説明

成形機

【課題】射出ロッドの軸心廻りの回転を許容して、射出チップの偏摩耗を防止しつつ、冷却水用フレキシブル配管の破損を防止する成形機を提供する。
【解決手段】、射出ロッド5は、軸心Xを含む鉛直平面を境界とする一方に冷却水入口部6aを備えるとともに、他方に冷却水出口部6bを備え、射出ロッド5に対して相対変位する部位であって、前記鉛直平面に対して前記一方に位置する冷却水配管13と、冷却水入口部6aを、可撓性を有し射出ロッド5が変位する範囲内で追従して変形する第一のフレキシブル配管12aにより接続し、射出ロッド5に対して相対変位する部位であって、前記鉛直平面に対して前記他方に位置する部位である冷却水配管14と、冷却水出口部6bを、可撓性を有し射出ロッド5が変位する範囲内で追従して変形する第二のフレキシブル配管12bにより接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシン、射出成形機等の成形機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイカストマシン、射出成形機等の成形機において、高温の溶融材料に接する射出チップの熱膨張を抑制すべく、射出チップの冷却が行われている。
射出チップを冷却するための構成としては、射出チップが付設される射出ロッドの内部に冷却水を流通させる構成が一般的であり、射出ロッドの内部と射出チップの内部とを連通する冷却水の流路に冷却水配管を接続し、当該流路に冷却水を循環させて射出チップを冷却する構成としている。
このような構成の成形機における射出ロッドは、軸心方向に往復変位するため、射出ロッドに対する冷却水配管の接続部位においては、変位を吸収するために、可撓性を有する配管部材(以下、フレキシブル配管と呼ぶ)を使用するのが一般的である。
【0003】
射出チップおよび射出ロッドは、射出時において、軸心廻りに成り行きで回転させる構成が一般的であるため、射出ロッドにフレキシブル配管が巻きついてしまったり、あるいは、フレキシブル配管が周辺機器と接触してしまったりして、フレキシブル配管が破損する場合があった。
【0004】
そこで、このようなフレキシブル配管の破損を防止するための技術が検討されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
特許文献1に係る従来技術に示される成形機(ダイカストマシン)では、ピストン(射出チップ)の軸心に対し、偏心して取付けられたピストンロッドと、該ピストンロッドに対して偏心しつつ、射出チップに対して同心の状態で前記ピストンロッドに連結するプランジャロッド(射出ロッド)と、を備える構成としている。
このような構成により、射出時に射出ロッドが回転させないようにすることで、フレキシブル配管の破損を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−313456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フレキシブル配管の破損を防止する観点では、特許文献1に示す技術が有効であるが、射出チップの偏摩耗を防止する観点では、射出ロッドの回転を許容することが望ましい。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、射出ロッドを回転させない構成であるため、射出チップに偏摩耗が生じる可能性があった。
【0007】
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、射出ロッドの軸心廻りの回転を許容して、射出チップの偏摩耗を防止しつつ、冷却水用フレキシブル配管の破損を防止する成形機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、軸心を水平に保持しつつ該軸心の方向に往復変位可能な変位軸を備える変位装置と、前記変位軸に軸心を一致させつつ、軸心廻りに回転可能な状態で前記変位軸に接続される射出ロッドと、前記射出ロッドに軸心を一致させつつ該射出ロッドにより支持される射出チップと、を備える成形機であって、前記射出ロッドは、該射出ロッドの軸心を含む鉛直平面を境界として、当該軸心方向視において左右に配置される二つの部位のうち、一方の部位に第一の接続部を備えるとともに、他方の部位に第二の接続部を備え、前記成形機における前記射出ロッドに対して相対変位する部位であって、前記鉛直平面に対して前記一方の側に位置する部位と、前記第一の接続部を、可撓性を有し前記射出ロッドが変位する範囲内で追従して変形する第一の接続部材により接続し、前記成形機における前記射出ロッドに対して相対変位する部位であって、前記鉛直平面に対して前記他方の側に位置する部位と、前記第二の接続部を、可撓性を有し前記射出ロッドが変位する範囲内で追従して変形する第二の接続部材により接続するものである。
【0010】
請求項2においては、前記第一および第二の接続部材は、前記射出チップおよび前記射出ロッドを冷却するための冷却水設備を構成するフレキシブル配管とするものである。
【0011】
請求項3においては、前記第一および第二の接続部は、前記射出ロッドの軸心を含む鉛直平面を境界として、該軸心方向視において左右対称に配置されるものである。
【0012】
請求項4においては、前記第一および第二の接続部は、前記鉛直平面と直交する同一の直線上に配置されるものである。
【0013】
