扉付構造物
【課題】不正解錠を適切に抑制できる扉付構造物を提供する。
【解決手段】扉付構造物であるトイレブースは、扉受け側対向部12aを有する扉受け体12と、扉側対向部13aを有する扉体13と、回動可能な規制部25を有する施錠手段とを備える。トイレブースは、扉側対向部13aに突設し開口部10の閉鎖時に扉受け側対向部12aと当接して間隙15を保持する上下方向長手状の間隙保持体21を備える。この間隙保持体21は、開口部10の閉鎖時に、挿入物が間隙15から規制部25側へ向うのを阻止することによりこの挿入物による規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制する。
【解決手段】扉付構造物であるトイレブースは、扉受け側対向部12aを有する扉受け体12と、扉側対向部13aを有する扉体13と、回動可能な規制部25を有する施錠手段とを備える。トイレブースは、扉側対向部13aに突設し開口部10の閉鎖時に扉受け側対向部12aと当接して間隙15を保持する上下方向長手状の間隙保持体21を備える。この間隙保持体21は、開口部10の閉鎖時に、挿入物が間隙15から規制部25側へ向うのを阻止することによりこの挿入物による規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正解錠を適切に抑制できる扉付構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたトイレブース等の扉付構造物が知られている。
【0003】
この従来の扉付構造物は、扉受け体と、扉受け体から離れる開方向に向って回動して開口部を開口させ扉受け体に接近する閉方向に向って回動して開口部を閉鎖する扉体と、開口部の閉鎖時に扉受け体および扉体間の手挟み防止用の間隙を保持する戸当り等の間隙保持体とを備えている。そして、この手挟み防止用の間隙の存在によって、扉受け体と扉体とでの間で、トイレ使用者、特に子供等が手を挟まないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3082163号公報(図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、近年では、この種のトイレブース等の扉付構造物に関し、施錠手段を設けた場合において、開口部の閉鎖時に手挟み防止用の間隙から、施錠手段が不正に解錠されないものが求められている。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、不正解錠を適切に抑制できる扉付構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の扉付構造物は、側端部に扉受け側対向部を有する扉受け体と、この扉受け体から離れる開方向に向って回動して開口部を開口させかつ前記扉受け体に接近する閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖するもので、側端部に前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部と手挟み防止用の間隙を介して離間対向する扉側対向部を有する扉体と、前記扉体の開方向への回動を規制する規制状態および前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となる規制部を有する施錠手段と、前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか一方にいずれか他方に向って突設され、前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか他方と当接することにより前記間隙を保持する上下方向長手状の間隙保持体とを備え、前記間隙保持体は、前記開口部の閉鎖時に挿入物が前記間隙から前記規制部側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物による前記規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制するものである。
【0008】
請求項2記載の扉付構造物は、請求項1記載の扉付構造物において、間隙保持体は、この間隙保持体の全長にわたって位置する当接面を有し、前記当接面全体が、開口部の閉鎖時に扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか他方と当接するものである。
【0009】
請求項3記載の扉付構造物は、請求項1または2記載の扉付構造物において、施錠手段の規制部は、下方回動により扉体の開方向への回動を規制する規制状態となりかつ上方回動により前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となるものであり、前記施錠手段の規制部の下方回動を規制してこの規制部を規制状態に位置決めする規制部位置決め体を備え、前記間隙保持体が、前記規制部位置決め体と略同一高さに位置する下端側部分とこの下端側部分から上方に向って延在する延在部分とにて構成されているものである。
【0010】
請求項4記載の扉付構造物は、請求項1ないし3のいずれか一記載の扉付構造物において、扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方を間隙保持体とともに挟持する上下方向長手状の板状体を備えるものである。
【0011】
請求項5記載の扉付構造物は、請求項1ないし4のいずれか一記載の扉付構造物において、便器が配設されるトイレ空間部を備えるトイレブースであるものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、間隙保持体は開口部の閉鎖時に挿入物が間隙から規制部側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物による規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制するため、不正解錠を適切に抑制できる。
【0013】
請求項2に係る発明よれば、間隙保持体はこの間隙保持体の全長にわたって位置する当接面を有し、この当接面全体が開口部の閉鎖時に扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか他方と当接するため、開口部の閉鎖の際に扉体に作用する衝撃力を適切に分散できる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、規制部位置決め体にて施錠手段の規制部を規制状態に適切に位置決めできるとともに、間隙保持体の延在部分にて挿入物が間隙から規制部側へ挿入されるのを適切に阻止できる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方を間隙保持体とともに挟持する上下方向長手状の板状体を備えるため、この板状体にて扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方の補強を図ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、便器が配設されるトイレ空間部の外側から、間隙を利用して施錠手段の規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を適切に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係るトイレブースの部分平面図である。
【図2】同上トイレブースの施錠時の部分正面図である。
【図3】同上トイレブースの施錠時の部分平面図である。
【図4】同上トイレブースの間隙保持体の側面視断面図である。
【図5】同上トイレブースの解錠時の部分正面図である。
【図6】同上トイレブースの解錠時の部分平面図である。
