情報記録媒体とその再生装置
情報記録媒体は、第一の情報と、第一の情報の取り扱いに関する第一の管理情報とを記録する第一の記録領域と、第一の情報から生成される第二の情報と、第二の情報の取り扱いに関する管理する第二の管理情報とを記録する第二の記録領域とを含む。また、第一の記録領域は第一の情報の著作権を管理する第一の著作権管理情報を備え、第二の記録領域は第二の情報の著作権を管理する第二の著作権管理情報を備える。第二の管理情報は、第二の情報と、第二の情報の生成元である第一の情報とのリンク情報を備える。また、第二の著作権管理情報は、第一の著作権管理情報とは独立の、異なる著作権管理情報を記録してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体と、その情報記録媒体から情報を再生する再生装置とに関する。特に、複数の領域に分かれており各領域に情報を記録する情報記録媒体と、その情報記録媒体から情報を再生する再生装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDディスクに代表されるように、大容量の情報記録媒体が開発されている。従来、CDの記録可能なデータ容量は650MBであったが、DVDディスクの場合は、片面で4.7GBのデータを記録することができるようになっている。また、現在では、青色レーザを用いたさらに高密度な情報記録媒体も開発されている。この結果、CDの音質よりも高音質なコンテンツを1枚の情報記録媒体に長時間記録することができるようになる。例えば、CDには44.1kHz/16bits/2chの音楽コンテンツが約74分程記録できるが、DVD−Audio Discには、最大192kHz/24bits/2chまたは最大96kHz/24bits/6chのコンテンツでほぼ同程度の時間記録することができる。また、44.1kHz/16bits/2chの音楽コンテンツなら、CDの約6倍の長時間記録が可能となる(例えば非特許文献1)。
【0003】
最近はmp3に代表されるような各種の圧縮記録方式が発明され、それらを用いて音楽コンテンツを記録することがある。例えば、128kbpsのmp3を用いて5分の曲を記録した場合、そのデータ量は約5MBとなる。CD(44.1kHz/16bits/2ch)の5分の曲の場合、データ量は約50MBとなるため、128kbpsのmp3を用いて記録されたデータ量は、CD上に記録されたデータ量の5分の1ですむことになる。
【0004】
情報記録媒体に記録されたコンテンツは、違法にコピーされないように暗号化されて情報記録媒体に記録される。例えば、DVD−Audio Discに記録されている音楽コンテンツも、ある暗号化技術を用いて暗号化されている。さらには、暗号化された音楽コンテンツの著作権に関する著作権管理情報も情報記録媒体に記録しておけば、暗号化された音楽コンテンツをコピーする場合は、その著作権管理情報が示す著作権を適用することが可能である。例えば、著作権管理情報が1回のみコピーが許されていることを示す場合は、その音楽コンテンツを1回コピーすれば、2回目以降のコピーができないような仕組みになる。もちろん、著作権管理情報によって音楽コンテンツのコピーを禁止することも可能である。
【0005】
また、レーベルゲートCDでは、1枚のディスクを2つのセッションに分け、片方のセッションには、CCCD(Copy Control CD)と呼ばれる、通常のCD−ROMドライブでは読み込めないコピープロテクション技術を施した音楽コンテンツが記録され、もう片方のセッションには、CD−ROMドライブを用いて再生するための音楽コンテンツが記録されている。この場合、通常のCD再生装置はCCCDの音楽コンテンツを再生し、パソコンではCD−ROMドライブ用の音楽コンテンツを再生することになる。しかしながら、レーベルゲートCDには、各セッションに記録されている音楽コンテンツ間の関連性を示す情報は記録されいない。このため、2つのセッションに記録されている音楽コンテンツを、再生条件やコピー条件等に応じて使い分けることはできない。また、パソコンではCCCDの音楽コンテンツを読み込めないため、そのような再生やコピーの制御はできない。
【非特許文献1】DVD Specifications for Read−only Disc Part 4 AUDIO SPECIFICATIONS Version.1.2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DVD−Audio Discは高音質な音楽コンテンツを記録することが可能であるため、DVD−Audio Discに記録される音楽コンテンツを作成する音楽会社は、そのような高音質な音楽コンテンツをコピーさせたくないと要求することも考えられる。しかしながら、DVD−Audio Discを視聴するユーザは、私的利用のためにDVD−Audio Discに記録されている音楽コンテンツをコピーしたいという要求もある。
【0007】
また、DVD−Audio Discに記録された高音質な音楽コンテンツのコピーが許可されたとしても、その音楽コンテンツのデータ量は大きいため、コピーに時間がかかってしまうという問題がある。例えば、CD(44.1kHz/16bits/2ch)の5分の曲ならば、データ量約50MBとなるが、DVD−Audio Discに記録された44.1kHz/24bits/6chの5分の曲の場合、そのデータ量は約240MBとなる。この場合、DVD−Audio Discに記録された音楽コンテンツをコピーする場合には、CDの時より約5倍の時間がかかってしまうことになる。
【0008】
さらに、ポータブルの再生装置で音楽コンテンツを再生する場合、一般的に消費電力の問題がある。ポータブルの再生装置は蓄電池で駆動しており、再生に必要な消費電力が大きいと、再生時間が短くなってしまう。DVD−Audio Discに記録された高音質な音楽コンテンツをポータブルの再生装置で再生する場合は、データ量の大きい音楽コンテンツを再生することになる。音楽コンテンツのデータ量が、ポータブルの再生装置が搭載しているメモリ容量よりもはるかに大きい場合、音楽コンテンツの全データをDVD−Audio Discから先に読み出してメモリに記録しておくことはできない。このため、再生中は常にDVD−Audio Discを回転させながら音楽コンテンツのデータを読み出す必要がる。この場合、ディスクを回転させるための電力が必要となり、長時間再生が困難になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面によれば、情報記録媒体は、第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、前記第一情報に基づいて生成される第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域とを備える。
【0010】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。
【0011】
本発明の一実施形態においては、前記第一管理情報は、前記第一情報を特定するためのグループ番号とトラック番号とを含み、前記リンク情報は、前記第一情報とリンクされている前記第二情報を特定するための識別番号を含む。
【0012】
本発明の一実施形態においては、前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、前記第二記録領域は、前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含む。
【0013】
本発明の一実施形態においては、前記第二著作権管理情報は、前記第二情報を識別するための固有情報と、前記第二情報のコピー条件を示すコピー管理情報と、を含む。
【0014】
本発明の一実施形態においては、前記第二著作権管理情報は、前記第二著作権管理情報の内容とは異なる著作権管理情報を前記第二情報に適用できるか否かを示すトランザクション情報を含む。
【0015】
本発明の一実施形態においては、前記コピー管理情報は、コピーの可否、コピーが可能な回数およびコピーが許可される品質のうちの少なくとも一つを示す。
【0016】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は、第一暗号化方式で暗号化され、前記第二情報は、第二暗号化方式で暗号化されている。
【0017】
本発明の一実施形態においては、前記第一暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部と、前記第二暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部とは同じである。
【0018】
本発明の一実施形態においては、前記第一暗号化方式は、前記第二暗号化方式と共通の情報を用いた暗号化処理を含む。
【0019】
本発明の一実施形態においては、前記共通の情報は、暗号化鍵を生成するために用いられる暗号化鍵生成情報である。
【0020】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は、非圧縮情報および可逆圧縮情報のうちの一方である。前記第二情報は、前記第一情報が非圧縮情報である場合は、前記第一情報を非可逆圧縮した情報である。前記第二情報は、前記第一情報が可逆圧縮情報である場合は、前記第一情報を復号することにより生成した非圧縮情報を非可逆圧縮した情報である。
【0021】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報に基づいて複数の前記第二情報が生成され、前記生成された複数の第二情報は互いに属性が異なる。
【0022】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報および前記第二情報は音声情報であって、前記属性は、記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間のうちの少なくとも一つを示す。
【0023】
本発明の一実施形態においては、前記複数の第二情報には互いに異なる著作権が適用される。
【0024】
本発明の一実施形態においては、前記複数の第二情報には互いに異なる暗号化方式が適用される。
【0025】
本発明の一実施形態においては、前記複数の第二情報のうちの少なくとも一つは、複数の暗号化方式によって暗号化されている。
【0026】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含み、前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示す第一リンク情報を含み、前記第三管理情報は、前記第一リンク情報を含んでいない。
【0027】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記第三管理情報とが関連していることを示す第二リンク情報を含む。
【0028】
本発明の一実施形態においては、前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含む。前記第二記録領域は、前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報と、前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報の両方と独立した、前記第二情報の著作権に関する第三著作権管理情報とをさらに含む。
【0029】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報とをさらに含む。
【0030】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。
【0031】
本発明の一実施形態においては、前記リンク情報は前記同期再生管理情報の種類とファイル名とを示す。
【0032】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報の著作権に関する第一著作権管理情報と、前記同期再生情報の著作権に関する第二著作権管理情報とをさらに含む。
【0033】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0034】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0035】
本発明の別の局面によれば、情報記録媒体に記録された第一情報および前記第一情報に基づいて生成された第二情報のうちの少なくとも一方を再生する再生装置であって、前記情報記録媒体は、前記第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、前記第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域とを備える。前記再生装置は、前記第一情報、前記第一管理情報、前記第二情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一つを前記情報記録媒体から読み出す読出し部と、前記第一管理情報を解読するための第一解読情報、および前記第二管理情報を解読するための第二解読情報のうちの少なくとも一方が格納されている第一格納部と、前記第一管理情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第一解読部と、前記第一情報および前記第二情報のうちの少なくとも一方を出力する出力部とを備える。前記第一格納部に前記第一解読情報が格納されており、且つ前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一管理情報を読み出し、前記第一解読部は前記第一解読情報に基づいて前記第一管理情報を解読し、前記第一管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第一情報を読み出し、前記出力部は前記第一情報を出力する。前記第一格納部に前記第二解読情報が格納されており、且つ前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二管理情報を読み出し、前記第一解読部は前記第二解読情報に基づいて前記第二管理情報を解読し、前記第二管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する。
【0036】
本発明の一実施形態においては、前記第二情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一情報を読み出す。
【0037】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【0038】
本発明の一実施形態においては、前記再生装置は、外部電源および前記再生装置に搭載された電池のうちの少なくとも一方から供給される電力によって駆動する。前記再生装置は、電力供給元を判定する判定部をさらに備える。前記外部電源から電力が供給されていると前記判定部が判定し、且つ前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部は前記第一情報を読み出す。前記外部電源から電力が供給されていないと前記判定部が判定した場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出す。
【0039】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取った場合には、前記読出し部は、前記情報記録媒体から前記リンク情報を読み出し、前記第一解読部は、前記リンク情報を解読して、前記第一情報と関連している前記第二情報を特定し、前記読出し部は前記特定された第二情報を読み出して、前記出力部は前記特定された第二情報を出力する。
【0040】
本発明の一実施形態においては、前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含む。前記第二記録領域は、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含む。前記再生装置は、前記第一著作権管理情報を解読するための第三解読情報、および前記第二著作権管理情報を解読するための第四解読情報が格納されている第二格納部と、前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第二解読部とをさらに備える。前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取り、且つ前記第一著作権管理情報が前記第一情報のコピー不許可を示している場合には、前記読出し部は、前記第二著作権管理情報を読み出し、前記第二解読部は、前記第二著作権管理情報を解読する。前記第二著作権管理情報が前記第二情報のコピー許可を示している場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する。
【0041】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されている。前記再生装置は、前記暗号化された第一情報を復号する第一復号部と、前記暗号化された第二情報を復号する第二復号部とのうちの少なくとも一方をさらに備える。
【0042】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されている。前記第一暗号化方式の一部と前記第二暗号化方式の一部とは同じアルゴリズムを有する。前記再生装置は、前記第一情報および前記第二情報のうちの前記同じアルゴリズムを用いて暗号化されているそれぞれの部分を復号する共通復号部と、前記第一暗号化方式は有するが前記第二暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第一情報の他の部分を復号する第一復号部と、前記第二暗号化方式は有するが前記第一暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第二情報の他の部分を復号する第二復号部とをさらに備える。前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第一情報を、前記共通復号部と前記第一復号部とが復号する。前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第二情報を、前記共通復号部と前記第二復号部とが復号する。
【0043】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含む。前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。
【0044】
前記第三管理情報は、前記リンク情報を含まない。前記第一格納部は、前記第一解読情報および前記第二解読情報のうちの少なくとも一方と、前記第三管理情報を解読するための第三解読情報とを格納する。前記第二情報を再生する場合には、前記第二管理情報および前記第三管理情報のうちの少なくとも一方を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出す。
【0045】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報とをさらに含む。前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。前記第一格納部は、前記同期再生管理情報を解読するための第三解読情報をさらに格納する。前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを読み出し、前記第一解読部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読し、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報と前記同期再生情報とを読み出し、前記出力部は前記第二情報と前記同期再生情報とを同期させて出力する。
【0046】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、複数の前記第二情報を含む。前記複数の第二情報は互いに属性が異なる。前記再生装置は、再生条件およびコピー条件のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の第二情報のうちの一つを選択する選択部をさらに備える。前記読出し部は、前記選択された第二情報を読み出す。
【0047】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0048】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0049】
このように、ここに記載された発明は、コンテンツの高速コピーおよび長時間再生を実現するために、複数の異なるタイプのコンテンツを有する、様々な条件に従って異なって使用される情報記録媒体、およびその再生装置の提供の利点を可能にする。
【0050】
本発明のこれらのおよび別の利点は、添付の図面を参照した詳細な記載を読み、理解することによって、当業者にとって明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明を図面と共に詳細に説明する。
【0052】
(実施の形態1)
本発明の情報記録媒体は複数の領域に分かれており、それぞれの領域に管理情報ファイルと、音声データファイルと、著作権管理情報ファイルとを備える。図1は、本発明の実施の形態の情報記録媒体であるDVD−Audio Disc100を示す。DVD−Audio Disc100は、DVD−Audio Zone101とOther Zone102とを備える。
【0053】
DVD−Audio Zone101には、1つ以上の曲を示す音声データを含む第一の音声データ群ファイル111、112と、その第一の音声データ群ファイル111、112の取り扱いを管理している第一の管理情報ファイル110とが記録されている。
【0054】
Other Zone102には、それぞれが1曲を示す第二の音声データファイル121、122、123と、第二の音声データファイル121、122、123の取り扱いに関する第二の管理情報ファイル120と、第二の音声データファイル121、122、123のそれぞれが示す曲の著作権に関する第二の著作権管理情報ファイル124とが記録されている。
【0055】
具体的には、図2に示すように、第一の管理情報ファイル110と第一の音声データ群ファイル111、112はAUDIO TSディレクトリに記録されている。第二の管理情報ファイル120と、第二の著作権管理情報ファイル124と、第二の音声データファイル121、122、123とはRootディレクトリに記録されている。第一の管理情報ファイル110は、第一の音声データ群ファイル111、112の著作権に関する第一の著作権管理情報114を含む。
【0056】
なお、Rootディレクトリに属するさらなるディレクトリを作成し、そのディレクトリに、第二の管理情報ファイル120、第二の著作権管理情報ファイル124、第二の音声データファイル121、122、123を記録してもよい。
【0057】
なお、図中の記号#a(aは整数)は各情報グループの中の通し番号を示している。通し番号は例えば曲順を示している。
【0058】
第一の音声データ群ファイルに含まれる音声データから第二の音声データファイルが生成される。ここで、第二の音声データファイル121、122、123は、第一の音声データ群ファイル111、112に含まれる音声データを所定の記録方式を用いて変換した音声データである。例えば、第一の音声データ群ファイル111に含まれる1曲を示す音声データの記録方式がリニアPCMであり、その音声データを記録方式mp3を用いて圧縮した音声データが第二の音声データファイル121である。なお、各第二の音声データファイル間での記録方式は異なっていてもよく、ある第二の音声データファイルは記録方式mp3を用いて記録されており、別の第二の音声データは記録方式AACを用いて記録されていてもよい。
【0059】
また、図3に示すように、第一の音声データ群ファイルが示す各曲と、第二の音声データファイルとはリンク付けされている。このような第一の音声データ群ファイルが示す曲と第二の音声データファイルとが関連していること(すなわちリンク付け)を示すリンク情報125は第二の管理情報ファイル120に含まれている。
【0060】
第二の管理情報ファイル120に含まれている具体的な第二の管理情報の一例を図4Aに示す。図4Aに示す第二の管理情報320は、一般情報321と、第二の曲情報322、323とを含む。
【0061】
第二の曲情報322、323は、Other Zone102に記録されている各第二の音声データファイルが示す曲の情報を示す。第二の曲情報322、323は、一般情報324と、リンク情報325と、テキスト情報326と、第二の音声データファイル情報327、328を含む。第二の音声データファイル情報327、328は、対応する曲を示す第二の音声データファイルに関する情報である。テキスト情報326は、曲名やアーティスト名等などを示す。リンク情報325によって、対応する第二の音声データファイルの生成元となった第一の音声データ群ファイル中の曲を特定することができる。
【0062】
DVD−Audio Disc100では、各曲がグループ番号とトラック番号とで一意に識別される。第一の管理情報ファイルは、第一の音声データ群ファイルが示す各曲を特定するためのグループ番号とトラック番号とを含んでいる。リンク情報325は、生成元の曲のグループ番号329およびトラック番号330と、対応する第二の音声データファイルの識別番号331とを含む。
【0063】
