説明

抗ウイルス処置

より良い抗ウイルス化学療法剤、およびそのような化学療法剤を同定するためのより有効な戦略に対する必要性が存在する。本発明は、ウイルス感染症を予防および処置するための化合物および方法を提供する。いくつかの実施態様において、広域スペクトルの抗ウイルス活性を有する新規化合物が提供される。より特定の実施態様において、その化合物および方法は、ベネズエラウマ脳炎、ウエストナイルウイルス、およびC型肝炎のようなウイルスに対して有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス感染症を予防および処置するための組成物および方法を提供する。本発明は従って、医学、薬理学、ウイルス学、および医薬品化学の分野で適用を有する。
【背景技術】
【0002】
ウイルス感染症を予防または処置するために、少数のよい選択肢しか利用可能ではない。抗ウイルス薬の大部分は、ウイルスゲノムの転写の阻害によってウイルスの複製を妨害する。通常、これらの薬剤は、ポリメラーゼまたは転写酵素のような、ウイルスゲノムの転写に関与する特異的なタンパク質を阻害し、ウイルスは、ウイルスゲノムの複製に関して宿主因子に大きく依存しているので、これらの薬剤は多くの場合望まない毒性を生じる。さらに、標的の高度に特異的な性質を考慮すれば、ウイルスゲノムの小さな変異が、多くの場合化学療法剤に抵抗性のウイルス系統を産生するのに十分である。それに加えて、薬剤は活性なウイルス複製を阻害するので、それらは宿主中で潜在型のまたは隔離されたウイルスを除去できず、従って患者は無期限ではないにしても長期間、抗ウイルス薬を摂取する−およびその毒性作用に耐える−よう強いられる。当然、そのようなレジメの患者は処置を続けられず、そして感染したまま、および潜在的に持続するさらなる感染源を提供し得る。
【0003】
従って、より良い抗ウイルス化学療法剤、およびそのような化学療法剤を同定するためのより有効な戦略に対する必要性が存在する。その必要性は、上記で述べた理由のためによい処置が存在しない、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびC型肝炎(HCV)のような、慢性の、および消耗性のウイルス感染を患う人々にとって特に緊急である。
【0004】
しかし、新しいウイルスの脅威も明らかになりつつある。地球上の最も人里離れた領域への文明化の着実な侵略は、外来のウイルス感染のリスクを集団全体に持ち込んだ。年を経るごとに、エボラウイルス(EBOV)、マルブルクウイルス(Marburg)、およびリフトバレー熱ウイルス(RVFV)のような、出血熱による感染症の報告数が増えている。さらに他のウイルス感染症が、反復性の熱、関節痛、および疲労のような、潜在的に消耗性の作用を引き起こし得る;これらは、Punta Toroウイルス(PTV)、ウエストナイルウイルス(WNV)、チクングニヤウイルス(CHK)、東部ウマ脳炎ウイルス(Easter Equine Encephalitis Virus)(EEEV)、西部ウマ脳炎ウイルス(Wester Equine Encephalitis Virus)(WEEV)、ラッサ(Lhasa)ウイルス(LASV)、およびデングウイルス(DENV)を含む。
【0005】
例として、さらなる「新しい」ウイルス(すなわち、工業化社会に関して新しい)の1つは、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(ベネズエラウマ脳脊髄炎、「VEEV」とも呼ばれる)である。VEEVは、ウマ、ロバ(野生および家畜)、およびシマウマを含む、全てのウマ種の、蚊媒介性のウイルス疾患である。VEEVに感染したウマは、1つまたはそれ以上の以下の徴候を示し得る:熱、抑うつ、食欲減弱、脱力、および中枢神経系の障害(協調欠如、咀嚼動作、頭部の押し付け、「ソーホース」スタンス(「sawhorse」 stance)、回旋、四肢のパドリング動作、および痙攣)。いくつかの場合において、VEEVに感染したウマは、死亡の前に臨床徴候を示さないこともあり得る。VEEVの臨床徴候は、中枢神経系に影響する他の疾患のものと混同し得る。これらは、東部ウマ脳炎、西部ウマ脳炎、アフリカウマ病、狂犬病、破傷風および細菌性髄膜炎を含む。VEEは、毒性の中毒とも間違われ得る。研究室でウイルスを単離することによって、またはウイルスに対する抗体の存在に関して血液を試験することによって、確定診断し得る。
【0006】
ヒトもこの疾患にかかり得る。ウイルスによって感染した健康成人は、高熱および痛みのような、インフルエンザ様の(flu-like)症状を経験し得、そして弱くなった免疫系を有する人々、および若年者および高齢者は、より重症化、または死亡さえし得る。
【0007】
VEEVを引き起こすウイルスは、感染した動物を咬み次いで別の動物またはヒトを咬んで餌とする蚊によって主に伝染する。疾患が広がる速度は、VEEVウイルスのサブタイプおよび蚊集団の密度に依存する。VEEVの動物地方病のサブタイプは、ある地域に風土性の疾患である。一般的に、これらの血清型は、他の地方には広がらない。動物地方病のサブタイプは、げっ歯類−蚊の伝染サイクルと関連する。ウイルスのこれらの形式は、ヒトの病気を引き起こし得るが、一般的にウマの健康に影響を与えない。他方、動物間流行病のサブタイプは、大集団に急速に広がり得る。ウイルスのこれらの形式は、ウマにとって高度に病原性であり、そしてヒトの健康にも影響を与え得る。げっ歯類より、ウマは、その疾患を有し、そして広める主な動物種である。感染したウマは、大量のウイルスをその循環系に生じる。吸血昆虫がそのような動物を餌とする場合、このウイルスを取り込んで、そして他の動物またはヒトに伝達する。ウシ、ブタ、およびイヌのような他の動物は、感染し得るが、一般的にそれらは疾患の徴候を示さない、またはそれの拡散に寄与しない。
【0008】
VEEVの自然に起こる大流行はまれである。1936年、VEEVは、ウマ脳脊髄炎の大きな流行後、ベネズエラにおいて最初に関心のある疾患として認識された。1936から1968年まで、いくつかの南アメリカの国々のウマは、破壊的な大流行を経験した。1969年、その疾患は中央アメリカを通じて北へ移動し、最終的には1971年にメキシコおよびテキサスに到達した。高度に病原性の形式のVEEVは、1971年から米国で起こっていない。しかし、1993年、メキシコチアパス州におけるVEEVの大流行が、米国農務省に、調査活動を一時的に増加させ、そしてメキシコから米国へ入るウマ種の検疫要求を強化するよう促した。大流行の間、疾患のさらなる広がりを防ぐ最も有効な方法は、感染したウマを隔離することである。殺虫剤処理および昆虫繁殖場所を無くすことによって蚊の集団を調節することも、疾患のコントロールを増強する。これらの措置は、大規模なウマ免疫プログラムを伴うべきである。米国のウマは、その疾患がこの国に広がり得る深刻な脅威が存在する場合にのみ、VEEの予防接種をするべきである。
【0009】
VEEと同様なのは、上記で述べたウエストナイルウイルス(「WNV」)である。ウエストナイルウイルスは、1937年にヒトにおいてそのウイルスが最初に同定された、ウガンダの地区の名をとって命名された。ウイルスの大流行は、その時からヨーロッパ、中東、アフリカ、中央アジア、およびオーストラリアにわたる多くの国々で起こった。WNVは、1999年に最初に西半球で検出され、そしてその時からその疾患は、北米、メキシコ、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ジャマイカ、グアドループ、およびエルサルバドルに広がった。症状は、軽症の、インフルエンザ様の病気(熱、頭痛、筋肉および関節痛)、および赤色のでこぼこした発疹から、髄膜炎までの範囲である。まれな場合には、感染した人々は脳炎を発症し、それは高熱、硬直した首、見当識障害、麻痺、痙攣、昏睡、および症例の約10%における死亡を含み得る。
【0010】
VEEVまたはWNV、または上記で列挙した他のウイルスに関して、利用可能な治療または処置はない;従って公衆衛生の専門家は、疾患が検出された領域、または疾患媒介動物(通常蚊)が同定された地域を避けることによる予防を強調する。しかし、世界の人口が増えているので、そのアプローチは理にかなったものではなくなりつつある。さらに、これらの疾患の1つまたは両方、またはトガウイルスおよびフラビウイルス科の他の同様のウイルスが、攻撃において軍隊の人員、または集団の重要な部分を不動化するために、敵対的な政府またはテロリスト組織によって「兵器化され」得ることを恐れる官公吏もいる。
【0011】
物事をさらに複雑にすることに、上記で述べたウイルスの脅威は、ブニアウイルス、フラビウイルス、フィロウイルス、アレナウイルス、およびトガウイルスを含む、認識されたウイルスファミリーのほとんど全てにわたる。ウイルスファミリーはかなりの部分、そのゲノム複製の機構の違いによって定義されるので、ゲノム複製を阻害することに焦点を合わせた治療戦略は、新規の、および特に兵器化されたウイルスの大流行には不適当である。
【0012】
従って、これらおよび他のウイルス疾患のために医薬の処置を提供する強い必要性が存在する。本発明は、これらおよび他の必要性を満たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ウイルス感染を予防および処置するための、新規抗ウイルス化合物および方法を提供する。驚くべきことに、本発明によって提供される化合物および方法は、広い範囲のウイルスファミリーに対して活性であり、そして本発明の化合物および方法は、広域スペクトル抗ウイルス治療としての活性を有する。
【0014】
最初の局面において、本発明は、その薬学的に許容可能な塩、溶媒化合物、および水和物を含む、以下の構造を有する化合物を提供する:
【0015】
【化1】

