説明

投射型映像表示装置

【課題】 従来の色分離ユニットを改善することで、色度値を改善した投射型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 投射型映像表示装置において、色分離ユニットは、光源からの光を透過する開口部を設けた入射板と、インテグレータを有し、インテグレータの出射側に、インテグレータの出射面に略平行となるように色分離面が配置され、所定の波長域の色光のみを透過し、他の波長域の色光を反射する複数のダイクロイックミラーを有する。
また、該第1偏光分離プリズムの出射面に第1ダイクロイックミラーを配置し、該第1偏光分離プリズムと該第2偏光分離プリズムの出射面の両方に第2ダイクロイックミラーを配置し、該第2偏光分離プリズムの出射面に第3ダイクロイックミラーを配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示素子を使用して、スクリーン上に映像を投影する投射装置、例えば、液晶プロジェクタ装置や、反射式映像表示プロジェクタ装置、投射型リアプロジェクションテレビ等の光学ユニット、投射型映像表示装置に係わり、色分離ユニットにより分離した色光を、映像表示素子上に走査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光源からの光をインテグレータ手段、偏光ビームスプリッタ(Polarization Beam Splitter:以下、PBS)、コリメータレンズを通過させた後、複数のダイクロイックミラーを使用して短冊状(帯状)のR光、B光及びG光(以下、カラーバー)に分離し、分離された各色光をそれぞれ回転多面体を用いて光路を変えて、ライトバルブのそれぞれ異なった場所に同時に照射し、かつ、各色光の短冊状の照射領域の場所を順次ライトバルブ上で一定方向に移動(「走査」または「スクロ−ル」ともいう)させるようにした単板式の投射型表示装置が知られている。この種の技術は、例えば特開2004−170549号公報や米国特許公開2003/095213号公報に記載されている。
【0003】
このような走査式(スクロール式)の投射型表示装置では、ライトバルブ上に形成された各色光に対応した3つの短冊状の照明領域の場所が回転多面体によってスクロールされる。例えば、米国特許公開2003/095213号公報に開示されている投射型表示装置では、その図1に示されるように、ダイクロイックプリズムで構成された色分離器を用いて短冊状の3つ色光を隣接して形成し、1つのレンズアレイホイールを回転駆動することで同時にスクロールを行っている。また、特開2004−170549号公報に開示されている走査式の投射型表示装置では、その図1、図3に示されるように、色分離した3色光のそれぞれの光路に配置した回転多面体によって各色光を個々にスクロールしている。
【0004】
【特許文献1】米国特許公開2003/095213号公報
【特許文献2】特開2004−170549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
米国特許公開2003/095213号公報の技術では、レンズアレイホイールを構成する個々のレンズの大きさが液晶表示素子に匹敵する大きさなので、レンズアレイホイールの目方が重くなり、投射型表示装置をコンパクトにするために、レンズアレイホイールを仮に半分の大きさとすると、角速度を2倍にする必要があり、回転駆動が難しくなる。
【0006】
また、米国特許公開2003/095213号公報に開示されている技術では、楕円鏡で反射された光源からの光を均一化するためのロッドプリズムの光軸に対し、色分離器の色分離面は照明光学系の光軸に対して斜め配置になっている。この配置により、入射角度が45度から大きくずれた光線角度のものが含まれることになり、色分離面の光束全体に対する総合的な波長分離特性が劣化してしまうという問題があった。
【0007】
一般的に、照明光学系において、有効に扱うことができる光束が存在する空間的な広がりを、面積と立体角との積(エテンデュー:Geometrical Extent)として表すことができる。そして、この面積と立体角との積は、光学系において保存される。ここで、光源からロッドプリズムに入射する光束について考える。ロッドプリズムに入射する略白色の光束は、楕円鏡の第2焦点位置近傍に配置されているロッドプリズムの入射面に集光されており、入射光束の集光面積が小さいので、該入射光束の立体角は大きくなる。つまり光軸に対する入射光線の角度が大きくなる。この入射光線の角度はロッドプリズム内でほぼ保存される。従って、ロッドプリズムから色分離器に出射する光束には、色分離器を構成する各ダイクロイックプリズムの色分離面に対して入射角度が45度から大きくずれた光線角度のものが含まれることになる。
【0008】
