説明

抗ストレス薬剤のスクリーニング方法及び有効性の判定方法

【課題】新規な抗ストレスバイオマーカーを利用した抗ストレス薬剤のスクリーニング方法、抗ストレス薬剤の有効性の判定方法、及び抗ストレス薬剤の有効性判定用キットを提供すること。
【解決手段】抗ストレス薬剤を服用している哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上を検出し、抗ストレス薬剤の非服用時の場合と比較・評価することにより、抗ストレス薬剤の有効性を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ストレス薬剤のスクリーニング方法や、抗ストレス薬剤の有効性の判定方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑化した現代社会において、多くの人がストレスを受けている。さらには長引く不況下で、リストラ、失業などますます現代人の受けるストレスが増えている。ストレスは、生体内の酸化を促進し、特に中高年の胃潰瘍、がん、心血管系疾患など多くの疾病の引き金となり得る。
【0003】
生体におけるストレスを測定する方法としては、例えば、新規ストレスタンパク質p20の抗体を用いたストレスタンパク質p20の測定方法や(例えば、特許文献1参照)、ヒト老化マーカー及びストレスマーカーを認識するAsp151がβD体であるαAクリスタリンに対して特異的な抗体を提供し、この抗体を組織・細胞に適用して、人の老化又は人のストレスのマーカーを検出するための方法や(例えば、特許文献2参照)、哺乳動物の血液中に存在するトリプトファンの濃度の変化率を指標にストレスを測定することを特徴とする測定方法(例えば、特許文献3参照)や、一定の個体のストレス量の指示要素として遊離の唾液中の副腎皮質ホルモンの量を用いてその視床下部−副腎の系における活性を測定することにより一定の哺乳類動物におけるストレスの量を測定するための方法(例えば、特許文献4参照)等が知られている。また、その他にも、ピラゾロン誘導体又はその薬学的に許容される塩を投与した被験者の生体中のモノ不飽和脂肪酸の含有量を測定することを含む、当該ピラゾロン誘導体又はその薬学的に許容される塩が有する酸化ストレス抑制作用の有効性を評価する方法(例えば、特許文献5参照)や、酸化ストレス抑制作用を有すると予想される薬剤を投与した被験者の血漿中のモノ不飽和脂肪酸、ユビキノン−10又はコレステロールエステルヒドロペルオキシドの含有量を測定することを含む、当該薬剤が有する酸化ストレス抑制作用の有効性を評価する方法(例えば、特許文献6参照)が知られている。
【0004】
一方、プラスミノーゲンは、肝で産生される線溶系の重要な因子の1つであり、プラスミノーゲンアクチベータにより活性化されプラスミンとなり、フィブリンとフィブリノーゲンを分解する。プラスミンは血中に存在するα−プラスミンインヒビターにより速やかに失活されるため、その前駆物質であるプラスミノーゲンを測定することによって生体内の凝固・線溶状態を推測することができる。また、マクログロブリンと呼ばれるタンパク質には、αマクログロブリンとIgMとがあり、αマクログロブリンは、タンパク分解酵素阻害、ホルモン結合などの機能を有することが知られている。さらに、補体成分は、体液中に存在する一群のタンパク質で、主に免疫、炎症反応に関与しているとされており、C1〜C9の種類が確認されている。これらのうちC4はリウマチなどの検査薬として利用されている。また、グルタチオンペルオキシダーゼは、還元型グルタチオンを利用して、過酸化水素や脂質ヒドロペルオキシドを還元し、水やヒロドロキシ型脂質を精製する活性をもつ抗酸化酵素であり、ストレス個体で上昇するとされている。そして、グルタチオンペルオキシダーゼを指標物質とした酸化的ストレス判断解析表なる発明が提案されている(例えば、特許文献7参照)。また、グルタチオンペルオキシダーゼをコードする遺伝子の発現を指標とすることで酸化的損傷に対するヒトの相対的感受性を評価する方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−181180号公報
【特許文献2】特開2002−107363号公報
【特許文献3】特開2004−198325号公報
【特許文献4】特表2005−506516号公報
【特許文献5】特開2003−083977号公報
【特許文献6】再公表03/024446号公報
【特許文献7】特開平10−155454号公報
【特許文献8】特表2004−528840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、新規な抗ストレスバイオマーカーを利用した抗ストレス薬剤のスクリーニング方法、抗ストレス薬剤の有効性の判定方法、及び抗ストレス薬剤の有効性判定用キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、以前にストレスに関与する有効なバイオマーカーを見い出しているが、これらの研究をもとにさらに鋭意研究を重ねたところ、ストレス性潰瘍予防食品として知られている食肉を原料とする酵素処理産物(特許公開2003-102427参照)を哺乳動物に投与し、ストレスを抑制させて前記哺乳動物の血清の成分を調べたところ、ストレスが抑制された際に変化する抗ストレスバイオマーカーを発見