説明

成膜方法および積層構造

【課題】樹脂部材60とめっき皮膜70との密着性を確保することが可能な、成膜方法を提供する。
【解決手段】樹脂部材60の表面60sに光触媒層80を密着させる工程と、樹脂部材60と光触媒層80との密着部分65に紫外光66を照射する工程と、無電解めっき法により樹脂部材60の表面60sにめっき皮膜70を形成する工程と、を有することを特徴とする。光触媒層80の表面80sには、光電気化学エッチングによりナノポーラス構造が形成されているので、樹脂部材60の表面60sにナノレベルの微細な凹凸を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法および積層構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無電解めっき法により配線パターンを形成する技術が知られている。
電気絶縁性を有する樹脂部材の表面に、無電解めっき法により配線パターンを形成する場合には、樹脂部材とめっき皮膜との密着性の確保が課題になる。特許文献1には、基板上にスパッタ法等により下地金属膜を形成し、その表面に無電解めっきを析出させる技術が提案されている。また特許文献2には、過マンガン酸やクロム酸等の強力な酸化剤を用いて樹脂部材の表面を粗化した後に、無電解めっき処理を行う技術が提案されている。
【特許文献1】特公昭61−31188号公報
【特許文献2】特開2001−233954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術では、高価な真空技術を用いてスパッタ処理を行う必要があり、製造コストが増加することになる。また特許文献2の技術では、強力な酸化剤を用いるため環境に対する負荷が大きくなる。さらに、粗化処理後の樹脂部材の表面には数μmレベルの比較的大きな凹凸が形成されるため、その表面に配線パターンを形成すると断切れを起こすおそれがある。したがって、数μm以下の微細な配線パターンを形成することが困難である。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、樹脂部材とめっき皮膜との密着性を確保することが可能な、成膜方法および積層構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る成膜方法は、樹脂部材の表面に光触媒を密着させる工程と、前記樹脂部材と前記光触媒との密着部分に光を照射する工程と、無電解めっき法により前記樹脂部材の表面にめっき皮膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、樹脂部材と光触媒との密着部分に活性なラジカルが生成され、樹脂部材の表面が分解されて微細な凹凸が形成される。この凹凸がめっき皮膜との間でアンカー効果を発揮するので、高価な真空技術や環境負荷の大きい酸化剤等を用いることなく、樹脂部材とめっき皮膜との密着性を確保することができる。
【0006】
また前記光触媒における前記樹脂部材との密着面に、1μm以下の大きさの凹凸が形成されていることが望ましい。
この構成によれば、樹脂部材の表面に1μm以下の微細な凹凸が形成されるので、微細なパターンのめっき皮膜を形成することができる。
【0007】
また前記光触媒における前記樹脂部材との密着面が、ナノポーラス構造を有することが望ましい。
この構成によれば、樹脂部材の表面にナノレベルの微細な凹凸が形成されるので、より微細なパターンのめっき皮膜を形成することができる。
【0008】
また前記光触媒における前記樹脂部材との密着面が、光電気化学エッチングにより形成されたナノポーラス構造を有することが望ましい。
この構成によれば、容易にナノポーラス構造を作製することができ、製造コストを低減することができる。
【0009】
また前記光触媒は、酸化チタンからなることが望ましい。
この構成によれば、効果的に光触媒作用を発揮させることができる。
【0010】
また前記樹脂部材の表面に前記光触媒を密着させる工程では、前記樹脂部材の表面の所定領域のみに前記光触媒を密着させてもよい。
この構成によれば、樹脂部材の表面の所定領域のみに凹凸が形成され、所定領域のみにめっき皮膜を形成することができる。したがって、めっき皮膜材料の消費量抑制および配線パターン形成のためのエッチング等の工程を削減することができる。
【0011】
一方、本発明に係る積層構造は、樹脂部材の表面にめっき皮膜が形成された積層構造において、前記樹脂部材の表面における前記めっき皮膜との接触部分に、1μm以下の凹凸が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、高価な真空技術や環境負荷の大きい酸化剤等を用いることなく、樹脂部材とめっき皮膜との密着性を確保することができる。また微細なパターンのめっき皮膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(成膜方法)
図2および図3は、本実施形態に係る成膜方法の工程図である。本実施形態に係る成膜方法は、樹脂部材60の表面に光触媒層80を密着させる工程と、樹脂部材60と光触媒層80との密着部分65に紫外光66を照射する工程と、無電解めっき法により樹脂部材60の表面にめっき皮膜70を形成する工程と、を有するものである。
【0013】
