説明

手動変速機

【課題】HV−MT車用の手動変速機であってコンパクトなものを提供すること。
【解決手段】 この変速機は、入力軸Ai、出力軸Ao、及びMG軸Amを備える。この変速機は、動力伝達系統がAi−Ao間で確立されずAm−Ao間で確立されるEV走行用の変速段(EV)と、動力伝達系統がAi−Ao間及びAm−Ao間で確立されるHV走行用の複数の変速段(2速〜6速)を有する。Ao,AmにそれぞれスリーブS1、Smが設けられる。S1はシフトレバーSLの位置に応じて移動する。Smは連結機構WによってS1と機械的に連結されてS1と連動する。「EV」選択時、S1,Smが共に第1位置(左側)に移動してEV走行が実現する。「2速」選択時、S1,Smが共に第2位置(右側)に移動してHV走行(2速)が実現する。「3速」〜「6速」選択時、S1,Smが共に第3位置(中央)に移動してHV走行(3速〜6速)が実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源として内燃機関と電動機とを備えた車両に適用される手動変速機に関し、特に、内燃機関の出力軸と手動変速機の入力軸との間に摩擦クラッチが介装された車両に適用されるものに係わる。
【背景技術】
【0002】
従来より、動力源としてエンジンと電動機とを備えた所謂ハイブリッド車両が広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。ハイブリット車両では、電動機の出力軸が、内燃機関の出力軸、変速機の入力軸、及び変速機の出力軸の何れかに接続される構成が採用され得る。以下、内燃機関の出力軸の駆動トルクを「内燃機関駆動トルク」と呼び、電動機の出力軸の駆動トルクを「電動機駆動トルク」と呼ぶ。
【0003】
近年、手動変速機と摩擦クラッチとを備えたハイブリッド車両(以下、「HV−MT車」と呼ぶ)に適用される動力伝達制御装置が開発されてきている。ここにいう「手動変速機」とは、運転者により操作されるシフトレバーのシフト位置に応じて変速段が選択されるトルクコンバータを備えない変速機(所謂、マニュアルトランスミッション、MT)である。また、ここにいう「摩擦クラッチ」とは、内燃機関の出力軸と手動変速機の入力軸との間に介装されて、運転者により操作されるクラッチペダルの操作量に応じて摩擦プレートの接合状態が変化するクラッチである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−224710号公報
【発明の概要】
【0005】
ハイブリッド車両では、内燃機関駆動トルクと電動機駆動トルクの両方を利用して車両が走行する状態(以下、「HV走行」と呼ぶ)が実現され得る。近年、このHV走行に加えて、内燃機関を停止状態(内燃機関の出力軸の回転が停止した状態)に維持しながら電動機駆動トルクのみを利用して車両が走行する状態(以下、「EV走行」と呼ぶ)が実現できるハイブリッド車両が開発されてきている。
【0006】
HV−MT車において、運転者がクラッチペダルを操作しない状態(即ち、クラッチが接合された状態)においてEV走行を実現するためには、変速機の入力軸が回転しない状態を維持しながら変速機の出力軸が電動機駆動トルクにより駆動される必要がある。このためには、電動機の出力軸が変速機の出力軸に接続されることに加え、変速機が「変速機の入力軸と変速機の出力軸との間で動力伝達系統が確立されない状態」に維持される必要がある。
【0007】
このためには、手動変速機の変速段として、HV走行用の「変速機の入力軸と変速機の出力軸との間で動力伝達系統が確立され且つ電動機の出力軸と変速機の出力軸との間で動力伝達系統が確立される変速段」(以下、「HV走行変速段」と呼ぶ)に加えて、EV走行用の「変速機の入力軸と変速機の出力軸との間で動力伝達系統が確立されず且つ電動機の出力軸と変速機の出力軸との間で動力伝達系統が確立される変速段」(ニュートラルとは異なる変速段。以下、「EV走行変速段」と呼ぶ)が設けられる必要がある。
【0008】
以下、内燃機関から動力が入力される入力軸と、車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸と、電動機から動力が入力される電動機軸とを備え、複数の「HV走行変速段」に加えて「EV走行変速段」が設けられた手動変速機を想定する。この手動変速機では、シフトレバーをEV走行変速段に対応するシフト位置に移動することによってEV走行変速段が選択・実現され、シフトレバーを複数のHV走行変速段に対応するそれぞれのシフト位置に移動することによって複数のHV走行変速段のうち対応する変速段がそれぞれ選択・実現される。
【0009】
本発明の目的は、このように入力軸と出力軸と電動機軸とを備え、且つ、複数の「HV走行変速段」と「EV走行変速段」とを備えたHV−MT車用の手動変速機であって、コンパクトなものを提供することにある。
【0010】
