説明

扁平状袋の絞出し器具

【課題】扁平状袋の内容物を使用するにあたり、開封から絞出しまでを、熱さからの火傷などの危険がなく、安全簡単で容易に衛生的で綺麗に内容物の大小にかかわらず無駄なく出来ることとする。
【解決手段】(イ)U字またはV字型の、根元は閉じていて先が開放している形状で、手で握ることで先が閉じて密着する絞出し部を持つ、(ロ)絞出し部が、内容物を絞出す方向と逆側に徐々に狭まることで内容物を前面に押出して絞出す、(ハ)絞出し部が抗菌または防汚または抗菌防汚加工されている、(ニ)絞出し部の一部に扁平状袋の開封手段を備え、内容物の開封から絞出しまでを一連に出来る、以上の特徴からなる扁平状袋の絞出し器具を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
扁平状袋の絞出し器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、扁平状袋の内容物を使用するための内容物の絞出しでは、直接手で絞出すか、箸を使って片手作業で袋を挟んでなぞるように絞出していた。類似として実開平6−81430号公報のような、固定された狭い隙間に扁平状袋を通すことで内容物を絞出す方法がある。また、開封作業では開封線に沿って直接手で切裂く方法か鋏で開封していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の扁平状袋の内容物の絞出しとして直接手で絞出す方法は、代表的一例としての温めたレトルト食品などの熱いものの場合は火傷の危険があり、道具として箸を使う絞出し方法でも、片手作業で器用にやらなければならず、上手く出来ない方も多く、また、最後に内容物で箸や手を汚してしまったりして衛生面でも問題があり、箸でなぞるだけでは内容物を残さずきれいに絞り出せない場合も多く、無駄に捨てることになる内容物がもったいなかった。また、内容物を使用するため開封線に沿って直接手で切り裂く開封方法では、やはり熱いものでは火傷の危険があり、また、袋の切り裂く手前と奥の部分がそれぞれ上下斜めにずれて、上手く最後まで切り裂けない場合が多く、袋を反対に持ち替えて、再度反対側切り裂き口から切り直したり、内容物で手が汚れたり、こぼしてしまうことが多く、鋏を使用するにしても持ち替えが手間だったり、鋏自体が別用途で使用することも多いことで衛生面で抵抗があったりした。実開平6−81430号公報での方法では、固定された隙間から袋を通して絞出す方法のために、密着する程の絞出し能力に足りず、内容物の小さなものは絞出しきれず、また、作業としても隙間に熱くなった袋を通す事自体が危険でやや難が有り、さらに開封と絞出しが一連に出来ず、利便性が弱いのか普及に至っていない。本発明は、これらの問題点を解決するために発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は従来の問題を解決するため、(イ)U字またはV字型などの、根元は閉じていて先が開放している形状で、手で握ることで先が閉じて密着する絞出し部を持つ、(ロ)絞出し部が、内容物を絞出す方向と逆側に徐々に狭まることで内容物を前面に押出して絞出す、(ハ)絞出し部が抗菌または防汚または抗菌防汚加工されている、(ニ)絞出し部の一部に扁平状袋の開封手段を備え、開封から内容物の絞出しまでを一連に出来る、以上の特徴からなる扁平状袋の絞出し器具を提供するにある。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、従来の方法における内容物の熱さや汚れや衛生面への不安、および作業の容易性において、誰しもが安全簡単で綺麗に扁平状袋の内容物を無駄なく絞出しが出来るものとなり、さらに開封作業も同様に熱さや汚れや衛生面への不安、および作業の容易性において、誰しもが安全簡単で綺麗に出来ることになる。よって、開封から絞出しまで一連に作業できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の扁平状袋の開封絞出し器具は、実施例となる図1から図3の斜視図を元に説明すると、U字型あるいはV字型などの、根元は閉じていて先が開放している形状で、手で握ることで先が閉じて袋を挟み込む本体(1)が、弾力性のあるバネ素材でステンレスなどの金属かプラスチックなど素材でできているものとする。本体(1)はその対向する本体対向部(1’)と本体対向部(1”)からなっている。また本体対向部(1’)と本体対向部(1”)それぞれには袋に密着し請求項2にある内容物を絞出す方向と逆側に徐々に狭まる傾斜した面を持つ約20cmほどの絞出し部(2)が備わっている。