説明

情報記録方法及び情報再生方法

【課題】イベント性を高め、出席者に対して驚きを与え、他の披露宴との差別化を図り、さらには商品価値を高めることができるようにする。
【解決手段】背景を黒の単一色としその上に静止画20又は動画が配置された主映像21を示す映像情報と、主映像21に重ねて白色で表示される字幕22が配置された副映像23を示す副映像情報と、副映像23の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び主映像に重ねて表示されるサブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報と、主映像21と同期がとられた音声情報とを有し、サブフレーム制御情報には、サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報を付加し、映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有しているようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主映像、副映像、音声、再生制御等の各種情報を記録した高密度光ディスク等の記録媒体に記録し再生する情報記録方法及び情報再生方法に係り、特に、結婚披露宴における演出に最適な情報記録方法及び情報再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホテル等で行われる結婚披露宴は、概ね、開宴の挨拶から始まり、媒酌人の紹介、主賓の紹介、ケーキ入刀、乾杯と進んで披露宴の開始となる。そして、出席者のスピーチ、お色直し、祝電の披露等を経て、新郎新婦にスポットをあてたキャンドルサービスとなる。その後、スライド上映や、新郎新婦の同級生、先輩後輩等による校歌披露がある。ここで披露宴は一段落となるが、閉宴の前に、新郎新婦の両親や身内からの挨拶があり、それに先だって両親又は親族に対し新郎新婦から花束贈呈が行われる。
【0003】
ここで、花束贈呈は、多くの結婚披露宴において最も感動的なシーンである。つまり、新郎新婦の出生から今日までの成長の日々を思い起こし、目立たずに結婚披露宴を見守ってきた両親等の万感たる思いに出席者が同調して共に大きな喜びの感動を共有できるからである。
【0004】
このように、新郎新婦から両親等に対する花束贈呈は、新郎新婦の感謝の気持ちが込められた象徴的な返礼行為であり、結婚披露宴の演出としても好ましいものである。この場合、花束贈呈のような象徴的な返礼行為とは別に、今日までの感謝の気持ちを新郎新婦から両親等に対し、物理的かつ精神的な性質の記念品として贈ることができれば、新郎新婦も、それを受ける両親等も、その感慨はひとしおとなる。
【0005】
ちなみに、特許文献1では、音声データ、音楽データ、静止画データ、動画データから選択される少なくとも一種類以上のデータ群を、光学的記録媒体に編集格納し、結婚披露宴の式の進行のうち両家からの挨拶に先立って、挨拶を行うべき両家関係者に対し、新郎新婦側からその光学的記録媒体を手渡すようにした結婚披露宴の演出方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−65523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上述の特許文献1に示されたものでは、音声データ、音楽データ、静止画データ、動画データから選択される少なくとも一種類以上のデータ群を、単に光学的記録媒体に編集格納したものである。また、少なくとも一種類以上のデータ群を、光学的記録媒体に編集格納したものを挨拶を行うべき両家関係者に対し手渡すようにしたものである。
【0008】
そのため、たとえばその光学的記録媒体を披露宴会場で再生し、大型ディスプレイ等によって出席者に映像等を視聴してもらおうとしても、一種類以上のデータ群を、単に光学的記録媒体に編集格納したものではイベント性に欠けてしまうばかりか、出席者に対して驚きを与えることができず、しかも他の披露宴との差別化を図ることが困難となってしまう。
【0009】
すなわち、単に静止画又は動画を音声とともに再生するのみでは、新郎新婦の思想や人間性等が披露宴会場内の出席者に対して旨く伝わらないものと容易に予測される。このように、新郎新婦の思想や人間性等が旨く伝わらないと、出席者が新郎新婦への親近感を持ち難くなり、結婚披露宴の盛り上がりに欠けてしまうことになる。
【0010】
また、単に音声データ、音楽データ、静止画データ、動画データから選択される少なくとも一種類以上のデータ群を、単に光学的記録媒体に編集格納しただけでは、新郎新婦の思想や人間性等が旨く表現されず、内容にアピール性が持たされないため、商品価値を高めることができない。
【0011】
解決しようとする問題点は、音声データ、音楽データ、静止画データ、動画データから選択される少なくとも一種類以上のデータ群を単に編集格納した光学的記録媒体を、たとえば披露宴会場で再生して出席者に映像等を視聴してもらおうとすると、イベント性に欠けてしまうばかりか、出席者に対して驚きを与えることができず、しかも他の披露宴との差別化を図ることが困難となってしまい、さらには内容にアピール性が持たされないため、商品価値を高めることができないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様による情報記録方法は、背景を黒の単一色としその上に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報を記録する工程と、前記主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報を記録する工程と、前記副