【図7】同上トイレブースの概略平面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係るトイレブースの部分平面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態に係るトイレブースの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施の形態を図1ないし図7を参照して説明する。
【0019】
図7において、1は扉付構造物であるトイレブースで、このトイレブース1は、例えば扉内開き式のもので、所定の大きさのトイレ空間部2を備えている。トイレ空間部2には、例えば洋式の便器3が配設されている。
【0020】
トイレブース1は、図7に示されるように、トイレ空間部2を介して互いに離間対向する略矩形板状で鉛直状の左右1対の側板、つまり左側板6および右側板7を備え、これら両側板6,7の後端部が被固定部である壁部8に固定されている。
【0021】
左側板6の前端部には、トイレ空間部2の左側の前面を覆う略矩形板状で鉛直状の袖パネル等の扉被取付体11が左側板6に対して直交状に固設されている。つまり、扉被取付体11の左端部が左側板6の前端部に固定されている。
【0022】
右側板7の前端部には、トイレ空間部2の右側の前面を覆う略矩形板状で鉛直状の袖パネル等の扉受け体12が右側板7に対して直交状に固設されている。つまり、扉受け体12の右端部が右側板7の前端部に固定されている。
【0023】
そして、互いに離間対向する左右1対の前板間、つまり扉被取付体11の右端部および扉受け体12の左端部間には、トイレ空間部2に対する出入口である略矩形状の開口部10が位置する。つまり、例えば大人であるトイレ使用者(使用者)は、開口した開口部10を通って、トイレ空間部2に対して出入りする。
【0024】
また、扉被取付体11の右端部には、扉受け体12から離れる開方向(図7では、反時計回り)である後方に向って上下方向の軸線aを中心として回動して開口部10を開口させかつ扉受け体12に接近する閉方向(図7では、時計回り)である前方に向って上下方向の軸線aを中心として回動して開口部10を閉鎖する略矩形板状で鉛直状の内開き式の扉体13がヒンジ14を介して前後方向に回動可能に設けられている。つまり、扉体13の幅方向一端部としての戸尻側端部である左端部が扉被取付体11の右端部にヒンジ14を介して上下方向の軸線aを中心として回動可能に取り付けられ、この扉体13の幅方向他端部としての戸先側端部である右端部が自由端部となっている。
【0025】
扉体13の幅寸法は開口部10の幅寸法(左右方向長さ寸法)より大きく、開口部10の閉鎖時には扉体13の右端部が扉受け体12の左端部と正面視(前方視)で重なり合うようになっている。
【0026】
つまり、トイレブース1は扉受け体12および扉体13を備え、扉受け体12は側端部である左端部に扉受け側対向部(重なり部)12aを有し、扉体13は側端部である右端部に開口部10の閉鎖時に扉受け側対向部12aと手挟み防止用の間隙15を介して離間対向した状態で扉受け側対向部12aの後方に位置する扉側対向部13aを有している。
【0027】
そして、図1ないし図6に示すように、トイレブース1は、互いに離間対向する扉受け側対向部12aおよび扉側対向部13aの両対向面のいずれか一方、例えば扉側対向部13aの対向面である前面に、いずれか他方、例えば扉受け側対向部12aの対向面である後面に向ってつまり前方に向って突設された上下方向長手状の間隙保持体21と、扉側対向部13aの後面にこの後面に沿って設けられ扉側対向部13aの一部を間隙保持体21とともに前後から挟持する上下方向長手状の部品取付用プレート等の補強板である板状体22とを備えている。
【0028】
また、トイレブース1は、開口部10の閉鎖時に前後方向(水平方向)の軸線bを中心とする略90度下方回動により扉体13の開方向への回動を規制する規制状態となりかつ開口部10の閉鎖時に前後方向の軸線bを中心とする上方回動により扉体13の開方向への回動を許容する許容状態となる上下回動可能な操作レバー等の規制部25を有する施錠手段26を備えている。つまり、このロック装置である施錠手段26は、開口部10の閉鎖時に扉体13の扉側対向部13aと板状体22を介して当接することにより扉体13の開方向への回動を規制する規制状態および開口部10の閉鎖時に扉体13の扉側対向部13aとは当接せず扉体13の開方向への回動を許容する許容状態に回動操作により選択的に切り換えられる回動可能な規制部25を有している。
【0029】
さらに、トイレブース1は、開口部10の閉鎖時に施錠手段26の規制部25との当接によりこの規制部25の下方回動を規制してこの規制部25を規制状態に位置決めする規制部受け体である規制部位置決め体23を備えている。
【0030】
そして、このトイレブース1では、間隙保持体21は、開口部10の閉鎖時でかつ施錠手段26の施錠時に、扉受け側対向部12aの後面と面状に当接することにより間隙15を保持し、かつ、人の手等の挿入物Sがその間隙15から規制状態の規制部25側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物Sによる規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制する。つまり、間隙保持体21は、間隙保持機能と不正解錠抑制機能とを兼ね備えたものである。
【0031】
なお、挿入物Sは、例えば図2に示すような大人の手であり、手はトイレ空間部2の外側である外部から間隙15に少し入ったとしても間隙保持体21の側面に当たりそれ以上奥には挿入不可能なため、その手で規制部25を上方回動させることはできない。
【0032】
ここで、間隙保持体21は、幅寸法が規制部位置決め体23の幅寸法と同じであるが、上下方向長さ寸法が規制部位置決め体23の上下方向長さ寸法より大きなもので、例えば上下面が略円弧面状をなす上下方向に細長いブロック状に形成されている。
【0033】
この間隙保持体21は、扉体13の扉側対向部13aの前面における上下方向中間部である上下方向略中央部に前方に向って突出状に固設されており、開口部10の閉鎖時には間隙保持体21の上下方向中間部が正面視で規制状態の規制部25と重なり合うようになっている(図2参照)。
【0034】
そして、間隙保持体21はこの間隙保持体21の上下方向全長にわたって位置する当接面21aを前面に有し、この当接面21aの全体が開口部10の閉鎖時に扉受け体12の扉受け側対向部12aの後面の所定部分と面状に当接する。
【0035】
また、間隙保持体21は、図4に示されるように、例えば2つの部品からなるもので、扉受け体12の扉受け側対向部12aの後面と当接する上下方向長手状の当接部材(第1部品)32と、この当接部材32に脱着可能に取り付けられた上下方向長手状の樹脂製のスペーサ部材(第2部品)33とにて構成されている。
【0036】
当接部材32は、上下方向に細長い略板状のゴム製の当接部31と、この当接部31の下端部後面から後方に向って突出する略円筒状の金属製の複数、例えば2つの下ナット部34と、当接部31の上端部後面から後方に向って突出する略円筒状の金属製の複数、例えば2つの上ナット部54とを有している。下ナット部34の内周面にはねじ溝35が形成され、上ナット部54の内周面にはねじ溝55が形成されている。
【0037】
スペーサ部材33の下端部には複数、例えば2つの下嵌合孔36が形成され、この下嵌合孔36に下ナット部34が嵌合されている。スペーサ部材33の上端部には複数、例えば2つの上嵌合孔56が形成され、この上嵌合孔56に上ナット部54が嵌合されている。
【0038】
なお、図4に示されるように、間隙保持体21は、規制部位置決め体23と略同一高さ(同一高さを含む)に位置する下端側部分51と、この下端側部分51に一体に設けられこの下端側部分51から上方に向って延在する不正解錠抑制用の延在部分(延長部分)52とにて構成されている。