本発明による手動変速機は、入力軸と出力軸と電動機軸とを備え、且つ、複数の「HV走行変速段」と「EV走行変速段」とを備える。本発明による手動変速機は、「前記出力軸と一体回転する第1ハブ(H1)に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合され前記シフト操作部材の位置に応じて移動する第1スリーブ(S1)」と、「前記電動機軸と一体回転する第2ハブ(Hm)に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合されて前記シフト操作部材の位置に応じて移動する第2スリーブ(Sm)」と、を備える。
【0011】
第1スリーブ(S1)は、前記入力軸又は前記電動機軸と一体回転する固定ギヤ(G2i,Gevi)と常時噛合するとともに前記出力軸に相対回転可能に設けられた少なくとも1つの遊転ギヤ(G2o,Gevo)を前記出力軸に対して相対回転不能に固定するために前記遊転ギヤと係合可能となっている。第2スリーブ(Sm)は、前記出力軸と一体回転する固定ギヤ(Ghvo)と常時噛合するとともに前記電動機軸に相対回転可能に設けられた少なくとも1つの遊転ギヤ(Ghvi)を前記電動機軸に対して相対回転不能に固定するために前記遊転ギヤと係合可能となっている。
【0012】
本発明による手動変速機は、前記第1、第2スリーブの他にも、それぞれが「前記入力軸及び出力軸のうち対応する軸」と一体回転するハブに相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合されて前記シフト操作部材の位置に応じて移動する1つ又は複数のスリーブを備える。前記1つ又は複数のスリーブはそれぞれ、「前記入力軸及び出力軸のうち対応しない軸」と一体回転する固定ギヤと常時噛合するとともに「前記対応する軸」に相対回転可能に設けられた対応する遊転ギヤを「前記対応する軸」に対して相対回転不能に固定するために前記遊転ギヤと係合可能となっている。
【0013】
本発明による手動変速機の特徴は以下の点にある。即ち、前記第1、第2スリーブを機械的に連結して前記シフト操作部材の位置に応じて前記第1、第2スリーブを連動させる連結機構(W)が備えられる。そして、前記シフト操作部材がEV走行変速段に対応するシフト位置にあるときに前記第1、第2スリーブが軸方向におけるそれぞれの第1位置に移動してEV走行変速段が実現され、前記シフト操作部材が複数のHV走行変速段のうちの1つである特定変速段に対応するシフト位置にあるときに前記第1、第2スリーブが軸方向におけるそれぞれの第2位置に移動して前記特定変速段が実現され、前記シフト操作部材が前記複数のHV走行変速段のうちの前記特定変速段以外のHV走行変速段に対応するシフト位置にあるときに前記第1、第2スリーブが軸方向におけるそれぞれの第3位置に移動して前記特定変速段以外のHV走行変速段が実現される。ここで、前記特定変速段は、前記複数のHV走行変速段(2速〜6速)のうちで、前記出力軸の回転速度に対する前記入力軸の回転速度の割合が最も大きい変速段(2速)であることが好適である。
【0014】
上記構成によれば、連結機構の存在により、(前記第1、第2スリーブ以外の1つ又は複数のスリーブに加えて)第1、第2スリーブのうちの一方のみをシフト操作部材の位置に応じて直接的に駆動することによって、第1、第2スリーブのうちの他方もシフト操作部材の位置に応じて間接的に駆動され得る。この結果、シフト操作部材の位置に応じて第1、第2スリーブを上記のように連動させるために、それぞれに専用のシフト操作部材やアクチュエータ等を個別に設ける必要がない。従って、手動変速機をコンパクトに設計することができる。
【0015】
上記本発明による手動変速機においては、前記出力軸の回転速度に対する前記電動機軸の回転速度の割合は、前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第2、第3位置にあるときより前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第1位置にあるときの方が大きいことが好適である。
【0016】
これによれば、EV走行変速段が選択されているとき、電動機駆動トルクの増幅度合いが大きくなる。従って、比較的低速のEV走行時にて電動機駆動トルクに基づく大きな駆動トルクを獲得することができる。この結果、電動機を小型化できる。加えて、HV走行変速段(特定変速段を含む)が選択されているとき、車速に対する電動機の出力軸の回転速度を小さめにすることができる。従って、比較的高速のHV走行時にて電動機の出力軸の回転速度をエネルギー効率の良好な回転速度範囲内に抑えることができる。この結果、HV走行時においてエネルギー効率を良好に維持できる。また、このように「変速機の出力軸の回転速度(従って、車速)に対する電動機の出力軸の回転速度の割合を変更する変速機構」を備えた手動変速機をコンパクトに設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るHV−MT車用の手動変速機を含む動力伝達制御装置のN位置が選択された状態における概略構成図である。
【図2】N位置が選択された状態におけるS&Sシャフト及び複数のフォークシャフトの位置関係を示した模式図である。
【図3】EV位置が選択された状態における図1に対応する図である。
【図4】EV位置が選択された状態における図2に対応する図である。
【図5】2速位置が選択された状態における図1に対応する図である。
