説明

情報記録装置、省電力方法

【課題】
従来の技術では、顔検知機能を搭載した情報記録装置において、顔検知機能が有効に活用されていない場合に無駄な電力が消費されており、その無駄な電力消費を少なくすることができず、使い勝手が悪かった。
【解決手段】
上記課題を解決するために、本発明では、動画を記録しているか否かの情報と、顔検知機能が有効か無効かの情報と、顔を検知しているか否かの情報とから、電力消費を抑えても支障がないと判断した場合に、電力消費を少なくするように制御する。
これにより、顔検知機能を搭載した情報記録装置において、顔検知機能の特長を損なうことなく、無駄な電力を消費することがなくなるため、使い勝手が良くて電力の消費が少ない情報記録装置を提供することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録装置および情報記録装置の省電力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「顔認識に基づいて、こまめな省電力制御を行い、こまめな節電が可能な省電力制御方法及び装置を提供する。」とあり、コンピュータ用のディスプレイの前に人がいるかをカメラで撮像した画像の中から顔が検出されたかの情報から判断し、所定時間以上顔が検出されなければ、ディスプレイの電源を切ることによって省電力制御する例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−242733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、デジタルカメラの市場では、顔認識によるアプリケーションがトレンドとなっている。例えば、顔の位置を検出して顔に合わせた露光制御やフォーカス制御を行うものや、笑顔の検出を契機に静止画を撮影するものなどがある。このようなデジタルカメラ市場での顔認識アプリケーションのトレンドは、ビデオカメラ市場にも取り入れられつつあり、元来デジタルカメラにおいて静止画を記録するための顔認識技術が、動画を記録するビデオカメラに応用・適用されてきている。ビデオカメラで顔認識を応用したアプリケーションの例としては、顔検出露光制御やフォーカス制御だけでなく、顔を始めとした画像認識によって撮影をアシストすることなどが挙げられ、前記アプリケーションを搭載したビデオカメラが登場している。このように、ビデオカメラの世界でも認識技術が差別化技術としてトレンドになってきていることがわかる。
【0005】
ところで、ビデオカメラの消費電力は従来以上に大きくなってきている。その原因の一つとしては、ビデオカメラの多機能化が挙げられる。例えば、前記顔認識の機能を実現するためには、顔認識制御部を駆動させる必要があるため、顔認識機能を搭載するビデオカメラと顔認識機能を搭載しないビデオカメラとでは、顔認識機能を搭載するビデオカメラの方が消費電力は大きくなってしまう。さらには、ビデオカメラの記録媒体が多様化し、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc(登録商標))などの光ディスクの他、HDD(Hard Disc Drive)や半導体メモリを搭載したビデオカメラや、前記記録媒体を複数搭載したハイブリッド型のビデオカメラも登場するなど、従来以上に多くの制御デバイスを搭載し、制御も複雑化しており、消費電力の増加に拍車をかけている。今後もこのような傾向は続いていくと考えられる。
【0006】
そもそもビデオカメラは、バッテリで駆動することが前提となっているため、据え置きで使用するレコーダやディスプレイなどに比べ、消費電力の削減は特に重要である。また、ユーザにとって、バッテリが長持ちするビデオカメラは使い勝手が良いものである。
【0007】
以上説明したように、ビデオカメラの多機能化に伴った消費電力の増加は無視できない問題であり、いかにして多機能化と消費電力の低下を両立するかが課題となる。ユーザにしてみれば、多機能かつ消費電力が少なくてバッテリが長持ちするビデオカメラは非常に魅力的である。しかし、従来技術では、この課題を解決することができなかった。
【0008】
そこで本発明では、ビデオカメラでも搭載が一般的となりつつある顔検知機能を用いた省電力方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本情報記録装置は、例えば、動画を記録しているか否かの情報と、顔検知機能が有効か無効かの情報と、顔を検知しているか否かの情報とから、電力消費を抑えても良いと判断した場合に、ユーザの使い勝手に支障がない範囲で電力消費を抑えるように制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、顔検知機能を搭載した情報記録装置において、顔検知機能の特長を損なうことなく、無駄な電力を消費することがなくなるため、使い勝手が良くて省電力な情報記録装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ビデオカメラのブロック図
【図2】ビデオカメラの操作部の構成例を示す図
【図3】動画記録していないときのビデオカメラのモニタ部の表示例を示す図
【図4】動画記録中のビデオカメラのモニタ部の表示例を示す図
【図5】一般的なビデオカメラにおける電源投入から動画記録開始までの処理フロー例を示す図
【図6】省電力制御機能を備えたビデオカメラにおける電源投入から動画記録開始までの処理フロー例を示す図
【図7】LCD輝度の変更による省電力制御の処理フロー例を示す図
【図8】ビデオカメラのモニタ部の輝度ごとの明るさの違いを示す図
【図9】省電力制御を実行中のモニタ部の表示例を示す図
【図10】省電力状態から復帰するときの処理フロー例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適な実施例を、以下図面を用いて説明する。
【0013】
