懸濁粒子デバイスの電子制御装置の操作
【課題】SPDデバイスの光に対する透明度を動的に変化させる。
【解決手段】拡張型装置およびネットワーク環境は、マルチメディアの特別な効果を有するディスプレイのプレゼンテーションにおいて、テキストメッセージ、グラフィカルイメージおよびシミュレーションモーション効果が駆動される。このような拡張型装置は、スイッチング速度および消費電力のようなSPD特性を精密に制御するために、周波数範囲、交流電圧および温度のようなSPD材料のいくつかの動作パラメータを使用してSPD材料を駆動することができる。
【解決手段】拡張型装置およびネットワーク環境は、マルチメディアの特別な効果を有するディスプレイのプレゼンテーションにおいて、テキストメッセージ、グラフィカルイメージおよびシミュレーションモーション効果が駆動される。このような拡張型装置は、スイッチング速度および消費電力のようなSPD特性を精密に制御するために、周波数範囲、交流電圧および温度のようなSPD材料のいくつかの動作パラメータを使用してSPD材料を駆動することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願の請求項は、“無線メッシュパケットスイッチネットワークに渡って動作する複数のそのようなデバイスを単一のSPDデバイスに制御させる装置から構成される拡張型システム”という発明の名称の2005年9月8日にファイルされた米国特許出願番号60/596、198、“SPDガラスを使用するマルチメディア映像ディスプレイ向けの電子コントローラおよび無線ネットワーク”という発明の名称の2005年9月28日にファイルされた米国特許出願番号60/721、731、および“SPDをベースにする窓を利用する居住用および商業用建物における太陽熱を制御するための拡張型システム” という発明の名称の2005年11月14日にファイルされた米国特許出願番号60/597、162の優先権を有し、それぞれの米国特許出願は全ての目的のためにここで参考文献とされる。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
光バルブは60年以上に渡り光変調をするために使用されてきた。ここで使用される光バルブは、僅かな距離だけ離れた二つの壁によって形成され、少なくとも一つの壁は透明であり、二つの壁は通常透明である導電性膜の電極が載っているセルとして定義される。そのセルには光変調素子が含まれ(以下ここでは“活性化可能型材料”と称する場合がある)、それらは懸濁液の粒子、または懸濁液粒子の液滴が分散されているプラスチックフィルムであってもよい。
【0003】
この懸濁液(以下、“液体光バルブサスペンション”又は“光バルブサスペンション”と称することがある。)は、液体懸濁媒体中に分散した小さな異方性形状の粒子を有する。電界が印加されない状態では、懸濁液中の粒子はブラウン運動によりランダムな位置に存在すると推測され、このために、セルに入射した光は、セルの構造、粒子の性質と凝集、及び光のエネルギー量に応じて、反射され、透過され又は吸収される。
【0004】
このため、オフ状態では、光バルブは比較的暗い。しかしながら、光バルブ中の液体光バルブサスペンションを介して電界が印加されると、粒子は整列させられるようになり、多くのサスペンションにとって、ほとんどの光はそのセルを透過することができる。このようにオン状態の場合には、光バルブは比較的透明になる。オン状態の場合には、ここで述べられるタイプの光バルブは“懸濁粒子デバイス”或いは“SPD(複数)”としてもよく知られている。より一般的には、懸濁粒子デバイスという言葉は、ここで使用されているように、電界が印加された時に光がそのデバイスを透過するように整列する懸濁粒子を有する何れかのデバイスを指している。
【0005】
光バルブは、窓、天窓、及びサンルーフを透過する光量、または、場合によってはそれらから反射する光量を制御する窓、天窓、及びサンルーフを含む非常に多くの用途における使用が提案されてきている。ここで使用されている“光”という言葉は、一般的に、視認することのできる電場放射を指しているが、ここで適用できる“光”は、 それらに限定されず、赤外線放射および紫外線放射のような電場放射の他のタイプをも含めることができる。
【0006】
SPDは2対のガラスまたはプラスチックの間にラミネートされ、それらの内層となっている。このような組み合わせは、時々「SPD−フィルム」と呼ばれる。
【0007】
現在、このようなSPD(複数)は、ガラスを通る電気の特性に基づいてガラスを透過する光量が精細に制御されるように、ガラスに組み込まれつつある。そのようなガラスそしてこのガラスの不透明度又は光透過度が制御されるかもしれない少なくとも一つの制御方法は、Malvino特許として呼ばれているMalvino米国特許番号6、897、997(特許文献1)および6、804、040(特許文献2)にまとめて記載されている。しかし、Malvinoによって想定されたデバイスは、デバイスと一緒になっている幾つかの窓を手動で制御することに向いている一方、拡張性がないばかりではなく、例えば自動車、海上船舶、電車、或いは飛行機にある数個の窓よりも数の多い窓の環境、および上述したSPD窓を備える居住用又は商業用建物又は超高層建物の窓の環境を能動的及び動的に制御するための自動化された知能をも提供しない。
【0008】
Malvino特許は、ガラスを透明な方向に明るくさせ、またはガラスを透過するほとんどの光を遮るために暗くさせようとする特定の周波数における電圧の変化によってSPDガラスを駆動する基礎理論を提供する。このデバイスはSPDの非線形特性を、およそ0%から100%にガラスを設定すると考えられる線形範囲の値へマッピングすることができる。この線形範囲は、たぶん6つの異なる不透明度レベルに対応する小さな不連続な一連の設定に分けられ、6つの特定の抵抗とコンデンサの組み合わせが実施態様に組み込まれ、着色の関連程度に対応した適切な電圧を設定するために手動でその線形範囲が選択される。この実施を通じて、例えばスライドスイッチ又は回転ダイヤル等の線形手動制御手段が、ガラスを透過することが許可される光量をいつでも直接変化させるためにMalvinoコントローラに追加されるかもしれない。
【0009】
Malvino特許では、SPDデバイスを駆動する幾つかの特定の周波数の使い方を検討している。Malvino特許に記載されているように、低い周波数におけるそのデバイスの駆動は、SPDデバイスを駆動するために必要とされるパワーに関して、少し低いエネルギー利用曲線を有する傾向にある。15Hzから60Hzの範囲における周波数が議論されていた。前述したSPDコントローラにはこれらの周波数で駆動された場合に深刻な潜在的な問題がある。コントローラがその範囲内の特定の周波数で駆動された場合に、SPDデバイスが“シング”することになり、Bフラットレンジのトーンとして聞こえる可能性がある。SPDによって制御される窓は、一般に、SPDエミュレーションが塗布された透明なマイラー(商標)の形態であって、2枚のガラスに挟まれた状態のSPD型材料から構成される。SPDデバイスは、基本的には両サイドのガラスによって空間をおいて保持され、そのガラスで挟まれている。もし50/60ヘルツの電流が、挟まれたSPD材料の間を流れると、ある場合には、マイラー(商標)が駆動周波数に共鳴して振動し始め、気に障るハムとして窓の近くにいる人々に聞こえるかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6、897、997号
【特許文献2】米国特許第6、804、040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
SPD窓(複数)の大規模な世界的展開における重要な課題は、何らかの“中央知能”がそれぞれの窓(複数)を動作させるために、どのようにして居住用および商業用建物において配線をするかということである。今日、建物の中のある制御室から窓へ配線をするコンセプトはない。何千という設置工が新しい建物の配線に必要な要求を理解し学ぶ必要があるだろうから、世界中でSPDガラスを採用する場合に建物の配線に対する新しい要求を紹介することは好ましいことではない。今のところ、“中央知能”へそれぞれの窓を“配線”するためにどのような他の技術が採用されるとしても、SPDガラスの使用を禁止させないためには、有るか無いかわからな程度の訓練、および比較的低コストでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の概要)
本発明は、構造物のエネルギー消費量を劇的に低減するような方法で太陽光を吸収または反射するために、居住用および商業用建物の“スキン(skin)”を一日中動的に制御するための大規模に配列して設置されるメッシュネットワーキングソフトウェアに関連したワイヤレス可能な装置に関する。一つまたはそれ以上の窓を制御する個別のデバイスに、「ビルディングスキンコントロールシステム」内のインテリジェントコントロールポイントから所望の変化をもたらすであろう個別のコントローラまたはコントローラ群へ制御信号を伝送する中継ポイントとして動作することを許可することによって、メッシュネットワークの統合はそのような制御を展開するコストを低減する。本発明は更に、構造物のエネルギー消費量を劇的に低減するような方法で太陽光を吸収または反射するために、居住用および商業用建物のガラス窓を一日中動的に制御するために大規模に配列して設置される“懸濁粒子デバイス”制御装置に関連したネットワークおよび“懸濁粒子デバイス”制御装置に関する。LANまたはWANを覆う階層的な分布システムの使用は、中央知能ポイントすなわち「マスタービルディングコントロールポイント」から構造物中にある全ての窓コントローラに対して特定の不透明度レベルにそれぞれの窓を設定するためのコマンドを転送する時間を低減する。
【0013】
ここで述べられるデバイスは、単一の特定の周波数よりもむしろ低周波数範囲における可変周波数においてSPDデバイスを駆動するオプションを提供することによって“シンギング(singing)”問題を補正する。任意に、連続的に変化するSPD駆動周波数を使用する代わりに、「コントローラ」は一秒間に幾つかのサイクルをランダムに落とし、または位相シフトさせてもよい。この変化/シフトは明白に顕著であるというには充分ではないが、“リンギング効果”を除去するであろう。以下に示されるであろうように、本発明によるシステムは、単一窓環境から現在世界で最も数の多い窓を備える建物である台北の信義区地区にある32000個の窓を備える台北101を超える大きさの建物に規模を拡大する。
【0014】
本発明は従来から存在する制御範囲をはるかに超えるSPDの制御範囲を提供する。本発明における“拡張型コントローラ”別名を“SC”というは、従来のコントローラの性能をはるかに拡張する知能を提供する。従来の実施においては、一つから幾つかのガラスを単一のコントローラが制御しているかもしれない。ここで、いくつかという数字は8個のような比較的小さな数であって、それぞれのガラス部分はコントローラに有線で接続されている。「拡張型」コントローラは、ユーザが設定してもよい関係である手動外部制御あるいはいくつかの個別の手動制御と、どの窓または複数の窓がその手動設定から制御されることが可能かという関係についての設定段階を更に提供する。「拡張型コントローラ」のもとにおける四つの窓の設定において、ここでは四つの窓をA、B、C、Dと称する、ユーザが、窓ABが単一の窓として制御され、かつ窓CDが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCが単一の窓として制御され、かつ窓Dが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCDが単一の窓として制御され、または、窓ABCDが四つの別々の窓として制御されるように設定してもよい。
【0015】
このシステムは、「マスタービルディングコントロールポイント」として知られる中央知能ポイントから建物にあるそれぞれの窓の設定をインテリジェント(知能的)な方法で調整する。このシステムは、太陽光の熱効果の利点を最大限に引き出すために、適度な量の可視光がそれぞれの窓を透過することを許可するように、リアルタイムな事象を含む多くの要因に基づいてインテリジェントな決定をするであろう。
【0016】
従来の発明を超えるSCの増強された能力はSPDの特性に影響を与える全ての操作可能なパラメータを完全に制御するのに必要なものを与える。この種の制御は、かすみおよび透明度を制御する場合に、電力の使用または外部の気温を潜在的に考慮に入れたスイッチング速度によってSPDの効率を最適化するためにそれぞれのSCに存在している。
【0017】
SCの柔軟性およびSCのネットワーキング能力は、マルチメディアプレゼンテーションの一端として、特別な光の着色シーケンスまたはテキストメッセージの表示にも対応している。そのようなマルチメディアディスプレイは、休暇期間中、たぶん「クリスマス音楽」の変化に合わせて事務用建物の外観に沿った窓を変化させるであろう。そのようなシステムの規模の小さいバージョンでは、机の上にある箱にある小さな複数のSPDピクセルに渡る一つの動くテキストディスプレイを提供することも可能であろう。これらの種々の用途は、本発明の柔軟性および重要性を反映している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下幾つかの図面における図に関して、本発明を説明する。
【図1】図1は、一つの外部デバイスからの手動調整下にあるSPD窓コントローラを示す図である。
【図2】図2は、制御下の窓に照射される太陽光の明るさを検出するためのフォトセルまたは他の光センサーが付加された図1のコントローラである。
【図3】図3は、コントローラの「拡張型ネットワーク」動作だけではなく、より洗練されたコントローラの能力を支えるいくつもの異なる機能を実行するマイクロプロセッサーを取り込むことによって生成された「インテリジェントコントローラ」である。センサーからの付加的な入力は、「拡張型コントローラ」が決定を行うために使用するかもしれないデータを拡張する。
【図4】図4は、制御ソフトウェアにおけるセットアップ手順を用いてユーザによって設定されたコントローラの直接制御下にある一つまたはいくつかの窓枠と繋がっている複数の手動入力を備えた「インテリジェントコントローラ」を示す。一つの単一手動入力は、一度に一つの窓または、二つ、三つまたは四つの窓を、まるで一つのSPDガラスの部分であるかのように制御するかもしれない。一つ以上の手動入力が、同じ部屋の異なるポイントから動作する手動制御を支援するために、同じガラスの組を制御することに使用されるかもしれない。
【図5】図5は、この例における四つの窓枠の異なる組み合わせ、および個別枠のセットのどの組み合わせに関しても一つのガラス枠として取り扱われることを許可するソフトウェアの設定方法を示す.
【図6】図6は、目的ポイントに到着するために中間ノードを通る代替パスに沿って送信されるかもしれないデータが含まれる、一番早いパケットスイッチングまたはメッシュネットワークの一つを示す。これは、1969年の4ノードタイプアーパネットの例であり、今日のインターネットの先駆けとなっているものである。ホストコンピュータはデータをこのネットワークにおける他のホストコンピュータへ送信し、目的ポイントではないが所望の目的ホストへ直接接続されたIMPの方向へ更にパケットを中継するであろう他のIMP(複数)へデータパケットを転送する「インターフェースメッセージプロセッサー」(IMP)のサービスを利用する。
【図7】図7は、初期のアーパネットシステムにおけるホストおよびIMP機能の組み合わせによるパケットスイッチングソフトウェアが実行される同じコンピュータ上で特定の処理アプリケーションが動作する、さらに進歩したパケット交換メッシュネットワークを示す。マイクロプロセッサー能力の向上はシングルプラットフォーム上においてこれらの機能の結合を可能にした。これは、孤立した「市規模」の無線呼び出し(ポケベル)システムを、ちょうど一つの市の代わりにその国のどこに位置していても誰かに警報を発することができる全国的なネットワークに変換するために、その発明者によって作成されたDLHプロトコルを使用する「無線呼び出しネットワーク」アプリケーションの一例である。「アーパネット」および「インターネット」はそれぞれのノードにおいて目的地への最良のルートリストを動的に維持するためにRIPのような正式なルーティングプロトコル規格を使用する。DLHは主要なルートおよび代替ルートのリストを維持するために独自仕様のルーティングプロトコルを使用する。その独自仕様のDLHネットワークは、その発明者が作成することを助けた「無線ページング産業標準TNPPプロトコル」に結局取って替わられ、その発明者が議長となった産業委員会は11年以上もの間このプロトコルの使用を促進してきた。TNPPプロトコルは、それぞれの目的ノードへの最良のパスおよび代替パスを維持するために、製造業者特有の独自仕様ルーティングプロトコルとともに使用された。
【図8】図8は、「拡張型コントローラ」ノードに備えられた他の送受信機へデータパケットを送信する無線送受信機と一体化した図3の「インテリジェンスコントローラ」から構成される「拡張型コントローラ」ネットワークを示す。インターネットREPと似ているルーティングデータは、目的ノードへのパス上にあるデータを受信するための最良の次のノードのリストをそれぞれの「コントローラ」ノードにおいて維持する。図6および7の有線のネットワークと違って、図8の無線ネットワークは受信したデータよりも異なるノードへアドレスされたデータを時々適切に受信するかもしれない。この場合には、その受信されたデータは目的ポイントへの最適のパスに沿った次のノードではないノードによって無視されまたは捨てられる。
【図9】図9は、「ビルディングコントロールポイント」がネットワークノードの一つに接続されている図8のネットワークの一例を示す。そのBCPは、昼夜のいつにおいても特定の不透明度に自動的に設定される建物の部分を決定するためのデータ処理サイトである。「データ処理」システムは、任意にインターネットおよび多くの建物所有者に代わって「SPDビルディングスキンコントロールシステム」の動作を監視する遠隔中央モニタリングサービスに接続されるてもよい。
【図10】図10は、たとえ最初のBCPが機能しなくなることがあっても全システムが正常に動作を続けることを保障するためにネットワークにおいて支援される冗長「ビルディングコントロールポイント(BCP)」の一例を示す。
【図11】図11は、建物のある部分における「拡張型コントローラ」の動作を監視するための異なるタイプの「階層的なコントロールポイント」を建物のどのように異なる領域が含むであろうかを示す。
【図12】図12は、「コントロールポイント」の「階層的な」マッピングであり、どのように、最も上位レベルの「コントロールポイント」において生成されるコマンドが、論理的にさらに下位の階層レベルにおいてますます多くのエレメントへそのコマンドを配信するより下位レベルの「コントロールポイント」に論理的に配信されるかを示す。
【図13】図13は、XMLインターフェースを介した「インテリジェントエネルギーコントロールシステム(IECS)」を備える「ビルディングコントロールポイント」インターフェースを示す。
【図14】図14は、空を横断する太陽の通り道がどのように変化し、どのようにして一日の太陽光が建物の窓に降り注ぐかを示す。地球が太陽の周りを公転するので、太陽の通り道は一年のそれぞれの日に少しずつ変化する。惑星上のどの緯度および経度に対しても、横断される通り道はよく知られている。
【図15】図15は、16個の窓枠をそれぞれ制御する5個のコントローラを示す。
【図16】図16は、境界を有する7行、5列のピクセル配列に、形成された文字“E”を示す。
【図17】図17は、それぞれの窓枠において隣の窓枠から数パーセントだけ異なる照明効果を示す。
【図18】図18は、複数のコマンドを複数の窓に順々に送信するデコーダにコマンドを送信するコントローラを示す。
【図19】図19は、パケットをLAN上にある「マスターコントロールポイント(MCP)」へ送信することができるようにLANインターフェースと一体化した図1の「インテリジェントコントローラ」から構成される二つの「拡張型コントローラ(SC)」を示す。
【図20】図20は、ケーブル長のために、LANがその最大の能力に達してしまった場合に、LANサイズを拡大するための別のLANセグメントを追加するために取り入れられてもよい「ブリッジ」を示す。
【図21】図21は、LANセグメントおよびブリッジまたはリピータの配置数が最大に達してしまった場合に、ローカルネットワークのサイズを更に拡大する方法を示す。
【図22】図22は、建物内にあるすべてのSCへコマンドを送信するMCPにおけるポイントからポイントへの通信負荷を軽減するためにコントロールポイントの階層を形成する論理的な接続を示す。
【図23】図23は、一つの建物内の全ての個別の窓に対して中央制御知能を供給する「マスターコントロールポイント」がXMLリンクを介して外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」へどのように接続できるかを示す。外部システムは、窓が変化した場所を知った場合には、動作を変更することができる。外部システムはMCPを介してセンサー入力を受信してもよいし、その制御の下でいくつかの窓または全ての窓の設定を変更するためにMCPへコマンドを出してもよい。IECS上でより良いアルゴリズムが作成され、外部システムが適切な制御コマンドの送信を始める場合には、MCPはIECSコマンドの下で窓の動作を変更する選択肢を持っている。
【図24】図24は、「拡張型コントローラ」を構成する主要なブロックを示す。
【図25】図25は、コントローラを動作させるためにコントローラ内にプログラムされるデータの典型的な3次元テーブルの一つを示す。このようなテーブルは、SPDベースのガラスの動作を一緒に制御する三つの変数の相互関係の情報を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
「マイクロプロセッサー」を「拡張型コントローラ」に組み込むことによって、大量のそのようなコントローラの中にあるデータポイントばかりではなく、スタンドアローン環境においての使用についても、デバイスの機能および柔軟性は劇的に拡張される。大量のそのコントローラは、インテリジェント制御のもとにおいて、建物のエネルギー使用量について、前例のない制御をするように事務所用建物のスキン(skin)を劇的に改造することができる。スタンドアローン環境であっても、SC(「拡張型コントローラ」)は、SCが使用されている部屋のエネルギー使用量を減らすようにプログラムすることができる。SCを手動制御下におくのではなく自動モードにして、後述するような動作が可能なようにしても構わない。
【0020】
同じ機能を実現する方法はいくつかあるだろうが、ここに記載される実施においては、エンドユーザが緯度、経度、北からの窓の方位および、垂直方向からの窓の角度について、適切なデータ処理プログラムを設定することができる。このプログラムは、セットアップデータを使用するSCへダウンロードすることが可能なプロファイルを生成することができる。このセットアップデータは、制御の下に地球上の窓(単数または複数)の位置を決定し、その結果、それぞれの窓に対して太陽からの窓の角度をその日の何時においても決定する。SCでは時刻/日付クロックが、時刻、通日、および惑星上の位置に基づいて窓(単数または複数)を駆動するように動作する。ニューヨークのマンハッタンにおける7月2日午後1時には、太陽に直接面している窓は最大の不透明さに設定され、太陽から離れる方向の角度の窓は不透明さを低減し、建物の反対側の窓は完全に透明になる。太陽が空を横切るにつれて、それぞれの窓は組み込まれたプロファイルに従って変化する。一方、オーストラリアのシドニーにおける7月2日午後1時には、太陽を利用して直射日光の当たっている窓を温めることで、建物での暖房装置の必要量を減らせるよう、太陽に面している窓が透明になる。また、建物の反対側の窓は、建物の中にこもった熱を維持するために暗くなる。SCに接続されたフォトセルは、現在の雲および天気状況に基づいて、SCが現在の不透明さを更に精密に調整することができるための外部センサー入力となるであろう。恒星情報は以前からよく知られており、何世紀間も計算可能であるので、SCデバイスにプロファイルとして恒星情報そのものが組み込まれる可能性がある。太陽を遮るかもしれない天気状況は、ランダムでありリアルタイムに発生する出来事である。
【0021】
このようなインテリジェント制御は幾つかの窓を自律的に動作させるが、規模の大きな実施においては、建物の窓の全セグメントを組織的な制御のもとに置くことが望ましい。比較的大きな環境タイプでは、それぞれの窓のプロファイルを用いるよりも、よりリアルタイムなデータ処理を実行させることで、どの地点においても建物のセグメント毎に不透明度のよりインテリジェントな決定を時間内にさせることができる。本発明のSCは、このようなモード動作をさせるために拡張させることが可能である。
【0022】