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報を記録する工程と、前記主映像と同期がとられた音声情報を記録する工程とを有し、前記サブフレーム制御情報には、前記サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加され、さらに前記映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有しており、前記映像情報、副映像情報及び音声情報は、新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、前記列席者の名前を示す内容の第2のパートと、前記新郎新婦からの最後のお礼と前記新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、前記第2のパートと前記第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれることとしてもよい。
【0014】
また、前記第2のパートには、前記新郎新婦別に前記列席者の名前を表示する内容、前記列席者の席順に前記列席者の名前を表示する内容、50音順に前記列席者の名前を表示する内容、媒酌人の名前を表示する内容、前記新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれることとしてもよい。
【0015】
また、前記動的制御情報により再生時に前記字幕が列席者の名前を表示しながら下からスクロールされるように表示させることを可能としてよい。
【0016】
本発明の第2の態様による情報再生方法は、背景を黒の単一色としその上に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報と、前記主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報と、前記副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報と、前記主映像と同期がとられた音声情報とを記録した記録媒体を用いた情報再生方法であって、前記サブフレーム制御情報には、前記サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加され、さらに前記映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有しており、前記映像情報、副映像情報及び音声情報は、新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、前記列席者の名前を示す内容の第2のパートと、前記新郎新婦からの最後のお礼と前記新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、前記第2のパートと前記第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれることとしてもよい。
【0018】
また、前記第2のパートには、前記新郎新婦別に前記列席者の名前を表示する内容、前記列席者の席順に前記列席者の名前を表示する内容、50音順に前記列席者の名前を表示する内容、媒酌人の名前を表示する内容、前記新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれることとしてもよい。
【0019】
また、前記動的制御情報により再生時に前記字幕が列席者の名前を表示しながら下からスクロールされるように表示させることを可能としてよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の情報記録方法及び情報再生方法によれば、たとえば披露宴会場で再生して出席者に映像等を視聴してもらう際、イベント性が高められるばかりか、出席者に対して驚きを与えることができ、しかも他の披露宴との差別化を図ることができ、さらには内容にアピール性が持たされるため、商品価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の記録媒体をDVDに適用した場合の一実施の形態を示すものであって、そのDVDの基本構造を説明するための図である。
【図2】図1のDVDに記録された映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等を説明するためのものであって、実際の表示状態を示す図である。
【図3】図1のDVDに記録された映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等を説明するためのものであって、図2を補足説明するための図である。
【図4】図1のDVDに対する映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等の記録方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1のDVDに記録された映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等のデータ構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の記録媒体は、背景を黒の単一色としその中程に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報と、主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報と、副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び主映像に重ねて表示されるサブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報と、主映像と同期がとられた音声情報とを有し、また静止画又は動画の周囲に白から漸次黒に変化するグラデーションを付加し、サブフレーム制御情報には、サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報を付加し、さらに映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有しているようにし、たとえば披露宴会場で再生して出席者に映像等を視聴してもらう際、イベント性を高め、出席者に対して驚きを与えるとともに、他の披露宴との差別化を図るようにし、さらには内容にアピール性を持たすことで、商品価値を高めるようにした。