まず、情報記録装置の例としては、光ディスクカメラ、ハードディスクカメラ、半導体メモリカメラ、ネットワーク上の外部ストレージにデータを記録するネットワークカメラ、その他静止画あるいは動画を撮影するカメラ装置が挙げられる。あるいは、音声を記録する音声記録装置が挙げられる。
【0014】
本実施例においては、情報記録装置の例として、ハードディスクを内蔵し、BD/DVDを読み書き可能な光ディスクドライブと、半導体メモリを読み書き可能な半導体メモリスロットと、ネットワーク上の外部ストレージにデータの記録が可能なネットワーク接続部とを備えたハイブリッド式デジタルビデオカメラ(以下、単にビデオカメラともいう)を用いて説明する。
【0015】
なお、本ビデオカメラは、入学式や卒業式、運動会や学芸会などの子供の学校行事、誕生会や結婚式などの祝いの行事、行楽地への旅行の他、小さな子供が居る家庭内での日常生活と言った、一般的なビデオカメラの利用シーンにおいて有効である。特に、なるべく消費電力を抑えてバッテリを長持ちさせたい状況、すなわち、家庭内ではなく、外出した先でビデオカメラを使用する場面において有効である。
【0016】
しかし、本発明は決してこれに限定されるものではなく、本発明の情報記録装置で使用可能な記録媒体を、ハードディスク、光ディスク、半導体メモリ、ネットワーク上の外部ストレージ以外のその他の記録媒体を使用しても同じ効果が得られる。また、ハイブリッド式ビデオカメラの場合、組み合わせる記録媒体の種類によって効果が限定されることはないし、一つの記録媒体のみを使用可能な(ハイブリッド式でない)ビデオカメラでも同じ効果が得られる。
【0017】
図1において、100はビデオカメラである。101はシステム制御部であり、CPU(Central Processing Unit)やメモリを持ち、システム全体を制御する。102は撮像素子であり、被写体を撮像し、撮像情報を光信号から電気信号に変換するとともに、アナログ電気信号をデジタル信号に変換する。103は映像入出力端子であり、104の映像圧縮伸張部において圧縮・伸張されたデジタル映像信号の入出力を行う。105は音声入出力端子であり、106の音声圧縮伸張部において圧縮・伸張されたデジタル音声信号の入出力を行う。107は多重/分離部であり、映像圧縮伸張部104および音声圧縮伸張部106からそれぞれ出力される映像圧縮データと音声圧縮データを多重化してストリームデータを生成し、あるいはストリームデータを映像圧縮データと音声圧縮データに分離して、それぞれのデータを映像圧縮伸張部104および音声圧縮伸張部106に入力する。
【0018】
108はハードディスクドライバ部であり、AVデータ記録時には、システム制御部101を介して多重/分離部107が生成したストリームデータや各種の情報ファイルを所定の形式でハードディスク109に書き込み、あるいはAVデータ再生時には、ハードディスク109に記録されているストリームデータや各種の情報ファイルを読み出す。111は光ディスク装填部であり、BDやDVDなどの光ディスク112について挿脱自在に装填できる。110は光ディスクドライバ部であり、AVデータ記録時には、システム制御部101を介して多重/分離部107が生成したストリームデータや各種の情報ファイルを所定の形式で光ディスク112に書き込み、あるいはAVデータ再生時には、光ディスク112に記録されているストリームデータや各種の情報ファイルを読み出す。また、113は半導体メモリドライバ部、114は半導体メモリ装填部、115はSDカードやSDHC(SD High-Capacity)カードなどの半導体メモリであり、前記光ディスクの制御と同様に、ストリームデータや各種情報ファイルを半導体メモリに読み書きする制御を担う。
【0019】
ここで、映像圧縮伸張部104、音声圧縮伸張部106、多重/分離部107、ハードディスクドライバ部108、光ディスクドライバ部110、半導体メモリドライバ部113は、回路としてハードウェア的に動作を実行する構成にしても良いし、システム制御部101にプログラムとして記憶し、ソフトウェア的に処理を実行する構成としても良い。制御の容易性や回路設計のスペース上有利になることもあるからである。ハードディスク109、光ディスク112、半導体メモリ115には、主に映像情報や音声情報といったAVデータをデジタル的に情報量圧縮したファイルや、それらのAVデータの管理情報などが記録されている。なお、本実施例では、光ディスクとしてBDやDVDを例に説明を行うが、その種類は特に限定されるものではなく、例えば、HD(High Definition)−DVDなどの他の光ディスクであっても良い。また、本実施例でハードディスクは、ビデオカメラに内蔵されている場合について説明したが、内蔵型に限定する必要はなく、着脱式でも良い。着脱式であれば、ハードディスクに記録されたデータを持ち運ぶことができるため、データを他の機器に移すことも容易である。
【0020】
116は通信部であり、通信入出力端子117を介して、情報処理装置などの他の機器との通信処理を行う。118は外部記録装置であり、例えば、ファイルサーバや、ビデオレコーダ、ホームサーバ等の記録媒体を備えた情報記録装置である。もちろん、この装置がビデオカメラであっても良く、例えば図1のビデオカメラ同士で情報を送受信することも可能である。
【0021】
119はモニタ部であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などを採用する場合が多い。モニタ部119には、記録再生装置100のメニューなどのGUI(Graphical User Interface)、または記録時には、撮像素子102で入力される映像情報、または再生時には、DVDやハードディスクから再生された映像情報などを表示する。さらには、顔検知機能を有効に設定し、かつ顔を検知していた場合、どの顔にフォーカスを当てているかを示す枠を表示する。
【0022】
