説明

投写型映像表示装置

【課題】所望の映像表示面に映像を表示するときの色再現性を高めることができる投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】種々の映像表示面に映像を投写して表示するプロジェクタ1は、イメージセンサ23を用いて映像表示面の色合いを検出する色合い検出部と、色合い検出部により検出された色合いに応じて映像の色合いを補正する色合い補正部とを備えている。色合い検出部が、所定の映像表示面の色合いを基準面の色合いとして検出し、映像を基準面と異なる他の映像表示面に表示するとき、色合い補正部が、基準面の色合いと他の映像表示面の色合いとの差に基づいて映像の色合いを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンや壁等の映像表示面の色合いに応じて映像の色合いを補正する機能を備えた投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、イメージセンサを用いてスクリーンや壁等の映像表示面の色合いを検出して、検出された映像表示面の色合いに応じて映像の色合いを補正する投写型映像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−349792号公報
【特許文献2】特開2007−274046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1及び2に記載される文献においては、検出された映像表示面の色合いに応じて映像の色合いを補正することができるものの、所望の映像表示面に映像を表示するときに予め設定されている映像の色合いにするものにすぎない。即ち、例えば、映像を薄青の映像表示面に表示するときに、映像を白の映像表示面に表示させるときの色合いに近くなるように映像の色合いを補正するものにすぎない。従って、このような場合には、映像を白の映像表示面に表示するときに、映像を薄青の映像表示面に表示させるときの色合いに近くなるように映像の色合いを補正することができない。よって、映像を所望の映像表示面(例えば白の映像表示面)に表示するときに、映像を他の映像表示面(例えば薄青の映像表示面)に表示させたときと同じように映像を表示させたくても、色再現性が低いという問題がある。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望の映像表示面に映像を表示するときの色再現性を高めることができる投写型映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、種々の映像表示面に映像を投写して表示する投写型映像表示装置において、イメージセンサを用いて映像表示面の色合いを検出する色合い検出部と、この色合い検出部により検出された色合いに応じて映像の色合いを補正する色合い補正部とを備え、前記色合い検出部が、所定の映像表示面である基準面の色合いを検出し、映像を前記基準面と異なる他の映像表示面に表示するとき、前記色合い補正部が、前記基準面の色合いと他の映像表示面の色合いとの差に基づいて映像の色合いを補正することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、投写型映像表示装置は、イメージセンサを用いて映像表示面の色合いを検出する色合い検出部と、色合い検出部により検出された色合いに応じて映像の色合いを補正する色合い補正部とを備えている。このため、映像が投写される映像表示面に応じて映像の色合いを調整することができる。そして、色合い検出部が、所定の映像表示面である基準面の色合いを検出し、映像をこの基準面と異なる他の映像表示面に投写型映像表装置が表示するとき、色合い補正部が、基準面の色合いと他の映像表示面の色合いとの差に基づいて映像の色合いを補正する。このような構成によれば、色合い検出部により検出される所定の映像表示面(例えば薄青の映像表示面)を基準面として、映像を他の映像表示面(例えば白の映像表示面)に表示するときに、基準面の色合いと他の映像表示面の色合いとの差に基づいて、映像を基準面に表示させるときの色合いに近くなるように映像の色合いを補正することができる。従って、所望の映像表示面に映像を表示するときの色再現性を高めることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の投写型映像表示装置において、前記基準面の色合いとして検出された前記所定の映像表示面の色合いを情報として記憶する不揮発性のメモリを備えていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、不揮発性のメモリに、基準面の色合いとして検出された所定の映像表示面の色合いが情報として記憶されるため、外部電源により動作する投写型映像表示装置に対して外部電源から電力が供給されなくなったときでも、基準面の色合いに係る情報を保持することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の投写型映像表示装置において、前記色合い検出部が前記基準面の色合いを検出するとき、色合い検出用映像を前記基準面に表示することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、色合い検出部が基準面の色合いを検出するとき、色合い検出用映像が基準面に表示される。