【0016】
およびRは、水素、ハロ、シアノ、カルボニル、カルボキシル、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルキルオキシ、および任意に置換された低級アルキルカルボニルから成る基から独立に選択される。R−Rは、任意に置換された低級アルキルおよび低級ヒドロキシアルキルから成る基から独立に選択され、そしてさらにRおよびR、およびRおよびRは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、任意に置換された飽和または不飽和5または6員環を独立に形成し得る。しかし、RおよびRがどちらも水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、またはハロゲン化C1−4アルキルから成る基から選択される場合、R−Rはどれも置換または非置換C1−4アルキル、置換または非置換C2−4アルケニルではない;およびRおよびRがどちらも水素である場合、R−Rのどれも、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、ピペラジン−1−イルを形成しない。
【0017】
いくつかの実施態様において、RおよびRの少なくとも1つは水素であり、そしてより特定の前述の実施態様において、RおよびRはどちらも水素である。他の実施態様において、R−Rの少なくとも1つは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、任意に置換された飽和または不飽和5または6員環である;より特定の前述の実施態様において、前述の5または6員環は飽和である。さらにより特定の実施態様は、前述の飽和5または6員環が5員環であるものである。またさらにより特定の実施態様において、前述の飽和5員環は、ピロリルである。
【0018】
別の局面において、本発明は、下記に示す新規化合物およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、および複合体を提供する:
【0019】
【化2】

【0020】
さらに別の局面において、本発明は、ウイルスに感染した動物を処置するための方法を提供し、それはそのような動物に、治療的に有効な量の、その薬学的に許容可能な塩、溶媒化合物、および水和物を含む、以下の構造を有する化合物を投与する工程を含む:
【0021】
【化3】

【0022】
およびRは、水素、ハロゲン、シアノ、カルボニル、カルボキシル、および任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルキルオキシ、および任意に置換された低級アルキルカルボニルから成る基から独立に選択される。R−Rは、任意に置換された低級アルキルおよび低級ヒドロキシアルキルから成る基から独立に選択され、そしてさらにRおよびR、およびRおよびRは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、任意に置換された飽和または不飽和5または6員環を独立に形成し得る。
【0023】
いくつかの実施態様において、そのウイルスは、HCV、VEEV、RVFV、LASV、およびEBOVから成る群から選択される。
【0024】
本発明のこれらの要素および他の局面および利点は、付随する図面と組み合わせて以下の説明を読む場合に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】図1Aおよび1Bは、本発明の化合物を、エボラ(EBOV)感染からマウスを保護するその能力に関して試験した研究を説明する。図1Aは、コントロール群の結果を示す。
【図1B】図1Aおよび1Bは、本発明の化合物を、エボラ(EBOV)感染からマウスを保護するその能力に関して試験した研究を説明する。図1Bは、研究群の結果を示す。
【図2A】図2Aおよび2Bは、本発明の化合物を、マルブルクウイルス感染からマウスを保護するその能力に関して試験した研究を説明する。図2Aは、コントロール群の結果を示す。
【図2B】図2Aおよび2Bは、本発明の化合物を、マルブルクウイルス感染からマウスを保護するその能力に関して試験した研究を説明する。図2Bは、研究群の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
定義
任意に置換された
「任意に置換された」は、一価または二価ラジカルによる水素の置換を指す。適当な置換基は、例えばヒドロキシル、ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、チオ、チオアミド、アミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、低級アルキル、ハロ低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、低級アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキルカルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル等を含む。置換基それ自身も置換され得る。置換基を置換する基(group)は、例えばカルボキシル、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノカルボニル、−SR、チオアミド、−SOH、−SORまたはシクロアルキルであり得、ここでRは典型的には水素、ヒドロキシルまたは低級アルキルである。置換された置換基が直鎖基を含む場合、置換は鎖内(例えば2−ヒドロキシプロピル、2−アミノブチル等)、または鎖の末端(例えば2−ヒドロキシエチル、3−シアノプロピル等)のいずれかで起こり得る。置換された置換基は、直鎖、分岐鎖、または共有結合した炭素またはヘテロ原子の環状配置であり得る。
【0027】