120は、画像認識部であり、被写体やAVデータから特定の画像や、人物の顔や身体的な特徴や、人物の指紋や虹彩等を認識したりすることで、例えば、ビデオカメラが撮像している範囲に人物の顔があるか否かを判断する。さらには、前記認識した画像と予め登録してある画像パターンとを照合することで人物を特定することができ、例えば、運動会など、同年代の子供が複数存在する中でも、我が子の姿のみを検出して撮影することも容易となる。
【0023】
121は、操作部であり、例えば、各種ボタンやトグルスイッチ、ロータリースイッチ、スライドスイッチ等のスイッチで構成する。また、119のモニタ部にタッチパネルを供える構成を併用してもよい。この操作部121は、ビデオカメラにおける一般的な操作を行うためのボタンを含むものとし、例えば動画記録ボタンを押下することで動画記録の開始や終了を行う。また、本発明のビデオカメラでは、顔検知機能の有効と無効を切り替えるための顔検知ボタンを含む。
【0024】
電源部122は、装置を駆動するための電池や交流電源といった記録再生装置を駆動するための電源を供給する。
【0025】
図2はビデオカメラ100の備える操作部121の構成例の一つを示したものである。図2の例では、複数の記録媒体のどの記録媒体が選択されているかを示す記録媒体LED(Light Emitting Diode)200、どの記録媒体に記録するかを選択するための記録媒体選択スイッチ201、例えばBDなどビデオカメラ本体から取り出し可能な記録媒体を取り出すための記録媒体取り出しスイッチ202、選択した記録媒体への動画記録を開始または記録を停止するための動画記録ボタン203、ビデオカメラが動画記録中であるか否かを示す記録状態LED204、顔検知機能を有効にするか無効にするかを切り替えるための顔検知ボタン205から成る。ユーザは、顔検知機能を有効にするか無効にするかを顔検知ボタン205によって選択することができる。すなわち、用途や被写体に応じて、顔検知機能を有効にするか否かを選択すれば良い。例えば、人物以外の風景などを撮影したいのであれば顔検知機能を無効にし、人物を撮影したいのであれば顔検知機能を有効にすると、被写体に応じて美しい動画を記録することができる。また、人物以外を撮影するのに顔検知機能を有効にしていると、ビデオカメラは撮像している映像の中から常に顔を検出すべく動作する。すなわち、ユーザには人物を撮影しようという意思が無いにも関わらず、顔検知機能を有効にしているが故に、顔検知機能を実現するために必要となる画像認識部120をはじめとするハードウェアやハードウェアの制御ソフトウェアが動作し、無駄な電力を消費してしまうことになる。
【0026】
図3と図4は動作中のビデオカメラにおけるモニタ部119の表示例を示すものである。
【0027】
図3は、動画記録していない状態における表示例を示すものである。このとき、モニタ部119には撮像素子102が撮像している映像と、撮像中の映像にOSD(On Screen Display)として重畳した、日付や動画の記録時間や顔検知が有効か無効かなどの情報が表示されている。
【0028】
図3−aと図3−bは動画記録をしていない、かつ人物を撮像しているときの表示例を示すものである。図3−bでは、顔検知機能が有効(オン)であるため、撮像している人物の顔を検知し、人物の顔に対してフォーカスを当てていることを示す顔検知枠を表示している。一方、図3−aでは、人物の顔を撮像してはいるものの、顔検知機能が無効(オフ)であるため、顔検知枠は表示されない。このとき、図3−bはユーザの意図とビデオカメラの動作とが一致していると考えることができる。なぜなら、ユーザは顔検知機能を有効に設定し、かつ人物の顔を被写体とすることで、ビデオカメラは人物の顔をなるべく鮮明に撮影すべく動作することになるからである。一方、図3−aはユーザの意図とビデオカメラの動作とが一致していないと考えることができる。なぜなら、ユーザは顔検知機能を無効に設定しているにも関わらず、人物の顔を被写体としており、せっかくビデオカメラが顔検知機能を備えているのに、その機能を活用していないからである。もちろん、カメラの動作と消費電力の関係を知悉したユーザが、常に顔検知機能を無効にしておくことで、顔検知制御分の電力消費をわずかでも少なくしようとしているとも考えられる。しかし、せっかく顔検知機能を備えたビデオカメラを購入したのであるから、ユーザがその機能を活用せず、意図的に機能を無効に設定しているとは考え難く、何かの拍子に顔検知ボタンを押してしまったなどの事態が起きていると予想できる。このことからも、ビデオカメラの省電力制御は、なるべくユーザに意識させないように行うことが望ましいと言える。
【0029】
次に、図3−cと図3−dは動画記録をしていない、かつ人物以外の被写体を撮像しているときの表示例を示すものである。図3−cでは、顔検知機能が無効であり、撮像しているのも人物ではないため、図3−bのような顔検知枠は表示されない。図3−dでは、顔検知機能が有効であるが、撮像しているのが人物ではないため、図3−bのような顔検知枠は表示されない。このとき、図3−cはユーザの意図とビデオカメラの動作とが一致していると考えることができる。なぜなら、ユーザは顔検知機能を無効に設定し、かつ人物以外を被写体とすることで、ビデオカメラは無駄に顔検知機能を動作させず、必要最小限の電力で撮影することができるためである。
一方、図3−dはユーザの意図とビデオカメラの動作とが一致していないと考えることができる。なぜなら、ユーザは顔検知機能を有効に設定しているにも関わらず、人物以外を被写体としていることから、ビデオカメラは顔検知機能によって撮像している映像の中から常に人物の顔を検出すべく動作してしまい、無駄に電力を消費しているためである。このようなケースは、例えば、ビデオカメラの電源を入れたまま、ユーザが諸事情によってビデオカメラを放置してしまうことなどで起こり得る。このように、人物以外の映像を撮影するのであれば顔検知機能は無効にすべきであるが、ユーザの立場からすると、顔検知を有効にすることで電力消費が大きくなることには考えが至らない可能性が高い。そのため、ユーザは被写体が人物か否かによらず、常に顔検知機能を有効にして無駄な電力を消費してしまっていることも考えられる。
【0030】
