説明

感度および寿命が向上された変調器

電気光学変調器組立品は、ポリマーマトリックスに包まれた液晶液滴を含む電気光学変調器材料から形成されるセンサ層を含む。センサ層の材料は、消泡剤等の界面剤を、センサ層に光を透過させる固有の動作電圧を降下させるに足る量分、含む。消泡剤は、約1から約10重量パーセントの電気光学変調器材料を含み、消泡剤は、例えば反応性末端基を有するシロキサン、反応性フッ化ポリマー、または、非イオンブロックコポリマーのうち少なくともいずれかである、ポリマーマトリックスと反応する反応成分を含みうる。組立品は、さらに、センサ層を保護するハードコーティング層を含みうる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、電気光学用の液晶材料に係る。より詳しくは、本発明は、液晶/ポリマー合成材料、およびこの種類の合成材料を製造および利用する方法および装置に係る。あくまで例示ではあるが、本発明の方法および装置は、電圧撮像システムとの関連で記載される。本発明の材料、方法および装置は、例えばフラットパネルディスプレイに利用される液晶合成材料等の他の電気光学用途に利用することもできる。
【0002】
電圧撮像技術は、フラットパネル薄膜トランジスタ(TFT)アレイにおける欠陥を検知および計測する用途に利用されうる。この計測技術によると、TFTアレイの性能をあたかもTFTセル内に実装したかのようにシミュレーションして、その後、パネルの実際の電圧分布を間接的に計測することで、または、電気光学(EO)光変調器ベースの検知器を利用した、所謂、電圧撮像により、TFTアレイの特徴を計測することができる。
【0003】
殆どのベーシックな形式の電圧撮像システムは、電気光学(EO)変調器、撮像用対物レンズ、電荷結合素子(CCD)カメラその他の適切なまたは類似したセンサ、および画像プロセッサを含む。EO変調器の電気光学センサは、例えばポリマーマトリックス(液晶/ポリマー合成物、またはLC/ポリマー)フィルムのネマチック液晶液滴等の、ポリマーマトリックスの液晶(今後「LC」と称する)液滴の光散乱特性を利用している。動作においては、EO変調器は、薄膜トランジスタ(TFT)アレイから約5−35ミクロン上に配設され、EO変調器の表面上の酸化インジウム錫(ITO)の層である透明電極に電圧バイアスが引加される。EO変調器は、液晶/ポリマー合成層がTFTアレイの磁場を感知することができるようにEO変調器をTFTアレイに容量結合する。LC/ポリマー層を透過する入射光の強度は、液晶/ポリマー合成材料の液晶(LC)材料にかかる電場強度の変化により、変化させられる(つまり変調される)。この光は、誘電体ミラーにより反射され、CCDカメラまたは同様のセンサにより収集される。例えば赤外線または可視光でありうる入射光の光源がTFTアレイ、LC/ポリマー、および誘電体ミラーの積層体に照射される。
【0004】
被試験パネル(PUT)に対して部材が近接して配置されているので、LC/ポリマー変調器の構造は、通常利用において望ましくない粒子によって損傷を受け得て、利用寿命が著しく縮める。故に、変調器の寿命を延ばすことが、LC/ポリマー変調器の研究開発においては主要な目的の一つでありうる。
【0005】
変調器の感度は、LC変調器デバイスの別の重要な特徴でありうる。変調器の感度を向上させると、検知機能も向上しうるので、これは、LC変調器開発、特にLC/ポリマーマトリックスの研究開発においては、重要な側面でありうる。また中には、ノートブック用のLCコンピュータディスプレイ等、電力消費に敏感な用途もあり、低電圧で感度を向上させることで、電力消費が低減してバッテリー寿命が伸びることに繋がりうる。欠陥検知感度は、透過光の変化と、TFTアレイ上の欠陥画素および良好な画素の間の電圧差との比率として定義されうる。
【0006】
本発明の業績は、現在のLC材料およびその現在の製造試験方法が理想するものに満たないというのではないか、と示唆する。例えば、粒子汚染は、例えば電圧撮像システム等の試験装置および/または被試験パネルに損傷を与えうる。さらに、試験装置の感度もまた理想とするものに満たない。
【0007】
上述の材料、装置、および方法は、ある種の用途には適切であろうが、当技術分野では、電気光学LC材料の向上が望まれており、より詳しくは、電気光学LC材料および試験装置の感度および利用寿命中の性能の向上が望まれている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、電気光学用の液晶材料に係る。より詳しくは、本発明は、液晶/ポリマー合成材料、およびこの種類の合成材料を製造および利用する方法および装置に係る。あくまで例示ではあるが、本発明の方法および装置は、電圧撮像システムとの関連で記載される。本発明の材料、方法および装置は、例えばフラットパネルディスプレイに利用される液晶合成材料等の他の電気光学用に利用することもできる。
【0009】
多くの実施形態で、本発明は、ポリマーマトリックスに包まれた液晶液滴を含むセンサ層であって、センサ層に光を透過させる固有の動作電圧を降下させるのに足る量の界面剤を含む、センサ層と、液晶の変調器層を保護するハードコーティング層と、を備える、電気光学変調器の組立品を提供する。
【0010】
幾らかの実施形態で、本発明は、ラテックスベースのNCAP変調器を製造する方法であって、透明電極を有するプラスチック基板上に界面剤を含むNCAPラテックスベースの材料をコーティングする工程と、コーティングされた基板をプラスチックカバーで覆い、プラスチック基板とプラスチックカバーとの間でNCAP材料を挟み込む工程と、挟み込まれたNCAP材料を光学ブロック基板に積層する工程と、プラスチックカバーを除去する工程と、NCAPラテックスベースの材料上に誘電体ミラー外皮を積層する工程と、外皮をUV処理可能な有機コーティングでコーティングする工程と、処理可能な有機コーティングを有機ハードコーティングにUV処理する工程と、を備える、方法を提供する。
【0011】
幾らかの実施形態で、本発明は、保護コーティングを有するNCAPラテックスベースの変調器であって、界面剤を含むNCAPラテックスベースの材料と、NCAP材料の上に積層された誘電体ミラー外皮と、ミラー外皮の上に処理されたUV処理可能な有機ハードコーティングと、を備える変調器を提供する。
【0012】
多くの実施形態で、本発明は、電気光学変調器の材料であって、液晶分子を有する液滴と、液滴を包み支持するポリマーマトリックスと、材料から光を透過するよう液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の消泡剤と、を備える、材料を提供する。
【0013】
特定の実施形態で、消泡剤は、電気光学変調器の材料を、約1から約10重量パーセント含みうる。消泡剤は、例えばポリマーマトリックスと反応する反応性末端基を有するシロキサン、反応性フッ化ポリマー、または、非イオンブロックコポリマーのうち少なくともいずれかである、ポリマーマトリックスと反応する反応成分を含みうる。
【0014】
多くの実施形態で、本発明は、NCAP電気光学変調器の材料であって、液晶分子を有する液滴と、液滴を包み支持するラテックスベースのポリマーマトリックスと、材料から光を透過するよう液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の界面剤と、を備える、材料を提供する。
【0015】
