説明

投影装置、投影措置装置の制御方法

【課題】 机面に画像を投影する際に、視聴者に、例えばまぶしさを感じさせたり、見づらさを感じさせたりする可能性を低減することができる投影装置、投影措置装置の制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 机面等に投影している状態では、投影画像を暗くすることにより、視聴者に、例えばまぶしさを感じさせたり、見づらさを感じさせたりする可能性を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置、投影装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投影装置として、液晶プロジェクタやDLPプロジェクタ、レーザープロジェクタなどが知られている。このような投影装置には、近年、壁面だけではなく、机面や天井に投影することができるプロジェクタが登場してきている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−280091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すような投影装置は、投影方向によって、プロジェクタの投影処理を変更するようなことをしていなかった。そのため、例えば、視聴者から3m程度離れた壁面に対して投影している画像をそのまま机面(視聴者から1m以下)に投影した場合、視聴者から投影面までの距離が近くなるため、視聴者は、例えばまぶしさを感じたり、見づらさを感じたりするという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、このように、机面に画像を投影する際に、視聴者に、例えばまぶしさを感じさせたり、見づらさを感じさせたりする可能性を低減することができる投影装置、投影措置装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の投影装置は画を投影する投影装置であって、画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得され画像を投影する投影手段と、
前記投影装置の投影姿勢を判定する判定手段と、前記判定手段により重力方向下向きに投影されていると判定された場合には、それ以外の方向に投影されていると判定された場合よりも、投影画像が暗くなるように前記投影手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、机面等に投影している状態では、投影画像を暗くすることにより、視聴者に、例えばまぶしさを感じさせたり、見づらさを感じさせたりする可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】液晶プロジェクタ100の全体の構成を示す図である。
【図2】本実施例の液晶プロジェクタ100の基本動作の制御を説明するためのフロー図である。
【図3】本実施例の投影処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、投影装置の一例として、液晶プロジェクタについて説明する。しかし、本発明は液晶プロジェクタに限らず、投影装置であれば、例えばDLPプロジェクタ、レーザープロジェクタなど、どのような物であっても適用可能である。また、液晶プロジェクタには、単板式、3板式などが一般に知られているが、どちらの方式であっても良い。
【0011】
本実施例の液晶プロジェクタは、表示するべき画像に応じて、液晶素子の光の透過率を制御して、液晶素子を透過した光源からの光をスクリーンに投影することで、画像をユーザに提示する。
【0012】
以下、このような液晶プロジェクタについて説明する。
【0013】
なお、本実施例では、光の強さについて「光束(ルーメン)」を用いるが、「光度(カンデラ)、光量(ルーメン・秒)、照度(ルクス)、輝度(カンデラ/平方メートル)」と読み替えてもよい。
【0014】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例の液晶プロジェクタの全体構成を説明する。
【0015】
図1は、本実施例の液晶プロジェクタ100の全体の構成を示す図である。
【0016】
本実施例の液晶プロジェクタ100は、制御部110、操作部111、バス112、画像入力部130、画像処理部140を有する。また、液晶プロジェクタ100は、さらに、液晶制御部150、液晶素子151R、151G、151B、光源制御部160、光源161、色分離部162、色合成部163、光学系制御部170、投影光学系171を有する。また、液晶プロジェクタ100は、さらに、記録再生部191、記録媒体192、通信部193、撮像部194、表示制御部195、表示部196を有していてもよい。
【0017】
制御部110は、液晶プロジェクタ100の各動作ブロックを制御するものあり、例えば、CPUやメモリまたはマイクロプロセッサなどからなる。また、記録再生部191により記録媒体192から再生された静止画データや動画データや、通信部193より受信した静止画データや動画データの画像や映像を再生したりすることもできる。また、撮像部194により得られた画像や映像を静止画データや動画データに変換して記録媒体192に記録させることもできる。また、操作部111は、ユーザの指示を受け付け、制御部110に指示信号を送信するものであり、例えば、スイッチやダイヤル、表示部196条に設けられたタッチパネルなどからなる。また、操作部111は、例えば、リモコンからの信号を受信する信号受信部(赤外線受信部など)で、受信した信号に基づいて所定の指示信号を制御部110に送信するものであってもよい。また、制御部110は、操作部111や、通信部193から入力された制御信号を受信して、液晶プロジェクタ100の各動作ブロックを制御する。