図4に、カラープリズムの色分離面と光束を模式的に示す。図4(1)紙面左に示すように、光軸となす入射光束の角度θの範囲が大きくなると、すなわち色分離面(ダイクロイックミラー面)への光束の入射角度が45度より大きくずれると、図4(2)に示すように、色分離面の光束全体に対する総合的な波長分離特性が劣化する。ここで波長特性の劣化とは、透過率が50%となる半値波長前後での、波長に対する透過率の変化を急峻にできないということである。例えば、青色と緑色で考えると、指定波長で青色と緑色を分離できなくなり、青色の一部が緑色に混色し、逆に、緑色の一部が青色に混色する問題が発生する。
【0009】
さらに、米国特許公開2003/095213号公報に開示されている色分離器は、偏光をそろえることについては、考慮していない。従って、
特開2004−170549号公報に開示されている技術でも、色分離手段としてダイクロイックミラーを使用し、光軸に対して45度に配置している。その図1で示されるように、光量分布の一様化を行うインテグレータ手段としてレンズアレイを用いているので、ダイクロイックミラーに入射する光束の面積が大きく、先に説明したエテンデューで立体角が小さくなる。従って、ダイクロイックミラーへの光束の入射角度の範囲が小さいので、波長分離特性の劣化がほとんどない。従って、特開2004−170549号公報の技術では、光軸に対して45度に配置したダイクロイックミラーにおける波長分離特性の劣化の問題はない。しかしながら、回転多面体を複数配置した場合、回転多面体の大きさで投射型映像表示装置が大きくなってしまうという問題があるだけでなく、通常のレンズアレイを用いることで、光束が大きくなり、回転多面体を光束にあわせて大きくする必要が生じ、装置全体が大きくなってしまうという問題がある。さらには、3つの短冊状の照明領域の相対的な位置がずれると複数の色光が同時に照射される領域、或いは、逆に、どの色光も照射されない領域が存在してしまうので複数の回転多面体の高精度な制御が必要となる。
【0010】
または、本発明は偏光変換素子を有する色分離ユニットにおいて、光の利用効率を向上させることを目的とする。
【0011】
または、本発明は、投射型映像表示装置または色分離ユニットにおいて、色分離特性改善し、混色を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、投射型映像表示装置において、色分離ユニットは、光源からの光を透過する開口部を設けた入射板と、インテグレータを有し、インテグレータの出射側に、インテグレータの出射面に略平行となるように色分離面が配置され、所定の波長域の色光のみを透過し、他の波長域の色光を反射する複数のダイクロイックミラーを有する。
【0013】
また、該第1偏光分離プリズムの出射面に第1ダイクロイックミラーを配置し、該第1偏光分離プリズムと該第2偏光分離プリズムの出射面の両方に第2ダイクロイックミラーを配置し、該第2偏光分離プリズムの出射面に第3ダイクロイックミラーを配置する。
【発明の効果】
【0014】
色分離性能に優れ混色の少ない投射型映像表示装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、共通な機能を有する要素には同一な符号を付して示し、一度説明したものについてはその説明を省略する。
【0016】
以下、図1から図3を用いて、第1の実施例による色分離ユニットと、該色分離ユニットを備え、1個の回転多面体を用いた投射型映像表示装置について説明する。
【0017】
図1は本実施例の要部である色分離ユニットの概略構成図、図2は本実施例に係わる投射型映像表示装置の概略構成図、図3は色分離面への入射角度による色分離特性の違いを説明する図である。
【0018】
先ず、図1、図2を用いて、本実施例による走査式投射型映像表示装置の構成について説明する。
【0019】
図2において、光源11とリフレクタ12(この図では楕円リフレクタ)からなる光源ユニット1から出射した略白色の光束は、リフレクタ12の第2焦点位置近傍に配置されている色分離ユニット2aの入射面に集光し入射する。
【0020】
色分離ユニット2aは、図1に示すように、入射側から順に、光学的な入射開口221を有する入射開口221以外の内面領域に全反射面222を備えた入射開口板22と、1/4波長板23と、光量分布の一様化を行うインテグレータ素子であるライトパイプ24と、ライトパイプ24からの光束の偏光方向を所定偏光方向に揃える偏光変換素子21と、偏光変換素子21からの光をY軸方向(図2紙面に垂直な方向)に配列された3つの短冊状の異なる色光(例えばR光、G光、B光)のカラーバーに分離する色分離素子であるダイクロイックミラー26を有する。
【0021】