【0039】
また、扉体13の扉側対向部13aのうち、間隙保持体21の下端部(下端側部分51)が固定される部分つまり間隙保持体21の下端部と規制部位置決め体23とにて前後から挟持される部分には、複数、例えば2つの貫通孔である下ボルト用孔38が形成されている。扉体13の扉側対向部13aのうち、間隙保持体21の上端部が固定される部分には、複数、例えば2つの貫通孔である上ボルト用孔58が形成されている。
【0040】
規制部位置決め体23は、扉体13の扉側対向部13aの後面における上下方向中間部である上下方向略中央部に後方に向って突出状に板状体22を介して固設されている。規制部位置決め体23は、例えば上下面が略円弧面状をなすブロック状に形成されている。また、規制部位置決め体23は、開口部10の閉鎖時に施錠手段26の規制部25が当接してこの規制部25の下方回動を規制してこの規制部25を規制状態に位置決めするゴム製の被当接部である位置決め部41を上部に有している。規制部位置決め体23の金属製の本体部42には、複数、例えば2つの貫通孔であるボルト用孔43が形成されている。
【0041】
板状体22は、例えば正面視で間隙保持体21と同一形状のもので、ステンレス等の金属板にて構成されている。そして、板状体22は、扉体13の扉側対向部13aの後面における上下方向中間部である上下方向略中央部に固設されている。また、板状体22の下端部には複数、例えば2つの貫通孔である下ボルト用孔46が形成され、板状体22の上端部には複数、例えば2つの貫通孔である上ボルト用孔47が形成されている。上ボルト用孔47は、扉体13側に向って縮径する略截頭円錐状に形成されている。なお、板状体22の厚さ寸法は例えば3mm程度で、この板状体22は平面視で扉側対向部13aと規制状態の規制部25との間に位置するようになっている。
【0042】
そして、互いに一致したボルト用孔43および下ボルト用孔38,46に下固定手段である下ボルト44が挿入されてこの下ボルト44の先端側が当接部材32の下ナット部34に螺合締付されることにより、規制部位置決め体23と板状体22の下端部と間隙保持体21の下端部とが扉体13の扉側対向部13aに対して同時に固定されている。
【0043】
なお、板状体22のうち規制部位置決め体23と扉側対向部13aの一部とにて挟持された部分の上方近傍部分が、規制状態の規制部25と当接する当接部45となっている。下ボルト44の頭部44aは、規制部位置決め体23のボルト用孔43内に位置しており、規制部位置決め体23から突出してない。
【0044】
また、互いに一致した上ボルト用孔47,58に上固定手段である上ボルト59が挿入されてこの上ボルト59の先端側が当接部材32の上ナット部54に螺合締付されることにより、板状体22の上端部と間隙保持体21の上端部とが扉体13の扉側対向部13aに対して同時に固定されている。なお、上ボルト59の頭部59aは、板状体22の上ボルト用孔47内に位置しており、板状体22から突出してない。
【0045】
一方、施錠手段26は、規制部位置決め体23と略同一高さ(同一高さを含む)に位置するもので、扉受け体12の扉受け側対向部12aの近傍における上下方向中間部である上下方向略中央部に固設されている。
【0046】
施錠手段26は、扉受け側対向部12aの近傍の上下方向略中央部に固定された本体部61を有している。本体部61は、扉受け体12の前面から突出する略円錐状の一方側突出部分である前側突出部分62と、扉受け体12の後面から突出する略円柱状の他方側突出部分である後側突出部分63とを有している。
【0047】
なお、間隙15の大きさに応じて本体部61の前後方向長さ寸法が調整可能となっている。前側突出部分62には、規制部25が規制状態であるか許容状態であるかを示す表示部64が設けられている。この表示部64は、略扇形状の窓部65から前方に向って露出している。
【0048】
また、本体部61の後側突出部分63の後端部には、回動操作部である規制部25が軸線bを中心として上下方向に回動可能に設けられている。規制部25は、下方回動により規制部位置決め体23の位置決め部41と当接し、扉体13の扉側対向部13aと板状体22の当接部45を介して係合可能つまり当接可能な規制状態となる。規制部25は、上方回動により規制部位置決め体23の位置決め部41から上方に離れ、扉体13の扉側対向部13aと係合不可能つまり当接不可能な許容状態となる。すなわち、規制部25は、トイレ使用者の回動操作に基づく本体部61に対する略90度の下方回動によって水平姿勢の規制状態となり、トイレ使用者の回動操作に基づく本体部61に対する略90度の上方回動によって鉛直姿勢の許容状態となる。
【0049】
規制部25は、本体部61に軸線bを中心として回動可能に設けられた略円板状の回動部分66と、この回動部分66に軸線bに対して直交する方向に向って突設された鉛直板状のアーム部分67と、このアーム部分67の先端部に設けられ規制部25の規制状態時に規制部位置決め体23の位置決め部41と当接する鉛直板状の当接部分68と、この当接部分68の後面に後方に向って突設されトイレ使用者が手で摘む水平板状の操作部分である摘み部分69とを有している。
【0050】
アーム部分67は、規制部25の規制状態時に左右方向に沿って位置する第1板71と、規制部25の規制状態時に第1板71の端部から左斜め後方に向って突出し第1板71に対して傾斜状に位置する第2板72とを有している。当接部分68の外周部は、例えば略U字状のゴム製の板材68aにて構成されている。また、当接部分68は、規制部25の規制状態時において扉体13が開方向に若干回動した際に、板状体22の当接部45が当接する当接面70を前面に有している。
【0051】
図1に示されるように、扉体13の側端面である右端面と施錠手段26の本体部61との間には隙間74があり、規制部25の規制状態時にはこの規制状態の規制部25のアーム部分67が隙間74に近接対向して位置する。
【0052】
また、間隙15の前後方向長さ寸法Aは、大人の使用者が手の指を挟まない程度の大きさで、例えば20mm以上、好ましくは25mm〜40mm、さらに好ましくは25mmまたは26mmである。扉受け体12の扉受け側対向部12aの左右方向長さ寸法(ラップ部分の幅寸法)Bは、例えば20mm〜100mm、好ましくは30mm〜80mm、さらに好ましくは50mmである。扉体13の厚さ寸法および扉受け体12の厚さ寸法は、それぞれ例えば13mmである。
【0053】
さらに、間隙保持体21の延在部分52の上下方向長さ寸法Cは、下端側部分51の上下方向長さ寸法Dよりも大きく、例えば100mm以上で、好ましくは120mmである。
【0054】
また、間隙保持体21の上端が略鉛直姿勢の許容状態の規制部25の上端と同じ高さかそれ以上高くなっていること、つまり、間隙保持体21の先端の高さ位置は、規制部25が略鉛直姿勢の許容状態になったときの規制部25の先端の高さ位置以上であること、言い換えれば、間隙保持体21の延在部分52の上下方向長さ寸法Cは、長手状の規制部25の長さ寸法以上であること、すなわち、間隙保持体21の延在部分52は、規制部位置決め体23から規制部25が略鉛直姿勢の許容状態になったときの規制部25の先端の高さ以上までの範囲を有していることが好ましい(図5参照)。
【0055】
次に、上記トイレブース1の作用等を説明する。
【0056】
トイレ使用者は、施錠手段26の表示部64を確認してから、扉体13を後方に押して開方向に回動させることにより開口部10を開口させ、トイレ空間部2の内側に入る。
【0057】
トイレ空間部2内に入ったトイレ使用者は、扉体13を前方に押してまたは自動回動機構を有していれば手を扉体13から離して、扉体13を閉方向に回動させることによりその扉体13で開口部10を閉鎖するが、この際、扉受け体12および扉体13間に位置した1つのみの上下方向長手状の間隙保持体21にて、扉受け側対向部12aと扉側対向部13aとの間に手挟み防止用の間隙15が保持されるため、トイレ使用者は、両対向部12a,13a間で手の指を挟まない。
