説明

成形材料特性測定装置

【課題】高精度の成形を行うことができるとともに、成形チャンバ容積を可能な限り小さくすることで、加熱・冷却効率を高める成形材料特性測定装置を提供する。
【解決手段】石英チャンバ70内に互いに対向するように配置された固定型52及び移動型42と、固定型52を支持する固定軸50と、移動型42を支持する移動軸40と、移動軸40を固定型52に対して移動させるための電動サーボモータ30と、固定型52及び移動型42に挟持されたガラス素材Wを加熱する赤外線ランプユニット80と、石英チャンバ70を電動サーボモータ30側に移動可能に支持する溶接ベローズ73と、固定軸50を支持するフレーム20に支持されるとともに、石英チャンバ70に連通した空間内に配置され、固定型52と移動型42との間に作用する押圧力を検出する荷重検出器60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、光学ガラスレンズ等のガラスを成形するためのガラス成形装置に取り付けられる成形材料特性測定装置に関し、特に高温ガラスの動粘度や熱膨張係数、及び離型力等を測定することで高精度の成形を行えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス成形装置は例えば次のような構成がとられている。すなわち、上軸側が固定軸で、下軸側が移動軸となっている。下軸と成形チャンバには可動シール構造と有している。成形チャンバを開く場合は、上軸側に可動シール機能を有した状態で、上方に退避する。上方に退避している状態で、金型内のガラスを供給排出が行われる。下方にいる状態で、成形チャンバは密封され、真空雰囲気か窒素ガス雰囲気に置換可能な構造となっている。プレス力の荷重検出器は、下側移動軸の下部に配置され、成形チャンバの外に配置されている。
【0003】
このような構成の場合、下軸の駆動と、成形チャンバの退避をする為の移動シール構造を、上下2ケ所に設ける必要があった。
【0004】
また、成形チャンバ外に荷重検出器が配置されているため、成形チャンバ内の圧力が負圧になったり正圧になったりすることにより、その圧力の変動を荷重検出器が検知をしてしまい、実際のプレス力を測定することができないなどの不具合があった。また、このロードセルには、下軸とチャンバとの摺動抵抗も検出してしまうので、微小なプレス力等を制御することが困難であった。
【0005】
このような成形チャンバ内の圧力変動をキャンセルし、高精度のガラス成形を行うために、上軸の固定軸と上金型の間に荷重検出器を取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−1768号公報
【特許文献2】特開2006−1769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した上軸の固定軸と上金型の間に荷重検出器を取り付けたガラス成形装置は次のような問題があった。すなわち、成形チャンバ内の圧力変動をキャンセルすることは可能だが、成形チャンバが上方に退避する際は、石英チャンバの内径が、ロードセルの外径よりも大きなくてはならず、直径120mm程度以上必要であった。このため、成形チャンバ容積が必要以上に大きくなり、加熱・冷却効率に悪影響を及ぼしていた。
【0008】
一方、ガラス素材について一般的に公表されている熱的特性値は、実際の成形機で測定したものではないので、参考程度にしかならなかった。また熱膨張係数に関しては、所定の温度域でのデータしか公開されていないため任意の温度域でのデータを得ることができなかった。
【0009】
本発明は、ガラス成形装置における成形チャンバ内の圧力変動をキャンセルすることで高精度に成形材料特性が測定でき、高精度のガラス成形を行うことができる成形材料特性測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の成形材料特性測定装置は次のように構成されている。
【0011】
