説明

成形機への成形型の取り付け方法及びその取り付け構造

【課題】成形機への型の取り付け作業時間を短縮するとともに成形品の不良を低減すること。
【解決手段】ハニカム構造体押し出し成形機1の成形型取り付け端面部4の取り付け位置と同じ高さ位置に押し出し成形型5を配置し、成形型5を成形型取り付け端面部4の面に沿ってローラーコンベアー21、31上を所定の高さでスライドさせ、成形型5を成形型取り付け端面部4の所定の水平位置にストッパ13で停止させ、その後成形型取り付け端面部4へ成形型5をクランプ装置40で全周に亘って均一に強固に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形機への成形型の取り付け方法及びその取り付け構造に関するもので、ハニカム構造体成形用練土押し出し成形機への成形型の取り付け方法及びその取り付け構造に好適である。
【背景技術】
【0002】
成形機例えばハニカム構造体成形用練土押し出し成形機と成形型との取り付け構造は、添付の図3(a)、(b)に示すように成形機1のバレル2の端部に取付けられた先細円錐形抵抗管3の先端に抵抗管3と一体的に形成された端面四角状の型取り付け端面部4に成形型5が多数の型締めボルト6によりねじ締め固定されている。そしてバレル2内に軸方向に装着されたスクリュー7を回転させて製品となるハニカム構造体の材料である練土9を軸方向前方へ押し出す。押し出される練土9は捻れ回転して押し出されてくるので整流器10で軸方向へ直進するよう整流させて成形型5のスリット5aに押し出しスリット5aの微小隙間を通過させ製品であるハニカム構造体(図示しない)を作製する。
【0003】
従来、ハニカム構造体成形用練土押し出し成形機1へ成形型5を取付ける場合、図3に示すように、成形型5をホイスト吊り部8でホイスト(図示せず)により吊上げ、成形機1のバレル2に取付けられた抵抗管3の先端に設けられた型取り付け端面部4に上方から下ろし型取り付け端面部4と成形型5との位置合わせを行い成形型5に取付けてある多数の型締めボルト6を順番に型取り付け端面部4のねじ孔4bにねじ込み、成形型5を成形機1の型取り付け端面部4にねじ締め付け固定している。
【0004】
しかしながら、成形型5を成形機1の型取り付け端面部4にねじ締め付け固定する場合、成形型5をホイストで吊るし下ろしているため成形型5の位置が定まらず、ホイストでの成形型5の高さ方向、左右方向の位置決め調整が難しく成形型5の位置決め作業に多くの時間を費やしている。また、成形型5の型取り付け端面部4への固定は多数のボルト6でねじ締め付け固定であるため、成形型5の締め付け(クランプ)面5bと型取り付け端面部4との密着強度の調整が難しく両者の密着面における密着強度にバラツキが生じる。この密着強度のバラツキによりバレル2内に装着されているスクリュー7により押し出されてくる練土9が洩れ、練土9に圧力分布が発生し、図4に示すように練土9によって成形されるハニカム構造体X(製品)にセルヨレ(寄れ)Y等品質のバラツキによる不良が発生する。
【0005】
下記特許文献1には連続的に押し出されてくる成形体を切断する切断装置に関する技術が開示されている。また、下記特許文献2には射出成形機の型締結装置が開示されている。
【特許文献1】特開2001−1330号公報
【特許文献2】特開2002−331555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、成形機の成形型取り付け端面部の取り付け位置とほぼ同じ高さ位置に成形型を配置し、成形型を成形型取り付け端面部に沿ってスライドさせ、成形型を成形型取り付け端面部の所定の位置に停止させ、その後成形型を成形型取り付け端面部に一様にクランプ固定することにより、成形型の成形型取り付け端面部への位置決め固定作業時間を大幅に短縮できると共に、製品の不良も大幅に減少できる成形機への成形型の取り付け方法及びその取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明では、成形機の成形型取り付け端面部の取り付け位置とほぼ同じ高さ位置に成形型を配置し、前記成形型を前記成形型取り付け端面部の面に沿ってスライドさせ、
前記成形型を前記成形型取り付け端面部の所定の位置に停止させ、その後前記成形型取り付け端面部へ前記成形型を固定することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、前記成形型の前記成形型取り付け端面部への位置決めを簡単且つ確実に行うことができ、成形型の成形型取り付け端面部への位置決め固定作業時間を大幅に短縮できる。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記成形型取り付け端面部への前記成形型の固定は、瞬時にクランプ・アンクランプするクランプ装置で固定することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、前記成形型取り付け端面部への前記成形型の固定を簡単かつ均一に締め付け固定でき、練土洩れ、圧力分布の発生を防止し品質良好な製品を作製できる。