【0058】
次いで、トイレ使用者は、施錠手段26を規制部25が許容状態にある解錠状態から規制部25が規制状態にある施錠状態に手動で切り換える。つまり、許容状態の規制部25を、その当接部分68が規制部位置決め体23の位置決め部41に当接するまで本体部61に対して下方回動させて許容状態から規制状態に切り換える。
【0059】
そして、この規制部25が規制状態に切り換えられた施錠手段26の施錠状態時において、例えば図2に示すように、誰かがいたずら等で、トイレ空間部2の外側から施錠手段26を不正解錠しようとした場合、間隙15に挿入しようとした挿入物Sである手の指は、間隙保持体21の施錠手段26側とは反対側の側面に当たりそれ以上奥には行けず、規制状態の規制部25には届かない。
【0060】
こうして、間隙保持体21によって挿入物Sである手による規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠が防止される。
【0061】
そして、このようなトイレブース1によれば、間隙保持体21は開口部10の閉鎖時に挿入物Sが間隙15から規制部25側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物Sによる規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制するため、不正解錠を適切に抑制できる。
【0062】
また、間隙保持体21はこの間隙保持体21の全長にわたって位置する当接面21aを有し、この当接面21a全体が開口部10の閉鎖時に扉受け側対向部12aと面状に当接するため、開口部10の閉鎖の際に扉体13に作用する衝撃力を適切に分散できる。つまり、開口部10の閉鎖の際に、扉体13は、上下方向に長手状に形成された間隙保持体21を介して、扉受け体12に当接するため、例えば上下方向長さ寸法が規制部位置決め体23の上下方向長さ寸法と同じ間隙保持体を用いた場合等と比べて、扉体13に作用する衝撃力を適切に分散でき、クッション性の向上を図ることができる。
【0063】
さらに、規制部位置決め体23にて施錠手段26の規制部25を規制状態に適切に位置決めできるとともに、間隙保持体21の延在部分52にて挿入物Sが間隙15から規制状態の規制部25側へ挿入されるのを適切に阻止でき、不正解錠をより一層適切に抑制できる。
【0064】
また、扉体13の扉側対向部13aを間隙保持体21とともに挟持する板状体22を備えるため、扉側対向部13aの補強を図ることができ、また、規制状態の規制部25を板状体22の当接部45に当接させることで規制状態の規制部25が扉体13に直接当接することを回避でき、扉体13の損傷等を防止できる。
【0065】
なお、トイレブース1は、例えば図8に示すように、トイレ空間部2の外側からトイレ空間部2の内側が見えないようにするための目隠し用のゴム板81が間隙15の全体を覆うように設けられた構成等でもよい。この図8の例では、ゴム板81は、幅方向略中央部で折り曲げられた上下方向長手状のもので、例えば扉体13の扉側対向部13aの前面に取り付けられている。
【0066】
また、トイレブース1は、扉体13がトイレ空間部2の内側に向って回動する扉内開き式のものには限定されず、例えば図9に示すように、扉体13がトイレ空間部2の外側に向って回動する扉外開き式のもの等であっても同様の作用効果を奏し得る。
【0067】
この図9の例では、左側板6の前端部に扉受け体12が固設され、右側板7の前端部に扉被取付体11が固設され、この扉被取付体11に扉体13がヒンジ14を介して軸線aを中心として回動可能に設けられている。また、扉体13には間隙保持体21および施錠手段26が設けられ、扉受け側対向部12aには規制部位置決め体23が設けられている。
【0068】
さらに、いずれの実施の形態においても、例えば間隙保持体21が扉受け側対向部12aに扉側対向部13aに向って突設され、この間隙保持体21と板状体22とにて扉受け側対向部12aの一部が挟持された構成等でもよい。
【0069】
また、例えば板状体22を有さず、ボルト44,59の頭部44a,59aが扉体13に埋設されるようにボルト44,59で間隙保持体21を扉体13に固定した構成等でもよい。
【0070】
さらに、固定手段としてボルト44,59を用いた構成には限定されず、例えば釘、リベット、接着剤等の他の固定手段を用いて間隙保持体21を固定した構成等でもよい。
【0071】
また、トイレブース1は、左右方向に並ぶ複数のトイレ空間部2を有する構成等でもよい。
【0072】
さらに、扉付構造物は、トイレブース1には限定されず、例えば展示会場等のブースや、プレハブ、或いは建物の出入口に設けられる扉装置等でよく、またブースの一部(扉装置)等でもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 扉付構造物であるトイレブース
2 トイレ空間部
3 便器
10 開口部
12 扉受け体
12a 扉受け側対向部
13 扉体
13a 扉側対向部
15 手挟み防止用の間隙
21 間隙保持体
21a 当接面
22 板状体
23 規制部位置決め体
25 規制部
26 施錠手段
51 下端側部分
52 延在部分
S 挿入物
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正解錠を適切に抑制できる扉付構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたトイレブース等の扉付構造物が知られている。
【0003】
この従来の扉付構造物は、扉受け体と、扉受け体から離れる開方向に向って回動して開口部を開口させ扉受け体に接近する閉方向に向って回動して開口部を閉鎖する扉体と、開口部の閉鎖時に扉受け体および扉体間の手挟み防止用の間隙を保持する戸当り等の間隙保持体とを備えている。そして、この手挟み防止用の間隙の存在によって、扉受け体と扉体とでの間で、トイレ使用者、特に子供等が手を挟まないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3082163号公報(図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、近年では、この種のトイレブース等の扉付構造物に関し、施錠手段を設けた場合において、開口部の閉鎖時に手挟み防止用の間隙から、施錠手段が不正に解錠されないものが求められている。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、不正解錠を適切に抑制できる扉付構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の扉付構造物は、側端部に扉受け側対向部を有する扉受け体と、この扉受け体から離れる開方向に向って回動して開口部を開口させかつ前記扉受け体に接近する閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖するもので、側端部に前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部と手挟み防止用の間隙を介して離間対向する扉側対向部を有する扉体と、前記扉体の開方向への回動を規制する規制状態および前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となる規制部を有する施錠手段と、前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか一方にいずれか他方に向って突設され、前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか他方と当接することにより前記間隙を保持する上下方向長手状の間隙保持体とを備え、前記間隙保持体は、前記開口部の閉鎖時に挿入物が前記間隙から前記規制部側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物による前記規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制するものである。