【0018】
画像入力部130は、外部装置から映像信号を受信するものであり、例えば、コンポジット端子、S映像端子、D端子、コンポーネント端子、アナログRGB端子、DVI−I端子、DVI−D端子、HDMI(登録商標)端子等を含む。また、アナログ映像信号を受信した場合には、受信したアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する。そして、受信した映像信号を、画像処理部140に送信する。ここで、外部装置は、映像信号を出力できるものであれば、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話、スマートフォン、ハードディスクレコーダ、ゲーム機など、どのようなものであってもよい。
【0019】
画像処理部140は、映像入力部130から受信した映像信号にフレーム数、画素数、画像形状などの変更処理を施して、液晶制御部150に送信するものであり、例えば画像処理用のマイクロプロセッサからなる。また、画像処理部140は、専用のマイクロプロセッサである必要はなく、例えば、制御部110の動作を行うCPUとメモリまたはマイクロプロセッサの処理機能の一部であっても良い。画像処理部140は、フレーム間引き処理、フレーム補間処理、解像度変換処理、歪み補正処理(キーストン補正処理)といった機能を実行することが可能である。また、画像処理部140は、映像入力部130から受信した映像信号以外にも、制御部110で再生された画像や映像に対して前述の変更処理を施すこともできる。
【0020】
液晶制御部150は、画像処理部140で処理の施された映像信号に基づいて、液晶素子151R、151G、151Bの画素の液晶に印可する電圧を制御して、液晶素子151R、151G、151Bの透過率を調整するものであり、制御用のマイクロプロセッサからなる。また、液晶制御部150は、専用のマイクロプロセッサである必要はなく、例えば、制御部110の動作を行うCPUとメモリまたはマイクロプロセッサの処理機能の一部であっても良い。たとえば、画像処理部140に映像信号が入力されている場合、液晶制御部150は、画像処理部140から1フレームの画像を受信する度に、画像に対応する透過率となるように、液晶素子151R、151G、151Bを制御する。液晶素子151Rは、赤色に対応する液晶素子であって、光源161から出力された光のうち、色分離部162で赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に分離された光のうち、赤色の光の透過率を調整するためのものである。液晶素子151Gは、緑色に対応する液晶素子であって、光源161から出力された光のうち、色分離部162で赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に分離された光のうち、緑色の光の透過率を調整するためのものである。液晶素子151Bは、青色に対応する液晶素子であって、光源161から出力された光のうち、色分離部162で赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に分離された光のうち、青色の光の透過率を調整するためのものである。
【0021】
光源制御部160は、光源161のオン/オフを制御や光量の制御をするものであり、制御用のマイクロプロセッサからなる。また、光源制御部160は、専用のマイクロプロセッサである必要はなく、例えば、制御部110の動作を行うCPUとメモリまたはマイクロプロセッサの処理機能の一部であっても良い。また、光源161は、不図示のスクリーンに画像を投影するための光を出力するものであり、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプなどであっても良い。また、色分離部162は、光源161から出力された光を、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に分離するものであり、例えば、ダイクロイックミラーやプリズムなどからなる。なお、光源161として、各色に対応するLED等を使用する場合には、色分離部162は不要である。また、色合成部163は、液晶素子151R、151G、151Bを透過した赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を合成するものであり、例えば、ダイクロイックミラーやプリズムなどからなる。そして、色合成部163により赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の成分を合成した光は、投影光学系171に送られる。このとき、液晶素子151R、151G、151Bは、画像処理部140から入力された画像に対応する光の透過率となるように、液晶制御部150により制御されている。そのため、色合成部163により合成された光は、投影光学系171によりスクリーンに投影されると、画像処理部140により入力された画像に対応する画像がスクリーン上に表示されることになる。
【0022】