【図6】2速位置が選択された状態における図2に対応する図である。
【図7】3速位置が選択された状態における図1に対応する図である。
【図8】3速位置が選択された状態における図2に対応する図である。
【図9】4速位置が選択された状態における図1に対応する図である。
【図10】4速位置が選択された状態における図2に対応する図である。
【図11】5速位置が選択された状態における図1に対応する図である。
【図12】5速位置が選択された状態における図2に対応する図である。
【図13】6速位置が選択された状態における図1に対応する図である。
【図14】6速位置が選択された状態における図2に対応する図である。
【図15】本発明の実施形態の変形例に係るHV−MT車用の手動変速機を含む動力伝達制御装置のN位置が選択された状態における概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る手動変速機M/Tを備えた車両の動力伝達制御装置の一例(以下、「本装置」と呼ぶ)について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本装置は、「動力源としてエンジンE/GとモータジェネレータM/Gとを備え、且つ、トルクコンバータを備えない手動変速機M/Tと、摩擦クラッチC/Tとを備えた車両」、即ち、上記「HV−MT車」に適用される。この「HV−MT車」は、前輪駆動車であっても、後輪駆動車であっても、4輪駆動車であってもよい。
【0019】
(全体構成)
先ず、本装置の全体構成について説明する。エンジンE/Gは、周知の内燃機関であり、例えば、ガソリンを燃料として使用するガソリンエンジン、軽油を燃料として使用するディーゼルエンジンである。
【0020】
手動変速機M/Tは、運転者により操作されるシフトレバーSLのシフト位置に応じて変速段が選択されるトルクコンバータを備えない変速機(所謂、マニュアルトランスミッション)である。M/Tは、E/Gの出力軸Aeから動力が入力される入力軸Aiと、車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸Aoと、M/Gから動力が入力されるMG軸Amと、を備える。入力軸Ai、出力軸Ao、及びMG軸Amは互いに平行に配置されている。MG軸Amは、M/Gの出力軸そのものであってもよいし、M/Gの出力軸と平行であり且つM/Gの出力軸とギヤ列を介して動力伝達可能に接続された軸であってもよい。M/Tの構成の詳細は後述する。
【0021】
摩擦クラッチC/Tは、E/Gの出力軸AeとM/Tの入力軸Aiとの間に介装されている。C/Tは、運転者により操作されるクラッチペダルCPの操作量(踏み込み量)に応じて摩擦プレートの接合状態(より具体的には、Aeと一体回転するフライホイールに対する、Aiと一体回転する摩擦プレートの軸方向位置)が変化する周知のクラッチである。
【0022】
C/Tの接合状態(摩擦プレートの軸方向位置)は、クラッチペダルCPとC/T(摩擦プレート)とを機械的に連結するリンク機構等を利用してCPの操作量に応じて機械的に調整されてもよいし、CPの操作量を検出するセンサ(後述するセンサP1)の検出結果に基づいて作動するアクチュエータの駆動力を利用して電気的に(所謂バイ・ワイヤ方式で)調整されてもよい。
【0023】
モータジェネレータM/Gは、周知の構成(例えば、交流同期モータ)の1つを有していて、例えば、ロータ(図示せず)がMG軸Amと一体回転するようになっている。以下、E/Gの出力軸Aeの駆動トルクを「EGトルク」と呼び、MG軸Am(M/Gの出力軸のトルク)の駆動トルクを「MGトルク」と呼ぶ。
【0024】
また、本装置は、クラッチペダルCPの操作量(踏み込み量、クラッチストローク等)を検出するクラッチ操作量センサP1と、ブレーキペダルBPの操作量(踏力、操作の有無等)を検出するブレーキ操作量センサP2と、アクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル操作量センサP3と、シフトレバーSLの位置を検出するシフト位置センサP4と、を備えている。
【0025】
更に、本装置は、電子制御ユニットECUを備えている。ECUは、上述のセンサP1〜P4、並びにその他のセンサ等からの情報等に基づいて、E/Gの燃料噴射量(スロットル弁の開度)を制御することでEGトルクを制御するとともに、インバータ(図示せず)を制御することでMGトルクを制御する。
【0026】
(M/Tの構成)
以下、M/Tの構成の詳細について説明する。図1に示すシフトレバーSLのシフトパターンから理解できるように、本例では、選択される変速段(シフト位置)として、前進用の6つの変速段(EV、2速〜6速)、及び後進用の1つの変速段(R)が設けられている。以下、後進用の変速段(R)についての説明は省略する。「EV」は上述したEV走行用の変速段であり、「2速」〜「6速」はそれぞれ上述したHV走行用の変速段である。なお、本例では、EV走行用の変速段として「2速」〜「6速」が設定されているが、「2速」〜「4速」、「2速」〜「5速」等、「2速」以上の複数の変速段が設定されていればよい。
【0027】
