説明

感圧位置決め投影スクリーン

【課題】一種の投影スクリーンに関し、特に、感圧位置決め投影スクリーンを提供する。
【解決手段】感圧位置決め投影スクリーンは第1の方向に平行した複数個の互いに絶縁及び適当な間隔に隔離した第1の感圧電極と、第2の方向に平行した複数個の互いに絶縁及び適当な間隔に隔離した第2の感圧電極とを備えてなり、これら第1及び第2の感圧電極の中の少なくとも一つは該受圧位置に対応してそれぞれ第1の電気信号及び第2の電気信号を生じ、その中該第2の電気信号は該受圧位置の、該第1の方向に沿った位置情報(j)を提供し、そして該第1の電気信号は該受圧位置の、該第2の方向に沿った位置情報(i)を提供する。該感圧位置決め投影スクリーンは該第1及び第2の電気信号を利用して該受圧位置の該第1及び第2の方向の座標(j,i)を知り得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の投影スクリーンに関し、特に、感圧位置決め投影スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
今や電動ゲームは非常に観迎されている娯楽方式であり、それと使用者との相互動作方式は、既に単純にキーボード操作から使用者の肢体動作を受け得るように変り、例えば擲球で花瓶を打撃する電子ゲームを例に取れば、使用者が壁前に立って実体の球でゲーム画面に投げて、壁面上に投影され又は壁面前の投影スクリーン上に投影された花瓶はゲーム本体が球の壁面へのぶっつけ又は投影スクリーンの位置を検出することにより、対応的に花瓶が撃散された画面を投射する相互動作方式は大幅に電動ゲームの娯楽性を向上することができる。
【0003】
図1は従来の技術における相互動作式電動ゲームの撮影機セット方式の見取り図である。この図1に示すように、従来の技術における相互動作式電動ゲームは壁面又は投影スクリーン1を備え、撮影位置決め装置を採用して壁面又は投影スクリーン1がぶっつけられた位置を検出していた。該撮影位置決め装置は投影スクリーン1に平行した方向に沿って映像を摘取する第1の撮影機2と、該第1の撮影機2の映像摘取方向に垂直する方向に沿って映像を摘取する第2の撮影機3とを備えていた。該第1の撮影機2及び第2の撮影機3は摘取した映像信号を映像処理回路に伝送して弁識処理を行い、壁面又は投影スクリーン1がぶっつけられた位置を生じた後、該映像処理回路は該座標位置をゲーム本体に伝送して動態的に壁面又は投影スクリーン1に投射した画面を変改する。しかしながら、映像処理の演算は頗る時間を要し、且つ撮影機又は映像処理回路を増加したために相互動作式電動ゲームのコストもこれにつれて比較的高くなっている。更には、該第1の撮影機2及び該第2の撮影機3はゲームの過程においてぶつけられる可能性又はその他の因素により常に更正の必要があり、且つ、実際の操作環境における光源の照明強度及び撮影機のセット位置により発生された映像品質及び視角問題はいずれもぶっつけ位置の検出に対して影響を及ぼすので、得られた該座標位置は正確性を失する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は感圧位置決め投影スクリーンを提供することに関する。この感圧位置決め投影スクリーンはその受圧位置の座標信号を提供することができる。該感圧位置決めスクリーンは第1の方向に平行する複数個の互いに絶縁し且つ適当な間隔に隔離する第1の感圧電極と、第2の方向に平行する複数個の互いに絶縁且つ適当な間隔に隔離する第2の感圧電極とを備えてなり、これら第2の感圧電極と第1の感圧電極はそれぞれ不同の平面に位置し、そして互いに絶縁隔離しており、その中、該受圧位置に対応するこれら第1の感圧電極の中の少なくとも一つは第1の電気信号を生じ、そして該受圧位置に対応するこれら第2の感圧電極の中の少なくとも一つは第2の電気信号を生ずることができる。