偏光変換素子21は、P偏光光を透過しS偏光光を反射させる第1偏光プリズム211と、S偏光光を反射させる第2偏光プリズム212を含む。さらに、図1の色分離ユニット2aにおいては、ライトパイプ24の出射面と、第1偏光プリズム211の入射面は略同一の面積を有している。または、ライトパイプ24の出射面から出射される光はまず、第1の偏光プリズム211にまず入射する。
【0022】
光源ユニット1から入射開口板22の光学的な入射開口221に入射した略白色の自然光である光束は、1/4波長板23を通過するが、自然光の場合は通過した後でも自然光のままである。1/4波長板23を通過した光束は、ライトパイプ24の側面で反射を繰り返すことで光量分布の一様化がなされる。そして、ライトパイプ24で一様化された光束は偏光変換素子21に入射し、その偏光状態が所定偏光状態(ここではP偏光)に揃えられる。
【0023】
偏光変換素子21は、Y軸方向に配列された第1偏光分離プリズム211および第2偏光分離プリズム212と、1/2波長板213からなる。第1偏光分離プリズム211はライトパイプ24からの光束が入射する側に配置され、第2偏光分離プリズム212は第1偏光分離プリズム211のY軸の負方向側(図1紙面では下側)に配置されている。1/2波長板213は、第2偏光分離プリズム212aの出射側にダイクロイックミラー26を介して設けられている。
【0024】
ライトパイプ24から偏光変換素子21に入射した光束は、そのうちのP偏光の光束は第1偏光分離プリズム211を透過し、そのうちのS偏光の光束は第1偏光分離プリズム211で反射して、偏光分離する。反射したS偏光は第2偏光分離プリズム212で再び反射し、進行方向を先に分離したP偏光方向(Z軸方向)に変え、1/2波長板213を通過する。1/2波長板213を通過することで、S偏光はP偏光に変換されるので、全ての光がP偏光に変換される。なお、ここで言うP偏光は、YZ平面内に法線を有する偏光分離面で分離されたP偏光であり、図2のXZ平面に法線を有する第1PBS51や第2PBS52の偏光分離面にとってはS偏光となる。なお、ダイクロイックミラー26による色分離と光のリサイクル(反射光の再利用)の詳細については、図1を用いて後述する。
【0025】
分離された3つの色光(偏光状態はS偏光)のカラーバーは、縮小光学系31、光路折り曲げミラー32を介して、更にS偏光を透過する偏光板81でS偏光状態の純度が改善されて、第1PBS51に入射する。第1PBS51に入射したS偏光の光束(カラーバー)は、偏光分離面で反射し、回転多面体4に向かう。第1PBS51を出射したS偏光の光束は、1/4波長板82を通過することで、円偏光に変換され、縮小光学系33を介して回転多面体4に入射する。その過程で、カラープリズム25の出射面S25に形成された3つの色光のカラーバーは、回転多面体4の手前の空間に縮小光学系31、33によって写像され、空間像(図示せず)が形成される。
【0026】
この空間像は、回転多面体4の表面の反射面41で反射し、光路を折り返す。1/4波長板82を再び通過することで、円偏光はP偏光に変換されるので、今度は、第1PBS51を透過する。第1PBS51を透過した光束は、1/2波長板83によりS偏光に変換される。そして、第2PBS52に入射したS偏光の光束は、偏光分離面で反射し、映像表示素子6に入射する。この過程で、回転多面体4の手前の空間に形成された空間像は、回転多面体4の反射面41で鏡面像(図示せず)が形成され、該鏡面像が拡大光学系33(ここでは光線方向が逆となるので拡大光学系として機能する)で拡大されて映像表示素子6上に写像される。
【0027】
なお、ここで縮小光学系と拡大光学系と説明したが、拡大光学系と縮小光学系の組合せでも写像関係上は問題ないが、縮小光学系と拡大光学系の組合せとすることで、回転多面体4の反射面41の近傍にできる空間像を小さくできるので、その結果、回転多面体4を小さくできる利点がある。
【0028】
映像表示素子6の各画素で反射する光線は、各画素に対する電圧がONの場合は、偏光状態がP偏光に変換され、今度は、第2PBS52を透過し投射レンズ7でスクリーン(図示せず)等に拡大投射される。また、各画素に対する電圧がOFFの場合は、偏光状態がS偏光となり、再び、第2PBS52の偏光面で反射し、光束はスクリーン等に拡大投射されない。なお、84はP偏光を透過させる偏光板である。
【0029】
ここで、回転多面体4による走査作用の概要について以下説明する。反射面41の手前に、物体(空間像)を置くと、反射面41から物体までの距離と同じ距離で反射面41の裏側に鏡面像(図示せず)が形成される。ところで、反射面41は回転多面体4の表面に配置しているので、回転多面体4の回転によって反射面41の角度が変化する。例えば、反射面41がθ回転すると、反射光はその倍で2θ変化する。このとき、反射光は鏡面像の異なる位置から、あたかも出射した光線に重なる。従って、反射面41の角度を連続して変えれば、鏡面像の異なる位置から連続した光線が出射することとなる。即ち、反射面41の角度を変えることで、光の走査(スクロール)が実現できる。
