説明

成形皮膜を生成する方法およびそのための型構成

各皮膜が型(1)の型表面(2)に対して成形され、互いに皮膜の形状が異なる可撓性のある成形プラスチック皮膜(9、24、27、34)を製造する方法であって、型自体により提供される第1の型表面を使用することにより、または第1の型表面の一部だけを覆う1つまたは複数の型挿入物を上記型表面上に置くことにより第1の型表面を変え、それにより別の第2の型表面を提供することにより、成形される皮膜の形状に適合する型表面(2)を提供するステップと、提供される型表面(2)により整った形にされるプラスチック配合物を適用するステップと、型表面(2)に適用されるプラスチック配合物を整った形にするステップと、実効型表面(2)から成形皮膜(9)を取り外すステップと、を含む方法。使用される少なくとも1つの型挿入物(7)は可撓性があり、一方では型挿入物(7)は、型挿入物自体の型表面と隣り合う挿入物の側面が、隣接する型表面に角を形成して配置される第1の型表面の壁に対して、具体的にはプラスチック配合物を成形するために使用される挿入物の少なくともそれらの断片で直立する壁に対して接するという点で第1の型表面上に配置される。各皮膜が型の型表面に対して成形され、互いに皮膜の形状が異なる可撓性のある成形プラスチック皮膜(9)を成形するための型構成であって、構成は、第1の型表面を有する基礎型、および第1の型表面上に配置され、かつ第1の型表面の一部だけを覆う1つまたは複数の型挿入物を含む型構成。少なくとも1つの型挿入物が可撓性の性質があり、第1の型表面が、隣接する型表面に角を形成して、具体的には型挿入物の第1の型表面から直立して配置される1つまたは複数の壁を持ち、型挿入物が、プラスチック配合物を成形するために使用される挿入物の少なくともそれらの断片でそのような壁に対して型挿入物自体の型表面と隣り合う型挿入物の側面と接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各皮膜が型の型表面に対して成形された、互いに皮膜の形状が異なる成形された可撓性のあるプラスチック皮膜を製造する方法であって、
型自体により提供される第1の型表面を使用することにより、または第1の型表面の一部だけを覆う1つまたは複数の型挿入物を上記型表面上に置くことにより第1の型表面を変更し、それにより別の第2の型表面を提供することにより、成形される皮膜の形状と適合する型表面を提供するステップと、
提供される型表面により整った形にされるプラスチック配合物を適用するステップと、
型表面に適用されるプラスチック配合物を整った形にするステップと、
実効型表面から成形皮膜を型から取り出すステップと、を含む方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに互いに皮膜の形状が異なる成形された可撓性のあるプラスチック皮膜を製造するための型構成に関する。
【背景技術】
【0003】
別の応用に加えて、多くの場合、可撓性のある成形皮膜が自動車の内張りで使用される。これらの可撓性のある成形皮膜の応用の典型的分野が、ダッシュボード装備品パネルまたは車両のドアのパネルである。これらの内張りおよびパネルでは、それぞれ成形皮膜がそのような内張りの目に見える表面を形成する。通常これらの可撓性のある成形皮膜の背面に配置されるのが泡層であり、さらにまた泡層は中間泡層および成形皮膜を支持するために硬質プラスチック被覆材の支持構造に対して支持される。そのような内張要素は、一般に泡層および成形皮膜と比較して安定した内張要素の支持構造で固定される。そのような装備品部分は、いわゆる間接バックフォーミング工程を用いて製造されることができ、バックフォーミング工程では、この成形皮膜を泡層によって支持構造に接続するために、成形皮膜が別の型に移される。国際公開第02/26461(A)号パンフレットにおおよそ記載されているようないわゆる直接バックフォーミング工程によって、成形皮膜および支持構造の接合を達成することが同様に可能である。
【0004】
そのような成形皮膜は、国際公開第95/32850(A1)号パンフレットに原理上は記載されているように、プラスチック配合物を型の型表面上に噴霧し、次にプラスチック配合物が硬化することができるようにすることにより生成される。たとえば、可撓性のある成形皮膜を生成するにはポリウレタンが適しているが、別のプラスチックもそのような成形皮膜を生成するのに使用される。自動車で使用するために提供された場合、そのような可撓性のある成形皮膜の目に見える表面が、典型的には模擬皮革で粒状表面構造を有する。多色化されるそのような成形皮膜に対する設計要件を満たすために、国際公開第95/32850(A1)号パンフレットでは、型表面に第1の色の未硬化のプラスチック配合物を適用するための第1の噴霧ステップで、マスクにより覆われていない領域が噴霧され、次に、マスクを除去した後、このとき露出されている型表面の領域が異なる色の未硬化のプラスチック配合物を噴霧されるように、型の型表面の指定された領域をマスクで覆うことが示唆された。この方法では、同一の型を使って異なる色で成形皮膜が生成される。未硬化のプラスチック配合物が噴霧により型表面に適用される場合、そのような成形皮膜はまた噴霧皮膜と呼ばれる。
【0005】
