説明

打楽器用打撃検出装置

【課題】ヘッドが打撃されてからヘッドの振動が検出されるまでのタイムラグを小さくできると共に、ヘッドの状態によらず打撃力に応じた振動を安定的に検出できる打楽器用打撃検出装置を提供すること。
【解決手段】打撃部材30が振動センサ37を備えているので、バスドラムのヘッドを打撃する際に生じる打撃部材30の振動を振動センサ37により検出できる。よって、打撃部材30とヘッドとの打撃位置から振動センサ37までの距離を近接させることができるので、ヘッドが打撃されてから振動センサ37が振動を検出するまでのタイムラグを小さくすることができる。また、振動センサ37は、ヘッドを打撃する打撃部材30の振動を検出するので、ヘッドのテンションや材質により振動センサ37が検出する振動への影響を抑制できるので、打撃力に応じた振動を安定的に検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打楽器用打撃検出装置に関し、特に、ヘッドが打撃されてからヘッドの振動が検出されるまでのタイムラグを小さくできると共に、ヘッドの状態によらず打撃力に応じた振動を安定的に検出できる打楽器用打撃検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、アコースティックドラムの演奏により発生される楽音を増幅して音量を大きくしたり、楽音の音色を電子音に変換する方法として、アコースティックドラムが打撃される際に生じるヘッドの振動を、センサを有する打楽器用打撃検出装置で検出し、検出される振動波形を電気信号に変換することで演奏者の好みに応じた楽音を発生させる方法が知られている。
【0003】
上記した打楽器用打撃検出装置として、例えば、米国特許第6794569号明細書(特許文献1)には、スネアドラム30(打楽器)のリム32に装着される本体部12と、その本体部12にアーム14を介して保持されると共にドラムヘッド34(ヘッド)に一部が接触されるセンサ16(振動センサ)とを備え、ドラムヘッド34(ヘッド)が打撃される際に、そのドラムヘッド34の振動をセンサ16で検出する打楽器用打撃検出装置が開示されている。
【0004】
ここで、ドラムヘッド34の打撃位置(ドラムヘッド34の中心部分)にセンサ16を装着すると、打撃位置とセンサ16の装着位置との距離が近くなるので、打撃位置がセンサ16の装着位置に一致した場合とずれた場合とでは、センサ16が検出する振動の差が大きくなるのに対し、上述した打楽器用打撃検出装置では、センサ16がドラムヘッド34の周縁部分の振動を検出する。よって、ドラムヘッド34の中心位置からずれた位置が打撃された場合であっても、センサ16が打撃位置から離れた位置に装着されることで、センサ16が検出する振動の差を小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許6794569号明細書(例えば、第3図など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の打楽器用打撃検出装置では、ドラムヘッド34の周縁部分の振動を検出するので、打撃されたドラムヘッド34の振動が検出されるまでのタイムラグが大きいという問題点があった。その結果、演奏者は、ドラムヘッド34を打撃してから楽音が発生されるまでのタイムラグに対して違和感を感じていた。さらに、打撃力が一定であっても、ドラムヘッド34の振動は、テンションや材質による影響を受けるため、打撃力に応じた振動を安定的に検出できないという問題点があった。即ち、テンションによりドラムヘッド34の振動波形は異なるので、所望の楽音を発生させるためには、ドラムヘッド34のテンション調整を行う必要があり、繁雑であった。また、一般にドラムヘッドは大きな膜面であることから共振しやすく、他の楽器により生成される楽音によってヘッドが振動し、その振動をセンサが検出するという問題があった。さらに、ドラムヘッド34がゴム等の材料で構成される場合には、振動が検出されにくく、上述した打楽器用打撃検出装置の使用は困難であり、汎用性に欠けていた。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ヘッドが打撃されてからヘッドの振動が検出されるまでのタイムラグを小さくできると共に、ヘッドの状態によらず打撃力に応じた振動を安定的に検出できる打楽器用打撃検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
請求項1記載の打楽器用打撃検出装置によれば、軸状の軸部材と、その軸部材の先端に取着されると共に内部が中空に形成される打撃部材とを備え、打撃部材が振動を検出する振動センサを備えているので、打楽器のヘッドを打撃する際に生じる打撃部材の振動を、打撃部材の内部の振動センサにより検出できる。よって、打撃部材とヘッドとの打撃位置から振動センサまでの距離を近接させることができるので、打撃位置から離れたヘッドの周縁部分の振動を検出する場合と比べて、ヘッドが打撃されてから振動センサが振動を検出するまでのタイムラグを小さくすることができるという効果がある。その結果、ヘッドを打撃してから楽音が発生されるまでの時間を短縮して、演奏者の違和感を低減できる。また、振動センサは、打撃部材の振動を検出するので、フットペダルの設置位置のズレによりヘッドが打撃される位置が異なる場合でも、振動センサが検出する振動に差が生じることを防止できる。