【0023】
以下、本発明の詳細を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の記録媒体をDVDに適用した場合の一実施の形態を示すものであって、そのDVDの基本構造を説明するための図、図2及び図3は、図1のDVDに記録された映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等を説明するための図、図4は、図1のDVDに対する映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等の記録方法を説明するためのフローチャート、図5は、図1のDVDに記録された映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等のデータ構造を説明するための図である。
【0024】
図1に示すように、DVD10は、書き込みが複数回又は1回のみ可能な、光磁気方式、相変化方式等の各種記録方式で記録可能とされており、ディスク本体上の記録面に、センターホール11を中心とし内周から外周に向けて、リードインエリア12、データエリア13及びリードアウトエリア14が設けられている。
【0025】
そして、各エリアには、たとえばセンターホール11を中心にスパイラル状或いは同心円状に、グルーブトラック及びランドトラックが交互に設けられている。このグルーブトラックはウォブリングされてもよいし、これらのうち一方又は両方のトラックにプレピットが形成されていてもよい。また、DVD10としては、DVD−Video、DVD−R、DVD−RAM等のいずれかを用いるようにしてもよい。
【0026】
また、そのリードインエリア12には、DVD規格に従って、映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等が記録されるようになっている。ここで、映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等は、特に、結婚披露宴における演出に最適な内容となっているが、その詳細は後述する。
【0027】
映像情報は、図2に示すように、背景を黒の単一色としその中程に静止画20が配置された主映像21を示すものである。なお、静止画20にあっては、写真、絵、賞状、手紙、文集、その他の書類等であってもよい。また、静止画20にあっては、モノクロ、セピア等の単一色であってもよく、フルカラーであってもよい。また、映像情報は、静止画20に限らず、動画であってもよく、さらには静止画20と動画とを混在させてもよい。また、静止画20の周囲には、白から漸次黒に変化するグラデーションが付加されている(以下、囲みぼかしという)。囲みぼかしの詳細については、後述する。
【0028】
また、副映像情報は、図2及び図3に示すように、主映像21に重ねて白色で表示される字幕22が配置された副映像23を示すものである。ここで、図2は、実際の表示状態を示すものであり、図3は、図2を補足説明するものである。
【0029】
副映像制御情報は、副映像23の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び主映像21に重ねて表示されるサブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含むものである。音声情報は、主映像21と同期がとられたものである。
【0030】
ここで、背景を黒の単一色とすることで、たとえば静止画20が配置された主映像21に重ねて白色で表示される字幕22が上述した副映像制御情報のサブフレーム範囲情報及びサブフレーム制御情報に基づき、順次切り換えて表示されるとき、結婚披露宴の出席者を静止画20と字幕22とに集中させることができる。ちなみに、背景を黒以外の色にしたり、トランジッション効果やエフェクト効果等を用いたりすることも考えられるが、いずれも静止画20及び字幕22以外に注意が向いてしまい、静止画20と字幕22に対する集中力が欠けるおそれがあるため、好ましいとは言えない。
【0031】
また、字幕22にあっては、図2及び図3のように、縦書き表示に限らず、横書き表示であってもよいことは勿論である。さらに、字幕22は、図2及び図3のように、静止画20の右隣りに限らず、静止画20の上下又は左に表示されるようにしてもよく、静止画20のサイズや形状に合わせて適宜、配置することができる。この場合、上述した副映像制御情報のサブフレーム範囲情報及びサブフレーム制御情報を書き換えることで、実現できる。
【0032】
また、図2に示すように、静止画20の周囲に白から漸次黒に変化するグラデーションが付加されている、いわゆる囲みぼかしを加えることで、静止画20が配置された主映像21に対しやわらかさやほのぼの感を与えることができ、結果として叙情的、幻想的な雰囲気をもたせることができる。しかも、その囲みぼかしにより、黒バックの窓から浮き出てくるような印象を与えることができる。
【0033】
