説明

感光性記録媒体用記録再生装置

【課題】簡単な構成のロック解除機構を用いて、カートリッジが装置内に挿入されてから、書込み・読取り可能となるまでの時間を短縮した感光性記録媒体用記録再生装置を提供する。
【解決手段】感光性記録媒体用カートリッジ2の先端が感光性記録媒体用記録再生装置の挿入口に挿入されてカートリッジの停止位置直前で、ロック解除機構790のローラ790aがカートリッジ2の貫通孔01からスライド部材202の小孔202a内に入り、カートリッジ2の先端の更なる挿入によってローラ790aがスライド部材202をカートリッジ2の挿入方向後端側にスライドさせることで、シャッタの凹部56eに係合していたスライド部材202の凸部202cが係合を外れて、ロック解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録媒体などの感光性記録媒体用記録再生装置に関し、特に、感光性記録媒体を遮光状態で収容保管するカートリッジに遮光状態でデータを記録し、または記録されたデータを再生する感光性記録媒体用記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データをホログラムによって記録するホログラム記録媒体が発明されている(例えば、特許文献1参照)。このホログラム記録媒体は、円板形状の支持体上に感光性材料からなるホログラム記録層が層設された感光性記録媒体であり、データをレーザ光の干渉縞として多層記録することにより、従来普及している記録媒体であるDVDよりも大きなデータ記録容量を得ることができる。このホログラム記録媒体は、ホログラム記録層が曝光され、または塵芥が付着することによりその性能に悪影響が及ぶため、遮光機能及び防塵機能を有するカートリッジに収容されて取り扱われている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、DVD−RAMのカートリッジに類似したカートリッジにホログラム記録媒体を収容している。このカートリッジは、ホログラム記録層に影響を与える波長域の光線の透過率が小さい材質で形成されている。特許文献1には、カ一トリッジの詳しい構成は記載されていないものの、特許文献2に記載されているカートリッジと同様の構成を有しているものと考えられる。
【0004】
特許文献2に記載の発明は、ホログラム記録層の感応色を遮光する材質でカートリッジを形成し、ホログラム記録媒体を外部に露呈させる可動部分の合せ目には、スポンジ状の遮光材を貼付している。また、記録媒体を回転自在な状態で収容するカートリッジ本体と、このカートリッジ本体に設けられ、記録媒体の一部を外部に露呈させる開口と、この開口を開閉するシャッタとを備えたカートリッジが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004―029476号公報
【特許文献2】特開2003―317422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなシャッタを備えたカートリッジを収納して記録再生を行う従来装置にあっては、ロック解除機構は、感光性記録媒体用カートリッジが所定の読み取り・書き込み位置に到着したとき、感光性記録媒体用カートリッジのロック解除を開始し、そしてそのロック解除がなされた後、シャッタ開放機構が感光性記録媒体用カートリッジのシャッタを開くようにしていた。
図17は従来装置の感光性記録媒体用カートリッジのシャッタ開放までの流れを説明するフローチャートである。第1および第2の解除部材、それに第1および第2ロック部材等の構成については後述する。
図において、カートリッジが装置内の書込み・読取り位置に到着したら(ステップS21)、第2の解除部材が出動して(S22)、第2ロック部材のロックを解除する(S23)。第2ロック部材のロックが解除されたら、第1の解除部材が出動して(S24)、第1ロック部材のロックを解除し(S25)、第1ロック部材のロックが解除されたら、次に、シャッタを開放し(S26)、シャッタが開放されたら(S27)、記録再生が可能となる。
【0007】
このように、従来装置にあっては、感光性記録媒体用カートリッジが読み取り・書き込み位置に到着したとき、ようやくロック解除が開始され、その後シャッタが開放されるので、記録再生までには長い時間を必要とした。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、カートリッジが装置内の所定位置に達してからロック解除するのではなくて、それ以前にロック解除してしまい、カートリッジが装置内の所定位置に達したときは、シャッタ開放可能な状態にして、書込み・読取り可能となるまでの時間を短縮した感光性記録媒体用記録再生装置を簡単な構成で実現することにあり、しかも上記シャッタの開放を記録再生装置内に侵入光が無いことを照度センサが確かめて行うようにすることにより、カートリッジ内の感光性記録媒体を不慮の感光から保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、感光性記録媒体を回転自在に収容すると共に前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる開口を有するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の外側に取り付けられて前記開口を閉じる閉じ位置と前記開口を開放する開き位置との間で移動自在に配設されたシャッタと、前記シャッタを前記閉じ位置でロックするロック機構と、を有する感光性記録媒体用カートリッジを挿入可能な挿入口が形成され外部から遮光された内部空間を有する筐体と、前記挿入口を開閉自在に配設され前記挿入口を閉じたとき前記挿入口を前記外部から遮光する、前記筐体内に設けられた挿入口シャッタと、前記シャッタの開き位置への移動を阻止する第1のロック位置と前記シャッタの開き位置への移動を許容する第1の解除位置との間で移動自在とされたロック部材を解除をする前記筐体内に設けられたロック解除機構と、前記感光性記録媒体用カートリッジの前記シャッタを開く、前記筐体内に設けられたシャッタ開放機構と、を有する記録再生装置において、前記ロック部材が、前記感光性記録媒体用カートリッジの挿入方向先端側の角近傍に設けられたカートリッジシェルを貫通する貫通孔と、前記貫通孔の真下を通って前記カートリッジの挿入方向先端から挿入方向後端に向けてスライドするスライド部材と、から成り、
