打ち抜き刃
【課題】
打ち抜き品が排出通路に詰まらずに、かつ外部に散逸することがない打ち抜き刃を提供する。
【解決手段】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃111を有するとともに、薄刃の内側に打ち抜き品排出用の排出通路が形成された打ち抜き刃11であって、
排出通路Pの壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
排出通路拡張段差gの前では断面の内輪郭が打ち抜き品の輪郭と同じまたは打ち抜き品の輪郭よりも小さく、排出通路拡張段差gの後ろでは断面の内輪郭が打ち抜き品の輪郭と同じまたは打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、排出通路拡張段差gの高さが(0.03mm≦g)である。
打ち抜き品が排出通路に詰まらずに、かつ外部に散逸することがない打ち抜き刃を提供する。
【解決手段】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃111を有するとともに、薄刃の内側に打ち抜き品排出用の排出通路が形成された打ち抜き刃11であって、
排出通路Pの壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
排出通路拡張段差gの前では断面の内輪郭が打ち抜き品の輪郭と同じまたは打ち抜き品の輪郭よりも小さく、排出通路拡張段差gの後ろでは断面の内輪郭が打ち抜き品の輪郭と同じまたは打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、排出通路拡張段差gの高さが(0.03mm≦g)である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打ち抜き品が排出通路に詰まらずに、かつ刃の外部に散逸することがない打ち抜き刃に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄状体を打ち抜くために、いわゆる彫刻刃が使用されることがある。この彫刻刃は、金属ブロックや金属板材をワイヤーカッタやグラインダを用いて切削形成される。
【0003】
図13(A)に示すように、この種の彫刻刃91では、薄状体8の打ち抜き品fは排出通路Pを介して排出される。この排出通路Pは、刃先近傍において打ち抜き品fの輪郭よりも狭く形成されている。これにより、打ち抜き品fは、外部に散逸することなく打ち抜き刃911に保持される。
【0004】
打ち抜き品fは、一回の打ち抜きごとに一枚ずつ排出通路Pから排出されることはなく、通常、複数の打ち抜き品が塊となって、刃先近傍にストックされる。そして、何回かの打ち抜きごとに、塊の状態で排出通路を通って排出される(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−154795参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ときによっては、図13(B)に示すように打ち抜き品fが異常に大きい塊となり、排出通路Pに詰まって、刃先912を変形させて打ち抜きが不能になることがある。また、刃先912が変形しない場合であっても、カットされない部分が生じることがある。
【0007】
このような不都合を解消するために、刃先近傍部分で打ち抜き品の通路を広くすれば(通路断面を打ち抜き品の輪郭に近づければ)打ち抜き品の詰まりは無くなるが、打ち抜き品が打ち抜き刃の内部から外部に散逸してしまう。
【0008】
本発明者により提案されている超音波振動子を搭載した抜き型では、打ち抜き品の排出通路での詰りは生じにくい。
打ち抜き製品が打ち抜き刃から離脱し易くなる(とりわけ、上定盤に打ち抜き刃を取り付けた場合に顕著である)。
【0009】
本発明は、打ち抜き品が排出通路に詰まらずに、かつ外部に散逸することがない打ち抜き刃を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、超音波振動子を搭載した打ち抜き刃において、打ち抜き品の散逸を生じさせない打ち抜き刃を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の打ち抜き刃は、以下を要旨とする。
(1)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品排出用の排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記排出通路拡張段差の後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0012】
(2)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、かつ、
前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g≦1.5mm)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0013】
(3)
前記排出通路拡張段差は、前記薄刃の周の全体にわたり形成され、または前記薄刃の周の一部に形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の打ち抜き刃。
【0014】
(4)
前記刃先から排出通路拡張段差までの距離が、前記薄刃の位置によって異なることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の打ち抜き刃。
なることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の打ち抜き刃。
【0015】
(5)
前記排出通路拡張段差の中心軸に対する傾斜角がθ(30°≦θ≦135°)であることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の打ち抜き刃。
【0016】
(6)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に下り傾斜が形成され、