国際公開第02/09977(A1)号パンフレットが、未硬化のプラスチック配合物の接着力、または硬化(架橋結合)の工程中に解放される接着力を使用することにより、製造前の挿入物を、たとえば設計塗布物を成形皮膜に接続する方法を開示している。この手段の目的は、成形皮膜上への挿入物の搭載を可能にするために、前もって製造された成形皮膜に凹所を組み込む必要性を避けるために、成形皮膜の成形工程中に既に成形皮膜に挿入物を接続することである。しかし、この工程は、挿入物が高精度の部分、または、たとえは型表面のアンダーカット内に配置される部分を含むとき、適していない。さらに、自動車の内部設計のさらなる個別化に対する欲求がある。したがって、場合によっては、内張の一部が、可撓性のある成形皮膜表面、およびたとえば革または木の塗布物を有することが望まれる。このことは国際公開第02/09977(A1)号パンフレットに記載される方法を使って達成されることができない。このため、成形皮膜ファミリの各成形皮膜の変形について、それに応じて異なる型表面を有する変形自体の型を提供する必要がある。これらの型は型表面の、変形形成物が提供される領域に関して異なり、そのような変形形成物は国際公開第95/32850(A1)号パンフレットに記載されているように、異なる着色法を用いるだけでは達成されることができない。
【0006】
欧州特許第1320451(B1)号明細書が、型合わせ筋を覆うために、型に導入される可撓性のある内張りの使用を開示している。そのような内張りは型表面の少なくとも一部を形成する。この従来技術文献で開示される型を使って、皮膜の形状の異なる皮膜を製造することができない。
【0007】
独立請求項1および12のプリアンブルによる方法および型構成が特開2004−082535(A)号公報で開示されている。この従来技術文献の教示によれば、第1の可撓性のある皮膜が、提供される型の型表面を使用することにより製造されることができる。その皮膜の変形を製造するために、型挿入物が型表面上に配置される。挿入物は、製造される皮膜の凹所に適合する形状を有する。型挿入物は、型の型表面の裏側上に配置される磁石により型表面上に固定される。したがって、型挿入物は、強磁性の特性を有する物質から製造される。型表面上に配置される型挿入物を有する型で皮膜が製造されるとき、そのような凹所を有する皮膜が製造されることができる。
【0008】
特開2004−082535(A)号公報で開示される方法および構成は、凹所の存在が異なる可撓性のある皮膜の異なる変形を製造することができる。型表面上で型挿入物を使用することにより生成されるこれらの凹所は、型表面上にスピーカなどの挿入物を固定するために使用される。しかし、製造される別の皮膜の変形が、挿入物が配置される必要がある凹所の決まったサイズに限定される。別の欠点が、そのように製造される皮膜の別の断片が、使用されるとき皮膜の目に見える断片で最も好ましく使用されることができないことである。このことは、未硬化のプラスチック配合物が、型挿入物と、生成される凹所のエッジに出っ張りを生じさせる第1の型表面との間に入り込む傾向があるという事実により引き起こされる。したがって、形成される出っ張りが視界から隠されるように、この凹所をそのような凹所に搭載される挿入物のブラインドにより覆う必要がある。
【発明の概要】
【0009】
上記で説明された従来技術に照らして、より広範な変形が製造されることができ、一方では希望すれば、型挿入物により成形される、製造される皮膜の断片が目に見える表面として使用されることができるという点で、特開2004−082535(A)号公報に開示される方法および型構成を改良することが本発明の目的である。
【0010】
この目的は、請求項1の特徴を含む方法による、および/または請求項12の特徴を含む型構成による本発明により達成される。
【0011】
この方法では、可撓性のある成形皮膜の異なる変形を、たとえば噴霧皮膜を生成するために同一の基礎型が使用される。型により提供される型表面は、基礎型により提供される第1の型表面上に1つまたは複数の型挿入物を適用することにより、型表面と共に形成される成形皮膜の変形を達成するために修正されることができる。第1の型表面に1つまたは複数の型挿入物を適用することにより、型により提供される実効型表面が各型挿入物により変えられる。可撓性のある皮膜を製造するとき、成形される皮膜の形状に応じて、皮膜の第1の型表面を有する基礎型が皮膜を成形するために使用される、またはこの型表面が型上に1つまたは複数の型挿入物を導入することにより変えられる。こうしてモジュラ式型構成が提供される。1つまたは複数の型挿入物には可撓性の特性がある。このことが、皮膜が基礎型から取り除かれた後、挿入物をただはがすことにより、プラスチック配合物の硬化後に成形皮膜から型挿入物を容易に取り出すことが可能になる。可撓性のある型挿入物を使用することにより、型を滑らせるまたは同様のことをすることなく複雑な幾何形状、たとえばアンダーカットさえも有する成形皮膜を取り外すことができるようになる。型挿入物は、型挿入物自体の型表面対して境をなす型挿入物の側面が、基礎型により提供される第1の型表面に角を形成して配置される壁に接して配置されるという点で、第1の型表面上に保持される。そのような壁は第1の型表面、肩などから直立する壁により作られることができる。型挿入物の可撓性の特性を利用して、これらの型挿入物はプレストレスの下で上記壁に接する型挿入物の側面と共にプレストレスを与えられる方法で配置されることができる。そのような型構成を使えば、実効型表面に適用される化合物プラスチックが、接する部分の間に入り込むことができない。
【0012】
使用される型インレイが第1の型表面の一部だけを覆う。したがって、1つまたは複数の型インレイを挿入したとき、そのような型の実効型表面は、第1の型表面の重ならない部分、および第1の型表面上に配置される1つまたは複数の型挿入物の型表面からなる。
【0013】