前記スライド部材は、前記スライド部材の前記カートリッジの挿入方向先端側に、前記シャッタに形成された凹部に不使用時係合する凸部が形成されており、かつ、前記貫通孔に対向する面には、前記貫通孔の前記カートリッジの挿入方向先端側の辺近傍に小孔が形成されており、前記ロック解除機構が、前記筐体の前記カートリッジの挿入方向先端側に旋回可能に取り付けられてそこから前記挿入方向後端側に延びるアームと、前記アームの先端に取り付けられ前記カートリッジシェルの表面を移動して前記小孔内に没入できる没入部材と、から成り、
前記感光性記録媒体用カートリッジの先端が前記挿入口に挿入されてカートリッジの停止位置直前で、前記ロック解除機構の前記没入部材が前記カートリッジの前記貫通孔から前記スライド部材の前記小孔内に入り、前記感光性記録媒体用カートリッジの先端の更なる挿入によって前記没入部材が前記スライド部材を前記カートリッジの挿入方向後端側にスライドさせることで、前記シャッタの前記凹部に係合していた前記スライド部材の凸部が係合を外れて、ロック解除し、前記筐体内の遮光を確認後、前記シャッタ開放機構が前記感光性記録媒体用カートリッジの前記シャッタを開くことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記筐体内に照度センサを置き、前記照度センサの出力の有無で、前記シャッタ開放機構のモータを回転作動させることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記没入部材がローラであり、かつ前記カートリッジシェルを貫通する前記貫通孔および前記スライド部材の小孔が、前記貫通孔および前記小孔の前記カートリッジの挿入方向先端側辺から後端側に向けてなだらかな斜面が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記シャッタが、該シャッタの外周端部に前記カートリッジ本体側に曲げられて形成された屈曲部を有し、前記カートリッジ本体は、前記外周端部に対応する位置に形成された突出部を有していることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記屈曲部が、前記外周端部の、該シャッタを開く方向に移動する側の端部に形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記シャッタが、前記開口を開閉するようにスライド移動する第1遮光板部と、該第1遮光板部の、前記シャッタを開く方向に移動する側の先端に、垂直に立設された第2遮光板部と、該第2遮光板部に対して前記シャッタが閉じる方向に垂直に立設された第3遮光板部とを有し、前記カートリッジ本体に、前記シャッタが閉じ位置にあるときに、前記第1遮光板部と前記第3遮光板部の間に挿入される突条が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項4又は5記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記シャッタが、前記開口を開閉するようにスライド移動する第1遮光板部と、該第1遮光板部の、前記シャッタを開く方向に移動する側の先端に、垂直に立設された第2遮光板部とを有し、前記突出部が、前記シャッタが閉じ位置にあるときに、前記第1遮光板部に対向するように形成された突出部上面と、前記第2遮光板部に対向するように形成された突出部側面とが設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項4又は5記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記シャッタが、前記開口を開閉するようにスライド移動する第1遮光板部と、該第1遮光板部の、前記シャッタを開く方向に移動する側の先端に、垂直に立設された第2遮光板部と、該第2遮光板部に対して前記シャッタが開く方向に垂直に立設された第3遮光板部とを有し、前記カートリッジ本体は、シャッタが閉じ位置にあるときに、前記第1遮光板部に対向するように形成された突出部上面と、前記第2遮光板部に対向するように形成された突出部側面と、該突出部上面の内側にオフセットされ、前記第3遮光板部に対向するように形成されたシャッタ摺動面とが設けられていることを特徴としている。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記カートリッジ本体が、前記感光性記録媒体に対する内面と、前記シャッタに対する外面とに、表面粗さRa5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が施されていることを特徴としている。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記カートリッジ本体が、略板形状の第1シェルと、この第1シェルに重ね合わされて溶着される第2シェルから成り、前記第1シェル及び第2シェルは、同一または類似の熱可塑性プラスチックで形成され、かつ前記シャッタを含むその他の部品は、該第1シェル及び第2シェルと異なる材質で形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記第1シェル及び第2シェル、ならびにシャッタにはその成形に用いられるプラスチックに遮光性物質が0.01〜5.00質量%添加されていることを特徴としている。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタには、その成形に用いられるプラスチックにカーボンブラックが0.01〜2.00質量%添加されていることを特徴としている。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1項記載の感光性記録媒体用記録再生装置において、前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにシリコーン系滑剤が0.1〜5.0質量%添加されていることを特徴としている。