多くの実施形態で、本発明は、NCAP電気光学変調器の材料であって、液晶分子を有する液滴と、液滴を包み支持する水溶性ポリマーベースのマトリックスと、材料から光を透過するよう液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の消泡剤と、を備える、材料を提供する。特定の実施形態で、消泡剤は、前記水溶性ポリマーと反応し前記材料の前記動作電圧を降下させる反応性消泡剤を有する。
【0016】
幾らかの実施形態で、本発明は、NCAP電気光学材料を作製する方法であって、液晶材料をラテックス乳剤と組み合わせる工程と、液晶材料を少なくとも1つの界面剤により乳化させて、液晶材料の液滴を含む乳剤を形成する工程と、乳剤を基板に塗布する工程と、基板上の乳剤を乾燥させて、ラテックスベースのマトリックスで液滴を包む工程と、を備え、少なくとも1つの界面剤の量は、材料から光を透過するよう液晶材料の分子配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量である、方法を提供する。
【0017】
幾らかの実施形態で、本発明は、PDLC電気光学変調器の材料であって、液晶分子を有する液滴と、液滴を包み支持する、溶媒による相分離PDLC調合物と、材料から光を透過するよう液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の消泡剤と、を備える、材料を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態による界面剤を組み込むのに適した液晶/ポリマー材料分類を示す。
【0019】
【図2】本発明の実施形態によるLC/ポリマーセンサ材料からなる電気光学変調器を含む電圧撮像システムの概略図である。
【0020】
【図3A】本発明の実施形態によるLC/ポリマー合成変調器の透過バイアス電圧曲線の一例を示す。
【0021】
【図3B】本発明の実施形態によるLC/ポリマー合成変調器の透過バイアス電圧曲線の一例を、動作点とともに示す。
【0022】
【図4】(A)から(C)は本発明の実施形態によるLC/ポリマー合成変調器の透過バイアス電圧曲線の一例を、LC対ポリマー境界線の拡大図とともに示す。
【0023】
【図5】(A)および(B)は本発明の実施形態による、LC/ポリマー合成マトリックス内に界面剤層を含む発明の概略図である。
【0024】
【図6】本発明の実施形態による、界面剤が加えられた際に向上したNCAP材料の透過バイアス電圧曲線のサンプルを示す。
【0025】
【図7】本発明の実施形態による、界面剤が加えられた際に向上したPDLC材料の透過バイアス電圧曲線のサンプルを示す。
【0026】
【図8】(A)は本発明の実施形態による電子光学変調器組立品の断面図であり、(B)は本発明の実施形態による電子光学変調器組立品の断面図である。
【0027】
【図9】(A)は本発明の実施形態による、乾燥前のラテックス/水/LC混合物内の消泡剤の概略図であり、(B)は本発明の実施形態による、乾燥後のラテックス/LC混合物内の消泡剤の概略図である。
【0028】
【図10A】本発明の実施形態による水溶性ポリマーベースのNCAPを準備するプロセスフローである。
【0029】
【図10B】本発明の実施形態によるラテックスベースのNCAPを準備するプロセスフローを示す。
【0030】
【図10C】本発明の実施形態によるラテックスベースのNCAPを準備する別のプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、電気光学用の液晶材料に係る。より詳しくは、本発明は、液晶/ポリマー合成材料、およびこの種類の合成材料を製造および利用する方法および装置に係る。あくまで例示ではあるが、本発明の方法および装置は、電圧撮像システムとの関連で記載される。本発明の材料、方法および装置は、例えばフラットパネルディスプレイに利用される液晶合成材料等の他の電気光学用に利用することもできる。
【0032】
「Modulator Transfer Process and Assembly」なる名称のMichael A. Bryanの米国特許第6,151,153号明細書、「Modulator Manufacturing Process and Device」なる名称のMichael A. Bryanの米国特許第6,211,991号明細書、「Method for Manufacturing PDLC-Based Electro-Optic Modulator Using Spin Coating」なる名称のXianhai Chenの米国特許第6,866,887号明細書、および「Scratch and Mar Resistant PDLC Modulator」なる名称のXianhai Chenの米国特許第7,099,067号明細書という、Photon Dynamics Inc.に譲渡された4つの特許明細書は、このような材料を用いた変調器組立品およびLC材料コーティングプロセスを記載しており、上述の各特許明細書の全体をここに参照として全ての目的で組み込む。
【0033】
図1は、本発明の実施形態によるEO変調器および製造方法に利用可能な界面剤を組み込むのに適した液晶/ポリマー材料分類を示す。図1に示すように、ポリマー分散液晶PDLC102、およびネマティック曲線状整列相液晶NCAP104という2つの主要な分類がある。第1の主要な材料分類であるPDLC102は、図1の例に示されるような幾らかの方法の任意のものによる製造が可能なフィルムを含みうる。溶剤による相分離SIPS106を利用してPDLC102を作製することが可能であり、これは前述の特許明細書に記載されている。SIPS106では、ステップ106Aで、液晶(LC)およびポリマーが共通の溶剤に溶解され、この溶剤を蒸発させることでLC液滴が形成される。最終物であるPDLCフィルムの機械的特性(靭性等)をさらに向上させるべく、架橋結合可能なポリマーがしばしば利用される。PDLC102合成の別の方法では、重合による相分離PIPS110が利用される。PIPSプロセスはステップ110AでLCおよびプレポリマー(および/またはモノマー)を混合することから始まり、次にステップ110Bで紫外線光等の照射線を当ててよい。PIPS110プロセスはさらにステップ110Cで触媒、LC、およびプレポリマーを混合して、ステップ110Dで加熱を行い、最終物であるPDLCフィルムを形成することを含みうる。PIPS110プロセス方法は前述の特許明細書に記載されている。PDLC102フィルム合成の第3の方法は、熱による相分離TIPS108である。この場合、ポリマーおよびLCが、混合物が均一になるまでステップ108Aで加熱される。LCはその後、冷却プロセスでポリマーから相分離される。
【0034】
第2の主要な材料分類NCAP104は、非常に広い面積の光バルブおよびディスプレイを作製するのに適している場合があり、前述の特許明細書に記載されている。NCAP材料は、概して水性であり、さらに図1に示す2つの副分類に分類されうる。1つ目の副分類は、ポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性ポリマー112を含む。この材料の副分類は、水溶性ポリマーの親水性により感湿性を有しえて、前述の特許明細書に記載されている。場合によっては、この感湿性が、電気光学性能が経時的に劣化する要因になりうる。故に、水溶性ポリマーベースのNCAPは、寿命および商業的価値が制限される場合がある。
【0035】