請求項5においては、前記鉛直平面を境界として前記一方の側に位置する部位および前記鉛直平面を境界として前記他方の側に位置する部位は、前記射出ロッドに比して上方に位置する部位とするものである。
【0014】
請求項6においては、弾性を有する部材である連結部材をさらに備え、前記連結部材によって、前記第一および第二の接続部材の中間部同士を連結するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、射出ロッドの軸心廻りの回転位相を修正することができる。
【0017】
請求項2においては、追加の部材が不要である簡易な構成で、射出ロッドの軸心廻りの回転位相を修正することができる
【0018】
請求項3においては、射出ロッドの軸心廻りにおいて、左右の回転方向に生じるモーメントを吊り合わせることができる。
【0019】
請求項4においては、接続部をよりコンパクトに構成することができる。
【0020】
請求項5においては、接続部材が床面に引きずられることがなくなり、接続部材に汚れや破損が生じることを防止できる。
【0021】
請求項6においては、射出ロッドの軸心廻りの回転位相を確実に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシンの全体構成を示す模式図、(a)側面視における断面模式図、(b)図1(a)におけるA−A断面図。
【図2】射出ロッドの全体構成を示す模式図、(a)平面視における全体模式図、(b)平面視における部分拡大断面模式図、(c)図2(a)におけるB−B断面図。
【図3】カップリングによる変位軸と射出ロッドの接続状態を示す模式図。
【図4】射出チップの全体構成を示す模式図、(a)平面視における断面模式図、(b)図4(a)におけるC−C断面図。
【図5】射出チップと射出ロッドの組み付け状態を示す平面視における部分拡大断面模式図。
【図6】射出ロッドの接続部材による回転規制状況を示す正面視における断面模式図。
【図7】本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシンにおける別実施形態に係る接続部および接続部材の接続状況を示す射出ロッドの軸心方向視における模式図。
【図8】射出ロッドにおける接続部の付設状態(その1)を示す模式図、(a)軸心方向視における模式図、(b)平面視における部分模式図、(c)平面視における部分模式図。
【図9】射出ロッドにおける接続部の付設状態(その2)を示す模式図、(a)軸心方向視における模式図、(b)平面視における部分模式図、(c)平面視における部分模式図。
【図10】本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシンにおける接続部の構成を示す平面視における部分拡大断面模式図。
【図11】本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシンにおける接続部を構成する各部材を示す模式図、(a)嵌合孔が形成された射出ロッドを示す平面視における部分拡大断面模式図、(b)嵌合部材を示す平面視における部分拡大断面図。
【図12】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンにおける接続部材の取り回し状況を示す側面視における部分断面模式図。
【図13】本発明の第二の実施形態に係るダイカストマシンにおける接続部に対する接続部材の接続状況を示す射出ロッドの軸心方向視における模式図。
【図14】本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシンのダイカスト時における接続部材の挙動を示す側面視における断面模式図。
【図15】本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシンのダイカスト時における接続部材の挙動を示す模式図、(a)回転後の状態を示す射出ロッドの軸心方向視における断面模式図、(b)回転修正後の状態を示す射出ロッドの軸心方向視における断面模式図。
【図16】本発明の第二の実施形態に係るダイカストマシンのダイカスト時における接続部材の挙動を示す模式図、(a)回転後の状態を示す射出ロッドの軸心方向視における断面模式図、(b)回転修正後の状態を示す射出ロッドの軸心方向視における断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の第一の実施形態に係る成形機の全体構成について、図1〜図7を用いて説明をする。
図1(a)に示す如く、本発明の第一の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン1は、金型2、射出スリーブ3、アクチュエータ4、射出ロッド5、カップリング7、射出チップ9等を備えている。
また、図1(a)(b)に示す如く、ダイカストマシン1は、接続部材12、冷却水配管13・14等を備えており、射出ロッド5に備えられる接続部6において、接続部材12により、冷却水配管13・14が接続されている。
【0024】
金型2は、可動型2aと固定型2bからなり、各型2a・2bの合わせ面には、ダイカスト製品の形状をかたどった空隙部であるキャビティ2c、該キャビティ2cに溶湯10を供給するための経路となる湯道2d、キャビティ2cを外部と連通するための通気口2e等が形成されている。また、通気口2eの経路上には、射出時に通気口2eから溶湯10が漏出することを防止するためのシャットバルブ15が設けられている。