このシステムは、すべてのSPD窓を中央管理にすることによって、実質的に全ての建物配線問題を解消する。それぞれの「拡張型コントローラ」には、低消費電力、低データレート、限られた範囲で有効な、無線送受信機が装備されている。これらの無線送受信機は、それぞれのコントローラの周りの3次元的な空間に配置された他の「拡張型コントローラ(複数)」内にある一つまたはそれ以上の無線送受信機と2地点間ベースで通信することができる。SCマイクロプロセッサーには更にメッシュネットワーキングソフトウェアが装備されている。このようなタイプのソフトウェアは、長い年月の間、様々な形態を取りながら存在し続けてきた。無線送受信機は、特別にフォーマットされたデータパケットをお互いの間で送受信する。あるパケットはメッシュネットワーク自身を操作するために使用されるデータを含み、又、他のパケットはセンサーデータまたは窓の制御情報を含む。ルーティング制御パケットは送信されるメッシュコントロールパケットの一種である。それぞれのSCはメッシュネットワークにおける“ノード”であると考えることができる。ルーティング情報は、それぞれのノードにおける許可情報として使用される。その許可情報は、窓コントローラから他の中間にある窓コントローラへデータが移動することが可能なルートを示し、そのルートは、特定の個々の窓コントローラへの途中にある中間の窓コントローラ間にある“「階層的コントロールポイント」(HCP)”への、またはHCPからのパスに沿っている。HCPは、窓コントローラノードとは対照的に、特別なデータ処理ノードの位置であり、建物の幾つかのセグメントに対応する窓の不透明さの変化を調整することが可能である。幾つかの「オフィスコントロールポイント」(OCP)、「セクションコントロールポイント」(SCP)、「リージョンコントロールポイント」(RCP)、「フロアコントロールポイント」(FCP)、「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)および単一「ビルディングコントロールポイント」(BCP)が典型的な建物環境にはあるかもしれない。単一の「コントロールポイント」は小規模な実施において存在するかもしれず、とても大規模な実施においては全てのタイプの「コントロールポイント」が存在するかもしれない。追加的な「コントロールポイント」の使用はメッシュネットワークの通信オーバーヘッドを減少させ、窓の不透明さを変調するコマンドが送信されてからそれぞれの窓が実際に動作するまでの時間遅延を減少させる。本発明の実施例においては、どの窓のSCも「建物コントロールポイント」から送信されるコマンドが経由する「コントロールポイント」になることができる。「建物コントロールポイント」は「インテリジェントデータ処理システム」であるが、より低い階層的なコントロールポイントは比較的小さな規模の特定のコマンドと動作を備えており、どのような窓SCにおいても「マイクロプロセッサー」によって容易に取り扱われることができる。最も大規模な「拡張型コントローラネットワーク」の実施においては、BCPは「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)に対して全フロアにおけるそれぞれの窓の設定を変化させるように情報を与えることができる。そのMCPはこの要求をそれぞれのFCP(複数)に伝送し、FCP(複数)はその要求をRCP(複数)に伝送し、RCP(複数)はそのコマンドをSCP(複数)へ伝送するだろう。そして、SCP(複数)は、そのコマンドを、オフィスにあるそれぞれの窓コントローラへ要求された変化を実行するように命令するOCP(複数)へ転送するだろう。階層のそれぞれのレベルにおける多重ノードへの拡大によって、ネットワークのオーバーラップが無い異なる領域内でコマンドは同時に送信されるだろう。そこでは、待ち行列遅延が無いか、または殆ど発生せずに、コマンドが中間ノード間を通過するので、外見上はその建物中で要求が同時に実行される。
【0023】
一般に、窓コントローラはHCPが位置しているかもしれないそのビル内の位置と直接無線通信をしているわけではない。しかし、一般に、全てのコントローラは他の幾つかの窓コントローラと無線通信を行える範囲にあるだろう。メッシュネットワークソフトウェアは、中間ノードを通る一連のホップを介してデータパケットがソースノードから最終的に目的ノードに通じるパス沿いのどこかの隣接ノードに送信されることを許可する。ノード間に存在する多重パスのために、一般に、データは一時的に無線インターフェースを通過するかもしれないネットワーク領域中に届けられることができる。2地点間通信のデータの再送および認承は、送信されたデータを受信したネットワークにおいて一つノードから次のノードまでにデータが欠落していないことを保証する。そのような承認が受信されない場合には、ノードは、目的ポイントへの代替パス上にそのデータを送信してもよい。もし無線ネットワークのセグメントが孤立してしまった場合には、パケットホップ数はパケットの最終目的ポイントに到達しないであろうパケットがネットワークから削除されることを保証する。孤立したサブネットワークを生成する特定の無線通信失敗のためにデータが欠落したかもしれないので、終端間認承はソースノードおよび目的ノードにデータのそっくり全部が再送されなければいけない時を認識させる。「ビルディングコントローラ」に組みこまれた報告工程は、ネットワークの中にあるノードを監視し、互いに関連したデータを収集し、全てのノードが「階層コントロールポイント」と通信できることを保証するインストーラを支援するために窓コントローラアドレスを考慮に入れる。ネットワーク全体のある部分が他の部分から孤立していることが発見されると、一つのネットワークセグメントから他のネットワークセグメントへデータが移動するためのブリッジポイントを提供するために、ネットワークに存在するセグメント間の地理上の領域に特別なノードが組み込まれてもよい。一般に孤立したセグメントを一緒にブリッジするためには、少なくとも二つのノードがあるべきである。そのブリッジ(複数)は、どのSPD窓にも接続されていない窓「拡張型コントローラ(複数)」にすぎない。
【0024】
「拡張型コントローラ」は建物内のエネルギー使用量をより細かく制御することに使用されるかもしれない様々なタイプのセンサーを備えてもよい。光電素子はそれぞれのSPDガラス上に配置され、そのSCに接続されてもよい(図2および3参照)。ビルディングコントロールポイント“BCP”全てのSCにセンサーデータを定期的にBCPへ送信するように指示してもよいし、またBCPは光電素子および他のセンサーデータを読むために定期的にそれぞれのSCをポーリングしてもよい。BCPにおける最初のシステム設定手順を通じて、BCPは、建物の構造、窓が面しているコンパス方位、建物の緯度および経度、それぞれの窓の垂直方向からの角度、およびユニークノードの位置および窓アドレスを知っている。建物中の光電素子からの入力は、BCPが暖房および空調のために建物が要求するエネルギーの総量を低減するために、不透明度を増加または減少させる建物の最良の領域を決定するためのボーティング技術を利用することを認める。それぞれのSCに読み取り可能なコンパスおよびガラス角度検出器が組み込まれると、建物についてそれぞれの窓をより正確に制御するためのモデリング工程は、この設定情報が直接提供されることによって単純化される。
【0025】
BCPでは、一日のある時間および1年の何日かをシステムオペレータに対して建物の一部について特別な優先権を与えることを許可している。その範囲の地勢または他の建物からの反射光によるグレアを受ける建物の領域を特定するために、これは利用されるかもしれない。優先権の特徴は通常は透明の窓について建物のその部分におけるグレアを減少させるためにある期間たぶん暗くさせることを許可することであろう。したがって、建物のある領域は自動制御下になる一方、同時にその建物の他のセグメントは特別優先権状態下になるかもしれない。それぞれの制御の複合した組合せが同時に有効になってもよい。
【0026】
多くの“グリーン(Green)”建物はすでにハネウェルエンタープライズビルディングインテグレータ(EBI)のようなインテリジェントエネルギーコントロールシステムを取り入れている。これらのタイプのシステムは、新鮮な空気の循環、建物の臭いの除去、電気の使用量の制御、および未使用領域に対するエネルギー必要量の削減に関して、ビルディングHVACシステムを動作させ/監視し/制御する。これらの最高級のシステムは、建物の防犯、出入管理および監視、資産管理、火および煙の検出および、防火扉制御および構内放送システムをも取り入れている。本発明は、以前には決してすることのできなかった方法で、これらの最新式のシステムの機能を拡張する。これらのシステムは、建物の周りの熱の移動および空調の変化に従って太陽の利用を最適化することで、効率的に建物のスキン(skin)を一日中動的に制御できるかもしれない。両方のシステムの組み合わせは、組織的な方法で建物の多重サブシステムを直接制御するので、単独制御された窓またはBCP制御された窓が可能なレベルの効率化よりも更に高いレベルの効率化を提供する。
【0027】
本発明の実例において、BCPは、追加的なセンサーデータを外部システムに供給するためおよび外部システムが高レベルの形式で建物中の光量レベルの調整を要求することを許可するために、外部システムへのXMLインターフェースを供給するであろう。BCPはXMLリンクからの要求を受信し、外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」(IECS)によって要求された変化を生じさせるために、それらを解釈し、階層的なネットワークによって適切なコマンドを送信することによりそれらを実行する。このモードにおいて動作する場合は、BCPの自動制御は無視される。BCP/IECSリンクに渡るXMLコマンドまたはXML応答の断続的な“ハートビート”転送は、二つのシステムが同期を維持し、協調した動作をすることを保証する。ハートビートが失われた場合には、そのBCPは自動モードに戻ることができ、IECSシステムがオンラインに復帰するまで独立して建物を動作させる。
【0028】
本発明は、居住用または商業用建物内の全ての窓間の大規模な無線ネットワークを構築するために、それぞれの窓コントローラデバイスと一緒に設置された低コスト、低消費電力、通信距離範囲が限られた無線送受信機を利用する。建物内の窓は一般にお互いが10メータ以内にあるので、通信距離範囲が限られた送受信機は、この環境に対して完全に適合している。それぞれのコントローラにおいてソフトウェアによって駆動されるマイクロプロセッサーはコントローラのローカルアプリケーション機能を動作させる一方、ソースノードおよび目的ノードが、お互いの距離が遠いためにお互いに直接通信をしない場合であっても建物内のソースノードから目的ノードへのメッセージを送信するために使用される無線パケットスイッチングタイプソフトウェアを同時に実行させる。ソースノードから目的ノードへ移動されるべきデータは、ソースノードから無線可能な送受信機へ送信され、パケット化されたデータを所望の目的ノードへ到着させるパスに沿った無線可能なその他の無線送受信機へ送信される。
【0029】
コンピュータが多数接続されている配列中の中間ポイントを介してソースコンピュータから目的コンピュータへメッセージを移動させる技術は、最初「パケットスイッチング」と称されており、インターネットの前身である1969年のアーパネットを最初の特徴とした。1969年12月に動作可能であった代表的なアーパネットの4ノードネットワークである図6は、データパケットをIMP62へデータを転送するであろうインターフェースメッセージプロセッサー(IMP)61、および目的ホスト163へデータが渡されるIMP63へデータを渡すことによって、ホスト161からホスト163へデータパケットを潜在的に送信することが可能であっただろう。IMP62がIMP63へのリンクがある一定期間機能しないことを検出する場合には、ホスト161からホスト163への同一データは欠落した直接リンクを使用する代わりにデータをIMP63へ転送するIMP64を通って転送されることができるであろう。パケットスイッチネットワークの概念は、いくつかの個別の通信パスでのサービスができない状態になる場合であったも、最終的な目的ポイントへパケットを到達させるための代替パスを配置することである。あるパケットネットワークは、リンク欠落が起こった場合に代替データパスを決定するために特定のルーティングテーブルを利用し、最初のパスまたは代替パスが使用されるべき時期を決定するアルゴリズムを備えている。他のパケットネットワークは、ネットワークにおける全ての最終目的ノードへの最良のルートリストを継続的に維持するために隣接したノード間で定期的に更新される動的に更新されるルーティング情報を有している。
【0030】
ハードウェアおよびソフトウェアにおける進歩によって、ホスト(アプリケーションプロセッサー)とノード(「インターフェースメッセージプロセッサー」−IMP(複数))のパケットスイッチングネットワークとの分離はすでに必要なくなった。長距離通信による非常に高額なコール(当時における)を介する代わりに常に局所的にメッセージが配信されることを許可していたネットワークを通過するメッセージによって、1980ITT−DTSファクスパックファクシミリ蓄積交換パケットスイッチングシステムは当時の異なる速度のファックス機間の互換性を提供するアプリケーションに統合された。図7における「広域ページング」ネットワークにおいてはネットワーク内のどのノードも、ダイヤルイン電話呼び出しによって特定されるページングメッセージ(電話番号)、オペレータから受信されるテキストメッセージ、または遠隔ノードから受信されるメッセージ、目的ノードにおいて符号化され送信されるであろうページングメッセージを受信することが許可されたアプリケーションを動作させていた。同じノードで動作したパケットスイッチングソフトウェアは、複数の都市における人間を呼び出すために、適切な目的ノードまたは複数の目的ノードにページングアプリケーションパケットが届けられるように指示していた。
【0031】
パケットネットワークは、一般に異なる都市にあるノード間の専用通信回路によって動作している。つい最近になって、同一のマルチ−パスパケットスイッチング技術がノード対間の有線リンクの代わりに無線リンクを利用する無線送受信機ネットワークに配備されてきた。これらの無線パケットスイッチングシステムはメッシュネットワークとして知られるようになった。図7と同様の2次元配線通信回路とは違って、メッシュネットワークにおける無線デバイスは、それぞれのノードの3次元領域内における2地点間通信を許可する。それぞれの窓がノードを示すかもしれないオフィス環境においては、特定の窓から数フィート左または右内にある窓は、特定の窓から数回上または下の階に潜在的にある窓としてだけではなく、潜在的な中間ノードとして考えられることができる。
【0032】
この実施例においては、それぞれの送信パケット中のヘッダーパケットはソースノードアドレス、目的ノードアドレスおよび目的ノードへのパスに沿った次のホッピングポイントのアドレスを特定する。この「拡張型コントローラ」がネットワーク中の他のポイントへ情報を送信する場合には、このデータは3次元の中へ送信される。多くの受信機は、受信機が受信するデータ中に干渉を検出し、受信されたデータを無視するであろう。いくつかの他の受信機は送信エラーを有するパケットを受信するかもしれない。正確に受信されたパケットによって指示されるノードだけがそのパケットを保持するであろう、そしてそのノードはそのパケットを解析し、データ項目が最終目的ノードまでの途中にあるその他の中間ノードへ送信されるべきか否か、またはそのパケットがそのノードにおけるアプリケーションソフトウェアによって取り扱われるべきか否かを決定するであろう。
【0033】
多重コマンドが発行され、そのネットワークの異なるポイントにおいて同時に実行されることを許可するために、論理的な階層構造がそのネットワークに持ち込まれる。あるネットワークノードは、より下位レベルの「階層コントロールポイント」へデータを転送するだけの「階層コントロールポイント(HCP)」に指定される。結局、その最下位レベルのHCPは論理的にネットワーク内の全ての「拡張型コントローラ」のサブセットだけにデータを転送する。この論理的な設定は単一コマンドが多重コマンドへ分けられることを許可し、これらのコマンドのそれぞれが更により多くの多重コマンドに拡大することを許可し、それらによって最上位レベルにおける最小数の制御メッセージが最大数のノードを制御する。したがって、建物のセグメント内にある全ての窓を透明にする一つのコマンドは最上位レベルのノードにおいて発行され、建物内の所望の窓に効果を与えるためにこのコマンドが送信されることが必要であると理解されるより下位レベルのノードに転送されるであろう。
【0034】
一方、到達すべき緊急データ項目であると見なされるセンサーデータは、個別の「拡張型コントローラ」において捕捉され、データ項目が最上位レベルのHCPに到達するまで、より上位のそして更に上位のHCPレベルに転送される。
【0035】
図1に転ずると、単一の外部デバイス1からの手動調整下のSPD窓コントローラ2が参照される。それは窓5を制御する。
【0036】
図2は、制御下の窓5に照射される太陽光の明るさを検出するためのフォトセル10が付加された図1のコントローラを示す。
【0037】
図3は、コントローラの「拡張型ネットワーク」動作だけではなく、より洗練されたコントローラの能力を支えるいくつもの異なる機能を実行するマイクロプロセッサー3を取り込むことによって生み出された「インテリジェントコントローラ」である。センサー8からの付加的な入力は、「拡張型コントローラ」が決定を行うために使用するかもしれないデータ量を増やす。
【0038】
図4は、制御ソフトウェアにおけるセットアップ手順を用いてユーザによって設定されたコントローラの直接制御下にある一つまたはいくつかの窓枠51―54と繋がっている複数の手動入力1を備えた「インテリジェントインテリジェントコントローラ」を示す。一つの単一手動入力は、一度に一つの窓または、二つ、三つまたは四つの窓を、まるで一つのSPDガラスの部分であるかのように制御してもよい。一つ以上の手動入力が、同じ部屋の異なるポイントから動作する手動制御を支援するために、同じガラスの組を制御することに使用されるかもしれない。
【0039】
図5はこの例における四つの窓枠の異なる組み合わせ、およびセットアップソフトウェアが個別の窓枠のどのような組み合わせセットをも単一のガラス窓枠として取り扱うことを示す。「拡張型コントローラ」のもとにおける四つの窓の設定については、ここでは四つの窓をA、B、C、Dと称する、窓ACが単一の窓として制御され窓BDが他の単一の窓として制御されるように、または窓BCDが単一の窓として制御され窓Aが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCDが単一の窓として制御され、または窓ABCDが四つの別々の窓として制御されるようにユーザが設定してもよい。
【0040】
図6は、目的ポイントに到着するために中間ノードを通る代替パスに沿って送信されるかもしれないデータが含まれる初期のパケットスイッチングまたはメッシュネットワークの一つを示す。これは、1969年の4ノードタイプ「アーパネット」の例であり、今日のインターネットの先駆けとなっている。ホストコンピュータはデータをこのネットワークにある他のホストコンピュータへ送信し、所望の目的ホスト163へ直接接続された特定のIMP63の方向へ更にパケットを中継するであろう目的ポイントではない他のEVIP62、64へデータパケットを送信するために「インターフェースメッセージプロセッサー(IMP)」61のサービスを利用する。
【0041】
図7は、初期のアーパネットシステムにおけるホストおよびIMPの機能の組み合わせによるパケットスイッチングソフトウェアを実行している同じコンピュータ上で特定の処理アプリケーションが動作する、さらに進歩したパケット交換メッシュネットワークを示す。マイクロプロセッサー能力の向上はシングルプラットフォーム上においてこれらの機能の結合を可能にした。これは、市規模の孤立した無線呼び出し(ポケベル)システムを、ちょうど一つの市の代わりにその国のどこに位置していても誰かに警報を発することができる全国的なネットワークに改造した発明者によって生成されたDLHプロトコルを使用する「無線呼び出しネットワーク」アプリケーションの一例である。アーパネットおよびインターネットはそれぞれのノードにおいて目的地への最良のルートリストを動的に維持するためにRIPのような正式なルーティングプロトコル規格を使用する。DLHは主要なルートおよび代替ルートのリストを維持するために独自仕様のルーティングプロトコルを使用する。その独自仕様のDLHネットワークは、結局その発明者が作成することを助けた無線ページング産業標準TNPPプロトコルに取って替えられ、その発明者が議長となった産業委員会は11年以上もの間このプロトコルの使用を促進してきた。TNPPプロトコルは、それぞれの目的ノードへの最良のパスおよび代替パスを維持するために、製造業者特有の独自仕様ルーティングプロトコルとともに使用された。ノードB72において発生したページングメッセージは、ポケベル受信機171へ情報を伝達するアンテナと次々に連結するノード71に到達するまで、他のノード73、74へ伝達されるかもしれない。
【0042】
図8は、「拡張型コントローラ」ノードに備えられた他の送受信機へデータパケットを送信する無線送受信機と一体化した図3の「インテリジェントコントローラ」から構成される「拡張型コントローラ」ネットワークを示す。インターネットRIPと似ているルーティングデータは、それぞれの「コントローラ」ノードにおいて目的ノードへのパス上にあるデータを受信するための最良の次のノードのリストを維持する。図6および7の有線のネットワークと違って、図8の無線ネットワークは受信したデータよりも異なるノードへアドレスされたデータを時々適切に受信するかもしれない。この場合には、その受信されたデータは目的ポイントへの最適のパスに沿った次のノードではないノードによって無視され/捨てられる。それぞれのコントローラ81、82、83、84はコントローラ、マイクロプロセッサーおよび無線送受信機を有している。
【0043】
図9は、「マスタービルディングコントロールポイント」(MBCP90)がネットワークノードの一つに接続されている図8のネットワークの例を示す。MBCP90は、昼夜のいつでも特定の不透明度に自動的に設定される建物の部分を決定するデータ処理サイトである。「データ処理」システムは、任意にインターネット91および多くの建物所有者に代わってSPDビルディングスキンコントロールシステムの動作を監視する遠隔中央モニタリングサービス92に接続されてもよい。
【0044】
図10は、たとえ最初のBCPが機能しなくなることがあってもシステムが正常に動作を続けることを保障するために、ネットワークにおいて支援される冗長「マスタービルディングコントロールポイント」(BCP)の例を示す。一つのMBCP(データプロセッサーとして示されている。)は、ノード81に接続されており、二番目のMBCP(同じくデータプロセッサーとして示されている。)はノード87に接続されている。
【0045】
図11は、建物の異なる領域が有するであろう建物のある部分における「拡張型コントローラ」の動作を監視する異なるタイプの「階層的なコントロールポイント」(HCP)を示す。
【0046】
図12は、「コントロールポイント」の「階層的な」マッピングであり、最も上位レベルの「コントロールポイント」において生成されるコマンドが、どのように論理的にさらに下位の階層レベルにおけるますます多くのエレメントにコマンドを配信するより下位レベルの「コントロールポイント」に配信されるかを示す。幾つかの「オフィスコントロールポイント」(OCP)、「セクションコントロールポイント」(SCP)、「リージョンコントロールポイント」(RCP)、「フロアコントロールポイント」(FCP)、「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)および一つの「ビルディングコントロールポイント」(BCP)が典型的な建物環境にはあるかもしれない。単一の「コントロールポイント」は小規模な実施において存在するかもしれず、とても大規模な実施においては全てのタイプの「コントロールポイント」が存在するかもしれない。追加的な「制御ポイント」の使用はメッシュネットワークの通信オーバーヘッドを減少させ、窓の不透明度を変調するコマンドが送信されてからそれぞれの窓が実際に動作するまでの時間遅延を減少させる。本発明の実施例においては、どの窓のSCも「マスタービルディングコントロールポイント」から送信されるコマンドが経由する「制御ポイント」になることができる。「マスタービルディングコントロールポイント」は「インテリジェントデータ処理システム」であるが、より低い階層的な制御ポイントはどのような窓SCにおいても「マイクロプロセッサー」によって容易に取り扱われる比較的小さな規模の特定のコマンドと動作を備えている。中間的な規模の「拡張型コントローラネットワーク」の実施においては、MBCPは「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)に対して全フロアにおけるそれぞれの窓の設定を変化させるように情報を与えることができる。そのMCPはこの要求をそれぞれのFCP(複数)96.99に伝送し、FCP(複数)はその要求をRCP(複数)97、100、101、102に伝送し、RCP(複数)はそのコマンドをSCP(複数)へ伝送するだろう。そして、SCP(複数)は、そのコマンドを、オフィス(明確には図示されていない)にあるそれぞれの窓コントローラへ要求された変化を実行するように命令するOCP(複数)へ転送するだろう。階層のそれぞれのレベルにおける多重ノードへの拡大によって、ネットワークのオーバーラップが無い異なる領域内でコマンドは同時に送信されるだろう。そこでは、待ち行列遅延が無いか、または殆ど発生せずに、コマンドが中間ノード間を通過するので、外見上はその建物中で要求が同時に実行される。
【0047】
図22は、建物内にあるすべてのSCへコマンドを送信する「マルチフロアコントロールポイント」MCPのポイントからポイントへの通信負荷を軽減するために、コントロールポイントの階層を形成する論理的な接続を示す。開示されている例においては、MCPは隔離されたLAN上に最適に配置された二つの「フロアコントロールポイント」(FCP)へコマンドを送信する。同時に、それぞれのFCPは、オフィスコントロールポイント(OCP)へコマンドを次々に転送するかもしれないセクションコントロールポイント(SCP)へコマンドを中継することができる。それぞれのOCPは、同時に受信したコマンドを、それぞれのOCPが責任を持つ一つまたは複数のSCへ中継するかもしれない。最終的に、全てのSCは要求されるコマンドを受信するであろうが、階層的な構造はMCPからそれぞれのSCに到達するためにネットワーク全体を横断する総データ送信回数を減少する。
【0048】
図13は、XMLインターフェース112経由で「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」(IECS)111を備える「マスタービルディングコントロールポイント」110インターフェースを示す。図23は、より詳細に、一つの建物内の全ての個別の窓に対する中央制御知能を与える「マスタービルディングコントロールポイント204」が、外部システムがMBCPを経由でセンサー入力を受信しその制御の下でいくつかの窓または全ての窓の設定を変更するためにMBCPへコマンドを送出するために、どのようにXML209リンクを経由で外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム210」へ接続できるかを示す。
【0049】
