説明

感染症によって悪化した喘息を治療するための方法

喘息の被験体にCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含む、感染症で悪化した喘息を治療する方法を提供する。特に、感染症で悪化した喘息は、ウイルスで悪化した喘息であり得る。CpGオリゴヌクレオチド(CpG ODN)は、特に感染に対して喘息の悪化の原因である、特に上気道ウイルスに対して用いる際に有効であることが本明細書において認められた。C−クラスのCpG ODNは、マウスで抗ウイルスタンパク質に対する遺伝子を含むIFN−関連遺伝子のパネルを誘導し、抗原およびウイルス曝露の組合せによって悪化した気道炎症を防御した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に免疫刺激オリゴヌクレオチドならびにその組成物を用いる、感染症によって悪化した喘息を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
細菌DNAは、B細胞およびナチュラルキラー細胞を活性化させる免疫刺激効果を有するが、脊椎動物DNAは、その効果を有していない(Tokunaga, T.ら、1988年、Jpn. J. Cancer Res. 79巻:682〜686頁; Tokunaga, Tら、1984年、JNCI 72巻: 955〜962頁; Messina, J.P.ら、1991年、J. Immunol. 147巻: 1759〜1764頁; および Krieg、1998年、In Applied Oligonucleotide Technology、C.A. SteinとA.M. Krieg、(編)、John Wiley and Sons, Inc.、New York、NY、431〜448頁に概説されている)。現在、これらの細菌DNAの免疫刺激作用は、特定の塩基のコンテキストにおいてメチル化されていないCpGジヌクレオチド(CpGのモチーフ)が存在する結果であり、このモチーフは細菌DNAに共通のものであるが、脊椎動物DNAにおいてはメチル化されており、かつ少ないことがわかっている(Kriegら、1995年 Nature 374巻:546〜549頁; Krieg、1999年 Biochim. Biophys. Acta 93321 : 1〜10頁)。細菌DNAの免疫刺激作用は、これらのCpGモチーフを含んでいる合成オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を用いて模倣することができる。このようなCpG ODNは、ヒトおよびマウスの白血球に対して高い刺激作用を有し、B細胞の増殖;サイトカインおよび免疫グロブリンの分泌;ナチュラキラー(NK)細胞の溶解活性およびIFN−γ分泌;ならびに樹状細胞(DC)および他の抗原提示細胞の活性化を誘導して、共刺激分子を発現し、かつサイトカインを分泌し、特にTh1様T細胞応答の発現を促進する際に重要であるTh1様サイトカインを分泌する。天然のホスホジエステル骨格CpG ODNのこれらの免疫刺激作用は、CpGのモチーフがメチル化された場合、GpCに変化した場合、または別の方法で削除もしくは変更された場合にこの効果は激減するという点で、高度にCpG特異的である(Kriegら、1995年 Nature 374巻:546〜549頁; Hartmannら、1999年 Proc. Natl. Acad. Sci USA 96巻:9305〜10頁)。
【0003】
初期の研究では、免疫刺激性CpGモチーフは、式プリン−プリン−CpG−ピリミジン−ピリミジンに従うと考えられていた(Kriegら、1995年 Nature 374巻:546〜549頁; Pisetsky、1996年 J. Immunol. 156巻:421〜423頁; Hackerら、1998年EMBO J. 17巻:6230〜6240頁; Lipfordら、1998年 Trends in Microbiol. 6巻:496〜500頁)。しかし、現在は、マウスのリンパ球は、この「式」に従わないホスホジエステルのCpGモチーフに極めてよく応答し(Yiら、1998年 J. Immunol. 160巻:5898〜5906頁)、同じことがヒトB細胞および樹状細胞についても当てはまることが明らかである(Hartmannら、1999年 Proc. Natl. Acad. Sci USA 96巻:9305〜10頁; Liang、1996年 J. Clin. Invest. 98巻:1119〜1129頁)。
【0004】
CpGオリゴヌクレオチドのいくつかの別のクラスが最近発表された。1つのクラスは、B細胞の活性化には効力があるが、IFN−αの誘導およびNK細胞の活性化は比較的弱い;このクラスは、Bクラスと呼ばれる。BクラスのCpGオリゴヌクレオチドは、一般的に、完全に安定化され、特定の好ましい塩基コンテキスト内に非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。たとえば、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;および特許文献6を参照。CpGオリゴヌクレオチドの別のクラスは、B細胞およびNK細胞を活性化し、IFN−αを誘導する;このクラスは、C−クラスと呼ばれる。C−クラスのCpGオリゴヌクレオチドは、最初に特徴づけられた一般的に完全に安定化されているような、Bクラスタイプ配列およびGCリッチなパリンドロームまたはほぼパリンドロームを含む。このクラスは、2001年8月17日に出願された同時係属中の米国特許出願第60/313273号および2002年8月19日に出願の出願第10/224523号および国際公開WO03/015711号で公表された関連したPCT特許出願PCT/US02/26468号に記載されている。
【特許文献1】米国特許第6194388号明細書
【特許文献2】米国特許第6207646号明細書
【特許文献3】米国特許第6214806号明細書
【特許文献4】米国特許第6218371号明細書
【特許文献5】米国特許第6239116号明細書
【特許文献6】米国特許第6339068号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
CpGオリゴヌクレオチド(CpG ODN)は、特に感染に対して喘息の悪化の原因である、特に上気道ウイルスに対して用いる際に有効であることが本明細書において認められた。本発明のある態様では、C−クラスのCpG ODNは、本方法を実施するするために特に有効である。以下の実施例で示すように、C−クラスのCpG ODNは、マウスで抗ウイルスタンパク質に対する遺伝子を含むIFN−関連遺伝子のパネルを誘導し、抗原およびウイルス曝露の組合せによって悪化した気道炎症を防御した。
【0006】
ある態様では、本発明は、ウイルスで悪化した喘息を治療するために、喘息の被験体にC−クラスのCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することによるウイルスで悪化した喘息を治療するための方法に関する。
【0007】
他の態様では、本発明は、ウイルス感染の危険性がある喘息の被験体を識別することにより、ウイルスで悪化した喘息を治療し、かつウイルスで悪化した喘息を治療するために、CpGオリゴヌクレオチドの有効量を喘息の被験体に投与する方法に関する。被験体は、医療従事者により識別することができる。他の実施形態では、被験体は、ウイルス感染の危険因子への曝露に基づいて識別される。
【0008】
他の態様によれば、本発明は、非CpG喘息治療を受けている喘息の被験体に、ウイルスで悪化した喘息を治療するためのCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することにより、ウイルスで悪化した喘息を治療する方法である。非CpG喘息治療は、ステロイド治療であり得る。いくつかの実施形態では、非CpG喘息治療は、CpGオリゴヌクレオチドと異なる時間に実施される。他の実施形態では、非CpG喘息治療は、CpGオリゴヌクレオチドと同時に実施される。
【0009】
感染の危険性がある喘息の被験体を識別し、感染症で悪化した喘息を治療するためのCpGオリゴヌクレオチドの有効量を喘息の被験体に投与することにより、感染症で悪化した喘息を治療する方法が、本発明の他の態様に従って提供される。
【0010】
他の態様では、本発明は、ウイルス感染の危険因子を識別し、喘息の被験体に喘息の被験体がウイルス感染の危険性がある一定期間、ウイルスで悪化した喘息を治療するためのCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することにより、ウイルスで悪化した喘息を治療する方法である。いくつかの実施形態では、危険因子は、インフルエンザの季節である。他の実施形態では、危険因子は、ウイルス曝露の危険の高い目的地への旅行である。
【0011】
いくつかの実施形態では、ウイルスで悪化した喘息は、呼吸器系ウイルスによって引き起こされる。場合によっては、呼吸器系ウイルスはRSVではない。他の実施形態では、ウイルスで悪化した喘息は、インフルエンザウイルスにより引き起こされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは、C−クラスのオリゴヌクレオチドである。C−クラスオリゴヌクレオチドは、場合によっては、たとえば配列番号10のようなセミソフト(semi−soft)なオリゴヌクレオチドであり得る。
【0013】
ウイルス感染の危険性がある喘息の被験体を識別し、喘息の被験体に、ウイルス感染を治療するための治療量以下の量のCpGオリゴヌクレオチドを投与することにより、ウイルスで悪化した喘息を治療する方法も提供し、CpGオリゴヌクレオチドは、免疫細胞の蓄積を減少させるために有効である。免疫細胞は、たとえば好中球または好酸球であり得る。
【0014】
他の態様では、本発明は、ウイルス感染の危険性がある喘息の被験体を識別し、喘息の被験体に、CpGオリゴヌクレオチドの少なくとも3用量を投与することにより、ウイルスで悪化した喘息を治療する方法であり、CpGオリゴヌクレオチドの少なくとも3用量は、少なくとも3日間時間的に互いに離れている。いくつかの実施形態では、この用量は、1週間、2週間、3週間、1カ月、1年またはそれらの間の任意の整数値の単位で互いに分離している。
【0015】
免疫応答の刺激およびまたはウイルスで悪化した喘息の治療のための本発明のオリゴヌクレオチドの使用も、本発明の態様として提供する。
【0016】
免疫応答の刺激およびまたはウイルスで悪化した喘息を治療するための、本発明のオリゴヌクレオチド薬剤を製造する方法も提供する。
【0017】
本発明の限定のそれぞれには、本発明の種々の実施形態を含めることができる。したがって、任意の1つの要素または要素の組合せを含む本発明の限定のそれぞれには、本発明のそれぞれの態様を含めることができると考えられる。本発明は、その適用において、以下の説明中に記載されているか、または図面に例示されている構成の詳細および成分の配合に限定されない。本発明はその他の実施形態も可能であり、種々の方法で実施または実行することができる。また、本明細書で使用する表現や用語は説明のためのものであって、限定的に考えるべきではない。「含む(including)」、「含む(comprising)」、または「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、および本明細書中でそれらの変形の使用は、その後に列挙した項目およびそれらの等価物ならびに更なる項目を包含することを意味している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
詳細な説明
Toll−様レセプター9(TLR9)が、個別的な免疫細胞集団に、非メチル化CpGオリゴデオキシヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド(CpG ODN)を認識させ、宿主防御機構を活性化して免疫効果を誘導させ、Th2タイプの応答の抑制をもたらす。CpG ODNの異なるクラスが、構造および活性特性に基づいて記載されている。C−クラスCpG ODNは、一般に少なくとも1つのCpGモチーフ、およびGCリッチなパリンドロームを含む5’末端刺激配列を有する。C−クラスのCpG ODNは、免疫細胞から非常に高いタイターのインターフェロンアルファ(IFNα)を誘導する。
【0019】
本発明のある態様によれば、C−クラスCpG ODNは、上気道感染およびウイルスがアレルギー性喘息を悪化させるので、好ましくはウイルス感染のための新規の治療法として、特に価値があることが見出された。下記の実施例に示したデータは、マウス気道に投与された場合、C−クラスCpG ODNは、免疫修飾活性および/または抗ウイルス活性を有することが知られている、IFN−関連遺伝子を誘導できることを実証している。特に、2’5’−オリゴアデニレートシンセターゼおよびMx1(MxAのマウス相同体)は、顕著な抗ウイルス活性を有することが知られている。本発明者らのマウスモデルで、C−クラスCpG ODNは、インフルエンザ感染に対して保護作用を示し、抗原チャレンジとインフルエンザ感染の組合せによって誘導される悪化した気道炎症を抑制した。
【0020】
したがって、ある態様では、本発明は、感染症で悪化した喘息、特にウイルスで悪化した喘息を治療する方法に関する。細菌、ウイルス、および真菌感染は、喘息を悪化させ、かつ/または誘導する。感染症で悪化した喘息は、喘息の被験体で生じる症状である。喘息の被験体であって、喘息であると診断されたか、またはさもなければ喘息になりやすい被験体が、感染因子体験に曝露されたとき、喘息性応答または既存の/進行中の喘息発作が悪化する。
【0021】
したがって、本発明は、1つの態様において、CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、感染症で悪化した喘息の治療に有効であるという知見を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、被験体はウイルス感染の危険性がある。ウイルス感染の危険性がある被験体は、感染を引き起こす病原体に曝露される何らかの危険を有する被験体である。たとえば、危険に曝される被験体は、感染因子の特定のタイプが見つかっている地域へ旅行する計画を立てている被験体であり得るし、または生活習慣もしくは医学的手法を介して、感染性生物を含む可能性がある体液もしくはそのような生物に直接曝される被験体、またさらには感染性生物もしくはアレルゲンが確認された地域で生活する全ての被験体であり得る。感染を発症する危険性がある被験体には、医学機関が、特定の感染性生物の抗原を用いるワクチン接種を勧める一般的な集団も含まれる。ウイルス感染の危険性がある被験体は、さまざまな方法で、たとえば医療従事者によって識別することができる。医療従事者は、医師、看護士、技術者および医学分野の他の全ての従業者を含む。ウイルス感染の危険性がある被験体を、ウイルス感染の危険因子への曝露に基づき識別することもできる。
【0023】
本発明の態様で、ウイルス感染の危険因子を識別する方法は、ウイルス性病原体への曝露または季節を見越して、治療する被験体に向けられる(たとえば、インフルエンザおよび風邪の季節を予想して)。このような季節的な期間は一般に分かっており、より詳細には年間ベースで決定される。
【0024】
感染を有する被験体とは、感染性病原体に曝露され、体内に病原体の急性または慢性の検出可能な量を有する被験体である。本明細書中で用いられる場合、感染症とは、体内の外来微生物の存在に起因する疾患である。
【0025】
喘息を発症する危険性がある被験体には、喘息を有すると識別されたが、CpG免疫刺激オリゴヌクレオチド治療の間、前記の活性な疾病を有しない被験体、および遺伝的因子または環境的因子のために、これらの疾病を発病する危険性があると考えられる被験体が含まれる。
【0026】
Th2サイトカイン、特にIL−4とIL−5は、喘息の被験体の気道において増加する。これらのサイトカインは、IgEアイソタイプの切り替え、好酸球走化性および活性化、ならびにマスト細胞増殖を含む、喘息性炎症反応の重要な側面を促進する。Th1サイトカインで、特にIFN−γおよびIL−12は、Th2クローンの形成およびTh2サイトカインの産生を抑制できる。喘息とは、炎症、気道の狭窄および吸入された物質に対する気道の反応性の増大によって特徴づけられる呼吸器系の疾患を指す。喘息は、それに限らないが、アトピー性またはアレルギー性症状を伴うことが多い。
【0027】
被験体とは、ヒトまたはイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シチメンチョウ、ニワトリ、霊長類、たとえば、サル、および魚類(水産養殖種)、たとえばサーモンを含むがこれに限定されるものではない脊椎動物を意味する。
【0028】
本明細書中で用いられる場合、用語、「治療(treat)」、「治療された(treated)」、または「治療している(treating)」とは、感染症または喘息のような疾患に関して使用される場合は、疾患の発症に対して被験体の(たとえば、病原体の感染に対する)耐性を増加させる、または言い換えると、被験体が疾患を発病(たとえば、病原での感染)する可能性を減少させる予防的治療、ならびに疾患と闘う(たとえば、感染を減少または排除する)ための、もしくは疾患が悪化することを防止するための、被験体が疾患を発病した後での治療を意味する。
【0029】
ヒトにおいて見られるウイルスの例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:レトロウイルス科(たとえば、ヒト免疫不全ウイルス、たとえばHIV−1(HDTV−III、LAVEあるいはHTLV−III/LAV、またはHIV−IIIとも呼ばれる;およびHIV−LPのような他の分離株;ピコルナウイルス(たとえば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);カルシウイルス科(たとえば、胃腸炎を引き起こす株);トガウイルス科(たとえばウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウイルス科(たとえば、デング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス);コロナウイルス科(たとえば、コロナウイルス);ラブドウイルス科(たとえば、小胞性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(たとえば、エボラウイルス);パラミクソウイルス科(たとえば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、RSウイルス);オルソミクソウイルス科(たとえば、インフルエンザウイルス);ブンガウイルス科(たとえば、ハンターンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルス、およびナイロウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(たとえば、レオウイルス、オルビウイルスおよびロタウイルス);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(大部分のアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス;ポックスウイルス科(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);ならびにイリドウイルス科(たとえばアフリカ豚コレラウイルス);ならびに分類不能ウイルス(たとえば、デルタ型肝炎の病原体(B型肝炎ウイルスの欠損付随体であると考えられている)、非A・非B型肝炎の病原体(クラス1=内的に伝染する;クラス2=非経口的に伝染する(すなわち、肝炎C);ノーウォークウイルスおよび関連ウイルス、およびアストロウイルス)。
【0030】
グラム陰性およびグラム陽性細菌はどちらも脊椎動物における抗原として機能する。このようなグラム陽性細菌としては、これらに限定されないが、パスツレラ属種、スタヒロコッカス属種、ストレプトコッカス属種が挙げられる。グラム陰性細菌としては、これらに限定されないが、大腸菌(Escherichia coli)、シュードモナス属種、サルモネラ属種が挙げられる。感染性細菌の具体例としては、これらに限定されないが、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyloris)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdoiferi)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム属種(たとえば、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、トリ型結核菌(M.avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M.intracellulare)、マイコバクテリウム・カンサシイ(M.kansaii)、マイコバクテリウム・ゴルドネ(M.gordonae))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)(A群レンサ球菌)、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)(B群レンサ球菌)、ストレプトコッカス属(ビリダンス群)、大便レンサ球菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、レンサ球菌属(嫌気性種)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロバクター属種、エンテロコッカス属種、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム属種、ブタ丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pasturella multocida)、バクテロイデス属種、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ストレプトバシラス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidium)、フランベジア・トレポネーマ(Treponema pertenue)、レプトスピラ属種、リケッチア属種、およびイスラエル放線菌(Actinomyces israelli)が挙げられる。
【0031】
真菌の例としては、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマティティジス(Blastomyces dermatitidis)、トラコーマ・クラミジア(Chlamydia trachomatis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)が挙げられる。
【0032】
他の感染性生物(すなわち原生生物)には、プラズモディウム属種、たとえば熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、卵形熱マラリア原虫(Plasmodium ovale)、および三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)ならびにトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)が挙げられる。血液由来および/または組織の寄生生物としては、プラスモディウム属種、バベシア・ミクロチ(Babesia microti)、バベシア・ディバージエンス(Babesia divergens)、熱帯リーシュマニア(Leishmania tropica)、リーシュマニア属種、ブラジルリーシュマニア(Leishmania braziliensis)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)、ガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma gambiense)およびローデシアトリパノソーマ(Trypanosoma rhodesiense)、(アフリカ睡眠病)、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)(シャガス病)、ならびにトキソプラズマが挙げられる。
【0033】
他の医療的に関連のある微生物は、文献に広範に記載されている。たとえば、C.G.A Thomas、Medical Microbiology、ailliere Tindall、Great Britain 1983年を参照のこと。この全内容が、本明細書に参照により援用される。
【0034】
場合によっては、ウイルスで悪化した喘息は、呼吸器系ウイルスによって、特にインフルエンザのような上気道系ウイルスによって引き起こされる。場合によっては、呼吸器系ウイルスはRSV(呼吸器合胞体ウイルス)でないことがある。
【0035】
ウイルスで悪化した喘息を治療する方法には、CpGオリゴヌクレオチドと抗菌物質または喘息治療薬のような非CpG喘息治療の組合せの使用を含むこともあり得る。代替の治療薬、すなわち抗菌物質または喘息治療薬は、CpGオリゴヌクレオチドと異なる時間に、またはCpGオリゴヌクレオチドと同時に投与することができる。
【0036】
喘息の被験体に、ウイルスで悪化した喘息を治療するために、CpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与する。治療薬の組合せが投与される場合には、CpGオリゴヌクレオチドを、ウイルス感染を防止するのに有効な量で被験体に投与でき、アレルギーまたは喘息の症状が現れる時、喘息治療薬を被験体に投与できる。したがって、CpGオリゴヌクレオチドを被験体に投与でき、次いで喘息治療薬を被験体に引き続いて投与できるか、またはこれらは同時に一緒に投与される。
【0037】
CpGオリゴヌクレオチドは、免疫応答を誘導することが認められている特異的配列を含む。免疫応答を誘導するこれらの特異的配列は、「免疫刺激モチーフ」と呼ばれ、免疫刺激モチーフを含むオリゴヌクレオチドは、「免疫刺激オリゴヌクレオチド分子」および等価には「免疫刺激オリゴヌクレオチド」と呼ばれる。したがって、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの免疫刺激モチーフを含む。好ましい実施形態では、免疫刺激モチーフは、「内部の免疫刺激モチーフ」である。用語「内部の免疫刺激モチーフ」とは、より長いオリゴヌクレオチド配列中のモチーフ配列の位置を指し、これは免疫刺激モチーフ配列の5’および3’末端の両方に連結した少なくとも1つのヌクレオチドだけ長さにおいて、モチーフ配列より長い。
【0038】
CpGオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含んでいるオリゴヌクレオチドは、非メチル化シトシン−グアニンジヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド分子(すなわち、「CpG DNA」または5’シトシンに続く3’グアニンがリン酸結合で連結したDNA)であり、免疫系を活性化する。全てのCpGオリゴヌクレオチドは、非メチル化状態であり得るか、または一部が非メチル化状態であり得るが、少なくとも5’CG3’のCは、非メチル化状態でなければならない。
【0039】
本発明の方法は、Aクラス、BクラスおよびCクラスCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドの使用を含むことができる。CpGオリゴヌクレオチドに関して、CpGオリゴヌクレオチドの別のクラスが存在することが最近報告されている。1つのクラスは、B細胞の活性化には効力があるが、IFN−αの誘導およびNK細胞活性化は比較的弱い;このクラスは、Bクラスと呼ばれる。BクラスCpGオリゴヌクレオチドは、通常は完全に安定化されており、好ましい塩基コンテキスト内に、非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。たとえば、米国特許第6194388号、第6207646号、第6214806号、第6218371号、第6239116号、および第6339068号を参照。別のクラスは、IFN−αの誘導およびNK細胞の活性化に効力があるが、B細胞の刺激は比較的弱い;このクラスは、Aクラスと呼ばれている。AクラスCpGオリゴヌクレオチドは、通常は5’および3’末端に安定化したポリG配列および少なくとも6つのヌクレオチドのパリンドロームホスホジエステルCpGジヌクレオチドを含む配列を有している。たとえば、公開された特許出願PCT/US00/26527(WO01/22990)を参照。CpGオリゴヌクレオチドのさらに別のクラスは、B細胞およびNK細胞を活性化し、IFN−αを誘導する;このクラスは、C−クラスと呼ばれている。C−クラスのCpGオリゴヌクレオチドは、最初に特徴づけられた、一般的に完全に安定化されているような、Bクラスタイプ配列およびGCリッチなパリンドロームまたはほぼパリンドロームを含む。このクラスは、2002年8月19日に出願された米国特許出願第10/224523号および2004年10月29日に出願された米国特許出願第10/978282号に記載されており、この全内容が、本明細書に参照に援用される。
【0040】
「Aクラス」CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、双方とも2000年9月27日に出願の米国特許非仮出願第09/672126号および公開されたPCT出願PCT/US00/26527号(WO01/22990号)ならびに米国特許第6207646 B1号に記載されている。これらのオリゴヌクレオチドは、B細胞の活性化に対しては最小の効果を有しているが、インターフェロンアルファの高いレベルを誘導する能力によって特徴づけられる。AクラスCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、Yamamotoらによって報告された六量体パリンドローム
【0041】
【数1】