そして、金型2の固定型2b側には、湯道2dに連通させて、溶湯10を供給するための経路となる射出スリーブ3が接続されている。
【0025】
射出スリーブ3は、その内部にキャビティ2cに向けて打ち込まれる溶湯10を貯留しておくことができる略管状の部位である。また射出スリーブ3には、溶湯10を流し込むための開口部である給湯口3aが形成されており、ラドル11を用いて、給湯口3aから射出スリーブ3に溶湯10が供給される。
【0026】
アクチュエータ4は、エアシリンダや油圧シリンダ等の変位装置により構成され、所定の軸心Xの方向に往復変位可能な軸状の部位である変位軸4aを備えている。
また、変位軸4aは、軸心Xの方向が水平となるように支持されており、該変位軸4aの先端部には、変位軸4aに比して外径が大きい部位である拡径部4bが形成されている。
【0027】
射出ロッド5は、射出チップ9を支持するための軸状部材であり、その主要部に軸状の部位である軸部5aが形成されている。
また、図2(a)に示す如く、射出ロッド5は、軸部5aの一端部にネジ部5bが形成されており、他端部に軸部5aに比して外径が大きい部位である拡径部5cが形成されている。
【0028】
図3に示す如く、射出ロッド5の拡径部5cと、アクチュエータ4の拡径部4bとを、スペーサ8を介挿した状態で各部4b・5cの軸心を軸心Xとして一致させつつ一体化しておき、この一体化した各部4b・5c・8に、カップリング7を外嵌することによって、射出ロッド5を、変位軸4aと一体的に接続する構成としている。
このような構成により、射出ロッド5は、変位軸4aが軸心X方向へ往復変位するのに伴って往復変位される。また、射出ロッド5は、変位軸4aの軸心X廻りの回転位相に係わらず、軸心X廻りに回転することができる。
【0029】
図1(a)に示す如く、射出チップ9は、射出スリーブ3内に貯留される溶湯10をキャビティ2cに打ち込むために、溶湯10を押圧する役割を果たす部位であり、射出スリーブ3の内径に略一致する外径(但し、射出スリーブ3の内径に比して小さい)に形成される略円筒状の部位である。
また、図4(a)(b)に示す如く、射出チップ9の内部には、冷却水を流入させるための空間である空隙部9aが形成されており、また射出チップ9を射出ロッド5のネジ部5bに螺合するためのネジ部9bが形成されている。
【0030】
そして、図5に示す如く、射出チップ9は、射出ロッド5のネジ部5bにネジ部9bを螺合させることによって、射出チップ9と射出スリーブ3の各軸心を軸心Xに略一致させた状態で、射出ロッド5によって支持される。
【0031】
このような構成により、ダイカストマシン1では、アクチュエータ4の変位軸4aを金型2側に変位させて、射出ロッド5とともに射出チップ9を射出スリーブ3内において金型2側に変位させることによって、射出スリーブ3内に貯留される溶湯10をキャビティ2cに打ち込むことができる。
【0032】
尚、本実施形態では、本発明に係る成形機として、金属の溶融材料(溶湯)を用いてダイカスト(鋳造)を行うためのダイカストマシンを例示して説明をしているが、ダイカストマシンと同様に射出ロッドを備えるとともに、射出ロッドに冷却水配管を接続して射出チップを冷却する構成であって、樹脂材料等を用いて射出成形を行うための射出成形機も本発明に係る成形機に含まれる。
【0033】
ここで、射出ロッド5の構成について、さらに詳細に説明をする。
図2(a)に示す如く、射出ロッド5は、該射出ロッド5が軸心X廻りに回転することを抑制するために設けられる部位である接続部6を備えている。
また、図2(b)(c)に示す如く、射出ロッド5は、軸部5aの内部において、その軸心X上に略円柱状の空隙部である空隙部5dが形成されている。この空隙部5dは、ネジ部5b側の端部が開放されている。そして、この空隙部5dには、冷却水の流通経路を形成するための内部配管5eが内蔵されている。
【0034】
内部配管5eは、空隙部5dの内周面に対して所定の隙間が確保された状態で配設されており、内部配管5eの外周面と空隙部5dの内周面によって形成される隙間によって、冷却水の流通経路を形成している。
また、内部配管5eの一端部5fは開放されており、ネジ部5b側に形成される空隙部5dの開放部から射出ロッド5の軸心X方向に向けて突出されている。また、内部配管5eの他端部5gは、拡径部5c側の空隙部5d内に配置されている。
【0035】
図1(b)および図2(a)に示す如く、本実施形態に示すダイカストマシン1において、接続部6は、射出ロッド5に冷却水を流入させるための第一の接続部である冷却水入口部6aと、射出ロッド5から冷却水を流出させるための第二の接続部である冷却水出口部6bにより構成されている。
【0036】
第一の接続部である冷却水入口部6aは、内部配管5eに冷却水を流入させるための部位であり、図2(b)(c)に示すように、空隙部5dに内蔵される内部配管5eと他端部5gにおいて連通している。
また、冷却水入口部6aは、図2(c)中に示すように、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として図2(c)中における右側に形成されている。
【0037】
また、第二の接続部である冷却水出口部6bは、空隙部5dから冷却水を流出させるための部位であり、図2(b)(c)に示すように、空隙部5d(即ち、内部配管5eの外周面と空隙部5dの内周面によって形成される冷却水の流通経路)と連通している。
