説明

情報連動表示装置、その制御プログラムおよび集積回路

【課題】コンテンツが持つ情報の可視化を行ない、視認性を向上させる。
【解決手段】時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の前記時系列情報と前記空間情報とを連動させて表示する情報連動表示装置であって、時系列情報と空間情報との同期情報を格納する同期情報格納部104と、ユーザからの入力を受け付けて入力信号を出力するタッチパネル100と、入力信号および同期情報に基づいて、時系列情報および空間情報を連動させてディスプレイ102に表示する時系列情報表示部105および空間情報表示部106と、を備え、入力信号に基づいて、ディスプレイ102に表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更してディスプレイ102に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の時系列情報と空間情報とを連動させて表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多種多様なコンテンツの閲覧方法が提供されている。例えば、録画コンテンツのリスト表示することによって視認性を向上させた動画選択方法、本棚を摸した画面に電子書籍を表示し、現実の本の選択と同じような手順で書籍を閲覧できる書籍閲覧方法、利用者の日常の行動を写真や映像などで記録したライフログ情報を表示する閲覧サービス、さらに、利用者が撮影した写真を地図上に表示するマッシュアップサービスなどが提供されている。
【0003】
また、例えば、特許文献1には、ユーザが、画面をスクロールして、希望する項目を検索する際に、注目表象画像についての説明情報を表示するだけでなく、スクロールされる他の複数の表象画像についての説明情報をも表示する技術が開示されている。この特許文献1では、コンテンツを表示する際に、スクロール時に該当コンテンツの説明表示よりも少ない説明項目数と強調表示、全体位置バーの表示、グループ分け表示を行ない、コンテンツを迅速に検索するGUIが提案されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、地理上の特定の場所を一シーンとして含むコンテンツを地図情報と関連づけるために、シーンと位置とを対応づけるマーキング方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4123382号明細書
【特許文献2】特開2008−146232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、コンテンツの表示順序に関し、放送事業者が定めた順番や、ジャンル毎の録画日時順でのみ表示できるに過ぎない。この技術では、コンテンツが持つチャンネル情報、ジャンル情報、録画日時情報のうち、時間情報という一つの情報のみに着目して、ジャンル毎に時系列順の表示を行なっている。このため、この技術では、例えば、スポーツと音楽といったジャンル間の意味空間上の位置関係は考慮されず、視認性の向上のためには積極的に利用されていない。
【0007】
また、特許文献2に開示された技術では、地図上の関連する場所にコンテンツの一シーンを数字と共に表示することはできるが、どのような経路を辿ってきたのかを時系列で表示することはできない。この技術では、コンテンツが持つ位置情報(シーンに含まれる地理情報)を利用する場合は、位置情報という一つの情報のみに着目して、該当位置にコンテンツを貼り付けるという表示を行なっている。このため、例えば、コンテンツのシーンの時系列情報(各シーンの時間的順序)は考慮されず、視認性の向上のためには、積極的に利用されていない。これらのような従来技術では、コンテンツが持つ時間情報や空間情報(地理上の位置情報や意味上の位置関係)を有効に利用して、視認性を向上させるために表示方法を改良しているとは言えない。
【0008】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、コンテンツが持つ情報の可視化を行ない、視認性を向上させることができる情報連動表示装置、その制御プログラムおよび集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の情報連動表示装置は、時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の前記時系列情報と前記空間情報とを連動させて表示する情報連動表示装置であって、前記時系列情報と前記空間情報との同期情報を格納する同期情報格納部と、ユーザからの入力を受け付けて入力信号を出力する入力部と、前記入力信号および前記同期情報に基づいて、前記時系列情報および前記空間情報を連動させてディスプレイに表示する表示制御部と、を備え、前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0010】
このように、入力信号に基づいて、ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更してディスプレイに表示するので、情報の視覚化を複数の視点から行なうことができ、視認性を高めることが可能となる。また、時系列情報と空間情報とを同時に表示することができると共に、表示された情報の時間的変化と空間的変化の視認性を高めることが可能となる。その結果、ユーザに対して、情報を容易に把握させることが可能となる。