なお、リンク情報325は、グループ番号とトラック番号とを含む代わりに、生成元の曲の記録開始物理アドレスと記録終了物理アドレスとを含んでもよい。また、リンク情報325は、グループ番号、トラック番号、記録開始物理アドレス、記録終了物理アドレスの全てを含んでもよい。また、DVD−Audio Discだけでなく、他のアプリケーションや情報記録媒体に本発明が適用されてもよく、その場合、曲を特定するための情報は、そのアプリケーションまたは情報記録媒体の中で曲を一意に特定できる情報であれば何であっても良い。
【0064】
第二の音声データファイル情報327、328は、一般情報332と、ファイル名333と、属性情報334と、暗号化方式335とを含む。
【0065】
属性情報334は、音声データの属性(例えば、記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間など)を示す。暗号化方式335は、対応するファイルの暗号化に用いられる暗号化方式を特定するための情報を示し、各ファイル毎に暗号化方式を変えることができる。さらには、2重暗号のように、ファイルが複数の暗号化方式で暗号化されていることを示すこともできる。例えば、暗号化方式を特定するID(1bytes)が図5のように定義されている(00h:暗号化なし、01h:暗号化方式Aで暗号化、02h:暗号化方式Bで暗号化、10h:暗号化方式Aで暗号化してその後暗号化方式Bで暗号化、Others:Reserved)。この例では、対応する第二の音声データファイルが、最初に暗号化方式Aで暗号化され、さらにその後、暗号化方式Bで暗号化されている場合には、暗号化方式335は10hを示す。
【0066】
なお、暗号化方式は、第二の音声データファイル情報に含まれてもよいが、第二の曲著作権管理情報に含まれてもよい(第二の曲著作権管理情報の詳細については後述する)。
【0067】
一つの第二の曲情報は、属性(記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間など)が互いに異なる複数の音声データファイルを管理してもよい。例えば、第一の音声データ群ファイルが示す一つの曲(生成元の曲)から、複数種類の記録方式(mp3、AAC等)のそれぞれで圧縮した複数の音声データファイルを生成し、Other Zone102に記録してもよい。第二の曲情報は、複数の第二の音声データファイル情報を含み、複数の音声データファイルのそれぞれを管理する。このような管理の一例を図8を参照して説明する。
【0068】
図8に示す第二の管理情報420は、第二の曲情報421と、第二の曲情報422とを含む。第二の曲情報421は、mp3で圧縮された一つの第二の音声データファイル426を管理するための第二の音声データファイル情報423を含んでいる。第二の曲情報422は、mp3で圧縮された第二の音声データファイル427を管理するための第二の音声データファイル情報424と、AACで圧縮された第二の音声データファイル428を管理するための第二の音声データファイル情報425とを含む。第二の音声データファイル427および第二の音声データファイル428は、生成元の曲は同一だが、属性(例えば、記録方式)が互いに異なる。第二の曲情報422を用いることにより、互いに属性の異なる二つの第二の音声データファイルを管理することができる。
【0069】
複数の音声データファイルは、互いに属性は同じだが、暗号化方式が異なっていてもよい。例えば、複数の音声データファイルのうちのある音声データファイルは一つの暗号化方式によって暗号化されており、別の音声データファイルは複数の暗号化方式によって暗号化されていてもよい。そのような複数の音声データファイルも同じ第二の曲情報を用いて管理しても良い。
【0070】
複数の音声データファイルには、互いに異なる著作権が適用されてもよく、そのような複数の音声データファイルを同じ第二の曲情報を用いて管理しても良い。
【0071】
このように、DVD−Audio Zone101に記録された一つの曲に対して、互いに異なる属性(または互いに異なる暗号化方式または著作権)の複数の音声データファイルをOther Zone102に記録しておけば、再生やコピーの際に、再生装置は、種々の条件に応じて、複数の音声データファイルの中から最適な音声データファイルを選択して利用することが可能となる。例えば、ある第二の曲情報によって、リニアPCM、mp3、AACのそれぞれの記録方式で記録された複数の第二の音声データファイルを管理されている場合について説明する。再生装置が高音質な第二の音声データファイルを再生しようとする場合には、記録方式がリニアPCMの第二の音声データファイルを再生する。また、再生装置が再生可能な記録方式を選択して第二の音声データファイルを選択することもある。例えば、再生装置がmp3の音声データのみ再生可能であれば、記録方式がmp3の第二の音声データファイルを選択して再生することになる。一方、再生装置に接続されたアンプ等の外部機器で音声データを再生する場合、その外部機器が再生できる記録方式の音声データを選択し、外部機器に出力することもある。例えば、外部機器が、記録方式がAACの音声データのみ再生可能である場合は、記録方式がAACの第二の音声データファイルを選択して出力することになる。また、再生装置がインターネットや有線LANおよび無線LANに接続されており、接続先の機器で再生しようとする場合は、圧縮された第二の音声データファイルを選択して出力することもある。また、再生装置に接続された複数の外部機器で同時に曲を再生する場合、転送レート等の問題により、圧縮された第二の音声データファイルを選択して出力することもある。
【0072】
再生装置が第二の音声データファイルをコピーのために出力する場合、コピー条件に応じて最適な第二の音声データファイルを選択して出力することも可能である。例えば、記録方式がそれぞれリニアPCM、mp3、AACである複数の第二の音声データファイルが第二の曲情報によって管理されており、コピー先の情報記録媒体がmp3にのみ対応している場合は、記録方式がmp3の第二の音声データファイルを選択して出力することになる。また、高速コピーを行いたい場合は、最もデータ量の小さい、つまり圧縮率の高い音声データファイルを選択することになる。
【0073】
リンク情報は、第二の曲情報とは別々に第二の管理情報に含まれていても良い。例えば、図6に示す第二の管理情報350は、一般情報351と、リンク群情報352と、第二の曲情報353、354とを含んでいる。第二の管理情報350は、第二の曲情報353、354とは別々にリンク群情報352を含んでいる。
【0074】
リンク群情報352は、一般情報355aと、グループリンク情報355b、355cを含む。グループリンク情報355b、355cは、一般情報356と、曲リンク情報357、358とを含む。曲リンク情報は、DVD−Audio Zone101に記録された各曲とリンク付けされている第二の音声データファイルを特定する情報(例えばDVD−Audio規格で定義されている情報)を含む。例えば、グループリンク情報355bの曲リンク情報357は、DVD−Audio Zone101内のグループナンバー1のトラックナンバー1と、そのナンバーとリンクされる第二の音声データファイルの曲番号(第二の曲番号359)を含む。なお、DVD−Audio Zone101内の曲とリンクされる第二の音声データファイルが存在しない場合、第二の曲番号として決められた値、例えば0が記録されることになる。なお、第二の管理情報に関して、複数の曲をまとめるグループやプレイリストなどの概念が導入されている場合、DVD−Audio Zone101内のあるグループに対応するOther Zone102内のグループおよびプレイリスト番号を、一般情報356に含めておき、曲リンク情報の第二の曲番号として、Other Zone102の該当するグループおよびプレイリスト内での曲番号を記録してもよい。なお、曲リンク情報には、Other Zone102のある曲を特定できる情報であれば何でもよく、第二の曲番号以外の情報が記録されてもよい。
【0075】
第二の音声データファイルのファイル名は何でもよいが、生成元の曲を識別できる名称と、第二の音声データファイルの記録方式とを認識できる拡張子をファイル名につけることが望ましい。例えば、DVD−Audio Zone101内のグループ番号が2で、トラック番号が3である曲を、mp3で圧縮して第二の音声データファイルを生成した場合、そのファイル名は、GR2 TK03.mp3とすることが望ましい。この場合、逐一第二の管理情報を解読しなくとも、ファイル名を見るだけで、生成元の曲を一意に特定することができ、さらには、記録方式も特定することが可能となる。
【0076】
なお、第二の曲情報は、DVD−Audio Zone101に記録された曲から生成される曲の他に、DVD−Audio Zone101には記録されていない曲を管理してもよい。この場合、第二の曲情報に含まれるグループ番号やトラック番号には、DVD−Audio Zone101に記録された曲とは違う曲であることを示すデータを記録しておく。例えば、全て0のデータまたは全て1のデータなどを記録しておく。また、この場合の第二の音声データファイルのファイル名は、拡張子部分はその記録方式にすることが望ましいが、拡張子以外の部分は何の名称であってもよい。しかしながら、新しい曲であることを示すNEW TKと通し番号とがファイル名に付加されることが望ましい。例えば、mp3で記録された第二の音声データファイルの場合、そのファイル名としては、NEW TK01.mp3となることが望ましい。
【0077】
第二の音声データファイルのファイル名をあるルールに従って記述するようにしておけば、第二の音声データファイル情報に含まれているファイル名を参照しなくても、第二の音声データファイル情報が管理している第二の音声データファイルを特定することができる。例えば、上述のGR2 TK03.mp3のように、第二の音声データファイルのファイル名は、必ずグループ番号とトラック番号と記録方式名からなるように決めておけば、第二の曲情報のリンク情報に含まれているグループ番号とトラック番号と、第二の音声データファイル情報の属性情報が示す記録方式から、該当する第二の音声データファイルのファイル名を特定することができる。
【0078】
別のファイル名の記述方法として、ある共通の文字列を決めておき、また、各第二の音声データファイル情報に正数の通し番号を付与しておいて、ファイル名を共通の文字列と通し番号とからなるようにしておいても良い。例えば、共通の文字列をAUDIOとし、ある第二の音声データファイル情報に付与されている正数の通し番号が14である場合、その第二の音声データファイル情報が管理する第二の音声データファイルのファイル名は、AUDIO14という文字列と、拡張子とからなるようにしておく。AUDIO14に付与される拡張子は何であってもよい。
【0079】
あるルールに従って第二の音声データファイルのファイル名を記述するように決めておけば、第二の音声データファイル情報のファイル名を参照しなくても、該当する第二の音声データファイルを特定することができる。この場合は、第二の音声データファイルのファイル名を管理情報に含めておかなくてもよい。もちろん、このような場合であっても、管理情報にファイル名を含めておいてもよい。
【0080】
また、ファイル名から、暗号化されている第二の音声データファイルか否かを確認できるようにしてもよい。例えば、暗号化されているファイルなら、SA(Secure Audioという意味)という文字をファイル名の拡張子に含むようにし、暗号化されていないファイルなら記録方式が特定できる拡張子(例えばmp3などの文字)を含むようにする。この結果、ファイル名を確認するだけで、ファイルが暗号化されているか否かを判断することができ、第二の管理情報ファイル120を解読できない再生装置であっても、再生可能なファイル、つまり暗号化されていなく、かつ復号可能な記録方式のファイルを特定することが可能となる。
【0081】
Other Zone102には、第二の音声データファイルの著作権を管理するための第二の著作権管理情報ファイル124が記録されている。図4Bに、第二の著作権管理情報ファイル124に含まれる第二の著作権管理情報340の一例を示す。第二の著作権管理情報340は、一般情報341と、各曲の著作権管理情報を示す第二の曲著作権管理情報342、343とを含む。
【0082】
なお、第二の曲著作権管理情報の記録順は、第二の管理情報に含まれている第二の曲情報の記録順と同じである。つまり、第二の曲情報(#1)が管理する曲の著作権情報は、第二の曲著作権管理情報(#1)に含まれることになる。
【0083】
第二の曲著作権管理情報は、一般情報345と、該当曲を識別するための固有番号(固有情報)を示すコンテンツID 346と、コピー条件を定義するコピー管理情報347と、再生可能条件を定義する再生制限情報348と、トランザクション情報349とを含む。トランザクション情報349は、他システムと認証すれば、第二の曲著作権管理情報で指定された以外の処理を行うことが可能か否かを示すフラグとその処理内容(例えば、第二の曲著作権管理情報の内容とは異なる著作権管理情報を第二の音声データファイルに適用する処理)とを含む。
【0084】
コンテンツID 346は、例えばISRC(International Standard Recording Code)を含む。コピー管理情報347は、コピー可否情報と、コピー可能回数と、コピーが許可される品質(例えばコピーが許可される最大ビットレート)と、コピーが許可されるコピー先の情報記録媒体やシステムを指定するコピー先指定情報とのうちの少なくとも一つを含む。また、コピー管理情報347は、移動許可情報やチェックインアウト許可情報、チェックアウト可能回数も記録されてよい。なお、移動とは、ある情報記録媒体に記録された曲が別の情報記録媒体にコピーされた場合に、コピー元の情報記録媒体からその曲が削除されることを意味する。また、チェックインアウトとは、チェックアウトと呼ばれるコピー手段とチェックインと呼ばれるコピー手段とを用いてコンテンツのコピーを管理することである。チェックアウトとは、他の情報記録媒体にコピーされた曲が、さらに別の情報記録媒体にコピーされたときに、コピー元の情報記録媒体に記録されているカウンタ値を1減算することである。なお、初期カウンタ数は、チェックアウト可能回数で指定される。また、このカウンタが0になれば、チェックアウトはできない。また、チェックインとは、チェックアウトされた曲をコピー先の情報記録媒体から削除し、コピー元の情報記録媒体にあるカウンタ値を1加算することである。
【0085】
再生制限情報348は、再生可能回数、再生可能期日、再生可能時間、曲の中の再生可能部分、再生するためのパスワード情報、再生が許可される国や地域などを示す再生許可地域情報、同時に再生してもよい再生装置数を指定する同時再生可能機器数などを示す。
【0086】
暗号化方式は、第二の音声データファイル情報に含まれてもよいが、第二の曲著作権管理情報に含まれてもよい。
【0087】
図4Aおよび図4Bのデータ構造によると、ある第二の曲情報が複数の第二の音声データファイルを管理している場合であっても、その全ての第二の音声データファイルに同一の著作権管理情報しか適用することができない。しかし、同一の第二の曲情報が管理する複数の第二の音声データファイルのそれぞれに、異なる著作権管理情報を適用するようにしてもよい。
【0088】
一例として、図7Aに、ファイル別著作権管理を行うための第二の曲著作権管理情報360を示す。第二の曲著作権管理情報360は、一般情報361と、第二の音声データファイル著作権管理情報362、363とを含む。第二の音声データファイル著作権管理情報362、363のそれぞれは、各曲毎の著作権を管理する。第二の音声データファイル著作権管理情報362、363は、一般情報364と、コンテンツID 365と、コピー管理情報366と、再生制限情報367と、トランザクション情報368とを含む。第二の曲著作権管理情報360を用いれば、各音声データファイルの著作権を別々に定義することが可能となる。
【0089】
図7Aの第二の音声データファイル著作権管理情報の記録順は、図4Aの第二の音声データファイル情報の記録順と同じになる。つまり、第二の音声データファイル情報(#1)で管理される音声データの著作権管理情報は、第二の音声データファイル著作権管理情報(#1)に含まれる。
【0090】
図7Bは、種類別著作権管理を行うための第二の曲著作権管理情報370を示す。第二の曲著作権管理情報370は、一般情報371と、種類別著作権管理情報372、373とを含む。種類別著作権管理情報372、373は、一般情報379と、音声データファイル名374と、コンテンツID 375と、コピー管理情報376と、再生制限情報377と、トランザクション情報378とを含む。
【0091】
種類別著作権管理では、著作権管理情報の必要な種類だけ、第二の曲著作権管理情報370に含まれる。具体的には、第二の曲著作権管理情報が少なくとも一つの種類別著作権管理情報を含み、各種類別著作権管理情報には、具体的な著作権管理情報と、その著作権管理情報が適用される第二の音声データファイルのファイル名とが含まれる。
【0092】
この結果、音声データファイル毎に著作権管理情報を適用できるため、再生時やコピー時の条件等も様々に定義することも可能となり、種々の条件に応じて再生やコピーに利用する音声データファイルを選択することが可能となる。
【0093】
本発明に従えば、情報記録媒体を複数(例えば二つ)の領域に分け、第一の著作権管理情報とは独立した第二の著作権管理情報を第二の音声データファイルに適用する。仮に、図9に示すようにDVD−Audio Zone101に記録されている曲がコピー禁止であっても、Other Zone102に記録されている曲はコピー許可と定義してもよい。例えば、DVD−Audio Zone101に記録されている曲が高音質である場合、音楽会社は高音質な曲はコピーさせたくないため、DVD−Audio Zone101に記録されているの曲をコピー禁止と設定し得る。しかしながら、DVD−Audio Disc100から曲がコピーできないのは、ユーザにとって利便性に欠けるものとなる。従って、DVD−Audio Zone101に記録されている音声データを圧縮して品質を落とし、その圧縮された音声データをOther Zone102に記録する。Other Zone102内の圧縮された音声データのコピーを許可しておけば、DVD−Audio Disc100から圧縮された音声データをコピーすることができ、ユーザの利便性を損なってしまう問題は起こらない。
【0094】
DVD−Audio Zone101内の曲とOther Zone102内の曲とで異なる著作権管理情報を適用する場合、第一の音声データ群ファイルと第二の音声データファイルには異なる暗号化方式で暗号化をしておく。仮に、同じ暗号化方式を用いてDVD−Audio Zone101内の曲とOther Zone102内の曲とを暗号化している場合、Other Zone102内の曲だけを再生するための復号方式に関してライセンス供与を受けたとしても、同じ復号方式を用いればDVD−Audio Zone101内の曲も復号することができてしまい、不正にDVD−Audio Zone101内の曲を再生したりコピーしたりすることができてしまう可能性がある。このため、DVD−Audio Zone101内の曲を暗号化する第一の暗号化方式と、Other Zone102内の曲を暗号化する第二の暗号化方式とを異なる方式にしておく。もちろん、全く異なる方式にする必要は無く、第一の暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部と第二の暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部とが同じであってもよい。暗号化アルゴリズムの一部を共有したほうが、全く異なる2つの復号方式を再生装置に実装する必要も無くなるため、再生装置への実装負担も低減される。また、第一の暗号化方式と第二の暗号化方式とは共通の情報を用いた暗号化処理を含んでもよい。例えば、暗号鍵や復号鍵、またはそれらの鍵を生成するための暗号化鍵生成情報および復号化鍵生成情報は、DVD−Audio Zone101内の曲に適用される暗号化方式および復号化方式と、Other Zone102内の曲に適用される暗号化方式および復号化方式とで共有してもよい。
【0095】
コピーフリーの曲に関しては、暗号化していてもよいが、暗号化していなくてもよい。
【0096】
DVD−Audio Zone101内に記録された曲を示す第一の音声データは、非圧縮情報および可逆圧縮情報のうちの一方であり得る。Other Zone102内に記録された曲を示す第二の音声データファイルは、第一の音声データが非圧縮情報である場合は、第一の音声データを非可逆圧縮した情報であり得る。また、第一の音声データが可逆圧縮情報である場合は、第二の音声データファイルは、第一の音声データを復号することにより生成した非圧縮情報を非可逆圧縮した情報であり得る。
【0097】
Other Zone102には、第二の音声データファイルの取り扱いを管理するための管理情報を複数記録してもよい。図10に示す例では、Other Zone102には、必ず記録される第二の管理情報ファイル120と、それ以外の管理情報である第三の管理情報ファイル530、540とが記録される。この例では、第二の管理情報ファイル120は、第三の管理情報に関する情報を含む。一例として、図11に示す第二の管理情報620は、第二の管理情報320(図2)が含む情報に加えて、第三の管理情報に関する第三の管理情報関連情報622、623を含む。第三の管理情報関連情報622、623は、関連している第三の管理情報のファイル名624を含む。第三の管理情報関連情報622、623は、第二の管理情報と関連している第三の管理情報を示すリンク情報として用いられる。なお、第三の管理情報のデータ構造は何でもよく、また、第二の音声データファイルと第一の音声データ群ファイルに記録されている曲とのリンク付けを示すリンク情報を含む必要はない。
【0098】
図10に示すOther Zone102には、第三の管理情報ファイル530に対応した第三の著作権管理情報534と、第三の管理情報ファイル540に対応した第三の著作権管理情報544とが記録されている。このように、Other Zone102に複数の第三の管理情報ファイルが記録されている場合は、それぞれの第三の管理情報ファイルに対応した第三の著作権管理情報ファイルを記録する。第三の著作権管理情報534、544は、第一および第二の著作権管理情報114および340の両方から独立した、第二の音声データファイルの著作権に関する情報である。第三の著作権管理情報534、544は、第一および第二の著作権管理情報114および340とは異なる著作権を第二の音声データファイルに適用することができる。
【0099】
複数の第三の管理情報ファイルが、一つの第三の著作権管理情報を共用することが出来る場合は、必ずしも第三の著作権管理情報ファイルを複数記録する必要はない。さらに、全ての第三の管理情報ファイルの内容が第二の著作権管理情報ファイルと共用できる内容である場合は、第三の著作権管理情報ファイルを記録する必要はない。
【0100】
本発明によれば、Other Zone102に複数の管理情報を記録することにより、より多くの再生装置でDVD−Audio Disc100を再生することが可能となる。例えば、既に発売されている再生装置がDVD−Audio Zone101に記録された曲の再生が出来ない場合がある。しかしながら、Other Zone102にその再生装置が解読できる管理情報を記録しておけば、その再生装置でもDVD−Audio Disc100の再生が可能となる。また、DVD−Audio Zone101へのリンク情報を持たない第三の管理情報を記録しておけば、DVD−Audio Disc100のデータ構造を理解する必要がないため、第三の管理情報のみを解読できる再生装置の実装が簡単になる。また、そのような再生装置は、DVD−Audio関連のライセンスを取得する必要がなく、ライセンスコストが高くつくという問題も解決される。
【0101】
第二の管理情報は、第二の音声データファイルと同期させて再生させる同期再生情報の取り扱いを管理するための同期再生管理情報ファイルに関する情報を含んでもよい。これにより、第二の音声データと同期再生情報とを同期させて再生することが可能となる。例えば、音声データの再生中に、スライドショーなどのように関連する静止画データを表示させることが可能となる。
【0102】
図12に示すOther Zone102は、同期再生情報である静止画データファイル731、732、733と、静止画データファイル731、732、733の著作権を管理するための同期再生情報著作権管理情報ファイル734と、静止画データファイル731、732、733が示す静止画の表示方法を管理する同期再生管理情報ファイル730とを含む。この例では、第二の管理情報820は、図13のように、同期再生管理情報関連情報822、823を含む。同期再生管理情報関連情報822、823は、同期再生管理情報ファイル名825とその同期再生管理情報の種類を示す管理情報種別824とを含む。同期再生管理情報関連情報822、823は、第二の管理情報と同期再生管理情報ファイルとが関連していることを示すリンク情報として用いられる。
【0103】
管理情報種別824は、主に、再生装置がその同期再生管理情報を解読可能か否かを判断するために用いられる。なお、同期再生管理情報ファイル名825は、該当ファイルを検索するために使用されるが、あらかじめ同期再生管理情報ファイルのファイル名のつけ方のルールを決めておけば、ファイルを検索するために同期再生管理情報ファイル名825を参照する必要はない。この場合、同期再生管理情報関連情報は第二の管理情報に含まれていなくてもよい。もちろん、このような場合であっても、同期再生管理情報関連情報が第二の管理情報ファイルに含まれいてもよい。
【0104】