該第2の電気信号は該受圧位置の、第1の方向に沿った位置情報(j)を提供し、そして該第1の電気信号は該受圧位置の、第2の方向に沿った位置情報(i)を提供する。該感圧位置決めスクリーンは該第1及び第2の電気信号により該受圧位置の該座標信号(j,i)を知り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明の感圧位置決め投影スクリーンの好適な実施例について説明する。しかし実際の配置及び採取した方法は必ずしも完全にこの説明内容に一致する必要がなく、当業者であれば本発明の実際精神及び範囲を逸脱しない状況下で種種の変化及び改修をすることができる。
【0006】
図2は本発明による感圧位置決め投影スクリーンの好適な一実施例の構造見取図である。図2において、感圧位置決め投影スクリーン10は受圧位置11の座標信号を提供できると同時にゲーム本体により投影された画面を反射顕現することができる。感圧位置決め投影スクリーン10は硬性平面前に置かれるが、図2では感圧位置決め投影スクリーン10の下面に位置している。受圧位置11は外力18が感圧位置決め投影スクリーン10の前面の位置を衝撃する位置であるが、図2では感圧位置決め投影スクリーン10の上面に位置している。
【0007】
感圧位置決め投影スクリーン10は、第1の方向12に平行する、n(n>1)個の互いに絶縁及び適当な間隔に隔離した第1の感圧電極14、及び、第2の方向13に平行する、m(m>1)個の互いに絶縁及び適当な間隔に隔離した第2の感圧電極16を採用している。該複数個の第1の感圧電極14及び該複数個の第2の感圧電極16はそれぞれ不同の平面に位置している。該第1の感圧電極14及び第2の感圧電極16は長条状に設計され、且つ、互いに分離、平行対応すると共にそれぞれ2絶縁層19に嵌着された2導電片190により構成されている。そして絶縁層19は感圧位置決め投影スクリーン10の使用及び収蔵に寄与できるように、扁平状且つ捲曲可能な弾性を有する軟性重合体材質を採用している。該図2に示すように、本実施例は合せて4層の絶縁層19を備え、その中、一番外(又は最上)の2層はそれぞれ第1の感圧電極14の導電片190を嵌設しており、そして一番内(又は最下)の2層はそれぞれ第2の感圧電極16の導電片190を嵌設している。ここで注意すべきところは、導電片190が絶縁層19中の適当な距離に嵌入しているので、図2中の絶縁層19はその実緊密に貼合でき、そして互いに対応している導電片190は接触しない。
【0008】
外力18が受圧位置11を衝撃した時、絶縁層19の軟性材質及び硬性平面(例えば壁面)の抵抗力により、受圧位置11に対応する一特定第2の感圧電極16(第j条、1≦j≦mと仮設する)の2導電片190がこのために接触し、外力18が消失した後、絶縁層19の弾性は第j条第2の感圧電極16の2導電片190を分離の状態を回復させる。同様に、外力18が受圧位置11を衝撃した時受圧位置に対応する一特定第1の感圧電極14(第i条、1≦i≦nと仮説する)の2導電片19がこれにより接触し、そして外力18が消失した後、絶縁層19の弾性は第i条第1の感圧電極14の2導電片190を分離の状態を回復させる。
【0009】
検出回路30とn条第1の感圧電極14とm条第2の感圧電極16との導電片190をそれぞれ電気的に接続して、個別的の回路(合せてn+m個回路)を構成させることにより、ある一対の導電片190が分離(ブレーク)から、外力18の撞撃による接触(ショート)、ひいては外力18の消失による分離(ブレーク)に至ると、検出回路は対応的に該対導電片190所在の回路のインピーダンス変化、又は電圧変化、或いは電流変化を検出することができる。第1の感圧電極14のいずれかにより検出された上記電気的変化は以下第1の電気信号と称し、そして第2の感圧電気16のいずれかにより検出された上記電気的変化は以下第2の電気信号と称する。そして、該第1、第2の電気信号は果してインピーダンス変化であるかどうか、又は電圧変化であるか否か、或は電流変化であるか否か、もしくはその他の電気信号であるか否かは、採用された検出回路30の如何によって定まる。検出回路の細部内容は当業者の熟知とするところであるから一歩進んだ説明を省略する。
