説明

抗うつ剤としての複素環融合ベンゾジオキサンから成るシクロアルキルアミン誘導体

式Iの化合物は、うつ(大うつ障害、児童うつ、および、気分変調を含むがこれらに限定されない)、不安、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快障害(月経前症候群とも呼ばれる)、注意欠陥障害(多動のある場合と無い場合)、強迫性障害(抜毛癖を含むが、それに限定されない)、強迫性スペクトラム障害(自閉症を含むがそれに限定されない)、社会性不安障害、全般性不安障害、肥満症、摂食障害、血管運動性顔面紅潮、コカインおよびアルコール依存症、性的機能不全および関連疾患の治療に有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2002年9月12日出願米国出願第60/410,072号の一部継続出願である。この出願の開示全体を引用することにより本出願に含める。
【0002】
本発明は、抗うつ剤としての複素環融合ベンゾジオキサンから成るシクロアルキルアミン誘導体、それらの調製法、それらの使用、および、それらを含む製薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
大うつ病は、5%を越える人口を冒し、しかも生涯発生率15−20%の重大な健康問題である。
【0004】
これまで、うつ病および関連疾患の治療においてセロトニン再吸収の選択的阻害剤は好成績を納めており、もっとも高頻度の処方薬の一つとなっている。にも拘らず、この薬は作用開始が遅く、完全な治療作用を発揮するまでに数週を要することがしばしばである。さらに、この薬は3分の2未満の患者にしか有効ではない。
【0005】
セロトニン再吸収選択的阻害剤(SSRI)は、うつ病および関連病態の治療ではよく知られている。SSRIは、神経細胞によるセロトニンの再吸収をブロックする。そのためシナプス空間におけるセロトニン濃度は増加し、従って、後シナプスのセロトニン受容体の活性化を増大させる。
【0006】
SSRIの単回投与は、神経細胞のセロトニン輸送体を抑制することが可能であり、それがシナプスのセロトニンを増大させると予想されているのであるが、臨床的改善が実現されるまでには長期の治療が必要である。
【0007】
SSRIは、セロトニン作動性細胞体近傍のセロトニン濃度を増し、大部分の前頭領域では、この過剰なセロトニンが、細胞体・樹状突起の自己受容体、すなわち5HT1A受容体を活性化し、セロトニン放出の低下を招くことが従来から示唆されている。このネガティブフィードバックが、抗うつ剤によって誘発されるシナプスセロトニンの増加を制限する。
【0008】
もしも5HT1A拮抗剤があるならば、それはこのネガティブフィードバックを制限し、従って、セロトニン再吸収メカニズムの効力を改善すると考えられる(ペレス・ブィ等(Perez,V.,et al.)The Lancet,349:1594−1597(1997))。このような併用療法が可能であれば、それは、セロトニン再吸収阻害剤の作用を加速すると期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
従って、セロトニン再吸収を阻害し、かつ5HT1A受容体の拮抗剤ともなる改善化合物を供給することは極めて好ましい。
【0010】
本発明によれば、式1で表される1群の新規化合物が提供される、すなわち、
【化1】

【0011】
式中、
は、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、カルボキシアミド、2から6個の炭素原子のカルボアルコキシ、トリフルオロメチル、1から6個の炭素原子のアルキル、2から6個の炭素原子のアルカノイルオキシ、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、2から6個の炭素原子のアルカンアミド、または、1から6個の炭素原子のアルカンスルフォンアミドであり、
は、水素、または1から6個の炭素原子のアルキルであり、
X−Y基は、−N=C(R)−C(R)=N−、−N=C(R)−C(R)=CH−、−N=C(R)−N=CH−、−N=C(R)−O−、−NH=−C(R)=N−、または、−NH−C(R)=CH−であり、
およびRは、独立に、水素、ハロ、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、または、1から6個の炭素原子のアルキルであり、
は、水素、または1から6個の炭素原子のアルキルであり、
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、または、1から6個の炭素原子のアルキルであり、
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、または、1から6個の炭素原子のアルキルであり、
mは1から3であり、
nは1から2であり、
pは0から3であり、
Qは以下の式から選択されるヘテロアリール基であり、
【化2】

【0012】
式中、
ZはNR12、S、または、Oであり、
、R、R10およびR11は、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、カルボキシアミド、2から6個の炭素原子のカルボアルコキシ、トリフルオロメチル、1から6個の炭素原子のアルキル、2から6個の炭素原子のアルカノイルオキシ、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、2から6個の炭素原子のアルカンアミド、または、1から6個の炭素原子のアルカンスルフォンアミドであり、および、
12は、水素、または1から6個の炭素原子のアルキルであり、
または薬学的に許容し得るその塩である。
【0013】
は好ましくは、水素、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、または、1から6個の炭素原子のアルキルである。さらに好ましくは、Rは、水素、ハロ、または、1から6個の炭素原子のアルキルである。本発明のさらに好ましい実施態様では、Rは水素である。
【0014】
およびRは好ましくは、独立に、水素、または、1から3個の炭素原子のアルキルから選ばれる。
【0015】
好ましくは、X−Y基は、−N=C(R)−C(R)=CH−、または、−N=C(R)−O−である。
【0016】
およびRは、好ましくは独立に、水素、アミノ、または、1から6個の炭素原子のアルキルから選ばれる。さらに好ましくは、RおよびRは、独立に、水素、または、1から3個の炭素原子のアルキルである。
【0017】
およびRは好ましくは、水素、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、または1から6個の炭素原子のアルキルから独立に選ばれる。さらに好ましくは、RおよびRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、または1から3個の炭素原子を含むアルキルである。
【0018】
、R、R10およびR11は好ましくは、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、カルボキシアミド、1から6個の炭素原子のアルキル、または1から6個の炭素原子のアルコキシから独立に選ばれる。本発明のさらに好ましい実施態様では、R、R、R10およびR11は好ましくは、水素、シアノ、またはハロゲンから独立に選ばれる。
【0019】
Zは好ましくは、NR12である。ZがNR12の場合、R12は好ましくは、水素または1から3個の炭素原子を含むアルキルである。
【0020】
整数mおよびnは独立して、好ましくは1または2である。さらに好ましくは、mは1であり、nは2である。
【0021】
整数pは好ましくは、0または1である。さらに好ましくは、pは0である。
【0022】
好ましくは、Qはヘテロアリール基であり、以下の式である。
【化3】

【0023】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、式Iaの化合物が提供される、すなわち、
【化4】

【0024】
式中、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は上述の通りである。
【0025】
本発明の他の実施態様によれば、式Ibの化合物が提供される、すなわち、
【化5】

【0026】
式中、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は上述の通りである。
【0027】
本発明は、ベンゾジオキサンのRおよびS両立体異性体の他に、RおよびS立体異性体の混合物にも関わる。本出願を通じて、本発明の産物名称は、本発明の化合物の絶対的立体配置が示されていない場合、個々のRおよびSエナンチオマーの他に、両者の混合物をも包含することが意図される。本発明のある実施態様では、Sエナンチオマーの方が好ましい。本発明の化合物の内のあるものに関しては(すなわち、XとYがイミダゾールを形成する)、互変異性形が存在する可能性がある。従って、本出願は、本発明の化合物の全ての互変異性形を包含する。
【0028】
二置換シクロアルキル環上の置換基はシスまたはトランス相対立体化学的に配置されると認められる。さらに、nが1の場合、本発明のシクロペンチル基は2つの不斉炭素原子を含むと認められる。従って、シスおよびトランス異性体に加えて、さらに立体異性体がシクロペンチルアミン基について生じ得る。従って、本出願はシクロアルキルアミン基の全ての立体異性体を独立して、または混合物として包含する。さらに、本出願は本発明の化合物の独立した、または混合物としての全ての可能なジアステレオマーに関する。
【0029】
ある1の立体異性体が好ましい場合、ある実施態様では、その異性体は、対応するエナンチオマーまたはジアステレオマーと実質的に無縁であってもよい。従って、対応するエナチオマーまたはジアステレオマーとは実質的に無縁な1の立体異性体とは、対応するエナンチオマーまたはジアステレオマーから分離技術によって単離または分離された化合物、または、対応するエナンチオマーまたはジアステレオマーとは無縁に調製された化合物を指す。本出願で使用される「実質的に無縁」とは、その化合物は、その著明に大きな部分において、一つの立体異性体から構成されることを意味する。好ましい実施態様では、化合物は、少なくとも約90重量%において好ましい立体異性体から構成される。本発明の別のある実施態様では、化合物は、少なくとも約99重量%において好ましい立体異性体から構成される。好ましい立体異性体は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む、当業者に既知の任意の方法によってラセミ混合物またはジアステレオマー混合物から単離が可能であり、かつ、キラル塩の形成および結晶化は本出願に記載される方法によって調製が可能である。例えば、ジャック等(Jacques,et al.)「エナンチオマー、ラセミ化合物および光学分割」Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York 1981);ウィレン等(Wilen,S.H.,et al.)Tetrahedron33:2725(1977);エリエル(Eliel,E.L.)「炭素化合物の立体化学」Stereochemistryof Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);ウィレン(Wilen,S.H.)「分割剤および光学的分割表」Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions,p.268(エリエル編(E.L. Eliel,Ed.)Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照されたい。
【0030】
本出願で使用する「アルキル」とは、脂肪族炭化水素鎖を指し、直鎖および分枝鎖、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオ−ペンチル、n−ヘキシル、およびイソヘキシルを含む。低級アルキルとは、1から3個の炭素原子を有するアルキルを指す。
【0031】
本出願で使用する「アルカンアミド」とは、Rが1から5個の炭素原子のアルキル基であるR−C(=O)−NH−基を指す。
【0032】
本出願で使用する「アルカノイルオキシ」とは、Rが1から5個の炭素原子のアルキル基であるR−C(=O)−O−基を指す。
【0033】
本出願で使用する「アルカンスルフォンアミド」とは、Rが1から6個の炭素原子のアルキル基であるR−S(O)−NH−基を指す。
【0034】
本出願で使用する「アルコキシ」とは、Rが1から6個の炭素原子のアルキル基であるR−O−基を指す。
【0035】
本出願で使用する「カルボキサミド」とは、NH−C(=O)−基を指す。
【0036】
本出願で使用する「カルボアルコキシ」とは、Rが1から5個の炭素原子のアルキル基であるR−O−C(=O)−基を指す。
【0037】
本出願で使用する「ハロゲン」(または「ハロ」)とは、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を指す。
【0038】
薬学的に許容し得る塩とは、下記のような有機および無機酸から得られるものである。すなわち、酢酸、乳酸、クエン酸、ケイ皮酸、酒石酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、シュウ酸、プロピオン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、グリコール酸、ピルビン酸、メタンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、サリチル酸、安息香酸、および、同様に既知の許容し得る酸である。
【0039】
式Iの化合物の特定例としては:
N−[(cis)−3−(1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(trans)−3−(1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(1R,3S)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(1S,3R)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(trans)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(1R,3R)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(1S,3S)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−メチル−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(1R,3S)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(1S,3R)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(trans)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(cis)−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(trans)−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
N−[(trans)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミン;
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミン;
N−[(cis)−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミン;
N−[(1R,3S)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−メチル−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン;
および薬学的に許容し得るそれらの塩がある。
【0040】
他の側面において、本発明はうつ、不安、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快障害、注意欠陥障害、強迫性障害、社会性不安障害、全般性不安障害、肥満症、神経性食欲不振のような摂食障害、神経性大食症、血管運動性顔面紅潮、コカインおよびアルコール依存症、性的機能不全から選ばれる状態を患う対象の治療方法に関し、本発明の化合物または薬学的に許容し得るその塩の製薬学的有効量を、上記状態を患う対象物に供給することを含む。
【0041】
他の側面において、本発明は、本発明の化合物、または薬学的に許容し得るその塩および薬学的に許容し得る担体または賦形剤を製薬学的有効量含む製薬組成物に関する。
【0042】
さらに他の側面において、本発明は薬剤として使用するための本発明の化合物、または薬学的に許容し得る塩に関する。
【0043】
さらに他の側面において、本発明は、不安、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快障害、注意欠陥障害、強迫性障害、社会性不安障害、全般性不安障害、肥満症、神経性食欲不振のような摂食障害、神経性大食症、血管運動性顔面紅潮、コカインおよびアルコール依存症、性的機能不全の治療用薬剤の調製における本発明の化合物、または薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0044】
本発明の化合物は、下記の一般的説明および特異的実例に従って好適に調製される。別様に注記しない限り、変数は式Iに定義された通りである。具体的に言うと(スキーム1)、適当に置換されたシクロアルキルアミンを、適当に置換されたベンゾジオキサン・メチルトシレートと、ジメチルスルフォキシドのような溶媒中で結合させ、下記に具体的に説明するように、数時間70−100℃の温度に加熱する。
【化6】