図12に示す例では、ある通し番号(例えば#1)が付与された第二の音声データファイルの再生中に、同じ通し番号(例えば#1)が付与された静止画データファイルが再生されることを仮定しているが、この形式に限る必要はない。全ての静止画データが一つのファイルに記録されていてもよい。また、同期再生管理情報ファイル730や同期再生情報著作権管理情報ファイル734のデータ構造は何であっても良い。さらに、同期再生管理情報ファイル730と同期再生情報著作権管理情報ファイル734と静止画データファイル731−733は、図14のように、第二の管理情報ファイルや第二の著作権管理情報ファイル、第二の音声データファイルと同じディレクトリに記録されてもよいが、異なるディレクトリに記録されてもよい。また、同期再生情報著作権管理情報ファイル734は、同期再生管理情報ファイル730の中に含まれていてもよい。また、同期再生管理情報ファイル730が管理するデータが静止画データではなく、音声情報、動画情報、テキスト情報などであってもよい。さらに、同期再生管理情報は複数記録されていてもよい。
【0105】
本発明では、第一の音声データ群ファイルおよび第二の音声データファイルのそれぞれが含む音声データの代わりに、動画情報、静止画情報、テキスト情報などがDVD−Audio Disc100に記録されてもよい。また、第二の管理情報と第二の著作権管理情報とはそれぞれ別ファイルに記録されてもよいし、一つのファイルに記録されていてもよい。一つのファイルに記録される場合、第二の管理情報の末尾に第二の著作権管理情報が追加されるように記録されてもよいし、各第二の曲情報の中に、該当する第二の曲著作権管理情報が記録されるようになっていてもよい。
【0106】
同様にして、第三の管理情報と、それに対応する第三の著作権管理情報も、それぞれ異なるファイルに記録されてもよいし、一つのファイルに記録されていてもよい。また、第二の管理情報と第三の管理情報が1つのファイルに記録され、第二の著作権管理情報と第三の著作権管理情報とが一つのファイルに記録されてもよい。なお、この場合は、図11に示す第三の管理情報関連情報は、該当する第三の管理情報の先頭アドレスを示すことになる。
【0107】
全ての管理情報と全ての著作権管理情報とが一つのファイルに記録されていてもよい。なお、複数の管理情報や著作権管理情報が一つのファイルに記録される場合は、そのファイルに、各管理情報や著作権管理情報の先頭アドレスを示す情報が記録されることになる。また、Other Zone102に記録される音声データは、それぞれ異なる第二の音声データファイルに記録されてもよいし、すべて一つのファイルに記録されていてもよい。また、第二の曲管理情報で管理する音声データごとに1つのファイルで記録するようにしてもよい。さらには、各管理情報が管理する音声データごとに1つのファイルに記録してもよい。なお、複数の音声データを1つのファイルに記録した場合、図4Aの第二の音声データファイル情報に含まれるファイル名として、該当する音声データの記録開始アドレスと記録終了アドレスとが記録されることになる。このように、複数の情報や管理情報および著作権管理情報を少ないファイルに記録しておくと、再生装置のファイルアクセス回数が少なくなるため、再生やコピー開始までのユーザの待ち時間が少なくなる。
【0108】
本実施の形態で示すOther Zone102は、DVD−Audio Disc100のAudio TSディレクトリ以外の領域を意味している。さらに、本実施の形態では、DVD−Audio Discに限定して説明しているが、本発明は他の情報記録媒体やアプリケーションに適用してもよく、例えば、CDやブルーレイディスク、HD−DVD(Hidensity DVD)、ハードディスク、半導体メモリ等に適用しても良い。
【0109】
本発明によると、情報記録媒体の領域を2つ以上に分け、それぞれの領域に記録されるコンテンツに異なる著作権管理情報を適用することができる。また、それぞれの領域に記録されているコンテンツ間のリンク情報も記録することができる。このため、ある領域に記録されているコンテンツから、そのコンテンツとリンク付けされている別のコンテンツを容易に検索できることが可能となる。
【0110】
(実施の形態2)
図15に、本発明の実施の形態2における再生装置152を示す。再生装置152は、情報記録媒体に記録された曲を再生する。情報記録媒体は例えばDVD−Audio Disc100であるが、それに限定されない。
【0111】
再生装置152は、読出部153と、出力部154と、管理情報解読部155と、管理情報解読情報格納部156と、著作権管理情報解読部157と、著作権管理情報解読情報格納部158と、復号部159とを備える。
【0112】
読出部153は、DVD−Audio Disc100に記録された情報(音声データおよび管理情報等)を読み出す。復号部159は、読出部153が読み出した音声データを復号化し、出力部154は復号化した音声データを出力する。
【0113】
図16Aに示すように、管理情報解読情報格納部156は、第一の管理情報ファイル110の中身を解読するための第一の管理情報解読情報161と、第二の管理情報ファイル120の中身を解読するための第二の管理情報解読情報162とのうちの少なくとも一方を格納している。管理情報解読部155は、第一の管理情報解読情報161を用いて第一の管理情報ファイル110の中身を解読する。管理情報解読部155は、第二の管理情報解読情報162を用いて第二の管理情報ファイル120の中身を解読する。管理情報解読部155は、解読結果に応じて読出部153、復号部159および出力部154の動作を制御する。
【0114】
図16Bに示すように、著作権管理情報解読情報格納部158は、第一の著作権管理情報114の中身を解読するための第一の著作権管理情報解読情報163と、第二の著作権管理情報ファイル124の中身を解読するための第二の著作権管理情報解読情報164とのうちの少なくとも一方を格納している。著作権管理情報解読部157は、第一の著作権管理情報解読情報163を用いて第一の著作権管理情報114の中身を解読する。著作権管理情報解読部157は、第二の著作権管理情報解読情報164を用いて第二の著作権管理情報ファイル124の中身を解読する。
【0115】
図16Cに示すように、復号部159は、第一の情報復号部165と、第二の情報復号部166とのうちの少なくとも一方を備える。第一の情報復号部165は、DVD−Audio Zone101に記録されている、第一の暗号化方式で暗号化された音声データを復号する。第二の情報復号部166は、Other Zone102に記録されている、第二の暗号化方式で暗号化された音声データを復号する。なお、復号部159は、出力部154に含まれてもよい。
【0116】
管理情報解読情報格納部156が、第一の管理情報解読情報161を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158は必ず第一の著作権管理情報解読情報163を格納しており、復号部159は必ず第一の情報復号部165を備えている。同様に、管理情報解読情報格納部156が、第二の管理情報解読情報162を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158は必ず第二の著作権管理情報解読情報164を格納しており、復号部159は必ず第二の情報復号部166を備えている。
【0117】
DVD−Audio Disc100を再生する動作について、図17のフローチャートを用いながら説明する。DVD−Audio Disc100が再生装置152に挿入されると(S801)、まず読み込むべき管理情報を特定する(S802)。再生装置152が第一の管理情報ファイルを解読でき、且つ第一の音声データ群ファイルを再生する場合には、第一の管理情報ファイルと第一の著作権管理情報とを読出部153で読み出し、第一の管理情報ファイルを管理情報解読部155に出力し、第一の著作権管理情報を著作権管理情報解読部157に出力する(S803)。再生装置152が第二の管理情報ファイルを解読できない場合もS803の動作が行われる。
【0118】
著作権管理情報解読部157は、第一の著作権管理情報解読情報163を用いて第一の著作権管理情報を解読し、再生しようとしている曲の再生が許可されているか否かを判別する(S804)。判別の結果、再生が禁止されていることが判明すれば、再生動作を中止する(S813)。判別の結果、再生が許可されていることが判明すれば、管理情報解読部155は、第一の管理情報解読情報161を用いて第一の管理情報ファイルを解読する。読出部153は解読結果に基づいて再生しようとする曲の音声データを情報記録媒体から読出部153で読み出し(S805)、復号部159へ出力する。復号部159の第一の情報復号部165は、暗号化された音声データを復号し(S806)、出力部154が復号化された音声データを出力することにより再生される(S807)。
【0119】
再生装置152が第二の管理情報しか解読できない場合(すなわち第一の管理情報ファイルを解読できない場合)は、あるいは、第二の音声データファイルを再生する場合には、第二の管理情報と第二の著作権管理情報とを読出部153が読み出し、上述の手順(S803〜S807およびS813)と同様の手順(S808〜S813)に従って再生する。S808〜S813で行われる動作は、S803〜S807およびS813で行われる動作と、扱う情報以外は同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0120】
再生装置152が第一の管理情報ファイルと第二の管理情報との両方を解読できる場合は、再生条件に応じて第一の管理情報ファイルと第二の管理情報ファイルとの何れかが解読される。
【0121】
次に、DVD−Audio Zone101に記録されたある曲をコピーする動作について、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0122】
再生装置152が、第一の管理情報ファイルを読み込んで、DVD−Audio Zone101に記録されている曲を再生したり、メニュー画面を表示している際、DVD−Audio Zone101に記録されたある曲をコピーするようにユーザから指示があったとする(S821)。この場合、第一の著作権管理情報を解読し、その曲のコピーが許可されているか否かを判断する(S822)。曲のコピーが許可されており、再生装置152が第二の管理情報を解読できる場合には、ユーザに高速コピーを行うか、高音質な音声データのコピーを行うかの選択をさせる(S825、S826)。その結果、ユーザが高速コピーを選択した場合には、読出部153で第二の管理情報と第二の著作権管理情報とを読み出し(S827)、第二の管理情報を管理情報解読部155に出力し、第二の著作権管理情報を著作権管理情報解読部157に出力する。ユーザが高音質コピーを選択した場合には、DVD−Audio Zone101に記録された曲をコピーするように動作する(S831)。
【0123】
管理情報解読部155では、第二の管理情報解読情報162を用いて第二の管理情報を解読する。この時、リンク情報を元に、第二の曲情報を検索する。例えば、リンク情報として曲のグループ番号およびトラック番号が記録されている場合は、コピーしたい曲のグループ番号およびトラック番号を含む第二の曲情報を検索する。また、リンク情報として他の情報が記録されている場合は、その情報が記録されている第二の曲情報を検索する。一方、図6のように、第二の管理情報がリンク群情報を含む場合、コピーしたい曲に該当する曲リンク情報を検索し、検索された曲リンク情報が示す第二の曲番号から第二の曲情報を特定する(S828)。該当する第二の曲情報が特定できれば、著作権管理情報解読部157で、特定された第二の曲情報が管理する音声データファイルのコピーが許可されているか否かを判別する(S829)。
【0124】
判別の結果、コピーが許可されていれば、第二の音声データファイル情報が示すファイル名のファイルを読出部153で読み出して、復号部159に出力する。復号部159の第二の情報復号部166では、読み出された音声データを復号し、復号した音声データを出力部154でコピーのために出力する(S830)。なお、第二の著作権管理情報の解読の結果、曲のコピーが禁止されていることが判明した場合は、DVD−Audio Zone101に記録された曲をコピーするように動作する(S831)。
【0125】
DVD−Audio Zone101に記録されている曲のコピーが許可されており、再生装置152が第二の管理情報を解読できない場合、またはユーザが高速コピーを選択しなかった場合は、DVD−Audio Zone101に記録されている音声データをコピーするように動作する。具体的には、情報記録媒体からその曲に該当する音声データを読出部153で読み出し、復号部159に出力する。復号部159の第一の情報復号部165では、読み出した音声データを復号し、出力部154に出力してコピーする。
【0126】
DVD−Audio Zone101に記録されている曲のコピーが禁止されており、再生装置152が第二の管理情報を解読できる場合は、第二の音声データをコピーするように動作する(S823、S827〜S830)。ただし、この場合はS831の動作は行われない。第二の管理情報を解読できない場合は、該当曲をコピーできない(S824)。
【0127】
本発明によると、DVD−Audio Zone101に記録された曲とOther Zone102に記録された曲とに異なる著作権管理情報が与えられており、例えば、DVD−Audio Zone101に記録された曲は高音質なためコピー不可であるが、Other Zone102に記録された曲は圧縮された曲であるためコピーが許可されていることがある。この場合、DVD−Audio Zone101に記録された曲をコピーするような指示がユーザからあったとしても、本発明によれば、対応する曲をOther Zone102から自動的に検索してコピーすることができるようになる。
【0128】
DVD−Audio Zone101に記録された曲とOther Zone102に記録された曲との両曲ともコピーが許可されている場合でも、Other Zone102に記録された曲は圧縮されてデータ量が少ない場合は、Other Zone102に記録された曲を選択することにより、DVD−Audio Zone101に記録された曲よりも高速にコピーすることが可能となる。
【0129】
上記したように、復号部159は、第一の情報復号部165と第二の情報復号部166とを備えている。しかしながら、第一の情報復号部165と第二の情報復号部166とで、一部同じ復号アルゴリズムを利用している場合は、図19に示す復号部159aが用いられてもよい。復号部159aは、第一の情報特化復号部191と、第二の情報特化復号部192と、共通復号部193とを備える。
【0130】
共通復号部193は、DVD−Audio Zone101に記録された音声データおよびOther Zone102に記録された音声データのうちの同じアルゴリズムを用いて暗号化されているそれぞれの部分を復号する。第一の情報特化復号部191は、DVD−Audio Zone101に記録された音声データのうちの第一暗号化方式は有するが第二暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている部分を復号する。第二の情報特化復号部192は、Other Zone102に記録された音声データのうちの第二暗号化方式は有するが第一暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている部分を復号する。
【0131】
この場合、DVD−Audio Zone101に記録された音声データが入力されてくれば、第一の情報特化復号部191で復号処理を開始し、必要に応じて共通復号部193で復号処理を行うようにし、最終的に復号した音声データを出力部154に出力する。同様にして、Other Zone102に記録された音声データが入力されれば、第二の情報特化復号部192で復号処理を開始し、必要に応じて共通復号部193で復号処理を行うようにし、最終的に復号した音声データを出力部154に出力する。この結果、同じ復号アルゴリズムを複数実装する必要は無く、再生装置への実装負担は軽減される。
【0132】
図20に再生装置152の改変例である再生装置201を示す。再生装置201は、外部電源および再生装置201に搭載された蓄電池203のうちの少なくとも一方から供給される電力によって駆動する。再生装置201は、再生装置152の構成要素に加えて、さらに外部電源入力部202と、蓄電池203と、電源供給元判定部204とを備える。DVD−Audio Disc100の曲を再生する際には、電力が外部電源あるいは蓄電池203から供給されるかによって、DVD−Audio Zone101に記録された曲か、あるいはOther Zone102に記録された曲を再生するかを選択する。
【0133】
図21のフローチャートを参照して、再生装置201が詳説される。
【0134】
情報記録媒体が挿入されると(S841)、まず、電源供給元判定部204は、電力が外部電源から供給されているか蓄電池203から供給されているかを判別する(S842)。外部電源から供給されており、且つDVD−Audio Zone101に記録された曲を再生する場合には、読出部153は、第一の管理情報ファイルと第一の著作権管理情報とを読み出し(S843)、DVD−Audio Zone101に記録された曲を読み出す(S844)。逆に、蓄電池203から電力が供給されている場合は、読出部153は、第二の管理情報と第二の著作権管理情報とを読み出し(S845)、Other Zone102に記録された曲を読み出す(S846)。
【0135】
この結果、蓄電池で再生装置が駆動している場合は、消費電力を小さく抑えながら曲を再生することが可能となる。例えば、DVD−Audio Zone101には、44.1kHz/24bits/6chであるリニアPCMの5分の曲(データ量は約240MB)が記録され、Other Zone102に128kbpsのmp3で圧縮した5分の曲(データ量は約5MB)が記録されていると仮定する。この場合、mp3の曲を再生する場合は、5MBのデータ量を再生装置のメモリに先に読み込んでおけば、再生中に絶えずDVD−Audio Disc100を回転させておく必要はない。しかしながら、リニアPCMの曲を再生する際は、再生装置にはコスト等の問題により大容量のメモリが搭載されていることはないため、DVD−Audio Disc100を常に回転させて音声データを読み込みながら再生することとなる。この結果、mp3の曲を再生すれば、リニアPCMの曲を再生する際よりも消費電力を小さく抑えることが可能となる。このような蓄電池駆動時には自動的に圧縮の音声データを再生する機能は、ポータブルの再生装置のように、蓄電池で駆動させる場合とACアダプタ等の外部電源を利用して駆動させる場合との両方の場合がある再生装置では、非常に有効である。
【0136】
本発明は、蓄電池駆動時だけでなく、外部電源から電力が供給されている場合であっても、低消費電力で曲の再生を行いたい場合は、Other Zone102に記録された曲を再生すればよい。
【0137】
上述の場合、再生装置が蓄電池で駆動している場合は、Other Zone102に記録された曲を再生することになるが、蓄電池で駆動している場合であっても、消費電力は大きくなるがDVD−Audio Zone101に記録された曲を再生させたいユーザもいると考えられる。このため、再生装置の初期設定等で、蓄電池で駆動する場合には、消費電力を少なくするように曲を再生させるか否かを設定できるようにすることが望ましい。なお、デフォルトの設定としては、蓄電池での駆動時には低消費電力で曲を再生するようにしておくことが望ましい。なお、再生装置201に搭載される電池は蓄電池203に限定されず、一次電池であってもよい。
【0138】
再生装置201は外部電源および電池の両方を用いて駆動されてもよく、この場合は、再生装置201は、外部電源により駆動される場合と同様に動作し得る。
【0139】
図22に再生装置152の改変例である再生装置221を示す。再生装置221は、再生装置152の構成要素に加えて、さらに情報選択部222を備える。Other Zone102には、同一の曲に対して異なる属性情報、例えば異なる記録方式で記録された複数の第二の音声データファイルを記録する場合がある。情報選択部222は、再生装置221が第二の音声データファイルの再生やコピーを行う際に、その時の再生条件およびコピー条件に応じて最適な音声データを選択するための情報やルールを格納している。
【0140】
例えば、再生時のルールとしては、再生装置221が再生可能な音声データの記録方式の音声データを選択するルール、同じ曲でも高音質な記録方式、例えばリニアPCMやデータ量の大きい音声データを選択するルール、外部機器で再生するために音声データを出力する際には外部機器が再生できる記録方式の音声データを選択するルール、インターネットや有線LANおよび無線LAN等で接続された外部機器で再生する場合は、圧縮記録方式で記録された音声データを選択するルールなどがある。
【0141】
コピー時のルールとしては、例えば、高速コピーを行う時は圧縮記録方式を用いた音声データを選択するルール、記録先の情報記録媒体およびシステムが対応している記録方式の音声データを選択するルール、インターネットや有線LANおよび無線LAN等を介して他の情報記録媒体に記録する際には圧縮記録方式で記録された音声データを選択するルールなどがある。
【0142】
再生装置221は、Other Zone102に記録された曲を再生やコピーする際、管理情報解読部155で該当曲の属性情報を解読する。情報選択部222は、自身が有するルールと解読結果とに従って、複数の音声データファイルのうちの一つを選択する。読出部153は、その選択された音声データファイル読み出す。
【0143】
再生装置152は、管理情報解読情報格納部156の代わりに図23Aに示す管理情報解読情報格納部156aを備えてもよい。管理情報解読情報格納部156aは、第一の管理情報解読情報161と、第二の管理情報ファイルの中身を解読するための第二の管理情報解読情報231と、第三の管理情報ファイルの中身を解読するための第三の管理情報解読情報232とを格納している。これにより、図10のようにOther Zone102に複数の管理情報を記録されている場合でも、解読したい管理情報することができる。
【0144】
再生装置152は、著作権管理情報解読情報格納部158の代わりに著作権管理情報解読情報格納部158aを備えてもよい。著作権管理情報解読情報格納部158aは、(i)第一の著作権管理情報解読情報163と、(ii)第二の著作権管理情報ファイルの中身を解読するための第二の著作権管理情報解読情報233と、(iii)第三の著作権管理情報ファイルの中身を解読するための第三の著作権管理情報解読情報234との少なくとも一つを格納している。管理情報解読情報格納部156aが第一の管理情報解読情報161を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158aには第一の著作権管理情報解読情報163が格納される。管理情報解読情報格納部156aが第二の管理情報解読情報231を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158aには第二の著作権管理情報解読情報233が格納される。管理情報解読情報格納部156aが第三の管理情報解読情報232を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158aには第三の著作権管理情報解読情報234が格納される。
【0145】
再生装置152が曲を再生する場合は、基本的に図17のフローチャートに従って再生を行うが、Other Zone102に記録されている管理情報を読み出す場合は、管理情報解読情報格納部156に記録されている解読情報に対応する、第二の管理情報または第三の管理情報を読み出して解読する。また、第二の管理情報を読み込んだ場合は、第二の著作権管理情報を読み込み、第三の管理情報を読み込んだ場合は、第三の著作権管理情報を読み込む。読出部153は、管理情報および著作権管理情報の解読結果に基づいてOther Zone102に記録されている曲を読み出す。
【0146】
第三の著作権管理情報がどの第三の管理情報に対応しているかは事前に決められており、再生装置152は、ファイル名を元に、対応する著作権管理情報のファイルを検索することとなる。
【0147】
再生装置152は、復号部159の代わりに図24に示す復号部159bを備えてもよい。復号部159bは、第一の情報復号部165と、第二の管理情報が管理する音声データを復号するための第二の情報復号部241と、第三の管理情報が管理する音声データを復号するための第三の情報復号部242とのうちの少なくとも一つを備える。
【0148】
Other Zone102に記録されている複数の管理情報毎に、管理する第二の音声データファイルの暗号化方式が異なっていることもある。復号部159bは、解読可能な管理情報が管理する暗号化方式に対応する復号機能を有する。例えば、再生装置が、第一の管理情報ファイルと第二の管理情報と第三の管理情報とを解読できる場合は、復号部159bは、図24のように、第一の情報復号部165と、第二の情報復号部241と、第三の情報復号部242とを備える。再生装置が情報記録媒体から読み出した音声データを復号する際は、その音声データを管理している管理情報に対応した復号部で復号する。
【0149】
図25に再生装置152の改変例である再生装置252を示す。再生装置252は、管理情報解読情報格納部156、著作権管理情報解読情報格納部158、復号部159の代わりに、管理情報解読情報格納部156b、著作権管理情報解読情報格納部158b、復号部159cを備える。
【0150】
図26に示されるように、管理情報解読情報格納部156bは、第一の管理情報解読情報161と、第二の管理情報解読情報162と、同期再生管理情報ファイルの中身を解読するための同期再生管理情報解読情報261とを格納している。
【0151】
著作権管理情報解読情報格納部158bは、第一の著作権管理情報解読情報163と、第二の著作権管理情報解読情報164と、同期再生情報著作権管理情報ファイル734の中身を解読するための同期再生情報著作権管理情報解読情報262とを格納している。
【0152】
復号部159cは、第一の情報復号部165と、第二の情報復号部166と、同期再生情報復号部263とを備える。同期再生情報復号部263は、同期再生管理情報が管理する暗号化された情報(この場合は暗号化された静止画データ)を復号する。