次に、図2における画面レイアウトについて説明する。
まず、背景を黒の単一色としその中程にたとえば静止画20を配置し、字幕22をたとえば下からスクロールされるように表示する。このように、字幕22をたとえば下からスクロールされるように表示するために、上述した副映像制御情報が用いられる。
【0034】
ここで、静止画20は、たとえばモノクロ、セピア等の単一色であってもよく、さらにはフルカラーであってもよい。また、字幕22にあっては、教科書体や隷書体等のように、読みやすい書体が好ましい。また、字幕22にあっては、30〜45ポイントで表示したイメージを表示させることができる。このように、字幕22の文字のポイントを大きくすることで、読みやすくなる。
【0035】
次に、静止画20の基本的な構成と加工編集について説明する。
まず、静止画20をたとえば写真としたとき、その写真を複数枚用意し、それぞれの写真を400dpi以上の解像度でスキャンして取り込む。ここで、写真は、新郎新婦の幼少時代から現在に至るまでの間のものがあればよく、20〜30枚程度用意する。これは、幼少時代から現在に至るまでの静止画20を順次切り換えて表示させるようにすることで、ストーリー性を持たせることができるからである。次いで、取り込んだ画像に対し、最大pic単位まで拡大し、その画像のキズ、汚れ、色落ち、日付等を消去する。これにより、静止画20をより美しく鮮明に表示すことができる。
【0036】
また、全ての画像に対しては、平均的な色表示を行わせるために、色補正を行う。また、いずれかの画像に対してセピア等の単一色としたい場合は、その画像に対して色加工を施す。なお、絹目写真等のように、表面に凹凸がある場合、上述したように、400dpi以上の解像度でスキャンして取り込んだ後、その取り込んだ画像に対し、最大pic単位まで拡大し、その画像の色の補正やぼかし、さらにはノイズカット等を施す。これにより、他の写真のように、鮮明に表示すことができる。
【0037】
次いで、上述したようにして加工編集した画像に対し、次にようにしてトリミングやぼかしを加える。すなわち、まずたとえばNTSC方式における解像度640dpi×480dpi全体を黒とし、その中程に上述のように加工編集した静止画20を合成して配置する。
【0038】
この場合、静止画20のサイズは、縦表示の場合に14cm×16cm程度とする。また、横表示の場合は、18cm×14cm程度とする。次いで、その静止画20の周囲に上述した囲みぼかしを加える。この場合、その静止画20の外側から内側に向けて、20pic〜40picの黒〜透明に漸次変化するようなグラデーション加工を施し、ぼかしを加える。
【0039】
以上のようにして、加工編集した画像に対し、トリミングやぼかしを加えた後、上述した映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等を、DVD規格に従ってDVD10に記録する。
【0040】
この場合、たとえば図4に示すように、背景を黒の単一色としその中程に静止画20が配置された主映像21を示す映像情報を記録し(ステップS1)、主映像21に重ねて白色で表示される字幕22が配置された副映像23を示す副映像情報を記録し(ステップS2)、副映像23の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び主映像21に重ねて表示されるサブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報を記録する(ステップS3)。また、音声情報を記録する場合には、主映像21と同期がとられるようにして記録する(ステップS4)。
【0041】
ここで、サブフレーム制御情報には、サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加されるようにすることで、字幕22をたとえば下からスクロールされるように表示させたりすることが可能となる。従って、字幕22の内容として、例えば、結婚披露宴用の場合では、新郎新婦別に列席者の名前を表示しながら、下からスクロールさせるように動的に表示させることができる。この場合、サブフレーム制御情報には、サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加されるようにすればよい。
【0042】
また、字幕22の内容としては、上述したように、幼少時代から現在に至るまでの静止画20を順次表示させる場合、それぞれの静止画20を補足するような内容とすればよい。さらに、動的制御情報には、主映像21に重ねて表示されるサブフレームの表示位置、表示サイズ及び表示形状のいずれか又は全てを動的に変化させるための情報を付加してもよい。また、これらサブフレームの表示位置、表示サイズ及び表示形状のいずれか又は全てを動的に変化させるために付加された情報は後日編集することも可能である。
【0043】
また、DVD10に記録された各種情報のデータ構造としては、図5に示すように、たとえば上述した映像情報、副映像情報、音声情報、副映像制御情報を有する構成となり、任意の時刻tにおいて多重化されるようになっている。
【0044】
なお、上述した映像情報、副映像情報及び音声情報を結婚披露宴用とする場合、新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、列席者の名前を示す内容の第2のパートと、新郎新婦からの最後のお礼と新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されているようにしてもよい。
【0045】