この絞出し部(2)の形状により扁平状袋の内容物の大小に関係なく容易に無駄なく綺麗に絞り出す機能性を発揮することが出来る。なお、絞出し部(2)は内容物と接することが多いので請求項3にある抗菌および汚れが付きにくく落としやすい防汚加工されていることが良い。また、扁平状袋の内容物の使用時には、当然ながら始めに開封作業があるので、そのため請求項4にあるように一連として作業できるように袋開封部(3)が備わっている。なお本体対向部(1’)側にある袋開封部(3’)には安全面を考慮し押出してから使用できるように内部にカッター刃が格納されている。使用手順としては本体(1)で袋を挟み込んで袋開封部(3)を開封線にあてがい、袋開封部(3’)側のカッター押しボタン(a)を押すことで格納されていたカッター刃が出て袋を突き破り、カッター刃が袋開封部(3”)側に収められたその状態で扁平袋の開封線に沿ってスライドさせることで安全で綺麗に袋を開封できることとなる。なお、カッター刃の内部格納の実施例として袋開封部(3’)内部の断面図となる図4を元に説明すると、カッター押しボタン(a)とそれに対抗する面にバネ(d)を固定し外れないようにするバネ支柱(c)があり、さらにカッター押出しボタン(a)にはカッター刃(e)が付いていて、そのカッター刃(e)の出方にずれが生じないようにカッター刃の動線に沿ってカッター刃通し(f)がある。そしてカッター押出しボタン(a)を押すことで、カッター刃(e)はその中を突き抜けて図2のカッター刃収所(a”)に収まるものとなる。カッター押出しボタン(a)には念のために安全ストッパー(開示せず)があれば安全性が高まるし、カッター刃が出すぎる危険を考慮しバネ支柱(c)かカッター刃通し(f)の大きさをストッパーにして約3mm以上は刃が出ないよう調整すればさらに安全性が高くなると思われる。また、扁平状袋の代表例であるレトルト食品をお湯で温めた際に取出す作業までを本体を使いトングとして可能にさせることも有効であり、その際は熱湯の高熱を手に伝えない素材にしたり、熱湯が本体に残りこぼれて火傷しないように熱湯を素早く逃がす構造を必要とする。
なお、本発明は、以上述べた実施例に限定されるものではなく、図5や図6のように絞出し部(2)は本体(1)と一体化したものとして、機能も袋の内容物の絞出しに限定した袋開封部(3)のないものや抗菌防汚加工されていないものなども含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の一実施例を示す斜視図
【図2】 図1を裏返した斜視図
【図3】 図2を挟み閉じた斜視図
【図4】 3′袋開封部の内部断面図
【図5】 袋開封部無しの一実施例斜視図(丸棒状型)
【図6】 袋開封部無しの一実施例斜視図(フの字型)
【符号の説明】
【0008】
1、本体
1′、本体の片側の対向部
1″、本体の1’に対向する対向部
2、絞出し部
2′、本体1′側に属する絞出し部
2″、本体1″側に属する絞出し部
3、袋開封部
3′、本体1′側に属する袋開封部
3″、本体1″側に属する袋開封部
a、カッター押出しボタン
a′、カッター刃出所
a″、カッター刃収所
c、バネ支柱
d、バネ
e、カッター刃
f、カッター刃通し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
U字またはV字型などの、根元は閉じていて先が開放している形状で、手で握ることで先が閉じて袋に密着する絞出し部を設けたことを特徴とする扁平状袋の絞出し器具。
【請求項2】
絞出し部が、内容物を絞出す方向と逆側に徐々に狭まることで内容物を前面に押出して絞出すことを特徴とする請求項1に記載の扁平状袋の絞出し器具。
【請求項3】
絞出し部が抗菌または防汚または抗菌防汚加工されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の扁平状袋の絞出し器具。
【請求項4】
絞出し部の一部に扁平状袋の開封手段を備え、開封から内容物の絞出しまでを一連に出来ることを特徴とする請求項1〜3のうち1に記載の扁平状袋の絞出し器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−223833(P2006−223833A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2005−221853(P2005−221853)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(505287807)
【Fターム(参考)】