【0022】
請求項14記載の発明は、前記感光性記録媒体としてホログラム記録媒体を請求項1〜13のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジに収容したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の感光性記録媒体用記録再生装置によれば、遮光された記録再生装置に該カートリッジを挿入してから、書込み・読取り可能となるまでの時間を簡単な構成で短縮すると共に、感光性記録媒体を誤開放することのない記録再生装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態である記録再生装置のロック解除機構を示す斜視図で、3つの図を通して、(1)〜(6)は時間の経過を示している。
〈ロック解除機構の構成〉
図1において、201は感光性記録媒体用カートリッジ2の挿入方向先端側の角近傍に設けられたカートリッジシェルを貫通する貫通孔である。この貫通孔201は細長い長孔をしており、カートリッジの挿入方向先端側の短辺から後端側の短辺に向けてなだらかな斜面201aが形成されており、一方、後端側の短辺は垂直面としてあり、これによってカートリッジの挿入が続いてもロック解除アームのローラ790aが貫通孔201から飛び出ないようになり、またカートリッジが抜き去られるときにはローラ790aが貫通孔201からスムーズに退却することができるようになる。
なお、ここではローラ790aを用いた例で説明するが、本発明はローラ790aに限定されるものではなく、貫通孔201に挿入されるような部材であればなんでもよい(ここでは総称的に「没入部材」と称する。)
【0025】
貫通孔201の真下をカートリッジの挿入方向先端から挿入方向後端に向けてスライド部材202がスライドする構成となっている。すなわち、2本のレール203、203がカートリッジシェルの裏側にカートリッジの挿入方向先端から挿入方向後端に向けて平行に設けてあり、2本のレール203、203には互いに対向する側の中央に溝203aがレール203、203の長さ方向に形成されている。
【0026】
スライド部材202は、断面長方形の長尺状をしており、それの貫通孔201に対向する面にはカートリッジの挿入方向先端側の辺近傍に小孔202aが形成されている。
また、レール203、203に対向する面には、レール203、203の溝203a、203aに入り込む凸部202b、202bが形成されており、これによってスライド部材202はレール203、203の間を長さ方向にスライドできるようになる。
さらにスライド部材202のカートリッジの挿入方向先端側に、シャッタ56に形成された凹部56eに不使用時に係合する凸部202cが形成されている。
【0027】
スライド部材202の小孔202aはカートリッジの挿入方向先端側の短辺から後端側の短辺に向けてなだらかな斜面201aが形成されており、一方、後端側の短辺は垂直面としてあり、これによってロック解除アーム790のローラ790aが小孔202aに没入した後、カートリッジの挿入が続いてもローラ790aが小孔202aから飛び出ないようになり、またカートリッジが抜き去られるときにはローラ790aが小孔202aからスムーズに退却することができるようになる。ローラ790aが小孔202aに没入した後、カートリッジの挿入が続くとスライド部材202はスライドし始め、ローラ790aが貫通孔201の垂直壁に当たってスライドは終了する。そして、スライド部材202がカートリッジ2の挿入方向後端側にスライドすることによって、スライド部材202の凸部202cがシャッタ56に形成された凹部56eから外れて、シャッタはロック解除される。
【0028】
ロック解除機構は、先端にローラ790aを取り付けたアーム790で実現している。アーム790は一端(ローラ790aのない側)を筐体10のカートリッジの挿入方向先端側に旋回可能に取り付けられており、そこから挿入方向後端側に延びて、アーム先端に取り付けられたローラ790aがカートリッジシェルの表面を回転するようになっている。アーム790は図示のないスプリング等によって下方(カートリッジ側)に押圧されている。
【0029】
なお、記録ディスク4(図10)は両面への記録が可能であるため、カートリッジ2は、A面2aまたはB面2bのいずれもが上方に向けられて記録再生装置10にセットされるが、装填面が異なると、ロック機構のアーム790の位置が左右で反転する。そのため、カートリッジ2が反転して装填された場合でも貫通孔201に係合できるように、反転装填時用のアーム790を別途備えている(図4参照)。
【0030】
また、一対のローラ790a、790aを取り付けるアーム790,790は、図示しないバネによって下方に向けて付勢されているので、一方のローラ790aがに没入している際に、他方のローラ790aはカートリッジ2の表面に当接し状態を維持し、邪魔になることはない。
【0031】
〈ロック解除機構の動作〉
次に、上記ロック解除機構の動作について説明する。
感光性記録媒体用カートリッジ2の先端が挿入口91(図4)に挿入されて進むと、ロック解除機構のアーム790の先端のローラ790aがカートリッジ2の上に乗り上げる(図1(1)参照)。
【0032】
さらにカートリッジ2の挿入が進むと、ローラ790aは貫通孔201に接近する(図1(2)参照)。このときは、スライド部材202の挿入方向先端側に形成された凸部202cはシャッタ56に形成された凹部56eに係合したままである(同、右図参照)。
【0033】