冷却水出口部6bは、図2(c)中に示すように、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として図2(c)中における左側に形成されている。
【0038】
図1(a)に示す如く、射出ロッド5は、接続部6において、可撓性を有する部材である接続部材12によって、ダイカストマシン1の射出ロッド5以外の部位(即ち、射出ロッド5に対して相対変位する部位)である冷却水配管13・14に接続されている。
ここで、接続部6に接続される可撓性を有する接続部材12は、冷却水を流通させるための第一および第二のフレキシブル配管12a・12bにより構成されている。
【0039】
各フレキシブル配管12a・12bは、可撓性を有する配管部材であり、例えば、SUS製のフレキシブル配管や、樹脂製の耐圧ホース等を採用し得る。
図1(b)に示す如く、第一のフレキシブル配管12aの一端は、冷却水入口部6aに接続され、また他端は、冷却水配管13に接続される。
また、第二のフレキシブル配管12bの一端は、冷却水出口部6bに接続され、また他端は、冷却水配管14に接続される。
【0040】
冷却水配管13は、往き側の冷却水設備であり、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、冷却水入口部6aが存在する側(即ち、図1(b)中における右側)に配置されている。
これにより、第一のフレキシブル配管12aは、冷却水配管13から供給される冷却水を、冷却水入口部6aに流入させるための配管経路を形成している。
また、冷却水配管13は、ダイカストマシン1の図示しないフレーム等に固定されているため、射出ロッド5と冷却水配管13は相対変位する(即ち、射出ロッド5が変位することによって、射出ロッド5と冷却水配管13の位置関係が変化する)関係となっている。
【0041】
冷却水配管14は、還り側の冷却水設備であり、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、冷却水出口部6bが存在する側(即ち、図1(b)中における左側)に配置されている。
これにより、第二のフレキシブル配管12bは、冷却水出口部6bから流出される冷却水を冷却水配管14へ返送するための配管経路を形成している。
また冷却水配管14は、ダイカストマシン1の図示しないフレーム等に固定されているため、射出ロッド5と冷却水配管14は相対変位する(即ち、射出ロッド5が変位することによって、射出ロッド5と冷却水配管14の位置関係が変化する)関係となっている。
【0042】
図5に示す如く、冷却水入口部6aから射出ロッド5に冷却水を流入させると、冷却水は、内部配管5e内を流通して、射出チップ9の空隙部9aに流入する。
そして、空隙部9aに流入した冷却水は、その後、内部配管5eの外周面と空隙部5dの内周面によって形成される隙間を流通し、冷却水出口部6bから流出される。
このように、射出ロッド5および射出チップ9の内部に冷却水を流通させることによって、各部5・9を冷却する構成としている。
【0043】
これらの冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bや各フレキシブル配管12a・12bは、射出ロッド5および射出チップ9の冷却に必要であるため、従来からダイカストマシンに備えられているものであり、本実施形態では、これらの部位を、射出ロッド5の軸心X廻りの回転を抑制するための部位である接続部6として利用する構成としている。
【0044】
このような構成により、図6に示すように、射出ロッド5が軸心X方向に変位したり、あるいは、軸心X廻りに回転したりすると、各部6a・6bに接続された各フレキシブル配管12a・12bがそれに追従して変形する。
尚、各フレキシブル配管12a・12bは、射出ロッド5が変位しても、まだ撓みに余裕が残る長さとしている。
【0045】
射出ロッド5には、軸心X方向視において左右対称の態様で(即ち、鉛直平面αを境界とする両側に)接続部材12が接続されている。
このため、射出ロッド5が回転していない状態では、射出ロッド5には、接続部材12の自重によって生じる張力や、接続部材12に生じる弾性力が、射出ロッド5の鉛直平面αを境界として、軸心X方向視における左右で吊り合っているため、射出ロッド5の軸心X廻りに作用するモーメントが生じない。
【0046】
一方、射出ロッド5が回転すると、接続部材12である各フレキシブル配管12a・12bが変形し、長さ方向に伸長されたり、あるいは、縮小されたり、また、軸方向廻りに捻られたりすることによって、各フレキシブル配管12a・12bに弾性力が生じる。
このとき、各フレキシブル配管12a・12bに生じる長さ方向および捻り方向の各弾性力は、射出ロッド5の鉛直平面αを境界とする軸心X方向視における左右で吊り合わないため、この左右方向の各弾性力の差が復元力となって、各弾性力を、射出ロッド5の鉛直平面αを境界とする軸心X方向視における左右で吊り合わせようとして、射出ロッド5の軸心X廻りの(即ち、元の回転位相に復元しようとする)モーメントが生じる。
【0047】
このため、ダイカストマシン1では、射出ロッド5が回転しても、この復元しようとするモーメントによって、射出ロッド5の回転位相が自然に元の回転位相(回転していない状態)に修正され、接続部材12が射出ロッド5の鉛直平面αを境界として、軸心X方向視において略左右対称の態様となる状態が保持される。
【0048】