1つまたは複数の型挿入物は、様々なやり方で生成される皮膜の形状を変えることができる。型挿入物は凹所などを皮膜内に作り出すために、または基礎型の成形表面上に成形されるときに皮膜の形状と比較して、成形される皮膜の断片または一部を完全に変えるために使用されることができる。さらに、挿入物の型表面に関して異なる幾何形状を有する挿入物を適用することにより、自動車では計器盤のための皮膜が挿入物の適用に応じて容易に変えられることができ、たとえば、右ハンドル車および左ハンドル車のための計器盤皮膜が区別されることができる。前述の例は、異なる形状の皮膜の広範囲の変形が、1つまたは複数の型挿入物を実装することにより基礎型の実効型表面に関して変えられる同一の基礎型を使用して製造されることができることを例示する。
【0014】
型挿入物はまた、目に見える異なる質感により皮膜の外観が少なくとも一定の断片で異なる皮膜を製造するために使用されることができる。そのような質感をつけられた目に見える表面が、化合物プラスチックが成形される異なる質感をつけられた型表面を有する異なる挿入物を使用することにより簡単に製造されることができる。
【0015】
型挿入物が第1の型表面の直立した壁に対して型挿入物の側面を接する構成は、挿入物のブラインドにより必ずしも覆われる必要がない目に見える角、または接地されたエッジを有する成形皮膜の製造を可能にする。
【0016】
この方法は、噴霧工程だけでなく、反応射出成形(RIM)工程のような別の方法により成形皮膜を生成するために使用されることができる。したがって、方法は、成形皮膜を形成するための異なる製造工程のために使用されることができ、その方法が、国際公開第2005/021230(A1)号パンフレットに記載されている。
【0017】
実効型表面に適用されるプラスチック配合物を「整った形にする」という用語は、これが、流動性を有するプラスチック配合物の適用だけでなく、型表面を使用して所定の整った形にされるプラスチック薄膜またはプラスチック箔の適用または挿入を含むという点で理解されるべきである。その結果、型表面により成形されるべきプラスチックを型に適用するステップが、プラスチック配合物の噴霧、または前もって製造されたプラスチック薄膜または箔の挿入を含むことができ、このとき、前もって製造されたプラスチック薄膜または箔は整った形にされる。流動性を有するプラスチック配合物が型に適用される場合、「整った形にする」という用語は型表面上で同じものが硬化することができるようにするものとして理解されるべきである。したがって、型物質が所望の整った形にされるすべてのそのようなステップがこの用語の下で包含されるべきである。
【0018】
型挿入物の特性を扱う「可撓性のある」という用語は、型挿入物が割ることなくある程度曲げられることができる、したがって、ユーザが挿入物をはがすことにより成形皮膜から挿入物を分離する(型から取り出す)ことができるようにするという点で理解されるべきである。たとえば、シリコーンの型挿入物が、必要とされる一種の可撓性の特徴を示すのに対して、広範な別の物質も、より低い程度のまたはさらに高い程度の可撓性も有し、適している。
【0019】
使用される1つまたは複数の型挿入物は可撓性のある物質からできている。型挿入物の可撓性は、希望すれば生成される成形皮膜の可撓性を超えることができる。型挿入物の物質特性は、提供される実効型表面の複雑さに適合される。このことはまた、そのような型挿入物が型表面上または型表面に取り付けられるべき個々の位置に適用される。可撓性のある型挿入物の使用により、型自体にスライダなどを必要としない指定された型の形成が可能になる。このことは、ある程度の弾力性をさらに示すことができる、使用される型挿入物の可撓性により補われる。
【0020】
型挿入物は、成形皮膜を生成するために使用されるプラスチック配合物が型挿入物に付着しないまたはわずかにしか付着しない物質特性を有することが好ましい。このことに加えて、またはこのこととは無関係に、型挿入物の表面が離型剤で覆われることができ、離型剤は未硬化のプラスチック配合物が型挿入物に少しでも付着するのを防止する。成形皮膜を生成するためにポリウレタンが使用されたとき、たとえばシリコーンが1つまたは複数の型挿入物のための物質として適している。当業者はまた、上記のタイプの型挿入物が生成されることができる別の適した物質も当然熟知している。
【0021】
変形が、たとえば塗布物の取り付けに必要とされるくぼんだ領域が簡単なやり方で形成されることができる。したがって、成形皮膜の変形を生成するためには、未硬化のプラスチック配合物を型表面に適用する前に、基礎型の型表面に1つまたは複数の型挿入物適用することにより、生成される成形皮膜の変形に型表面をただ適合させることが必要である。型挿入物は、生成される成形皮膜の形状に影響を及ぼす要素であるため、これらの型挿入物は、型の型表面のその他の領域と同じ方法でツール側に割り当てられるべきである。このため、型挿入物は、製造工程の終了後に、整った形にされた成形皮膜から取り除かれるべきである。1つまたは複数の型挿入物は、型の型表面から成形皮膜を取り出す過程で、または型から取り出すこのステップの次のステップで、生成された成形皮膜から分離されることができる。後者の場合、1つまたは複数の型挿入物、あるいはこれらの挿入物の個々の1つが、成形皮膜が型の型表面から取り外された後に、成形皮膜から取り除かれる。国際公開第95/32850(A1)号パンフレットに記載されている方法とは異なり、異なる幾何形状または単に異なる色を有する成型皮膜の変形がこの方法により生成されることができる。同様に、記載された方法を使用して、多色の成型皮膜を生成する、またはこの方法を国際公開第95/32850(A1)号パンフレットによる方法で統合することができる。
【0022】