を必ずしも含むとは限らない。Yamamoto Sら、J Immunol 148巻:4072〜6頁(1992年)。
【0042】
BクラスCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、ヒトB細胞を強力に活性化するが、インターフェロン−αを誘導する効果はごく低い。BクラスCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、米国特許第6194388B1号および同第6239116B1号に記載され、2001年2月27日および2001年5月29日にそれぞれ発行されている。
【0043】
1つの実施形態では、本発明は、少なくとも式:
【0044】
【数2】

(式中、X、X、XおよびXはヌクレオチドである)によって表されるBクラスCpGオリゴヌクレオチドを提供する。1つの実施形態では、Xはアデニン、グアニン、またはチミンである。別の実施形態では、Xは、シトシン、アデニン、またはチミンである。
【0045】
別の実施形態では、本発明は、少なくとも式:
【0046】
【数3】

(式中、X、X、XおよびXはヌクレオチドであり、Nは任意のヌクレオチドであり、NおよびNは、それぞれ約0N〜25Nからなるオリゴヌクレオチド配列である)によって表される単離したBクラスCpGオリゴヌクレオチドを提供する。1つの実施形態では、Xは、GpT、GpG、GpA、ApA、ApT、ApG、CpT、CpA、CpG、TpA、TpTおよびTpGからなる群から選択されるジヌクレオチドであり、Xは、TpT、ApT、TpG、ApG、CpG、TpC、ApC、CpC、TpA、ApAおよびCpAからなる群から選択されるジヌクレオチドである。Xは、GpAまたはGpTであり、Xは、TpTであるのが好ましい。他の実施実施形態においては、XもしくはXまたは両方がプリンであり、XもしくはXまたは両方がピリミジンであるか、あるいはXはGpAであり、XもしくはXまたは両方がピリミジンである。別の好ましい実施形態では、Xは、TpA、ApA、ApC、ApGおよびGpGからなる群から選択されるジヌクレオチドである。さらに別の実施態様では、Xは、TpT、TpA、TpG、ApA、ApG、GpAおよびCpAからなる群から選択されるジヌクレオチドである。別の実施形態で、Xは、TpT、TpG、ApT、GpC、CpC、CpT、TpC、GpTおよびCpGからなる群から選択されるジヌクレオチドであり、Xは、AおよびTからなる群から選択されるヌクレオチドであり、Xは、ヌクレオチドであるが、XがTpC、GpTまたはCpGである場合は、Xは、TpC、ApTまたはApCではない。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’TCを有する。
【0047】
別の好ましい実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは、配列
【0048】
【数4】

を有する。いくつかの実施形態における本発明のCpGオリゴヌクレオチドは、GpT、GpG、GpAおよびApAからなる群から選択されるXを含み、Xは、TpT、CpTおよびTpCからなる群から選択される。
【0049】
本発明のBクラスCpGオリゴヌクレオチド配列は、概括的には上記の配列であり、ならびに公開されたPCT特許出願PCT/US95/01570号と、PCT/US97/19791号と、それぞれ2001年2月27日と2001年5月29日に発行された米国特許第6194388B1号および米国特許第6239116B1号の配列である。典型的な配列には、限定されるものではないが、これらの後者の出願および特許で開示された配列が含まれる。
【0050】
Cクラス免疫刺激オリゴヌクレオチドは、少なくとも2つの異なるモチーフを含み、免疫系の細胞に及ぼす、特有で望ましい刺激効果を有する。これらのODNのいくつかは、従来の「刺激」CpG配列および「GCリッチ」または「B細胞中和」モチーフの両方を有する。これらの組合せのモチーフオリゴヌクレオチドは、B細胞の活性化および樹状細胞(DC)の活性化の強いインデューサーである従来の「クラスB」CpG ODNに関連する免疫刺激効果と、IFN−αおよびナチュラルキラー(NK)細胞活性化の強いインデューサーであるがB細胞およびDC活性化の比較的弱いインデューサーであるクラスA CpG ODNと関連する免疫刺激効果との間のどこかに分類される、免疫刺激効果を有する。好ましいクラスB CpG ODNは、しばしばホスホロチオエート骨格を有し、好ましいクラスA CpG ODNは、混合骨格またはキメラ骨格を有するが、組合せのモチーフの免疫刺激オリゴヌクレオチドのCクラスは、いずれかの安定化した骨格、たとえばホスホロチオエート、キメラ、またはホスホジエステル骨格を有し得る。いくつかの好ましい実施形態では、これらはセミソフト骨格を有する。
【0051】
刺激ドメインまたはモチーフは、式:
【0052】
【数5】

によって定義され得るDは、C以外のヌクレオチドである。Cは、シトシンである。Gは、グアニンである。Hは、G以外のヌクレオチドである。
【0053】
およびXは、0から10ヌクレオチド長の任意のオリゴヌクレオチド配列である。Xは、CGを含み得て、この場合には、このCG直前にTが存在するのが好ましい。いくつかの実施形態において、DCGはTCGである。Xは、好ましくは0から6ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、Xは、いかなるポリGモチーフまたはポリAモチーフも含まない。他の実施形態では、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、5’末端または3’末端にポリT配列を有する。本明細書中で用いられる場合、「ポリA」または「ポリT」とは、4つまたはそれ以上の連続的な、それぞれAまたはTの伸長部分、たとえば、
【0054】
【数6】

を意味する。本明細書中で用いられる場合、「ポリG末端」とは、4つたはそれ以上の連続的なGの伸長部分、たとえば、オリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端で生じる、
【0055】
【数7】

を意味する。本明細書中で用いられる場合、「ポリGオリゴヌクレオチド」とは、
【0056】
【数8】

式を有するオリゴヌクレオチドを意味し、式中、X、X、XおよびXは、ヌクレオチドであり、XおよびXの少なくとも1つは、Gであるのが好ましい。
【0057】
この式でのB細胞刺激ドメインに関するいくつかの好ましいデザインは、
【0058】
【数9】

を含む。
【0059】
オリゴヌクレオチドの第2のモチーフは、PまたはNと呼ばれ、Xのすぐ5’側またはXのすぐ3’側に位置する。
【0060】
Nは、CGGトリヌクレオチドで始まり、少なくとも10ヌクレオチド長である、B細胞中和配列である。B細胞中和モチーフは、CGの前にCがあるかまたはCGの後にGがある少なくとも1つのCpG配列を含むか(Krieg AMら、(1998年) Proc Natl Acad Sci USA 95巻:12631〜12636頁)、またはCGのうちのCがメチル化されているCG含有DNA配列である。本明細書中で用いられる場合、「CpG」とは、リン酸結合で連結した5’シトシン(C)に続く3’グアニン(G)を意味する。この5’CG3’の少なくともCは、非メチル化状態でなければならない。中和モチーフとは、別の非刺激モチーフ中に存在する場合は、ある程度の免疫刺激能力を有するが、他の免疫刺激モチーフのコンテキスト中に存在する場合は、他のモチーフの免疫刺激能力を減少させるように働くモチーフである。
【0061】
Pは、少なくとも10ヌクレオチド長の配列を含むGCリッチなパリンドロームである。本明細書中で用いられる場合、「パリンドローム」および等価には「パリンドローム配列」とは、逆方向反復、すなわち、
【0062】
【数10】

のような、AおよびA’、BおよびB’などは、通常のワトソン−クリック塩基対を形成できる塩基である配列を意味する。
【0063】
本明細書中で用いられる場合、「GCリッチパリンドローム」とは、少なくとも3分の2がGおよびCの塩基組成を有するパリンドロームをを意味する。いくつかの実施形態では、GCリッチなドメインは、「B細胞刺激ドメイン」の3’側にあるのが好ましい。したがって、10塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、パリンドロームは、少なくとも8つのGおよびCを含む。12塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームはまた、少なくとも8つのGおよびCを含む。14マーのGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームのうちの少なくとも10塩基が、GおよびCである。いくつかの実施形態では、GCリッチなパリンドロームは、GおよびCのみから構成される。
【0064】
いくつかの実施形態では、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも81パーセントがGおよびCの塩基組成を有する。したがって、10塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームは、GおよびCのみから構成される。このような12塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームのうちの少なくとも10塩基(83パーセント)がGおよびCであることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、12塩基長のGCリッチなパリンドロームが、GおよびCのみから構成される。14マーのGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームのうちの少なくとも12塩基(86パーセント)が、GおよびCである。いくつかの好ましい実施形態では、14塩基長のGCリッチなパリンドロームは、GおよびCのみから構成される。GCリッチなパリンドロームのCは、非メチル化状態であり得るか、またはそれらのCは、メチル化状態であり得る。
【0065】
一般に、このドメインは、少なくとも3つのCおよびGを有し、より好ましくはそれぞれの4つを有し、最も好ましくはそれぞれの5つまたはそれ以上を有する。このドメイン中のCおよびGの数は、同一である必要はない。これらのCおよびGは、それらが自己相補的な二重鎖、またはCCGCGCGGのようなパリンドロームを形成できるように配列されることが好ましい。これは、AまたはTによって中断され得るが、自己相補性が、たとえばモチーフ
【0066】
【数11】

中のように少なくとも部分的に保存されていることが好ましい。相補性が保存されない場合、非相補的塩基対はTGであることが好ましい。好ましい実施形態では、パリンドロームの一部ではない3つを超えない連続的な塩基、好ましくは2つを超えない連続的な塩基、最も好ましくはただ1つの連続的な塩基が存在する。いくつかの実施形態では、GCリッチパリンドロームは、少なくとも1つのCGGトリマー、少なくとも1つのCCGトリマー、または少なくとも1つのCGCGテトラマーを含む。他の実施形態では、このGCリッチなパリンドロームは、
【0067】
【数12】

でもない。
【0068】
このGCリッチな領域のGのうちの少なくとも1つは、イノシン(I)で置換され得る。いくつかの実施形態では、Pは、少なくとも1つのIを含む。
【0069】
特定の実施形態において、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、以下の式:
【0070】
【数13】

の1つを有する。
【0071】
他の態様では、本発明は、以下の式:
【0072】
【数14】

により規定される免疫刺激オリゴヌクレオチドを提供する。Nは、1ヌクレオチド長〜6ヌクレオチド長の任意の配列である。Pyは、ピリミジンである。Gは、グアニンである。Nは、0ヌクレオチド長〜30ヌクレオチド長の任意の配列である。Pは、少なくとも10ヌクレオチド長の配列を含むGCリッチなパリンドロームである。
【0073】
およびNは、50%より多くのピリミジンを含み得、より好ましくは、50%より多いTを含み得る。Nは、CGを含み得、この場合、好ましくはTがこのCGの直前に存在する。いくつかの実施形態では、NPyGは、TCGであり(たとえば、ODN5376、これは、5’TCGGを有する)、最も好ましくは、NはGではないTCGNである。
【0074】
PyGNPは、1つまたは複数のイノシン(I)ヌクレオチドを含み得る。N1中のCまたはGのいずれかが、イノシンによって置換され得るが、CpIよりもIpGが好ましい。IpGのようなイノシン置換のために、最適な活性は、「セミソフト」骨格またはキメラ骨格の使用によって達成でき、ここでIGまたはCIの間の結合は、ホスホジエステルである。Nは、少なくとも1つのCI、TCI、IGまたはTIGモチーフを含み得る。
【0075】
特定の実施形態において、NPyGNは、
【0076】
【数15】

からなる群から選択される配列である。
【0077】
C−クラスODNは、2004年10月28日に出願の米国特許出願第10/978283号にも記載されている。本明細書に記載される核酸は、全て参照により援用される。
【0078】
本発明に従う有用なCpGオリゴヌクレオチドのいくつかの非限定的な例には、以下のものが含まれる。
【0079】
【化1】