NCAP材料の2つ目の副分類は、ラテックスベース114である。ラテックスは、不水溶性ポリマーを含む。この種類のNCAP材料は、液晶とともに水に分散された小さい粒子状のラテックスを含みうる。これら小さなラテックス粒子は、水を除去すると非可逆性の継続ポリマー相(continuous polymer phase)に「溶解(fuse)」されうる。このラテックスベースのNCAPを用いる用途の中には、長期的に電気光学安定性を維持するものがあり、故に高い商業的価値を有しうる。
【0036】
図2は、本発明の実施形態による電圧撮像システム200の主要な部材を示す。電圧撮像システム200は、電気光学変調器208、照明器214、ビームスプリッタ216、およびCCDカメラ218を含む。電気光学変調器208は、透明基板に支持される透明電極A 202、センサ材料210、および外皮等のプラスチック薄膜に支持される誘電体ミラー212を含みうる。電極A 202は、可視光を透過する酸化インジウム錫(ITO)からなるフィルムであってよい。液晶センサ材料210は、電場において電気光学反応して、センサ材料は、図1に記載されるもののいずれであってもよい。多くの実施形態ではラテックスベースのNCAPが採用される。電極B 204は、TFTプレート等の被試験パネル(PUT)を含みうる。電極Aに電圧を与えて、電極Bで接地することで、透過−電圧(T−V)曲線を得ることができる。TFT試験においては、反応曲線の中間付近の定電圧を変調器に与えた場合、各画素にかかる電圧は、CCDカメラ218によって光の強度変化として検知することができる。欠陥画素は異常な反応を示す。
【0037】
電極AおよびB間にかかった電圧は、以下の式で表すことができる。
Bias=Vsensor+Vpellicle+Vair
=Vsensor[1+(εsensor*dpellicle)/(εpellicle*dsensor)+(εsensor*dair)/dsensor] (数1)
Biasは、電極Aおよび電極B間に与えられた電圧である。
sensorはセンサ材料が必要とする電圧である。
pellicleおよびVairは、外皮および空隙にかかる電圧である。
εは、各材料の誘電率である。
dは各材料の厚みである。
ここで、VBiasを固定することで、電極間の空隙dairは、液晶センサ材料の固有の動作電圧(Vsensor)の関数となる。多くの実施形態においては、液晶センサ材料の固有の切り替え電圧は、図3Aおよび3Bを参照して後で詳述するように、センサ材料の光透過がセンサ材料間の電圧変化に対して最大感度を有するセンサ材料の電圧に対応する。特定の実施形態においては、電極間の動作電圧は、LCD材料の固有の切り替え電圧に、上述の数式を用いて関連付けられる。多くの実施形態においては、材料の固有の切り替え電圧を低減させることで切り替え速度を落とすことができる。
【0038】
図3Aは、本発明の実施形態によるLC/ポリマー合成変調器の透過バイアス電圧曲線の一例を示す。曲線302は、ここで記載する界面剤を有しないLC/ポリマー合成材料の電圧反応特性を示す。電気光学変調器性能の最適化のためには、電圧反応曲線を、より急峻で、より低電圧にシフトされた曲線304にシフトすることを目指す。多くの実施形態では、この電圧反応特性により、低い動作電圧で高い感度を生じることができるようになり、さらに、同じ動作電圧で大きな空隙を生じることができるようになる。幾らかの実施形態においては、この電圧反応特性により、より高い感度およびより低い動作電圧およびより大きな空隙が生まれる。感度が高くなると、欠陥検出性能の向上につながりうる。空隙が大きくなることで、変調器の寿命が延びうる。
【0039】
透過曲線の勾配は、LCデバイスの感度を反映する。LC撮像デバイスの感度は、透過曲線の勾配として表され、これは概して、上述の電極Aおよび電極B間にかけられた電圧の変化に対する透過の変化(%)に対応している。図3Bに示すように、透過曲線の中間点は、電圧Vmid310で略決定され、TFTプレートに電圧がかからない場合の、プレートとLCデバイスとの間の固定間隙サイズで決定される。小さな電圧変化+/−1/2ΔV312を、TFTプレートの1画素に対して起こして、透過変化を計測する。透過曲線302では、該ピクセルに起こった電圧変化+/−1/2ΔVに対する透過変化はΔI314である。これより急峻な透過曲線304では、該ピクセルに起こった同じ電圧変化+/−1/2ΔV312に対する透過変化はΔI316であり、ΔIのほうがΔIより大きい。故に、1ピクセルに加わった電圧変化が等しければ、透過曲線がより急峻な場合にはより大きな信号(ΔI)が生じる。
【0040】
TFT試験システムでは、CCD(図2の218)が捉える信号は、変調器の透過曲線の勾配に比例している。数式1によると、空隙(dair)が大きくなるにつれ透過曲線はより平らになり(勾配が低減され)、変調器への損傷が避けられ、および/または、寿命が延びる。空隙が大きくなると、変調器の電圧は降下する。変調器のLC材料の固有の切り替え電圧が低減すると、感度が増加しえて、これによって電圧撮像システムデバイスの固有の動作電圧が低減する。
【0041】
多くの実施形態では、ここに記載した電気光学LC材料の固有の切り替え電圧を低減させることで、電圧撮像システムの感度を実質的に損なうことなく空隙を大きくすることができる。空隙は少なくとも約15マイクロメートル(例えば約30から70マイクロメートルの範囲)であってよい。
【0042】
NCAPまたはPDLC等の液晶センサ材料の動作電圧および感度は、以下に関している。
1.液晶およびポリマーマトリックスの特性
2.センサ材料の液晶液滴径分布
3.ポリマーマトリックスと液晶との間の界面特性
より具体的には、図3Aおよび3Bの曲線の勾配は、液滴径分布およびポリマーマトリックスと液晶との間の界面特性の影響を受ける。液滴間で径が均一であり、LC液滴の結晶がポリマーマトリックスに対して容易に移動および/または切り替えが可能な場合、より急峻な勾配が生じうる。図3Aおよび3Bに示す曲線の電圧シフトは、ポリマーマトリックスおよび液晶間の界面特性の影響を受けうる。LCがポリマーマトリクスに対して容易に移動および/または切り替え可能な場合、曲線はより低電圧にシフトしうる。本発明の実施形態は、ポリマーマトリックスと液晶との間の界面アンカリングおよび/または摩擦を低減して、T−V曲線の勾配をより急峻にして、さらに、LC材料および電圧撮像システムの動作電圧を低範囲にシフトさせる。LC分子をポリマーマトリックスにアンカリングすることで、LC材料の固有の動作電圧を上げることができる。摩擦力は、LC分子の静摩擦に関しうるポリマーマトリックスへのアンカリング力を含みえ、さらには、LC分子およびポリマーマトリックス間の相対運動に関する動摩擦を含みうる。摩擦は、分子が周囲のポリマーマトリックスに対して運動する速度に対して影響を及ぼしうるので、摩擦の低減により、LC分子の切り替え速度が上がりうる。LC分子のポリマーマトリックスへのアンカリングを克服するのには電圧上昇が必要となりうるので、アンカリング力の強化は、LC合成材料の固有の動作電圧の上昇に関しうる。
NCAP形成プロセス概略
【0043】