【0045】
別態様として、本発明の化合物は下記のスキーム2に示すように調製できる。具体的には、適当に置換されたベンゾジオキサン・メチルトシレートまたはブロマイドをアジ化ナトリウムまたはアジ化カリウムを用いた反応によりジメチルフォルムアミドまたはジメチルスルフォキシドなどの適切な溶媒中で対応アジドに変換する。それから当該アジドを炭素上のパラジウム水素化など当業者に公知の方法により1級アミンに適宜還元する。それから、当該アミンはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下に適当に置換されたシクロアルカノンと結合させ、Rが水素である本発明の化合物を与える。
【化7】

【0046】
がアルキルである化合物は上記スキーム1に従って調製してもよく、または、スキーム3に示すように、Rが水素である式Iの化合物からトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下に適当なアルデヒドまたはケトンと反応させることにより調製してもよい。
【化8】

【0047】
がHである、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルトシレート(11)は、下記のスキーム4に図示するようなやり方で調製できる。具体的に言うと、適当に置換されたニトログアイヤコール(5)を、水素化ナトリウムのような適当な塩基の存在下に臭化アリルによってアルキル化して(6)を生成し、次に、水酸化ナトリウムのような試薬によって脱保護する。次に、得られた4−ニトロ−2−アリルオキシフェノール(7)を、水素化ナトリウムのような塩基の存在下にトシル酸グリシジルまたはエピハロヒドリンによってアルキル化して(6)を生成し、メシチレンまたはキシレンのような高沸点溶媒中で加熱してアリル基とジオキサン環環状化の両方の再編を実行する。
【化9】

得られた一次アルコール(9)を、三級アミンの存在下にp−トルエンスルフォニルクロリドとの反応によってトシル酸塩に変換する。または別態様として、トリフェニルフォスフィンと組み合わせた四臭化炭素または四塩化炭素との反応によってハロゲン化物に変換する。次に、このアリル側鎖を、塩化メチレンまたはベンゼンの還流下にビス−アセトニトリル白金(II)クロリド触媒によって処理して異性化して(10)を生成する。ジオキサン/水還流下に二酸化セレンによってアリル酸化を行うと、O−ニトロシナムアルデヒドが得られる。これは、酢酸中で鉄で還元すると環状化されて、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−メチルトシレートまたはハロゲン化物となる(11)。
【0048】
がアルキルである、本発明の2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルトシレート(14)は、前述のニトロオレフィンから、スキーム5のように調製してもよい。再編成オレフィン(10)を、オゾンと三級アミン、または四酸化オスミウムと過ヨウ素酸ナトリウムで順次処理すると、O−ニトロベンザルデヒド(12)が得られる。ウィッティヒ条件下で適当なトリフェニルフォスフォラニリデンケトンによって縮合すると、O−ニトロスチリルケトン(13)が得られる。このものは、酢酸中で鉄で還元すると、環状化されて対応する2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−メチルトシレート(14)となる。このトシル酸塩を、前述のように適当に置換されたシクロアルキルアミンで置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化10】

【0049】
前述のウィッティヒ工程においてトリメチルフォスフォノアセテートをトリフェニルフォスフォラニリデンケトンに置換し、次いでニトロ基を塩化(II)錫で還元し、酸中で環状化すると、Rがヒドロキシである本発明の化合物が得られる。塩基の存在中で適当なハロゲン化アルキルまたはトシル酸アルキルによりこのヒドロキシ誘導体をアルキル化すると、Rがアルコキシである本発明の化合物が得られる。このヒドロキシ誘導体を、塩化または臭化フォスフォリルのような無機の酸塩化物によって処理すると、Rがハロである本発明の化合物が得られる。前述のウィッティヒ工程においてシアノメチルフォスフォネートをトリフェニルフォスフォラニリデンケトンに置換し、次いでニトロ基を塩化(II)錫で還元し、酸中で環状化すると、Rがアミノである本発明の化合物が得られる。
【0050】
スキーム5のウィッティヒ化学過程で使用されたo−ニトロベンザルデヒド(12)は、別にスキーム6に示すようにして調製されてもよい。適当なモノアリル化カテコール(15)を、前述のようにトシル酸グリシジルによって調製して(16)を生成し、還流メシチレンにおいて再編成する。ベンゾジオキサンメタノールへの環状化は、炭酸水素ナトリウムのエタノール液で処理することによって実行され、このアルコール(17)は、トシル酸塩またはハロゲン化物に変換される。還流塩化メチレン中でビス−アセトニトリル塩化パラジウム触媒で処理して二重結合を再編成して18を生成し、前述のようにオゾンまたは四酸化オスミウム/過ヨウ素酸ナトリウムによる分断の後に、得られたアルデヒド(19)を、硝酸および塩化(IV)錫の混合物によって領域選択的に硝化して(12)を生成する。
【化11】

【0051】
が、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノリンの位置6に付着する本発明の化合物は、別にスキーム7によるスクラウプのキノリン合成の変法によって調製してもよい。適当に置換されたベンゾジオキサンメチルトシレート(20)を、ジクロロエタンのような溶媒中で標準的条件下に硝酸によって硝酸化し、得られたニトロ化合物(21)を、白金付き硫化炭素のような触媒の存在下に水素で処理して還元する。得られたアニリン(22)を、塩化水素およびp−クロラニルまたはナフトキノンのような酸化剤の存在下にアクロレインで処理すると、対応する2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノリン(23)が得られる。このトシル酸塩を、前述のように適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化12】

【0052】
本発明の2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キナゾリン−2−イルメチラミンは下記に示すように調製される(スキーム8)。前述のO−ニトロベンザルデヒド(12)を、酢酸ナトリウムのような適当な塩基の存在下にヒドロキシラミン塩化水素酸で処理することによってオキシム(24)に変換し、このニトロ基を、パラジウム付き炭素の上で水素添加することによってアミンに還元する。キナゾリンN−オキシドへの環状化は、Ostrowski(Heterocyles,vol.43,No.2,p.389,1996)の方法に従って、適当なオルトエステルとの還流処置によって実現される。このキナゾリンN−オキシドは、ラニー・ニッケルと組み合わせた水素のような適当な還元剤によって還元しキナゾリン(25)としてもよい。別態様として、前記オルトエステル中での還流を長期に渡って行うと、不均衡反応によって直接還元キナゾリンが得られ、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キナゾリン−2−メチルトシレートまたはハロゲン化物をカラムクロマトグラフィーによって単離することも可能である。このトシル酸塩またはハロゲン化物を、ジメチルスルフォキシドのようなある高沸点溶媒中で、適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化13】

【0053】
本発明の2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キナゾリン−2−イルメチラミンは別に、下記のスキーム9に概説する方法によって前述の再編されたオレフィンから調製されてもよい。ニトロオレフィン(10)は先ず、還流酢酸エチルにおいて、塩化錫二水和物のような適当な還元剤で処理することによってアニリンに還元し、得られたアミンを適当なアシルハロゲン化物または無水物でアシル化する。次にこのオレフィン(26)を、過剰な過ヨウ素酸ナトリウムの存在下に四酸化オスミウム触媒による分断によってアルデヒド(27)変換する。アミドアルデヒド(25)をアンモニアで処理することによって2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノゾリン−2−メチルトシレート(27)またはハロゲン化物への直接環状化が実現され、このトシル酸塩またはハロゲン化物を、前述のようにジメチルスルフォキシドのようなある高沸点溶媒中で適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化14】

