説明

成形装置および成形方法

【課題】具材の供給不良を確実に検知する。
【解決手段】計量飯Rの重量を計量する第1の計量コンベア4と、第1の計量コンベア4から搬送された計量飯Rに具材Tが供給される具材供給部24と、具材Tの供給された計量飯Rの重量を計量する第2の計量コンベア16と、具材Tの供給された計量飯Rを成形する成形部18,19と、成形された計量飯Rを搬送路から排出可能となった排出型32と、第2の計量コンベア16の計量値から第1の計量コンベア4の計量値を引いて得られた具材Tの重量値が所定範囲内のときには成形された計量飯Rを次工程に送る第1の制御を実行し、所定範囲外のときには成形された計量飯Rを排出型32により排出する第2の制御を実行する制御部33とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
計量された米飯(計量飯)などの基材上に具材を供給し、これを所定の形状に成形しておむすびなどを製造する装置(成形装置)が知られている。
【0003】
当該装置では、具材の供給漏れミスを検知するため、具材検知用の光センサや高額なカメラセンサなどを用いて、計量飯上の具材の有無を検知している。
【0004】
このような計量飯上の具材の有無を検知する技術としては、例えば特許第2995228号明細書に記載されたものなどが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2995228号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、具材の有無をセンサで検知する技術では、具材の色見や色の範囲などを検知しているため、米飯と色見の近い具材(例えばツナとマヨネーズとが混ぜ合わさったツナマヨなど)や、センサが誤作動しやすい具材(例えば光が乱反射しやすいイクラなど)では誤検知(計量飯上に具材が供給されていないにもかかわらず供給されていると検知されること)のおそれがあり、信頼性に欠けていた。
【0007】
また、一定規格の商品(おむすびなど)を製造するために製造ラインの最終段に製品の重量を計量するウエイトチェッカコンベアを設置した装置があるが、この装置だと製品の総重量しか検知できず、計量飯の不足なのか具材の不足なのかが検知できない。また、成形の完了した最終製品とした後の重量計量のために、重量エラー品が生じたときには計量飯および具材のみならず、包材までもが無駄になってしまう。
【0008】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、基材上の具材の供給不良を確実に検知して製品化を阻止することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の成形装置は、基材の重量を計量する第1の計量手段と、前記第1の計量手段の搬送方向下流側に配置され、当該第1の計量手段から搬送された基材上に所定の具材が供給される具材供給部と、前記具材供給部の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材の重量を計量する第2の計量手段と、前記第2の計量手段の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材を所定の形状に成形する成形手段と、前記成形手段で成形された基材を搬送路から排出可能となった排出手段と、前記第2の計量手段による計量値から前記第1の計量手段による計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには前記成形手段で成形された基材を次工程に送る第1の制御を実行し、具材の重量値が所定範囲外のときには前記成形手段で成形された基材を前記排出手段により搬送路から排出させる第2の制御を実行する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記具材供給部の具材供給領域よりも搬送方向下流側に、基材上における具材の有無を検知する具材検知手段が配置され、前記制御手段は、前記具材検知手段により基材上に具材があると検知されたときには前記第1の制御または前記第2の制御を実行し、前記具材検知手段により基材上に具材がないと検知されたときには前記成形手段で成形された基材を前記排出手段により搬送路から排出させる第3の制御を実行することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、前記成形手段は、周方向に一定の間隔で成形孔が形成されて水平方向に間欠的に回転する成形テーブル、および前記成形孔内に投入された基材を圧縮して所定形状にする圧縮部を備え、前記排出手段は、前記成形孔内から基材を取り出して搬送路から排出することを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明の成形装置は、基材の重量を計量する第1の計量手段と、前記第1の計量手段の搬送方向下流側に配置され、当該第1の計量手段から搬送された基材上に所定の具材が供給される具材供給部と、前記具材供給部の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材の重量を計量する第2の計量手段と、前記第2の計量手段の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材を所定の形状に成形する成形手段と、前記第2の計量手段による計量値から前記第1の計量手段による計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには具材の供給された基材を前記第2の計量手段から前記成形手段へと搬送する第4の制御を実行し、具材の重量値が所定範囲外のときには装置の動作を停止させ、前記第2の計量手段において具材が補充されて当該具材の重量値が所定範囲内となったならば装置の動作を再開する第5の制御を実行する制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、前記具材供給部の具材供給領域よりも搬送方向下流側に、基材上における具材の有無を検知する具材検知手段が配置され、前記制御手段は、前記具材検知手段により基材上に具材があると検知されたときには