図14は、空を横断する太陽の通り道がどのように変化し、どのように一日の太陽光が建物の窓に降り注ぐかを示す。地球が太陽の周りを公転するので、太陽の通り道は一年のそれぞれの日に少し変化する。惑星上のどの緯度および経度に対しても、太陽の通り道が横断することはよく知られている。
【0050】
本発明のその他の実施形態は、窓の配列をマルチメディアディスプレイの一部とする。オフィスビルディングは、オフィスビルディングがある都市の外観をよくするような方法でしばしば装飾される。たとえば、ヒューストンにおいては、多くの大きな建物は、それぞれの晩における都市の空を背景とした輪郭を形成するために、それぞれの建物の周囲上の小さな明かりの列で建物の輪郭が描かれる。休日には、多くの建物は、建物に主に人がいない場合に休日と関連したあるパターンを表示するために、建物中の特定の光を夜中に点滅させるであろう。例えば、クリスマスの間は、大きな建物の窓には十字架またはダイヤモンド形状のパターンが、建物の異なるフロアレベルにおいて、および隣接した建物において冬季の風物詩の一部として現れるかもしれない。
【0051】
この実施形態は、映像プレゼンテーションの一部として使用してもよいようにMBCPの機能を拡張する。このコントローラは、コントローラの制御下で透明状態から暗状態へのどのような設定もまたは手動制御下またはMBCPからの自動制御下におけるどのような設定へもどのガラスの窓枠をも変化させる能力をすでに有しているので、この性能を付加しても影響を受けない。従って、特別な、エネルギー効率性に関連したアプリケーションが、建物オペレータによって望まれるような特別の方法で窓を動作させるためにMBCP中に存在するかもしれない。
【0052】
(テキストメッセージモード)
二つのモードは同時に動作してもよいが、二つの動作モードがある。第一のモードは、テキストディスプレイにメッセージを形成するためにSPD窓を使用する。この極めて単純なアプリケーションにおいては、それぞれのSPDガラス窓枠は、情報の一ピクセルを示す。その窓枠サイズおよび文字を作り出しているそのマトリックスサイズは、その窓からどのぐらい離れてユーザが形成された文字を明確に読むことができるかを規定している。ある場合には、4または9(2行2列または3行3列)個の窓による正方形の箱が、個別のピクセルサイズを増加させるために一つのピクセルとして制御されるかもしれない。それぞれのコントローラは、ピクセルをオンまたはオフ、またはある程度の濃淡を設定するためのMBCPからのコマンドを受信する。48個の窓を一組として使用することによって、6行8列のピクセル配列はいずれかの文字または句読点を形成し、それぞれの文字の周囲に一つのピクセルを含むようにしてもよい。
【0053】
MBCPはもう一つのモードで動作してもよく、この場合にはMBCP上におけるローカルコンソールよりも外部システムによって、表示されるべきメッセージ(または複数のメッセージ)が与えられる。そのMBCPは、メッセージ入力のためにいくつかのインターフェースを支援するであろう。これは、MBCPと外部システム間のXMLタイプコマンドセットを含む。そのコマンドセットは、LAN接続、シリアルポート、赤外線ポートまたは他の物理的手段上で動作してもよい。そのMBCPは、表示される文字または言葉またはメッセージのシーケンス、タイミング情報,およびピクセル開始位置によってプログラムされてもよい。特定の割合で窓またはピクセルの設定を変更することは、テキストメッセージが幾つかの窓に渡ってスクロールする感覚を与えるであろう。これは、たとえば、右側の一つの窓の設定を左側にある一つの窓へシフトさせて、ディスプレイの左側にあるピクセルデータの一つの垂直方向列を除去させることによって実行される。最も右側の窓におけるピクセルのその列は、表示されるべき次の文字のためにある。これは、右から左への円滑なスクローリングを提供する。同様の方法でその文字は反対方向へ書かれた言葉のために左から右へもスクローリングされてもよい。それぞれのテキスト列の開始位置は、窓があるどこかの階またはいくつかの階でメッセージが同時に開始してもよいように特定されてもよい。
【0054】
MBCP内のロジックは、SPDガラスの性能を活用する他のテキストディスプレイの特徴をも備えてもよいだろう。たとえば、文字が逆さまに表れ、右が上に変えられてもよい。その文字は、それぞれの文字を形成している何れかの列沿いに垂直方向に回転されてもたぶんよいだろう。ピクセルは透明状態から始めることができ、文字はそれぞれのピクセルを個別に暗状態に変化させる事によって形成され、または何らかの興味深い特別な効果のために上から下へまたは下から上へ形成されることができる。単語は同様の方法でディスプレイに表示されることができる。ピクセル列を左から右へおよび右から左へ暗くして文の中央で出会うようにまたは中央から暗くして左側および右側に放射状に暗くする。または、異なる開始列が選択され、ピクセルが一つの方向へまたは文字の場合のように両方向に暗く放射状に広がってもよい。与えられた強度で一度に文字を表示するよりももっと興味深くディスプレイに表示させるために可能な表示方法の組み合わせには限りがない。もちろん、これらの特別な表示方法のどれもが、XMLインターフェースを介して外部デバイスがSPDガラスの配列を駆動することにより可能になるだろう。
【0055】
この例は、メッセージを表示する手段としてオフィスビルディングにおけるSPDガラスの使用を見直すことになるが、それぞれのガラス窓枠またはピクセルサイズにもよるけれどもこの例はより小規模のアプリケーションに小型化されるかもしれない。たとえば、メッセージがアトリウムの下に立っている人々の頭の真上を、SPDガラスのアトリウムに渡ってスクロールされ得るだろう。あるいは、とても小さなガラス窓枠が使用されれば、SPDガラスの小さな動画ディスプレイが生成され得る。
【0056】
(ビデオモード)
SPD窓の構造は、それぞれのピクセルが0%から100%までの範囲でその範囲の終端はオフ状態またはON状態と考えられるどのような濃淡レベルにも設定されることができる大量のピクセルとしても観察されるかもしれない。そのようなディスプレイを見ている人々を楽しませる多くのランダムなおよびよく構成された視覚的な効果を提供するためには、大規模な配列におけるそれぞれのピクセルに渡る光量レベルの異なる設定の組み合わせは数限りなくある。多くの予めプログラムされたシーケンスのセットは定義され、MBCPに記憶されてもよい。それぞれのシーケンスはガラスにおいて幾つかの特別な視覚効果を提供するかもしれない。シーケンスは以下のように定義されてもよい。
・全く暗い状態から非常に明るい状態へのフラッシュ
・全く暗い状態から始まり透明な状態にゆっくり明るくする
・左側から右側へ
・右側から左側へ
・上から下へ
・下から上へ
・正方形を大きくする方法で中央から端へ
・端から中央へ
・チェッカーボードパターン
・そして多くの多くの他のシーケンス
【0057】
MBCPはシーケンスを起動する多くの手段を支援し、予めプログラムされたシーケンスセットの‘スクリプト’を保存しておけるように支援するであろう。MBCPはシリアルポートまたはPCのLAN接続部を介して駆動されることができるであろう。MBCPは、実際にはボタンおよびスイッチの配列である外部デバイスを支援することができ、ここではスイッチ設定の組み合わせおよびボタンを押すことが予めプログラムされたシーケンスを起動する。このように、レーザ光が音楽演奏に合わせた予めプログラムされた光効果を起動するためにオペレータに類似タイプのパネルを使用することを示すのと同様に、オペレータは外部音楽に合わせてシーケンスを“演奏”できるかもしれない。新しいシーケンスの複雑な配列はオフラインで確立されてもよいし、外部システムからMBCPへいつでも送信されてよい。これらの外部シーケンスの幾つかは後にMBCPに記憶されてもよく、外部デバイスからそのシーケンスが繰り返しダウンロードされるよりも参照番号によって呼び出されてもよい。マルチメディア環境における更なる統合のために、窓配列が完全に暗状態に設定される場合には、SPDガラスにおいて動画を表示するためにビデオプロジェクターが潜在的に利用され得る。外部ビデオプロジェクターにビデオデータの表示を開始するコマンドが送信される場合に、このシーケンスが要求されるであろう。
【0058】
シーケンスの一つの瞬間的な状態に関連するピクセルの配列は、関連するピクセルを適切な設定にするために必要なそれぞれのコントローラへの無線コマンドの送信によって特定のレベルに設定される。その無線コマンドはMBCPにおける無線インターフェースから直接に、または特定のピクセルのコントローラがそのMBCPと直接通信できない場合には、配列(メッシュパケットネットワーク)におけるいずれかの中間ノード(複数の中間ノード)またはコントローラ(複数のコントローラ)を介して受信されてもよい。
【0059】
MBCPの窓配列において視覚的な特別な効果を提供する能力は、MBCPに支援される特別なインターフェースのセットによって更に強化される。このMBCPは、「インテリジェントコントロールシステム」に基づく照明産業標準DMXに対する制御可能な照明システムとして表現され得る。これらのシステムはマルチメディア照明ショーを支える特別な効果のあるスクリプトの生成および記憶をすでに支援してきた。
【0060】
(SPD窓のX.10制御)
本発明のコントローラは、大規模な建物環境における自動遠隔制御を支える無線ネットワーク上で動作してもよい。しかし、おおよそ16個の窓を有する居住用の計画のようなより小さな環境においては、この無線制御による解決方法はある状況においてはとても値段の高いものになってしまうかもしれない。この状況を解決するために、拡張型コントローラの他の実施態様がある。上述した無線送信機および受信機をコントローラに統合する代わりに、本発明は110ボルト交流または220ボルト交流電力線を介してX.10制御信号を受信することができるインターフェースを上述のコントローラに備える。X.10通信プロトコルを保護していた米国特許は現在有効期限が終了している。現在のところ、存在してきた期間、存在する互換性のある製品数、電力線上で制御信号を送信するX.10コントローラの入手容易性,およびそれらが低コストであることから、X.10と互換性のあるインターフェースは望ましい。図18はX.10信号を送信し、窓183へコマンドを次々に送信するX.10デコーダ182へコマンドを送信するコントローラ181を示す。X.10インターフェースのオプションは、一つまたは二つ以上のガラス窓を動作させるコントローラ回路カード上に設けられるであろう。それぞれのコントローラは、110ボルト交流または220ボルト交流電力線へ直接接続される電力線を介して動作するであろう。256個の窓まではこの環境で制御されるかもしれない。それぞれの窓コントローラは、「X.10文字」(ホーム/ネットワークID)および「番号コード」(デバイスID)で指定されるであろう。窓コントローラがそのアドレスを電力線バス上で参照する場合には、窓コントローラはON信号、OFF信号、DIM・UP信号、DIM・DOWN信号のようなコマンド信号を探すであろう。ON信号は、窓を完全に暗状態に設定する信号としてコントローラにおいて実行されるだろう。OFF信号は、窓を完全に透明な状態に設定するものとして解釈されるであろう。コントローラは、現在の窓の設定をその制御の下で維持する。DIM・UPコマンドは、窓の暗さを0%から100%の方向へゆっくりと増加させ、DIM・DOWNコマンドは、ゆっくりと暗さを減少させ窓をより透明にするであろう。これらの4つの信号を256個の可能なX.10アドレスの何れへも送信することができる全てのX.10デバイスは、全てのSPD窓を制御することが可能であろう。X.10コントローラは、手動制御下でこれら4つの信号を送信するために、またはコンピュータが一日の特定時刻にコマンドを送信するようにプログラムするために現在存在する。これは、少ない数のSPDデバイスをローカルに制御するとても簡潔な手段を提供する。X.10デバイス、Z−Wave、Insteon、および802.11.15ZigBeeへの幾つかの無線交換を支援する類似のインターフェースが存在するであろう。
【0061】
図15は、24個の窓または窓枠をそれぞれ制御する5個のコントローラを示す。これらの窓枠はAおよびBがそれぞれお互いに隣り合い、EおよびDは直接AおよびBの下にあるように物理的に配列されるかもしれない。これは8行12列のピクセル配列を形成するであろう。MBCPからのコマンドは、ローカル送信機、M、を介して無線メッシュネットワークへ送信されるであろう。それはコントローラDと直接に通信することができるかもしれないが、コントローラBに到達することはできない。従って、ノードコントローラCを介してノードコントローラBへコマンドが中継されるようにピクセルを設定する。ノードAにおける設定を制御するために、コマンドは、たとえば、パスM、D、E、AまたはパスM、D、B、AまたはパスM、C、B、Aを介して通信されてもよい。
【0062】
図16は、左側と上部の境界に一つの窓またはピクセルを有し、7行、5列の暗くなった窓のピクセル配列中に形成される文字“E”を示す。
【0063】
図17は、隣合った窓枠と数パーセントだけ照明効果が異なるそれぞれの窓枠を示す。
【0064】
この発明は従来から存在した制御範囲をはるかに超えたSPDの制御範囲を提供するという点で評価されるであろう。本発明における“拡張型コントローラ”別名を“SC”というは、従来のコントローラの性能をはるかに拡張する知能を提供する。従来の実施においては、一つから幾つかのガラスを単一のコントローラが制御しているかもしれない。ここで、いくつかという数字は8個のような比較的小さな数であって、それぞれのガラス部分はコントローラに有線で接続されている。「拡張型」コントローラは、ユーザが設定してもよい関係である手動外部制御あるいはいくつかの個別の手動制御と、どの窓または複数の窓がその手動設定から制御されることが可能かという関係についての設定段階を更に提供する。「拡張型コントローラ」のもとにおける四つの窓の設定において、ここでは四つの窓をA、B、C、Dと称する、ユーザが、窓ABが単一の窓として制御され、かつ窓CDが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCが単一の窓として制御され、かつ窓Dが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCDが単一の窓として制御され、または、窓ABCDが四つの別々の窓として制御されるよう、図5に関連して前述したように設定してもよい。
【0065】
このようなインテリジェント制御はいくつかの窓が自立的に動作することを許可するが、大規模な実施においては、建物の窓の全セグメントを組織的な一連の制御の下に置くことが望ましい。比較的大きなタイプの環境においては、個別の窓のプロファイルを使用するよりも、組織的な一連の制御はリアルタイムデータ処理を実行でき、どのポイントにおいても時間に間に合って建物のセグメント毎の不透明度をよりインテリジェントに決定することができる。本発明のSCはこのような方法で動作するために拡張することができる。
【0066】
SCが手動モードの場合には、SCが制御しているSPDガラスまたはプラスチックの不透明度を正確な設定に制御するために、SCは部屋の居住者からの入力を利用する。使用可能な異なる手動入力デバイスには範囲がある。スイッチ、抵抗のようなデバイス、または可動部品はないが、たとえば私の全てが利用される、指の接触を検知することができる容量タイプのデバイスがその範囲に含まれる。しかしSC(複数)は、SCが接続されているローカル領域ネットワークを介して送信されたコマンドを受信することかもしれない。SCは、実行されるべき機能を制御するためにネットワークのどこにいてもコマンドを受信できるようにLANカードのプラグインを許可する。多重LANは、建物の窓で覆われている物理的な領域サイズを増加させるために、「リピータ」または「ブリッジ」を介して接続されてもよい。LANが最大長に達してしまった場合には、建物内のそれぞれのSCに到達できる広域ネットワークを生成するために独立したLANを互いに接続するルータが配置され得る。広域ネットワークの目的は、それぞれのSCが中央知能ポイントから発行されたコマンドを受信できるようにすることである。中央知能ポイントである「マスタービルディングコントロールポイント」(MBCP)においてはデータ処理システムがそれぞれの窓に対して最善の設定をするように決定を行っている。MBCPは、センサーデータをポーリングすることによってSCと一緒に用いられるセンサーからのデータを取り込むことができる。そしてMBCPが接続されているネットワークを介して読み込まれるかもしれない他の入力から、MBCPは、建物全体の現在の不透明度レベルの最適設定方法を決定するために緯度情報および経度情報、時刻、通日、および他の事実を利用する。MBCPはこの場合に最適の設定を選択するためにネットワークを介してそれぞれの個別の窓にコマンドを送信してもよい。
【0067】
「拡張型コントローラ」は建物内のエネルギー使用量をより細かく制御することに使用されるかもしれない様々なタイプのセンサーを備えてもよい。光電素子はそれぞれのSPDガラス上に配置され、SCに接続されてもよい(図2および3参照)。「マスタービルディングコントロールポイント」“MBCP”全てのSCにセンサーデータを定期的にMBCPへ送信するように指示してもよい、またMBCPは光電素子および他のセンサーデータを読むために定期的にそれぞれのSCをポーリングしてもよい。BCPにおける最初のシステム設定手順を通じて、BCPは、建物の構造、窓が面しているコンパス方位、建物の緯度および経度、それぞれの窓の垂直方向からの角度、およびユニークノードの位置および窓アドレスを知っている。建物中の光電素子からの入力は、BCPが暖房および空調のために建物が要求するエネルギーの総量を低減するために、不透明度を増加または減少させる建物の最良の領域を決定するためのボーティング技術を利用することを認める。それぞれのSCに読み取り可能なコンパスおよびガラス角度検出器が組み込まれると、建物についてそれぞれの窓をより正確に制御するためのモデリング工程は、この設定情報が直接提供されることによって単純化される。
【0068】
LANのバックボーン上の全負荷を低減し、本当に同時に実行されるべきコマンドがネットワークを横断するために、「インテリジェントコントロールポイント」の一つの階層が生成されてもよい。コントロールポイントは、MBCPに代わって中継局として動作するようにMBCPによって指示された個別のSCにすぎないであろう。階層の最も高いレベルにおいて、「マスタービルディングコントロールポイント」は、建物内のSPDガラスの全ポイントにおける不透明度の現在の設定をインテリジェントに決定する存在である。実施サイズに応じて、いくつかのレベルの階層がある。「マスターコントロールポイント」は不透明度変更コマンドを、いくつかのより低いレベルの「階層コントロールポイント」と順々に通信する一つまたは二つ以上の「階層コントロールポイント」へ送信し、最終的にはこのコマンドはコントロールポイントが責任を持つそれぞれの個別のSCに到達する。このように制御をマルチレベルに分配することは、「マスターコントロールポイント」が存在するLANを通過するデータパケットの量を低減し、コマンドをこのようにそれぞれのローカルLANへ分配して伝送することによりマスターおよびバックボーンネットワークの負荷を低減する。この制御は、それぞれの「階層コントロールポイント」がそれぞれのローカルLAN上のマスターに対するコマンドの分配を実行するので、それぞれのコマンドがマスターコントロールポイントから直接送信されるべき場合よりも早くコマンドが実行されることも可能となる。従って、コマンドは直列的にLANを伝送される代わりに多重LANに同時に送信される。この制御によって、とてもたくさんの「懸濁粒子デバイス」がより早く同時に変化することが可能となる。
【0069】
本発明の実例においては、MBCPは、窓着色情報および追加的なセンサーデータを外部システムに供給するため、および外部システムが建物周囲の着色レベルの調整を要求することまたはその制御の下に部屋の光量の調整を許可するために、外部システムへのXMLインターフェース(図13に示されるように)を供給するであろう。MBCPはXMLリンクからの要求を受信し、外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」(IECS)によって要求された変化を生じさせるために、それらを解釈し、「階層的な」ネットワークを介して適切なコマンドを送信することを実行する。このモードが動作する場合は、最適の方法で全ての窓を設定するように指示するために生成された情報を使用するよりもむしろMBCPの自動制御が選択的に無視され得る。代わりに、そのコマンドは、IECSから受信されたXMLメッセージに基づいて生成される。MBCPまたはIECSリンクに渡るXMLコマンドまたはXML応答の断続的な“ハートビート(Hearbeat)”転送によって、二つのシステムの同期が維持され、対等の動作が保証される。ハートビートが消失した場合には、そのMBCPは自動モードに戻ることができ、IECSシステムがオンラインに復帰するまで独立して建物を動作させる。選択的に、そのMBCPは、そのIECSにその動作を増強する手助けのデータを供給し、窓の着色の直接制御を保つことができる。
【0070】
図19は、パケットをLAN上にある「マスターコントロールポイント」(MBCP)192へLAN193を介して送信することができるようにLANインターフェース194と一体化した図1の「インテリジェントコントローラ」から構成される二つの「拡張型コントローラ」(SC(複数))191、192を示す。
【0071】
図20は、ケーブル長のために、LAN201がその最大の能力に達してしまった場合に、LANサイズを拡大ための別のLANセグメントを追加するために取り入れられるかもしれないブリッジ202を示す。この方法は、より多くのコントローラを全てのSCの設定を制御している「マスタービルディングコントロールポイント」204へ接続するために採用された構造としては最初の方法であろう。この図は、共有配線にぶら下がっている多重SCよりも個別のSC206に直接接続するハブ205をも表している。ハブ205および個別のSC206との接続は有線または可能であれば無線でもよい。無線LANの使用は、建物制御ロジックを含む「マスターコントロールポイント」204へ接続するであろうネットワークへ全ての「拡張型コントローラ」を接続するために行われなければならない建物の配線量を減少させる。
【0072】
図21は、LANセグメントおよび「ブリッジ」/「リピータ」202の配置数が最大に達してしまった場合に、ローカルネットワークのサイズを更に拡大する方法を示す。新しい独立したLANセグメントがルータ207に接続されることを許可するルータ要素207が追加される。ルータ207はデータが異なるLAN上のLANアドレスに指示された場合を認識し、その場合には受信しているLANからそのデータを取得し、そのデータを目的アドレスが指示されている正しいLANへ再送信する。マッピングテーブルはルータ207にそれぞれのLANが処理できるアドレス範囲を知らせる。大きな建物のいたる所にあるSCは、同一のまたは遠隔のLANにある「マスタービルディングコントロールポイント」204からのメッセージまたは同一のLAN上にある「階層的コントロールポイント」からのメッセージを受信するために、最も近傍のLANに接続されている。これによってMBCPが建物のどの窓の不透明度の設定をも瞬時に変化させるようにしている。
【0073】
当然のことながら以上記述してきたことは、規模という観点において、Malvino特許を非常に拡張しているだろう。しかし、SCもまた、これらの特許において想定される制御をはるかに超えるSPD制御手段を供給することによって、Malvino特許の基本機能を拡張している。手動制御情報がマイクロプロセッサーによって読み込まれ、そして前記マイクロプロセッサーが手動制御設定に基づいて調節手段を調整するところの調節手段を手動制御する手段だけではなく、マイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスは、デバイスの光バルブ透明度特性が制御されることになる少なくとも一つの懸濁粒子デバイス(SPD)に対する電圧の調節、すべての所望の動作周波数の設定および/または波形特性の設定を制御することができる。ここではマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスに有線配線で接続された複数の手動制御デバイスおよび/または複数の個別のSPDデバイスがあり得る。ここでは、単一のSPDデバイスであるかのように作動するように、一つまたは二つ以上の複数の有線配線で接続されたSPDデバイスのSPD不透明度を直接制御するために用いられる複数の手動制御デバイス間の関係の設定手順があり得る。通信チャネル間にわたって受信されるデジタルコマンドによって、その調節手段を外部から制御する手段があり得る。ここでは、隣接したマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスにおいてデータを送信および受信するための2地点間の無線通信を使用する無線送信機および無線受信機があり得る。ここで、遠隔無線受信デバイスは送信デバイスによって送信されたデータのパケットヘッダーを解釈し、必要ならばそのパケットヘッダーデータから決定されたように受信データを処理するのみである。受信マイクロプロセッサーにおけるヘッダーデータが、前記受信したデータは異なるマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスであって、その受信デバイスと直接に通信をしないデバイスを意味することが特定される場合には、追加的な中間ホッピングポイントを介して前述したネットワーク中へ更にそのデータを送信するためのコンピュータ上に直接置かれ動的に更新された「ルーティングテーブル」を参考にすることによって、その受信デバイスはそのデータパケットを他のマイクロプロセッサーに駆動されるデバイスまたはノードへ向けて再送信するものとする。一度、前記パケットデータがパケットデータの目的ポイントに到達すると、前記パケットデータはその最終目的ポイントにおけるアプリケーションソフトウェアによって処理される。
【0074】
