説明

抗プロゲスチンのバイオアベイラビリティを改善するための方法および製剤

抗プロゲスチンを含み、そして改善されたバイオアベイラビリティを有する組成物が提供される。一の実施形態において、担体基質上に沈着された抗プロゲスチンの粒子を含む組成物が提供される。別の実施形態において、微粒子化された抗プロゲスチンを含む組成物が提供される。子宮内膜症、子宮類線維症、月経困難症、および髄膜腫の治療のための、抗プロゲスチンを含み、そして改善されたバイオアベイラビリティを有する組成物の使用も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、一般的に、少なくとも一つの抗プロゲスチンを含む、改善されたバイオアベイラビリティを有する組成物に関する。より具体的には、本発明は、19−ノルプロゲステロンI誘導体、および場合により薬学的に許容される賦形剤を含む、強い抗プロゲスチン活性、最小の抗グルココルチコイド活性、および改善されたバイオアベイラビリティを有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年12月28日出願の米国仮出願第60/882,423号、および2007年1月17日出願の米国仮出願第60/885,372号の利益を主張し、そしてそれぞれの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の背景
過去数十年以上、抗ホルモン活性を有するステロイドを製造するための多くの試みがなされた。抗プロゲステロン性ステロイドが、人口調節において広い適用性を有すること、一方、抗グルココルチコイドが、例えば、クッシング症候群、およびコルチゾンの過剰な体内産生によって特徴付けられる他の疾患に対する治療において非常に有効であるということが、ここ数年間において一般的に認識されている。
【0004】
避妊目的のために、抗プロゲステロン活性を有し、抗グルココルチコイド活性を有さない(または最小限に有する)化合物を所有することは有益であろう。抗プロゲステロン活性と抗グルココルチコイド活性とを分離させるために、ミフェプリストンの構造を修飾する多くの試みがなされたが、この目的は、未だ完全に達成されていない。したがって、最小の抗グルココルチコイド活性を有し、抗プロゲステロン活性を有するステロイドを含む新しい組成物の開発を行なうための技術が必要とされている。
【0005】
米国特許第6861415号明細書および米国特許第6900193号明細書は、そして両方とも参照により本明細書に組み込まれるのだが、最小の抗グルココルチコイド活性を持ち、抗プロゲステロン活性を有する新しい化合物を開示している。当該化合物は、ステロイド誘導体であり、より具体的には、それらは、17−α−置換−11−β−置換−4−アリールおよび21−置換 19−ノルプレグナジエンジオンのような、19−ノルプロゲステロンの構造修飾体であり、そして、水に溶解しにくい。したがって、抗プロゲスチン、特にステロイド誘導体を含む、溶解性の向上およびバイオアベイラビリティの改善された製剤を開発する技術についての必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
発明の概要
本発明は、強い抗プロゲステロン活性を有し、好ましくは最小の抗グルココルチコイド活性および改善されたバイオアベイラビリティを有する新規製剤を提供する。
【0007】
本発明の一実施形態において、新規製剤は、抗プロゲスチンの非水溶液を担体基質上へ微細に噴霧することによって製造される。得られる製剤は、相対的により大きな担体基質粒子上に付着される抗プロゲスチン粒子を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態において、新規製剤は、微粒子化された抗プロゲスチン粒子を含む。
【0009】
好ましくは、抗プロゲスチンは、以下の一般式I:
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、
1は、−OCH3、−SCH3、−N(CH32、−NHCH3、−NC48、−NC510、−NC48O、−CHO、−CH(OH)CH3、C(O)CH3、−O(CH22N(CH32、−O(CH22NC48および−O(CH22NC510を含むが、それらに限定されない官能基であり、;R2は、水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、ビニルオキシ、エチニルオキシ、シクロプロピルオキシなど)、アシルオキシ(例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピニルオキシ、ヘプタノイルオキシ、グリシネートなど)、アルキルカーボネート、シピオニルオキシ、S−アルキル、−SCN、S−アシルおよび−OC(O)R6であり、ここでR6は、アルキル(例えば、メチル、エチルなど)アルコキシアルキル(例えば、−CH2OCH3)およびアルコキシ(−OCH3)を含むが、それらに限定されない官能基であり;R3は、アルキル(例えば、メチル、メトキシメチルなど)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、ビニルオキシなど)およびアシルオキシを含むが、それらに限定されない官能基であり;R4は、水素およびアルキルを含むが、それらに限定されない官能基であり;そしてXは、=Oおよび=N−OR5を含むが、それらに限定されない官能基であり、ここでR5は水素およびアルキルからなる置換基から選択されるメンバーである。]
を有する化合物である。
【0012】
一般式Iのいずれかの化合物のような抗プロゲスチンの粒子、および界面活性剤を含む組成物がまた、提供される。当該界面活性剤は、好ましくは、不飽和の多糖分解されたグリセリド、飽和の多糖分解されたグリセリド、ゲルシレ(GELUCIRE)33/01、ゲルシレ35/10、ゲルシレ37/02、ゲルシレ44/14、ラブラフィル(LABRAFIL)およびラブラゾール(LABRASOL)のような、多糖分解されたグリセリドである。
