説明

感光性樹脂組成物およびレジスト像の製造法

【構成】 アルカリ可溶性ノボラック樹脂およびキノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物において、該アルカリ可溶性ノボラック樹脂の低分子量成分が除去されており、かつ、下記の構造式で表わされるフェノール類環状化合物を含有する感光性樹脂組成物およびこの塗膜を露光、現像するレジスト像の製造法。
【化1】


(R1は水素、アルキル基またはアルコキシ基を表わし、R2は水素、アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を表わし、R1とR2とは同一であってもよく、nは4〜8の整数を表わす)
【効果】 本発明の感光性樹脂組成物は、解像度、感度および耐熱性に優れ、高集積回路を作製するためのポジ型レジストに好適である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性樹脂組成物およびレジスト像の製造法に関し、さらに詳しくは高集積回路を作製するための高解像度、高感度、高耐熱性のポジ型レジストとなる感光性樹脂組成物およびこれを用いたレジスト像の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程において、ポジ型レジストは汎用的に用いられる。近年、集積回路の高集積下にともない、高解像度、高感度、高耐熱性、高ドライエッチング耐性のポジ型レジストが望まれている。従来より、ポジ型レジストの高解像度化のためにポジ型レジストに使用するアルカリ可溶性ノボラック樹脂の改良が試みられている。例えば、アルカリ可溶性ノボラック樹脂として、米国特許第4,529,682号明細書には、o−クレゾール、m−クレゾールおよびp−クレゾールからなる混合物をホルムアルデヒドと縮合させて得たノボラック樹脂が提案されている。特開昭60−158440号公報には、m−クレゾール、p−クレゾールおよび2,5−キシレノールからなる混合物をホルムアルデヒドと縮合させて得たノボラック樹脂が提案されている。特開昭63−234249号公報には、m−クレゾール、p−クレゾールおよび3,5−キシレノールからなる混合物をホルムアルデヒドと縮合させて得たノボラック樹脂が提案されている。このように、アルカリ可溶性ノボラック樹脂の合成原料を限定することにより高解像度、高感度のポジ型レジストを得ることができたが、高耐熱性のものを得ることはできなかった。
【0003】ポジ型レジストの耐熱性向上のためにも、アルカリ可溶性ノボラック樹脂の改良が試みられている。例えば、特開昭64−14229号公報および特開平2−60915号公報には、ノボラック樹脂の低分子量部分を除去して耐熱性を向上させることが提案されている。しかし、ノボラック樹脂の低分子量部分を除去することにより解像度、感度の低下が起こり、特性のバランスのとれたポジ型レジストを得ることはできなかった。特開平2−275955号公報には、低下した解像度、感度を補うため特定のポリフェノール類を添加することが提案されているが、解像度、感度、耐熱性のバランスをとることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技術の欠点を除去して、高解像度、高感度および高耐熱性のポジ型レジストとなる感光性樹脂組成物およびこれを用いたレジスト像の製造法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意検討した結果、以下の手段により高解像度、高感度および高耐熱性ポジ型レジストとなる感光性樹脂組成物を得るに至った。すなわち、本発明は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂およびキノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物において、該アルカリ可溶性ノボラック樹脂のポリスチレン換算分子量2000以下の低分子量成分が30〜100重量%除去されており、かつ、下記構造式(I)で表わされるフェノール類環状化合物を含有してなる感光性樹脂組成物およびこれを用いたレジスト像の製造法に関する。
【化2】


(R1は、水素、アルキル基またはアルコキシ基を表わし、R2は、水素、アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を表わし、R1とR2とは同一であってもよく、nは、4〜8の整数を表わす。)
【0006】本発明においては、上記のフェノール類環状化合物を含有することで、アルカリ可溶性ノボラック樹脂の低分子量成分の除去により生じた解像度の低下を補い耐熱性を維持することができる。構造式(I)で表わされるフェノール類環状化合物は、カリックスアレン(グッチェ(Gutsche)、トピックス・イン・カレント・ケミストリー(Topics in Current Chemistry)123、1(1984))と呼ばれている化合物で、アルカリ可溶性ノボラック樹脂およびフェノール類環状化合物に対して好ましくは3〜40重量%より好ましくは10〜30重量%含有される。この化合物の含有量の少ない場合は、解像度の向上の効果が少なく、反対にこの含有量の多い場合はレジスト溶液に対する溶解性に劣る傾向がある。
