説明

成品の板厚をリアルタイムに検出する方法

【課題】上下の水平ロールと左右の竪ロールとの隙間で圧延される成品の板厚を圧延中にリアルタイムに検出する。
【解決手段】上下の水平ロール12、47と左右の竪ロール48、22との隙間で材料45を圧延するユニバーサル圧延機10で、上下の水平ロール12、47の水平軸方向位置と、左右の竪ロール22、48の圧下方向位置をそれぞれ地上に設定した基準点38に対して測定して成品の板厚をリアルタイムに検出する方法であって、基準点38からの左右の竪ロール22、48の圧下方向位置は、竪ロールチョック21内に設置された第1の位置検出手段によって測定した竪ロール22の竪ロールチョック21に対する第1の位置出力と、基準点38から所定位置に設置した第2の位置検出手段によって測定した竪ロールチョック21の第2の位置出力から演算してそれぞれ検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニバーサル圧延において、地面に対する水平ロールと竪ロールの絶対位置を測定して、水平ロールと竪ロールで挟まれる隙間で圧延される成品の板厚をリアルタイムに検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
形鋼のユニバーサル圧延において、圧延初期段階で圧延した成品からサンプルを採取し、冷却後に各部の厚みを測定し、圧下の再調整を行う型決めと呼ばれる圧下設定の調整作業が行われる。この方法は、厚み測定に時間を要することから、生産性が著しく低下するという問題があった。この解決策の1つとして、特許文献1には、厚み測定を圧延中にリアルタイムに行う方法が開示されている。ここでは、上下の水平ロールの胴部の上下方向位置を地上に設置したセンサーで検出し、上下の水平ロールギャップを算出し、また、左右の竪ロールバランスシリンダの位置を地上に設置したセンサーで検出し、左右の竪ロールギャップを算出する方法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−132112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、上下の水平ロールのロール軸方向の位置は検出できず、また、竪ロールチョック剛性が小さい場合には、竪ロールの位置変動と竪ロールチョックの位置変動が一致しないため、竪ロール位置が正確に検出できないという問題がある。このため、図8に示すように、ユニバーサル圧延機50によるH形鋼60の圧延では、上の水平ロール51と下の水平ロール51aでH形鋼60のウエブを圧延し、H形鋼60の駆動側のフランジを左の竪ロール52と上下の水平ロール51、51aで圧延し、H形鋼60の作業側の右のフランジを右の竪ロール52aと上下の水平ロール51、51aで圧延する際に、上下の水平ロール51、51a、左右の竪ロール52、52aの位置決めが正確に行われないと、上の水平ロール51と左右の竪ロール52、52aとの間隙53、54、下の水平ロール51aと左右の竪ロール52、52aとの間隙55、56の幅(距離)が異なり、この間隔53〜56で圧延される左右上下4箇所のフランジ厚さが異なる。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、圧延中に上下の水平ロールの水平軸方向位置と左右の竪ロールの圧下方向位置をそれぞれ地上に設定した基準点に対して測定して、水平ロールと竪ロールで挟まれる隙間で圧延される成品の板厚をリアルタイムに検出する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法は、上下の水平ロールと左右の竪ロールとの隙間で材料を圧延するユニバーサル圧延機で、前記上下の水平ロールの水平軸方向位置と、前記左右の竪ロールの圧下方向位置をそれぞれ地上に設定した基準点に対して測定して成品の板厚をリアルタイムに検出する方法であって、
前記基準点からの前記左右の竪ロールの圧下方向位置は、竪ロールチョック内に設置された第1の位置検出手段によって測定した前記竪ロールの前記竪ロールチョックに対する第1の位置出力と、前記基準点から所定位置に設置した第2の位置検出手段によって測定した前記竪ロールチョックの第2の位置出力から演算してそれぞれ検出する。
【0007】
本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、前記第2の位置出力は、前記竪ロールチョックに連結された両軸シリンダのロッドの移動によって測定することが好ましい。