成形チャンバと、この成形チャンバ内に互いに対向するように配置された固定型及び移動型と、前記固定型をその背面側から支持する固定軸と、前記移動型をその背面側から支持する移動軸と、この移動軸を前記固定型に対して移動させるための駆動装置と、前記固定型、前記移動型及びこれらの間に投入されたガラス素材を加熱するための加熱装置と、前記成形チャンバ内に不活性ガスを供給するためのガス供給手段と、前記成形チャンバ内を減圧するための排気装置と、前記成形チャンバを前記駆動装置側に移動可能に支持する移動支持部とを備えたガラス成形機に取り付けられる成形材料特性測定装置において、前記固定軸を支持するフレームに支持されるとともに、前記成形チャンバに連通した空間内に配置され、前記固定型と移動型との間に作用する押圧力を検出する荷重検出器とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガラス成形装置における成形チャンバ内の圧力変動をキャンセルすることで高精度に成形材料特性が測定でき、高精度のガラス成形を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る成形材料特性測定装置を有するガラス成形装置の概要を示す説明図。
【図2】同ガラス成形装置を用いて石英ガラス加熱時の伸び量の測定を示す説明図。
【図3】同ガラス成形装置を用いてガラス素材加熱時の伸び量の測定を示す説明図。
【図4】同ガラス成形装置を用いてガラス素材加熱時の伸び量の較正方法を示す説明図。
【図5】同ガラス成形装置を用いて一定歪み印加時の応力変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る成形材料特性測定装置を有するガラス成形装置10を示す概略構成図である。ガラス成形装置10は、床面上に載置されたフレーム20を備えている。フレーム20は、鉛直方向の支持部材21と、この支持部材21に支持された天板22と、後述する固定軸50を荷重検出器60を介して支持する有底筒部23とを備えている。有底筒部23の内部にはガス排気路23aが設けられている。このガス排気路23aは、後述する真空ポンプ91に接続されている。
【0015】
フレーム20の天板22には、その回転中心を鉛直方向として電動サーボモータ30が取り付けられ、この電動サーボモータ30のボールネジ31の先端にはスライダ32が取り付けられている。電動サーボモータ30及びボールネジ31により駆動機構が構成され、位置制御・プレス力制御を正確に行うことが可能である。
【0016】
フレーム20の支持部材21の内側面にはリニアスケール24が取り付けられており、リニアスケール24はスライダ32と機械的に取り付けられるとともに、鉛直方向に往復動自在に案内している。リニアスケール24はスライダ32の鉛直方向の位置を高精度に測定し、後述する制御部100に出力する機能を有している。
【0017】
スライダ32の下部には移動軸40が設けられている。さらに移動軸40の下端には断熱性のダイホルダ41を介して移動型42が取り付けられている。すなわち、移動型42はその背面側から移動軸40に支持されている。
【0018】
スライダ32の上部には空気圧によって作動するバランスシリンダ35のシリンダ軸36が取り付けられている。バランスシリンダ35は、常に150N程度の力でシリンダ軸36を介してスライダ32を上方に引き上げる。これにより、移動軸40の自重がキャンセルされ、安定的に荷重測定が可能となる。これらバランスシリンダ35及びシリンダ軸36により、移動軸40の自重相殺機構が形成されている。
【0019】
電動サーボモータ30は制御部100に予め設定されたプログラムに従って速度、荷重または位置制御が行われ、移動軸40を後述する固定型52に対して相対移動が行われる。
【0020】
移動軸40の下方には固定軸50が設けられており、この固定軸50の上端にはダイホルダ51を介して固定型52が移動型42に対向して取り付けられている。すなわち、固定型52はその背面側から固定軸50に支持されている。この固定型52及び移動型42によりガラス素材Wを成形するための金型が構成される。
【0021】
固定軸50の下端は荷重検出器60を介してフレーム20の有底筒部23に取り付けられている。荷重検出器60は、例えばS字型のロードセルであって、固定型52と移動型42との間に作用する押圧力を検出し、制御部100に出力する機能を有している。荷重検出器60は、直径120mm程度である。
【0022】
移動型42と固定型52の周囲は、円筒状の石英チャンバ(成形チャンバ)70が配置されている。石英チャンバ70の内径は直径50mm程度であり、収納可能な金型は最大直径40mm程度であり、荷重検出器60は収容できない。
【0023】
石英チャンバ70の上側の開口部には、上側フランジ71と、下側の開口部には下側フランジ72がそれぞれ気密に取り付けられている。なお、図1中71a,72aはOリングを示している。上側フランジ71は、さらに溶接ベローズ73により、スライダ32に気密に接続されている。溶接ベローズ73により移動軸40の移動を最小限の摺動抵抗で駆動可能となる。溶接ベローズ73は、石英チャンバ70を上方へ退避させるための退避用移動シール構造(退避用移動支持部)と、移動軸40の周囲を気密に保持する移動軸移動シール構造を兼ねている。