【0153】
第一の管理情報解読情報161と第一の著作権管理情報解読情報163と第一の情報復号部165とは、備えられていない場合もある。
【0154】
図14のように、Other Zone102に同期再生管理情報ファイル730と同期再生情報著作権管理情報ファイル734と静止画データファイル731〜733が記録されている場合は、第二の音声データファイルを再生する際に、静止画データも同期させて再生することが可能である。
【0155】
再生装置252が、第二の音声データと静止画データとを同期させて再生する動作について、図27のフローチャートを用いながら説明する。
【0156】
情報記録媒体が再生装置252に挿入されると(S851)、読出部153は第二の管理情報を読み出し、管理情報解読部155に出力する。また、読出部153は第二の著作権管理情報を読み出し、著作権管理情報解読部157に出力する(S852)。管理情報解読部155は、第二の管理情報に含まれている同期再生管理情報関連情報を解読する(S853)。同期再生管理情報関連情報が示す管理情報種別から、同期再生管理情報ファイル730が再生装置252で解読可能な管理情報であるか否かを判別する(S854)。同期再生管理情報ファイル730が再生装置252で解読可能な管理情報でないことが判明すれば、第二の音声データファイルの再生のみを行う(S858)。
【0157】
同期再生管理情報ファイル730が再生装置252で解読可能な管理情報であることが判明すれば、同期再生管理情報関連情報に含まれている同期再生管理情報ファイル名を読み出し(S855)、同期再生管理情報ファイル名に基づいて、読出部153は同期再生管理情報を読み出し、管理情報解読部155に出力する(S856)。
【0158】
ある第二の音声データファイルを再生する場合、著作権管理情報解読部157は、その第二の音声データファイルの再生が許可されているか否かを判別する。許可されていることが判明すれば、管理情報解読部155は、同期再生管理情報解読情報261を用いながら同期再生管理情報を解読し、音声データの再生中に再生すべき静止画データを特定する。著作権管理情報解読部157は、同期再生著作権管理情報解読情報262を用いながら同期再生著作権管理情報を解読し、静止画データの再生が許可されているか否かを判別し、許可されていることが判明すれば、管理情報解読部155で特定された第二の音声データと静止画データとを読出部153で読み出し、復号部159cに出力する。第二の音声データファイルおよび静止画データが暗号化されている場合、復号部159cでは、暗号化された第二の音声データファイルを第二の情報復号部166で復号し、暗号化された静止画データを同期再生情報復号部263で復号する。出力部253は、復号された第二の音声データファイルと静止画データとを同期させて出力する(S857)。
【0159】
再生装置252が同期再生管理情報を解読できるか否かを判定する場合、上述では管理情報種別を用いて判断しているが、同期再生管理情報関連情報に含まれている同期再生管理情報ファイル名から判断しても良い。また、あらかじめ同期再生管理情報ファイル名が決められている場合、第二の管理情報に同期再生管理情報関連情報が記録されていないことがある。この場合は、再生装置252は、同期再生管理情報解読情報で解読できる同期再生管理情報が記録されているファイルを、ファイル名に基づいて情報記録媒体から検索して読出部153で読み出し、管理情報解読部155に出力する。
【0160】
本実施の形態では、DVD−Audio Discの再生装置に特化して説明している。しかしながら、実施の形態1の内容が、DVD−Audio Disc以外の情報記録媒体およびアプリケーションに適用される場合、本実施の形態の再生装置は、実施の形態1が適用されている情報記録媒体およびアプリケーションを再生する再生装置を意味する。
【0161】
本発明によると、DVD−Audio Zone101に記録された曲のコピーが禁止されていたとしても、Other Zone102に記録された曲を自動的にコピーすることができる。また、高速コピーも可能となる。さらに、ポータブルの再生装置では、低消費電力での再生も可能となる。
【0162】
本発明によれば、同一のコンテンツであるが異なる記録方式で記録したデータファイルを、2つの記録領域に分けて記録している。これにより、2つの領域に記録されたコンテンツにそれぞれ異なる著作権管理情報を適用することができ、様々なコンテンツの扱いを定義することが可能となる。
【0163】
ある領域に非圧縮コンテンツを記録し、別の領域にはそのコンテンツを圧縮したコンテンツを記録する。これにより、再生時には非圧縮コンテンツを再生して高音質再生を実現するとともに、コピー時には圧縮コンテンツをコピーすることで、高速コピーを実現することも可能となる。さらには、再生時に圧縮コンテンツを再生すれば、低消費電力での再生が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明にかかる情報記録媒体および情報再生装置によれば、コンテンツの高速コピーおよび低消費電力再生、同じ情報記録媒体内の複数のコンテンツにそれぞれ異なる著作権管理の適用が可能となる。本発明は、例えばCDやDVDディスク、ブルーレイディスク、半導体メモリ、ハードディスクなどの情報記録媒体、およびCDプレーヤやDVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ、半導体メモリプレーヤ、パソコン等のソフトウェアプレーヤなどの情報記録媒体を再生する装置、または、ポータブルプレーヤ等の蓄電池駆動の機能を備える再生装置に特に有用である。
【0165】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の実施の形態における情報記録媒体を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における情報記録媒体ファイルの構造を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるリンク関係を示す図である。
【図4A】本発明の実施の形態におけるデータ構造を示す図である。
【図4B】本発明の実施の形態におけるデータ構造を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における暗号化方式を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるリンク群情報を示す図である。
【図7A】本発明の実施の形態における第二の曲著作権管理情報を示す図である。
【図7B】本発明の実施の形態における第二の曲著作権管理情報を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における管理情報と音声データファイルとの関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における別著作権管理情報の適用を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における情報記録媒体ファイルの構造を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における第二の管理情報データ構造を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における同期再生管理情報を含む情報記録媒体を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における同期再生管理情報関連情報を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における同期再生管理情報を含む情報記録媒体ファイルの構造を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における再生装置を示す図である。
【図16A】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図16B】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図16C】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態における曲再生フローチャートを示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における曲コピーフローチャートを示す図である。
【図19】本発明の実施の形態における復号部を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における電源供給元判別可能再生装置を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態における電源供給元判別可能再生装置の曲再生フローチャートを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態における再生可能情報判別再生装置を示す図である。
【図23A】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図23B】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態における復号部を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態における同期再生可能再生装置を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態における同期再生可能再生装置の詳細を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態における同期再生可能再生装置の曲再生フローチャートを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体と、その情報記録媒体から情報を再生する再生装置とに関する。特に、複数の領域に分かれており各領域に情報を記録する情報記録媒体と、その情報記録媒体から情報を再生する再生装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDディスクに代表されるように、大容量の情報記録媒体が開発されている。従来、CDの記録可能なデータ容量は650MBであったが、DVDディスクの場合は、片面で4.7GBのデータを記録することができるようになっている。また、現在では、青色レーザを用いたさらに高密度な情報記録媒体も開発されている。この結果、CDの音質よりも高音質なコンテンツを1枚の情報記録媒体に長時間記録することができるようになる。例えば、CDには44.1kHz/16bits/2chの音楽コンテンツが約74分程記録できるが、DVD−Audio Discには、最大192kHz/24bits/2chまたは最大96kHz/24bits/6chのコンテンツでほぼ同程度の時間記録することができる。また、44.1kHz/16bits/2chの音楽コンテンツなら、CDの約6倍の長時間記録が可能となる(例えば非特許文献1)。
【0003】
最近はmp3に代表されるような各種の圧縮記録方式が発明され、それらを用いて音楽コンテンツを記録することがある。例えば、128kbpsのmp3を用いて5分の曲を記録した場合、そのデータ量は約5MBとなる。CD(44.1kHz/16bits/2ch)の5分の曲の場合、データ量は約50MBとなるため、128kbpsのmp3を用いて記録されたデータ量は、CD上に記録されたデータ量の5分の1ですむことになる。
【0004】
情報記録媒体に記録されたコンテンツは、違法にコピーされないように暗号化されて情報記録媒体に記録される。例えば、DVD−Audio Discに記録されている音楽コンテンツも、ある暗号化技術を用いて暗号化されている。さらには、暗号化された音楽コンテンツの著作権に関する著作権管理情報も情報記録媒体に記録しておけば、暗号化された音楽コンテンツをコピーする場合は、その著作権管理情報が示す著作権を適用することが可能である。例えば、著作権管理情報が1回のみコピーが許されていることを示す場合は、その音楽コンテンツを1回コピーすれば、2回目以降のコピーができないような仕組みになる。もちろん、著作権管理情報によって音楽コンテンツのコピーを禁止することも可能である。
【0005】
また、レーベルゲートCDでは、1枚のディスクを2つのセッションに分け、片方のセッションには、CCCD(Copy Control CD)と呼ばれる、通常のCD−ROMドライブでは読み込めないコピープロテクション技術を施した音楽コンテンツが記録され、もう片方のセッションには、CD−ROMドライブを用いて再生するための音楽コンテンツが記録されている。この場合、通常のCD再生装置はCCCDの音楽コンテンツを再生し、パソコンではCD−ROMドライブ用の音楽コンテンツを再生することになる。しかしながら、レーベルゲートCDには、各セッションに記録されている音楽コンテンツ間の関連性を示す情報は記録されいない。このため、2つのセッションに記録されている音楽コンテンツを、再生条件やコピー条件等に応じて使い分けることはできない。また、パソコンではCCCDの音楽コンテンツを読み込めないため、そのような再生やコピーの制御はできない。
【非特許文献1】DVD Specifications for Read−only Disc Part 4 AUDIO SPECIFICATIONS Version.1.2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DVD−Audio Discは高音質な音楽コンテンツを記録することが可能であるため、DVD−Audio Discに記録される音楽コンテンツを作成する音楽会社は、そのような高音質な音楽コンテンツをコピーさせたくないと要求することも考えられる。しかしながら、DVD−Audio Discを視聴するユーザは、私的利用のためにDVD−Audio Discに記録されている音楽コンテンツをコピーしたいという要求もある。
【0007】
また、DVD−Audio Discに記録された高音質な音楽コンテンツのコピーが許可されたとしても、その音楽コンテンツのデータ量は大きいため、コピーに時間がかかってしまうという問題がある。例えば、CD(44.1kHz/16bits/2ch)の5分の曲ならば、データ量約50MBとなるが、DVD−Audio Discに記録された44.1kHz/24bits/6chの5分の曲の場合、そのデータ量は約240MBとなる。この場合、DVD−Audio Discに記録された音楽コンテンツをコピーする場合には、CDの時より約5倍の時間がかかってしまうことになる。
【0008】
さらに、ポータブルの再生装置で音楽コンテンツを再生する場合、一般的に消費電力の問題がある。ポータブルの再生装置は蓄電池で駆動しており、再生に必要な消費電力が大きいと、再生時間が短くなってしまう。DVD−Audio Discに記録された高音質な音楽コンテンツをポータブルの再生装置で再生する場合は、データ量の大きい音楽コンテンツを再生することになる。音楽コンテンツのデータ量が、ポータブルの再生装置が搭載しているメモリ容量よりもはるかに大きい場合、音楽コンテンツの全データをDVD−Audio Discから先に読み出してメモリに記録しておくことはできない。このため、再生中は常にDVD−Audio Discを回転させながら音楽コンテンツのデータを読み出す必要がる。この場合、ディスクを回転させるための電力が必要となり、長時間再生が困難になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面によれば、情報記録媒体は、第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、前記第一情報に基づいて生成される第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域とを備える。
【0010】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。
【0011】
本発明の一実施形態においては、前記第一管理情報は、前記第一情報を特定するためのグループ番号とトラック番号とを含み、前記リンク情報は、前記第一情報とリンクされている前記第二情報を特定するための識別番号を含む。
【0012】
本発明の一実施形態においては、前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、前記第二記録領域は、前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含む。
【0013】
本発明の一実施形態においては、前記第二著作権管理情報は、前記第二情報を識別するための固有情報と、前記第二情報のコピー条件を示すコピー管理情報と、を含む。
【0014】
本発明の一実施形態においては、前記第二著作権管理情報は、前記第二著作権管理情報の内容とは異なる著作権管理情報を前記第二情報に適用できるか否かを示すトランザクション情報を含む。
【0015】
本発明の一実施形態においては、前記コピー管理情報は、コピーの可否、コピーが可能な回数およびコピーが許可される品質のうちの少なくとも一つを示す。
【0016】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は、第一暗号化方式で暗号化され、前記第二情報は、第二暗号化方式で暗号化されている。
【0017】
本発明の一実施形態においては、前記第一暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部と、前記第二暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部とは同じである。
【0018】
本発明の一実施形態においては、前記第一暗号化方式は、前記第二暗号化方式と共通の情報を用いた暗号化処理を含む。
【0019】
本発明の一実施形態においては、前記共通の情報は、暗号化鍵を生成するために用いられる暗号化鍵生成情報である。
【0020】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は、非圧縮情報および可逆圧縮情報のうちの一方である。前記第二情報は、前記第一情報が非圧縮情報である場合は、前記第一情報を非可逆圧縮した情報である。前記第二情報は、前記第一情報が可逆圧縮情報である場合は、前記第一情報を復号することにより生成した非圧縮情報を非可逆圧縮した情報である。
【0021】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報に基づいて複数の前記第二情報が生成され、前記生成された複数の第二情報は互いに属性が異なる。
【0022】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報および前記第二情報は音声情報であって、前記属性は、記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間のうちの少なくとも一つを示す。
【0023】
本発明の一実施形態においては、前記複数の第二情報には互いに異なる著作権が適用される。
【0024】
本発明の一実施形態においては、前記複数の第二情報には互いに異なる暗号化方式が適用される。
【0025】
本発明の一実施形態においては、前記複数の第二情報のうちの少なくとも一つは、複数の暗号化方式によって暗号化されている。
【0026】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含み、前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示す第一リンク情報を含み、前記第三管理情報は、前記第一リンク情報を含んでいない。
【0027】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記第三管理情報とが関連していることを示す第二リンク情報を含む。
【0028】
本発明の一実施形態においては、前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含む。前記第二記録領域は、前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報と、前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報の両方と独立した、前記第二情報の著作権に関する第三著作権管理情報とをさらに含む。
【0029】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報とをさらに含む。
【0030】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。
【0031】
本発明の一実施形態においては、前記リンク情報は前記同期再生管理情報の種類とファイル名とを示す。
【0032】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報の著作権に関する第一著作権管理情報と、前記同期再生情報の著作権に関する第二著作権管理情報とをさらに含む。
【0033】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0034】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0035】
本発明の別の局面によれば、情報記録媒体に記録された第一情報および前記第一情報に基づいて生成された第二情報のうちの少なくとも一方を再生する再生装置であって、前記情報記録媒体は、前記第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、前記第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域とを備える。前記再生装置は、前記第一情報、前記第一管理情報、前記第二情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一つを前記情報記録媒体から読み出す読出し部と、前記第一管理情報を解読するための第一解読情報、および前記第二管理情報を解読するための第二解読情報のうちの少なくとも一方が格納されている第一格納部と、前記第一管理情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第一解読部と、前記第一情報および前記第二情報のうちの少なくとも一方を出力する出力部とを備える。前記第一格納部に前記第一解読情報が格納されており、且つ前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一管理情報を読み出し、前記第一解読部は前記第一解読情報に基づいて前記第一管理情報を解読し、前記第一管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第一情報を読み出し、前記出力部は前記第一情報を出力する。前記第一格納部に前記第二解読情報が格納されており、且つ前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二管理情報を読み出し、前記第一解読部は前記第二解読情報に基づいて前記第二管理情報を解読し、前記第二管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する。
【0036】
本発明の一実施形態においては、前記第二情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一情報を読み出す。
【0037】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【0038】
本発明の一実施形態においては、前記再生装置は、外部電源および前記再生装置に搭載された電池のうちの少なくとも一方から供給される電力によって駆動する。前記再生装置は、電力供給元を判定する判定部をさらに備える。前記外部電源から電力が供給されていると前記判定部が判定し、且つ前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部は前記第一情報を読み出す。前記外部電源から電力が供給されていないと前記判定部が判定した場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出す。
【0039】
本発明の一実施形態においては、前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取った場合には、前記読出し部は、前記情報記録媒体から前記リンク情報を読み出し、前記第一解読部は、前記リンク情報を解読して、前記第一情報と関連している前記第二情報を特定し、前記読出し部は前記特定された第二情報を読み出して、前記出力部は前記特定された第二情報を出力する。
【0040】
本発明の一実施形態においては、前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含む。前記第二記録領域は、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含む。前記再生装置は、前記第一著作権管理情報を解読するための第三解読情報、および前記第二著作権管理情報を解読するための第四解読情報が格納されている第二格納部と、前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第二解読部とをさらに備える。前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取り、且つ前記第一著作権管理情報が前記第一情報のコピー不許可を示している場合には、前記読出し部は、前記第二著作権管理情報を読み出し、前記第二解読部は、前記第二著作権管理情報を解読する。前記第二著作権管理情報が前記第二情報のコピー許可を示している場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する。
