説明

手持ち式電子装置用アクティブキーボードシステム

アクティブキーボードシステムは、相互に交信接続されたプロセッサ、メモリ及びディスプレイ(34)を具備する。本システムは、データ及びコマンドをキーボードシステムに入力する入力手段を具備する。入力手段は少なくとも1つのセレクタ(36)と、複数のキー(32a、32b、32c、32d)を具備する。アクティブキーボードシステムソフトウェアがメモリに記憶され、利用可能な選択肢を、入力手段を用いてその利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けしてディスプレイ(34)上へ動的に提示するように構成される。アクティブキーボードシステムソフトウェアは、提示コードとフィルタコードを具備する。提示コードは、スクロールを可能とするステップ又はスクロール分割コードと、視認グリッド上に利用可能な選択肢を編成し且つ視認グリッドをディスプレイ(34)に提供するグリッド提示コードとを含む。グリッド提示コードは、マトリックスとして各々が構成される1つ以上の区画枠を備えた視認グリッドを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手持ち式のデータ入力装置に関し、特に手持ち式電子装置用アクティブキーボードシステムに関する。本アクティブキーボードシステムは、利用可能な選択肢を、入力手段を用いてその利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けしてディスプレイ上へ動的に提示することにより、手持ち式電子装置のユーザに対し、英数字テキスト及びデータの装置への入力を含め、通常用いられる全ての機能を片手で行えるようにする一定組の手法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ポータブル型電子装置は、装置の能力を拡充しつつ、小型化が急速に進んでいる。サイズの縮小は、情報を電子装置に入力しまた電子装置から情報へアクセスするためにユーザがキーボードを物理的に操作する能力を制限してきた。一部の電子装置はミニテュア型キーボードを備えて製造されているが、そのような装置は使用するのが困難なことが実証されており、データを指で迅速に入力するのにキーが小さ過ぎる。他方、一式のキーボードに通常サイズのキーを用いると、キーボードの必要幅のため、装置の小型化可能な範囲が限定される。一部の会社は、コンピュータの不使用時に分割して重ね合わせられる通常サイズのキーボードを作製したが、それでも尚装置は比較的大きくなってしまう。
【0003】
現在、多くの電子装置は手のひらに充分載せられるほど小さい。そのように小さいサイズでも、片手で素早くデータを入力したり、インターネットをナビゲートでき、その際片手で装置を支持するだけでなく、5本の指全てを使って素早くデータやコマンドを入力できることが望まれている。そういった小型の電子装置の能力を充分活用するためには、本発明で提供するような、フルテキストを含むデータを制限された数のキーで素早く且つ効率的に入力する装置が必要である。
【0004】
制限された数のフルサイズキーを用いたデータ入力の方法が幾つか、従来技術として知られている。そのひとつが「マルチタップ」法である。この方法では、各々に複数個の文字や記号を割り当てた12個以上のキーを用いている。ユーザは、装置のディスプレイ上に所望の文字が現れるまで、各キーを何回か押す。この方式は、制限された数のキーを使ってユーザが完全なテキストメッセージを入力できるようにするが、キーストロークの数が非常に多く中断時間も必要なため時間のかかる方式であり、しかもインターネットの閲覧能力はなく、ユーザは指の位置をキーからキーへ動かさなければならないため、キーストロークの効率が更に下がる。
【0005】
制限された数のキーを用いたデータ入力の別の方式が、1998年10月6日付けで Dale L. Grover らに発行された米国特許5,818,437及び2000年1月4日付けで Martin T. King らに発行された米国特許6,011,554に記載されている。これらの方式でも各キーに複数の値を割り当てるが、各キーを複数回押す必要は取り除かれている。ユーザは所望の各キーを1回ただ押すだけで、コンピュータがユーザの入力しようとした単語を、キー毎の複数の文字から形成可能ないくつかの単語の中から判読を行う。コンピュータが違った単語を導いた場合、ユーザは他の多数の可能性のある単語をスクロールできる。これらの方式は、マルチタップ法と比較しキーストロークの数を減らすのに効果的である。しかしながら、それらの方式は語彙が制限されているため一般的でない単語や名前を入力するのには使えず、インターネットの閲覧にも適用できず、しかもユーザがキー上の指の位置を変えなければ使えない。
【特許文献1】米国特許5,818,437
【特許文献2】米国特許6,011,554
【0006】
1998年12月29日付けで Jeffrey A. Grant に発行された米国特許5,854,624は、インターネットの閲覧用のポケットサイズ型インタフェースの一例である。Grant の米国特許5,854,624の装置は、タッチ感応スイッチと幾つかのキーを用いて、ユーザとインターネットのインタフェースを可能としている。またGrant の米国特許5,854,624の装置は、ユーザがインターネットをナビゲートするのを可能にする機能を有するが、テキストや数字などのデータを入力する方法は示しておらず、片手での操作用にも設計されていない。
【特許文献3】米国特許5,854,624
【0007】
2000年12月26日付けで Lisa L. Foote に発行された米国特許6,164,853 も、手持ち式装置用の人間工学的ハウジングを開示している点で関連している。Footeの装置は、リモートコントロールなど標準型電子装置に装着され、ユーザが片手だけでそのような装置を簡便に操作できるようにしている。しかしながらFooteの装置は、各種のデータを素早く入力する方法や、インターネットを閲覧する方法をいずれも開示していない。
【特許文献4】米国特許6,164,853
【0008】
別の関連技術として次のものがある:2002年5月23日付けで公開された Giovanni D'Agostinin の米国出願公開特許2002/0060699
Al(二次元移動センサに基づく文字入力装置);2002年11月7日付けで公開された Matthew G. Pallakoff の米国出願公開特許2002/ 0163504 Al(迅速なテキストタイプ入力をサポートする手持ち式装置);2003年2月20日付けで公開された Joshua R. Buesseler らの米国出願公開特許2003/0036362
Al (移動式通信装置用の交換可能カバー);及び2003年3月13日付けで公開された Charles Wu らの米国出願公開特許2003/0048262 Al (ナビゲーション、テキスト入力及び電話ダイヤル入力用の方法及び装置)。
【特許文献5】米国出願公開特許2002/0060699 Al
【特許文献6】米国出願公開特許2002/0163504 Al
【特許文献7】米国出願公開特許2003/0036362 Al
【特許文献8】米国出願公開特許2003/0048262 Al
【0009】
さらに別の関連技術として次のものがある:2003年3月20日付けで公開された Jiang Pengの米国出願公開特許2003/0052861 Al(脱着可能ジョイスティックを備えたポータブル式通信装置及びその方法);2004年1月22日付けで公開された Gary R. Bradskiの米国出願公開特許2004/0012566 Al(仮想空間とのインタフェース用直感式モバイル装置);及び2004年1月29日付けで公開された G. Eric Engstrom らの米国出願公開特許2004/0018863 Al(スマートな付属カバーを有するモバイル電子装置のパーソナル化)。
【特許文献9】米国出願公開特許2003/0052861 Al
【特許文献10】米国出願公開特許2004/0012566 Al
【特許文献11】米国出願公開特許2004/0018863 Al
【0010】
さらに別の関連技術として次のものがある:1990年1月2日付けでJames
M. Lapeyreに発行された米国特許4,891,777 (12個のキーから英数字の入力能力を与える片手キーボードアレイ);1993年2月16日付けでRonald H. Thomasらに発行された米国特許5,187,480 (記号定義装置);1994年7月26日付けでThomas L. Gambaroに発行された米国特許5,332,322 (手で握れる装置用の人間工学的親指操作可能キーボード);1995年11月28日及び1996年10月15日付けで共にDavid Kirkebyらに発行された米国特許5,471,042 及び5,565,671 (二重トリガースイッチを有する手持ち式データ入力端末);1997年3月18日付けでErnest H. Beernikらに発行された米国特許5,612,719 (グラフィックユーザインタフェース用動作感知ボタン);1997年9月9日付けでJames D. Loganに発行された米国特許5,666,113 (カーソル制御及びキーボードエミュレーション用タッチパッド入力装置を用いるためのシステム);及び1997年12月30日付けでMalcolm G. Hallらに発行された米国特許5,703,623 (遠隔制御用スマート配向検知回路)。