さらに、カートリッジ2の挿入が進むと、ローラ790aは貫通孔201の斜面を転がり下りてスライド部材202の小孔202aに入り込む(図2(3)参照)。このときは、スライド部材202はまだスライドしていないので、スライド部材202の凸部202cはシャッタ56の凹部56eに係合したままである(同、右図参照)。
【0034】
さらに、カートリッジ2の挿入が進むと、スライド部材202の小孔202aに入り込み、そしてローラ790aはスライド部材202を挿入方向後端側に押し下げることとなる(図2(4)参照)。このスライド部材202のスライドにより、スライド部材202の凸部202cはシャッタ56の凹部56eから、外れ図で下方に下がる(同、右図参照)。この位置でカートリッジ2の挿入動作は終了する。
【0035】
〈シャッタ開放機構の動作〉
上記のようにロック解除されたら、照度センサが遮光を確認した後(これについては後述)、次のようにしてシャッタが開放される。
シャッタ開放機構80(図4)の駆動モータ83が回転すると、その回転軸に固定されたリードねじ82を回転させることで操作片81a(図3参照)が被操作部56dに接近してこれを押圧し、シャッタ13(図4)を開き位置にスライドさせる(図3(5))。
【0036】
駆動モータ83がさらに回転すると、操作片81aは被操作部56dをシャッタ13(図4)を開き位置にまでスライドさせて、駆動モータ83の回転は終了し、スライドは停止する(図3(6))。この後、記録再生が開始される。
【0037】
以上、ロック解除機構をアーム790とその先端に設けたローラ790aとで説明したが、本発明のロック解除機構はこれに限定されるものではない。
例えば、図1〜図3に用いたスライド部材202を次のように変形させて、ロック解除機構もこれに対応するように変形させてもよい。
スライド部材202をカートリッジの壁面内部に沿ってスライドさせ、カートリッジの壁面には、長孔をカートリッジの挿入方向に、係合解除可能なストローク分の長さをあけておく。スライド部材202には小孔202aに代えて、スライド部材202から長孔を貫通して(すなわち、カートリッジの壁面を貫通して)カートリッジの側面から突出する突起物を形成しておく。記録再生装置側にはカートリッジの挿入時にこの突起物の接近を押さえるストッパを設けておくことで、カートリッジは所定の位置に進むが、突起物(すなわち、スライド部材)はストッパで進行を阻まれるため、カートリッジが所定の位置に到達したときに、スライド部材だけ後方にスライドしているので、図2(4)と同じ状態になり、スライド部材202の凸部202cはシャッタ56の凹部56eから、外れ図で下方に下がり、この位置でカートリッジ2の挿入動作は終了し、シャッタの開放が可能となる。
【0038】
図4および図5は記録再生装置の概略構成図である。図4および図5に示すように、カートリッジ2を装填して使用される記録再生装置10は、カートリッジ2を挿入可能な挿入口91が形成され、外部から遮光された内部空間92を有する筐体90を備える。挿入口91は、ピン93を中心として回動自在に筐体90の内部に配設された挿入口シャッタ94により開閉される。挿入口シャッタ94は、捩じりコイルばね96の一端が係止されて挿入口シャッタ94を閉じる方向に付勢している。挿入口91には、その開口全周に亘って遮光部材95が固着されており、挿入口シャッタ94が閉じられたとき挿入口シャッタ94と協働して挿入口91を外部から遮光する。
筐体90内には、上述のロック解除機構78およびシャッタ開放機構80が組み込まれている。
【0039】
シャッタ開放機構80は、スライド部材56の被操作部56dの外側に当接する一対の操作片81a,81bと、両端側に右ねじ82aおよび左ねじ82bがそれぞれ形成されたリードねじ82を備える。リードねじ82の右ねじ82aには操作片81aが螺合し、左ねじ82bには操作片81bが螺合している。リードねじ82の一端には、駆動モータ83の回転軸が固定されてリードねじ82を時計方向または反時計方向に回転させるようになっている。
【0040】
リードねじ82が反時計方向に回転すると、操作片81a,81bは互いに接近する方向に移動して被操作部56dを押圧し、シャッタ13を開き位置にスライドさせる。操作片81a,81bを一対設けたのは、カートリッジ2の反転挿入に対応するためである。
【0041】
筐体90の内部には、筐体90内の明るさを検出する照度センサ98(図5)が配設されている。図6は、照度センサ98の検出フローを説明する図である。
それによれば、上記のようにロック解除されたカートリッジ2が所定の位置に達する前に、照度センサ98が筐体90内の明るさを検出し、所定の照度以下であると筐体90が遮光されていると判断し(S2)、駆動モータ83を回転させてリードねじ82を反時計方向に回転させる(S3)。これにより、リードねじ82の右ねじ82aおよび左ねじ82bに螺合する操作片81a,81bは互いに接近する方向に移動して被操作部56dを押圧し、シャッタ13を移動させて開く。そして、記録ディスク4を回転させながら図示しないヘッドによりデータを記録し、または記録されたデータを再生する。
【0042】
尚、照度センサ98で検出した照度が所定の照度以上であると(S2)、記録ディスク4を感光させるおそれがあるので、シャッタ13を開くことなく表示装置(図示せず)に警告を表示したり、カートリッジ2を記録再生装置10から排出するなどして使用者の注意を喚起する(S4)。
このように、ロック機構は、カートリッジ2を記録再生装置10に挿入することにより自動的にロック解除され、更に記録再生装置10が遮光された後にシャッタ13が開くので記録ディスク4の感光を確実に防止することができる。
【0043】
また、図7〜図9はホログラム記録媒体用カートリッジ(以下、カートリッジと省略する)の外観形状を示す斜視図であり、図7はカートリッジの一方の面を上方にした状態を示す斜視図、図8は反対側の面を上方にした状態を示す斜視図、図9はシャッタが開き位置にあり、ディスク収容部に円板形状のホログラム記録媒体(以下、記録ディスクと称する)が回転自在に収容された状態を示す斜視図である。
【0044】