低級アルキルおよび関連する用語
本明細書中で使用される「低級アルキル」は、1から10炭素原子を含む、分岐鎖または直鎖アルキル基を指し、それは独立に非置換、または例えば1つまたはそれ以上のハロゲン、ヒドロキシルまたは他の基で置換される。低級アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、ネオペンチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等を含むがこれに限らない。
【0028】
「アルキル」は、1−20炭素原子を有する、二価の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族ラジカルを指す。本発明の化合物で採用される典型的なアルキル基は、そのバックボーンに1から約6炭素原子を有する低級アルキレニル基である。「アルケニル」は、本明細書中で、1つまたはそれ以上の二重結合および2から20炭素原子を有する直鎖、分岐、または環状ラジカルを指す。「アルキニル」は、本明細書中で、1つまたはそれ以上の三重結合および2から20炭素原子を有する直鎖、分岐、または環状ラジカルを指す。
【0029】
「ハロ低級アルキル」という用語は、1つまたはそれ以上のハロゲン原子で置換された、低級アルキルラジカルを指す。
【0030】
本明細書中で使用される「低級アルコキシ」はRO−であり、ここでRは低級アルキルである。低級アルコキシ基の代表的な例は、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメトキシ等を含む。
【0031】
本明細書中で使用される「低級アルキルチオ(loweralkythio)」はRS−を指し、ここでRは低級アルキルである。
【0032】
「アルコキシアルキル」という用語は、基alk−O−alkを指し、ここでalkはアルキレニルまたはアルケニルであり、そしてalkはアルキルまたはアルケニルである。「低級アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシアルキルを指し、ここでalkは低級アルキレニルまたは低級アルケニルであり、そしてalkは低級アルキルまたは低級アルケニルである。「アリールオキシアルキル」という用語は、基アルキレニル−O−アリールを指す。「アラルコキシアルキル」という用語は、基アルキレニル−O−アラルキルを指し、ここでアラルキルは低級アラルキルである。
【0033】
「シクロアルキル」は、単環または多環式、低級アルキル置換基である。典型的なシクロアルキル置換基は、3から8のバックボーン(すなわち環)原子を有し、ここで各バックボーン原子は、任意に置換された炭素である。シクロアルキル置換基の文脈で使用される場合、「多環式」という用語は、本明細書中で、縮合した、縮合していない環状炭素構造およびスピロ環を指す。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ボルニル、ノルボルニル等を含むがこれに限らない。
【0034】
「シクロへテロアルキル」という用語は、本明細書中で、環構造に、1から5、そしてより典型的には1から4個のヘテロ原子(すなわち、窒素、硫黄、および酸素のような、非炭素原子)を有する、シクロアルキル置換基を指し、環の原子の残りは任意に置換された炭素である。代表的なヘテロシクロアルキル部分は、例えばモルホリノ、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル(methylpryolidinyl)、ピロリジノン−イル等を含む。
【0035】
「(シクロアルキル)アルキル」および「(シクロへテロアルキル)アルキル」という用語は、それぞれシクロアルキルおよびシクロへテロアルキル基で置換されたアルキル鎖を指す。
【0036】
「ハロアルコキシ」という用語は、1つまたはそれ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシラジカルを指す。「ハロ低級アルコキシ」という用語は、1つまたはそれ以上のハロゲン原子で置換された低級アルコキシラジカルを指す。
【0037】

ハロ
「ハロ」は、本明細書中で、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素のようなハロゲンラジカルを指す。
【0038】

アリールおよび関連する用語
「アリール」は、3から14個のバックボーン炭素原子を有する、単環および多環式芳香族基、または少なくとも1つの芳香族環を有する縮合環システムを指す。アリール基の例は、制限無しに、フェニル、ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル等を含む。
【0039】
「アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。典型的には、本発明の化合物で採用されるアラルキル基は、アラルキル基のアルキル部分に組み込まれた、1から6個の炭素原子を有する。本発明の化合物で採用される適当なアラルキル基は、例えばベンジル、ピコリル等を含む。
【0040】

ヘテロアリールおよび関連する用語
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書中で、芳香族環の環原子として1から4個のヘテロ原子を有し、環原子の残りは芳香族または非芳香族炭素原子である、アリール基を指す。アリール置換基と関連して使用する場合、「多環式」という用語は、本明細書中で、例えばベンゾジオキサゾロ(benzodioxozolo)、ナフチル等のような、少なくとも1つの環状構造が芳香族である、縮合および非縮合環状構造を指す。本発明の化合物において置換基として採用される典型的なヘテロアリール部分は、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、インドリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、トリアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、プリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピリジル、およびベンゾイミダゾリル等を含む。
【0041】

アミノおよび関連する用語
「アミノ」は、本明細書中で、基−NHを指す。「低級アルキルアミノ」という用語は、本明細書中で、基−NRR’を指し、ここでRおよびR’はそれぞれ独立に水素または低級アルキルから選択される。「アリールアミノ」という用語は、本明細書中で、基−NRR’を指し、ここでRはアリールであり、そしてR’は水素、低級アルキル、アリール、またはアラルキルである。「アラルキルアミノ」という用語は、本明細書中で、基−NRR’を指し、ここでRはアラルキルであり、そしてR’は水素、低級アルキル、アリールまたはアラルキルである。「ヘテロアリールアミノ」および「ヘテロアラルキルアミノ」という用語は、アリールアミノおよびアラルキルアミノに対する類似によって定義される。
【0042】
「アミノカルボニル」という用語は、本明細書中で、基−C(O)−NHを指す。「低級アルキルアミノカルボニル」、アリールアミノカルボニル」、「アラルキルアミノカルボニル」、「ヘテロアリールアミノカルボニル」、および「ヘテロアラルキルアミノカルボニル」という用語は、−C(O)NRR’を指し、ここでRおよびR’はそれぞれ、上記の対応する用語に対する類似によって、独立に水素および任意に置換された低級アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアラルキルである。
【0043】