光学系制御部170は、投影光学系171を制御するものであり、制御用のマイクロプロセッサからなる。また、光学系制御部170は、専用のマイクロプロセッサである必要はなく、例えば、制御部110の動作を行うCPUとメモリまたはマイクロプロセッサの処理機能の一部であっても良い。また、投影光学系171は、色合成部163から出力された合成光をスクリーンに投影するためのものであり、複数のレンズ、レンズ駆動用のアクチュエータからなり、レンズをアクチュエータにより駆動することで、投影画像の拡大、縮小、焦点調整などを行うことができる。
【0023】
記録再生部191は、記録媒体192から静止画データや動画データを再生したり、また、撮像部194により得られた画像や映像の静止画データや動画データを制御部110から受信して記録媒体192に記録したりするものである。また、通信部193より受信した静止画データや動画データを記録媒体192に記録しても良い。記録再生部191は、例えば、記録媒体192と電気的に接続するインタフェースや記録媒体192と通信するためのマイクロプロセッサからなる。また、記録再生部191には、専用のマイクロプロセッサを含む必要はなく、例えば、制御部110の動作を行うCPUとメモリまたはマイクロプロセッサの処理機能の一部により記録媒体192との通信機能を実現しても良い。また、記録媒体192は、静止画データや動画データ、その他、本実施例の液晶プロジェクタに必要な制御データなどを記録することができるものであり、磁気ディスク、光学式ディスク、半導体メモリなどのあらゆる方式の記録媒体であってよく、着脱可能な記録媒体であっても、内蔵型の記録媒体であってもよい。
【0024】
通信部193は、外部機器からの制御信号や静止画データ、動画データなどを受信するためのものであり、例えば、無線LAN、有線LAN、USB、Bluetooth(登録商標)などであってよく、通信方式を特に限定するものではない。また、画像入力部130の端子が、例えばHDMI(登録商標)端子であれば、その端子を介してCEC通信を行うものであっても良い。ここで、外部装置は、液晶プロジェクタ100と通信を行うことができるものであれば、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話、スマートフォン、ハードディスクレコーダ、ゲーム機、リモコンなど、どのようなものであってもよい。
【0025】
撮像部194は、本実施例の液晶プロジェクタ100の周辺を撮像して画像信号を取得するものであり、投影光学系171を介して投影された画像を撮影(スクリーン方向を撮影)することができる。撮像部194は、得られた画像や映像を制御部110に送信し、制御部110は、その画像や映像を静止画データや動画データに変換する。撮像部194は、被写体の光学像を取得するレンズ、レンズを駆動するアクチュエータ、アクチュエータを制御するマイクロプロセッサ、レンズを介して取得した光学像を画像信号に変換する撮像素子、撮像素子により得られた画像信号をデジタル信号に変換するAD変換部などからなる。また、撮像部194は、スクリーン方向を撮影するものに限られず、例えば、スクリーンと逆方向の視聴者側を撮影しても良い。
【0026】
表示制御部195は、液晶プロジェクタ100に備えられた表示部196に液晶プロジェクタ100を操作するための操作画面やスイッチアイコン等の画像を表示させるための制御をするものであり、表示制御を行うマイクロプロセッサなどからなる。また、表示制御部195専用のマイクロプロセッサである必要はなく、例えば、制御部110の動作を行うCPUとメモリまたはマイクロプロセッサの処理機能の一部であっても良い。また、表示部196は、液晶プロジェクタ100を操作するための操作画面やスイッチアイコンを表示するものである。表示部196は、画像を表示できればどのようなものであっても良い。例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイであって良い。また、特定のボタンをユーザに認識可能に掲示するために、各ボタンに対応するLED等を発光させるものであってもよい。
【0027】
なお、本実施例の画像処理部140、液晶制御部150、光源制御部160、光学系制御部170、記録再生部191、表示制御部195は、これらの各ブロックと同様の処理を行うことのできる単数または複数のマイクロプロセッサあっても良い。または、制御部110のCPUとメモリまたはマイクロプロセッサによって同様の処理をさせても良い。
【0028】
<基本動作>
次に、図1、図2を用いて、本実施例の液晶プロジェクタ100の基本動作を説明する。
【0029】
図2は、本実施例の液晶プロジェクタ100の基本動作の制御を説明するためのフロー図である。図2の動作は、基本的に制御部110が、各機能ブロックを制御することにより実行されるものである。図2のフロー図は、操作部111や不図示のリモコンによりユーザが液晶プロジェクタ100の電源のオンを指示した時点をスタートとしている。
【0030】
操作部111や不図示のリモコンによりユーザが液晶プロジェクタ100の電源のオンを指示すると、制御部110は、不図示の電源部からプロジェクタ100の各部に不図示の電源回路から電源を供給が供給する。
【0031】