次に、本発明が対象としている遮光性の各機構を備えたカートリッジ2について説明する。図7〜図9に示すように、カートリッジ2は、このカートリッジを取り扱うホログラム記録装置等の記録再生装置10に対し、矢印C方向から装填される。カートリッジ2の装填方向先端の両側面には、カートリッジ2がホログラム記録装置等の記録再生装置10に装填された際に、記録再生装置10に設けられた位置決め部材が挿入される位置決め溝7(図7)、8(図8)が設けられている。
【0045】
記録ディスク4は、中心部に穴をあけてディスク状にしたホログラム記録ディスクであり、両面にホログラム記録層が設けられている。このホログラム記録層には、例えば、緑色532nm〜青色405nmの波長域のレーザ光により、データがレーザ光の干渉縞として多層記録される。なお、記録ディスク4の穴部に補強材を付加してもよい。カートリッジ2は、記録ディスク4の両面の記録面に記録を行なうために、A面2aまたはB面2bのいずれかを上にして記録再生装置(ホログラム記録装置)10にセットされる。
【0046】
カートリッジ2は、ディスク収容部3が設けられたカートリッジ本体11と、このカートリッジ本体11の外側を挟み込むようにして取り付けられる遮光板12と、カートリッジ本体11と遮光板12との間に組み込まれるシャッタ13とを備えている。遮光板12の上下面には、第2の開口である略長方形の外部開口14、15が形成されている。これらの外部開口14,15は、シャッタ13が閉じ位置にあるときに、第1シャッタ55a,第2シャッタ55bによって閉じられている。
【0047】
図9に示すように、シャッタ13が矢印D方向の開き位置に向けて移動すると、外部開口14,15とともに、外部開口14,15に対面するようにカートリッジ本体11に設けられている同形状の内部開口18,19が開放される。これにより、ディスク収容部3内に収容されている記録ディスク4の中心部4aと、記録面4bとが外部に露呈される。
【0048】
シャッタ13は、内蔵するシャッタバネによって閉じ位置に付勢され、かつロック機構によって閉じ位置でロックされている。ロック機構の解除は、位置決め溝7内に突出されている第2のロック部材64をカートリッジ2内に押し込み、その状態でカートリッジ2のA面2a及びB面2bの開口73,72から露呈されている第1のロック部材63をカートリッジ装填方向の後端側にスライドさせる。このように、シャッタ13は、2段階の操作を行なわなければ解除されないロック機構によって閉じ位置でロックされているため、シャッタ13が不用意に開放されることはない。
【0049】
図10は、カートリッジの構成を示す分解斜視図、図11は図10におけるVI−VI矢視断面図、図12は図10におけるVII−VII矢視断面図である。また、図13(A)はカートリッジの装填方向の断面図、(B)は(A)の前端縁部分の拡大図、(C)は(A)の後端縁部分の拡大図、図14はカートリッジの装填方向に直交する方向の断面図であり、(A)はシャッタが閉じた状態の断面図、(B)はシャッタが開いた状態の断面図、図15は図14における円Xで囲まれた部分の拡大図、図16は図14における円XIで囲まれた部分の拡大図である。
【0050】
図10に示すように、カートリッジ本体11は、略板状の第1シェル25と、この第1シェル25に接合される第2シェル26と、第1シェル25と第2シェル26との間に組み込まれてシャッタ13のロックを行なうロック機構27とから構成されている。
【0051】
第1シェル25と第2シェル26は、例えば、遮光性物質と滑剤とが添加された同一または類似の熱可塑性プラスチックを用いて、射出成形により形成されている。カートリッジ2の後端縁部の拡大した断面図である図13(C)に示すように、第1シェル25の内面には、記録ディスク4の外径よりも大きな径で形成された突条である第1の遮光壁30と、この第1の遮光壁30の外側に設けられた第2の遮光壁31と、端縁全周に設けられた突条32とが設けられている。第1の遮光壁30の内側には、記録ディスク4の中心部4aと記録面4bとを外部に露呈させる内部開口18が設けられている。
【0052】
第2シェル26の内面には、記録ディスク4の外径よりも大きな径で形成された突条であり、第1シェル25の第1の遮光壁30と第2の遮光壁31との間に挿入される第3の遮光壁35と、端縁全周に設けられた突条36とが設けられている。第3の遮光壁35の内側には、記録ディスク4の中心部4aと記録面4bとを外部に露呈させる内部開口19が設けられている。
【0053】
第2シェル26の第3の遮光壁35の内側に記録ディスク4を乗せ、第1シェル25を第2シェル26の上面に重ね合わせると、第3の遮光壁35が第1の遮光壁30と第2の遮光壁31との間に挿入され、第3の遮光壁35の先端が第1シェル25の内面25eに当接する。ディスク収容部3は、これらの遮光壁30、31、35と、第1シェル25及び第2シェル26の内面とによって形成される。ディスク収容部3の側壁は、3枚の遮光壁30,31,35が入り組んで形成されたラビリンス状の遮光構造となる。そのため、第1シェル25及び第2シェル26の合せ目から光や塵芥が入り込んでも、これらがディスク収容部3内にまで進入することはない。
【0054】
また、第2シェル26の第3の遮光壁35の先端は、超音波溶着によって第1シェル25の内面25eに固着される。これにより、第1シェル25と第2シェル26とが強固に接合されるため、両者の合せ目に隙間が開くようなことはない。
【0055】
図10、および図13〜図16に示すように、第1シェル25及び第2シェル26の外面には、遮光板12の形状より僅かに大きく、且つ遮光板12の厚み以上の深さの段差部25d,26dを有し、内側にオフセットさせた遮光板取付面25a,26aが形成されている。
【0056】
遮光板12の材質には、遮光性、耐食性、装飾性、加工性を得ることができ、かつ軽量で強度のあるものとして、例えばアルミニウム合金が用いられている。なお、遮光板12はプラスチックで形成してもよいが、遮光性と、シャッタ13の滑り性とを確保するために、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックを用いるとよい。