【0008】
請求項2記載の扉付構造物は、請求項1記載の扉付構造物において、間隙保持体は、この間隙保持体の全長にわたって位置する当接面を有し、前記当接面全体が、開口部の閉鎖時に扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか他方と当接するものである。
【0009】
請求項3記載の扉付構造物は、請求項1または2記載の扉付構造物において、施錠手段の規制部は、下方回動により扉体の開方向への回動を規制する規制状態となりかつ上方回動により前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となるものであり、前記施錠手段の規制部の下方回動を規制してこの規制部を規制状態に位置決めする規制部位置決め体を備え、前記間隙保持体が、前記規制部位置決め体と略同一高さに位置する下端側部分とこの下端側部分から上方に向って延在する延在部分とにて構成されているものである。
【0010】
請求項4記載の扉付構造物は、請求項1ないし3のいずれか一記載の扉付構造物において、扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方を間隙保持体とともに挟持する上下方向長手状の板状体を備えるものである。
【0011】
請求項5記載の扉付構造物は、請求項1ないし4のいずれか一記載の扉付構造物において、便器が配設されるトイレ空間部を備えるトイレブースであるものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、間隙保持体は開口部の閉鎖時に挿入物が間隙から規制部側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物による規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制するため、不正解錠を適切に抑制できる。
【0013】
請求項2に係る発明よれば、間隙保持体はこの間隙保持体の全長にわたって位置する当接面を有し、この当接面全体が開口部の閉鎖時に扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか他方と当接するため、開口部の閉鎖の際に扉体に作用する衝撃力を適切に分散できる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、規制部位置決め体にて施錠手段の規制部を規制状態に適切に位置決めできるとともに、間隙保持体の延在部分にて挿入物が間隙から規制部側へ挿入されるのを適切に阻止できる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方を間隙保持体とともに挟持する上下方向長手状の板状体を備えるため、この板状体にて扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方の補強を図ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、便器が配設されるトイレ空間部の外側から、間隙を利用して施錠手段の規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を適切に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係るトイレブースの部分平面図である。
【図2】同上トイレブースの施錠時の部分正面図である。
【図3】同上トイレブースの施錠時の部分平面図である。
【図4】同上トイレブースの間隙保持体の側面視断面図である。
【図5】同上トイレブースの解錠時の部分正面図である。
【図6】同上トイレブースの解錠時の部分平面図である。
【図7】同上トイレブースの概略平面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係るトイレブースの部分平面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態に係るトイレブースの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施の形態を図1ないし図7を参照して説明する。
【0019】
図7において、1は扉付構造物であるトイレブースで、このトイレブース1は、例えば扉内開き式のもので、所定の大きさのトイレ空間部2を備えている。トイレ空間部2には、例えば洋式の便器3が配設されている。
【0020】
トイレブース1は、図7に示されるように、トイレ空間部2を介して互いに離間対向する略矩形板状で鉛直状の左右1対の側板、つまり左側板6および右側板7を備え、これら両側板6,7の後端部が被固定部である壁部8に固定されている。
【0021】
左側板6の前端部には、トイレ空間部2の左側の前面を覆う略矩形板状で鉛直状の袖パネル等の扉被取付体11が左側板6に対して直交状に固設されている。つまり、扉被取付体11の左端部が左側板6の前端部に固定されている。
【0022】
右側板7の前端部には、トイレ空間部2の右側の前面を覆う略矩形板状で鉛直状の袖パネル等の扉受け体12が右側板7に対して直交状に固設されている。つまり、扉受け体12の右端部が右側板7の前端部に固定されている。
【0023】
そして、互いに離間対向する左右1対の前板間、つまり扉被取付体11の右端部および扉受け体12の左端部間には、トイレ空間部2に対する出入口である略矩形状の開口部10が位置する。つまり、例えば大人であるトイレ使用者(使用者)は、開口した開口部10を通って、トイレ空間部2に対して出入りする。
【0024】
また、扉被取付体11の右端部には、扉受け体12から離れる開方向(図7では、反時計回り)である後方に向って上下方向の軸線aを中心として回動して開口部10を開口させかつ扉受け体12に接近する閉方向(図7では、時計回り)である前方に向って上下方向の軸線aを中心として回動して開口部10を閉鎖する略矩形板状で鉛直状の内開き式の扉体13がヒンジ14を介して前後方向に回動可能に設けられている。つまり、扉体13の幅方向一端部としての戸尻側端部である左端部が扉被取付体11の右端部にヒンジ14を介して上下方向の軸線aを中心として回動可能に取り付けられ、この扉体13の幅方向他端部としての戸先側端部である右端部が自由端部となっている。
【0025】
扉体13の幅寸法は開口部10の幅寸法(左右方向長さ寸法)より大きく、開口部10の閉鎖時には扉体13の右端部が扉受け体12の左端部と正面視(前方視)で重なり合うようになっている。
【0026】
つまり、トイレブース1は扉受け体12および扉体13を備え、扉受け体12は側端部である左端部に扉受け側対向部(重なり部)12aを有し、扉体13は側端部である右端部に開口部10の閉鎖時に扉受け側対向部12aと手挟み防止用の間隙15を介して離間対向した状態で扉受け側対向部12aの後方に位置する扉側対向部13aを有している。
【0027】
そして、図1ないし図6に示すように、トイレブース1は、互いに離間対向する扉受け側対向部12aおよび扉側対向部13aの両対向面のいずれか一方、例えば扉側対向部13aの対向面である前面に、いずれか他方、例えば扉受け側対向部12aの対向面である後面に向ってつまり前方に向って突設された上下方向長手状の間隙保持体21と、扉側対向部13aの後面にこの後面に沿って設けられ扉側対向部13aの一部を間隙保持体21とともに前後から挟持する上下方向長手状の部品取付用プレート等の補強板である板状体22とを備えている。
【0028】