次に、制御部110は、ユーザによる操作部111やリモコンの操作により選択された表示モードを判定する(S210)。本実施例のプロジェクタ100の表示モードの一つは、画像入力部130より入力された映像を表示する「入力画像表示モード」である。また、本実施例のプロジェクタ100の表示モードの一つは、記録再生部191により記録媒体192から読み出された静止画データや動画データの画像や映像を表示する「ファイル再生表示モード」である。また、本実施例のプロジェクタ100の表示モードの一つは、通信部193から受信した静止画データや動画データの画像や映像を表示する「ファイル受信表示モード」である。なお、本実施例では、ユーザにより表示モードが選択される場合について説明するが、電源を投入した時点での表示モードは、前回終了時の表示モードになっていてもよく、また、前述のいずれかの表示モードをデフォルトの表示モードとしてもよい。その場合には、S210の処理は省略可能である。
【0032】
ここでは、S210で、「入力画像表示モード」が選択されたものとして説明する。
【0033】
「入力画像表示モード」が選択されると、制御部110は、画像入力部130から映像が入力されているか否かを判定する(S220)。入力されていない場合(S220でNo)には、入力が検出されるまで待機し、入力されている場合(S220でYes)には、制御部は、投影処理(S230)を実行する。
【0034】
制御部110は、投影処理として、画像入力部130より入力された映像を画像処理部140に送信し、画像処理部140に、映像の画素数、フレームレート、形状の変形を実行させ、処理の施された1画面分の画像を液晶制御部150に送信する。そして、制御部110は、液晶制御部150に、受信した1画面分の画像の赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色成分の階調レベルに応じた透過率となるように、液晶パネル151R、151G、151Bの透過率を制御させる。そして、制御部110は、光源制御部160に光源161からの光の出力を制御させる。色分離部162は、光源161から出力された光を、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に分離し、それぞれの光を、液晶パネル151R、151G、151Bに供給する。液晶パネル151R、151G、151Bに供給された、各色の光は、各液晶パネルの画素毎に透過する光量が制限される。そして、液晶パネル151R、151G、151Bを透過した赤色(R)、緑色(G)、青色(B)それぞれの光は、色合成部163に供給され再び合成される。そして、色合成部163で合成された光は、投影光学系171を介して、不図示のスクリーンに投影される。
【0035】
この投影処理は、画像を投影している間、1フレームの画像毎に順次、実行されている。
【0036】
なお、このとき、ユーザにより投影光学系171の操作をする指示が指示部111から入力されると、制御部110は、光学系制御部170に、投影画像の焦点を変更したり、光学系の拡大率を変更したりするように投影光学系171のアクチュエータを制御させる。
【0037】
この表示処理実行中に、制御部110は、ユーザにより表示モードを切り替える指示が指示部111から入力されたか否かを判定する(S240)。ここで、ユーザにより表示モードを切り替える指示が指示部111から入力されると(S240でYes)、制御部110は、再びS210に戻り、表示モードの判定を行う。このとき、制御部110は、画像処理部140に、表示モードを選択させるためのメニュー画面をOSD画像として送信し、投影中の画像に対して、このOSD画面を重畳させるように画像処理部140を制御する。ユーザは、この投影されたOSD画面を見ながら、表示モードを選択するのである。
【0038】
一方、表示処理実行中に、ユーザにより表示モードを切り替える指示が指示部111から入力されない場合は(S240でNo)、制御部110は、ユーザにより投影終了の指示が指示部111から入力されたか否かを判定する(S250)。ここで、ユーザにより投影終了の指示が指示部111から入力された場合には(S250でYes)、制御部110は、プロジェクタ100の各ブロックに対する電源供給を停止させ、画像投影を終了させる。一方、ユーザにより投影終了の指示が指示部111から入力された場合には(S250でNo)、制御部110は、S220へ戻り、以降、ユーザにより投影終了の指示が指示部111から入力されるまでの間S220からS250までの処理を繰り返す。
【0039】
以上のように、本実施例の液晶プロジェクタ100は、スクリーンに対して画像を投影する。
【0040】
なお、「ファイル再生表示モード」では、制御部110は、記録再生部191に、記録媒体192から静止画データや動画データのファイルリストや各ファイルのサムネイルデータを読み出させる。そして、制御部110は、読み出されたファイルリストに基づく文字画像や各ファイルのサムネイルデータに基づく画像を生成し、画像処理部140に送信する。そして、制御部110は、通常の投影処理(S230)と同様に、画像処理部140、液晶制御部150、投影制御部160を制御する。
【0041】
次に、投影画面上において、記録媒体192に記録された静止画データや動画データにそれぞれ対応する文字や画像を選択する指示が指示部111を通して入力される。そうすると、制御部110は、選択された静止画データや動画データを記録媒体192から読み出すように記録再生部191を制御し、制御部110は、読み出された静止画データや動画データの画像や映像を再生する。
【0042】
そして、制御部110は、例えば再生した動画データの映像を順次、画像処理部140に送信し、通常の投影処理(S230)と同様に、画像処理部140、液晶制御部150、投影制御部160を制御する。また、静止画データを再生した場合には、再生した画像を画像処理部140に送信し、通常の投影処理(S230)と同様に、画像処理部140、液晶制御部150、投影制御部160を制御する。