以上より、例えば、撮像しているのが人物以外であり、かつ顔検知機能が有効に設定されている場合など、無駄に電力が消費されていると考えられる場合には、ユーザの手を煩わすことなく、ビデオカメラが自動的に電力消費を少なくするように制御すると非常に使い勝手が良い。そこで、このような場合には、消費電力を少なくするための様々な手段が考えられる。特に、ビデオカメラの電源が投入されているが動画記録をしていない状態では、ユーザの操作に大きな影響を与えることがないため、消費電力を少なくするための手段を適用し易い。
【0031】
図4は、動画記録中のモニタ部119の表示例を示すものである。図4−aは図3−a、図4−bは図3−b、図4−cは図3−c、図4−dは図3−dに、それぞれ対応しており、画面右上のOSD表示が動画記録中であることを示している。顔検知機能が有効なときに顔を検知すれば顔検知枠を表示するのは、動画記録中でも動画記録していないときでも同じである。また、図4−aや図4−dは、図3−aと図3−dと同様に無駄な電力を消費しており、電力消費を少なくするために何らかの手段を講じるべきであるが、その手段は動画記録していないときと比べて適用し難いと言える。なぜならば、動画記録中は、動画記録していないときと比べ、動画記録ボタン203が押下されたという、ユーザの意思による操作がなされているためである。そのため、無駄な電力を消費する状況にあるのは、ユーザの意図ではなく、何らかの事情によってユーザの意図と反することになったと考えられる。その一例として、図4−dのように顔検知機能が有効にも関わらず人物以外を被写体にしていた場合に、動画記録開始時には人物の顔を被写体としていたが、途中で人物がフレームアウトしてしまったとことが考えられる。
【0032】
以上より、顔検知機能を搭載したビデオカメラの特長を活かしつつ、無駄な消費電力を少なくするためには、顔検知が有効か無効か、顔を検知しているか検知していないかだけでなく、動画記録中か否かという情報を組み合わせて制御すると良い。
【0033】
図5は一般的なビデオカメラにおける電源投入後から動画記録開始までのシーケンスを示したものである。
【0034】
まず、ステップS500においてビデオカメラが備える各種デバイスの初期化処理を行う。ステップS501では、顔検知機能が有効か無効かを判断する。ステップS501の判断には、例えば、システム制御部101が備えるRAM(Random Access Memory)に顔検知機能が有効か無効かの設定情報を記憶しておき、前記設定情報を読み出せば良い。処理時間短縮や、制御性向上につながるからである。ステップS501の判断の結果、顔検知機能が有効に設定されていた場合にはステップS502に進み、顔検知機能を動作させるのに必要となるデバイスを初期化する。ここで初期化するデバイスは、例えば、図1の画像認識部120などである。なお、ここでは説明を簡単化するためにステップS500とステップS502を分離したが、ステップS500においてステップS502の顔検知デバイス初期化処理を行っても問題ない。処理時間短縮や、制御性向上につながるからである。次に、ステップS503で顔検知動作を開始し、撮像している映像の中から人物の顔を検出する処理を実行する。この処理は一度で終わるものではなく、顔検知機能が有効に設定されている間は、絶えず撮像した映像が入力され続けるため、その中から人物の顔を検知する処理を続ける。次に、ステップS504では動画記録中か否かの判断を行う。動画記録を開始したか否かの情報は、RAMなどに記憶しておけば良い。なお、前記動画記録を開始したか否かの情報は、例えば、ユーザが図2の動画記録ボタン203を操作して動画記録を開始したときや停止したときに更新すれば良い。また、ステップS504は、ステップS501にて顔検知が無効であると判断されたときにも実行される。ステップS504で動画記録中でないと判断したときには、動画記録ボタンが押下されるまでステップS505には進まない。この間、顔検知機能が有効な場合には、撮像している映像の中から人物の顔を検出し続けている。このときのビデオカメラのモニタ部119の表示例が、図3−bや図3−dである。一方、動画記録ボタンが押下されておらず、顔検知機能が無効であるときの表示例が図3−aや図3−cである。動画記録ボタンが押下されたならば、ステップS505に進み、動画記録処理を開始する。動画記録を開始したときのビデオカメラのモニタ部119の表示例は、図4−aから図4−dに示した通りである。以上、示した通り、一般的なビデオカメラにおける電源投入後から動画記録開始までのシーケンスでは、顔検知機能の特長を活かしつつ、無駄な電力の消費を少なくする制御を行うことができない。
【0035】
そこで図6に、本発明のビデオカメラにおいて、顔検知機能の特長を活かしつつ、無駄な消費電力を少なくするための制御を追加した、電源投入後から動画記録開始までのシーケンスの一例を示す。図6の処理シーケンスは、図5に示したシーケンスに対して、ステップS600からステップS603を追加したものである。そのため、すでに図5で説明した各ステップの処理内容の詳細説明は省略する。
【0036】
ステップS502で顔検知機能を動作させるのに必要となるデバイスの初期化完了後、ステップS503で顔検知機能を実際に動作させる前に、ステップS600にて顔検知フラグをオンにする。前記顔検知フラグとは、例えば、0がオフ、1がオンと定義したビット情報などであれば良く、システム制御部101が備えるRAMなどに記憶しておけば良い。なお、図示していないが、前記顔検知フラグは初期化時に、一旦オフに設定されているものとする。そのため、ステップS501において顔検知が無効と判断された場合には、特にフラグの設定を変更する必要はない。もちろん、予めフラグをオンにしておいても問題なく、その場合は、顔検知機能が有効なときにはフラグの設定は変更せず、顔検知機能が無効なときにはフラグの設定をオフに変更すれば良い。ステップS600で顔検知フラグの設定が済んだら、ステップS503、ステップS504へと進む。ステップS504では動画記録中か否かの判断を行い、動画記録中であれば、特に省電力制御は行わず、ステップS505に進んで動画記録処理を開始する。一方、動画記録中でないと判断した場合には、ステップS601に進む。ステップS601では、顔検知フラグの状態を確認する。ここで確認する顔検知フラグは、ステップS600において設定したフラグ情報である。すなわち、例えばシステム制御部101が備えるRAMなどから顔検知フラグを読み出し、フラグがオンであれば顔検知機能が有効であり、フラグがオフであれば顔検知機能が無効に設定されていると判断する。ここで、顔検知フラグがオンであると判断した場合、すなわち顔検知機能が有効に設定されていた場合は、ステップS602に進む。