【0007】構造式(I)で表わされるフェノール類環状化合物は、既に公知の化合物で、フェノール性水酸基を有するフェノール類とアルデヒド類とを金属アルカリ触媒下で、重縮合させることにより得られる。フェノール性水酸基を有するフェノール類としては、パラ位に置換基のついているフェノール類であり、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。金属アルカリ触媒は、環のサイズを決めるいわゆるテンプレート効果があり、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。このようなフェノール類、アルデヒド類および金属アルカリ触媒を、ジフェニルエーテル、エチレングリコール等の150〜250℃の沸点を有する溶剤中で、3〜20時間還流させ、縮合水を除きながら重縮合反応させる。反応生成物は、クロロホルム、アセトン、ヘキサン等の溶剤により洗浄することにより、精製できる。
【0008】本発明に用いられるアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、アルカリ水溶液に可溶であるノボラック樹脂であれば特に制限されないが、フェノール性水酸基を1個以上有するフェノール類をアルデヒド類を用いて重縮合させたノボラック樹脂が好適である。フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール等のフェノール性水酸基を1個含有するフェノール類、レゾルシノール、カテコール等のフェノール性水酸基を2個有するフェノール類、フロログルシン、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン等のフェノール性水酸基を3個含有するフェノール類等が挙げられる。これらのフェノール類は、それぞれ一種単独でまたは二種以上を用いることができる。アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等を挙げることができる。アルデヒド類の使用量は、フェノール類1モルに対して0.5〜1.5モルの範囲が好ましい。重縮合のための触媒としては、高分子量化させることのできる酸触媒が好ましい。その酸触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、蓚酸、酢酸などの有機酸を挙げることができる。酸触媒の使用量は、フェノール類1モルに対して、1×10-5〜1×10-1モルの範囲が好ましい。重縮合の反応温度は、合成原料の反応性に応じて適宜調製することができるが、通常、70から130℃である。重縮合の方法としては、フェノール類、アルデヒド類および酸触媒を一括して仕込む方法、酸触媒の存在下にフェノール類およびアルデヒド類を反応の進行と共に加えていく方法等を挙げることができる。重縮合終了後は、反応系内に存在する未反応原料、縮合水、酸触媒等を除去するために、減圧下例えば20〜50mmHgで、反応系内の温度を150〜200℃に上昇させて、その後、樹脂を回収する。
【0009】本発明では、このようにして得られてアルカリ可溶性ノボラック樹脂の低分子量成分を削減あるいは除去して用いる。低分子量成分の削減あるいは除去の方法としては、溶解分別法が一般的である。すなわち、アルカリ可溶性ノボラック樹脂を良溶媒に溶解させワニスとし、このワニスを貧溶媒に添加していき、低分子量成分の多い希薄相と高分子量成分の多い濃厚相に分けるか、あるいは、高分子量成分の多い沈殿相を作ることにより、低分子量成分の削減あるいは除去を行う。また、特開昭64−14229号公報にあるように、アルカリ可溶性ノボラック樹脂を粉砕し芳香族溶媒中に分散させることにより抽出させ低分子量成分の削減あるいは除去を行っても良い。このような方法により、アルカリ可溶性ノボラック樹脂中のポリスチレン換算分子量2,000以下の低分子量成分を30〜100重量%の範囲で除去することができる。
【0010】本発明の感光性樹脂組成物に用いられるキノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。本発明における1,2−キノンジアジド化合物の配合量は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して、5〜50重量部の範囲が好ましい。
【0011】また、本発明の感光性樹脂組成物には、塗布性、例えばトリエーション(膜厚のむら)を防いだり現像性を良くするための界面活性剤を配合することができる。さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、露光時のハレーションの影響を少なくするための染料や顔料を配合することができる。その他、必要に応じて、保存安定剤、溶解抑止剤等も配合することができる。
【0012】本発明の感光性樹脂組成物を溶液状にし、半導体製造用基板上に塗膜を作製し、露光、現像することにより、レジスト像が製造される。露光、現像の条件は制限されない。
【0013】この際に用いられる溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のジエチレングリコール類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、トルエン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサノン等のケトン類、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル等のエステル類を用いることができる。
【0014】現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ類、エチルアミン等の第1級アミン類、ジエチルアミン等の第2級アミン類、トリエチルアミン等の第3級アミン類、ジメチルエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム塩またはピペリジン等の環状アミン類を溶解させたアルカリ性水溶液が使用される。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施例中、樹脂の特性として、重量平均分子量(Mw)、ポリスチレン換算分子量2,000以下の低分子量成分の重量比率、アルカリ現像液に対する溶解時間を挙げた。これらの特性の評価は、下記の方法により行った。