【0054】
本発明の2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノキサリン−2−イルメチラミンは、下記のスキーム10に図示するようにして調製される。前述のo−ニトロベンザルデヒド(12)を、三酸化クロム(ジョーンズ酸化)または亜塩素酸ナトリウムのような適当な酸化剤によって酸化してo−ニトロ安息香酸(28)とし、この酸を、ジイソプロピルエチラミンのような三級塩基の存在下でジフェニルフォスフォリルアジド(DPPA)を用いてo−ニトロアニリン(29)に変換する。得られたニトロアニリンを、パラジウム付き炭素の上で水素添加することによってジアミン(30)に還元し、適当なジカルボニル化合物(例えば、グリオキサル、2,3−ブタンジオン、3,4−ヘキサンジオン)で処理して環状化することによって、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−f]キノキサリン−2−メチルトシレート(31)またはハロゲン化物が得られる。このトシル酸塩またはハロゲン化物を、ジメチルスルフォキシドのようなある高沸点溶媒中で、適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化15】

【0055】
本発明の7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンゾキサゾール−8−イルメチラミンは、下記のスキーム11に図示するようにして調製される。スキーム9に記載されたo−アミドベンズアルデヒド(27)を、バイヤーヴィリガー反応においてメタ−クロロペルオキシ安息香酸で処理することによってフェノール(32)に変換し、7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンゾキサゾール(33)への環状化は、還流下でオルトエステルまたはp−トルエンスルフォン酸のような適当な脱水剤で処理することによって実現される。このトシル酸塩またはハロゲン化物を、ジメチルスルフォキシドのようなある高沸点溶媒中で、適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化16】

【0056】
別に(スキーム12)、ニトロオレフィン(10)は、前述のスキーム9のように塩化(II)錫によって還元し、カルボベンゾキシ(Cbz)のような適当な保護基によって保護してもよい。次に、このオレフィンを、四酸化オスミウム/過ヨウ素酸ナトリウム処理によって分断してアルデヒド(35)とし、このアルデヒドを、バイヤーヴィリガー工程によってフェノール(36)に変換する。パラジウム付き炭素の上で水素処理して脱保護するとo−アミノフェノール(37)が得られ、これを、適当なオルトエステル、カルボン酸または無水物で処理することによって環状化されて7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンゾキサゾール(33)が得られる。このo−アミノフェノールを、臭化または塩化シアノゲン、または適当に置換された塩化カルバモイルで処理すると、Rがアミノである本発明の化合物が得られる。前記o−アミノフェノールをカルボニルジイミダゾールで処理するとオキザロンが得られ、これを、塩化または臭化フォスフォリルのような無機の無水物で処理することによって、Rがハロゲン化物である本発明の化合物が得られる。このトシル酸塩を、前述のように適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化17】

【0057】
が水素であり、Rがアルキルである本発明の化合物は、下記のスキーム13によりもっとも好適に調製される。適当な2‘、3’、4‘−トリヒドロキシアシルフェノン(38)を、炭酸ナトリウムのような塩基の存在下にトシル酸グリシジルまたはエピハロヒドリンによって領域選択的にアルキル化すると、対応する7−アシル−8−ヒドロキシベンゾジオキサン−2−メタノール(39)が得られる。ヒドロキシラミン塩酸および酢酸ナトリウムとの反応によってケトンからオキシム(40)に変換した後、オキサゾール(41)の環状化を、適当なジメチルカルボン酸アミドにおいて適当な塩化フォスフォリルで処置することによって実現する。得られた7,8−ジヒドロ−1,6,9−トリオキサ−3−アザ−シクロペンタ[a]ナフタレン−8−メタノールを、p−トルエンスルフォニルクロリドのピリジン液で処理することによってトシル酸塩(42)に変換し、前述のように適当なシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化18】

【0058】
本発明の7,8−ジヒドロ−3H−6,9−ジオキサ−1,3−ジアザ−シクロペンタ[a]ナフタレンは、下記のスキーム14に図示するようにして調製される。スキーム10に記載されたジアミン(30)を、適当なカルボン酸で還流下に処理することによって環状化されてイミダゾール(43)を生成する。ジアミンジヒドロクロリドを、比較的高沸点のカルボン酸中に還流すると時として、トシル基が塩化物によって置換されることがある。このトシル酸塩またはハロゲン化物を、ジメチルスルフォキシドのようなある高沸点溶媒中で、適当に置換されたピペリジンで置換すると、Rが水素、ペルフルオロアルキルまたはアルキルである、本発明の7,8−ジヒドロ−3H−6,9−ジオキサ−1,3−ジアザ−シクロペンタ[a]ナフタレンが得られる。前述のジアミドを、臭化または塩化シアノゲン、または適当に置換された塩化カルバモイルで処理すると、Rがアミノである、本発明の化合物が得られる。このジアミンをカルボニルジイミダゾールによって処理するとイミダゾールが得られ、これは、塩化または臭化フォスフォリルのような無機の無水物で処理することによって、Rがハロである、本発明の化合物を生成する。このトシル酸塩を、前述のように適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化19】

【0059】
本発明の2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]ジオキシノ[2,3−e]インドールは、下記のスキーム15に示されるように調製される。具体的に言うと、スキーム4で述べたクライゼン再編成で得られた一次アルコール(9)を、三級アミンまたはピリジンの存在下にp−トルエンスルフォニルクロリドで処理することによってトシル酸塩(44)に変換するか、または別態様として、トリフェニルフォスフィンと組み合わせた四臭化炭素または四塩化炭素との反応によってハロゲン化物に変換する。次に、このアリル側鎖を低温でオゾンで処理することによって分断して、アルデヒド(45)とし、次いで、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンのような三次塩基によって調整するか、または四酸化オスミウムおよび過ヨウ素酸ナトリウム触媒によって処理する。酸化白金上の水素によってニトロ基を還元すると、Rが水素であるインドール(46)が直接形成される。別に、アルデヒドを、フッ化セシウムの存在下に、適当なアルキルグリニャール試薬またはトリフルオロメチルトリメチルシランで処理し、次にピリジニウムクロロクロメート(PCC)またはスワーン試薬のような適当な酸化剤で酸化してケトンとし、酸化白金上の水素によって還元すると、Rがアルキルまたはトリフルオロメチルであるインドールが得られる。このトシル酸塩またはハロゲン化物を、ジメチルスルフォキシドのようなある高沸点溶媒中で、適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化20】

【0060】
本発明の2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]ジオキシノ[2,3−e]インドールは、別に下記の工程(スキーム16)によって調製されてもよい。o−ニトロベンザルデヒド(12)を好適な塩基性触媒の存在下に適当なニトロアルカンによって縮合して、対応するo,β−ジニトロスチレン(47)を生成する。パラジウム付き炭素上の水素による両ニトロ基の還元は環状化を伴い、インドール(48)を形成する。このトシル酸塩を、前述のように適当に置換されたシクロアルキルアミンによって置換すると、本発明の標題化合物が得られる。
【化21】

【0061】
さらに別の方法では、本発明の複合環融合ベンゾジオキサンは、スキーム17に従って調製されてもよい。化合物Iの合成は、N−ハロスクシニミドのアセトニトリル溶液のような試薬によって、R‘が1−6個の炭素原子であるアルキルである49のハロゲン化で始まり、50(HalはBr、ClまたはIのようなハロゲンである)を生成する。塩化メチレンのような好適な溶媒に溶解させた三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三塩化アルミ、塩化第二鉄、またはヨウ化トリメチルシリルイオジドのようなルイス酸によって、あるいは、HBrおよびHClのような強いプロトン性酸によって50を脱保護すると、塩51が得られる。遊離塩基51は、エタノールまたはメタノールのような極性溶媒中でアンバーリストA−21樹脂スラリーで中和することによって獲得してもよい。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、またはトリエチラミンのような塩基の存在下に、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、またはジメチルアセトアミドのような好適な極性溶媒において、ベンジルまたはベンジル置換体を保護されたグリシジルエーテル(下記の化合物、
【化22】

【0062】
ここに、R”はベンジルまたは、4−ブロモベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2−または4−ニトロベンジル、または4−メトキシベンジルのようなベンジル置換体)による、遊離塩基または塩として存在する51のアルキル化によって52が得られる。次に52を、トルエンのような好適な溶媒中で、NaH、LiH、KH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸チタン、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシド、またはリン酸三カリウムの存在下に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、または酢酸パラジウムのようなパラジウム触媒を、(±)BINAPおよびその別々のエナンチオマー、(±)Tol−BINAPおよびその別々のエナンチオマー、1−1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、および1,2ビス(ジフェニル−フォスフィノ)エタンのグループから選ばれるリガンドと共に用いることによって、あるいは別に、トルエンのような好適な溶媒中でNaH、LiH、KHのような塩基の存在下に、ヨウ化銅のような銅触媒によって環状化され、53を与える。塩化メチレンのような好適な溶媒中における、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三塩化アルミ、塩化鉄、トリメチルシリルイオジドのようなルイス酸による、あるいは、HBrおよびHClのようなプロトン性強酸による、あるいは、Pd触媒および、水素、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、またはギ酸アンモニウムのような水素転移試薬による還元性分断条件下での、53の脱保護により、複素環融合ベンゾジオキサンメタノール54が得られる。
【化23】

【0063】
52のヒドロキシル基は、塩化メチレン、THF、またはトルエンのような好適な溶媒中で、トリエチラミンまたはピリジンのような塩基の存在下に、p−トルエンスルフォニルクロリド、メタンスルフォニルクロリド、2−、3−または4−ニトロベンゼンスルフォニルクロリド、あるいは、2−または4−ブロモベンゼンスルフォニルクロリドのような、アリルまたはアルキルスルフォニルクロリドによって活性化されて55が得られ、ここにR'''は、p−トルエンスルフォネート、メタンスルフォネート、2−、3−または4−ニトロベンゼンスルフォネート、あるいは、2−または4−ブロモベンゼンスルフォネートのようなスルフォン酸塩である。THF、ジオキサン、DMSO,DMF、またはDMAのような極性溶媒中で、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、または炭酸ナトリウムのような塩基の存在下に、55と本発明にとって適当なシクロアルキルアミンとの最終的結合を行うと、式Iの化合物が得られる。
【0064】
スキーム1に記載の化学反応に関する置換シクロアルキルアミン(2)はスキーム18に示すように調製する。具体的には、適切に置換したシクロアルカノン(56)と二級(R’は水素)または三級アミン(R’はアルキル)をトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような適当な還元剤の存在下で反応させ、シクロペンチルアミン57が得られる。この方法では、当該アミンは上述の通り(スキーム2)ベンゾジオキサン・メタンアミン(4)でもよく、本発明の標題化合物が得られる。もしくは、スキーム18の還元アミノ化により中間体シクロアルキルアミンが生成され、それからスキーム1の通り適当に置換されたベンゾジオキサン・メチルトシレート(1)またはブロマイドと反応して、本発明の標題化合物が得られる。
【化24】