【0080】
【化2】

【0081】
【化3】

免疫刺激オリゴヌクレオチド分子は、キメラ骨格を有し得る。本発明の目的に関しては、キメラ骨格とは、少なくとも1つのヌクレオチド間結合が、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様結合であり、かつ少なくとも1つの他のヌクレオチド間結合が、安定化されたヌクレオチド間結合であり、前記の少なくとも1つのホスホジエステルまたはホスホジエステル様結合および前記の少なくとも1つの安定化された結合が異なっている、部分的に安定化された骨格を意味する。ボラノホスホネート結合がホスホジエステル結合と比較して安定化されることが報告されているので、前記骨格のキメラ性質の目的のためには、ボラノホスホネート結合は、コンテキストに依存して、ホスホジエステル様のものとして、または安定化されたものとしてのいずれかに分類できる。たとえば、本発明に記載のキメラ骨格は、1つの実施形態においては、少なくとも1つのホスホジエステル(ホスホジエステルまたはホスホジエステル様)結合および少なくとも1つのボラノホスホネート(安定化された)結合を含み得る。別の実施形態においては、本発明に記載のキメラ骨格は、ボラノホスホネート(ホスホジエステルまたはホスホジエステル様)およびホスホロチオエート(安定化された)結合を含み得る。「安定化されたヌクレオチド間結合」とは、in vivoでの分解(たとえば、エキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼによる)に対して比較的抵抗性であるヌクレオチド間結合を意味する。好ましい安定化されたヌクレオチド間結合には、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、メチルホスホエート結合およびメチルホスホロチオエート結合が挙げられるが、これらに限定されない。他の安定化されたヌクレオチド間結合には、ペプチド結合、アルキル結合、デホスホ結合、および上記の他の結合が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
ホスホロチオエートのような改変された骨格は、ホスホロアミダイト化学またはH−ホスホネート化学のいずれかを使用する、自動化された技術を用いて合成することができる。アリール−ホスホネートおよびアルキル−ホスホネートは、たとえば米国特許第4469863号で記載されるように作成できる;、アルキルホスホトリエステル(米国特許第5023243号および欧州特許第092574号に記載されるように、荷電した酸素部分がアルキル化されている)は、市販の試薬を用いる自動化した固相合成により調製され得る。他のDNA骨格の改変および置換を行うための方法は記載されている。Uhlmann Eら(1990年) Chem Rev 90巻:544頁; Goodchild J (1990年) Bioconjugate Chem 1巻:165頁。キメラオリゴヌクレオチドを調製する方法も知られている。たとえばUhlmannらに発行された特許には、このような技術が記載されている。
【0083】
ODNを改変した混合骨格は、市販のDNA合成装置および標準的なホスホラミダイト化学を使用して合成することができる。(F. E. Eckstein、「Oligonucleotides and Analogues − A Practical Approach」IRL Press、Oxford、UK、1991年、およびM. D. MatteucciとM. H. Caruthers、Tetrahedron Lett. 21巻、719 頁(1980年))。カップリング後に、PS結合をBeaucage試薬を用いる硫化により導入するか(R. P. Iyer、W. Egan、J. B. ReganおよびS. L. Beaucage、J. Am. Chem. Soc. 112巻. 1253頁 (1990年))(アセトニトリル中で0.075M)、またはフェニルアセチルジスルフィド(PADS)に続いて、無水酢酸、テトラヒドロフラン中で2,6−ルチジンおよびNメチルイミダゾール(テトラヒドロフラン中16%)(1:1:8、v:v:v)を用いてキャップ形成により導入する。ホスホロチオエート結合が位置しなければならない位置での、望ましくないホスホジエステル(PO)結合の形成を最小限に抑えるために、このキャップ形成ステップは、硫化反応の後に実施する。たとえばCpGジヌクレオチドにおいて、ホスホジエステル結合の導入の場合、中間のリンIIIは、水/ピリジン中でヨード溶液を用いる処理により酸化される。固体支持体からの切断および濃縮したアンモニアを用いる処理による最終的な脱保護(50℃で15時間)の後、ODNを、NaCl勾配(たとえば、緩衝液A:アセトニトリル/水=1:4/v:v中で10mM NaHPO pH6.8;緩衝液B:アセトニトリル/水=1:4/v:v中で10mMのNaHPO、1.5M NaCl;1ml/分で30分間、5〜60%B)を使用するGen−Pak Fax column(Millipore−Waters)上のHPLCにより分析するか、またはキャピラリーゲル電気泳動により分析する。ODNは、Source High Performanceカラム(Amersham Pharmacia)上でHPLCまたはFPLCにより精製できる。HPLCによる均質な分画を合わせ、C18カラムに通すかまたは限外濾過により脱塩する。計算値の質量を確認するために、ODNをMALDI−TOF質量分析法により分析した。
【0084】
本発明のオリゴヌクレオチドは、他の改変も含むことができる。これらは、アルキル−ホスフェートおよびアリール−ホスフェート(荷電したホスホナート酸素が、アルキルまたはアリール基により置換されている)のような非イオン性のDNAアナログ、荷電した酸素部分がアルキル化さているホスホジエステルならびにアルキルホスホトリエステルを含む。いずれかの末端または両方の末端で、テトラエチレングリコールまたはヘキサエチレングリコールのようなジオールを含むオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ分解に実質的に抵抗性であることも示されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ソフトまたはセミソフトオリゴヌクレオチドであり得る。ソフトオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合が、少なくとも1つの内部のピリミジン−プリンジヌクレオチド(YZ)の中にのみ、およびすぐ隣接して生じる部分的に安定化された骨格を有する、免疫刺激オリゴヌクレオチドである。YZはYGである、ピリミジン−グアノシン(YG)ジヌクレオチドであるのが好ましい。少なくとも1つの内部YZジヌクレオチド自体が、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合を有する。少なくとも1つの内部YZジヌクレオチドにすぐに隣接して生じるホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、少なくとも1つの内部YZジヌクレオチドの5’側、3’側、または5’側および3’側の両方に存在し得る。
【0086】
特に、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、「内部ジヌクレオチド」を含む。一般に内部ジヌクレオチドは、ヌクレオチド対のどちらのヌクレオチドも末端ヌクレオチドでない、すなわち、ヌクレオチドの対のどちらのヌクレオチドも、オリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端を規定するヌクレオチドでない、ヌクレオチド間結合により連結された隣接したヌクレオチドの任意の一対を意味する。したがって、nヌクレオチド長である直鎖状のオリゴヌクレオチドは、合計でn−1ジヌクレオチドおよびn−3のみの内部ジヌクレオチドを有する。内部ジヌクレオチドの各ヌクレオチド間結合は、内部ヌクレオチド間結合である。したがって、nヌクレオチド長である直鎖状オリゴヌクレオチドは、合計でn−1ヌクレオチド間結合およびn−3のみの内部ヌクレオチド間結合を有する。したがって、戦略的に配置されたホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、オリゴヌクレオチド配列中のヌクレオチドの任意の対の間に位置するホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合を意味する。いくつかの実施形態では、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、5’末端または3’末端に最も近いヌクレオチドのどちらの対の間にも位置しない。
【0087】
少なくとも1つの内部YZジヌクレオチドにすぐに隣接して生じるホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、それ自体が内部ヌクレオチド間結合であるのが好ましい。したがって、配列NYZNに関して、NおよびNは、各々、互いに対して独立している任意の単一ヌクレオチドであり、YZジヌクレオチドは、ホスホジエステルもしくはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合を有し、さらに、(a)Nが内部ヌクレオチドである場合には、NおよびYは、ホスホジエステルもしくはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合により結合され、(b)Nが内部ヌクレオチドである場合には、ZおよびNは、ホスホジエステルもしくはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合により結合され、または(c)Nが内部ヌクレオチドである場合には、NおよびYは、ホスホジエステルもしくはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合により結合され、かつNが内部ヌクレオチドである場合には、ZおよびNは、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合により結合される。
【0088】
本発明に記載のソフトオリゴヌクレオチドは、十分に安定化されたオリゴヌクレオチドと比べ、ヌクレアーゼ切断に比較的感受性であると考えられている。特定の理論またはメカニズムに拘束されることを意味するものではないが、本発明のソフトオリゴヌクレオチドは、全長のソフトオリゴヌクレオチドに比べ低減したか、あるいは全く免疫刺激活性をもたないフラグメントに切断可能であると考えられる。少なくとも1つのヌクレアーゼ感受性ヌクレオチド間結合を、特にオリゴヌクレオチドの中央近くに組み入れることは、オリゴヌクレオチドの最大の免疫刺激活性の持続期間を減少させるために、オリゴヌクレオチドの薬物動態を変更する「オフスイッチ」を提供すると考えられる。慢性の局所的炎症または免疫刺激に関連する、たとえば、腎臓に関連する傷害を避けることが望ましい組織においておよび臨床応用において、これは特に価値がある。
【0089】
セミソフトオリゴヌクレオチドとは、ホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合が、少なくとも1つの内部のピリミジン−プリン(YZ)ジヌクレオチド中にのみ生じる、部分的に安定化された骨格を有する免疫刺激オリゴヌクレオチドである。セミソフトオリゴヌクレオチドは、十分に安定化された免疫刺激オリゴヌクレオチドに比べ、一般に、増強した免疫刺激能力を備えている。セミソフトオリゴヌクレオチドの大きな能力のため、セミソフトオリゴヌクレオチドは場合によっては、低い有効濃度で使用でき、かつ所望の生体影響を達成するために、通常の十分に安定化された免疫刺激オリゴヌクレオチドより低い有効量を有することができる。
【0090】
セミソフトオリゴヌクレオチドの上記の特性は、一般に、内部のYZジヌクレオチドを含むホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合の「量」の増加とともに増加すると考えられる。したがって、たとえば、一般に5つの内部YZジヌクレオチドを有する特定のオリゴヌクレオチド配列に関しては、5つの内部ホスホジエステルまたはホスホジエステル様YZヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、4つの内部ホスホジエステルまたはホスホジエステル様YGヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドよりさらに免疫刺激性であり、それは、3つの内部ホスホジエステルまたはホスホジエステル様YZヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドよりさらに免疫刺激性であり、それは、2つの内部ホスホジエステルまたはホスホジエステル様YZヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドよりさらに免疫刺激性であり、それは、1つの内部のホスホジエステルまたはホスホジエステル様YZヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドよりさらに免疫刺激性であると考えられる。重要な点は、1つの内部ホスホジエステルまたはホスホジエステル様YZヌクレオチド間結合の含有でさえも、内部のホスホジエステルまたはホスホジエステル様YZヌクレオチド間結合を含有しないものに比べ有利であると考えられている。ホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合の数だけでなく、オリゴヌクレオチドの長さに沿った配置も、能力に影響を及ぼすことができる。
【0091】
ソフトおよびセミソフトオリゴヌクレオチドは、好ましい内部の位置でのホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合に加えて、一般には、分解に抵抗性である5’および3’末端を含む。このような分解抵抗性の末端は、対応する改変されていない末端と比べて、エキソヌクレアーゼ消化に対して増加した抵抗性をもたらす任意の適切な改変を含むことができる。たとえば、5’および3’末端は、骨格の少なくとも1つのホスフェート改変をそこに含むことにより安定化することができる。好ましい実施形態では、各末端における骨格の少なくとも1つのホスフェート改変は、それぞれホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、またはメチルホスホロチオエートヌクレオチド間結合である。別の実施形態においては、分解抵抗性の末端は、3’末端でペプチドまたはアミド結合により連結された1つまたは複数のヌクレオチド単位を含む。
【0092】
ホスホジエステルヌクレオチド間結合は、自然界には見られるオリゴヌクレオチドの特徴を有する結合のタイプである。ホスホジエステルヌクレオチド間結合は、2つの架橋している酸素原子が隣接して存在しており、かつ2つの別の酸素原子(一方は荷電しており、もう一方は荷電してない)によっても結合されているリン原子を含む。ホスホジエステルヌクレオチド間結合は、オリゴヌクレオチドの組織半減期を減少させることが重要である場合、特に好ましい。
【0093】
ホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、ホスホジエステルと化学的および/またはジアステレオマー的に類似しているリンを含む架橋基である。ホスホジエステルに対する類似性の測定には、ヌクレアーゼ消化に対する感受性およびRNAse Hを活性化する能力が含まれる。したがって、ホスホジエステルおよびホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのいずれもがRNAse Hを活性化するが、たとえば、ホスホジエステルオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ消化に対して感受性であるが、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは感受性ではない。好ましい実施形態では、ホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、ボラノホスフェート(または同等のボラノホスホネート)結合である。米国特許第5177198号;米国特許第5859231号;米国特許第6160109号;米国特許第6207819号;Sergueevら、(1998年) J Am Chem Soc 120巻:9417〜27頁。別の好ましい実施形態で、ホスホジエステル様ヌクレオチド間結合は、ジアステレオマー的に純粋なRpホスホロチオエートである。混合したホスホロチオエートまたはジアステレオマー的に純粋なSpホスホロチオエートよりも、ジアステレオマー的に純粋なRpホスホロチオエートは、ヌクレアーゼ消化に感受性であり、RNAse Hを活性化することにおいて優れていると考えられる。CpGオリゴヌクレオチドの立体異性体は、1999年7月27日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/361575号、および公開されたPCT出願PCT/US99/17100号(WO00/06588号)の被験体である。本発明の目的に関しては、用語「ホスホジエステル様ヌクレオチド間結合」は、ホスホロジチオエートおよびメチルホスホネートヌクレオチド間結合を、特に除外することに留意すべきである。
【0094】
上記のように、本発明のソフトおよびセミソフトオリゴヌクレオチドは、CおよびG間にホスホジエステル様結合を有することができる。ホスホジエステル様結合の1つの例は、Rp立体配座のホスホロチオエート結合である。オリゴヌクレオチドp−キラリティーは、活性が測定される時点によって、CpGオリゴヌクレオチドの免疫活性に及ぼす明らかに逆の効果を有することができる。40分の初期の時点で、ホスホロチオエートCpGオリゴヌクレオチドのSp立体異性体ではなくRp立体異性体が、マウス脾臓細胞でJNKリン酸化を誘導する。対照的に、44時間の後期の時点でアッセイした場合、Rp立体異性体ではなくSP立体異性体が、脾臓細胞増殖の刺激において活性である。RpおよびSp立体異性体のカイネティクスおよび生物活性のこの差異は、細胞への取込みにおける何らかの相違に起因するのでなく、むしろp−キラリティーの2つの正反対の生物学的な役割に起因する可能性が最も高い。第一に、初期の時点での免疫細胞を刺激することに関する、Sp立体異性体と比べRp立体異性体の増強された活性は、CpGレセプターであるTLR9との相互作用または下流のシグナル伝達経路の誘導に対して、Rpはより有効である可能性を示す。一方、Spに比べてRp PSオリゴヌクレオチドのより速い分解は、シグナル伝達の非常に短い持続期間を生じ、その結果、後期の時点で試験した場合、Sp PSオリゴヌクレオチドは生物学的により活性であると考えられる。
【0095】
驚異的な強い効果が、CpGジヌクレオチドそれ自体のp−キラリティーにより達成される。ステレオ−ランダムなCpGオリゴヌクレオチドと比較して、単一のCpGジヌクレオチドがRpで結合した同族体は、活性がわずかに強かったが、Sp結合を含む同族体は、脾臓細胞増殖を誘導する活性はほとんどなかった。
【0096】
免疫刺激オリゴヌクレオチドのサイズ(すなわち、オリゴヌクレオチドの長さに沿ってのヌクレオチド残基数)が、オリゴヌクレオチドの刺激活性に関与する可能性もある。免疫刺激オリゴヌクレオチドの細胞への取込みを容易にするために、6ヌクレオチド残基の最小の長さを有するのが好ましい。細胞内で大きなオリゴヌクレオチドは分解するので、十分な免疫刺激モチーフが存在する場合、本発明に従って、6ヌクレオチドより大きいあらゆるサイズのオリゴヌクレオチド(数キロベース長でさえも)が、免疫応答を誘導することができる。4ヌクレオチド程度の短いセミソフトオリゴヌクレオチドも、これらを細胞内部に送達できる場合には免疫刺激性であり得ると、本発明者らは考えている。本発明に従うある好ましい実施形態では、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、4から100ヌクレオチド長である。典型的な実施形態では、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、6から40ヌクレオチド長である。本発明に従うある実施形態では、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、6から19ヌクレオチド長である。免疫刺激オリゴヌクレオチドは、一般に、4から100の範囲の長さを有し、いくつかの実施形態では8から40を有する。長さは、16から24ヌクレオチドの範囲にあってもよい。
【0097】
用語「オリゴヌクレオチド」には、たとえば塩基および/または糖における置換または改変を有するオリゴヌクレオチドも包含する。たとえば、これらは、2’位でヒドロキシル基以外の、および5’位でリン酸基またはヒドロキシ基以外の低分子量有機基に共有結合した骨格糖を有するオリゴヌクレオチドを含む。したがって改変されたオリゴヌクレオチドは、2’−O−アルキル化リボース基を含み得る。さらに、改変されたオリゴヌクレオチドは、リボースの代わりに、アラビノースまたは2’−フルオロアラビノースのような糖を含み得る。したがって、オリゴヌクレオチドは、骨格組成において不均一であり得、それによりペプチド−核酸のような互いに結合されたポリマー単位の可能なすべての組合せ(これは、オリゴヌクレオチド塩基を含むアミノ酸骨格を有する)を含み得る。
【0098】
オリゴヌクレオチドは、置換されたプリンおよびピリミジン、たとえばC−5プロピンピリミジンおよび7−デアザ−7−置換プリン改変塩基を含む。Wagner RWら (1996年) Nat Biotechnol 14巻:840〜4頁。プリンおよびピリミジンには、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、5−メチルシトシン、5−ヒドロキシシトシン、5−フルオロシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、ならびに他の天然および非天然の核酸塩基、置換されたおよび非置換の芳香族部分が含まれるが、これらに限定されない。他のこのような改変は、当業者に周知である。
【0099】
本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドは、天然のRNAおよびDNAと比較して、種々の化学的改変および置換を包含することができ、ホスホジエステルヌクレオチド間結合、β−D−リボース単位および/または天然のヌクレオチド塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル)を含む。化学的改変の例は、当業者に周知であり、たとえば、Uhlmann Eら (1990年) Chem Rev 90巻:543頁;「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」Synthesis and Properties & Synthesis and Analytical Techniques、S. Agrawal編, Humana Press、otowa、USA 1993年; Crooke STら (1996年) Annu Rev Pharmacol Toxicol 36巻:107〜129頁;およびHunziker Jら (1995年) Mod Synth Methods 7巻:331〜417頁に記載されている。本発明に従うオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の改変を有し得、それぞれの改変は、天然のDNAまたはRNAで構成される同じ配列のオリゴヌクレオチドと比較して、特定のホスホジエステルヌクレオチド間結合および/または特定のβ−D−リボース単位および/または特定の天然のヌクレオチド塩基位置に位置する。