また、第2のパートと第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれるようにしてもよい。また、第2のパートには、新郎新婦別に列席者の名前を表示する内容、列席者の席順に列席者の名前を表示する内容、50音順に列席者の名前を表示する内容、媒酌人の名前を表示する内容、新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれるようにしてもよい。
【0046】
このように、本実施形態では、背景を黒の単一色としその中程に静止画20又は動画が配置された主映像21を示す映像情報と、主映像21に重ねて白色で表示される字幕22が配置された副映像23を示す副映像情報と、副映像23の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び主映像に重ねて表示されるサブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報と、主映像21と同期がとられた音声情報とを有し、また静止画20又は動画の周囲に白から漸次黒に変化するグラデーションを付加し、サブフレーム制御情報には、サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報を付加し、さらに映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有しているようにしたので、たとえば披露宴会場で再生して出席者に映像等を視聴してもらう際、イベント性が高められるばかりか、出席者に対して驚きを与えることができ、しかも他の披露宴との差別化を図ることができ、さらには内容にアピール性が持たされるため、商品価値を高めることができる。
【0047】
すなわち、映像情報、副映像情報、音声情報においては、たとえば新郎新婦の幼少時代から現在に至るまでを順次再生するとともに、それぞれの場面毎に、字幕22によって新郎新婦の思想や人間性等を表現するようにしたので、新郎新婦の思想や人間性等を披露宴会場内の出席者に対して分かり易く伝えることができ、出席者が新郎新婦への親近感を持ち易くなる。その結果、出席者の気持ちが結婚披露宴会場内で再生される映像等に引き込まれるため、結婚披露宴を盛り上げることが可能となる。
【0048】
しかも、DVD10には、新郎新婦の幼少時代から現在に至るまでのストーリー性を有する映像情報、副映像情報、音声情報が記録されることになり、併せて新郎新婦の思想や人間性等が旨く表現された内容となり、その内容にアピール性が持たされることになることから、商品価値が高められることになる。
【0049】
なお、本実施形態では、DVD10に上述した映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等が記録される場合について説明したが、この例に限らず、これらの情報を、CD、ビデオテープ、メモリカード、メモリステック等の他の記録媒体に記録してもよい。また、DVD10としては、上述したように、DVD−Video、DVD−R、DVD−RAM等のいずれかを用いるようにしてもよい。
【0050】
また、これらの映像情報、副映像情報、副映像制御情報、音声情報等は、アナログ方式であってもよいし、デジタル方式であってもよい。ここで、ビデオテープ等に代表されるアナログ方式の場合は、VHS方式やベータ方式のいずれであってもよい。また、デジタル方式にあっては、Windows(登録商標)パソコンの動画ファイル形式であるAVI方式、記録する映像のビットレート(画質)を固定して記録する方式であるCBR方式、動画ファイルのデータ圧縮形式であるMPEG方式、場面毎にビットレート(画質)を変化させて記録する方式であるVBR方式等を用いることができる。
【0051】
尚、本発明には以下の内容も含まれる。
(1) 背景を黒の単一色としその中程に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報と、前記主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報と、前記副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報と、前記主映像と同期がとられた音声情報とを有し、前記静止画又は動画の周囲に白から漸次黒に変化するグラデーションが付加され、前記サブフレーム制御情報には、前記サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加され、さらに前記映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有していることを特徴とする記録媒体。
(2) 前記動的制御情報は、前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示位置、表示サイズ及び表示形状のいずれか又は全てを動的に変化させるための情報を有することを特徴とする(1)に記載の記録媒体。
(3) 前記動的制御情報は、前記副映像に対して、前記サブフレーム範囲情報が指定する矩形領域を変化させることで、前記サブフレーム内における表示内容を動的に変化させるための情報を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の記録媒体。
(4) 前記映像情報、副映像情報及び音声情報は、新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、前記列席者の名前を示す内容の第2のパートと、前記新郎新婦からの最後のお礼と前記新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の記録媒体。
(5) 前記第2のパートと前記第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれることを特徴とする(4)に記載の記録媒体。