多くの異なるタイプのパケットがネットワークを通じて送信されてもよい、パケットのいくつかのタイプはネットワーク自体を維持するために使用され、他のタイプのパケットはネットワークを通じて統計データを移動させるために使用され、他のタイプのパケットはネットワークを通じて「光バルブ」コマンドのようなアプリケーションデータを移動させるために使用される。一つのタイプのネットワークパケットは、このパケットを目的ノード方向へ移動させるために使用される最良の次のルートを決定することを支援するためにそれぞれのノードにおいて使用されるであろうその瞬間のルーティング情報を配信してもよい。別のタイプのパケットは、遠隔ノードに対するSPDガラス制御コマンドであるローカル「光バルブ」を特定の設定に変更することを要請するコマンドを含むであろう。
【0075】
そのシステムは、「マスタービルディングコントロールポイント」、それは個別の窓においてどのような不透明度が設定されるべきかという点に関するインテリジェントな決定をしLAN全体におけるシステムの他の部分へコマンドを送信するマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスである、に接続するために「ローカルエリアネットワーク」(LAN)にインターフェースを組み込んでもよい。そのLANは“Thinnet”、“Thicknet”、ツイストペア線、光ファイバーまたは他の有線のLAN手段を介して配線されてもよいし、またはIEEE802.11規格のいずれかの変形種を使用する無線、またはIEEE802.15規格または他の無線LAN手段を介して配線されてもよい。そのLANは、バス長さに関する制限または一つのバスに接続されるデバイス数の制限をはずしてLANを拡大するために別のLANへ橋渡しされてもよい。そのLANは、ローカルまたはより広い領域ネットワークに所属する「マスタービルディングコントロールポイント」と通信するために、一つのLANで到達可能な居住用または商業用建物を超えるさらに大規模な領域にわたる他のLANへ接続するためにルータを使用することによって拡大されてもよい。
【0076】
そのコントローラは、「階層的コントロールポイント」と称されるLAN上の“インテリジェントコントロールポイント”となることに加えて典型的な機能を実行させることができる特定のソフトウェアセットを実行させてもよい。このデバイスは、一つの階層中の全てのデバイス毎に通信することができる。
【0077】
そのシステムは、システム制御の下に、地球上の「SPDデバイス」の物理的な方位、SPDデバイスの緯度および経度、通日および時刻に基づいて「光バルブ」を自動的に変化させてもよい。そのマイクロプロセッサーは、「SPDデバイス」を使用した窓を使用する居住用および商業用環境におけるエネルギー使用量を低減するために、最適な「光バルブ」の設定が連続的になされるように、一年のすべての瞬間における窓の空間的方位のオフライン処理から生成されるデータのプロファイルに対応するであろう。
【0078】
もし手動の優先権動作が自動動作を無効にするために使用されると、特定の期間の後に、自動動作が再開されてもよい。部屋の使用確認センサーが、特定期間、部屋においていかなる動きをも示さない場合には、自動動作が再開されてもよい。そのシステムは、昼夜に渡る不透明度設定のための幾つかの固定プロファイルおよび現在有効であるプロファイルを手動で設定するためのスイッチに対応してもよい。二つのプロファイルがあり得る場合には、その手動スイッチは夏および冬と分類されてもよい。四つのプロファイルがあり得る場合には、その手動スイッチは夏、秋、冬および春と分類されてもよい。
【0079】
そのシステムにおいて、最適の「光バルブ」設定は、予め定められたプロファイル情報を使用する代わりに、リアルタイムに得られてもよい。そのようなリアルタイム演算は、「マスタービルディングコントロールポイント」において実行されるかもしれない。
【0080】
SPDコントローラと同一の電子機器を備えているデバイスはどのSPDデバイスにも接続されないかもしれないが、無線サービスが充分でなく完全に動作可能なデバイスがお互いに直接通信することができないスポットにおいて利用される、他の完全にSPDデバイスとして動作するデバイス間にデータを移動させるための中間ホッピングポイントとしてのみ使用されてもよい。このホッピング−ポイントデバイスは、他のデバイス間のブリッジとして動作させるために、他のデバイス間のデッドスポットに設置されてもよい。
【0081】
システムにおいて、メッセージは特別なノードの階層を通って転送されてもよく、そのネットワーク中のノードから他のどのノードへも転送されなくてもよい。階層の最も高いレベルにおいて、「コントロールポイント」は、建物内のSPDガラスの全ポイントにおける不透明度の現在の設定をインテリジェントに決定する存在である。実施サイズに応じて、いくつかのレベルの階層がある。これらの「ビルディングコントロールポイント」の一つは、コントローラにおける「光バルブ」の設定を変更するためにそれぞれのポイントがそのコマンドに従って同時に動作するように、いくつかのより低いレベルのコントロールポイントと通信する。その低いレベルのコントロールポイントは、窓ができるだけ早く始動できるように最も早い時間内に最大数のポイントへそのコマンドを更に拡大させるために、更にそのコマンドをコントロールポイントの他の低いレベルへ配信してもよい。
【0082】
システム内において、メッセージは「マスターコントロールポイント」と同一または異なるLAN上に位置している「インテリジェントコントロールポイント」の階層を通って転送されてもよい。階層の最も高いレベルにおいて、「コントロールポイント」は、建物内のSPDガラスの全ポイントにおける不透明度の現在の設定をインテリジェントに決定する存在である。実施サイズに応じて、いくつかのレベルの階層がある。「マスターコントロールポイント」は不透明度変更コマンドを、いくつかのより低いレベルの「階層コントロールポイント」と次々に通信する一つまたは二つ以上の「階層コントロールポイント」へ送信し、最終的にはこのコマンドは制御範囲にある個別のコントローラに到達する。このように制御をマルチレベルに分配することは、「マスターコントロールポイント」が存在するLANを通過するデータパケットの量を低減し、コマンドをこのように「マスター」およびバックボーンネットワークの負荷を低減するそれぞれのローカルLANへ分配する。この制御は、それぞれの「階層コントロールポイント」がそれぞれのローカルLAN上の「マスター」に対してコマンドの分配を実行しているので、それぞれのコマンドが「マスターコントロールポイント」から直接送信されるべき場合よりも早くコマンドが実行されることを許可する。従って、コマンドは直列的にLANを転送される代わりに多重LANを渡って同時に送信される。この制御は、とてもたくさんの懸濁粒子デバイスがより早く同時に変化することを許可する。
【0083】
SCは、SPDデバイスを駆動する電圧を同時に変更しながら可変範囲に渡って周波数を調節してもよい。可変周波数に渡ってそのデバイスを駆動することによって、そのガラスは、さもなければ同室内での人間一人一人をイライラさせるであろう“スィング(sing)”(可聴周波数音の発生)が発生する可能性を減少させることができる。
【0084】
「拡張型コントローラ」は、SPD材料を通る電流の流れの欠落を検出するセンサー回路を含んでもよい。これはそのSPD材料の破損を示すであろう。この出来事の最中に、そのSCはその事象を示す“ガラス破損検出”メッセージをMBCPへ送信する。その警告を受信するMBCPは、どの窓からこのメッセージが来たかを決定することができ、多くの異なる手段の何れかによって人間の介入を要求するであろう。人間の介入の要求は、いくつかある手段の中で、インターネットを介して送信される一つまたは二つ以上の無線呼び出しメッセージ、インターネットを介して送信される一つまたは二つ以上の携帯電話に対する短いメッセージ、施設を監視している中央局を呼び出すために生成される合成音声メッセージ、インターネットを介してSPD−ガラス建物制御を特別に監視するモニタリングサービスへのメッセージの送信であってもよい。そのMBCPは、損傷検出メッセージがどの時点において殺到した場合にも、多重警報が生成されないように階層論理を維持する。さもなければMBCPは与えられた期間内に応答することができない。そのMBCPは、警報が検出された後は建物の全てのセクションからのメッセージが殺到することを防ぐために、SCにおけるガラス−損傷検出論理をどの期間内においても停止させることができる。
【0085】
自動車、海上船舶、飛行機、航空宇宙および建築を含む全てのSPDアプリケーションに対して、本発明のコントローラはMalvino特許よりもより高度な方法でSPDを駆動することができる。
第一に、単一の波形ではなく様々な波形が使用され得る。
第二に、エネルギーを節約するために、デューティサイクルを変化させることができる。
コントローラ内には、多重タイプのSPDフィルムを支援するために二つのまたは三つ以上の光電変換参照テーブルが記憶され得る。
SPDを駆動する方法は外部温度に基づいて調整されることができる。
そして、電力は消費電力を最適化するために動的に管理されることができる。
【0086】
Maivinoの米国特許6、897、997および6、804、040はSPDを基礎とした材料を透明状態から暗い状態へ変化させるまたは様々な透明度レベル間に変化させるように駆動する一つの基本的な方法を提供している。これらの基本的な特許はSPD材料の全ての動作パラメータまたはそれらの制御について検討していない。マイクロプロセッサーが中心となるSCは、この改良されたコントローラ特許が記載しているいくつかの方法論、アルゴリズムおよびフィードバックメカニズムを通じて、前例のないレベルの詳細かつ最適化されたSPD材料の制御を提供している。
【0087】
Maivinoの‘997および‘040特許は、SPDベースの材料が状態を変化させることを許すであろういくつかのエレクトロニクスセットの生成に関していた。しかしSPD材料の本質の詳細な研究は、SPDベースの窓を適切に制御するための透明度以外のSPD材料のいくつかの特徴を検討すべきことがあることを明らかにする。そしてこれらの特徴を制御する多くの可変の要因ある。
【0088】
SPD材料の主な特徴は、印加される周波数および交流電圧レベルに基づいて、透明状態から暗い状態への移動および再び暗い状態へ移動する能力、またはどのような中間の透明度レベルへも移動する能力である。しかし他の重要な制御されるべき特徴は、スイッチング時間、かすみ、透明度、または2つのガラスまたはプラスチック間にラミネートされたSPD材料のシンギング(singing)またはハミング(hummimg)の可能性、および消費電力である。これらの特徴に影響を及ぼす多くのパラメータの設定がある。これらは、交流電圧、周波数、周波数許容誤差、温度、波形、波形位相、デューティサイクル、SPD材料の厚さ、SPD材料の製造者および、ときには一つの製造者におけるどの生産工程であるかということである。Maivinoの6、897、997および6、804、040特許の単純な回路は、SPD材料の所望の性能を提供するためにこれらのパラメータのすべてを考慮に入れることはできない。
【0089】
異なるSPDアプリケーションは、SCを動作させるいくつかの方法を最適化することを要求するだろう。エネルギーの効率化のためのビルディングアプリケーションにおいては、SCはエネルギー保護を目的にしたエネルギーの効率化のための機能を強調するであろう。スイッチング速度はエネルギー効率化に対してトレードオフとなるであろう。自動車においては、ベンダーはガラススイッチング速度を車の外部温度にかかわらず一定に維持することを望むかもしれない。SCは、より多くの電力の消費によって戸外の温度がとても低い場合には、より高い周波数においてSPD材料を駆動することによって、より低いスイッチング速度を保証することができる。
【0090】
図24は、本発明の実施形態の論理的な構造を示す。これは、より大規模な統合されたコントローラのネットワークの一部となる能力においてばかりではなく、SPD材料を制御することにおいてそれぞれの個別のノードのインテリジェンスを強化するという点において強化されたコントローラである。
【0091】
コントローラの「コマンド」および「コントロール」部分は、SPDガラスの光の透明度レベルを特定のレベルに設定するために、外部ソース(例えば、オプションの調光スイッチのようなA/Dタイプデバイス)またはコミュニケーションリンク上の他の複数のマイクロプロセッサーからコマンドを受信する。SCは、ユーザにとってどちらもより重要であるスイッチング時間または消費電力量を最適化するために考慮すべき外部の温度を測定するのに、A/Dインターフェースを介したセンサーを利用してもよい。特定形状の波形が、ガラスをスイッチングするための最適な周波数における要求される電力量を調節する波形生成ロジックによって設定される。特定の透明度レベルにSPD材料を維持するために利用される電力を低減するために、使用されるその波形のデューティサイクルは減少させられる。SCのソフトウェアに組み込まれたアルゴリズムは、達成されるべき目標を考慮に入れ、所望の目標を提供するためにこれまで言及されている要因の設定を調節する。このSCは、特定の環境においてパラメータに影響を与える全ての性能を調節するための完全な柔軟性を有している。
【0092】
コントローラは、図25と似ている一連の内的な3次元的なテーブルを有しており、このテーブルは一つの要因または二つの要因の変化が三番目の要因にどのように影響を及ぼすであろうかということを知るために、他のパラメータに対する様々な動作可能なパラメータを地図として描いている。たとえば、このテーブルは、光透過の絶対的なレベルに対して要求された適切な電圧および周波数を決定するであろう。他のこのようなテーブルは、与えられた電力量に対するスイッチング時間と周波数との関係を表現するであろう。第三番目のテーブルは、与えられた温度に対するスイッチング時間および周波数のモデルを与えるであろう。第四番目のテーブルは与えられた温度に対するスイッチング時間および周波数を判断するであろう。
【0093】
インテリジェントコントローラに組み込まれたアルゴリズムを使用すれば、インテリジェントコントローラはインテリジェントコントローラのメモリにプログラムされた目標に従ってSPD材料を最適に動作させるためのトレードオフをするかもしれない。もし暗い状態から透明な状態へ2秒未満のスイッチング時間を維持することが要求される場合には、特定の製造者のSPD材料に対する特定の透明度レベルを供給するために、これらのアルゴリズムは交流信号の周波数を増加させ、電圧を増加させ、および追加の電力を供給するためにこれらのテーブルからデータを引き出すだろう。もし、他の場合として消費電力が最適化に対する要因である場合には、このSCはより低い周波数においてSPD材料を動作させ、従って透明度の絶対的レベルを達成するために電圧を調整するだろうし、2秒の代わりにたぶん8秒程度のスイッチング速度にすることで消費電力が低減されるであろう。
【0094】
このデータは、コントローラが使用されている特定のSPD材料に基づいて適切な判断をするように、SPD材料のそれぞれの製造者に対して繰り返されている。産業標準化活動によって製造者間および一つの製造業者からの生産工程間に渡って全てのSPD材料が正確に同じに繰り返し可能な方法で反応することを保証する日がくるかもしれないが、産業界において異なる製造工程間においてこのレベルの品質管理が達成されるまで、モデルの性能ごとに複数のテーブルがコントローラのテーブルに事前にプログラムされていなければならない。しかし、最終的にはこのコントローラはすべてのSPDアプリケーションに対するユニバーサルコントローラである。
【0095】
コントローラに記憶されるテーブルの設定は、一般にオフラインでそれぞれの製造者のSPD材料ごとに実験室の実験を通じて生成される。結果として生じるデータはコントローラのテーブルに記憶され、または通信回線を通じてそのコントローラにダウンロードされてもよい。
【0096】
コントローラのいくつかの実施においては、3次元テーブルのいくつかは、三番目の要因が測定されないため、または特定のモデルのコントローラの制御の下では二次元テーブルに落とし込まれるだろう。たとえば、コントローラの基本モデルは温度センサーを利用しなくてもよく、特定の動作温度の想定の下に継続的に動作するだろう。コントローラ内のテーブルの組の一つは、EO(「電気光学」)テーブルとして知られている。このテーブルは、透明度0%(暗)から100%(透明)に整理されている。それぞれの入力は、与えられた透明度レベルに特定の製造者のガラスを設定するためにの最適の周波数および電圧を含む。このバージョンのコントローラの動作に温度が考慮されていなければ、このEOテーブルは2次元のままである。
【0097】
SPD材料を制御する様々なパラメータを設定するために、このアルゴリズムおよび内部テーブルを使用することに加え、このコントローラはコントローラのAfD入力に接続されているセンサーからのフィードバックおよび測定に基づきコントローラのパラメータ設定を動的に変化させることができる。たとえば、光源およびフォトセルまたはフォトトランジスタまたは他の光受光素子は、変化するSPD材料を透過する特定の強度の光を、実際の光レベルを検出するであろう光電素子に向けるために使用されるかもしれない。SPD材料を特定のレベルへスイッチするために使用されるEOテーブルは、テーブルの入力内に温度の要素を持っていなくともよい。しかし、コントローラの光/光電素子ロジックは実際の透明度レベルが達成されるまでの時間を測定できるので、コントローラはガラスを所望の透明度レベルに到達させるためにどの程度の時間がかかるかを測定することによって実際のスイッチング時間を測定できる。この時間を知ることによって、コントローラアルゴリズムはスイッチング時間を所望のレベルへ低減させるためにガラスを駆動するより良い周波数および電圧を決定することができる。この測定するデバイスは、選択自由なパラメータを自動調節するためのフィードバックループを生成することに使用される。
【0098】
インテリジェントコントローラは、SPD材料の消費電力量を、与えられた温度における与えられた透明度レベルに対する最適の周波数および電圧においてSPD材料を動作させることによって達成される値よりもさらに小さい値に低減することができる。そのコントローラは、SPD材料を一定の交流電力に維持することなく、電力出力のデューティサイクルを変化させてもよい。コントローラにおけるロジックは、与えられ時間にわたって生成される完全な波形サイクルの数を低減させることができる。だからサイクル数‘m’が時間‘t’内に通常発生するのであれば、50%デューティ係数を達成するために、ひとつおきのサイクルが無視され、これらのサイクル内において電力が供給されない。一般的に、電力を削減するために‘m’サイクル毎に‘n’サイクルだけ電力動作を維持することが目標である。SPD材料のいくつかのポイントにおいては視認できるちらつきが確認されるかもしれない。実験によって、動作温度のような第三番目のパラメータに対する与えられた透明度レベルに対応する許可可能な最も小さいデューティサイクルを特定する別の3次元テーブルが引き出される。
【0099】
実験および動作可能なパラメータの3次元グラフの解析および実験および解析の結果としての特徴に関しては、異なるグラフの側面を活用することによって他の混合した動作モードが明らかになる。室温における暗状態から透明状態への妥当なスイッチング速度としての2秒は、60Hzかつ交流20〜100ボルトにおいて達成されることができる。より最適のエネルギー性能は60Hz以下、SPD材料のちらつきを生じさせないたぶん30Hz、で達成される。より高い周波数(400Hz)はSPD−材料をより早くスイッチングできるが、スイッチングに効果を与えるためにより多くの電力を使用する。一つの透明度レベルから別の透明度レベルへ遷移する間により高い周波数へシフトすることによってスイッチング速度を最適化し、そして、低電力において設定した透明度を維持するために周波数をより低い設定可能な範囲の周波数へ低減する場合にコントローラはこれらの要因を利用する。
【0100】
添付の特許請求の範囲に包含される本発明の技術的範囲から離れることなく、当業者であれば無数の自明の変形例および本発明に関する改良を必要以上の実験をすることなく容易に理解できる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願の請求項は、“無線メッシュパケットスイッチネットワークに渡って動作する複数のそのようなデバイスを単一のSPDデバイスに制御させる装置から構成される拡張型システム”という発明の名称の2005年9月8日にファイルされた米国特許出願番号60/596、198、“SPDガラスを使用するマルチメディア映像ディスプレイ向けの電子コントローラおよび無線ネットワーク”という発明の名称の2005年9月28日にファイルされた米国特許出願番号60/721、731、および“SPDをベースにする窓を利用する居住用および商業用建物における太陽熱を制御するための拡張型システム” という発明の名称の2005年11月14日にファイルされた米国特許出願番号60/597、162の優先権を有し、それぞれの米国特許出願は全ての目的のためにここで参考文献とされる。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
光バルブは60年以上に渡り光変調をするために使用されてきた。ここで使用される光バルブは、僅かな距離だけ離れた二つの壁によって形成され、少なくとも一つの壁は透明であり、二つの壁は通常透明である導電性膜の電極が載っているセルとして定義される。そのセルには光変調素子が含まれ(以下ここでは“活性化可能型材料”と称する場合がある)、それらは懸濁液の粒子、または懸濁液粒子の液滴が分散されているプラスチックフィルムであってもよい。
【0003】
この懸濁液(以下、“液体光バルブサスペンション”又は“光バルブサスペンション”と称することがある。)は、液体懸濁媒体中に分散した小さな異方性形状の粒子を有する。電界が印加されない状態では、懸濁液中の粒子はブラウン運動によりランダムな位置に存在すると推測され、このために、セルに入射した光は、セルの構造、粒子の性質と凝集、及び光のエネルギー量に応じて、反射され、透過され又は吸収される。
【0004】
このため、オフ状態では、光バルブは比較的暗い。しかしながら、光バルブ中の液体光バルブサスペンションを介して電界が印加されると、粒子は整列させられるようになり、多くのサスペンションにとって、ほとんどの光はそのセルを透過することができる。このようにオン状態の場合には、光バルブは比較的透明になる。オン状態の場合には、ここで述べられるタイプの光バルブは“懸濁粒子デバイス”或いは“SPD(複数)”としてもよく知られている。より一般的には、懸濁粒子デバイスという言葉は、ここで使用されているように、電界が印加された時に光がそのデバイスを透過するように整列する懸濁粒子を有する何れかのデバイスを指している。
【0005】
光バルブは、窓、天窓、及びサンルーフを透過する光量、または、場合によってはそれらから反射する光量を制御する窓、天窓、及びサンルーフを含む非常に多くの用途における使用が提案されてきている。ここで使用されている“光”という言葉は、一般的に、視認することのできる電場放射を指しているが、ここで適用できる“光”は、 それらに限定されず、赤外線放射および紫外線放射のような電場放射の他のタイプをも含めることができる。
【0006】
SPDは2対のガラスまたはプラスチックの間にラミネートされ、それらの内層となっている。このような組み合わせは、時々「SPD−フィルム」と呼ばれる。
【0007】
現在、このようなSPD(複数)は、ガラスを通る電気の特性に基づいてガラスを透過する光量が精細に制御されるように、ガラスに組み込まれつつある。そのようなガラスそしてこのガラスの不透明度又は光透過度が制御されるかもしれない少なくとも一つの制御方法は、Malvino特許として呼ばれているMalvino米国特許番号6、897、997(特許文献1)および6、804、040(特許文献2)にまとめて記載されている。しかし、Malvinoによって想定されたデバイスは、デバイスと一緒になっている幾つかの窓を手動で制御することに向いている一方、拡張性がないばかりではなく、例えば自動車、海上船舶、電車、或いは飛行機にある数個の窓よりも数の多い窓の環境、および上述したSPD窓を備える居住用又は商業用建物又は超高層建物の窓の環境を能動的及び動的に制御するための自動化された知能をも提供しない。
【0008】
Malvino特許は、ガラスを透明な方向に明るくさせ、またはガラスを透過するほとんどの光を遮るために暗くさせようとする特定の周波数における電圧の変化によってSPDガラスを駆動する基礎理論を提供する。このデバイスはSPDの非線形特性を、およそ0%から100%にガラスを設定すると考えられる線形範囲の値へマッピングすることができる。この線形範囲は、たぶん6つの異なる不透明度レベルに対応する小さな不連続な一連の設定に分けられ、6つの特定の抵抗とコンデンサの組み合わせが実施態様に組み込まれ、着色の関連程度に対応した適切な電圧を設定するために手動でその線形範囲が選択される。この実施を通じて、例えばスライドスイッチ又は回転ダイヤル等の線形手動制御手段が、ガラスを透過することが許可される光量をいつでも直接変化させるためにMalvinoコントローラに追加されるかもしれない。
【0009】
Malvino特許では、SPDデバイスを駆動する幾つかの特定の周波数の使い方を検討している。Malvino特許に記載されているように、低い周波数におけるそのデバイスの駆動は、SPDデバイスを駆動するために必要とされるパワーに関して、少し低いエネルギー利用曲線を有する傾向にある。15Hzから60Hzの範囲における周波数が議論されていた。前述したSPDコントローラにはこれらの周波数で駆動された場合に深刻な潜在的な問題がある。コントローラがその範囲内の特定の周波数で駆動された場合に、SPDデバイスが“シング”することになり、Bフラットレンジのトーンとして聞こえる可能性がある。SPDによって制御される窓は、一般に、SPDエミュレーションが塗布された透明なマイラー(商標)の形態であって、2枚のガラスに挟まれた状態のSPD型材料から構成される。SPDデバイスは、基本的には両サイドのガラスによって空間をおいて保持され、そのガラスで挟まれている。もし50/60ヘルツの電流が、挟まれたSPD材料の間を流れると、ある場合には、マイラー(商標)が駆動周波数に共鳴して振動し始め、気に障るハムとして窓の近くにいる人々に聞こえるかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6、897、997号
【特許文献2】米国特許第6、804、040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