【0037】
ステップS602では、ビデオカメラが撮像している映像の中から顔を検知しているか否かを判断する。ステップS602は、顔検知機能が有効に設定されているときに実行されるステップである。しかし、顔検知機能が有効であっても、必ずしも人物の顔を検知しているとは限らない。例えば、図3−dに示すように、人物以外の被写体を撮像している場合もある。このときは、ステップS603に進む。一方、人物を被写体としていた場合には、例えば、3−bのように人物の顔に顔検知枠が表示される。この場合、ステップS602では顔検知中と判断し、再度ステップS504にて動画記録中か否かを判断する。ステップS603では、消費電力を少なくするための省電力制御を行う。ここまで示してきたように、ステップS603は、動画記録中ではなく、かつ顔検知機能が有効に設定されており、かつ人物の顔を検知していない場合に実行される。すなわち、ユーザの設定は顔検知機能が有効になっているにも関わらず、カメラの動作としては人物の顔以外のものを撮像していることから、両者が不一致となっている。このとき、多くのユーザは意識していないが、実際にビデオカメラの動作としては人物の顔を検知すべく動作していることから、ユーザの意図しないところで無駄な電力を消費してしまっていることになる。また、動画記録中でないことから、消費電力を少なくするような制御を実行しやすい状況でもある。なぜならば、ビデオカメラの本来の目的は動画を記録することにあるため、動画記録中に省電力を目的とした機能の簡略化等を行うのは好ましくないが、動画記録中でなければ、機能の簡略化等を行ってもユーザに不便を感じさせることが少ないためである。そこで、本発明では、例えば図7に示すような、消費電力を少なくするための制御を実行する。
【0038】
図7は、図6のステップS603に示した、省電力制御の詳細な制御フローの一例を示したものである。
【0039】
ここで、LCDの特徴として、輝度が高いほど消費電力が大きくなり、輝度が低いほど消費電力が小さくなるということがある。そこで、図7は、LCDの輝度を低減することで消費電力を少なくするようにしたものである。また、前提として、本発明のビデオカメラではLCDの輝度を自由に変更可能な機能を備えているものとする。LCDの輝度は、ユーザの好みやビデオカメラを使用する際の周囲の環境に応じて変更すると使い勝手が良く、メニュー画面などから変更することができたり、本発明のように状況に応じて自動的に変更するように制御することもできる。さらに、LCDの輝度は、いくつかのレベルを設定できるようにすると良い。図8には、LCDの輝度レベルの変更例を示す。図8−aは輝度が最も高い状態(レベル2)、図8−bは図8−aに対して輝度を半分にした状態(レベル1)、図8−cはLCDを消灯した状態(レベル0)である。本実施例では、図8のようにLCDの輝度を3段階に変更可能であることとして説明する。まず、省電力制御を開始すると、ステップS700において、現在のLCD輝度がどのレベルに設定されているかの情報を取得する。このLCD輝度設定値は、LCD輝度を変更した際にビデオカメラが記憶しておく情報であり、例えばシステム制御部101が備えるRAMなどに記憶されている。次に、ステップS701では、省電力制御をするにあたり、LCDの輝度をどのレベルまで下げるかという情報を取得する。このLCD輝度低減情報は、ユーザが好みに応じてメニュー画面等から設定可能な情報であり、例えばシステム制御部101が備えるRAMなどに記憶されている。消費電力を低減したいが使い勝手も維持したい場合にはレベル1、使い勝手は悪くなるが消費電力を大きく低減したい場合にはレベル0にまでLCD輝度を低減するように設定しておくと良い。本実施例では、LCD輝度設定値がレベル2、LCD輝度低減情報がレベル1であるとして説明する。ステップS702では、前記LCD輝度設定値と前記LCD輝度低減情報とを比較し、両者が一致した場合には消費電力を低減する余地はないとして処理を終了し、両者が不一致の場合には消費電力を低減する余地があるとしてステップS703に進む。ステップS703では、LCD輝度設定値をLCD輝度低減情報に指定された値に変更する。ここでは、LCD輝度設定値がレベル2、LCD輝度低減情報がレベル1であるため、LCD輝度設定値をレベル2からレベル1へと変更する。すなわち、LCDの輝度を半分にして消費電力を低減する。その後、ステップS704に進み、システム制御部101のRAMなどに記憶しているLCD輝度設定値をレベル2からレベル1へと更新して処理を終了する。なお、図6から分かるように、本処理は繰り返し実行される可能性があるが、一度ステップS703においてLCD輝度設定値とLCD輝度低減情報とを等しくすれば、次回はステップS702においてLCD輝度設定値とLCD輝度低減情報とが等しいと判定され、ステップS703には進まないため、何度も輝度を低減するようなことは起こらない。
【0040】
以上、述べた通り、図7の処理フローによってLCD輝度のレベルを下げることにより、ビデオカメラの消費電力のうちLCD点灯に消費される電力を少なくすることができる。この例よりも、さらに消費電力を少なくしたい場合には、ステップS701で取得するLCD輝度低減情報をレベル0にしておけば良い。このように設定することで、LCD輝度をレベル2からレベル0へと2段階下げることができ、レベル1に下げたときに比べ、さらに消費電力を低減することができる。このとき、どのレベルにまで下げるかは、ユーザが自身の好みに応じてLCD輝度低減情報を設定すれば良い。