【0030】
次に、図1を用いてダイクロイックミラー26による色分離作用について説明する。ダイクロイックミラー26は、複数のダイクロイックミラーで構成してもよいし、または、複数種類の分離面を有する1つのダイクロイックミラーで構成してもよい。本実施の形態では、複数種類のダイクロイックミラーで構成するものとして説明する。すなわち、ダイクロイックミラー26は、赤色光(R光)のみを透過しその他の色光を反射する赤色ダイクロイックミラー261と、青色光(B光)のみを透過しその他の色光を反射する青色ダイクロイックミラー262と、緑色光(G光)のみを透過しその他の色光を反射する緑色ダイクロイックミラー263を有する。ダイクロイックミラー26は、第1偏光分離プリズム211、第2偏光分離プリズム212の出射面S21に配設され、該出射面S21をY軸方向で略3分割した中央領域に青色ダイクロイックミラー262が配置され、その第1偏光分離プリズム211の端側領域(図1紙面で青色ダイクロイックミラー262の上側)に赤色ダイクロイックミラー261が、その第2偏光分離プリズム212の端側領域(図1紙面で青色ダイクロイックミラー262の下側)に緑色ダイクロイックミラー263が配置されている。
【0031】
ライトパイプ24を通過し偏光変換素子21に入射した白色光のうち、P偏光の光束は、第1偏光分離プリズム211を透過する。第1偏光分離プリズム211の出射面に配設された赤色ダイクロイックミラー261に到達したP偏光の赤色光と、青色ダイクロイックミラー262に到達したP偏光の青色光は、それぞれ赤色ダイクロイックミラー261と青色ダイクイックミラー262を透過する。一方、P偏光の光のうち、緑色光と、青色ダイクロイックミラー262に到達した赤色光と、赤色ダイクロイックミラー261に到達した青色光は、それぞれダイクロイックミラー26で反射する。反射光は第1偏光分離プリズム211を再び透過し、ライトパイプ24を経て1/4波長板23を透過し、入射開口板22の全反射面222で再び反射する。そして再度、1/4波長板23を透過することで、先のP偏光はS偏光に変換され、ライトパイプ24を経て偏光変換素子21に入射する。
【0032】
偏光変換素子21に入射したS偏光の光束は、まず、第1偏光分離プリズム211と第2偏光分離プリズム212で反射する。さらに、青色ダイクロイックミラー262に到達したS偏光の青色光と、緑色ダイクロイックミラー263に到達したS偏光の緑色光は、それぞれ青色ダイクロイックミラー262と緑色ダイクイックミラー263を透過する。S偏光の赤色光と、青色ダイクロイックミラー262に到達した緑色光と、緑色ダイクロイックミラー263に到達したの青色光は、それぞれダイクロイックミラー26で反射する。反射光は第2偏光分離プリズム212と第1偏光分離プリズム211で再び反射し、ライトパイプ24を経て1/4波長板23を透過し、入射開口板22の全反射面222でさらに、反射する。そして再度、1/4波長板23を透過することで、先のS偏光はP偏光に変換される。
【0033】
このように、ダイクロイックミラー26を透過しなかった各色光は、ダイクロイックミラー26と入射開口板22との間で反射を繰り返し、この過程で1/4波長板23を往復すことにより、偏光状態がP偏光とS偏光とで入替わり、先に説明したP偏光、S偏光に対する色分離作用が繰り返される。つまり、第1偏光分離プリズム211の出射面に配設されたダイクロイックミラー領域(赤色ダイクロイックミラー261と青色ダイクロイックミラー262の一部で形成された領域)264で反射されたP偏光の色光は、次にはS偏光の色光となり、第2偏光分離プリズム212の出射面に配設されたダイクロイックミラー領域(青色ダイクロイックミラー262の一部と緑色ダイクロイックミラー263とで形成された領域)265に入射する。また、逆にダイクロイックミラー領域265で反射されたS偏光の色光は、次にはP偏光の色光となり、ダイクロイックミラー領域264に入射する。このようにして、ダイクロイックミラー26で反射された色光は偏光変換素子21と1/4波長板23の作用で、再入射するダイクロイックミラー領域が交互に反転し、この間に所定のダイクロイックミラーを透過して色分離されることになる。
【0034】
具体的には、赤色ダイクロイックミラー261で反射されたP偏光の緑色光は、1/4波長板23を2回透過することで、今度はS偏光の色光となり、ダイクロイックミラー領域265側に到達する。同様に、緑色ダイクロイックミラー263で反射されたS偏光の赤色光は、1/4波長板23を2回透過することで、今度はP偏光の色光となり、ダイクロイックミラー領域264側に到達する。赤色ダイクロイックミラー261で反射したP偏光の青色光と、緑色ダイクロイックミラー263で反射したS偏光の青色光についても同様である。
【0035】