SPD窓(複数)の大規模な世界的展開における重要な課題は、何らかの“中央知能”がそれぞれの窓(複数)を動作させるために、どのようにして居住用および商業用建物において配線をするかということである。今日、建物の中のある制御室から窓へ配線をするコンセプトはない。何千という設置工が新しい建物の配線に必要な要求を理解し学ぶ必要があるだろうから、世界中でSPDガラスを採用する場合に建物の配線に対する新しい要求を紹介することは好ましいことではない。今のところ、“中央知能”へそれぞれの窓を“配線”するためにどのような他の技術が採用されるとしても、SPDガラスの使用を禁止させないためには、有るか無いかわからな程度の訓練、および比較的低コストでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の概要)
本発明は、構造物のエネルギー消費量を劇的に低減するような方法で太陽光を吸収または反射するために、居住用および商業用建物の“スキン(skin)”を一日中動的に制御するための大規模に配列して設置されるメッシュネットワーキングソフトウェアに関連したワイヤレス可能な装置に関する。一つまたはそれ以上の窓を制御する個別のデバイスに、「ビルディングスキンコントロールシステム」内のインテリジェントコントロールポイントから所望の変化をもたらすであろう個別のコントローラまたはコントローラ群へ制御信号を伝送する中継ポイントとして動作することを許可することによって、メッシュネットワークの統合はそのような制御を展開するコストを低減する。本発明は更に、構造物のエネルギー消費量を劇的に低減するような方法で太陽光を吸収または反射するために、居住用および商業用建物のガラス窓を一日中動的に制御するために大規模に配列して設置される“懸濁粒子デバイス”制御装置に関連したネットワークおよび“懸濁粒子デバイス”制御装置に関する。LANまたはWANを覆う階層的な分布システムの使用は、中央知能ポイントすなわち「マスタービルディングコントロールポイント」から構造物中にある全ての窓コントローラに対して特定の不透明度レベルにそれぞれの窓を設定するためのコマンドを転送する時間を低減する。
【0013】
ここで述べられるデバイスは、単一の特定の周波数よりもむしろ低周波数範囲における可変周波数においてSPDデバイスを駆動するオプションを提供することによって“シンギング(singing)”問題を補正する。任意に、連続的に変化するSPD駆動周波数を使用する代わりに、「コントローラ」は一秒間に幾つかのサイクルをランダムに落とし、または位相シフトさせてもよい。この変化/シフトは明白に顕著であるというには充分ではないが、“リンギング効果”を除去するであろう。以下に示されるであろうように、本発明によるシステムは、単一窓環境から現在世界で最も数の多い窓を備える建物である台北の信義区地区にある32000個の窓を備える台北101を超える大きさの建物に規模を拡大する。
【0014】
本発明は従来から存在する制御範囲をはるかに超えるSPDの制御範囲を提供する。本発明における“拡張型コントローラ”別名を“SC”というは、従来のコントローラの性能をはるかに拡張する知能を提供する。従来の実施においては、一つから幾つかのガラスを単一のコントローラが制御しているかもしれない。ここで、いくつかという数字は8個のような比較的小さな数であって、それぞれのガラス部分はコントローラに有線で接続されている。「拡張型」コントローラは、ユーザが設定してもよい関係である手動外部制御あるいはいくつかの個別の手動制御と、どの窓または複数の窓がその手動設定から制御されることが可能かという関係についての設定段階を更に提供する。「拡張型コントローラ」のもとにおける四つの窓の設定において、ここでは四つの窓をA、B、C、Dと称する、ユーザが、窓ABが単一の窓として制御され、かつ窓CDが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCが単一の窓として制御され、かつ窓Dが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCDが単一の窓として制御され、または、窓ABCDが四つの別々の窓として制御されるように設定してもよい。
【0015】
このシステムは、「マスタービルディングコントロールポイント」として知られる中央知能ポイントから建物にあるそれぞれの窓の設定をインテリジェント(知能的)な方法で調整する。このシステムは、太陽光の熱効果の利点を最大限に引き出すために、適度な量の可視光がそれぞれの窓を透過することを許可するように、リアルタイムな事象を含む多くの要因に基づいてインテリジェントな決定をするであろう。
【0016】
従来の発明を超えるSCの増強された能力はSPDの特性に影響を与える全ての操作可能なパラメータを完全に制御するのに必要なものを与える。この種の制御は、かすみおよび透明度を制御する場合に、電力の使用または外部の気温を潜在的に考慮に入れたスイッチング速度によってSPDの効率を最適化するためにそれぞれのSCに存在している。
【0017】
SCの柔軟性およびSCのネットワーキング能力は、マルチメディアプレゼンテーションの一端として、特別な光の着色シーケンスまたはテキストメッセージの表示にも対応している。そのようなマルチメディアディスプレイは、休暇期間中、たぶん「クリスマス音楽」の変化に合わせて事務用建物の外観に沿った窓を変化させるであろう。そのようなシステムの規模の小さいバージョンでは、机の上にある箱にある小さな複数のSPDピクセルに渡る一つの動くテキストディスプレイを提供することも可能であろう。これらの種々の用途は、本発明の柔軟性および重要性を反映している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下幾つかの図面における図に関して、本発明を説明する。
【図1】図1は、一つの外部デバイスからの手動調整下にあるSPD窓コントローラを示す図である。
【図2】図2は、制御下の窓に照射される太陽光の明るさを検出するためのフォトセルまたは他の光センサーが付加された図1のコントローラである。
【図3】図3は、コントローラの「拡張型ネットワーク」動作だけではなく、より洗練されたコントローラの能力を支えるいくつもの異なる機能を実行するマイクロプロセッサーを取り込むことによって生成された「インテリジェントコントローラ」である。センサーからの付加的な入力は、「拡張型コントローラ」が決定を行うために使用するかもしれないデータを拡張する。
【図4】図4は、制御ソフトウェアにおけるセットアップ手順を用いてユーザによって設定されたコントローラの直接制御下にある一つまたはいくつかの窓枠と繋がっている複数の手動入力を備えた「インテリジェントコントローラ」を示す。一つの単一手動入力は、一度に一つの窓または、二つ、三つまたは四つの窓を、まるで一つのSPDガラスの部分であるかのように制御するかもしれない。一つ以上の手動入力が、同じ部屋の異なるポイントから動作する手動制御を支援するために、同じガラスの組を制御することに使用されるかもしれない。
【図5】図5は、この例における四つの窓枠の異なる組み合わせ、および個別枠のセットのどの組み合わせに関しても一つのガラス枠として取り扱われることを許可するソフトウェアの設定方法を示す.
【図6】図6は、目的ポイントに到着するために中間ノードを通る代替パスに沿って送信されるかもしれないデータが含まれる、一番早いパケットスイッチングまたはメッシュネットワークの一つを示す。これは、1969年の4ノードタイプアーパネットの例であり、今日のインターネットの先駆けとなっているものである。ホストコンピュータはデータをこのネットワークにおける他のホストコンピュータへ送信し、目的ポイントではないが所望の目的ホストへ直接接続されたIMPの方向へ更にパケットを中継するであろう他のIMP(複数)へデータパケットを転送する「インターフェースメッセージプロセッサー」(IMP)のサービスを利用する。
【図7】図7は、初期のアーパネットシステムにおけるホストおよびIMP機能の組み合わせによるパケットスイッチングソフトウェアが実行される同じコンピュータ上で特定の処理アプリケーションが動作する、さらに進歩したパケット交換メッシュネットワークを示す。マイクロプロセッサー能力の向上はシングルプラットフォーム上においてこれらの機能の結合を可能にした。これは、孤立した「市規模」の無線呼び出し(ポケベル)システムを、ちょうど一つの市の代わりにその国のどこに位置していても誰かに警報を発することができる全国的なネットワークに変換するために、その発明者によって作成されたDLHプロトコルを使用する「無線呼び出しネットワーク」アプリケーションの一例である。「アーパネット」および「インターネット」はそれぞれのノードにおいて目的地への最良のルートリストを動的に維持するためにRIPのような正式なルーティングプロトコル規格を使用する。DLHは主要なルートおよび代替ルートのリストを維持するために独自仕様のルーティングプロトコルを使用する。その独自仕様のDLHネットワークは、その発明者が作成することを助けた「無線ページング産業標準TNPPプロトコル」に結局取って替わられ、その発明者が議長となった産業委員会は11年以上もの間このプロトコルの使用を促進してきた。TNPPプロトコルは、それぞれの目的ノードへの最良のパスおよび代替パスを維持するために、製造業者特有の独自仕様ルーティングプロトコルとともに使用された。
【図8】図8は、「拡張型コントローラ」ノードに備えられた他の送受信機へデータパケットを送信する無線送受信機と一体化した図3の「インテリジェンスコントローラ」から構成される「拡張型コントローラ」ネットワークを示す。インターネットREPと似ているルーティングデータは、目的ノードへのパス上にあるデータを受信するための最良の次のノードのリストをそれぞれの「コントローラ」ノードにおいて維持する。図6および7の有線のネットワークと違って、図8の無線ネットワークは受信したデータよりも異なるノードへアドレスされたデータを時々適切に受信するかもしれない。この場合には、その受信されたデータは目的ポイントへの最適のパスに沿った次のノードではないノードによって無視されまたは捨てられる。
【図9】図9は、「ビルディングコントロールポイント」がネットワークノードの一つに接続されている図8のネットワークの一例を示す。そのBCPは、昼夜のいつにおいても特定の不透明度に自動的に設定される建物の部分を決定するためのデータ処理サイトである。「データ処理」システムは、任意にインターネットおよび多くの建物所有者に代わって「SPDビルディングスキンコントロールシステム」の動作を監視する遠隔中央モニタリングサービスに接続されるてもよい。
【図10】図10は、たとえ最初のBCPが機能しなくなることがあっても全システムが正常に動作を続けることを保障するためにネットワークにおいて支援される冗長「ビルディングコントロールポイント(BCP)」の一例を示す。
【図11】図11は、建物のある部分における「拡張型コントローラ」の動作を監視するための異なるタイプの「階層的なコントロールポイント」を建物のどのように異なる領域が含むであろうかを示す。
【図12】図12は、「コントロールポイント」の「階層的な」マッピングであり、どのように、最も上位レベルの「コントロールポイント」において生成されるコマンドが、論理的にさらに下位の階層レベルにおいてますます多くのエレメントへそのコマンドを配信するより下位レベルの「コントロールポイント」に論理的に配信されるかを示す。
【図13】図13は、XMLインターフェースを介した「インテリジェントエネルギーコントロールシステム(IECS)」を備える「ビルディングコントロールポイント」インターフェースを示す。
【図14】図14は、空を横断する太陽の通り道がどのように変化し、どのようにして一日の太陽光が建物の窓に降り注ぐかを示す。地球が太陽の周りを公転するので、太陽の通り道は一年のそれぞれの日に少しずつ変化する。惑星上のどの緯度および経度に対しても、横断される通り道はよく知られている。
【図15】図15は、16個の窓枠をそれぞれ制御する5個のコントローラを示す。
【図16】図16は、境界を有する7行、5列のピクセル配列に、形成された文字“E”を示す。
【図17】図17は、それぞれの窓枠において隣の窓枠から数パーセントだけ異なる照明効果を示す。
【図18】図18は、複数のコマンドを複数の窓に順々に送信するデコーダにコマンドを送信するコントローラを示す。
【図19】図19は、パケットをLAN上にある「マスターコントロールポイント(MCP)」へ送信することができるようにLANインターフェースと一体化した図1の「インテリジェントコントローラ」から構成される二つの「拡張型コントローラ(SC)」を示す。
【図20】図20は、ケーブル長のために、LANがその最大の能力に達してしまった場合に、LANサイズを拡大するための別のLANセグメントを追加するために取り入れられてもよい「ブリッジ」を示す。
【図21】図21は、LANセグメントおよびブリッジまたはリピータの配置数が最大に達してしまった場合に、ローカルネットワークのサイズを更に拡大する方法を示す。
【図22】図22は、建物内にあるすべてのSCへコマンドを送信するMCPにおけるポイントからポイントへの通信負荷を軽減するためにコントロールポイントの階層を形成する論理的な接続を示す。
【図23】図23は、一つの建物内の全ての個別の窓に対して中央制御知能を供給する「マスターコントロールポイント」がXMLリンクを介して外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」へどのように接続できるかを示す。外部システムは、窓が変化した場所を知った場合には、動作を変更することができる。外部システムはMCPを介してセンサー入力を受信してもよいし、その制御の下でいくつかの窓または全ての窓の設定を変更するためにMCPへコマンドを出してもよい。IECS上でより良いアルゴリズムが作成され、外部システムが適切な制御コマンドの送信を始める場合には、MCPはIECSコマンドの下で窓の動作を変更する選択肢を持っている。
【図24】図24は、「拡張型コントローラ」を構成する主要なブロックを示す。
【図25】図25は、コントローラを動作させるためにコントローラ内にプログラムされるデータの典型的な3次元テーブルの一つを示す。このようなテーブルは、SPDベースのガラスの動作を一緒に制御する三つの変数の相互関係の情報を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
「マイクロプロセッサー」を「拡張型コントローラ」に組み込むことによって、大量のそのようなコントローラの中にあるデータポイントばかりではなく、スタンドアローン環境においての使用についても、デバイスの機能および柔軟性は劇的に拡張される。大量のそのコントローラは、インテリジェント制御のもとにおいて、建物のエネルギー使用量について、前例のない制御をするように事務所用建物のスキン(skin)を劇的に改造することができる。スタンドアローン環境であっても、SC(「拡張型コントローラ」)は、SCが使用されている部屋のエネルギー使用量を減らすようにプログラムすることができる。SCを手動制御下におくのではなく自動モードにして、後述するような動作が可能なようにしても構わない。
【0020】
同じ機能を実現する方法はいくつかあるだろうが、ここに記載される実施においては、エンドユーザが緯度、経度、北からの窓の方位および、垂直方向からの窓の角度について、適切なデータ処理プログラムを設定することができる。このプログラムは、セットアップデータを使用するSCへダウンロードすることが可能なプロファイルを生成することができる。このセットアップデータは、制御の下に地球上の窓(単数または複数)の位置を決定し、その結果、それぞれの窓に対して太陽からの窓の角度をその日の何時においても決定する。SCでは時刻/日付クロックが、時刻、通日、および惑星上の位置に基づいて窓(単数または複数)を駆動するように動作する。ニューヨークのマンハッタンにおける7月2日午後1時には、太陽に直接面している窓は最大の不透明さに設定され、太陽から離れる方向の角度の窓は不透明さを低減し、建物の反対側の窓は完全に透明になる。太陽が空を横切るにつれて、それぞれの窓は組み込まれたプロファイルに従って変化する。一方、オーストラリアのシドニーにおける7月2日午後1時には、太陽を利用して直射日光の当たっている窓を温めることで、建物での暖房装置の必要量を減らせるよう、太陽に面している窓が透明になる。また、建物の反対側の窓は、建物の中にこもった熱を維持するために暗くなる。SCに接続されたフォトセルは、現在の雲および天気状況に基づいて、SCが現在の不透明さを更に精密に調整することができるための外部センサー入力となるであろう。恒星情報は以前からよく知られており、何世紀間も計算可能であるので、SCデバイスにプロファイルとして恒星情報そのものが組み込まれる可能性がある。太陽を遮るかもしれない天気状況は、ランダムでありリアルタイムに発生する出来事である。
【0021】
このようなインテリジェント制御は幾つかの窓を自律的に動作させるが、規模の大きな実施においては、建物の窓の全セグメントを組織的な制御のもとに置くことが望ましい。比較的大きな環境タイプでは、それぞれの窓のプロファイルを用いるよりも、よりリアルタイムなデータ処理を実行させることで、どの地点においても建物のセグメント毎に不透明度のよりインテリジェントな決定を時間内にさせることができる。本発明のSCは、このようなモード動作をさせるために拡張させることが可能である。
【0022】
このシステムは、すべてのSPD窓を中央管理にすることによって、実質的に全ての建物配線問題を解消する。それぞれの「拡張型コントローラ」には、低消費電力、低データレート、限られた範囲で有効な、無線送受信機が装備されている。これらの無線送受信機は、それぞれのコントローラの周りの3次元的な空間に配置された他の「拡張型コントローラ(複数)」内にある一つまたはそれ以上の無線送受信機と2地点間ベースで通信することができる。SCマイクロプロセッサーには更にメッシュネットワーキングソフトウェアが装備されている。このようなタイプのソフトウェアは、長い年月の間、様々な形態を取りながら存在し続けてきた。無線送受信機は、特別にフォーマットされたデータパケットをお互いの間で送受信する。あるパケットはメッシュネットワーク自身を操作するために使用されるデータを含み、又、他のパケットはセンサーデータまたは窓の制御情報を含む。ルーティング制御パケットは送信されるメッシュコントロールパケットの一種である。それぞれのSCはメッシュネットワークにおける“ノード”であると考えることができる。ルーティング情報は、それぞれのノードにおける許可情報として使用される。その許可情報は、窓コントローラから他の中間にある窓コントローラへデータが移動することが可能なルートを示し、そのルートは、特定の個々の窓コントローラへの途中にある中間の窓コントローラ間にある“「階層的コントロールポイント」(HCP)”への、またはHCPからのパスに沿っている。HCPは、窓コントローラノードとは対照的に、特別なデータ処理ノードの位置であり、建物の幾つかのセグメントに対応する窓の不透明さの変化を調整することが可能である。幾つかの「オフィスコントロールポイント」(OCP)、「セクションコントロールポイント」(SCP)、「リージョンコントロールポイント」(RCP)、「フロアコントロールポイント」(FCP)、「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)および単一「ビルディングコントロールポイント」(BCP)が典型的な建物環境にはあるかもしれない。単一の「コントロールポイント」は小規模な実施において存在するかもしれず、とても大規模な実施においては全てのタイプの「コントロールポイント」が存在するかもしれない。追加的な「コントロールポイント」の使用はメッシュネットワークの通信オーバーヘッドを減少させ、窓の不透明さを変調するコマンドが送信されてからそれぞれの窓が実際に動作するまでの時間遅延を減少させる。本発明の実施例においては、どの窓のSCも「建物コントロールポイント」から送信されるコマンドが経由する「コントロールポイント」になることができる。「建物コントロールポイント」は「インテリジェントデータ処理システム」であるが、より低い階層的なコントロールポイントは比較的小さな規模の特定のコマンドと動作を備えており、どのような窓SCにおいても「マイクロプロセッサー」によって容易に取り扱われることができる。最も大規模な「拡張型コントローラネットワーク」の実施においては、BCPは「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)に対して全フロアにおけるそれぞれの窓の設定を変化させるように情報を与えることができる。そのMCPはこの要求をそれぞれのFCP(複数)に伝送し、FCP(複数)はその要求をRCP(複数)に伝送し、RCP(複数)はそのコマンドをSCP(複数)へ伝送するだろう。そして、SCP(複数)は、そのコマンドを、オフィスにあるそれぞれの窓コントローラへ要求された変化を実行するように命令するOCP(複数)へ転送するだろう。階層のそれぞれのレベルにおける多重ノードへの拡大によって、ネットワークのオーバーラップが無い異なる領域内でコマンドは同時に送信されるだろう。そこでは、待ち行列遅延が無いか、または殆ど発生せずに、コマンドが中間ノード間を通過するので、外見上はその建物中で要求が同時に実行される。
【0023】
一般に、窓コントローラはHCPが位置しているかもしれないそのビル内の位置と直接無線通信をしているわけではない。しかし、一般に、全てのコントローラは他の幾つかの窓コントローラと無線通信を行える範囲にあるだろう。メッシュネットワークソフトウェアは、中間ノードを通る一連のホップを介してデータパケットがソースノードから最終的に目的ノードに通じるパス沿いのどこかの隣接ノードに送信されることを許可する。ノード間に存在する多重パスのために、一般に、データは一時的に無線インターフェースを通過するかもしれないネットワーク領域中に届けられることができる。2地点間通信のデータの再送および認承は、送信されたデータを受信したネットワークにおいて一つノードから次のノードまでにデータが欠落していないことを保証する。そのような承認が受信されない場合には、ノードは、目的ポイントへの代替パス上にそのデータを送信してもよい。もし無線ネットワークのセグメントが孤立してしまった場合には、パケットホップ数はパケットの最終目的ポイントに到達しないであろうパケットがネットワークから削除されることを保証する。孤立したサブネットワークを生成する特定の無線通信失敗のためにデータが欠落したかもしれないので、終端間認承はソースノードおよび目的ノードにデータのそっくり全部が再送されなければいけない時を認識させる。「ビルディングコントローラ」に組みこまれた報告工程は、ネットワークの中にあるノードを監視し、互いに関連したデータを収集し、全てのノードが「階層コントロールポイント」と通信できることを保証するインストーラを支援するために窓コントローラアドレスを考慮に入れる。ネットワーク全体のある部分が他の部分から孤立していることが発見されると、一つのネットワークセグメントから他のネットワークセグメントへデータが移動するためのブリッジポイントを提供するために、ネットワークに存在するセグメント間の地理上の領域に特別なノードが組み込まれてもよい。一般に孤立したセグメントを一緒にブリッジするためには、少なくとも二つのノードがあるべきである。そのブリッジ(複数)は、どのSPD窓にも接続されていない窓「拡張型コントローラ(複数)」にすぎない。
【0024】
「拡張型コントローラ」は建物内のエネルギー使用量をより細かく制御することに使用されるかもしれない様々なタイプのセンサーを備えてもよい。光電素子はそれぞれのSPDガラス上に配置され、そのSCに接続されてもよい(図2および3参照)。ビルディングコントロールポイント“BCP”全てのSCにセンサーデータを定期的にBCPへ送信するように指示してもよいし、またBCPは光電素子および他のセンサーデータを読むために定期的にそれぞれのSCをポーリングしてもよい。BCPにおける最初のシステム設定手順を通じて、BCPは、建物の構造、窓が面しているコンパス方位、建物の緯度および経度、それぞれの窓の垂直方向からの角度、およびユニークノードの位置および窓アドレスを知っている。建物中の光電素子からの入力は、BCPが暖房および空調のために建物が要求するエネルギーの総量を低減するために、不透明度を増加または減少させる建物の最良の領域を決定するためのボーティング技術を利用することを認める。それぞれのSCに読み取り可能なコンパスおよびガラス角度検出器が組み込まれると、建物についてそれぞれの窓をより正確に制御するためのモデリング工程は、この設定情報が直接提供されることによって単純化される。
【0025】
BCPでは、一日のある時間および1年の何日かをシステムオペレータに対して建物の一部について特別な優先権を与えることを許可している。その範囲の地勢または他の建物からの反射光によるグレアを受ける建物の領域を特定するために、これは利用されるかもしれない。優先権の特徴は通常は透明の窓について建物のその部分におけるグレアを減少させるためにある期間たぶん暗くさせることを許可することであろう。したがって、建物のある領域は自動制御下になる一方、同時にその建物の他のセグメントは特別優先権状態下になるかもしれない。それぞれの制御の複合した組合せが同時に有効になってもよい。
【0026】
多くの“グリーン(Green)”建物はすでにハネウェルエンタープライズビルディングインテグレータ(EBI)のようなインテリジェントエネルギーコントロールシステムを取り入れている。これらのタイプのシステムは、新鮮な空気の循環、建物の臭いの除去、電気の使用量の制御、および未使用領域に対するエネルギー必要量の削減に関して、ビルディングHVACシステムを動作させ/監視し/制御する。これらの最高級のシステムは、建物の防犯、出入管理および監視、資産管理、火および煙の検出および、防火扉制御および構内放送システムをも取り入れている。本発明は、以前には決してすることのできなかった方法で、これらの最新式のシステムの機能を拡張する。これらのシステムは、建物の周りの熱の移動および空調の変化に従って太陽の利用を最適化することで、効率的に建物のスキン(skin)を一日中動的に制御できるかもしれない。両方のシステムの組み合わせは、組織的な方法で建物の多重サブシステムを直接制御するので、単独制御された窓またはBCP制御された窓が可能なレベルの効率化よりも更に高いレベルの効率化を提供する。
【0027】