本発明の実施形態による、水溶性ポリマーNCAP液晶調合物(formulation)およびラテックスベースのNCAP液晶調合物の作製プロセスを、図10A−10Cに示す。図10Aに示すように、プロセス1000では、例えば水に溶解させたポリビニルアルコール(PVA)等の、水に既に溶解させた均一なポリマー水溶液に、液晶を追加するステップ1002により、水溶性ポリマーNCAP形成プロセスを行う。この組み合わせは、油と水との組み合わせによく似た二相系を含む。電気特性を向上させるべく、LC材料を、(数ミクロン径のオーダの)より小さい液滴に分割して、ポリマー材料内に分散させる。プロセス1000のステップ1004で、多くの実施形態においては高速ブレード等の機械力を利用することで、LC混合物を乳化させる。乳化後、ステップ1006で、多くの実施形態では薄いコーティングに(数十ミクロンのオーダの厚みに)、混合物を基板に塗布する。ステップ1008で、コーティングの混合物から水を蒸発させてよい。ステップ1010で、第1基板とその上に積層された第2基板との間に、乾燥NCAPを挟む。
【0044】
本発明の実施形態によるラテックスベースのNCAPを形成するプロセス1018を図10Bに示す。ステップ1020で、LCを、既に水に混合したラテックスに加える。ステップ1022で、LC、ラテックス、および水の組み合わせを、高速ブレードを利用して乳化させる。ステップ1024で、基板を混合物でコーティングする。ステップ1026で、基板にコーティングした混合物を乾燥させる。ステップ1028で、乾燥させた調合物の上に第2基板を積層して、NCAP調合物を覆う。
【0045】
本発明の実施形態によるラテックスベースのNCAP調合物を作製するプロセス1029を図10Cに示す。ステップ1030で、LCを水に加える。ステップ1032では、LCおよび水の組み合わせを乳化させる。次にステップ1034で、ラテックスを加え、ラテックスを水と液晶と混合させる。ステップ1036では、基板をラテックス、水、およびLCの混合物でコーティングする。ステップ1038で、調合物を乾燥させる。ステップ1040で、乾燥させた調合物の上に第2基板を積層して、完成したNCAP調合物を覆う。
【0046】
なお、図10Aから10Cに示す特定のステップは、本発明の実施形態によるNCAP LC調合物の作製方法の特定の例を示していることに注意されたい。本発明の他の実施形態では他のステップシーケンスを利用することもできる。例えば、本発明の他の実施形態では、上述のステップを、異なる順序で行ってもよい。さらに、図10A−10Cに示した個々のステップは、個々のステップに応じて様々なシーケンスで行われうる複数のサブステップを含みうる。さらに、特定の用途に応じてステップを追加、または削除してよい。当業者であれば、多くの変更例、変形例、および代替例を想到するであろう。
【0047】
多くの実施形態では、NCAP LC混合物形成に、サーファクタント(界面活性剤)を加えて、形成/製造プロセスを向上させることができ、および/または、作製するNCAP材料の性能を向上させることができる。サーファクタントは通常、化学的に新液性の(液体を好む)基、および、疎液性の(液体を嫌う)基からなる分子である。特に水溶液であれば、これら基はそれぞれ、親水性の(水を好む)基および疎水性の(水を嫌う)基と称される。一般的に言って、サーファクタント分子は、親水性の基および疎水性の基の両方を分子内に含み、液体および/または固体の界面エネルギーを低減させることで界面活性に影響を与える。さらに、サーファクタントは、発泡剤、消泡剤、分散剤(ポリマー媒体内のLCの可溶性を高める目的等により)、表面接着剤、乳化安定剤、粒径制御剤等の役割を果たしうる。
【0048】
図10A−Cに示した実施形態では、LCを乳化させるステップのいずれか(例えばステップ1004、ステップ1022、および/またはステップ1032)で、1以上のサーファクタントを追加してよい。多くの実施形態では、乳化ステップでは望ましくない発泡が起こる場合もあるので、消泡(脱泡)機能を有するサーファクタントを追加してよい。液滴径は、乳化において、混合速度または混合時間等のパラメータにより制御することができる。上述のように、NCAPの電気特性は、ポリマー媒体内に懸濁するLC粒径分布および粒径に応じて変化しうるので、粒径分布および粒径を制御することで最適な性能が得られうる。例えば、参照としてここに組み込まれた米国特許第4,992,201号明細書には、LC粒径および粒径分布を制御および安定化するよう選択したサーファクタントの追加についての記載がある。本発明の実施形態は、単一のサーファクタントの利用に限定しておらず、コーティングの前にLC合成物に同時に複数のおよび/または幾らかのサーファクタントを用い、且つ、いずれかのコーティングステップ(例えばステップ1006、ステップ1024、またはステップ1036)の前に、別の異なるサーファクタントをオプションとして追加することで、NCAPの基板材料への湿潤特性(wetting property)を向上させることができる。本発明の実施形態は、特定の性質を有するサーファクタント(例えば、乳化プロセスで利用される消泡剤として利用されうる高粘度のサーファクタント)を追加することで、NCAP材料の性能を向上させている。
感度向上
【0049】
液晶材料の感度は、幾らかの手段により向上させることができる。多くの実施形態では、液晶材料およびポリマー材料自身を注意深く選択する。例えば、方法によってはポリマーマトリックスを修正する試みが行われうる。別の方法では、液晶径の均一性の最適化に的を絞ったものもある。また別の方法では、架橋結合の密度または速度を修正することに的を絞っている。また別の方法では、LC分子およびポリマー間の摩擦または界面アンカリングを低減することに的を絞っている。
【0050】
界面アンカリングを低減する技術には、例えば以下が含まれる。
【0051】
1)ドーパントまたはコモノマーをポリマーマトリックスに加えること。この方法では、加える物質をポリマーマトリックスにランダムに分散させてよい。この技術ではポリマー/LC界面ではなくてポリマーマトリックスのバルク特性を変更させうるが、ここで記載する界面剤を利用することで、LC/ポリマー界面付近の添加物の形成を向上させて、ポリマーマトリックスのバルク特性の変化を低減させることができる。
【0052】
2)LCの分解により導出される未処理透明材料からなり、LCを整列させる配向付与剤(orientation-imparting agent)を含む「力緩和」層を作製すること。この材料は、LC相内で溶解されてしまう虞があるが、反応成分を有する界面剤を利用することで(例えば反応成分を有する消泡剤を利用することで)、LC相への溶解を最小限に抑えることができる。
【0053】
3)反応性シランを利用すること。シランの中のアルコキシシリル基は、乳剤の中に湿気(または水分)が存在すると、重合する。これにより、乳剤内のLC液滴の外に層を形成することにつながり、界面特性を変質させ、アンカリングを弱めることができる。この方法は、アルコールの副産物を生成しえて、水によりプロセス制御がしにくくなる可能性があるが、反応性末端基(reactive end group)を有するシロキサン(例えばポリシロキサン)を含む界面剤を利用することで、プロセス制御を高めることができる。
【0054】