前記第4の制御または前記第5の制御を実行し、前記具材検知手段により基材上に具材がないと検知されたときには装置の動作を停止させ、停止時の前記第2の計量手段による計量値に対する具材補充での重量増加分が所定範囲内となったならば装置の動作を再開する第6の制御を実行することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、上記請求項4または5記載の発明において、停止した前記第2の計量手段の再起動を行う再起動手段をさらに有し、前記制御手段は、前記第5の制御または前記第6の制御においては、前記再起動手段が操作されたならば装置の動作を再開することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、上記請求項4〜6の何れかに記載の発明において、前記成形手段は、周方向に一定の間隔で成形孔が形成されて水平方向に間欠的に回転する成形テーブル、および前記成形孔内に投入された基材を圧縮して所定形状にする圧縮部を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の本発明の成形方法は、基材の重量を計量する第1の工程と、重量の計量された基材上に所定の具材を供給する第2の工程と、具材の供給された基材の重量を計量する第3の工程と、具材の供給された基材を所定の形状に成形する第4の工程と、前記第3の工程での計量値から前記第1の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには前記第4の工程で成形された基材を次工程に送る第5の工程と、前記第3の工程での計量値から前記第1の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲外のときには前記第4の工程で成形された基材を搬送路から排出させる第6の工程とを有することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するため、請求項9に記載の本発明の成形方法は、基材の重量を計量する第7の工程と、重量の計量された基材上に所定の具材を供給する第8の工程と、具材の供給された基材の重量を計量する第9の工程と、前記第9の工程での計量値から前記第7の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには具材の供給された基材を成形する第10の工程と、前記第9の工程での計量値から前記第7の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲外のときには装置の動作を停止させ、具材が補充されて当該具材の重量値が所定範囲内となったならば装置の動作を再開する第11の工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第2の計量手段による具材の供給された基材の重量から第1の計量手段による具材の供給される前の基材の重量を引いて具材の重量値を求めているので、基材上の具材の供給不良を確実に検知して製品化を阻止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置を正面で示す概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置を平面で示す概略図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置の成形部を平面で示す概略図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置を構成する折込板ユニットを示す平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置を構成する折込板ユニットを示す正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置による折込板ユニットの動作を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置による米飯処理プロセスの一部を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置による米飯処理プロセスの図7に続く説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置による米飯処理プロセスの図8に続く説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置による米飯処理プロセスの図9に続く説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置における制御系を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る米飯成形装置における装置動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態の変形例に係る米飯成形装置における制御系を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態の変形例に係る米飯成形装置における装置動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
図1および図2に示す本発明の一実施の形態としての米飯成形装置(成形装置)は、米飯を分割してシート状の計量飯を生成する計量飯生成装置M1と、計量飯生成装置M1で成形された計量飯を受け取ってこれを搬送し、おむすびに成形するおむすび成形装置M2とで構成されている。
【0022】
計量飯生成装置M1は、キャスタ1aによって移動可能とされた台座2a上に第1の計量コンベア4(第1の計量手段)および払出コンベア5が搬送方向上流側から下流側に沿って配置されている。
【0023】
また、第1の計量コンベア4の上方には、米飯をシート状に成形して第1の計量コンベア4上に送り出す送出部6が配置されている。
【0024】