【0041】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されている。前記再生装置は、前記暗号化された第一情報を復号する第一復号部と、前記暗号化された第二情報を復号する第二復号部とのうちの少なくとも一方をさらに備える。
【0042】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されている。前記第一暗号化方式の一部と前記第二暗号化方式の一部とは同じアルゴリズムを有する。前記再生装置は、前記第一情報および前記第二情報のうちの前記同じアルゴリズムを用いて暗号化されているそれぞれの部分を復号する共通復号部と、前記第一暗号化方式は有するが前記第二暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第一情報の他の部分を復号する第一復号部と、前記第二暗号化方式は有するが前記第一暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第二情報の他の部分を復号する第二復号部とをさらに備える。前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第一情報を、前記共通復号部と前記第一復号部とが復号する。前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第二情報を、前記共通復号部と前記第二復号部とが復号する。
【0043】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含む。前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。
【0044】
前記第三管理情報は、前記リンク情報を含まない。前記第一格納部は、前記第一解読情報および前記第二解読情報のうちの少なくとも一方と、前記第三管理情報を解読するための第三解読情報とを格納する。前記第二情報を再生する場合には、前記第二管理情報および前記第三管理情報のうちの少なくとも一方を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出す。
【0045】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報とをさらに含む。前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含む。前記第一格納部は、前記同期再生管理情報を解読するための第三解読情報をさらに格納する。前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを読み出し、前記第一解読部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読し、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報と前記同期再生情報とを読み出し、前記出力部は前記第二情報と前記同期再生情報とを同期させて出力する。
【0046】
本発明の一実施形態においては、前記第二記録領域は、複数の前記第二情報を含む。前記複数の第二情報は互いに属性が異なる。前記再生装置は、再生条件およびコピー条件のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の第二情報のうちの一つを選択する選択部をさらに備える。前記読出し部は、前記選択された第二情報を読み出す。
【0047】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0048】
本発明の一実施形態においては、前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0049】
このように、ここに記載された発明は、コンテンツの高速コピーおよび長時間再生を実現するために、複数の異なるタイプのコンテンツを有する、様々な条件に従って異なって使用される情報記録媒体、およびその再生装置の提供の利点を可能にする。
【0050】
本発明のこれらのおよび別の利点は、添付の図面を参照した詳細な記載を読み、理解することによって、当業者にとって明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明を図面と共に詳細に説明する。
【0052】
(実施の形態1)
本発明の情報記録媒体は複数の領域に分かれており、それぞれの領域に管理情報ファイルと、音声データファイルと、著作権管理情報ファイルとを備える。図1は、本発明の実施の形態の情報記録媒体であるDVD−Audio Disc100を示す。DVD−Audio Disc100は、DVD−Audio Zone101とOther Zone102とを備える。
【0053】
DVD−Audio Zone101には、1つ以上の曲を示す音声データを含む第一の音声データ群ファイル111、112と、その第一の音声データ群ファイル111、112の取り扱いを管理している第一の管理情報ファイル110とが記録されている。
【0054】
Other Zone102には、それぞれが1曲を示す第二の音声データファイル121、122、123と、第二の音声データファイル121、122、123の取り扱いに関する第二の管理情報ファイル120と、第二の音声データファイル121、122、123のそれぞれが示す曲の著作権に関する第二の著作権管理情報ファイル124とが記録されている。
【0055】
具体的には、図2に示すように、第一の管理情報ファイル110と第一の音声データ群ファイル111、112はAUDIO TSディレクトリに記録されている。第二の管理情報ファイル120と、第二の著作権管理情報ファイル124と、第二の音声データファイル121、122、123とはRootディレクトリに記録されている。第一の管理情報ファイル110は、第一の音声データ群ファイル111、112の著作権に関する第一の著作権管理情報114を含む。
【0056】
なお、Rootディレクトリに属するさらなるディレクトリを作成し、そのディレクトリに、第二の管理情報ファイル120、第二の著作権管理情報ファイル124、第二の音声データファイル121、122、123を記録してもよい。
【0057】
なお、図中の記号#a(aは整数)は各情報グループの中の通し番号を示している。通し番号は例えば曲順を示している。
【0058】
第一の音声データ群ファイルに含まれる音声データから第二の音声データファイルが生成される。ここで、第二の音声データファイル121、122、123は、第一の音声データ群ファイル111、112に含まれる音声データを所定の記録方式を用いて変換した音声データである。例えば、第一の音声データ群ファイル111に含まれる1曲を示す音声データの記録方式がリニアPCMであり、その音声データを記録方式mp3を用いて圧縮した音声データが第二の音声データファイル121である。なお、各第二の音声データファイル間での記録方式は異なっていてもよく、ある第二の音声データファイルは記録方式mp3を用いて記録されており、別の第二の音声データは記録方式AACを用いて記録されていてもよい。
【0059】
また、図3に示すように、第一の音声データ群ファイルが示す各曲と、第二の音声データファイルとはリンク付けされている。このような第一の音声データ群ファイルが示す曲と第二の音声データファイルとが関連していること(すなわちリンク付け)を示すリンク情報125は第二の管理情報ファイル120に含まれている。
【0060】
第二の管理情報ファイル120に含まれている具体的な第二の管理情報の一例を図4Aに示す。図4Aに示す第二の管理情報320は、一般情報321と、第二の曲情報322、323とを含む。
【0061】
第二の曲情報322、323は、Other Zone102に記録されている各第二の音声データファイルが示す曲の情報を示す。第二の曲情報322、323は、一般情報324と、リンク情報325と、テキスト情報326と、第二の音声データファイル情報327、328を含む。第二の音声データファイル情報327、328は、対応する曲を示す第二の音声データファイルに関する情報である。テキスト情報326は、曲名やアーティスト名等などを示す。リンク情報325によって、対応する第二の音声データファイルの生成元となった第一の音声データ群ファイル中の曲を特定することができる。
【0062】
DVD−Audio Disc100では、各曲がグループ番号とトラック番号とで一意に識別される。第一の管理情報ファイルは、第一の音声データ群ファイルが示す各曲を特定するためのグループ番号とトラック番号とを含んでいる。リンク情報325は、生成元の曲のグループ番号329およびトラック番号330と、対応する第二の音声データファイルの識別番号331とを含む。
【0063】
なお、リンク情報325は、グループ番号とトラック番号とを含む代わりに、生成元の曲の記録開始物理アドレスと記録終了物理アドレスとを含んでもよい。また、リンク情報325は、グループ番号、トラック番号、記録開始物理アドレス、記録終了物理アドレスの全てを含んでもよい。また、DVD−Audio Discだけでなく、他のアプリケーションや情報記録媒体に本発明が適用されてもよく、その場合、曲を特定するための情報は、そのアプリケーションまたは情報記録媒体の中で曲を一意に特定できる情報であれば何であっても良い。
【0064】
第二の音声データファイル情報327、328は、一般情報332と、ファイル名333と、属性情報334と、暗号化方式335とを含む。
【0065】
属性情報334は、音声データの属性(例えば、記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間など)を示す。暗号化方式335は、対応するファイルの暗号化に用いられる暗号化方式を特定するための情報を示し、各ファイル毎に暗号化方式を変えることができる。さらには、2重暗号のように、ファイルが複数の暗号化方式で暗号化されていることを示すこともできる。例えば、暗号化方式を特定するID(1bytes)が図5のように定義されている(00h:暗号化なし、01h:暗号化方式Aで暗号化、02h:暗号化方式Bで暗号化、10h:暗号化方式Aで暗号化してその後暗号化方式Bで暗号化、Others:Reserved)。この例では、対応する第二の音声データファイルが、最初に暗号化方式Aで暗号化され、さらにその後、暗号化方式Bで暗号化されている場合には、暗号化方式335は10hを示す。
【0066】
なお、暗号化方式は、第二の音声データファイル情報に含まれてもよいが、第二の曲著作権管理情報に含まれてもよい(第二の曲著作権管理情報の詳細については後述する)。
【0067】
一つの第二の曲情報は、属性(記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間など)が互いに異なる複数の音声データファイルを管理してもよい。例えば、第一の音声データ群ファイルが示す一つの曲(生成元の曲)から、複数種類の記録方式(mp3、AAC等)のそれぞれで圧縮した複数の音声データファイルを生成し、Other Zone102に記録してもよい。第二の曲情報は、複数の第二の音声データファイル情報を含み、複数の音声データファイルのそれぞれを管理する。このような管理の一例を図8を参照して説明する。
【0068】
図8に示す第二の管理情報420は、第二の曲情報421と、第二の曲情報422とを含む。第二の曲情報421は、mp3で圧縮された一つの第二の音声データファイル426を管理するための第二の音声データファイル情報423を含んでいる。第二の曲情報422は、mp3で圧縮された第二の音声データファイル427を管理するための第二の音声データファイル情報424と、AACで圧縮された第二の音声データファイル428を管理するための第二の音声データファイル情報425とを含む。第二の音声データファイル427および第二の音声データファイル428は、生成元の曲は同一だが、属性(例えば、記録方式)が互いに異なる。第二の曲情報422を用いることにより、互いに属性の異なる二つの第二の音声データファイルを管理することができる。
【0069】
複数の音声データファイルは、互いに属性は同じだが、暗号化方式が異なっていてもよい。例えば、複数の音声データファイルのうちのある音声データファイルは一つの暗号化方式によって暗号化されており、別の音声データファイルは複数の暗号化方式によって暗号化されていてもよい。そのような複数の音声データファイルも同じ第二の曲情報を用いて管理しても良い。
【0070】
複数の音声データファイルには、互いに異なる著作権が適用されてもよく、そのような複数の音声データファイルを同じ第二の曲情報を用いて管理しても良い。
【0071】
このように、DVD−Audio Zone101に記録された一つの曲に対して、互いに異なる属性(または互いに異なる暗号化方式または著作権)の複数の音声データファイルをOther Zone102に記録しておけば、再生やコピーの際に、再生装置は、種々の条件に応じて、複数の音声データファイルの中から最適な音声データファイルを選択して利用することが可能となる。例えば、ある第二の曲情報によって、リニアPCM、mp3、AACのそれぞれの記録方式で記録された複数の第二の音声データファイルを管理されている場合について説明する。再生装置が高音質な第二の音声データファイルを再生しようとする場合には、記録方式がリニアPCMの第二の音声データファイルを再生する。また、再生装置が再生可能な記録方式を選択して第二の音声データファイルを選択することもある。例えば、再生装置がmp3の音声データのみ再生可能であれば、記録方式がmp3の第二の音声データファイルを選択して再生することになる。一方、再生装置に接続されたアンプ等の外部機器で音声データを再生する場合、その外部機器が再生できる記録方式の音声データを選択し、外部機器に出力することもある。例えば、外部機器が、記録方式がAACの音声データのみ再生可能である場合は、記録方式がAACの第二の音声データファイルを選択して出力することになる。また、再生装置がインターネットや有線LANおよび無線LANに接続されており、接続先の機器で再生しようとする場合は、圧縮された第二の音声データファイルを選択して出力することもある。また、再生装置に接続された複数の外部機器で同時に曲を再生する場合、転送レート等の問題により、圧縮された第二の音声データファイルを選択して出力することもある。
【0072】
再生装置が第二の音声データファイルをコピーのために出力する場合、コピー条件に応じて最適な第二の音声データファイルを選択して出力することも可能である。例えば、記録方式がそれぞれリニアPCM、mp3、AACである複数の第二の音声データファイルが第二の曲情報によって管理されており、コピー先の情報記録媒体がmp3にのみ対応している場合は、記録方式がmp3の第二の音声データファイルを選択して出力することになる。また、高速コピーを行いたい場合は、最もデータ量の小さい、つまり圧縮率の高い音声データファイルを選択することになる。
【0073】
リンク情報は、第二の曲情報とは別々に第二の管理情報に含まれていても良い。例えば、図6に示す第二の管理情報350は、一般情報351と、リンク群情報352と、第二の曲情報353、354とを含んでいる。第二の管理情報350は、第二の曲情報353、354とは別々にリンク群情報352を含んでいる。
【0074】
リンク群情報352は、一般情報355aと、グループリンク情報355b、355cを含む。グループリンク情報355b、355cは、一般情報356と、曲リンク情報357、358とを含む。曲リンク情報は、DVD−Audio Zone101に記録された各曲とリンク付けされている第二の音声データファイルを特定する情報(例えばDVD−Audio規格で定義されている情報)を含む。例えば、グループリンク情報355bの曲リンク情報357は、DVD−Audio Zone101内のグループナンバー1のトラックナンバー1と、そのナンバーとリンクされる第二の音声データファイルの曲番号(第二の曲番号359)を含む。なお、DVD−Audio Zone101内の曲とリンクされる第二の音声データファイルが存在しない場合、第二の曲番号として決められた値、例えば0が記録されることになる。なお、第二の管理情報に関して、複数の曲をまとめるグループやプレイリストなどの概念が導入されている場合、DVD−Audio Zone101内のあるグループに対応するOther Zone102内のグループおよびプレイリスト番号を、一般情報356に含めておき、曲リンク情報の第二の曲番号として、Other Zone102の該当するグループおよびプレイリスト内での曲番号を記録してもよい。なお、曲リンク情報には、Other Zone102のある曲を特定できる情報であれば何でもよく、第二の曲番号以外の情報が記録されてもよい。
【0075】
第二の音声データファイルのファイル名は何でもよいが、生成元の曲を識別できる名称と、第二の音声データファイルの記録方式とを認識できる拡張子をファイル名につけることが望ましい。例えば、DVD−Audio Zone101内のグループ番号が2で、トラック番号が3である曲を、mp3で圧縮して第二の音声データファイルを生成した場合、そのファイル名は、GR2 TK03.mp3とすることが望ましい。この場合、逐一第二の管理情報を解読しなくとも、ファイル名を見るだけで、生成元の曲を一意に特定することができ、さらには、記録方式も特定することが可能となる。
【0076】
なお、第二の曲情報は、DVD−Audio Zone101に記録された曲から生成される曲の他に、DVD−Audio Zone101には記録されていない曲を管理してもよい。この場合、第二の曲情報に含まれるグループ番号やトラック番号には、DVD−Audio Zone101に記録された曲とは違う曲であることを示すデータを記録しておく。例えば、全て0のデータまたは全て1のデータなどを記録しておく。また、この場合の第二の音声データファイルのファイル名は、拡張子部分はその記録方式にすることが望ましいが、拡張子以外の部分は何の名称であってもよい。しかしながら、新しい曲であることを示すNEW TKと通し番号とがファイル名に付加されることが望ましい。例えば、mp3で記録された第二の音声データファイルの場合、そのファイル名としては、NEW TK01.mp3となることが望ましい。
【0077】
第二の音声データファイルのファイル名をあるルールに従って記述するようにしておけば、第二の音声データファイル情報に含まれているファイル名を参照しなくても、第二の音声データファイル情報が管理している第二の音声データファイルを特定することができる。例えば、上述のGR2 TK03.mp3のように、第二の音声データファイルのファイル名は、必ずグループ番号とトラック番号と記録方式名からなるように決めておけば、第二の曲情報のリンク情報に含まれているグループ番号とトラック番号と、第二の音声データファイル情報の属性情報が示す記録方式から、該当する第二の音声データファイルのファイル名を特定することができる。
【0078】
別のファイル名の記述方法として、ある共通の文字列を決めておき、また、各第二の音声データファイル情報に正数の通し番号を付与しておいて、ファイル名を共通の文字列と通し番号とからなるようにしておいても良い。例えば、共通の文字列をAUDIOとし、ある第二の音声データファイル情報に付与されている正数の通し番号が14である場合、その第二の音声データファイル情報が管理する第二の音声データファイルのファイル名は、AUDIO14という文字列と、拡張子とからなるようにしておく。AUDIO14に付与される拡張子は何であってもよい。
【0079】
あるルールに従って第二の音声データファイルのファイル名を記述するように決めておけば、第二の音声データファイル情報のファイル名を参照しなくても、該当する第二の音声データファイルを特定することができる。この場合は、第二の音声データファイルのファイル名を管理情報に含めておかなくてもよい。もちろん、このような場合であっても、管理情報にファイル名を含めておいてもよい。
【0080】
また、ファイル名から、暗号化されている第二の音声データファイルか否かを確認できるようにしてもよい。例えば、暗号化されているファイルなら、SA(Secure Audioという意味)という文字をファイル名の拡張子に含むようにし、暗号化されていないファイルなら記録方式が特定できる拡張子(例えばmp3などの文字)を含むようにする。この結果、ファイル名を確認するだけで、ファイルが暗号化されているか否かを判断することができ、第二の管理情報ファイル120を解読できない再生装置であっても、再生可能なファイル、つまり暗号化されていなく、かつ復号可能な記録方式のファイルを特定することが可能となる。
【0081】
Other Zone102には、第二の音声データファイルの著作権を管理するための第二の著作権管理情報ファイル124が記録されている。図4Bに、第二の著作権管理情報ファイル124に含まれる第二の著作権管理情報340の一例を示す。第二の著作権管理情報340は、一般情報341と、各曲の著作権管理情報を示す第二の曲著作権管理情報342、343とを含む。
【0082】
なお、第二の曲著作権管理情報の記録順は、第二の管理情報に含まれている第二の曲情報の記録順と同じである。つまり、第二の曲情報(#1)が管理する曲の著作権情報は、第二の曲著作権管理情報(#1)に含まれることになる。
【0083】
第二の曲著作権管理情報は、一般情報345と、該当曲を識別するための固有番号(固有情報)を示すコンテンツID 346と、コピー条件を定義するコピー管理情報347と、再生可能条件を定義する再生制限情報348と、トランザクション情報349とを含む。トランザクション情報349は、他システムと認証すれば、第二の曲著作権管理情報で指定された以外の処理を行うことが可能か否かを示すフラグとその処理内容(例えば、第二の曲著作権管理情報の内容とは異なる著作権管理情報を第二の音声データファイルに適用する処理)とを含む。
【0084】
コンテンツID 346は、例えばISRC(International Standard Recording Code)を含む。コピー管理情報347は、コピー可否情報と、コピー可能回数と、コピーが許可される品質(例えばコピーが許可される最大ビットレート)と、コピーが許可されるコピー先の情報記録媒体やシステムを指定するコピー先指定情報とのうちの少なくとも一つを含む。また、コピー管理情報347は、移動許可情報やチェックインアウト許可情報、チェックアウト可能回数も記録されてよい。なお、移動とは、ある情報記録媒体に記録された曲が別の情報記録媒体にコピーされた場合に、コピー元の情報記録媒体からその曲が削除されることを意味する。また、チェックインアウトとは、チェックアウトと呼ばれるコピー手段とチェックインと呼ばれるコピー手段とを用いてコンテンツのコピーを管理することである。チェックアウトとは、他の情報記録媒体にコピーされた曲が、さらに別の情報記録媒体にコピーされたときに、コピー元の情報記録媒体に記録されているカウンタ値を1減算することである。なお、初期カウンタ数は、チェックアウト可能回数で指定される。また、このカウンタが0になれば、チェックアウトはできない。また、チェックインとは、チェックアウトされた曲をコピー先の情報記録媒体から削除し、コピー元の情報記録媒体にあるカウンタ値を1加算することである。
【0085】
再生制限情報348は、再生可能回数、再生可能期日、再生可能時間、曲の中の再生可能部分、再生するためのパスワード情報、再生が許可される国や地域などを示す再生許可地域情報、同時に再生してもよい再生装置数を指定する同時再生可能機器数などを示す。
【0086】
暗号化方式は、第二の音声データファイル情報に含まれてもよいが、第二の曲著作権管理情報に含まれてもよい。
【0087】
図4Aおよび図4Bのデータ構造によると、ある第二の曲情報が複数の第二の音声データファイルを管理している場合であっても、その全ての第二の音声データファイルに同一の著作権管理情報しか適用することができない。しかし、同一の第二の曲情報が管理する複数の第二の音声データファイルのそれぞれに、異なる著作権管理情報を適用するようにしてもよい。
【0088】
一例として、図7Aに、ファイル別著作権管理を行うための第二の曲著作権管理情報360を示す。第二の曲著作権管理情報360は、一般情報361と、第二の音声データファイル著作権管理情報362、363とを含む。第二の音声データファイル著作権管理情報362、363のそれぞれは、各曲毎の著作権を管理する。第二の音声データファイル著作権管理情報362、363は、一般情報364と、コンテンツID 365と、コピー管理情報366と、再生制限情報367と、トランザクション情報368とを含む。第二の曲著作権管理情報360を用いれば、各音声データファイルの著作権を別々に定義することが可能となる。
【0089】
図7Aの第二の音声データファイル著作権管理情報の記録順は、図4Aの第二の音声データファイル情報の記録順と同じになる。つまり、第二の音声データファイル情報(#1)で管理される音声データの著作権管理情報は、第二の音声データファイル著作権管理情報(#1)に含まれる。
【0090】
図7Bは、種類別著作権管理を行うための第二の曲著作権管理情報370を示す。第二の曲著作権管理情報370は、一般情報371と、種類別著作権管理情報372、373とを含む。種類別著作権管理情報372、373は、一般情報379と、音声データファイル名374と、コンテンツID 375と、コピー管理情報376と、再生制限情報377と、トランザクション情報378とを含む。
【0091】
種類別著作権管理では、著作権管理情報の必要な種類だけ、第二の曲著作権管理情報370に含まれる。具体的には、第二の曲著作権管理情報が少なくとも一つの種類別著作権管理情報を含み、各種類別著作権管理情報には、具体的な著作権管理情報と、その著作権管理情報が適用される第二の音声データファイルのファイル名とが含まれる。