Mwと低分子量成分の重量比率;日立化成工業(株)製GPC低分子カラム、ゲルパック(R420+R430+R440)を用いて、流量1.73ml/min、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度室温の分析条件で単分散ポリスチレンを標準として、(株)日立製作所製液体クロマトグラム635A型HLCで測定した。HLCにおいて樹脂全体とポリスチレン換算分子量2,000以下の部分との面積比を切り抜き重量法で算出して求めた。
アルカリ現像液に対する溶解時間;エチルセロソルブアセテートに溶解させた樹脂をシリコンウエハーに回転塗布機で塗布し(塗布膜厚を1μmとする)、これを25℃の現像液(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液)に入れ、塗膜のなくなる時間を測定した。レジスト特性の評価は、下記の方法により行った。
感 度;(株)日立製作所製LD−5010i縮小投影露光機で、露光時間を変化させて露光を行い、ついでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液を用いて25℃で60秒間現像し水でリンスし乾燥してウエハー上にレジストパターンを形成させ、0.7μmの線幅を寸法通りに形成する露光量(以下、「最適露光量」とする)を測定した。
解像度;最適露光時間において解像できる最小のレジストパターンの寸法を測定した。
耐熱性;ホットプレート上にレジストパターンを形成したウエハーをのせて、パターンの変形し始める温度を測定した。
【0016】合成例1撹はん機、冷却管および温度計を装着したセパラブルフラスコに、m−クレゾール 328.1gp−クレゾール 400.9g37重量%ホルマリン 372.2g蓚 酸 2.24gを仕込み、セパラブルフラスコを油浴に浸し、内温を97℃に保ち撹はんしながら3時間重縮合を行った。その後、内温を180℃まで上げ、同時に反応容器内の圧力を10〜20mmHgまで減圧し、未反応のフェノール類、ホルムアルデヒド、水および蓚酸を除去した。次いで、溶融した樹脂を金属バットにあけ樹脂を回収した(以下、この樹脂を「樹脂1」とする)。樹脂1のMwを測定したところ、11,000であり、分子量(ポリスチレン換算分子量、以下同じ)2,000以下の低分子量成分の重量比率は35重量%であった。また、アルカリ現像液に対する溶解時間は、65秒/μmであった。550gの樹脂1をエチルセロソルブアセテート1100gに溶解させ樹脂ワニスとし、これに、トルエン1000g、ヘキサン1000gを30分間、混合撹はんした後、放置し、下層部分に高分子量成分の多い濃厚相を得ることができた。この濃厚相を分取し、減圧下乾燥させることにより、低分子量成分の削減されたアルカリ可溶性ノボラツク樹脂が得られた(以下、この樹脂を「樹脂2」とする)。樹脂2のMwを測定したところ、13,000であり、分子量2,000以下の低分子量成分の重量比率は3重量%であった。また、アルカリ現像液に対する溶解時間は、1,000秒/μm以上であった。
【0017】合成例2合成例1と同様のセパラブルフラスコに、m−クレゾール 324.5gp−クレゾール 249.6g3,5−キシレノール 116.5g37重量%ホルマリン 353.6g蓚 酸 2.24gを仕込み、合成例1と同様の合成条件で樹脂を得た(以下、この樹脂を「樹脂3」とする)。樹脂3のMwを測定したところ、5,500であり、分子量2,000以下の低分子量成分の重量比率は32重量%であった。また、アルカリ現像液に対する溶解時間は、35秒/μmであった。樹脂3を合成例1と同様の溶解分別法により処理し、低分子量成分の削減されたアルカリ可溶性ノボラツク樹脂が得られた(以下、この樹脂を「樹脂4」とする)。樹脂4のMwを測定したところ、6,800であり、分子量2,000以下の低分子量成分の重量比率は4重量%であった。また、アルカリ現像液に対する溶解時間は、1,000秒/μm以上であった。
【0018】合成例3合成例1と同様のセパラブルフラスコに、m−クレゾール 162.0gp−クレゾール 324.0g2,5−キシレノール 183.0g37重量%ホルマリン 384.3g蓚 酸 2.24gを仕込み、合成例1と同様の合成条件で樹脂を得た(以下、この樹脂を「樹脂5」とする)。樹脂5のMwを測定したところ、4,200であり、分子量2,000以下の低分子量成分の重量比率は28重量%であった。また、アルカリ現像液に対する溶解時間は、42秒/μmであった。樹脂5を合成例1と同様の溶解分別法により処理し、低分子量成分の削減されたアルカリ可溶性ノボラツク樹脂が得られた(以下、この樹脂を「樹脂6」とする)。樹脂6のMwを測定したところ、5,500であり、分子量2,000以下の低分子量成分の重量比率は3重量%であった。また、アルカリ現像液に対する溶解時間は、1,000秒/μm以上であった。
【0019】合成例4合成例1と同様のセパラブルフラスコに、p−クレゾール 71.3g37重量%ホルマリン 67.3g水 200.0g水酸化ナトリウム 1.2gを仕込み、セパラブルフラスコを油浴に浸し、還流温度で撹はんしながら2時間重縮合を行った。その後、反応系内から水を除き、ジフェニルエーテル800mlを投入し、250℃で縮合水を除きながら2時間撹はんを行った。次に、冷却後、反応系内にメタノール500mlを入れ、沈殿物をろ別しメタノールで洗浄精製し、フェノール類環状化合物(上記の構造式(I)においてR1=CH3、R2=H、n=4)を得た(以下、このフェノール類環状化合物を「環状化合物a」とする)。