さらに、送出部6と第1の計量コンベア4との間には、送出部6から送り出された米飯を搬送方向と交差する方向(ここでは、搬送方向とほぼ直交した方向)に分割して設定重量値を目標とした米飯である計量飯R(基材)を生成するためのカッタ(分割部)15が配置されている。そして、カッタ15で分割生成された計量飯Rは第1の計量コンベア4に載せられる。
【0025】
第1の計量コンベア4には、当該第1の計量コンベア4に載せられた計量飯Rの重量を計量するためのロードセル3が設けられている。
【0026】
さて、このような計量飯生成装置M1により、送出部6から送り出されたシート状に連続した米飯がカッタ15で分割されることにより設定重量値を目標とした米飯である計量飯Rが生成され、第1の計量コンベア4に載せられる。そして、第1の計量コンベア4にて重量が計量されながら搬送されて払出コンベア5へ移送される。払出コンベア5からは、次工程を実行するための装置であるおむすび成形装置M2へと搬送される。
【0027】
台座2aの側方(図1において右側)には、上下方向に延びる一対の縦レール7に沿って米飯容器8を昇降させるリフタ9が設けられている。このリフタ9によって米飯容器8は上部に設置されたホッパ10の位置まで持ち上げられ、リフタ9の上端に設けられた反転部28によってホッパ10に向けて上下反転されることにより、米飯容器8内の米飯がホッパ10に投入される。
【0028】
ホッパ10は前述した送出部6に対応して設けられている。ホッパ10内には投入された米飯を解すための解しローラが設けられており、ホッパ10に投入された米飯は解しローラに解されて送出部6に導入される。
【0029】
送出部6内には、ホッパ10からの米飯を導入するための導入ローラ11が設けられている。また、導入ローラ11の下方には、左右一対で合計2段となった第1のローラ対13が上下方向に配置されている。この第1のローラ対13は、上段に位置する第1のローラ対13aの間隔よりも下段に位置する第1のローラ対13bの間隔の方が狭くなっている。したがって、米飯が第1のローラ対13a,13bにより上方より下方へ送られることによって、シート状に圧縮成形される。
【0030】
さらに、第1のローラ対13の下方には、左右一対で合計2段となった第2のローラ対14が上下方向に配置されている。ここで、第1のローラ対13の間隔よりも下方に位置する第2のローラ対14の間隔の方が狭くなっている。また、第2のローラ対14は相互に接近離間可能になっている。
【0031】
したがって、第1のローラ対13により米飯が上方より下方へと圧縮されながら送られる。そして、第2のローラ対14へと送られることによってさらに圧縮されてシート状に成形される。そして、第2のローラ対14は相互に接近離間可能になっていることから、第1のローラ対13から送られたシート状の連続した米飯は、第2のローラ対14の間隔に応じて厚みが調整されて送り出される。
【0032】
ホッパ10の側方(図1において左側)には、計量飯Rの設定重量値、具材Tの設定重量値などの設定を行う操作パネル30、および米飯成形装置の駆動、停止、再起動などを行う操作スイッチ12(再起動手段)が設けられている。したがって、作業者は操作パネル30および操作スイッチ12を適宜操作することにより、米飯成形装置によるおむすびの成形が行われる。
【0033】
なお、本実施の形態の米飯成形装置では、生成された計量飯Rの寸法は、長さ110mm、幅65mm、高さ(厚さ)15mmとなっており、1時間に約3000枚が製造可能、つまり1時間に約3000個のおむすびが製造可能な性能を有している。
【0034】
計量飯生成装置M1の搬送方向下流側には、分割された計量飯Rを所定の形状に成形(例えば三角形のおむすび形状に成形)するためのおむすび成形装置M2が配置されている。そして、払出コンベア5を搬送される分割されたシート状の計量飯Rは、計量飯生成装置M1からおむすび成形装置M2へと取り込まれる。
【0035】
図1〜図3に示すように、おむすび成形装置M2は、矩形シート状の計量飯Rに梅干し、シャケ、タラコなどといった所定の具材Tが供給される具材供給部24と、具材Tの供給された矩形シート状の計量飯Rを搬送する第2の計量コンベア16(第2の計量手段)と、第2の計量コンベア16によって搬送された計量飯Rを折り込む折込板ユニット17と、折込板ユニット17で折り込まれた計量飯Rをおむすびに成形する成形部(成形手段)としての成形テーブル18および圧縮部19と、成形されたおむすび(具材Tが適正に供給されたおむすび)を取り出す取出型20と、取り出されたおむすびを次工程に送り出す送出コンベア21と、具材供給不良のおむすびを搬送路から排出するための排出型32(排出手段)とを備えている。なお、送出コンベア21の後段には、成形されたおむすびを包装するための包装機(図示せず)が配置される。
【0036】
具材供給部24は、矩形シート状の計量飯Rを搬送する具入れコンベア24aと、具入れコンベア24a上に配置されて計量飯Rに具材Tを供給する供給部24bとからなる。また、成形テーブル18には、折込板ユニット17で折り込まれた計量飯Rが上方から下方へと挿入される成形孔22が形成されており、当該成形孔22に挿入された計量飯Rを前述した圧縮部19が上下方向に圧縮しておむすびを成形する。なお、本実施の形態では、供給部24bによって具材Tが計量飯R上に自動的に供給されるようになっているが、具入れコンベア24aを流れる計量飯R上に作業者の手作業で供給されるようになっていてもよい。
【0037】
具材供給部24はスタンド25上に設置され、第2の計量コンベア16、折込板ユニット17、成形テーブル18、圧縮部19、取出型20および送出コンベア21は、キャスタ1bによって移動可能とされた台座2b上に設置されている。また、第2の計量コンベア16には、具材Tの供給された計量飯Rの重量を計量するロードセル16a(図11)が設けられている。
【0038】
おむすび成形装置M2は、折込板ユニット17で折り込まれた計量飯Rを成形孔22に挿入する挿入ユニット23とを備えている。また、第2の計量コンベア16と折込板ユニット17との間には、計量飯Rを第2の計量コンベア16から折込板ユニット17へと受け渡す受渡板26が配置されている。
【0039】