【0092】
この結果、音声データファイル毎に著作権管理情報を適用できるため、再生時やコピー時の条件等も様々に定義することも可能となり、種々の条件に応じて再生やコピーに利用する音声データファイルを選択することが可能となる。
【0093】
本発明に従えば、情報記録媒体を複数(例えば二つ)の領域に分け、第一の著作権管理情報とは独立した第二の著作権管理情報を第二の音声データファイルに適用する。仮に、図9に示すようにDVD−Audio Zone101に記録されている曲がコピー禁止であっても、Other Zone102に記録されている曲はコピー許可と定義してもよい。例えば、DVD−Audio Zone101に記録されている曲が高音質である場合、音楽会社は高音質な曲はコピーさせたくないため、DVD−Audio Zone101に記録されているの曲をコピー禁止と設定し得る。しかしながら、DVD−Audio Disc100から曲がコピーできないのは、ユーザにとって利便性に欠けるものとなる。従って、DVD−Audio Zone101に記録されている音声データを圧縮して品質を落とし、その圧縮された音声データをOther Zone102に記録する。Other Zone102内の圧縮された音声データのコピーを許可しておけば、DVD−Audio Disc100から圧縮された音声データをコピーすることができ、ユーザの利便性を損なってしまう問題は起こらない。
【0094】
DVD−Audio Zone101内の曲とOther Zone102内の曲とで異なる著作権管理情報を適用する場合、第一の音声データ群ファイルと第二の音声データファイルには異なる暗号化方式で暗号化をしておく。仮に、同じ暗号化方式を用いてDVD−Audio Zone101内の曲とOther Zone102内の曲とを暗号化している場合、Other Zone102内の曲だけを再生するための復号方式に関してライセンス供与を受けたとしても、同じ復号方式を用いればDVD−Audio Zone101内の曲も復号することができてしまい、不正にDVD−Audio Zone101内の曲を再生したりコピーしたりすることができてしまう可能性がある。このため、DVD−Audio Zone101内の曲を暗号化する第一の暗号化方式と、Other Zone102内の曲を暗号化する第二の暗号化方式とを異なる方式にしておく。もちろん、全く異なる方式にする必要は無く、第一の暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部と第二の暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部とが同じであってもよい。暗号化アルゴリズムの一部を共有したほうが、全く異なる2つの復号方式を再生装置に実装する必要も無くなるため、再生装置への実装負担も低減される。また、第一の暗号化方式と第二の暗号化方式とは共通の情報を用いた暗号化処理を含んでもよい。例えば、暗号鍵や復号鍵、またはそれらの鍵を生成するための暗号化鍵生成情報および復号化鍵生成情報は、DVD−Audio Zone101内の曲に適用される暗号化方式および復号化方式と、Other Zone102内の曲に適用される暗号化方式および復号化方式とで共有してもよい。
【0095】
コピーフリーの曲に関しては、暗号化していてもよいが、暗号化していなくてもよい。
【0096】
DVD−Audio Zone101内に記録された曲を示す第一の音声データは、非圧縮情報および可逆圧縮情報のうちの一方であり得る。Other Zone102内に記録された曲を示す第二の音声データファイルは、第一の音声データが非圧縮情報である場合は、第一の音声データを非可逆圧縮した情報であり得る。また、第一の音声データが可逆圧縮情報である場合は、第二の音声データファイルは、第一の音声データを復号することにより生成した非圧縮情報を非可逆圧縮した情報であり得る。
【0097】
Other Zone102には、第二の音声データファイルの取り扱いを管理するための管理情報を複数記録してもよい。図10に示す例では、Other Zone102には、必ず記録される第二の管理情報ファイル120と、それ以外の管理情報である第三の管理情報ファイル530、540とが記録される。この例では、第二の管理情報ファイル120は、第三の管理情報に関する情報を含む。一例として、図11に示す第二の管理情報620は、第二の管理情報320(図2)が含む情報に加えて、第三の管理情報に関する第三の管理情報関連情報622、623を含む。第三の管理情報関連情報622、623は、関連している第三の管理情報のファイル名624を含む。第三の管理情報関連情報622、623は、第二の管理情報と関連している第三の管理情報を示すリンク情報として用いられる。なお、第三の管理情報のデータ構造は何でもよく、また、第二の音声データファイルと第一の音声データ群ファイルに記録されている曲とのリンク付けを示すリンク情報を含む必要はない。
【0098】
図10に示すOther Zone102には、第三の管理情報ファイル530に対応した第三の著作権管理情報534と、第三の管理情報ファイル540に対応した第三の著作権管理情報544とが記録されている。このように、Other Zone102に複数の第三の管理情報ファイルが記録されている場合は、それぞれの第三の管理情報ファイルに対応した第三の著作権管理情報ファイルを記録する。第三の著作権管理情報534、544は、第一および第二の著作権管理情報114および340の両方から独立した、第二の音声データファイルの著作権に関する情報である。第三の著作権管理情報534、544は、第一および第二の著作権管理情報114および340とは異なる著作権を第二の音声データファイルに適用することができる。
【0099】
複数の第三の管理情報ファイルが、一つの第三の著作権管理情報を共用することが出来る場合は、必ずしも第三の著作権管理情報ファイルを複数記録する必要はない。さらに、全ての第三の管理情報ファイルの内容が第二の著作権管理情報ファイルと共用できる内容である場合は、第三の著作権管理情報ファイルを記録する必要はない。
【0100】
本発明によれば、Other Zone102に複数の管理情報を記録することにより、より多くの再生装置でDVD−Audio Disc100を再生することが可能となる。例えば、既に発売されている再生装置がDVD−Audio Zone101に記録された曲の再生が出来ない場合がある。しかしながら、Other Zone102にその再生装置が解読できる管理情報を記録しておけば、その再生装置でもDVD−Audio Disc100の再生が可能となる。また、DVD−Audio Zone101へのリンク情報を持たない第三の管理情報を記録しておけば、DVD−Audio Disc100のデータ構造を理解する必要がないため、第三の管理情報のみを解読できる再生装置の実装が簡単になる。また、そのような再生装置は、DVD−Audio関連のライセンスを取得する必要がなく、ライセンスコストが高くつくという問題も解決される。
【0101】
第二の管理情報は、第二の音声データファイルと同期させて再生させる同期再生情報の取り扱いを管理するための同期再生管理情報ファイルに関する情報を含んでもよい。これにより、第二の音声データと同期再生情報とを同期させて再生することが可能となる。例えば、音声データの再生中に、スライドショーなどのように関連する静止画データを表示させることが可能となる。
【0102】
図12に示すOther Zone102は、同期再生情報である静止画データファイル731、732、733と、静止画データファイル731、732、733の著作権を管理するための同期再生情報著作権管理情報ファイル734と、静止画データファイル731、732、733が示す静止画の表示方法を管理する同期再生管理情報ファイル730とを含む。この例では、第二の管理情報820は、図13のように、同期再生管理情報関連情報822、823を含む。同期再生管理情報関連情報822、823は、同期再生管理情報ファイル名825とその同期再生管理情報の種類を示す管理情報種別824とを含む。同期再生管理情報関連情報822、823は、第二の管理情報と同期再生管理情報ファイルとが関連していることを示すリンク情報として用いられる。
【0103】
管理情報種別824は、主に、再生装置がその同期再生管理情報を解読可能か否かを判断するために用いられる。なお、同期再生管理情報ファイル名825は、該当ファイルを検索するために使用されるが、あらかじめ同期再生管理情報ファイルのファイル名のつけ方のルールを決めておけば、ファイルを検索するために同期再生管理情報ファイル名825を参照する必要はない。この場合、同期再生管理情報関連情報は第二の管理情報に含まれていなくてもよい。もちろん、このような場合であっても、同期再生管理情報関連情報が第二の管理情報ファイルに含まれいてもよい。
【0104】
図12に示す例では、ある通し番号(例えば#1)が付与された第二の音声データファイルの再生中に、同じ通し番号(例えば#1)が付与された静止画データファイルが再生されることを仮定しているが、この形式に限る必要はない。全ての静止画データが一つのファイルに記録されていてもよい。また、同期再生管理情報ファイル730や同期再生情報著作権管理情報ファイル734のデータ構造は何であっても良い。さらに、同期再生管理情報ファイル730と同期再生情報著作権管理情報ファイル734と静止画データファイル731−733は、図14のように、第二の管理情報ファイルや第二の著作権管理情報ファイル、第二の音声データファイルと同じディレクトリに記録されてもよいが、異なるディレクトリに記録されてもよい。また、同期再生情報著作権管理情報ファイル734は、同期再生管理情報ファイル730の中に含まれていてもよい。また、同期再生管理情報ファイル730が管理するデータが静止画データではなく、音声情報、動画情報、テキスト情報などであってもよい。さらに、同期再生管理情報は複数記録されていてもよい。
【0105】
本発明では、第一の音声データ群ファイルおよび第二の音声データファイルのそれぞれが含む音声データの代わりに、動画情報、静止画情報、テキスト情報などがDVD−Audio Disc100に記録されてもよい。また、第二の管理情報と第二の著作権管理情報とはそれぞれ別ファイルに記録されてもよいし、一つのファイルに記録されていてもよい。一つのファイルに記録される場合、第二の管理情報の末尾に第二の著作権管理情報が追加されるように記録されてもよいし、各第二の曲情報の中に、該当する第二の曲著作権管理情報が記録されるようになっていてもよい。
【0106】
同様にして、第三の管理情報と、それに対応する第三の著作権管理情報も、それぞれ異なるファイルに記録されてもよいし、一つのファイルに記録されていてもよい。また、第二の管理情報と第三の管理情報が1つのファイルに記録され、第二の著作権管理情報と第三の著作権管理情報とが一つのファイルに記録されてもよい。なお、この場合は、図11に示す第三の管理情報関連情報は、該当する第三の管理情報の先頭アドレスを示すことになる。
【0107】
全ての管理情報と全ての著作権管理情報とが一つのファイルに記録されていてもよい。なお、複数の管理情報や著作権管理情報が一つのファイルに記録される場合は、そのファイルに、各管理情報や著作権管理情報の先頭アドレスを示す情報が記録されることになる。また、Other Zone102に記録される音声データは、それぞれ異なる第二の音声データファイルに記録されてもよいし、すべて一つのファイルに記録されていてもよい。また、第二の曲管理情報で管理する音声データごとに1つのファイルで記録するようにしてもよい。さらには、各管理情報が管理する音声データごとに1つのファイルに記録してもよい。なお、複数の音声データを1つのファイルに記録した場合、図4Aの第二の音声データファイル情報に含まれるファイル名として、該当する音声データの記録開始アドレスと記録終了アドレスとが記録されることになる。このように、複数の情報や管理情報および著作権管理情報を少ないファイルに記録しておくと、再生装置のファイルアクセス回数が少なくなるため、再生やコピー開始までのユーザの待ち時間が少なくなる。
【0108】
本実施の形態で示すOther Zone102は、DVD−Audio Disc100のAudio TSディレクトリ以外の領域を意味している。さらに、本実施の形態では、DVD−Audio Discに限定して説明しているが、本発明は他の情報記録媒体やアプリケーションに適用してもよく、例えば、CDやブルーレイディスク、HD−DVD(Hidensity DVD)、ハードディスク、半導体メモリ等に適用しても良い。
【0109】
本発明によると、情報記録媒体の領域を2つ以上に分け、それぞれの領域に記録されるコンテンツに異なる著作権管理情報を適用することができる。また、それぞれの領域に記録されているコンテンツ間のリンク情報も記録することができる。このため、ある領域に記録されているコンテンツから、そのコンテンツとリンク付けされている別のコンテンツを容易に検索できることが可能となる。
【0110】
(実施の形態2)
図15に、本発明の実施の形態2における再生装置152を示す。再生装置152は、情報記録媒体に記録された曲を再生する。情報記録媒体は例えばDVD−Audio Disc100であるが、それに限定されない。
【0111】
再生装置152は、読出部153と、出力部154と、管理情報解読部155と、管理情報解読情報格納部156と、著作権管理情報解読部157と、著作権管理情報解読情報格納部158と、復号部159とを備える。
【0112】
読出部153は、DVD−Audio Disc100に記録された情報(音声データおよび管理情報等)を読み出す。復号部159は、読出部153が読み出した音声データを復号化し、出力部154は復号化した音声データを出力する。
【0113】
図16Aに示すように、管理情報解読情報格納部156は、第一の管理情報ファイル110の中身を解読するための第一の管理情報解読情報161と、第二の管理情報ファイル120の中身を解読するための第二の管理情報解読情報162とのうちの少なくとも一方を格納している。管理情報解読部155は、第一の管理情報解読情報161を用いて第一の管理情報ファイル110の中身を解読する。管理情報解読部155は、第二の管理情報解読情報162を用いて第二の管理情報ファイル120の中身を解読する。管理情報解読部155は、解読結果に応じて読出部153、復号部159および出力部154の動作を制御する。
【0114】
図16Bに示すように、著作権管理情報解読情報格納部158は、第一の著作権管理情報114の中身を解読するための第一の著作権管理情報解読情報163と、第二の著作権管理情報ファイル124の中身を解読するための第二の著作権管理情報解読情報164とのうちの少なくとも一方を格納している。著作権管理情報解読部157は、第一の著作権管理情報解読情報163を用いて第一の著作権管理情報114の中身を解読する。著作権管理情報解読部157は、第二の著作権管理情報解読情報164を用いて第二の著作権管理情報ファイル124の中身を解読する。
【0115】
図16Cに示すように、復号部159は、第一の情報復号部165と、第二の情報復号部166とのうちの少なくとも一方を備える。第一の情報復号部165は、DVD−Audio Zone101に記録されている、第一の暗号化方式で暗号化された音声データを復号する。第二の情報復号部166は、Other Zone102に記録されている、第二の暗号化方式で暗号化された音声データを復号する。なお、復号部159は、出力部154に含まれてもよい。
【0116】
管理情報解読情報格納部156が、第一の管理情報解読情報161を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158は必ず第一の著作権管理情報解読情報163を格納しており、復号部159は必ず第一の情報復号部165を備えている。同様に、管理情報解読情報格納部156が、第二の管理情報解読情報162を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158は必ず第二の著作権管理情報解読情報164を格納しており、復号部159は必ず第二の情報復号部166を備えている。
【0117】
DVD−Audio Disc100を再生する動作について、図17のフローチャートを用いながら説明する。DVD−Audio Disc100が再生装置152に挿入されると(S801)、まず読み込むべき管理情報を特定する(S802)。再生装置152が第一の管理情報ファイルを解読でき、且つ第一の音声データ群ファイルを再生する場合には、第一の管理情報ファイルと第一の著作権管理情報とを読出部153で読み出し、第一の管理情報ファイルを管理情報解読部155に出力し、第一の著作権管理情報を著作権管理情報解読部157に出力する(S803)。再生装置152が第二の管理情報ファイルを解読できない場合もS803の動作が行われる。
【0118】
著作権管理情報解読部157は、第一の著作権管理情報解読情報163を用いて第一の著作権管理情報を解読し、再生しようとしている曲の再生が許可されているか否かを判別する(S804)。判別の結果、再生が禁止されていることが判明すれば、再生動作を中止する(S813)。判別の結果、再生が許可されていることが判明すれば、管理情報解読部155は、第一の管理情報解読情報161を用いて第一の管理情報ファイルを解読する。読出部153は解読結果に基づいて再生しようとする曲の音声データを情報記録媒体から読出部153で読み出し(S805)、復号部159へ出力する。復号部159の第一の情報復号部165は、暗号化された音声データを復号し(S806)、出力部154が復号化された音声データを出力することにより再生される(S807)。
【0119】
再生装置152が第二の管理情報しか解読できない場合(すなわち第一の管理情報ファイルを解読できない場合)は、あるいは、第二の音声データファイルを再生する場合には、第二の管理情報と第二の著作権管理情報とを読出部153が読み出し、上述の手順(S803〜S807およびS813)と同様の手順(S808〜S813)に従って再生する。S808〜S813で行われる動作は、S803〜S807およびS813で行われる動作と、扱う情報以外は同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0120】
再生装置152が第一の管理情報ファイルと第二の管理情報との両方を解読できる場合は、再生条件に応じて第一の管理情報ファイルと第二の管理情報ファイルとの何れかが解読される。
【0121】
次に、DVD−Audio Zone101に記録されたある曲をコピーする動作について、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0122】
再生装置152が、第一の管理情報ファイルを読み込んで、DVD−Audio Zone101に記録されている曲を再生したり、メニュー画面を表示している際、DVD−Audio Zone101に記録されたある曲をコピーするようにユーザから指示があったとする(S821)。この場合、第一の著作権管理情報を解読し、その曲のコピーが許可されているか否かを判断する(S822)。曲のコピーが許可されており、再生装置152が第二の管理情報を解読できる場合には、ユーザに高速コピーを行うか、高音質な音声データのコピーを行うかの選択をさせる(S825、S826)。その結果、ユーザが高速コピーを選択した場合には、読出部153で第二の管理情報と第二の著作権管理情報とを読み出し(S827)、第二の管理情報を管理情報解読部155に出力し、第二の著作権管理情報を著作権管理情報解読部157に出力する。ユーザが高音質コピーを選択した場合には、DVD−Audio Zone101に記録された曲をコピーするように動作する(S831)。
【0123】
管理情報解読部155では、第二の管理情報解読情報162を用いて第二の管理情報を解読する。この時、リンク情報を元に、第二の曲情報を検索する。例えば、リンク情報として曲のグループ番号およびトラック番号が記録されている場合は、コピーしたい曲のグループ番号およびトラック番号を含む第二の曲情報を検索する。また、リンク情報として他の情報が記録されている場合は、その情報が記録されている第二の曲情報を検索する。一方、図6のように、第二の管理情報がリンク群情報を含む場合、コピーしたい曲に該当する曲リンク情報を検索し、検索された曲リンク情報が示す第二の曲番号から第二の曲情報を特定する(S828)。該当する第二の曲情報が特定できれば、著作権管理情報解読部157で、特定された第二の曲情報が管理する音声データファイルのコピーが許可されているか否かを判別する(S829)。
【0124】
判別の結果、コピーが許可されていれば、第二の音声データファイル情報が示すファイル名のファイルを読出部153で読み出して、復号部159に出力する。復号部159の第二の情報復号部166では、読み出された音声データを復号し、復号した音声データを出力部154でコピーのために出力する(S830)。なお、第二の著作権管理情報の解読の結果、曲のコピーが禁止されていることが判明した場合は、DVD−Audio Zone101に記録された曲をコピーするように動作する(S831)。
【0125】
DVD−Audio Zone101に記録されている曲のコピーが許可されており、再生装置152が第二の管理情報を解読できない場合、またはユーザが高速コピーを選択しなかった場合は、DVD−Audio Zone101に記録されている音声データをコピーするように動作する。具体的には、情報記録媒体からその曲に該当する音声データを読出部153で読み出し、復号部159に出力する。復号部159の第一の情報復号部165では、読み出した音声データを復号し、出力部154に出力してコピーする。
【0126】
DVD−Audio Zone101に記録されている曲のコピーが禁止されており、再生装置152が第二の管理情報を解読できる場合は、第二の音声データをコピーするように動作する(S823、S827〜S830)。ただし、この場合はS831の動作は行われない。第二の管理情報を解読できない場合は、該当曲をコピーできない(S824)。
【0127】
本発明によると、DVD−Audio Zone101に記録された曲とOther Zone102に記録された曲とに異なる著作権管理情報が与えられており、例えば、DVD−Audio Zone101に記録された曲は高音質なためコピー不可であるが、Other Zone102に記録された曲は圧縮された曲であるためコピーが許可されていることがある。この場合、DVD−Audio Zone101に記録された曲をコピーするような指示がユーザからあったとしても、本発明によれば、対応する曲をOther Zone102から自動的に検索してコピーすることができるようになる。
【0128】
DVD−Audio Zone101に記録された曲とOther Zone102に記録された曲との両曲ともコピーが許可されている場合でも、Other Zone102に記録された曲は圧縮されてデータ量が少ない場合は、Other Zone102に記録された曲を選択することにより、DVD−Audio Zone101に記録された曲よりも高速にコピーすることが可能となる。
【0129】
上記したように、復号部159は、第一の情報復号部165と第二の情報復号部166とを備えている。しかしながら、第一の情報復号部165と第二の情報復号部166とで、一部同じ復号アルゴリズムを利用している場合は、図19に示す復号部159aが用いられてもよい。復号部159aは、第一の情報特化復号部191と、第二の情報特化復号部192と、共通復号部193とを備える。
【0130】
共通復号部193は、DVD−Audio Zone101に記録された音声データおよびOther Zone102に記録された音声データのうちの同じアルゴリズムを用いて暗号化されているそれぞれの部分を復号する。第一の情報特化復号部191は、DVD−Audio Zone101に記録された音声データのうちの第一暗号化方式は有するが第二暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている部分を復号する。第二の情報特化復号部192は、Other Zone102に記録された音声データのうちの第二暗号化方式は有するが第一暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている部分を復号する。
【0131】
この場合、DVD−Audio Zone101に記録された音声データが入力されてくれば、第一の情報特化復号部191で復号処理を開始し、必要に応じて共通復号部193で復号処理を行うようにし、最終的に復号した音声データを出力部154に出力する。同様にして、Other Zone102に記録された音声データが入力されれば、第二の情報特化復号部192で復号処理を開始し、必要に応じて共通復号部193で復号処理を行うようにし、最終的に復号した音声データを出力部154に出力する。この結果、同じ復号アルゴリズムを複数実装する必要は無く、再生装置への実装負担は軽減される。
【0132】
図20に再生装置152の改変例である再生装置201を示す。再生装置201は、外部電源および再生装置201に搭載された蓄電池203のうちの少なくとも一方から供給される電力によって駆動する。再生装置201は、再生装置152の構成要素に加えて、さらに外部電源入力部202と、蓄電池203と、電源供給元判定部204とを備える。DVD−Audio Disc100の曲を再生する際には、電力が外部電源あるいは蓄電池203から供給されるかによって、DVD−Audio Zone101に記録された曲か、あるいはOther Zone102に記録された曲を再生するかを選択する。
【0133】
図21のフローチャートを参照して、再生装置201が詳説される。
【0134】