【特許文献12】米国特許4,891,777
【特許文献13】米国特許5,187,480
【特許文献14】米国特許5,332,322
【特許文献15】米国特許5,471,042
【特許文献16】米国特許5,565,671
【特許文献17】米国特許5,612,719
【特許文献18】米国特許5,666,113
【特許文献19】米国特許5,703,623
【0011】
さらに別の関連技術として次のものがある:1998年10月6日付けでNina
T. Cheungに発行された米国特許5,736,976 (手の動きの検知及びモニター機能を有するコンピュータデータ入力装置);1998年9月15日付けでSeth R. McCloudに発行された米国特許5,808,567 (手の指3本を用いて通信する装置及び方法);及び1998年8月3日付けでJames M. Cisarに発行された米国特許5,931,873 (サムホイールを備えたプログム可能モバイル装置)。
【特許文献20】米国特許5,736,976
【特許文献21】米国特許5,808,567
【特許文献22】米国特許5,931,873
【0012】
さらに別の関連技術として次のものがある:2000年4月18日付けでSeppoらに発行された米国特許6,052,070 (文字列を形成する方法、電子通信装置及び電子通信装置を充電する充電器);2000年5月23日付けでAlan H. Grantに発行された米国特許6,067,358 (人間工学的携帯電話);2000年8月15日付けでJerry Panagrossiに発行された米国特許6,104,317 (データ入力装置及び方法);2001年3月13日付けでRobert M. Landsに発行された米国特許6,201,554 (手持ち式データ処理用デバイス制御装置);及び2001年6月5日付けでAnders L. Molneに発行された米国特許6,243,080 (セレクタを備えたタッチ感知式パネル)。
【特許文献23】米国特許6,052,070
【特許文献24】米国特許6,067,358
【特許文献25】米国特許6,104,317
【特許文献26】米国特許6,201,554
【特許文献27】米国特許6,243,080
【0013】
さらに別の関連技術として次のものがある:2002年2月12日付けでJoel
F. Bartlettに発行された米国特許6,347,290 (手持ち式演算装置の動きに対応する位置及び所作コマンドを検出し実行する装置及び方法);2002年5月21日付けでCraig A. Willに発行された米国特許6,392,640(非曖昧性によるサムホイールを用いた単語の入力);2002年6月4日付けでMona Singhらに発行された米国特許6,400,376 (手持ち式データ処理用表示制御);2002年8月20日付けでQi Haoに発行された米国特許6,437,709 (キーボード及びその入力方法);2002年10月15日付けでDavid Y. Feinsteinに発行された米国特許6,466,198 (ディスプレイを備えた手持ち式装置の表示ナビゲーション及び拡大);及び2003年5月20日付けでKeith C. Thomasに発行された米国特許6,567,101(データの表示を操作するための動作入力を利用したシステム及び方法)。
【特許文献28】米国特許6,347,290
【特許文献29】米国特許6,392,640
【特許文献30】米国特許6,400,376
【特許文献31】米国特許6,437,709
【特許文献32】米国特許6,466,198
【特許文献33】米国特許6,567,101
【0014】
さらに別の関連技術として次のものがある:2003年6月3日付けでJoel
F. Bartlettに発行された米国特許6,573,883(所作で演算装置を制御する方法及び装置);2003年8月5日付けでJin Luに発行された米国特許6,603,420(レシーバ音量、チャネル選択、またはその他のパラメータ用のモーション依拠制御を備えた遠隔制御装置);2003年8月26日付けでJason T. Griffinらに発行された米国特許6,611,255(親指での使用に最適化したキーボードを備える手持ち式電子装置);2003年11月4日付けでIwao Masuyamaらに発行された米国特許6,641,482(加速度センサ及びゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体を備えたポータブルゲーム装置);2004年1月27日付けでRobert A. Shepherdに発行された米国特許6,683,599(電子装置用キーパッド型入力装置);及び2004年2月10日付けでAlan E. Kaplanに発行された米国特許6,690,358(手持ち式装置用表示制御)。
【特許文献34】米国特許6,573,883
【特許文献35】米国特許6,603,420
【特許文献36】米国特許6,611,255
【特許文献37】米国特許6,641,482
【特許文献38】米国特許6,683,599
【特許文献39】米国特許6,690,358
【0015】
さらに別の関連技術として次のものがある:1996年10月に公開されたヨーロッパ出願公開特許EP 0 735 514 A1、1988年1月に公開された英国出願公開特許GB 2
193 023 A、2002年9月に公開された世界知的所有権機関(WIPO)出願公開特許WO
02/073995 A1、2003年1月に公開されたヨーロッパ出願公開特許EP 1 271 288 A2、及び2003年2月に公開されたWIPO出願公開特許WO 03/015379。
【特許文献40】ヨーロッパ出願公開特許EP 0 735 514A1
【特許文献41】英国出願公開特許GB 2 193 023 A
【特許文献42】WO 02/073995 A1
【特許文献43】ヨーロッパ出願公開特許EP 1 271 288A2
【特許文献44】WO 03/015379
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記した発明及び特許は、単独あるいは組み合わせいずれにおいても、請求の範囲で請求しているような本発明を記載していない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明はアクティブキーボードシステムを提供する。本キーボードシステムはプロセッサ及びプロセッサに交信接続されたメモリを有する。ディスプレイがプロセッサに交信接続される。キーボードシステムは、データをキーボードシステムに入力する入力手段を有する。入力手段は少なくとも1つのセレクタと、少なくとも2つのキーとを有する。アクティブキーボードシステムソフトウェアがメモリに記憶される。アクティブキーボードシステムソフトウェアは、利用可能な選択肢を、入力手段を用いてその利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けしてディスプレイ上へ動的に提示するように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は手持ち式電子装置用アクティブキーボードシステムである。本アクティブキーボードシステムは、利用可能な選択肢を、入力手段を用いてその利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けしてディスプレイ上へ動的に提示することにより、手持ち式電子装置のユーザに対し、英数字テキスト及びデータのシステムへの入力を含め、通常用いられる全ての機能を片手で行えるようにする一定組の手法を提供する。アクティブキーボードシステムは、相互に交信接続されたプロセッサ、メモリ、及びディスプレイを具備する。本システムは、データ及びコマンドをキーボードシステムに入力する入力手段を具備し、入力手段は少なくとも1つのセレクタと複数のキーとを具備する。アクティブキーボードシステムソフトウェアがメモリに記憶され、利用可能な選択肢を、入力手段を用いてその利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けしてディスプレイ上へ動的に提示するように構成される。
【0019】
アクティブキーボードシステムソフトウェアは、提示コードとフィルタコードを具備する。提示コードは、スクロールを可能とするステップまたはスクロールレゾルーション(分割)コードと、視認グリッド上に利用可能な選択肢を編成し且つ視認グリッドをディスプレイに提供するグリッド提示コードとを含む。提示コードは、一度に複数のセレクタの1つにより制御される選択ポインタを表示する。グリッド提示コードは、複数の列と複数の行を含むマトリックスとして個々が構成される1つ以上の区画枠を備えた視認グリッドを形成する。1つ以上の区画枠は例えば、3列4行のマトリックス、1列複数行のマトリックス等として構成し得る。1つ以上の区画枠は、クリア、透明、半透明及び/又は不透明とし得る。
【0020】