【0008】
本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、前記上下の水平ロールの水平ロールチョック内に内蔵された水平ロール軸受より外側領域に補助転がり軸受を設け、該補助転がり軸受の位置を前記基準点から所定位置に設けられた第3の位置検出手段によって測定した第3の位置出力から、前記上下の水平ロールの水平軸方向位置をそれぞれ演算して求めることができる。
【0009】
本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、前記第3の位置出力は、水平軸方向に移動し、前記水平ロールチョックに内蔵された押圧機構により前記補助転がり軸受に押圧された押圧金物の位置を測定することによって求めることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法においては、上下の水平ロールの水平軸方向位置(水平ロールの絶対位置)と、左右の竪ロールの圧下方向位置(竪ロールの絶対位置)をそれぞれ地上に設定した基準点に対して測定するので、上下の水平ロール及び左右の竪ロールの位置決めを圧延中に正確に行うことができ、上下の水平ロールと左右の竪ロールで挟まれる隙間の幅(距離)を正確に設定することができる。その結果、この隙間で圧延される成品の板厚を圧延中にリアルタイムで検出することができ、成品の板厚の寸法精度を向上させることができる。
そして、左右の竪ロールの圧下方向位置を、竪ロールチョック内に設置された第1の位置検出手段によって測定した竪ロールの竪ロールチョックに対する第1の位置出力と、基準点から所定位置に設置した第2の位置検出手段によって測定した竪ロールチョックの第2の位置出力から演算してそれぞれ検出することで、竪ロールチョックの剛性が小さい場合でも、竪ロールの位置検出をリアルタイムで高精度に行うことができる。
【0011】
本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、第2の位置出力を、竪ロールチョックに連結された両軸シリンダのロッドの移動によって測定する場合、ユニバーサル圧延機内での機械との取合いが困難なときでも第2の位置出力を正確に測定することができ、竪ロールの絶対位置を容易に求めることができる。
【0012】
本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、上下の水平ロールの水平ロールチョック内に内蔵された水平ロール軸受より外側領域に補助転がり軸受を設け、補助転がり軸受の位置を基準点から所定位置に設けられた第3の位置検出手段によって測定した第3の位置出力から、上下の水平ロールの水平軸方向位置をそれぞれ演算して求める場合、水平ロールの位置検出をリアルタイムで高精度に行うことができる。
【0013】
本発明に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、第3の位置出力を、水平軸方向に移動し、水平ロールチョックに内蔵された押圧機構により補助転がり軸受に押圧された押圧金物の位置を測定することによって求める場合、ユニバーサル圧延機内での機械との取合いが困難なときでも第3の位置出力を正確に測定することができ、水平ロールの絶対位置を容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法を適用して水平ロールの第3の位置出力を測定する第3の位置検出手段の平面図である。
【図2】同成品の板厚をリアルタイムに検出する方法を適用して竪ロールの第1の位置出力を測定する第1の位置検出手段の側面図である。
【図3】第1の位置検出手段の平面図である。
【図4】同成品の板厚をリアルタイムに検出する方法を適用して竪ロールチョックの第1、第2の位置出力をそれぞれ測定する第1、第2の位置検出手段の側面図である。
【図5】同成品の板厚をリアルタイムに検出する方法で、上下の水平ロールと左右の竪ロールで挟まれる隙間の設定方法を示す説明図である。
【図6】変形例に係る第1の位置検出手段の側面図である。
【図7】同第1の位置検出手段の平面図である。
【図8】従来例に係るユニバーサル圧延機における圧延状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る成品の板厚をリアルタイムに検出する方法は、図1〜図5に示すように、上下の水平ロール12、47と、左右の竪ロール48、22との隙間で材料(被圧延材)45を圧延するユニバーサル圧延機10で、圧延中に上下の水平ロール12、47と左右の竪ロール48、22の地上(ユニバーサル圧延機10の設置床上)に設定した基準点38に対する絶対位置を測定して成品板厚を検出する方法である。