前記下り傾斜の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記下り傾斜の途中または後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、
前記下り傾斜の中心軸に対する下り傾斜角がθ(15°≦θ≦45°)であり、
前記刃先から前記下り傾斜開姓位置までの距離が、前記薄刃の位置によって異なる、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0017】
(7)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に1つまたは複数の排出通路狭窄リブが前記排出通路に沿って形成され、
前記排出通路狭窄リブが形成された壁面の断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、
前記排出通路狭窄リブが前記打ち抜き品を前記排出通路内で支持する、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0018】
(8)
超音波発生素子が取り付けられていることを特徴とする(1),(2),(6)または(7)に記載の打ち抜き刃。
【発明の効果】
【0019】
また、打ち抜き品の詰まりをなくすとともに、刃先近傍部分での打ち抜き品の保持を確実に行うことができるので、打ち抜き品が刃の外に散逸しまうという問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明の打ち抜き刃の一例を示す斜視図であり、(A)は超音波振動子を取り付けない打ち抜き刃を示す図、(B)は超音波振動子を取り付けた打ち抜き刃を示す図である。
【図2】図2は本発明の打ち抜き刃の第1実施形態を示す説明図である。
【図3】図3は図2の打ち抜き刃の作用を示す説明図である。
【図4】図4は本発明の打ち抜き刃の第2実施形態を示す説明図である。
【図5】図5は図4の打ち抜き刃の作用を示す説明図である。
【図6】図6は第2実施形態の変形態様を示す図である。
【図7】図7は図4の打ち抜き刃の作用を示す説明図である。
【図8】図8は本発明の第3実施形態を示す説明図である。
【図9】図9は本発明の第4実施形態を示す説明図である。
【図10】図10は本発明の第5実施形態の一例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
【図11】図11は本発明の第5実施形態の他の例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
【図12】図12は本発明の第6実施形態を示す説明図である。
【図13】図13は、従来技術の説明図であり、(A)は通常の打ち抜きの状態を示す図、(B)は打ち抜き品が排出通路に詰った状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1(A),(B)は本発明の打ち抜き刃の一例を示す斜視図である。
図1(A)において打ち抜き刃11は、基台部110と、薄状体8の打ち抜きのために使用される薄刃111を有しており、薄状体8に小径の孔を開けることができる。打ち抜き刃11は、金属ブロックまたは金属板材を、ワイヤーカッタやグラインダを用いて加工(掘削,切削等)することにより作成できる。また、基台部110には上下に連通する孔(排出通路P)が形成されている。
図1(B)の打ち抜き刃11の下面には超音波振動子が取り付けられており、たとえば、500kH程度の振動が打ち抜き刃に与えられる。
なお、以下の実施形態では、円形の打ち抜き品(製品または抜きカス)が形成される場合を説明するが、打ち抜き品は円形とは限らないし、大きさも自在に設定される。
【0022】
図2は本発明の第1実施形態を示す説明図である。図2に示すように、薄刃111の刃先の断面(中心軸Lを通る断面)は排出通路Pを狭くするように内側に迫り出して形成されている。薄刃111の内側(排出通路Pの壁面)の迫り出した部分は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W1(ここでは、均等な半径r1を持つ)に連続している。
薄刃111の内壁面W1(半径r1)の、刃先112からの距離h(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、打ち抜き品離脱防止用の排出通路拡張段差g(高さΔt:0.03mm以上)が形成されている。
この排出通路拡張段差gの前では、断面の内輪郭が打ち抜き品fの輪郭よりも小さいが、排出通路拡張段差gの後ろでは断面の内輪郭が打ち抜き品fの輪郭(刃先の輪郭)よりも大きく形成されている。
【0023】
この排出通路拡張段差gは、中心軸Lに対し傾斜角がθ(中心軸L(奥側を正の向きとする)に対して30°以上135°以下であり、本実施形態では約120°)となるように形成されている。
排出通路拡張段差gは、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W2(半径r2)に連続している。
【0024】
また、内壁面W2はさらに排出通路Pを広くする内壁面W3に連続している。打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、図3に示すように、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域(刃先112からの距離hの段差手前の領域)に離脱しないように保持されるとともに、刃先112からの距離hを過ぎた領域ではスムーズに排出される。
【0025】
図4は本発明の第2実施形態を示す説明図である。
図4に示すように、薄刃111の刃先の断面(中心軸Lを通る断面)は排出通路Pを狭くするように内側に迫り出して形成されている。薄刃111の内側(排出通路Pの壁面)の迫り出した部分は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W1(ここでは、均等な半径r1を持つ)に連続している。