【0010】
外力18が第i条の該第1の感圧電極14と第j条第2の感圧電極との交又部位の適当範囲内に位置する受圧位置11を衝撃、そして第i条の第1の感圧電極14の2導電片190と、第j条の第2の感圧電極の2導電片190とを接触させた時、該第2の電気信号の発生は受圧位置11の第1の方向12に沿った位置情報(j)を提供する一方、該第1の電気信号の発生は受圧位置11の第2の方向13に沿った位置情報(i)を提供する。したがって、該第1の電気信号及び該第2の電気信号により感圧位置決め投影スクリーン10の検出回路30は受圧位置11の座標信号(j,i)を提供することができる。
【0011】
また他方、座標信号の外に、該第1、第2の電気信号の発生から終止の時間まで、検出回路30も何時衝撃が発生したか、及び何時衝撃が結束したかを知ることができる。検出回路30はこれら情報を全部ゲーム本体で処理でき、この場合、ゲーム本体は通常これら情報に基づいて対応の投射画面を生ずる。受圧位置11を利用することにより、該2導電片190は相接触を通して電気上の変化を生ずることができ、且つ感圧位置決め投影スクリーン10の実際応用需求に基づいて、第1の感圧電極14及び第2の感圧電極16は不同の設計方式を有する。これにより該第1の電気信号及び第2の電気信号はそれぞれ電流変改信号、電圧変改信号又はインピーダンス変改信号の中の一信号を具備して正確に該座標信号を取得することができる。これら情報変改は感圧位置決め投影スクリーン10の画面に投射され、相互動作の視覚効果を営造する。
【0012】
この他に、第1の方向12及び第2の方向13は好ましくは互いに垂直、又はそれぞれ感圧位置決め投影スクリーン10に平行した幅及び長さであり、これにより該第1の電気信号と該第2の電気信号を通して該座標信号を生じた信号計算処理過程を一層簡単化する。
【0013】
要するに、本発明により提供された感圧位置決め投影スクリーンは第1の方向に平行した複数個第1の感圧電極と、第2の方向に平行した、複数個の第2の感圧電極との全体マッチングを利用して該感圧位置決め投影スクリーンをしてその受圧位置の座標信号を提供せしむるようにすることができる。本発明は従来の技術における撮影位置決め装置が投影表示スクリーン上の受圧位置の座標信号を正確に提供できない限制を突破して、複数個第1の感圧電極と複数個第2の感圧電極とを組合せた感圧位置決め投影スクリーンを開発した。当該技術は極めて簡単、且つ製造コストが極めて低いので応用性が高い。
【0014】
以上の説明は好適な実施例を利用して本発明の技術的手段をより具体的に説明したもので、本発明の技術的精神は決してこれに限定されず、添付クレームの範囲を逸脱しない限り、当業者による単純な設計変更、付加、修飾、置換はいずれも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の技術における相互動作式電動ゲームの撮影機セット方式の見取図である。
【図2】本発明による感圧位置決め投影スクリーンの好適な一実施例の構造見取図である。
【符号の説明】
【0016】
1・・・投影スクリーン 2・・・第1の撮影機 3・・・第2の撮影機 10・・・感圧位置決め投影スクリーン 11・・・受圧位置 12・・・第1の方向 13・・・第2の方向 14・・・第1の感圧電極 16・・・第2の感圧電極 18・・・外力 19・・・ 絶縁材料 190・・・導電片 30・・・検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬性平面前に設けられ、投影画面を反射顕現できると共に、前面が外力の衝撃を受けた受圧位置の座標信号を提供する感圧位置決め投影スクリーンであって、第1の感圧電極と、第2の感圧電極と、検出回路とを備えてなり、