【0016】
まず、図1に示すユニバーサル圧延機10の上の水平ロール12(下の水平ロール47も同様)の水平軸方向位置の検出に使用する第3の位置検出手段20について説明してから、水平ロール12の水平軸方向位置(地面に対する絶対位置)の検出方法について説明する。
【0017】
第3の位置検出手段は、基準点38に対して取付け部材25、25aを介して所定位置となるように設けられた距離センサ17、17aを有している。ここで、水平ロール12の駆動側の水平ロールチョック11内に内蔵されて水平ロール軸19を支持する水平ロール軸受の一例であるラジアル軸受13より外側領域の水平ロール軸19には、縮径部が形成され、この縮径部に水平ロールチョック11との間に隙間を設けて補助転がり軸受14が外装されている。そして、距離センサ17、17aは、補助転がり軸受14の、例えば、入側(材料が搬送されてくる圧延工程の上流側)及び出側(圧延終了後の材料が搬出される圧延工程の下流側)の2つの位置までの距離を第3の位置出力として出力するものである。なお、距離センサ17、17aの形式に制限はなく、接触式、非接触式いずれの形式のものも使用できる。
【0018】
補助転がり軸受14の入側及び出側の2つの位置には、水平軸方向に移動し、水平ロールチョック11に内蔵された押圧機構の一例である油圧シリンダ(ガタ取りシリンダ)15、15aのロッド24、24aに取付けられて押圧される押圧金物の一例であるベアリング押え16、16aが当接している。これによって、補助転がり軸受14を、水平圧延反力並びにスラスト圧延反力を受けないように水平ロール12に回転自在に、しかも水平軸方向には拘束した状態とすることができる。また、ロッド24、24aの先端部は、ベアリング押え16、16aを貫通しベアリング押え16、16aから突出しているので、第3の位置出力は距離センサ17、17aとロッド24、24aの先端との距離を求めることにより得られる。ここで、水平ロール12が水平の場合は、距離センサ17、17aとロッド24、24aの先端との各距離は一致して第3の位置出力は一義的に決まる。一方、水平ロール12が傾斜していると、距離センサ17、17aとロッド24、24aの先端との距離は異なる値となるので、測定された距離の平均値を第3の位置出力とする。
また、符号18は、ユニバーサル圧延機10のハウジング(図示せず)に水平ロールチョック11を固定するハウジングライナーである。
【0019】
ここで、油圧シリンダ15、15aを操作して、ベアリング押え16、16aを介して補助転がり軸受14を常時水平ロール軸19に押圧している(従って、ベアリング押え16、16aと補助転がり軸受14との隙間及び補助転がり軸受14と水平ロール軸との隙間が共にゼロになる)。これにより、水平ロール軸19の水平軸方向位置の変動、すなわち、補助転がり軸受14の水平軸方向位置の変動が、ベアリング押え16、16aから突出している油圧シリンダ15、15aのロッド24、24aの先端の位置変動と一致する。
【0020】
そして、図1に示すように、水平ロール12の左端と補助転がり軸受14との間の水平軸方向距離L、水平ロール12の右端と補助転がり軸受14との間の水平軸方向距離L、補助転がり軸受14とロッド24、24aの先端との間の水平方向距離J、及び基準点38と距離センサ17、17aとの間の水平方向の距離Zは予め判明している。従って、距離センサ17、17aで第3の位置出力Kを求めると、基準点38に対する水平ロール12の左端の水平方向の位置UXは、Z+K+J+Lとして、基準点38に対する水平ロール12の右端の水平方向の位置UXは、Z+K+J+Lとしてそれぞれ求まる。
【0021】
次に、図2〜図4に示すユニバーサル圧延機10の右(作業側)の竪ロール22(左(駆動側)の竪ロール48も同様)の圧下方向位置(地面に対する絶対位置)の検出に使用する第1、第2の位置検出手段26、27について説明してから、竪ロール22の圧下方向位置の検出方法について説明する。
【0022】
図2〜図4に示すように、第1の位置検出手段は、竪ロール22の上下方向の両側を支持する竪ロールチョック21内に設置され、竪ロールチョック21と竪ロール22の表面との間の距離を測定する距離センサ23を有している。これによって、竪ロール22の竪ロールチョック21に対する第1の位置出力P、すなわち、竪ロールチョック21と距離センサ23との間の距離を示す第1の位置出力Pを求めることができる。ここで、距離センサ23の形式に制限はなく、接触式、非接触式いずれの形式のものも使用できる。