薄刃111の内壁面W1(半径r1)の、刃先112からの距離h(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、打ち抜き品離脱防止用の排出通路拡張段差g(高さΔt:0.03mm以上0.2mm以下)が形成されている。
【0026】
この排出通路拡張段差gは、中心軸Lに対し傾斜角がθ(奥に向かう方向に対して30°以上135°以下であり、本実施形態では90°)となるように形成されている。
排出通路拡張段差gは、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W2(半径r2)に連続している。
【0027】
また、内壁面W2はさらに排出通路Pを広くする内壁面W3に連続している。打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、図5に示すように、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域(刃先112からの距離hの領域)に離脱しないように保持され、スムーズに排出通路Pに導かれる。
【0028】
図6は第2実施形態の変形態様を示す図である。本実施形態では、排出通路Pには2つの排出通路拡張段差g1,g2が形成されている。
薄刃111の内壁面W1の、刃先112からの距離h1(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、第1の排出通路拡張段差g1(高さΔt1:0.03mm以上0.2mm以下)が形成されている。また、第1の排出通路拡張段差g1は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W2に連続している。ここでは、内壁面W2は均等な半径r2を持つ(r2>r1)。
内壁面W2の第1の排出通路拡張段差g1からの距離h2(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、第2の排出通路拡張段差g2(高さΔt2:0.03mm以上0.2mm以下)が形成されている。
これらの排出通路拡張段差g1およびg2は、中心軸Lに対し傾斜角θ(奥に向かう方向に対して30°以上90°以下)に形成されている。
【0029】
第2の排出通路拡張段差g2は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W3に連続している。ここでは、内壁面W3は均等な半径r3を持つ(r3>r2)。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、図7に示すように、刃先112から第1の排出通路拡張段差g1に至る領域に離脱しないように保持される。
【0030】
図8は本発明の第3実施形態を示す説明図である。
図8では、内壁面W1の中心は、中心軸Lに一致し、排出通路拡張段差gは、薄刃111の周の全体にわたり形成されていた。本実施形態では、内壁面W1の中心は、中心軸Lから、距離dだけずれて形成されており、実質上の排出通路拡張段差g(本発明の作用を奏する排出通路拡張段差)は薄刃111の周の一部に形成されている。
【0031】
本実施形態でも、打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域に離脱しないように保持される。そして、確実に排出通路Pに導かれる。
図示はしないが本実施形態でも、図5の第2実施形態の変形形態に示すと同様に、排出通路拡張段差を2段とすることができる。
【0032】
図9は本発明の第4実施形態を示す説明図である。
図9に示すように、薄刃111の刃先の断面は排出通路Pを狭くするように形成されている。薄刃111の内側の字形の裾は、均等な半径r1の内壁面W1に連続している。
【0033】
図4の実施形態では、薄刃111から排出通路拡張段差gまでの距離が、薄刃の位置にかかわらず一定(h)であったが、本実施形態では、距離h(0.1mm以上1.5mm以下)が薄刃111の位置によって異なっている。
この場合にも、打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域に離脱しないように保持され、確実に排出通路Pに導かれる。
【0034】
図10は本発明の第5実施形態の一例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
図10(A),(B)に示すように、薄刃111の刃先の断面は打ち抜き品の輪郭と同じに形成されている。薄刃111の内側は、均等な半径r1の内壁面W1である。本実施形態では、この内壁面W1にリブRBが形成されている。
【0035】
打ち抜き品fは、リブRBにより排出通路P内にリブRBにより保持される。この保持力は適宜リブRBの数や太さ(あるいは高さ)を変えることにより調整できる。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、リブRBにより離脱しないように保持され、確実に排出通路Pに導かれる。
【0036】
図11は本発明の第5実施形態の他の例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
図10では内壁面W1にリブRBを形成したが、図11ではバンクBKを形成してあり、打ち抜き品fは、バンクBKにより排出通路P内に保持される。この保持力は適宜バンクBKの幅や高さ(厚み)を変えることにより調整できる。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、バンクBKにより離脱しないように保持され、確実に排出通路Pに導かれる。
【0037】
図12は本発明の第6実施形態を示す説明図である。
図12に示すように、薄刃111の刃先の断面は排出通路Pを狭くするように形成されている。薄刃111の内側の排出通路Pは、均等な半径r1の内壁面W1に連続している。