即ち、本発明の第一の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン1において、接続部材12は、射出チップ9および射出ロッド5を冷却するための冷却水設備を構成する第一および第二の各フレキシブル配管12a・12bとするものである。
このような構成により、追加の部材が不要である簡易な構成で、射出ロッド5の軸心X廻りの回転位相を修正することができる。
【0049】
尚、本実施形態では、冷却水を流通させるための各部6a・6bによって、接続部6を構成し、かつ、冷却水を流通させるための各フレキシブル配管12a・12bによって、接続部材12を構成する場合を例示しているが、本発明に係るダイカストマシンにおける接続部や接続部材の構成を、冷却水設備を構成する各部位を利用する構成に限定するものではない。
【0050】
例えば、図7に示す如く、射出ロッド5に所謂アイボルト等からなる第一および第二の繋止部材16a・16bを付設して別実施形態に係る接続部16を形成することができる。
またこの場合、各繋止部材16a・16bと、例えばダイカストマシン1を構成する各フレーム部1a・1bとを、第一および第二のワイヤー部材17a・17bによって構成される接続部材17によって接続する構成とすることができる。
【0051】
尚、繋止部材16aは、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、図7中における右側に配置されており、また、繋止部材16bは、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、図7中における左側に配置されている。
また、フレーム部1aは、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、繋止部材16aが存在する側(即ち、図7中における右側)に配置されており、また、フレーム部1bは、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、繋止部材16bが存在する側(即ち、図7中における左側)に配置されている。
【0052】
尚、本実施形態では、接続部材12・17を構成する各部材(各フレキシブル配管12a・12bおよび各繋止部材16a・16b)は、可撓性を有する部材としているが、さらに、接続部材12・17を、弾性を有する部材で構成することも可能である。
この場合、射出ロッド5が回転したときに生じる、元の回転位相に復元しようとするモーメントをより確実に生じさせることができる。
【0053】
ここで、射出ロッド5における冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bの配置状態について、図8および図9を用いて説明をする。
尚、本説明では、説明の便宜上、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bを、軸部5aの外周面から突出させた態様として例示しているが、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bの態様は、軸部5aの外周面に対して凹状のネジ部を形成する態様(図2(b)(c)参照)とすることも可能であり、これらの態様に限定するものではない。
【0054】
図8(a)に示す如く、接続部6を構成する第一および第二の接続部である冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bは、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、軸心X方向視において、左右対称となるように配置されている。
【0055】
即ち、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bは、例えば、図8(a)に示すように、軸心X方向視において、各部6a・6bの各軸心P・Qを、射出ロッド5の軸心Xと直交する同一の直線上に配置することができる。
この場合、各部6a・6bの各軸心P・Qは、図8(b)に示すように、平面視において、射出ロッド5の軸心Xと直交する同一の直線上に配置することができる。
また、各部6a・6bの各軸心P・Qを、図8(c)に示すように、平面視において、射出ロッド5の軸心Xと直交する、異なる二つの直線上に配置することもできる。
【0056】
また、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bは、例えば、図9(a)に示すように、軸心X方向視において、各部6a・6bの各軸心P・Qを、射出ロッド5の軸心Xと直交する、異なる二つの直線上に配置することもできる。
この場合、各部6a・6bの各軸心P・Qは、図9(b)に示すように、平面視において、射出ロッド5の軸心Xと同一の点で直交する、異なる二つの直線上に配置することができる。
また、各部6a・6bの各軸心P・Qを、図9(c)に示すように、平面視において、射出ロッド5の軸心Xと異なる点で直交する、異なる二つの直線上に配置することもできる。
【0057】
即ち、各部6a・6bの配置は、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、軸心X方向視において左右対称となる二つの部位に一対で配置する態様であればよく、平面視において、軸心X方向に間隔を有していてもよい。
【0058】