【0065】
が水素の中間体シクロアルキルアミンは、スキーム18の還元アミン化においてベンジルアミン(R’はベンジル)を用い、続いてギ酸アンモニウム及び還流メタノール中の炭素上パラジウムを用いる移動水素化によるアミン58の脱ベンジル化(スキーム19)により最も上手く調製される。
【化25】

【0066】
上記化学反応に適したシクロヘキサノンは公知の化合物であり、または当業界で教育を受けた者であれば調製できる。本発明の特定の化合物に必要な中間体3−インドリルシクロペンタノン(62)はスキーム20に示すように調製できる。具体的に言うと、置換インドール(60)をルイス酸の存在下でシクロペンテノン(61)と反応させ、対応する3−インドドール−3−イル−シクロペンタノン(62)が得られる。
【化26】

【0067】
Cheetham et al.(Neuropharmacol.32:737,1993)によって用いられたものと同様のプロトコールを用いて、本発明の化合物の、セロトニン輸送体に対する親和度を定量した。化合物の、雄性ラット前頭皮質膜から、H−パロキセチンを移動させる能力を、結合H−パロキセチンを、遊離H−パロキセチンから分離するTom Techろ過装置を用いて定量し、Wallac 1205 Beta Plate(登録商標)カウンターを用いて結合放射活性を定量した。標準の臨床的抗うつ剤について求められたKiは、フルオキセチンについては1.96nM、イミプラミンについては14.2nM、ジメリジンについては67.6nMであった。ラット前頭皮質におけるH−パロキセチン結合とH−セロトニン摂取抑制の間には強い相関が見られた。
【0068】
セロトニン5−HT1A受容体に対する高い親和度は、ヒト5−HT1A受容体を安定にトランスフェクトされたCHO細胞を利用するホール等(Hall et al.,J.Neurochem.44,1685(1985))の工程の修正版に従って、特許請求の化合物が、5−HT1Aセロトニン受容体から、[H]8−OHDPAT(ジプロピルアミノテトラリン)を移動させる能力を試験することによって確定した。本発明の化合物における5−HT1A親和度は、下記にKiとして報告されている。5−HT1A受容体における拮抗活性は、ラザレノおよびバーザル(Lazareno and Birdsall、Br.J.Pharmacol.109:1120,1993)によって用いられたものと同様の35S−GTPγS結合アッセイを用いて確定した。このアッセイでは、クローンされたヒト5−HT1A受容体を含む膜に対する35S−GTPγSの結合に影響を及ぼす、試験化合物の能力を定量した。作用剤は結合に増大をもたらし、一方、拮抗剤は増大をもたらさず、むしろ標準的作用剤8−OHDPATの作用を逆転する。試験化合物の最大抑制作用は、Imaxで表し、一方、その能力はIC50で定義した。
【0069】
前の三つの段落で述べた3通りの標準実験試験法の結果は次の通りであった。
【表1】