【0041】
図9は本実施例を適用したときのLCDの表示例を示したものである。図9−aは、動画記録中でない、かつ顔検知機能が有効である、かつ人物の顔を検知中でないため、LCDの輝度をレベル1に下げて電力消費を低減している状態である。なお、図中には示していないが、自動的に消費電力を低減する制御を行ったときには、その旨を示すOSD、例えば「省電力中」などを示すメッセージやアイコンなどを表示すると、さらに使い勝手が良い。なお、レベル1に低減したときにはLCDにOSDを表示すれば省電力中であると視認できるが、レベル0ではLCDがオフのため視認できない。そのため、こちらも図示しないが、図2の操作部や図3等で示したLCDの外枠部にLED等を設置し、省電力中に点灯や点滅させることで省電力中であることを示すようにしても良い。さらには、前述の通り、省電力状態におけるLCDへのOSD表示はユーザが視認しにくいため、省電力状態に遷移する前にユーザへの通知を行うようにすると良い。例えば、省電力状態に遷移するための条件が整ったら、省電力状態に遷移する前にLCDに「省電力状態に移行します」などのメッセージを表示するなどしてユーザに通知を行い、その後でLCDの輝度を低減するなどの省電力制御を行えば良い。また、省電力状態から復帰する際にも、「省電力状態から復帰します」などのメッセージをLCDに表示すると使い勝手が良い。このときにも、LCDの輝度を考慮し、LCDの輝度を復帰させてからLCDにメッセージを表示すると、ユーザにとっては視認し易い。もちろん、ユーザへの通知方法は、これだけに限定されず、例えば音声などによるガイダンスを行っても同様の効果が得られる。
図9−bは、図9−aからさらに電力消費を低減するため、LCD輝度をレベル0とした状態である。LCDを消灯した状態となるため、撮像中の映像はもちろん、OSD等も表示されない。そのため、図9−aと比べて電力消費の低減効果は大きいが、使い勝手が悪くなる。図9−cは、動画記録中でない、かつ顔検知機能が有効である、かつ人物の顔を検知中であることから、ユーザの意図とビデオカメラの動作とが一致しているため、省電力制御を行わずLCD輝度をレベル2のままにしている状態である。図9−dは、顔検知機能が有効である、かつ人物の顔を検知中でないが、動画記録中であることから、省電力制御によってLCD輝度を下げてしまうと使い勝手が悪くなるため、省電力制御を行わずLCD輝度をレベル2のままにしている状態である。
【0042】
以上、述べた手段により、無駄な電力の消費を低減することができる。しかし、図6〜図9で示した制御フローは省電力制御を実現する手段の一つの例であり、これに限定されるものではなく、様々な変化形が考えられる。
【0043】
例えば、前述のLCDの輝度レベルを下げることによって消費電力を低減する方法としては、ビデオカメラのバッテリ残量情報を参照することが考えられる。すなわち、動画記録中でない、かつ顔検知機能が有効である、かつ人物の顔を検知中でないときに、単純にLCD輝度低減情報の値に変更するのではなく、ビデオカメラのバッテリ残量情報を参照してバッテリ残量が閾値より大きい場合にはLCD輝度をレベル1にし、閾値よりも小さい場合にはLCD輝度をレベル0にするようにしても良い。さらには、動画記録中でない、かつ顔検知機能が有効である、かつ顔検知中でない時間が一定時間経過する度にLCDの輝度レベルを下げる、すなわち時間経過に応じてレベル2からレベル1、レベル1からレベル0へと徐々に低減して行くようにしても良い。なお、省電力状態から復帰するときには、時間経過を監視するためのタイマをリセットする。このリセット処理は、一旦省電力状態から復帰した後、再び時間経過による省電力制御を正しく実行するために必須となる。仮にタイマをリセットしなかった場合、タイマには動画記録中でない、かつ顔検知機能が有効である、かつ顔検知中でない時間が加算され続け、動画記録中でない、かつ顔検知機能が有効である、かつ顔検知中でない条件を満たせば、一定時間の経過を待たず、すぐに省電力状態に遷移してしまう。
【0044】
また、LCDの輝度を下げる以外の手段で消費電力の低減を図っても良い。例えば、各メディアの制御ドライバ部や装填部をディセーブル状態にしたり、スリープ状態にしたりすることで消費電力の低減を図っても良い。この手段では、省電力状態において、ユーザが動画記録を開始しようとした場合、前記メディア制御のハードウェアを起動してからでないと記録が開始できないため、動画記録開始までに時間がかかってしまうという短所がある。そのため、使い勝手と消費電力の低減とどちらを優先するかをユーザに選択させるようにしておくと良い。
【0045】
ここまでは消費電力を低減する方法について述べたが、以下では、省電力状態から復帰するときのビデオカメラの動作について説明する。その一つの例として、動画記録中でない、かつ顔検知機能が有効である、かつ人物の顔を検知中でないときに、LCDの輝度をレベル1に下げて電力消費を低減している状態からの復帰処理について、図10を用いて説明する。図10では、人物の顔を検知したことを契機に省電力状態から復帰する例を示す。まずステップS1000では、顔検知中であるか否かを調査する。顔検知中でなければ、省電力状態からの復帰処理は行わず、再度ステップS1000を繰り返す。ここで、ステップS1000で人物の顔を検知したならば、省電力状態から復帰するためステップS1001に進む。ステップS1001では、省電力制御によってレベルを0または1に低減していたLCD輝度レベルをレベル2に設定する。これにより、省電力状態が終了することとなり、LCDの輝度が高くなる。次に、ステップS1002において、ステップS1000で検知した人物の顔の周囲に顔検知枠を描画する。なお、ステップS1001とステップS1002の処理順序は入れ替わっても問題ない。さらに、ステップS1003ではRAMなどに記憶しているLCD輝度設定値を更新する。本例では、LCD輝度設定値をステップS1001で設定した輝度レベル2に更新して処理を終了する。以上の処理を終えた時点におけるLCDの表示例は、図9−cに示す通りであり、LCD輝度が高くなるとともに、検知した人物の顔の周囲に顔検知枠が表示されている。これは、顔検知機能が有効であり、かつ人物の顔を検知していることから、ユーザの意図とビデオカメラの動作とが一致している状態である。