【0009】
さらに、振動センサは、ヘッドを打撃する打撃部材の振動を検出するので、ヘッドのテンションや材質により振動センサが検出する振動への影響を抑制できる。よって、打撃力に応じた振動を安定的に検出できるという効果がある。また、振動センサは、ヘッドと比較して投影面積の非常に小さい打撃部材に取り付けられているため、他の楽器により生成される楽音による打撃部材の振動を抑制できるので、その打撃部材の振動を振動センサが検出することを抑制できるという効果がある。さらに、ヘッドがゴム等の材質により構成される場合でも、打撃部材の振動を検出できるので、適用対象を広げて汎用性を高めることができる。
【0010】
また、軸状の軸部材と、その軸部材の先端に取着されると共に振動センサを有する打撃部材とから構成されるので、アコースティックバスドラム用のフットペダルに装着される軸部材および打撃部材に対応する部材(ビータ)と交換することができる。即ち、請求項1の打楽器用打撃検出装置をアコースティックバスドラム用のフットペダルに装着して使用することができるという効果がある。
【0011】
ここで、打撃部材は、足でフットペダルを踏み込み、その踏み込み動作に連動してヘッドを打撃するため、手でヘッドを打撃するドラムスティック等の部材と比べて、打撃時における衝撃力が大きく、演奏時に振動センサが破損する恐れがある。そこで、弾性材料から構成される弾性部材を打撃部材の内部に取着し、その弾性部材が振動センサを保持する構成とすることで、打撃部材から振動センサへ伝達される衝撃力を、弾性部材により緩衝することができる。従って、打撃部材がヘッドを打撃する際における衝撃力により振動センサが破損することを抑制できるという効果がある。
【0012】
さらに、振動センサが弾性材料から構成される弾性部材により保持されているので、弾性部材の硬度や形状を変更することで振動センサの共振周波数を調整することができ、小さな打撃力で打撃する際の振動センサの振動を弾性部材により増幅させつつ、他の振動発生源で発生し床面を介してフットペダルへ伝達される外部からの振動や、ヘッドを打撃する操作ではなく単に演奏者が足をフットペダルに置いた際に発生する振動を、弾性部材により緩衝することができる。よって、打撃による打撃部材の振動を振動センサにより確実に検出しつつ、演奏時以外の打撃部材の振動による振動センサの誤検出を抑制できるという効果がある。
【0013】
請求項2記載の打楽器用打撃検出装置によれば、請求項1記載の打楽器用打撃検出装置の奏する効果に加え、打撃部材は、弾性部材に保持されると共に弾性部材よりも剛性の高い材料で構成される板状のプレートを備え、振動センサがプレートを介して弾性部材に保持されるので、打撃部材の衝撃に対する振動センサの強度を確保できる。即ち、振動センサは精密部品であり、衝撃を受けることで変形や損傷を招きやすい部品なので、振動センサをプレートに取着することで振動センサの強度を確保して振動センサの変形および損傷を回避しやすくできるという効果がある。
【0014】
また、振動センサが弾性材料よりも剛性の高いプレートを介して弾性部材に保持されるので、弾性部材による振動センサの保持状態による影響を受けにくくすることができる。即ち、振動センサが直接、弾性部材に保持される場合、弾性部材が振動センサを保持する面積が、振動センサの出力に大きな影響を及ぼすのに対し、振動センサがプレートを介して間接的に弾性部材に保持されることで、弾性部材による振動センサの保持状態による影響を受けず安定して検出ができるという効果がある。
【0015】
請求項3記載の打楽器用打撃検出装置によれば、請求項2記載の打楽器用打撃検出装置の奏する効果に加え、プレートが、弾性部材によってプレートの周縁部分を周方向において均等に保持されるので、弾性材料よりも剛性の高いプレートを介して保持される振動センサの振動しやすい方向を限定することができる。即ち、弾性部材によるプレートの保持が周方向において不均等である場合、プレートおよび振動センサは打撃方向に対して多方向へ向けて振動するので、振動センサの出力は安定しない。これに対し、弾性部材によるプレートの保持を周方向において均等にすることによって、プレートおよび振動センサが振動しやすい方向を一方向(打撃部材が打撃するヘッドに対して垂直な方向)に限定できるので、打撃部材の振動を振動センサにより確実に検出できるという効果がある。
【0016】
請求項4記載の打楽器用打撃検出装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置の奏する効果に加え、打撃部材は、外表面に形成される共にヘッドを打撃する際にヘッドに当接される打撃面を備え、振動センサは、板状の圧電素子を備え、圧電素子は、打撃面に対向して配設され、打撃面に対する傾斜角度が30°以下なので、ヘッドを打撃する際に生じる打撃部材の振動を振動センサに確実に伝達することができる。即ち、打撃部材でヘッドを打撃すると、打撃部材は、打撃面に対して垂直な方向へ振動する。このため、圧電素子の打撃面に対する傾斜角度が30°よりも大きい場合には、打撃部材の振動を圧電素子に確実に伝達することが困難になる。これに対し、圧電素子の打撃面に対する傾斜角度を30°以下にすることで、打撃部材の振動を圧電素子に確実に伝達することができるので、打撃部材の振動に応じて圧電素子を撓ませやすくすることができる。よって、打撃部材の振動を確実に検出できるという効果がある。