【0011】
(2)また、本発明の情報連動表示装置において、前記表示制御部は、前記時系列情報の変更に対応した表示ルールを定める第1のテーブルと、前記空間情報の変更に対応した表示ルールを定める第2のテーブルと、を備え、前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0012】
このように、時系列情報の変更に対応した表示ルールを定める第1のテーブルと、前記空間情報の変更に対応した表示ルールを定める第2のテーブルと、を備えるので、処理の簡略化と処理速度の向上が図られると共に、情報の視覚化を複数の視点から行なうことができ、視認性を高めることが可能となる。
【0013】
(3)また、本発明の情報連動表示装置において、前記表示制御部は、前記電子機器毎に、前記電子機器を特定する情報、前記電子機器の空間情報、前記電子機器のステータスを示す情報および前記電子機器の稼働状況を時系列的に示す情報から構成される第3のテーブルを備えることを特徴とする。
【0014】
このように、電子機器毎に、電子機器を特定する情報、電子機器の空間情報、電子機器のステータスを示す情報および電子機器の稼働状況を時系列的に示す情報から構成される第3のテーブルを備えるので、処理の簡略化と処理速度の向上が図られると共に、情報の視覚化を複数の視点から行なうことができ、視認性を高めることが可能となる。
【0015】
(4)また、本発明の情報連動表示装置の制御プログラムは、時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の前記時系列情報と前記空間情報とを連動させて表示する情報連動表示装置の制御プログラムであって、前記時系列情報と前記空間情報との同期情報を格納する処理と、ユーザからの入力を受け付けて入力信号を出力する処理と、前記入力信号および前記同期情報に基づいて、前記時系列情報および前記空間情報を連動させてディスプレイに表示する処理と、前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示する処理と、の一連の処理を、コンピュータに読み取り可能および実行可能にコマンド化したことを特徴とする。
【0016】
このように、入力信号に基づいて、ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更してディスプレイに表示するので、情報の視覚化を複数の視点から行なうことができ、視認性を高めることが可能となる。また、時系列情報と空間情報とを同時に表示することができると共に、表示された情報の時間的変化と空間的変化の視認性を高めることが可能となる。その結果、ユーザに対して、情報を容易に把握させることが可能となる。
【0017】
(5)また、本発明の集積回路は、情報連動表示装置に実装されることにより、前記情報連動表示装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の前記時系列情報と前記空間情報とを連動させて表示する機能と、前記時系列情報と前記空間情報との同期情報を格納する機能と、ユーザからの入力を受け付けて入力信号を出力する機能と、前記入力信号および前記同期情報に基づいて、前記時系列情報および前記空間情報を連動させてディスプレイに表示する機能と、前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示する機能と、の一連の機能を、前記情報連動表示装置に発揮させることを特徴とする。
【0018】
このように、入力信号に基づいて、ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更してディスプレイに表示するので、情報の視覚化を複数の視点から行なうことができ、視認性を高めることが可能となる。また、時系列情報と空間情報とを同時に表示することができると共に、表示された情報の時間的変化と空間的変化の視認性を高めることが可能となる。その結果、ユーザに対して、情報を容易に把握させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、入力信号に基づいて、ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更してディスプレイに表示するので、情報の視覚化を複数の視点から行なうことができ、視認性を高めることが可能となる。また、時系列情報と空間情報とを同時に表示することができると共に、表示された情報の時間的変化と空間的変化の視認性を高めることが可能となる。その結果、ユーザに対して、情報を容易に把握させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る情報連動表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る時系列情報表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る空間情報表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態において、家電機器エネルギーモニター用のフォーマットを示す図である。