情報記録媒体が挿入されると(S841)、まず、電源供給元判定部204は、電力が外部電源から供給されているか蓄電池203から供給されているかを判別する(S842)。外部電源から供給されており、且つDVD−Audio Zone101に記録された曲を再生する場合には、読出部153は、第一の管理情報ファイルと第一の著作権管理情報とを読み出し(S843)、DVD−Audio Zone101に記録された曲を読み出す(S844)。逆に、蓄電池203から電力が供給されている場合は、読出部153は、第二の管理情報と第二の著作権管理情報とを読み出し(S845)、Other Zone102に記録された曲を読み出す(S846)。
【0135】
この結果、蓄電池で再生装置が駆動している場合は、消費電力を小さく抑えながら曲を再生することが可能となる。例えば、DVD−Audio Zone101には、44.1kHz/24bits/6chであるリニアPCMの5分の曲(データ量は約240MB)が記録され、Other Zone102に128kbpsのmp3で圧縮した5分の曲(データ量は約5MB)が記録されていると仮定する。この場合、mp3の曲を再生する場合は、5MBのデータ量を再生装置のメモリに先に読み込んでおけば、再生中に絶えずDVD−Audio Disc100を回転させておく必要はない。しかしながら、リニアPCMの曲を再生する際は、再生装置にはコスト等の問題により大容量のメモリが搭載されていることはないため、DVD−Audio Disc100を常に回転させて音声データを読み込みながら再生することとなる。この結果、mp3の曲を再生すれば、リニアPCMの曲を再生する際よりも消費電力を小さく抑えることが可能となる。このような蓄電池駆動時には自動的に圧縮の音声データを再生する機能は、ポータブルの再生装置のように、蓄電池で駆動させる場合とACアダプタ等の外部電源を利用して駆動させる場合との両方の場合がある再生装置では、非常に有効である。
【0136】
本発明は、蓄電池駆動時だけでなく、外部電源から電力が供給されている場合であっても、低消費電力で曲の再生を行いたい場合は、Other Zone102に記録された曲を再生すればよい。
【0137】
上述の場合、再生装置が蓄電池で駆動している場合は、Other Zone102に記録された曲を再生することになるが、蓄電池で駆動している場合であっても、消費電力は大きくなるがDVD−Audio Zone101に記録された曲を再生させたいユーザもいると考えられる。このため、再生装置の初期設定等で、蓄電池で駆動する場合には、消費電力を少なくするように曲を再生させるか否かを設定できるようにすることが望ましい。なお、デフォルトの設定としては、蓄電池での駆動時には低消費電力で曲を再生するようにしておくことが望ましい。なお、再生装置201に搭載される電池は蓄電池203に限定されず、一次電池であってもよい。
【0138】
再生装置201は外部電源および電池の両方を用いて駆動されてもよく、この場合は、再生装置201は、外部電源により駆動される場合と同様に動作し得る。
【0139】
図22に再生装置152の改変例である再生装置221を示す。再生装置221は、再生装置152の構成要素に加えて、さらに情報選択部222を備える。Other Zone102には、同一の曲に対して異なる属性情報、例えば異なる記録方式で記録された複数の第二の音声データファイルを記録する場合がある。情報選択部222は、再生装置221が第二の音声データファイルの再生やコピーを行う際に、その時の再生条件およびコピー条件に応じて最適な音声データを選択するための情報やルールを格納している。
【0140】
例えば、再生時のルールとしては、再生装置221が再生可能な音声データの記録方式の音声データを選択するルール、同じ曲でも高音質な記録方式、例えばリニアPCMやデータ量の大きい音声データを選択するルール、外部機器で再生するために音声データを出力する際には外部機器が再生できる記録方式の音声データを選択するルール、インターネットや有線LANおよび無線LAN等で接続された外部機器で再生する場合は、圧縮記録方式で記録された音声データを選択するルールなどがある。
【0141】
コピー時のルールとしては、例えば、高速コピーを行う時は圧縮記録方式を用いた音声データを選択するルール、記録先の情報記録媒体およびシステムが対応している記録方式の音声データを選択するルール、インターネットや有線LANおよび無線LAN等を介して他の情報記録媒体に記録する際には圧縮記録方式で記録された音声データを選択するルールなどがある。
【0142】
再生装置221は、Other Zone102に記録された曲を再生やコピーする際、管理情報解読部155で該当曲の属性情報を解読する。情報選択部222は、自身が有するルールと解読結果とに従って、複数の音声データファイルのうちの一つを選択する。読出部153は、その選択された音声データファイル読み出す。
【0143】
再生装置152は、管理情報解読情報格納部156の代わりに図23Aに示す管理情報解読情報格納部156aを備えてもよい。管理情報解読情報格納部156aは、第一の管理情報解読情報161と、第二の管理情報ファイルの中身を解読するための第二の管理情報解読情報231と、第三の管理情報ファイルの中身を解読するための第三の管理情報解読情報232とを格納している。これにより、図10のようにOther Zone102に複数の管理情報を記録されている場合でも、解読したい管理情報することができる。
【0144】
再生装置152は、著作権管理情報解読情報格納部158の代わりに著作権管理情報解読情報格納部158aを備えてもよい。著作権管理情報解読情報格納部158aは、(i)第一の著作権管理情報解読情報163と、(ii)第二の著作権管理情報ファイルの中身を解読するための第二の著作権管理情報解読情報233と、(iii)第三の著作権管理情報ファイルの中身を解読するための第三の著作権管理情報解読情報234との少なくとも一つを格納している。管理情報解読情報格納部156aが第一の管理情報解読情報161を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158aには第一の著作権管理情報解読情報163が格納される。管理情報解読情報格納部156aが第二の管理情報解読情報231を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158aには第二の著作権管理情報解読情報233が格納される。管理情報解読情報格納部156aが第三の管理情報解読情報232を格納している場合は、著作権管理情報解読情報格納部158aには第三の著作権管理情報解読情報234が格納される。
【0145】
再生装置152が曲を再生する場合は、基本的に図17のフローチャートに従って再生を行うが、Other Zone102に記録されている管理情報を読み出す場合は、管理情報解読情報格納部156に記録されている解読情報に対応する、第二の管理情報または第三の管理情報を読み出して解読する。また、第二の管理情報を読み込んだ場合は、第二の著作権管理情報を読み込み、第三の管理情報を読み込んだ場合は、第三の著作権管理情報を読み込む。読出部153は、管理情報および著作権管理情報の解読結果に基づいてOther Zone102に記録されている曲を読み出す。
【0146】
第三の著作権管理情報がどの第三の管理情報に対応しているかは事前に決められており、再生装置152は、ファイル名を元に、対応する著作権管理情報のファイルを検索することとなる。
【0147】
再生装置152は、復号部159の代わりに図24に示す復号部159bを備えてもよい。復号部159bは、第一の情報復号部165と、第二の管理情報が管理する音声データを復号するための第二の情報復号部241と、第三の管理情報が管理する音声データを復号するための第三の情報復号部242とのうちの少なくとも一つを備える。
【0148】
Other Zone102に記録されている複数の管理情報毎に、管理する第二の音声データファイルの暗号化方式が異なっていることもある。復号部159bは、解読可能な管理情報が管理する暗号化方式に対応する復号機能を有する。例えば、再生装置が、第一の管理情報ファイルと第二の管理情報と第三の管理情報とを解読できる場合は、復号部159bは、図24のように、第一の情報復号部165と、第二の情報復号部241と、第三の情報復号部242とを備える。再生装置が情報記録媒体から読み出した音声データを復号する際は、その音声データを管理している管理情報に対応した復号部で復号する。
【0149】
図25に再生装置152の改変例である再生装置252を示す。再生装置252は、管理情報解読情報格納部156、著作権管理情報解読情報格納部158、復号部159の代わりに、管理情報解読情報格納部156b、著作権管理情報解読情報格納部158b、復号部159cを備える。
【0150】
図26に示されるように、管理情報解読情報格納部156bは、第一の管理情報解読情報161と、第二の管理情報解読情報162と、同期再生管理情報ファイルの中身を解読するための同期再生管理情報解読情報261とを格納している。
【0151】
著作権管理情報解読情報格納部158bは、第一の著作権管理情報解読情報163と、第二の著作権管理情報解読情報164と、同期再生情報著作権管理情報ファイル734の中身を解読するための同期再生情報著作権管理情報解読情報262とを格納している。
【0152】
復号部159cは、第一の情報復号部165と、第二の情報復号部166と、同期再生情報復号部263とを備える。同期再生情報復号部263は、同期再生管理情報が管理する暗号化された情報(この場合は暗号化された静止画データ)を復号する。
【0153】
第一の管理情報解読情報161と第一の著作権管理情報解読情報163と第一の情報復号部165とは、備えられていない場合もある。
【0154】
図14のように、Other Zone102に同期再生管理情報ファイル730と同期再生情報著作権管理情報ファイル734と静止画データファイル731〜733が記録されている場合は、第二の音声データファイルを再生する際に、静止画データも同期させて再生することが可能である。
【0155】
再生装置252が、第二の音声データと静止画データとを同期させて再生する動作について、図27のフローチャートを用いながら説明する。
【0156】
情報記録媒体が再生装置252に挿入されると(S851)、読出部153は第二の管理情報を読み出し、管理情報解読部155に出力する。また、読出部153は第二の著作権管理情報を読み出し、著作権管理情報解読部157に出力する(S852)。管理情報解読部155は、第二の管理情報に含まれている同期再生管理情報関連情報を解読する(S853)。同期再生管理情報関連情報が示す管理情報種別から、同期再生管理情報ファイル730が再生装置252で解読可能な管理情報であるか否かを判別する(S854)。同期再生管理情報ファイル730が再生装置252で解読可能な管理情報でないことが判明すれば、第二の音声データファイルの再生のみを行う(S858)。
【0157】
同期再生管理情報ファイル730が再生装置252で解読可能な管理情報であることが判明すれば、同期再生管理情報関連情報に含まれている同期再生管理情報ファイル名を読み出し(S855)、同期再生管理情報ファイル名に基づいて、読出部153は同期再生管理情報を読み出し、管理情報解読部155に出力する(S856)。
【0158】
ある第二の音声データファイルを再生する場合、著作権管理情報解読部157は、その第二の音声データファイルの再生が許可されているか否かを判別する。許可されていることが判明すれば、管理情報解読部155は、同期再生管理情報解読情報261を用いながら同期再生管理情報を解読し、音声データの再生中に再生すべき静止画データを特定する。著作権管理情報解読部157は、同期再生著作権管理情報解読情報262を用いながら同期再生著作権管理情報を解読し、静止画データの再生が許可されているか否かを判別し、許可されていることが判明すれば、管理情報解読部155で特定された第二の音声データと静止画データとを読出部153で読み出し、復号部159cに出力する。第二の音声データファイルおよび静止画データが暗号化されている場合、復号部159cでは、暗号化された第二の音声データファイルを第二の情報復号部166で復号し、暗号化された静止画データを同期再生情報復号部263で復号する。出力部253は、復号された第二の音声データファイルと静止画データとを同期させて出力する(S857)。
【0159】
再生装置252が同期再生管理情報を解読できるか否かを判定する場合、上述では管理情報種別を用いて判断しているが、同期再生管理情報関連情報に含まれている同期再生管理情報ファイル名から判断しても良い。また、あらかじめ同期再生管理情報ファイル名が決められている場合、第二の管理情報に同期再生管理情報関連情報が記録されていないことがある。この場合は、再生装置252は、同期再生管理情報解読情報で解読できる同期再生管理情報が記録されているファイルを、ファイル名に基づいて情報記録媒体から検索して読出部153で読み出し、管理情報解読部155に出力する。
【0160】
本実施の形態では、DVD−Audio Discの再生装置に特化して説明している。しかしながら、実施の形態1の内容が、DVD−Audio Disc以外の情報記録媒体およびアプリケーションに適用される場合、本実施の形態の再生装置は、実施の形態1が適用されている情報記録媒体およびアプリケーションを再生する再生装置を意味する。
【0161】
本発明によると、DVD−Audio Zone101に記録された曲のコピーが禁止されていたとしても、Other Zone102に記録された曲を自動的にコピーすることができる。また、高速コピーも可能となる。さらに、ポータブルの再生装置では、低消費電力での再生も可能となる。
【0162】
本発明によれば、同一のコンテンツであるが異なる記録方式で記録したデータファイルを、2つの記録領域に分けて記録している。これにより、2つの領域に記録されたコンテンツにそれぞれ異なる著作権管理情報を適用することができ、様々なコンテンツの扱いを定義することが可能となる。
【0163】
ある領域に非圧縮コンテンツを記録し、別の領域にはそのコンテンツを圧縮したコンテンツを記録する。これにより、再生時には非圧縮コンテンツを再生して高音質再生を実現するとともに、コピー時には圧縮コンテンツをコピーすることで、高速コピーを実現することも可能となる。さらには、再生時に圧縮コンテンツを再生すれば、低消費電力での再生が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明にかかる情報記録媒体および情報再生装置によれば、コンテンツの高速コピーおよび低消費電力再生、同じ情報記録媒体内の複数のコンテンツにそれぞれ異なる著作権管理の適用が可能となる。本発明は、例えばCDやDVDディスク、ブルーレイディスク、半導体メモリ、ハードディスクなどの情報記録媒体、およびCDプレーヤやDVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ、半導体メモリプレーヤ、パソコン等のソフトウェアプレーヤなどの情報記録媒体を再生する装置、または、ポータブルプレーヤ等の蓄電池駆動の機能を備える再生装置に特に有用である。
【0165】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の実施の形態における情報記録媒体を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における情報記録媒体ファイルの構造を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるリンク関係を示す図である。
【図4A】本発明の実施の形態におけるデータ構造を示す図である。
【図4B】本発明の実施の形態におけるデータ構造を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における暗号化方式を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるリンク群情報を示す図である。
【図7A】本発明の実施の形態における第二の曲著作権管理情報を示す図である。
【図7B】本発明の実施の形態における第二の曲著作権管理情報を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における管理情報と音声データファイルとの関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における別著作権管理情報の適用を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における情報記録媒体ファイルの構造を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における第二の管理情報データ構造を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における同期再生管理情報を含む情報記録媒体を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における同期再生管理情報関連情報を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における同期再生管理情報を含む情報記録媒体ファイルの構造を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における再生装置を示す図である。
【図16A】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図16B】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図16C】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態における曲再生フローチャートを示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における曲コピーフローチャートを示す図である。
【図19】本発明の実施の形態における復号部を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における電源供給元判別可能再生装置を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態における電源供給元判別可能再生装置の曲再生フローチャートを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態における再生可能情報判別再生装置を示す図である。
【図23A】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図23B】本発明の実施の形態における再生装置の詳細を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態における復号部を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態における同期再生可能再生装置を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態における同期再生可能再生装置の詳細を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態における同期再生可能再生装置の曲再生フローチャートを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、
前記第一情報に基づいて生成される第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域と
を備えた情報記録媒体。
【請求項2】
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記第一管理情報は、前記第一情報を特定するためのグループ番号とトラック番号とを含み、
前記リンク情報は、前記第一情報とリンクされている前記第二情報を特定するための識別番号を含む、請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、
前記第二記録領域は、前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記第二著作権管理情報は、
前記第二情報を識別するための固有情報と、
前記第二情報のコピー条件を示すコピー管理情報と、
を含む、請求項4に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記第二著作権管理情報は、前記第二著作権管理情報の内容とは異なる著作権管理情報を前記第二情報に適用できるか否かを示すトランザクション情報を含む、請求項4に記載の情報記録媒体。
【請求項7】
前記コピー管理情報は、コピーの可否、コピーが可能な回数およびコピーが許可される品質のうちの少なくとも一つを示す、請求項5に記載の情報記録媒体。
【請求項8】
前記第一情報は、第一暗号化方式で暗号化され、
前記第二情報は、第二暗号化方式で暗号化されている、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項9】
前記第一暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部と、前記第二暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部とは同じである、請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項10】
前記第一暗号化方式は、前記第二暗号化方式と共通の情報を用いた暗号化処理を含む、請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項11】
前記共通の情報は、暗号化鍵を生成するために用いられる暗号化鍵生成情報である、請求項10に記載の情報記録媒体。
【請求項12】
前記第一情報は、非圧縮情報および可逆圧縮情報のうちの一方であり、
前記第二情報は、前記第一情報が非圧縮情報である場合は、前記第一情報を非可逆圧縮した情報であり、
前記第二情報は、前記第一情報が可逆圧縮情報である場合は、前記第一情報を復号することにより生成した非圧縮情報を非可逆圧縮した情報である、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項13】
前記第一情報に基づいて複数の前記第二情報が生成され、
前記生成された複数の第二情報は互いに属性が異なる、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項14】
前記第一情報および前記第二情報は音声情報であって、
前記属性は、記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間のうちの少なくとも一つを示す、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項15】
前記複数の第二情報には互いに異なる著作権が適用される、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項16】
前記複数の第二情報には互いに異なる暗号化方式が適用される、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項17】
前記複数の第二情報のうちの少なくとも一つは、複数の暗号化方式によって暗号化されている、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項18】
前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含み、
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示す第一リンク情報を含み、
前記第三管理情報は、前記第一リンク情報を含んでいない、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項19】
前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記第三管理情報とが関連していることを示す第二リンク情報を含む、請求項18に記載の情報記録媒体。
【請求項20】
前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、
前記第二記録領域は、
前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報と、
前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報の両方と独立した、前記第二情報の著作権に関する第三著作権管理情報と
をさらに含む、請求項18に記載の情報記録媒体。
【請求項21】
前記第二記録領域は、
前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、
前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報と
をさらに含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項22】
前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含む、請求項21に記載の情報記録媒体。
【請求項23】
前記リンク情報は前記同期再生管理情報の種類とファイル名とを示す、請求項22に記載の情報記録媒体。
【請求項24】
前記第二記録領域は、
前記第二情報の著作権に関する第一著作権管理情報と、
前記同期再生情報の著作権に関する第二著作権管理情報と
をさらに含む、請求項21に記載の情報記録媒体。
【請求項25】
前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項26】
前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項21に記載の情報記録媒体。