【0017】
また、圧電素子がプレートに取着される場合、圧電素子の打撃面に対する傾斜角度が30°よりも大きいと、ヘッドを打撃する際に生じる慣性力により、圧電素子に作用する剪断方向への力成分が大きく作用するため、圧電素子がプレートから剥離しやすくなる。これに対し、打撃面に対する傾斜角度を30°以下にすることで、打撃部材でヘッドを打撃する際に、圧電素子に作用する剪断方向への力成分を抑制できる。よって、圧電素子がプレートから剥離することを抑制できるという効果がある。
【0018】
請求項5記載の打楽器用打撃検出装置によれば、請求項4記載の打楽器用打撃検出装置の奏する効果に加え、圧電素子は、打撃面に対して平行に配設されるので、打撃部材の振動を圧電素子により効率的に伝達することができる。よって、打撃部材の振動に応じて圧電素子を撓ませやすくすることができるので、打撃部材の振動をより確実に検出できるという効果がある。また、圧電素子がプレートに取着される場合、打撃部材でヘッドを打撃する際に生じる打撃部材の慣性力が圧電素子の面方向に対して垂直方向へ作用するので、圧電素子に剪断方向への力成分が作用することを防止できる。よって、圧電素子がプレートから剥離することをより確実に防止できるという効果がある。
【0019】
請求項6記載の打楽器用打撃検出装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置の奏する効果に加え、打撃部材は、軸部材に固着される第1打撃部材と、その第1打撃部材に着脱自在に装着される第2打撃部材とを備え、少なくとも第1打撃部材または第2打撃部材のいずれか一方の内部が中空に構成され、振動センサは、第1打撃部材または第2打撃部材のいずれか一方の内部に収納されるので、振動センサが損傷した際には、振動センサが内部に収納される第1打撃部材または第2打撃部材のいずれか一方を交換することで、振動センサを交換できる。即ち、振動センサは精密部品であり、交換作業者がむやみに振動センサに触れることで損傷しやすい部品であるのに対し、請求項6の打楽器用打撃検出装置は、振動センサに直接触れることなく振動センサを交換できるので、交換時における振動センサの損傷を防止できると共に交換作業の効率を良くすることができるという効果がある。
【0020】
また、振動センサが損傷した場合には、第1打撃部材または第2打撃部材のうち、内部に振動センサが収納されている一方の部材だけを交換すればよいので、打撃部材全体を交換する場合と比べて、交換コストを抑制できるという効果がある。
【0021】
請求項7記載の打楽器用打撃検出装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置の奏する効果に加え、振動センサが弾性部材に着脱自在に保持されるので、振動センサが損傷した場合には、振動センサだけを弾性部材から取り外し、新たな振動センサに交換することができる。よって、打撃部材全体を交換する場合と比べて、交換コストを抑制できるという効果がある。
【0022】
請求項8記載の打楽器用打撃検出装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置の奏する効果に加え、音源装置および振動センサを電気的に接続するケーブルと、そのケーブルを軸部材に固定する固定具とを備えているので、固定具によりケーブルを軸部材に固定させておくことで、打楽器を演奏する際に、ケーブルが軸部材やフットペダルに絡まることを防止できる。即ち、打撃部材は、フットペダルの踏み込み動作に連動して回動するので、打撃部材の内部に取着される振動センサに接続されるケーブルも打撃部材の回動に連動して動く。このため、ケーブルの動きが規制されていない場合、打楽器の演奏中にケーブルが軸部材やフットペダルに絡まりやすくなり、演奏の妨害やケーブルの断線を引き起こす原因となりうる。これに対し、固定具によりケーブルが軸部材に固定されることで、ケーブルの動きを規制することができるので、ケーブルが演奏の妨害になることを防止できると共にケーブルが断線することを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施の形態におけるビータが装着されるフットペダルの外観斜視図である。
【図2】(a)は、ビータの背面図であり、(b)は、ビータの側面図である。
【図3】(a)は、図2(b)のIIIa−IIIa線におけるビータの断面図であり、(b)は、図2(a)IIIb−IIIb線におけるビータの断面図である。
【図4】(a)は、図2(b)のIVa−IVa線におけるビータの断面図であり、(b)は、ビータの分解斜視図である。
【図5】第2実施の形態におけるビータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、ビータ100の概略構成について説明する。図1は、本発明の第1実施の形態におけるビータ100が装着されたフットペダル1の外観斜視図である。図2(a)は、ビータ100の背面図であり、図2(b)は、ビータ100の側面図である。なお、図1では、踏み込まれたフットボード3を元の位置に戻すための機構(スプリング等)の図示を省略している。