そして、図1(b)に示す如く、本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシン1では、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bに、それぞれ各フレキシブル配管12a・12bを接続することによって、射出ロッド5は、該射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、射出ロッド5の軸心X方向視において左右対称となる態様で接続部材12が接続されている。
【0059】
即ち、本発明の第一の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン1において、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bは、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、軸心X方向視において左右対称に配置されるものである。
このような構成により、射出ロッド5の軸心X廻りにおいて、左右の回転方向に生じる各モーメントを吊り合わせることができる。
【0060】
ここで、本実施形態に係る接続部6のさらに具体的な構成について、図10および図11を用いて説明をする。
図10に示す如く、本発明の一実施形態に係る射出ロッド5のより具体的な実施形態では、拡径部5c側の空隙部5dの端部に、軸心X上に嵌合孔5hが形成されており、この嵌合孔5hに、嵌合部材5kが嵌合される構成としている。
【0061】
図11(a)に示す如く、嵌合孔5hの形状は、嵌合部材5kに対応している。
また、図11(b)に示す如く、嵌合部材5kには、連通部5mおよび切欠き部5nが形成されている。
連通部5mは、略L字状の空隙部であり、その一側の開放部に内部配管5eが接続されている。そして、連通部5mの他側の開放部は、冷却水入口部6aと連通されている。
切欠き部5nは、嵌合孔5hにおいて、冷却水出口部6bと連通する空間を確保することができ、この空間を介して、冷却水出口部6bと空隙部5dを連通する構成としている。
【0062】
このような構成とすることにより、簡易な構成で、冷却水入口部6aと冷却水出口部6bの各軸心を、射出ロッド5の軸心Xと直交する同一の直線上に容易に配置することができる。
冷却水入口部6aと冷却水出口部6bの各軸心を、射出ロッド5の軸心Xと直交する同一の直線上に配置することによって、射出ロッド5の変位範囲を確保することができ、また、射出ロッド5を軸として、該射出ロッド5に沿って他の部材(例えば、射出スリーブ3の開放部分を封止するための部材等)を支持して往復変位させること等にも利用しやすくなるため、有効である。
【0063】
即ち、本発明の第一の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン1において、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bは、鉛直平面αと直交する同一の直線上に配置されるものである。
このような構成により、接続部6をよりコンパクトに構成することができる。
【0064】
次に、接続部材の取り回しルートについて、図12を用いて説明をする。
図12に示す如く、各フレキシブル配管12a・12bは、射出ロッド5の軸心Xと冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bの各軸心に直交する鉛直軸Zを基準として、射出方向に対して逆方向(以後、後方と呼ぶ)の斜め上方に向けて取り回す構成としている。
その後、鉛直軸Zより後方で弧を描いて折り返し、そして、鉛直軸Zよりも前方、かつ、射出ロッド5よりも上方で冷却水配管13・14と接続する構成としている。
尚、図12に示す形態では、冷却水入口部6aおよび冷却水出口部6bにエルボを接続し、エルボによって、各フレキシブル配管12a・12bの接続方向を後方斜め上方に向ける態様としているが、エルボの代わりにスイベルジョイント等を用いて、各フレキシブル配管12a・12bの接続方向を後方斜め上方に向ける態様とすることも可能である。
【0065】
このような取り回しルートを採用することにより、射出ロッド5の変位に伴って接続部材12が変形および変位するときに、接続部材12が、床面に引きずられることがなくなるため、接続部材12に汚れや破損が生じることを防止できる。
また、このような取り回しルートを採用することによって、射出ロッド5の変位に伴って接続部材12が変形および変位するときに、接続部材12の弛み部分が射出ロッド5に干渉しにくくなるため、接続部材12の挙動がより安定するという効果も奏する。
【0066】
即ち、本発明の第一の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン1において、射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界として、一方の側に位置する部位である冷却水配管13および他方の側に位置する部位である冷却水配管14は、射出ロッド5に比して上方に位置する部位である。
このような構成により、接続部材12が床面に引きずられることがなくなり、接続部材12に汚れや破損が生じることを防止できる。
【0067】
次に、本発明の第二の実施形態に係る成形機について、図13を用いて説明をする。
