説明

成形によって水硬性マトリックスからなる物品を製造するための方法及び該方法によって得られた物品

本発明は、成形によって物品を製造する方法に関する。本発明の方法は、金型において射出成形する工程、真空による水抽出工程、及び未加工の物品を離型する工程からなる。本発明はまた、このようにして得られた物品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、成形によって水硬性マトリックスからなる物品を製造するための方法及び該方法によって得られた物品を提案することである。
【背景技術】
【0002】
現在、ガラス繊維強化セメント(GRC)パネルは、より薄く、それゆえより軽いこととともにそれらの高い機械的性能を利用するため、従来のコンクリートパネルの代わりに壁のカバーリングに広く用いられている。外装(壁外装用パネル及び建築部材)のためのそれらの使用に加えて、それらは、他の用途、例えば、衛生陶器(シャワートレー及びその付属品)、さらにはインテリア品にも役立つ。同様に、ガラス繊維強化セメント(GRC)パネルは、それらの高い耐火性のため、この特性を必要とする他のタイプの構造体、例えば、パン、ピザなどの食品を調理するのに用いられるオーブンにおいてもしばしば使用される。それらはまた、この目的のために一般的に用いられる材料である木材の代わりに、輸送用パレットの製造にも用いることができる。
【0003】
しかしながら、これらの物品を製造するための現在の方法は、成形及び離型が全体的に手動で行われ、とりわけ、離型の前の乾燥時間が24時間以上であるため、時間がかかりかつ高価である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第1の目的は、成形によって水硬性マトリックスからなる物品を製造するための効果的な方法を提案することでこれらの欠点を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、成形によって水硬性マトリックスからなる物品を製造するための方法であって、
a)水硬結合剤と混合水を含有するスラリーを金型に注入する工程;
b)該混合水を真空抽出する工程;及び
c)未加工の物品を離型する工程
を含む方法を提案する。
【0006】
本発明による方法は、離型が乾燥した状態で行われる従来技術の方法よりも産業上の要件と適合している。これは、真空抽出によって金型の占有時間が大幅に低減されるからである。それゆえ、この方法では、使用される材料の量を低減することができ、さらには物品の製造にかかる時間も低減することができる。
【0007】
さらには、本発明による方法は、実施が容易でありかつ容易に自動化することができる。
【0008】
本発明による方法の第1工程は、スラリーを混合することにある。これを行うために、スラリーの成分は、例えば、撹拌システムを備えたミキサーに導入され、均質な混合物が得られるまで撹拌が続けられる。混合の際に生じる吸蔵空気は、圧力タンク内で除去することができる。
【0009】
次に、スラリーは、例えば、内部を加圧できる好適なロッキングシステムを備えたタンクに移すことができる。このタンクは、吸蔵空気が注入されるスラリーとともに金型に導入されないように、必要に応じて任意選択で外部からの振動の発生を伴う、気泡を除去するための、真空プロセスに基づいた内部システムを含むことができる。
【0010】
次に、スラリーは、好ましくは上記のタンクを加圧することによって金型に注入される。
【0011】
好ましくは、この注入は、低圧又は高圧で行うことができる。低圧注入の操作圧は好ましくは1.5〜4barであり、一方で、高圧は、場合に応じて及び金型の設計におけるこの圧力を考慮して好ましくは4〜30barである。
【0012】
この注入操作は、他の任意の通常の手段、例えば、蠕動ポンプ又は圧縮空気(低圧注入の場合)によって実施することもできる。
【0013】
真空は、好ましくは真空ポンプによって作り出される。
【0014】
物品が所望の水分含有量を有するように余分な水が抽出される。有利には、最終的な水含有量は、物品の問題のないハンドリングを可能にし、一方で水が不足することによる如何なる亀裂も防ぐ妥協的な量に相当する。加えて、真空抽出工程後の水/セメント比は、好ましくは0.25〜0.5であることができる。
【0015】
有利には、本発明による方法の真空抽出工程の時間は1時間未満である。これにより、とりわけ、現行の方法と比べて効率を有意に向上させることができる。
【0016】
同様に、本方法により、例えば、0.2cm〜5cmの厚さを有する物品、例えば、床のための物品を、それらの物理的又は機械的性質を損なうことなく得ることができる。このことは、使用される材料の量を低減するのに役立ち、コストの低減及びより軽い物品の獲得が可能となり、それによって物品のハンドリング及び据え付けがより容易になる。