【0057】
図10〜図12に示すように、遮光板12は、アルミニウム合金の薄板に外部開口14,15と、シャッタ13の移動範囲を得るための切欠40とを形成し、断面が略コ字形状となるように屈曲させたものである。これにより、遮光板12には、外部開口14,15をそれぞれ有する第1の板部12a及び第2の板部12bと、切欠40を有し第1の板部12aと第2の板部12bとを連設させる第3の板部12cとが設けられている。
【0058】
第3の板部12cと第1の板部12a及び第2の板部12bとの稜線部、およびカートリッジ2の装填方向C両側の2辺と装填方向Cと直交する方向の1辺との各交差部には切り込みが入れられて、第1の板部12a及び第2の板部12bの外周端部が互いに接近する方向(換言すれば、カートリッジ本体11に取り付けられたときカートリッジ本体11に向かう方向)に略ヘの字形に曲げられている。これにより、第1の板部12a及び第2の板部12bの外周端部には、略ヘの字形の屈曲部12dが形成されている。この屈曲部12dは、外周端部の3辺すべてに形成するのが遮光性能上から望ましいが、これに限定されない。
【0059】
遮光板12は、第1の板部12a及び第2の板部12bでカートリッジ本体11のB面2b及びA面2aとを挟み込み、かつ第3の板部12cでカートリッジ本体11の装填方向Cの先端を覆うようにして、カートリッジ本体11の遮光板取付面25a,26aに取り付けられる。遮光板取付面25a,26aは、遮光板12の厚み以上の深さで内側にオフセットされているので、カートリッジ本体11に取り付けられた遮光板12の外面は、カートリッジ2の表面から突出することはない。また、図13から図16に示すように、第1の板部12a及び第2の板部12bの各屈曲部12dの先端は、それぞれ第1シェル25及び第2シェル26の段差部25d,26dに対向して位置する。
【0060】
図10に示すように、遮光板12の第1の板部12a及び第2の板部12bの外周には、略等間隔で小さな穴49が形成されている。また、第1シェル25及び第2シェル26の遮光板取付面25a,26aには、遮光板12の穴49に対応する位置に、遮光板12の厚みよりも僅かに長いピン50が一体に形成されている。
【0061】
図13から図16に示すように、遮光板12がカートリッジ本体11の外側(遮光板取付面25a,26a)に取り付けられると、第1シェル25及び第2シェル26のピン50が穴49に挿入され、遮光板12の表面から突出される。遮光板12は、その弾性力に抗して屈曲部12dの先端部が遮光板取付面25a,26aに押圧されながら、各ピン50の先端が熱で潰されることによりカートリッジ本体11に固着される。
これにより、遮光板12の各屈曲部12dの先端は、それぞれ段差部25d,26dに対向して位置すると共に、遮光板12の弾性力により遮光板取付面25a,26aに押圧されて隙間なく当接する。即ち、遮光板12の外周端部(各屈曲部12dの先端)と遮光板取付面25a,26aは隙間がない状態で密着する。更に、遮光板12の外周端部は、段差部25d,26dにより覆われるので、例え、部品精度誤差などに起因して部分的に隙間があっても確実に光の回り込みを防止して遮光する。
【0062】
なお、遮光板12のカートリッジ本体11への固着方法としては、これ以外に、接着剤や両面テープ、ねじ止め等を用いることができる。また、遮光板12をプラスチックで形成した場合には、各種溶着を用いることもできる。
【0063】
図10に示すように、シャッタ13は、遮光性を有する薄板を略コ字形状となるように屈曲させたシャッタ部材55と、このシャッタ部材55に取り付けられる細長い板状のスライド部材56とからなる。シャッタ部材55は、遮光板12と同様の理由により、例えば、アルミニウム合金で形成されている。なお、シャッタ部材55もプラスチックで形成してよいが、やはり、遮光性と滑り性とを確保するために、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックを用いるとよい。スライド部材56は、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックで形成されている。
【0064】
シャッタ部材55は、第1シェル25の外面と遮光板12の第1の板部12aとの間に挿入される第1シャッタ55aと、第2シェル26の外面と遮光板12の第2の板部12bとの間に挿入される第2シャッタ55bと、これら第1シャッタ55aと第2シャッタ55bとを連設するとともに、スライド部材56が取り付けられる連設部55cとを備えている。
【0065】
第1シェル25と第2シェル26との外面には、遮光板取付面25a,26aの内側に、シャッタ部材55の厚み以上の深さで内側にオフセットさせたシャッタ摺動面25b,26bが形成されている。これにより、シャッタ13はカートリッジ本体11と遮光板12との間をスムースに移動することができるため、移動による切屑等の発生を抑えることができる。なお、シャッタ摺動面25b,26bは、入射した光を拡散するために、粗面にしてもよい。同様に遮光板12の内面、及びシャッタ13の内面及び外面も粗面にしてもよい。
【0066】
スライド部材56は、上面がカートリッジ本体11の装填方向先端面から露出されるように、第1シェル25と第2シェル26との間にスライド自在に組み込まれる。スライド部材56の上面端部には、シャッタ部材55の連設部55cの内面に取り付けられる取付面56aが設けられている。この取付面56aには、例えば2本のピン56bが一体に形成されており、連設部55cに設けられた二つの穴55dに挿入されて熱で先端が潰されることにより、シャッタ部材55とスライド部材56とを固着する。なお、この固着にも接着剤や両面テープ等を用いてもよいし、シャッタ部材55をプラスチックで形成する場合には、各種溶着を使用してもよい。また、ねじ止めを用いてもよい。
【0067】