【0024】
なお、下側フランジ72は、石英チャンバ70に対し、離間可能に設けられており、固定型52上にガラス素材Wを載置する際、金型交換時等には開放する。
【0025】
上側フランジ71の内部にはガス供給路71bが設けられている。このガス供給路71bは、後述する窒素ガス供給部90に接続されている。
【0026】
石英チャンバ70の外周には、赤外線ランプユニット(加熱装置)80が配置されている。また、石英チャンバ70には、上側フランジ71を介して窒素ガス(不活性ガス)を供給するための窒素ガス供給部(不活性ガス供給手段)90と、下側フランジ72を介して石英チャンバ70内を減圧するための真空ポンプ(排気装置)91とが接続されている。
【0027】
さらに、各部を連係制御する制御部100が設けられている。制御部100は、固定型52又は移動型42の金型温度、押圧力、移動軸の位置情報を出力する出力部、成形温度域でのガラス素材Wの熱膨張係数、粘弾性基礎データが組み込まれている。
【0028】
このように構成された成形材料特性測定装置を有するガラス成形装置10は、次のようにして成形材料特性測定及びその測定結果に基づくガラス成形を行う。固定型52上にガラス素材Wを置き、下側フランジ72と石英チャンバ70の開口部を気密に閉じる。次に、石英チャンバ70内を真空ポンプ91により排気し、その後、窒素ガス供給部90から窒素ガスを導入して、高純度の窒素ガスにてパージする。これにより、連続して行う加熱時に生じる金型(移動型42及び固定型52)の酸化を防止する。
【0029】
窒素ガスにてパージ後、赤外線ランプユニット80で移動型42、固定型52及びガラス素材Wを成形可能な温度域まで均一に加熱する。所定温度に達した後、赤外線ランプユニット80の出力は、所定温度を保持するよう、熱電対(不図示)の出力結果を元に制御装置100によりコントロールされる。上記の間、移動型42と固定型52は物理的に分離されている。
【0030】
ここで、真空成形について説明する。真空成形は、金型からガラス素材Wへの転写精度を向上させるために実施するプロセスである。通常のように窒素ガス雰囲気中で成形すると、ガラス素材Wと移動型42及び固定型52の間に窒素ガス溜まりが形成されてしまう。例えば、凸レンズの場合、レンズ頂点にガス溜まりができてしまう。これを防止するために真空中で成形を行うのが、真空成形である。真空排気は、ガラス素材Wが移動型42及び固定型52に挟まれた状態で行われる。成形時は荷重検出器60からの情報を元に、一定のプレス力が印加されるよう電動サーボモータ30の出力がコントロールされる。
【0031】
ところが、真空排気時、石英チャンバ70内外の圧力差により、固定軸50は上方へ、移動軸40は下方へ向かう力が加わる。ここで、荷重検出器60が固定軸50の下側で石英チャンバ70の外に設置されている場合、固定軸50が上方へ引き込まれることで検出される荷重値は、実際にガラス素材Wに印加されている力より小さくなる。
【0032】
すなわち、電動サーボモータ30は、移動軸40をさらに下方へ移動するよう働くことになる。しかし、実際には、ガラス素材Wには固定軸50を上方へ引き上げる力が働いているため、荷重が余分に掛かっており、逆に移動軸40を上げる方向に働かなくてはならない。
【0033】
ところが、図1に示すように荷重検出器60が石英チャンバ70と連通する減圧空間内に配置されることにより、固定軸50は上方へ持ち上がることが無くなる。従って、非常に正確にガラス素材Wそのものに掛かるプレス力を測定・制御できるようになる。
【0034】
一方、荷重検出器60は、石英チャンバ70の下方に位置する有底筒部23内に配置されており、石英チャンバ70の移動とは無関係の位置に配置されているため、荷重検出器60の形状・寸法に関わらず石英チャンバ70を小型化することができる。また、石英チャンバ70の下方に位置する減圧空間内に配置されることにより、赤外線ランプユニット80による熱の影響を受け難くなる。これにより、温度に敏感な感度の高い荷重検出器60を用いてより精緻な押圧力制御を達成することが可能である。
【0035】
これにより、例えば、従来の最低プレス力が20kN程度だったのに対し、本ガラス成形装置10では、最低プレス力が1kN以下となり、高精度のプレス成形を実施することができる。