図1は、光触媒の形成方法の説明図である。まず図1(a)に示すように、石英やガラス等の光透過性基板81の表面に、光触媒層80を形成する。光触媒は、光の照射により電子を放出して正孔を生成する物質である。この正孔は、水分子からOHラジカルを生成し、また酸素分子から酸素ラジカルを生成する。これらのOHラジカルや酸素ラジカルは強力な酸化剤として機能する。すなわち光触媒は、光の照射により強力な酸化力を発揮することになる。このような光触媒材料として、TiOやSnO、ZnOなどを採用することが可能であり、本実施形態では半導体材料であるTiOを採用する。TiOを採用することにより、効果的に光触媒作用を発揮させることができる。
【0014】
TiOからなる光触媒層80を形成するため、まず基板81の表面にTi膜を形成する。このTi膜は、スパッタリング法等により、厚さ0.2〜3μm程度に形成する。
次に、窒素気流中で1000℃程度に加熱することにより、Ti膜を酸化処理してTiO膜を形成する。
さらに、10%程度の水素を含む窒素気流中で1000℃程度に加熱することにより、TiO膜を還元処理する。これにより、TiO膜中の酸素分子が減少して格子欠陥が形成され、光触媒の酸化力を向上させることができる。
以上により、光触媒層80が形成される。
【0015】
次に、光触媒層80の表面にナノポーラス構造を形成する。ナノポーラス構造とは、ナノレベルの細孔を備えた多孔質構造である。ナノポーラス構造の形成には、光電気化学エッチングを利用する。光電気化学エッチングとは、半導体電極を水溶液中に浸漬して光照射することにより、半導体と電解液との界面に正孔を生成し、この正孔の酸化作用により半導体自身が溶解することを利用したエッチング方法である。この光電気化学エッチングにより、容易にナノポーラス構造を作製することができ、製造コストを低減することができる。
【0016】
具体的には、図1(b)に示すように、光触媒層80が形成された基板81を対向電極85とともに硫酸水溶液84中に浸漬する。また光触媒層80をアノード分極して、1〜3VvsSCE(Saturated. Calomel Electrode、飽和甘こう電極)を印加する。さらに、光触媒層80に向かって光源88から紫外光86を照射する。光源88として、低圧水銀ランプやキセノンランプ、エキシマレーザ等を採用することが可能である。これにより、TiOからなる光触媒層80の表面に正孔が生成され、その正孔により光触媒層80自身が溶解する。その結果、光触媒層80の表面80sにナノポーラス構造が形成される。
【0017】
次に、上記のように形成した光触媒層80を用いて樹脂部材の表面に凹凸を形成し、その樹脂部材の表面にめっき皮膜を積層形成する方法について説明する。
まず図2(a)に示すように、ガラスエポキシやシリコン等からなる基板61の表面に、エポキシやポリイミド等からなる樹脂部材60を形成する。樹脂部材60は、スピンコート法やディップコート法、スプレーコート法、液滴吐出法、印刷法等の塗布法により、膜状に形成する。なお基板61の表面に樹脂部材60を形成する代わりに、基板自体を樹脂材料で構成して樹脂部材としてもよい。
【0018】
次に図2(b)に示すように、樹脂部材60の表面に光触媒層80の表面を密着させる。光触媒層80の表面80sは、上記のように光電気化学エッチングで形成されたナノポーラス構造を有している。すなわち、光触媒層80の表面80sには、1μm以下のナノレベルの凹凸が形成されている。
【0019】
次に図2(c)に示すように、樹脂部材60と光触媒層80との密着部分65に紫外光66を照射する。本実施形態では、光触媒層80が光透過性基板81によって支持されているので、基板81を挟んで光触媒層80の反対側に光源68を配置する。光源68として、低圧水銀ランプやキセノンランプ、エキシマレーザ等を採用することが可能である。その光源68から基板81に向かって紫外光66を照射する。例えば、主発光波長が254nmの低圧水銀ランプから、紫外光を15分間照射する。照射された紫外光66は、基板81を透過して光触媒層80に入射する。
【0020】
紫外光66が入射した光触媒層80では、電子が放出されて正孔が生成される。この正孔は、水分子からOHラジカルを生成し、また酸素分子から酸素ラジカルを生成する。このOHラジカルまたは酸素ラジカルが、光触媒層80との密着部分から樹脂部材60に作用する。これにより、樹脂部材60の表面60sが酸化されて分解するとともに親液処理される。そのため、光触媒層80の表面80sに形成されたナノポーラス構造が樹脂部材60に転写されて、樹脂部材60の表面60sにナノレベルの凹凸構造が形成される。なお、紫外光66の照射条件(波長や強度、時間等)を変化させることにより、凹凸の大きさを調整することが可能である。
【0021】
次に図3(a)に示すように、無電解めっき法により樹脂部材60の表面にめっき皮膜70を形成する。
(1)まず、樹脂部材60の表面を脱脂および洗浄する。具体的には、樹脂部材60が形成された基板61を、10〜30wt%のNaOHまたはKOH溶液に室温で5分間程度浸漬し、その後10分間程度水洗する。
(2)次に、樹脂部材60の表面に触媒金属を付与する(キャタライジング)。具体的には、樹脂部材60が形成された基板61を、触媒金属Pd等を含有する触媒付与剤が混合された塩酸水溶液に室温で1〜3分間浸漬し、その後10分間程度水洗する。