1つまたは複数の型挿入物が、その後のステップで装飾物質が成型皮膜の外側に付着される位置決め補助器具を形成するために使用されることができる。これらの型挿入物は、肩または出っ張りまたは凹所を含むことができる。
【0023】
1つまたは複数の型挿入物は、成型皮膜に接続される1つまたは複数の要素のための支持物として機能するように使用されることができる。このことは、具体的にはプラスチック配合物を型表面上に噴霧することにより形成される成型皮膜に適用される。成型皮膜に接続されるこれらの要素は上記成型皮膜の硬化後に成型皮膜の一部を形成する。たとえば、そのような要素は、成型皮膜に一体化されるヘッドを有することができる。これらの要素は塗布物が固定されることができるコネクタの一部を含むことができる。多数の別の可能性に加えて、これらのコネクタ部分は、たとえばクリップ、両面接着テープ、またはベルクロファスナの一部を含むことができる。コネクタとして使用されるそのような要素に加えて、型挿入物はまた、成型皮膜の製造工程の過程で成型皮膜に接続されるべき別の物体のための支持物の役割を果たすことができる。
【0024】
この方法では、型挿入物はまた、生成される成型皮膜の内側のエッジまたは間隙を形成するように設計されることができる。これが希望される場合、型挿入物は、適用されるプラスチック配合物を通って突き出る延長部分を有する。間隙の生成が希望される場合、延長部分は環状であると考えられることができる。これらの説明の意味での環状は、延長部分のようなどんな任意の閉じた幾何形状として理解されるべきである。そのような実施形態では、成型皮膜が型表面上または型に依然として配置される場合、適用される泡化合物を成型皮膜の背面に適用することができる。この場合、型挿入物は同様に、成型皮膜に隣接する泡層により間隙を生成するために使用されることができる。この方法では、エッジおよび間隙は、これらがその後打ち抜かれる必要なく生成されることができる。この手段を用いて、間隙内、または辺縁末端の周囲に成型膜自体を生成することができ、その結果、そのような間隙内に挿入される塗布物が、たとえばカラーで成型皮膜の上を必ずしもしっかりつかむ必要がない。
【0025】
一般には、支持構造は泡層の裏側に配置される。そのようなやり方で構成されるそのような間隙および/またはエッジの領域を使って、そのようなやり方で構成される内張部分への塗布物が、比較的安定した支持物に直接固定されることができる。同じことが、そのような内張部分をシャシの内側、または自動車のドアの内側に固定することに適用される。
【0026】
可撓性のある成型皮膜に次の塗布物を付着するのに特に適しているのが、くぼんだ領域上に付着される塗布物の端を受け取るためのレセプタクルがくぼんだ領域を壁に接続する領域で提供される付着である。くぼんだ領域上に付着される塗布物のエッジを受け取るレセプタクルの提供は、同じものの位置固定のために使用されることができる。したがって、成形皮膜上の塗布物の位置は、成形皮膜自体の位置、およびレセプタクルの位置により規定される。このことは、そのような塗布物と成形皮膜の間の間隙寸法の公差が、狭い公差範囲でしか変動しない塗布物を搭載するときに役立つ。そのようなレセプタクルは、たとえばくぼんだ領域の底部内の凹所として構成されることができる。
【0027】
設計塗布物が、たとえば泡を用いて成形皮膜に接着によって結合されると仮定した場合、くぼんだ領域の境界を定め壁の縦方向の延長部分に続く成形皮膜の壁から短い距離にあるこの領域の底部から突き出るばりが提供される場合が役立つ。前に説明されたようにレセプタクルがそのような出っ張りにより同様に形成される。接着剤では、出っ張りのような結合は接着剤により取り囲まれ、それにより接着剤結合に組み込まれる。1つまたは複数のそのような出っ張りを提供することにより、成形皮膜により提供される接着性の基部が出っ張りの表面により拡大される。特に、可撓性のある成型皮膜に付着された付着物のエッジゾーンでは、特に塗布物が、可撓性のない本体、多分木製羽目板を含むとき、よい接着性結合が特に強調される。これらの要件はそのような出っ張りにより満足される。
【0028】
そのような出っ張りは、成形皮膜の製造工程中に形成されることが好ましい。締付要素としての出っ張りが、型挿入物と、型の隣り合う型表面の間の一定の辺縁の間隙、および別のやり方で型挿入物と型表面の間を貫通する型表面に適用される未硬化のプラスチック配合物を残すことにより特に容易に形成されることができる。硬化した成形皮膜を型表面から取り除いた後、この物質が成形皮膜の目に見える側から突き出る出っ張りを形成する。このエッジなどがまた、これらの説明の文脈で使用される「出っ張り」という用語の下に包含されるべきである。
【0029】
1つまたは複数の型挿入物の表面は、既に前に指摘されたように質感を持たせることも、持たせないこともできる。そのような成形皮膜の表面の質感を持たせることが、具体的には接着力を用いて付着される要素の表面を拡大する目的に役立つことができる。同様に、質感を持たせることは、成型皮膜外側の指定された表面質感を生成するのに役立つことができる。
【0030】
型挿入物がまた、位置決め構造または装飾要素を形成するために使用されることができる。
【0031】
本発明は、本明細書で以後、図を参照して例示的実施形態を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、第1の型表面、および型表面上に噴霧され次に硬化された成型皮膜を有する型の概略の横断面を示す。
【図1a】図1aは、型表面から取り外された成形皮膜の概略の横断面を示す。
【図2】図2は、型挿入物の使用による別の実効型表面、および型表面上に噴霧され硬化された成形皮膜を有する図1の型の概略の横断面図を示す。