M/Tは、スリーブS1、S2、S3、及びSmを備える。S1は、出力軸Aoと一体回転するハブH1に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合された「EV−2速」用のスリーブである。S2は、入力軸Aiと一体回転するハブH2に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合された「3速−4速」用のスリーブである。S3は、入力軸Aiと一体回転するハブH3に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合された「5速−6速」用のスリーブである。Smは、MG軸Amと一体回転するハブHmに相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合された「EV−HV切替」用のスリーブである。
【0028】
図2に示すように、スリーブS1、S2、S3、及びSmはそれぞれ、フォークシャフトFS1、FS2、FS3、及びFSmと一体に連結されている。FS1、FS2、及びFS3(従って、S1、S2、及びS3)はそれぞれ、シフトレバーSLの操作と連動するS&Sシャフトに設けられたインナレバーIL(図2に斜線で示す)によって軸方向(図2では上下方向、図1では左右方向)に駆動される。図2では、S&Sシャフトとして、シフトレバーSLのセレクト操作(図1では左右方向の操作)によって軸方向に平行移動し且つシフトレバーSLのシフト操作(図1では上下方向の操作)によって軸中心に回動する「シフト回転型」が示されているが、SLのセレクト操作によって軸中心に回動し且つSLのシフト操作によって軸方向に平行移動する「セレクト回転型」が使用されてもよい。
【0029】
フォークシャフトFSmは、連結機構WによってフォークシャフトFS1と機械的に連結されている。これにより、FSmは、FS1と一体で(従って、SmはS1と一体で)軸方向(図2では上下方向、図1では左右方向)に移動するように構成されている。
【0030】
以下、特に、スリーブS1及びSmの周辺について詳述する。出力軸Aoには、軸方向の一方向側(図1において左側)から順に、「EV」用の遊転ギヤGevoと、ハブH1と、「2速」用の遊転ギヤG2oと、MGトルク伝達用の固定ギヤGhvoと、が設けられている。遊転ギヤG2oは、入力軸Aiに固定された「2速」用の固定ギヤG2iと常時噛合している。
【0031】
MG軸には、軸方向の一方向側(図1において左側)から順に、「EV」用の固定ギヤGeviと、ハブHmと、MGトルク伝達用の遊転ギヤGhviと、が設けられている。固定ギヤGeviは、上記遊転ギヤGevoと常時噛合し、遊転ギヤGhviは、上記固定ギヤGhvoと常時噛合している。
【0032】
図1、2に示すように、シフトレバーSLが「N」位置にある状態では、スリーブS1、S2、S3、及びSmの全てが「中立位置」にある。この状態では、S1、S2、及びS3はそれぞれ、対応する何れの遊転ギヤとも係合していない。一方、Smは、遊転ギヤGhviのみと係合し、遊転ギヤGhviをMG軸Amに対して相対回転不能に固定している。
【0033】
図3、4に示すように、シフトレバーSLが「N」位置から「EV」位置に移動すると、S&SシャフトのILがFS1に固定された「R
EV」用ヘッドを「EV」方向(図4では上方向)に駆動することによって、FS1、及びFS1と一体のFSm(従って、S1及びSm)のみが(図4では上方向、図3では左方向)に駆動される。この結果、スリーブS1が「中立位置」(前記「第3位置」)から「EV位置」(前記「第1位置」)に移動し、スリーブSmが「中立位置」(前記「第3位置」)から「EV位置」(前記「第1位置」)に移動する。スリーブS2、S3はそれぞれ「中立位置」にある。
【0034】
この状態では、S1は、遊転ギヤGevoのみと係合し、遊転ギヤGevoを出力軸Aoに対して相対回転不能に固定している。また、Smは、遊転ギヤGhviと係合していない。この結果、図3に太い実線で示すように、MG軸Amと出力軸Aoとの間で、Gevi及びGevoを介して「EV」に対応する動力伝達系統が確立される。一方、入力軸Aiと出力軸Aoとの間では動力伝達系統が確立されない。即ち、「EV」が選択された場合、E/Gを停止状態(E/Gの出力軸Aeの回転が停止した状態)に維持しながらMGトルクのみを利用して車両が走行する状態(即ち、上記「EV走行」)が実現される。即ち、この車両では、「EV」を選択することにより、EV走行による発進が可能である。
【0035】
図5、6に示すように、シフトレバーSLが「N」位置から「2速」位置に移動すると、S&SシャフトのILがFS1に固定された「2速」用ヘッドを「2速」方向(図6では下方向)に駆動することによって、FS1、及びFS1と一体のFSm(従って、S1及びSm)のみが(図6では下方向、図5では右方向)に駆動される。この結果、スリーブS1が「2速位置」(前記「第2位置」)に移動し、スリーブSmが「HV位置」(前記「第2位置」)に移動する。スリーブS2、S3はそれぞれ「中立位置」にある。
【0036】