図13(B)及び図4に示すように、スライド部材56の側面には、長手方向に沿って溝56cが形成されている。この溝56cには、第1シェル25及び第2シェル26の装填方向先端側の内面に設けられた突条25c,26cが挿入される。この溝56cと突条25c,26cとにより、スライド部材56はカートリッジ本体11から外れることなく、スライド移動することができるようになる。
【0068】
スライド部材56の他方の上面端部には、シャッタ13を開く際に操作される被操作部56dが一体に形成されている。この被操作部56dは、シャッタ部材55に対し、スライド部材56をシャッタの閉じ方向に伸ばすように設けたことにより、遮光板12の第3の板部12cに隠れることなく外部に露出されている。遮光板12の第3の板部12cの切欠40は、シャッタ13が開き位置に移動した際に、被操作部56dとの干渉を避けるために設けられている(図9参照)。
【0069】
シャッタ13は、シャッタバネ59により閉じ方向に付勢されている。シャッタバネ59は、例えば、捩じりコイルバネからなり、その両端は、スライド部材56と、第1シェル25の内面とに係止されている。
【0070】
尚、第1シェルと第2シェルとの固着に超音波溶着を用いたが、その他の溶着方法及び固着方法を用いてもよい。例えば、ネジなどで固着する場合には、ネジ穴の周囲にも遮光構造を形成するのが好ましい。また、第2シェル及び第1シェルを1部品で構成したが、複数の部品を組みあわせて形成してもよい。例えば、シャッタ収納部を境にして2部品で構成すれば、金型の簡易化を図ることができる。
【0071】
更に、両面に記録が可能な記録ディスクを収容するカートリッジを例に脱明したが、一方の面に記録される記録ディスクに対応させてもよい。この場合には、開口を一方の面にのみ形成し、シャッタでこの開口を開閉する。また、ホログラム記録媒体を収容するカートリッジを例に説明したが、その他の感光性を有する記録媒体を収容するカ一トリッジにも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態である記録再生装置のロック解除機構を示す斜視図で、、時間の経過(1)〜(2)を示している。
【図2】図1に続く時間の経過(3)〜(4)を示している。
【図3】図2に続く時間の経過(5)〜(6)を示している。
【図4】本発明の実施形態である記録再生装置の構成を示す斜視図である。
【図5】記録再生装置の概略構成図である。
【図6】記録再生装置の筐体内の照度チェックを説明するフローチャート図である。
【図7】カートリッジの外観形状を示す外観斜視図である。
【図8】カートリッジの反対側の面を示す外観斜視図である。
【図9】カートリッジのシャッタ開放状態を示す外観斜視図である。
【図10】カートリッジの構成を示す分解斜視図である。
【図11】図10におけるVI−VI矢視断面図である。
【図12】図10におけるVII−VII矢視断面図である。
【図13】カートリッジの装填方向の断面図であり、(A)は全体図、(B)は(A)の前端縁部分の拡大図、(C)は(A)の後端縁部分の拡大図である。
【図14】カートリッジの装填方向に直交する方向の断面図であり、(A)はシャッタが閉じた状態の断面図、(B)はシャッタが開いた状態の断面図である。
【図15】図14における円Xで囲まれた部分の拡大図である。
【図16】図14における円XIで囲まれた部分の拡大図である。
【図17】従来装置に係る感光性記録媒体用カートリッジのシャッタ開放までの流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
2 カートリッジ(感光性記録媒体用カートリッジ)
4 記録ディスク(感光性記録媒体、ホログラム記録媒体)
4a 感光性記録媒体の中心
4b 感光性記録媒体の記録面
10 記録再生装置
11 カートリッジ本体
13 シャッタ
18 内部開口(開口)
19 内部開口(開口)
80 シャッタ開放機構
90 筐体
91 挿入口
94 挿入口シャッタ
98 照度センサ
100 記録再生システム
201 貫通孔
201a 斜面
202 スライド部材
202a 小孔
202b 凸部
202c 凸部
203 レール
203a 溝
56e 凹部
790 アーム
790a ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性記録媒体を回転自在に収容すると共に前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる開口を有するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の外側に取り付けられて前記開口を閉じる閉じ位置と前記開口を開放する開き位置との間で移動自在に配設されたシャッタと、前記シャッタを前記閉じ位置でロックするロック機構と、を有する感光性記録媒体用カートリッジを挿入可能な挿入口が形成され外部から遮光された内部空間を有する筐体と、
前記挿入口を開閉自在に配設され前記挿入口を閉じたとき前記挿入口を前記外部から遮光する、前記筐体内に設けられた挿入口シャッタと、
前記シャッタの開き位置への移動を阻止する第1のロック位置と前記シャッタの開き位置への移動を許容する第1の解除位置との間で移動自在とされたロック部材を解除をする前記筐体内に設けられたロック解除機構と、
前記感光性記録媒体用カートリッジの前記シャッタを開く、前記筐体内に設けられたシャッタ開放機構と、
を有する記録再生装置において、
前記ロック部材は、前記感光性記録媒体用カートリッジの挿入方向先端側の角近傍に設けられたカートリッジシェルを貫通する貫通孔と、前記貫通孔の真下を通って前記カートリッジの挿入方向先端から挿入方向後端に向けてスライドするスライド部材と、から成り、
前記スライド部材は、前記スライド部材の前記カートリッジの挿入方向先端側に、前記シャッタに形成された凹部に不使用時係合する凸部が形成されており、かつ、前記貫通孔に対向する面には、前記貫通孔の前記カートリッジの挿入方向先端側の辺近傍に小孔が形成されており、
前記ロック解除機構は、前記筐体の前記カートリッジの挿入方向先端側に旋回可能に取り付けられてそこから前記挿入方向後端側に延びるアームと、前記アームの先端に取り付けられ前記カートリッジシェルの表面を移動して前記小孔内に没入できる没入部材と、から成り、