【0043】
また、「ファイル受信表示モード」では、制御部110は、通信部193から受信した静止画データや動画データの画像や映像を再生する。そして、制御部110は、例えば再生した動画データの映像を順次、画像処理部140に送信し、通常の投影処理(S230)と同様に、画像処理部140、液晶制御部150、投影制御部160を制御する。また、静止画データを再生した場合には、再生した画像を画像処理部140に送信し、通常の投影処理(S230)と同様に、画像処理部140、液晶制御部150、投影制御部160を制御する。
【0044】
<投影処理動作>
次に、図3を用いて、本実施例の液晶プロジェクタ100の投影処理(S230)について説明する。図3は、基本的に制御部110が、各機能ブロックを制御することにより実行されるものである。
【0045】
まず、投影処理(S230)に入ると、制御部110は、不図示の姿勢センサ(重力センサ、加速度センサなど)の出力を取得して、液晶プロジェクタ100の姿勢を検知する。そして、検知した姿勢から、投影姿勢が「壁面投影」姿勢であるか、「机面投影」姿勢であるかを判定する(S310)。この判定は例えば、重力方向下向きから所定の角度(例えば0度から40度)までは、「机面投影」と判定し、それ以外を「壁面投影」と判定するようにする。
【0046】
なお、本実施例では、姿勢センサにより検出された姿勢に基づいて、投影姿勢を判定したが、例えば、液晶プロジェクタ100の操作部111に「壁面投影」ボタンと、「机面投影」ボタンを設け、ユーザが選択した結果によって、投影姿勢を判定しても良いし、投影画面上に、グラフィカルユーザインタフェースを表示させて、「壁面投影」と、「机面投影」のいずれかを選択させても良い。この場合には、選択画面は入力画像を検出した(S220)後に、投影画面上に、グラフィカルユーザインタフェースを表示させる。
【0047】
ここで、「壁面投影」の場合(S310で壁面投影)について説明する。
【0048】
制御部110は、「壁面投影」の場合、光源161の出力光束を3000ルーメンに制御するように光源制御部160に指示を出す。光源制御部160は、光源に対する供給電圧を調整して光源161の出力光束を3000ルーメンになるように制御する(S321)。
【0049】
次に、制御部110は、画像処理部140で処理される画像の各色成分の輝度を変更しないように画像処理部140を制御する(S322)。画像処理部140は、例えば画像の輝度を70%とされた場合には、各色成分の輝度を0.7倍とするように画像を処理するのである。しかし、「壁面投影」の場合には、特に輝度を下げないようにする。
【0050】
次に、制御部110は、液晶透過率を通常に制御するように液晶制御部150を制御する(S323)。液晶制御部150は、前述したように、画像処理部140から送信された画像に基づいて、液晶素子151の透過率を制御する。例えば、透過率を10%減らす指示が制御部110から出力されると、液晶素子151の透過率を、画像処理部140から送信された画像に基づいた透過率よりもさらに10%低い透過率とするのである。しかし、「壁面投影」の場合には、特に透過率を下げないようにする。
【0051】
次に、制御部110は、焦点距離を4mとするように、光学系制御部170を制御する(S324)。光学系制御部170は、投影光学系171のレンズをモータなどにより移動させて、焦点距離が4mとなるように制御する。
【0052】
一方、「机面投影」の場合(S310で机面投影)について説明する。
【0053】
制御部110は、「机面投影」の場合、光源161の出力光束を1000ルーメンに制御するように光源制御部160に指示を出す。光源制御部160は、光源に対する供給電圧を調整して光源161の出力光束を1000ルーメンになるように制御する(S331)。
【0054】
次に、制御部110は、画像処理部140で処理される画像の各色成分の輝度を40%にするように、画像処理部140を制御する(S322)。画像処理部140は、画像の各色成分の輝度を0.4倍に低下させるように画像を処理する。
【0055】
次に、制御部110は、液晶素子151の透過率を60%減らすように制御するように液晶制御部150を制御する(S323)。液晶制御部150は、液晶素子151の透過率を、画像処理部140から送信された画像に基づいた透過率よりもさらに60%低い透過率とするのである。
【0056】
次に、制御部110は、焦点距離を2mとするように、光学系制御部170を制御する(S324)。光学系制御部170は、投影光学系171のレンズをモータなどにより移動させて、焦点距離が2mとなるように制御する。
【0057】
このように、本実施例では、「机面投影」の場合には、S331からS334の処理により、机面に投影されている投影画像を暗くすることができるのである。特に「壁面投影」の場合に比べると投影画像を暗くすることができるのである。
【0058】
なお、本実施例では、「机面投影」の場合に、S331からS334の処理をすべて実行する説明をしたが、S331からS334のいずれか1つを行えばよい。また、加えて他の処理を実行しても良い。
【0059】
また、S331〜S333における各数値は、プロジェクタから机面までの距離に応じて変更しても良い。距離の計測方法は、以下の方法がある。例えば、制御部110が、撮像部194により得られた画像を評価しながら、投影面と投影画像との境界のコントラストが高くなるようにレンズの位置を調整するように光学系制御部170を制御する。そして、コントラストが高くなったレンズの位置に基づいて投影面までの距離を求める。