この状態では、S1は、遊転ギヤG2oのみと係合し、遊転ギヤG2oを出力軸Aoに対して相対回転不能に固定している。また、Smは、遊転ギヤGhviと係合し、遊転ギヤGhviをMG軸Amに対して相対回転不能に固定している。この結果、図5に太い実線で示すように、入力軸Aiと出力軸Aoとの間で、G2i及びG2oを介して「2速」に対応する動力伝達系統が確立される。加えて、MG軸Amと出力軸Aoとの間で、Ghvi及びGhvoを介して動力伝達系統が確立される。即ち、「2速」が選択された場合、クラッチC/Tを介して伝達されるEGトルクと、MGトルクとの両方を利用して車両が走行する状態(即ち、上記「HV走行」)が実現される。
【0037】
図7、8に示すように、シフトレバーSLが「N」位置から「3速」位置に移動すると、S&SシャフトのILがFS2に固定された「3速」用ヘッドを「3速」方向(図8では上方向)に駆動することによって、FS2(従って、S2)のみが(図8では上方向、図7では左方向)に駆動される。この結果、スリーブS2が「3速位置」に移動する。スリーブS1、S3、及びSmはそれぞれ「中立位置」にある。
【0038】
この状態では、S2は、遊転ギヤG3iのみと係合している。また、「中立位置」にあるSmは、上述のように遊転ギヤGhviと係合している。この結果、図7に太い実線で示すように、入力軸Aiと出力軸Aoとの間で、G3i及びG3oを介して「3速」に対応する動力伝達系統が確立される。加えて、MG軸Amと出力軸Aoとの間で、Ghvi及びGhvoを介して動力伝達系統が確立される。即ち、「3速」が選択された場合、「2速」が選択された場合と同様、上記「HV走行」が実現される。
【0039】
以下、図9〜図14に示すように、シフトレバーSLが「4速」〜「6速」の何れかにある場合も、「2速」の場合と同様、上記「HV走行」が実現される。即ち、「4速」、「5速」、「6速」ではそれぞれ、入力軸Aiと出力軸Aoとの間で、「G4i及びG4o」、「G5i及びG5o」、「G6i及びG6o」を介して、「4速」、「5速」、「6速」に対応する動力伝達系統が確立される。加えて、「4速」、「5速」、「6速」の何れでも、「2速」及び「3速」と同様、MG軸Amと出力軸Aoとの間で、Ghvi及びGhvoを介して動力伝達系統が確立される。
【0040】
以上、本例では、「EV」のみがEV走行用の変速段であり、「2速」〜「6速」はHV走行用の変速段である。EGトルクの伝達系統について、「Aoの回転速度に対するAiの回転速度の割合」を「MT減速比」と呼ぶものとすると、「2速」から「6速」に向けてMT減速比(GNoの歯数/GNiの歯数)(N:2〜6)が次第に小さくなっていく。
【0041】
MGトルクの伝達系統は、「EV」選択時のみGevi及びGevoを介して確立され、それ以外の「2速」〜「6速」選択時では、Ghvi及びGhvoを介して確立される。ここで、「Aoの回転速度に対するAmの回転速度の割合」を「MG減速比」と呼ぶものとすると、「EV」を発進用の「1速」に実質的に対応させるため、「EV」選択時のMG減速比(Gevoの歯数/Geviの歯数)が大きい値に設定されている。一方、「2速」〜「6速」選択時のMG減速比(Ghvoの歯数/Ghviの歯数)が小さい値に設定されている。換言すれば、このM/Tは、MG減速比の変速機構を備えているといえる。
【0042】
なお、上記の例では、スリーブS1〜S3の位置は、シフトレバーSLとスリーブS1〜S3とを機械的に連結するリンク機構(S&Sシャフトとフォークシャフト)等を利用してシフトレバーSLのシフト位置に応じて機械的に調整されている。これに対し、スリーブS1〜S3の位置が、シフト位置センサP4の検出結果に基づいて作動するアクチュエータの駆動力を利用して電気的に(所謂バイ・ワイヤ方式で)調整されてもよい。この場合においても、スリーブSmは、連結機構によって、スリーブS1と機械的に連結され、スリーブS1と一体で連動するように構成される。
【0043】
(E/Gの制御)
本装置によるE/Gの制御は、大略的に以下のようになされる。車両が停止しているとき、E/Gが停止状態(燃料噴射がなされない状態)に維持される。E/Gの停止状態において、HV走行用の変速段(「2速」〜「6速」の何れか)が選択されたことに基づいて、E/Gが始動される(燃料噴射が開始される)。E/Gの稼働中(燃料噴射がなされている間)では、アクセル開度等に基づいてEGトルクが制御される。E/Gの稼働中において、「N」又は「EV」が選択されたこと、或いは、車両が停止したことに基づいて、E/Gが再び停止状態に維持される。
【0044】
(M/Gの制御)
本装置によるM/Gの制御は、大略的に以下のようになされる。車両が停止しているとき、或いは、「N」が選択されているとき、M/Gが停止状態(MGトルク=0)に維持される。M/Gの停止状態において、「EV」が選択されたことに基づいて、MGトルクを利用した通常発進制御が開始される。通常発進制御では、MGトルクがアクセル開度及びクラッチストロークに基づいて制御される。通常発進制御でのMGトルクは、「手動変速機と摩擦クラッチとを備え且つ動力源として内燃機関のみを搭載した通常車両」が「1速」で発進する際における「アクセル開度及びクラッチストローク」と「クラッチを介して手動変速機の入力軸へ伝達される内燃機関のトルク」との関係を規定する予め作製されたマップ等を利用して決定される。通常発進制御の終了後は、「EV」の選択時、或いは、HV走行用の変速段の選択時において、アクセル開度等に基づいてMGトルクが制御される。そして、車両が停止したことに基づいて、M/Gが再び停止状態に維持される。