【0023】
図4に示す竪ロールチョック21の作業側には、ユニバーサル圧延機10のフレーム(図示せず)に支持され、竪ロールチョック21の作業側の側部に当接して竪ロールチョック21を材料45に対して圧下させる押付けロッドを備えた圧下装置(図示せず)が設けられている。また、フレームには、竪ロールチョック21の作業側の側部に先側が連結する一方のロッド30と、一方のロッド30と基側同士が連結し先側が自由に移動可能となった他方のロッド37とを有する両軸油圧シリンダ43が設けられている。このような構成とすることにより、両軸油圧シリンダ43により竪ロールチョック21を圧下装置の押付けロッドに常時付勢することができ、圧下装置を用いて竪ロールチョック21を材料45に対して圧下させる際及び竪ロールチョック21を材料45から離脱させる際に、他方のロッド37を竪ロールチョック21の移動と同期させて、かつ、竪ロールチョック21の移動距離と同一距離だけ移動させることができる。その結果、竪ロールチョック21の基準点38に対する変動幅は、両軸油圧シリンダ43の他方のロッド37の基準点38に対する変動幅と同一となる。
【0024】
また、図4に示す第2の位置検出手段は、基準点38に設けられた支持部材39に保持され、他方のロッド37の移動から基準点38に対する竪ロールチョック21の位置、すなわち、ロッド30が竪ロールチョック21に連結する連結部と基準点38との間の距離を第2の位置出力Qとして出力する位置センサ44を有している。なお、距離センサ44の形式に制限はなく、接触式、非接触式いずれの形式のものも使用できる。
【0025】
ここで、竪ロールチョック21内における距離センサ23の設置位置は予め判明しているので、ロッド30が竪ロールチョック21に連結する連結部と距離センサ23との距離Rが決まる。従って、第2の位置出力Qが求まると、竪ロール22の直径Dを用いて、材料45に当接している竪ロール22の外周面の基準点38に対する位置(圧下方向位置)Yは、D+P+R+Qとして求まる。
【0026】
このようにして、図5に示すように、基準点38に対する圧延中に上の水平ロール12の右端及び左端の水平軸方向位置UX、UX、右の竪ロール22の圧下方向位置Yがそれぞれ判る。同様に、下の水平ロール47の右端及び左端の水平軸方向位置LX、LX及び左の竪ロール48の圧下方向位置Yも分かるので、上下の水平ロール12、47及び左右の竪ロール48、22の位置決めを圧延中に正確に行うことができ、上下の水平ロール12、47と左右の竪ロール48、22で挟まれる隙間の幅a、b、c、dを、それぞれ、a=Y−UX、b=UX−Y、c=Y−LX、d=LX−Yと正確に設定することができる。その結果、隙間で圧延される成品の板厚を圧延中にリアルタイムで検出することができ、成品の板厚の寸法精度を向上させることができる。
【0027】
また、図6、図7に3ロール式の竪ロールチョック40を示す。
竪ロールチョック40では、竪ロール(ワークロール)31が上下両側をワークロールチョック33で支持され、竪ロール31の作業側の異なる周方向位置には、竪ロール31と軸方向を平行にしてバックアップロールチョック34で上下両側が支持されたバックアップロール32、32aが当接している。なお、ワークロールチョック33はバックアップロールチョック34内に内蔵されている。また、ワークロールチョック33の上、下部には、それぞれ軸方向を左右方向(竪ロール31の圧下方向)に向けたテンションロッド36、36aの基部が連結されている。そして、竪ロール31の竪ロールチョック40に対する第1の位置出力を測定する第1の位置検出手段は、バックアップロールチョック34内の所定位置に設置され、テンションロッド36、36aの先端までの距離を測定する距離センサ35、35aを有している。ここで、距離センサ35、35aの形式に制限はなく、接触式、非接触式いずれの形式のものも使用できる。
【0028】
このような構成とすることで、テンションロッド36、36aはワークロールチョック33を介して竪ロール31と共に移動するので、バックアップロールチョック34内の所定位置に設置された距離センサ35、35aを用いて、テンションロッド36、36a先端までの距離を測定することにより、竪ロール31のバックアップロールチョック34に対する第1の位置出力を測定することができる。なお、基準点に対するバックアップロールチョック34の位置(第2の位置出力)は、基準点38に対する竪ロールチョック21の位置を測定したのと同一の方法を用いて測定することができる。