さらに、第2の計量コンベア16の上方には、具材供給部24において計量飯Rの上に具材Tが供給されたかどうかという具材Tの有無を検知する具材検知センサ31(具材検知手段)が配置されている。したがって、第2の計量コンベア16では、計量飯Rの上の具材Tの有無が具材検知センサ31で確認されるとともに、ロードセル16aによって具材Tの供給された計量飯Rの重量が計量される。なお、具材検知センサ31は計量飯Rの上の具材Tの有無を検知するものであるから、設置場所は具材供給部24の具材供給領域よりも搬送方向下流側であればよい。また、この具材検知センサ31は、本発明においては必須のものではなく、省略することが可能である。
【0040】
ここで、成形テーブル18は図示しないモータによって水平方向に間欠的に回転する回転体であり、成形孔22は成形テーブル18の周方向に一定の間隔で複数(本実施の形態では8箇所に)形成されている。そして、挿入ユニット23、圧縮部19、取出型20および排出型32は成形テーブル18の回転方向に沿って順次配置されている。
【0041】
図4および図5に示すように、折込板ユニット17は、中央に位置して台座17aに固定されたセンタープレート17−1と、センタープレート17−1の両側にヒンジ17bを介して連結されてセンタープレート17−1に対して旋回自在となった2枚のサイドプレート17−2とを備えている。台座17aには、外側に向かって上方に湾曲した一対のアーム17cが揺動自在に取り付けられている。また、当該アーム17cの自由端は、一方端がサイドプレート17−2に対して回動自在に取り付けられた第1のリンク棒17dの他方端に回動自在に取り付けられている。さらに、アーム17cの途中には、モータ軸17eに固定されたカム17fが長孔17gを水平方向に往復することにより上下動する昇降ユニット17hの先端に回動自在に取り付けられた第2のリンク棒17jの先端が回動自在に取り付けられている。
【0042】
そして、昇降ユニット17hの下死点におけるアーム17cの台座17aに対する取付位置よりもアーム17cと第2のリンク棒17jとの取付位置の方が外側となっている。また、昇降ユニット17hの下死点では、センタープレート17−1と2枚のサイドプレート17−2とは相互に展開した状態になっている。
【0043】
このような構造により、昇降ユニット17hが上昇すると第2のリンク棒17jを介してアーム17cが外側に弧を描くように上昇する。これにより、第1のリンク棒17dを介して2枚のサイドプレート17−2が起き上がり、センタープレート17−1の上方で自由端が接近するように旋回する(図5の二点鎖線による表示部分参照)。
【0044】
したがって、このような折込板ユニット17のプレート17−1,17−2に矩形シート状の計量飯Rが搭載されると、図6に示すように、当該計量飯Rの両側が合わさるようにして折り込まれる。
【0045】
挿入ユニット23により、折込板ユニット17で折り込まれた計量飯Rが成形テーブル18の成形孔22に挿入される。
【0046】
なお、図示するように、本実施の形態の成形孔22の水平方向の断面は略三角形となって三角形のおむすびが成形されるようになっているが、略三角形以外の様々な断面形状を採用することができる。
【0047】
さて、おむすび成形装置M2には、第2の計量コンベア16で搬送される矩形シート状の計量飯Rを水平方向に押して受渡板26へと移動させ、そこから折込板ユニット17へと移動させ、さらに折込板ユニット17で折り込まれた計量飯Rを水平方向に押して成形孔22の上部まで移動させる移動部材29が設けられている。なお、移動部材29の移動は、成形テーブル18の間欠的な回転に対応して行われる。
【0048】
図7〜図9に示すように、移動部材29は、天板29aと、天板29aの下面に移動方向に沿って下方に延びて取り付けられた3枚の壁板29bと、図示しないアームに係止される係止突起29cを備えている。
【0049】
後退位置では、図7に示すように、先端の壁板29b−1の外側に折込板ユニット17上の計量飯Rが位置し、先端の壁板29b−1と中央の壁板29b−2との間に受渡板26上の計量飯Rが位置し、中央の壁板29b−2と後端の壁板29b−3との間に第2の計量コンベア16上の計量飯Rが位置している。つまり、移動部材29の前後長は第2の計量コンベア16と折込板ユニット17という2領域に跨った長さとなっている。
【0050】
そして、このような移動部材29がアームにより水平方向に1領域分だけ移動した前進位置では、図8に示すように、折込板ユニット17上の計量飯Rが壁板29b−1に押されて成形孔22上に移動し(図9参照)、受渡板26上の計量飯Rが壁板29b−2に押されて折込板ユニット17上に移動し、第2の計量コンベア16上の計量飯Rが壁板29b−3に押されて受渡板26上に移動する。
【0051】
前進位置に移動した移動部材29は、アームに持ち上げられるようにして計量飯Rとの干渉を回避しながら前述の後端位置へと戻り、以降このような前進移動および後退移動を繰り返す。
【0052】
さて、折込板ユニット17により折り込まれた計量飯Rを成形テーブル18の成形孔22に挿入する挿入ユニット23は、図3に示すように、成形孔22の縁部に配置され、成形孔22の上部まで移動された計量飯Rを横方向から受け止めるストッパ23aと、ストッパ23aで受け止められた計量飯Rを成形孔22に挿入する挿入部23bとからなる。
【0053】
ストッパ23aは、折込板ユニット17に最も近接した位置の成形孔22に対応して設けられており、折込板ユニット17に向けて開いた形状となっており、成形孔22の2つの内壁面とそれぞれ連続した内壁面が形成されている。したがって、移動部材29により移動された計量飯Rを横方向から受け止めることにより、計量飯Rは上方から見て三角形に(つまり、成形孔22に沿った形状に)変形される。
【0054】
また、挿入部23bは、図9に詳しく示すように、ストッパ23aに受け止められて成形孔22に沿った三角形に変形した計量飯Rを成形孔22に挿入するために、成形孔22に対して入出可能に設けられている。
【0055】
挿入部23bは下型23b−1と上型23b−2とで構成されている。下型23b−1は、成形孔22に対して下方から入出可能に設けられており、移動部材29によって計量飯Rが成形孔22の上部まで移動されたときに成形孔22の上端まで上昇し、その後下降する。また、上型23b−2は、成形孔22に対して上方から入出可能に設けられており、計量飯Rが成形孔22の上部まで移動されたときに成形孔22の外側まで上昇し、その後下型23b−1の下降に連動して下降して計量飯Rを成形孔22内に挿入する。