視認グリッドは複数のセルを含み、グリッド提示コードは、各々のセルに英数文字、記号、音符、アイコン、テキスト、表意文字、表語文字を分布させるグリッド分布(ポピュレーション)コードを有してもよい。さらに提示コードは、アプリケーションと提示コード間のトランザクションを変換するアプリケーションアダプタコード、選択された選択肢の音声告知、操作の完了を表す音声確認、あるいは操作の完了不備時のアラームを提供するサウンドコード、及びユーザとシステムの対話を高めるフィードバックコードを有してもよい。
【0021】
フィルタコードは、意図的なユーザのモーション(動作)入力を偶然のモーションから分離するように構成される。フィルタコードは、ユーザの入力を望ましくない外力の影響から分離する外力フィルタコード、ユーザの意図をグリッド上のポインタの正確な動きに変換し、ステップ間におけるシステムの再調整を可能とするステップモーションコード、ユーザが装置を操作しながら位置を変更可能とするスライドゼロコード、フィードバックを介してオペレータとシステムとの対話を最適化する適応閾値コード、及び/又はユーザ及びアプリケーションの優先性(preference)に合わせる補調コードを有してもよい。
【0022】
キーは、ディスプレイを妨害せずに指(フィンガー)で操作されるように構成してもよい。アクティブキーボードシステムは、単一または複数いずれのセレクタを備えて構成してもよい。セレクタは親指(サム)またはその他の指(フィンガー)で操作されるようにしたホイール、トラックボール、ジョイスティック、ロッカーパッド、タッチパッド、セレクタスイッチ、トグルスイッチ、キーボタン、N状態ボタン、もしくはN状態セレクタのいずれでもよい。
【0023】
親指/その他の指で操作される1つ以上のセレクタに替えてあるいはそれに加えて、アクティブキーボードシステムは、システムの動きを入力として解釈するように構成された1つ以上のセレクタを有してもよい。そのようなセレクタは、動きをほぼ直交する異なる次元で検知するように構成された1,2または3個からなる一組の動作センサであってもよい。1つ以上の動作セレクタの各々は、外力による望ましくないシステムの動きの影響をフィルタ除去するように構成された二組以上の動作センサを備えてもよい。
【0024】
アクティブキーボードシステムは、入力手段の一部または全てをシステム上に二重に設けるか、またはユーザがシステム部品を回転、再取り付け、スライド、もしくは移動するのを可能にして、両手利き用に構成されてもよい。キーは意図しない係合を防ぐように構成されてもよい。
【0025】
ここに開示する発明は勿論、多くの異なる態様で実施可能である。本アクティブキーボードシステムは携帯電話、パーソナルディジタルアシスタント、全地球測位受信装置、遠隔制御装置、コンピュータマウス、ページャ、ウォーキートーキー、スキャナ、マルチ測定器などとして構成されてもよく、また1つのポインタでインターネットを閲覧するように構成されてもよい。
【0026】
発明の好ましい実施例を図面に示し、以下詳細に説明する。但し、本明細書の開示は発明の原理を例示するものであって、発明を図示の実施態様に限定するものではない。
【0027】
図面を参照すれば、図1は携帯電話の態様で構成された本発明によるアクティブキーボードシステム10を示す。但しアクティブキーボードシステム10は、携帯電話(セルフォン)、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、全地球測位システム(GPS)受信装置、遠隔制御装置、コンピュータマウス、ページャ、ウォーキートーキー、スキャナ、マルチ測定器、遠隔制御装置など各種の手持ち式電子装置として構成もしくはその内部に一体化及び/又は組み入れ可能である。携帯電話10は、表面、背面、頂面、底面及び2つの側面を有する人間工学的ハウジング30、少なくとも4つのキー32a、32b、32c及び32d、ディスプレイ34、セレクタ36、プロセッサ、メモリ、及びアクティブキーボードシステムソフトウェアを有する。キー32a-32dは、通常の動作中ユーザが携帯電話10を手に持っているときユーザの(親指以外の)指(フィンガー)の下側にくるように、ハウジング30の側面に位置している。セレクタ36はキーと反対側のハウジング30の側面に位置し、ユーザが携帯電話10を手に持っているときユーザの親指の下側にくるように配置されている。
【0028】
図1の携帯電話10は左利きのユーザ用に構成されており、ディスプレイ34の上下にそれぞれ通常のスピーカ40とマイク42を有する。携帯電話10は、利用可能な選択肢を、キー32a-32d及びセレクタ36を用いてその利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けしてディスプレイ34上へ動的に提示することにより、携帯電話10のユーザに対し、英数字テキスト及びデータの装置への入力を含め、通常用いられる全ての機能を片手で行えるようにする一定組の手法を提供する。
【0029】
ここで用いる語句「選択肢の非曖昧選択」とは、1つのキーに割り当てられた一群の値から所望の値を明確に選択可能とする能力として定義される。勿論その他にも、キー、セレクタ及びディスプレイ表示値を相互に関連付けることによって曖昧なキーストロークを非曖昧化するなど、実質上同じ意味の表現を用いてよい。
【0030】
図2に示すように、本発明によるアクティブキーボードシステム130の主な構成部分は、グリッド142を表示するディスプレイ140、プロセッサ及びメモリ144、第1セレクタ146、第2セレクタ148、及びキー150を含む。ほとんどの場合2次元センサで充分であるが、所望なら3次元センサで実施してもよい。アクティブキーボードシステムソフトウェアは、アクティブキーボードシステム130のメモリで実行及び/又は実施される。
【0031】
キー150は、ディスプレイ140を妨害せずにフィンガーで操作されるように構成される。第1セレクタ146または第2セレクタ148のいずれかが、システム130の動きを入力として解釈するように構成されてもよい。例えば、第1セレクタ146はホイール、トラックボール、ジョイスティック、ロッカーパッド、タッチパッド、セレクタスイッチ、トグルスイッチ、キーボタン、N状態ボタン(マルチ状態ボタン等)、N状態セレクタ(マルチ状態セレクタ等)、その他とし得る。第1セレクタは親指によって操作されるように構成及び位置されるのが好ましいが、ユーザの手のその他の部分またはツールで操作されてもよい。
【0032】
第2セレクタ148がシステム130の動きを入力として解釈するように構成されてもよく、動きを異なる次元で検知するように構成された1つ以上の動作センサ一の組であってもよい。そのような1つのセレクタは、システム130に加わる外力の影響をフィルタ除去するように構成された二組以上の動作センサを備えてもよい。1つ以上の動作センサは、第1組の1つ以上の動作センサに対して第2組の1つ以上の動作センサの感度軸を一致させることによって、システム130に加わる外力の影響をフィルタ除去するように構成されてもよい。
【0033】
更にシステム130は、入力手段の一部または全てをシステム130上に二重に設けることによって両手利き用に構成されてもよい。またシステム130は、ユーザがシステム130の部品を回転、再取り付け、スライド、もしくは移動するのを可能にして、両手利き用に構成されてもよい。キー150は意図しない係合を防ぐように構成されてもよい。
【0034】
システム130は携帯電話、パーソナルディジタルアシスタント、全地球測位受信装置、遠隔制御装置、コンピュータマウス、ページャ、ウォーキートーキー、スキャナ、マルチ測定器などとして構成されてもよい。システム130の一部または全ての構成部品は、携帯電話、PDA、GPS受信装置、遠隔制御装置、コンピュータマウス、ページャ、ウォーキートーキー、スキャナ、マルチ測定器などの手持ち式電子装置に動作装着され組み合わせ使用されるにスリーブとして構成されてもよい。またシステム130は、1つのセレクタ及び/又は2つのセレクタでインターネット閲覧あるいはアプリケーション稼動するように構成されてもよい。
【0035】
アクティブキーボードシステムソフトウェアは、提示コードとフィルタコードを具備する。提示コードは、スクロールを可能とするステップまたはスクロールレゾルーション(分割)コードと、視認グリッド142上に利用可能な選択肢を編成し且つ視認グリッド142をディスプレイ140に提供するグリッド提示コードとを含む。提示コードは、一度に複数のセレクタ146,148の1つによって制御される選択ポインタを表示する。グリッド提示コードは、複数の列と複数の行を含むマトリックスとして個々が構成される1つ以上の区画枠を備えた視認グリッド142を形成する。1つ以上の区画枠は例えば、3列4行のマトリックス、1列複数行のマトリックス等として構成し得る。1つ以上の区画枠は、クリア、透明、半透明及び/又は不透明とし得る。
【0036】
視認グリッド142は複数のセルを含み、グリッド提示コードは、各々のセルに英数文字、記号、音符、アイコン、テキスト、表意文字、表語文字などを分布させるグリッド分布(ポピュレーション)コードを有してもよい。さらに提示コードは、アプリケーションと提示コード間のトランザクションを変換するアプリケーションアダプタコード、選択された選択肢の音声告知、操作の完了を表す音声確認、あるいは操作の完了不備時のアラームを表す音声確認を提供するサウンドコード、及びユーザとシステム130の対話を高めるフィードバックコードを有してもよい。
【0037】
