説明

投写型映像表示装置

【課題】本発明は、装置を大型化することなく、装置から光源を交換するサイクルをより長くすることができ、高い位置精度の機構が不要な投写型表示装置を提供する。
【解決手段】本発明は、光源ユニット10と、映像生成部4と、投写部とを備える投写型映像表示装置100である。光源ユニット10は、光源保持部10bに複数の光源10aを保持する。映像生成部4は、光源ユニット10から出射した光を透過または反射させて変調し、映像を生成する。投写部は、映像生成部4で生成した映像を投写面に投写レンズ3を介して投写する。光源保持部10bは、形状が円筒形で、円筒形の円周方向に対して回転可能に保持され、それぞれの光源10aは、光源保持部10bの中心軸から等距離で、かつそれぞれの光軸10dが中心軸10cに平行となるように光源保持部10bに保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を投写面に投写する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投写型表示装置は、光源から出射した光を液晶パネルなどの光変調素子で透過または反射させて映像を生成し、生成した映像を投写面であるスクリーンに投写して表示している。そのため、投写型表示装置には、光源が必ず必要となり、ランプ光源や、LED(Light Emitting Diode)光源などが切れると、映像を表示することができない致命的な故障となる。
【0003】
そこで、点灯している光源が切れた場合でも、予備の光源に切替えて映像を継続して表示することができるように、予備の光源と、光源からの光を切替えるミラーとを設けた投写型表示装置が提案されている。
【0004】
また、特許文献1に開示してある投写型表示装置では、円筒形のランプカートリッジを備え、このランプカートリッジの径方向に光軸が一致するように複数の光源を保持してある。そのため、特許文献1に開示してある投写型表示装置は、点灯している光源が切れた場合、ランプカートリッジを回転させることで新しい光源に切替えて映像を継続して表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−121948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、予備の光源と、光源からの光を切替えるミラーとを設けた投写型表示装置では、予備の光源も切れた場合、映像を表示することができない致命的な故障となり、光源を交換する作業が必要となる。特に、大型の投写型表示装置や天井に取付けてある投写型表示装置では、光源を交換する作業の負担が大きいため、光源を交換するサイクルの長い装置が望まれている。
【0007】
また、予備の光源を増やした場合、増やした光源の数だけ切替えるミラーが必要となり投写型表示装置が大型化する。
【0008】
さらに、特許文献1に開示してある投写型表示装置では、それぞれの光源の光軸がランプカートリッジの径方向を向いているので、点灯している光源の光軸以外、液晶パネルに入射する光の光軸と平行ではない。そのため、特許文献1に開示してある投写型表示装置では、新しい光源に切替える場合、光源の光軸と、液晶パネルに入射する光の光軸とが平行になるようにランプカートリッジを移動させる高い位置精度の機構が必要となる。
【0009】
それゆえに、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、装置を大型化することなく、装置から光源を交換するサイクルをより長くすることができ、高い位置精度の機構が不要な投写型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従う投写型映像表示装置は、光源保持部に複数の光源を保持した光源ユニットと、光源ユニットから出射した光を透過または反射させて変調し、映像を生成する映像生成部と、映像生成部で生成した映像を投写面にレンズを介して投写する投写部とを備え、光源保持部は、形状が円筒形で、円筒形の円周方向に対して回転可能に保持され、それぞれの光源は、光源保持部の中心軸から等距離で、かつそれぞれの光軸が中心軸に平行となるように光源保持部に保持されている。
【0011】
本発明のある局面に従う投写型映像表示装置では、円筒形の光源保持部が円周方向に対して回転可能に保持されているので、装置を大型化することなく複数の光源を切替えることでき、装置から光源を交換するサイクルをより長くすることができる。また、それぞれの光源の光軸が光源保持部の中心軸に対して平行であるので、光源保持部の中心軸を映像生成部に入射する光の光軸に対して平行にするだけで、すべての光源の光軸と、映像生成部に入射する光の光軸とを平行にすることができる。そのため、光源保持部は、光軸に対して垂直の面内で光源を移動させることができればよく、高い位置精度の機構が不要となる。
【0012】
好ましくは、光源ユニットから出射した光量を測定する光測定部をさらに備え、光源ユニットは、光測定部で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合に、光源保持部を円周方向に回転させて点灯する光源を切替える。
【0013】
光源ユニットは、光測定部で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合に、点灯する光源を切替えるので、安定して映像を表示することができる。
【0014】
好ましくは、光源ユニットが、投写型映像表示装置の筐体から取外し可能である。