【0017】
最終的な物品を得るために、本発明による製造方法は、得られた物品の硬化を含むことができる。得られた物品を解体されやすくする微小割れ及び変形の恐れを有意に低減するために、硬化は、好ましくは真空抽出工程の際に水が失われた後、物品が必要な水和レベルを取り戻すことのできる湿度及び温度条件下で行われる。さらに有利には、硬化の際の相対湿度は、90%〜100%であることができ、総硬化時間は1〜7日であることができる。
【0018】
任意選択で、他の硬化システム、例えば、蒸気、オートクレーブなどを選択することができる。
【0019】
好ましい実施態様においては、細断された強化繊維が注入の前にスラリー中に混合されるか及び/又は強化繊維が注入の前に金型に入れられる。
【0020】
実施の1つの有利な方法においては、支持部材が注入の前に金型に入れられ、この支持体上に置かれた未加工の物品が支持体によって取り出される。
【0021】
さらには、この支持体は、金属部品であることができ、例えば、タイルの形態の円形領域を有するパネルを製造するために、物品に関して要求される形状を有することもできる。
【0022】
1つの特徴によれば、真空抽出は、スラリー注入の際に開始することができる。
【0023】
さらには注入及び/又は抽出は、金型及び対抗金型を含む密閉成形システムの一方の面及び/又は両方の面を介して実施することができる。例えば(対抗金型の)上面を介して水を抽出することができ、(金型の)下面を介して抽出するために金型を逆さまにすることができる。
【0024】
注入及び/又は抽出は、1つ又は複数のオリフィスを介して実施することができ、これらのオリフィスは、異なってもよいし又は異ならなくてもよく、金型及び/又は対抗金型に設けられている。
【0025】
さらには、注入及び/又は抽出は、成形システムの下面及び/又は上面の一部又は全体に渡って分布させることができる。
【0026】
さらには、物品(外装用パネルなど)を、例えば、構造体に最終的に固定するための1つ又は複数の金属インサートを含む物品を、スラリーを注入する前に金型の中にこれらのインサートを入れることによって製造することが可能である。
【0027】
さらには、金型は、任意選択で硬化プロセスを促進させるために加熱することができる。
【0028】
本発明による方法を実施するための金型は、密閉金型システム(金型/対抗金型)からなることができ、少なくとも1つの入口オリフィスと少なくとも1つの第2オリフィスを含むことができ、スラリー、好ましくは前もって均質化されたスラリーがこの入口オリフィスを介して注入され、この第2オリフィスは、抽出のために第1オリフィスと異なってもよいし又は異ならなくてもよい。
【0029】
システムが失敗するのを避けるために、真空による水抽出の際の圧力降下を防ぐよう密閉することができるロッキング機構を備えた1つ又は複数のスラリー出口オリフィス又はオーバーフローを金型の中に含むことができる。
【0030】
真空による水抽出を可能にするために、金型はまた、好ましくは真空抽出システムに直接的又は間接的に接続された1cm以下の直径を有する複数のオリフィスを備えている。同様に、この真空工程の際に材料が失われるのを避けるために、濾紙又は他の任意の通常の濾過システムをオリフィスとスラリーの間に配置することができる。この工程の際、金型は、硬化プロセスを促進させるために任意選択で加熱することができる。
【0031】
支持部材が金型に配置される場合には、それは、好ましくは金型又は対抗金型に対面する1つ又は複数のオリフィスを含むことができる。
【0032】
抽出及び注入が対抗金型を介して実施される場合には、部材、例えば、対抗金型と接触しかつ対抗金型のオリフィスに対面するオリフィスを備えた磁気部材を提供することができる。
【0033】
本発明の主題はまた、上記の方法によって得られる水硬性マトリックスからなる物品でもある。その組成は、全質量の2wt%〜98wt%の水硬結合剤と、全質量の0.1wt%〜95wt%の砂と、全質量の5wt%〜75wt%の水と、全質量の0wt%〜50wt%の強化繊維(好ましくは2.5wt%〜7wt%のガラス繊維)と、全質量の0wt%〜50wtの他の繊維と、全質量の0wt%〜75wt%のポリマーと、全質量の0wt%〜20wt%の超可塑剤と、全質量の0wt%〜50wt%のメタカオリンと、任意選択で必要とされる特徴を物品に付与するよう選択された他の添加剤とを含む。
【0034】
その組成のために、この物品は耐熱性を有する。さらにその組成により、その機械的性質を改善することができ、従来のコンクリート物品を軽くすることができる。
