磁気ヘッド3の下方を単位凸部長の凸部21sおよび単位凹部長の凹部22sが通過させられる時間が環状領域Ac内における内周側と外周側とで等しくなる。したがって、磁気ヘッド3が検出するサーボデータの単位凸部長および単位凹部長の信号形状を環状領域Ac内における内周側から外周側までの全域において等しくすることができる。このため、より一層確実にサーボデータDsを読み出す(検出する)ことができる。
【0101】
このように、この磁気ディスク10cでは、単位凹部長が環状領域Ac内において凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して環状領域Acの内周側から外周側に向かうほど長くなり、かつ単位凸部長と単位凹部長の合計長が環状領域Ac内において凹凸パターン20tの中心Oからの距離に比例して環状領域Acの内周側から外周側に向かうほど長くなるように単位凸部長および単位凹部長を規定して凹凸パターン20sc(サーボパターン)が形成されている。したがって、この磁気ディスク10cおよびハードディスクドライブ1によれば、外周側の環状領域Acにおいて凹部22sの回転方向に沿った長さが過剰に長くなる事態を回避しつつ、1つの環状領域Ac内において読み出し周波数情報の周波数を変化させることなく、サーボデータの読み取りができるため、例えば、環状領域Acの内周側から外周側まで磁気ヘッド3をシーク動作させる際における読み出し周波数情報の周波数切替え処理を不要とすることができる。したがって、シーク動作を短時間で実行することができるため、データアクセスを高速に行うことができる。また、読み出し周波数情報として環状領域の数(この例では4つ)に対応する種類の周波数情報を出力できればよいため、簡易な構成の検出用クロック出力部5および制御部8によってトラッキングサーボを行うことができる。
【0102】
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、環状領域Aa,Ab内における内周側から外周側までの全域において回転方向に沿った各凹部22s,22s・・の長さ(長さL2i,L2o,L7i,L7o)が等しくなるように凹凸パターン20sa,20sbを形成する磁気ディスク10a,10bについて上記したが、各凹部22s,22s・・の長さが環状領域の内周側から外周側までの各部において僅かに異なるように凹凸パターンを形成することもできる。具体的には、環状領域の内周側の凹部22siよりも環状領域の外周側の凹部22soの方が回転方向に沿った長さが僅かに長くなるように形成することができる。このように各凹部22s,22s・・の長さを異ならしめる構成であったとしても、外周側の凹部22soの長さを、従来の磁気ディスク10xにおける凹部22sxoの長さL2xoよりも短くして単位凹部長を規定して凹凸パターンを形成することで、外周側の凹部22soが形成される部位における残渣の厚みを十分に薄く形成することができる。
【0103】
また、環状領域Ab内における内周側から外周側までの全域において回転方向に沿った各凸部21s,21s・・の長さ(長さL6i,L6o)が等しくなるように凹凸パターン20sbを形成する磁気ディスク10bについて上記したが、各凸部21s,21s・・の長さが環状領域Abの内周側から外周側までの各部において僅かに異なるように凹凸パターンを形成することもできる。具体的には、環状領域の内周側の凸部21siよりも環状領域の外周側の凸部21soの方が回転方向に沿った長さが僅かに長くなるように形成することができる。このように各凸部21s,21s・・の長さを異ならしめる構成であったとしても、外周側の凸部21soの長さを、従来の磁気ディスク10xにおける凸部21sxoの長さL1xoよりも短くして単位凸部長を規定することで、その磁気ディスクを製造するためのスタンパーにおける対応する凹部の長さを外周側においても十分に短くすることができる。したがって、インプリント時に凸部39a,39a・・の押し込みによって凹部39b,39b・・内に移動させられる樹脂材料によって、十分に高い凸部41a,41a・・を樹脂層18に形成する(十分に厚い樹脂マスクを形成する)ことができる。
【0104】
さらに、本発明におけるサーボパターンは上記の例に限定されず、磁気ディスク10a〜10cのサーボパターン領域Asa〜Ascにおける凹凸パターン20sa〜20scの凹凸形状を反転させると共に本発明における各種条件を満たすように単位凸部長および単位凹部長を規定してサーボパターンを形成することもできる。また、上記の磁気ディスク10a〜10cでは、凹凸パターン20における各凸部21,21・・が基端部から突端部まで磁性材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、図20に示す磁気ディスク10dのように、基材11aに形成した凹凸パターンを覆うようにして磁性層14aを形成することにより、その表面が磁性層14aで形成された凸部21a,21a・・と底面が磁性層14aで形成された凹部22a,22a・・とによって凹凸パターン20aを構成することもできる。この場合、基材11aの凹凸パターンについては、前述した磁気ディスク10a〜10cにおける凹凸パターン20の形成方法と同様にして、例えば磁性層14のエッチングに際してマスクとして使用した凹凸パターン42を用いて基材11aをエッチングすることで形成することができる。また、例えばスタンパー35a〜35cと同様のスタンパーを用いたプレス成形や射出成形によって基材11aに凹凸パターンを形成することもできる。このように、インプリント法以外の各種製造方法によって凹凸パターンを形成する場合であっても、凹凸パターン20aを高精度で形成することができる。
【0105】