【図5】本発明の実施形態において、電子書籍用のフォーマットを示す図である。
【図6】本発明の実施形態において、SNS/電子メール用のフォーマットを示す図である。
【図7】本発明の実施形態において、家電機器エネルギーモニター画面(時刻移動前)の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態において、家電機器エネルギーモニター画面(時刻移動後)の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態において、家電機器エネルギーモニター用時系列情報操作・表示ルールの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態において、家電機器エネルギーモニター用空間情報操作・表示ルールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る情報連動表示装置は、(1)時系列情報と空間情報を同時に連動させて表示する、(2)時系列情報を操作(変更)した場合、空間情報の表示を変更する、(3)空間情報を操作(変更)した場合、時系列情報の表示を変更する、という特徴を有する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る情報連動表示装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、タッチパネル100からの信号はCPU103により、同期情報格納部104の同期情報により、時系列情報表示部105で時系列情報の表示が行なわれる。同様に、同期情報格納部104の同期情報により、空間情報表示部106で空間情報の表示が行なわれる。この時、表示される時系列情報、および、空間情報は、ディスプレイ102に表示される。IO/IF(入出力インタフェース)101を介して、信号の入出力を行なう。時系列情報表示部105および空間情報表示部106は、表示制御部を構成する。
【0023】
なお、バス107は、タッチパネル100からの信号、IOI/F101からの信号、同期情報格納部104への情報、時系列情報表示部105への同期情報、および、表示情報、空間情報表示部106への同期情報、および、表示情報は、バス107を通して、CPU103で処理され、ディスプレイ102で表示される。
【0024】
次に、図2は、時系列情報表示部105における時系列情報の処理手順を示すフローチャートである。図2において、ステップS201では、時系列情報表示エリアにユーザからの操作があったかどうかの判断が行なわれ、操作があった場合、ステップS202で同期情報の算出が行なわれ、ステップS203において、同期情報が、図3のステップS304の同期情報取得へと送信される。同期情報の算出および送信内容に関しては図9を用いて後述する。時系列情報表示エリアにユーザからの操作がないと判断された場合には、ステップS204で図3のステップS303同期情報送信からの同期情報取得が行なわれる。
【0025】
なお、ステップS204で図3のステップS303同期情報送信からの同期情報取得がない場合には、時刻は初期値(利用開始時刻もしくは、保持されているデータ群の先頭データ)が利用され、全ての機器が処理対象となる。
【0026】
次に、ステップS205では、同期情報に基づいて、時系列情報の取得が行なわれる。取得方法については図10を用いて後述する。ステップS206では、取得された時系列情報に基づいて描画が行なわれる。描画方法については図4を用いて後述する。そして、ステップS207で表示処理が終了と判断された場合は、表示処理が終了となり、終了と判断されなかった場合は、ステップ201へと処理が戻る。
【0027】
次に、図2時系列情報表示フローチャートの同期情報の算出および送信内容に関して図9を用いて説明する。図9は、家電機器エネルギーモニター用時系列情報の操作・表示ルールを示したものである。これは、時系列情報の操作・表示ルールを家電機器エネルギーモニターに特化したものであり、本実施形態の一例である。図9に示す“家電機器エネルギーモニター用時系列情報の操作・表示ルール”は、第1のテーブルを構成する。
【0028】
ここでは、消費電力のグラフ(時系列情報)と間取り上に配置された電化製品(空間情報)について、消費電力の時間軸を操作すると、その時刻に使用していた電化製品のオン/オフ状態が空間上に表示される。また、間取り図上に配置された家電製品のオン/オフ状態を操作する(すなわち、単純に家電機器の電源を操作せず、履歴を調べる場合)と、その家電製品のオン(オフ)状態の時の時間範囲がグラフに表示される。グラフには、色の変更、強調表示などが表現される。これにより、それぞれの電化製品の使用頻度とそのときの消費電力が分かる。
【0029】
図9に示すように、家電機器エネルギーモニター用時系列情報の操作・表示ルールでは、送信同期情報、取得同期情報、操作ルール、表示ルールが記述されており、ステップS202における同期情報の算出では、記述されている取得同期情報の中から一致する情報を検索する処理が行なわれる。