従って、色合い検出用映像を表示させた状態で基準面の色合いが検出されるため、暗所において基準面の色合いの精度良く検出することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の投写型映像表示装置において、前記他の映像表示面の色合いを検出するとき、前記色合い検出用映像を前記他の映像表示面に表示することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、基準面と異なる他の映像表示面の色合いを検出するとき、色合い検出用映像が他の映像表示面に表示される。従って、他の映像表示面の色合いを検出するときに、基準面の色合いを検出するときに表示させた映像が、他の映像表示面に表示されるため、基準面の色合いと他の映像表示面の色合いを精度良く比較することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の投写型映像表示装置において、前記色合い検出用映像が赤色及び青色及び緑色の映像であることを特徴とする。
上記構成によれば、色合い検出用映像が赤色及び青色及び緑色の映像であるため、赤色の映像が表示されたときの映像表示面の色合い、青色の映像が表示されたときの映像表示面の色合い、及び緑色の映像が表示されたときの映像表示面の色合いを検出することができる。従って、映像の色合いを光の三原色(赤色及び青色及び緑色)毎に補正するときに直接的に利用できる色合いの情報を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所望の映像表示面に映像を表示するときの色再現性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る投写型映像表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の投写型映像表示装置が実行する「基準面データ作成処理」の流れを示すフローチャート。
【図3】同実施形態の投写型映像表示装置が実行する「映像色合い補正処理」の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る投写型映像表示装置は、映像信号に基づいて映像を投写して表示する液晶プロジェクタ1(以下、「プロジェクタ1」)であって、外部電源(図示略)から供給される電力により動作する電子機器である。
【0018】
プロジェクタ1は、スクリーンや壁等の平面に映像を表示可能な装置であって、例えば、3枚の液晶パネル(図示略)を用いて映像を生成する3板式液晶プロジェクタにより構成される。
【0019】
プロジェクタ1は、光学部品として、映像表示用の光を発する光源11と、光源11が発した光を用いて映像を生成する映像生成部12と、生成された映像の光を投射する投射レンズ13とを備えている。
【0020】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプにより構成されている。光源11は、電力の供給を受けて光を発する。光源11が発する光は、映像生成部12に入射する。
【0021】
映像生成部12は、ドットマトリクス型のライトバルブである液晶パネルを備えた電気光学装置により構成されている。映像生成部12には映像信号が入力され、入力された映像信号に基づいて液晶パネルが駆動される。そして、光源11から映像生成部12に入射した光が、映像信号に基づいて駆動されている液晶パネルを透過することによって、映像信号に基づいた映像が生成される。
【0022】
投射レンズ13は、映像生成部12により生成された映像の光を投射するレンズ群により構成されている。映像の光が投射レンズ13からプロジェクタ1の外部に向けて投射されることにより、スクリーンや壁等の映像表示面に映像が表示される。
【0023】
また、プロジェクタ1は、プロジェクタ1の外部から映像信号が入力される映像信号入力部21と、映像信号に信号処理を施す映像信号処理部22と、イメージセンサ23と、プロジェクタ1の各部を制御する制御部24と、情報及びデータを記憶する不揮発性のメモリ25と、プロジェクタ1のユーザにより操作される操作部26とを備えている。
【0024】