【0045】
(作用・効果)
上記のように、「MG減速比の変速機構」を備えた本発明の実施形態に係る手動変速機M/Tでは、フォークシャフトFSmが、連結機構WによってフォークシャフトFS1と機械的に連結されている。従って、スリーブS1,SmのうちのS1のみをシフトレバーSLの位置に応じて直接的に駆動することによって、SmもシフトレバーSLの位置に応じて間接的に駆動され得る。この結果、シフトレバーSLの位置に応じてスリーブS1、Smを上記のように連動させるために、それぞれに専用のシフトレバーやアクチュエータ等を個別に設ける必要がない。従って、「MG減速比の変速機構」を備えた手動変速機M/Tをコンパクトに設計することができる。
【0046】
加えて、「EV」を発進用の「1速」に実質的に対応させるため、「EV」選択時のMG減速比が大きい値に設定されている。この結果、比較的低速のEV走行時にてMGトルクに基づく大きな駆動トルクを獲得することができる。この結果、M/Gを小型化できる。一方、HV走行用の変速段(「2速」〜「6速」)の選択時のMG減速比が小さい値に設定されている。この結果、HV走行用の変速段が選択されているとき、車速に対するMG軸Amの回転速度を小さめにすることができる。従って、比較的高速のHV走行時にてMG軸Amの回転速度をエネルギー効率の良好な範囲内に抑えることができる。この結果、HV走行時においてエネルギー効率を良好に維持できる。
【0047】
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、スリーブS1、Sm(前記「第1、第2スリーブ」)以外のスリーブS2、S3(及び対応するそれぞれの遊転ギヤ)が共に入力軸Aiに設けられているが、スリーブS2、S3(及び対応するそれぞれの遊転ギヤ)が共に出力軸Aoに設けられていてもよい。また、スリーブS2、S3のうちの一方(及び対応する遊転ギヤ)が出力軸Aoに他方(及び対応する遊転ギヤ)が入力軸Aiに設けられていてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、FS1、FS2、及びFS3がS&SシャフトのインナレバーILにより駆動され且つFS1とFSmとが連結機構Wで一体化されることによって、スリーブS1,SmのうちのS1のみがシフトレバーSLの位置に応じて直接的に駆動され且つSmがシフトレバーSLの位置に応じて間接的に駆動されている。これに対し、FS2、FS3、及びFSmがS&SシャフトのインナレバーILにより駆動され且つFS1とFSmとが連結機構Wで一体化されることによって、スリーブS1,SmのうちのSmのみがシフトレバーSLの位置に応じて直接的に駆動され且つS1がシフトレバーSLの位置に応じて間接的に駆動されてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、スリーブS1(前記「第1スリーブ」)の軸方向位置によって「EV」と「2速」とが切り替えられるようになっている(即ち、前記特定変速段が「2速」に設定されている)が、スリーブS1(前記「第1スリーブ」)の軸方向位置によって「EV」と「2速以外のHV走行用変速段」(「3速」〜「6速」の何れか)が切り替えられるように構成されてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、「EV」選択時においてMGトルクの伝達系統の一部となるギヤGevi,Gevoについて、GeviがMG軸Amに固定された固定ギヤであり且つGevoが出力軸Aoに対して相対回転可能な遊転ギヤとなっているが、図15に示すように、GeviがMG軸Amに対して相対回転可能な遊転ギヤであり且つGevoが出力軸Aoに固定された固定ギヤとなっていてもよい。この場合、スリーブSmは、「EV位置」(前記「第1位置」)にて遊転ギヤGeviのみと係合し、「HV位置」(前記「第2位置」)及び「中立位置」(前記「第3位置」)にて遊転ギヤGhviのみと係合するように構成される。
【符号の説明】
【0051】
M/T…変速機、E/G…エンジン、C/T…クラッチ、M/G…モータジェネレータ、Ae…エンジンの出力軸、Ai…変速機の入力軸、Ao…変速機の出力軸、Am…MG軸、CP…クラッチペダル、AP…アクセルペダル、BP…ブレーキペダル、P1…クラッチ操作量センサ、P3…アクセル操作量センサ、P4…シフト位置センサ、ECU…電子制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源として内燃機関(E/G)と電動機(M/G)とを備えた車両に適用され、運転者により操作されるシフト操作部材(SL)のシフト位置に応じて複数の変速段のうちの1つが選択されるトルクコンバータを備えない手動変速機(M/T)であって、
前記内燃機関から動力が入力される入力軸(Ai)と、
前記車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸(Ao)と、