【0070】
抗うつ剤フルオキセチン、パロキセチンおよびセルトラリンのように、本発明の化合物は、脳の神経伝達物質セロトニンの再吸収を強力に阻止する能力を持つ。従って、これらの化合物は、一般にセロトニン選択的再吸収阻害剤(SSRI)の投与によって治療される疾患、例えば、うつ(大うつ障害、児童うつ、および、気分変調を含むがこれらに限定されない)、不安、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快障害(月経前症候群とも呼ばれる)、注意欠陥障害(多動のある場合と無い場合)、強迫性障害(抜毛癖を含む)、強迫性スペクトラム障害(自閉症を含むがそれに限定されない)、社会性不安障害、全般性不安障害、肥満症、神経性食欲不振のような摂食障害、神経性大食症、血管運動性顔面紅潮、コカインおよびアルコール依存症、性的機能不全(早漏を含む)、および、関連疾患の治療に有用である。さらに、本発明の化合物の多くは、脳の5HT1Aセロトニン受容体に対して強力な親和度を、かつ、それに対して拮抗作用を有する。薬剤混合物(例えばフルオキセチンとピンドロールの)を使用した最近の治験では、SSRI活性と5HT1A拮抗作用を組み合わせた治療では、抗うつ効果の出現がさらに早まることが実証された(Blier and Bergeron,1995;F.Artigas et al.,1996;M.B.Tome et al.,1997)。従って、本発明の化合物は、うつ病治療にとって極めて興味深いものであり、有用である。上記から、本発明は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける、上に列挙した疾患のそれぞれを治療し、予防し、抑制し、または改善するための方法を提供する。前記方法は、本発明の化合物の製薬学的有効量を、それを必要とする哺乳動物に供給することを含む。
【0071】
さらに本発明に含まれるものは、中枢神経系の病態または病状を治療またはコントロールするための製薬組成物であって、式Iの少なくとも一つの化合物、それらの混合物、および/または、その製薬学的塩、および、薬学的に許容し得る担体を含む製薬組成物である。この組成物は、許容し得る製薬工程、例えば、レミントンの製薬科学(Remington‘s Pharmaceutical Sciences)、17版、Alfonoso R.Gennaro、Mack Publishing Company、Easton,PA(1985)に記載される工程に従って調製される。薬学的に許容し得る担体とは、処方中の他の成分と適合的であり、生物学的に許容し得るものである。
【0072】
本発明の化合物は、経口的にまたは非経口的に、そのままで、または通例の製薬学的担体と組み合わせて投与してよい。適用可能な固相担体は、芳香剤、潤滑剤、可溶化剤、懸濁剤、充填剤、滑走剤、圧縮支援剤、結合剤、または錠剤用崩壊剤、またはカプセル包含物質として活動することも可能な1種以上の物質を含むことが可能である。散剤では、担体は、微細に分割された活性成分と混合される、微細に分割された固体である。錠剤では、活性成分は、必要な圧縮性を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形とサイズに圧縮される。この散剤および錠剤は、最大99%の活性成分を含むことが好ましい。好適な固相担体としては、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、でん粉、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニールピロリデン、低融点ワックス類、および、イオン交換樹脂が挙げられる。
【0073】
溶液、懸濁液、乳剤、シロップ、およびエリキシル剤を調製する際には液相担体を使用してもよい。本発明の活性成分は、薬学的に許容し得る液相担体、例えば、水、有機溶媒、両者の混合物、または、薬学的に許容し得る油または脂肪に溶解または懸濁することが可能である。液相担体は、他の、好適な製薬添加物、例えば、可溶化剤、乳化剤、バッファー、防腐剤、甘味剤、芳香剤、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調節剤、安定化剤、または、浸透圧調節剤を含むことが可能である。経口および非経口投与用液相担体の好適な例としては、水(特に、前述の添加物、例えば、セルロース誘導体を含むもの、特に、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)、アルコール類(一価アルコール、および多価アルコール、例えば、グリコール)およびその誘導体、および、油類(例えば、分留ココナツ油およびピーナツ油)が挙げられる。非経口投与の場合、担体はまた、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルのような油状エステルであってもよい。非経口投与用滅菌液状形態組成物では、滅菌液相担体が使用される。
【0074】
滅菌溶液または懸濁液である液相製薬組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内、または皮下注入によって投与が可能である。滅菌液はまた、静脈内に投与することも可能である。経口投与剤は、液相または固相組成物形態のいずれかであってよい。
【0075】
製薬組成物は、単位剤形として、例えば、錠剤、カプセル、散剤、溶液、懸濁液、乳剤、顆粒剤、または、坐剤として存在する。このような剤形では、組成物は、適当量の活性成分を含む単位用量として細分割される。この単位剤形は、包装された組成物、例えば、薬包包装散剤、薬瓶、アンプル、あらかじめ充填された注射筒、または液を含む小袋であってもよい。単位剤形は、例えば、1個のカプセルまたは錠剤そのものであってもよく、あるいは、包装品の形態を取る、適当な任意の数の、そのような組成物であってもよい。
【0076】
患者に投与される量は、投与されるもの、予防または治療のような投与目的、および、患者の状態、投与法等に応じて変動する。治療用途では、本発明の化合物は、既に病気に罹っている患者に対し、その病気および合併症の症状を治癒する、または少なくとも部分的に改善するのに十分な量として投与される。このことを実現するのに十分な量は、「治療的有効量」と定義される。ある特定症例の治療に用いられる用量は、主治医の主観によって決められなければならない。関与する変数としては、患者の特異的条件、および、大きさ、年齢や、反応パターンが挙げられる。一般に、開始用量は1日当たり約5mgとし、連日投与では1日当たり約150mgまで漸増させて、ヒトにおける所望の用量レベルを実現する。本出願で用いる投与するとは、本発明の化合物または組成物を直接投与すること、または、生体において、等価量の活性化合物または物質を形成する、薬剤前駆体、誘導体または類縁体を投与することを意味する。
【0077】
本発明は、式I、IaおよびIbの化合物の薬剤前駆体を含む。本出願で使用する「薬剤前駆体」とは、体内において、代謝手段(例えば加水分解)によって式Iの化合物に変換が可能な化合物を意味する。様々な形の薬剤前駆体が従来技術で既知であり、例えば、バンドガード編、(Bundgaard,(ed.))「薬剤前駆体の設計」Design of Prodrugs,Elsevier(1985);ウィッダー等編(Widder,et al.(ed.))「酵素学の方法」Methods in Enzymology,vol.4,Academic Press(1985);クロッグスガード−ラーセン等編(Krogsgaard−Larsen,et al.,(ed.))「薬剤前駆体の設計と運用、薬剤設計・開発の教科書」Chapter5、113−191(1991);Bundgaard,et al.,Journal of Drug Deliver Reviews,8:1−38(1992);Bundgaard、J.of Pharmaceutical Sciences、77:285 et seq.(1988);および、ヒグチとステラ編(Higuchi and Stella(eds.))「新規薬剤輸送システムとしての薬剤前駆体」Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems,Americal Chemical Society(1975)に論じられている通りである。
【実施例】
【0078】
下記の実施例は、本発明の代表的化合物の生産法を具体的に示す。
【0079】
中間体1
3−アリルオキシ−4−メトキシニトロベンゼン
5−ニトログアイアコールのナトリウム塩97.5g(0.51モル)を、1リットルのDMFに溶解し、1.5当量の臭化アリルを添加した。この反応系を65℃で2時間加熱し、その後、暗色は大部分放散し、薄層液体クロマトグラフィー(1:1、CHCl/ヘキサン)は開始材料の消失を示した。溶媒を減圧下で濃縮し、残留物を水で洗浄した。産品をろ過で単離し、減圧乾燥した。これによって112gの黄白色固体が得られた。メタノールで再結晶させたサンプルは融点93−94℃を示した。
【0080】
中間体2
2−アリルオキシ−4−ニトロフェノール
1リットルのジメチルスルフォキシドに、2N水酸化ナトリウム水溶液750mLを加え、混合液を65℃に加熱した。上で調製した黄白色固体3−アリルオキシ−4−メトキシニトベンゼンを、30分間に渡っていくつかの部分に分けて添加し、温度を95℃に上げ、3時間維持した。その後では開始材料は消費し尽くされていた。混合物を放置冷却し、1Lの氷と1Lの2N HClの混合物に注いだ。73グラムの未精製ではあるが均一な(薄層液体クロマトグラフィー、1:1CHCl/ヘキサンによる)所望の産品を、ろ過により薄茶色固体として単離した。次に、この物質を、1:1ヘキサン/塩化メチレンに溶解し、シリカゲルにてろ過し、68gの黄白色固体を得た。これを、エチル/酢酸塩/ヘキサンで再結晶させたところ、融点61−62℃を示した。前述の細結晶化で得られた母液水溶液を、2Lの酢酸エチルで抽出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させて、暗色油状体を得た。1:1CHCl/ヘキサン溶出シリカ・カラムクロマトグラフィーにより、さらに12gの標題化合物が黄色固体として得られた。CHClに溶解した2%MeOHで溶出すると、真空中でゆっくりと結晶化する12gの暗色油状体が得られた。これは、クライゼン産品、3−アリル−4−ニトロカテコールであることが判明した。
【0081】
中間体3
2−(2−アリルオキシ−4−ニトロフェノキシメチル)−オキシラン
60%NaH/鉱物油20g(0.50モル)を2リットルフラスコに入れ、500mLのヘキサンで洗浄した。1LのDMFを加え、次いで、前工程で調製した2−アリルオキシ−4−ニトロフェノール77g(0.40モル)を加えた。この混合液を、アルゴンの下で室温で30分攪拌した後、108g(0.48モル)の(R)−グリシジルトシレートを加え、混合液を、窒素の下で70−75℃に一晩加熱した。冷却時、DMFを減圧除去し、1リットルの塩化メチレンで置換した。これを、500mL部分から成る、2N HCl、飽和炭酸水素ナトリウム、および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合液をろ過し、減圧濃縮して油状体とし、1:1ヘキサン/塩化メチレンを溶出液とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにて精製した。これにより、痕跡量の2種類の開始材料によって汚染される43gの産品が得られ、次に、21gの純粋産品が黄白色固体として得られた。前記不純物質を、10%酢酸エチル/ヘキサン1.2Lで再結晶させたところ、34gの純粋な(1:1ヘキサン/塩化メチレン溶出によるシリカゲル薄層液体クロマトグラフィー)(R)−2−(2−アリルオキシ−4−ニトロフェノキシメチル)−オキシラン(融点64℃)が得られた。
【0082】
元素分析:C1213NO
計算値:C,57.37;H,5.21;N,5.58
観測値:C,57.50;H,5.21;N,5.43
中間体4
(8−アリル−7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ(1,4)ジオキシン−2−イル)−メタノール
前述のように調製した(R)−2−(2−アリルオキシ−4−ニトロフェノキシメチル)−オキシラン(20g、80ミリモル)を、メシチレン中、窒素の下で155℃で24時間加熱した。形成された黒色固体をろ過したところ、極性の極めて高い物質1.5gが得られた。溶媒を減圧蒸留後、塩化メチレンを溶出液とするシリカゲル・クロマトグラフィーを行ったところ、開始材料10gが回収され、望みのとおりに再編された(S)−(8−アリル−7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ(1,4)ジオキシン−2−イル)−メタノール7.5gが得られた。後者は、減圧下で放置したところゆっくりと結晶した(融点67℃)。回収された開始材料に基づく収率は75%である。
【0083】
元素分析:C1213NO
計算値:C,57.37;H,5.21;N,5.58
観測値:C,57.26;H,5.20;N,5.35
中間体5
トルエン−4−スルフォン酸8−アリル−7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ(1,4)ジオキシン−2−イルメチルエステル
9.55g(38.0mmole)の(S)−(8−アリル−7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ(1,4)ジオキシン−2−イル)−メタノールを465mLのピリジンに溶解し、29.0g(152mmole)のp−トルエンスルフォニルクロリドを添加し、この混合液を窒素の下室温で一晩攪拌した。次に、水を加えて、過剰な塩化トシルを停止させ、溶媒を減圧留去して、塩化メチルにて置換した。この溶液を、2N HCl、飽和炭酸水素ナトリウム、および、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ろ過、減圧蒸留、および、1:1ヘキサン/塩化メチレン溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーによって、12.6g(92%)のトルエン−4−スルフォン酸(R)−アリル−7−ニトロ−2,3−ベンゾ(1,4)ジオキシン−2−イルメチルエステルが得られた。このものは放置するとゆっくりと結晶化して黄褐色固体となった(融点60−62℃)。
【0084】
元素分析:C1919NO
計算値:C,56.29;H,4.72;N,3.45
観測値:C,56.13;H,4.58;N,3.44
中間体6
{7−ニトロ−8−[1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネート
10g(24.0mmole)の(R)−[8−アリル−7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルフォネートを700mLのベンゼンに溶解させた溶液に、1.03gのビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)を加え、混合液をチッソの下に48時間還流させた。次に、この触媒をろ過によって除去し、ろ液を減圧濃縮し褐色油状体とした。塩化メチレン溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーによって、7.2gの標題化合物がEとZの異性体混合物として得られた。純粋なE異性体含有分画を蒸留することにより、{(2R)−7−ニトロ−8[(E)−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネートのサンプルが黄色固体として得られた(融点105−106℃)。
【0085】
元素分析:C1919NO
計算値:C,56.29;H,4.72;N,3.45
観測値:C,56.12;H,4.64;N,3.39
中間体7
{8−フォルミル−7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネート
400mLの塩化メチレンに溶解した{(2R)−7−ニトロ−8[1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネート(10.5g、25.9mmole)を−78℃で過剰なオゾンで処理した。次に、ジイソプロピルエチルアミン(11.5mL、66.0mmole)を30分に渡って滴下して加え、混合液を放置して室温とし、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。次に、この混合液を、塩化メチレンで600mLまで希釈し、2N HCl(水溶液)100mLずつ3回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム200mLずつ2回洗浄し、200mLの飽和食塩水で洗浄した。この溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧留去して未精製の褐色油状体を得た。これを、10%ヘキサン/塩化メチレン溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物の(R)−エナンチオマー7.52gを黄色固体として得た。H−NMR(CDCl):2峰性ピーク7.8δ(2H);2峰性7.62δ(1H);2峰性7.4δ(2H);2峰性7.0δ(1H);多峰性4.4−4.6δ(2H);多峰性4.2δ(3H);単峰性2.4δ(3H)。
【0086】
中間体8
{7−ニトロ−8−[(E)−3−オキソ−1−ブテニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネート
{(2R)−8−フォルミル−7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネート3.00g(7.37mmole)を250mLのトルエンに溶解した溶液に、2.90g(9.10mmole)の1−トリフェニルフォスフォリリデン−2−プロパノンを加えた。混合物を窒素の下、室温で還流しながら5時間攪拌した。その間、ある産品は溶液から沈殿した。溶媒を減圧留去して、未精製の残渣を、塩化メチレン溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物の(R)−エナンチオマー3.0gを黄色固体として得た。H−NMR(CDCl):2峰性ピーク7.8δ(2H);2峰性7.6δ(1H);2峰性7.5δ(2H);2峰性7.4δ(2H);2峰性6.95δ(1H);2峰性6.6δ(1H);多峰性4.5δ(1H);2峰性ピークから成る2峰4.0δ(1H);多峰性4.2δ(3H);単峰性2.45δ(3H);単峰性2.4δ(3H)。
【0087】
中間体9
{8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネート
{(2R)−7−ニトロ−8−[(E)−3−オキソ−1−ブテニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾ−ジオキシン−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルフォネート(3.40g、7.83mmole)を200mLの酢酸/エタノール(3:2)に溶解した溶液に、2.25g(40.2mmole)の鉄粉を加え、混合物を窒素の下で還流しながら8時間加熱した。反応完了後、150mLの水を加え、混合物をセライトパッドを通過させてろ過した。ろ液を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。この抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧留去した。残渣を、20%酢酸エチル/ヘキサンから始まり70%酢酸エチル/ヘキサンで終わる勾配溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物の(R)−エナンチオマー2.5gを黄色固体として得た。H−NMR(CDCl):2峰性ピーク8.1δ(1H);2峰性7.6δ(2H);2峰性7.45δ(1H);多峰性7.2δ(4H);多峰性4.6δ(1H);多峰性4.3δ(3H);多峰性4.1δ(1H);単峰性2.5δ(3H);単峰性2.4δ(3H)。
【0088】
中間体10
1−[5−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−1−エタノン
2’、3’、4’−トリヒドロキシアセトフェノン(10.6g、63.0mmole)をDMF(75mL)に溶解した溶液に、炭酸カリウム(17.4g、126mmole)を加えた。5分後、(R)−グリシジルトシレート(9.67g、42.3mmole)を加え、次にこの不均一な混合物を70℃で3時間加熱した。溶媒を減圧留去した後、残渣を水(800mL)に投じ、次に酢酸エチルにて抽出した(4x300mL)。合わせた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、乾燥するまで減圧蒸留した。このようにして得られた未精製褐色油状体を、40%ヘキサン/酢酸エチル溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物の(S)−エナンチオマーを黄色油状体として得た。このものは放置すると固化する(7.5g、78%)。MS(ESI)m/z223(M−H)−
元素分析:C1112・0.10H
計算値:C,58.46;H,5.44
観測値:C,58.02;H,5.09
中間体11
1−[5−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−1−エタノンオキシム
ヒドロキシラミン塩酸(2.38g、34.2mmole)を1:1エタノール/ピリジン(100mL)に溶解した溶液を、1−[(3S)−5−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−1−エタノン(1.92g、8.57mmole)をエタノール(200mL)に溶解した溶液に加えた。次に、これを加熱して窒素の下5時間還流した。冷却後、溶媒を除去し、酢酸エチルで置換した。次に、この溶液を、水(200mL)、2N HCl水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧蒸留して標題化合物の(S)−エナンチオマー1.89g(93%)を灰色固体として得た。融点162℃。MS(ESI)m/z240(M+H)+
元素分析:C1113NO・0.35H
計算値:C,53.81;H,5.62;N,5.71
観測値:C,53.51;H,5.30;N,5.58
中間体12
[2−メチル−7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンゾキサゾール−8−イル]メタノール
3.03g(12.6mmole)の1−[(3S)−5−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]−1−エタノンオキシムを、1:3 N,N−ジメチルアセタミド/アセトニトリル(100mL)に溶解した。この溶液を氷/水浴にて冷却し、酸化塩化リン(1.26mL,35mmole)を1:3 N,N−ジメチルアセタミド/アセトニトリル(30mL)に溶解した溶液を加えた。この反応混合液を、窒素の下48時間攪拌した。次に、これを、氷冷の、酢酸ナトリウム飽和水溶液に加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸留した。得られた未精製油状体は、60%ヘキサン/酢酸エチル溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーによって不純物を除去し、産品を40%ヘキサン/酢酸エチルにて溶出した。溶媒を減圧留去の後、標題化合物の(S)−エナンチオマー2.08g(75%)が白色固体として得られた。融点120℃。MS(ESI)m/z222(M+H)+
元素分析:C1111NO・0.20H
計算値:C,58.77;H,5.11;N,6.23
観測値:C,58.93;H,4.91;N,6.14
中間体13
[2−メチル−7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンゾキサゾール−8−イル]メチル4−メチルベンゼンスルフォネート
[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンゾジオキサゾール−8−イル]メタノール(1.80g、8.14mmole)を塩化メチレン(100mL)に溶解した溶液に、p−トルエンスルフォニルクロリド(3.90g、20.4mmole)を加えた。混合物を氷浴で冷却し、次に、塩化メチレン(20mL)に溶解したジイソプロピルエチルアミン(3.55mL、20.4mmole)の溶液を滴下し、次に、4−ジメチルアミノピリジン(0.65g、5.30mmole)を加えた。この溶液を放置して室温まで温め、窒素の下で一晩攪拌した。反応系を塩化メチレンで容量で500mLに希釈し、2N HCL(200mL)水溶液、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)、および食塩水(150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、黄色油状体が得られるまで減圧蒸留した。この未精製油状体を塩化メチル溶出によるシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで不純物を除去し、3%メタノール/塩化メチレンにて標題化合物の(R)−エナンチオマーを溶出した。このものは、減圧下において白色固体となる(2.56g、84%)。融点123℃。MS(ESI)m/z376(M+H)+
元素分析:C1817NOS・0.20H
計算値:C,57.04;H,4.63;N,3.70
観測値:C,56.75;H,4.62;N,3.51
中間体14
3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンタノン
5−フロオロインドール(6.0g、44.4mmol)および2−シクロペンテン−1−オン(4.5mL、53.3mmol)をニトロメタン(22mL)に溶解した混合物を四塩化炭素−ドライアイス浴にて−20℃まで冷却した。三フッ化ホウ素エーテル(1.6mL、11.1mmol)およびエタノール(2.2mL、43mmol)の混合物を漏斗から滴下して加えた。この反応混合液を2時間、−20℃で攪拌し、次に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で冷却し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機相を水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、9.5gの標題化合物を得た。酢酸エチルで粉砕し、5.6g(58%)の標題化合物が黄色固体として得られた。分析用サンプルを酢酸エチル/メタノールで再結晶させた。融点119−120℃;MS(ESI)m/z218[M+H]
【0089】
元素分析:C1312FNO
計算値:C,71.81;H,5.57;N,6.45
観測値:C,71.52;H,5.41;N,6.35
中間体15
3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンタノン
この化合物は、インドール(2.34g、20mmol)および2−シクロペンテン−1−オン(2.0mL、24.0mmol)を用いて中間体14と類似の方法で調製し、1.7g(44%)の所望の産物を濃い油状体として得た。MS(ESI)m/z200[M+H]
元素分析:C1313NO
計算値:C,78.36;H,6.58;N,7.03
観測値:C,78.21;H,6.49;N,7.10
中間体16
3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンタノン
ジメチルフォルムアミド(20mL)に溶解した水素化ナトリウム(60%油分散液、0.10g、2.3mmole)懸濁液を室温で攪拌した。3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンタノン(1.5g、6.9mmol)の10mLDMF溶液を10分にわたって滴下して加えた。反応混合物を室温でさらに30分間攪拌し、次にヨードメタン(3.1g、21.8mmol)を加えた。24時間、室温で攪拌後、反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、1.6gの未精製物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)により1.2g(81%)の標題化合物が濃い油状体として得られ、放置すると固化する。分析用サンプルを酢酸エチル/ヘキサンで再結晶させた。融点104−105℃;MS(ESI)m/z232[M+H]
【0090】
元素分析:C1414FNO
計算値:C,72.71;H,6.10;N,6.06
観測値:C,72.48;H,5.97;N,5.96
中間体17
N−ベンジル−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンタノン(1.0g、4.61mmol)、ベンジルアミン(0.54g、5.05mmol)および氷酢酸(0.7mL、1.08mmol)の混合物を室温で30分間攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.5g;7.11mmol)を10分間にわたって滴下して加えた。反応物を室温で24時間攪拌した。反応混合物を1N NaOH水溶液(80mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、1.5gの濃い黄色油状体を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチルの7%2M NH溶液)により0.5gのシス異性体(最初の溶出)および0.5gのトランス異性体が得られた。
【0091】
シス異性体:MS(ESI)m/z309[M+H]
【0092】
元素分析:C2021FN・0.50H
計算値:C,75.68;H,6.99;N,8.83
観測値:C,75.91;H,6.67;N,8.70