【0100】
たとえば、本発明は、1つまたは複数の改変を含み得、かつそれぞれの改変が以下から独立して選択されるオリゴヌクレオチドに関する:すなわち、
a)改変されたヌクレオチド間結合による、ヌクレオチドの3’および/または5’末端に位置するホスホジエステルヌクレオチド間結合の置換、
b)デホスホ結合による、ヌクレオチドの3’および/または5’末端に位置するホスホジエステル結合の置換、
c)別の単位による、糖リン酸骨格からの糖リン酸単位の置換、
d)改変された糖単位による、β−D−リボース単位の置換、および
e)改変されたヌクレオチド塩基による、天然のヌクレオチド塩基の置換である。
【0101】
そのオリゴヌクレオチドの化学的改変のより詳細な例は、以下の通りである。
【0102】
ヌクレオチドの3’および/または5’末端に位置するホスホジエステルヌクレオチド間結合は、改変されたヌクレオチド間結合により置換でき、改変されたヌクレオチド間結合は、たとえば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、NR−ホスホルアミダート、ボラノホスフェート、α−ヒドロキシベンジルホスホネート、ホスフェート−(C〜C21)−O−アルキルエステル、ホスフェート−[(C〜C12)アリール−(C〜C21)−O−アルキル]エステル、(C〜C)アルキルホスホネートおよび/または(C〜C12)アリールホスホネート結合、(C〜C12)−α−ヒドロキシメチル−アリール(たとえば、WO95/01363号で開示されている)から選択され、式中、(C〜C12)アリール、(C〜C20)アリールおよび(C〜C14)アリールは、必要に応じてハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノで置換され、RおよびRは、互いに独立して、水素、(C〜C18)−アルキル、(C〜C20)−アリール、(C〜C14)−アリール−(C〜C)−アルキル、好ましくは水素、(C〜C)−アルキル、好ましくは(C〜C)−アルキルおよび/またはメトキシエチルであるか、あるいはRとRとが、それらが保有している窒素原子と共に、グループO、SおよびNからの別のヘテロ原子をさらに含むことができる5〜6員複素環を形成する。
【0103】
デホスホ結合(デホスホ結合は、たとえば、Uhlmann EとPeyman A in「Methods in Molecular Biology」、20巻、「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」、S. Agrawal編 Humana Press、Totowa 1993年、16章, 355頁)に記載されている)による、ヌクレオチドの3’および/または5’末端に位置するホスホジエステル結合の置換であって、たとえば、デホスホ結合は、ホルムアセタール、3’−チオホルムアセタールメチルヒドロキシルアミン、オキシム、メチレンジメチル−ヒドラゾ、ジメチレンスルホンおよび/またはシリル基のデホスホ結合から選択される。
【0104】
糖リン酸骨格由来の糖リン酸単位(すなわち、β−D−リボースとホスホジエステルヌクレオチド間結合とが共に糖リン酸単位を形成する)(すなわち、糖リン酸骨格は、糖リン酸単位から構成される)は、他の単位により置換でき、ここで他の単位は、たとえば「モルホリノ誘導体」オリゴマーを組み立てるために適切なもの(たとえば、Stirchak EPら (1989年) Oligonucleotides Res 17巻:6129〜41頁に記載される)、すなわち、たとえば、モルホリノ誘導体単位による置換であり;またはポリアミドオリゴヌクレオチド(「PNA」;たとえば、Nielsen PEら (1994年) Bioconjug Chem 5巻:3〜7頁に記載)を組み立てるために適切なもの、すなわち、たとえば、PNA骨格単位(たとえば2−アミノエチルグリシン)による置換である。
【0105】
β−リボース単位またはβ−D−2’−デオキシリボース単位は、改変された糖単位により置換でき、この改変された糖単位は、たとえば、β−D−リボース、α−D−2’−デオキシリボース、L−2’−デオキシリボース、2’−F−2’−デオキシリボース、2’−F−アラビノース、2’−O−(C〜C)アルキル−リボース(好ましくは、2’−O−(C〜C)アルキル−リボースは、2’−O−メチルリボースである)、2’−O−(C〜C)アルケニル−リボース、2’−[O−(C〜C)アルキルO−(C〜C)アルキル]−リボース、2’−NH−2’−デオキシリボース、β−D−キシロ−フラノース、α−アラビノフラノース、2,4−ジデオキシ−β−D−エリスロ−ヘキソ−ピラノース、および炭素環式糖アナログ(たとえば、Froehler J (1992年) Am Chem Soc 114巻:8320頁に記載される)および/または閉鎖状糖アナログ(たとえば、Vandendriesscheら (1993年) Tetrahedron 49巻:7223頁に記載される)および/またはビシクロ糖アナログ(たとえば、Tarkov Mら (1993年) Helv Chim Acta 76巻:481頁に記載される)から選択される。
【0106】
いくつかの実施形態では、糖は、2’−O−メチルリボースであり、特にホスホジエステルまたはホスホジエステル様ヌクレオチド間結合により一方または両方のヌクレオチドが結合されている。
【0107】
オリゴヌクレオチドはまた、C−5プロピンピリミジンおよび7−デアザ−7置換プリン改変塩基のような置換されたプリンおよびピリミジンを含む。Wagner RWら (1996年) Nat Biotechnol 14巻:840〜4頁。プリンおよびピリミジンには、アデニン、シトシン、グアニン、およびチミン、ならびに天然および非天然の核酸塩基、置換および非置換の芳香族部分が含まれるが、これらに限定されない。
【0108】
改変された塩基とは、T、C、G、AおよびUのような通常はDNAおよびRNA中に見い出される天然に存在する塩基とは化学的に異なるが、これらの天然に存在する塩基と基本的な化学構造を共有する任意の塩基である。改変されたヌクレオチド塩基は、たとえば、ヒポキサンチン、ウラシル、ジヒドロウラシル、プソイドウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−アミノウラシル、5−(C〜C)−アルキルウラシル、5−(C〜C)−アルケニルウラシル、5−(C〜C)−アルキニルウラシル、5−(ヒドロキシメチル)ウラシル、5−クロロウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−ヒドロキシシトシン、5−(C〜C)−アルキルシトシン、5−(C〜C)−アルケニルシトシン、5−(C〜C)−アルキニルシトシン、5−クロロシトシン、5−フルオロシトシン、5−ブロモシトシン、N−ジメチルグアニン、2,4−ジアミノ−プリン、8−アザプリン、置換7−デアザプリン(好ましくは7−デアザ−7置換プリンおよび/または7−デアザ−8置換プリン)、5−ヒドロキシメチルシトシン、N4−アルキルシトシン(たとえば、N4−エチルシトシン)、5−ヒドロキシデオキシシチジン、5−ヒドロキシメチルデオキシシチジン、N4−アルキルデオキシシチジン(たとえば、N4−エチルデオキシシチジン)、6−チオデオキシグアノシン、およびニトロピロールのデオキシリボヌクレオチド、C5−プロピニルピリミジン、およびジアミノプリン(たとえば、2,6−ジアミノプリン)、イノシン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、あるいは天然のヌクレオチド塩基の他の改変体から選択することができる。このリストは、例示であって、限定するものと解釈されるべきではない。
【0109】
本明細書中に記載される特定の式においては、改変された塩基のセットが定義される。たとえば、文字Yは、シトシンまたは改変されたシトシンを含むヌクレオチドを意味するために使用される。改変されたシトシンとは、本明細書中で用いられる場合は、オリゴヌクレオチドの免疫刺激活性を損なうことなくこの塩基を置換できる、シトシンの天然に存在するかまたは天然に存在しないピリミジン塩基アナログである。改変されたシトシンには、5−置換シトシン(たとえば、5−メチル−シトシン、5−フルオロ−シトシン、5−クロロ−シトシン、5−ブロモ−シトシン、5−ヨード−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、5−ジフルオロメチル−シトシン、および非置換もしくは置換5−アルキニル−シトシン)、6−置換シトシン、N4−置換シトシン(たとえばN4−エチル−シトシン)、5−アザ−シトシン、2−メルカプト−シトシン、イソシトシン、プソイド−イソシトシン、縮合環系を有するシトシンアナログ(たとえばN,N’−プロピレンシトシンもしくはフェノキサジン)、ならびにウラシルおよびその誘導体(たとえば、5−フルオロ−ウラシル、5−ブロモ−ウラシル、5−ブロモビニル−ウラシル、4−チオ−ウラシル、5−ヒドロキシ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル)が挙げられるがこれらに限定されない。好ましいシトシンの一部には、5−メチル−シトシン、5−フルオロ−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−ヒドロキシメチル−シトシン、およびN4−エチル−シトシンが含まれる。本発明の別の実施形態では、シトシン塩基は、普遍的な塩基(たとえば3−ニトロピロール、P−塩基)、芳香環系(たとえばフルオロベンゼンもしくはジフルオロベンゼン)または水素原子(dSpacer)により置換される。
【0110】
文字Zは、グアニンまたは改変型グアニン塩基を意味するために使用される。改変されたグアニンとは、本明細書中で用いられる場合は、オリゴヌクレオチドの免疫刺激活性を損なうことなくこの塩基を置換できる、天然に存在するかまたは天然に存在しないプリン塩基アナログである。改変されたグアニンには、7−デアザグアニン、7−デアザ−7−置換グアニン(たとえば7−デアザ−7−(C2−C6)アルキニルグアニン)、7−デアザ−8−置換グアニン、ヒポキサンチン、N2−置換グアニン(たとえばN2−メチル−グアニン)、5−アミノ−3−メチル−3H,6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノプリン、プリン、インドール、アデニン、置換アデニン(たとえば、N6−メチル−アデニン、8−オキソ−アデニン)、8−置換グアニン(たとえば、8−ヒドロキシグアニンおよび8−ブロモグアニン)、ならびに6−チオグアニンが挙げられるがこれらに限定されない。発明の別の実施形態では、グアニン塩基は、普遍的な塩基(たとえば、4−メチル−インドール、5−ニトロ−インドール、およびK−塩基)、芳香環系(たとえば、ベンズイミダゾールもしくはジクロロ−ベンズイミダゾール、1−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸アミド)または水素原子(dSpacer)により置換される。
【0111】
オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のアクセス可能な5’末端を有し得る。2つこのような5’末端を有する改変されたオリゴヌクレオチドを作製することは可能である。これは、たとえば、3’−3’結合を介して2つのオリゴヌクレオチドを結合させて、1つまたは2つのアクセス可能な5’末端を有するヌクレオチドを生成することにより達成することができる。3’3’−結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエートまたは任意の他の改変されたヌクレオチド間結合であり得る。このような結合を達成するための方法は、当該分野で公知である。たとえば、このような結合は、Seliger, H.ら、Oligonucleotide analogs with terminal 3’−3’− and 5’− 5’−internucleotidic linkages as antisense inhibitors of viral gene expression, Nucleotides & Nucleotides (1991年)、10巻(1〜3)、469〜77頁およびJiangら、Pseudo−cyclic oligonucleotides:in vitro and in vivo properties, Bioorganic & Medicinal Chemistry (1999年)、7巻(12), 2727〜2735頁に記載されている。
【0112】
さらに、3’−末端ヌクレオチド間の結合が、ホスホジエステル、ホスホロチオエートまたは他の改変された結合ではない3’3’−結合したオリゴヌクレオチドを、トリ−またはテトラ−エチレングリコールホスフェート部分のようなさらなるスペーサーを使用して調製することができる(Durand, M.ら、Triple−helix formation by an oligonucleotide containing one (dA)12 and two (dT)12 sequences bridged by two hexaethylene glycol chains, Biochemistry (1992年)、31巻(38), 9197〜204頁、米国特許第5658738号、および米国特許第5668265号)。あるいは、ヌクレオチドではないリンカーは、標準的なホスホルアミダイト化学を使用して、エタンジオール、プロパンジオールからまたは無塩基のデオキシリボース(dSpacer)単位から誘導することができる(Fontanel, Marie Laurenceら、Sterical recognition by T4 polynucleotide kinase of non−nucleosidic moieties 5’−attached to oligonucleotides; Oligonucleotides Research (1994年)、22巻(11)、2022〜7頁)。この非ヌクレオチドリンカーは、1回または複数回組み込むことができ、または、連結される2つのODNの3’末端の間に任意の望ましい距離を生じるように互いに結合させることができる。
【0113】
オリゴヌクレオチドは、分解に対して部分的に抵抗性である(たとえば、安定化されている)。「安定化されたオリゴヌクレオチド分子」は、in vivoの分解に比較的抵抗性であるオリゴヌクレオチドを意味する(たとえば、エキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼによる)。オリゴヌクレオチド安定化は、骨格改変を介して達成できる。ホスホロチオエート結合を有しているオリゴヌクレオチドは、最大の活性を提供し、かつ細胞内エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼによる分解からオリゴヌクレオチドを保護する。他の改変されたオリゴヌクレオチドには、ホスホジエステル改変オリゴヌクレオチド、ホスホジエステルとホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの組合せ、メチルホスホネート、メチルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、p−エトキシ、ならびにこれらの組合せが含まれる。
【0114】
ホスホロチオエートのような改変された骨格は、ホスホロアミダート化学またはH−ホスホネート化学のいずれかを使用する、自動化された技術を用いて合成することができる。アリールおよびアルキルホスホネートは、たとえば、米国特許第4469863号に記載されるように作製でき;アルキルホスホトリエステル(ここで荷電した酸素部分は、米国特許第5023243号および欧州特許第092574号に記載されるようにアルキル化される)は、市販の試薬を使用して、自動化固相合成によって調製できる。他のDNA骨格の改変および置換を生成するための方法が、記載されている(たとえば、Uhlmann, E.とPeyman, A.、Chem. Rev. 90巻: 544頁、1990年; Goodchild, J.、Bioconjugate Chem. 1巻:165頁, 1990年)。
【0115】
他の安定化されたオリゴヌクレオチドには、アルキル−およびアリール−ホスフェート(ここで、荷電したホスホネート酸素がアルキル基またはアリール基によって置換されている)のような非イオン性DNAアナログ、ホスホジエステルおよびアルキルホスホトリエステル(ここで、荷電した酸素部分がアルキル化されている)が含まれる。いずれかまたは両方の末端でテトラエチレングリコールまたはヘキサエチレングリコールのようなジオールを含むオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ分解に実質的に耐性であることも示されている。
【0116】
免疫刺激オリゴヌクレオチドはまた、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ部分の間に、1つまたは複数の異常な結合を含み得る。通常のヌクレオシド間結合は、3’5’−結合である。全ての他の結合、たとえば、2’5’−結合、5’5’−結合、3’3’−結合、2’2’−結合、2’3’−結合は、異常なヌクレオシド間結合とみなされる。2〜5’の命名法は、リボースの炭素原子に従って選択される。しかし、環拡張した糖アナログ(たとえば、ヘキサノース、シロヘキセン、またはピラノース)、または二環式もしくは三環式の糖アナログのような非天然の糖部分が使用される場合、この命名法は、モノマーの命名法に従って変化する。3’−デオキシ−β−D−リボピラノースアナログ(p−DNAとも呼ばれる)において、モノヌクレオチドは、例えば、4’2’−結合を介して連結される。
【0117】
オリゴヌクレオチドが1つの3’3’−結合を含む場合は、このオリゴヌクレオチドは、2つの未結合5’−末端を有し得る。同様に、オリゴヌクレオチドが1つの5’5’−結合を含む場合は、このオリゴヌクレオチドは、2つの未結合3’−末端を有し得る。ヌクレオチドの未結合末端のアクセス性は、そのレセプターにより良好にアクセス可能であり得る。両方の型の異常な結合(3’3’−および5’5’−)は、Ramalho Ortigaoら(Antisense Research and Development (1992年) 2巻, 129〜46頁)により記載されており、この文献では、3’3’−結合を有するオリゴヌクレオチドが、ヌクレアーゼによる切断に対して増強された安定性を示すことが報告された。
【0118】
異なるタイプの結合を1つの分子中で組み合わすこともでき、オリゴマーの分枝をもたらし得る。オリゴヌクレオチドの1つの部分が、3’3’−結合を介して3’−末端において第2のオリゴヌクレオチド部分に連結され、、2’3’−結合を介して2’−末端において分子の第3の部分に接続される場合、これは、たとえば、3つの5’−末端(3’3’−分枝、2’3’−分枝)を有する分枝オリゴヌクレオチドを生じる。
【0119】
原則として、オリゴヌクレオチドの異なる部分間、または異なるオリゴヌクレオチド間の結合は、それぞれレセプターによる認識を負に妨げない限りは、この分子のあらゆる部分を介して生じることができる。オリゴヌクレオチドの性質に従って、結合は、糖部分(Su)、複素環式核酸塩基(Ba)またはホスフェート骨格(Ph)を含むことができる。したがって、Su−Su、Su−Ph、Su−Ba、Ba−Ba、Ba−Su、Ba−Ph、Ph−Ph、Ph−Su、およびPh−Baのタイプの結合が可能である。オリゴヌクレオチドが、特定の非ヌクレオチド置換基によってさらに改変される場合、この結合はまた、オリゴヌクレオチドの改変された部分を介して生じることができる。これらの改変にはまた、改変されたオリゴヌクレオチド、たとえばPNA、LNA、またはモルホリノオリゴヌクレオチドアナログを含む。
【0120】
結合は、C、H、N、O、S、B、Pおよびハロゲンから構成され、3〜300個の原子を含むのが好ましい。3個の原子を有するものの例は、1つのヌクレオチドの3’−ヒドロキシ基を、第2のオリゴヌクレオチドの3’−ヒドロキシ基に連結する、アセタール結合(ODN1−3’−O−CH−O−3’−ODN2)である。約300個の原子を有するものの例は、PEG−40(テトラコンタポリエチレングリコールである。好ましい結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホラミダート、ボラノホスホネート、アミド、エーテル、チオエーテル、アセタール、チオアセタール、ウレア、チオウレア、スルホンアミド、シッフ塩基およびジスルフィド結合である。Solulink BioConjugation System、すなわち、(www.trilinkbiotech.com)を使用することも可能である。
【0121】
オリゴヌクレオチドが、2またはそれ以上の配列部分から構成される場合、これらの部分は、同一であっても異なっていてもよい。したがって、3’3’−結合を有するオリゴヌクレオチドにおいて、配列は同一の5’−ODN1−3’3’−ODN1−5’かまたは異なる5’−ODN1−3’3’−ODN2−5’であり得る。さらにまた、種々のオリゴヌクレオチド部分およびそれらを連結しているリンカーの化学的改変は異なり得る。短いオリゴヌクレオチドの取り込みは、長いオリゴヌクレオチドの取り込みよりも非効率的であるようなので、2つまたはそれ以上の短い配列の結合は、改善された免疫刺激をもたらす。短いオリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは2〜20ヌクレオチドであり、より好ましくは3〜16ヌクレオチドであるが、5〜10ヌクレオチドであるのが最も好ましい。2つまたはそれ以上の未結合5’−末端を有する結合したオリゴヌクレオチドが好ましい。
【0122】
オリゴヌクレオチドの部分配列は、非ヌクレオチドリンカー、特に、無塩基のリンカー(dSpacers)、トリエチレングリコール単位またはヘキサエチレングリコール単位によっても結合され得る。さらに好ましいリンカーは、C3、C6、C12アミノリンカーのようなアルキルアミノリンカー、および同じくC3またはC6チオールリンカーのようなアルキルチオールリンカーである。オリゴヌクレオチドは、アルキル基もしくは置換アルキル基によりさらに置換され得る芳香族残基によっても結合できる。オリゴヌクレオチドは、二重または三重の単位(Doubler or Trebler unit)(www.glenres.com)、特に、3’3’−結合を有するオリゴヌクレオチドも含み得る。複数の二重、三重または他の多重の単位によるオリゴヌクレオチドの分枝れは、本発明のさらなる実施形態であるデンドリマーを生じる。オリゴヌクレオチドは、ペプチド改変試薬またはオリゴヌクレオチド改変試薬(www.glenres.com)から生じるリンカー単位も含み得る。さらにまた、それはペプチド(アミド)結合により連結される1つまたは複数の天然または非天然のアミノ酸残基を含み得る。
【0123】
オリゴヌクレオチドを結合するための別の可能性は、複素環式塩基の架橋を介するものである(VermaとEckstein; Annu. Rev. Biochem. (1998年) 67巻: 99〜134頁; 124頁)。1つの配列部分の糖部分と、別の配列部分の複素環式塩基との間の結合(Iyerら Curr. Opin. Mol. Therapeutics (1999年) 1 巻: 344〜 358頁; 352頁)も使用され得る。
【0124】
異なるオリゴヌクレオチドは、確立された方法により合成され、固相合成の間にオンラインで一緒に結合できる。あるいは、これらは、個々の部分配列の合成後に一緒に結合することができる。
【0125】
【化4】