チオ、スルホニル、スルフィニルおよび関連する用語
「チオ」という用語は、−SHを指す。「低級アルキルチオ」「アリールチオ」、「ヘテロアリールチオ」、「シクロアルキルチオ」、「シクロへテロアルキルチオ」、「アラルキルチオ」、「ヘテロアラルキルチオ」、「(シクロアルキル)アルキルチオ」および「(シクロへテロアルキル)アルキルチオ」という用語は、−SRを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0044】
「スルホニル」という用語は、本明細書中で、基−SO−を指す。「低級アルキルスルホニル」、「アリールスルホニル」、「ヘテロアリールスルホニル」、「シクロアルキルスルホニル」、「シクロへテロアルキルスルホニル」、「アラルキルスルホニル」、「ヘテロアラルキルスルホニル」、「(シクロアルキル)アルキルスルホニル」、および「(シクロへテロアルキル)アルキルスルホニル」という用語は、−SOR−を指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0045】
「スルフィニル」という用語は、本明細書中で、基−SO−を指す。「低級アルキルスルフィニル」、「アリールスルフィニル」、「ヘテロアリールスルフィニル」、「シクロアルキルスルフィニル」、「シクロへテロアルキルスルフィニル」、「アラルキルスルフィニル」、「ヘテロアラルキルスルフィニル」、「(シクロアルキル)アルキルスルフィニル」、および「(シクロへテロアルキル)アルキルスルフィニル」という用語は、−SORを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0046】

ホルミル、カルボキシル、カルボニル、チオカルボニル、および関連する用語
「ホルミル」は−C(O)Hを指す。
【0047】
「カルボキシル」は−C(O)OHを指す。
【0048】
「カルボニル」は、二価の基−C(O)−を指す。「低級アルキルカルボニル」、「アリールカルボニル」、「ヘテロアリールカルボニル」、「シクロアルキルカルボニル」、「シクロへテロアルキルカルボニル」、「アラルキルカルボニル(aralkycarbonyl)」、「ヘテロアラルキルカルボニル」、「(シクロアルキル)アルキルカルボニル」、および「(シクロへテロアルキル)アルキルカルボニル」という用語は、−C(O)Rを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0049】
「チオカルボニル」は、基−C(S)−を指す。「低級アルキルチオカルボニル」、「アリールチオカルボニル」、「ヘテロアリールチオカルボニル」、「シクロアルキルチオカルボニル」、「シクロへテロアルキルチオカルボニル」、「aralkythiocarbonyloxlthiocarbonyl」、「ヘテロアラルキルチオカルボニル」、「(シクロアルキル)アルキルチオカルボニル」、および「(シクロへテロアルキル)アルキルチオカルボニル」という用語は、−C(S)Rを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0050】
「カルボニルオキシ」は、一般的に基−C(O)−O−を指す。「低級アルキルカルボニルオキシ」、「アリールカルボニルオキシ」、「ヘテロアリールカルボニルオキシ」、「シクロアルキルカルボニルオキシ」、「シクロへテロアルキルカルボニルオキシ」、「アラルキルカルボニルオキシ(aralkycarbonyloxy)」、「ヘテロアラルキルカルボニルオキシ」、「(シクロアルキル)アルキルカルボニルオキシ」、「(シクロへテロアルキル)アルキルカルボニルオキシ」という用語は、−CO(O)Rを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0051】
「オキシカルボニル」は、基−O−C(O)−を指す。「低級アルキルオキシカルボニル」、「アリールオキシカルボニル」、「ヘテロアリールオキシカルボニル」、「シクロアルキルオキシカルボニル(aralkyoxycarbonyloxloxycarbonyl)」、「シクロへテロアルキルオキシカルボニル」、「アラルキルオキシカルボニル」、「ヘテロアラルキルオキシカルボニル」、「(シクロアルキル)アルキルオキシカルボニル」、「(シクロへテロアルキル)アルキルオキシカルボニル」という用語は、−O−C(O)Rを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0052】
「カルボニルアミノ」は、基−NH−C(O)−を指す。「低級アルキルカルボニルアミノ」、「アリールカルボニルアミノ」、「ヘテロアリールカルボニルアミノ」、「シクロアルキルカルボニルアミノ」、「シクロへテロアルキルカルボニルアミノ」、「アラルキルカルボニルアミノ」、「ヘテロアラルキルカルボニルアミノ」、「(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ」、および「(シクロへテロアルキル)アルキルカルボニルアミノ」という用語は、−NH−C(O)Rを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、または(シクロへテロアルキル)アルキルである。それに加えて、本発明は、N−置換カルボニルアミノ(−NR’C(O)R)を含み、ここでR’は任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルであり、そしてRは前の定義を保持する。
【0053】
「カルボニルチオ」は、基−C(O)−S−を指す。「低級アルキルカルボニルチオ」、「アリールカルボニルチオ」、「ヘテロアリールカルボニルチオ」、「シクロアルキルカルボニルチオ」、「シクロへテロアルキルカルボニルチオ」、「アラルキルカルボニルチオ(aralkycarbonylthio)」、「ヘテロアラルキルカルボニルチオ」、「(シクロアルキル)アルキルカルボニルチオ」、「(シクロへテロアルキル)アルキルカルボニルチオ」という用語は、−C(O)SRを指し、ここでRはそれぞれ任意に置換された低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(シクロアルキル)アルキル、および(シクロへテロアルキル)アルキルである。
【0054】

メチレンおよびメチン
本明細書中で使用される「メチレン」という用語は、正式のsp.sup.3混成を有する、非置換、一置換、または二置換炭素原子(すなわち−CRR’−、ここでRおよびR’は水素または独立な置換基である)を指す。
【0055】
本明細書中で使用される「メチン」という用語は、非置換、または正式なsp−混成軌道を有する炭素原子(すなわち−CR=または=CR−、ここでRは水素、置換基である)を指す。
【0056】

疾患を処置するために有用な新規化合物
新規化合物の定義
最初の局面において、本発明は、その薬学的に許容可能な塩、溶媒化合物、および水和物を含む、以下の構造を有する化合物を提供する:
【0057】
【化4】