【0025】
図1に示すように、フットペダル1は、バスドラム(図示せず)を演奏する際に、演奏者の足の踏み込みに応じてバスドラムのヘッド(図示せず)を打撃するための装置であり、床面に載置されるフレーム2と、そのフレーム2に揺動自在に装着されるフットボード3と、フレーム2に回動自在に軸支されると共にフットボード3の揺動に連動して回動する回動部材4と、その回動部材4に着脱可能に支持されるビータ100とを備えている。バスドラムの演奏者が足でフットボード3を踏み込むにより、回動部材4に支持されるビータ100がフットボード3に連動して回動し、ビータ100によりバスドラムのヘッドが打撃される。
【0026】
図2(a)又は図2(b)に示すように、ビータ100は、バスドラムのヘッドを打撃すると共に、バスドラムのヘッドが打撃されたことを検出するための装置であり、フットペダル1の回動部材4(図1参照)に支持される軸部材20と、その軸部材20の先端に取着される打撃部材30と、その打撃部材30及び音源装置(図示せず)を電気的に接続するケーブル40と、そのケーブル40を軸部材20に固定する固定具50と、を主に備えて構成されている。
【0027】
軸部材20は、打撃部材30とフットペダル1の回動部材4とを連結すると共に、フットペダル1のフットボード3(図1参照)の踏み込み動作に連動して打撃部材30を回動させるための部位であり、軸状に形成されている。
【0028】
打撃部材30は、バスドラムの演奏時にヘッドに衝突される円柱状の部位であり、軸部材20が取着される第1打撃部材31と、その第1打撃部材31に着脱自在に装着される第2打撃部材32と、それら第1打撃部材31及び第2打撃部材32を互いに連結するボルト33とを主に備えて構成されている。
【0029】
第1打撃部材31は、主に樹脂で構成される部位であり、第2打撃部材32が装着される側と反対側(図2(a)右側)の外表面に形成される平坦面状の第1打撃面31a(図3(b)参照)と、その第1打撃面31aに垂直な外表面に突出して形成されると共にボルト33が螺合可能な2つのめねじ部33aとを備え、第1打撃面31aには、フェルトで構成される当接部材60が取着されている。また、第2打撃部材32は、主に樹脂で構成される本体部34(図3(b)参照)を備え、本体部34は、第1打撃部材31が装着される側と反対側(図2(b)左側)の外表面に形成される半球面状の第2打撃面32aと、外表面から突出すると共に第1打撃部材31のめねじ部33aに対応する位置に形成されボルト33が挿通可能なボルト挿通部33bとを備えている。当接部材60及び第2打撃面32aは、双方とも、バスドラムを演奏する際に、バスドラムのヘッドに当接される部位である。演奏者は、アコースティックバスドラムを打撃する従来のビータとしてビータ100を使用する場合に、ヘッドに当接させる面を、フェルトで構成される当接部材60又は樹脂で構成される第2打撃面32aのいずれかを選択することで、ヘッドを打撃する際の打撃音により生成される楽音を演奏者の好みに応じた楽音に設定することができる。
【0030】
固定具50は、軸部材20及び打撃部材30が回動する際のケーブル40の動きを規制する部材であり、軸部材20に固着されている。固定具50は、一面側に開口されると共にケーブル40が嵌合可能に形成される溝状の嵌合部51を備えている。ケーブル40を嵌合部51に嵌め込むことにより、打楽器を演奏する際に、ケーブル40が軸部材20やフットペダル1(図1参照)に絡まることを防止できる。即ち、打撃部材30は、フットペダル1のフットボード3(図1参照)の踏み込み動作に連動して回動するので、打撃部材30の内部に挿通されるケーブル40も打撃部材30の回動に連動して動く。このため、ケーブル40の動きが規制されていない場合、バスドラムの演奏中にケーブル40が軸部材20やフットペダル1に絡まりやすくなり、演奏の妨害やケーブル40の断線を引き起こす原因となりうる。これに対し、軸部材20に固着される固定具50の嵌合部51にケーブル40を嵌め込むことで、ケーブル40の動きを規制することができるので、ケーブル40が演奏の妨害になることを防止できると共にケーブル40が断線することを防止できる。
【0031】
次に、図3及び図4を参照して、第2打撃部材32の詳細構成について説明する。図3(a)は、図2(b)のIIIa−IIIa線におけるビータ100の断面図であり、図3(b)は、図2(a)のIIIb−IIIb線におけるビータ100の断面図である。図4(a)は、図2(b)のIVa−IVa線におけるビータ100の断面図であり、図4(b)は、ビータ100の分解斜視図である。なお、図3(a)及び図3(b)では、図面を簡素化してその説明をわかりやすくするため、ケーブル40の断面視を省略して図示している。
【0032】
図3(a)又は図3(b)に示すように、第2打撃部材32は、外部を構成する本体部34と、その本体部34の内部に取着される弾性部材35と、その弾性部材35に保持されるプレート36と、そのプレート36に取着される振動センサ37とを主に備えて構成されている。
【0033】