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、(1)非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、抗ストレス候補薬剤を投与し、該抗ストレス候補薬剤を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1-マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上を検出し、非ヒト哺乳動物に抗ストレス候補薬剤を投与しない場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤のスクリーニング方法や、(2)非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、抗ストレス候補薬剤を投与し、該抗ストレス候補薬剤を投与した非ヒト哺乳動物の血清からプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体を検出し、非ヒト哺乳動物に抗ストレス候補薬剤を投与しない場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤のスクリーニング方法に関する。
【0009】
また本発明は、(3)抗ストレス薬剤を服用している哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上を検出し、抗ストレス薬剤の非服用時の場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤の有効性の判定方法や、(4)抗ストレス薬剤を服用している哺乳動物から採取した血清中のプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体を検出し、抗ストレス薬剤の非服用時の場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤の有効性の判定方法に関する。
【0010】
さらに本発明は、(5)プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4の1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、これらのいずれかに特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とする抗ストレス薬剤の有効性判定用キットに関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の抗ストレス薬剤のスクリーニング方法によれば、ストレスを負荷させて抗ストレス候補薬剤を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼを検出することにより、試験動物を殺すことなく、抗ストレス薬剤をスクリーニングすることができる。前記抗ストレス薬剤はストレスの治療剤として有用であり、生体に含まれる成分を指標としていることから、オーダーメイドの抗ストレス薬剤のスクリーニング方法への応用も期待される。
【0012】
また、本発明の抗ストレス薬剤の有効性の判定方法によれば、抗ストレス薬剤が効果を表す際に変化する抗ストレスバイオマーカー又はそれに対する抗体を検出することで、非侵襲的に抗ストレス薬剤の有効・無効性の判定が可能であり、これらの新規抗ストレスバイオマーカーを含有する抗ストレス薬剤の有効性判定用キットは、汎用性に富み、高精度かつ高感度で抗ストレス薬剤の有効性を判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の抗ストレス薬剤のスクリーニング方法としては、非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、抗ストレス候補薬剤を投与し、該抗ストレス候補薬剤を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント(以下「α1−マクログロブリンフラグメント」という)、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント(以下「補体成分4aフラグメント」という)、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上を検出し、非ヒト哺乳動物に抗ストレス候補薬剤を投与しない場合と比較・評価する方法(以下、スクリーニング方法[1]ともいう。)や、非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、抗ストレス候補薬剤を投与し、該抗ストレス候補薬剤を投与した非ヒト哺乳動物の血清からプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体を検出し、非ヒト哺乳動物に抗ストレス候補薬剤を投与しない場合と比較・評価する方法(以下、スクリーニング方法[2]ともいう。)であれば、特に制限されず、上記非ヒト動物としては、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル等をあげることができる。上記ストレスを付加する方法としては、水浸法、拘束法、水浸拘束法、床電撃法等の公知のストレス負荷方法を挙げることができる。また、上記抗ストレス候補薬剤としては、ペプチド、タンパク質、核酸、合成化合物、微生物発酵物、海洋生物抽出物、植物抽出物、原核細胞紬出物、真核単細胞抽出物、動物細胞抽出物等を挙げることができる。なお、本発明において、血清には、便宜上血漿も含まれる。