前記電動機から動力が入力される電動機軸(Am)と、
を備え、
前記シフト操作部材を前記入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統が確立されず且つ前記電動機軸と前記出力軸との間で動力伝達系統が確立される電動機走行変速段(EV)に対応するシフト位置に移動することによって前記電動機走行変速段が選択・実現され、前記シフト操作部材を前記入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統が確立され且つ前記電動機軸と前記出力軸との間で動力伝達系統が確立される複数のハイブリッド走行変速段に対応するそれぞれのシフト位置に移動することにより前記複数のハイブリッド走行変速段(2速以上)のうち対応する変速段がそれぞれ選択・実現されるように構成された手動変速機であり、
前記出力軸と一体回転する第1ハブ(H1)に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合されて前記シフト操作部材の位置に応じて移動する第1スリーブ(S1)であって、前記入力軸又は前記電動機軸と一体回転する固定ギヤ(G2i,Gevi)と常時噛合するとともに前記出力軸に相対回転可能に設けられた少なくとも1つの遊転ギヤ(G2o,Gevo)を前記出力軸に対して相対回転不能に固定するために前記遊転ギヤと係合可能な第1スリーブ(S1)と、
前記電動機軸と一体回転する第2ハブ(Hm)に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に嵌合されて前記シフト操作部材の位置に応じて移動する第2スリーブ(Sm)であって、前記出力軸と一体回転する固定ギヤ(Ghvo)と常時噛合するとともに前記電動機軸に相対回転可能に設けられた少なくとも1つの遊転ギヤ(Ghvi)を前記電動機軸に対して相対回転不能に固定するために前記遊転ギヤと係合可能な第2スリーブ(Sm)と、
前記第1、第2スリーブを機械的に連結して前記シフト操作部材の位置に応じて前記第1、第2スリーブを連動させる連結機構(W)と、
を備え、
前記シフト操作部材が前記電動機走行変速段に対応するシフト位置にあるときに前記第1、第2スリーブが軸方向におけるそれぞれの第1位置(EV位置、EV位置)に移動して前記電動機走行変速段が実現され、前記シフト操作部材が前記複数のハイブリッド走行変速段のうちの1つである特定変速段に対応するシフト位置にあるときに前記第1、第2スリーブが軸方向におけるそれぞれの第2位置(2速位置、HV位置)に移動して前記特定変速段が実現され、前記シフト操作部材が前記複数のハイブリッド走行変速段のうちの前記特定変速段以外のハイブリッド走行変速段に対応するシフト位置にあるときに前記第1、第2スリーブが軸方向におけるそれぞれの第3位置(中立位置、中立位置)に移動して前記特定変速段以外のハイブリッド走行変速段が実現されるように構成された、手動変速機。
【請求項2】
請求項1に記載の手動変速機において、
前記特定変速段は、前記複数のハイブリッド走行変速段(2速以上)のうちで、前記出力軸の回転速度に対する前記入力軸の回転速度の割合が最も大きい変速段(2速)である、手動変速機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の手動変速機において、
前記出力軸の回転速度に対する前記電動機軸の回転速度の割合は、前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第2位置及び前記第3位置にあるときより前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第1位置にあるときの方が大きい、手動変速機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の手動変速機において、
前記出力軸には、軸方向の一方向側から順に、前記出力軸に対して相対回転可能な前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevo)と、前記第1ハブ(H1)と、前記入力軸と一体回転する前記特定変速段用の固定ギヤ(G2i)と常時噛合するとともに前記出力軸に対して相対回転可能な前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と、前記出力軸と一体回転する前記電動機の動力伝達用の固定ギヤ(Ghvo)と、が設けられ、
前記電動機軸には、軸方向の前記一方向側から順に、前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevo)と常時噛合するとともに前記電動機軸と一体回転する前記電動機走行変速段用の固定ギヤ(Gevi)と、前記第2ハブ(Hm)と、前記電動機の動力伝達用の固定ギヤ(Ghvo)と常時噛合するとともに前記電動機軸に対して相対回転可能な前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と、が設けられ、