フィルタコードは、意図的なユーザのモーション(動作)入力を偶然のモーションから分離するように構成される。フィルタコードは、ユーザの入力を望ましくない外力の影響から分離する外力フィルタコード、ユーザの意図をグリッド上のポインタの正確な動きに変換し且つステップ間におけるシステムの再調整を可能とするステップモーションコード、ユーザが装置を操作しながら位置を変更可能とするスライドゼロコード、フィードバックを介してオペレータとシステムとの対話を最適化する適応閾値コード、及び/又はユーザ及びアプリケーションの優先性に合わせる補調コードを有してもよい。
【0038】
アクティブキーボードシステムソフトウェアは図3に160として示してあり、ユーザ入力162、フィルタ164、プレゼンテーション(提示)166、及びアクティブアプリケーション168を反映している。ユーザ入力162は1つ以上のセレクタ及び複数キーのハードウェア状態を表しており、オプションのマイクロコントローラによって初期処理されてもよい。ユーザ入力162はモーションフィルタ、バッファ及びタイマを通過した後、フィルタ164内の適応閾値コード、スライドゼロコード、及びステップモーションコードを用いて評価される。バッファ、タイマ及び/又は適応閾値を制御するのに、補調コードを用いてもよい。プレゼンテーション166上の画像は、アクティブアプリケーションによって決まる。ユーザ入力は、グリッド上の選択ポインタの移動、グリッド輪郭の変化、及び/又は提示された選択肢のうちの1つの選択をもたらす。ソフトウェアは可能な選択に関する音声告知、完了した操作の確認、あるいは完了不備だった操作のアラームを生成可能である。またソフトウェアは使用利便性を改善する閾値適応のため、フィルタ164にフィードバック可能である。アプリケーション状態とユーザ入力は、プレゼンテーション166とアクティブアプリケーション168相互間で継続的に報告されている。
【0039】
動きの影響処理が図4A及び4Bのフローチャート170と190に示してある。図4Aは、外力174及び/又は意図しない動き178を判定及び/又は無視することで、装置172の動きがユーザ入力176としてどのように解釈及び/又は処理され、装置に加えられた力の分析に基づき意図されたユーザ入力がどのように分離されるかを示している。図4Bのフローチャート190は、基準ゼロの設定192後、装置が動いたかどうかの判定(194)がいかに行われるかを示している。判定結果が否定であれば、それ以上の処理は行われない。判定結果が肯定であれば、ユーザによる動きが行われたかどうか判定される(196)。判定結果が否定であれば、それ以上の処理は行われない。判定結果が肯定であれば、その動きが意図的なものであるかどうか判定される(198)。判定結果が否定であれば、それ以上の処理は行われない。判定結果が肯定であれば、更なる処理が続行される。
【0040】
図1のセレクタ36は各種の方法で構成可能であり、その一部が図5A-5Bに示してある。図5Aに、4つの三角形ボタンを使ったセレクタ36の構成を示す。各三角形は、2つの脚50と斜辺52を有する。各三角形ボタンからの一方の脚50が別の三角形ボタンの脚50と隣接するように、各ボタンは配置されている。その配置で、4つの三角形ボタンの斜辺52が四角形を形成する。また各三角形ボタンは図5Bに示すように、各ボタンの厚みが斜辺52に沿って最大で、2つの脚50が交差する位置で最小となるように傾斜している。
【0041】
図5Cに、トラックボールを用いた構成のセレクタ36を示す。トラックボールは当該分野で周知であり、ハウジング30内に回転可能に保持された球状ボール54を具備する。球状ボールは、2つの回転センサ56と58及び押し下げ接点60に接触している。使用時、ユーザがハウジングの外に突き出ている球状ボール62の一部を動かすと、その回転が回転センサ56及び58により検出される。またユーザは、球状ボール62を押し下げ接点60に向かって押すこともできる。球状ボール62が押し下げ接点60に接触すると、ボール62の動きが検出される。
【0042】
図5Dに、ロッカーパッドを用いた構成のマルチ接点を有するセレクタ36を示す。ロッカーパッドは、5つの押し下げ接点66(そのうち3つが図5Dに示してある)に接続されたパネル69を有する。接点はパネル69の各コーナに1つ、パネル69の中心に1つ配置されている。ユーザがパッドのコーナ近くかパッドの中央を押すと、その圧力が接点66の1つによって検出される。
【0043】
図5Eに、ジョイスティックを用いた構成のセレクタ36を示す。ジョイスティックは当該分野で周知であり、底部と頂部を有する細長いスティック部材68を有する。底部が、押し下げ接点70に移動可能に接続されている。ジョイスティックの操作時、ユーザは自分のフィンガーをスティック部材の頂部に置き、スティック部材を前、後、左または右方向に傾ける。これらの動きが、スティック部材の前、後、左または右側にそれぞれ配置された各接点72によって検出される。またユーザは、スティック部材68を押し下げ接点70に向かって押すこともできる。この動きが押し下げ接点70によって検出される。
【0044】
図6A-6Dは、図5A-5Eに示した各セレクタ構成によってなし得る横方向の動きを示す。各構成の動作は相互に幾分異なるが、動作の意図方向は各セレクタで同じである。例えば、ジョイスティック68を図6Dの矢印98の方向に押すことは、図6Aのボタン組体でボタン50cを押し下げること、図6Bでローラボール構成のローラ54を矢印98の方向に転がすこと、もしくは図6Cで方向パッドの矢印98の方向に最も近いコーナを押し下げるのと同様である。これらの各セレクタは、矢印104が常時手持ち式装置のハウジング30の頂部を指す方向に向いている。同じく、方向矢印102と100はハウジング30の左側及び底側を指している。尚ここで、「押す」または「押し下げる」という動詞及びその派生語は、全てのセレクタ構成における類似の動きを包括するものである。
【0045】
アクティブキーボードシステムソフトウェアの全機能(後述)は、図1に示したキー32a-32dとセレクタ36を組み合わせて用いることで制御できる。しかし前述したように、アクティブキーボードシステムは、手持ち式装置の物理的な動きを介しセレクタ36によって行われる諸機能の多くを実施する1つ以上の動作センサを備えてもよい。
【0046】
1つ以上の動作センサを備える場合、アクティブキーボードシステムは図7に示すように、1つ以上のセンサでシステムの1つ以上の動き成分を周期的にサンプリングすることで、動きのほぼ直交する1つ以上の成分(システムのピッチ、ロール及び/又はヨー)を検知するように構成可能である。方向80及び/又は81はピッチ(装置の水平軸を中心にした時計または反時計方向)を表し、方向82及び/又は83はロール(装置の垂直軸を中心にした時計または反時計方向)を表し、方向84及び85はヨー(装置に対する直交軸を中心にした時計または反時計方向)を表す。これらの種類の動きは、装置を手にしているユーザが自分の手首を曲げ、伸ばし、及び/又は回転すると手持ち式装置が受ける動きの種類と一致している。
【0047】
アクティブキーボードシステムの動きを検知するためにアクティブキーボードシステムへ組み込み可能な動作センサには異なる数種類があるが、いずれも当該分野で周知のため、アクティブキーボードシステムの機能に関連する点だけ以下簡単に説明する。動作センサは、1つ以上のセンサが取り付けられる移動物体の加速度、速度変位及び/又は電磁場のほぼ直交する1、2または3つの成分(例えばアクティブキーボードシステムのピッチ、ロール及び/又はヨー)の変化を検知し、位置変化の結果としてのシステムの動きをプロセッサで計算せしめるように構成されればよい。かかる動作センサは重力、慣性、振動、磁場、音響、光学的諸特性、ジャイロスコープ力学特性、その他の物理的作用及び原理を利用し得る。
【0048】
またそのような動作センサは、多次元の動きを検出するために、1つ以上の一次元、二次元または三次元センサの「複数組」で構成してもよい。例えば、加速度センサは複数の一次元センサとして構成し得る。つまり、「一組」の3個別々の一次元加速度センサを物体に取り付けて、各直交方向における物体の動きを検知可能である。
【0049】
システムに加わる外力の影響をフィルタ除去するために、二組以上の動作センサ、例えば加速度センサ、重力場センサ、ジャイロスコピックセンサなど(物体の位置と独立に物体の動き追跡する慣性型センサも含む)をアクティブキーボードシステムのハウジング内に組み込んでもよい。これら動作センサの配置位置は、各センサがそれぞれに割り当てられた動きの範囲を検出可能であれば、さして重要でない。両方の組のセンサは、それぞれの感度軸が厳密に一致するように保持するのが好ましい。第2組のセンサを、アクティブキーボードシステムの外に配置してもよい。
【0050】