【0029】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態も含むものである。
例えば、基準点に対する上下の水平ロールの水平軸方向位置を、作業側水平ロールチョックの基準点に対するに対する水平軸方向位置から求めることもできる。
また、2Hiミルの水平ロールの基準点に対する水平軸方向位置の検出にも適用することができる。
更に、基準点に対する上下の水平ロールの水平軸方向位置及び左右の竪ロールの圧下方向位置は、上記実施の形態に記載した方法以外の方法で測定することができ、例えば、基準点に対する上下の水平ロールの水平軸方向位置の演算に用いる第3の位置出力として、実施の形態では、押圧金物の一例であるベアリング押えから突出しているロッド(固着体の一例)と距離センサとの間の距離を測定したが、ベアリング押えと距離センサとの間の距離を測定して第3の位置出力としてもよい。また、上下の水平ロールの水平軸方向位置と左右の竪ロールの圧下方向位置を求める際の基準点は実施の形態では共通としたが、水平ロール用及び竪ロール用にそれぞれ基準点を設けることも、上下の水平ロール及び左右の竪ロールの各ロール毎に基準点を設けてもよい。
【符号の説明】
【0030】
10:ユニバーサル圧延機、11:水平ロールチョック、12:水平ロール、13:ラジアル軸受、14:補助転がり軸受、15、15a:油圧シリンダ、16、16a:ベアリング押さえ、17、17a:距離センサ、18:ハウジングライナー、19:水平ロール軸、21:竪ロールチョック、22:竪ロール、23:距離センサ、24、24a:ロッド、25、25a:取付け部材、27:第2の位置検出手段、30:ロッド、31:竪ロール、32、32a:バックアップロール、33:ワークロールチョック、34:バックアップロールチョック、35、35a:距離センサ、36、36a:テンションロッド、37:ロッド、38:基準点、39:支持部材、40:竪ロールチョック、43:両軸シリンダ、44:位置センサ、45:材料、47:水平ロール、48:竪ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の水平ロールと左右の竪ロールとの隙間で材料を圧延するユニバーサル圧延機で、前記上下の水平ロールの水平軸方向位置と、前記左右の竪ロールの圧下方向位置をそれぞれ地上に設定した基準点に対して測定して成品の板厚をリアルタイムに検出する方法であって、
前記基準点からの前記左右の竪ロールの圧下方向位置は、竪ロールチョック内に設置された第1の位置検出手段によって測定した前記竪ロールの前記竪ロールチョックに対する第1の位置出力と、前記基準点から所定位置に設置した第2の位置検出手段によって測定した前記竪ロールチョックの第2の位置出力から演算してそれぞれ検出することを特徴とする成品の板厚をリアルタイムに検出する方法。
【請求項2】
請求項1記載の成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、前記第2の位置出力は、前記竪ロールチョックに連結された両軸シリンダのロッドの移動によって測定することを特徴とする成品の板厚をリアルタイムに検出する方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、前記上下の水平ロールの水平ロールチョック内に内蔵された水平ロール軸受より外側領域に補助転がり軸受を設け、該補助転がり軸受の位置を前記基準点から所定位置に設けられた第3の位置検出手段によって測定した第3の位置出力から、前記上下の水平ロールの水平軸方向位置をそれぞれ演算して求めることを特徴とする成品の板厚をリアルタイムに検出する方法。
【請求項4】
請求項3記載の成品の板厚をリアルタイムに検出する方法において、前記第3の位置出力は、水平軸方向に移動し、前記水平ロールチョックに内蔵された押圧機構により前記補助転がり軸受に押圧された押圧金物の位置を測定することによって求めることを特徴とする成品の板厚をリアルタイムに検出する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−284700(P2010−284700A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141266(P2009−141266)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】