【0014】
本発明における二次元電気泳動法としては、例えば等電点と分子量というタンパク質の有する2つの物性面から分離を行う方法であれば特に制限されるものではなく、一般的には、まずキャピラリーゲルや市販のストリップゲルなどを分離媒体として等電点電気泳動を行い、泳動を終了したゲルを第2の平面状のSDS−ポリアクリルアミドゲル(slab gel)に載せ、等電点電気泳動の展開方向に対して直角の方向に電気泳動することにより行うことができ、より好適には文献(J.Korean Med. Sci.,18(4) 505 2003;Electrophoresis,23(15),2513 2002)記載の方法や、下記実施例による方法を挙げることができ、下記実施例に記載した方法が、ストレス負荷後に変化するタンパク質の増減を視覚できるため、抗ストレス候補薬剤を投与しない場合との比較・評価の点から好ましい。また、SDS−ポリアクリルアミドゲルから、血清中のタンパク質を分離する方法としては、「プロテオーム解析のための2次元電気泳動ガイド(バイオ・ラッド(株)社)」記載の方法に準じて行うことができる。
【0015】
上記スクリーニング方法[1]において、抗ストレス候補薬剤を投与しない場合と比較して、プラスミノーゲンの検出量が有意に増加した場合、α1−マクログロブリンフラグメントの検出量が変化しない場合、補体成分4aフラグメントの検出量が有意に減少した場合、及びグルタチオンペルオキシダーゼの検出量が変化しない場合のいずれかの場合は、抗ストレス候補薬剤は抗ストレス薬剤と評価される。そして、検出量の減少及び増大の判定は、例えばクマシーブルー等の染色液にて、プラスミノーゲン、α1-マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼの各スポットを視覚化することで容易に行うことができ、また前記スポットを切り出し、トリプシン等のプロテアーゼで消化し抽出された成分を質量分析等により直接定量し、その増減を判定することにより行うこともできる。
【0016】
また、上記スクリーニング方法[2]において、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体の検出方法としては特に制限されないが、具体的には、抗原と抗体の結合反応を利用した免疫学的検出法等を好適に挙げることができる。例えば、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼの検出方法としては、標識した抗プラスミノーゲンモノクローナル抗体、標識したα1−マクログロブリンフラグメントモノクローナル抗体、標識した抗補体成分4aフラグメントモノクローナル抗体、又は標識した抗グルタチオンペルオキシダーゼモノクローナル抗体を用い、また、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、又はグルタチオンペルオキシダーゼに特異的に結合する抗体の検出方法としては、標識又はペプチドタグ化したプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼを用いて、例えばイムノクロマト法、ELISA法等の免疫学的検出法を挙げることができる。標識物質としては、アルカリフォスファターゼ、HRP等の酵素、抗体のFc領域、GFP等の蛍光物質などを具体的に挙げることができ、またペプチドタグとしては、HA、FLAG、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質、ビオチン化ペプチド、オリゴヒスチジン等の親和性タグなどの従来知られているペプチドタグを具体的に例示することができる。
【0017】
上記スクリーニング方法[2]において、プラスミノーゲンの検出量が有意に増加した場合、α1−マクログロブリンフラグメントの検出量が変化しない場合、補体成分4aフラグメントの検出量が有意に減少した場合、及びグルタチオンペルオキシダーゼの検出量が変化しない場合のいずれかの場合は、抗ストレス候補薬剤は抗ストレス薬剤と評価される。また、プラスミノーゲンに特異的に結合する抗体の検出量が有意に増加した場合、α1-マクログロブリンフラグメント又はグルタチオンペルオキシダーゼに特異的に結合する抗体の検出量が変化しない場合、補体成分4aフラグメントに特異的に結合する抗体の検出量が有意に減少した場合のいずれかの場合は、抗ストレス候補薬剤はストレス抑制物質と評価される。
【0018】
本発明の抗ストレス薬剤の有効性の判定方法としては抗ストレス薬剤を服用している哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上を検出し、抗ストレス薬剤の非服用時の場合と比較・評価する方法(以下、有効性判定方法[1]ともいう。)や、抗ストレス薬剤を服用している哺乳動物から採取した血清中のプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体を検出し、抗ストレス薬剤の非服用時の場合と比較・評価する方法(以下、有効性判定方法[2]ともいう。)であれば特に制限されず、上記哺乳動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル等を挙げることができる。また、本発明に用いる比較対象試料としての健常な哺乳動物の血清は、ストレスが負荷されていない健常な哺乳動物の血清を使用することができる。