アクティブキーボードシステムソフトウェアは複数のコンピュータ指令を含み、電子メモリ、光学メモリ、磁気媒体メモリなど、コンピュータで使用可能などんな種類の媒体にも保持し得る。アクティブキーボードシステムソフトウェアはプロセッサと協働して、情報をディスプレイに出力し、またユーザによって入力されたコマンド及びデータを解釈する。アクティブキーボードシステムに電源が投入されると、ユーザには幾つかの動作モードの中の1つを選択する選択肢が与えられる。動作モードは、アクティブキーボードシステムの能力に応じて変化する。アクティブキーボードシステムソフトウェアは2つの選択手法、すなわち列選択と行選択を有する。図8に示すように、セレクタによって行われる列選択では、選択ポインタ96によって垂直列90,92及び94の1つを選択し、選択された列と行の交差位置にある4つのボックス31a、31b、31c、31dのいずれかに対するフィンガーキーからの非曖昧入力を行わせる。選択された4つのボックス31a、31b、31c、31dは動作開始の異なる利用可能モードを始動させるものであるが、各種の値をアクティブキーボードシステムへ入力するのに同じ選択手法を用いてもよい。
【0051】
アクティブキーボードシステムは1つまたは2つのセレクタにより、インターネット閲覧モードで動作したり、あるいはウィンドウズ(登録商標)アプリケーションなどアプリケーションと協働可能である。1つのセレクタの場合図9に示すように、アクティブキーボードシステムがインターネット閲覧モードにあるとき、ディスプレイは特定ウェブページの一部を示す。ユーザはセレクタまたは動作センサを用いて、ページの閲覧表示120を移動可能である。インターネットモードでは、カーソル122が表示されているウェブページ画像の中央に現れる。ユーザがウェブページをナビゲートする際、画像がウェブページの端に達するまで、カーソル122は表示の中心にとどまる。達した時点で画像の動きは停止し、カーソルは画面の端に向かって進む(124)。その結果ユーザは、ページの端に近いウェブページの部分上で「クリック」可能となる。2つのセレクタの場合は、一方のセレクタが表示されたウィンドウのウェブページ上における移動を制御可能で、別のセレクタがポインタを制御可能である。
【0052】
図10に、アクティブキーボードシステムでのタイプ入力、ダイヤル入力、及びアイコン選択用の3つの半透明区画枠210を備えたグリッド200を示す。3つより多い区画枠210も使えるが、一度に見えるのは3つの区画枠210だけで、選択された区画枠、選択区画枠の背後の区画枠、及び選択区画枠の上の区画枠である。
【0053】
図示したグリッド200の各区画枠210はセル202の3列x4行マトリックスを含むが、グリッド区画枠210は任意の数の列及び行のセル202を有するマトリックスで構成してもよい。通常3つの列だけ、つまり選択された列、選択列の左側の列、及び選択列の右側の列が見える。ほとんどのアプリケーションにおいて、特定に構成されたアクティブキーボードシステムのキーの数は、特定アクティブキーボードシステムのグリッド区画枠における行の数に等しい。キーは溝内に配置したり、バーで分離したり、ピット内に配置したりなど、(例えば手のひらによる)意図しない干渉から保護されるように構成してもよい。グリッド200の区画枠210はアップ及びダウンコマンドを使って選択され、所望の列は左及び右コマンドを使い選択ポインタ204を当該列へ移動させることによって選択される。各セル202は、英数文字、記号、音符、アイコン、テキスト、表意文字、表語文字など、各種のアイテムを受け入れ可能である。
【0054】
アクティブキーボードシステムソフトウェアは、図11に300で機能的に示した表示領域及び選択ポインタのステップモーション移動を行う。表示領域がはじめに特定の位置にあり、ユーザがシステムを左に傾けると、選択ポインタは左に移動し、装置を中央に戻すと、視認グリッドが続いて左に移動する。ユーザが再びシステムを左に傾けると、選択ポインタは左に移動する。アクティブキーボードシステムソフトウェアは、図12に310で機能的に示した表示領域及び選択ポインタの循環モーション移動も行う。表示領域がはじめに特定の位置にあり、選択ポインタが列Bにあって、ユーザがシステムを左に傾けると、選択ポインタは列Aへと左に移動し、装置を中央に戻すと、視認グリッドが続いて左に移動し、選択列Aが中心にくる。ユーザが再びシステムを左に傾けると、選択ポインタは列Dへと左に移動する。列Dが最も左の列であると、選択ポインタは列Dに残ったままで、列BとCが列Dの左に移動されることによって、表示領域の中心に列Dがくる。
【0055】
図13及び14に320で示した地図画像など、何らかの画像上で選択ポインタを動かすのにステップモーション移動を用いてもよい。この例では、表示画像が地図画像の所望ズームレベルに応じ(例えば1:1→3x4;1:2→6x8;1:10→30x40など)、多数の正方形に分割される。所望の表示領域は、アップ及びダウンコマンド、左及び右コマンドを使って選択される。ステップモーション移動は、図15に330で示すようなカレンダで用いてもよい。例えば、アクティブキーボードシステム用のカレンダ構成は横置きモードで行われる。アクティブキーボードシステムを左に傾けると、選択ポインタは1列だけ左に移動し、シャドウは残ったままである。続けて、装置の傾きを元の戻すと、シャドウが選択ポインタに到達し、さらに処理が継続可能となる。
【0056】
前述したように、アクティブキーボードシステムソフトウェアはステップモーションコード、スライドゼロコード、適応閾値コード、及びステップまたはスクロールレゾルーション(分割)コードを具備する。ステップモーションコードは、図16にイメージ340で、また図17にフロー図342で機能的に示してある。システムの電源投入または覚醒時に、基準ゼロが設定される。使用中、アクティブキーボードシステムの実際の傾き(加速度)が基準ゼロより大きいが所定の第1閾値より低い値を有するとき、選択ポインタの動きに関して何の決定もなされず、選択ポインタはその位置にとどまる。
【0057】
傾き(チルト)は、所定の時間間隔(例えば数分の1秒)にわたる周期的な動作センサ入力に基づき判定される。傾き値が第1の傾き閾値を超え且つ次のn個の傾き値が第2の傾き閾値より大きいと、ステップモーションコードは選択ポインタを、表示画像上で傾きの方向に対応した方向に移動させる。傾き角が第1の傾き閾値より大きい間、選択ポインタのそれ以上の移動は許されない。次の「ステップ」を行えるようにするためには、ユーザは装置を、傾き値が第1の傾き閾値より小さくなる位置に戻さねばならない。
【0058】
ステップモーションコードは選択ポインタのスクロールつまり連続的な移動を行うように構成されてもよく、それをここでは「ロックンスクロール」モーションと呼ぶ。ロックンスクロールモーションは、特定キーまたはタイマーが作動される及び/又はアプリケーションの特定ステップまたはスクロールフラグが設定されると作動し、傾きが認識される毎に連続移動もしくはマルチステップ移動を行う。
【0059】
図18に、スライドゼロコードを機能的に示す。所定数の移動mの傾き角の平均値が左右の傾き平均で示すように一貫して斜めにずれている場合、新たな基準ゼロが左右傾き値の平均間の中央傾き値に対応して更新される。基準ゼロは非動作が一定期間続いた後自動的にリセットされてもよく、ボタンを押すと強制リセットされるようにしてもよい。移動毎にサウンド確認を発生してもよく、サウンド確認は左/右移動、上/下移動、側面キー指示移動で異ならせてもよい。場合によっては、選択をサウンドアナウンスで先に促してもよい。また基準ゼロを、オプションの「バブル」(図20の392参照)の位置に基づき調整してもよい。
【0060】
図19に、適応閾値コードを機能的に示す。適応閾値コードは、ユーザがバックスペースを極めて頻繁につかうとき、1つのグリッドセルから別のセルへ極めて多くジャンプするときなどに行える。そのような状態が生じたら、第1及び第2の傾き閾値を低下あるいは増加してもよく、また異なる閾値を前後に動かしてもよい。
【0061】
図20に示すアクティブキーボードシステム370は、グリッド382を含むディスプレイ380、プロセッサ及びメモリ384、第1セレクタ386、第2セレクタ388、キー390を具備しており、オプションの仮想バブル392の使用例を示している。ディスプレイ380は外部(遠隔制御式など)にあってもよい。バブル392はポインタ像の位置を示し、他のアプリケーション用のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)の一部である。
【0062】
図21に示すアクティブキーボードシステム400は、グリッド412を含むディスプレイ410、プロセッサ及びメモリ414、第1セレクタ416、第2セレクタ(1つ以上の動作センサ)418、キー420を具備しており、オプションの追加センサ422の使用例を示している。ディスプレイ410は外部(遠隔制御式など)にあってもよい。追加の外部センサ422は、真のユーザ入力を内外センサ間の差動信号として判定するのに使える。外部センサ422は例えば、ユーザとアクティブキーボードシステム400を乗せている車両に配置してもよい。図22は、無線通信リンクを介して1つ以上の外部センサ440を使用するように構成された手持ち式アクティブキーボードシステム430を示す。システム430は人間工学的ハウジング432、キー434、セレクタ436、及び内部センサ438を具備する。
【0063】