【0035】
この物品は、高レベルの耐火性を必要とする壁及び構造体を被覆するのに使用することができる。
【0036】
本発明による方法は、セメントに基づいた成分(セメントは水硬結合剤として使用される)の射出成形及び製造に関するだけでなく、また、これらの成分だけでなく、他の水硬結合剤、例えば、石膏、プラスター、石灰及びケイ酸カルシウムを使用する可能性も想定している。
【0037】
幾つかの結合剤を混合することも可能である。さらには、マトリックスは、他の凝集体、石膏、プラスター、石灰、合成樹脂、ポリマー、種々の類型のプラスチック、熱可塑性樹脂などと混合されたセメントからなることができる。
【0038】
結合剤がセメントを含む場合には、使用されるセメントは、好ましくは高い初期強度を有する急結セメント、あらゆる強度の通常のポルトランドセメント、アルミナセメント、低アルカリセメント、及び一般に任意のあらゆるタイプのセメントであることができ、その選択は、物品を設計する際、その水硬結合剤の特徴を常に維持するよう考慮されなければならない。
【0039】
ポリマーは、例えば、種々の類型のアクリル又は合成タイプの樹脂であることができるか、又はマトリックスを改質しかつ物品の期待される種々の設計及び性能的側面の点でより高い能力を製造される物品に付与するのに使用できる他の任意のポリマーであることができる。任意選択で、ポリマーは、最終的なGRC物品が高温の用途を意図しない場合にのみ添加されるべきであり、壁パネル及び外装としてのみ使用されるか又は特定の耐火性又は耐熱性を必要としない他の用途において使用される。
【0040】
さらには、他の添加剤は、とりわけ、促進剤、遅延剤、乳化剤、空気連行剤、吸蔵空気剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、又は増粘剤、例えば、セルロース、セルロース繊維、任意のタイプのセルロース水酸化物、及び他の化学増粘剤、さらには注入スラリーの凝集及び安定性を改善するのに使用できる澱粉又は天然製品、及び一般に物品の期待される設計及び性能要件、さらには可能性のある製造要件によってマトリックスを改質するための任意の添加剤であることができる。
【0041】
強化繊維は、細断された繊維、完全な繊維、細断された強化繊維のあらゆるクラスのマット、連続繊維のマット、例えば、サン−ゴバンによって販売されているCem−FIL(登録商標)又はメッシュ織物であることができる。
【0042】
同様に、強化繊維は、合成繊維、例えば、ポリアミド、レーヨン、ナイロン、PVA、ポリプロピレンの繊維、及び一般にあらゆるクラスの任意の有機繊維、天然繊維(例えば、ココナッツ繊維、処理された植物系繊維、セルロース繊維若しくはサイザル麻繊維)又は合成繊維;鉱物繊維、例えば、炭素繊維、玄武岩繊維、及び一般にあらゆるクラスの任意の鉱物繊維;E、Z、C又はAR(耐アルカリ性)のガラス繊維タイプのガラス繊維、及び一般に任意の組成の任意のガラス繊維;金属繊維、例えば、銅、鋼、ステンレス鋼、鉄、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄の繊維、及び一般に金属タイプの任意の繊維であることができる。黒鉛、ホウ素、セラミック又は玄武岩の繊維を挙げることもできる。
【0043】
他の繊維は、例えば、ロックウール又はガラスウールからの断熱繊維であることができる。
【0044】
下表1は、従来のGRCから作製された物品と比較するために、例えば、本発明によるGRCから作製された物品に関する組成の幾つかの例を与えている。
【0045】
【表1】

【0046】
組み合わせにおいて、種々のタイプの繊維の割合を調整して、その用途において優れた性能を達成しかつ種々の機械強度レベルを得るようにする。重大な問題なく混合物の注入を可能にするように、種々のタイプの繊維の組み合わせがマトリックスの他の成分と適合させるために設計される。射出成形された物品に関して得ることが望ましい利点又は性能特性に従って、強化(繊維)を構成する材料を他の任意の割合において使用することができる。
【0047】
例えば、12mmの長さを有しかつ2〜3%の割合のARガラス繊維が使用される。
【0048】
好ましい実施態様が以下に記載されるが、これは本発明を限定するものではないということを特に言及する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
材料を計量した後、以下の手順に従ってそれらを混合する。セメントと砂を所要水量に徐々に加えて、0.8の砂/セメント比と0.45の水/セメント比を得る。均質な混合物が得られるまで混合を続ける。細断された強化繊維(例えば、ガラス繊維)と添加剤を加え、次いで均質なスラリーが得られるまで混合を続ける。