【0019】
上記有効性判定方法[1]において、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較して、プラスミノーゲンの検出量が有意に増加した場合、α1−マクログロブリンフラグメントの検出量が変化しない場合、補体成分4aフラグメントの検出量が有意に減少した場合、及びグルタチオンペルオキシダーゼの検出量が変化しない場合のいずれかの場合、評価対象の抗ストレス薬剤は有効な抗ストレス薬剤と判定されることになる。また、上記有効性判定方法[1]において、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較して、プラスミノーゲンの検出量が有意に増加しなかった場合、α1-マクログロブリンフラグメントの検出量が変化した場合、補体成分4aフラグメントの検出量が有意に減少しなかった場合、及びグルタチオンペルオキシダーゼの検出量が増加する場合のいずれかの場合、評価対象の抗ストレス薬剤は有効な抗ストレス薬剤と判定されないことになる。そして、検出量の減少及び増大の判定は、前記スクリーニング方法[1]におけると同様に行うことができる。
【0020】
上記有効性判定方法[2]において、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較して、プラスミノーゲンの検出量が有意に増加した場合、α1−マクログロブリンフラグメントの検出量が変化しない場合、補体成分4aフラグメントの検出量が有意に減少した場合、及びグルタチオンペルオキシダーゼの検出量が変化しない場合のいずれかの場合、評価対象の哺乳動物はストレスと判定され、プラスミノーゲンに特異的に結合する抗体の検出量が有意に増加した場合、α1−マクログロブリンフラグメント又はグルタチオンペルオキシダーゼに特異的に結合する抗体の検出量が変化しない場合、補体成分4aフラグメントに特異的に結合する抗体の検出量が有意に減少した場合のいずれかの場合は、評価対象の抗ストレス薬剤は有効な抗ストレス薬剤と判定されることになる。また、ストレス判定方法[2]において、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、及びグルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかのタンパク質に特異的に結合する抗体の検出方法としては特に制限されないが、具体的には、抗原と抗体の結合反応を利用した免疫学的検出法等を好適に挙げることができる。例えば、前記スクリーニング方法[2]におけると同様に行うことができる。
【0021】
本発明の抗ストレス薬剤の有効性の判定方法を用いると、例えばストレスに起因する、胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などを早期に治療しうる、各患者に好適な抗ストレス薬剤を見い出すことができる。
【0022】
本発明の抗ストレス薬剤の有効性判定用キットとしては、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、及びグルタチオンペルオキシダーゼのうちのいずれか1種以上のタンパク質、若しくはこれらのいずれかに特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたキットであれば特に制限されず、本発明の抗ストレス薬剤の有効性判定用キットは、ヒト、ペット等のストレス性疾患、例えばストレスに起因する、胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などの治療に有用な抗ストレス薬剤の判定用キットとして有用である。
【0023】
本発明に使用するプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、又はグルタチオンペルオキシダーゼに特異的に結合する抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的に挙げることができ、これらは上記プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、又はグルタチオンペルオキシダーゼを抗原として用いて常法により作製することができるが、その中でもモノクローナル抗体がその特異性の点でより好ましい。
【0024】
プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、又はグルタチオンペルオキシダーゼに対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外)にプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンフラグメント、補体成分4aフラグメント、若しくはグルタチオンペルオキシダーゼ、又はエピトープを含む断片、又は該タンパク質を膜表面に発現した細胞を投与することにより産生され、例えばモノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物により産生される抗体をもたらす、ハイブリドーマ法(Nature 256, 495-497, 1975)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Immunology Today 4, 72, 1983)及びEBV−ハイブリドーマ法(MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, pp.77-96, Alan R.Liss, Inc., 1985)など任意の方法を用いることができる。
【0025】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
(試験動物の調製)
[抗ストレス薬剤としての酵素処理食肉の調製]
脂肪や結合組織をできるだけ取り除いた後細切した豚モモ肉に対してプロテアーゼ「アマノ」PおよびSを各50ppmずつ添加し、50℃で3時間の反応後、80℃で1時間の失活処理を行った。これをHydrolyzed Pork Meat(以下HPM)とした。このHPM(50mg/100g・体重)を用いて、胃炎・胃潰瘍予防効果を検証し、ストレス性胃潰瘍の評価系として水浸拘束試験を行った。なお、対照として生理食塩水(1ml/100g・体重)を、比較として加熱豚肉(50mg/100g・体重)を用いた。
【0027】
[水浸拘束試験及びストレス性胃潰瘍の評価]
1週間の予備飼育を行った7週齢のSD(Sprague-Dawley)雄性ラット(体重150g〜180g)を用い、1日1回7日間連続で飼料を経口投与した。24時間の絶食後、ストレスケージに動物を入れ、剣状突起の高さまで水に浸し、10時間の水浸拘束を行った。また、上記飼料とは別に、試験区としてHPM(50mg/100g・体重)、対照区として生理食塩水(1ml/100g・体重)、比較区として加熱豚肉(50mg/100g・体重)を1日1回7日間それぞれ経口投与した(各区n=3)。10時間の水浸拘束後、動物をエーテル致死させ、直ちに胃を摘出し胃大湾側に沿って切断後、潰瘍部分面積の計測により潰瘍指数を求めた。結果を図1に示す。その結果、HPMを50mg/100g・体重投与したラットの潰瘍指数は、生理食塩水を投与した対照および加熱豚肉を50mg/100g・体重投与したラットに比べ、有意に減少した。
【実施例2】
【0028】
(抗ストレスバイオマーカーの同定)
[採血]
1週間の予備飼育を行った7週齢のSD(Sprague-Dawley)雄性ラット(体重150g〜180g)を用い、1日1回7日間連続で飼料及びHPM(50mg/100g・体重)を経口投与した。24時間の絶食後、ストレスケージに動物を入れ、剣状突起の高さまで水に浸し、10時間の水浸拘束を行った。水浸拘束前後に採血を行った。得られた血液は室温で1時間静置した後、遠心分離(3,000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。なお、ストレス負荷前血清は、24時間の絶食をする前にエーテル麻酔し、負荷のかからない尾静脈より採取した。また、胃潰瘍発症後のストレス負荷後血清は、10時間の水浸拘束後にエーテル麻酔し、血液をなるべく全量採取できる心臓より採取し、二次元電気泳動に供試した。なお、対照として生理食塩水(1ml/100g・体重)を用いた。
【0029】
[2次元ディファレンスゲル電気泳動解析(2D DIGE)]
二次元電気泳動は、「Ettan DIGE 簡易マニュアル(GE Healthcare社)」記載の方法に準じて、解析用とピック(Pick)用をそれぞれ別個に行った。水浸拘束試験によって得られた血清をMontage Albumin Deplete Kit(Millipore Corporation社製)、及び2-D Clean-Up Kit(GE Healthcare社製)で処理し、風乾したものを溶解液(7M 尿素、2M チオ尿素、4% CHAPS、0.03M Tris)で5mg/mlに調製した。(解析用は、水浸拘束によるストレス負荷前、水浸拘束によるストレス負荷後、およびこれらの等量混合物をそれぞれCy3、Cy5、Cy2(GE Healthcare社製)で標識し、サンプルとした。)サンプルに2×サンプルバッファー(7M 尿素、2M チオ尿素、4% CHAPS、2% DTT)を等量混合したのち、膨潤バッファー(7M 尿素、2M チオ尿素、2% CHAPS、1% DTT、0.002% BPB)に溶解し、IPGバッファー(pH3−10)(GE Healthcare社製)を終濃度1%となるように添加して1次元目の電気泳動に供した。一次元目にはpH3〜10の範囲のImmobilineドライストリップを用い、ゲル1枚あたり解析用は150μg、ピック用は600μgのタンパク質量に相当するサンプルをアプライした。Immobilineドライストリップは乾燥防止のためにミネラルオイルを重層し、Ettan IPGphor(GE Healthcare社製)により等電点電気泳動を行った。等電点電気泳動が完了したImmobilineドライストリップは還元アルキル化した後、ゲル濃度10%で調製したポリアクリルアミドゲルにアプライし、二次元目の電気泳動を行った。電気泳動が完了した解析用ゲルは、Tyhoon 9400(GE Healthcare社製)により画像を読み込んだ。また、ピック用ゲルは、Deep Purple(GE Healthcare社製)で染色したのちTyphoon9400にて画像を読み込んだ。