【0056】
そして、このような構成の挿入ユニット23により、折込板ユニット17によって折り込まれた計量飯Rが成形孔22に挿入される。
【0057】
さて、このようにして成形孔22に挿入された計量飯Rを圧縮する圧縮部19は、図3に示すように、所定の成形孔22に対応して設けられた第1の圧縮型19aと、第1の圧縮型19aよりも成形テーブル18の回転方向下流側に隣接する成形孔22に対応して設けられた第2の圧縮型19bとで構成されている。
【0058】
図10に示すように、何れの圧縮型19a,19bも下型19a−1,19b−1と上型19a−2,19b−2とで構成されている。下型19a−1,19b−1は成形孔22に対して下方から入出可能に設けられ、上型19a−2,19b−2は成形孔22に対して上方から入出可能に設けられており、両者が最接近した位置で所定の間隔が形成されるようになっている。そして、下型19a−1,19b−1が上昇すると同時に上型19a−2,19b−2が下降することにより、両者に挟まれた計量飯Rが上下方向から圧縮されることにより、上下面が略平坦で、外周が周方向に連続した3つの略平坦な面からなる形状のおむすびが成形される。
【0059】
このように、本実施の形態では、計量飯Rを一気に圧縮するのではなく、第1の圧縮型19aで圧縮した後、再度第2の圧縮型19bで圧縮するように2段階に分けて圧縮して、成形されたおむすびが一層柔らかくなるようにしている。但し、1つの圧縮部19だけを設けるようにしてもよい。
【0060】
成形部18,19で成形されたおむすび(具材Tが適正に供給されたおむすび)を成形孔22から取り出すための取出型20は、図3に示すように、送出コンベア21の直上に位置する成形孔22に対応して設けられている。また、具材供給不良のおむすびを搬送路から排出するための排出型32は、同じく図3に示すように、送出コンベア21の直上に位置する成形孔22よりも成形テーブル18の回転方向後方に位置する成形孔22に対応して設けられている。
【0061】
これら取出型20および排出型32は、何れも対応した成形孔22に対して上方から入出可能になっており、成形テーブル18が回転することによって送られてきたおむすびを上方から叩いて送出コンベア21の上に落下させ、あるいは搬送路外に排出する。
【0062】
次に、以上の構成を有する米飯成形装置の制御系について、図11を用いて説明する。
【0063】
米飯成形装置の動作は制御部33(制御手段)に制御されている。
【0064】
また、米飯成形装置には、第1の計量コンベア4に設けられたロードセル3で計量された重量を検出する第1の重量検出器3−1、および第2の計量コンベア16に設けられたロードセル16aで計量された重量を検出する第2の重量検出器16a−1を備えている。これら第1の重量検出器3−1および第2の重量検出器16a−1は演算部34に接続され、さらに演算部34は前述の制御部33に接続されている。
【0065】
演算部34では、第2の重量検出器16a−1で検出された計量値から第1の重量検出器3−1で検出された計量値を引き算し、その結果得られた値が制御部33に入力される。
【0066】
第1の重量検出器3−1ではカッタ15で分割生成された計量飯Rの重量が検出され、第2の重量検出器16aでは具材Tが供給された計量飯Rの重量が検出されることから、第2の重量検出器16a−1で検出された計量値から第1の重量検出器3−1で検出された計量値を引くことにより具材Tの重量値が得られ、当該重量値が制御部33に送られることになる。
【0067】
また、制御部33には前述した操作スイッチ12および操作パネル30が接続されており、当該操作パネル30により設定された計量飯Rの設定重量値や具材Tの設定重量値などが入力される。さらに、制御部33には、計量飯Rの上の具材Tの有無を検知する具材検知センサ31も接続されている。なお、本実施の形態においては、計量飯Rの許容範囲(つまり、重量誤差として許容される所定範囲)および具材Tの重量の許容範囲(つまり、計量飯R上に供給される具材Tの重量の所定範囲)は自動的に設定されるようになっているが、作業者が入力することで設定されるようになっていてもよい。
【0068】
なお、制御部33に制御される計量飯生成装置M1では、第1のローラ対13の駆動制御、第2のローラ対14の間隔制御、およびカッタ15の動作タイミング制御を行っている。そして、設定重量値を目標とした計量飯Rの生成は、これらの制御の何れかあるいは全てを実行することにより行われる。なお、第1のローラ対13の駆動制御は、第1のローラ対13を駆動するモータ(図示せず)の速度またはトルクを制御することにより実行される。
【0069】
さらに、制御部33には、成形テーブル18および圧縮部19からなる成形部の動作制御、および成形テーブル18の成形孔22から成形された計量飯Rを取り出す取出型20を駆動する取出型駆動部35、および成形テーブル18の成形孔22から具材供給不良の計量飯Rを搬送路外に排出する排出型32を駆動する排出型駆動部36が接続されている。
【0070】
そして、制御部33は、演算部34から送られた具材Tの重量値が許容範囲内のときには成形部18,19で成形された計量飯Rを次工程(ここでは、包装機による包装工程)に送る制御(第1の制御)を実行し、具材Tの重量値が許容範囲外のときには成形部18,19で成形された計量飯Rを排出型32により搬送路から排出させる制御(第2の制御)を実行する。また、具材検知センサ31により計量飯R上に具材Tがあると検知されたときには前述の第1の制御または第2の制御を実行するが、具材検知センサ31により計量飯R上に具材Tがないと検知されたときには成形部18,19で成形された計量飯Rを排出型32により搬送路から排出させる制御(第3の制御)を実行する。
【0071】
次に、本実施の形態の米飯成形装置の制御部33による制御について、図12を用いて説明する。
【0072】
最初に、操作パネル30により計量飯Rの設定重量値および具材Tの設定重量値(Tt)を設定する(ステップS1)。ここで、具材Tの設定重量値を10g、具材Tの重量の許容範囲を例えば±5gとする。
【0073】