前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第1位置にあるとき、前記第1スリーブ(S1)が前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevo)と係合するとともに前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と係合せず、且つ、前記第2スリーブ(Sm)が前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と係合せず、
前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第2位置にあるとき、前記第1スリーブ(S1)が前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と係合するとともに前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevo)と係合せず、且つ、前記第2スリーブ(Sm)が前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と係合し、
前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第3位置にあるとき、前記第1スリーブ(S1)が前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevo)と係合しないとともに前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と係合せず、且つ、前記第2スリーブ(Sm)が前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と係合する、手動変速機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の手動変速機において、
前記出力軸には、軸方向の一方向側から順に、前記出力軸と一体回転する前記電動機走行変速段用の固定ギヤ(Gevo)と、前記第1ハブ(H1)と、前記入力軸と一体回転する前記特定変速段用の固定ギヤ(G2i)と常時噛合するとともに前記出力軸に対して相対回転可能な前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と、前記出力軸と一体回転する前記電動機の動力伝達用の固定ギヤ(Ghvo)と、が設けられ、
前記電動機軸には、軸方向の前記一方向側から順に、前記電動機走行変速段用の固定ギヤ(Gevo)と常時噛合するとともに前記電動機軸に対して相対回転可能な前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevi)と、前記第2ハブ(Hm)と、前記電動機の動力伝達用の固定ギヤ(Ghvo)と常時噛合するとともに前記電動機軸に対して相対回転可能な前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と、が設けられ、
前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第1位置にあるとき、前記第1スリーブ(S1)が前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と係合せず、且つ、前記第2スリーブ(Sm)が前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevi)と係合するとともに前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と係合せず、
前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第2位置にあるとき、前記第1スリーブ(S1)が前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と係合し、且つ、前記第2スリーブ(Sm)が前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と係合するとともに前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevi)と係合せず、
前記第1、第2スリーブがそれぞれの前記第3位置にあるとき、前記第1スリーブ(S1)が前記特定変速段用の遊転ギヤ(G2o)と係合せず、且つ、前記第2スリーブ(Sm)が前記電動機の動力伝達用の遊転ギヤ(Ghvi)と係合するとともに前記電動機走行変速段用の遊転ギヤ(Gevi)と係合しない、手動変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−40622(P2013−40622A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175848(P2011−175848)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(592058315)アイシン・エーアイ株式会社 (490)
【Fターム(参考)】