【0020】合成例5合成例1と同様のセパラブルフラスコに、p−tert−ブチルフェノール 100.0g37重量%ホルマリン 67.3g水 200.0g水酸化ナトリウム 1.2gを仕込み、合成例4と同様に合成と精製を行ってフェノール類環状化合物を得た(以下、このフェノール類環状化合物(上記の構造式(I)において、R1=C(CH33、R2=H、n=4)を「環状化合物b」とする)。合成例1と同様のセパラブルフラスコに、環状化合物b 20.0gニトロメタン 0.7g塩化アルミニウム 21.6gトルエン 400.0gを仕込み、40℃で3時間反応させた。その後、氷水200gを投入し反応を停止させた。有機相を取り出しエバポレータにより溶媒を除去した後、カラムクロマト分離によりフェノール類環状化合物(上記の構造式(I)においてR1=H、R2=H、n=4)を得た(以下、このフェノール類環状化合物を「環状化合物c」とする)。
【0021】実施例1樹脂2を14g、環状化合物cを6g、2,4,7−トリヒドロキシ−2,4,4−トリメチルフラバン1.0モルと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド2.3モルとの縮合物(以下、「1,2−キノンジアジドI」とする)4gをエチルセロソルブアセテート80gに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタでろ過し、ポジ型レジストを調製した。得られた溶液をシリコンウエハー上に、(株)大日本スクリーン製D−SPINを用いて塗布、90℃で90秒間プリベークし、膜厚1.22μmのレジスト膜を形成し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0022】実施例2実施例1において、樹脂2の代りに樹脂4を用いた以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジストを調製し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0023】実施例3実施例1において、樹脂2の代りに樹脂6を用いた以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジストを調製し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0024】実施例4樹脂4を14g、環状化合物cを6g、ジ(4−ヒドロキシフェニル)[4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フエニル]エタン1.0モルと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3.0モルとの縮合物(以下、「1,2−キノンジアジドII」とする)を4gをエチルセロソルブアセテート80gに溶解させた後、実施例1と同様にしてポジ型レジストを調製し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0025】実施例5樹脂4を16g、環状化合物aを4g、1,2−キノンジアジドIを4gをエチルセロソルブアセテート80gに溶解させた後、実施例1と同様にしてポジ型レジストを調製し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0026】比較例1樹脂3を20g、1,2−キノンジアジドIを4gをエチルセロソルブアセテート80gに溶解させた後、実施例1と同様にしてポジ型レジストを調製し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0027】比較例2樹脂5を20g、1,2−キノンジアジドIを4gをエチルセロソルブアセテート80gに溶解させた後、実施例1と同様にしてポジ型レジストを調製し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0028】比較例3樹脂5を14g、環状化合物cを6g、1,2−キノンジアジドIを4gをエチルセロソルブアセテート80gに溶解させた後、実施例1と同様にしてポジ型レジストを調製し、レジスト特性の試験を行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】


【0030】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、感度、解像度、耐熱性に優れ、高集積回路を作製するためのポジ型レジストに好適であり、これによって好ましい特性のレジスト像を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルカリ可溶性ノボラック樹脂およびキノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物において、該アルカリ可溶性ノボラック樹脂のポリスチレン換算分子量2000以下の低分子量成分が30〜100重量%除去されており、かつ、下記構造式(I)で表わされるフェノール類環状化合物を含有してなる感光性樹脂組成物。
【化1】


(R1は、水素、アルキル基またはアルコキシ基を表わし、R2は、水素、アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を表わし、R1とR2とは同一であってもよく、nは、4〜8の整数を表わす。)
【請求項2】 請求項1記載の感光性樹脂組成物の塗膜を露光、現像するレジスト像の製造法。