(3)次に、樹脂部材60の表面に触媒核を析出させる(アクセラレーティング)。具体的には、樹脂部材60が形成された基板61を、5%程度の塩酸水溶液中に室温で1分間程度浸漬し、その後10分間程度水洗する。これにより、樹脂部材60の表面に触媒核Pdが粒子状に析出する。
【0022】
(4)次に、樹脂部材60の表面に無電解めっき処理を行う。具体的には、60℃に保持した無電解Cuめっき液74に、樹脂部材60が形成された基板61を浸漬する。これにより、触媒核PdのまわりにCuが析出し、めっき皮膜70が形成される。なお、めっき皮膜70が所定厚さに形成されるまで、無電解めっき処理を継続する。なおCuめっき以外にも、NiめっきやAuめっき等を行ってもよく、またこれらの積層めっきを行ってもよい。
【0023】
以上により、図3(b)に示すように、樹脂部材60の表面にめっき皮膜70が形成される。上述したように、樹脂部材60の表面60sにおけるめっき皮膜70との接触部分には、1μm以下であってナノレベルの凹凸が形成されている。これにより、樹脂部材60とめっき皮膜70との接触面積が増加する。また、樹脂部材60の凹凸がめっき皮膜70との間でアンカー効果を発揮する。したがって、樹脂部材60とめっき皮膜70との密着性を確保することができる。
【0024】
(変形例)
図4は、本実施形態の変形例に係る成膜方法の工程図である。上記実施形態では、樹脂部材の表面全体にめっき皮膜を形成したが、図4(c)に示す変形例では、樹脂部材60の表面の一部にめっき皮膜70をパターン形成する点で相違している。なお、上記実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0025】
まず図4(a)に示すように、形成すべきめっき皮膜のパターンに対応して、基板81の表面の一部に光触媒層80をパターン形成する。光触媒層80のパターニングは、フォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて行うことが可能である。そして、パターニングされた光触媒層80の表面80sに、ナノポーラス構造を形成する。その具体的な方法は上記実施形態と同様である。なお、基板全面に光触媒層を形成し、その表面全体にナノポーラス構造を形成した後に、光触媒層をパターニングしてもよい。
このように形成された光触媒層80の表面80sを、樹脂部材60の表面60sに密着させる。
【0026】
次に図4(b)に示すように、樹脂部材60と光触媒層80との密着部分65に紫外光66を照射する。ここでは光触媒層80の形成領域のみに紫外光を照射すればよいが、上記実施形態と同様に基板81の全体に紫外光を照射してもよい。
これにより、樹脂部材60の表面60sにおける光触媒層80との密着部分65のみに、光触媒層80の表面80sに形成されたナノポーラス構造が転写されて、ナノレベルの凹凸構造が形成される。
【0027】
そして図4(c)に示すように、無電解めっき法により樹脂部材60の表面にめっき皮膜70を形成する。樹脂部材60の表面60sのうち、凹凸構造が形成された部分ではめっき皮膜70との密着性を確保することができるが、それ以外の部分では密着性を確保することが困難である。したがって、樹脂部材60の表面60sのうち凹凸構造が形成された一部のみにめっき皮膜70がパターン形成される。この場合、厚膜のめっき皮膜を所定位置のみに形成することができるので、めっき材料の消費量を抑制することができる。また、パターンを形成するためのフォトリソグラフィ、エッチング等の工程削減ができる。
【0028】
なお、めっき皮膜を所定位置のみに形成する方法として、上記変形例では光触媒層を所定位置のみに形成する方法を採用したが、光触媒層を全面に形成しつつ、電気化学エッチングの紫外線照射を所定位置のみに行って、光触媒層の表面の所定位置のみにナノポーラス構造を形成する方法を採用することも可能である。また光触媒層およびナノポーラス構造を全面に形成しつつ、樹脂部材と光触媒層との密着部分に対する紫外線照射を所定位置のみに行って、樹脂部材の表面の所定位置のみに凹凸構造を形成する方法を採用してもよい。
【0029】
(液滴吐出ヘッドの配線パターンの形成方法)
次に、上記変形例に係る成膜方法を使用した、液滴吐出ヘッドの配線パターンの形成方法について説明する。
図5は、液滴吐出ヘッドの側面断面図である。液滴吐出ヘッド10は、圧電素子13により圧力発生室23の圧力を変化させ、圧力発生室23に充填されたインクを液滴吐出ノズル21から吐出するものである。
【0030】
圧力発生室23は、シリコン等からなる流路形成基板12に形成されている。流路形成基板12の下面には、圧力発生室23に連通する液滴吐出ノズル21を備えたノズルプレート11が装着されている。一方、流路形成基板12の上面には、圧力発生室23の隔壁の一部を構成する振動板31が装着されている。振動板31の上面には、PZT等の圧電体膜35を下部電極32および上部電極36で挟持した圧電素子13が配置されている。圧電素子13を覆うように、圧電素子収容部53を備えた封止基板15が装着されている。
【0031】
封止基板15の上面には、配線パターン17が形成されるとともに、半導体素子16A,16Bが実装されている。配線パターン17と半導体素子16A,16Bとが、ワイヤ55により接続されている。一方、封止基板15の中央には、貫通溝51が形成されている。貫通溝51の底面には、上部電極36に接続されたリード電極37が引き出されている。そして、配線パターン17および半導体素子16A,16Bとリード電極37とが、ワイヤ56により接続されている。