【0050】
これを行うために、撹拌システムを備えたミキサーにスラリーの成分を導入し、均質な混合物が得られるまで撹拌を続ける。混合の際に生じる吸蔵空気は、圧力タンク内で除去される。
【0051】
次に、例えば、内部を加圧できる好適なロッキングシステムを備えたタンクにスラリーを移す。このタンクは、吸蔵空気が注入されるスラリーとともに金型に導入されないように、必要に応じて任意選択で外部からの振動の発生を伴う、気泡を除去するための、真空プロセスに基づいた内部システムを含む。
【0052】
次に、注入のために金型を用意する。排気工程の際に材料が失われるのを防ぐために、濾紙又は他の任意の通常の濾過システムをオリフィスとスラリーの間に配置することができる。例えば、金型上に配置される下方の支持体又はスリーブ上に濾紙又は特殊膜を置くことができ、未加工の物品を容易に取り出せるよう設計することができる。さらには、好適な形状の、例えば、ガラス繊維から作製される強化メッシュ織物が、好ましくは金型に配置される。
【0053】
金型は、例えば、密閉金型システム(金型/対抗金型)からなり、例えば、金型及び対抗金型上に好ましくは均一に分布されかつ互いに対面する9個のオリフィスを含み、これらのオリフィスを介して均質化されたスラリーが注入され及び/又は抽出が実施される。
【0054】
システムが失敗するのを避けるために、真空による水抽出の際の圧力降下を防ぐよう密閉することができるロッキング機構を備えた1つ又は複数のスラリー出口オリフィス又はオーバーフローを金型の中に含むことができる。
【0055】
タンクは、オリフィスを介して前もって得られたスラリーで満たされ、次いで密閉されて加圧される。2.5〜3barの圧力が得られた後、材料が金型に流れるようにスラリーをタンクから出力するためのバルブを開ける。
【0056】
金型が満たされたことをオーバーフローが示すと、真空源のスイッチを入れ、注入を止める。真空による水抽出を可能にするために、1つ又は複数のオリフィスは、1cm以下の直径を有し、真空抽出システムに直接的又は間接的に接続されている。
【0057】
総加圧時間は15分であり、0.35〜0.40の間で変化する最終的な水/セメント比が得られる。この工程の際、金型は、硬化プロセスを促進させるために任意選択で加熱することができる。
【0058】
次に、金型を開けて、物品を金型から取り出し、所要レベルの物品の水和及び硬化を得るためにこの物品を硬化用チャンバーに入れる。硬化は、室温及び95%を超える相対湿度で7日間行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形によって水硬性マトリックスからなる物品を製造するための方法であって、
a)水硬結合剤と混合水を含有するスラリーを金型に注入する工程;
b)該混合水を真空抽出する工程;及び
c)未加工の物品を離型する工程
を含むことを特徴とする、成形によって物品を製造するための方法。
【請求項2】
前記スラリーの前記金型への注入が注入タンクを加圧することによって行われることを特徴とする、請求項1に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項3】
前記スラリーの前記金型への注入が蠕動ポンプによって行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項4】
前記スラリーの前記金型への注入が圧縮空気によって行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項5】
前記注入が、低圧、即ち、1.5〜4barの圧力で行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項6】
前記注入が、高圧、即ち、4〜30barの圧力で行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項7】
前記真空抽出工程後の水/セメント比が0.25〜0.5であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項8】
0.2〜5cmの厚さを有する物品を生成できることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項9】
前記真空抽出工程の時間が1時間未満であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項10】