光源ユニットが、投写型映像表示装置の筐体から取外し可能であるので、光源の交換を光源ユニット単位で行なうことができ、光源を交換する作業の負担を軽減することができる。
【0015】
好ましくは、光源ユニットの1つの光源の光軸が、映像生成部に入射する光の光軸と一致するように光源ユニットを配置してある。
【0016】
光源ユニットは、別の光源の光軸が、映像生成部に入射する光の光軸と一致する位置まで光源保持部を回転させることで、光源を交換することができる。
【0017】
好ましくは、光源保持部の中心軸が、映像生成部に入射する光の光軸と一致するように光源ユニットを配置してあり、複数の光源のうち少なくとも1つの光源から、光源保持部の中心軸の方向に光を導く光学手段をさらに備える。
【0018】
投写型映像表示装置は、光源保持部の中心軸が、映像生成部に入射する光の光軸と一致し、複数の光源のうち少なくとも1つの光源から、光源保持部の中心軸の方向に光を導く光学手段をさらに備えることで、複数の光源からの光を映像生成部に入射することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る投写型映像表示装置は、円筒形の光源保持部が円周方向に対して回転可能に保持されているので、装置を大型化することなく複数の光源を切替えることでき、装置から光源を交換するサイクルをより長くすることができる。また、本発明に係る投写型映像表示装置は、すべての光源の光軸と、映像生成部に入射する光の光軸とを平行にすることができるので、高い位置精度の機構が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置の外観構成を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光源ユニットの構成を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る投写型映像表示装置の光源保持部を回転させる機能を説明するための機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る投写型映像表示装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置の外観構成を示す外観図である。
【0023】
図1に示す投写型映像表示装置100は、液晶パネルなどの光変調素子で透過または反射させて映像を生成し、生成した映像を投写レンズ3で投写面であるスクリーンに投写して表示している。なお、光変調素子は、液晶パネルに限定されず、DMD(Degital Micromirror Device)素子などであってもよい。また、投写面は、スクリーンに限定されず、壁面であってもよい。
【0024】
投写型映像表示装置100は、筐体2の図中前面に投写レンズ3が取付けられ、筐体2の図中右側面に光源ユニット10が取付けられている。光源ユニット10は、複数の光源10a、光源10aを保持する光源保持部10bを含んでいる。ここで、光源10aは、高圧水銀ランプやキセノンランプなどランプ光源に限らず、LEDやLD(Laser Diode)を用いた固体光源であってもよい。
【0025】
光源保持部10bは、形状が円筒形で8個の光源10aを保持し、円筒形の円周方向に対して回転可能に筐体2に保持されている。つまり、光源保持部10bは、中心軸10cが筐体2の水平方向に保持され、当該中心軸10cを中心に回転させることができる。
【0026】
光源ユニット10は、通常、蓋部2aに覆われているが、光源を交換する際に蓋部2aを開け露出させる。光源の交換は、光源保持部10bに保持されたそれぞれの光源10aを1個ずつ交換してもよいが、光源ユニット10を筐体2から取外し可能にしておき、光源ユニット10を交換の単位としてもよい。なお、光源ユニット10を交換の単位とする方が、光源10aを1個ずつ交換する場合に比べて、使用者の交換作業の負担を軽減することができる。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態1に係る光源ユニット10の構成を示す平面図である。光源ユニット10は、図2(a)に示すように8個の仕切られた光源保持部10bのそれぞれの領域に光源10aを保持してある。また、それぞれの光源10aは、光源保持部10bの中心軸10cから等距離で、かつそれぞれの光源10aの光軸が中心軸10cに平行となるように光源保持部10bに保持されている。
【0028】
なお、図2(a)に示す光源ユニット10では、光源保持部10bに8個の光源10aを保持しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、光源10aや光源保持部10bの大きさなどを考慮して、光源保持部10bに保持する光源10aの個数を決めればよい。たとえば、図2(b)に示す光源ユニット10では、光源保持部10bが6個の領域に分けられ、それぞれの領域に光源10aを保持してある。つまり、図2(b)に示す光源ユニット10では、光源保持部10bに6個の光源10aを保持している。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置100の構成を示す概略図である。図3に示す投写型映像表示装置100は、光源ユニット10、映像を生成する映像生成部4と、映像を投写面に投写する投写レンズ3(投写部)とを備えている。さらに、投写型映像表示装置100は、光源ユニット10から出射した光を映像生成部4に導く光学系5を備えている。
【0030】
光源ユニット10は、複数の光源10a、光源保持部10bを備え、中心軸10cを中心に光源保持部10bを回転することが可能である。