【0046】
また、図10のように顔を検知したら省電力状態から復帰するだけでなく、例えば、動画記録ボタンが押下されたら省電力状態から復帰するようにしても良い。この場合、例えば、図10のステップS1000と同様に動画記録ボタンが押下されているか否かを判断し、動画記録ボタンが押下されたならば、省電力状態から復帰してLCD輝度レベルを高くするとともに、動画記録を開始するように制御すれば良い。もちろん、省電力状態から復帰するための条件として、顔を検知したときと、動画記録ボタンが押下されたときと、どちらか一方を備えても良いし、両方を備えていても良い。また、ステップS1001では省電力状態から復帰するにあたり、即座にLCD輝度をレベル0またはレベル1からレベル2へと設定し直した例を示したが、これに限らず、輝度レベルを1つだけ上げるようにしても良い。この場合、LCD輝度設定値を取得し、レベル0ならばレベル1へ、レベル1ならばレベル2へと変更すれば良い。さらには、省電力制御を開始する際にLCD輝度がレベル幾つに設定されていたかを記憶しておき、省電力状態から復帰する際に、前記記憶しておいた情報を読み出し、読み出したLCD輝度レベルに設定し直すように制御しても良い。なお、さらに簡単な構成にするには、省電力状態から復帰するための専用のスイッチを備え、該スイッチが押下されたら即座に省電力状態から復帰すれば良い。
【0047】
さらには、省電力制御の手段として、LCD輝度を低減する以外の手段を適用していた場合、例えば、あるハードウェアをスリープ状態にしていた場合には、前記スリープ状態のハードウェアをアクティブにする制御を行うことが省電力状態からの復帰処理となる。
【0048】
なお、多くのビデオカメラでは、動画だけでなく静止画を記録することも可能である。本実施例では、動画記録する場合を例としてきたが、静止画記録する場合にも同様に適用可能である。その際には、例えば、動画記録モードか静止画記録モードかを判断して制御の方法を変更し、モードに応じて最適な省電力制御を行うようにすると、さらに使い勝手が良い。例えば、動画記録モードでは動画記録ボタンが押下されたことを契機に省電力状態から復帰することが考えられるが、静止画記録モードでは、動画記録ボタンではなく、シャッタボタンが押下された、もしくは半押しされたことなどを契機として制御するようにしても良い。もちろん、省電力制御から復帰するための専用のボタンを備えるようにし、動画記録モードでも静止画記録モードでも、該省電力制御からの復帰ボタンを押下することで、即座に省電力制御を行う前の状態に復帰するようにしても良い。
【0049】
以上、述べたように、本発明のビデオカメラでは、動画を記録しているか否かの情報と、顔検知機能が有効か無効かの情報と、顔を検知しているか否かの情報とから、電力消費を抑えても支障がないと判断した場合に、電力消費を抑えるように制御することができるため、非常に使い勝手が良い。具体的には、動画記録中でない、かつ顔検知機能を有効にしているが顔検知していない状態であれば、ユーザがすぐには撮影を開始する状況になく、また、ユーザが電源を入れたままビデオカメラを放置してしまったなどの誤操作である可能性が高いことから、ビデオカメラの種々のデバイスについて電力消費を少なくするように制御することで、顔検知機能を搭載したビデオカメラの省電力化を実現する技術に関する好適な実施例を説明した。
【符号の説明】
【0050】
100…ビデオカメラ、101…システム制御部、102…撮像素子、103…映像入出力端子、104…映像圧縮伸張部、105…音声入出力端子、106…音声圧縮伸張部、107…多重/分離部、108…ハードディスクドライバ部、109…ハードディスク、110…光ディスクドライバ部、111…光ディスク装填部、112…光ディスク、113…半導体メモリドライバ部、114…半導体メモリ装填部、115…半導体メモリ、116…通信部、117…通信入出力端子、118…外部記憶媒体、119…モニタ部、120…画像認識部、121…操作部、122…電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサから取得される情報を記録する情報記録装置であって、
前記センサから取得した情報の中から人物の顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段の制御を有効にするか無効にするかの設定を切替える顔検出切替え手段と、
前記顔検出切替え手段によって設定された顔検出の有効か無効かの情報を取得する顔検出設定情報取得手段と、
顔検出が有効なときに顔を検出しているか否かを監視する顔検出監視手段と、
省電力制御を行う省電力制御手段と、
前記センサから入力される情報を記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録手段によって情報の記録が行われているか否かを監視する記録監視手段と、
情報記録装置を制御するのに必要な情報を記憶しておく記憶手段と、
前記各構成を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、顔検出設定情報取得手段から顔検出手段の制御が有効であり、
かつ、前記顔検出監視手段から人物の顔を顔検出しておらず、
かつ、前記記録監視手段から情報の記録が行われていないと判断した場合には、
前記省電力制御手段によって、情報記録装置の消費電力を低減するように制御することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記録装置であって、
前記省電力制御手段によって低減される消費電力は、