【0011】
請求項3に係る発明では、前記成形機はハニカム構造体成形用押し出し成形機であり、前記成形型はハニカム構造体成形用押し出し成形型であることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、ハニカム構造体の成形作製において、成形型の取り付け段取り時間を大幅に低減できると共に、不良のない歩留まりの良い製品を作製することができる。
【0013】
請求項4に係る発明では、成形型と、前記成形型を取付けるための成形型取り付け端面部を備えた成形機と、前記成形型を前記成形型取り付け端面部の面に沿って前記成形型取り付け端面部の位置にスライドさせる成形型スライド装置と、前記スライド装置によりスライドしてきた前記成形型を前記成形型取り付け端面部の所定の位置に停止させるストッパと、前記成形型取り付け端面部へ前記成形型を固定する固定手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、前記スライド装置で成形型をスライドさせて所定の高さに位置決めでき、前記ストッパで成形型を所定の水平方向に位置でき、前記成形型を簡単且つ確実に成形型取り付け端面部に位置決めすることができ、成形型の取り付け段取り時間を大幅に短縮できる。
【0015】
請求項5に係る発明では、前記固定手段を前記成形型取り付け端面部と前記成形型のクランプ面とをその全面に亘って瞬時にクランプ・アンクランプ可能なクランプ装置であることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、前記成形型取り付け端面部と前記成形型のクランプ面との締め付け固定を強固に行うことができ、練土の洩れや圧力分布を生じさせることなく良品を作製できる。
【0017】
請求項6に係る発明では、前記クランプ装置の構造を、前記型取り付け端面部近傍に固定された油圧シリンダーと、該油圧シリンダーによって作動すると共に外方へ折れ曲がる機能を行うヒンジ部が設けられたクランプ棒と、該クランプ棒の先端に設けられ前記成形型の外側端面に当接するクランプ爪で構成していることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、クランプ・アンクランプを油圧で行っているから前記成形型を強固に確実にクランプ・アンクランプすることができると共に、前記クランプ棒が外方へ折れ曲がる機能を行うヒンジ部を有しているから、前記成形型の取り付けも短時間で行うことができる。
【0019】
請求項7に係る発明では、前記成形型スライド装置をローラーコンベアーとしていることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、構造が極めて簡単であり、且つ確実に成形型を所定の高さの位置にスライドさせることができる。
【0021】
請求項8に係る発明では、前記ローラーコンベアーの少なくともその一部は、前記成形型を所定の高さ位置にスライドさせるように前記成形型取り付け端面部の近傍に固定されていることを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、前記ローラーコンベアーの取り付け位置が常に成形機側に固定されているから、精度よく且つ確実に成形型のスライド位置決めを行うことができる。
【0023】
請求項9に係る発明では、前記ストッパを前記成形機の側に固定していることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、常に前記ストッパの位置が定まるのでストッパとしての位置決めを常に精度良く且つ確実に行うことができる。
【0025】
請求項10に係る発明では、前記前記成形機はハニカム構造体成形用押し出し成形機であり、前記成形型はハニカム構造体成形用押し出し成形型であることを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、ハニカム構造体の成形作製において、成形型の取り付け段取り時間を大幅に低減できると共に、不良のない歩留まりの良い製品を作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下図に基づき本発明の実施形態を説明する。図1(a)は本発明方法において押し出し成形型5をハニカム構造体押し出し成形機1の型取り付け端面部4の所定の位置にスライドさせた状態を示しクランプ装置40を含んで示す縦断面図、図1(b)は図1(a)の右側面図である。
【0028】
ハニカム構造体成形用練土押し出し成形機1は、図1に示すように成形機1のバレル2の端部に取付けられた先細円錐形抵抗管3の先端に抵抗管3と一体的に形成された端面四角状の型取り付け端面部4を備えている。そしてバレル2内にその軸方向に装着されたスクリュー7を回転させて製品となるハニカム構造体の材料である練土9をその軸方向前方へ押し出す。押し出される練土9は捻れ回転して押し出されてくるので整流器10で軸方向へ直進するよう整流させて成形型5のスリット5aに押し出しスリット5aの微小隙間を通過させ製品であるハニカム構造体(図示しない)を作製する。