【0030】
時系列情報表示エリアで操作ルールに該当する操作が行なわれた場合、対応する送信同期情報が図3空間情報表示フローチャートのステップS304の同期情報取得へと送信されると同時に、対応する表示ルールにより時系列情報の表示が図2時系列情報表示フローチャートのステップS206で更新される。また、図2時系列情報表示フローチャートのステップS204同期情報取得で、操作・表示ルールに該当する情報が取得された場合、対応する表示ルールにより、時系列情報の表示が更新される。
【0031】
例えば、時系列情報表示エリアで時刻を変更するような操作(タッチパネル上での指のタッチ操作やドラッグ操作)を行なった場合、操作に対応した時刻情報を同期情報としてステップS304へと送信するとともに、操作された時刻の表示位置に変更する表示がステップS206で行なわれる。
【0032】
また、時系列情報表示エリアで機器を選択するような操作(タッチパネル上での指のタッチ操作)を行なった場合、操作に対応した機器情報を同期情報としてステップS304へと送信するとともに、操作された該当機器の消費電力を強調表示する表示がステップS206で行なわれる。
【0033】
さらに、時系列情報表示エリアで機器を選択するともに、時刻を変更するような操作(タッチパネル上での指のタッチ操作やドラッグ操作)を行なった場合、操作に対応した機器情報と時刻情報とを同期情報としてステップS304へと送信するとともに、操作された該当機器の消費電力を強調表示し、かつ、操作された時刻の表示位置に変更する表示がステップS206で行なわれる。
【0034】
一方、取得同期情報として機器情報がステップS204で得られた場合、対応する表示ルールにより、該当機器の消費電力を強調表示する表示がステップS206で行なわれる。
【0035】
次に、図2時系列情報表示フローチャートのステップS206の描画方法に関して図4を用いて説明する。図4は、家電機器エネルギーモニター用のフォーマットを示す図である。フォーマットを家電機器エネルギーモニターに特化したものである。図4に示す“家電機器エネルギーモニター用のフォーマット”は、第3のテーブルを構成する。図4示す家電機器エネルギーモニター用フォーマットでは、機器情報、位置情報、ステート、時系列情報が記述されており、ステップS205における時系列情報取得では、記述されている情報の中から、図9家電機器エネルギーモニター用時系列情報の操作・表示ルールの送信同期情報、および、取得同期情報と一致する時系列情報の取得が行なわれ、ステップS206で該当する情報の表示が更新される。
【0036】
機器情報は、 機器id もしくは、機種名や型番、定格消費電力などを記載することができ、位置情報は、この機器の間取り図上での位置に関する情報が記載される。また、ステートは、機器の電源オン/オフ状態を示し、時系列情報は、各時刻(タイムスタンプ)における消費電力が記載される。なお、図4で記述された家電機器エネルギーモニター用のフォーマットに基づいたデータは、機器毎に用意されるものとし、通常、対象とする家電機器の数と同じデータが必要となる。例えば、同期情報(送信もしくは取得)として機器情報が与えられた場合、図4家電機器エネルギーモニター用フォーマットに基づいた複数のデータの中から、機器idが一致するものが検索され、該当機器の消費電力の強調表示として時系列情報が描画される。
【0037】
また、同期情報(送信もしくは取得)として時刻が与えられた場合、図4家電機器エネルギーモニター用フォーマットに基づいた複数のデータの中から、時刻が一致するものが検索され、複数機器の該当時刻における消費電力の時系列情報が描画される。なお、一致する時刻とは、比較する時刻同士がある一定の範囲(秒単位、もしくは、分単位など)の中に含まれるものも指す。
【0038】
さらに、同期情報(送信もしくは取得)として機器情報と時刻が同時に与えられた場合、図4に示すように、家電機器エネルギーモニター用フォーマットに基づいた複数のデータの中から、機器idが一致するもの、かつ、時刻が一致するものが検索され、該当機器、かつ、該当時刻における消費電力の時系列情報が描画される。
【0039】
次に、図1の空間情報表示部106における空間情報の表示フローチャートを図3に示す。図3において、ステップS301では、空間情報表示エリアにユーザからの操作があったかどうかの判断が行なわれ、操作があった場合、ステップS302で同期情報の算出が行なわれ、ステップS303で同期情報が図2のステップS204の同期情報取得へと送信される。同期情報の算出および送信内容に関しては図10を用いて後述する。空間情報表示エリアにユーザからの操作がないと判断された場合には、ステップS304で図2のステップS203同期情報送信からの同期情報取得が行なわれる。
【0040】
なお、ステップS304で図2のステップS203同期情報送信からの同期情報取得がない場合には、時刻は初期値(利用開始時刻もしくは、保持されているデータ群の先頭データ)が利用され、全ての機器が処理対象となる。
【0041】
次に、ステップS305では、同期情報に基づいて、空間情報の取得が行なわれる。取得方法については図9を用いて後述する。ステップS306では、取得された空間情報に基づいて描画が行なわれる。描画方法については図4を用いて後述する。そして、ステップS307で表示処理が終了と判断された場合は、表示処理が終了となり、終了と判断されなかった場合は、ステップ301へと処理が戻る。