薄刃111の内壁面W1の、刃先112からの距離h(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、打ち抜き品離脱防止用のダウンスロープsが形成されている。このダウンスロープsは、中心軸Lに対し(中心軸に対し)傾斜角15°以上45°以下で形成されている。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、図5に示すように、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域に離脱しないように保持される。そして、確実に排出通路Pに導かれる。
【符号の説明】
【0038】
8 薄状体
11 抜き刃
91 彫刻刃
110 基台部
111 薄刃
112 刃先
911 抜き刃
912 刃先
BK バンク
L 中心軸
P 排出通路
RB リブ
W1,W2,W3 内壁面
d 距離
f 抜き品
g,g1,g2 排出通路拡張段差
h,h1,h2 距離
r1,r2,r3 半径
s ダウンスロープ
【技術分野】
【0001】
本発明は、打ち抜き品が排出通路に詰まらずに、かつ刃の外部に散逸することがない打ち抜き刃に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄状体を打ち抜くために、いわゆる彫刻刃が使用されることがある。この彫刻刃は、金属ブロックや金属板材をワイヤーカッタやグラインダを用いて切削形成される。
【0003】
図13(A)に示すように、この種の彫刻刃91では、薄状体8の打ち抜き品fは排出通路Pを介して排出される。この排出通路Pは、刃先近傍において打ち抜き品fの輪郭よりも狭く形成されている。これにより、打ち抜き品fは、外部に散逸することなく打ち抜き刃911に保持される。
【0004】
打ち抜き品fは、一回の打ち抜きごとに一枚ずつ排出通路Pから排出されることはなく、通常、複数の打ち抜き品が塊となって、刃先近傍にストックされる。そして、何回かの打ち抜きごとに、塊の状態で排出通路を通って排出される(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−154795参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ときによっては、図13(B)に示すように打ち抜き品fが異常に大きい塊となり、排出通路Pに詰まって、刃先912を変形させて打ち抜きが不能になることがある。また、刃先912が変形しない場合であっても、カットされない部分が生じることがある。
【0007】
このような不都合を解消するために、刃先近傍部分で打ち抜き品の通路を広くすれば(通路断面を打ち抜き品の輪郭に近づければ)打ち抜き品の詰まりは無くなるが、打ち抜き品が打ち抜き刃の内部から外部に散逸してしまう。
【0008】
本発明者により提案されている超音波振動子を搭載した抜き型では、打ち抜き品の排出通路での詰りは生じにくい。
打ち抜き製品が打ち抜き刃から離脱し易くなる(とりわけ、上定盤に打ち抜き刃を取り付けた場合に顕著である)。
【0009】
本発明は、打ち抜き品が排出通路に詰まらずに、かつ外部に散逸することがない打ち抜き刃を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、超音波振動子を搭載した打ち抜き刃において、打ち抜き品の散逸を生じさせない打ち抜き刃を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の打ち抜き刃は、以下を要旨とする。
(1)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品排出用の排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記排出通路拡張段差の後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0012】
(2)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、かつ、
前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g≦1.5mm)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0013】
(3)
前記排出通路拡張段差は、前記薄刃の周の全体にわたり形成され、または前記薄刃の周の一部に形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の打ち抜き刃。
【0014】
(4)
前記刃先から排出通路拡張段差までの距離が、前記薄刃の位置によって異なることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の打ち抜き刃。
なることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の打ち抜き刃。
【0015】
(5)
前記排出通路拡張段差の中心軸に対する傾斜角がθ(30°≦θ≦135°)であることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の打ち抜き刃。
【0016】
(6)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に下り傾斜が形成され、
前記下り傾斜の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記下り傾斜の途中または後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、
前記下り傾斜の中心軸に対する下り傾斜角がθ(15°≦θ≦45°)であり、
前記刃先から前記下り傾斜開姓位置までの距離が、前記薄刃の位置によって異なる、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0017】
(7)
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に1つまたは複数の排出通路狭窄リブが前記排出通路に沿って形成され、
前記排出通路狭窄リブが形成された壁面の断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、