図4(A)から(C)は、本発明の実施形態による、ポリマーマトリックス404に懸濁する液晶の液滴(例えば液滴402)を有するLC材料400を示す。多くの実施形態では、LC材料400は、水溶性ポリマーベースのNCAP材料またはラテックスポリマーベースのNCAP等のNCAP材料を含む。幾らかの実施形態では、材料400は、PDLC LC材料を含みうる。各液滴は、幾らかのLC分子406を含みえて、しばしば約1から5ミクロンのサイズである。各液滴内では、LC分子406が癒着して、小さな結晶408を形成することがあり、電場がない場合にはこれら結晶は液滴内でランダム配向を有しうる。図4(B)のアタッチメントローカス410に概略されるように、LC分子および/または結晶は、ポリマーマトリックスにアンカリングされてよい。多くの実施形態では、アンカリングの度合いは、LC分子およびポリマー化学による。LC材料400にわたって電場が生成された場合、LC分子および/または結晶は、図4(C)に示すように電場方向に沿って少なくとも部分的に整列しうる。このように整列させるべく、LC分子および/または結晶は、アタッチメントローカス410でポリマーとのアンカリングおよび/または摩擦を克服する。上述のように、最大の感度を得るためには、なるべく最少電圧変化量で最大限の透過変化量を引き起こす必要がある。故に、LCおよびポリマー間で摩擦力および/またはアンカリングが小さいほど、LC分子および/または結晶を、図4(B)の実質的に整列されていない状態から、図4(C)の電場と実質的に整列した状態へと切り替えるのに必要な駆動電圧は低くなる。多くの実施形態では、固有の切り替え電圧は、LC分子よび/またはLC結晶の約半分が電場と実質的に整列している電場強度に対応する。
【0055】
上述のように、NCAPには2つの分類がある。多くの実施形態では、ラテックスベースのNCAPは、水分、液晶、およびラテックスを含む3相の材料を含む。多くの実施形態では、水溶性ポリマーベースのNCAPは、液晶および水/ポリマー溶液の2相の材料を含みうる。図10A−10Cで概略が示され上述した製造プロセスで生成されるNCAPは、ポリマー内に良好に分散した液晶(乾燥後のPVA等の残留ポリマーまたはラテックス)からなる。固有の動作電圧を降下させて、本発明のNCAP実施形態の切り替え速度を向上させるには(例えば上昇させるには)、プロセス後に(乳化、脱ガス、コーティング、乾燥の後に)LCとポリマーマトリックスとの間の界面において表面張力が低減されるような、例えばサーファクタント等の界面剤材料の利用が含まれる。ラテックスは水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール)とは物理的および化学的に異なるので、ラテックスベースのNCAPの製造プロセスにおける物理的および化学的相互作用は、水溶性ポリマーベースのNCAPの製造中におけるものとは異なりうる。故に、ラテックスベースのNCAPの切り替え速度の向上を目指す場合の最適な界面剤材料は、水溶性ポリマーベースのNCAPの切り替え速度の向上および/または固有の切り替え電圧の低減を目指す場合の最適な界面剤材料とは異なりうる。ラテックスベースのNCAPの実施形態では、切り替え速度の向上および/または固有の切り替え電圧の低減を目的としたときに好適な界面剤材料は、LCをラテックスに結合させうるものである、というのは、水が第3相であり、乾燥プロセス中に追い出されるからである。水溶性ポリマーベースのNCAPの実施形態では、切り替え速度の向上および/または固有の切り替え電圧の低減を目的としたときに好適な界面剤材料は、LCと、且つ水と、適合してよい。水溶性ポリマーベースのNCAPの実施形態では、好適な材料は、切り替え速度および切り替え電圧に対する影響が小さい、というのも、この系では粘度が非常に高いので、摩擦がLC液滴の表面には移動しないことがあるからである。
【0056】
本発明の実施形態は、液晶およびポリマー材料と混合した特定の族の界面剤材料を含むことで、LC液滴およびポリマーマトリックス間のアンカリングおよび/または摩擦力を最小限に抑える。特定の実施形態で提案される材料は、ブロックコポリマーおよび/または架橋結合可能な反応性サーファクタント等の非イオン界面剤を含む。図5(A)は、界面剤を含む界面層502を有するポリマーマトリックス404内の、液滴402等のLC液滴を示す。図5(B)において、界面層502は、液滴/界面剤/ポリマー界面の拡大図とともに概略を示されている。これら界面剤は、LC材料形成中に、適切な化学特性がある2つの部分を含む分子からなり、且つ十分な量の界面剤(1以上)を有する場合に、界面層502を生成しうる。図5(B)に概略を示すように、界面剤の第1部508(例えば界面剤分子のポリマーに適合した部分)は、ポリマーマトリックス404付近に位置しており、第2部510(例えば、界面剤分子の低い表面張力の部分)は、液滴402付近に位置して液滴402と接触しており、LC結晶と液滴402との間の摩擦および/またはアンカリングを低減させる。界面剤の第1部508がポリマーマトリックス内で溶解することで、ポリマーマトリックス内で界面剤を効果的に固定する。界面層のポリマーマトリックスへの固定は、物理的(ブロックコポリマーについて)または化学結合(反応性サーファクタントの場合の架橋結合による)であってよい。界面層の固定により、界面層の安定度が増しうる(例えば温度上昇等)。界面層内の界面剤の第2部510は、表面張力が低い、および/または、LC分子および/または結晶に対する摩擦が低い化学組成物を有する。LC分子408およびポリマーマトリックス404間のアンカリングおよび/または摩擦は、界面層502により低減されるので、電場をかけたときのLC分子の整列配向および切り替え速度は、初期の段階でより低い電圧で起こりうる。
【表1】

【0057】
表1は、本発明の実施形態による界面剤の部分リストである。界面剤は、図1のNCAP104ベースの材料または図1のPDLC102ベースの材料と共に組み合わせられてよい。下記の例に示すように、僅かなパーセント分の非イオン界面剤をNCAPまたはPDLCの調合物に加えることで、駆動電圧を顕著に低減することができる。界面剤分子の低い表面張力の部分は、Fluorolink DまたはFlexiwet等のフッ化化合物からなってよく、または、Surfynol DF-62、BYK-022等のシリコーンコポリマーまたはポリマーシロキサンからなってよい。特に、反応性フッ化化合物は、表1に示す化学構造を有してよく、例えば、シロキサンは、-OH、-NH2、または-COOHを例とする反応性末端基を有してよい。多くの実施形態において、これら材料は、LC/ポリマー相分離プロセス中に、LC/ポリマー界面に移動する。界面剤分子の他の部分は、水素結合、ファンデルワールス力、および/または、ポリマーマトリックスに反応基が存在する場合には化学結合、等のメカニズムによって、ポリマーと物理結合してよい。少し加熱することで化学結合プロセスが加速されうる。
【0058】
本発明の実施形態は、表1のリストに示したような界面剤サーファクタントを利用することで、ラテックスベースのNCAPおよびPVA等の水溶性ポリマーベースのNCAP両方の切り替え電圧を向上させることができる。多くの実施形態において、消泡特性を有する界面剤を利用することで固有の切り替え電圧感度を顕著に向上させることができる。例えば、Surfynol DFシリーズの化合物は、ラテックスベースのNCAPの動作電圧を実質的に低減させることができる。
【0059】