そして、米飯がホッパ10に投入されて操作スイッチ12を押すことにより、送出部6の第2のローラ対14が所定の間隔にセットされて第1のローラ対13が回転を開始し、第1の計量コンベア4が周回移動を開始する。そして、送出部6からシート状に成型された連続した米飯が送り出され、カッタ15で分割されて計量飯Rが生成される(ステップS2)。
【0074】
生成された計量飯Rは第1の計量コンベア4に載せられ、ロードセル3により計量飯重量(Wm)の計量(ステップS3)および搬送が行われる。計量結果は第1の重量検出器3−1から演算部34に送られる。
【0075】
次に、具材供給部24において計量飯R上に具材Tが供給され(ステップS4)、続いて第2の計量コンベア16のロードセル16aにより具材Tの供給された計量飯Rの重量つまり総重量(Wa)が計量される(ステップS5)。計量結果は第2の重量検出器16a−1から演算部34に送られる。
【0076】
ステップS5で得られた具材Tの供給された計量飯Rの総重量(Wa)からステップS3で得られた計量飯重量(Wm)を引くことにより、演算部34において具材Tの重量(Wt)が算出される(ステップS6)。なお、具材重量(Wt)は制御部33に送られる。
【0077】
ステップS6で具材重量(Wt)が算出されたならば、具材検知センサ31により具材Tの有無が検知される(ステップS7)。
【0078】
そして、具材Tが無いと判断された場合には、前述した要領により成形部18,19において成形が行われ(ステップS8)、その後、第3の制御として排出型駆動部36が駆動され、成形部18,19で成形された計量飯Rが排出型32により搬送路から排出される(ステップS9)。
【0079】
一方、ステップS7において計量飯R上に具材Tがあると検知された場合には、次に、具材Tの重量が許容範囲内(具材重量(Wt)が具材設定重量値プラス側許容値(Tt)と具材設定重量値マイナス側許容値(Tt)との範囲内:Tt≧Wt≧Tt)かどうかが判断される(ステップS10)。
【0080】
そして、例えば第2の計量コンベア16のロードセル16aにより計量された具材Tの供給された計量飯Rの総重量(Wa)が110gで、第1の計量コンベア4のロードセル3により計量された計量飯Rの重量(Wm)が100gであった場合、つまり具材Tの重量(Wt)が10gであった場合、当該重量(Wt)は前述した具材Tの重量の許容範囲(10g±5g)にあるので、成形部18,19において成形が行われた後(ステップS11)、第1の制御として取出型20が駆動され、成形された計量飯Rが成形孔22から取り出され次工程に送られる(ステップS12)。
【0081】
また、ステップS10において、例えば第2の計量コンベア16のロードセル16aにより計量された具材Tの供給された計量飯Rの総重量(Wa)が103gで、第1の計量コンベア4のロードセル3により計量された計量飯Rの重量(Wm)が100gであった場合、つまり具材Tの重量(Wt)が3gであった場合、具材Tの重量(Wt)は許容範囲(10g±5g)外にあるので、成形部18,19において成形が行われた後(ステップS8)、第2の制御として排出型駆動部36が駆動されて、成形部18,19で成形された計量飯Rが排出型32により搬送路から排出される(ステップS9)。
【0082】
このように、本実施の形態の米飯成形装置によれば、第2の計量コンベア16による具材Tの供給された計量飯Rの重量から第1の計量コンベア4による具材Tの供給される前の計量飯Rの重量を引いて具材Tの重量値を求め、当該重量値が許容範囲内のときには成形された計量飯Rを次工程に送り、許容範囲外のときには搬送路から排出させるようにしているので、計量飯R上の具材Tの供給不良を確実に検知することが可能になる。これにより、具材重量の不足による不良品が製品化されることが阻止される。
【0083】
また、生産ラインを止めることなく具材Tの供給不良となったものを搬送路から排出するようにしているので、生産効率が向上する。
【0084】
さらに、具材Tの供給不良となったものを搬送路から排出するようにして次工程には送られないようにしているので、最終工程での重量チェックで不良品を排除する場合とは異なり、次工程で使用される材料(例えば、包装材など)が無駄になることがない。
【0085】
そして、具材検知センサ31により計量飯R上の具材Tの有無を検知しているので、具材Tの検知精度をより高めることが可能になる。なお、前述のように具材検知センサ31は省略することが可能であり、この場合には、第3の制御は実行されない。したがって、ステップS7の処理はなくなることになる。
【0086】
以上の説明では、具材重量の不足した成形品を搬送路から排出させるようにしているが、成形前の段階で計量飯R上に不足分の具材Tを補充することにより、最終的に具材重量の不足した成形品を製造しないようにすることもできる。
【0087】
このような米飯成形装置では、図13に示すように、図11に示す制御系と比較して、排出型駆動部36が存在しない。また、これに関連して、排出型32も存在しない。
【0088】
そして、制御部33は、演算部34から送られた具材Tの重量値が許容範囲内のときには具材Tの供給された計量飯Rを第2の計量コンベア16から成形部18,19へと搬送する制御(第4の制御)を実行し、具材Tの重量値が許容範囲外のときには装置の動作を停止させ、第2の計量コンベア16において具材Tが補充されてその重量値が許容範囲内となったならば装置の動作を再開する制御(第5の制御)を実行する。また、具材検知センサ31により計量飯R上に具材Tがあると検知されたときには前述の第4の制御または第5の制御を実行するが、具材検知センサ31により計量飯R上に具材Tがないと検知されたときには、装置の動作を停止させ、停止時の第2の計量コンベア16による計量値に対する具材補充での重量増加分が許容範囲内となったならば装置の動作を再開する制御(第6の制御)を実行する。
【0089】
次に、当該米飯成形装置の制御部33による制御について、図14を用いて説明する。なお、ステップS1〜ステップS7の処理は図12に示す場合と共通しているため、ここでの重複した説明は省略する。
【0090】