また、2回の往復を繰り返した色光、例えばダイクロイックミラー領域264の任意点で反射されたP偏光の色光は1/4波長板23とダイクロイックミラー26の間を2回往復する間にP偏光となり、ダイクロイックミラー領域264に再度入射する。しかし、ダイクロイックミラー領域264の前記任意点で反射された光束は、種々の角度成分を含んでいるので、途中の光路に配置したライトパイプ24の光量分布の一様化作用によって、分散されて必ずしも同一点に戻って再入射することはない。つまり、全ての2回反射光束が2回前と同じダイクロイックミラーで反射することはない。従って、例えば赤色ダイクロイックミラー261で反射されたP偏光の青色光が1/4波長板23とダイクロイックミラー26の間を2回往復して、ダイクロイックミラー領域264への再入射の際、青色光の一部は青色ダイクロイックミラー262にも入射して透過することになる。
【0036】
次に、図3を用いて図1の色分離ユニットの波長分離特性について説明する。
【0037】
図3は偏光分離膜に対する入射光線角度と波長分離特性の関係図である。図5を用いて説明したように、光線は色分離面の法線に対して45度±θの範囲から入射する場合は、2θの範囲で膜設計を行うため、半値波長での波長に対する透過率の変化がなだらかになってしまう。このとき、色分離もなだらかな分離となり、分離後の単色の色度値が悪くなる。
【0038】
一方、図3(1)に示すように、垂直に配置した色分離面に対して入射角度θの光束が入射する場合、光線は色分離面の法線に対して±θの範囲から入射する。従って、回転対称なのでθの範囲で膜設計を行えば良いために、図3(2)のような特性、即ち、半値波長での波長に対する透過率の変化を急峻にできる。このとき、色分離も急峻な分離となり、分離後の単色の色度値が良好となる。
【0039】
米国特許公開2003/095213号公報に開示されている色分離器の場合は、色分離ユニットの出射サイズに対して、色分離ユニットの入射サイズは、約1/3の面積となっている。これに対して、図1の色分離ユニッット2aの場合では、色分離ユニット2aの出射サイズに対して、色分離ユニット2aの入射サイズは、1/2の面積となっている。このように、図1の色分離ユニット2aにおける、出射サイズに対する入射サイズの比率は、米国特許公開2003/095213号公報に開示されている色分離器の比率よりも大きい。従って、図1の色分離ユニットと、米国特許公開2003/095213号公報に開示されている色分離器とで、光源ユニット1から色分離ユニットへの入射光束の集光面積及び、色分離ユニットからの出射サイズ(面積)を同じとした場合、図1の色分離ユニット2aでは、入射開口板22の面積に対する入射開口221の面積比を小さくすることができる。このように、図1の色分離ユニット2aにおいて、入射開口板22に戻った光束のうちの一部は、入射開口221から光源ユニット1側に抜けてしまうが、ダイクロイックミラー26で反射されて入射開口221を通って光源ユニット1側に洩れる光束を小さくすることが可能となる。
【0040】
以上のように、ライトパイプの入射面内側に全反射面を設け、ライトパイプの出射面側に偏光変換子と色分離素子を設け、色分離素子によって反射する光を、ライトパイプの出射面からライトパイプに再入射させる構成としている。このような構成により、偏光変換機能を有する色分離ユニットにおいて、光の再利用が可能となる。
【0041】
また、図1の色分離ユニットでは、ライトパイプから出射された光は、第1偏光プリズムと第2偏光プリズムによって偏光光の分離を行い、二つのプリズム出射面に略平行に配置されたダイクロイックミラーで色分離および光の反射が行われるため、45度傾斜した配置されるダイクロイックミラーまたはプリズムで色分離する場合に比べ、入射角度依存性の影響を減少させることが可能となる。
【0042】
さらに、第1偏光プリズムと第2偏光プリズムの出射面に略平行にダイクロイックミラーが配設される構成とすることによって、第1偏光プリズムと第2偏光プリズムの出射面を合わせた面積と、ダイクロイックミラーの出射面積を等しくすることが可能となる。従って、色分離ユニットの出射面積に対する色分離ユニットの入射板面積の比率が大きくなり、色の再利用率を向上させることが可能となる。
【0043】
さらに、図1の色分離ユニット1aでは、ライトパイプの出射面全面に第1偏光プリズムの入射面を隣接させ、ライトパイプから出射した光全てをまず、第1偏光プリズムに入射させ、第1偏光プリズムで反射した光(S偏光光)について第2偏光プリズムに入射させる。従って、ダイクロイックミラー26で反射した光は、例え緑色ダイクロイックミラー263で反射した光でも、第2偏光プリズム、第1偏光プリズムの順で偏光プリズムを経由して、ライトパイプに再入射する。このように、ライトパイプに再入射する場合の入射面をライトパイプ出射光全面とすることができる。再入射した光は、ライトパイプの入射開口板内側の全反射ミラーで反射し、再度第1の偏光プリズムに入射するため、その際の偏光プリズムにおける入射角依存性の影響を減少させることも可能である。