【0058】
およびRは、独立に、水素、ハロ、シアノ、カルボニル、カルボキシル、および任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルキルオキシ、および任意に置換された低級アルキルカルボニルから成る基から選択される。R−Rは、独立に、任意に置換された低級アルキルおよび低級ヒドロキシアルキルから成る基から選択され、そしてさらにRおよびR、およびRおよびRは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、独立に任意に置換された飽和または不飽和5または6員環を形成し得る。しかし、RおよびRがどちらも、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、またはハロゲン化C1−4アルキルから成る基から選択される場合、R−Rはいずれも、置換または非置換C1−4アルキル、置換または非置換C2−4アルケニルではない;およびRおよびRがどちらも水素である場合には、R−Rはいずれも、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、ピペラジン−1−イル(piperazin−1−yl)を形成しない。
【0059】
上記で示した化合物1の構造式は、暗に全ての等価な共鳴構造を含む。同様に、本明細書中のあらゆる特定の共鳴構造の説明は、特別に他に記載しなければ、全ての等価な共鳴構造を暗に含むよう定義される。そのような共鳴構造およびその等価物の同定は、当業者に周知である。さらに、本明細書中で説明した構造は陽イオン性化合物を記しているが、本発明の化合物はさらに、あらゆる適当な相補的陰イオンと対になった、説明した陽イオンを含むことが理解される。そのような適当な相補的陰イオンの認識は、当業者に明らかである。
【0060】
化合物1のいくつかの実施態様において、RおよびRの少なくとも1つは水素であり、そしてより特定の前述の実施態様において、RおよびRはどちらも水素である。
【0061】
化合物1の他の実施態様において、R−Rの少なくとも1つは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、任意に置換された飽和または不飽和5または6員環である;より特定の前述の実施態様において、前述の5または6員環は飽和である。述べたばかりの化合物1のさらにより特定の実施態様は、前述の飽和5または6員環が、5員環であるものである。さらにより特定の実施態様において、前述の飽和5員環は、ピロリルである。
【0062】
化合物1のさらに他の実施態様において、RおよびRは独立に、ハロゲン、カルボキシル、カルボニル、およびシアノから成る基から選択される。RおよびRが独立に、ハロゲン、カルボキシル、カルボニル、およびシアノから成る基から選択される、化合物1のより特定の実施態様において、RおよびRの少なくとも1つはハロである;そしてさらにより特定の実施態様において、RおよびRの少なくとも1つは、塩素またはフッ素である。さらにより特異的な実施態様において、RおよびRの少なくとも1つはフッ素である、またはRおよびRの少なくとも1つは塩素である。RおよびRが独立に、ハロゲン、カルボキシル、カルボニル、およびシアノから成る基から選択される、化合物1のさらに他の実施態様において、RおよびRの少なくとも1つはハロである、RおよびRはどちらもハロである;そして後者のうち、より特定の実施態様は、RおよびRがどちらも塩素またはフッ素であるものである。後者のさらにより特定の実施態様は、RおよびRがどちらもフッ素であるもの、RおよびRがどちらも塩素であるもの、およびRおよびRの1つが塩素であり、そしてRおよびRの他方がフッ素であるものである。
【0063】
およびRが独立に、ハロゲン、カルボキシル、カルボニル、およびシアノから成る基から選択され、そしてRおよびRがどちらもハロである、化合物1のこれらの実施態様は、さらにR−Rがそれぞれ任意に置換された低級アルキルであるものを含む;そしてより具体的には、R−Rがそれぞれ任意に置換されたメチルまたは任意に置換されたエチルである;およびさらにより具体的には、R−Rがそれぞれメチルまたはエチルである;およびさらにより具体的には、R−Rがそれぞれメチルであるものを含む。
【0064】
別の局面において、本発明は、以下に示す新規化合物およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、および複合体を提供する:
【0065】
【化5】

【0066】
別の局面において、本発明は、以下に示す新規化合物およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、および複合体を提供する:
【0067】
【化6】

【0068】
別の局面において、本発明は、以下に示す新規化合物およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、および複合体を提供する:
【0069】
【化7】

【0070】
別の局面において、本発明は、以下に示す新規化合物およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、および複合体を提供する:
【0071】
【化8】

【0072】
別の局面において、本発明は、以下に示す新規化合物およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、および複合体を提供する:
【0073】
【化9】

【0074】
別の局面において、本発明は、以下に示す新規化合物およびその薬学的に許容可能な塩、水和物、および複合体を提供する:
【0075】
【化10】

【0076】
本発明の化合物の合成
本発明の化合物を、本開示と組み合わせて、当業者に周知の方法および材料を用いて作製し得る。例えば、RおよびRが独立に水素、アルキル、またはハロ、特にフルオロ(fluoro)およびクロロ(chloro)であり、そしてR−Rが独立に低級アルキル、特にメチルまたはエチル、またはそれらが結合するそれぞれの窒素と共にピロリジル環を形成する、上記の化合物1によって記載されたこれらの化合物の実施態様を、当業者によって、公開された米国特許出願番号US2006/0287523A1で記載された手順を用いて作製し得、それは本明細書中でその全体として、および全ての目的のために、参考文献に組み込まれる。実施例を、下記のセクション4.3で提供する。
【0077】
およびRがどちらも水素であり、そしてそれらが結合するそれぞれの窒素を含むR−Rが置換されたピロリジル環を規定する、上記の化合物1によって記載された化合物を、当業者によって、例えばTetrahedron 1997、53(29)、10083−10092;J.Heterocyclic.Chem.1993、30、1693;J.Med.Chem.2007、50(10)、2281−2284;およびHistochemical Journal I(1969)、199−204において提供された手順を用いて作製し得る。これらの参考文献はそれぞれ、本明細書中でその全体として、および全ての目的のために参考文献に組み込まれる。
【0078】
本明細書中で記載されたさらに他の化合物を、当業者によって、公知の方法および材料を用いて作製し得る。
【0079】

ウイルス疾患を処置するための方法
さらに別の局面において、本発明は、ウイルスに感染した動物を処置するための方法を提供し、それはそのような動物に、治療的に有効な量の、その薬学的に許容可能な塩、溶媒化合物、および水和物を含む以下の構造を有する化合物を投与する工程を含む:
【0080】
【化11】

【0081】
およびRは独立に、水素、ハロゲン、シアノ、カルボニル、カルボキシル、および任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルキルオキシ、および任意に置換された低級アルキルカルボニルから成る基から選択される。R−Rは、任意に置換された低級アルキルおよび低級ヒドロキシアルキルから成る基から選択され、そしてさらにRおよびR、およびRおよびRは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、独立に任意に置換された飽和または不飽和5または6員環を形成し得る。
【0082】
いくつかの実施態様において、そのウイルスは、HCV、VEEV、RVFV、LASV、およびEBOVから成る群から選択される。特定の実施態様において、そのウイルスはHCVまたはVEEVである;より特定の実施態様において、そのウイルスはHCVであり、そして他のより特定の実施態様において、そのウイルスはVEEVである。他の実施態様において、そのウイルスはLASV、RVFVまたはEBOVである;より特定の実施態様において、そのウイルスはRVFVであり、他のより特定の実施態様において、そのウイルスはEBOVであり、そしてさらに他のより特定の実施態様において、そのウイルスはLASVである。
【0083】
本発明の化合物は、表1に示すように、HCV、VEEV、RVFV、EBOV、WNV、DENV、LASV、CHK、WEEV、EEEV、およびPTVを含む、多様なファミリーのウイルスにわたって、EC99(μM)によって測定されるような活性を示した:
【0084】
【表1】