また、トイレブース1は、開口部10の閉鎖時に前後方向(水平方向)の軸線bを中心とする略90度下方回動により扉体13の開方向への回動を規制する規制状態となりかつ開口部10の閉鎖時に前後方向の軸線bを中心とする上方回動により扉体13の開方向への回動を許容する許容状態となる上下回動可能な操作レバー等の規制部25を有する施錠手段26を備えている。つまり、このロック装置である施錠手段26は、開口部10の閉鎖時に扉体13の扉側対向部13aと板状体22を介して当接することにより扉体13の開方向への回動を規制する規制状態および開口部10の閉鎖時に扉体13の扉側対向部13aとは当接せず扉体13の開方向への回動を許容する許容状態に回動操作により選択的に切り換えられる回動可能な規制部25を有している。
【0029】
さらに、トイレブース1は、開口部10の閉鎖時に施錠手段26の規制部25との当接によりこの規制部25の下方回動を規制してこの規制部25を規制状態に位置決めする規制部受け体である規制部位置決め体23を備えている。
【0030】
そして、このトイレブース1では、間隙保持体21は、開口部10の閉鎖時でかつ施錠手段26の施錠時に、扉受け側対向部12aの後面と面状に当接することにより間隙15を保持し、かつ、人の手等の挿入物Sがその間隙15から規制状態の規制部25側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物Sによる規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制する。つまり、間隙保持体21は、間隙保持機能と不正解錠抑制機能とを兼ね備えたものである。
【0031】
なお、挿入物Sは、例えば図2に示すような大人の手であり、手はトイレ空間部2の外側である外部から間隙15に少し入ったとしても間隙保持体21の側面に当たりそれ以上奥には挿入不可能なため、その手で規制部25を上方回動させることはできない。
【0032】
ここで、間隙保持体21は、幅寸法が規制部位置決め体23の幅寸法と同じであるが、上下方向長さ寸法が規制部位置決め体23の上下方向長さ寸法より大きなもので、例えば上下面が略円弧面状をなす上下方向に細長いブロック状に形成されている。
【0033】
この間隙保持体21は、扉体13の扉側対向部13aの前面における上下方向中間部である上下方向略中央部に前方に向って突出状に固設されており、開口部10の閉鎖時には間隙保持体21の上下方向中間部が正面視で規制状態の規制部25と重なり合うようになっている(図2参照)。
【0034】
そして、間隙保持体21はこの間隙保持体21の上下方向全長にわたって位置する当接面21aを前面に有し、この当接面21aの全体が開口部10の閉鎖時に扉受け体12の扉受け側対向部12aの後面の所定部分と面状に当接する。
【0035】
また、間隙保持体21は、図4に示されるように、例えば2つの部品からなるもので、扉受け体12の扉受け側対向部12aの後面と当接する上下方向長手状の当接部材(第1部品)32と、この当接部材32に脱着可能に取り付けられた上下方向長手状の樹脂製のスペーサ部材(第2部品)33とにて構成されている。
【0036】
当接部材32は、上下方向に細長い略板状のゴム製の当接部31と、この当接部31の下端部後面から後方に向って突出する略円筒状の金属製の複数、例えば2つの下ナット部34と、当接部31の上端部後面から後方に向って突出する略円筒状の金属製の複数、例えば2つの上ナット部54とを有している。下ナット部34の内周面にはねじ溝35が形成され、上ナット部54の内周面にはねじ溝55が形成されている。
【0037】
スペーサ部材33の下端部には複数、例えば2つの下嵌合孔36が形成され、この下嵌合孔36に下ナット部34が嵌合されている。スペーサ部材33の上端部には複数、例えば2つの上嵌合孔56が形成され、この上嵌合孔56に上ナット部54が嵌合されている。
【0038】
なお、図4に示されるように、間隙保持体21は、規制部位置決め体23と略同一高さ(同一高さを含む)に位置する下端側部分51と、この下端側部分51に一体に設けられこの下端側部分51から上方に向って延在する不正解錠抑制用の延在部分(延長部分)52とにて構成されている。
【0039】
また、扉体13の扉側対向部13aのうち、間隙保持体21の下端部(下端側部分51)が固定される部分つまり間隙保持体21の下端部と規制部位置決め体23とにて前後から挟持される部分には、複数、例えば2つの貫通孔である下ボルト用孔38が形成されている。扉体13の扉側対向部13aのうち、間隙保持体21の上端部が固定される部分には、複数、例えば2つの貫通孔である上ボルト用孔58が形成されている。
【0040】
規制部位置決め体23は、扉体13の扉側対向部13aの後面における上下方向中間部である上下方向略中央部に後方に向って突出状に板状体22を介して固設されている。規制部位置決め体23は、例えば上下面が略円弧面状をなすブロック状に形成されている。また、規制部位置決め体23は、開口部10の閉鎖時に施錠手段26の規制部25が当接してこの規制部25の下方回動を規制してこの規制部25を規制状態に位置決めするゴム製の被当接部である位置決め部41を上部に有している。規制部位置決め体23の金属製の本体部42には、複数、例えば2つの貫通孔であるボルト用孔43が形成されている。
【0041】
板状体22は、例えば正面視で間隙保持体21と同一形状のもので、ステンレス等の金属板にて構成されている。そして、板状体22は、扉体13の扉側対向部13aの後面における上下方向中間部である上下方向略中央部に固設されている。また、板状体22の下端部には複数、例えば2つの貫通孔である下ボルト用孔46が形成され、板状体22の上端部には複数、例えば2つの貫通孔である上ボルト用孔47が形成されている。上ボルト用孔47は、扉体13側に向って縮径する略截頭円錐状に形成されている。なお、板状体22の厚さ寸法は例えば3mm程度で、この板状体22は平面視で扉側対向部13aと規制状態の規制部25との間に位置するようになっている。
【0042】
そして、互いに一致したボルト用孔43および下ボルト用孔38,46に下固定手段である下ボルト44が挿入されてこの下ボルト44の先端側が当接部材32の下ナット部34に螺合締付されることにより、規制部位置決め体23と板状体22の下端部と間隙保持体21の下端部とが扉体13の扉側対向部13aに対して同時に固定されている。
【0043】
なお、板状体22のうち規制部位置決め体23と扉側対向部13aの一部とにて挟持された部分の上方近傍部分が、規制状態の規制部25と当接する当接部45となっている。下ボルト44の頭部44aは、規制部位置決め体23のボルト用孔43内に位置しており、規制部位置決め体23から突出してない。
【0044】
また、互いに一致した上ボルト用孔47,58に上固定手段である上ボルト59が挿入されてこの上ボルト59の先端側が当接部材32の上ナット部54に螺合締付されることにより、板状体22の上端部と間隙保持体21の上端部とが扉体13の扉側対向部13aに対して同時に固定されている。なお、上ボルト59の頭部59aは、板状体22の上ボルト用孔47内に位置しており、板状体22から突出してない。
【0045】
一方、施錠手段26は、規制部位置決め体23と略同一高さ(同一高さを含む)に位置するもので、扉受け体12の扉受け側対向部12aの近傍における上下方向中間部である上下方向略中央部に固設されている。
【0046】
施錠手段26は、扉受け側対向部12aの近傍の上下方向略中央部に固定された本体部61を有している。本体部61は、扉受け体12の前面から突出する略円錐状の一方側突出部分である前側突出部分62と、扉受け体12の後面から突出する略円柱状の他方側突出部分である後側突出部分63とを有している。
【0047】
なお、間隙15の大きさに応じて本体部61の前後方向長さ寸法が調整可能となっている。前側突出部分62には、規制部25が規制状態であるか許容状態であるかを示す表示部64が設けられている。この表示部64は、略扇形状の窓部65から前方に向って露出している。