本発明の実例において、BCPは、追加的なセンサーデータを外部システムに供給するためおよび外部システムが高レベルの形式で建物中の光量レベルの調整を要求することを許可するために、外部システムへのXMLインターフェースを供給するであろう。BCPはXMLリンクからの要求を受信し、外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」(IECS)によって要求された変化を生じさせるために、それらを解釈し、階層的なネットワークによって適切なコマンドを送信することによりそれらを実行する。このモードにおいて動作する場合は、BCPの自動制御は無視される。BCP/IECSリンクに渡るXMLコマンドまたはXML応答の断続的な“ハートビート”転送は、二つのシステムが同期を維持し、協調した動作をすることを保証する。ハートビートが失われた場合には、そのBCPは自動モードに戻ることができ、IECSシステムがオンラインに復帰するまで独立して建物を動作させる。
【0028】
本発明は、居住用または商業用建物内の全ての窓間の大規模な無線ネットワークを構築するために、それぞれの窓コントローラデバイスと一緒に設置された低コスト、低消費電力、通信距離範囲が限られた無線送受信機を利用する。建物内の窓は一般にお互いが10メータ以内にあるので、通信距離範囲が限られた送受信機は、この環境に対して完全に適合している。それぞれのコントローラにおいてソフトウェアによって駆動されるマイクロプロセッサーはコントローラのローカルアプリケーション機能を動作させる一方、ソースノードおよび目的ノードが、お互いの距離が遠いためにお互いに直接通信をしない場合であっても建物内のソースノードから目的ノードへのメッセージを送信するために使用される無線パケットスイッチングタイプソフトウェアを同時に実行させる。ソースノードから目的ノードへ移動されるべきデータは、ソースノードから無線可能な送受信機へ送信され、パケット化されたデータを所望の目的ノードへ到着させるパスに沿った無線可能なその他の無線送受信機へ送信される。
【0029】
コンピュータが多数接続されている配列中の中間ポイントを介してソースコンピュータから目的コンピュータへメッセージを移動させる技術は、最初「パケットスイッチング」と称されており、インターネットの前身である1969年のアーパネットを最初の特徴とした。1969年12月に動作可能であった代表的なアーパネットの4ノードネットワークである図6は、データパケットをIMP62へデータを転送するであろうインターフェースメッセージプロセッサー(IMP)61、および目的ホスト163へデータが渡されるIMP63へデータを渡すことによって、ホスト161からホスト163へデータパケットを潜在的に送信することが可能であっただろう。IMP62がIMP63へのリンクがある一定期間機能しないことを検出する場合には、ホスト161からホスト163への同一データは欠落した直接リンクを使用する代わりにデータをIMP63へ転送するIMP64を通って転送されることができるであろう。パケットスイッチネットワークの概念は、いくつかの個別の通信パスでのサービスができない状態になる場合であったも、最終的な目的ポイントへパケットを到達させるための代替パスを配置することである。あるパケットネットワークは、リンク欠落が起こった場合に代替データパスを決定するために特定のルーティングテーブルを利用し、最初のパスまたは代替パスが使用されるべき時期を決定するアルゴリズムを備えている。他のパケットネットワークは、ネットワークにおける全ての最終目的ノードへの最良のルートリストを継続的に維持するために隣接したノード間で定期的に更新される動的に更新されるルーティング情報を有している。
【0030】
ハードウェアおよびソフトウェアにおける進歩によって、ホスト(アプリケーションプロセッサー)とノード(「インターフェースメッセージプロセッサー」−IMP(複数))のパケットスイッチングネットワークとの分離はすでに必要なくなった。長距離通信による非常に高額なコール(当時における)を介する代わりに常に局所的にメッセージが配信されることを許可していたネットワークを通過するメッセージによって、1980ITT−DTSファクスパックファクシミリ蓄積交換パケットスイッチングシステムは当時の異なる速度のファックス機間の互換性を提供するアプリケーションに統合された。図7における「広域ページング」ネットワークにおいてはネットワーク内のどのノードも、ダイヤルイン電話呼び出しによって特定されるページングメッセージ(電話番号)、オペレータから受信されるテキストメッセージ、または遠隔ノードから受信されるメッセージ、目的ノードにおいて符号化され送信されるであろうページングメッセージを受信することが許可されたアプリケーションを動作させていた。同じノードで動作したパケットスイッチングソフトウェアは、複数の都市における人間を呼び出すために、適切な目的ノードまたは複数の目的ノードにページングアプリケーションパケットが届けられるように指示していた。
【0031】
パケットネットワークは、一般に異なる都市にあるノード間の専用通信回路によって動作している。つい最近になって、同一のマルチ−パスパケットスイッチング技術がノード対間の有線リンクの代わりに無線リンクを利用する無線送受信機ネットワークに配備されてきた。これらの無線パケットスイッチングシステムはメッシュネットワークとして知られるようになった。図7と同様の2次元配線通信回路とは違って、メッシュネットワークにおける無線デバイスは、それぞれのノードの3次元領域内における2地点間通信を許可する。それぞれの窓がノードを示すかもしれないオフィス環境においては、特定の窓から数フィート左または右内にある窓は、特定の窓から数回上または下の階に潜在的にある窓としてだけではなく、潜在的な中間ノードとして考えられることができる。
【0032】
この実施例においては、それぞれの送信パケット中のヘッダーパケットはソースノードアドレス、目的ノードアドレスおよび目的ノードへのパスに沿った次のホッピングポイントのアドレスを特定する。この「拡張型コントローラ」がネットワーク中の他のポイントへ情報を送信する場合には、このデータは3次元の中へ送信される。多くの受信機は、受信機が受信するデータ中に干渉を検出し、受信されたデータを無視するであろう。いくつかの他の受信機は送信エラーを有するパケットを受信するかもしれない。正確に受信されたパケットによって指示されるノードだけがそのパケットを保持するであろう、そしてそのノードはそのパケットを解析し、データ項目が最終目的ノードまでの途中にあるその他の中間ノードへ送信されるべきか否か、またはそのパケットがそのノードにおけるアプリケーションソフトウェアによって取り扱われるべきか否かを決定するであろう。
【0033】
多重コマンドが発行され、そのネットワークの異なるポイントにおいて同時に実行されることを許可するために、論理的な階層構造がそのネットワークに持ち込まれる。あるネットワークノードは、より下位レベルの「階層コントロールポイント」へデータを転送するだけの「階層コントロールポイント(HCP)」に指定される。結局、その最下位レベルのHCPは論理的にネットワーク内の全ての「拡張型コントローラ」のサブセットだけにデータを転送する。この論理的な設定は単一コマンドが多重コマンドへ分けられることを許可し、これらのコマンドのそれぞれが更により多くの多重コマンドに拡大することを許可し、それらによって最上位レベルにおける最小数の制御メッセージが最大数のノードを制御する。したがって、建物のセグメント内にある全ての窓を透明にする一つのコマンドは最上位レベルのノードにおいて発行され、建物内の所望の窓に効果を与えるためにこのコマンドが送信されることが必要であると理解されるより下位レベルのノードに転送されるであろう。
【0034】
一方、到達すべき緊急データ項目であると見なされるセンサーデータは、個別の「拡張型コントローラ」において捕捉され、データ項目が最上位レベルのHCPに到達するまで、より上位のそして更に上位のHCPレベルに転送される。
【0035】
図1に転ずると、単一の外部デバイス1からの手動調整下のSPD窓コントローラ2が参照される。それは窓5を制御する。
【0036】
図2は、制御下の窓5に照射される太陽光の明るさを検出するためのフォトセル10が付加された図1のコントローラを示す。
【0037】
図3は、コントローラの「拡張型ネットワーク」動作だけではなく、より洗練されたコントローラの能力を支えるいくつもの異なる機能を実行するマイクロプロセッサー3を取り込むことによって生み出された「インテリジェントコントローラ」である。センサー8からの付加的な入力は、「拡張型コントローラ」が決定を行うために使用するかもしれないデータ量を増やす。
【0038】
図4は、制御ソフトウェアにおけるセットアップ手順を用いてユーザによって設定されたコントローラの直接制御下にある一つまたはいくつかの窓枠51―54と繋がっている複数の手動入力1を備えた「インテリジェントインテリジェントコントローラ」を示す。一つの単一手動入力は、一度に一つの窓または、二つ、三つまたは四つの窓を、まるで一つのSPDガラスの部分であるかのように制御してもよい。一つ以上の手動入力が、同じ部屋の異なるポイントから動作する手動制御を支援するために、同じガラスの組を制御することに使用されるかもしれない。
【0039】
図5はこの例における四つの窓枠の異なる組み合わせ、およびセットアップソフトウェアが個別の窓枠のどのような組み合わせセットをも単一のガラス窓枠として取り扱うことを示す。「拡張型コントローラ」のもとにおける四つの窓の設定については、ここでは四つの窓をA、B、C、Dと称する、窓ACが単一の窓として制御され窓BDが他の単一の窓として制御されるように、または窓BCDが単一の窓として制御され窓Aが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCDが単一の窓として制御され、または窓ABCDが四つの別々の窓として制御されるようにユーザが設定してもよい。
【0040】
図6は、目的ポイントに到着するために中間ノードを通る代替パスに沿って送信されるかもしれないデータが含まれる初期のパケットスイッチングまたはメッシュネットワークの一つを示す。これは、1969年の4ノードタイプ「アーパネット」の例であり、今日のインターネットの先駆けとなっている。ホストコンピュータはデータをこのネットワークにある他のホストコンピュータへ送信し、所望の目的ホスト163へ直接接続された特定のIMP63の方向へ更にパケットを中継するであろう目的ポイントではない他のEVIP62、64へデータパケットを送信するために「インターフェースメッセージプロセッサー(IMP)」61のサービスを利用する。
【0041】
図7は、初期のアーパネットシステムにおけるホストおよびIMPの機能の組み合わせによるパケットスイッチングソフトウェアを実行している同じコンピュータ上で特定の処理アプリケーションが動作する、さらに進歩したパケット交換メッシュネットワークを示す。マイクロプロセッサー能力の向上はシングルプラットフォーム上においてこれらの機能の結合を可能にした。これは、市規模の孤立した無線呼び出し(ポケベル)システムを、ちょうど一つの市の代わりにその国のどこに位置していても誰かに警報を発することができる全国的なネットワークに改造した発明者によって生成されたDLHプロトコルを使用する「無線呼び出しネットワーク」アプリケーションの一例である。アーパネットおよびインターネットはそれぞれのノードにおいて目的地への最良のルートリストを動的に維持するためにRIPのような正式なルーティングプロトコル規格を使用する。DLHは主要なルートおよび代替ルートのリストを維持するために独自仕様のルーティングプロトコルを使用する。その独自仕様のDLHネットワークは、結局その発明者が作成することを助けた無線ページング産業標準TNPPプロトコルに取って替えられ、その発明者が議長となった産業委員会は11年以上もの間このプロトコルの使用を促進してきた。TNPPプロトコルは、それぞれの目的ノードへの最良のパスおよび代替パスを維持するために、製造業者特有の独自仕様ルーティングプロトコルとともに使用された。ノードB72において発生したページングメッセージは、ポケベル受信機171へ情報を伝達するアンテナと次々に連結するノード71に到達するまで、他のノード73、74へ伝達されるかもしれない。
【0042】
図8は、「拡張型コントローラ」ノードに備えられた他の送受信機へデータパケットを送信する無線送受信機と一体化した図3の「インテリジェントコントローラ」から構成される「拡張型コントローラ」ネットワークを示す。インターネットRIPと似ているルーティングデータは、それぞれの「コントローラ」ノードにおいて目的ノードへのパス上にあるデータを受信するための最良の次のノードのリストを維持する。図6および7の有線のネットワークと違って、図8の無線ネットワークは受信したデータよりも異なるノードへアドレスされたデータを時々適切に受信するかもしれない。この場合には、その受信されたデータは目的ポイントへの最適のパスに沿った次のノードではないノードによって無視され/捨てられる。それぞれのコントローラ81、82、83、84はコントローラ、マイクロプロセッサーおよび無線送受信機を有している。
【0043】
図9は、「マスタービルディングコントロールポイント」(MBCP90)がネットワークノードの一つに接続されている図8のネットワークの例を示す。MBCP90は、昼夜のいつでも特定の不透明度に自動的に設定される建物の部分を決定するデータ処理サイトである。「データ処理」システムは、任意にインターネット91および多くの建物所有者に代わってSPDビルディングスキンコントロールシステムの動作を監視する遠隔中央モニタリングサービス92に接続されてもよい。
【0044】
図10は、たとえ最初のBCPが機能しなくなることがあってもシステムが正常に動作を続けることを保障するために、ネットワークにおいて支援される冗長「マスタービルディングコントロールポイント」(BCP)の例を示す。一つのMBCP(データプロセッサーとして示されている。)は、ノード81に接続されており、二番目のMBCP(同じくデータプロセッサーとして示されている。)はノード87に接続されている。
【0045】
図11は、建物の異なる領域が有するであろう建物のある部分における「拡張型コントローラ」の動作を監視する異なるタイプの「階層的なコントロールポイント」(HCP)を示す。
【0046】
図12は、「コントロールポイント」の「階層的な」マッピングであり、最も上位レベルの「コントロールポイント」において生成されるコマンドが、どのように論理的にさらに下位の階層レベルにおけるますます多くのエレメントにコマンドを配信するより下位レベルの「コントロールポイント」に配信されるかを示す。幾つかの「オフィスコントロールポイント」(OCP)、「セクションコントロールポイント」(SCP)、「リージョンコントロールポイント」(RCP)、「フロアコントロールポイント」(FCP)、「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)および一つの「ビルディングコントロールポイント」(BCP)が典型的な建物環境にはあるかもしれない。単一の「コントロールポイント」は小規模な実施において存在するかもしれず、とても大規模な実施においては全てのタイプの「コントロールポイント」が存在するかもしれない。追加的な「制御ポイント」の使用はメッシュネットワークの通信オーバーヘッドを減少させ、窓の不透明度を変調するコマンドが送信されてからそれぞれの窓が実際に動作するまでの時間遅延を減少させる。本発明の実施例においては、どの窓のSCも「マスタービルディングコントロールポイント」から送信されるコマンドが経由する「制御ポイント」になることができる。「マスタービルディングコントロールポイント」は「インテリジェントデータ処理システム」であるが、より低い階層的な制御ポイントはどのような窓SCにおいても「マイクロプロセッサー」によって容易に取り扱われる比較的小さな規模の特定のコマンドと動作を備えている。中間的な規模の「拡張型コントローラネットワーク」の実施においては、MBCPは「マルチフロアコントロールポイント」(MCP)に対して全フロアにおけるそれぞれの窓の設定を変化させるように情報を与えることができる。そのMCPはこの要求をそれぞれのFCP(複数)96.99に伝送し、FCP(複数)はその要求をRCP(複数)97、100、101、102に伝送し、RCP(複数)はそのコマンドをSCP(複数)へ伝送するだろう。そして、SCP(複数)は、そのコマンドを、オフィス(明確には図示されていない)にあるそれぞれの窓コントローラへ要求された変化を実行するように命令するOCP(複数)へ転送するだろう。階層のそれぞれのレベルにおける多重ノードへの拡大によって、ネットワークのオーバーラップが無い異なる領域内でコマンドは同時に送信されるだろう。そこでは、待ち行列遅延が無いか、または殆ど発生せずに、コマンドが中間ノード間を通過するので、外見上はその建物中で要求が同時に実行される。
【0047】
図22は、建物内にあるすべてのSCへコマンドを送信する「マルチフロアコントロールポイント」MCPのポイントからポイントへの通信負荷を軽減するために、コントロールポイントの階層を形成する論理的な接続を示す。開示されている例においては、MCPは隔離されたLAN上に最適に配置された二つの「フロアコントロールポイント」(FCP)へコマンドを送信する。同時に、それぞれのFCPは、オフィスコントロールポイント(OCP)へコマンドを次々に転送するかもしれないセクションコントロールポイント(SCP)へコマンドを中継することができる。それぞれのOCPは、同時に受信したコマンドを、それぞれのOCPが責任を持つ一つまたは複数のSCへ中継するかもしれない。最終的に、全てのSCは要求されるコマンドを受信するであろうが、階層的な構造はMCPからそれぞれのSCに到達するためにネットワーク全体を横断する総データ送信回数を減少する。
【0048】
図13は、XMLインターフェース112経由で「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」(IECS)111を備える「マスタービルディングコントロールポイント」110インターフェースを示す。図23は、より詳細に、一つの建物内の全ての個別の窓に対する中央制御知能を与える「マスタービルディングコントロールポイント204」が、外部システムがMBCPを経由でセンサー入力を受信しその制御の下でいくつかの窓または全ての窓の設定を変更するためにMBCPへコマンドを送出するために、どのようにXML209リンクを経由で外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム210」へ接続できるかを示す。
【0049】
図14は、空を横断する太陽の通り道がどのように変化し、どのように一日の太陽光が建物の窓に降り注ぐかを示す。地球が太陽の周りを公転するので、太陽の通り道は一年のそれぞれの日に少し変化する。惑星上のどの緯度および経度に対しても、太陽の通り道が横断することはよく知られている。
【0050】
本発明のその他の実施形態は、窓の配列をマルチメディアディスプレイの一部とする。オフィスビルディングは、オフィスビルディングがある都市の外観をよくするような方法でしばしば装飾される。たとえば、ヒューストンにおいては、多くの大きな建物は、それぞれの晩における都市の空を背景とした輪郭を形成するために、それぞれの建物の周囲上の小さな明かりの列で建物の輪郭が描かれる。休日には、多くの建物は、建物に主に人がいない場合に休日と関連したあるパターンを表示するために、建物中の特定の光を夜中に点滅させるであろう。例えば、クリスマスの間は、大きな建物の窓には十字架またはダイヤモンド形状のパターンが、建物の異なるフロアレベルにおいて、および隣接した建物において冬季の風物詩の一部として現れるかもしれない。
【0051】
この実施形態は、映像プレゼンテーションの一部として使用してもよいようにMBCPの機能を拡張する。このコントローラは、コントローラの制御下で透明状態から暗状態へのどのような設定もまたは手動制御下またはMBCPからの自動制御下におけるどのような設定へもどのガラスの窓枠をも変化させる能力をすでに有しているので、この性能を付加しても影響を受けない。従って、特別な、エネルギー効率性に関連したアプリケーションが、建物オペレータによって望まれるような特別の方法で窓を動作させるためにMBCP中に存在するかもしれない。
【0052】
(テキストメッセージモード)
二つのモードは同時に動作してもよいが、二つの動作モードがある。第一のモードは、テキストディスプレイにメッセージを形成するためにSPD窓を使用する。この極めて単純なアプリケーションにおいては、それぞれのSPDガラス窓枠は、情報の一ピクセルを示す。その窓枠サイズおよび文字を作り出しているそのマトリックスサイズは、その窓からどのぐらい離れてユーザが形成された文字を明確に読むことができるかを規定している。ある場合には、4または9(2行2列または3行3列)個の窓による正方形の箱が、個別のピクセルサイズを増加させるために一つのピクセルとして制御されるかもしれない。それぞれのコントローラは、ピクセルをオンまたはオフ、またはある程度の濃淡を設定するためのMBCPからのコマンドを受信する。48個の窓を一組として使用することによって、6行8列のピクセル配列はいずれかの文字または句読点を形成し、それぞれの文字の周囲に一つのピクセルを含むようにしてもよい。
【0053】
MBCPはもう一つのモードで動作してもよく、この場合にはMBCP上におけるローカルコンソールよりも外部システムによって、表示されるべきメッセージ(または複数のメッセージ)が与えられる。そのMBCPは、メッセージ入力のためにいくつかのインターフェースを支援するであろう。これは、MBCPと外部システム間のXMLタイプコマンドセットを含む。そのコマンドセットは、LAN接続、シリアルポート、赤外線ポートまたは他の物理的手段上で動作してもよい。そのMBCPは、表示される文字または言葉またはメッセージのシーケンス、タイミング情報,およびピクセル開始位置によってプログラムされてもよい。特定の割合で窓またはピクセルの設定を変更することは、テキストメッセージが幾つかの窓に渡ってスクロールする感覚を与えるであろう。これは、たとえば、右側の一つの窓の設定を左側にある一つの窓へシフトさせて、ディスプレイの左側にあるピクセルデータの一つの垂直方向列を除去させることによって実行される。最も右側の窓におけるピクセルのその列は、表示されるべき次の文字のためにある。これは、右から左への円滑なスクローリングを提供する。同様の方法でその文字は反対方向へ書かれた言葉のために左から右へもスクローリングされてもよい。それぞれのテキスト列の開始位置は、窓があるどこかの階またはいくつかの階でメッセージが同時に開始してもよいように特定されてもよい。
【0054】
MBCP内のロジックは、SPDガラスの性能を活用する他のテキストディスプレイの特徴をも備えてもよいだろう。たとえば、文字が逆さまに表れ、右が上に変えられてもよい。その文字は、それぞれの文字を形成している何れかの列沿いに垂直方向に回転されてもたぶんよいだろう。ピクセルは透明状態から始めることができ、文字はそれぞれのピクセルを個別に暗状態に変化させる事によって形成され、または何らかの興味深い特別な効果のために上から下へまたは下から上へ形成されることができる。単語は同様の方法でディスプレイに表示されることができる。ピクセル列を左から右へおよび右から左へ暗くして文の中央で出会うようにまたは中央から暗くして左側および右側に放射状に暗くする。または、異なる開始列が選択され、ピクセルが一つの方向へまたは文字の場合のように両方向に暗く放射状に広がってもよい。与えられた強度で一度に文字を表示するよりももっと興味深くディスプレイに表示させるために可能な表示方法の組み合わせには限りがない。もちろん、これらの特別な表示方法のどれもが、XMLインターフェースを介して外部デバイスがSPDガラスの配列を駆動することにより可能になるだろう。
【0055】
この例は、メッセージを表示する手段としてオフィスビルディングにおけるSPDガラスの使用を見直すことになるが、それぞれのガラス窓枠またはピクセルサイズにもよるけれどもこの例はより小規模のアプリケーションに小型化されるかもしれない。たとえば、メッセージがアトリウムの下に立っている人々の頭の真上を、SPDガラスのアトリウムに渡ってスクロールされ得るだろう。あるいは、とても小さなガラス窓枠が使用されれば、SPDガラスの小さな動画ディスプレイが生成され得る。
【0056】
(ビデオモード)
SPD窓の構造は、それぞれのピクセルが0%から100%までの範囲でその範囲の終端はオフ状態またはON状態と考えられるどのような濃淡レベルにも設定されることができる大量のピクセルとしても観察されるかもしれない。そのようなディスプレイを見ている人々を楽しませる多くのランダムなおよびよく構成された視覚的な効果を提供するためには、大規模な配列におけるそれぞれのピクセルに渡る光量レベルの異なる設定の組み合わせは数限りなくある。多くの予めプログラムされたシーケンスのセットは定義され、MBCPに記憶されてもよい。それぞれのシーケンスはガラスにおいて幾つかの特別な視覚効果を提供するかもしれない。シーケンスは以下のように定義されてもよい。
・全く暗い状態から非常に明るい状態へのフラッシュ
・全く暗い状態から始まり透明な状態にゆっくり明るくする
・左側から右側へ
・右側から左側へ
・上から下へ
・下から上へ
・正方形を大きくする方法で中央から端へ
・端から中央へ
・チェッカーボードパターン
・そして多くの多くの他のシーケンス
【0057】
MBCPはシーケンスを起動する多くの手段を支援し、予めプログラムされたシーケンスセットの‘スクリプト’を保存しておけるように支援するであろう。MBCPはシリアルポートまたはPCのLAN接続部を介して駆動されることができるであろう。MBCPは、実際にはボタンおよびスイッチの配列である外部デバイスを支援することができ、ここではスイッチ設定の組み合わせおよびボタンを押すことが予めプログラムされたシーケンスを起動する。このように、レーザ光が音楽演奏に合わせた予めプログラムされた光効果を起動するためにオペレータに類似タイプのパネルを使用することを示すのと同様に、オペレータは外部音楽に合わせてシーケンスを“演奏”できるかもしれない。新しいシーケンスの複雑な配列はオフラインで確立されてもよいし、外部システムからMBCPへいつでも送信されてよい。これらの外部シーケンスの幾つかは後にMBCPに記憶されてもよく、外部デバイスからそのシーケンスが繰り返しダウンロードされるよりも参照番号によって呼び出されてもよい。マルチメディア環境における更なる統合のために、窓配列が完全に暗状態に設定される場合には、SPDガラスにおいて動画を表示するためにビデオプロジェクターが潜在的に利用され得る。外部ビデオプロジェクターにビデオデータの表示を開始するコマンドが送信される場合に、このシーケンスが要求されるであろう。