本体部34は、一面側(図3(b)右側)が開口する有底筒状に形成される部材であり、円筒状の側壁部34aと、その側壁部34aの他面側(図3(b)左側)を閉塞する底部34bとを備え、その底部34bの外表面側(図3(b)左側)に第2打撃面32aが形成されている。また、本体部34は、一面側の開口が板状の閉塞部材32bにより閉塞されることで、内部が密閉された中空に形成されている。さらに、側壁部34aには、ケーブル40が挿通可能な本体挿通孔34cが形成されている。
【0034】
弾性部材35は、バスドラムのヘッドを打撃する際に本体部34から振動センサ37に伝達される振動および衝撃を緩衝する部材であり、弾性体から筒状に形成されている。また、弾性部材35は、外周面が本体部34の内周面に取着されると共に、内周面の直径がプレート36の直径よりも小さく形成されている。また、本体部34の側壁部34aに形成される本体挿通孔34cに対応する位置には、ケーブル40が挿通可能な弾性挿通孔35aが形成されている。なお、弾性部材35を構成する弾性体としては、クッション性を有するゴムやスポンジ等が例示される。
【0035】
プレート36は、バスドラムのヘッドを打撃部材30で打撃する際に生じる本体部34の衝撃に対する振動センサ37の強度を確保するための部材であり、金属で構成される円板状に形成されている。プレート36は、弾性部材35の内周面側に配設されると共に周縁部分の全体が弾性部材35の内周面で保持され、第1打撃部材31の第1打撃面31aに平行に配設されている。また、プレート36は、第2打撃部材32の底部34bに平行に配設される。なお、プレート36は、弾性部材35及び後述する金属板37bよりも剛性の高い材料で構成されている。
【0036】
振動センサ37は、本体部34の振動を検出する部品であり、圧電素子37aと、その圧電素子37aの一面側に接着固定される金属板37bとを備えている。圧電素子37aは、厚さ方向に対して垂直方向に反復して撓むことで振動を検出する円板状の部材であり、圧電セラミックスから構成されている。金属板37bは、金属で構成される円板状の部材であり、圧電素子37aよりも大きな外径に形成されている。また、金属板37bは、プレート36に平行に配設された状態でプレート36に接着されている。プレート36が第1打撃面31a及び底部34bに平行に配設されているので、圧電素子37a及び金属板37bは、第1打撃面31a及び底部34bに対して平行に配設される。なお、金属板37bは、本体部34の振動により撓みやすい材料で構成されることが望ましく、例えば、真鍮、黄銅、ニッケル等が例示される。
【0037】
ここで、両面テープ38は、金属板37bよりも小さな外径に形成されると共に、金属板37bの中央部分のみに接着されている。これにより、両面テープ38が接着されていない金属板37bの周縁部分は、本体部34の振動により撓みやすくなるので、本体部34の振動を圧電素子37aに伝達しやすくすることができる。
【0038】
ケーブル40は、本体部34の側壁部34aに形成される本体挿通孔34c及び弾性部材35の弾性挿通孔35aを挿通しつつ弾性部材35の内部に挿通されると共に、一端が振動センサ37に接続されている。
【0039】
次に、ビータ100によるバスドラムへの打撃検出方法について説明する。第1打撃面31a又は第2打撃面32aをバスドラムのヘッドに当接させることで打撃部材30にヘッドが打撃されると、弾性部材35に保持されるプレート36を介して振動センサ37に振動が伝達され、その振動に応じて圧電素子37aが撓むことで、振動が検出される。その結果、振動センサ37により検出された振動波形が音源装置により電気信号に変換されることで、演奏者の好みに応じた楽音を発生させることができる。
【0040】
このように、打撃部材30を構成する第2打撃部材32が振動センサ37を備えているので、バスドラムのヘッドを打撃する際に生じる打撃部材30の振動を振動センサ37により検出できる。よって、打撃部材30とヘッドとの打撃位置から振動センサ37までの距離を近接させることができるので、打撃位置から離れたヘッドの周縁部分の振動を検出する場合と比べて、ヘッドが打撃されてから振動センサ37が振動を検出するまでのタイムラグを小さくすることができる。その結果、ヘッドを打撃してから楽音が発生されるまでの時間を短縮して、演奏者の違和感を低減できる。また、振動センサ37は、打撃部材30の振動を検出するので、フットペダル1(図1参照)の設置位置のズレによりヘッドが打撃される位置が異なる場合でも、振動センサ37が検出する振動に差が生じることを防止できる。
【0041】
さらに、振動センサ37は、ヘッドを打撃する打撃部材30の振動を検出するので、ヘッドのテンションや材質により振動センサ37が検出する振動への影響を抑制できる。よって、打撃力に応じた振動を安定的に検出できる。また、振動センサ37は、ヘッドと比較して投影面積の非常に小さい打撃部材30に取り付けられているため、他の楽器により生成される楽音による打撃部材30の振動を抑制できるので、その打撃部材30の振動を振動センサ37が検出することを抑制できる。さらに、ヘッドがゴム等の材質により構成される場合でも、打撃部材30の振動を検出できるので、適用対象を広げて汎用性を高めることができる。
【0042】
また、ビータ100は、軸部材20と、その軸部材20の先端に取着されると共に振動センサ37を有する打撃部材30とから構成されるので、アコースティックバスドラム用のフットペダルに装着されるビータと交換することができる。即ち、ビータ100をアコースティックバスドラム用のフットペダルに装着して使用することができる。