【0013】
前記組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含んでもよい。代表的なポリエチレングリコールは、PEG200、PEG400、PEG600およびPEG200を含むが、それらに限定されない。5:1〜1:1の、多糖分解されたグリセリドとポリエチレングリコール(PEG)との重量比が望ましい。
【0014】
抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iのいずれかの化合物の粒子、多糖分解されたグリセリドおよびペセオール(グリセリルモノオレイン酸エステル)を含む組成物もまた、提供される。9:1〜1:4の、多糖分解されたグリセリドとペセオールとの重量比が望ましい。
【0015】
前記組成物は、改善されたバイオアベイラビリティと共に、最小の抗グルココルチコイド活性を有し、強い抗プロゲステロン活性を有してもよい。したがって、前記組成物は、ヒト内分泌疾患またはステロイド感受性組織における他の疾患の治療において、長期使用のために好適であるかもしれない。治療の対象となる疾患は、子宮内膜症、月経困難症、子宮筋腫、子宮類線維症、髄膜腫および転移性乳癌を含むが、それらに限定されない。他の使用は、性交後避妊を含む避妊、および子宮頸部熱化の誘発を含むが、それらに限定されない。
【0016】
ヒト内分泌疾患、または、子宮内膜症、月経困難症、子宮筋腫、子宮類線維症、髄膜腫および転移性乳癌を含むが、それらに限定されないステロイド感受性組織における他の疾患の治療のための医薬の製造における、本発明の任意の組成物の使用もまた、提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
一実施形態において、本発明は担体基質および前記担体基質上の沈着物を含む組成物であって、前記沈着物が抗プロゲスチンの粒子、好ましくは以下の一般式I:
【0018】
【化2】

【0019】
のステロイド誘導体を含む、前記組成物を提供する。
【0020】
式Iにおいて、R1は、−OCH3,−SCH3,−N(CH32、−NHCH3、−NC48、−NC510、−NC48O、−CHO、−CH(OH)CH3、−C(O)CH3、−O(CH22、−N(CH32、−O(CH22NC48、および−O(CH22NC510を含むが、それらに限定されない官能基である。R2は、水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシ、アルコキシ、(例えば、メトキシ、エトキシ、ビニルオキシ、エチニルオキシ、シクロプロピルオキシ、など)、アシルオキシ(例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ヘプタノイルオキシ、グリシネートなど)、アルキルカーボネート、シピオニルオキシ、S−アルキル、−SCN、S−アシルおよび−OC(O)R6、ここでR6はアルキル(例えば、メチル、エチルなど)、アルコキシアルキル(例えば、−CH2OCH3)およびアルコキシ(−OCH3)を含むが、それらに限定されない官能基である、を含むが、それらに限定されない官能基である。R1は、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアシルオキシを含むが、それらに限定されない官能基である。R4は、水素およびアルキルを含むが、それらに限定されない官能基である。最後に、Xは=Oおよび=N−OR5を含むが、それらに限定されない置換基であって、ここでR5は水素およびアルキルからなる置換基から選択されるメンバーである。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iのステロイド誘導体の微粒子化された粒子を含む組成物を提供する。
【0022】
用語「アルキル」とは、分岐した、分岐していない、1〜12個の炭素を有する、一価の炭化水素基のことである。アルキル基が1〜6個の炭素原子を有するとき、それは「低級アルキル」と呼ばれてもよい。代表的なアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−プロペニル(またはアリル)、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(または2−メチルプロピル)などを含む。本明細書で使用されるように、用語、アルキルは「置換アルキル」を含む。置換アルキルとは、低級アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ハロゲン(すなわち、アルキルアロ、例えば、CF3)、ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシメチル)、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ(例えば、メトキシメチル)、メルカプトなどのような官能基を一またはそれ以上さらに含むアルキルのことである。これらの置換基は、低級アルキル基の任意の炭素原子と結合されていてもよい。
【0023】
用語「アルコキシ」とは、−OR基のことであってよく、ここでRは、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、または置換アラルキルである。好適なアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、t−ブトキシ(例えば、メトキシエトキシ、メトキシメトキシなど)などを含む。
【0024】