供給する電力を少なくしてもユーザの使い勝手や情報記録装置の動作に支障がない各手段に供給される電力であることを特徴とする情報記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報記録装置であって、
センサから入力された情報やOSDなどの情報を表示するための表示手段を備え、
前記省電力制御手段によって低減される消費電力は、前記表示手段に供給される電力であることを特徴とする情報記録装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の情報記録装置であって、
前記省電力制御手段によって低減する消費電力の量から決定した省電力レベルを設定する省電力レベル設定手段を備え、
前記省電力制御手段は、前記省電力レベル設定手段によって設定された情報に基づいて省電力制御を行うことを特徴とする情報記録装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の情報記録装置であって、
ユーザが省電力制御方法を設定するための省電力制御方法設定手段を備え、
前記省電力制御手段によって省電力制御を行うか否かと、
前記省電力制御手段によってどの手段に供給する電力を低減するかと、
前記省電力レベル設定手段によって省電力レベルをいくつに設定するかは、前記省電力制御方法設定手段によって、ユーザが設定した情報に基づいて決定することを特徴とする情報記録装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報記録装置であって、
設定した省電力レベルを前記記憶手段に記憶しておく省電力レベル記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した省電力レベルの設定情報を取得する省電力レベル設定情報取得手段と、
現在の省電力レベルを取得する現在の省電力レベル取得手段とを備え、
省電力制御を行う際には、前記省電力レベル設定情報取得手段によって取得した前記記憶手段に記憶した省電力レベル設定情報と、前記現在の省電力レベル取得手段によって取得した現在の省電力レベルとを比較し、
両者が不一致であった場合に、現在の省電力レベルが省電力レベル設定情報と等しくなるように制御することを特徴とする情報記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報記録装置であって、
現在の省電力レベルを変更した場合には、前記記憶手段に記憶した現在の省電力レベル情報を更新することを特徴とする情報記録装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか一項に記載の情報記録装置であって、
省電力状態から省電力制御を開始する前の状態に復帰するための電力復帰手段を備え、
省電力状態において、前記顔検出監視手段が人物の顔を検出したならば、
前記電力復帰手段によって省電力状態から復帰することを特徴とする情報記録装置。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれか一項に記載の情報記録装置であって、
省電力状態において、記録監視手段が記録開始したことを検出したならば、
前記電力復帰手段によって省電力状態から復帰することを特徴とする情報記録装置。
【請求項10】
請求項1ないし9いずれか一項に記載の情報記録装置であって、
バッテリ残量を監視するバッテリ残量監視手段と、
バッテリ残量の閾値を設定するバッテリ残量閾値設定手段とを備え、
前記制御手段は、前記バッテリ残量監視手段によって監視していたバッテリ残量と、前記バッテリ残量閾値設定手段によって設定された閾値とを比較し、前記比較結果に応じて、前記省電力制御手段による省電力制御の方法を決定することを特徴とする情報記録装置。
【請求項11】
請求項1ないし10いずれか一項に記載の情報記録装置であって、
時間の経過を管理する時間経過管理手段と、
経過時間に応じて省電力制御を変更するための経過時間閾値設定手段とを備え、
前記制御手段は、
前記時間経過手段によって、
顔検出設定情報取得手段から顔検出手段の制御が有効であり、
かつ、前記顔検出監視手段から人物の顔を顔検出しておらず、
かつ、前記記録監視手段から情報の記録が行われていない状態が、前記経過時間閾値設定手段によって設定された閾値よりも大きくなった場合に、前記省電力制御手段によって省電力制御を行うことを特徴とする情報記録装置。
【請求項12】
請求項1ないし11いずれか一項に記載の情報記録装置であって、
前記省電力制御手段によって省電力状態にしている間は、前記表示手段に省電力中である旨をユーザに知らせる情報を表示することを特徴とする情報記録装置。
【請求項13】
センサから取得される情報を記録媒体に記録する情報記録装置の省電力方法であって、
前記センサから取得した情報の中から人物の顔を検出する顔検出ステップと、
前記顔検ステップの制御を有効にするか無効にするかの設定を切替える顔検出切替えステップと、
前記顔検出切替えステップによって設定された顔検出の有効か無効かの情報を取得する顔検出設定情報取得ステップと、
顔検出が有効なときに顔を検出しているか否かを監視する顔検出監視ステップと、
前記センサから入力される情報を記録媒体に記録する記録ステップと、
前記記録手段によって情報の記録が行われているか否かを監視する記録監視ステップと、
前記顔検出ステップの制御が有効であり、
かつ、前記人物の顔を顔検出しておらず、
かつ、前記情報の記録が行われていないと判断した場合には、
前記情報記録装置の消費電力を低減するように制御するステップとを有することを特徴とする省電力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−272998(P2010−272998A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121532(P2009−121532)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】