図23は、車両内のユーザに所持されたアクティブキーボードシステム450を示す。システム450は二組のセンサを有し、両センサ共システム450内にあってもよいし、あるいは一方がシステム450内、他方が外にあってもよい。外部センサはシステム450と、無線及び/又は非無線で相互に交信接続される。イメージ460は、システム450の動きがどのように判定されるかを例示している。例えば、ユーザが手でシステム450を軸中心に回すと、システム450の真の傾き値を示す差動信号が、ユーザから加わる力と車両からシステム450に加わる力の差に基づいて求められる。図24のイメージ462を参照すれば、二組のセンサ間の差動信号A-Bを用いることで、ユーザ入力が2倍になり、車両による力成分を相殺可能である。
【0064】
図25に示すように、アクティブキーボードシステム470が二組のセンサを備える場合、外部モーションのフィルタ除去を行える。ユーザ入力はピッチ、ロール及び/又はヨー各軸に対する回転運動であり、3次元全てにて適切に位置合わせされ且つ離間された二組の同等のセンサによって受信された信号が、モーションフィルタソフトウェアによって処理される。車両の移動はスライドモーションとなり、容易にフィルタ除去可能である。動作センサパラメータの正規分散を調整するため、システム470はオプションで1つ以上の信号イコライザを備えてもよい。
【0065】
手持ち式アクティブキーボードシステムは両手利き用に構成し得る。図26Aに示す手持ち式アクティブキーボードシステム480はPDAとして構成され、PDA480の左側にキーまたはボタン、またPDA480の頂部及び底部に2つのロッカーパッド型またはジョイスティック型セレクタを備え、キーまたはボタンが一方もしくは他方の側面にくるようにPDA480を反転することで、右利き及び左利きどちらのユーザも使える両手利き用になる。図26Bに示すPDA482は、PDA482の頂部に1つのロッカーパッド型またはジョイスティック型セレクタ、PDA482の左右両側に二組のキーまたはボタンを備えることで、PDA482の両手利き使用を可能にしている。図26Cに示す大型のPDA484は、PDA484の左右両側に二組のキーまたはボタン、またPDA484の上方左側及び上方右側に2つのジョイスティックセレクタを備えることで、両手利き用に構成されている。
【0066】
図27Aに、システム構成部品の一部または全てが、PDA形態の手持ち式装置に動作装着され装置と組み合わせて用いられるスリーブ490として構成された小型のアクティブキーボードシステムを示す。スリーブ490は、スリーブ490の左側にキーまたはボタン、またスリーブ490の頂部及び底部にロッカーパッド型またはジョイスティック型セレクタを備え、キーまたはボタンが一方もしくは他方の側面にくるようにスリーブ490を反転することで、右利き及び左利きどちらのユーザもPDAが使える両手利き用になる。スリーブ490は通常のPDAを内部に配置可能な装置で、セレクタ、キー、マイクロコントローラなど、本発明によるアクティブキーボードシステムの構成部品の一部または全てを具備する。
【0067】
図27Bに、本発明によるアクティブキーボードシステムの構成部品の一部または全てを備え、大型PDAの形態の手持ち式装置に動作装着され装置と組み合わせて用いられるスリーブ492を示す。スリーブ492は、スリーブ492の左右両側に二組のキーまたはボタン、またスリーブ490の上方左側及び上方右側に2つのジョイスティックセレクタを備えることで、両手利き用に構成されている。
【0068】
図28に、携帯電話として構成された手持ち式アクティブキーボードシステム500を示す。携帯電話500は、ディスプレイと視認グリッド像を含む人間工学的ハウジングを具備し、視認グリッド像は複数のセル502とグリッド像中の1列を取り囲む選択ポインタ504を表示する。また携帯電話500は、セレクタ506、側面ボタンまたはキー508、マイク510、及びスピーカ512を具備する。図28に示す視認グリッド像は、携帯電話500をオンつまり起動したときに表示される電源投入時画面を表す。電源投入時画面は、メモ入力、音声メールの聴取、計算器としての使用、スケジュールの確認/編集、ダイヤル数字の入力、電話帳の使用、eメールの送信/受信、発信者IDの使用、インターネットの使用、携帯電話500の使用防護など含む主な機能モードへ、ユーザが即座にアクセス可能とする。選択ポインタ504は、1つ以上の動作センサによって制御される。
【0069】
図29はテキストモードの携帯電話500を示す。ディスプレイは、タイプ入力テキストとキー割り当てグリッドを示すように分割されている。片手だけでタイプ入力でき、入力スピードはマルチタップ法よりはるかに速い。図30は、左/右センサで選択ポインタ504を左右に動かす方法、及び上/下センサで画像530の区画枠を切り換える方法を示す。タイプ入力は、1つ以上の動作センサを用いず、側面ボタン508及び/又はセレクタを用いて行ってもよい。
【0070】
図31に示すように、左利き用の携帯電話として構成されたアクティブキーボードシステム540は、携帯電話540をひっくり返せば右利きでも使えるように、副セレクタを携帯電話540に備えることで両手利き用に構成し得る。図32に示した携帯電話形態のアクティブキーボードシステム550は、1つ以上の動作センサを内蔵し、自然の揺れ及び/又は横方向/縦方向の手の動きを検出可能である。携帯電話550に備えられるセンサは、3次元全ての動きを検出できるように、1、2または3つの直交軸を備えて構成し得る。
【0071】
携帯電話とユーザの対話は一般的に、電話帳、通話履歴、電話機能、カレンダ/スケジュール、ポケットオフィスなど、既存のデータや電話アプリケーションの管理を含んでいる。図33及び図34に、携帯電話として構成された手持ち式アクティブキーボードシステムの電話/アドレス帳を使った機能的用途を、それぞれ560と570で示す。図示のように、電話/アドレス帳は電源投入時画面から選択され、特定の名前はスクロールして見つけるか、あるいはテキストモードで選択できる。最終的な名前の選択は、キーで行われる。電話番号、eメール及び/又はアドレスも、図35に580で示すように同じ方法で選択できる。発信、着信または不在着信の履歴も、図36に590で示すように同じ方法で選択できる。通話履歴中の既存番号も図37に600で示すように同じ方法で得られ、また通話履歴中の新規番号も図38に610で示すように同じ方法で得られる。カレンダ機能も、図39に620で示すように同じ方法で得られる。
【0072】
図40は、適切に構成されたアクティブキーボードシステム携帯電話の閲覧モードで、セレクタ機能及び/又は側面ボタン機能がマウスクリックを模倣してどのように使われるかを630で示す。図41は、傾き制御移動により、アクティブキーボードシステムの選択ポインタが地図のナビゲーションでどのように使われるかを640で示す。図42及び図43は、閲覧モードで地図をナビゲートするのに、携帯電話形態のアクティブキーボードシステムがどのように使われるかを650と660で示す。
【0073】
図44は、適切に構成されたアクティブキーボードシステムを使って、1つ以上の動作センサがインターネットのサイト上で表示ウィンドウの移動を制御可能であるインターネットのウェブページをどのように閲覧できるのか、5位置の親指ジョイスティックセレクタがどのようにマウスカーソルに模倣され、どのようにクリックしてウェブページ上のアイテムを選択するのか、各キーはタイプ入力、コピー、貼り付け及びその他の機能を行うのにどのように使われるのか、さらにサイドバーは1つ以上の動作センサによってどのように制御されるのかを670で示している。
【0074】
図45は、適切に構成されたアクティブキーボードシステムが親指ジョイスティックセレクタを用いてポケットオフィスを操作し、カーソルを制御するのにどのように使われるのか、また各キーを用いてタイプ入力、コピー、貼り付け及びその他の機能を制御するのにどのように使われるのか、さらにサイドバーは1つ以上の動作センサによってどのように制御されるのかを680で示している。図46は、適切に構成されたアクティブキーボードシステムが親指ジョイスティックを用い狙って発射するなど、ゲームをするのにどのように使われるのか、またシステムを傾けて左、右、前、後に移動及びズームイン/アウトすることで、サイトの位置をどのように移動できるのかを690で示している。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によるアクティブキーボードシステムはグリッドに、アルファベットの3次元提示、「ロックンスクロール」式の上下左右移動、ウェブアクセス用の二重ポインティングデバイス、メッセージの表示閲覧、及びゲームを提供する。アクティブキーボードシステムの入力手段及びオプションのマイクロコントローラを備えたスリーブを、従来の手持ち式装置用のプラグインとして用い、その装置とアクティブキーボードシステムを機能的に組み合わせて構成してもよい。またアクティブキーボードシステムは両手利き使用、(ブレスレット、ホルスター、内部の二重センサなどによる)外部の動きの補償、及び適応閾値コード、スライドゼロコード、ステップモーションコード、補調コード、ステップまたはスクロールレゾルーション(分割)コード、グリッド提示コード、グリッド分布コード、アプリケーションアダプタコード、及び/又はサウンドコードを提供可能である。
【0076】