【0060】
また、例えば、壁面までの距離と、机面までの距離が同じ場合には、机面投影による投影画像の方が暗くなるように例えば、S331では、2500ルーメンを設定し、S332では、輝度レベル90%を設定し、S333では、液晶透過率10%減を選択しても良い。
【0061】
また、本実施例の「壁面投影」を、「横向き投影」と読み替え、「机面投影」を「下向き投影」と読み替えても良い。
【0062】
以上説明したように、本実施例の投影装置は、重力方向下向きに投影する場合に、投影面に投影された投影画像を暗くするようすることにより、例えばまぶしさを感じさせたり、見づらさを感じさせたりする可能性を低減することができる。
【0063】
本実施例においては、液晶プロジェクタにおいて、投影面の光量を制御する例について説明したが、例えばDLPプロジェクタの場合には、以下の方法で光量を制御することができる。
A)光源制御:本実施例のS331のごとく、重力方向下向きの投影の場合には、重力方向に対して横向きに投影するときよりも光源への供給電圧を下げて光源を暗くし、投影画像を暗くする。
B)DMDパネル制御:DMDパネルの各色について、投影面に反射させる時間を短くすることで、投影面に投影された投影画像を暗くする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投影する投影装置であって、
画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得され画像を投影する投影手段と、
前記投影装置の投影姿勢を判定する判定手段と、
前記判定手段により重力方向下向きに投影されていると判定された場合には、それ以外の方向に投影されていると判定された場合よりも、投影画像が暗くなるように前記投影手段を制御する制御手段を有することを特徴とする投影装置。
【請求項2】
画像を投影する投影装置であって、
画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得され画像を投影する投影手段と、
前記投影手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、重力方向下向きに投影している場合には、それ以外の方向に投影している場合よりも、投影画像が暗くなるように前記投影手段を制御することを特徴とする投影装置。
【請求項3】
画像を投影する投影装置であって、
画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された画像を投影する投影手段と、
前記投影手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、机面投影の場合には、壁面投影の場合よりも、投影画像が暗くなるように前記投影手段を制御することを特徴とする投影装置。
【請求項4】
画像を投影する投影装置であって、
画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得され画像を投影する投影手段と、
前記投影装置の投影姿勢を判定する判定手段と、
前記判定手段により机面投影と判定された場合には、壁面投影と判定された場合よりも、投影画像が暗くなるように前記投影手段を制御する制御手段を有することを特徴とする投影装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記投影手段の光源の出力光束を低下させることにより前記投影画像を暗くすることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の投影装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記取得された画像を処理することにより、前記投影画像を暗くすることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の投影装置。
【請求項7】
前記投影手段は、液晶素子の透過率を制御することにより画像を投影するものであって、
前記制御手段は、前記液晶素子の透過率を下げることにより前記投影画像を暗くすることを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の投影装置。
【請求項8】
画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得され画像を投影する投影手段と、を有する投影装置の制御方法であって、
重力方向下向きに投影している場合には、それ以外の方向に投影している場合よりも、投影画像が暗くなるように前記投影手段を制御することを特徴とする投影装置の制御方法。
【請求項9】
画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得され画像を投影する投影手段と、を有する投影装置の制御方法であって、
机面投影の場合には、壁面投影の場合よりも、投影画像が暗くなるように前記投影手段を制御することを特徴とする投影装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−220515(P2012−220515A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82657(P2011−82657)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】