【図2a】図2aは、型表面から取り外された成形皮膜の概略の横断面図を示す。
【図2b】図2bは、塗布物の挿入物が成形皮膜に付着させられた成形皮膜の概略の横断面図を示す。
【図2c】図2cは、成形皮膜の背面に適用された泡層および背面支持構造を有する図2bの構成の概略の横断面図を示す。
【図3】図3は、別の代替型表面を構成するように装備された挿入物を有する図1の型を示す。
【図3a】図3aは、型表面上に噴霧され硬化された成形皮膜と一緒に別の代替型表面(図3)を構成するように装備された挿入物を有する図1の型を示す。
【図3b】図3bは、型表面から取り外された後の成形皮膜を示す。
【図4】図4は、塗布物が成形皮膜に接続された成形皮膜の断片の概略の部分的横断面図を示す。
【図5】図5は、別の挿入物を有する図1の型を示す。
【図5a】図5aは、別の挿入物を有し(図5)、成形皮膜が型表面上に噴霧され硬化され、泡層が背面上に配置された図1の型を示す。
【図5b】図5bは、型表面から取り外され、支持構造を提供される成形皮膜を示す。
【図6】図6は、自動車のための内張分部のエッジゾーンを概略の横断面図で示す。
【図7】図7は、第1の型表面を有する型の概略の横断面図を示す。
【図7a】図7aは、図7の型の型表面上に成形された可撓性のある皮膜の概略の横断面図を示す。
【図7b】図7bは、第1の型表面上に型挿入物を配置することにより別の実効型表面を有する図7の型の概略の横断面図を示す。
【図7c】図7cは、図7bの型の型表面上に成形された可撓性のある皮膜の概略の横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
噴霧可能なプラスチック、たとえばポリウレタンの可撓性のある成形皮膜を製造するための型1が、第1の型表面2を有する。型表面2は生成される成形皮膜の幾何形状に従って構造化される。構造化の一部が、伸びた設計要素であり、その設計要素を形成するために、型1が設計要素の輪郭の形をした直立したエッジを含む。図1ではこの環状のエッジについては、縦方向のエッジ3、3.1が見られることができる。型表面2は、所望の成形皮膜を生成するためにポリウレタン化合物を噴霧された。ポリウレタン化合物は型表面2上で架橋し、架橋工程(硬化過程)の完了後、型表面2から容易に分離されることができる。成形皮膜は図1、1aでは参照番号4で識別される。成形皮膜4の目に見える側5は、型表面2に対して接する、成形皮膜4の表面である。型表面2は一般に、成形皮膜4の目に見える側5が表面構造を有する、たとえば粒状となるような構造化を提供される。
【0034】
型1の上向きエッジにより形成される設計要素6に対して異なる成形皮膜4に対する変形を生成するために、一実施形態によれば、エッジ3、3.1により縁取りされる型表面領域内に型挿入物7(図2参照)が挿入される。型挿入物7は、成形皮膜を形成するために使用されるプラスチック配合物が付着しない、またはわずかにしか付着しない可撓性のあるおよび/または弾性のあるシリコーン物質からなる。型挿入物7は、型1の実効型表面が、一部分は元の型表面2(第1の型表面)により、および一部分は型挿入物7の型表面8により形成されるように、エッジ3、3.1により満たされる型表面領域を満たす。
【0035】
成形皮膜4の変形を製造するために型挿入物7を挿入することにより第1の型表面2を修正した後、ポリウレタン配合物などのプラスチック配合物が適用される、たとえば変えられた型表面上に噴霧される。架橋工程の完了後、成形皮膜9が型表面から取り除かれることができ、このステップはまた、硬化された可撓性のある成形皮膜9を型挿入物7から取り出すステップを含む。型1から分離された成形皮膜9が図2aに示されている。
【0036】
この例示的実施形態では、型挿入物7は、エッジ3、3.1に面している型挿入物7の側面とエッジ3、3.1自体の間に一定の辺縁の間隙が残るようなやり方で、エッジ3、3.1の直立した壁7.2に対して型挿入物7の側面7.1が接する配置に関して特定の寸法に作られる。これには、図2aから理解されることができるように、旗のようなプラスチックの出っ張り12が、型挿入物7により形成されるくぼんだ領域10の境界をなす壁11から一定距離で形成されるという影響がある。この出っ張りはくぼんだ領域10の底部13から突き出る。くぼんだ領域10は、型挿入物7により凹所として形成される。出っ張り12は底部13に沿って広がるプラスチック皮膜を含む。挿入物7と元の型表面2の間にある小さな間隙の結果、出っ張り12は出っ張りの範囲が不規則である。
【0037】
図2aから理解されるように、成形皮膜9の目に見える前側を有するくぼんだ領域のエッジはよごれがなく、具体的には突き出るプラスチック物質を全く保持していない。したがって、くぼんだ領域10の中に、挿入塗布物も搭載されることができ、壁11と接しない。具体的にはそのような挿入物はこのエッジを覆うブラインドを必要としない。
【0038】
この実施形態の挿入物7は、成形皮膜9の内側の型1の上側のエッジが周囲の凹所14を形成するように、周囲のエッジにより形成される型1の辺縁を完全に満たさない。示される例示的実施形態では、凹所14およびプラスチックの出っ張り12は、くぼんだ領域10の底部13の表面を拡大するのに役立つ。このことは接着泡15(図2b参照)の改善された結合のために使用され、接着泡15の手段により設計塗布物16がくぼんだ領域10内に固定される。設計塗布物16は、たとえば本物の木の細片を含むことができる。図2bの略図は、出っ張り12が接着泡15内に埋め込まれ、したがって、接着泡15を成形皮膜9に接続するために効果的に役立つことを明らかにする。