【0043】
なお、打撃部材30は、足でフットペダル1のフットボード3(図1参照)を踏み込み、その踏み込み動作に連動してヘッドを打撃するため、手でヘッドを打撃するドラムスティック等の部材と比べて、打撃時における衝撃力が大きく、演奏時に振動センサ37が破損する恐れがある。ビータ100は、振動センサ37がプレート36に取着されると共に、そのプレート36が弾性部材35に保持されている。振動センサ37が取着されるプレート36が弾性部材35に保持されているので、本体部34から振動センサ37へ伝達される衝撃力を、弾性部材35により緩衝することができる。従って、打撃部材30がヘッドを打撃する際における衝撃力により振動センサ37が破損することを抑制できる。
【0044】
また、振動センサ37が弾性部材35よりも剛性の高いプレート36を介して弾性部材35に保持されているので、本体部34の衝撃に対する振動センサ37の強度を確保できる。即ち、振動センサ37は精密部品であると共に圧電素子37a及び金属板37bは撓みやすい材料で構成され、衝撃を受けることで変形や損傷を招きやすい部品なので、振動センサ37をプレート36に取着することで振動センサ37の強度を確保して振動センサ37の変形および損傷を回避しやすくできる。
【0045】
振動センサ37が弾性部材35に保持されているので、弾性部材35の硬度や形状を変更することで振動センサ37の共振周波数を調整することができ、小さな打撃力で打撃する際の振動センサ37の振動を弾性部材35により増幅させつつ、他の振動発生源で発生し床面を介してフットペダル1へ伝達される外部からの振動や、ヘッドを打撃する操作ではなく単に演奏者が足をフットペダル1に置いた際に発生する振動を、弾性部材35により緩衝することができる。よって、打撃による本体部34の振動を振動センサ37により確実に検出しつつ、演奏時以外の本体部34の振動による振動センサ37の誤検出を抑制できる。
【0046】
さらに、振動センサ37が弾性材料よりも剛性の高いプレート36を介して弾性部材3
5に保持されるので、弾性部材35による振動センサ37の保持状態による影響を受けにくくすることができる。即ち、振動センサ37が直接、弾性部材35に保持される場合、弾性部材35が振動センサ37を保持する面積が、振動センサ37の出力に大きな影響を及ぼすのに対し、振動センサ37がプレート36を介して間接的に弾性部材35に保持されることで、弾性部材35による振動センサ37の保持状態による影響を受けず安定して検出ができる。
【0047】
また、プレート36は、弾性部材35によりプレート36の周縁部分の全体が保持されているので、弾性材料よりも剛性の高いプレート36を介して保持される振動センサ37の振動しやすい方向を限定することができる。即ち、弾性部材35によるプレート36の保持が周方向において不均等である場合、プレート36および振動センサ37は打撃方向に対して多方向へ向けて振動するので、振動センサ37の出力は安定しない。これに対し、弾性部材35によってプレート36の周縁部分の全体が保持されることによって、プレート36および振動センサ37が振動しやすい方向を一方向(打撃部材30が打撃するヘッドに対して垂直な方向、第1打撃面31a又は第2打撃面32aに対して垂直な方向)に限定できるので、打撃部材30の振動を振動センサ37により確実に検出できる。また、弾性部材35は、プレート36の周縁部分の全体を保持するので、本体部34の振動により生じるプレート36の不要な振動、つまり打撃時以外の振動を早く減衰させることができる。従って、打撃部材30でヘッドを打撃した後に残存するプレート36の振動が振動センサ37により誤検出されることを回避しやすくできる。
【0048】
さらに、プレート36、圧電素子37a及び金属板37bは、第1打撃面31a及び底部34bに対して平行に配置されているので、ヘッドを打撃する際に生じる第1打撃面31a及び底部34bに対して垂直な方向への打撃部材30の振動に対し、プレート36、圧電素子37a及び金属板37bを振動させやすくすることができる。よって、本体部34の振動を圧電素子37aにより効率的に伝達することができる。
【0049】
また、打撃部材30でヘッドを打撃する際に生じる打撃部材30の慣性力が圧電素子37a及び金属板37bの面方向に対して垂直方向へ作用するので、圧電素子37a及び金属板37bに剪断方向への力成分が作用することを防止できる。よって、圧電素子37a及び金属板37bがプレート36から剥離することを防止できる。
【0050】
次に、第1打撃部材31と第2打撃部材32との装着方法について説明する。図4(a)又は図4(b)に示すように、第1打撃部材31に第2打撃部材32を装着する際には、第2打撃部材23のボルト挿通部33bにボルト33を挿通させつつ、ボルト33を第1打撃部材31のめねじ部33aに螺合させる。このとき、第1打撃部材31に取着される軸部材20が突出する位置と、第2打撃部材32の本体部34の側壁部34aに形成される本体挿通孔34c(図3(b)参照)の位置とが一致するように第2打撃部材32を第1打撃部材31に装着する。
【0051】