【0085】
それに加えて、セクション4.4.2.1で記載したように、公開された方法に従って(Bray、M.、K.Davis、T.Geisbert、C.SchmaljohnおよびJ.Huggins、1998、「A mouse model for evaluation of prophylaxis and therapy of Ebola hemorrhagic fever」 J.Infect.Dis.178:651−661、それは本明細書中でその全体として、そして全ての目的のために参考文献に組み込まれる)、ジメチルメチレンブルー(ジメチルMB)を、エボラ(EBOV)およびマルブルク感染の動物モデルで試験した。その結果を図1Aおよび1B、および図2Aおよび2Bにそれぞれ示す。
【0086】
図1Aは、いかなる化合物も受けなかったコントロール群を示す。コントロールマウスは、3日目を通して健康なようであるが、5日目までに全てストレスの徴候(「ラフリング(ruffling)」)を示す。6日目に半分以上のマウスが死亡した;そして他の半分は明らかにウイルスによる病気であった。10日目までにコントロール群の全てのマウスが死亡した。対照的に(図1B)、本発明の化合物で処置したマウスは、5日を通して症状を示さず、6日目および9日目の間に幾つかのストレスの徴候を示し、そして次いで10日目までに完全に回復した。従って、本発明の化合物は、研究群に対して完全な予防を提供した。
【0087】
図2Aは、いかなる化合物も受けなかったコントロール群を示す。コントロールマウスは、4日を通して健康なようであるが、5日目までに全てストレスの徴候(「ラフリング」)を示し、そして2匹のマウスが死亡した。6日目には、全てのマウスが死亡したか、または病気であった。7日目までに、コントロール群の全てのマウスが死亡した。対照的に、図2Bに示すように、本発明の化合物で処置した全てのマウスは、3日を通して何ら症状を示さなかった。4日目に2匹のマウスが死亡し、そして生き残ったマウスはストレスを示した。6日目までに、4匹のマウスが死亡し、そして残りの6匹はストレスのままであった。しかし9日目までに、生き残ったマウスは回復した。従って、本発明の化合物は、研究群の60%に予防を提供した。
【0088】
上記の表および付随する図で示したデータは、通常非常に狭く特定のウイルス種に向けられた現在の化学療法とはっきり対照的に、本発明は、驚くほど広いスペクトルのウイルスファミリーにわたって、ウイルス感染症を処置するための化合物および方法を提供することを示す。異なるウイルスファミリーは著しく異なる複製のメカニズムを有するので、本発明によって提供される新規化合物および方法は、真に広域スペクトルの抗ウイルス化合物および抗ウイルス処置であると考え得る。
【0089】
本発明の新規化合物を、当業者に公知の方法および材料を用いて処方し、そして患者に投与し得る。同様に、本発明の方法を、当業者に公知の方法および材料を用いて実施し得る。
【実施例】
【0090】
以下の実施例を、本発明のある局面を説明するために、および本発明の実施において当業者を補助するために提供する。これらの実施例は、いかなる方式においても決して本発明の範囲を制限すると考えられない。
【0091】

化合物の合成
化合物3および化合物4の合成
化合物3および化合物4の合成を、スキーム1で説明する。
【0092】
【化12】

【0093】
市販で入手可能な開始材料1aまたは1b(0.1mol)を、窒素環境下に置き、そしてリン酸トリメチル((CHP=O、0.102mol)と化合させた。混合物を、約150℃までゆっくり加熱し(40分以上の時間をかけて)、そして混合物を、最終温度が約200℃で2時間還流した。次いで反応混合物を室温まで冷却し、そしてゆっくりと約100ミリリットル(ml)のNaOH(15g)水性溶液に加えた。生じた水性混合物を、次いで塩化メチレン(CHCl)で抽出し、そしてNaSO/NaOH上で乾燥した。収量2a:10.8g;2b:12.0g。
【0094】
次に、中間体2aまたは2b(77.7mmol)を、約60mlの6N塩酸に溶解し、そしてその溶液をゆっくりとアイスバス(ice bath)下で約20mlのNaNO水性溶液に加えた。生じた混合物を室温で約1時間攪拌した。黄色の沈殿物が形成され、それを回収および冷却2N HClおよびジエチルエーテルで洗浄して、実質的に純粋な望ましい産物3aまたは3bをそれぞれ得た。収量:3a:8.2g;3b:10.0g。
【0095】
産物3a(または3b)(5.0g)を次いで、約80mlの4N HClに懸濁した;そして反応混合物が無色になるまで、十分な亜鉛(Zn)を懸濁液に加えた。無色の混合物をろ過し、そしてろ液を水性NaOHで中和した。その水性溶液を、CHClで抽出した;そしてその有機層をNaSOで乾燥し、そしてCHCl/CHOH(100:3)溶媒混合物で溶出することによって、シリカゲルカラムによるクロマトグラフィーで精製した。収量 4a:3.0g;4b:2.8g。
【0096】

化合物3の合成
約2.0gの硫化ナトリウム(NaS・9HO)を、約8mlの水に溶解し、そして約8.1gの塩化第二鉄を50mlの2N塩酸に溶解した。中間体4a(2.0g)を約20mlの3N HClに溶解し、そして攪拌中、約0.8mlの硫化ナトリウム溶液、および次いで約5mlの塩化第二鉄溶液のアリコートを、2つの溶液それぞれを加えきるまで交互に加えた。最後のアリコートの添加後約2時間攪拌を続け、その間に沈殿物が形成された。沈殿物をろ過した;ろ過ケーキをメタノールに溶解した;そしてろ液をCHClで抽出した(100ml、3回)。有機層を乾燥し(NaSO)、そしてろ過ケーキのメタノール溶液と合わせた。その溶液を濃縮し、そして粗製の産物を、CHCl/CHOH(12:1)で溶出することによって、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィー精製を行い(数回)、続いて減圧乾燥した。収量:12.2mg。
【0097】

化合物4の合成
約6.4gの硫化ナトリウム(NaS・9HO)を、約25mlの水に溶解し、そして約8.1gの塩化第二鉄を、約160mlの2N塩酸に溶解した。中間体4b(5.0g)を、約65mlの3N HClに溶解し、そして攪拌中、約1.25mlの硫化ナトリウム溶液、および次いで約8mlの塩化第二鉄溶液のアリコートを、2つの溶液それぞれを加えきるまで、交互に加えた。最後のアリコートの添加後約12時間攪拌を続け、その間に沈殿物が形成された。その沈殿物(粗製の産物)をろ過し、そしてCHCl/CHOH(14:1)で溶出することによって、シリカゲルカラムによるクロマトグラフィーで精製し(数回)、続いて減圧乾燥した。収量:9.1mg。
【0098】