【0039】
成形皮膜9は自動車用内張部分の一部である。このため、図2cに示されるように、成形皮膜9は泡層17で支持され、今度は、泡層17が硬質プラスチックからできている支持構造18に隣り合う。希望すれば、泡層17および支持構造18は、依然として型1の上にある、したがって、上記成形皮膜を取り出す前に、成形皮膜9に適用されることができる。
【0040】
成形皮膜4の別の変形を形成するために、別の挿入物が、縦方向のエッジ3、3.1を有する直立したエッジにより取り囲まれる領域内部に挿入される。そのような別の型挿入物19が図3に示されている。これは図2〜2cに説明される型挿入物7と同じ特性を有する。型挿入物7と異なり、型挿入物19はくぼんだ領域20(図3b参照)を形成するのに役立つだけでなく、図3〜3bに概略示される支持クリップコネクタ要素21、21.1のためにも役立つ。図3〜3bに示される成形皮膜の変形では、クリップコネクタ要素21、21.1は、生成される成形皮膜の中に組み込まれることを意図されている。この目的のために、クリップコネクタ要素はそれぞれ、型表面を共に形成する型挿入物19の表面23から一定の距離に配置される頭部22、22.1を有する。クリップコネクタ要素21、21.1は型挿入物19の対応するレセプタクル内にゆるく保持される。
【0041】
所望の成形皮膜24を形成するために未硬化のプラスチック配合物上に噴霧することで、頭部22、22.1は成形皮膜24内に組み込まれる(具体的には図3b参照)。元の型表面2に対して型挿入物19により修正される型1の型表面で硬化させるために成形皮膜24を残して置いた後、成形皮膜24は型表面から取り出される。型挿入物19を取り除く過程で、接続に有効なクリップコネクタ要素21、21.1の部分が、くぼんだ領域20の内側に配置され、くぼんだ領域20の底部の表面から突き出るように、クリップコネクタ要素21、21.1が対応するレセプタクルから引き出される。一般に成形皮膜24の背面上に配置されるのが泡層であり、今度は、内張部分に必要な剛性を与えるために、図2〜2cの例示的実施形態に関して既に説明されたように、泡層が支持構造と隣り合う。塗布物、たとえば器具などがクリップコネクタ要素21、21.1上に配置されることができる。
【0042】
図3〜3bの例示的実施形態の説明から、成形皮膜に、または成形皮膜の背後に位置する泡層にも、または泡層の背後に位置する支持構造にも異なる物体を接続することができる可能性が非常に大きく、その場合型挿入物が、生成される部分に接続される1つまたは複数の要素のための支持物の役割を果たすことを当業者は留意されたい。これらのプラスチック層が型1の型表面上に依然としてある成形皮膜に適用される場合、そのような要素を泡層および/または支持構造に接続することが可能である。原理上、成形皮膜が最初の製造ステップで生成され、次に、これが要素を保持している型挿入物と一緒に型から取り出され、たとえば泡層または支持構造の適用などの別の加工ステップにかけられることも可能である。型挿入物は、要素を支持している層が硬化させられた後にしか取り除かれない。したがって、成形皮膜のより大きな部分を覆うことができるそのような型挿入物は、成形皮膜がたとえば装備品パネルとしてより堅い支持構造に取り付けられるまで、取扱装置として使用されることができることが当業者には明らかであろう。
【0043】
図4は、前に形成されたくぼんだ領域26内の挿入物としての設計要素25の接続を概略的に示す。成形皮膜27はこの例示的実施形態では、図2、2aに説明されるように生成された。設計要素25は、成形皮膜27の凹所29内にかみ合う固定エッジ28を有する。さらに、設計要素25は、既に説明されたように、接着泡30を用いて成形皮膜27に接続される。固定エッジ28は固定要素25を成形皮膜27のくぼんだ領域26の内側に位置を固定するために使用される。したがって、周囲に同じ幅を有する間隙31を生成するための別の道具なしで済まされることができる。
【0044】
図5は別の成形皮膜の変形に従って成形皮膜を形成するための型1を示す。この例示的実施形態では、型挿入物32がエッジにより形成される辺縁内に挿入された。それにより生成される成形皮膜の内側に間隙が生成されることになる。型挿入物32は同様に、エラストマシリコーン要素を含む。示される例示的実施形態では、これは、型表面にプラスチック配合物を噴霧するとき、上面で突き出る型表面からある程度まで突き出る環状設計延長部分33を有する。成形皮膜34を生成するためにプラスチック配合物を噴霧する工程は、型1の元の型表面と比較して、特にプラスチック配合物が延長部分33の外壁でより薄くなるようなやり方で、型挿入物32により修正される型表面上に噴霧することを伴う。示される例示的実施形態では、硬化させるために成形皮膜34を形成するこのプラスチック配合物を残した後に、泡層35が成形皮膜34の背面に適用される。泡層35にはまた特有な弾性特性がある。泡層35の生成中に、型挿入物32はまた、所望の間隙を空いたままに保つための場所を保持する要素の役割を果たす。硬化させるために泡層35を残した後、成形皮膜34は型1から泡層35と一緒に取り出され、そのことが同様に型挿入物32から取り外すことを含む。このとき、背面では、成形皮膜34および泡層35の構成が硬質プラスチック支持構造36に取り付けられる。支持構造36はその所望の安定性をそのようなやり方で生成される内張部分38に与える。成形皮膜34の内側の型挿入物32および泡層35により形成される間隙は、図5bでは参照数字37で記述される。間隙37は内張部分38ではその中で支持構造36に挿入物または装置を直接固定するために使用される。図5bの内張部分38の略図は、従来のやり方の打ち抜きにより生成される間隙と異なり、成形皮膜34が間隙37の領域の中に引っ張られることを明らかにする。具体的には、泡層35は成形皮膜34により完全に縁取りされる。