前記排出通路狭窄リブが前記打ち抜き品を前記排出通路内で支持する、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【0018】
(8)
超音波発生素子が取り付けられていることを特徴とする(1),(2),(6)または(7)に記載の打ち抜き刃。
【発明の効果】
【0019】
また、打ち抜き品の詰まりをなくすとともに、刃先近傍部分での打ち抜き品の保持を確実に行うことができるので、打ち抜き品が刃の外に散逸しまうという問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明の打ち抜き刃の一例を示す斜視図であり、(A)は超音波振動子を取り付けない打ち抜き刃を示す図、(B)は超音波振動子を取り付けた打ち抜き刃を示す図である。
【図2】図2は本発明の打ち抜き刃の第1実施形態を示す説明図である。
【図3】図3は図2の打ち抜き刃の作用を示す説明図である。
【図4】図4は本発明の打ち抜き刃の第2実施形態を示す説明図である。
【図5】図5は図4の打ち抜き刃の作用を示す説明図である。
【図6】図6は第2実施形態の変形態様を示す図である。
【図7】図7は図4の打ち抜き刃の作用を示す説明図である。
【図8】図8は本発明の第3実施形態を示す説明図である。
【図9】図9は本発明の第4実施形態を示す説明図である。
【図10】図10は本発明の第5実施形態の一例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
【図11】図11は本発明の第5実施形態の他の例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
【図12】図12は本発明の第6実施形態を示す説明図である。
【図13】図13は、従来技術の説明図であり、(A)は通常の打ち抜きの状態を示す図、(B)は打ち抜き品が排出通路に詰った状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1(A),(B)は本発明の打ち抜き刃の一例を示す斜視図である。
図1(A)において打ち抜き刃11は、基台部110と、薄状体8の打ち抜きのために使用される薄刃111を有しており、薄状体8に小径の孔を開けることができる。打ち抜き刃11は、金属ブロックまたは金属板材を、ワイヤーカッタやグラインダを用いて加工(掘削,切削等)することにより作成できる。また、基台部110には上下に連通する孔(排出通路P)が形成されている。
図1(B)の打ち抜き刃11の下面には超音波振動子が取り付けられており、たとえば、500kH程度の振動が打ち抜き刃に与えられる。
なお、以下の実施形態では、円形の打ち抜き品(製品または抜きカス)が形成される場合を説明するが、打ち抜き品は円形とは限らないし、大きさも自在に設定される。
【0022】
図2は本発明の第1実施形態を示す説明図である。図2に示すように、薄刃111の刃先の断面(中心軸Lを通る断面)は排出通路Pを狭くするように内側に迫り出して形成されている。薄刃111の内側(排出通路Pの壁面)の迫り出した部分は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W1(ここでは、均等な半径r1を持つ)に連続している。
薄刃111の内壁面W1(半径r1)の、刃先112からの距離h(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、打ち抜き品離脱防止用の排出通路拡張段差g(高さΔt:0.03mm以上)が形成されている。
この排出通路拡張段差gの前では、断面の内輪郭が打ち抜き品fの輪郭よりも小さいが、排出通路拡張段差gの後ろでは断面の内輪郭が打ち抜き品fの輪郭(刃先の輪郭)よりも大きく形成されている。
【0023】
この排出通路拡張段差gは、中心軸Lに対し傾斜角がθ(中心軸L(奥側を正の向きとする)に対して30°以上135°以下であり、本実施形態では約120°)となるように形成されている。
排出通路拡張段差gは、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W2(半径r2)に連続している。
【0024】
また、内壁面W2はさらに排出通路Pを広くする内壁面W3に連続している。打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、図3に示すように、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域(刃先112からの距離hの段差手前の領域)に離脱しないように保持されるとともに、刃先112からの距離hを過ぎた領域ではスムーズに排出される。
【0025】
図4は本発明の第2実施形態を示す説明図である。
図4に示すように、薄刃111の刃先の断面(中心軸Lを通る断面)は排出通路Pを狭くするように内側に迫り出して形成されている。薄刃111の内側(排出通路Pの壁面)の迫り出した部分は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W1(ここでは、均等な半径r1を持つ)に連続している。
薄刃111の内壁面W1(半径r1)の、刃先112からの距離h(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、打ち抜き品離脱防止用の排出通路拡張段差g(高さΔt:0.03mm以上0.2mm以下)が形成されている。
【0026】
この排出通路拡張段差gは、中心軸Lに対し傾斜角がθ(奥に向かう方向に対して30°以上135°以下であり、本実施形態では90°)となるように形成されている。
排出通路拡張段差gは、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W2(半径r2)に連続している。
【0027】
また、内壁面W2はさらに排出通路Pを広くする内壁面W3に連続している。打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、図5に示すように、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域(刃先112からの距離hの領域)に離脱しないように保持され、スムーズに排出通路Pに導かれる。