トランス異性体:MS(ESI)m/z309[M+H]
【0093】
元素分析:C2021FN
計算値:C,77.89;H,6.86;N,9.08
観測値:C,77.22;H,6.91;N,9.31
中間体18
N−ベンジル−3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
この化合物は、3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンタノン(3.0g、15mmol)およびベンジルアミン(1.95mL、18mmol)を用いて中間体17と類似の方法で調製し、4.7gの所望の産物をシスおよびトランス異性体の混合物として得た。これらはフラッシュクロマトグラフィーにより分離し、0.6gのシス異性体(最初の溶出)および1.0gのトランス異性体を得た。
【0094】
シス異性体:MS(ESI)m/z291[M+H]
【0095】
元素分析:C2022・0.25HO(シスA)
計算値:C,72.49;H,7.15;N,8.45
観測値:C,72.75;H,7.12;N,8.46
トランス異性体:MS(ESI)m/z291[M+H]
【0096】
元素分析:C2022・0.25HO(トランス−B)
計算値:C,72.49;H,7.15;N,8.45
観測値:C,72.46;H,7.04;N,8.47
中間体19
N−ベンジル−3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
この化合物は、3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンタノン(1.25g、5.19mmol)およびベンジルアミン(0.66mL、6.2mmol)を用いて中間体17と同様の方法で調製し、1.7gの所望の産物をシスおよびトランス異性体の混合物として得た。これらはシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(3%2M NH、メタノール/酢酸エチル溶液)により分離し、0.4g(23%)のシス異性体および0.45g(27%)のトランス異性体を得た。
【0097】
シス異性体:MS(ESI)m/z323[M+H]
【0098】
元素分析:C2123FN・0.25H
計算値:C,77.15;H,7.25;N,8.57
観測値:C,77.38;H,7.19;N,8.53
トランス異性体:MS(ESI)m/z323[M+H]
【0099】
元素分析:C2123FN・0.10H
計算値:C,77.79;H,7.21;N,8.64
観測値:C,77.68;H,6.99;N,8.69
中間体20
シス−ベンジル−[4−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロヘキシル]−アミン
この化合物は、4−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロヘキサノン(0.6g、2.6mmol)およびベンジルアミン(0.3mL、2.8mmol)を用いて中間体17と類似の方法で調製し、1.0gの所望の産物をシスおよびトランス異性体の混合物として得た。これらはシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(3%2M NH、メタノール/酢酸エチル溶液)により分離し、0.41g(65%)のシス異性体および0.22g(33%)のトランス異性体を得た。
【0100】
シス異性体:MS(ESI)m/z323[M+H]
【0101】
元素分析:C2123FN・0.1H
計算値:C,77.79;H,7.21;N,8.64
観測値:C,77.44;H,7.48;N,8.87
トランス異性体:MS(ESI)m/z323[M+H]
【0102】
元素分析:C2123FN
計算値:C,78.23;H,7.19;N,8.69
観測値:C,78.08;H,7.49;N,8.97
中間体21
シス−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
シス−ベンジル−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.45g、1.46mmol)、0.2g 10%Pd/Cおよびギ酸アンモニウム(1.0g、15.9mmol)のメタノール(30mL)混合溶液を窒素下で4時間還流した。反応混合物を冷却し、セライトを通してろ過し、濃縮した。残渣を1N NaOH(50mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、0.28g(100%)の標題化合物を濃い油状体として得た。MS(ESI)m/z219[M+H]
【0103】
元素分析:C1315FN・0.20H
計算値:C,70.37;H,7.00;N,12.63
観測値:C,70.65;H,6.86;N,12.67
中間体22
トランス−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
トランス−ベンジル−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.45g、1.46mmol)、0.2g 10%Pd/Cおよびギ酸アンモニウム(1.0g、15.9mmol)のメタノール(30mL)混合溶液を窒素下で4時間還流した。反応混合物を冷却し、セライトを通してろ過し、濃縮した。残渣を1N NaOH(50mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、0.28g(100%)の標題化合物を濃い油状体として得た。MS(ESI)m/z219[M+H]
【0104】
元素分析:C1315FN・0.10H
計算値:C,71.54;H,6.93;N,12.83
観測値:C,71.09;H,6.67;N,12.59
中間体23
シス−3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
この化合物は、シス−ベンジル−3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(1.3g、4.48mmol)およびギ酸アンモニウム(1.6mL、25.3mmol)を用いて中間体20と同様の方法で調製し、0.8g(90%)の所望の産物を濃い油状体として得た。これは放置すると固化する。MS(ESI)m/z201[M+H]
【0105】
元素分析:C1316・0.1H
計算値:C,77.27;H,8.08;N,13.86
観測値:C,77.26;H,8.17;N,13.73
中間体24
トランス−3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
この化合物は、トランス−ベンジル−3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.8g、2.8mmol)およびギ酸アンモニウム(1.1mL、17.5mmol)を用いて中間体20と同様の方法で調製し、0.49g(89%)の所望の産物を濃い油状体として得た。これは放置すると固化する。MS(ESI)m/z201[M+H]
【0106】
元素分析:C1316
計算値:C,77.96;H,8.05;N,13.99
観測値:C,77.63;H,8.06;N,13.71
中間体25
シス−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
この化合物は、シス−ベンジル−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.4g、1.2mmol)を用いて中間体20と同様の方法で調製し、0.2g(71%)の標題化合物を濃い油状体として得た。これを精製しないで次の反応に用いた。MS(ESI)m/z233[M+H]
【0107】
中間体26
トランス−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン
この化合物は、トランス−ベンジル−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.42g、1.3mmol)を用いて中間体20と同様の方法で調製し、0.3g(79%)の標題化合物を濃い油状体として得た。これを精製しないで次の反応に用いた。MS(ESI)m/z233[M+H]
【0108】
元素分析:C1417FN・0.25H
計算値:C,71.01;H,7.45;N,11.83
観測値:C,71.14;H,7.52;N,11.67
中間体27
シス−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロヘキシルアミン
この化合物は、シス−ベンジル−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.41g、1.3mmol)を用いて中間体20と同様の方法で調製し、0.24g(81%)の所望の産物を白色固体として得た。融点186−188℃;MS(ESI)m/z233[M+H]
【0109】
元素分析:C1417FN・0.1H
計算値:C,71.83;H,7.41;N,11.97
観測値:C,71.78;H,7.62;N,11.80
中間体28
トランス−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロヘキシルアミン
この化合物は、トランス−ベンジル−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.21g、0.65mmol)を用いて中間体20と同様の方法で調製し、0.135g(89%)の所望の産物を白色固体として得た。融点205−208℃;MS(ESI)m/z233[M+H]
【0110】
元素分析:C1417FN・0.25H
計算値:C,71.01;H,7.45;N,11.83
観測値:C,70.99;H,7.58;N,11.80
実施例1
N−[(シス)−3−(1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
トルエン−4−スルフォン酸8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.3g、0.77mmole)およびシス−3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.26g、1.30mmol)をDMSO(10mL)に溶解した混合物を、80℃で30時間加熱した。冷却した反応混合液を1N NaOH水溶液(50mL)に加え、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50mL)および食塩水(50mL)洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。0.5gの未精製物が得られた。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより0.06g(18%)の所望の産物をフマール酸塩として得た。MS(ESI)m/z414[M+H]
【0111】
元素分析:C2627・C
計算値:C,68.04;H,5.90;N,7.93
観測値:C,67.80;H,6.07;N,7.93
実施例2
N−[(トランス)−3−(1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
この化合物は、トルエン−4−スルフォン酸8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.3g、0.77mmole)およびトランス−3−(1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.26g、1.30mmol)を用いて実施例1と類似の方法で調製し、0.06g(18%)の所望の産物をフマール酸塩として得た。MS(ESI)m/z414[M+H]
【0112】
元素分析:C2627・C
計算値:C,68.04;H,5.90;N,7.93
観測値:C,67.76;H,5.99;N,8.23
実施例3
N−[(シス)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
トルエン−4−スルフォン酸8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.48g、1.2mmole)およびシス−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.35g、1.6mmol)を窒素下、5mLのDMSO中で混合した。この溶液を攪拌し、窒素下、100℃で5時間加熱した。反応物を一晩中放置して室温まで暖めてから、100℃、3時間以上で攪拌、加熱した。溶媒を減圧蒸発させた。残渣をEtOAcと水で分離した。有機相を水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。未精製の残渣をEtOAcとヘキサンの勾配でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。残渣をEtOHに溶解し、過剰なHCl/EtOHを加えた。沈殿物のろ過により0.14gの標題化合物を薄い黄色固体として得た。融点>230℃、MS(APCI)m/z432[M+H]
【0113】
元素分析:C2626FN・2HCl・0.5H
計算値:C,60.82;H,5.69;N,8.18
観測値:C,60.50;H,5.76;N,7.75
上記化合物の220mgサンプルのジアステレオマーを予備のキラルHPLC(キラルセル OD 25×2cm、20%の0.1%ジエチルアミン/エタノールのヘキサン溶液)により分離した。
【0114】
異性体AN−[(1R、3S)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン:0.08gの無色油状体。これをEtOHに溶解し、フマール酸(0.0236g、0.203mmol)を加えた。ろ過により0.0846の標題化合物を白色粉末として得た。融点232−233℃、MS(ESI)m/z432(M+H)
【0115】
元素分析:C2626FN・C・0.25H
計算値:C,65.27;H,5.57;N,7.61
観測値:C,65.20;H,5.50;N,7.56
異性体BN−[(1S、3R)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン:0.0781gの無色油状体。これをEtOHに溶解し、フマール酸(0.0223g、0.192mmol)を加えた。ろ過により0.0763の標題化合物を白色粉末として得た。融点234−235℃、MS(ESI)m/z432(M+H)
【0116】
元素分析:C2626FN・C
計算値:C,65.80;H,5.52;N,7.67
観測値:C,65.50;H,5.39;N,7.57
実施例4
N−[(トランス)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
トルエン−4−スルフォン酸(2R)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.40g、1.0mmol)およびトランス−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.30g、1.4mmol)を、3mLのDMSO中で混合した。この溶液を窒素下、100℃で18時間攪拌した。反応物を室温まで冷却した。DMSOを減圧蒸発させた。残渣を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分離した。有機相を水で2回、食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し油状体を得た。未精製の残渣をEtOAcとヘキサンの勾配を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.15gの標題化合物を黄色油状体として得た。このEtOH溶液にフマール酸を加えた(0.0399g、0.344mmol)。ろ過により0.1471gの標題化合物を薄い黄色固体として得た。融点>245℃、MS(ESI)m/z432(M+H)
【0117】
元素分析:C2626FN・0.5C・0.75H
計算値:C,66.85;H,5.91;N,8.35
観測値:C,66.91;H,5.58;N,8.02
上記化合物の88mgサンプルのジアステレオマーを予備のキラルHPLC(キラルセル OD 25×2cm、エタノール)により分離した。
【0118】
異性体AN−[(1S、3S)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン:0.0211gの油状体。これをEtOHに溶解し、フマール酸(0.0061g、0.053mmol)を加えた。ろ過により0.0173gの標題化合物(半フマール酸塩)を白色固体フマール酸塩として得た。融点>250℃。
【0119】
異性体BN−[(1R、3R)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン:0.025gの油状体。これをEtOHに溶解し、フマール酸(0.0071g、0.061mmol)を加えた。ろ過により0.0180の標題化合物(半フマール酸塩)を白色粉末として得た。融点207−210℃。
【0120】
実施例5
N−[(シス)−3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
この化合物は、トルエン−4−スルフォン酸8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.42g、1.09mmol)および3−シス−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.32g、1.4mmol)を用いて実施例1と類似の方法で調製し、0.16g(33%)の所望の産物を濃い油状体として得た。これをフマール酸塩に変換した。MS(ESI)m/z446[M+H]
【0121】
元素分析:C2728FN・C・H
計算値:C,64.24;H,5.91;N,7.25
観測値:C,64.10;H,5.73;N,6.98
上記化合物の340mgサンプルのジアステレオマーを予備のキラルHPLC(キラルセル OD 25×2cm、0.1%ジエチルアミン/エタノール)により分離した。
【0122】
異性体A:R=9.78分:N−[(1R、3S)−3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンを半フマール酸塩、半水和物(白色固体)としてキャラクタライズした:融点199−200℃;MS(ESI)m/z446[M+H];[α] −24.0℃(c1.0、DMSO)。
【0123】
元素分析:C2728FN・0.50C・0.50H
計算値:C,67.95;H,6.10;N,8.20
観測値:C,67.61;H,5.77;N,7.91。
【0124】
異性体B:R=11.24分:N−[(1S、3R)−3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンをフマール酸塩(白色固体)としてキャラクタライズした:融点200−201℃;MS(ESI)m/z446[M+H];[α] −32.4℃(c0.54、DMSO)。
【0125】
元素分析:C2728FN
計算値:C,66.30;H,5.74;N,7.33
観測値:C,66.10;H,5.70;N,7.33。
【0126】
実施例6
N−[(トランス)−3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
この化合物は、トルエン−4−スルフォン酸8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.49g、1.27mmol)およびトランス−3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.41g、1.8mmol)を用いて実施例1と類似の方法で調製し、0.26g(56%)の所望の産物を濃い油状体として得た。これをフマール酸塩に変換した。MS(ESI)m/z446[M+H]
【0127】
元素分析:C2728FN・C
計算値:C,66.30;H,5.74;N,7.48
観測値:C,65.93;H,5.82;N,7.35
実施例7
N−[(トランス)−3−(5−フロオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
この化合物は、トルエン−4−スルフォン酸8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.5g、1.29mmol)およびシス−4−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロペンチルアミン(0.4g、1.72mmol)を用いて実施例1と類似の方法で調製し、0.116g(20%)の産物をシュウ酸塩として得た。MS(ESI)m/z446[M+H]
【0128】
元素分析:C2728FN・C・1.5H
計算値:C,61.91;H,5.91;N,7.47
観測値:C,62.03;H,5.34;N,7.10
実施例8
(トランス)−N−[4−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
この化合物は、トルエン−4−スルフォン酸8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチルエステル(0.5g、1.29mmol)およびトランス−4−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)−シクロヘキシルアミン(0.4g、1.72mmol)を用いて実施例1と類似の方法で調製し、0.09g(18%)の産物をフマール酸塩として得た。MS(ESI)m/z446[M+H]
【0129】
元素分析:C2728FN・C
計算値:C,66.30;H,5.74;N,7.48
観測値:C,66.54;H,5.94;N,7.91
実施例9
N−[(シス)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−メチル−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
N−[(シス)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}フマレート(実施例3−異性体B、190mg、0.347mmol)および100μL(1.41mmol)のホルムアルデヒド溶液を2mLのTHFに溶解させた懸濁液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(300mg、1.41mmol)を加えた。得られた混合液を、室温で24時間攪拌した。その時、さらにホルムアルデヒド(100μL、1.41mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(275mg、1.30mmol)を加えた。さらに3時間攪拌後、反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(40mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2×20cm SiO、3% MeOH/CHCl)により126mg(82%)の所望の産物が得られ、黄色固体のフマール酸塩に変換した。[αI] −1.9°(c1.0、MeOH);MS(ESI)m/z445[M]
【0130】
元素分析:C2728FN・C・1.5HO・0.10C
計算値:C,63.13;H,6.04;N,7.03
観測値:C,63.41;H,5.69;N,6.64
実施例10
N−[(トランス)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミン
トルエン−4−スルフォン酸(8R)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−1,6,9−トリオキサ−3−アザ−シクロ−ペンタ[a]ナフチレン−8−イルメチルエステル(0.46g、1.2mmol)および3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチルアミン(0.27g、1.2mmol)を窒素雰囲気中、8mLのDMSO内で混合した。この溶液を75−85℃まで窒素下、5時間、加熱した。室温まで冷却した後、反応物を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分離した。有機相を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl、次に1% MeOH/CHCl)により0.175gの標題化合物を灰白色固体として得た。融点、79−82℃;MS(ESI)m/z422(M+H)
【0131】
元素分析:C2424FN・0.18CHCl
計算値:C,66.50;H,5.62;N,9.62
観測値:C,66.87;H,5.79;N,9.25
実施例11
N−[(シス)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミン
トルエン−4−スルフォン酸(8R)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−1,6,9−トリオキサ−3−アザ−シクロ−ペンタ[a]ナフチレン−8−イルメチルエステル(0.38g、1.0mmol)および3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチルアミン(0.50g、2.3mmol)を窒素雰囲気中、8mLのDMSO内で混合した。この溶液を80℃まで窒素下、5時間、加熱した。室温まで冷却した後、反応物を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分離した。有機相を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl、次に1% MeOH/CHCl)により0.23gの標題化合物を白色固体として得た。融点、79−82℃;MS(ESI)m/z422(M+H)
【0132】
元素分析:C2424FN
計算値:C,68.39;H,5.74;N,9.97
観測値:C,68.52;H,6.11;N,9.58
実施例12
N−[(シス)−4−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミン
トルエン−4−スルフォン酸(8R)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−1,6,9−トリオキサ−3−アザ−シクロペンタ[a]ナフチレン−8−イルメチルエステル(0.52g、1.39mmol)およびシス−4−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシルアミン(0.60g、2.6mmol)を窒素雰囲気中、10mLの無水DMSO内で混合した。この溶液を80℃まで窒素下、5時間、加熱した。室温まで冷却した後、反応物を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分離した。有機相を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CHCl、次に1% MeOH/CHCl)により0.26gの標題化合物を淡黄色固体として得た。融点、80−82℃;MS(ESI)m/z436(M+H)
【0133】
元素分析:C2526FN・0.16C14・0.04CHCl
計算値:C,68.99;H,6.31;N,9.28
観測値:C,68.92;H,6.71;N,8.89
実施例13
N−[(1R,3S)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−メチル−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミン
N−[(1R,3S)−3−(5−フロオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンフマレート(200mg、0.365mmol)およびホルムアルデヒド(37%、50μL、0.67mmol)を2:1テトラヒドロフラン/メタノール(3mL)に溶解した混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(155mg、0.73mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩中、攪拌し、次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で反応を抑え、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2×20cmシリカゲル、3%メタノール/塩化メチレン)により115mg(70%)の標題化合物を半固体として得た。これを白色粉末のフマール酸塩に変換した。融点、198−199℃;MS(ESI)m/z446[M+H].[α]5.3°(c1.0、DMSO)。
【0134】
元素分析:C2728FN・0.5C・0.5H
計算値:C,67.95;H,6.10;N,8.20
観測値:C,68.16;H,5.88;N,7.98
本出願において、分子量のような物理的特性、化学式のような化学的特性について範囲を用いる場合は、本出願の実施態様に特異的な範囲の全ての組み合わせ、および全ての副次的組み合わせが含められることが意図される。
【0135】
本文書に引用または記述された、各特許、特許出願および公刊物の開示は、引用することによりその全体を本出願に含める。
【0136】
当業者であれば、本発明の好ましい実施態様について数多くの変更・修正が可能であり、かつ、そのような変更・修正が、本発明の精神から逸脱することなく実行が可能であることが了解されるであろう。従って、付属の特許請求項は、本発明の真の精神および範囲の中に入るとされる、等価的変種は全てこれをカバーするものであることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物、すなわち、
【化1】