化合物6の合成
化合物6の合成を、スキーム2で説明する。
【0099】
【化13】

【0100】
3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドの合成
市販で入手可能なフェノチアジン(2.0g、10.0mmol)を、約120mlの実質的に酸素を含まない氷酢酸に溶解し、そして酢酸中の臭素(Br)の溶液(100ml、10%、v/v、195mmol)を、単一のアリコートで激しく攪拌しながらフェノチアジン溶液に加えた。攪拌を約1分間続け、そして次いで約400mlの水を混合物に加え、そこで赤色の沈殿物が形成された。その赤色の沈殿物をろ過し、水およびジエチルエーテル(CHOCH)で洗浄し、そして減圧下で乾燥した。収量:4.4g(粗製、約100%)。
【0101】

化合物6の合成
下に維持した、約250mlのCHCl中のピロリジンの溶液(1.5ml、18mmol)に、まさしく記載したように調製した、約1.0g(2.3mmol)の3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを、単一のアリコートで、激しく攪拌しながら加えた。3時間後、CHClを減圧下で除去し、そして粗製の産物を、約150mlのCHClに溶解し、そして約50mlのHBr(1%、v/v)で1回、そして約50mlの水で1回抽出した。有機層を、NaSO上で乾燥し、濃縮し、そして最初にCHCl/CHOH(20:1)で、そして次いでCHCl/CHOH(10:1)で溶出することによって、粗製の産物を、シリカゲルカラムでのクロマトグラフィー精製を行った(2回)。生じた粗製の産物を、再結晶によって精製し(CHCl/PE、2回)、そして減圧乾燥した。収量:145mg(15%)。
【0102】

化合物7の合成
化合物7を、スキーム3で説明するように作製した。
【0103】
【化14】

【0104】
生物学的研究
エボラ(EBOV)およびマルブルク生ウイルス動物アッセイ
テスト化合物(メチレンブルー、ジメチルMB)を、生理食塩水に800μg/mlで溶解し、そして100μlを、2日目に始めて、腹腔内注射(IP)によって1日2回投与した。
【0105】
テスト化合物(ジメチルMB)を、生理食塩水に160μg/mlで溶解し、そして100μg/mlを、2日目に始めて、IPによって1日2回投与した。
【0106】
化合物(ウイルスなし)および生理食塩水コントロール(群3および4)を、2日目に投与した。全てのウイルス接種(群1、2、および4)を、0日目に始めた。生理食塩水コントロール動物(群4)は、ウイルス接種の前に2日間生理食塩水を投与されたことに注意する。
000pfuのEBOVまたはマルブルクウイルスを、0日目にIPによって、群1、2、4、5、および6に投与した。
【0107】
【表2】

【0108】
マウスを、ラフリング、不動を含む臨床的徴候に関して毎日モニターした。マウスの体重を毎日測定し、そしてその体重を記録した。
【0109】
EBOVに関するその結果を、図1Aおよび1Bに示す。コントロール群のマウス(すなわち未処置マウス)は、3日目までに注目すべき罹患率を有し、そして6日目までに100%の死亡率を有していた。化合物で処置したマウスは、3日目から始まる罹患率を示したが、6日目までに回復し、100%生き残った。
【0110】
マルブルクに関する結果を図2Aおよび2Bに示す。コントロール群のマウスは、4日目にストレスを示し、そして死亡した。
【0111】

ウイルス産生量の抑制および標準的プラークアッセイ
プラーク抑制アッセイ
上記で示した化合物それぞれに関して、2.5μM、10μM、および20μMの濃度で、記載した試験を3組行った。
【0112】
ベロ細胞を、12または24穴プレートにまいた。細胞が80−90%コンフルエントであるときに、それらをそれぞれ100pfuまたは50pfuのVEEVトリニダードウイルスに37℃で1時間、15分ごとに振とうして感染させた。
【0113】
感染後、接種物を除去し、そして1%寒天、1×EMEM、10%FBS、Pen/Strep、および様々な濃度のテスト化合物の最終濃度を有する標準的なプラークアッセイのオーバーレイで置換した。これらは、前もって決定されたか、または高い濃度から「段階希釈」された。テスト薬剤を含まないVEEVトリニダードを、コントロールおよび比較目的にために含めた。
【0114】
12穴プレートは、各ウェルのために1mlのオーバーレイを使用した。24穴プレートは、各ウェルのために0.5mlのオーバーレイを必要とする。
【0115】
プレートを、37℃および5%COで一晩インキュベートした。
【0116】
約24hpiにおいて、1%の寒天、1×EMEM、10%FBS、Pen/Strep、および5%のニュートラルレッドの最終濃度を含む2番目のオーバーレイを含めた;そしてそのプレートを37℃、5%COで一晩インキュベートした。
【0117】
プラークを計測し、そしてデータを記録および分析した。
【0118】
同じアッセイを、EEEV、WNV、CHK、およびWEEVに関して行った;これらのウイルスそれぞれに関する、それぞれのEC99を上記に示す。DENVの活性を、このプロトコールを用いて決定し、ここで細胞を、1の感染効率でDENVに感染させた。その細胞を感染後6日間を通して回収し、そして上記で記載したように分析した。
【0119】

HCV活性アッセイ
レプリコン強度および細胞傷害性
Huh−luc細胞(Bartenschlagaer I389luc−ubi−neo/NS3−3’/ET遺伝子型1bレプリコンを安定に複製する)を、段階希釈の化合物(DMSOを溶媒として使用した)で72時間処理した。レプリコンコピー数を、生物発光によって測定し、そして非線形回帰を行ってEC50を計算した。同じ薬剤の希釈で処理したパラレルプレートを、Promega CellTiter−Glo細胞生存能アッセイを用いて、細胞傷害性に関してアッセイした。
【0120】

感染性HCVに対する強度および細胞傷害性
CD81を過剰発現するHuh−7細胞(Lun−CD81と呼ばれる)を、〜8日間感染させ、この時点でほとんどの細胞が感染し(すなわち、HCVコアタンパク質に関して陽性である)、そしてウイルスを〜10フォーカス形成単位(ffu)/mlで産生する。
【0121】
感染細胞を、96穴および24穴プレートに、それぞれ5×10/ウェルおよび2.5×10/ウェルの濃度で播種した。次の日、細胞をPBSで3回洗浄し、そして化合物の希釈物(完全DMEM中)を各ウェルに加えた。次いで細胞を37℃で3日間インキュベートした。
【0122】
3日間の終わりに、感染およびウイルス産生を、以下の方法で分析した:
a.RNA複製(EC50)−新規NS3プロテアーゼ基質アッセイを用いたEC50分析のために96穴プレートを用いた。
【0123】
b.ウイルス産生(EC50)−上清を24穴プレートから除去し、そして終了点限界希釈アッセイ(end point limit dilution assay)を行い、ここでナイーブ細胞を、さらに3日間感染させて、上清中の感染性ウイルスの量を定量した。次いで細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、そして間接的免疫蛍光を、抗HCVコア抗体を用いて行った。HCV陽性の病巣を各化合物希釈で計測して、EC50値を計算した。
【0124】
c.細胞傷害性(EC50)−96穴プレートを、Promega CellTiter−Gloアッセイを用いたEC50分析のために用いた。
【0125】