【0028】
図6は第2実施形態の変形態様を示す図である。本実施形態では、排出通路Pには2つの排出通路拡張段差g1,g2が形成されている。
薄刃111の内壁面W1の、刃先112からの距離h1(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、第1の排出通路拡張段差g1(高さΔt1:0.03mm以上0.2mm以下)が形成されている。また、第1の排出通路拡張段差g1は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W2に連続している。ここでは、内壁面W2は均等な半径r2を持つ(r2>r1)。
内壁面W2の第1の排出通路拡張段差g1からの距離h2(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、第2の排出通路拡張段差g2(高さΔt2:0.03mm以上0.2mm以下)が形成されている。
これらの排出通路拡張段差g1およびg2は、中心軸Lに対し傾斜角θ(奥に向かう方向に対して30°以上90°以下)に形成されている。
【0029】
第2の排出通路拡張段差g2は、中心軸Lに平行な面を持つ内壁面W3に連続している。ここでは、内壁面W3は均等な半径r3を持つ(r3>r2)。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、図7に示すように、刃先112から第1の排出通路拡張段差g1に至る領域に離脱しないように保持される。
【0030】
図8は本発明の第3実施形態を示す説明図である。
図8では、内壁面W1の中心は、中心軸Lに一致し、排出通路拡張段差gは、薄刃111の周の全体にわたり形成されていた。本実施形態では、内壁面W1の中心は、中心軸Lから、距離dだけずれて形成されており、実質上の排出通路拡張段差g(本発明の作用を奏する排出通路拡張段差)は薄刃111の周の一部に形成されている。
【0031】
本実施形態でも、打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域に離脱しないように保持される。そして、確実に排出通路Pに導かれる。
図示はしないが本実施形態でも、図5の第2実施形態の変形形態に示すと同様に、排出通路拡張段差を2段とすることができる。
【0032】
図9は本発明の第4実施形態を示す説明図である。
図9に示すように、薄刃111の刃先の断面は排出通路Pを狭くするように形成されている。薄刃111の内側の字形の裾は、均等な半径r1の内壁面W1に連続している。
【0033】
図4の実施形態では、薄刃111から排出通路拡張段差gまでの距離が、薄刃の位置にかかわらず一定(h)であったが、本実施形態では、距離h(0.1mm以上1.5mm以下)が薄刃111の位置によって異なっている。
この場合にも、打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域に離脱しないように保持され、確実に排出通路Pに導かれる。
【0034】
図10は本発明の第5実施形態の一例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
図10(A),(B)に示すように、薄刃111の刃先の断面は打ち抜き品の輪郭と同じに形成されている。薄刃111の内側は、均等な半径r1の内壁面W1である。本実施形態では、この内壁面W1にリブRBが形成されている。
【0035】
打ち抜き品fは、リブRBにより排出通路P内にリブRBにより保持される。この保持力は適宜リブRBの数や太さ(あるいは高さ)を変えることにより調整できる。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、リブRBにより離脱しないように保持され、確実に排出通路Pに導かれる。
【0036】
図11は本発明の第5実施形態の他の例を示す説明図であり、(A)は側断面図、(B)は平面図である。
図10では内壁面W1にリブRBを形成したが、図11ではバンクBKを形成してあり、打ち抜き品fは、バンクBKにより排出通路P内に保持される。この保持力は適宜バンクBKの幅や高さ(厚み)を変えることにより調整できる。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品fは、バンクBKにより離脱しないように保持され、確実に排出通路Pに導かれる。
【0037】
図12は本発明の第6実施形態を示す説明図である。
図12に示すように、薄刃111の刃先の断面は排出通路Pを狭くするように形成されている。薄刃111の内側の排出通路Pは、均等な半径r1の内壁面W1に連続している。
薄刃111の内壁面W1の、刃先112からの距離h(0.1mm以上1.5mm以下の領域)に、打ち抜き品離脱防止用のダウンスロープsが形成されている。このダウンスロープsは、中心軸Lに対し(中心軸に対し)傾斜角15°以上45°以下で形成されている。
打ち抜き刃11により、薄状体8を打ち抜くと、打ち抜き品は、図5に示すように、刃先112から排出通路拡張段差gに至る領域に離脱しないように保持される。そして、確実に排出通路Pに導かれる。
【符号の説明】
【0038】
8 薄状体
11 抜き刃
91 彫刻刃
110 基台部
111 薄刃
112 刃先
911 抜き刃
912 刃先
BK バンク
L 中心軸
P 排出通路
RB リブ
W1,W2,W3 内壁面
d 距離
f 抜き品
g,g1,g2 排出通路拡張段差
h,h1,h2 距離
r1,r2,r3 半径
s ダウンスロープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品排出用の排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記排出通路拡張段差の後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項2】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、かつ、