映像信号入力部21は、例えば映像ケーブル(不図示)が接続される映像信号入力用の端子により構成されている。プロジェクタ1には、映像信号入力部21を介してPC(Personal Computer)や映像再生装置等の外部機器から映像信号が入力される。なお、映像信号入力部21は、無線により送信された映像信号を受信する無線モジュールであってもよい。
【0025】
映像信号処理部22は、プロジェクタ1に入力された映像信号に対して、OSD(On Screen Display)処理や色合い補正処理等の種々の信号処理を施す信号処理回路により構成されている。映像信号処理部22における信号処理の内容は、制御部24により制御される。OSD処理により、映像信号に基づく映像以外の映像を表示させるための信号処理である。また、色合い補正処理は、映像の色彩や彩度を調整するための信号処理である。映像信号処理部22で信号処理が施された映像信号は、映像生成部12に入力される。
【0026】
イメージセンサ23は、映像表示面の色合いを検出するためのエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)であって、個体撮像素子(例えばCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ)により構成されている。イメージセンサ23により画像として撮像された映像表示面の色合いは光電変換されて、映像表示面の色合いが電気信号として制御部24に入力される。
【0027】
制御部24は、基準面データ作成処理のプログラム及び映像色合い補正処理のプログラムを実行する集積回路により構成されている。制御部24、基準面データ作成処理においては基準面データの作成、映像色合い補正処理において色合い補正パラメータの作成を行う。映像色合い補正処理において、制御部24は、映像信号処理部22での色合い補正処理を制御することにより、映像の色合いを補正する。
【0028】
メモリ25は、不揮発性メモリであり、例えばEEPROMまたはフラッシュメモリである。メモリ25には、制御部24が実行するプログラム、及び、映像の色合い補正用の基準データが記憶される。メモリ25に記憶される内容は読み書き可能であって、基準データを再設定することもできる。
【0029】
操作部26は、プロジェクタ1のユーザにより操作される押しボタンまたはタッチパネル等により構成されている。操作部26が操作されることに基づいて、プロジェクタ1は、基準面データ作成処理のプログラムの実行、映像色合い補正処理のプログラムの実行を開始する。
【0030】
以上のような構成のプロジェクタ1においては、イメージセンサ23及び制御部24により、映像表示面の色合いを検出する色合い検出部が構成されている。また、制御部24及びメモリ25及び映像信号処理部22により映像の色合いを補正する色合い補正部が構成されている。
【0031】
図2を参照して、プロジェクタ1が実行する「基準面データ作成処理」について説明する。基準面データ作成処理が実行されるときには、映像色合い補正処理の実行は禁止され、映像色合い補正処理が実行されているときにはその実行が停止される。
【0032】
まず、制御部24が映像信号処理部22におけるOSD処理を制御することにより、プロジェクタ1が色合い検出用映像の表示を開始する(ステップS1)。色合い検出用映像は、赤色及び青色及び緑色の映像であって、映像表示面に、赤色の映像、青色の映像、緑色の映像が順次表示される。色合い検出用映像の表示は、映像表示面の色合いの検出が完了するまで行われる。
【0033】
次いで、プロジェクタ1は、イメージセンサ23を用いて色合い検出用映像が表示されている映像表示面を撮像して、基準面としての映像表示面の色合いを検出する(ステップS2)。即ち、プロジェクタ1は、ステップS2では、赤色の映像が表示されている基準面の色合い、青色の映像が表示されている基準面の色合い、緑色の映像が表示されている基準面の色合いを、それぞれ検出する。
【0034】
次いで、ステップS2において検出された基準面の色合いに基づいて、プロジェクタ1は色合い補正用の基準面データを作成する(ステップS3)。色合い補正用の基準面データは、映像色合い補正処理において、映像の色合いを、基準面データ作成処理において基準面とした映像表示面に表示させたときの色合いに近づけるために用いられるデータである。
【0035】
そして、プロジェクタ1は、ステップS4で作成された基準面データをメモリ25に記憶する。このようにしてメモリ25に、基準面の色合いに係る情報が基準面データとして記憶され、基準面データの設定が完了する。
【0036】
図3を参照して、基準面データの設定後にプロジェクタ1が実行する「色合い補正処理」について説明する。
まず、制御部24が映像信号処理部22におけるOSD処理を制御することにより、ステップS1と同じようにして、プロジェクタ1が色合い検出用映像の表示を開始する(ステップS11)。色合い検出用映像の表示は、映像表示面の色合いの検出が完了するまで行われる。