(6) 前記第2のパートには、前記新郎新婦別に前記列席者の名前を表示する内容、前記列席者の席順に前記列席者の名前を表示する内容、50音順に前記列席者の名前を表示する内容、媒酌人の名前を表示する内容、前記新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれることを特徴とする(4)又は(5)に記載の記録媒体。
(7) 背景を黒の単一色としその中程に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報と、前記主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報と、前記副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報と、前記主映像と同期がとられた音声情報とを有し、前記静止画又は動画の周囲に白から漸次黒に変化するグラデーションが付加され、前記サブフレーム制御情報には、前記サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加され、さらに前記映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有していることを特徴とするデータ構造。
(8) 前記動的制御情報は、前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示位置、表示サイズ及び表示形状のいずれか又は全てを動的に変化させるための情報を有することを特徴とする(7)に記載のデータ構造。
(9) 前記動的制御情報は、前記副映像に対して、前記サブフレーム範囲情報が指定する矩形領域を変化させることで、前記サブフレーム内における表示内容を動的に変化させるための情報を有することを特徴とする(7)又は(8)に記載のデータ構造。
(10) 前記映像情報、副映像情報及び音声情報は、新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、前記列席者の名前を示す内容の第2のパートと、前記新郎新婦からの最後のお礼と前記新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されていることを特徴とする(7)〜(9)のいずれかに記載のデータ構造。
(11) 前記第2のパートと前記第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれることを特徴とする(10)に記載のデータ構造。
(12) 前記第2のパートには、前記新郎新婦別に前記列席者の名前を表示する内容、前記列席者の席順に前記列席者の名前を表示する内容、50音順に前記列席者の名前を表示する内容、媒酌人の名前を表示する内容、前記新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれることを特徴とする(10)又は(11)に記載のデータ構造。
(13) 背景を黒の単一色としその中程に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報を記録する工程と、前記主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報を記録する工程と、前記副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報を記録する工程と、前記主映像と同期がとられた音声情報を記録する工程とを有し、前記静止画又は動画の周囲に白から漸次黒に変化するグラデーションが付加され、前記サブフレーム制御情報には、前記サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加され、さらに前記映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有していることを特徴とする情報記録方法。
(14) 前記動的制御情報は、前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示位置、表示サイズ及び表示形状のいずれか又は全てを動的に変化させるための情報を有することを特徴とする(13)に記載の情報記録方法。
(15) 前記動的制御情報は、前記副映像に対して、前記サブフレーム範囲情報が指定する矩形領域を変化させることで、前記サブフレーム内における表示内容を動的に変化させるための情報を有することを特徴とする(13)又は(14)に記載の情報記録方法。
(16) 前記映像情報、副映像情報及び音声情報は、新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、前記列席者の名前を示す内容の第2のパートと、前記新郎新婦からの最後のお礼と前記新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されていることを特徴とする請求項(10)〜(15)のいずれかに記載の情報記録方法。
(17) 前記第2のパートと前記第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれることを特徴とする(16)に記載の情報記録方法。
(18) 前記第2のパートには、前記新郎新婦別に前記列席者の名前を表示する内容、前記列席者の席順に前記列席者の名前を表示する内容、50音順に前記列席者の名前を表示する内容、媒酌人の名前を表示する内容、前記新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれることを特徴とする(16)又は(17)に記載の情報記録方法。
【産業上の利用可能性】
【0052】