【0048】
また、本体部61の後側突出部分63の後端部には、回動操作部である規制部25が軸線bを中心として上下方向に回動可能に設けられている。規制部25は、下方回動により規制部位置決め体23の位置決め部41と当接し、扉体13の扉側対向部13aと板状体22の当接部45を介して係合可能つまり当接可能な規制状態となる。規制部25は、上方回動により規制部位置決め体23の位置決め部41から上方に離れ、扉体13の扉側対向部13aと係合不可能つまり当接不可能な許容状態となる。すなわち、規制部25は、トイレ使用者の回動操作に基づく本体部61に対する略90度の下方回動によって水平姿勢の規制状態となり、トイレ使用者の回動操作に基づく本体部61に対する略90度の上方回動によって鉛直姿勢の許容状態となる。
【0049】
規制部25は、本体部61に軸線bを中心として回動可能に設けられた略円板状の回動部分66と、この回動部分66に軸線bに対して直交する方向に向って突設された鉛直板状のアーム部分67と、このアーム部分67の先端部に設けられ規制部25の規制状態時に規制部位置決め体23の位置決め部41と当接する鉛直板状の当接部分68と、この当接部分68の後面に後方に向って突設されトイレ使用者が手で摘む水平板状の操作部分である摘み部分69とを有している。
【0050】
アーム部分67は、規制部25の規制状態時に左右方向に沿って位置する第1板71と、規制部25の規制状態時に第1板71の端部から左斜め後方に向って突出し第1板71に対して傾斜状に位置する第2板72とを有している。当接部分68の外周部は、例えば略U字状のゴム製の板材68aにて構成されている。また、当接部分68は、規制部25の規制状態時において扉体13が開方向に若干回動した際に、板状体22の当接部45が当接する当接面70を前面に有している。
【0051】
図1に示されるように、扉体13の側端面である右端面と施錠手段26の本体部61との間には隙間74があり、規制部25の規制状態時にはこの規制状態の規制部25のアーム部分67が隙間74に近接対向して位置する。
【0052】
また、間隙15の前後方向長さ寸法Aは、大人の使用者が手の指を挟まない程度の大きさで、例えば20mm以上、好ましくは25mm〜40mm、さらに好ましくは25mmまたは26mmである。扉受け体12の扉受け側対向部12aの左右方向長さ寸法(ラップ部分の幅寸法)Bは、例えば20mm〜100mm、好ましくは30mm〜80mm、さらに好ましくは50mmである。扉体13の厚さ寸法および扉受け体12の厚さ寸法は、それぞれ例えば13mmである。
【0053】
さらに、間隙保持体21の延在部分52の上下方向長さ寸法Cは、下端側部分51の上下方向長さ寸法Dよりも大きく、例えば100mm以上で、好ましくは120mmである。
【0054】
また、間隙保持体21の上端が略鉛直姿勢の許容状態の規制部25の上端と同じ高さかそれ以上高くなっていること、つまり、間隙保持体21の先端の高さ位置は、規制部25が略鉛直姿勢の許容状態になったときの規制部25の先端の高さ位置以上であること、言い換えれば、間隙保持体21の延在部分52の上下方向長さ寸法Cは、長手状の規制部25の長さ寸法以上であること、すなわち、間隙保持体21の延在部分52は、規制部位置決め体23から規制部25が略鉛直姿勢の許容状態になったときの規制部25の先端の高さ以上までの範囲を有していることが好ましい(図5参照)。
【0055】
次に、上記トイレブース1の作用等を説明する。
【0056】
トイレ使用者は、施錠手段26の表示部64を確認してから、扉体13を後方に押して開方向に回動させることにより開口部10を開口させ、トイレ空間部2の内側に入る。
【0057】
トイレ空間部2内に入ったトイレ使用者は、扉体13を前方に押してまたは自動回動機構を有していれば手を扉体13から離して、扉体13を閉方向に回動させることによりその扉体13で開口部10を閉鎖するが、この際、扉受け体12および扉体13間に位置した1つのみの上下方向長手状の間隙保持体21にて、扉受け側対向部12aと扉側対向部13aとの間に手挟み防止用の間隙15が保持されるため、トイレ使用者は、両対向部12a,13a間で手の指を挟まない。
【0058】
次いで、トイレ使用者は、施錠手段26を規制部25が許容状態にある解錠状態から規制部25が規制状態にある施錠状態に手動で切り換える。つまり、許容状態の規制部25を、その当接部分68が規制部位置決め体23の位置決め部41に当接するまで本体部61に対して下方回動させて許容状態から規制状態に切り換える。
【0059】
そして、この規制部25が規制状態に切り換えられた施錠手段26の施錠状態時において、例えば図2に示すように、誰かがいたずら等で、トイレ空間部2の外側から施錠手段26を不正解錠しようとした場合、間隙15に挿入しようとした挿入物Sである手の指は、間隙保持体21の施錠手段26側とは反対側の側面に当たりそれ以上奥には行けず、規制状態の規制部25には届かない。
【0060】
こうして、間隙保持体21によって挿入物Sである手による規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠が防止される。
【0061】
そして、このようなトイレブース1によれば、間隙保持体21は開口部10の閉鎖時に挿入物Sが間隙15から規制部25側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物Sによる規制部25を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制するため、不正解錠を適切に抑制できる。
【0062】
また、間隙保持体21はこの間隙保持体21の全長にわたって位置する当接面21aを有し、この当接面21a全体が開口部10の閉鎖時に扉受け側対向部12aと面状に当接するため、開口部10の閉鎖の際に扉体13に作用する衝撃力を適切に分散できる。つまり、開口部10の閉鎖の際に、扉体13は、上下方向に長手状に形成された間隙保持体21を介して、扉受け体12に当接するため、例えば上下方向長さ寸法が規制部位置決め体23の上下方向長さ寸法と同じ間隙保持体を用いた場合等と比べて、扉体13に作用する衝撃力を適切に分散でき、クッション性の向上を図ることができる。
【0063】
さらに、規制部位置決め体23にて施錠手段26の規制部25を規制状態に適切に位置決めできるとともに、間隙保持体21の延在部分52にて挿入物Sが間隙15から規制状態の規制部25側へ挿入されるのを適切に阻止でき、不正解錠をより一層適切に抑制できる。
【0064】
また、扉体13の扉側対向部13aを間隙保持体21とともに挟持する板状体22を備えるため、扉側対向部13aの補強を図ることができ、また、規制状態の規制部25を板状体22の当接部45に当接させることで規制状態の規制部25が扉体13に直接当接することを回避でき、扉体13の損傷等を防止できる。
【0065】
なお、トイレブース1は、例えば図8に示すように、トイレ空間部2の外側からトイレ空間部2の内側が見えないようにするための目隠し用のゴム板81が間隙15の全体を覆うように設けられた構成等でもよい。この図8の例では、ゴム板81は、幅方向略中央部で折り曲げられた上下方向長手状のもので、例えば扉体13の扉側対向部13aの前面に取り付けられている。
【0066】
また、トイレブース1は、扉体13がトイレ空間部2の内側に向って回動する扉内開き式のものには限定されず、例えば図9に示すように、扉体13がトイレ空間部2の外側に向って回動する扉外開き式のもの等であっても同様の作用効果を奏し得る。
【0067】
この図9の例では、左側板6の前端部に扉受け体12が固設され、右側板7の前端部に扉被取付体11が固設され、この扉被取付体11に扉体13がヒンジ14を介して軸線aを中心として回動可能に設けられている。また、扉体13には間隙保持体21および施錠手段26が設けられ、扉受け側対向部12aには規制部位置決め体23が設けられている。