【0042】
次に、図3空間情報表示フローチャートの同期情報の算出および送信内容に関して図10を用いて説明する。図10は、家電機器エネルギーモニター用空間情報の操作・表示ルールを示したものであり、空間情報の操作・表示ルールを家電機器エネルギーモニターに特化したものであり、本実施形態の一例である。図10に示す“家電機器エネルギーモニター用空間情報の操作・表示ルール”は、第2のテーブルを構成する。
【0043】
図10に示すように、家電機器エネルギーモニター用空間情報の操作・表示ルールでは、送信同期情報、取得同期情報、操作ルール、表示ルールが記述されており、ステップS302における同期情報の算出では、記述されている取得同期情報の中から一致する情報を検索する処理が行なわれる。空間情報表示エリアで操作ルールに該当する操作が行なわれた場合、対応する送信同期情報が図2時系列情報表示フローチャートのステップS204の同期情報取得へと送信されると同時に、対応する表示ルールにより空間情報の表示が図3空間情報表示フローチャートのステップS306で更新される。また、図3空間情報表示フローチャートのステップS304同期情報取得で、操作・表示ルールに該当する情報が取得された場合、対応する表示ルールにより、空間情報の表示が更新される。
【0044】
例えば、空間情報表示エリアで機器を選択するような操作(タッチパネル上での指のタッチ操作)を行なった場合、操作に対応した機器情報を同期情報としてステップS204へと送信するとともに、操作された該当機器を強調表示する表示がステップS306で行なわれる。
【0045】
一方、取得同期情報として時刻情報がステップS304で得られた場合、対応する表示ルールにより、空間上に表示されている全ての機器の該当時刻のオン/オフ状態に関する表示がステップS306で行なわれる。また、取得同期情報として機器情報がステップS304で得られた場合、対応する表示ルールにより、該当機器の強調表示に関する表示がステップS306で行なわれる。
【0046】
さらに、取得同期情報として時刻情報、かつ、機器情報がステップS304で得られた場合、対応する表示ルールにより、該当時刻における該当機器のオン/オフ状態に関する表示がステップS306で行なわれる。
【0047】
次に、図3空間情報表示フローチャートのステップS306の描画方法に関して図4を用いて説明する。
図4は、家電機器エネルギーモニター用のフォーマットを示したものであり、フォーマットを家電機器エネルギーモニターに特化したものであり、本実施形態の一例である。
【0048】
図4に示す家電機器エネルギーモニター用フォーマットでは、機器情報、位置情報、ステート、時系列情報が記述されており、ステップS305における空間情報取得では、記述されている情報の中から、図10家電機器エネルギーモニター用空間情報の操作・表示ルールの送信同期情報、および、取得同期情報と一致する空間情報の取得が行なわれ、ステップS306で該当する情報の表示が更新される。
【0049】
なお、図4で記述された家電機器エネルギーモニター用のフォーマットに基づいたデータは、機器毎に用意されるものとし、通常、対象とする家電機器の数と同じデータが必要となる。例えば、同期情報(送信もしくは取得)として機器情報が与えられた場合、図4に示す家電機器エネルギーモニター用フォーマットに基づいた複数のデータの中から、機器idが一致するものが検索され、該当機器の位置情報に基づき該当機器を強調表示とする空間情報が描画される。
【0050】
また、同期情報(送信もしくは取得)として時刻が与えられた場合、図4に示す家電機器エネルギーモニター用フォーマットに基づいた複数のデータの中から、時刻が一致するものが検索され、複数機器の該当時刻のオン/オフ状態が空間情報として描画される。なお、一致する時刻とは、比較する時刻同士がある一定の範囲(秒単位、もしくは、分単位など)の中に含まれるものも指す。
【0051】
さらに、同期情報(送信もしくは取得)として機器情報と時刻が同時に与えられた場合、図4に示す家電機器エネルギーモニター用フォーマットに基づいた複数のデータの中から、機器idが一致するもの、かつ、時刻が一致するものが検索され、該当機器、かつ、該当時刻のオン/オフ状態が空間情報として描画される。
【0052】
次に図5および図6の家電機器エネルギーモニター以外のフォーマットについて説明を行なう。本発明では、図4において家電機器エネルギーモニターに特化したフォーマットを説明しているが、利用したいアプリケーションによって、フォーマットの内容を変更することが可能である。例えば、図5では、電子書籍用のフォーマットについて記載している。図5に示す“電子書籍用のフォーマット”は、第3のテーブルを構成する。ここでは、書籍情報、位置情報、ステート、時系列情報が記述されている。書籍情報は、書籍idもしくは、タイトルやジャンル、発売日、金額などを記載することができ、位置情報は、この書籍の売り場上での位置に関する情報が記載される。
【0053】
また、ステートは、在庫数を示し、時系列情報は、各時刻(タイムスタンプ)における販売数が記載される。この場合、時系列情報表示エリアには書籍の売り上げの時系列情報が表示され、空間情報表示エリアには売り場での書籍の位置が表示される。