式中、
は、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、カルボキシアミド、2から6個の炭素原子のカルボアルコキシ、トリフルオロメチル、1から6個の炭素原子のアルキル、2から6個の炭素原子のアルカノイルオキシ、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、2から6個の炭素原子のアルカンアミド、または、1から6個の炭素原子のアルカンスルフォンアミド;
は、水素、または1から6個の炭素原子のアルキル;
X−Y基は、−N=C(R)−C(R)=N−、−N=C(R)−C(R)=CH−、−N=C(R)−N=CH−、−N=C(R)−O−、−NH=−C(R)=N−、または、−NH−C(R)=CH−;
およびRは、独立に、水素、ハロ、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、または、1から6個の炭素原子のアルキル;
は、水素、または1から6個の炭素原子のアルキル;
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、または、1から6個の炭素原子のアルキル;
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、または、1から6個の炭素原子のアルキル;
Qは以下の式から選択されるヘテロアリール基;
【化2】

式中、
ZはNR12、S、または、O;、
、R、R10およびR11は、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、カルボキシアミド、2から6個の炭素原子のカルボアルコキシ、トリフルオロメチル、1から6個の炭素原子のアルキル、2から6個の炭素原子のアルカノイルオキシ、アミノ、各アルキル基が1から6個の炭素原子を有するモノーまたはジ−アルキルアミノ、2から6個の炭素原子のアルカンアミド、または、1から6個の炭素原子のアルカンスルフォンアミドであり;
12は、水素、または1から6個の炭素原子のアルキル;
mは1から3;
nは1から2;および
pは0から3;
または薬学的に許容し得るその塩である。
【請求項2】
nが2であり、かつmが1である請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項3】
pが0である請求項1または2による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項4】
X−Y基が−N=C(R)−C(R)=CH−または−N=C(R)−O−である請求項1から3のいずれか1項による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項5】
Qが、
【化3】