【0029】
次に本発明における成形型第1、第2スライド装置20、30を説明する。一方の第1スライド装置20はキャスタ11が取付けられた台車12の上に載置されており、多数のローラーコンベヤー21本体と一対のローラー支持板22、23で構成され、そのローラーのスライド方向は型取り付け端面部4の面に沿う方向に配置されている。また、ローラーコンベヤー21本体の上に成形型5を載置した時は成形型5と型取り付け端面部4とのそれぞれの中心が一致するように第1スライド装置20の高さが設定されている。第1スライド装置20はキャスタ11付き台車12に載置されているので、移動が簡単に行え第2スライド装置30との接続も簡単に行うことができる。また、第1スライド装置20は図1(b)において右下方向へ若干傾斜して台車12に載置され第2スライド装置30との接続においては同じ高さに調整されている。従って第1スライド装置20に成形型5を載置すると成形型5は矢印E方向にスライドする。
【0030】
第2スライド装置30も第1スライド装置20と同じ構造をしており、多数のローラーコンベヤー31本体と一対のローラー支持板32、33で構成されている。そして第1スライド装置20と第2スライド装置30の各ローラーコンベヤー21、31を同じ高さに設定してあり、両スライド装置20、30で本発明における成形型スライド装置を構成している。また、本発明においてはスライド装置の少なくとも一部のスライド装置(第2スライド装置30)は型取り付け端面部4の近傍に固定されている。型取り付け端面部4の近傍に第2スライド装置30を固定することにより型取り付け端面部4と第2スライド装置30は常に同じ位置関係を保持することができ、成形型5を型取り付け端面部4に精度良く位置決めすることができる。スライド装置全体が型取り付け端面部4の近傍に固定されていても良い。
【0031】
ローラー支持板22、23及びローラー支持板32、33は、後述するクランプ装置40のクランプ棒42、クランプ爪44がその折れ曲がり作動で当たらないようにその高さが低く設定されている。
【0032】
図1に示すように型取り付け端面部4の右端下方部位には、スライド装置20、30によりスライドしてきた成形型5を所定の位置すなわち型取り付け端面部4への取り付け位置決め位置に停止させるためのストッパ13が固定してある。このストッパ13も後述するクランプ装置40のクランプ棒42、クランプ爪44の折れ曲がり作動で当たらないように、その高さ、長さ及び厚みが低く、短く、薄く設定されている。ストッパ13を型取り付け端面部4すなわち成形機1側に固定することで常に停止位置を精度良く確実に行うことができる。
【0033】
次にクランプ装置40の構造及びその作動を図2により説明する。図2はそれぞれ図1(a)の上面から見た状態を示し、クランプ装置40部分を含んで平面断面図で表している。図2(a)はクランプ装置40のアンクランプ状態を示し、図2(b)はクランプ装置40のクランプ開始状態を示し、図2(c)はクランプ装置40のクランプ状態を示す。なお、図2(a)、(b)、(c)では、成形型5を練土9が切断された後に型取り付け端面部4へ取り付けた状態を示す。
【0034】
クランプ装置40は図1(b)に示すように抵抗管3の型取り付け端面部4近傍の四隅に4組固定して取付けてある。クランプ装置40は油圧シリンダー41と、油圧シリンダー41内油圧により往復動するクランプ棒42と、クランプ棒42の先端に固定されたクランプ爪44及びクランプ棒42の途中に設けたヒンジ部43を備えている。また、型取り付け端面部4及び成形型5の四隅にそれぞれその厚み方向に沿ってU字状溝4a、5cが形成してあり、クランプ棒42がその中に配置される。 クランプ棒42のヒンジ部43より先端部分は図示しないエアーシリンダーにより外側(図3(a)においては上下方向、図1(b)においては左右(水平))方向にヒンジ部43で折れ曲がるようになっている。なお、ヒンジ部43はクランプ棒42が移動しても型取り付け端面部4のU字状溝4a内に位置している。これによりクランプ棒42が外方に折れ曲がった状態で成形型5を型取り付け端面部4と平行にスライドさせて取り外しを行うこともできる。
【0035】
図示しないエアーシリンダーの作動によりクランプ棒42のヒンジ部43より先端部分は図2(b)の矢印Cで示すように内側に動き、外方に位置するクランプ棒42は成形型5のU字状溝5c内に入り直線状となる。この時、クランプ棒42の先端のクランプ爪44は成形型5の外側端面5d側に位置する。
【0036】
次に図2(c)に示すように、油圧シリンダー41への油圧の供給により油圧シリンダー41が作動し、クランプ棒42及びクランプ爪44は矢印D方向に移動しクランプ爪44によって成形型5も矢印D方向に移動し成形型5のクランプ面5bが型取り付け端面部4に強固に全周に亘って均一に密着し成形型5のクランプが完了する。