【0054】
ここでは、例えば、発売日順に並んだ電子書籍(時系列情報)と、売り場マップ上に配置された電子書籍(空間情報)について、発売日順に並んだ電子書籍のうちの一つを操作(開くなど)すると、売り場マップ上でその書籍が表示(色の変更、強調表示など)される。また、売り場マップ上の一つの書籍を操作(開くなど)すると、発売日(その本そのもの、もしくは、その本のシリーズ)が表示(色の変更、強調表示など)される。これにより、発売されたばかりの本の売り場が分かる。また、本の発売日を簡単に把握することができる。
【0055】
時系列情報として書籍の売り上げ情報を表示している場合、ある時刻を指定すると、その時点で売れた電子書籍が売り場マップ上に表示される。また、ある一定時間(朝から夕方や、ある時期の一ヶ月間)などを指定すると、その一定時間に売れた電子書籍が売り場マップ上に表示される。さらに、売り場マップ上の一つの書籍を操作(開くなど)した場合は、その本が売れた時の時刻、または、時間範囲がグラフに表示される(色の変更、強調表示など)。これにより、本の売り上げ傾向(朝売れる本、夕方売れる本など)が分かる。時間帯毎に本の売れる場所(売り場マップ)を容易に把握することが可能となる。
【0056】
なお、図4と同様に、図5で記述された電子書籍用のフォーマットに基づいたデータは、書籍毎に用意されるものとし、通常、対象とする書籍の数と同じデータが必要となる。
【0057】
また、例えば、図6では、SNS/電子メール用フォーマットについて記載している。ここでは、ユーザ情報、位置情報、ステート、時系列情報が記述されている。図6に示す“SNS/電子メール用フォーマット”は、第3のテーブルを構成する。ユーザ情報は、ユーザidもしくは、メールアドレスなどを記載することができ、位置情報は、このユーザがSNS/電子メールを送信した地図上の位置に関する情報が記載される。
【0058】
また、ステートは、未読もしくは既読かの状態を示し、時系列情報は、ユーザが送信したSNS/電子メールの本文(テキスト、画像など)が記載される。この場合、時系列情報表示エリアには受信されたSNS/メールの時系列情報が表示され、空間情報表示エリアにはSNS/メールを送信した地図上での位置が表示される。
【0059】
ここでは、受信したSNS/電子メールの時間順の表示(時系列情報)と、SNS/電子メールを送信した場所(空間情報)について、受信した一つのSNS/電子メールを操作(開くなど)すると、その時刻にSNS/電子メールを送信した場所が地図上に表示される。また、地図上で表示されている送信マーク(アイコンなど)を操作すると、その場所から送信したSNS/メールが時刻順(少なくとも一つ)に表示される。これにより、SNS/電子メールをより多く送信する場所や時間帯が分かる。
【0060】
なお、図6で記述されたSNS/電子メール用のフォーマットに基づいたデータは、ユーザからSNS/電子メールが送信される度に作成されるものとし、通常、受信したSNS/電子メールの数と同じデータが必要となる。
【0061】
次に図、7、図8の家電機器エネルギーモニターの画面例について説明を行なう。図7は、時刻移動前の家電機器エネルギーモニター画面例であり、図8は、時刻移動後の家電機器エネルギーモニター画面例である。
【0062】
図7において、左側は時系列情報(消費電力)の表示を折れ線グラフで示したものであり、右側は、空間情報(間取り図)の表示を機器の状態(機器1、機器2、機器3のオン状態;図中の○に囲まれた数字で示す)で示したものである。この画面例での時刻移動前とは、左側の時系列情報表示エリアで時間軸を操作しない(動かさない)状態のことを指している。この時、右側の空間情報表示エリアでは、各機器がオンの状態になっていることを示している。
【0063】
この時、時系列情報表示エリアで時刻移動の操作を行なった場合(図8)、右側の時系列情報の表示エリアは、時間軸が移動したあとの折れ線グラフが表示されており、右側の空間情報表示エリアでは、この時刻の間取り図上に配置された機器の状態(機器1はオフ、機器2はオフ、機器3はオン)を示している。
このように、図7および図8では、操作に応じて、時系列情報表示と空間情報表示が連動する様子を例として示している。
【0064】
以上説明したように、本実施形態係る情報連動表示装置によれば、時間に関する情報と空間に関する情報を同時に表示する方法に関して、時間に関する情報を操作した場合には、空間に関する情報の連動表示を行ない、もしくは、空間に関する情報を操作した場合には、時間に関する情報の連動表示を行なうことができる。これにより、情報の視覚化を複数の視点から行なうことで、視認性を高めることができ、表示された情報の時間的変化と空間的変化の視認性を高め、情報を容易に把握することができるというという優れた効果を奏する。
【0065】
なお、本発明で用いている時系列情報とは、順序列挙可能な時間情報をもつものであり、時刻、日時、季節などを示す。また、時系列情報の表示は、二次元上に表示することに加え、奥行きを持たせた表示など三次元上の表示でもよい。また、本発明で用いている空間情報とは、少なくとも二次元平面上に配置できる情報をもつものであり、地理上の位置関係(緯度経度、住所など)を示すことに加え、意味的に距離を定義できるもの(暑い・寒いなどで分類)も示している。もちろん、空間とは、二次元に限定されず、三次元でもよい。