ここで、第2打撃部材32は、開口が閉塞部材32bにより閉塞されることで、内部が密閉された中空に形成され、その内部に振動センサ37が取着されている。よって、振動センサ37が損傷した際には、第2打撃部材32を交換することで、振動センサ37を交換できる。即ち、振動センサ37は精密部品であり、交換作業者がむやみに振動センサ37に触れることで損傷しやすい部品であるのに対し、ビータ100では、振動センサ37が密閉された第2打撃部材32の内部に取着されているので、振動センサ37に直接触れることなく振動センサ37を交換できる。よって、交換時における振動センサ37の損傷を防止できると共に交換作業の効率を良くすることができる。
【0052】
次に、第2実施の形態におけるビータ200について説明する。第1実施の形態では、弾性部材35がプレート36の周縁部分の全体を保持するのに対し、第2実施の形態では、プレート36の周縁部分の全体のうちの一部分を保持する。図5は、第2実施の形態におけるビータ200の断面図であり、図3(a)に対応する。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、ビータ200は、弾性部材235の構成を除き、他の構成は第1実施の形態におけるビータ100と同一の構成なので、その説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、弾性部材235は、打撃部材230でバスドラムのヘッドを打撃する際に第2打撃部材232の本体部34から振動センサ37に伝達される振動及び衝撃を緩衝する部材であり、弾性体から構成される筒状に形成されている。また、弾性部材235は、内周面の直径がプレート36の直径よりも大きく形成されると共に、内周面から内方へ向けて突出する6つの突出部235aを備えている。各突出部235aは、周方向に均等に配置され、各突出部235aの各突端を結ぶ仮想円の直径がプレート36の直径よりも小さく形成されている。
【0054】
プレート36は、弾性部材235の内周面側に配設されると共に、弾性部材235の突起部235aにより周縁部分全体のうちの一部分のみが保持されている。これにより、弾性部材235の使用量を少なくできるので、弾性部材235の材料コストを削減できると共に、弾性部材235の軽量化を図ることでビータ200全体の軽量化を図ることができる。また、各突起部235aが周方向に均等に配設されることで、各突起部235aによりプレート36を周方向において均等に保持できる。よって、プレート36を介して保持される振動センサ37の振動しやすい方向を一方向(即ち、プレート36を第1打撃面31a(図3(b)参照)又は第2打撃面32a(図3(b)参照)に対して垂直な方向)に限定できるので、打撃部材230の振動を振動センサ37により確実に検出できる。また、プレート36は、その周縁部分が突起部235aにより周方向において等間隔に保持されているので、打撃部材230でヘッドを打撃した後に残存するプレート36の不要な振動を、即ち、打撃時以外の振動を、突起部235aによりプレート36の周方向において均等に減衰することができる。
【0055】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0056】
例えば、上記各実施の形態では、振動センサ37がプレート36を介して弾性部材35,235に保持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサ37の金属板37bが弾性部材35,235に直接保持されてもよい。プレート36を省略することで、部品コストを削減できると共にビータ100,200全体の軽量化を図ることができる。
【0057】
上記各実施の形態では、プレート36、圧電素子37a及び金属板37bが第1打撃面31a及び底部34bに対して平行に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、プレート36、圧電素子37a及び金属板37bが第1打撃面31a及び第2打撃面32aに対向して配置され、第1打撃面31a及び第2打撃面32aに対するプレート36、圧電素子37a及び金属板37bの傾斜角度が30°以下であればよい。プレート36、圧電素子37a及び金属板37bの傾斜角度が30°よりも大きい場合、ヘッドを打撃する際に生じる打撃部材30,230の第1打撃面31a及び第2打撃面32aに垂直な方向の振動をプレート36、圧電素子37a及び金属板37bに確実に伝達することが困難になる。これに対し、第1打撃面31a及び第2打撃面32aに対するプレート36、圧電素子37a及び金属板37bの傾斜角度を30°以下にすることで、打撃部材30,230の振動をプレート36、圧電素子37a及び金属板37bに確実に伝達しやすくできる。よって、打撃部材30,230の振動に応じてプレート36を振動させやすくできると共に圧電素子37a及び金属板37bを撓ませやすくすることができる。従って、打撃部材30,230の振動を振動センサ37により確実に検出できる。
【0058】