結婚披露宴に限らず、出産祝、生後男31日目(女33日目)での宮詣り、生後100日又は120日目での食初め、生後初めての初節句、3・5・7歳時の七五三、数え年13歳の十三詣り、入学祝、進学祝、卒業祝、成人祝等において、所定の人物を紹介する場合に極めて有効なものとなる。
また、結婚後25年目の銀婚式、結婚後50年目の金婚式、数え年61歳での還暦の祝、数え年70歳での古稀の祝、数え年77歳での喜寿の祝、数え年88歳での米寿の祝等において、所定の人物を紹介する場合に極めて有効なものとなる。
また、受賞(賞)祝、永年勤続表彰祝、開業(店)祝、新築祝、就任祝等において、所定の人物を紹介する場合に極めて有効なものとなる。
また、葬式、お見合い、面接、自己紹介等において、所定の人物を紹介する場合に極めて有効なものとなる。
【符号の説明】
【0053】
10 DVD
20 静止画
21 主映像
22 字幕
23 副映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景を黒の単一色としその上に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報を記録する工程と、
前記主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報を記録する工程と、
前記副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報を記録する工程と、
前記主映像と同期がとられた音声情報を記録する工程とを有し、
前記サブフレーム制御情報には、前記サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加され、さらに前記映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有しており、
前記映像情報、副映像情報及び音声情報は、
新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、
前記列席者の名前を示す内容の第2のパートと、
前記新郎新婦からの最後のお礼と前記新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されている
ことを特徴とする情報記録方法。
【請求項2】
前記第2のパートと前記第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報記録方法。
【請求項3】
前記第2のパートには、
前記新郎新婦別に前記列席者の名前を表示する内容、
前記列席者の席順に前記列席者の名前を表示する内容、
50音順に前記列席者の名前を表示する内容、
媒酌人の名前を表示する内容、
前記新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録方法。
【請求項4】
前記動的制御情報により再生時に前記字幕が列席者の名前を表示しながら下からスクロールされるように表示させることを可能とした
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報記録方法。
【請求項5】
背景を黒の単一色としその上に静止画又は動画が配置された主映像を示す映像情報と、前記主映像に重ねて白色で表示される字幕が配置された副映像を示す副映像情報と、前記副映像の領域をサブフレームとして指定するサブフレーム範囲情報及び前記主映像に重ねて表示される前記サブフレームの表示を制御するサブフレーム制御情報を含む副映像制御情報と、前記主映像と同期がとられた音声情報とを記録した記録媒体を用いた情報再生方法であって、
前記サブフレーム制御情報には、前記サブフレームを動的に表示させるための動的制御情報が付加され、さらに前記映像情報、副映像情報、音声情報はストーリー性を有しており、
前記映像情報、副映像情報及び音声情報は、
新郎新婦から列席者に向けた挨拶、メッセージ、結婚宣言、列席者へのお礼を示す内容の第1のパートと、
前記列席者の名前を示す内容の第2のパートと、
前記新郎新婦からの最後のお礼と前記新郎新婦の名前を示す内容の第3のパートとから構成されている
ことを特徴とする情報再生方法。
【請求項6】
前記第2のパートと前記第3のパートとの間に、特別なメッセージや特定の人物の名前を示す内容のパートが含まれることを特徴とする請求項5に記載の情報再生方法。
【請求項7】
前記第2のパートには、
前記新郎新婦別に前記列席者の名前を表示する内容、
前記列席者の席順に前記列席者の名前を表示する内容、
50音順に前記列席者の名前を表示する内容、
媒酌人の名前を表示する内容、
前記新郎新婦の両親の名前を表示する内容のいずれかが含まれる
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の情報再生方法。
【請求項8】
前記動的制御情報により再生時に前記字幕が列席者の名前を表示しながら下からスクロールされるように表示させることを可能とした
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−295270(P2009−295270A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185417(P2009−185417)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【分割の表示】特願2004−173951(P2004−173951)の分割
【原出願日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【出願人】(504188752)株式会社ネスパ・ディディ (1)
【Fターム(参考)】