【0031】
光学系5は、フライアイインテグレータ11、PBS(偏光ビームスプリッタ)アレイ12、コンデンサレンズ13を備えている。フライアイインテグレータ11は、蝿の目状のレンズ群からなるフライアイレンズを備え、光源ユニット10から入射された光の光量分布を均一化して、PBSアレイ12に入射する。
【0032】
PBSアレイ12は、複数のPBSと1/2波長板とがアレイ状に配列されたものであり、フライアイインテグレータ11から入射された光の偏光方向を1方向に揃える。コンデンサレンズ13は、PBSアレイ12から入射された光を集光し、映像生成部4に入射する。
【0033】
映像生成部4は、ダイクロイックミラー14,21、ミラー15,28,30、コンデンサレンズ16,22,26、入射側偏光板17,23,32、液晶パネル18,24,33、出射側偏光板19,25,34、ダイクロイックプリズム20、リレーレンズ27,29,31を備えている。
【0034】
ダイクロイックミラー14は、コンデンサレンズ13から入射された光のうち、青色波長帯の光(以下、「B光」という)のみを透過し、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)および緑色波長帯の光(以下、「G光」という)を反射する。ダイクロイックミラー14を透過したB光は、ミラー15に導かれ、そこで反射され、コンデンサレンズ16に入射される。
【0035】
コンデンサレンズ16は、B光がほぼ平行光で液晶パネル18に入射するよう、B光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ16を透過したB光は、入射側偏光板17を介して液晶パネル18に入射される。液晶パネル18は、青色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてB光を変調する。液晶パネル18によって変調されたB光は、出射側偏光板19を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
【0036】
ダイクロイックミラー14によって反射された光のうちG光は、ダイクロイックミラー21によって反射され、コンデンサレンズ22に入射される。コンデンサレンズ22は、G光がほぼ平行光で液晶パネル24に入射するよう、G光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ22を透過したG光は、入射側偏光板23を介して液晶パネル24に入射される。液晶パネル24は、緑色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてG光を変調する。液晶パネル24によって変調されたG光は、出射側偏光板25を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
【0037】
ダイクロイックミラー21を透過したR光は、コンデンサレンズ26に入射される。コンデンサレンズ26は、R光がほぼ平行光で液晶パネル33に入射するよう、R光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ26を透過したR光は、光路長調整用のリレーレンズ27,29,31と2つのミラー28,30とからなる光路を進み、入射側偏光板32を介して液晶パネル33に入射される。液晶パネル33は、赤色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動情報に応じてR光を変調する。液晶パネル33によって変調されたR光は、出射側偏光板34を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
【0038】
ダイクロイックプリズム20は、液晶パネル18,24,33によって変調されたB光、G光およびR光を色合成し、投写レンズ3へと入射させる。
【0039】
投写レンズ3は、投写光を投写面(スクリーン)上に結像させるためのレンズ群と、これらレンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写画像のズーム状態およびフォーカス状態を調整するためのアクチュエータを備えている。投写レンズ3は、ダイクロイックプリズム20によって色合成された光を投写面上に拡大して投写する。
【0040】
さらに、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置100では、光源ユニット10の1つの光源10aの光軸10dが、映像生成部4に入射する光の光軸4aと一致するように光源ユニット10を配置してある。光源保持部10bに保持した光源10aの光軸10dは、光源保持部10bの中心軸10cに対して平行であるので、光源保持部10bの中心軸10cを映像生成部4に入射する光の光軸4aに対して平行にするだけで、すべての光源10aの光軸10dと、映像生成部4に入射する光の光軸4aとを平行にすることができる。
【0041】
また、光源保持部10bに保持した光源10aは、光源保持部10bの中心軸10cから等距離にあるため、光源ユニット10の1つの光源10aの光軸10dが、映像生成部4に入射する光の光軸4aと一致すれば、光源保持部10bを回転させて別の光源10aに交換しても、別の光源10aの光軸10dが、映像生成部4に入射する光の光軸4aと一致する。
【0042】