RVFVおよびLASVに関する標準的なプラークアッセイ
約540μlの培地(完全EMEM)を、タイターボックスの6列にアリコートに分けた。約60μlの各サンプルを、各列の最初のウェルに加えることによって、サンプル希釈を作製した。全てのサンプルを最初に加え、そして次いでプレート全体で6個の希釈に関して1:10に希釈した(60μlを540μlの中へ、6回上下にピペッティングすることによって各移動の前に完全に混合した)。ポジティブコントロールを含めた。
【0126】
Vero6穴プレートからの培地を、microchemを含むdispo/kill panに移した。そのプレートは、2組で200μl/ウェルであった(上および下)。−6希釈から初めて、以下のパターンによって、−1希釈まで同じチップを用いた:
【0127】
【表3】

【0128】
ウイルスをウェル中に分散するために、サンプルを入れた後、プレートをよく振とうした。
【0129】
サンプルを、37℃で約1時間インキュベートし、中央のプレートが乾燥しない(di not dry out)ように、15分ごとに確実にプレートを振とうした。
【0130】
そのプレートは、水浴中で37℃に温めた2×EBME+10%FBS+1%薬剤(gent)であった。
【0131】
1%アガロース(100mlのdiHO中1gのアガロース)を調製し、そして寒天が溶解するまでマイクロ波で加熱した。残りの溶液を、インキュベーションの間、水浴中で45℃まで冷却した。
【0132】
プレートをインキュベーターから取り、そして同量の2×EBMEおよび1%アガロースを、オーバーレイの直前に混合した(凝集および凝固を避けるため。ウェルあたり約2mlのオーバーレイ培地(2×EBME+suppl/1%アガロース)、約12mlのオーバーレイ/プレートを加えた。
【0133】
3日目に、2mlのオーバーレイ培地+4%ニュートラルレッド溶液(4ml/100mlのオーバーレイ)で、もう1度オーバーレイを行った。
【0134】
各希釈におけるプラークの数を、次の日に測定した。
【0135】

結論
当業者は、前述のことから、本発明は、既存の抗ウイルス治療に対する重要な追加である新規化合物および方法を提供し、そして真に広域スペクトルの抗ウイルス活性を提供することを認識する。後者の性質は、既存のウイルス、新規に発生したウイルス、および兵器化されるウイルスからの増加する脅威に取り組むことができる化学療法剤を提供するために重要である。様々な特定の実施態様および実施例が本明細書中で記載されたが、当業者は、本発明の多くの異なる実行を、本開示の意図または範囲から離れることなく達成し得ることを理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化15】

を有する化合物であって、その薬学的に許容可能な塩、溶媒化合物、および水和物を含み、ここで:
およびRは、水素、ハロ、シアノ、カルボニル、カルボキシル、および任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルキルオキシ、および任意に置換された低級アルキルカルボニルから成る基から独立に選択され;そして
−Rは、任意に置換された低級アルキルおよび低級ヒドロキシアルキルから成る基から独立に選択され、そしてさらにRおよびR、ならびにRおよびRは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、任意に置換された飽和または不飽和の5または6員環を独立に形成し得;
およびRがどちらも水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、またはハロゲン化C1−4アルキルから成る基から選択される場合、R−Rはどれも置換または非置換C1−4アルキル、置換または非置換C2−4アルケニルではなく、そしてRおよびRがどちらも水素である場合、R−Rのどれも、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、ピペラジン−1−イルを形成しない、
化合物。
【請求項2】
およびRの少なくとも1つが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRのどちらも水素である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
−Rの少なくとも1つは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、任意に置換された飽和または不飽和の5または6員環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記5または6員環は飽和である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記5または6員環が5員環である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記5員環は、ピロリルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
【化16】

の構造を有する請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
およびRは独立に、ハロゲン、カルボキシル、カルボニル、およびシアノから成る基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
およびRの少なくとも1つはハロである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
前記RおよびRの少なくとも1つは、塩素またはフッ素である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記RおよびRの少なくとも1つはフッ素である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記RおよびRの少なくとも1つは塩素である、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
およびRはどちらもハロである、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
およびRがどちらも塩素またはフッ素である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
およびRがどちらもフッ素である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
およびRがどちらも塩素である、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
およびRの1つが塩素であり、そしてRおよびRの他方がフッ素である、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
−Rの各々が任意に置換された低級アルキルである、請求項15に記載の化合物。
【請求項20】
−Rの各々が任意に置換されたメチルまたは任意に置換されたエチルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
−Rの各々がメチルまたはエチルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
−Rの各々がメチルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
ウイルスに感染した動物を処置するための方法であって、そのような動物に、治療的に有効な量の、以下の構造:
【化17】

を有する化合物(その薬学的に許容可能な塩、溶媒化合物、および水和物を含む)を投与する工程を含み、ここでRおよびRは、水素、ハロゲン、シアノ、カルボニル、カルボキシル、および任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルキルオキシ、および任意に置換された低級アルキルカルボニルから成る基から独立に選択され、そしてR−Rは、任意に置換された低級アルキルおよび低級ヒドロキシアルキルから成る基から独立に選択され、そしてさらにRおよびR、ならびにRおよびRは、それらがそれぞれ結合する窒素と共に、任意に置換された飽和または不飽和5または6員環を独立に形成し得る、方法。
【請求項24】
前記ウイルスが、HCV、VEEV、RVFV、LASV、およびEBOVから成る群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ウイルスがHCVまたはVEEVである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ウイルスがHCVである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ウイルスがVEEVである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ウイルスがLASV、RVFVまたはEBOVである、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記ウイルスがRVFVである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ウイルスがEBOVである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ウイルスがLASVである、請求項28に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate


【公表番号】特表2010−523591(P2010−523591A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502312(P2010−502312)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/059326
【国際公開番号】WO2008/124550
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(509273455)プロセッタ バイオコンフォーマティクス インコーポレイテッド (1)
【出願人】(509273422)
【出願人】(509273466)
【出願人】(509273477)
【出願人】(509273433)
【出願人】(509273488)
【Fターム(参考)】