【0058】
シーケンスの一つの瞬間的な状態に関連するピクセルの配列は、関連するピクセルを適切な設定にするために必要なそれぞれのコントローラへの無線コマンドの送信によって特定のレベルに設定される。その無線コマンドはMBCPにおける無線インターフェースから直接に、または特定のピクセルのコントローラがそのMBCPと直接通信できない場合には、配列(メッシュパケットネットワーク)におけるいずれかの中間ノード(複数の中間ノード)またはコントローラ(複数のコントローラ)を介して受信されてもよい。
【0059】
MBCPの窓配列において視覚的な特別な効果を提供する能力は、MBCPに支援される特別なインターフェースのセットによって更に強化される。このMBCPは、「インテリジェントコントロールシステム」に基づく照明産業標準DMXに対する制御可能な照明システムとして表現され得る。これらのシステムはマルチメディア照明ショーを支える特別な効果のあるスクリプトの生成および記憶をすでに支援してきた。
【0060】
(SPD窓のX.10制御)
本発明のコントローラは、大規模な建物環境における自動遠隔制御を支える無線ネットワーク上で動作してもよい。しかし、おおよそ16個の窓を有する居住用の計画のようなより小さな環境においては、この無線制御による解決方法はある状況においてはとても値段の高いものになってしまうかもしれない。この状況を解決するために、拡張型コントローラの他の実施態様がある。上述した無線送信機および受信機をコントローラに統合する代わりに、本発明は110ボルト交流または220ボルト交流電力線を介してX.10制御信号を受信することができるインターフェースを上述のコントローラに備える。X.10通信プロトコルを保護していた米国特許は現在有効期限が終了している。現在のところ、存在してきた期間、存在する互換性のある製品数、電力線上で制御信号を送信するX.10コントローラの入手容易性,およびそれらが低コストであることから、X.10と互換性のあるインターフェースは望ましい。図18はX.10信号を送信し、窓183へコマンドを次々に送信するX.10デコーダ182へコマンドを送信するコントローラ181を示す。X.10インターフェースのオプションは、一つまたは二つ以上のガラス窓を動作させるコントローラ回路カード上に設けられるであろう。それぞれのコントローラは、110ボルト交流または220ボルト交流電力線へ直接接続される電力線を介して動作するであろう。256個の窓まではこの環境で制御されるかもしれない。それぞれの窓コントローラは、「X.10文字」(ホーム/ネットワークID)および「番号コード」(デバイスID)で指定されるであろう。窓コントローラがそのアドレスを電力線バス上で参照する場合には、窓コントローラはON信号、OFF信号、DIM・UP信号、DIM・DOWN信号のようなコマンド信号を探すであろう。ON信号は、窓を完全に暗状態に設定する信号としてコントローラにおいて実行されるだろう。OFF信号は、窓を完全に透明な状態に設定するものとして解釈されるであろう。コントローラは、現在の窓の設定をその制御の下で維持する。DIM・UPコマンドは、窓の暗さを0%から100%の方向へゆっくりと増加させ、DIM・DOWNコマンドは、ゆっくりと暗さを減少させ窓をより透明にするであろう。これらの4つの信号を256個の可能なX.10アドレスの何れへも送信することができる全てのX.10デバイスは、全てのSPD窓を制御することが可能であろう。X.10コントローラは、手動制御下でこれら4つの信号を送信するために、またはコンピュータが一日の特定時刻にコマンドを送信するようにプログラムするために現在存在する。これは、少ない数のSPDデバイスをローカルに制御するとても簡潔な手段を提供する。X.10デバイス、Z−Wave、Insteon、および802.11.15ZigBeeへの幾つかの無線交換を支援する類似のインターフェースが存在するであろう。
【0061】
図15は、24個の窓または窓枠をそれぞれ制御する5個のコントローラを示す。これらの窓枠はAおよびBがそれぞれお互いに隣り合い、EおよびDは直接AおよびBの下にあるように物理的に配列されるかもしれない。これは8行12列のピクセル配列を形成するであろう。MBCPからのコマンドは、ローカル送信機、M、を介して無線メッシュネットワークへ送信されるであろう。それはコントローラDと直接に通信することができるかもしれないが、コントローラBに到達することはできない。従って、ノードコントローラCを介してノードコントローラBへコマンドが中継されるようにピクセルを設定する。ノードAにおける設定を制御するために、コマンドは、たとえば、パスM、D、E、AまたはパスM、D、B、AまたはパスM、C、B、Aを介して通信されてもよい。
【0062】
図16は、左側と上部の境界に一つの窓またはピクセルを有し、7行、5列の暗くなった窓のピクセル配列中に形成される文字“E”を示す。
【0063】
図17は、隣合った窓枠と数パーセントだけ照明効果が異なるそれぞれの窓枠を示す。
【0064】
この発明は従来から存在した制御範囲をはるかに超えたSPDの制御範囲を提供するという点で評価されるであろう。本発明における“拡張型コントローラ”別名を“SC”というは、従来のコントローラの性能をはるかに拡張する知能を提供する。従来の実施においては、一つから幾つかのガラスを単一のコントローラが制御しているかもしれない。ここで、いくつかという数字は8個のような比較的小さな数であって、それぞれのガラス部分はコントローラに有線で接続されている。「拡張型」コントローラは、ユーザが設定してもよい関係である手動外部制御あるいはいくつかの個別の手動制御と、どの窓または複数の窓がその手動設定から制御されることが可能かという関係についての設定段階を更に提供する。「拡張型コントローラ」のもとにおける四つの窓の設定において、ここでは四つの窓をA、B、C、Dと称する、ユーザが、窓ABが単一の窓として制御され、かつ窓CDが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCが単一の窓として制御され、かつ窓Dが他の単一の窓として制御されるように、または窓ABCDが単一の窓として制御され、または、窓ABCDが四つの別々の窓として制御されるよう、図5に関連して前述したように設定してもよい。
【0065】
このようなインテリジェント制御はいくつかの窓が自立的に動作することを許可するが、大規模な実施においては、建物の窓の全セグメントを組織的な一連の制御の下に置くことが望ましい。比較的大きなタイプの環境においては、個別の窓のプロファイルを使用するよりも、組織的な一連の制御はリアルタイムデータ処理を実行でき、どのポイントにおいても時間に間に合って建物のセグメント毎の不透明度をよりインテリジェントに決定することができる。本発明のSCはこのような方法で動作するために拡張することができる。
【0066】
SCが手動モードの場合には、SCが制御しているSPDガラスまたはプラスチックの不透明度を正確な設定に制御するために、SCは部屋の居住者からの入力を利用する。使用可能な異なる手動入力デバイスには範囲がある。スイッチ、抵抗のようなデバイス、または可動部品はないが、たとえば私の全てが利用される、指の接触を検知することができる容量タイプのデバイスがその範囲に含まれる。しかしSC(複数)は、SCが接続されているローカル領域ネットワークを介して送信されたコマンドを受信することかもしれない。SCは、実行されるべき機能を制御するためにネットワークのどこにいてもコマンドを受信できるようにLANカードのプラグインを許可する。多重LANは、建物の窓で覆われている物理的な領域サイズを増加させるために、「リピータ」または「ブリッジ」を介して接続されてもよい。LANが最大長に達してしまった場合には、建物内のそれぞれのSCに到達できる広域ネットワークを生成するために独立したLANを互いに接続するルータが配置され得る。広域ネットワークの目的は、それぞれのSCが中央知能ポイントから発行されたコマンドを受信できるようにすることである。中央知能ポイントである「マスタービルディングコントロールポイント」(MBCP)においてはデータ処理システムがそれぞれの窓に対して最善の設定をするように決定を行っている。MBCPは、センサーデータをポーリングすることによってSCと一緒に用いられるセンサーからのデータを取り込むことができる。そしてMBCPが接続されているネットワークを介して読み込まれるかもしれない他の入力から、MBCPは、建物全体の現在の不透明度レベルの最適設定方法を決定するために緯度情報および経度情報、時刻、通日、および他の事実を利用する。MBCPはこの場合に最適の設定を選択するためにネットワークを介してそれぞれの個別の窓にコマンドを送信してもよい。
【0067】
「拡張型コントローラ」は建物内のエネルギー使用量をより細かく制御することに使用されるかもしれない様々なタイプのセンサーを備えてもよい。光電素子はそれぞれのSPDガラス上に配置され、SCに接続されてもよい(図2および3参照)。「マスタービルディングコントロールポイント」“MBCP”全てのSCにセンサーデータを定期的にMBCPへ送信するように指示してもよい、またMBCPは光電素子および他のセンサーデータを読むために定期的にそれぞれのSCをポーリングしてもよい。BCPにおける最初のシステム設定手順を通じて、BCPは、建物の構造、窓が面しているコンパス方位、建物の緯度および経度、それぞれの窓の垂直方向からの角度、およびユニークノードの位置および窓アドレスを知っている。建物中の光電素子からの入力は、BCPが暖房および空調のために建物が要求するエネルギーの総量を低減するために、不透明度を増加または減少させる建物の最良の領域を決定するためのボーティング技術を利用することを認める。それぞれのSCに読み取り可能なコンパスおよびガラス角度検出器が組み込まれると、建物についてそれぞれの窓をより正確に制御するためのモデリング工程は、この設定情報が直接提供されることによって単純化される。
【0068】
LANのバックボーン上の全負荷を低減し、本当に同時に実行されるべきコマンドがネットワークを横断するために、「インテリジェントコントロールポイント」の一つの階層が生成されてもよい。コントロールポイントは、MBCPに代わって中継局として動作するようにMBCPによって指示された個別のSCにすぎないであろう。階層の最も高いレベルにおいて、「マスタービルディングコントロールポイント」は、建物内のSPDガラスの全ポイントにおける不透明度の現在の設定をインテリジェントに決定する存在である。実施サイズに応じて、いくつかのレベルの階層がある。「マスターコントロールポイント」は不透明度変更コマンドを、いくつかのより低いレベルの「階層コントロールポイント」と順々に通信する一つまたは二つ以上の「階層コントロールポイント」へ送信し、最終的にはこのコマンドはコントロールポイントが責任を持つそれぞれの個別のSCに到達する。このように制御をマルチレベルに分配することは、「マスターコントロールポイント」が存在するLANを通過するデータパケットの量を低減し、コマンドをこのようにそれぞれのローカルLANへ分配して伝送することによりマスターおよびバックボーンネットワークの負荷を低減する。この制御は、それぞれの「階層コントロールポイント」がそれぞれのローカルLAN上のマスターに対するコマンドの分配を実行するので、それぞれのコマンドがマスターコントロールポイントから直接送信されるべき場合よりも早くコマンドが実行されることも可能となる。従って、コマンドは直列的にLANを伝送される代わりに多重LANに同時に送信される。この制御によって、とてもたくさんの「懸濁粒子デバイス」がより早く同時に変化することが可能となる。
【0069】
本発明の実例においては、MBCPは、窓着色情報および追加的なセンサーデータを外部システムに供給するため、および外部システムが建物周囲の着色レベルの調整を要求することまたはその制御の下に部屋の光量の調整を許可するために、外部システムへのXMLインターフェース(図13に示されるように)を供給するであろう。MBCPはXMLリンクからの要求を受信し、外部「インテリジェントエネルギーコントロールシステム」(IECS)によって要求された変化を生じさせるために、それらを解釈し、「階層的な」ネットワークを介して適切なコマンドを送信することを実行する。このモードが動作する場合は、最適の方法で全ての窓を設定するように指示するために生成された情報を使用するよりもむしろMBCPの自動制御が選択的に無視され得る。代わりに、そのコマンドは、IECSから受信されたXMLメッセージに基づいて生成される。MBCPまたはIECSリンクに渡るXMLコマンドまたはXML応答の断続的な“ハートビート(Hearbeat)”転送によって、二つのシステムの同期が維持され、対等の動作が保証される。ハートビートが消失した場合には、そのMBCPは自動モードに戻ることができ、IECSシステムがオンラインに復帰するまで独立して建物を動作させる。選択的に、そのMBCPは、そのIECSにその動作を増強する手助けのデータを供給し、窓の着色の直接制御を保つことができる。
【0070】
図19は、パケットをLAN上にある「マスターコントロールポイント」(MBCP)192へLAN193を介して送信することができるようにLANインターフェース194と一体化した図1の「インテリジェントコントローラ」から構成される二つの「拡張型コントローラ」(SC(複数))191、192を示す。
【0071】
図20は、ケーブル長のために、LAN201がその最大の能力に達してしまった場合に、LANサイズを拡大ための別のLANセグメントを追加するために取り入れられるかもしれないブリッジ202を示す。この方法は、より多くのコントローラを全てのSCの設定を制御している「マスタービルディングコントロールポイント」204へ接続するために採用された構造としては最初の方法であろう。この図は、共有配線にぶら下がっている多重SCよりも個別のSC206に直接接続するハブ205をも表している。ハブ205および個別のSC206との接続は有線または可能であれば無線でもよい。無線LANの使用は、建物制御ロジックを含む「マスターコントロールポイント」204へ接続するであろうネットワークへ全ての「拡張型コントローラ」を接続するために行われなければならない建物の配線量を減少させる。
【0072】
図21は、LANセグメントおよび「ブリッジ」/「リピータ」202の配置数が最大に達してしまった場合に、ローカルネットワークのサイズを更に拡大する方法を示す。新しい独立したLANセグメントがルータ207に接続されることを許可するルータ要素207が追加される。ルータ207はデータが異なるLAN上のLANアドレスに指示された場合を認識し、その場合には受信しているLANからそのデータを取得し、そのデータを目的アドレスが指示されている正しいLANへ再送信する。マッピングテーブルはルータ207にそれぞれのLANが処理できるアドレス範囲を知らせる。大きな建物のいたる所にあるSCは、同一のまたは遠隔のLANにある「マスタービルディングコントロールポイント」204からのメッセージまたは同一のLAN上にある「階層的コントロールポイント」からのメッセージを受信するために、最も近傍のLANに接続されている。これによってMBCPが建物のどの窓の不透明度の設定をも瞬時に変化させるようにしている。
【0073】
当然のことながら以上記述してきたことは、規模という観点において、Malvino特許を非常に拡張しているだろう。しかし、SCもまた、これらの特許において想定される制御をはるかに超えるSPD制御手段を供給することによって、Malvino特許の基本機能を拡張している。手動制御情報がマイクロプロセッサーによって読み込まれ、そして前記マイクロプロセッサーが手動制御設定に基づいて調節手段を調整するところの調節手段を手動制御する手段だけではなく、マイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスは、デバイスの光バルブ透明度特性が制御されることになる少なくとも一つの懸濁粒子デバイス(SPD)に対する電圧の調節、すべての所望の動作周波数の設定および/または波形特性の設定を制御することができる。ここではマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスに有線配線で接続された複数の手動制御デバイスおよび/または複数の個別のSPDデバイスがあり得る。ここでは、単一のSPDデバイスであるかのように作動するように、一つまたは二つ以上の複数の有線配線で接続されたSPDデバイスのSPD不透明度を直接制御するために用いられる複数の手動制御デバイス間の関係の設定手順があり得る。通信チャネル間にわたって受信されるデジタルコマンドによって、その調節手段を外部から制御する手段があり得る。ここでは、隣接したマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスにおいてデータを送信および受信するための2地点間の無線通信を使用する無線送信機および無線受信機があり得る。ここで、遠隔無線受信デバイスは送信デバイスによって送信されたデータのパケットヘッダーを解釈し、必要ならばそのパケットヘッダーデータから決定されたように受信データを処理するのみである。受信マイクロプロセッサーにおけるヘッダーデータが、前記受信したデータは異なるマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスであって、その受信デバイスと直接に通信をしないデバイスを意味することが特定される場合には、追加的な中間ホッピングポイントを介して前述したネットワーク中へ更にそのデータを送信するためのコンピュータ上に直接置かれ動的に更新された「ルーティングテーブル」を参考にすることによって、その受信デバイスはそのデータパケットを他のマイクロプロセッサーに駆動されるデバイスまたはノードへ向けて再送信するものとする。一度、前記パケットデータがパケットデータの目的ポイントに到達すると、前記パケットデータはその最終目的ポイントにおけるアプリケーションソフトウェアによって処理される。
【0074】
多くの異なるタイプのパケットがネットワークを通じて送信されてもよい、パケットのいくつかのタイプはネットワーク自体を維持するために使用され、他のタイプのパケットはネットワークを通じて統計データを移動させるために使用され、他のタイプのパケットはネットワークを通じて「光バルブ」コマンドのようなアプリケーションデータを移動させるために使用される。一つのタイプのネットワークパケットは、このパケットを目的ノード方向へ移動させるために使用される最良の次のルートを決定することを支援するためにそれぞれのノードにおいて使用されるであろうその瞬間のルーティング情報を配信してもよい。別のタイプのパケットは、遠隔ノードに対するSPDガラス制御コマンドであるローカル「光バルブ」を特定の設定に変更することを要請するコマンドを含むであろう。
【0075】
そのシステムは、「マスタービルディングコントロールポイント」、それは個別の窓においてどのような不透明度が設定されるべきかという点に関するインテリジェントな決定をしLAN全体におけるシステムの他の部分へコマンドを送信するマイクロプロセッサーによって駆動されるデバイスである、に接続するために「ローカルエリアネットワーク」(LAN)にインターフェースを組み込んでもよい。そのLANは“Thinnet”、“Thicknet”、ツイストペア線、光ファイバーまたは他の有線のLAN手段を介して配線されてもよいし、またはIEEE802.11規格のいずれかの変形種を使用する無線、またはIEEE802.15規格または他の無線LAN手段を介して配線されてもよい。そのLANは、バス長さに関する制限または一つのバスに接続されるデバイス数の制限をはずしてLANを拡大するために別のLANへ橋渡しされてもよい。そのLANは、ローカルまたはより広い領域ネットワークに所属する「マスタービルディングコントロールポイント」と通信するために、一つのLANで到達可能な居住用または商業用建物を超えるさらに大規模な領域にわたる他のLANへ接続するためにルータを使用することによって拡大されてもよい。
【0076】
そのコントローラは、「階層的コントロールポイント」と称されるLAN上の“インテリジェントコントロールポイント”となることに加えて典型的な機能を実行させることができる特定のソフトウェアセットを実行させてもよい。このデバイスは、一つの階層中の全てのデバイス毎に通信することができる。
【0077】
そのシステムは、システム制御の下に、地球上の「SPDデバイス」の物理的な方位、SPDデバイスの緯度および経度、通日および時刻に基づいて「光バルブ」を自動的に変化させてもよい。そのマイクロプロセッサーは、「SPDデバイス」を使用した窓を使用する居住用および商業用環境におけるエネルギー使用量を低減するために、最適な「光バルブ」の設定が連続的になされるように、一年のすべての瞬間における窓の空間的方位のオフライン処理から生成されるデータのプロファイルに対応するであろう。
【0078】
もし手動の優先権動作が自動動作を無効にするために使用されると、特定の期間の後に、自動動作が再開されてもよい。部屋の使用確認センサーが、特定期間、部屋においていかなる動きをも示さない場合には、自動動作が再開されてもよい。そのシステムは、昼夜に渡る不透明度設定のための幾つかの固定プロファイルおよび現在有効であるプロファイルを手動で設定するためのスイッチに対応してもよい。二つのプロファイルがあり得る場合には、その手動スイッチは夏および冬と分類されてもよい。四つのプロファイルがあり得る場合には、その手動スイッチは夏、秋、冬および春と分類されてもよい。
【0079】
そのシステムにおいて、最適の「光バルブ」設定は、予め定められたプロファイル情報を使用する代わりに、リアルタイムに得られてもよい。そのようなリアルタイム演算は、「マスタービルディングコントロールポイント」において実行されるかもしれない。
【0080】
SPDコントローラと同一の電子機器を備えているデバイスはどのSPDデバイスにも接続されないかもしれないが、無線サービスが充分でなく完全に動作可能なデバイスがお互いに直接通信することができないスポットにおいて利用される、他の完全にSPDデバイスとして動作するデバイス間にデータを移動させるための中間ホッピングポイントとしてのみ使用されてもよい。このホッピング−ポイントデバイスは、他のデバイス間のブリッジとして動作させるために、他のデバイス間のデッドスポットに設置されてもよい。
【0081】
システムにおいて、メッセージは特別なノードの階層を通って転送されてもよく、そのネットワーク中のノードから他のどのノードへも転送されなくてもよい。階層の最も高いレベルにおいて、「コントロールポイント」は、建物内のSPDガラスの全ポイントにおける不透明度の現在の設定をインテリジェントに決定する存在である。実施サイズに応じて、いくつかのレベルの階層がある。これらの「ビルディングコントロールポイント」の一つは、コントローラにおける「光バルブ」の設定を変更するためにそれぞれのポイントがそのコマンドに従って同時に動作するように、いくつかのより低いレベルのコントロールポイントと通信する。その低いレベルのコントロールポイントは、窓ができるだけ早く始動できるように最も早い時間内に最大数のポイントへそのコマンドを更に拡大させるために、更にそのコマンドをコントロールポイントの他の低いレベルへ配信してもよい。
【0082】
システム内において、メッセージは「マスターコントロールポイント」と同一または異なるLAN上に位置している「インテリジェントコントロールポイント」の階層を通って転送されてもよい。階層の最も高いレベルにおいて、「コントロールポイント」は、建物内のSPDガラスの全ポイントにおける不透明度の現在の設定をインテリジェントに決定する存在である。実施サイズに応じて、いくつかのレベルの階層がある。「マスターコントロールポイント」は不透明度変更コマンドを、いくつかのより低いレベルの「階層コントロールポイント」と次々に通信する一つまたは二つ以上の「階層コントロールポイント」へ送信し、最終的にはこのコマンドは制御範囲にある個別のコントローラに到達する。このように制御をマルチレベルに分配することは、「マスターコントロールポイント」が存在するLANを通過するデータパケットの量を低減し、コマンドをこのように「マスター」およびバックボーンネットワークの負荷を低減するそれぞれのローカルLANへ分配する。この制御は、それぞれの「階層コントロールポイント」がそれぞれのローカルLAN上の「マスター」に対してコマンドの分配を実行しているので、それぞれのコマンドが「マスターコントロールポイント」から直接送信されるべき場合よりも早くコマンドが実行されることを許可する。従って、コマンドは直列的にLANを転送される代わりに多重LANを渡って同時に送信される。この制御は、とてもたくさんの懸濁粒子デバイスがより早く同時に変化することを許可する。
【0083】
SCは、SPDデバイスを駆動する電圧を同時に変更しながら可変範囲に渡って周波数を調節してもよい。可変周波数に渡ってそのデバイスを駆動することによって、そのガラスは、さもなければ同室内での人間一人一人をイライラさせるであろう“スィング(sing)”(可聴周波数音の発生)が発生する可能性を減少させることができる。
【0084】
「拡張型コントローラ」は、SPD材料を通る電流の流れの欠落を検出するセンサー回路を含んでもよい。これはそのSPD材料の破損を示すであろう。この出来事の最中に、そのSCはその事象を示す“ガラス破損検出”メッセージをMBCPへ送信する。その警告を受信するMBCPは、どの窓からこのメッセージが来たかを決定することができ、多くの異なる手段の何れかによって人間の介入を要求するであろう。人間の介入の要求は、いくつかある手段の中で、インターネットを介して送信される一つまたは二つ以上の無線呼び出しメッセージ、インターネットを介して送信される一つまたは二つ以上の携帯電話に対する短いメッセージ、施設を監視している中央局を呼び出すために生成される合成音声メッセージ、インターネットを介してSPD−ガラス建物制御を特別に監視するモニタリングサービスへのメッセージの送信であってもよい。そのMBCPは、損傷検出メッセージがどの時点において殺到した場合にも、多重警報が生成されないように階層論理を維持する。さもなければMBCPは与えられた期間内に応答することができない。そのMBCPは、警報が検出された後は建物の全てのセクションからのメッセージが殺到することを防ぐために、SCにおけるガラス−損傷検出論理をどの期間内においても停止させることができる。