本発明の第二の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン21は、本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシン1に比して、連結部材22・22・・・を備えている点で構成が相違しており、その他の点では、構成が共通している。
【0068】
連結部材22は、第一のフレキシブル配管12aと第二のフレキシブル配管12bの相対変位を規制するために設けられる部材であり、弾性を有する素材により構成される。
図13に示す如く、連結部材22は、一側の端部が第一のフレキシブル配管12aの中間部12cに接続され、他側の端部が第二のフレキシブル配管12bの中間部12dに接続される。
【0069】
そして、ダイカストマシン21では、複数の連結部材22・22(本実施形態では、2箇所)を軸心X方向視において略梯子状に付設する構成としており、第一のフレキシブル配管12aの各中間部12c・12cと第二のフレキシブル配管12bの各中間部12d・12dを各連結部材22・22で接続している。
付設する連結部材22の個数は各フレキシブル配管12a・12bの長さ等に基づいて適宜決定される。
【0070】
第一のフレキシブル配管12aと第二のフレキシブル配管12bを連結部材22で連結することにより、各フレキシブル配管12a・12bの相対変位が規制されるため、各フレキシブル配管12a・12bの挙動のばらつきが低減され、射出ロッド5の回転をより確実に規制することができる。
【0071】
また、連結部材22を弾性を有する素材で構成することにより、各フレキシブル配管12a・12bの変形に伴って連結部材22が変形したときに、連結部材22には元の形状に復元しようとする弾性力が生じる。このため、各フレキシブル配管12a・12bは、連結部材22の弾性力によって付勢されつつ、元の形状に戻ろうとするため、射出ロッド5の回転位相をより確実に元の状態(即ち、回転していない状態)に復元することができる。
【0072】
このように、ダイカストマシン21では、射出ロッド5が回転して、射出ロッド5に作用する各力が、射出ロッド5の鉛直平面αを境界とする軸心X方向視における左右で吊り合わなくなるとき、射出ロッド5には、接続部材12に生じた弾性力と、さらに連結部材22に生じた弾性力が付勢されるため、本発明の第一の実施形態に係るダイカストマシン1に比して、射出ロッド5を、より確実に元の回転位相に修正することができる。
【0073】
即ち、本発明の第二の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン21は、弾性を有する部材である連結部材22をさらに備え、連結部材22によって、第一および第二の接続部材12である各フレキシブル配管12a・12bの中間部同士を連結するものである。
このような構成により、射出ロッド5の軸心X廻りの回転位相をより確実に修正することができる。
【0074】
次に、本発明の第一の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン1によるダイカスト成形時における、接続部材の挙動について、図14および図15を用いて説明をする。
図14に示す如く、ダイカストマシン1では、アクチュエータ4の変位軸4aを金型2側に変位させることにより、射出スリーブ3内に貯留される溶湯10を射出チップ9で押圧して、キャビティ2c内に溶湯10を打ち込む。
【0075】
すると、図15(a)に示すように、射出ロッド5は、射出チップ9と射出スリーブ3との間で生じる摩擦力が一定でないこと等に起因して、成り行きで軸心X廻りに回転する。
このとき、接続部材12に生じる弾性力が、射出ロッド5の軸心X方向視において左右で吊り合わなくなるため、射出ロッド5には、射出ロッド5の回転位相を元の回転位相に復元しようとするモーメントが生じる。
【0076】
そして、図15(b)に示す如く、射出ロッド5が回転しても、この復元しようとするモーメントによって、射出ロッド5の回転位相が自然に元の回転位相(回転していない状態)に修正されるため、ダイカストマシン1は、接続部材12が射出ロッド5の軸心X方向視において略左右対称の態様となる状態が保持される。
【0077】
このように、ダイカストマシン1では、射出ロッド5に軸心X廻りの回転が生じても、その都度射出ロッド5の軸心X廻りに作用するモーメントが左右でバランスするように自然に回転位相が修正されるため、例えば、ある一定の方向に射出ロッド5が回転し続けて、接続部材12が射出ロッド5に巻きついてしまうようなことがなく、また、射出ロッド5が軸心X廻りにある程度は回転することを許容する構成であるため、射出チップ9が偏摩耗することも防止できる。
【0078】
次に、本発明の第二の実施形態に係る成形機であるダイカストマシン21によるダイカスト成形時における、接続部材の挙動について、図16を用いて説明をする。
ダイカストマシン21では、第一のフレキシブル配管12aの各中間部12c・12cと第二のフレキシブル配管12bの各中間部12d・12dを各連結部材22・22で接続しているため、射出ロッド5が、軸心X廻りに回転するとき、図16(a)に示すように、各フレキシブル配管12a・12bが変位および変形するのに伴って、各連結部材22・22が湾曲(変形)する。
連結部材22は、弾性を有する素材によって構成されているため、変形した場合には、元の形状に復元しようとする弾性力が生じる。
【0079】