【0068】
さらに、いずれの実施の形態においても、例えば間隙保持体21が扉受け側対向部12aに扉側対向部13aに向って突設され、この間隙保持体21と板状体22とにて扉受け側対向部12aの一部が挟持された構成等でもよい。
【0069】
また、例えば板状体22を有さず、ボルト44,59の頭部44a,59aが扉体13に埋設されるようにボルト44,59で間隙保持体21を扉体13に固定した構成等でもよい。
【0070】
さらに、固定手段としてボルト44,59を用いた構成には限定されず、例えば釘、リベット、接着剤等の他の固定手段を用いて間隙保持体21を固定した構成等でもよい。
【0071】
また、トイレブース1は、左右方向に並ぶ複数のトイレ空間部2を有する構成等でもよい。
【0072】
さらに、扉付構造物は、トイレブース1には限定されず、例えば展示会場等のブースや、プレハブ、或いは建物の出入口に設けられる扉装置等でよく、またブースの一部(扉装置)等でもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 扉付構造物であるトイレブース
2 トイレ空間部
3 便器
10 開口部
12 扉受け体
12a 扉受け側対向部
13 扉体
13a 扉側対向部
15 手挟み防止用の間隙
21 間隙保持体
21a 当接面
22 板状体
23 規制部位置決め体
25 規制部
26 施錠手段
51 下端側部分
52 延在部分
S 挿入物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側端部に扉受け側対向部を有する扉受け体と、
この扉受け体から離れる開方向に向って回動して開口部を開口させかつ前記扉受け体に接近する閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖するもので、側端部に前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部と手挟み防止用の間隙を介して離間対向する扉側対向部を有する扉体と、
前記扉体の開方向への回動を規制する規制状態および前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となる規制部を有する施錠手段と、
前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか一方にいずれか他方に向って突設され、前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか他方と当接することにより前記間隙を保持する上下方向長手状の間隙保持体とを備え、
前記間隙保持体は、前記開口部の閉鎖時に挿入物が前記間隙から前記規制部側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物による前記規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制する
ことを特徴とする扉付構造物。
【請求項2】
間隙保持体は、この間隙保持体の全長にわたって位置する当接面を有し、
前記当接面全体が、開口部の閉鎖時に扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか他方と当接する
ことを特徴とする請求項1記載の扉付構造物。
【請求項3】
施錠手段の規制部は、下方回動により扉体の開方向への回動を規制する規制状態となりかつ上方回動により前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となるものであり、
前記施錠手段の規制部の下方回動を規制してこの規制部を規制状態に位置決めする規制部位置決め体を備え、
前記間隙保持体が、前記規制部位置決め体と略同一高さに位置する下端側部分とこの下端側部分から上方に向って延在する延在部分とにて構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の扉付構造物。
【請求項4】
扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方を間隙保持体とともに挟持する上下方向長手状の板状体を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の扉付構造物。
【請求項5】
便器が配設されるトイレ空間部を備えるトイレブースである
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の扉付構造物。
【請求項1】
側端部に扉受け側対向部を有する扉受け体と、
この扉受け体から離れる開方向に向って回動して開口部を開口させかつ前記扉受け体に接近する閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖するもので、側端部に前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部と手挟み防止用の間隙を介して離間対向する扉側対向部を有する扉体と、
前記扉体の開方向への回動を規制する規制状態および前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となる規制部を有する施錠手段と、
前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか一方にいずれか他方に向って突設され、前記開口部の閉鎖時に前記扉受け側対向部および前記扉側対向部のいずれか他方と当接することにより前記間隙を保持する上下方向長手状の間隙保持体とを備え、
前記間隙保持体は、前記開口部の閉鎖時に挿入物が前記間隙から前記規制部側へ挿入されるのを阻止することによりこの挿入物による前記規制部を規制状態から許容状態にしようとする不正解錠を抑制する
ことを特徴とする扉付構造物。
【請求項2】
間隙保持体は、この間隙保持体の全長にわたって位置する当接面を有し、
前記当接面全体が、開口部の閉鎖時に扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか他方と当接する
ことを特徴とする請求項1記載の扉付構造物。
【請求項3】
施錠手段の規制部は、下方回動により扉体の開方向への回動を規制する規制状態となりかつ上方回動により前記扉体の開方向への回動を許容する許容状態となるものであり、
前記施錠手段の規制部の下方回動を規制してこの規制部を規制状態に位置決めする規制部位置決め体を備え、
前記間隙保持体が、前記規制部位置決め体と略同一高さに位置する下端側部分とこの下端側部分から上方に向って延在する延在部分とにて構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の扉付構造物。
【請求項4】
扉受け側対向部および扉側対向部のいずれか一方を間隙保持体とともに挟持する上下方向長手状の板状体を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の扉付構造物。
【請求項5】
便器が配設されるトイレ空間部を備えるトイレブースである
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の扉付構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−127394(P2011−127394A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289284(P2009−289284)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
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