さて、ステップS7において具材Tが無いと判断された場合には、第6の制御として、装置の動作を停止させる(ステップS12)。そして、作業者に第2の計量コンベア16上にある計量飯Rに具材Tを補充することを促し、停止時の第2の計量コンベア16による計量値(ステップS7で具材Tが無いと判断されているのであるから、停止時の第2の計量コンベア16による計量値は計量飯Rのみの重量となる)に対する具材補充での重量増加分(つまり、具材重量(Wt))が許容範囲内(具材重量(Wt)が具材設定重量値プラス側許容値(Tt)と具材設定重量値マイナス側許容値(Tt)との範囲内:Tt≧Wt≧Tt)となったかどうかが判断される(ステップS13)。
【0091】
ステップS13において具材Tの重量(Wt)が許容範囲内となったならば、再起動手段である操作スイッチ12を操作して装置を再起動させる(ステップS14)。なお、ステップS13において具材補充での重量増加分が許容範囲内となったならば自動的に装置が再起動するようにしてもよい。
【0092】
装置が再起動されたならば、具材Tの供給された計量飯Rが第2の計量コンベア16から成形部18,19へと搬送されて成形が行われ(ステップS15)、取出型20が駆動されて成形孔22から取り出され、次工程に送られる(ステップS16)。
【0093】
一方、ステップS7において計量飯R上に具材Tがあると検知された場合には、次に、具材Tの重量(Wt)が許容範囲内(具材重量(Wt)が具材設定重量値プラス側許容値(Tt)と具材設定重量値マイナス側許容値(Tt)との範囲内:Tt≧Wt≧Tt)かどうかが判断される(ステップS17)。
【0094】
そして、例えば第2の計量コンベア16のロードセル16aにより計量された具材Tの供給された計量飯Rの総重量(Wa)が110gで、第1の計量コンベア4のロードセル3により計量された計量飯Rの重量(Wm)が100gであった場合、つまり具材Tの重量(Wt)が10gであった場合、当該重量(Wt)は前述した具材Tの重量の許容範囲(10g±5g)にあるので、第4の制御として、具材Tの供給された計量飯Rが第2の計量コンベア16から成形部18,19へと搬送して成形が行われ(ステップS15)、取出型20が駆動されて成形孔22から取り出され、次工程に送られる(ステップS16)。
【0095】
また、ステップS17において、例えば第2の計量コンベア16のロードセル16aにより計量された具材Tの供給された計量飯Rの総重量(Wa)が103gで、第1の計量コンベア4のロードセル3により計量された計量飯Rの重量(Wm)が100gであった場合、つまり具材Tの重量(Wt)が3gであった場合、具材Tの重量(Wt)は許容範囲(10g±5g)外にあるので、第5の制御として、装置の動作を停止させる(ステップS12)。そして、作業者に第2の計量コンベア16上にある計量飯Rに具材Tを補充することを促し、具材Tの重量値が許容範囲となったかどうかが判断される(ステップS13)。
【0096】
ステップS13において具材Tの重量値が許容範囲内となったならば、装置を再起動させる(ステップS14)。
【0097】
そして、装置が再起動されたならば、具材Tの供給された計量飯Rが第2の計量コンベア16から成形部18,19へと搬送されて成形が行われ(ステップS15)、取出型20が駆動されて成形孔22から取り出され、次工程に送られる(ステップS16)。
【0098】
このような米飯成形装置によれば、第2の計量コンベア16による具材Tの供給された計量飯Rの重量から第1の計量コンベア4による具材Tの供給される前の計量飯Rの重量を引いて具材Tの重量値を求め、当該重量値が許容範囲内のときには成形された計量飯Rを成形し、許容範囲外のときには装置を停止させ、具材Tが許容範囲まで補充されたならば装置の動作を再開するようにしているので、計量飯R上の具材Tの供給不良を確実に検知することが可能になる。これにより、具材重量の不足による不良品が製品化されることが阻止される。
【0099】
具材重量が許容範囲外のときには装置を停止させ、具材Tが許容範囲まで補充されたならば装置の動作を再開して成形するようにしているので、計量飯Rを無駄にすることがない。
【0100】
これにより、具材Tの供給不良となったものが成形されて次工程に搬送されることがなくなるので、最終工程での重量チェックで不良品を排除する場合とは異なり、次工程で使用される材料(例えば、包装材など)が無駄になることがない。
【0101】
そして、具材検知センサ31により計量飯R上の具材Tの有無を検知しているので、具材Tの検知精度をより高めることが可能になる。なお、ここでも具材検知センサ31は省略することが可能であり、この場合には、第6の制御は実行されない。したがって、ステップS7の処理はなくなることになる。
【0102】
以上の本実施の形態では、第1の計量コンベア4,16において計量飯Rあるいは具材Tの供給された計量飯Rを計量しながら搬送しているが、計量と搬送とは別々になっていてもよい。
【0103】
また、計量飯Rの生成構造は本実施の形態に示すものに限定されるものではなく、種々の構造が採用可能である。例えば主計量と補助計量とを用いて計量飯Rを生成するような構造であってもよい。
【0104】
さらに、計量飯Rの形状は自由に設定が可能であり、矩形シート状に限定されるものではない。
【0105】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
以上の説明では、本発明の成形装置を基材の一例である米飯に具材を供給してこれを成形する米飯成形装置に適用した場合が示されているが、基材は米飯を計量した計量飯に限定されるものではなく、例えば団子生地など他の基材にも適用することができる。
【符号の説明】
【0107】
3 ロードセル
3−1 第1の重量検出器
4 第1の計量コンベア
5 払出コンベア
6 送出部
16 第2の計量コンベア
16a ロードセル
16a−1 第2の重量検出器
18 成形テーブル
19 圧縮部
20 取出型
21 送出コンベア
22 成形孔
23 挿入ユニット
24 具材供給部
24a 具入れコンベア
24b 供給部
29 移動部材
30 操作パネル
31 具材検知センサ
32 排出型
33 制御部
34 演算部
35 取出型駆動部
36 排出型駆動部
M1 計量飯生成装置
M2 おむすび成形装置
R 計量飯
T 具材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の重量を計量する第1の計量手段と、