90%〜100%の相対湿度条件下で行われる前記物品を硬化する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項11】
前記硬化工程の総時間が1〜7日であることを特徴とする、請求項10に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項12】
前記硬化工程が蒸気の存在下で行われることを特徴とする、請求項10又は11に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項13】
前記硬化工程がオートクレーブにおいて行われることを特徴とする、請求項10又は11に記載の成形によって物品を製造するための方法。
【請求項14】
前記物品の組成が、全質量の2wt%〜98wt%の水硬結合剤と、全質量の0.1wt%〜95wt%の砂と、全質量の5wt%〜75wt%の水と、全質量の0wt%〜50wt%の強化繊維と、全質量の0wt%〜50wtの他の繊維と、全質量の0wt%〜75wt%のポリマーと、全質量の0wt%〜20wt%の超可塑剤と、全質量の0wt%〜50wt%のメタカオリンとを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって得られた水硬性マトリックスからなる物品。
【請求項15】
前記水硬結合剤がセメントを含み、該セメントが、高い初期強度を有する急結セメント、あらゆる強度の通常のポルトランドセメント、アルミナセメント、低アルカリセメント、及び一般に任意のあらゆるタイプのセメントであることができ、その選択が、前記物品を設計する際、その水硬結合剤の特徴を常に維持するよう考慮されなければならないことを特徴とする、請求項14に記載の水硬性マトリックスからなる物品。
【請求項16】
前記ポリマーが、種々の類型のアクリル又は合成タイプの樹脂であることができるか、又は前記マトリックスを改質しかつ前記物品の期待される種々の設計及び性能的側面の点でより高い能力を製造される物品に付与するのに使用できる他の任意のポリマーであることができることを特徴とする、請求項14又は15に記載の水硬性マトリックスからなる物品。
【請求項17】
促進剤、遅延剤、乳化剤、空気連行剤、吸蔵空気剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、又は増粘剤、例えば、セルロース、セルロース繊維、任意のタイプのセルロース水酸化物、及び他の化学増粘剤、さらには注入スラリーの凝集及び安定性を改善するのに使用できる澱粉又は天然製品、及び一般に物品の期待される設計及び性能要件、さらには可能性のある製造要件によって前記マトリックスを改質するための任意の添加剤であることができる他の添加剤を含むことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1項に記載の水硬性マトリックスからなる物品。
【請求項18】
前記強化繊維が、細断された繊維、完全な繊維、細断された強化繊維のあらゆるクラスのマット、連続繊維のマット、例えば、Cem−FIL(登録商標)又はメッシュ織物であることができることを特徴とする、請求項14〜17のいずれか1項に記載の水硬性マトリックスからなる物品。
【請求項19】
前記強化繊維が、合成繊維、例えば、ポリアミド、レーヨン、ナイロン、PVA、ポリプロピレンの繊維、及び一般にあらゆるクラスの任意の有機繊維又は合成繊維;鉱物繊維、例えば、炭素繊維、玄武岩繊維、及び一般にあらゆるクラスの任意の鉱物繊維;ガラス繊維、例えば、E、Z、C、ARのガラス繊維、及び一般に任意の組成の任意のガラス繊維;金属繊維、例えば、銅、鋼、ステンレス鋼、鉄、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄の繊維、及び一般に金属タイプの任意の繊維であることができることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか1項に記載の水硬性マトリックスからなる物品。

【公表番号】特表2007−507371(P2007−507371A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530454(P2006−530454)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050479
【国際公開番号】WO2005/032780
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(501399290)サン−ゴバン ベトロテックス フランス ソシエテ アノニム (33)
【Fターム(参考)】