以上のように、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置100では、円筒形の光源保持部10bが円周方向に対して回転可能に保持されているので、装置を大型化することなく複数の光源10aを切替えることでき、装置から光源10aを交換するサイクルをより長くすることができる。また、それぞれの光源10aの光軸10dが光源保持部10bの中心軸10cに対して平行であるので、光源保持部10bの中心軸10cを映像生成部4に入射する光の光軸4aに対して平行にするだけで、すべての光源10aの光軸10dと、映像生成部4に入射する光の光軸4aとを平行にすることができる。そのため、光源保持部10bは、光軸10dに対して垂直の面内で光源10aを移動させることができればよく、高い位置精度の機構が不要となる。
【0043】
また、光源ユニット10は、別の光源10aの光軸10dが、映像生成部4に入射する光の光軸4aと一致する位置まで光源保持部10bを回転させることで、光源10aを交換することができ、使用者が投写型映像表示装置100から光源10aを取外したり、取付けたりする作業が不要となる。
【0044】
なお、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置100では、液晶パネル18,24,33に光源10aからの光を透過させて変調し、映像を生成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶パネル18,24,33に光源10aからの光を反射させて変調し、映像を生成してもよい。
【0045】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、光源保持部を回転させて光源を交換する投写型映像表示装置の機能について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る投写型映像表示装置の光源保持部を回転させる機能を説明するための機能ブロック図である。図4に示す投写型映像表示装置110は、光源ユニット10、映像生成部4、投写レンズ(投写部)3、光測定部6、駆動部7を備えている。
【0046】
なお、投写型映像表示装置110は、図3に示す投写型映像表示装置110と同じ構成要素について同じ符号を付して詳細な説明を繰返さない。
【0047】
光測定部6は、光源ユニット10から出射した光量を測定する。具体的に、光測定部6は、たとえばフォトダイオードなどの光センサ6aを有し、光センサ6aで光源ユニット10から映像生成部4へ出射した光の光量を測定する。
【0048】
駆動部7は、光測定部6で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合に、光源保持部10bを円周方向に回転させて点灯する光源10aを切替え、光源10aを交換する。具体的に、駆動部7は、光測定部6で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合に光測定部6から出力される制御信号に基づき、光源保持部10bを円周方向に回転させるモータを駆動する。なお、光測定部6で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合には、光源10aの輝度が低下した場合だけでなく、光源10aが切れた場合も含まれる。
【0049】
以上のように、本発明の実施の形態2に係る投写型映像表示装置110は、光測定部6で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合に、点灯する光源10aを切替え、光源10aを交換することで、安定して映像を表示することができる。
【0050】
なお、本発明の実施の形態2に係る投写型映像表示装置110では、光測定部6で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合に、駆動部7が、光源保持部10bを円周方向に回転させて点灯する光源10aを自動で切替える機能を有する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、光測定部6で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合、投写型映像表示装置110に設けた表示部または投写面に表示する映像に、光源10aの交換を促す表示を行ない、使用者が駆動部7を操作して、光源保持部10bを円周方向に回転させて点灯する光源10aを切替え、光源10aを交換してもよい。
【0051】
さらに、投写型映像表示装置110は、駆動部7を設けず、光測定部6で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合、使用者が直接、光源保持部10bを円周方向に回転させて点灯する光源10aを切替え、光源10aを交換してもよい。
【0052】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、光源保持部の中心軸が、映像生成部に入射する光の光軸と一致させた投写型映像表示装置の構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態3に係る投写型映像表示装置の構成を示す概略図である。図5に示す投写型映像表示装置120は、光源ユニット10、映像を生成する映像生成部4と、映像を投写面に投写する投写レンズ3(投写部)とを備えている。さらに、投写型映像表示装置100は、光源ユニット10から出射した光を映像生成部4に導く光学系5を備えている。
【0053】