前記第1の計量手段の搬送方向下流側に配置され、当該第1の計量手段から搬送された基材上に所定の具材が供給される具材供給部と、
前記具材供給部の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材の重量を計量する第2の計量手段と、
前記第2の計量手段の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材を所定の形状に成形する成形手段と、
前記成形手段で成形された基材を搬送路から排出可能となった排出手段と、
前記第2の計量手段による計量値から前記第1の計量手段による計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには前記成形手段で成形された基材を次工程に送る第1の制御を実行し、具材の重量値が所定範囲外のときには前記成形手段で成形された基材を前記排出手段により搬送路から排出させる第2の制御を実行する制御手段とを有する、
ことを特徴とする成形装置。
【請求項2】
前記具材供給部の具材供給領域よりも搬送方向下流側に、基材上における具材の有無を検知する具材検知手段が配置され、
前記制御手段は、前記具材検知手段により基材上に具材があると検知されたときには前記第1の制御または前記第2の制御を実行し、前記具材検知手段により基材上に具材がないと検知されたときには前記成形手段で成形された基材を前記排出手段により搬送路から排出させる第3の制御を実行する、
ことを特徴とする請求項2記載の成形装置。
【請求項3】
前記成形手段は、周方向に一定の間隔で成形孔が形成されて水平方向に間欠的に回転する成形テーブル、および前記成形孔内に投入された基材を圧縮して所定形状にする圧縮部を備え、
前記排出手段は、前記成形孔内から基材を取り出して搬送路から排出する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の成形装置。
【請求項4】
基材の重量を計量する第1の計量手段と、
前記第1の計量手段の搬送方向下流側に配置され、当該第1の計量手段から搬送された基材上に所定の具材が供給される具材供給部と、
前記具材供給部の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材の重量を計量する第2の計量手段と、
前記第2の計量手段の搬送方向下流側に配置され、具材の供給された基材を所定の形状に成形する成形手段と、
前記第2の計量手段による計量値から前記第1の計量手段による計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには具材の供給された基材を前記第2の計量手段から前記成形手段へと搬送する第4の制御を実行し、具材の重量値が所定範囲外のときには装置の動作を停止させ、前記第2の計量手段において具材が補充されて当該具材の重量値が所定範囲内となったならば装置の動作を再開する第5の制御を実行する制御手段とを有する、
ことを特徴とする成形装置。
【請求項5】
前記具材供給部の具材供給領域よりも搬送方向下流側に、基材上における具材の有無を検知する具材検知手段が配置され、
前記制御手段は、前記具材検知手段により基材上に具材があると検知されたときには前記第4の制御または前記第5の制御を実行し、前記具材検知手段により基材上に具材がないと検知されたときには装置の動作を停止させ、停止時の前記第2の計量手段による計量値に対する具材補充での重量増加分が所定範囲内となったならば装置の動作を再開する第6の制御を実行する、
ことを特徴とする請求項4記載の成形装置。
【請求項6】
停止した前記第2の計量手段の再起動を行う再起動手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記第5の制御または前記第6の制御においては、前記再起動手段が操作されたならば装置の動作を再開する、
ことを特徴とする請求項4または5記載の成形装置。
【請求項7】
前記成形手段は、周方向に一定の間隔で成形孔が形成されて水平方向に間欠的に回転する成形テーブル、および前記成形孔内に投入された基材を圧縮して所定形状にする圧縮部を備えた、
ことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の成形装置。
【請求項8】
基材の重量を計量する第1の工程と、
重量の計量された基材上に所定の具材を供給する第2の工程と、
具材の供給された基材の重量を計量する第3の工程と、
具材の供給された基材を所定の形状に成形する第4の工程と、
前記第3の工程での計量値から前記第1の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには前記第4の工程で成形された基材を次工程に送る第5の工程と、
前記第3の工程での計量値から前記第1の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲外のときには前記第4の工程で成形された基材を搬送路から排出させる第6の工程とを有する、
ことを特徴とする成形方法。
【請求項9】
基材の重量を計量する第7の工程と、
重量の計量された基材上に所定の具材を供給する第8の工程と、
具材の供給された基材の重量を計量する第9の工程と、
前記第9の工程での計量値から前記第7の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲内のときには具材の供給された基材を成形する第10の工程と、
前記第9の工程での計量値から前記第7の工程での計量値を引いて得られた具材の重量値が所定範囲外のときには装置の動作を停止させ、具材が補充されて当該具材の重量値が所定範囲内となったならば装置の動作を再開する第11の工程とを有する、
ことを特徴とする成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−39057(P2013−39057A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177002(P2011−177002)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(591094262)鈴茂器工株式会社 (74)
【Fターム(参考)】