【0085】
自動車、海上船舶、飛行機、航空宇宙および建築を含む全てのSPDアプリケーションに対して、本発明のコントローラはMalvino特許よりもより高度な方法でSPDを駆動することができる。
第一に、単一の波形ではなく様々な波形が使用され得る。
第二に、エネルギーを節約するために、デューティサイクルを変化させることができる。
コントローラ内には、多重タイプのSPDフィルムを支援するために二つのまたは三つ以上の光電変換参照テーブルが記憶され得る。
SPDを駆動する方法は外部温度に基づいて調整されることができる。
そして、電力は消費電力を最適化するために動的に管理されることができる。
【0086】
Maivinoの米国特許6、897、997および6、804、040はSPDを基礎とした材料を透明状態から暗い状態へ変化させるまたは様々な透明度レベル間に変化させるように駆動する一つの基本的な方法を提供している。これらの基本的な特許はSPD材料の全ての動作パラメータまたはそれらの制御について検討していない。マイクロプロセッサーが中心となるSCは、この改良されたコントローラ特許が記載しているいくつかの方法論、アルゴリズムおよびフィードバックメカニズムを通じて、前例のないレベルの詳細かつ最適化されたSPD材料の制御を提供している。
【0087】
Maivinoの‘997および‘040特許は、SPDベースの材料が状態を変化させることを許すであろういくつかのエレクトロニクスセットの生成に関していた。しかしSPD材料の本質の詳細な研究は、SPDベースの窓を適切に制御するための透明度以外のSPD材料のいくつかの特徴を検討すべきことがあることを明らかにする。そしてこれらの特徴を制御する多くの可変の要因ある。
【0088】
SPD材料の主な特徴は、印加される周波数および交流電圧レベルに基づいて、透明状態から暗い状態への移動および再び暗い状態へ移動する能力、またはどのような中間の透明度レベルへも移動する能力である。しかし他の重要な制御されるべき特徴は、スイッチング時間、かすみ、透明度、または2つのガラスまたはプラスチック間にラミネートされたSPD材料のシンギング(singing)またはハミング(hummimg)の可能性、および消費電力である。これらの特徴に影響を及ぼす多くのパラメータの設定がある。これらは、交流電圧、周波数、周波数許容誤差、温度、波形、波形位相、デューティサイクル、SPD材料の厚さ、SPD材料の製造者および、ときには一つの製造者におけるどの生産工程であるかということである。Maivinoの6、897、997および6、804、040特許の単純な回路は、SPD材料の所望の性能を提供するためにこれらのパラメータのすべてを考慮に入れることはできない。
【0089】
異なるSPDアプリケーションは、SCを動作させるいくつかの方法を最適化することを要求するだろう。エネルギーの効率化のためのビルディングアプリケーションにおいては、SCはエネルギー保護を目的にしたエネルギーの効率化のための機能を強調するであろう。スイッチング速度はエネルギー効率化に対してトレードオフとなるであろう。自動車においては、ベンダーはガラススイッチング速度を車の外部温度にかかわらず一定に維持することを望むかもしれない。SCは、より多くの電力の消費によって戸外の温度がとても低い場合には、より高い周波数においてSPD材料を駆動することによって、より低いスイッチング速度を保証することができる。
【0090】
図24は、本発明の実施形態の論理的な構造を示す。これは、より大規模な統合されたコントローラのネットワークの一部となる能力においてばかりではなく、SPD材料を制御することにおいてそれぞれの個別のノードのインテリジェンスを強化するという点において強化されたコントローラである。
【0091】
コントローラの「コマンド」および「コントロール」部分は、SPDガラスの光の透明度レベルを特定のレベルに設定するために、外部ソース(例えば、オプションの調光スイッチのようなA/Dタイプデバイス)またはコミュニケーションリンク上の他の複数のマイクロプロセッサーからコマンドを受信する。SCは、ユーザにとってどちらもより重要であるスイッチング時間または消費電力量を最適化するために考慮すべき外部の温度を測定するのに、A/Dインターフェースを介したセンサーを利用してもよい。特定形状の波形が、ガラスをスイッチングするための最適な周波数における要求される電力量を調節する波形生成ロジックによって設定される。特定の透明度レベルにSPD材料を維持するために利用される電力を低減するために、使用されるその波形のデューティサイクルは減少させられる。SCのソフトウェアに組み込まれたアルゴリズムは、達成されるべき目標を考慮に入れ、所望の目標を提供するためにこれまで言及されている要因の設定を調節する。このSCは、特定の環境においてパラメータに影響を与える全ての性能を調節するための完全な柔軟性を有している。
【0092】
コントローラは、図25と似ている一連の内的な3次元的なテーブルを有しており、このテーブルは一つの要因または二つの要因の変化が三番目の要因にどのように影響を及ぼすであろうかということを知るために、他のパラメータに対する様々な動作可能なパラメータを地図として描いている。たとえば、このテーブルは、光透過の絶対的なレベルに対して要求された適切な電圧および周波数を決定するであろう。他のこのようなテーブルは、与えられた電力量に対するスイッチング時間と周波数との関係を表現するであろう。第三番目のテーブルは、与えられた温度に対するスイッチング時間および周波数のモデルを与えるであろう。第四番目のテーブルは与えられた温度に対するスイッチング時間および周波数を判断するであろう。
【0093】
インテリジェントコントローラに組み込まれたアルゴリズムを使用すれば、インテリジェントコントローラはインテリジェントコントローラのメモリにプログラムされた目標に従ってSPD材料を最適に動作させるためのトレードオフをするかもしれない。もし暗い状態から透明な状態へ2秒未満のスイッチング時間を維持することが要求される場合には、特定の製造者のSPD材料に対する特定の透明度レベルを供給するために、これらのアルゴリズムは交流信号の周波数を増加させ、電圧を増加させ、および追加の電力を供給するためにこれらのテーブルからデータを引き出すだろう。もし、他の場合として消費電力が最適化に対する要因である場合には、このSCはより低い周波数においてSPD材料を動作させ、従って透明度の絶対的レベルを達成するために電圧を調整するだろうし、2秒の代わりにたぶん8秒程度のスイッチング速度にすることで消費電力が低減されるであろう。
【0094】
このデータは、コントローラが使用されている特定のSPD材料に基づいて適切な判断をするように、SPD材料のそれぞれの製造者に対して繰り返されている。産業標準化活動によって製造者間および一つの製造業者からの生産工程間に渡って全てのSPD材料が正確に同じに繰り返し可能な方法で反応することを保証する日がくるかもしれないが、産業界において異なる製造工程間においてこのレベルの品質管理が達成されるまで、モデルの性能ごとに複数のテーブルがコントローラのテーブルに事前にプログラムされていなければならない。しかし、最終的にはこのコントローラはすべてのSPDアプリケーションに対するユニバーサルコントローラである。
【0095】
コントローラに記憶されるテーブルの設定は、一般にオフラインでそれぞれの製造者のSPD材料ごとに実験室の実験を通じて生成される。結果として生じるデータはコントローラのテーブルに記憶され、または通信回線を通じてそのコントローラにダウンロードされてもよい。
【0096】
コントローラのいくつかの実施においては、3次元テーブルのいくつかは、三番目の要因が測定されないため、または特定のモデルのコントローラの制御の下では二次元テーブルに落とし込まれるだろう。たとえば、コントローラの基本モデルは温度センサーを利用しなくてもよく、特定の動作温度の想定の下に継続的に動作するだろう。コントローラ内のテーブルの組の一つは、EO(「電気光学」)テーブルとして知られている。このテーブルは、透明度0%(暗)から100%(透明)に整理されている。それぞれの入力は、与えられた透明度レベルに特定の製造者のガラスを設定するためにの最適の周波数および電圧を含む。このバージョンのコントローラの動作に温度が考慮されていなければ、このEOテーブルは2次元のままである。
【0097】
SPD材料を制御する様々なパラメータを設定するために、このアルゴリズムおよび内部テーブルを使用することに加え、このコントローラはコントローラのAfD入力に接続されているセンサーからのフィードバックおよび測定に基づきコントローラのパラメータ設定を動的に変化させることができる。たとえば、光源およびフォトセルまたはフォトトランジスタまたは他の光受光素子は、変化するSPD材料を透過する特定の強度の光を、実際の光レベルを検出するであろう光電素子に向けるために使用されるかもしれない。SPD材料を特定のレベルへスイッチするために使用されるEOテーブルは、テーブルの入力内に温度の要素を持っていなくともよい。しかし、コントローラの光/光電素子ロジックは実際の透明度レベルが達成されるまでの時間を測定できるので、コントローラはガラスを所望の透明度レベルに到達させるためにどの程度の時間がかかるかを測定することによって実際のスイッチング時間を測定できる。この時間を知ることによって、コントローラアルゴリズムはスイッチング時間を所望のレベルへ低減させるためにガラスを駆動するより良い周波数および電圧を決定することができる。この測定するデバイスは、選択自由なパラメータを自動調節するためのフィードバックループを生成することに使用される。
【0098】
インテリジェントコントローラは、SPD材料の消費電力量を、与えられた温度における与えられた透明度レベルに対する最適の周波数および電圧においてSPD材料を動作させることによって達成される値よりもさらに小さい値に低減することができる。そのコントローラは、SPD材料を一定の交流電力に維持することなく、電力出力のデューティサイクルを変化させてもよい。コントローラにおけるロジックは、与えられ時間にわたって生成される完全な波形サイクルの数を低減させることができる。だからサイクル数‘m’が時間‘t’内に通常発生するのであれば、50%デューティ係数を達成するために、ひとつおきのサイクルが無視され、これらのサイクル内において電力が供給されない。一般的に、電力を削減するために‘m’サイクル毎に‘n’サイクルだけ電力動作を維持することが目標である。SPD材料のいくつかのポイントにおいては視認できるちらつきが確認されるかもしれない。実験によって、動作温度のような第三番目のパラメータに対する与えられた透明度レベルに対応する許可可能な最も小さいデューティサイクルを特定する別の3次元テーブルが引き出される。
【0099】
実験および動作可能なパラメータの3次元グラフの解析および実験および解析の結果としての特徴に関しては、異なるグラフの側面を活用することによって他の混合した動作モードが明らかになる。室温における暗状態から透明状態への妥当なスイッチング速度としての2秒は、60Hzかつ交流20〜100ボルトにおいて達成されることができる。より最適のエネルギー性能は60Hz以下、SPD材料のちらつきを生じさせないたぶん30Hz、で達成される。より高い周波数(400Hz)はSPD−材料をより早くスイッチングできるが、スイッチングに効果を与えるためにより多くの電力を使用する。一つの透明度レベルから別の透明度レベルへ遷移する間により高い周波数へシフトすることによってスイッチング速度を最適化し、そして、低電力において設定した透明度を維持するために周波数をより低い設定可能な範囲の周波数へ低減する場合にコントローラはこれらの要因を利用する。
【0100】
添付の特許請求の範囲に包含される本発明の技術的範囲から離れることなく、当業者であれば無数の自明の変形例および本発明に関する改良を必要以上の実験をすることなく容易に理解できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラは懸濁粒子デバイスの不透明度を制御し、受信されるコマンドと様々な不透明度値を生じさせる駆動との間のマッピング関係を提供する第一の参照テーブルが前記コントローラ内に記憶されていることを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
不透明度の前記制御は可変範囲における印加電圧の周波数の調節または前記懸濁粒子デバイスを駆動する電圧を変化させることを含むことを特徴とするコントローラ。
【請求項3】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPDデバイスの地球上の物理的な方位、前記SPDデバイスの緯度および経度、通日および時刻に基づいて、前記コントローラは自動的に前記コントローラの個別のSPDの前記不透明度を変化させることを特徴とするコントローラ。
【請求項4】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
少なくとも一つの特定のプロファイル中に一日の全ての時間における不透明度の設定が予め記憶されていることを特徴とするコントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記コントローラは、更に手動入力に応じて、それぞれのコントローラの個別の懸濁粒子デバイスの前記不透明度を制御する手動制御情報に対応することを特徴とするコントローラ。
【請求項6】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPDフィルムは外部温度に基づいて異なる方法で駆動されることを特徴とするコントローラ。
【請求項7】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
光源およびフォトディテクターの組み合わせは前記SPD材料の絶対ガラス透明度を決定するために用いられ、前記コントローラは所望の透明度レベルへ前記SPD材料を至らせるために動作パラメータを自動調整することを特徴とするコントローラ。
【請求項8】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPD材料を継続的に動作させるよりも低い消費電力においてSPD材料の透明度を特定のレベルに維持するために、前記電力生成回路網は一秒あたりいくつかのサイクルにおいて停止させられることを特徴とするコントローラ。
【請求項9】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPD材料が前記所望の透明度レベルに変化するまで前記コントローラは第一の動作周波数を適用し、そして前記SPD材料を前記透明度レベルに維持するために第二の周波数に変化させ、
前記第一の周波数から前記第二の周波数への遷移は、不連続または連続した変数形式の一連の中間周波数を経て、または、中間周波数を経ることなく遷移してもよいことを特徴とするコントローラ。
【請求項10】
コントローラは懸濁粒子デバイス(SPD)の不透明度を制御し、前記SPDは外部温度に基づいて異なる方法で駆動されることを特徴とするコントローラ。
【請求項11】
SPD材料を備える懸濁粒子デバイスの不透明度を制御するコントローラにおいて、
光源およびフォトディテクターの組み合わせは前記SPD材料の絶対ガラス透明度を決定するために用いられ、前記コントローラは所望の透明度レベルへ前記SPD材料を至らせるために動作パラメータを自動調整することを特徴とするコントローラ。
【請求項12】
SPD材料を備える懸濁粒子デバイスの不透明度を制御するコントローラにおいて、
前記SPD材料を継続的に動作させるよりも低い消費電力においてSPD材料の透明度を特定のレベルに維持するために、前記電力生成回路網は一秒あたりいくつかのサイクルにおいて停止させられることを特徴とするコントローラ。
【請求項13】
SPD材料を備える懸濁粒子デバイスの不透明度を制御するコントローラにおいて、
前記SPD材料が前記所望の透明度レベルに変化するまで前記コントローラは第一の動作周波数を適用し、そして前記SPD材料を前記透明度レベルに維持するために第二の周波数に変化させ、
前記第一の周波数から前記第二の周波数への遷移は、不連続または連続した変数形式の一連の中間周波数を経て、または、中間周波数を経ることなく遷移してもよいことを特徴とするコントローラ。
【請求項14】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記方法は、前記SPDは外部温度に基づいて異なる方法で駆動されるステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記コントローラには前記SPDの絶対ガラス透明度を決定するために用いられる光源およびフォトディテクターの組み合わせが備えられ、前記方法は、前記SPDの前記透明度が前記光源および前記フォトディテクターによって測定されるステップと、所望の透明度レベルへ前記SPDを至らせるための動作パラメータを自動調整するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
SPDのコントローラの使用方法において、前記方法は、前記SPDの外部温度にかかわらず、前記SPDのスイッチング時間を一定に保持するステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記方法は、前記SPD材料を継続的に動作させるよりも低い消費電力においてSPDの透明度を特定のレベルに維持するために、電力生成回路網は一秒あたりいくつかのサイクルにおいて停止させるステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記方法は、前記SPDが前記所望の透明度レベルに変化するまで前記コントローラは第一の動作周波数を適用し、そして前記SPDを前記透明度レベルに維持するために第二の周波数に変化させるステップを備え、
前記第一の周波数から前記第二の周波数への遷移は、不連続または連続した変数形式の一連の中間周波数を経て、または、中間周波数を経ることなく遷移してもよいことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
少なくとも一つのコントローラは複数のSPDを制御し、複数の手動制御デバイスは前記コントローラと連結し、個別の一つのまたは二つ以上のSPDを制御するために、前記コントローラは、少なくとも一つの手動制御デバイスに応答することを特徴とする。
【請求項1】
コントローラは懸濁粒子デバイスの不透明度を制御し、受信されるコマンドと様々な不透明度値を生じさせる駆動との間のマッピング関係を提供する第一の参照テーブルが前記コントローラ内に記憶されていることを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
不透明度の前記制御は可変範囲における印加電圧の周波数の調節または前記懸濁粒子デバイスを駆動する電圧を変化させることを含むことを特徴とするコントローラ。
【請求項3】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPDデバイスの地球上の物理的な方位、前記SPDデバイスの緯度および経度、通日および時刻に基づいて、前記コントローラは自動的に前記コントローラの個別のSPDの前記不透明度を変化させることを特徴とするコントローラ。
【請求項4】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
少なくとも一つの特定のプロファイル中に一日の全ての時間における不透明度の設定が予め記憶されていることを特徴とするコントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記コントローラは、更に手動入力に応じて、それぞれのコントローラの個別の懸濁粒子デバイスの前記不透明度を制御する手動制御情報に対応することを特徴とするコントローラ。
【請求項6】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPDフィルムは外部温度に基づいて異なる方法で駆動されることを特徴とするコントローラ。
【請求項7】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
光源およびフォトディテクターの組み合わせは前記SPD材料の絶対ガラス透明度を決定するために用いられ、前記コントローラは所望の透明度レベルへ前記SPD材料を至らせるために動作パラメータを自動調整することを特徴とするコントローラ。
【請求項8】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPD材料を継続的に動作させるよりも低い消費電力においてSPD材料の透明度を特定のレベルに維持するために、前記電力生成回路網は一秒あたりいくつかのサイクルにおいて停止させられることを特徴とするコントローラ。
【請求項9】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記SPD材料が前記所望の透明度レベルに変化するまで前記コントローラは第一の動作周波数を適用し、そして前記SPD材料を前記透明度レベルに維持するために第二の周波数に変化させ、
前記第一の周波数から前記第二の周波数への遷移は、不連続または連続した変数形式の一連の中間周波数を経て、または、中間周波数を経ることなく遷移してもよいことを特徴とするコントローラ。
【請求項10】
コントローラは懸濁粒子デバイス(SPD)の不透明度を制御し、前記SPDは外部温度に基づいて異なる方法で駆動されることを特徴とするコントローラ。
【請求項11】
SPD材料を備える懸濁粒子デバイスの不透明度を制御するコントローラにおいて、
光源およびフォトディテクターの組み合わせは前記SPD材料の絶対ガラス透明度を決定するために用いられ、前記コントローラは所望の透明度レベルへ前記SPD材料を至らせるために動作パラメータを自動調整することを特徴とするコントローラ。
【請求項12】
SPD材料を備える懸濁粒子デバイスの不透明度を制御するコントローラにおいて、
前記SPD材料を継続的に動作させるよりも低い消費電力においてSPD材料の透明度を特定のレベルに維持するために、前記電力生成回路網は一秒あたりいくつかのサイクルにおいて停止させられることを特徴とするコントローラ。
【請求項13】
SPD材料を備える懸濁粒子デバイスの不透明度を制御するコントローラにおいて、
前記SPD材料が前記所望の透明度レベルに変化するまで前記コントローラは第一の動作周波数を適用し、そして前記SPD材料を前記透明度レベルに維持するために第二の周波数に変化させ、
前記第一の周波数から前記第二の周波数への遷移は、不連続または連続した変数形式の一連の中間周波数を経て、または、中間周波数を経ることなく遷移してもよいことを特徴とするコントローラ。
【請求項14】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記方法は、前記SPDは外部温度に基づいて異なる方法で駆動されるステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記コントローラには前記SPDの絶対ガラス透明度を決定するために用いられる光源およびフォトディテクターの組み合わせが備えられ、前記方法は、前記SPDの前記透明度が前記光源および前記フォトディテクターによって測定されるステップと、所望の透明度レベルへ前記SPDを至らせるための動作パラメータを自動調整するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
SPDのコントローラの使用方法において、前記方法は、前記SPDの外部温度にかかわらず、前記SPDのスイッチング時間を一定に保持するステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記方法は、前記SPD材料を継続的に動作させるよりも低い消費電力においてSPDの透明度を特定のレベルに維持するために、電力生成回路網は一秒あたりいくつかのサイクルにおいて停止させるステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
SPDのコントローラの使用方法において、
前記方法は、前記SPDが前記所望の透明度レベルに変化するまで前記コントローラは第一の動作周波数を適用し、そして前記SPDを前記透明度レベルに維持するために第二の周波数に変化させるステップを備え、
前記第一の周波数から前記第二の周波数への遷移は、不連続または連続した変数形式の一連の中間周波数を経て、または、中間周波数を経ることなく遷移してもよいことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
少なくとも一つのコントローラは複数のSPDを制御し、複数の手動制御デバイスは前記コントローラと連結し、個別の一つのまたは二つ以上のSPDを制御するために、前記コントローラは、少なくとも一つの手動制御デバイスに応答することを特徴とする。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−105255(P2012−105255A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220024(P2011−220024)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【分割の表示】特願2008−529766(P2008−529766)の分割
【原出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(508064595)エスピーディー コントロール システムズ コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【分割の表示】特願2008−529766(P2008−529766)の分割
【原出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(508064595)エスピーディー コントロール システムズ コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]