で表されるヘテロアリール基である請求項1から4のいずれか1項による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項6】
式1a、
【化4】

を含む請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項7】
式1b、
【化5】

を含む請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項8】
N−[(cis)−3−(1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項9】
N−[(trans)−3−(1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項10】
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項11】
N−[(1R,3S)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項12】
N−[(1S,3R)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項13】
N−[(trans)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項14】
N−[(1R,3R)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1による化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項15】
N−[(1S,3S)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項16】
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−メチル−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項17】
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項18】
N−[(1R,3S)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項19】
N−[(1S,3R)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項20】
N−[(trans)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項21】
N−[(cis)−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項22】
N−[(trans)−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシル]−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項23】
N−[(trans)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項24】
N−[(cis)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項25】
N−[(cis)−4−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロヘキシル]−N−{[(8S)−2−メチル−7,8−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−g][1,3]ベンズオキサゾール−8−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項26】
N−[(1R,3S)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)シクロペンチル]−N−メチル−N−{[(2S)−8−メチル−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−f]キノリン−2−イル]メチル}アミンである請求項1の化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項27】
うつ病、不安、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快障害、注意欠陥障害、強迫性障害、社会性不安障害、全般性不安障害、肥満症、摂食障害、血管運動性顔面紅潮、コカインおよびアルコール依存症、および、性的機能不全から選ばれる病態を患っている対象を処置する方法であって、前記方法は、
前記病態を患っている前記対象に対して、請求項1から26のいずれか1項に請求される化合物の治療的有効量を投与する工程を含む。
【請求項28】
前記病態はうつ病であることを特徴とする、請求項27の方法。
【請求項29】
前記病態は、強迫性障害、パニック発作、全般性不安障害、および、社会性不安障害から成る群から選ばれることを特徴とする、請求項27の方法。
【請求項30】
有効量の、請求項1から26のいずれか1項に請求される化合物、および薬学的に許容し得る担体または賦形剤を含む製薬組成物。
【請求項31】
医薬品として使用される、請求項1から26のいずれか1項に請求される化合物。
【請求項32】
うつ病、不安、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快障害、注意欠陥障害、強迫性障害、社会性不安障害、全般性不安障害、摂食障害、血管運動性顔面紅潮、コカインおよびアルコール依存症、および性的機能不全の治療用薬剤の調製における、請求項1から26いずれか1項に請求される化合物の使用。
【請求項33】
前記病態はうつ病であることを特徴とする、請求項32による使用。
【請求項34】
前記病態は、強迫性障害、パニック障害、全般性不安障害、および、社会性不安障害から成る群から選ばれることを特徴とする、請求項32による使用。

【公表番号】特表2006−503040(P2006−503040A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536479(P2004−536479)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/028459
【国際公開番号】WO2004/024732
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(505088569)
【Fターム(参考)】