【0030】
[画像解析]
水浸拘束によるストレス負荷前後の泳動像を、HPM投与及び生理食塩水投与の各々につき、Decyder(GE Healthcare)ソフトウェアで解析し、解析用ゲルを用いて変化のあるスポットを見出し、ピック用ゲルとマッチングさせた。なお、ストレス負荷後のタンパク質の検出量が増加したものは赤色で、減少したものは緑色で表示されている(図2上参照)。また、変化のあった4スポット(5,23,26,32)を青数字で示す(図2下参照)。青数字5で示されるスポットa、青数字26で示されるスポットb、青数字23で示されるスポットc、青数字32で示されるスポットd(図3上参照)、の各スポットについての検出量の測定結果を図3〜6に示す。
【0031】
[タンパク質同定]
変化が見られたスポットをピック用ゲルから切り出し、トリプシンでゲル内消化後、ペプチド混合物を抽出した。MALDI-TOF/TOF MS Ultraflex (Bruker Daltonics)を用い、MALDI-TOF/MS(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization-Time of Flight/MassSpectrometry;マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析法)により分解成分の分子量を測定し得られたピークを解析後、Mascot検索で、Database1:NCBInr、Peptide Mass Tolerance:±0.1〜1.0Da、Fragment Mass Tolerance:±0.5〜1.5Da、Max Missed Clevages:1の検索条件によりコンビネーションサーチを行い、ゲノム及びタンパク質データベースから検索したところ、表1(HPM投与により水浸拘束ストレス胃潰瘍の予防個体で変化するたんぱく質)に示すように、プラスミノーゲン(等電点:6.79、分子量:93214)、α1−マクログロブリン(等電点:6.46、分子量:168388)、補体成分4a(等電点:6.99、分子量:193639)、及びグルタチオンペルオキダーゼ(等電点:8.26、分子量:25657)であることがわかった。また上記画像解析データと分解成分同定データから、抗ストレス薬剤としてのHPMを投与したことにより増加したタンパク質はプラスミノーゲンであり、減少したタンパク質はコンポーネント4aであった。また、生理食塩水を投与したサンプルにおいては、変化が見られたのに対して、抗ストレス薬剤としてのHPMを投与した場合に変化が見られなかったタンパク質は、α1−マクログロブリンとグルタチオンペルオキシダーゼであった。
【0032】
【表1】

【実施例3】
【0033】
(ELISAによる補体成分4aの測定)
1.水浸拘束試験
1週間の予備飼育を行った7週齢のSD(Sprague-Dawley)雄性ラット(体重150g〜180g)を用い、試験区としてHPM(50mg/100g・体重)、対照区として生理食塩水(1ml/100g・体重)を1日1回7日間それぞれ経口投与した。24時間の絶食後、ストレスケージに動物を入れ、剣状突起の高さまで水に浸し、10時間の水浸拘束を行った。10時間の水浸拘束後、動物をエーテル致死させた。
【0034】
2.採血
生理食塩水あるいはHPM投与前はエーテル麻酔し尾静脈より、生理食塩水あるいはHPM投与後は24時間の絶食前にエーテル麻酔し尾静脈より、また、ストレス負荷後は10時間の水浸拘束後にエーテル麻酔し心臓より、それぞれ採血を行った。得られた血液を室温で1時間静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。
【0035】
3.ELISAによる補体成分4aの検出
固相化抗体にAnti-Complement 4a (C4a), Mouse-Mono(99-H7)0300-0177(フナコシ)を、ビオチン標識抗体にAnti C4a (H-155)SC25815(コスモバイオ)を用いたサンドイッチELISAにより、各血清中の補体成分4aの相対量を測定した。その結果、生理食塩水あるいはHPM投与前を100%とした時の生理食塩水あるいはHPMの投与後、ストレス負荷後の補体成分4aを図7に示した。生理食塩水あるいはHPMの1週間の投与により補体成分4aの値に変化は認められなかった。しかし、ストレス負荷後では、生理食塩水投与群で補体成分4aはほとんど検出されず、一方、HPM投与群では各個体で30〜40%前後の残存が認められた。このことから、HPM投与により免疫に関与する補体成分4aの減少を防ぐことが可能であり、このことがストレス性の胃潰瘍の予防になんらかの効果を示しているものと考えられた。また、抗補体成分4a抗体を用いることで、ELISA、あるいはさらに簡易なイムノクロマト法などによりストレス負荷個体の血清から容易に補体成分4aを測定できることから、補体成分4aのストレスマーカーとしての有効性と、測定方法を示すことができた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】抗ストレス薬剤としての酵素処理食肉HPMのストレス性胃潰瘍予防効果を示すものである。