このため、図16(b)に示すように、射出ロッド5が回転して、射出ロッド5に作用する各力が、射出ロッド5の軸心X方向視における左右で吊り合わなくなるとき、射出ロッド5には、接続部材12に生じた弾性力と、さらに連結部材22に生じた弾性力が付勢されるため、ダイカストマシン21は、射出ロッド5の回転位相が、より確実に元の回転位相に修正される。
【0080】
即ち、本発明の第一および第二の実施形態に係る成形機である各ダイカストマシン1・21は、軸心Xを水平に保持しつつ該軸心Xの方向に往復変位可能な変位軸4aを備える変位装置であるアクチュエータ4と、変位軸4aに軸心を一致させつつ、軸心X廻りに回転可能な状態で変位軸4aに接続される射出ロッド5と、射出ロッド5に軸心を一致させつつ該射出ロッド5により支持される射出チップ9と、を備える成形機であって、射出ロッド5は、該射出ロッド5の軸心Xを含む鉛直平面αを境界とする二つの部位のうち、一方の部位に第一の接続部である冷却水入口部6aあるいは繋止部材16aを備えるとともに、他方の部位に第二の接続部である冷却水出口部6bあるいは繋止部材16bを備え、射出ロッド5に対して相対変位する部位であって、鉛直平面αに対して前記一方の側に位置する部位である冷却水配管13あるいはフレーム部1aと、冷却水入口部6aあるいは繋止部材16aを、可撓性を有し射出ロッド5が変位する範囲内で追従して変形する第一の接続部材である第一のフレキシブル配管12aあるいは第一のワイヤー部材17aにより接続し、射出ロッド5に対して相対変位する部位であって、鉛直平面αに対して前記他方の側に位置する部位である冷却水配管14あるいはフレーム部1bと、冷却水出口部6bあるいは繋止部材16bを、可撓性を有し射出ロッド5が変位する範囲内で追従して変形する第二の接続部材である第二のフレキシブル配管12bあるいは第二のワイヤー部材17bにより接続するものである。
このような構成により、射出ロッド5の軸心X廻りの回転位相を修正することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 ダイカストマシン
2 金型
3 射出スリーブ
4 アクチュエータ
4a 変位軸
5 射出ロッド
6 接続部
6a 冷却水入口部(第一の接続部)
6b 冷却水出口部(第二の接続部)
7 カップリング
9 射出チップ
10 溶湯
12 接続部材
12a 第一のフレキシブル配管(第一の接続部材)
12b 第二のフレキシブル配管(第二の接続部材)
13 冷却水配管
14 冷却水配管
16 接続部
16a 第一の繋止部材
16b 第二の繋止部材
17 接続部材
17a 第一のワイヤー部材
17b 第二のワイヤー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心を水平に保持しつつ該軸心の方向に往復変位可能な変位軸を備える変位装置と、
前記変位軸に軸心を一致させつつ、軸心廻りに回転可能な状態で前記変位軸に接続される射出ロッドと、
前記射出ロッドに軸心を一致させつつ該射出ロッドにより支持される射出チップと、
を備える成形機であって、
前記射出ロッドは、該射出ロッドの軸心を含む鉛直平面を境界として、当該軸心方向視において左右に配置される二つの部位のうち、一方の部位に第一の接続部を備えるとともに、他方の部位に第二の接続部を備え、
前記成形機における前記射出ロッドに対して相対変位する部位であって、前記鉛直平面に対して前記一方の側に位置する部位と、前記第一の接続部を、可撓性を有し前記射出ロッドが変位する範囲内で追従して変形する第一の接続部材により接続し、
前記成形機における前記射出ロッドに対して相対変位する部位であって、前記鉛直平面に対して前記他方の側に位置する部位と、前記第二の接続部を、可撓性を有し前記射出ロッドが変位する範囲内で追従して変形する第二の接続部材により接続する、
ことを特徴とする成形機。
【請求項2】
前記第一および第二の接続部材は、
前記射出チップおよび前記射出ロッドを冷却するための冷却水設備を構成するフレキシブル配管とする、
ことを特徴とする請求項1記載の成形機。
【請求項3】
前記第一および第二の接続部は、
前記射出ロッドの軸心を含む鉛直平面を境界として、該軸心方向視において左右対称に配置される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の成形機。
【請求項4】
前記第一および第二の接続部は、
前記鉛直平面と直交する同一の直線上に配置される、
ことを特徴とする請求項3記載の成形機。
【請求項5】
前記鉛直平面を境界として前記一方の側に位置する部位および前記鉛直平面を境界として前記他方の側に位置する部位は、
前記射出ロッドに比して上方に位置する部位とする、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の成形機。
【請求項6】
弾性を有する部材である連結部材をさらに備え、
前記連結部材によって、
前記第一および第二の接続部材の中間部同士を連結する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−245540(P2011−245540A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123475(P2010−123475)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(394010193)宇部テクノエンジ株式会社 (37)
【Fターム(参考)】