【請求項27】
情報記録媒体に記録された第一情報および前記第一情報に基づいて生成された第二情報のうちの少なくとも一方を再生する再生装置であって、
前記情報記録媒体は、
前記第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、
前記第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域と
を備え、
前記再生装置は、
前記第一情報、前記第一管理情報、前記第二情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一つを前記情報記録媒体から読み出す読出し部と、
前記第一管理情報を解読するための第一解読情報、および前記第二管理情報を解読するための第二解読情報のうちの少なくとも一方が格納されている第一格納部と、
前記第一管理情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第一解読部と、
前記第一情報および前記第二情報のうちの少なくとも一方を出力する出力部と
を備え、
前記第一格納部に前記第一解読情報が格納されており、且つ前記第一情報を再生する場合には、
前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一管理情報を読み出し、
前記第一解読部は前記第一解読情報に基づいて前記第一管理情報を解読し、
前記第一管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第一情報を読み出し、前記出力部は前記第一情報を出力し、
前記第一格納部に前記第二解読情報が格納されており、且つ前記第二情報を再生する場合には、
前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二管理情報を読み出し、
前記第一解読部は前記第二解読情報に基づいて前記第二管理情報を解読し、
前記第二管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する、再生装置。
【請求項28】
前記第二情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項29】
前記第一情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項30】
前記再生装置は、外部電源および前記再生装置に搭載された電池のうちの少なくとも一方から供給される電力によって駆動し、
前記再生装置は、電力供給元を判定する判定部をさらに備え、
前記外部電源から電力が供給されていると前記判定部が判定し、且つ前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部は前記第一情報を読み出し、
前記外部電源から電力が供給されていないと前記判定部が判定した場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項31】
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含み、
前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取った場合には、
前記読出し部は、前記情報記録媒体から前記リンク情報を読み出し、
前記第一解読部は、前記リンク情報を解読して、前記第一情報と関連している前記第二情報を特定し、
前記読出し部は前記特定された第二情報を読み出して、前記出力部は前記特定された第二情報を出力する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項32】
前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、前記第二記録領域は、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含み、
前記再生装置は、
前記第一著作権管理情報を解読するための第三解読情報、および前記第二著作権管理情報を解読するための第四解読情報が格納されている第二格納部と、
前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第二解読部と
をさらに備え、
前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取り、且つ前記第一著作権管理情報が前記第一情報のコピー不許可を示している場合には、
前記読出し部は、前記第二著作権管理情報を読み出し、
前記第二解読部は、前記第二著作権管理情報を解読し、
前記第二著作権管理情報が前記第二情報のコピー許可を示している場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項33】
前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されており、
前記再生装置は、前記暗号化された第一情報を復号する第一復号部と、前記暗号化された第二情報を復号する第二復号部とのうちの少なくとも一方をさらに備える、請求項27に記載の再生装置。
【請求項34】
前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されており、
前記第一暗号化方式の一部と前記第二暗号化方式の一部とは同じアルゴリズムを有し、
前記再生装置は、
前記第一情報および前記第二情報のうちの前記同じアルゴリズムを用いて暗号化されているそれぞれの部分を復号する共通復号部と、
前記第一暗号化方式は有するが前記第二暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第一情報の他の部分を復号する第一復号部と、
前記第二暗号化方式は有するが前記第一暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第二情報の他の部分を復号する第二復号部と
をさらに備え、
前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第一情報を、前記共通復号部と前記第一復号部とが復号し、
前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第二情報を、前記共通復号部と前記第二復号部とが復号する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項35】
前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含み、
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含み、
前記第三管理情報は、前記リンク情報を含んでおらず、
前記第一格納部は、前記第一解読情報および前記第二解読情報のうちの少なくとも一方と、前記第三管理情報を解読するための第三解読情報とを格納しており、
前記第二情報を再生する場合には、前記第二管理情報および前記第三管理情報のうちの少なくとも一方を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項36】
前記第二記録領域は、
前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、
前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報と
をさらに含み、
前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含み、
前記第一格納部は、前記同期再生管理情報を解読するための第三解読情報をさらに格納しており、
前記第二情報を再生する場合には、
前記読出し部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを読み出し、
前記第一解読部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読し、
前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報と前記同期再生情報とを読み出し、前記出力部は前記第二情報と前記同期再生情報とを同期させて出力する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項37】
前記第二記録領域は、複数の前記第二情報を含み、
前記複数の第二情報は互いに属性が異なり、
前記再生装置は、再生条件およびコピー条件のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の第二情報のうちの一つを選択する選択部をさらに備え、
前記読出し部は、前記選択された第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項38】
前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項27に記載の再生装置。
【請求項39】
前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項36に記載の再生装置。
【請求項1】
第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、
前記第一情報に基づいて生成される第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域と
を備えた情報記録媒体。
【請求項2】
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記第一管理情報は、前記第一情報を特定するためのグループ番号とトラック番号とを含み、
前記リンク情報は、前記第一情報とリンクされている前記第二情報を特定するための識別番号を含む、請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、
前記第二記録領域は、前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記第二著作権管理情報は、
前記第二情報を識別するための固有情報と、
前記第二情報のコピー条件を示すコピー管理情報と、
を含む、請求項4に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記第二著作権管理情報は、前記第二著作権管理情報の内容とは異なる著作権管理情報を前記第二情報に適用できるか否かを示すトランザクション情報を含む、請求項4に記載の情報記録媒体。
【請求項7】
前記コピー管理情報は、コピーの可否、コピーが可能な回数およびコピーが許可される品質のうちの少なくとも一つを示す、請求項5に記載の情報記録媒体。
【請求項8】
前記第一情報は、第一暗号化方式で暗号化され、
前記第二情報は、第二暗号化方式で暗号化されている、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項9】
前記第一暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部と、前記第二暗号化方式の暗号化アルゴリズムの一部とは同じである、請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項10】
前記第一暗号化方式は、前記第二暗号化方式と共通の情報を用いた暗号化処理を含む、請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項11】
前記共通の情報は、暗号化鍵を生成するために用いられる暗号化鍵生成情報である、請求項10に記載の情報記録媒体。
【請求項12】
前記第一情報は、非圧縮情報および可逆圧縮情報のうちの一方であり、
前記第二情報は、前記第一情報が非圧縮情報である場合は、前記第一情報を非可逆圧縮した情報であり、
前記第二情報は、前記第一情報が可逆圧縮情報である場合は、前記第一情報を復号することにより生成した非圧縮情報を非可逆圧縮した情報である、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項13】
前記第一情報に基づいて複数の前記第二情報が生成され、
前記生成された複数の第二情報は互いに属性が異なる、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項14】
前記第一情報および前記第二情報は音声情報であって、
前記属性は、記録方式、圧縮率、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、ビットレート、再生時間のうちの少なくとも一つを示す、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項15】
前記複数の第二情報には互いに異なる著作権が適用される、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項16】
前記複数の第二情報には互いに異なる暗号化方式が適用される、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項17】
前記複数の第二情報のうちの少なくとも一つは、複数の暗号化方式によって暗号化されている、請求項13に記載の情報記録媒体。
【請求項18】
前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含み、
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示す第一リンク情報を含み、
前記第三管理情報は、前記第一リンク情報を含んでいない、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項19】
前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記第三管理情報とが関連していることを示す第二リンク情報を含む、請求項18に記載の情報記録媒体。
【請求項20】
前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、
前記第二記録領域は、
前記第一著作権管理情報とは独立した、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報と、
前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報の両方と独立した、前記第二情報の著作権に関する第三著作権管理情報と
をさらに含む、請求項18に記載の情報記録媒体。
【請求項21】
前記第二記録領域は、
前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、
前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報と
をさらに含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項22】
前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含む、請求項21に記載の情報記録媒体。
【請求項23】
前記リンク情報は前記同期再生管理情報の種類とファイル名とを示す、請求項22に記載の情報記録媒体。
【請求項24】
前記第二記録領域は、
前記第二情報の著作権に関する第一著作権管理情報と、
前記同期再生情報の著作権に関する第二著作権管理情報と
をさらに含む、請求項21に記載の情報記録媒体。
【請求項25】
前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項26】
前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項21に記載の情報記録媒体。
【請求項27】
情報記録媒体に記録された第一情報および前記第一情報に基づいて生成された第二情報のうちの少なくとも一方を再生する再生装置であって、
前記情報記録媒体は、
前記第一情報と前記第一情報の取り扱いに関する第一管理情報とを記録するための第一記録領域と、
前記第二情報と前記第二情報の取り扱いに関する第二管理情報とを記録するための第二記録領域と
を備え、
前記再生装置は、
前記第一情報、前記第一管理情報、前記第二情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一つを前記情報記録媒体から読み出す読出し部と、
前記第一管理情報を解読するための第一解読情報、および前記第二管理情報を解読するための第二解読情報のうちの少なくとも一方が格納されている第一格納部と、
前記第一管理情報および前記第二管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第一解読部と、
前記第一情報および前記第二情報のうちの少なくとも一方を出力する出力部と
を備え、
前記第一格納部に前記第一解読情報が格納されており、且つ前記第一情報を再生する場合には、
前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一管理情報を読み出し、
前記第一解読部は前記第一解読情報に基づいて前記第一管理情報を解読し、
前記第一管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第一情報を読み出し、前記出力部は前記第一情報を出力し、
前記第一格納部に前記第二解読情報が格納されており、且つ前記第二情報を再生する場合には、
前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二管理情報を読み出し、
前記第一解読部は前記第二解読情報に基づいて前記第二管理情報を解読し、
前記第二管理情報を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する、再生装置。
【請求項28】
前記第二情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第一情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項29】
前記第一情報を再生することができない場合は、前記読出し部は前記情報記録媒体から前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項30】
前記再生装置は、外部電源および前記再生装置に搭載された電池のうちの少なくとも一方から供給される電力によって駆動し、
前記再生装置は、電力供給元を判定する判定部をさらに備え、
前記外部電源から電力が供給されていると前記判定部が判定し、且つ前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部は前記第一情報を読み出し、
前記外部電源から電力が供給されていないと前記判定部が判定した場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項31】
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含み、
前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取った場合には、
前記読出し部は、前記情報記録媒体から前記リンク情報を読み出し、
前記第一解読部は、前記リンク情報を解読して、前記第一情報と関連している前記第二情報を特定し、
前記読出し部は前記特定された第二情報を読み出して、前記出力部は前記特定された第二情報を出力する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項32】
前記第一記録領域は、前記第一情報の著作権に関する第一著作権管理情報をさらに含み、前記第二記録領域は、前記第二情報の著作権に関する第二著作権管理情報をさらに含み、
前記再生装置は、
前記第一著作権管理情報を解読するための第三解読情報、および前記第二著作権管理情報を解読するための第四解読情報が格納されている第二格納部と、
前記第一著作権管理情報および前記第二著作権管理情報のうちの少なくとも一方を解読する第二解読部と
をさらに備え、
前記再生装置が前記第一情報のコピー命令を受け取り、且つ前記第一著作権管理情報が前記第一情報のコピー不許可を示している場合には、
前記読出し部は、前記第二著作権管理情報を読み出し、
前記第二解読部は、前記第二著作権管理情報を解読し、
前記第二著作権管理情報が前記第二情報のコピー許可を示している場合には、前記読出し部は前記第二情報を読み出し、前記出力部は前記第二情報を出力する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項33】
前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されており、
前記再生装置は、前記暗号化された第一情報を復号する第一復号部と、前記暗号化された第二情報を復号する第二復号部とのうちの少なくとも一方をさらに備える、請求項27に記載の再生装置。
【請求項34】
前記第一情報は第一暗号化方式で暗号化されており、前記第二情報は第二暗号化方式で暗号化されており、
前記第一暗号化方式の一部と前記第二暗号化方式の一部とは同じアルゴリズムを有し、
前記再生装置は、
前記第一情報および前記第二情報のうちの前記同じアルゴリズムを用いて暗号化されているそれぞれの部分を復号する共通復号部と、
前記第一暗号化方式は有するが前記第二暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第一情報の他の部分を復号する第一復号部と、
前記第二暗号化方式は有するが前記第一暗号化方式は有さないアルゴリズムで暗号化されている前記第二情報の他の部分を復号する第二復号部と
をさらに備え、
前記第一情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第一情報を、前記共通復号部と前記第一復号部とが復号し、
前記第二情報を再生する場合には、前記読出し部が読み出した前記第二情報を、前記共通復号部と前記第二復号部とが復号する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項35】
前記第二記録領域は、前記第二情報の取り扱いに関する第三管理情報をさらに含み、
前記第二管理情報は、前記第一情報と前記第二情報とが関連していることを示すリンク情報を含み、
前記第三管理情報は、前記リンク情報を含んでおらず、
前記第一格納部は、前記第一解読情報および前記第二解読情報のうちの少なくとも一方と、前記第三管理情報を解読するための第三解読情報とを格納しており、
前記第二情報を再生する場合には、前記第二管理情報および前記第三管理情報のうちの少なくとも一方を解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項36】
前記第二記録領域は、
前記第二情報と同期させて再生される同期再生情報と、
前記同期再生情報の取り扱いに関する同期再生管理情報と
をさらに含み、
前記第二管理情報は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とが関連していることを示すリンク情報を含み、
前記第一格納部は、前記同期再生管理情報を解読するための第三解読情報をさらに格納しており、
前記第二情報を再生する場合には、
前記読出し部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを読み出し、
前記第一解読部は、前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読し、
前記第二管理情報と前記同期再生管理情報とを解読した結果に基づいて、前記読出し部は前記第二情報と前記同期再生情報とを読み出し、前記出力部は前記第二情報と前記同期再生情報とを同期させて出力する、請求項27に記載の再生装置。
【請求項37】
前記第二記録領域は、複数の前記第二情報を含み、
前記複数の第二情報は互いに属性が異なり、
前記再生装置は、再生条件およびコピー条件のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の第二情報のうちの一つを選択する選択部をさらに備え、
前記読出し部は、前記選択された第二情報を読み出す、請求項27に記載の再生装置。
【請求項38】
前記第一情報および前記第二情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項27に記載の再生装置。
【請求項39】
前記第一情報、前記第二情報および前記同期再生情報のそれぞれは、音声情報、動画情報、静止画情報およびテキスト情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項36に記載の再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2007−521601(P2007−521601A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516855(P2006−516855)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009479
【国際公開番号】WO2005/001831
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009479
【国際公開番号】WO2005/001831
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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