前記第1の感圧電極は第1の方向に平行したn(n>1)個が互いに絶縁且つ適当な間隔に隔離しており、各該第1の感圧電極は互いに分離、平行及び対応した2導電片により構成されてなり、
前記第2の感圧電極は第2の方向に平行したm(m>1)個の互いに絶縁且つ適当な間隔に分離しており、各該第2の感圧電極は互いに分離、平行及び対応した2導電片により構成され、当該第1の感圧電極及び当該第2の感圧電極はそれぞれ不同の平面に位置すると共に互いに絶縁隔離しており、及び
前記検出回路は、当該第1の感圧電極及び当該第2の感圧電極の該2導電片とそれぞれ電気的に接続して個別的に(n+m)個回路を構成してなり、
その中、外力が第i(1≦i≦n)条の該第1の感圧電極と第j(1≦j≦n)条の該第2の感圧電極との交叉部位の適当範囲内に位置する該受圧位置を衝撃した時、第i条の第1の感圧電極の該2導電片と第j条の第2の感圧電極の2導電片はこのために互いに接触し、該検出回路は第i条の該第1の感圧電極所在の該回路において第1の電気信号の発生を検出すると共に、第j条の該第2の感圧電極所在の該回路において第2の電気信号の発生を検出し、該検出回路は該第2の電気信号の発生を利用して該受圧位置の該第1の方向に沿った位置情報(j)を知り、そして該第1の電気信号の発生を利用して該受圧位置の該第2の方向に沿った位置情報(i)を提供するので、該検出回路はこれにより該受圧位置の該座標信号(j、i)を提供することができる、
ことを特徴とする感圧位置決め投影スクリーン。
【請求項2】
前記第1の方向は前記感圧位置決め投影スクリーンの幅に平行し、そして前記第2の方向は該感圧位置決め投影スクリーンの長さに平行することを特徴とする、請求項1記載の感圧位置決め投影スクリーン。
【請求項3】
前記第1及び第2の電気信号はそれぞれ電圧変化信号、電流変化信号及びインピーダンス変化信号からなる群の中から一つ選ばれることを特徴とする、請求項1記載の感圧位置決め投影スクリーン。
【請求項4】
前記第1の感圧電極及び前記第2の感圧電極はいずれも長条状であり、
前記第1の感圧電極の前記2導電片はそれぞれ平行対応する2絶縁層中に嵌設されており、
前記第2の感圧電極の前記2導電片はそれぞれ平行対応する2絶縁層中に嵌設されており、
前記絶縁層は弾性を具備した軟性材料により構成されていることにより前記感圧位置決め投影するリーンを捲曲可能にさせることができる、
ことを特徴とする請求項1記載の感圧位置決め投影クスリーン。
【請求項5】
前記検出回路は前記第1、第2の電気信号の発生時間に基づいて一歩進んで該外力の衝撃の発生時間情報を提供する、ことを特徴とする請求項1記載の感圧位置決め投影スクリーン。
【請求項6】
前記外力の衝撃が消失した時、第i条の前記第1の感圧電極の前記2導電片、及び第j条の前記第2の感圧電極の前記2導電片はこのために分離され、
前記検出回路は第i条の前記第1の感圧電極所在の前記回路において前記第1の電気信号の消失を検出し、及び第j条の前記第2の感圧電極所在の該回路において前記第2の電気信号の消失を検出し、及び
前記検出回路は前記第1、第2の電気信号消失の時間に基づいて、一歩進んで前記外力の衝撃の結束時間を提供する、
ことを特徴とする請求項1記載の感圧位置決め投影するリーン。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−198178(P2008−198178A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238262(P2007−238262)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(507308256)國立台湾科技大学 (1)
【Fターム(参考)】