【0044】
なお、図1の色分離ユニット2aでは、ダイクロイックミラー26の後に1/2波長板213を配置したが、光学的な機能上は、1/2波長板213の後にダイクロイックミラー26を配置する構成でもよい。また、第2偏光プリズム212の変わりに、ミラー面を有するプリズムを代用してもよい。さらには、ライトパイプではなく、ロッドプリズムなどのインテグレータを用いてもよい。
【0045】
次に、図1に戻って色光の配置順について説明する。
【0046】
一般的に、投射型映像表示装置に使用される高圧水銀ランプのエネルギーは、青色光の成分が一番少なく、次に赤色光の成分が少なく、逆に、一番多い成分が緑色光の成分である。従って、青色光の光線通過率を優先して、図2に示す縮小光学系31の光軸に近い箇所に、青色光の青色ダイクロイックミラー262を配置することが有効となる。
【0047】
なお、各単色光(例えば赤色光,緑色光,青色光)を合成して白色光を得るのであるが、表1のように、合成光(白色光)の中の各単色のエネルギー比では緑色光のエネルギーが一番多く、次に赤色光、最後に青色光の順序となっている。上記した「高圧水銀ランプのエネルギーは青色光の成分が一番少ない」とは、表1で示す比率で規格化した赤色光と緑色光と青色光のエネルギー比に比べて、光源の青色光のエネルギー比が少ないという意味である。
【0048】
【表1】

【0049】
この表1のデータは、光源の波長特性に対して、視感度と各光学部品の分光透過率特性とを掛けて四則計算を行うことで計算できる色設計例である。このように、色度値の計算では、赤色光と緑色光と青色光のエネルギー比を所定の比に保てば良い。しかしながら、コントラスト性能は、映像表示素子6の電圧ON状態と電圧OFF状態での光束量の比で定義されるので、良好なコントラスト性能を得るためには、エネルギー比の一番大きな緑色光の電圧OFF時の光をカットすることが重要である。すなわち、色分離ユニット2aで色分離されて出射される緑色光のカラーバーの偏光度(消光比)を高めることが重要である。
【0050】
そこで、図1に示すように、緑色光に対応した緑色ダイクロイックミラー263は、第1偏光分離プリズム211と第2偏光分離プリズム212を経た光路上に配置することが有効となる。つまり、図1において、ライトパイプ24から第1偏光分離プリズム211に入射された自然光L20のうち、S偏光の緑色光L20SGは反射され、さらに第2偏光分離プリズム212で反射されて、S偏光の偏光度(消光比)が高められたS偏光の緑色光L21SGとなり、緑色ダイクロイックミラー263を透過し、1/2波長板213で偏光状態がS偏光からP偏光に変換されて出射する。すなわち、緑色光については、第1偏光分離プリズム、第2偏光分離プリズムを経ているため、緑色ダイクロイックミラー263を透過した緑色光は、偏光度が高められる。このようにして、緑色光の偏光度(消光比)が高められ、コントラストの向上が望める。
【0051】
以上のように、青色光の通過率を優先するために、青色光に対応した青色ダイクロイックミラー262を第1偏光分離プリズム212と第2偏光分離プリズム212から出射する真中の位置に、緑色光に対応した緑色ダイクロイックミラー263を第2偏光分離プリズム212から出射する位置に、そして、残りの赤色光に対応した赤色ダイクロイックミラー261を第1偏光分離プリズム211から直接出射する位置に配置する。
【0052】
次に、図5を用いて、色分離ユニットの他の例について説明する。
【0053】
図5の示す色分離ユニット2bは、周辺光量比を考慮した色分離ユニットである。すなわち、照明光学系の光軸100を中心として色の配分が対称でない場合に、各々の色光が多面回転体への入射する入射角の相違によって生じる光量分布のばらつきを考慮したものである。詳細については、特願2005−137987号に開示している。従って、周辺光量比を考慮すると、照明光学系の光軸100を中心として、Y軸方向に対称に、例えば、赤色ダイクロイックプリズム251a、251a'、緑色ダイクロイックプリズム252a、252a'、青色ダイクロイックプリズム253a、253a'を配置する必要がある。
【0054】
図5に示す色分離ユニット2bの偏光変換素子は、図1の偏光変換素子21を光軸100を中心としてY軸方向に対称に配置したものである。すなわち、まず、P偏光を透過し、S偏光を反射する第1偏光プリズム211a、211bを、光軸を中心として、上下に配置する。第1偏光プリズム211aは、S偏光の反射方向をY軸上方向になるように偏光作用面が配置される。第1偏光プリズム211bは、S偏光の反射方向をY軸下方向になるように、偏光作用面が配置される。第1偏光プリズム211a、211bの外側には、S偏光を反射し、P偏光を透過する第2偏光プリズム212a、212bが各々配置される。