また本発明によるアクティブキーボードシステムは、5方向のジョイスティックセレクタなどセレクタの形態、動きのほぼ直交する3つの成分を検知するように構成された動作センサの形態、及び4つのキーの形態という単純で直感的な制御器を提供する。フィンガーをシフトせず片手だけで120個の組み合わせを操作できる(これは例えば、両手と机及び椅子を必要としない点を除き、フルサイズのQWERTYキーボードの組み合わせに等しい)。親指と手首で独立に制御される2つのポインティングデバイスが異なる能力を持つことで、ゲーム及び画面の閲覧が行える。制御操作は、全てのアプリケーションにわたって一貫している。
【0077】
本発明によるアクティブキーボードシステムの利点は、システムを片手で保持操作できること、快適で障害のない握り具合、手首/サム(親指)/フィンガー(親指以外の指)の自然な動き、直感的で一貫した制御操作、機能及びデータに対する迅速なアクセスを含む。アクティブキーボードシステムの画面は前面全体を使用し、キーパッドは側面に配置された4つのボタンだけで、フィンガーはシフトさせる必要がなく常に各キー上に置くことができ、親指ジョイスティックと1つ以上の動作センサは手首によって制御される。
【0078】
本発明によるアクティブキーボードシステムは、利用可能な選択肢を、入力手段を用いてその利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けしてディスプレイ上へ動的に提示することにより、アクティブキーボードシステムのユーザに対し、英数字テキスト及びデータの装置への入力を含め、通常用いられる全ての機能を片手だけで行えるようにする一定組の手法を提供する。
【0079】
以上本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、当業者にとっては、発明の精神及び範囲を逸脱することなく、各種の変形が可能であり、また構成要素を等価物で置換可能であることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は本発明による左手利き用の携帯電話として構成されたアクティブキーボードシステムの前方斜視図である。
【図2】図2は本発明によるアクティブキーボードシステムのブロック図である。
【図3】図3は本発明によるアクティブキーボードシステムソフトウェアのブロック図である。
【図4A】図4Aは本発明によるアクティブキーボードシステムの傾け動作の影響処理を示すフロー図である。
【図4B】図4Bは本発明によるアクティブキーボードシステムの傾け動作の影響処理を示すフロー図である。
【図5A】図5Aは本発明によるボタン組体セレクタの平面図である。
【図5B】図5Bは図5Aに示したボタン組体セレクタの断面図である。
【図5C】図5Cは本発明によるローラボールセレクタの断面図である。
【図5D】図5Dは本発明によるタッチパッドセレクタの斜視図である。
【図5E】図5Eは本発明によるジョイスティックセレクタの断面図である。
【図6A】図6Aは図5Aに示したボタン組体セレクタの機能図である。
【図6B】図6Bは図5Bに示したローラボールセレクタの機能図である。
【図6C】図6Cは図5Dに示したタッチパッドセレクタの機能図である。
【図6D】図6Dは図5Eに示したジョイスティックセレクタの平面図である。
【図7】図7は本発明による動作センサセレクタを備えたアクティブキーボードシステム装置の斜視図である。
【図8】図8は本発明による選択ポインタの列を示すディスプレイを備えたアクティブキーボードシステムの前方斜視図である。
【図9】図9はコンピュータ画面の正面図で、斜線部が本発明によるアクティブキーボードシステムのディスプレイ上に表示されるページ部分を表す。
【図10】図10は本発明によるアクティブキーボードシステムのマルチ区画枠グリッドの拡大図である。
【図11】図11は本発明によるアクティブキーボードシステムのステップモーションの機能図である。
【図12】図12は本発明によるアクティブキーボードシステムのステップモーションの機能図である。
【図13】図13は本発明によるアクティブキーボードシステムのディスプレイ上におけるマップ画像の正面図である。
【図14】図14は本発明によるアクティブキーボードシステムのディスプレイ上におけるマップ画像で処理されるズームの機能図である。
【図15】図15は本発明によるアクティブキーボードシステムのディスプレイ上におけるカレンダのステップ実施の機能図である。
【図16】図16は本発明によるアクティブキーボードシステムのステップモーションの機能図である。
【図17】図17は本発明によるアクティブキーボードシステムのステップモーションのフローチャートである。
【図18】図18は本発明によるアクティブキーボードシステムソフトウェアのスライドゼロコードの機能図である。
【図19】図19は本発明によるアクティブキーボードシステムソフトウェアの適応閾値コードの機能図である。
【図20】図20は本発明によるアクティブキーボードシステムの仮想バブルを示す機能図である。
【図21】図21は本発明によるオプションの外部センサを備えたアクティブキーボードシステムである。
【図22】図22は本発明による外部モーション補償器を備えたアクティブキーボードシステムである。
【図23】図23は本発明による2つの外部センサを備えたアクティブキーボードシステムの機能図である。
【図24】図24は本発明によるアクティブキーボードシステムで用いられる回路の機能図である。
【図25】図25は本発明による2つの反対方向のセンサを用いたアクティブキーボードシステムソフトウェアのノイズ解消コードを示す機能図である。
【図26】図26A,26B及び26Cは本発明によるアクティブキーボードシステムの3つの例である。
【図27】図27A及び27Bは本発明によるアクティブキーボードシステムで用いられるスリーブの2つの例である。
【図28】図28は本発明によるアクティブキーボードシステムによるダイヤル入力用のディスプレイ画面像である。
【図29】図29は本発明によるアクティブキーボードシステムによるタイプ入力用のディスプレイ画面像である。
【図30】図30は本発明によるアクティブキーボードシステムにおける複数のグリッド区画枠層間での移動を示す機能図である。
【図31】図31は本発明によるアクティブキーボードシステムのグリップの機能図である。
【図32】図32は本発明による動作センサを備えたアクティブキーボードシステムの機能図である。
【図33】図33は本発明によるアクティブキーボードシステムの電話/アドレス帳機能を示す機能図である。
【図34】図34は本発明によるアクティブキーボードシステムの名前選択電話/アドレス帳機能を示す機能図である。
【図35】図35は本発明によるアクティブキーボードシステムの電話番号Eメール及びアドレス選択電話/アドレス帳機能を示す機能図である。
【図36】図36は本発明によるアクティブキーボードシステムの通話履歴選択電話/アドレス帳機能を示す機能図である。
【図37】図37は本発明によるアクティブキーボードシステムの既存番号通話履歴選択電話/アドレス帳機能を示す機能図である。
【図38】図38は本発明によるアクティブキーボードシステムの新規番号通話履歴選択電話/アドレス帳機能を示す機能図である。
【図39】図39は本発明によるアクティブキーボードシステムのカレンダ機能を示す機能図である。
【図40】図40は本発明によるアクティブキーボードシステムの閲覧機能を示す機能図である。
【図41】図41は本発明によるアクティブキーボードシステムのナビゲーションマップ機能を示す機能図である。
【図42】図42は本発明によるアクティブキーボードシステムのナビゲーションマップ機能による閲覧を示す機能図である。
【図43】図43は本発明によるアクティブキーボードシステムのナビゲーションマップ機能による閲覧を示す機能図である。
【図44】図44は本発明によるアクティブキーボードシステムのインターネット機能による閲覧を示す機能図である。
【図45】図45は本発明によるアクティブキーボードシステムのポケットオフィス機能を示す機能図である。
【図46】図46は本発明によるアクティブキーボードシステムのゲーム機能を示す機能図である。添付の図面を通して、同じ参照符号は対応する機能を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブキーボードシステムであって、
プロセッサと、
当該プロセッサに交信接続されたメモリと、
前記プロセッサに交信接続されたディスプレイと、
当該システムにデータを入力する入力手段であって、少なくとも1つのセレクタ及び複数のキーを含む入力手段と、
前記メモリに記憶されたアクティブキーボードシステムソフトウェアであって、利用可能な選択肢を、前記入力手段を用いて利用可能な選択肢の非曖昧選択が行えるようにグループ分けして前記ディスプレイ上に動的に提示するように構成されているアクティブキーボードシステムソフトウェアと、を備えたアクティブキーボードシステム。
【請求項2】
前記アクティブキーボードシステムソフトウェアが提示コードとフィルタコードとを含む、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項3】
前記提示コードが、利用可能な選択肢を視認グリッド上に編成し、かつ、視認グリッドをディスプレイに提供するグリッド提示コードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項4】