さらに、図21に示す磁気ディスク10eのように、各凸部21b,21b・・を構成する磁性層14bと各凸部21b,21b・・間の凹部22b,22b・・の底面を構成する磁性層14bとを連続させて凹凸パターン20bを構成することもできる。また、上記の磁気ディスク10a〜10eでは、各凹部22に非磁性材料15を埋め込んでその表面を平坦化しているが、磁気ヘッド3の十分な浮上安定性が得られる場合には、凹部22に対する非磁性材料15を不要とすることができる。さらに、本発明に係る情報記録媒体は、磁気ディスク10a〜10eのような垂直記録方式の磁気ディスクのみならず、面内記録方式の磁気ディスクが本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】ハードディスクドライブ1,1bの構成を示すブロック図である。
【図2】磁気ディスク10a〜10eの層構造を示す断面図である。
【図3】磁気ディスク10aの平面図である。
【図4】磁気ディスク10aにおけるサーボパターン領域Asaの平面図である。
【図5】環状領域Aa内における内周側領域Aiaの平面図である。
【図6】環状領域Aa内における外周側領域Aoaの平面図である。
【図7】磁気ディスク10a(10b,10c)を製造するための中間体30の断面図である。
【図8】磁気ディスク10a(10b,10c)を製造するためのスタンパー35a(35b,35c)の断面図である。
【図9】中間体30の樹脂層18にスタンパー35a(35b,35c)の凹凸パターン39を押し付けた状態の断面図である。
【図10】図9に示す状態の樹脂層18からスタンパー35a(35b,35c)を剥離してマスク層17の上に凹凸パターン41(樹脂マスク)を形成した状態の断面図である。
【図11】凹凸パターン41をマスクとしてマスク層17をエッチング処理して磁性層14の上に凹凸パターン42(マスク)を形成した状態の断面図である。
【図12】凹凸パターン42をマスクとして磁性層14をエッチング処理して中間層13の上に凹凸パターン20を形成した状態の断面図である。
【図13】磁気ディスク10bの平面図である。
【図14】磁気ディスク10bにおけるサーボパターン領域Asbの平面図である。
【図15】環状領域Ab内における内周側領域Aibの平面図である。
【図16】環状領域Ab内における外周側領域Aobの平面図である。
【図17】磁気ディスク10cにおけるサーボパターン領域Ascの平面図である。
【図18】環状領域Ac内における内周側領域Aicの平面図である。
【図19】環状領域Ac内における外周側領域Aocの平面図である。
【図20】磁気ディスク10dの層構造を示す断面図である。
【図21】磁気ディスク10eの層構造を示す断面図である。
【図22】従来の磁気ディスク10xの平面図である。
【図23】磁気ディスク10xにおける内周側領域Axiの平面図である。
【図24】磁気ディスク10xにおける外周側領域Axoの平面図である。
【図25】磁気ディスク10xの製造工程において、スタンパーの凸部39ax,39ax・・(回転方向に沿った長さが短い凸部39ax,39ax・・)が押し込まれた状態の樹脂層の断面図である。
【図26】磁気ディスク10xの製造工程において、スタンパーの凸部39ax,39ax・・(回転方向に沿った長さが長い凸部39ax,39ax・・)が押し込まれた状態の樹脂層の断面図である。
【符号の説明】
【0107】
1,1b ハードディスクドライブ
3 磁気ヘッド
6 サーボデータ検出部
8 制御部
10a〜10e 磁気ディスク
11 ガラス基材
11a 基材
14,14a,14b 磁性層
15 非磁性材料
18 樹脂層
20,20a,20b,20sa〜20sc,20t 凹凸パターン
21,21a,21b,21s,21si,21so,21t 凸部
22,22a,22b,22s,22si,22so,22t 凹部
30 中間体
35a〜35c スタンパー
A1a〜A4a,A1b〜A4b,A1c〜A4c 環状領域
Aia,Aib,Aic 内周側領域
Aoa,Aob,Aoc 外周側領域
Asa,Asb,Asc サーボパターン領域
Asai,Asbi,Asci内周側サーボパターン領域
Asao,Asbo,Asco 外周側サーボパターン領域
At トラックパターン領域
Cls 検出用クロック
Dcl クロックデータ
Ds サーボデータ
L1i〜L4i,L6i〜L8i,L11i〜L13i,L92i,L93i,L1o〜L4o,L6o〜L8o,L11o〜L13o,L51〜L54 長さ
O 中心
R 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の少なくとも一面側に凹凸パターンによってサーボパターンが形成されると共に、同心円状または螺旋状のデータ記録トラックが当該一面側に設けられてデータトラックパターンが形成され、
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記データトラックパターンと同心の複数の環状領域に区分けされると共に、前記基材の回転方向に沿った単位凹部長の当該各環状領域内における平均長を当該データトラックパターンの中心から当該環状領域までの距離で除した値が内周側の当該環状領域よりも外周側の当該環状領域ほど小さくなるように当該各環状領域毎に当該単位凹部長が規定されている情報記録媒体。