前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g≦1.5mm)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項3】
前記排出通路拡張段差は、前記薄刃の周の全体にわたり形成され、または前記薄刃の周の一部に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の打ち抜き刃。
【請求項4】
前記刃先から排出通路拡張段差までの距離が、前記薄刃の位置によって異なることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の打ち抜き刃。
【請求項5】
前記排出通路拡張段差の中心軸に対する傾斜角がθ(30°≦θ≦135°)であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の打ち抜き刃。
【請求項6】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に下り傾斜が形成され、
前記下り傾斜の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記下り傾斜の途中または後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、
前記下り傾斜の中心軸に対する下り傾斜角がθ(15°≦θ≦45°)であり、
前記刃先から前記下り傾斜開姓位置までの距離が、前記薄刃の位置によって異なる、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項7】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に1つまたは複数の排出通路狭窄リブが前記排出通路に沿って形成され、
前記排出通路狭窄リブが形成された壁面の断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、
前記排出通路狭窄リブが前記打ち抜き品を前記排出通路内で支持する、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項8】
超音波発生素子が取り付けられていることを特徴とする請求項1,2,6または7に記載の打ち抜き刃。
【請求項1】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品排出用の排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記排出通路拡張段差の後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項2】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に排出通路拡張段差が形成され、
前記排出通路拡張段差の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、かつ、
前記排出通路拡張段差の高さがg(0.03mm≦g≦1.5mm)である、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項3】
前記排出通路拡張段差は、前記薄刃の周の全体にわたり形成され、または前記薄刃の周の一部に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の打ち抜き刃。
【請求項4】
前記刃先から排出通路拡張段差までの距離が、前記薄刃の位置によって異なることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の打ち抜き刃。
【請求項5】
前記排出通路拡張段差の中心軸に対する傾斜角がθ(30°≦θ≦135°)であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の打ち抜き刃。
【請求項6】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に下り傾斜が形成され、
前記下り傾斜の前では前記断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも小さく、前記下り傾斜の途中または後ろでは断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、かつ、
前記下り傾斜の中心軸に対する下り傾斜角がθ(15°≦θ≦45°)であり、
前記刃先から前記下り傾斜開姓位置までの距離が、前記薄刃の位置によって異なる、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項7】
切削形成した薄状体打ち抜き用の薄刃を有するとともに、前記薄刃の内側に打ち抜き品を排出するための排出通路が形成された打ち抜き刃であって、
前記排出通路の壁面の刃先からh(0.1mm≦h≦1.5mm)の距離に1つまたは複数の排出通路狭窄リブが前記排出通路に沿って形成され、
前記排出通路狭窄リブが形成された壁面の断面の内輪郭が前記打ち抜き品の輪郭と同じまたは前記打ち抜き品の輪郭よりも大きく、
前記排出通路狭窄リブが前記打ち抜き品を前記排出通路内で支持する、
ことを特徴とする打ち抜き刃。
【請求項8】
超音波発生素子が取り付けられていることを特徴とする請求項1,2,6または7に記載の打ち抜き刃。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−91296(P2012−91296A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241573(P2010−241573)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(598056733)株式会社▲高▼橋型精 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(598056733)株式会社▲高▼橋型精 (31)
【Fターム(参考)】
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