【図2】図2(上)は、水浸拘束負荷前後における生理食塩水を与えたラットと、HPMを与えたラットの血清を二次元電気泳動に供試した結果を示す図である。図2の(下)中の青字で示した5、26、23、32は、HPMを与えたラットの血清サンプルと、生理食塩水を与えたラットの血清サンプルとを比較して変化のあったスポットを示したものである。
【図3】図3(上)は、水浸拘束負荷後における生理食塩水を与えたラットと、HPMを与えたラットの血清を二次元電気泳動に供試し、両者を比較して変化のあったスポットaを拡大した図である。図3(下)は、ストレス負荷前後におけるHPMを与えたラットの血清サンプルと、生理食塩水を与えたラットの血清サンプルのスポットaの検出量の変化を示した図である。
【図4】図4(上)は、水浸拘束負後における生理食塩水を与えたラットと、HPMを与えたラットの血清を二次元電気泳動に供試し、両者を比較して変化のあったスポットbを拡大した図である(左側のスポットが生理食塩水を投与したものであり、右側のスポットがHPMを投与したものである。)。図4(下)は、ストレス負荷前後におけるHPMを与えたラットの血清サンプルと、生理食塩水を与えたラットの血清サンプルのスポットbの検出量の変化を示した図である。
【図5】図5(上)は、水浸拘束負荷後における生理食塩水を与えたラットと、HPMを与えたラットの血清を二次元電気泳動に供試し、両者を比較して変化のあったスポットcを拡大した図である(左側のスポットが生理食塩水を投与したものであり、右側のスポットがHPMを投与したものである。)。図5(下)は、ストレス負荷前後におけるHPMを与えたラットの血清サンプルと、生理食塩水を与えたラットの血清サンプルのスポットcの検出量の変化を示した図である。
【図6】図6(上)は、水浸拘束負荷後における生理食塩水を与えたラットと、HPMを与えたラットの血清を二次元電気泳動に供試し、両者を比較して変化のあったスポットdを拡大した図である(左側のスポットが生理食塩水を投与したものであり、右側のスポットがHPMを投与したものである。)。図6(下)は、ストレス負荷前後におけるHPMを与えたラットの血清サンプルと、生理食塩水を与えたラットの血清サンプルのスポットdの検出量の変化を示した図である。
【図7】ストレス負荷によるラット血清中の補体成分4aの変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、抗ストレス候補薬剤を投与し、該抗ストレス候補薬剤を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上を検出し、非ヒト哺乳動物に抗ストレス候補薬剤を投与しない場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤のスクリーニング方法。
【請求項2】
非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、抗ストレス候補薬剤を投与し、該抗ストレス候補薬剤を投与した非ヒト哺乳動物の血清からプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体を検出し、非ヒト哺乳動物に抗ストレス候補薬剤を投与しない場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤のスクリーニング方法。
【請求項3】
抗ストレス薬剤を服用している哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試して、プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上を検出し、抗ストレス薬剤の非服用時の場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤の有効性の判定方法。
【請求項4】
抗ストレス薬剤を服用している哺乳動物から採取した血清中のプラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4aの1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体を検出し、抗ストレス薬剤の非服用時の場合と比較・評価することを特徴とする抗ストレス薬剤の有効性の判定方法。
【請求項5】
プラスミノーゲン、α1−マクログロブリンの1015残基目〜1218残基目を含む約35kDaのフラグメント、補体成分4の1450残基目〜1737残基目を含む約35kDaのフラグメント、グルタチオンペルオキシダーゼのいずれか1種以上のタンパク質若しくはペプチド、これらのいずれかに特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とする抗ストレス薬剤の有効性判定用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−225607(P2007−225607A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18249(P2007−18249)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000113067)プリマハム株式会社 (72)
【出願人】(590002389)静岡県 (173)
【Fターム(参考)】