【0037】
次いで、プロジェクタ1は、ステップS2と同様に、イメージセンサ23を用いて色合い検出用映像が表示されている映像表示面を撮像して、映像表示面の色合いを検出する(ステップS12)。即ち、プロジェクタ1は、ステップS12では、赤色の映像が表示されている映像表示面の色合い、青色の映像が表示されている映像表示面の色合い、緑色の映像が表示されている映像表示面の色合いを、それぞれ検出する。
【0038】
次いで、プロジェクタ1は、ステップS12において検出された映像表示面の色合いと、メモリ25に基準面データとして記憶されている基準面の色合いとを、制御部24で演算を行うことにより比較する(ステップS13)。
【0039】
そして、プロジェクタ1は、ステップS12で検出された映像表示面の色合いと基準面の色合いとの差が小さいか否かを判断する(ステップS14)。
基準面の色合いとの差が小さくないとステップS14で判定されたとき、即ち、ステップS12で検出された映像表示面の色合いと基準面の色合いとの差が大きいと判定されたときには、プロジェクタ1は、色合い補正パラメータを制御部24で算出する(ステップS15)。色合い補正パラメータは、ステップS12において検出された映像表示面の色合いに応じて、その映像表示面に表示される映像の色合いを基準面に表示されたときの色合いに近づけるための演算式に用いられる変数であって、ステップS12で検出された映像表示面の色合い及び基準面データに基づいて算出される。
【0040】
そして、制御部24がステップS15において算出された色合い補正パラメータを用いて色合い補正処理を行うように映像信号処理部22を制御することにより、プロジェクタ1は、色合い補正パラメータに基づいて映像の色合いの補正を開始する(ステップS16)。
【0041】
一方、基準面の色合いとの差が小さいとステップS14で判定されたときには、色合い補正パラメータは算出されず、既存の色合い補正パラメータに基づいて映像の色合いの補正が開始される。
【0042】
本発明の作用について説明する。
映像表示面が例えば薄青の映像表示面であるときにプロジェクタ1が基準面データ作成処理を実行することにより、薄青の映像表示面を基準面として、この基準面と異なる他の映像表示面に映像を表示させるときに、映像の色合いを、薄青の映像表示面に表示させたときの色合いに近づけるために用いられる基準面データが設定される。そして、基準面データの設定後に、映像表示面が例えば白の映像表示面であるときにプロジェクタ1が映像色合い補正処理を実行することにより、白の映像表示面に表示される映像の色合いが、薄青の映像表示面に表示させたときの色合いに近づくように補正される。
【0043】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)プロジェクタ1は、イメージセンサ23を用いて映像表示面の色合いを検出する色合い検出部と、色合い検出部により検出された色合いに応じて映像の色合いを補正する色合い補正部とを備えている。このため、映像が投写される映像表示面に応じて映像の色合いを調整することができる。そして、色合い検出部が、所定の映像表示面である基準面の色合いを検出し、映像をこの基準面と異なる他の映像表示面に投写型映像表装置が表示するとき、色合い補正部が、基準面の色合いと他の映像表示面の色合いとの差に基づいて映像の色合いを補正する。このような構成によれば、色合い検出部により検出される所定の映像表示面(例えば薄青の映像表示面)を基準面として、映像を他の映像表示面(例えば白の映像表示面)に表示させるときに、基準面の色合いと他の映像表示面の色合いとの差に基づいて、基準面に表示させるときの色合いに近くなるように映像の色合いを補正することが可能となる。従って、所望の映像表示面に映像を表示するときの色再現性を高めることができる。
【0044】
(2)プロジェクタ1は、基準面の色合いとして検出された所定の映像表示面の色合いを情報として記憶する不揮発性のメモリ25を備えている。従って、不揮発性のメモリ25に、基準面の色合いとして検出された所定の映像表示面の色合いが情報として記憶されるため、外部電源により動作するプロジェクタ1に対して外部電源から電力が供給されなくなったときでも、基準面の色合いに係る情報を保持することができる。
【0045】
(3)プロジェクタ1は、色合い検出部が基準面の色合いを検出するとき、色合い検出用映像を基準面に表示する。従って、色合い検出用映像を表示させた状態で基準面の色合いが検出されるため、暗所において基準面の色合いの精度良く検出することができる。
【0046】
(4)プロジェクタ1は、基準面と異なる他の映像表示面の色合いを検出するとき、色合い検出用映像をその映像表示面に表示する。従って、基準面と異なる映像表示面の色合いを検出するときに、基準面の色合いを検出するときに表示させた映像が、その映像表示面に表示されるため、基準面の色合いと他の映像表示面の色合いを精度良く比較することができる。