前記感光性記録媒体用カートリッジの先端が前記挿入口に挿入されてカートリッジの停止位置直前で、前記ロック解除機構の前記没入部材が前記カートリッジの前記貫通孔から前記スライド部材の前記小孔内に入り、前記感光性記録媒体用カートリッジの先端の更なる挿入によって前記没入部材が前記スライド部材を前記カートリッジの挿入方向後端側にスライドさせることで、前記シャッタの前記凹部に係合していた前記スライド部材の凸部が係合を外れて、ロック解除し、
前記筐体内の遮光を確認後、前記シャッタ開放機構が前記感光性記録媒体用カートリッジの前記シャッタを開くことを特徴とする感光性記録媒体用記録再生装置。
【請求項2】
前記筐体内に照度センサを置き、前記照度センサの出力の有無で、前記シャッタ開放機構のモータを回転作動させることを特徴とする請求項1記載の感光性記録媒体用記録再生装置。
【請求項3】
前記没入部材がローラであり、かつ前記カートリッジシェルを貫通する前記貫通孔および前記スライド部材の小孔は、前記貫通孔および前記小孔の前記カートリッジの挿入方向先端側辺から後端側に向けてなだらかな斜面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の感光性記録媒体用記録再生装置。
【請求項4】
前記シャッタは、該シャッタの外周端部に前記カートリッジ本体側に曲げられて形成された屈曲部を有し、前記カートリッジ本体は、前記外周端部に対応する位置に形成された突出部を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項5】
前記屈曲部が、前記外周端部の、該シャッタを開く方向に移動する側の端部に形成されていることを特徴とする請求項4記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項6】
前記シャッタは、前記開口を開閉するようにスライド移動する第1遮光板部と、該第1遮光板部の、前記シャッタを開く方向に移動する側の先端に、垂直に立設された第2遮光板部と、該第2遮光板部に対して前記シャッタが閉じる方向に垂直に立設された第3遮光板部とを有し、
前記カートリッジ本体に、前記シャッタが閉じ位置にあるときに、前記第1遮光板部と前記第3遮光板部の間に挿入される突条が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項7】
前記シャッタは、前記開口を開閉するようにスライド移動する第1遮光板部と、該第1遮光板部の、前記シャッタを開く方向に移動する側の先端に、垂直に立設された第2遮光板部とを有し、
前記突出部が、前記シャッタが閉じ位置にあるときに、前記第1遮光板部に対向するように形成された突出部上面と、前記第2遮光板部に対向するように形成された突出部側面とが設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項8】
前記シャッタは、前記開口を開閉するようにスライド移動する第1遮光板部と、該第1遮光板部の、前記シャッタを開く方向に移動する側の先端に、垂直に立設された第2遮光板部と、該第2遮光板部に対して前記シャッタが開く方向に垂直に立設された第3遮光板部とを有し、
前記カートリッジ本体は、シャッタが閉じ位置にあるときに、前記第1遮光板部に対向するように形成された突出部上面と、前記第2遮光板部に対向するように形成された突出部側面と、該突出部上面の内側にオフセットされ、前記第3遮光板部に対向するように形成されたシャッタ摺動面とが設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項9】
前記カートリッジ本体は、前記感光性記録媒体に対する内面と、前記シャッタに対する外面とに、表面粗さRa5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が施されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジ本体は、略板形状の第1シェルと、この第1シェルに重ね合わされて溶着される第2シェルから成り、前記第1シェル及び第2シェルは、同一または類似の熱可塑性プラスチックで形成され、かつ前記シャッタを含むその他の部品は、該第1シェル及び第2シェルと異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項11】
前記第1シェル及び第2シェル、ならびにシャッタは、その成形に用いられるプラスチックに遮光性物質が0.01〜5.00質量%添加されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項12】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにカーボンブラックが0.01〜2.00質量%添加されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項13】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにシリコーン系滑剤が0.1〜5.0質量%添加されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項14】
前記感光性記録媒体としてホログラム記録媒体を請求項1〜13のいずれか1項記載の感光性記録媒体用カートリッジに収容したことを特徴とするホログラム記録媒体内蔵カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−102873(P2007−102873A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−289003(P2005−289003)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】