【0045】
型1および型1の型表面を使用する別の成形皮膜の変形では、図6が一例としてエッジ構造を示す。エッジ構造は、支持構造36が成形皮膜34の、および、したがってまた泡挿入物35の辺縁末端39にわたり突き出る内張部分38のエッジを示す。辺縁末端39は同様に自由に保持する型挿入物を使用することにより生成された。エッジに続く複数の間隙40が、図6で理解されることができるキャリヤ構造36内の突き出る部分に組み込まれる。間隙は内張部分38を別の内張部分に、および/または車両のシャシの内側に固定するために使用される。このエッジ構成では、成形皮膜34が泡層35の横方向の末端周辺に誘導されることも強調されるべきである。
【0046】
前述の例示的実施形態では、個々の型挿入物は、第1の型表面の上向きの壁の間に配置されることにより基礎型の第1の型表面上に固定して配置される。そのような型の上向きのエッジはまた、描かれた例示的実施形態に示される凹所と対照的にアンダーカット凹所を形成するようにマッシュルームヘッドの形状に形成されることもできる。さらに、エッジは傾いて設計されることができる。
【0047】
別の例示的実施形態では、図7は構造化された型表面42を有する型41を示す。この型41の型表面42上に製造される可撓性のある成形皮膜は、車両の装備品パネル4の被覆として使用されるためのものである。型表面42の左側は、ハンドル側のいわゆる眉弓の領域である。右側はエアバッグが配置される領域で、これらの領域の間には中央眉弓の領域がある。この中央眉弓は傾斜面42.1があり、成形皮膜のその部分は、運転手に向けて傾けられる計器を挿入するために使用される。型表面42上に成形される成形皮膜が図7aに描かれている。
【0048】
傾いた断片42.1は型表面42から立ち上がる直立エッジ43により縁取りされる。したがって、プラスチック配合物を適用する側から、傾いた断片42.1は凹所の底部となる。
【0049】
直立エッジ43により取り囲まれる凹所の中に、図7aで描かれる皮膜に対する変形として傾いた部分がない成形皮膜を製造するために、シリコーンの型挿入物44が導入される(図7b参照)。そのように変えられた第1の型表面(実効型表面42’)上に、プラスチック配合物が適用される、具体的には噴霧され硬化される。型41および型41の型表面42’を使って製造された皮膜が図7cに示される。
【0050】
さらに別の代替実施形態では、型の型表面は1つまたは複数の型挿入物を選択的に受け取るための凹所を有する。
【0051】
同様に、図に示されていないさらなる展開では、型表面に適用される型挿入物が実際に複数の個々の型挿入物部分からなるように、型挿入物がモジュラ構造を有することが前提である。別の型挿入物上に適用される型挿入物が、描かれる実施形態で説明されるのと同じやり方でその型挿入物上に保持されることができる。したがって、別の型挿入物を保持する第1の型挿入物が、直立エッジにより境界を定められる領域を示す。この設計では、異なる型挿入物を使用することにより、異なる型挿入物を形成する、したがって、異なる成形皮膜を形成することができる。
【0052】
本発明の説明が、使用される1つまたは複数の型挿入物が、型自体により提供される型表面と比較して別の成形皮膜幾何形状を形成するために使用され、この場合、成形表面を有する型挿入物も構造を与える物体として使用されることができることを明らかにする。この場合、そのような型挿入物の成形表面が、成形皮膜上に様々な表面構造を形成するために使用されることができる。そのような型挿入物の成形表面は、成形表面上に形成される成形皮膜上にほとんどどんな構造でも形成するように構成されることができる。
【0053】
本発明が個々の例示的実施形態を参照して説明された。それにもかかわらず、多数の別の可能な実施形態が請求項から当業者に演繹される。
【符号の説明】
【0054】
1 型
2 型表面
3、3.1 縦方向のエッジ
4 成形皮膜
5 目に見える側
6 設計要素
7 型挿入物
7.1 側面
7.2 壁
8 型表面
9 成形皮膜
10 領域
11 壁
11.1 目に見える前側
12 出っ張り
13 底部
14 凹所
15 接着泡
16 設計塗布物
17 泡挿入物
18 支持構造
19 型挿入物
20 領域
21、21.1 クリップコネクタ要素
22、22.1 頭部
23 表面
24 成形皮膜
25 設計要素
26 領域
27 成形皮膜
28 固定エッジ
29 凹所
30 接着泡
31 間隙
32 型挿入物
33 延長部分
34 成形皮膜
35 泡挿入物
36 支持構造
37 間隙
38 内張部分
39 末端
40 間隙
41 型
42、42’ 型表面
42.1 傾いた断面
43 立ち上がりエッジ
44 型挿入物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各皮膜が型(1)の型表面(2)に対して成形され、互いに皮膜の形状が異なる可撓性のある成形プラスチック皮膜(9、24、27、34)を製造する方法であって、
前記型自体により提供される第1の型表面を使用することにより、または前記第1の型表面の一部だけを覆う1つまたは複数の型挿入物を前記型表面上に置くことにより前記第1の型表面を変え、それにより別の第2の型表面を提供することにより、成形される前記皮膜の前記形状に適合する型表面(2)を提供するステップと、
提供される前記型表面(2)により整った形にされるプラスチック配合物を適用するステップと、