消泡剤は、水媒体に分散させることのできる種類分類のサーファクタントである。多くの実施形態においては、消泡剤は、水媒体における溶解度が極僅かであり、HLB(親水‐親油平衡)が10未満である。図9(A)および(B)は、ラテックスベースのNCAPの消泡剤の概略図である。消泡剤は水における溶解度が極僅かであるので、消泡剤は例えばクラスタ908等の小さい「クラスタ」を形成しうる。各クラスタは、第1部908Aおよび第2部908Bを有する分子を含みうる。上述したように、クラスタの分子の第1部908Aは、親水性を有しえて、クラスタの分子の第2部908Bは、疎水性を有しうる。多くの実施形態において、クラスタは、第1部908Aが外向きで溶液に向かっており、第2部908Bが内向きで消泡剤クラスタの他の分子に向かっているようなミセル形状をしていてよい。乳化中、クラスタは、多くの気泡を壊すことで泡形成を妨げうる。乳化および脱ガス終了の後、クラスタ908は、LC粒子902、ラテックス904、および水906の混合物中を自由に移動する。多くの実施形態で、クラスタ908はLC粒子902の表面へ移動しうる。NCAPが乾燥するにつれて、消泡剤は、LC粒子902およびラテックス904間の液滴902の周りに界面剤層を形成しうる。多くの実施形態において、消泡剤分子の低い表面張力を有する端部はLCに隣接して分散し、消泡剤分子のアンカリングを司る端部はラテックスに結合される。
【0060】
多くの水溶性ポリマーベースのNCAPの実施形態において、消泡剤は、ラテックスベースのNCAPプロセスと類似した機能を果たし、消泡剤は乳化段階において消泡機能を果たし、その後、乳化段階の後、および/または乾燥段階中に、アンカリングおよび/または摩擦を低減する界面層を形成することができる。水溶性ポリマーベースのNCAPの実施形態のなかには、材料が乾燥前に高粘度であるので、消泡剤を有する界面層の形成に影響が出るようなものもある。水溶性ポリマーの実施形態のなかには、粘度が10,000cpのオーダであってよい10%PVA溶液を利用することができるものもある。これに対して、乾燥前のラテックスベースの調合物は1−100cpのオーダである。故に、消泡剤が水溶性ポリマーベースのNCAPに形成された液滴のLC表面に到達する可能性は、ラテックスベースのNCAPのものよりも僅かであろう、というのも、粘度の上昇により、消泡剤のLC液滴への移動が低減しうるからである。ラテックスベースのNCAPの、切り替え速度性能向上および/または固有の動作電圧降下は、水溶性ポリマーベースのNCAPよりも顕著であるだろうが、消泡剤のクラスタの少なくとも幾らかは水溶性ポリマーの実施形態の液滴のLC表面に到達しえて、幾ばくかの向上は見込まれよう。ここで記載した界面剤はさらに、例えば溶媒による相分離(SIPS)PDLC、UV−PDLC等を含む、図1に示すもののような多くの他の液晶/ポリマー合成材料系との利用が可能である。
保護膜形成による寿命向上
【0061】
Photon Dynamics,Inc.が開発し、例えば米国特許第6,151,153号および7,099,067号に記載されている電気光学電圧撮像センサは、先に参照としてここに組み込む旨を示したが、被試験パネル(PUT)から至近距離での動作が可能である。センサは0の間隙でも動作可能であるが、実際にはセンサとPUTとの間の間隙は10から35マイクロメートルの範囲でありえて、この範囲の上限はセンサの感度により決定される。この範囲の下限は、PUTの表面に生じうる粒子および他の汚染物質により決定される。このような粒子は、センサがPUTに対して動く間センサとPUTとの間にトラップされえて、PUTまたはセンサのいずれかに損傷を与えうる。故に、動作間隙が大きいほど、PUTとセンサとに加わる損傷が避けられるので好ましい。
【0062】
上述したように界面剤を加えると、間隙距離が例えば35umから75umで動作することができるようになり、この感度は界面剤なしで間隙距離が10から35umで動作する電圧撮像システムのものにそれぞれ匹敵する。しかし、このような動作間隙は、処理中にPUT表面に残留しうる最大粒子のものに近いこともあるので、さらなる手段を追加することで寿命を延ばす必要があろう。
【0063】
そのような方策の1つに、変調器の表面に直接ハードコーティング材料を塗布する、というものがある。変調器の電気光学センサ特性に影響を及ぼさない材料の例の幾つかを以下に示す。
a.多機能性アクリレート、二官能性アクリレート、シリコーンアクリレート、および光学ナノ粒子の混合物が強化フィラーとして利用されたUV処理可能なハードコーティング調合物
b.それぞれ対応する金属アルコキシドゾルゲル(sol-gel)から形成された全ての非導電性および低誘電率の金属酸化物等の、ゾルゲル調合物。この族内の最適な材料はシリカゾルゲルである。変調器の表面のマイラー(Mylar)への付着を促進するには有機添加物が必要となろう。
c.エポキシ、ウレタン調合物等の、熱処理可能な(低温および室温処理)材料。
d.有機/無機合成材料。上述の全ての有機コーティング材料(a、b、c)を無機フィラーと組み合わせてさらに硬化させることができる。
【0064】
電気光学変調器を作製するコーティングおよび組立品プロセスが先にも触れた米国特許第6,211,991号(Bryan)、第6,866,887号(Chen)、および第7,099,067号(Chen)明細書に記載されており、これらの全開示を参照としてここに組み込む旨は先にも示した。変調器を保護するのに有効な方策の1つが、「Scratch and Mar Resistant PDLC Modulator」なる名称の米国特許第7,099,067号明細書に記載されており、この全開示を参照としてここに組み込む旨は先にも示した。溶媒ベースの紫外線(UV)処理可能な調合物が、簡易にウェットコーティングを行うのには好適である。例えば、UV処理可能な有機ハードコーティングは、i)多機能性アクリレート、ii)シリコーンアクリレート、iii)ナノサイズの粒子(フィラー)、iv)フォトイニシエータ、およびv)溶媒、の合成物を含みうる。
【0065】
次に、上述のハードコーティング調合物のいずれかのコーティングを、ドクターブレード、ワイヤワウンドロッド(wire wound rod)、スピナ等のウェットコーティングプロセスにより、変調器の上面のマイラーに対して行う。コーティングの厚みの均一性が良好であるという点ではスピンコーティングが好適である。コーティングの厚みは、2−20ミクロンに制御される。UVハードコーティングの場合、溶媒が完全に蒸発した後に、コーティングをUV照射処理にかける。
【0066】
図8(A)および(B)は、本発明の実施形態による積層プロセスで作製された、図1の電圧撮像システムの電気光学変調器組立品内の様々な層の概略図である。ハードコーティング層801は、主要ハードコーティング811およびそれより薄いスリップ剤層(slip agent layer)810を含む。多くの実施形態では、ハードコーティングは処理済である。LC/ポリマー合成センサ材料804を、直接コーティングまたは積層によりガラス基板に塗布してよい。積層プロセスで作製した実施形態は、先ず上述の界面剤を含むNCAPまたは上述の界面剤を含むPDLC804を含む透明導電層805を有するプラスチックシート806(マイラー等)をコーティングすることを含む。プラスチックシートの第2層を加える(導電層は含んでも含まなくてもよい)。この挟み込み構造を、光学接着剤807を用いてガラス基板808に積層する。LC/ポリマー挟み込み構造の上部プラスチックシートを剥離して破棄する。誘電体ミラーフィルム803(または外皮)を、プラスチックシート802上に形成して、組立品スタックに重ねる。多くの実施形態では、米国特許第6,866,887号明細書に記載されている真空補助添付プロセス(vacuum assisted attachment process)を利用する。反射防止コーティング809をガラス基板808の底面に塗布する。
【0067】