また、プレート36、圧電素子37a及び金属板37bの傾斜角度が30°よりも大きい場合、バスドラムのヘッドを打撃する際に生じる慣性力により、圧電素子37a及び金属板37bに作用する剪断方向への力成分が大きく作用するため、圧電素子37a及び金属板37bがプレート36から剥離しやすくなる。これに対し、第1打撃面31a及び第2打撃面32aに対するプレート36、圧電素子37a及び金属板37bの傾斜角度を30°以下にすることで、圧電素子37a及び金属板37bに作用する剪断方向への力成分ので、圧電素子37a及び金属板37bがプレート36から剥離することを抑制できる。
【0059】
上記各実施の形態では、第2打撃部材32,232の本体部34の開口が閉塞部材32bにより閉塞されることで内部が密閉された中空に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、閉塞部材32bが省略されることで、振動センサ37が着脱自在に保持されてもよい。これにより、振動センサ37が損傷した場合には、振動センサ37だけを取り外し、新たな振動センサ37に交換することができる。よって、第2打撃部材32,232全体を交換する場合と比べて、交換コストを抑制できる。
【0060】
上記各実施の形態では、第2打撃部材32,232の内部が中空に形成され、その内部に弾性部材35,235、プレート36及び振動センサ37が取着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1打撃部材31の内部が中空に形成され、その内部に弾性部材35,235、プレート36及び振動センサ37が取着されてもよい。
【0061】
上記各実施の形態では、第2打撃部材32,232が第1打撃部材31に着脱自在に装着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2打撃部材32,232と第1打撃部材31とが一体に成形されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 フットペダル
100,200 ビータ(打楽器用打撃検出装置)
20 軸部材
30,230 打撃部材
31 第1打撃部材
31a 第1打撃面(打撃面)
32,232 第2打撃部材
32b 第2打撃面(打撃面)
35,235 弾性部材
36 プレート
37 振動センサ
37a 圧電素子
40 ケーブル
50 固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットペダルに回動自在に支持され前記フットペダルへの踏み込み動作に連動して回動することにより打楽器のヘッドを打撃する打楽器用打撃検出装置であって、
軸状の軸部材と、その軸部材の先端に取着されると共に内部が中空に形成される打撃部材とを備え、
前記打撃部材は、前記打撃部材の内部に取着されると共に弾性材料から構成される弾性部材と、その弾性部材に保持されると共に振動を検出する振動センサとを備えることを特徴とする打楽器用打撃検出装置。
【請求項2】
前記打撃部材は、前記弾性部材に保持されると共に前記弾性部材よりも剛性の高い材料で構成される板状のプレートを備え、
前記振動センサは、前記プレートを介して前記弾性部材に保持されることを特徴とする請求項1記載の打楽器用打撃検出装置。
【請求項3】
前記振動センサは、前記プレートの中央部分に配設され、
前記プレートは、前記弾性部材により前記プレートの周縁部分を周方向において均等に保持されることを特徴とする請求項2記載の打楽器用打撃検出装置。
【請求項4】
前記打撃部材は、外表面に形成される共に前記ヘッドを打撃する際に前記ヘッドに当接される打撃面を備え、
前記振動センサは、板状の圧電素子を備え、
前記圧電素子は、前記打撃面に対向して配設され、前記打撃面に対する傾斜角度が30°以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置。
【請求項5】
前記圧電素子は、前記打撃面に対して平行に配設されること特徴とする請求項4記載の打楽器用打撃検出装置。
【請求項6】
前記打撃部材は、前記軸部材に固着される第1打撃部材と、その第1打撃部材に着脱自在に装着される第2打撃部材とを備え、少なくとも前記第1打撃部材または前記第2打撃部材のいずれか一方の内部が中空に構成され、
前記振動センサは、前記第1打撃部材または前記第2打撃部材のいずれか一方の内部に収納されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置。
【請求項7】
前記振動センサは、前記弾性部材に着脱自在に保持されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置。
【請求項8】
音源装置および前記振動センサを電気的に接続するケーブルと、そのケーブルを前記軸部材に固定する固定具とを備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の打楽器用打撃検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−14003(P2012−14003A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151263(P2010−151263)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000116068)ローランド株式会社 (175)
【Fターム(参考)】