【0047】
(5)色合い検出用映像が赤色及び青色及び緑色の映像であるため、赤色の映像が表示されたときの映像表示面の色合い、青色の映像が表示されたときの映像表示面の色合い、及び緑色の映像が表示されたときの映像表示面の色合いを検出することができる。従って、映像の色合いを光の三原色(赤色及び青色及び緑色)毎に補正するときに直接的に利用できる色合いの情報を得ることができる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0049】
・上記実施形態では、色合い検出用映像は赤色及び青色及び緑色の映像であって、映像表示面の色合いを検出するときに赤色の映像、青色の映像、緑色の映像を順次表示する構成であったが、映像表示面の色合いを検出するときに赤色及び青色及び緑色を含む1つの映像を表示する構成を採用することもできる。このような構成によれば、赤色の映像が表示されたときの映像表示面の色合い、青色の映像が表示されたときの映像表示面の色合い、及び緑色の映像が表示されたときの映像表示面の色合いを検出するための時間を短くすることができる。
【0050】
・上記実施形態では、色合い検出用映像は赤色及び青色及び緑色の映像であるが、このような光の三原色以外の色を含む映像を、色合い検出用映像とすることもできる。また、色合い検出用映像を映像表示面にさせずに映像表示面の色合いを検出することもできる。
【0051】
・上記実施形態では、映像信号処理部22でのOSD処理を制御することにより色合い検出用映像を表示させる構成であるが、映像生成部12を構成する電気光学装置を直接的に制御して色合い検出用映像を表示させることもできる。
【0052】
・上記実施形態では、色合い補正処理を行う映像信号処理部22を制御することにより、映像の色合いを補正する構成であるが、映像生成部12を構成する電気光学装置を直接的に制御して映像の色合い補正することもできる。
【0053】
・上記実施形態では、プロジェクタ1は液晶パネルにより構成される映像生成部12を備える投写型映像表示装置であるが、映像生成部が液晶パネル以外の電気光学装置を備える投写型映像表示装置に本発明を適用することもできる。例えば、映像生成部が微小鏡を格子状に配列したDMD(Digital Micromirror Device)を備えた電気光学装置により構成されていてもよい。このような構成においては、映像生成部に入力された映像信号に基づいてDMDが駆動され、光源11から映像生成部に入射した光が、投射レンズ13に向けてDMDにより画素毎に選択的に反射されることによって、映像信号に基づいた映像が生成される。
【符号の説明】
【0054】
1…プロジェクタ(投写型映像表示装置)、11…光源、12…映像生成部、13…投射レンズ、21…映像信号入力部、22…映像信号処理部、23…イメージセンサ、24…制御部、25…メモリ、26…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の映像表示面に映像を投写して表示する投写型映像表示装置において、
イメージセンサを用いて映像表示面の色合いを検出する色合い検出部と、この色合い検出部により検出された色合いに応じて映像の色合いを補正する色合い補正部とを備え、
前記色合い検出部が、所定の映像表示面の色合いを基準面の色合いとして検出し、
映像を前記基準面と異なる他の映像表示面に表示するとき、前記色合い補正部が、前記基準面の色合いと他の映像表示面の色合いとの差に基づいて映像の色合いを補正する
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記基準面の色合いとして検出された前記所定の映像表示面の色合いを情報として記憶する不揮発性のメモリを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記色合い検出部が前記基準面の色合いを検出するとき、色合い検出用映像を前記基準面に表示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記他の映像表示面の色合いを検出するとき、前記色合い検出用映像を前記他の映像表示面に表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記色合い検出用映像が赤色及び青色及び緑色の映像である
ことを特徴とする請求項3または4に記載の投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−233979(P2012−233979A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101278(P2011−101278)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】