【0126】
【化5】

CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、他の治療薬と組み合わせることができる。CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドおよび他の治療薬は、同時にまたは連続的に投与することができる。他の治療薬が同時に投与される場合、それら治療薬は同じかまたは別個の製剤で投与できるが、同時にも投与される。他の治療薬およびCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドの投与とが時間的に離れている場合、他の治療薬は互いに、およびCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドと共に、連続的に投与される。これらの化合物の投与の間隔はわずか数分である場合もあり、またそれよりも長い場合もある。他の治療薬としては、抗菌物質および抗喘息治療薬が挙げられるがこれらに限定されない。
【0127】
本発明のオリゴヌクレオチドは、抗菌剤と共に被験体に投与することができる。抗菌剤とは、本明細書中で用いられる場合は、感染性微生物を死滅させるかまたは阻害することができる、天然に存在するかまたは合成の化合物を意味する。本発明に従う有用な抗菌剤のタイプは、被験体が感染しているか、または感染する危険性のある微生物のタイプに依存する。抗菌剤としては、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤および抗寄生虫剤が挙げられるが、これらに限定されない。「抗感染剤」、「抗細菌剤」、「抗ウイルス剤」、「抗真菌剤」、「抗寄生虫剤」および「寄生虫駆除剤」のような語句は、当業者にとって十分に確立されている意味を有し、標準的な医学テキストにおいて定義されている。簡単に述べると、抗細菌剤は、細菌を死滅させるかまたは阻害し、抗生物質および同様の機能を有している他の合成のまたは天然の化合物を含む。抗生物質は、微生物のような細胞によって二次代謝産物として産生される低分子量の分子である。一般的には、抗生物質は、その微生物に特異的であり、かつ宿主細胞には存在しない1つまたは複数の細菌の機能または構造を妨害する。抗ウイルス剤は、自然界の供給源から単離することができるか、または合成することができ、ウイルスを死滅させるか、または阻害するために有用である。抗真菌剤は、表層真菌感染症ならびに日和見感染症および原発性全身性真菌感染症を治療するために使用される。抗寄生虫剤は、寄生虫を死滅させるか、または阻害する。
【0128】
ヒト投与に有用な寄生虫駆除剤とも呼ばれる、抗寄生虫剤の例としては、アルベンダゾール、アンフォテリシンB、ベンズニダゾール、ビチオノール、塩酸クロロキン、リン酸クロロキン、クリンダマイシン、デヒドロエメチン、ジエチルカルバマジン、ジロキサニドフロエート、エフロルニチン、フラゾリダオン(furazolidaone)、グルココルチコイド、ハロファントリン、ヨードキノール、アイバメクチン、メベンダゾール、メフロキン、メグルミンアンチモニエート、メラルソプロール、メトリフォネート、メトロニダゾール、ニクロサミド、ニフルティモックス、オキサムニキン、パロモマイシン、ペンタミジン、イセチオエート、ピペラジン、プラジカンテル、リン酸プリマキン、プログアニル、ピランテルパモエート、ピリメタミン−スルホンアミド(pyrimethanmine−sulfonamides)、ピリメタミン−スルファドキシン(pyrimethanmine−sulfadoxine)、塩酸キナクリン、硫酸キニーネ、グルコン酸キニジン、スピラマイシン、スチボグルコネートナトリウム(グルコン酸アンチモニルナトリウム)、スラミン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、チアベンダゾール、チニダゾール、トリメトロプリム−スルファメトキサゾール、およびトリパルサミドが挙げられるが、これらに限定されない。これらのいくつかは、単独で、または他のものと組み合わせて使用される。
【0129】
抗細菌剤は、細菌を死滅させるか、または細菌の増殖もしくは機能を阻害する。抗細菌剤の大きなクラスは抗生物質である。広い範囲の細菌を死滅させるかまたは阻害するために有効な抗生物質は、広域抗生物質と呼ばれる。他のタイプの抗生物質は、主に、グラム陽性またはグラム陰性のクラスの細菌に対して有効である。この種の抗生物質は、狭域抗生物質と呼ばれる。単一の生物または疾患に対して有効であり他のタイプの細菌に対しては有効ではない他の抗生物質は、限定域抗生物質と呼ばれる。抗細菌剤は、場合によっては、それらの主要な作用様式に基づいて分類される。一般には、抗細菌剤は、細胞壁合成阻害剤、細胞膜阻害剤、タンパク質合成阻害剤、オリゴヌクレオチド合成または機能的な阻害剤、および競合阻害剤である。
【0130】
抗ウイルス剤は、ウイルスによる細胞感染を防ぐかまたは細胞内でのウイルス複製を妨げる化合物である。ウイルスの複製プロセスは、宿主細胞内でのDNA複製とあまりに密接に関係しており、多くの場合、非特異的な抗ウイルス剤は宿主に対して毒性であるため、抗ウイルス剤は抗細菌剤よりはるかに少ない。抗ウイルス剤によって遮断または阻害することができるウイルス感染のプロセスにはいくつかの段階がある。これらの段階には、宿主細胞へのウイルスの付着(免疫グロブリンまたは結合ペプチド)、ウイルスの脱殻(たとえばアマンタジン)、ウイルスmRNAの合成または翻訳(たとえばインターフェロン)、ウイルスRNAまたはDNAの増殖(たとえばヌクレオチドアナログ)、新たなウイルスタンパク質の成熟(たとえばプロテアーゼインヒビター)、ならびにウイルスの出芽および放出が含まれる。
【0131】
ヌクレオチドアナログは、ヌクレオチドと類似しているが、不完全であるかあるいは異常なデオキシリボースまたはリボース基を有している合成の化合物である。一旦、ヌクレオチドアナログが、細胞の中に存在すると、これらはリン酸化され、ウイルスDNAまたはRNAへの取り込みに対して正常ヌクレオチドと競合する三リン酸の形態を生じる。一旦、ヌクレオチドアナログの三リン酸の形態が、成長中のオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれると、これはウイルスポリメラーゼと不可逆的な結合を生じ、これによって、鎖の終結を生じる。ヌクレオチドアナログとしては、アシクロビル(単純ヘルペスウイルスおよび水痘−帯状疱疹ウイルス治療に使用される)、ガンシクロビル(サイトメガロウイルス治療に有用である)、イドクスウリジン、リバビリン(呼吸器合胞体ウイルス治療に有用である)、ジデオキシイノシン、ジデオキシシチジン、ジドブジン(アジドチミジン)、イミキモッド、およびレジミキモド(resimiquimod)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
インターフェロンは、ウイルス感染細胞および免疫細胞により分泌されるサイトカインである。インターフェロンは、感染細胞に隣接する細胞上の特異的レセプターに結合し、ウイルス感染から細胞を保護する細胞内の変化を生じることにより機能する。αおよびβ−インターフェロンは、また、感染細胞の表面上でクラスIおよびクラスII MHC分子の発現を誘導し、宿主免疫細胞の認識のための抗原提示の増加を生じる。αおよびβ−インターフェロンは、組換え型の形態で利用可能であり、慢性B型およびC型肝炎感染の治療に使用されている。抗ウイルス治療法に有効な用量では、インターフェロンは、発熱、倦怠感および体重減少のような重篤な副作用を有する。
【0133】
本発明で有用な抗ウイルス剤としては、免疫グロブリン、アマンタジン、インターフェロン、ヌクレオチドアナログ、およびプロテアーゼインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。抗ウイルス剤の特異的な例としては、エースマンナン;アシクロビル;アシクロビルナトリウム;アデフォビル;アロブジン;アルビルセプトスドトックス(Alvircept Sudotox);塩酸アマンタジン;アラノチン(Aranotin);アリルドン;アテビルジン メシル酸(Atevirdine Mesylate);アブリジン;シドホビル;シパムフィリン(Cipamfylline);塩酸シタラビン;メシル酸デラビルジン;デシクロビル;ジダノシン;ディソキサリル(Disoxaril);エドクスジン(Edoxudine);エンビラデン(Enviradene);エンビロキシム;ファムシクロビル;塩酸ファモチン(Famotine Hydrochloride);フィアシタビン(Fiacitabine);フィアルウリジン;フォサリレート(Fosarilate);フォスカーネットナトリウム;ホスホネットナトリウム(Fosfonet Sodium);ガンシクロビル;ガンシクロビルナトリウム;イドクスウリジン;ケトキサール;ラミブジン;ロブカビル(Lobucavir);塩酸メモチン;メチサゾン;ネビラピン;ペンシクロビル;ピロダビル(Pirodavir);リバビリン;塩酸リマンタジン;サキナビルメシレート;塩酸ソマンタジン(Somantadine Hydrochloride);ソリブジン;スタトロン;スタブジン;塩酸チロロン;トリフルリジン;塩酸バラシクロビル;ビダラビン;ビダラビンホスフェート;ビダラビンリン酸ナトリウム;ビルオキシム(Viroxime);ザルシタビン;ジドブジン;およびジンビルオキシム(Zinviroxime)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
抗真菌剤は、感染性真菌類の治療および予防のために有用である。抗真菌剤は、場合によっては、それらの作用機序によって分類される。一部の抗真菌剤は、グルコースシンターゼを阻害することによる細胞壁インヒビターとして機能する。これらとしては、バシウンジン(basiungin)/ECBが挙げられるがこれに限定されない。他の抗真菌剤は、膜の完全性を不安定化させることによって機能する。これらとしては、クロトリマゾール、セルタコンゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、およびボリコナゾール(voriconacole)のようなイミダゾール、ならびにFK 463、アンフォテリシンB、BAY 38−9502、MK 991、プラディマイシン、UK 292、ブテナフィン、およびテルビナフィンが挙げられるが、これらに限定されない。他の抗真菌剤は、キチンを分解することにより機能する(たとえばキチナーゼ)または免疫抑制(501クリーム)。
【0135】
本明細書中で用いられる場合、「喘息治療薬」とは、症状を緩和し、喘息反応を阻害し、または喘息反応の発症を防止する組成物である。喘息治療のためのさまざまな薬剤が、the Guidelines For The Diagnosis and Management of Asthma, Expert Panel Report 2, NIH Publication No. 97/4051, July 19, 1997年に記載されており、全内容が参照により本明細書に組み込まれる。NIH刊行物に記載される薬剤の概要を、以下に示す。
【0136】
喘息治療薬としては、ステロイド、PDE−4阻害剤、気管支拡張剤/ベータ−2アゴニスト、カリウムチャネルオープナー、VLA−4アンタゴニスト、ニューロキンアンタゴニスト、TXA2合成阻害剤、キサンタニネス(xanthanines)、アラキドン酸アンタゴニスト、5リポキシゲナーゼ阻害剤、トロンボキシン(thromboxin)A2レセプターアンタゴニスト、5−リポキス(lipox)活性化タンパク質の阻害剤、およびプロテアーゼインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
気管支拡張剤/ベータ−2アゴニストは、気管支拡張または平滑筋弛緩を生じさせる化合物のクラスである。気管支拡張剤/ベータ−2アゴニストとしては、サルメテロール、サルブタモール、アルブテロール、テルブタリン、D2522/フォルモテロール、フェノテロール、ビトルテロール、ピルブエロールメチルキサンチン(pirbuerol methylxanthines)およびオルシプレナリンが挙げられるが、これらに限定されない。長時間作用性のβアゴニストおよび気管支拡張剤は、抗炎症性の治療法に加えて症状の長期予防のために使用される化合物である。これらは、アデニル酸シクラーゼ活性化および気管支収縮の機能的拮抗を生じるサイクリックAMP増加に続いて、気管支拡張または平滑筋弛緩を引き起こすことにより機能する。これらの化合物はまた、マスト細胞メディエータの放出を阻害し、血管透過性を減少させ、粘液線毛クリアランスを増加させる。長時間作用性のβアゴニストとしては、サルメテロールおよびアルブテロールが挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物は、通常、副腎皮質ステロイドと組み合わせて使用され、一般的には、何らかの炎症治療法を伴わずには使用されない。これらは、頻脈、骨格筋振戦、低カリウム血症、服用量過多におけるQTc間隔の延長のような副作用を伴っている。
【0138】
たとえばテオフィリンを含むメチルキサンチンは、症状の長期の管理および予防のために用いられている。これらの化合物は、ホスホジエステラーゼ阻害、およびおそらくはアデノシン拮抗作用から生じる気管支拡張を引き起こす。また、これらの化合物は、気管支粘膜中に好酸球浸潤をもたらし、上皮においてTリンパ球数を減少させる可能性があると考えられている。用量依存的な急性毒性は、これらのタイプの化合物に伴う特有の問題である。その結果、毒性を明らかにし、代謝クリアランスにおける個体差に起因する治療域を狭めるために、日常的な血清濃度がモニターされなければならない。副作用には、頻脈、嘔気および嘔吐、頻脈性不整脈、中枢神経系刺激作用、頭痛、発作、吐血、高血糖および低カリウム血症が含まれる。短時間作用性のβアゴニスト/気管支拡張剤は、気道平滑筋を弛緩し、気流の増加を引き起こす。これらのタイプの化合物は、急性喘息システムの治療のための好ましい薬剤である。以前は短時間作用性のβアゴニストは、総合的に喘息症を改善するために、定期的な方式で処方されてきた。しかし、その後の報告では、このクラスの薬剤の定期的な使用により、喘息管理および肺機能における有意な低下をもたらすことが示唆されている(SearsらLancet; 336巻: 1391〜6頁, 1990年)。他の研究から、一部のタイプのβアゴニストの定期的な使用では、4カ月間にわたり有害な効果を生じないが、明白な効果も生じないことが示された(Drazenら、N. Eng. J. Med.; 335巻:841〜7頁、1996年)。これらの研究の結果として、短時間作用性のβアゴニストを日常的に使用することは、一般には推奨されない。短時間作用性のβアゴニストとしては、アルブテロール、ビトルテロール、ピルブテロール、およびテルブタリンが挙げられるが、これらに限定されない。短時間作用性のβアゴニストの投与に伴ういくつかの有害作用には、頻脈、骨格筋振戦、低カリウム血症、乳酸の増加、頭痛、および高血糖が含まれる。
【0139】
CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドは、被験体に直接に投与できるか、または核酸送達複合体と共に投与することができる。核酸送達複合体は、(たとえば、イオン的にあるいは共有結合で結合された;または内部に封入された)ターゲティング手段(たとえば、標的細胞に高い親和性の結合をもたらす分子と結合した核酸分子を意味する。核酸送達複合体の例には、ステロール(たとえば、コレステロール)、脂質(たとえば、カチオン性の脂質、ビロゾームもしくはリポソーム)、または標的細胞に特異的な結合剤(たとえば、標的細胞の特異的レセプターにより認識されるリガンド)と結合したオリゴヌクレオチドが含まれる。好ましい複合体は、標的細胞による細胞内への取り込み前の著しい解離を防ぐために、in vivoで十分に安定であることができる。しかし、複合体は、機能的な形態で核酸が放出されるように、細胞内の適切な条件下で開裂可能であることができる。
【0140】
抗原およびオリゴヌクレオチドを表面まで送達するための送達ビヒクルまたは送達装置が発表されている。CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドおよび/または抗原および/または他の治療薬は、単独(たとえば、生理的食塩水または緩衝液中で)で、または当分野で公知の任意の送達ビヒクルを用いて投与することができる。たとえば、以下の送達ビヒクルが記載されている:コヒレート(Cochleates);エマルサム(Emulsomes)、ISCOMs;リポソーム;生存細菌ベクター(たとえば、サルモネラ属、大腸菌、バシラス・カルマット−グエリン(Bacillus calmatte−guerin)、赤痢菌、ラクトバシラス属);生存ウイルスベクター(たとえば、ワクシニア、アデノウイルス、単純ヘルペス);マイクロスフェア;オリゴヌクレオチドワクチン;ポリマー;ポリマー環;プロテオソーム;フッ化ナトリウム;トランスジェニック植物;ビロゾーム;ウイルス様粒子。他の送達ビヒクルが、当該分野で公知であり、いくつかのさらなる例を、以下のベクターの説明部分で提供する。
【0141】
CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドの有効量という用語は、所望の生物学的な効果を実現するために必要な、または十分な量を意味する。たとえば、有効量とは、喘息の悪化を避けるためにウイルス負荷のさらなる誘導を減少するか、また阻止するために十分な量である。本明細書に提供される教示を組み合わせて、種々の活性化合物、ならびに能力、相対的生物学的利用能、患者の体重、有害な副作用の重篤度および好ましい投与様式のような重み付け因子を選択をすることにより、実質的な毒性を引き起こさないで、なお特定の被験体を治療するために完全に有効である有効な予防または治療処置レジメンを計画することができる。任意の特定の用途についての有効量は、治療される疾患もしくは症状、投与される特定のCpG免疫刺激オリゴヌクレオチド、被験体の大きさ、その疾患もしくは症状の重篤度のような要因に依存して変化し得る。当業者は、特定のCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドおよび/または他の治療薬の有効量を、過度の実験を必要とすることなく経験的に決定することができる。
【0142】
粘膜または局所送達のための本明細書中に記載されている化合物の被験体用量は、通常、1回の投与当たり約0.1μgから10mgの範囲であり、これは、用途に応じて、毎日、毎週、または毎月およびその間の他の時間に投与され得る。より一般的な粘膜または局所用量は、1回の投与当たり約10μgから5mgの範囲であり、最も一般的には、約100のμgから1mgまでであり、2〜4回の投与が、数日または数週間の間隔をあけて行われる。より一般的には、免疫の刺激用量は、1回の投与当たり1μgから10mgの範囲であり、最も一般的には、10μgから1mgまで、毎日または毎週投与される。免疫応答を誘導するための非経口送達について本明細書中に記載されている化合物の被験体用量は、一般的には、有効な粘膜での用量より5から10,000倍多く、より一般的には、10から1,000倍多く、最も一般的には、20から100倍多い。CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドが、他の治療薬と組み合わせてもしくは特化した送達ビヒクル中で投与される場合に、先天性の免疫応答を誘導するため、または免疫応答を誘導するための、非経口送達についての本明細書中に記載される化合物の用量は、一般的に、1回の投与当たり約0.1μgから10mg範囲で、これは、用途に応じて、毎日、毎週もしくは毎月およびその間の他の時間に投与され得る。より一般的には、これらの目的のための非経口用量は、1回の投与当たり約10μgから5mgの範囲であり、最も一般的には、約100μgから1mgであり、2〜4回の投与が、数日または数週間の間隔をあけて行われる。しかし、いくつかの実施形態では、これらの目的のための非経口用量は、上記の一般的な用量よりも5〜10,000倍多い範囲で使用することができる。上記オリゴヌクレオチドは、複数の用量で長期間にわたって投与することができる。
【0143】
本明細書中に記載される任意の化合物についての治療有効量は、最初に動物モデルから決定することができる。また、治療的有効用量は、ヒトで試験されたCpGオリゴヌクレオチドに関するヒトのデータ(ヒトの臨床試験が開始されている)、ならびに他のアジュバント、たとえばLTおよびワクチン接種目的のための他の抗原のような同様の薬理活性を示すことが知られている化合物に関する、ヒトのデータから決定することができる。非経口投与にはさらに多い用量が必要な場合もある。投与される用量は、相対的な生体利用性、投与される化合物の効力に基づいて調節することができる。上記の方法および当該分野において周知の他の方法に基づいて最大の効力を達成するために用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内にある。
【0144】
本発明の製剤は、薬剤学的に許容し得る塩、緩衝剤、防腐剤、適合性担体、アジュバント、および必要に応じて他の治療的成分の濃度を通常含み得る、薬剤学的に許容し得る溶液中で投与される。
【0145】
治療で使用するために、CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドの有効量を、所望の表面たとえば、粘膜、全身の表面へオリゴヌクレオチドを送達する任意の様式によって、被験体に投与することができる。本発明の医薬組成物の投与は、当業者に公知の任意の手段によって達成することができる。好ましい投与経路としては、経口、非経口、筋肉内、鼻腔内、舌下、気管内、吸入、眼、膣、および直腸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0146】
経口投与については、化合物(すなわち、CpG免疫刺激オリゴヌクレオチドおよび他の治療薬)は、活性化合物(複数可)を当該分野で周知の薬剤学的に許容し得る担体と組み合わせることにより、容易に処方することができる。このような担体は、本発明の化合物が、治療される被験体による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤などとして処方されることを可能にする。経口用途のための薬学的調製物は、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望される場合には、錠剤または糖剤の核を得るために適切な助剤を添加後、顆粒の混合物を加工して固体賦形剤として得ることができる。適切な賦形剤は、具体的には、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖のような増量剤;たとえば、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)のようなセルロース調製物である。所望される場合には、架橋結合されたポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムのようなこれらの塩などの崩壊剤を添加することができる。必要に応じて、経口製剤はまた、内部の酸性の状況を中和することのために生理的食塩水もしくは緩衝液、すなわちEDTA中に処方されるか、またはいずれの担体も伴わずに投与することができる。
【0147】
また特に意図されるのは、上記の成分または複数の成分の経口剤形である。上記の成分または複数の成分は、上記誘導体の経口送達が効果的であるように化学的に改変することができる。一般に、意図される化学的改変は、成分分子それ自体への少なくとも1つの部分の結合であり、前記部分は、(a)タンパク質分解の阻害;および(b)胃または腸からの血流中への取込みを可能にする。さらに望まれるのは、上記の成分または複数の成分の総合的な安定性の増強および体内での循環時間の増加である。このような部分の例には、ポリエチレングリコール、エチレングリコールのコポリマーおよびプロピレングリコール、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンならびにポリプロリンが含まれる。AbuchowskiとDavis、1981年、「Soluble Polymer−Enzyme Adducts」In: Enzymes as Drugs、HocenbergとRoberts編、Wiley−Interscience、New York、NY、367〜383頁; Newmarkら、1982年、J. Appl. Biochem. 4巻:185〜189頁。使用の可能性のある他のポリマーは、ポリ−1,3−ジオキソランおよびポリ−1,3,6−チオキソカンである。上記のように、薬剤使用に好ましいのは、ポリエチレングリコール部分である。
【0148】
成分(または誘導体)について、放出の部位は、胃、小腸(十二指腸、空腸、あるいは回腸)、または大腸であり得る。当業者は、胃では溶解しないが、なお十二指腸または腸の別の場所で物質を放出する利用可能な製剤を有している。この放出は、オリゴヌクレオチド(または誘導体)を保護することによるか、または腸中のような胃環境を越えた生物学的に活性な物質の放出のいずれかにより胃環境の悪影響を回避するのが好ましい。
【0149】
胃での完全な耐性を達成するためには、少なくともpH 5.0で不浸透性のコーティングが不可欠である。腸溶性のコーティングとして使用されるより一般的な不活性成分の例には、セルロースアセテートトリメリタート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート(HPMCP)、HPMCP 50、HPMCP 55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、セルロースアセテートフタレート(CAP)、Eudragit L、Eudragit S、およびシェラックがある。これらのコーティングは、混合したフィルムとして使用することができる。
【0150】