【0036】
また、移動軸40と直結して電動サーボモータ30とは別に、リニアスケール24が配置され、移動軸40の位置を高精度に測定することができる。リニアスケール24を移動軸40の近傍に設けたのは、リニアスケール24と移動軸40間で生じる機械的変形による測定誤差を極力低減するためである。
【0037】
上述したように、本実施の形態に係る成形材料特性測定装置を有するガラス成形装置10は、移動軸40と石英チャンバ70の退避方向を同一にすることで、石英チャンバ70の退避用移動シール構造と、プレス軸移動シール構造を共通化して、部材コストを低減することができる。また、移動シール構造を少なくすることにより、リーク箇所を削減することができ、減圧や窒素ガス封入の効率化にも寄与する。荷重検出器60を固定軸50の下部に配置して、石英チャンバ70と連通する減圧空間内に収納することにより、微小なプレス力を制御可能として、また、ガラスに負荷されるプレス力を正確に測定でき、高精度の成形を行うことができる。
【0038】
一方、荷重検出器60を下部に配置することにより、石英チャンバ70を退避する際に荷重検出器60をさける必要がなくなり、必要最小限のチャンバ容積とすることが可能となり、加熱・冷却効率を高めることができる。
【0039】
次に、このようなガラス成形装置10を用いて各種の物理特性を測定する技術について説明する。例えば、ガラス成形装置10は、上述した高精度のプレス成形と共に熱膨張係数の温度依存性測定、及び、粘弾性特性測定を行うことができる。
【0040】
具体的には、光学ガラスの熱膨張係数測定する場合には、まず初めに図2に示すように、ダミーテストピースとしての石英ガラスDに、5N程度のプレス力を印加しつつ、常温から所定温度まで昇温する。このときの移動軸位置の実測値を図4中Ldに示す。
【0041】
次に図3に示すように、石英ガラスDの代わりに成形対象となる光学ガラスのガラス素材Wを同様に5Nのプレス力を印加しつつ加熱する。このときの移動軸位置の実測値を図4中Laに示す。
【0042】
図4に示すように、石英ガラスD、ガラス素材Wのいずれも温度上昇とともに移動軸40が上昇し、熱膨張が生じている。このとき、石英ガラスDを用いたときの実測値Ldは、石英ガラスD以外の部分、すなわち主に移動軸40や固定軸50等の膨張によるものと推測される。これは石英ガラスDの膨張係数は非常に小さく無視できるものだからである。これらガラス素材W以外の部分の伸び量を除去するためには、実測値Laから実測値Ldを差し引いくことで実際の伸び量である較正値Lrを求めることができる。
【0043】
これにより、図4よりガラス素材Wのガラス転移点、屈伏点をそれぞれ586℃、639℃と特定することができる。なお、一般に公表されているガラス素材Wのカタログ値によれば、ガラス転移点576℃、屈伏点625℃であり、測定値と異なっていることがわかる。
【0044】
このようにして微小力をガラス素材Wに印加した際の微小変形を検知でき、これを利用すれば光学ガラスの成形温度域での粘弾性特性や、成形条件最適化に必要な熱膨張係数の温度依存性を実測することができる。
【0045】
また、ガラス成形は屈伏点の温度+20〜30℃で行うことが望ましいことから、正確な屈伏点に基づくガラス成形を行うことができ、高精度なガラス成形を行うことができる。
【0046】
次に、ガラス成形装置10をガラスの粘弾性特性測定に適用した場合について述べる。近年、ガラスの成形シミュレーションが盛んに行われているが、これを行うには、粘弾性特性データが必要となる。一般的に求められるのは、「成形温度近傍の高温下で、一定量の歪みをガラスに印加したときの応力応答」、あるいは「一定の力を印加した場合の歪み応答」である。ガラス成形装置10では、これらの測定を行うことができる。
【0047】
図5は、ガラス素材Wに一定の歪みを与えた場合の応力σの応答結果を示す。金型温度を635℃で保持し、かつ、移動軸40の位置を一定に保持した状態、すなわち一定の歪みを与えた状態で、ガラス素材Wに発生する応力の経時変化を示している。
【0048】
図5より、経過時間とともに指数関数的に応力σが緩和されていることが判る。これを近似式で表すと、σ=Aexp(−0.0453t)となっている。理論的には、0.0453は、弾性率Eと粘性率ηの比(E/η)となっている。この他、一定プレス力を印加した場合の歪み応答のデータも取得可能である。
【0049】
このようにガラス成形装置10にて、粘弾性シミュレーションで必要とされる基礎データを収集することができる。