半導体素子16A,16Bは、配線パターン17等を介して、外部コントローラからの信号を圧電素子13に送信する。これにより圧電素子13が駆動されて、液滴吐出ヘッド10から液滴が吐出されるようになっている。
【0032】
この液滴吐出ヘッド10では、シリコンからなる封止基板15の表面に、めっきにより配線パターン17が形成されている。この配線パターン17は、上記変形例に係る成膜方法を使用して形成することが可能である。これにより、下地膜となる樹脂部材と配線パターンとの密着性を確保することが可能になり、また電気絶縁性を有する樹脂部材により配線パターン間の短絡を防止することが可能になる。したがって、液滴吐出ヘッド10の信頼性を向上させることができる。
【0033】
(液滴吐出装置)
このようにして製造された液滴吐出ヘッドは、図6に示すような液滴吐出装置120に設けられる。この液滴吐出装置120は、液滴吐出ヘッドを備えるインクジェット式記録装置である。
液滴吐出ヘッドは、インクカートリッジなどと連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニット121,122の一部を構成している。記録ヘッドユニット121,122には、図6に示すように、インク供給手段を構成するカートリッジ123,124が着脱可能に設けられている。そして、この記録ヘッドユニット121,122を搭載したキャリッジ125が装置本体126に取り付けられたキャリッジ軸127に軸方向で移動自在に取り付けられている。
【0034】
記録ヘッドユニット121,122は、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ128の駆動力が複数の歯車(図示略)及びタイミングベルト129を介してキャリッジ125に伝達されることで、記録ヘッドユニット121,122を搭載したキャリッジ125がキャリッジ軸127に沿って移動するようになっている。一方、装置本体126には、キャリッジ軸127に沿ってプラテン130が設けられており、給紙ローラ(図示略)などにより給紙された紙などの記録媒体である記録シート131がプラテン130上に搬送されるようになっている。
【0035】
この液滴吐出装置120は、上記変形例に係る成膜方法を使用して形成した信頼性の高い液滴吐出ヘッドを備えている。したがって、信頼性の高い液滴吐出装置120を提供することができる。
【0036】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】光触媒の形成方法の説明図である。
【図2】実施形態に係る成膜方法の工程図である。
【図3】実施形態に係る成膜方法の工程図である。
【図4】実施形態の変形例に係る成膜方法の工程図である。
【図5】液滴吐出ヘッドの側面断面図である。
【図6】液滴吐出装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
60…樹脂部材 60s…表面 65…密着部分 66…紫外光 70…めっき皮膜 80…光触媒 80s…表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂部材の表面に光触媒を密着させる工程と、
前記樹脂部材と前記光触媒との密着部分に光を照射する工程と、
無電解めっき法により前記樹脂部材の表面にめっき皮膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
前記光触媒における前記樹脂部材との密着面に、1μm以下の大きさの凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
【請求項3】
前記光触媒における前記樹脂部材との密着面が、ナノポーラス構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜方法。
【請求項4】
前記光触媒における前記樹脂部材との密着面が、光電気化学エッチングにより形成されたナノポーラス構造を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の成膜方法。
【請求項5】
前記光触媒は、酸化チタンからなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の成膜方法。
【請求項6】
前記樹脂部材の表面に前記光触媒を密着させる工程では、前記樹脂部材の表面の所定領域のみに前記光触媒を密着させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の成膜方法。
【請求項7】
樹脂部材の表面にめっき皮膜が形成された積層構造において、前記樹脂部材の表面における前記めっき皮膜との接触部分に、1μm以下の凹凸が形成されていることを特徴とする積層構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−223056(P2008−223056A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60296(P2007−60296)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】