コーティングまたはコーティングの混合物は、胃に対する保護を意図してない錠剤上にも使用することができる。これは、錠剤をより飲み込み易くする糖衣、またはコーティングを含むことができる。乾燥治療薬、すなわち粉末の送達のためには、カプセル剤は、ハードシェル(ゼラチンなど)から成ることができ;液剤形については、ソフトゼラチンシェルを使用することができる。カシェ剤のシェル材料は、分厚い澱粉紙または他の食用の紙であり得る。丸剤、舐剤、湿製錠または擦り込み錠については、湿式寄せ集め技術を使用できる。
【0151】
治療薬を、顆粒または粒径約1mmのペレットの形態で、微細なマルチ微粒子として製剤中に含むことができる。カプセル剤投与のための材料の製剤はまた、粉末、軽く圧縮したプラグまたはさらに錠剤のようなものであり得る。治療薬は、圧縮により調製されてもよい。
【0152】
着色剤および芳香剤を、全て含み得る。たとえば、オリゴヌクレオチド(または誘導体)は、(たとえば、リポソームまたは微粒子カプセル化法により)処方でき、次いでさらに着色剤および芳香剤を含む冷蔵された飲物などの食用に適する製品の中に含むことができる。
【0153】
不活性材料を用いて、治療薬の量を希釈または増加させ得る。これらの希釈剤には、炭水化物、特にマンニトール、a−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、改変したデキストランおよび澱粉を含むことができる。カルシウム三リン酸、炭酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムを含むある種の無機塩もまた、充填剤として使用され得る。いくつかの市販の希釈剤には、Fast−Flo、Emdex、STA−Rx 1500、EmcompressおよびAvicellがある。
【0154】
崩壊剤は、治療薬の製剤中に固体投与形態を含むことができる。崩壊剤として使用される材料には、澱粉に基づく市販の崩壊剤を含む澱粉、Explotabが挙げられるが、これらに限定されない。ナトリウムデンプングリコレート、アンバーライト、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸性カルボキシメチルセルロース、天然のスポンジおよびベントナイトは、全て使用され得る。別の形態の崩壊剤は、不溶性カチオン交換樹脂である。粉末ガムは、崩壊剤および結合剤として使用でき、これらには寒天、カラヤゴムまたはトラガカントなどの粉末ガムを含むことができる。アルギン酸およびそのナトリウム塩も、崩壊剤として有用である。
【0155】
結合剤は、治療薬をまとめて硬質錠剤を形成するために使用でき、アラビアゴム、トラガカント、澱粉およびゼラチンのような天然物由来の材料を含む。他のものには、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。ポリビニルピロリドン(PVP)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のいずれも、エタノール溶液中で治療薬を顆粒化するために使用することができる。
【0156】
製剤過程の間の粘着を防ぐために、治療薬の製剤中に、滑沢剤を含むことができる。滑沢剤は、治療薬と鋳型壁の間の層として使用でき、これらには、ステアリン酸マグネシウム塩およびカルシウム塩を含むステアリン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油およびワックスが挙げられるが、これらに限定されない。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、種々の分子量のポリエチレングリコール、カーボワックス4000および6000のような可溶性滑沢剤も使用され得る。
【0157】
製剤の間の流動特性を改善する可能性があり、圧縮の間に再配列を促進するために、滑走剤が添加されてもよい。滑走剤には、デンプン、タルク、発熱性シリカおよび水酸化シリコアルミン酸を含み得る。
【0158】
水性環境中へ治療薬の溶解を促進するために、界面活性剤が、湿潤剤として添加されてもよい。界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムおよびスルホン酸ジオクチルナトリウムのようなアニオン界面活性剤を含み得る。陽イオン活性剤が使用されてもよく、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトミウム(benzethomium chloride)を含むことができる。界面活性剤として製剤中に含めることができる潜在的な非イオン性界面活性剤のリストには、ラウロマクロゴール400、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50および60、モノステアリン酸グリセリン、ポリソルベート40、60、65および80、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースがある。これらの界面活性剤は、いずれか単独でまたは異なる比率の混合物として、オリゴヌクレオチドまたは誘導体の製剤中に存在することができる。
【0159】
経口的に使用できる医薬品は、ゼラチン製のプッシュフィットカプセルおよびゼラチン製のソフトな、密封されたカプセル、ならびにグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤を含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトースのような充填剤、澱粉のような結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、および所望により安定化剤と混合した活性成分を含むことができる。ソフトカプセル中では、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、もしくは液体ポリエチレングリコールのような適切な液体中に溶解または懸濁することができる。さらに、安定化剤を添加することができる。経口投与のために処方されたマイクロスフェアも使用され得る。このようなマイクロスフェアは、当分野で十分に定義されている。経口投与のための全ての処方は、このような投与に適切な用量でなければならない。
【0160】
口内投与では、この組成物は、通常の様式で処方された錠剤または舐剤の形態をとり得る。
【0161】
吸入による投与では、本発明に従う使用のための化合物は、適当な噴霧剤、たとえば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なを使用して、加圧したパックまたはネビュライザーからエアロゾルスプレイ提示の形態で都合よく送達することができる。加圧エアロゾルの場合、ある一定量を送達するためにバルブを備えることにより、用量単位を決定することができる。吸入器または注入器に用いる、たとえばゼラチンのカプセルおよびカートリッジを処方でき、これは、化合物の粉末混合物およびラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基剤を含む。
【0162】
また、本明細書で意図されるのは、オリゴヌクレオチド(またはこれらの誘導体)の肺への送達である。オリゴヌクレオチド(またはこれらの誘導体)は、吸い込んだ時に哺乳動物の肺に送達され、肺上皮層を横切って血流に通り抜ける。吸入された分子の他の報告には、Adjeiら、1990年、Pharmaceutical Research、7巻:565〜569頁; Adjeiら、1990年、International Journal of Pharmaceutics、63巻: 135〜144頁(leuprolide acetate); Braquetら、1989年、Journal of Cardiovascular Pharmacology、13巻(補遺5): 143〜146頁(endothelin−1); Hubbardら、1989年、Annals of Internal Medicine、3巻、206〜212頁(a1− antitrypsin); Smithら、1989年、J. Clin. Invest. 84巻:1145〜1146頁 (a−1−proteinase); Osweinら、1990年、「Aerosolization of proteins」、Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery II、Keystone、Colorado、March, (recombinant human growth hormone); Debsら、1988年、J. Immunol. 140巻:3482〜3488頁 (interferon−g and tumor necrosis factor alpha)およびPlatzら、米国特許第5284656号(granulocyte colony stimulating factor)が含まれる。全身性作用のための薬剤の肺への送達に関する方法および組成物は、1995年9月19日にWongらへ発行された米国特許第5451569号に記載されている。
【0163】
本発明の実施において用いることが意図されているのは、ネビュライザー、定量吸入器、および粉末吸入器を含むがこれに限定されるものではない治療薬製品の肺への送達のために設計された多様な機械的装置であり、これらの全ては、当業者にはよく知られている。
【0164】
本発明の実施に適した市販の装置のいくつかの特定の例としては、Mallinckrodt,Inc.(St.Louis,Missouri)製のUltraventネビュライザー;Marquest Medical Products(Englewood,Colorado)製のAcorn IIネビュライザー;Glaxo Inc.(Research Triangle Park,North Carolina)製のVentolin定量吸入器;およびFisons Corp.(Bedford,Massachusetts)製のSpinhaler粉末吸入器がある。
【0165】
全てのこのような装置は、オリゴヌクレオチド(または誘導体)を投与するのに適切な製剤の使用を必要とする。一般的には、それぞれの製剤は、使用される装置のタイプに特定のものであり、通常の希釈剤、治療に有用なアジュバントおよび/または担体に加えて、適切な噴霧用物質の使用を含むことができる。さらに、リポソーム、マイクロカプセルもしくはマイクロスフェア、封入複合体、または他のタイプの担体の使用が意図される。化学的に改変されたオリゴヌクレオチドも、化学的改変タイプまたは使用される装置のタイプに基づき別の製剤において調製することができる。
【0166】
噴射または超音波のいずれかのネビュライザーの用途に適切な製剤は、一般的に生物学的に活性なオリゴヌクレオチド約0.1〜25mg/mLの溶液濃度で水中に溶解されたオリゴヌクレオチド(または誘導体)を含む。この製剤は、緩衝液ならびに単糖(たとえば、オリゴヌクレオチドの安定化および浸透圧の調節のために)も含むことができる。ネビュライザー製剤は、エアロゾルを形成する際に溶液の微粒化によって引き起こされる表面誘起オリゴヌクレオチド凝集を減少させるかまたは防止するために、界面活性剤も含むことができる。
【0167】
定量吸入器装置用の処方は、一般に界面活性剤を用いて噴霧剤中に懸濁されたオリゴヌクレオチド(または誘導体)を含む微細粉末から成る。噴霧剤はこの目的ために使用される、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、および1,1,1,2−テトラフルオロエタン、もしくはこれらの組合せ含むクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、またはハイドロカーボンのような任意の通常の物質であり得る。適切な界面活性剤は、ソルビタントリオレアートおよび大豆レシチンを含む。オレイン酸も、界面活性剤として有用であり得る。
【0168】
粉剤吸入器から投与するための処方は、オリゴヌクレオチド(または誘導体)を含む微細乾燥粉末から成り、装置から粉末の散布を容易にする量で、たとえば製剤の50〜90重量%で、ラクトース、ソルビトール、スクロース、またはマンニトールのような増量剤も含むことができる。オリゴヌクレオチド(または誘導体)は、10mm未満(または数ミクロン)の平均粒径を有する粒状形態で、肺末端へ最も有効な送達のために、最も好ましくは0.5から5mmに、最も好適に調製されなければならない。
【0169】
本発明の医薬組成物の鼻腔内送達も意図される。鼻腔内送達は、肺での製品の沈着の必要性を伴わないで、鼻部に治療薬製品の投与後に、本発明の医薬組成物の直接的な血流への移動を可能にする。経鼻送達のための処方には、デキストランまたはシクロデキストランを用いる処方を含む。
【0170】
経鼻投与について、有用な装置は、定量噴霧器が取り付けられた小さな硬質ボトルである。1つの実施形態では、この定量は、本発明の溶液の医薬組成物を、規定された容積のチャンバに吸い込むことによって送達され、、チャンバは、チャンバの液体が圧縮される時スプレーを形成することによって、エアロゾル化する形状寸法を有する開口およびエアロゾル製剤を有する。本発明の医薬組成物を投与するために、チャンバが圧縮される。ある特定の実施形態では、チャンバはピストン装置である。このような装置は商業的に入手可能である。
【0171】
あるいは、圧搾されたときスプレーを形成することにより、エアロゾル製剤をエアロゾル化する形状寸法を有する開口または開口部を有するプラスチックスクイーズボトルが使用される。開口部は、通常ボトルの上部に見い出され、エアロゾル製剤の効率的な投与のために鼻腔路に部分的にフィットように、上部は一般にテーパー付けされている。鼻吸入器は、薬剤の規則的な用量の投与のために、エアロゾル製剤のある一定量を提供するのが好ましい。
【0172】
全身的に化合物を送達することが望ましい場合、化合物は注射による、たとえば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために処方することができる。注射のための処方は、たとえば、防腐剤を添加したアンプルまたは多回投与容器中の単位投薬形態で提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液または乳剤等のような形態をとることができ、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤等の処方剤を含むことができる。
【0173】
非経口投与のための医薬製剤は、水溶性の形態の活性化合物の水溶液を含む。さらに、この活性化合物の懸濁液は、適切な油状の注射用懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、ゴマ油のような脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。水性注射用懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランのような懸濁液の粘性を増大させる物質を含むことができる。必要に応じて、この懸濁液は、この化合物の溶解度を増大させて、非常に濃縮された溶液の調製を可能にする、適切な安定剤または薬剤も含むことができる。
【0174】
あるいは、この活性化合物は、使用前には、適切なビヒクル、たとえば、無菌の発熱性物質を含まない水を用いて構成するための粉末の形態であってよい。
【0175】
この化合物または、たとえば、カカオバターまたは他のグリセリド等の通常の座薬基剤を含む、坐剤または滞留浣腸のような直腸または膣での組成物に処方することができる。
【0176】
上記の処方物に加えて、この化合物はまたデポ製剤として処方することができる。このような長時間作用性の処方物は、適切なポリマー性もしくは疎水性の物質(たとえば、許容されるオイル中の乳剤として)またはイオン交換樹脂を用いて処方することができ、あるいはやや難溶性の誘導体として、たとえば、やや難溶性の塩として処方することができる。
【0177】
医薬組成物はまた、適切な固体もしくはゲル相の担体または賦形剤を含むことができる。このような担体または賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールのようなポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0178】
適切な液体または固体の医薬品の形態は、たとえば、吸入用の水溶液もしくは生理食塩水、マイクロカプセル化されたもの、渦巻き状化されたもの、微小な金粒子上にコーティングされたもの、リポソーム中に含められたもの、霧状にされたもの、エアロゾル、皮膚への埋め込み用のペレット、または皮膚を引っ掻く鋭い物体上に乾燥されたものである。この医薬組成物はまた、顆粒、粉末、錠剤、コーティング錠、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、クリーム剤、点滴剤または活性化合物の持続的放出を伴う調製物を含み、その調製物において、賦形剤ならびに崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨張剤、滑沢剤、香味剤、甘味剤または可溶化剤のような添加剤および/または助剤が上記のように慣習的に使用される。この医薬組成物は、種々の薬物送達システムでの使用に適している。薬物送達のための方法の簡単な概要については、Langer、Science 249巻: 1527〜1533頁、1990年を参照のこと。これは本明細書に参照により援用される。
【0179】
このCpG免疫刺激オリゴヌクレオチドおよび必要に応じて他の治療薬は、それ自体が(ストレートで)投与される得るか、または薬剤学的に許容し得る塩の形態で投与される得る。
【0180】
医薬品において使用される場合、この塩は薬剤学的に許容可能であるべきであるが、薬剤学的に許容可能ではない塩が、その薬剤学的に許容し得る塩を調製するために都合よく使用され得る。このような塩としては、以下の酸から調製された塩が挙げられるが、これらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸。さらに、このような塩は、カルボン酸基のナトリウム、カリウムもしくはカルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩として調製することができる。
【0181】
適切な緩衝剤としては、以下が含まれる:酢酸およびその塩(1〜2%w/v);クエン酸およびその塩(1〜3%w/v);ホウ酸およびその塩(0.5〜2.5%w/v);ならびにリン酸およびその塩(0.8〜2%w/v)。適切な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム(0.003〜0.03%w/v);クロロブタノール(0.3〜0.9%w/v);パラベン(0.01〜0.25%w/v)およびチメロサール(0.004〜0.02%w/v)を含む。
【0182】
用語「薬剤学的に許容し得る担体」とは、ヒトまたは他の脊椎動物への投与に適切な、1つまたは複数の適合性の固体もしくは液体の増量剤、希釈剤またはカプセル化物質を意味する。用語「担体」とは、適用を容易にするために活性成分が、組み合わせられる天然もしくは合成の有機または無機の成分を意味する。医薬組成物の成分はまた、所望の薬学的効力を実質的に損なうような相互作用が存在しない様式で、本発明の化合物と、および互いと混合することができる。
【0183】
本発明はさらに、以下の実施例によって例示され、これは、さらなる限定として解釈されるべきではない。本明細書で引用される全ての引用文献(参考文献、発行された特許、公開された特許出願、および同時係属中の特許出願を含む)の全ての内容が、本明細書に参照により明らかに援用される。
【実施例】
【0184】
(実施例1)
1.C−クラスCpG ODN(配列番号10)によるIFNαおよびIFN−関連遺伝子の誘導
方法:マウス(雄、BALB/c)に、配列番号10(100μg/kg、図3a〜3cまたは10、100、もしくは1000μg/kg、図3d〜3f)または生理的食塩水を鼻腔内滴下により投与した。15時間後、気管支肺胞洗浄液中の分泌タンパク質(IFNα、IFNγ、およびIP10)をアッセイするか、または30時間後に、肺組織における遺伝子発現を、リアルタイムPCRにより分析した。
【0185】
結果: C−クラスCpG ODNは、IFNα、IFNγおよびインターフェロン−誘導性タンパク質−10(IP−10)の分泌を誘導した。この結果を図3に示す。
【0186】
マウス気道において、CpG ODNはIFNαの分泌をを刺激するので、われわれは、インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼに対するインターフェロン−誘導性遺伝子が、肺で発現されるようになるかどうかを調べた。気道に滴下注入すると、CpG ODNは、この免疫調整酵素に対するmRNAの発現を増強した(図3f)。マウス肺で、Mx1およびインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼもまた、上方制御された(図3dおよび3e)。
【0187】
2.C−クラスCpG ODNの抗ウイルス効果
気道ウイルス感染は、喘息悪化の主要な原因であるので、抗原チャレンジとインフルエンザ感染の組合せによって気道炎症が悪化するマウスモデルが確立された。
【0188】
方法 マウスに、配列番号10の30、100、または300μg/kgの2回の投与を、4日間離して、鼻腔内滴下により、40μlの生理食塩水中で投与をした。最後の投与の2日後に、マウスに、鼻腔内滴下によりインフルエンザウイルス(インフルエンザA型、サブタイプH1N1、マウス適応株PR8、EID50 200、生理食塩水40μl中)を感染させた。
【0189】
肺のウイルス負荷(核タンパク質に関するTakara Biomedical酵素免疫測定法)および気道炎症(気管支肺胞洗浄により回収された細胞数)を、ウイルス感染の6日後に評価した。
【0190】
結果:配列番号10を用いる前処置により、肺におけるインフルエンザウイルス負荷(図4a)および気道におけるウイルスに誘導された白血球(好中球および単核細胞を含む)の蓄積(図4bおよび4c)が減少した。この結果を図4に示す。
【0191】
3.抗原およびウイルスに誘導された気道炎症ならびに過敏性に対するC−クラスCpG ODNの防護効果
方法 マウスを、抗原を用いて感作し(ゴキブリ、10μg、水酸化アルミニウムアジュバントを用いて腹腔内)、次いで、鼻腔内抗原(40μl生理食塩水中10μg)を用いて、3週間の間、毎週2回チャレンジした。最後の組の抗原チャレンジの前に、鼻腔内滴下により、マウスにインフルエンザウイルスを感染させた。あるいは、別々のマウスに、抗原チャレンジを単独でまたはウイルス感染を単独で実施した。
【0192】
その週の最初の抗原チャレンジの2日前に、毎週1回、配列番号10(100μg/kg)を鼻腔内に投与した。吸入されたメタコリン(Sigma,St.Louis,MO,USA)に対する気道炎症(気管支肺胞洗浄により回収された細胞数)および気道過敏性を、最後の抗原チャレンジの48時間後に評価した。マウスを、ペントバルビタールナトリウムを用いて麻酔し(60mg/kg、腹腔内)、気管カニューレを介して機械的に通気した。気管カニューレを介して滴下注入した、10%のウシ胎児血清を含むRPMI1640培地(どちらも Invitrogen,Carlsbad,CA,USAを使用)の1mlを用いて実施した気管支肺胞洗浄により、細胞を気道から回収した。気道抵抗は、肺気流の測定および呼吸力学ソフトウェア(Buxco Research Systems,Wilmington,NC,USA)を用いる気管内圧力から算出した。ベースライン気道抵抗を記録後に、上昇する濃度のメタコリンエアロゾル(5分間隔で、5秒間、5〜100mg/ml)を、気管カニューレを介して送達した。生じた気管支収縮を、気道抵抗の増加として測定した。それぞれの動物について、メタコリン用量−反応曲線下の領域を計算した。
【0193】
データの解析:治療群および未治療対照群の平均値間の差異の統計的有意差を、Mann−Whitney検定またはクラスカル・ワリス多重比較検定(*P<0.05)を用いて決定した。
【0194】
結果:抗原チャレンジおよびウイルス感染の両方を実施したマウスは、抗原の単独チャレンジまたはウイルスの単独感染のいずれかを実施したマウスよりも、気道で白血球(好中球および単核細胞を含む)のより重篤な蓄積を示した(図5a〜5c)。
【0195】
これらのマウスは、気道過敏性も発現した。3週間の間、毎週1回、気道に投薬した場合、CpG ODNは、マウスを悪化した気道炎症および体重の減少から防御し、ほとんど完全にベースライン気道抵抗の増加および気道過敏性の発症を防止した(図6a〜6c)。
【0196】
(実施例2)
クラスC CpGオリゴデオキシヌクレオチドが、マウスにおけるインフルエンザウイルス負荷およびウイルスに誘導された気道炎症を抑制することができることが示されている。実施例2において、インフルエンザウイルス感染および抗原チャレンジの組合せにより誘導される、悪化した気道炎症に対する配列番号10の防護効果を検討した。
【0197】
方法
1.抗原およびウイルスの投与:
マウス(雄BALB/c)を、研究の第0日目および第7日目に、水酸化アルミニウムアジュバント(Pierce Alum)を用いる抗原(ゴキブリ、10μg、腹腔内)で感作した。
【0198】
マウスを、連続3週間、毎週2回、鼻腔内に投与した抗原(10μg、生理食塩水40μl中)に曝露して、抗原でチャレンジした。最初のチャレンジは、研究の第21日目であった。
【0199】
マウスに、インフルエンザウイルス(インフルエンザA型、サブタイプH1N1、マウス適応株PR8、EID50 200、生理食塩水40μl中)を研究の第34日目に(すなわち、最後の組の抗原チャレンジの前に)鼻腔内滴下により感染させた。
【0200】
あるいは、マウスの別々の群に、抗原チャレンジを単独でまたはウイルス感染を単独で実施した。
【0201】
2.配列番号10を用いる治療:
その週の最初の抗原チャレンジの2日前に、毎週1回、配列番号10(100μg/kg)を鼻腔内に投与した。
【0202】
3.エンドポイント:
気道炎症は、最後の抗原チャレンジの48時間後に評価した。気道の中の細胞を、気管支肺胞洗浄により回収した。細胞百分率数を、ライト−ギムザ染色で染色した細胞遠心分離調製物から、光学顕微鏡により作成した。
【0203】
研究プロトコルの概要
【0204】
【表2】