本発明の多くの実施形態では、上述の界面剤を含むラテックスベースのNCAP材料および/または水溶性ポリマーベースのNCAP材料が、米国特許第6,211,991号(Bryan)、6,866,887号(Chen)、および7,099,067号(Chen)明細書に記載されているコーティングおよび組立品プロセスにより保護されうる。
【0068】
さらなるハードコーティング調合物およびプロセス例が、米国特許第7,099,067号明細書に記載されており、この全開示を参照としてここに組み込む旨は先にも示した。
【0069】
例1
【0070】
67/33重量%比のラテックスベースのNCAP調合物MLC-7022-100/Neorez R-967(それぞれ、EM IndustriesおよびAveciaの一事業部であるNeoResinsにより製造)をベースの液晶材料として選択する。表1に示す界面剤のいずれかを選択する(例えば、Surfynol DF型の消泡剤を含む界面剤)。表1から選んだ界面剤を、全固体含量の約1−5重量%分の量、加える。幾らかの実施形態では、表1から選んだ界面剤を、10重量%まで加えてもよい。全ての成分を高速ブレンダで混合して、NCAP乳剤を形成し、ITOフィルムを有する基板にコーティングする。基板にコーティングされたNCAPラテックスベースの乳剤を乾燥させて、ITO基板と積層する。そして透過曲線を計測する。駆動電圧対パーセント透過曲線を図6に示す。示されているように、界面剤を有するNCAP調合物には、電極間駆動電圧が低いことが必要であり、電極間の動作電圧および固有の切り替え電圧は、30%以上も低減される。
【0071】
例2
【0072】
67/33重量%比の溶媒による相分離PDLC調合物TL205/AU1033(それぞれEM IndustriesおよびRohm and Haasにより製造)をベースの液晶材料として選択する。メチルイソブチルケトンを溶媒として用いて、Bayer製造のDesmodur N75 BA/X等のイソシアネートを架橋結合剤として混合物に加える。表1の界面剤のいずれかを選択してよい(例えば、Surfynol DF型の消泡剤)。表1から選択された界面剤を、0、1.0、1.9、および3.0%というように、量を変化させて加える。幾らかの実施形態では、表1から選んだ界面剤を、4、5から10重量%まで加えてもよい。この結果生じる駆動電圧対パーセント透過曲線を図7に示す。PDLCコーティングを少し加熱して、ヒドロキシル基(界面剤およびAU1033両方における)とイソシアネートとの間の架橋結合を加速させる。示されているように、界面剤を有するPDLC調合物には50%以上低い駆動電圧を超える駆動電圧が必要であり、LC材料の固有の切り替え電圧および電極間の動作電圧を低減させる必要がある。0%制御材料と比したときの固有の切り替え電圧の向上は、界面剤を5から10重量%含む材料においても得られうる。
【0073】
図6および7の結果同様の結果は、他のPDLCまたはNCAPベースの液晶調合物を、少量の界面剤と組み合わせることで達成することもできる(例えば表1のリスト参照)。
【0074】
例3
【0075】
多機能性アクリレート、シリコンアクリレートをスリップ剤として含み、ナノサイズのシリカを無機フィラーとして含み、且つ、アクリレート(メタクリレート)末端硬化剤およびフォトイニシエータを含む有機ハードコーティングをマイラーシートに塗布する。この有機ハードコーティングは、3Hから6Hの鉛筆硬度を有し、マイラーに対して良好に接着され、滑りやすい表面を有する。有機ハードコーティングの厚みは、約5ミクロンである。有機および有機/無機ハイブリッドハードコーティングの誘電率は、3−5の範囲であり、空間解像度さらに変調器のEO性能に影響を及ぼしうる30の誘電率よりもずっと低い。コーティングは薄膜トランジスタ(TFT)パネルよりも柔らかくして、変調器がパネルに接触してもパネルが損傷を受けないようにしてよい。上述のようにして組立品スタックにハードコーティング層を追加する。
【0076】
例示的実施形態を、例示および理解を明瞭にする目的から、ある程度詳細に記載してきたが、当業者であれば、様々な変更、適合、および変更を加えることができることを理解しよう。故に、本発明の範囲は、添付請求項によってのみ制限を受けるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーマトリックスに包まれた液晶液滴を含み、光を透過させる固有の動作電圧を降下させるのに足る量の界面剤を含むセンサ層と、
前記液晶の変調器層を保護するハードコーティング層と、
を備える、電気光学変調器の組立品。
【請求項2】
前記界面剤は、非イオンブロックコポリマー、反応性サーファクタント、または消泡剤のうち少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記ハードコーティング層は、UV処理可能なハードコーティング、ゾルゲル、熱処理可能な有機/無機合成材料のうち少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の組立品。
【請求項4】
ラテックスベースのNCAP変調器を製造する方法であって、
透明電極を有するプラスチック基板上に界面剤を含むNCAPラテックスベース材料をコーティングする工程と、
前記コーティングされた基板をプラスチックカバーで覆い、前記プラスチック基板と前記プラスチックカバーとの間で前記NCAP材料を挟み込む工程と、
前記挟み込まれたNCAP材料を光学ブロック基板に積層する工程と、
前記プラスチックカバーを除去する工程と、
前記NCAPラテックスベース材料上に誘電体ミラー外皮を積層する工程と、
前記外皮をUV処理可能な有機コーティングでコーティングする工程と、
前記処理可能な有機コーティングを有機ハードコーティングになるようにUV処理する工程と、を備える、方法。
【請求項5】
前記界面剤は、消泡剤を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記消泡剤は、前記変調器の動作電圧を降下させるのに足る量分、存在する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記消泡剤は、前記変調器の動作電圧を降下させるのに足る量の反応性末端基を有するシロキサンを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記消泡剤は、前記変調器の動作電圧を降下させるのに足る量の反応性フッ化分子を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記消泡剤は、前記変調器の前記動作電圧を降下させるのに足る量の非イオンブロックコポリマーを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
スリップ剤としての多機能性アクリレートおよびシリコーンアクリレートと、アクリレート(メタクリレート)末端硬化剤と、無機フィラーとしてのナノサイズのシリカと、フォトイニシエータとの混合物として、前記UV処理可能な有機コーティングを形成する工程をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
保護コーティングを有するNCAPラテックスベースの変調器であって、
界面剤を含むNCAPラテックスベース材料と、
前記NCAP材料の上に積層された誘電体ミラー外皮と、
前記ミラー外皮の上に処理されたUV処理可能な有機ハードコーティングと、を備える、変調器。
【請求項12】
前記界面剤は、消泡剤を含む、請求項11に記載の変調器。
【請求項13】