前記型表面(2)に適用される前記プラスチック配合物を整った形にするステップと、
前記実効型表面(2)から前記成形皮膜(9、24、27、34)を取り外すステップと、を含む方法であって、
使用される前記少なくとも1つの型挿入物(7、19、32)は可撓性があり、一方では挿入物自体の型表面と隣り合う前記挿入物の側面が、隣接する第1の型表面に角を形成して配置される前記第1の型表面の壁に対して、具体的には、前記プラスチック配合物を成形するために使用される前記挿入物の少なくともそれらの断片の直立する壁に対して接するという点で、型挿入物(7、19、32)が前記第1の型表面上に配置されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記挿入物が、前記第1の型表面のそのような壁に接する前記挿入物の側面が、前記直立する壁に前記側面が隣接してかみ合う際にプレストレスの下に置かれる前記第1の型表面上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上の型挿入物が前記実効型表面を提供するために使用され、一方では前記型挿入物が前記第1の型表面の異なる断片上に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
1つ以上の型挿入物が前記有効型表面を提供するために使用され、一方では少なくとも1つの型挿入物が、具体的には第1の型挿入物が前記型の前記第1の型表面上に配置されるのと同じやり方で前記第1の型挿入物の前記型表面上に配置されることを特徴とする、請求項1〜3の一項に記載の方法。
【請求項5】
プラスチック配合物が型(1)の前記実効型表面(2)に適用される、具体的には噴霧されることを特徴とする、請求項1〜4の一項に記載の方法。
【請求項6】
前記成形皮膜がポリウレタンからできていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
型挿入物(19)が、前記成形皮膜(24)に接続される1つまたは複数の要素(21、21.1)を保持するための支持の役割を果たし、その要素(21、21.1)が、前記成形皮膜(24)から前記型挿入物(19)を分離した後、前記成形皮膜(24)の一部として残ることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記成形皮膜(24)に接続される1つまたは複数の要素(21、21.1)が、前記成形皮膜(24)に物体を接続するためのコネクタの一部となることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
型挿入物(32)が、適用されるプラスチック配合物を通って突き出るかまたはこれと同一平面で終端する延長部分(33)を有することを特徴とする、請求項1〜8の一項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの型挿入物(7、19、32)がシリコーン、またはシリコーン物質からなることを特徴とする、請求項1〜9の一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの型挿入物を使用することによって、この挿入物が前記成形皮膜上の質感を持つ表面を提供するために使用されることを特徴とする、請求項1〜10の一項に記載の方法。
【請求項12】
各皮膜が型の型表面に対して成形され、互いに皮膜の形状が異なる可撓性のあるプラスチック皮膜(9、24、27、34)を成形するための型構成であって、前記構成が、第1の型表面を有する基礎型、および前記第1の型表面上に配置され、かつ前記第1の型表面の一部だけを覆う1つまたは複数の型挿入物を含む型構成であって、前記少なくとも1つの型挿入物は可撓性があり、前記第1の型表面が、前記隣接する型表面に角を形成して、具体的にはその第1の型表面から直立して配置される1つまたは複数の壁を持ち、前記型挿入物が、前記プラスチック配合物を成形するために使用される前記挿入物の少なくともそれらの断片でそのような壁に対して前記型挿入物自体の型表面と隣り合う前記型挿入物の側面と接することを特徴とする型構成。
【請求項13】
前記型挿入物が、前記基礎型のそのような壁に対して前記挿入物の前記側面の前記接する構成で、プレストレス荷重を使って前記第1の型表面上に配置されることを特徴とする、請求項12に記載の型構成。
【請求項14】
前記基礎型の前記型表面が、型挿入物が配置される別個の断片を有することを特徴とする、請求項12または13に記載の型構成。
【請求項15】
第1の型挿入物が一断片を有し、その断片上に、第2の型挿入物が、前記第1の型挿入物が前記基礎型の前記第1の型表面上に配置されるようなやり方で配置されることができることを特徴とする、請求項12〜14の一項に記載の型構成。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【公表番号】特表2011−526853(P2011−526853A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517116(P2011−517116)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058493
【国際公開番号】WO2010/003915
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(508332324)レクティセル アウトモビールジステーム ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】