【0037】
アンクランプの作動は、油圧シリンダー41への油圧の供給を停止(油圧が作用しない状態)し、図2(b)に示すようにアンプランプ状態にして練土9の残圧で成形型5を型取り付け端面部4から3〜5mm乖離させる。乖離した成形型5の支持は図示しない台車付きローラーコンベアー等でその位置を保持される。その後図2(a)に示すようにクランプ棒42は図示しないエヤーシリンダーの作動によりヒンジ部43から先端部分を成形型5のU字状溝5cから脱し外側方向へ折れ曲がり、成形型5は完全なアンクランプ状態となり成形機1から取り外すことができる。
【0038】
上述の4組のクランプ装置40は共通の油圧ポンプ(図示せず)からそれぞれの油圧シリンダー21に油圧が供給され、クランプ・アンクランプの作動が同時に行われるようになっており、更に高速な油圧制御によりクランプ・アンクランプの作動が瞬時に行われるようになっている。すなわち、4組のクランプ装置40で成形型5の成形機1とのクランプ・アンクランプ作動は瞬時に且つ成形型5のクランプ面5bの全面に亘って均一(一様)に行われる。
【0039】
また、上述のクランプ装置40の構造は、前記型取り付け端面部4近傍に固定された油圧シリンダー41と、該油圧シリンダー41によって作動すると共に外方へ折れ曲がる機能を行うヒンジ部43が設けられたクランプ棒42と、該クランプ棒42の先端に設けられ前記成形型5の外側端面5dに当接するクランプ爪44で構成し油圧で作動させているから、クランプ・アンクランプは強固に均一に確実に行われる。
【0040】
次に成形型5を型取り付け端面部4の所定の位置に取付ける方法を説明する。まず図1(b)の2点鎖線で示すようにキャスタ11の付いた台車12の上に載置された第1スライド装置20の上に成形型5を載置する。第1スライド装置20をスライドしてきた成形型5は型取り付け端面部4の近傍に固定された第2スライド装置30にスライドする。この時成形型5の高さは、成形型5と型取り付け端面部4との位置決め高さにセットされる。
【0041】
第1スライド装置20から第2スライド装置30にスライドしてきた成形型5は、型取り付け端面部4の近傍に固定されたストッパ13により停止される。このストッパ13により成形型5と型取り付け端面部4の各中心が一致するように成形型5と型取り付け端面部4との位置決めが行われる。すなわち、型取り付け端面部4に対して成形型5の高さ方向、左右方向(図1(b))の位置を精度良く確保できる。このようにして型取り付け端面部4への成形型5の位置決めを簡単(短時間)に且つ確実に行うことができる。
【0042】
ストッパ13は第2スライド装置30の先端部に固定してあっても位置決めを行うことができるが、本発明方法ではストッパ13を成形機1側(型取り付け端面部4の近傍)に固定して載置いているので、常にストッパ13の位置が定まっているのでストッパとしての位置決めを常に確実に行うことができる。
【0043】
次に型取り付け端面部4に対して所定の位置にセット(位置決め)された成形型5を上述のクランプ装置40で4箇所に亘って同時に所定の圧力で均一にクランプする。成形型5のクランプ面5bと型取り付け端面部4(成形機1)は全周に亘って確実に締め付け固定されるので両者間4、5の隙間は無く、従って成形機1と成形型5とは一体的密封構造となり練土9の成形圧力、密度を均一化でき安定した成形体としての製品を作製することができる
【0044】
以上述べたように本発明方法によれば、成形型5の型取り付け端面部4への取り付けにおいて、成形型5をスライド装置20、30に載置して所定の高さ位置の型取り付け端面部4までスライドさせ、スライドしてきた成形型5をストッパ13で水平方向の位置を定めて成形型5を型取り付け端面部4に対して所定の位置に位置決めし、その後クランプ装置40で成形型5のクランプ面5bを型取り付け端面部4に強固に瞬時に且つ均一に締め付け固定する。このように成形型5の成形型取り付け端面部4への位置決めを簡単且つ確実に行うことができるから、成形型5の成形型取り付け端面部4への位置決め固定作業時間を大幅に短縮できる。また、成形型取り付け端面部4と成形型5のクランプ面5bとの密着を強固に全周に亘って均一にできるから、練土9が洩れや圧力分布が発生せず製品であるハニカム構造体のセルヨレ(寄れ)Y等品質のバラツキによる不良の低減を図ることもできる。
【0045】
具体的な数値効果として、成形型の位置決め時間については従来方法では8分以上費やしていたが本発明方法では1分以下に短縮することができ、セルヨレ不良については従来方法では100個中3個不良が発生していたが本発明方法では100個中0個であった。
【0046】