前記消泡剤の量は、前記変調器の動作電圧を降下させるに足る量である、請求項12に記載の変調器。
【請求項14】
前記消泡剤は、前記変調器の動作電圧を降下させるのに足る量の反応性末端基を有するシロキサンを含む、請求項12に記載の変調器。
【請求項15】
前記消泡剤は、前記変調器の動作電圧を降下させるのに足る量の反応性フッ化ポリマーを含む、請求項12に記載の変調器。
【請求項16】
前記消泡剤は、前記変調器の動作電圧を降下させるのに足る量の非イオンブロックコポリマーを含む、請求項12に記載の変調器。
【請求項17】
前記UV処理可能な有機コーティングは、
スリップ剤としての多機能性アクリレートおよびシリコーンアクリレートと、アクリレート(メタクリレート)末端硬化剤と、無機フィラーとしてのナノサイズのシリカと、フォトイニシエータとの混合物を有する、請求項11に記載の変調器。
【請求項18】
電気光学変調器材料であって、
液晶分子を有する液滴と、
前記液滴を包み支持するポリマーマトリックスと、
前記材料から光を透過するよう前記液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の消泡剤と、を備える、電気光学変調器材料。
【請求項19】
前記消泡剤は、前記電気光学変調器材料の約1から約10重量パーセントを占める、請求項18に記載の電気光学変調器材料。
【請求項20】
前記消泡剤は、前記ポリマーマトリックスと反応する反応成分を含む、請求項18に記載の材料。
【請求項21】
前記消泡剤は、反応性末端基を有するシロキサン、反応性フッ化ポリマー、または、非イオンブロックコポリマーのうち少なくともいずれかを含むことで前記ポリマーマトリックスと反応する、請求項18に記載の材料。
【請求項22】
NCAP電気光学変調器材料であって、
液晶分子を有する液滴と、
前記液滴を包み支持するラテックスベースのポリマーマトリックスと、
前記材料から光を透過するよう前記液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の界面剤と、を備える、NCAP電気光学変調器材料。
【請求項23】
前記界面剤は、前記動作電圧を降下させるのに足る量の消泡剤を有する、請求項22に記載の材料。
【請求項24】
前記消泡剤は、前記ラテックスベースのポリマーマトリックスと反応し前記動作電圧を降下させるのに足る量の反応性消泡剤を含む、請求項23に記載の材料。
【請求項25】
前記消泡剤は、前記ラテックスベースのポリマーマトリックスと反応する反応性末端基を有するシロキサンを含む、請求項23に記載の材料。
【請求項26】
前記消泡剤は、前記ラテックスベースのポリマーマトリックスと反応する反応性フッ化ポリマーを含む、請求項23に記載の材料。
【請求項27】
前記消泡剤は、前記電気光学変調器材料の約1から約10重量パーセントを占める、請求項23に記載の材料。
【請求項28】
前記消泡剤は、親水‐親油平衡が約10未満である、請求項23に記載の材料。
【請求項29】
前記界面剤は、非イオンブロックコポリマーまたは反応性サーファクタントのうち少なくともいずれかを有する、請求項22に記載の材料。
【請求項30】
前記界面剤は、前記液晶分子の前記ポリマーマトリックスへのアンカリングを低減させる、請求項22に記載の材料。
【請求項31】
前記界面剤は、前記液滴と前記ラテックスベースのポリマーマトリックスとの間の前記液滴の上に界面層を形成する、請求項22に記載の材料。
【請求項32】
前記界面剤は、前記液晶分子の表面張力を低減させる第1の内側部分と、前記ポリマーマトリックス内で固定される第2の外側部分と、を含む界面層を形成する、請求項22に記載の材料。
【請求項33】
NCAP電気光学変調器材料であって、
液晶分子を有する液滴と、
前記液滴を包み支持する水溶性ポリマーベースのマトリックスと、
前記材料から光を透過するよう前記液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の消泡剤と、を備える、NCAP電気光学変調器材料。
【請求項34】
前記消泡剤は、前記水溶性ポリマーと反応し前記材料の前記動作電圧を降下させる反応性消泡剤を有する、請求項33に記載の材料。
【請求項35】
NCAP電気光学材料を作製する方法であって、
液晶材料をラテックス乳剤と組み合わせる工程と、
前記液晶材料を少なくとも1つの界面剤により乳化させて、前記液晶材料の液滴を含む乳剤を形成する工程と、
前記乳剤を基板に塗布する工程と、
前記基板上の前記乳剤を乾燥させて、ラテックスベースのマトリックスで前記液滴を包む工程と、を備え、
前記少なくとも1つの界面剤の量は、前記材料から光を透過するよう前記液晶材料の分子配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量である、方法。
【請求項36】
前記界面剤は、前記液晶が乳化している間、泡を分解するクラスタを形成する消泡剤を含み、
前記消泡剤は前記ラテックス乳剤と反応して、前記液晶材料の前記動作電圧を降下させる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記基板に塗布された前記乳剤は、約1から100cpの粘度を有して、前記消泡剤のクラスタを前記液晶の液滴へと移動させ、前記液晶の液滴付近で前記ラテックス乳剤と反応させる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記消泡剤は、前記変調器の前記動作電圧を降下させるのに足る量の反応性末端基を有するシロキサンを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記消泡剤は、前記変調器の前記動作電圧を降下させるのに足る量の反応性フッ化ポリマーを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記消泡剤は、前記変調器の前記動作電圧を降下させるのに足る量の非イオンブロックコポリマーを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
PDLC電気光学変調器材料であって、
液晶分子を有する液滴と、
前記液滴を包み支持する、溶媒による相分離PDLC調合物と、
前記材料から光を透過するよう前記液晶分子の配向を変化させる動作電圧を降下させるに足る量の消泡剤と、を備える、PDLC電気光学変調器材料。
【請求項42】
前記消泡剤は、前記溶媒による相分離PDLC調合物と反応して前記材料の前記動作電圧を降下させる反応性消泡剤を有する、請求項41に記載の材料。
【請求項43】
前記消泡剤は、前記PDLC電気光学変調器材料の約1から約10重量パーセントを占める、請求項41に記載の材料。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【公表番号】特表2010−518427(P2010−518427A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548412(P2009−548412)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/052417
【国際公開番号】WO2008/097772
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(503298922)フォトン・ダイナミクス・インコーポレーテッド (19)
【Fターム(参考)】