前記提示コードが、前記少なくとも1つのセレクタの1つによって制御される選択ポインタを表示する、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項5】
前記提示コードが、スクロールを可能とするステップ又はスクロールレゾルーションコードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項6】
前記グリッド提示コードが、複数の列及び複数の行を有するマトリックスとしての少なくとも1つの区画枠を備えた視認グリッドを構成する、請求項3に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項7】
前記グリッド提示コードが、前記少なくとも1つの区画枠を3列4行のマトリックスとして構成する、請求項6に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項8】
前記グリッド提示コードが、前記少なくとも1つの区画枠を1列及び複数行のマトリックスとして構成する、請求項6に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項9】
前記グリッド提示コードが、複数の区画枠を備えた視認グリッドを構成する、請求項3に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項10】
前記グリッド提示コードが、3つの区画枠を備えた視認グリッドを構成する、請求項3に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項11】
前記視認グリッドが複数のセルを含み、前記グリッド提示コードが前記複数のセルの各々に、英数字文字、記号、音符、アイコン、テキスト、表意文字、表語文字を分布させるグリッド分布コードを含む、請求項3に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項12】
前記提示コードが、アプリケーションコードと提示コード間のトランザクションを変換するアプリケーションアダプタコードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項13】
前記提示コードが、選択された選択肢、操作の完了確認、及び操作の完了不備のアラームのための音声告知を提供するサウンドコードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項14】
前記提示コードが、ユーザとシステムの対話を高めるフィードバックコードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項15】
前記フィルタコードが、意図的なユーザ入力を非意図的なユーザモーションから分離するように構成されている、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項16】
前記フィルタコードが、ユーザ入力を外力の影響から分離する外力フィルタコードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項17】
前記フィルタコードが、ユーザの意図をグリッド上における選択ポインタの正確な動きに変換し、かつ、ステップ間におけるシステムの再調整を可能とするステップモーションコードを含む、請求項4に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項18】
前記フィルタコードが、ユーザがシステムを操作しながら位置を変更可能とするスライドゼロコードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項19】
前記フィルタコードが、フィードバックを介してオペレータとシステムとの対話を最適化する適応閾値コードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項20】
前記フィルタコードが、ユーザ及びアプリケーションの優先性に合わせる補調コードを含む、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項21】
前記複数のキーが、前記ディスプレイを妨害せずにフィンガーで操作されるように構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセレクタが単一のセレクタである、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項23】
前記単一のセレクタが、ホイール、トラックボール、ジョイスティック、ロッカーパッド、タッチパッド、セレクタスイッチ、トグルスイッチ、キーボタン、N状態ボタン、またはN状態セレクタである、請求項22に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項24】
前記単一のセレクタが親指によって操作されるように構成配置されている、請求項20に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのセレクタの1つが、システムの動きを入力として解釈するように構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つのセレクタの前記1つが、動きを異なる次元で検知するように構成された少なくとも1つの動作センサセットである、請求項25に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのセレクタの前記1つが、システムに加わる外力の影響をフィルタ除去するように構成された少なくとも二組の動作センサである、請求項25に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項28】
前記少なくとも二組の動作センサが、第1組の動作センサに対して第2組の動作センサの感度軸を一致させることによって、前記システムに加わる外力の影響をフィルタ除去するように構成されている、請求項27に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つのセレクタが、少なくとも2つのセレクタである、請求項2に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項30】
当該システムが、前記入力手段の一部又は全てをシステム上に二重に設けることによって両手利き用に構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項31】
当該システムが、ユーザがシステムの部品を回転、再取り付け、スライド又は移動するのを可能にすることによって両手利き用に構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項32】
前記複数のキーが、意図しない係合を防ぐように構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項33】
当該システムが、携帯電話、パーソナルディジタルアシスタント、全地球測位受信装置、遠隔制御装置、コンピュータマウス、ページャ、ウォーキートーキー、スキャナ又はマルチ測定器として構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項34】
当該システムの一部又は全ての構成部品が、手持ち式電子装置に動作装着され組み合わせ使用されるスリーブとして構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項35】
前記手持ち式電子装置と組み合わせにおいて、当該装置が、携帯電話、パーソナルディジタルアシスタント、全地球測位受信装置、遠隔制御装置、コンピュータマウス、ページャ、ウォーキートーキー、スキャナ又はマルチ測定器として構成されている、請求項34に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項36】
当該システムが、1つのセレクタでインターネット閲覧又はアプリケーション稼動するように構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。
【請求項37】
当該システムが、2つのセレクタを用いてインターネット閲覧又はアプリケーション稼動するように構成されている、請求項1に記載のアクティブキーボードシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公表番号】特表2008−507754(P2008−507754A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522474(P2007−522474)
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/026314
【国際公開番号】WO2006/022713
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507117692)キーネティック・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】