なお、上述の実施形態は、成形機、成形型はハニカム構造体の押し出し成形機、押し出し成形型の例の説明であったが、必ずしもハニカム構造体の押し出し成形に限定されるものではなく、本発明の趣旨に沿う他の製品の押し出し成形にも適合できる。また、クランプ装置も上述の構造に限定されるものでもない。また、成形型スライド装置はローラーコンベヤーであったがこれに限定されずベルトコンベヤー等で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明方法の説明に供するもので、本発明方法において押し出し成形型5をハニカム構造体押し出し成形機1の型取り付け端面部4の所定の位置にスライドさせた状態を示しクランプ装置40を含んで示す縦断面図、(b)は図1(a)の右側面図である。
【図2】本発明方法におけるクランプ装置40の構成作動の説明に供するもので、(a)、(b)、(c)はそれぞれクランプ装置40部分を含んで示す平面断面図である。
【図3】従来方法の説明に供するもので、(a)は押し出し成形型5をハニカム構造体押し出し成形機1に取付ける状態を示す縦断面図、(b)は(a)の右側面図である。
【図4】従来方法の説明に供するもので、(a)は製品であるハニカム構造体XのセルヨレY不良を示す図、(b)は(a)の拡大図である。
【符号の説明】
【0048】
1 成形機
2 バレル
3 抵抗管
4 成形型取付け端面部
4a U字状溝
5 成形型
5a スリット
5b クランプ面
5c U字状溝
5d 外側端面
9 練土
10 整流器
11 キャスタ
12 台車
20 第1成形型スライド装置
21 ローラーコンベヤー
22、23 ローラー支持板
30 第2成形型スライド装置
31 ローラー
32、33 ローラー支持板
40 クランプ装置
41 油圧シリンダー
42 クランプ棒
43 ヒンジ部
44 クランプ爪


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機の成形型取り付け端面部の取り付け位置とほぼ同じ高さ位置に成形型を配置し、
前記成形型を前記成形型取り付け端面部の面に沿ってスライドさせ、
前記成形型を前記成形型取り付け端面部の所定の位置に停止させ、
その後前記成形型取り付け端面部へ前記成形型を固定することを特徴とする成形機への成形型の取り付け方法。
【請求項2】
前記成形型取り付け端面部への前記成形型の固定は、瞬時にクランプ・アンクランプするクランプ装置で固定することを特徴とする請求項1に記載の成形機への成形型の取り付け方法。
【請求項3】
前記成形機はハニカム構造体成形用押し出し成形機であり、前記成形型はハニカム構造体成形用押し出し成形型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形機への成形型の取り付け方法。
【請求項4】
成形型と、
前記成形型を取付けるための成形型取り付け端面部を備えた成形機と、
前記成形型を前記成形型取り付け端面部の面に沿って前記成形型取り付け端面部の位置にスライドさせる成形型スライド装置と、
前記スライド装置によりスライドしてきた前記成形型を前記成形型取り付け端面部の所定の位置に停止させるストッパと、
前記成形型取り付け端面部へ前記成形型を固定する固定手段とを備えたことを特徴とする成形機への成形型の取り付け構造。
【請求項5】
前記固定手段は、前記成形型取り付け端面部と前記成形型のクランプ面とをその全面に亘って瞬時にクランプ・アンクランプ可能なクランプ装置であることを特徴とする請求項4に記載の成形機への成形型の取り付け構造。
【請求項6】
前記クランプ装置の構造は、前記型取り付け端面部近傍に固定された油圧シリンダーと、該油圧シリンダーによって作動すると共に外方へ折れ曲がる機能を行うヒンジ部が設けられたクランプ棒と、該クランプ棒の先端に設けられ前記成形型の外側端面に当接するクランプ爪とを備えていることを特徴とする請求項5に記載の成形機への成形型の取り付け構造。
【請求項7】
前記成形型スライド装置はローラーコンベアーであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の成形機への成形型の取り付け構造。
【請求項8】
前記ローラーコンベアーの少なくともその一部は、前記成形型を所定の位置にスライドさせるように前記成形型取り付け端面部の近傍に固定されていることを特徴とする請求項7に記載の成形機への成形型の取り付け構造。
【請求項9】
前記ストッパは前記成形機の側に固定されていることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一つに記載の成形機への成形型の取り付け構造。
【請求項10】
前記前記成形機はハニカム構造体成形用押し出し成形機であり、前記成形型はハニカム構造体成形用押し出し成形型であることを特徴とする請求項4〜9のいずれか一つに記載の成形機への成形型の取り付け構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−200921(P2008−200921A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37457(P2007−37457)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】