【0066】
本実施形態による時系列情報・空間情報連動表示装置、および、時系列情報・空間情報連動表示方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0067】
また、実施の形態で説明した機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行なってもよい。尚、「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0068】
製品端末機器の有する制御プログラムとして、 例えばJini対応の製品端末機器であれば、インタープリタであるJava(登録商標)VM(VirtualMachine)により、製品端末機器上でJava(登録商標)プログラムとして、実行させることが可能である。
【0069】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0070】
また、本実施形態に係る情報連動表示装置の概略構成を示すブロック図である図1に示すタッチパネル100は、入力装置を具体的に示したものであるため、マウスなどの他の入力装置に変えることも可能である。
【符号の説明】
【0071】
100 タッチパネル
101 IO I/F (入出力インタフェース)
102 ディスプレイ
103 CPU
104 同期情報格納部
105 時系列情報表示部
106 空間情報表示部
107 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の前記時系列情報と前記空間情報とを連動させて表示する情報連動表示装置であって、
前記時系列情報と前記空間情報との同期情報を格納する同期情報格納部と、
ユーザからの入力を受け付けて入力信号を出力する入力部と、
前記入力信号および前記同期情報に基づいて、前記時系列情報および前記空間情報を連動させてディスプレイに表示する表示制御部と、を備え、
前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示することを特徴とする情報連動表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記時系列情報の変更に対応した表示ルールを定める第1のテーブルと、
前記空間情報の変更に対応した表示ルールを定める第2のテーブルと、を備え、前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1記載の情報連動表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記電子機器毎に、前記電子機器を特定する情報、前記電子機器の空間情報、前記電子機器のステータスを示す情報および前記電子機器の稼働状況を時系列的に示す情報から構成される第3のテーブルを備えることを特徴とする請求項2記載の情報連動表示装置。
【請求項4】
時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の前記時系列情報と前記空間情報とを連動させて表示する情報連動表示装置の制御プログラムであって、
前記時系列情報と前記空間情報との同期情報を格納する処理と、
ユーザからの入力を受け付けて入力信号を出力する処理と、
前記入力信号および前記同期情報に基づいて、前記時系列情報および前記空間情報を連動させてディスプレイに表示する処理と、
前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示する処理と、の一連の処理を、コンピュータに読み取り可能および実行可能にコマンド化したことを特徴とする情報連動表示装置の制御プログラム。
【請求項5】
情報連動表示装置に実装されることにより、前記情報連動表示装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
時間の経過に対応する稼働状況を示す時系列情報および空間的な位置情報を示す空間情報を出力する電子機器の前記時系列情報と前記空間情報とを連動させて表示する機能と、
前記時系列情報と前記空間情報との同期情報を格納する機能と、
ユーザからの入力を受け付けて入力信号を出力する機能と、
前記入力信号および前記同期情報に基づいて、前記時系列情報および前記空間情報を連動させてディスプレイに表示する機能と、
前記入力信号に基づいて、前記ディスプレイに表示する時系列情報または空間情報のいずれか一方が変更した場合は、その変更に対応するように、いずれか他方を変更して前記ディスプレイに表示する機能と、の一連の機能を、前記情報連動表示装置に発揮させることを特徴とする集積回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−18462(P2012−18462A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153952(P2010−153952)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】