結果
ウイルスおよび抗原により誘導される気道炎症の特徴づけ
単独のインフルエンザウイルス感染または単独の抗原チャレンジは、それぞれ気管支肺胞洗浄液中の全ての白血球数の増加を引き起こした(図7)。ウイルスで感染したマウスでは、この細胞の蓄積には、顕著な好中球の増加を含んでいたが、抗原でチャレンジしたマウスでは、この蓄積には、顕著な好酸球の増加を含んでいた。
【0205】
単独の抗原チャレンジを受けたマウスと比較した場合、抗原チャレンジおよびウイルス感染させたマウスは、気管支肺胞洗浄液で、悪化した白血球蓄積を示した(図7)。この増加した蓄積には、好中球および単核細胞の両方を含んでいた。しかし、これらのマウスは、好酸球の低下を示した。
【0206】
配列番号10の効果:
配列番号10(100μg/kg)を用いる治療では、ウイルスで誘導された好中球の増加を抑制しなかった(図7)。この発見は、この用量で予期されるものであった。300μg/kgのより高い用量では、一般に、より優れた抗ウイルス効果を示すことが測定された。
【0207】
対照的に、配列番号10(100μg/kg)は、抗原に誘導される細胞浸潤を、有意に抑制した(図7)。
【0208】
この研究の重要な発見は、配列番号10(100μg/kg)が、ウイルス感染および抗原チャレンジの両方によりマウスで誘導した、悪化した気道炎症を有意に抑制したことであった。好中球のおよび単核細胞の悪化した蓄積の両方が抑制された(図7)。
【0209】
悪化した気道炎症に加えて、ウイルス感染および抗原チャレンジの両方を受けたマウスは、顕著な体重の減少を示した。配列番号10を用いて治療したマウスでは、この体重の減少は有意に抑制された。
【0210】
(実施例3)
in vitroでのマウス脾細胞からのTLR9関連サイトカインの誘導、およびin vivoでのマウス肺におけるTLR9関連サイトカインの誘導
in vitroでマウスの脾細胞からTLR9関連サイトカインの分泌を誘導する、配列番号10の能力を調べた。
【0211】
方法
in vitroでの脾細胞からのサイトカインの刺激作用
脾細胞を、6匹のマウスからプールし、ODN(0.1、1または10μg/ml)と共に、36時間インキュベートした。切り刻んだマウス脾臓を細胞篩(70μm細孔径)を通して穏やかに押し出すことにより、機械的に細胞を単離した。細胞(1×10、6匹のマウスからプールした)を、1mlの培地中(10%のウシ胎児血清を含むRPMI1640、どちらもInvitrogen,Carlsbad,CA,USAを使用)でインキュベート(37℃、5%CO)した。配列番号10もしくは対照のODN(逆転したCpGモチーフを有する)または配列番号10の2つのドメイン(5’末端刺激性配列およびパリンドローム)のどちらかを、0.1、1もしくは10μg/ml濃度を与えるように加えた。24時間インキュベーション後に、培地を下記のように、分泌されたサイトカイン(IFNα、IFNγ、インターフェロン−誘導タンパク質[IP]−10、IL−6、IL−10およびTNFα)についてアッセイした。
【0212】
マウス気道におけるサイトカインの刺激作用
弱いイソフルラン麻酔下で実施した鼻腔内滴下により、マウスは気道に送達された、配列番号10(10〜1000μg/kg)またはビヒクル(40μl生理食塩水)の投与を受けた。24時間後、気管支肺胞洗浄を、生理食塩水1mlを用いて、気管カニューレを介して実施した。気管支肺胞洗浄液中のサイトカイン濃度(IFNα、IFNγ、IP−10、IL−6およびIL−12p40)をアッセイした。
【0213】
結果
表1に示すように、配列番号10は、単離したマウスの脾細胞からのTLR9関連サイトカインの分泌を誘導した。対照的に、逆転CpGのモチーフを有する対照のODN、単独の配列番号10の5’末端刺激配列、または単独のパリンドロームは、顕著な活性を有しなかった。それぞれのサイトカインの最も高いタイターが、ODNを10μg/mlで用いて誘導された(低濃度のデータは示さない)。n.d.=不検出(<12pg/ml)。したがって、濃度依存的な様式で配列番号10は、IFNα、IFNγ、IP−10、IL−6、IL−10およびTNFαの分泌を誘導した。それぞれのサイトカインで最も高いタイターが、配列番号10の10μg/mlで誘導された。
【0214】
配列番号10のこの生物活性に対する正確に順序づけられたCpGのモチーフの重要性を評価するために、配列番号10と同じ配列だが、5’末端刺激配列において逆転したCpGのモチーフ(配列番号55)を有するODNを用いて、アッセイを繰り返した。この対照のオリゴヌクレオチドは、これらのTLR9関連サイトカインを誘導する能力をほとんど示さなかった。単独の配列番号10の5’末端刺激配列または単独のパリンドロームもまた、顕著な活性を有しておらず、これら両方のドメインを有する完全な分子が活性に必要であることが示されていた(表3に配列を示す)。
【0215】
【表3】