【0055】
第2偏光プリズムに隣接する形で、ダイクロイックミラーが配設される。例えば、Y軸方向の上から順に、緑色ダイクロイックミラー261a、赤色ダイクロイックミラー262a、青色ダイクロイックミラー263a、b、赤色ダイクロイックミラー262b、緑色ダイクロイックミラー261bの順に配置される。また、緑色ダイクロイックミラー261a〜青色ダイクロイックミラー263aは、第1偏光プリズム211a、第2偏光プリズム212bの出射面に隣接する。同様に、青色ダイクロイックミラー263b〜緑色ダイクロイックミラー261bは、第1偏光プリズム211b、第2偏光プリズム212bの出射面に隣接する。また、さらにその外側の第2偏光プリズム212a、bの出射面に対応する位置に、1/2波長板213a、bが配設されている。このような構成により、青色光を縮小照明系の光軸に近い位置に配置することが可能となる。また、緑色光について、第1偏光プリズム211a、bと第2偏光プリズム212a、bを経由させることによって、青色光のエネルギーレベルを他の色光のエネルギーレベルに近づけることが可能となる。
【0056】
図5の例では、ライトパイプの出射面と2つの第1偏光プリズム211a、bの入射面が一致する構成であるため、ダイクロイックプリズム251〜253で反射した光がライトパイプに再入力する場合の角度は所定の角度以上となってしまい、全反射板22で再反射した光が第1偏光プリズム211a、bに再入射する場合の角度依存性に影響する場合もある。しかしながら、図4の構成により、ライトパイプ24から偏光変換素子21‘に入射する光は、偏光が揃えられるとともに、色分離し、光軸100を中心として対称の色配置で出射することとなる。このようにして、周辺光量比を考慮しつつ、図1と同様に、入射角度による色分離特性を向上させることが可能となる。
【0057】
さらに、図5の色分離ユニットの場合、偏光変換素子21‘の出射面の面積に対する入射面の面積の比は、1/2となり、入射開口板22の面積に対する入射開口221の面積比を小さくすることが可能となる。
【0058】
なお、図5の例では、光軸を中心として第1偏光プリズム211a、bを第2偏光プリズム212a、bが挟む形で配置したが、これに限らず、第1偏光プリズムと第2偏光プリズムを交互に配設する構成としてもよい。その場合、ライトパイプからの出射光を、例えば第1偏光プリズム211aと第2偏光プリズム212aが入射するが、第2偏光プリズム212aに対向して1/2波長板を設ける構成とすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】色分離ユニットの概略構成図の一例である。
【図2】投射型映像表示装置の概略構成図の一例である。
【図3】色分離面への入射角度による色分離特性の違いを説明する図である。
【図4】従来の色分離面への入射角度による色分離特性を説明する図である。
【図5】色分離ユニットの概略構成図の他の例である。
【符号の説明】
【0060】
1…光源ユニット、11…光源、12…リフレクタ、2a、2b…色分離ユニット、21…偏光変換素子、21’…偏光変換素子、211…第1偏光分離プリズム、212…第2偏光分離プリズム、213…1/2波長板、22…入射開口板、221…入射開口、222…全反射面、23…1/4波長板、24…ライトパイプ、25…カラープリズム、26…ダイクロイックミラー、261…赤色ダイクロイックミラー、262…青色ダイクロイックミラー、263…緑色ダイクロイックミラー、264,265…ダイクロイックミラー領域、31、33…縮小光学系、32…光路折り曲げミラー、33…拡大光学系(光路共通化による兼用)、4…回転多面体、51…第1PBS、52…第2PBS、6…映像表示素子、7…投射レンズ、81…偏光板、82…1/4波長板、83…1/2波長板、84…偏光板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光束を出射する白色光源と、
前記可視光束を入射し複数の色光として出射する色分離ユニットと、
前記複数の色光が照射され、照射される色光の色に対応する色の映像信号に応じて前記色光を変調する映像表示素子と、
前記映像表示素子上での前記複数の色光の照射場所を一定方向に移動させる走査ユニットと、
前記映像表示素子が変調した複数の色光をカラー映像として投射する投射装置を有し、
前記色分離ユニットは、
前記可視光束を均一化するオプティカルインテグレータであって、前記可視光束が透過する入射口が形成された入射開口板と、均一化された可視光束を出射する第一の出射面を有するオプティカルインテグレータと、