【0050】
上述したように本実施の形態に係る成形材料特性測定装置を有するガラス成形装置10によれば、微小なプレス力管理を必要とする小型レンズ(光学ディスク用ピックアップレンズ等)の成形において装置の小型化・低コスト化を実現し、かつ、高精度なプレス機構を実現することが可能となった。
【0051】
また、成形温度近傍の高温下でのガラスの熱膨脹係数や粘弾性を測定・評価する装置としても用いることもできる。さらに、ガラスへ微細パターンを転写成形する際の、基礎データの収集ができ、金型製作時の参考データとすることも可能となる。
【0052】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、プレス軸を上側として、成形チャンバの退避を上側として実施したが、プレス軸と成形チャンバの退避が同一方向であれば、上下逆であっても構わない。また、加熱装置が赤外線ランプヒータで、プレス軸が電動サーボモータで実施をしたが、別の手段の加熱手段(高周波誘導加熱等)であったり、プレス手段(リニアモータや油圧・空圧シリンダ)であっても構わない。さらに、バランスシリンダを設ける代わりに移動軸と同等の重量の錘を滑車を介して吊り下げるカウンタバランスを設けてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
10…ガラス成形装置、20…フレーム、21…支持部材、24…リニアスケール、30…電動サーボモータ、31…ボールネジ、32…スライダ、35…バランスシリンダ、36…シリンダ軸、40…移動軸、41…ダイホルダ、42…移動型、50…固定軸、51…ダイホルダ、52…固定型、60…荷重検出器、70…石英チャンバ(成形チャンバ)、71…上側フランジ、72…下側フランジ、73…溶接ベローズ、80…赤外線ランプユニット(加熱装置)、90…窒素ガス供給部(不活性ガス供給手段)、91…真空ポンプ(排気装置)、100…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形チャンバと、
この成形チャンバ内に互いに対向するように配置された固定型及び移動型と、
前記固定型をその背面側から支持する固定軸と、
前記移動型をその背面側から支持する移動軸と、
この移動軸を前記固定型に対して移動させるための駆動装置と、
前記固定型、前記移動型及びこれらの間に投入されたガラス素材を加熱するための加熱装置と、
前記成形チャンバ内に不活性ガスを供給するためのガス供給手段と、
前記成形チャンバ内を減圧するための排気装置と、
前記成形チャンバを前記駆動装置側に移動可能に支持する移動支持部とを備えたガラス成形機に取り付けられる成形材料特性測定装置において、
前記固定軸を支持するフレームに支持されるとともに、前記成形チャンバに連通した空間内に配置され、前記固定型と移動型との間に作用する押圧力を検出する荷重検出器とを備えていることを特徴とする成形材料特性測定装置。
【請求項2】
前記フレームには、前記移動軸に機械的に接続され、前記移動軸の軸方向の位置を検出するリニアスケールが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の成形材料特性測定装置。
【請求項3】
前記固定型及び前記移動型の金型温度、前記押圧力、前記移動軸の位置情報を出力する出力部をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の成形材料特性測定装置。
【請求項4】
成形温度域でのガラスの熱膨張係数、粘弾性基礎データを計測する計測部をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の成形材料特性測定装置。
【請求項5】
前記移動軸は、その移動が鉛直方向に沿って行われ、
前記固定軸は、前記移動軸の下方に設けられ、
前記荷重検出器は、前記固定軸に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の成形材料特性測定装置。
【請求項6】
前記移動軸には、上方への付勢を行うことで、前記移動軸の自重を相殺する自重相殺機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の成形材料特性測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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