【請求項2】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記基材の回転方向に沿った単位凸部長に対する前記単位凹部長の比が前記環状領域内において当該環状領域の内周側から当該環状領域の外周側に向かうほど小さくなるように当該単位凸部長および当該単位凹部長が規定されている請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凸部長が前記環状領域内において当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど長くなるように規定されている請求項2記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凹部長が前記環状領域内における当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側までの全域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されている請求項2または3記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凸部長および前記単位凹部長の合計長が前記環状領域内において前記データトラックパターンの中心からの距離に比例して当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど長くなるように規定されている請求項2から4のいずれかに記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凹部長が前記環状領域内において前記データトラックパターンの中心からの距離に比例して当該環状領域の内周側から当該環状領域の外周側に向かうほど長くなるように規定されると共に、前記基材の回転方向に沿った前記単位凹部長と単位凸部長の合計長が当該環状領域内において前記データトラックパターンの中心からの距離に比例して当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど長くなるように当該単位凸部長および当該単位凹部長が規定されている請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項7】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凹部長の前記環状領域内における前記平均長が前記内周側の環状領域から前記外周側の環状領域までの全環状領域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されている請求項2から6のいずれかに記載の情報記録媒体。
【請求項8】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凹部長を前記データトラックパターンの中心からの距離で除した値が前記環状領域内において当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど小さくなるように当該単位凹部長が規定されている請求項1記載の情報記録媒体。
【請求項9】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記基材の回転方向に沿った単位凸部長を前記データトラックパターンの中心からの距離で除した値が前記環状領域内において当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側に向かうほど小さくなるように当該単位凸部長が規定されている請求項8記載の情報記録媒体。
【請求項10】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凹部長が前記環状領域内における当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側までの全域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されている請求項8または9記載の情報記録媒体。
【請求項11】
前記サーボパターンを構成する前記凹凸パターンは、前記単位凸部長が前記環状領域内における当該環状領域の前記内周側から当該環状領域の前記外周側までの全域において等しい長さ、または、ほぼ等しい長さとなるように規定されている請求項8から10のいずれかに記載の情報記録媒体。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の情報記録媒体と、前記サーボパターンに対応付けられているサーボデータに基づいてサーボ制御を実行する制御部とを備えている記録再生装置。
【請求項13】
請求項1から7のいずれかに記載の情報記録媒体と、前記各環状領域毎に予め規定された読み出し周波数情報に基づいて前記情報記録媒体から前記サーボパターンに対応付けられているサーボデータを読み出してサーボ制御する制御部とを備えている記録再生装置。
【請求項14】
請求項1、および8から11のいずれかに記載の情報記録媒体と、前記データトラックパターンの中心からの距離に応じて予め規定された読み出し周波数情報に基づいて前記情報記録媒体から前記サーボパターンに対応付けられているサーボデータを読み出してサーボ制御する制御部とを備えている記録再生装置。
【請求項15】
請求項1から11のいずれかに記載の情報記録媒体における前記凹凸パターンの凹部に対応して形成された凸部と、前記情報記録媒体における前記凹凸パターンの凸部に対応して形成された凹部とを有する凹凸パターンが形成された情報記録媒体製造用のスタンパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−318581(P2006−318581A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141109(P2005−141109)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】