均一化された可視光束の中で所定の波長域の色光を透過しそれ以外の波長域の色光を反射するダイクロイックミラーであって、前記第一の出射面と各々の分離面が略平行に配置される赤色の波長域の色光を透過する第1の分離面と、前記第1の分離面を挟んで配置される青色の波長域の色光を透過する第2の分離面と緑色の波長域の色光を透過する第3の分離面を有するダイクロイックミラーと、
前記ダイクロイックミラーに入射する均一化された可視光束または前記ダイクロイックミラーが出射する複数の色光を所定の偏光光とする偏光変換素子を有することを特徴とする投射型映像表示装置。
【請求項2】
可視光束を出射する白色光源と、
前記可視光束を入射し複数の色光として出射する色分離ユニットと、
前記複数の色光が照射され、照射される色光の色に対応する色の映像信号に応じて前記色光を変調する映像表示素子と、
前記映像表示素子上での前記複数の色光の照射場所を一定方向に移動させる走査ユニットと、
前記複数の色光を前記走査ユニットの近傍に写像する第1の写像光学系と、
前記走査ユニットで反射する複数の色光を前記映像表示素子に写像する第2の写像光学系と、
前記映像表示素子が変調した複数の色光をカラー映像として投射する投射装置を有し、
前記色分離ユニットは、
前記可視光束を均一化するオプティカルインテグレータであって、前記可視光束が透過する入射口が形成された入射開口板と、均一化された可視光束を出射する第一の出射面を有するオプティカルインテグレータと、
均一化された可視光束の中で所定の波長域の色光を透過しそれ以外の波長域の色光を反射するダイクロイックミラーであって、前記第1の写像光学系の光軸上に配置される前記第一の出射面と各々の分離面が略平行に配置される青色の波長域の色光を透過する第1の分離面と、前記第1の分離面を挟んで配置される赤色の波長域の色光を透過する第2の分離面と緑色の波長域の色光を透過する第3の分離面を有するダイクロイックミラーと、
前記ダイクロイックミラーに入射する均一化された可視光束または前記ダイクロイックミラーが出射する複数の色光を所定の偏光光とする偏光変換素子を有することを特徴とする投射型映像表示装置。
【請求項3】
請求項1乃至2に記載の投射型映像表示装置において、
前記偏光変換素子は、
第1の偏光光を反射し、第2の偏光光を透過する第1偏光分離プリズムと、
第1偏光分離プリズムで分離した前記第1の偏光光を入射し、前記第1の偏光光の出射方向を前記第2の偏光光の出射方向に揃える第2偏光分離プリズムと、
前記第2偏光分離プリズムの出射面に対向して配置される1/2波長板を有し、
前記第3の分離面は前記第2偏光分離プリズムが出射する光を入射することを特徴とする投射型映像表示装置。
【請求項4】
白色光源と、
前記白色光源の出射光から映像信号に応じた光学像を形成する映像表示素子と、
前記白色光源から放射される可視光束を複数色の光に分離する色分離ユニットと、
前記色分離ユニットの出射面から出射された各複数色の光を該映像表示素子上で移動させる走査手段と、
前記色分離ユニットにより分離したカラーバーを該走査手段の近傍に写像する第1の写像光学系と、
前記走査手段により走査されたカラーバーを該映像表示素子に写像する第2の写像光学系と、
前記映像表示素子から出射された光をカラー映像として投射する投射装置を備えた投射型映像表示装置において、
前記色分離ユニットは、入射側から順に、
前記白色光源の出射光を入射する入射口が形成され、前記色分離ユニットの出射側の面における前記入射口以外の領域に全反射面を有する入射開口板と、
1/4波長板と、
光量分布の一様化作用を有するライトパイプと、
前記ライトパイプに接し、第1の偏光光を反射し、第2の偏光光を透過する第1偏光分離プリズムと、
第1偏光分離プリズムで分離した前記第1の偏光光を入射し、前記第1の偏光光の出射方向を前記第2の偏光光の出射方向に揃える第2偏光分離プリズムと、
白色光から所定の波長域の色光を透過しそれ以外の波長域の色光を反射する複数のダイクロイックミラーであって、前記第1偏光分離プリズムの出射面に赤色を透過しそれ以外の波長域の色光を反射する赤色ダイクロイックミラーを、前記第1偏光分離プリズムと前記第2偏光分離プリズムの出射面の両方に青色を透過しそれ以外の波長域の色光を反射する青色ダイクロイックミラーを、前記第2偏光分離プリズムの出射面に緑色を透過しそれ以外の波長域の色光を反射する緑色ダイクロイックミラーを各々配置したダイクロイックミラーと、
前記第2偏光分離プリズムの出射面に対向する1/2波長板を有することを特徴とする投射型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−25309(P2007−25309A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207953(P2005−207953)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】