なお、投写型映像表示装置120は、光源ユニット10の構成が異なる以外、図5に示す投写型映像表示装置110と同じ構成であり、同じ構成要素について同じ符号を付して詳細な説明を繰返さない。
【0054】
光源ユニット10は、複数の光源10a、光源保持部10b、2個のミラー40、プリズム41を備え、中心軸10cを中心に光源保持部10bを回転することが可能である。さらに、光源保持部10bの中心軸10cが、映像生成部4に入射する光の光軸4aと一致するように光源ユニット10を配置してある。光源保持部10bに保持した光源10aの光軸10dは、光源保持部10bの中心軸10cに対して平行であるので、光源保持部10bの中心軸10cを映像生成部4に入射する光の光軸4aに対して平行にするだけで、すべての光源10aの光軸10dと、映像生成部4に入射する光の光軸4aとを平行にすることができる。
【0055】
また、光源ユニット10は、水平方向に配置した2つの光源10aのそれぞれに対してミラー40が配置され、それぞれの光源10aから出射した光が反射され、プリズム41に入射される。プリズム41は、それぞれのミラー40で反射された光を合成し、光学系5に出射する。ここで、ミラー40およびプリズム41は、光源10aから、光源保持部10bの中心軸10cの方向に光を導く光学手段となる。
【0056】
さらに、光源保持部10bに保持した光源10aは、光源保持部10bの中心軸10cから等距離にあるため、光源保持部10bを回転させて別の光源10aをミラー40と対向する位置に移動させることで、光源保持部10bの中心軸10cの方向に光を導くことができ、別の光源10aに交換することができる。
【0057】
以上のように、本発明の実施の形態3に係る投写型映像表示装置120では、光源保持部10bの中心軸10cが、映像生成部4に入射する光の光軸4aと一致し、2つの光源10aから、光源保持部10bの中心軸の方向に光を導くミラー40およびプリズム41をさらに備えることで、2つの光源10aからの光を映像生成部4に入射することが可能となる。
【0058】
なお、本発明の実施の形態3に係る投写型映像表示装置120は、2つの光源10aからの光を映像生成部4に入射する構成に限定されるものではなく、複数の光源10aのうち少なくとも1つ光源10aから、光源保持部10bの中心軸の方向に光を導く光学手段(ミラー40およびプリズム41)をさらに備え、複数の光源10aのうち少なくとも1つ光源10aからの光を映像生成部4に入射する構成でもよい。
【0059】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0060】
2 筐体、2a 蓋部、3 投写レンズ、4 映像生成部、4a,10d 光軸、5 光学系、6 光測定部、6a 光センサ、7 駆動部、10 光源ユニット、10a 光源、10b 光源保持部、10c 中心軸、11 フライアイインテグレータ、12 アレイ、13,16,22,26 コンデンサレンズ、14,21 ダイクロイックミラー、15,28,30,40 ミラー、17,23,32 入射側偏光板、18,24,33 液晶パネル、19,25,34 出射側偏光板、20 ダイクロイックプリズム、27,29,31 リレーレンズ、41 プリズム、100,110,120 投写型映像表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を投写面に投写する投写型映像表示装置であって、
光源保持部に複数の光源を保持した光源ユニットと、
前記光源ユニットから出射した光を透過または反射させて変調し、映像を生成する映像生成部と、
前記映像生成部で生成した前記映像を前記投写面にレンズを介して投写する投写部と
を備え、
前記光源保持部は、形状が円筒形で、前記円筒形の円周方向に対して回転可能に保持され、
それぞれの前記光源は、前記光源保持部の中心軸から等距離で、かつそれぞれの光軸が前記中心軸に平行となるように前記光源保持部に保持されている、投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記光源ユニットから出射した光量を測定する光測定部をさらに備え、
前記光源ユニットは、前記光測定部で測定した光量が、予め定めた閾値以下となった場合に、前記光源保持部を円周方向に回転させて点灯する前記光源を切替える、請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記光源ユニットは、前記投写型映像表示装置の筐体から取外し可能である、請求項1または請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記光源ユニットの1つの前記光源の光軸が、前記映像生成部に入射する光の光軸と一致するように前記光源ユニットを配置してある、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記光源保持部の前記中心軸が、前記映像生成部に入射する光の光軸と一致するように前記光源ユニットを配置してあり、
複数の前記光源のうち少なくとも1つ前記光源から、前記光源保持部の前記中心軸の方向に光を導く光学手段をさらに備える、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−68871(P2013−68871A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208656(P2011−208656)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】