次いで、in vivoでマウス気道に投与した場合、配列番号10が、TLR9関連サイトカインを誘導できるかどうかを調べた。配列番号10は、気管支肺胞洗浄液中で、次のサイトカインの濃度の増加によって示されるように、IFNα、IFNγ、IP−10、IL−6およびIL−12p40の分泌を誘導した(図8)。
【0216】
(実施例4)
配列番号10は、抗原感作に対するTh2の応答から離れた免疫デビエーションを誘導する
感作している抗原(卵白アルブミン)と共にマウス足蹠に注射した場合に、配列番号10が、抗原感作に対するTh2応答を抑制することができるかどうか判定するために、ex vivoのリコールアッセイ(recall assay)において、マウスを抗原で再刺激した。
【0217】
方法
マウスを、右側の後部足蹠に注射した抗原(10μgのグレードV卵白アルブミン、Sigma,St.Louis,MO,USA)で感作した。抗原を、単独でまたは配列番号10(10〜1000μg/kg)と共に注射した。それぞれの場合、総注射容積は、20μlであった。6日後に、排出膝窩リンパ節を摘出し、リンパ節を細胞篩(70μm細孔径)を通して穏やかに押し出すことにより、細胞懸濁液を調製した。抗原リコールアッセイは、220μl培地(10%のウシ胎児血清を含むRPMI1640、両方ともInvitrogen,Carlsbad,CA,USAを使用)中で、1×10の未分画のリンパ節細胞を、抗原(卵白アルブミン、10μg/ml)の存在または不在下でインキュベートする(37℃、5% CO)ことにより、ex vivoで実施した。36時間のインキュベーション後に、分泌されたサイトカイン(IL−5、IL−13およびIFNγ)について、培地を下記のようにアッセイした。
【0218】
結果
感作したマウス由来の膝窩リンパ節細胞は、IL−5、IL−13およびIFNγを分泌した(図9)。抗原なしでまたはマウスが感作されていない対照抗原(ゴキブリ)と共にインキュベートした細胞は、検出可能なタイターのいずれのこれらのサイトカインも分泌しなかった(<19pg/ml)。配列番号10で治療した動物から単離した細胞は、Th2サイトカインIL−5およびIL−13の抗原に誘導される分泌の減少を示した。これとは対照的に、Th1サイトカインIFNγの分泌は、顕著に増加した(図9c)。抗原なしでまたはマウスが感作されていない対照抗原(ゴキブリ)と共にインキュベートした細胞は、検出可能なタイターのこれらのサイトカインをいずれもを分泌しなかった(<10pg/ml)。
【0219】
(実施例5)
in vivoでマウスにおいて、配列番号10は、抗原に誘導されるIgE産生を抑制し、IgG2a産生を促進する。
【0220】
抗原感作時にマウスに投与した場合、配列番号10は、免疫グロブリン産生のプロフィールを変更できるどうかを次に測定した。
【0221】
方法
水酸化アルミニウムアジュバント(0.2ml、Pierce Imject Alum,Rockford,IL,USA)に溶解した腹腔内抗原(10μgグレードV卵白アルブミン、Sigma,St.Louis,MO,USA)を用いて、7日隔てて、マウスを抗原で2回感作した。それぞれ2回の感作の2日前およびそれぞれの感作当日に、腹腔内注射により、マウスに配列番号10(1〜1000μg/kg)または対照ビヒクル(生理食塩水、10ml/kg)を投与した。第2回目の感作の12日後に、マウスから心臓穿刺により血液を採取した。血清を、遠心分離により採取し、卵白アルブミン特異的IgEおよびIgG2aについて、以下のようにアッセイした。
【0222】
ELISAは、それぞれ次に続くステップ間で、リン酸緩衝食塩水(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)中で0.05%ポリソルベート20(Sigma,St.Louis,MO,USA)を用いる洗浄によって、マイクロタイタープレート(Nunc,Rochester,NY,USA)で実施した。プレートは、4℃で15時間、結合緩衝液中で卵白アルブミン(100μg/mlの150μl)を用いてコーティングした。次いで、プレートを20℃で2時間、アッセイ希釈液(200μl/ウェル、Pharmingen,BD Biosciences,Franklin Lakes,NJ,USA)を用いてブロックした。血清サンプル(アッセイ希釈液で40分の1に希釈、100μl/ウェル)を添加し、20℃で2時間放置した。ビオチン結合ラット抗−マウスIgEまたはIgG2a(Pharmingen)(アッセイ希釈液中2μg/ml、100μl/ウェル)を添加し、4℃で2時間放置した。ストレプトアビジン結合ホースラディッシュペルオキシダーゼ(Pharmingen、アッセイ希釈液で1:1000に希釈、100μl/ウェル)を次いで添加し、20℃で1時間放置した。テトラメチルベンジジン基質試薬(Pharmingen、100μl/ウェル)を、20℃で30分間添加し、次いで2N硫酸(50μl/ウェル)を用いて反応を停止した。分光光度計(Spectramax,Molecular Devices,Sunnyvale,CA,USA)を用いて、450nmの吸光度を測定した。
【0223】
結果
配列番号10は、抗原特異的IgEの産生を抑制し(1000μg/kgの用量で85%抑制)、IgG2aの産生を増強して、抗原に対するTh2の応答から離れた免疫デビエーションのさらなる証拠を提供した(図10)。
【0224】
(実施例6)
配列番号10は、in vivoでマウス気道において、抗原に誘導される好酸球およびリンパ球の蓄積を抑制する。
【0225】
実施例4および5は、配列番号10が、Th2の免疫応答を抑制できることを示す。したがって、抗原で誘導される気道炎症のマウスモデルで、配列番号10の防護効果を調べた。
【0226】
方法
マウスを、腹腔内抗原(ゴキブリ)を用いて感作し、次いで、気道に滴下注入した抗原を用いて、2週間、週2回、抗原でチャレンジした。2回のチャレンジ週の各々の間に、気道に滴下注入した配列番号10またはビヒクル(Veh)で、マウスを1回治療した。あるいは、マウスは未治療だった(Untr)。気管支肺胞洗浄を最後の抗原チャレンジの48時間後に実施し、回収した細胞を計数した。総白血球(a)および好酸球(b)を、自動化細胞計測器を用いて計数した。
【0227】
結果
この実験モデルは、アレルギー性喘息の顕著な特徴を有しているので、この指標に対する配列番号10の防護効果を調べた。2週間、毎週1回、気道に投与した場合、配列番号10は、肺内抗原チャレンジにより誘導される好酸球、T細胞およびB細胞の気道蓄積を抑制した(図11)。テストした最大の用量(300μg/kg)で、配列番号10は、これらの細胞の蓄積を、それぞれ78%、65%および79%抑制した。
結論:
既存の喘息を有する子供および成人において、気道ウイルス感染は、気道障害および喘鳴を促進する重要な要因である。含まれる炎症過程は複雑である。しかし、ウイルスで誘導される好中球および単核細胞の動員ならびに活性化は、これらの喘息悪化に関与する気道障害を悪化させることに関与している。本明細書で示したデータは、CpG ODN、特にC−クラスODNは、ウイルス感染および抗原チャレンジの組合せにより、マウスで誘導される好中球および単核細胞の悪化した蓄積を顕著に抑制することを実証している。
【0228】
上記の明細書は、当業者が本発明を実施できるために十分であると考えられる。本発明は、提供された実施例により範囲を限定されない。なぜなら、本実施例は、本発明の1つの態様の1つの例示として意図され、他の機能的に等価な実施形態が、本発明の範囲内もあるからである。本明細書中に示され、かつ記載された改変に加えて、本発明の種々の改変が、先の記載から当業者に明らかであり、また添付の特許請求の範囲内にある。本発明の利点および目的は、本発明のそれぞれの実施形態に必ずしも含まれるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0229】
図は、例示のためのものにすぎず、本明細書に開示されている本発明の実施可能性には必要とされない。
【図1】図1は、実施例1および2で実施した実験条件の一部を示す要約した研究計画の概略図である。
【図2】図2は、実施例1(#3)で実施した実験条件を示す詳細な研究計画の概略図である。
【図3a】図3は、マウス肺における、IFN−α(図3a)、IFN−γ(図3b)、およびIP−10(図3c)の誘導を示す一連のグラフ、ならびに2’5’−オリゴアデニレートシンセターゼのアップレギュレーション(図3d)、Mx1(図3e)、およびインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(図3f)を示す第2の一連のグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示す。y軸は、サイトカイン(pg/ml)(図3a〜3c)またはGAPDH RNAの比率としてのRNA量(図3d〜3f)を示す。
【図3b】図3は、マウス肺における、IFN−α(図3a)、IFN−γ(図3b)、およびIP−10(図3c)の誘導を示す一連のグラフ、ならびに2’5’−オリゴアデニレートシンセターゼのアップレギュレーション(図3d)、Mx1(図3e)、およびインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(図3f)を示す第2の一連のグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示す。y軸は、サイトカイン(pg/ml)(図3a〜3c)またはGAPDH RNAの比率としてのRNA量(図3d〜3f)を示す。
【図3c】図3は、マウス肺における、IFN−α(図3a)、IFN−γ(図3b)、およびIP−10(図3c)の誘導を示す一連のグラフ、ならびに2’5’−オリゴアデニレートシンセターゼのアップレギュレーション(図3d)、Mx1(図3e)、およびインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(図3f)を示す第2の一連のグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示す。y軸は、サイトカイン(pg/ml)(図3a〜3c)またはGAPDH RNAの比率としてのRNA量(図3d〜3f)を示す。
【図3d】図3は、マウス肺における、IFN−α(図3a)、IFN−γ(図3b)、およびIP−10(図3c)の誘導を示す一連のグラフ、ならびに2’5’−オリゴアデニレートシンセターゼのアップレギュレーション(図3d)、Mx1(図3e)、およびインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(図3f)を示す第2の一連のグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示す。y軸は、サイトカイン(pg/ml)(図3a〜3c)またはGAPDH RNAの比率としてのRNA量(図3d〜3f)を示す。
【図3e】図3は、マウス肺における、IFN−α(図3a)、IFN−γ(図3b)、およびIP−10(図3c)の誘導を示す一連のグラフ、ならびに2’5’−オリゴアデニレートシンセターゼのアップレギュレーション(図3d)、Mx1(図3e)、およびインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(図3f)を示す第2の一連のグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示す。y軸は、サイトカイン(pg/ml)(図3a〜3c)またはGAPDH RNAの比率としてのRNA量(図3d〜3f)を示す。
【図3f】図3は、マウス肺における、IFN−α(図3a)、IFN−γ(図3b)、およびIP−10(図3c)の誘導を示す一連のグラフ、ならびに2’5’−オリゴアデニレートシンセターゼのアップレギュレーション(図3d)、Mx1(図3e)、およびインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(図3f)を示す第2の一連のグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示す。y軸は、サイトカイン(pg/ml)(図3a〜3c)またはGAPDH RNAの比率としてのRNA量(図3d〜3f)を示す。
【図4a】図4aは、マウス肺におけるウイルス核タンパク質タイターを示すグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)(感染または非感染の)を示し、y軸は吸光度を示す。
【図4b】図4bおよび4cは、気管支肺胞洗浄液の中に存在する、それぞれ好中球および単核細胞を示すグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)(感染または非感染の)を示し、y軸は、細胞数×10/mlを示す。
【図4c】図4bおよび4cは、気管支肺胞洗浄液の中に存在する、それぞれ好中球および単核細胞を示すグラフである。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)(感染または非感染の)を示し、y軸は、細胞数×10/mlを示す。
【図5a】図5は、抗原でチャレンジし、かつウイルスで感染したマウスにおける気管支肺胞洗浄液中の、総白血球(図5a)、好中球(図5b)、および単核細胞(図5c)を含む、治療に応答して蓄積した全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示し、y軸は細胞数×10/ml(5a)または×10/ml(5bおよび5c)を示す。
【図5b】図5は、抗原でチャレンジし、かつウイルスで感染したマウスにおける気管支肺胞洗浄液中の、総白血球(図5a)、好中球(図5b)、および単核細胞(図5c)を含む、治療に応答して蓄積した全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示し、y軸は細胞数×10/ml(5a)または×10/ml(5bおよび5c)を示す。
【図5c】図5は、抗原でチャレンジし、かつウイルスで感染したマウスにおける気管支肺胞洗浄液中の、総白血球(図5a)、好中球(図5b)、および単核細胞(図5c)を含む、治療に応答して蓄積した全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示し、y軸は細胞数×10/ml(5a)または×10/ml(5bおよび5c)を示す。
【図6a】図6aは、気道抵抗における、メタコリンに誘導された増加を示すグラフである。x軸は、メタコリンmg/mlを示し、y軸は、チャレンジしていない対照に対する割合(%)として気道抵抗を示す。
【図6b】図6bは、ベースラインの気道抵抗を示す。
【図6c】図6cは、メタコリン用量−反応曲線下にある領域を示す。結果は、平均±SEM(n=7〜9)で示した。)。*示したグループと比較して、P<0.05(マン・ホイットニー両側検定)。
【図7a】図7は、全白血球(図7a)、好酸球(図7b)、好中球(図7c)、および単核細胞(図7d)ならびにマウス体重(図7e)を含む、治療に応答して蓄積された全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示す。
【図7b】図7は、全白血球(図7a)、好酸球(図7b)、好中球(図7c)、および単核細胞(図7d)ならびにマウス体重(図7e)を含む、治療に応答して蓄積された全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示す。
【図7c】図7は、全白血球(図7a)、好酸球(図7b)、好中球(図7c)、および単核細胞(図7d)ならびにマウス体重(図7e)を含む、治療に応答して蓄積された全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示す。
【図7d】図7は、全白血球(図7a)、好酸球(図7b)、好中球(図7c)、および単核細胞(図7d)ならびにマウス体重(図7e)を含む、治療に応答して蓄積された全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示す。
【図7e】図7は、全白血球(図7a)、好酸球(図7b)、好中球(図7c)、および単核細胞(図7d)ならびにマウス体重(図7e)を含む、治療に応答して蓄積された全細胞を示す一連のグラフである。x軸は、マウスのチャレンジカテゴリーを示す。
【図8a】図8は、in vivoにおけるマウス気道でのTLR9に関連したサイトカインの誘導を示す一連のグラフである 。図8aはIFNαを示し、図8bはIFNγを示し、図8cはIP−10を示し、図8dはIL−6を示し、図8eはIL−12p40を示す。結果は、平均±SEM(n=10)で示した。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図8b】図8は、in vivoにおけるマウス気道でのTLR9に関連したサイトカインの誘導を示す一連のグラフである 。図8aはIFNαを示し、図8bはIFNγを示し、図8cはIP−10を示し、図8dはIL−6を示し、図8eはIL−12p40を示す。結果は、平均±SEM(n=10)で示した。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図8c】図8は、in vivoにおけるマウス気道でのTLR9に関連したサイトカインの誘導を示す一連のグラフである 。図8aはIFNαを示し、図8bはIFNγを示し、図8cはIP−10を示し、図8dはIL−6を示し、図8eはIL−12p40を示す。結果は、平均±SEM(n=10)で示した。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図8d】図8は、in vivoにおけるマウス気道でのTLR9に関連したサイトカインの誘導を示す一連のグラフである 。図8aはIFNαを示し、図8bはIFNγを示し、図8cはIP−10を示し、図8dはIL−6を示し、図8eはIL−12p40を示す。結果は、平均±SEM(n=10)で示した。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図8e】図8は、in vivoにおけるマウス気道でのTLR9に関連したサイトカインの誘導を示す一連のグラフである 。図8aはIFNαを示し、図8bはIFNγを示し、図8cはIP−10を示し、図8dはIL−6を示し、図8eはIL−12p40を示す。結果は、平均±SEM(n=10)で示した。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図9a】図9は、ex vivoでのサイトカインの誘導を示す一連のグラフである。図9aはIL−5を示し、図9bはIL−13を示し、図9cはIFNγを示す。結果は、平均±SEM(n=7〜8)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図9b】図9は、ex vivoでのサイトカインの誘導を示す一連のグラフである。図9aはIL−5を示し、図9bはIL−13を示し、図9cはIFNγを示す。結果は、平均±SEM(n=7〜8)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図9c】図9は、ex vivoでのサイトカインの誘導を示す一連のグラフである。図9aはIL−5を示し、図9bはIL−13を示し、図9cはIFNγを示す。結果は、平均±SEM(n=7〜8)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸は、マウス(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は、サイトカイン濃度(pg/ml)を示す。
【図10a】図10は、in vivoでのマウス気道における配列番号10による、好酸球およびリンパ球の抗原により誘導される蓄積の抑制を示す2つのグラフである。図10aは、免疫グロブリンEの生産を示し、図10bは、IgG2aの産生を示す。結果は、平均±SEM(n=9〜10)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸はマウス(感作または非感作の)(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は血清抗体タイターの測定としての吸光度単位を示す。
【図10b】図10は、in vivoでのマウス気道における配列番号10による、好酸球およびリンパ球の抗原により誘導される蓄積の抑制を示す2つのグラフである。図10aは、免疫グロブリンEの生産を示し、図10bは、IgG2aの産生を示す。結果は、平均±SEM(n=9〜10)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸はマウス(感作または非感作の)(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は血清抗体タイターの測定としての吸光度単位を示す。
【図11a】図11は、配列番号10の投与の後のin vivoでのマウス気道における、好酸球およびリンパ球の蓄積を示す4つのグラフである。図11aは存在する全白血球を示し、図11bは好酸球を示し、図11cはCD4陽性T細胞を示し、図11dはB細胞を示す。結果は、平均±SEM(n=6)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸はマウス(感作または非感作の)(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は細胞数を示す。
【図11b】図11は、配列番号10の投与の後のin vivoでのマウス気道における、好酸球およびリンパ球の蓄積を示す4つのグラフである。図11aは存在する全白血球を示し、図11bは好酸球を示し、図11cはCD4陽性T細胞を示し、図11dはB細胞を示す。結果は、平均±SEM(n=6)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸はマウス(感作または非感作の)(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は細胞数を示す。
【図11c】図11は、配列番号10の投与の後のin vivoでのマウス気道における、好酸球およびリンパ球の蓄積を示す4つのグラフである。図11aは存在する全白血球を示し、図11bは好酸球を示し、図11cはCD4陽性T細胞を示し、図11dはB細胞を示す。結果は、平均±SEM(n=6)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸はマウス(感作または非感作の)(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は細胞数を示す。
【図11d】図11は、配列番号10の投与の後のin vivoでのマウス気道における、好酸球およびリンパ球の蓄積を示す4つのグラフである。図11aは存在する全白血球を示し、図11bは好酸球を示し、図11cはCD4陽性T細胞を示し、図11dはB細胞を示す。結果は、平均±SEM(n=6)で示した。*ビヒクル治療グループと比較して、P<0.05(クラスカル・ワリス検定に引き続くダネットの多重比較検定)。x軸はマウス(感作または非感作の)(kg)当たりのオリゴヌクレオチド(μg)を示し、y軸は細胞数を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルスで悪化した喘息を治療する方法であって、喘息の被験体に、ウイルスで悪化した喘息を治療するためのC−クラスCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記ウイルスで悪化した喘息が、呼吸器系ウイルスにより引き起こされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記呼吸器系ウイルスが、RSVではない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウイルスで悪化した喘息が、インフルエンザウイルスにより引き起こされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記被験体が、医療従事者により識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記被験体が、ウイルス感染の危険因子への曝露に基づいて識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ウイルス感染の危険性がある喘息の被験体を識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記C−クラスオリゴヌクレオチドが、セミソフトオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記C−クラスオリゴヌクレオチドが、配列番号10である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ウイルスで悪化した喘息を治療する方法であって、ウイルス感染の危険性がある喘息の被験体を識別すること、および該喘息の被験体に、ウイルスで悪化した喘息を治療するための、CpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含む、方法。
【請求項11】
前記ウイルスで悪化した喘息が、呼吸器系ウイルスにより引き起こされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記呼吸器系ウイルスが、RSVではない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ウイルスで悪化した喘息が、インフルエンザウイルスにより引き起こされる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記危険因子が、インフルエンザの季節である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記危険因子が、ウイルス曝露の危険性が高い目的地への旅行である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記CpGオリゴヌクレオチドが、C−クラスオリゴヌクレオチドである、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記C−クラスオリゴヌクレオチドが、セミソフトオリゴヌクレオチドである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記C−クラスオリゴヌクレオチドが、配列番号10である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ウイルスで悪化した喘息を治療する方法であって、非CpG喘息治療を受けている喘息の被験体に、ウイルスで悪化した喘息を治療するためのCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含む、方法。
【請求項20】
前記非CpG喘息治療が、ステロイド治療である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記非CpG喘息治療が、前記CpGオリゴヌクレオチドとは異なる時間に実施される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記非CpG喘息治療が、前記CpGオリゴヌクレオチドと同時に実施される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記CpGオリゴヌクレオチドが、C−クラスオリゴヌクレオチドである、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記C−クラスオリゴヌクレオチドが、セミソフトオリゴヌクレオチドである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記C−クラスオリゴヌクレオチドが、配列番号10である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
感染症で悪化した喘息を治療する方法であって、感染の危険性がある喘息の被験体を識別すること、および該喘息の被験体に、感染症で悪化した喘息を治療するためのCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含む方法。
【請求項27】
ウイルスで悪化した喘息を治療する方法であって、ウイルス感染の危険性がある喘息の被験体を識別すること、および喘息の被験体に、ウイルス感染を治療するための治療量以下の量のCpGオリゴヌクレオチドを投与することを含み、ここで、該CpGオリゴヌクレオチドは、免疫細胞の蓄積を減少させるために有効である、方法。
【請求項28】
前記免疫細胞が好中球である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記免疫細胞が好酸球である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
ウイルスで悪化した喘息を治療する方法であって、ウイルス感染の危険性がある喘息の被験体を識別すること、および該喘息の被験体にCpGオリゴヌクレオチドの少なくとも3用量を投与することを含み、ここで、該CpGオリゴヌクレオチドの少なくとも3用量は、少なくとも3日間互いに時間的に離れている、方法。
【請求項31】
ウイルスで悪化した喘息を治療する方法であって、ウイルス感染の危険因子を識別すること、および喘息の被験体に、該喘息の被験体がウイルス感染の危険性がある一定期間、ウイルスで悪化した喘息を治療するためのCpGオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【公表番号】特表2008−535859(P2008−535859A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505612(P2008−505612)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/013193
【国際公開番号】WO2006/110607
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(508147669)コーリー ファーマシューティカル グループ,インコーポレイテッド (24)
【出願人】(507332516)サノフィ−アベンティス ユー.エス. エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】