用語「アシルオキシ」とは、有機酸から水素の除去により得られる有機基のことであってもよい。当該有機基は、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ハロゲン、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルコキシなどのような官能基で一またはそれ以上さらに置換され得る。当該置換有機基の例は、グリシネート(例えば、−OC(O)CH2NH2)である。好適なアシルオキシ基は、例えば、アセトキシ、すなわち酢酸から得られてもよいCH3COO−、ホルミルオキシ、すなわちギ酸から得られてもよいH(CO)O−、および3−シクロペンチルプロピオン酸から得られてもよいシピオニルオキシを含む。
【0025】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、臭素、塩素およびヨウ素原子のことであってもよい。用語「ヒドロキシル」とは、−OH基のことであってもよい。用語「アシル」とは、−C(O)Rのことであってもよく、ここでRは、本明細書において定義されているような、アルキルまたは置換アルキル、アリールまたは置換アリールである。用語「アリール」とは、単環、あるいは共に縮環した、共有結合によって結合した、またはエチレンもしくはメチレンのような共通の置換基と結合した多環であってもよい、芳香族性置換基のことであってもよい。芳香環は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルメチル、2,2−ジフェニル−1−エチルであってもよく、そしてチエニル、ピリジル、およびキノキサリルのようにヘテロ原子を含んでもよい。アリール基はまた、ハロゲン原子またはニトロ、カルボキシル、アルコキシ、フェノキシなどのような他の基で置換されていてもよい。さらに、アリール基は、(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルのような)水素原子によって占められているアリール基上の任意の位置で他の置換基と結合されていてもよい。
【0026】
用語「アルキルカ−ボネート」とは、−OC(O)OR基のことであってもよく、ここでRは、本明細書で定義されているような、アルキルまたは置換アルキル、アリールまたは置換アリールである。
【0027】
用語「S−アルキル」とは、−SR基のことであってもよく、ここでRは低級アルキルまたは置換低級アルキルである。用語「S−アシル」とは、アシル化剤を使用した、チオール基との反応から得られるチオエステルのことであってもよい。好適なS−アシルは、例えば、S−アセチル、S−プロピオニルおよびS−ピバロイルを含む。S−アシルとは、その製造方法に関係なく、前記チオエステルのことであってもよい。用語「N−オキシム」および「N−アルキルオキシム」とは、=N−OR5基のことであってもよく、ここでR5は、例えば、水素(N−オキシム)またはアルキル(N−アルキルオキシム)である。オキシムは、シン−異性体、アンチ−異性体またはシン−およびアンチ−異性体の両方の混合物からなることができる。
【0028】
式Iの代表的な化合物は、R1が−N(CH32であり;R2が水素、ハロゲンまたはアルコキシであり;R3がアシルオキシであり;R4がアルキル(例えば、メチルおよびエチル)であり;そしてXが=Oおよび=N−OR5であるものを含み、ここでR5は水素またはアルキルである。さらなる化合物は、R1が−N(CH32であり;、R2がハロゲンであり;R3がアシルオキシであり;そしてR4がアルキルであるものを含み、R2がF、Br、またはClであり;そしてR4がメチルであるものを含む。R1が−N(CH32であり;R2がアルキルであり;R3がアシルオキシであり;R4がアルキルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり;R2がアルコキシであり;R3がアシルオキシであり;R4がアルキルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。さらなる化合物は、R2がメトキシまたはエトキシであって;そしてR3がアセトキシまたはメトキシのものである。R1が−N(CH32であり;R2およびR3がいずれもアシルオキシであり;R4がアルキルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。さらなる化合物は、R2およびR3がいずれもアセトキシのものである。R1が−N(CH32であり;R2がS−アシルであり;R3がヒドロキシまたはアシルオキシであり;R4がアルキルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり、R2がシピオニルオキシであり;R3がアセトキシであり;R4がアルキルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり;R2がメトキシであり;R3がアセトキシであり;R4がアルキルであり;そしてXが=Oおよび=N−OR5であり、ここでR5は、例えば、水素またはアルキル(例えば、メチル、エチルなど)である化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり;R2およびR3がいずれもアセトキシであり;R4がアルキルであり;そしてXが=Oおよび=N−OR5であり、ここでR5は、例えば、水素またはアルキル(例えば、メチル、エチルなど)である化合物もまた含まれる。
【0029】
例となる化合物は、以下の構造式:
【0030】
【化3】

【0031】
の17α−アセトキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−メトキシ−19−ノルプレグナ−4,9(10)−ジエン−3,20−ジオン(CDB−4124)を含むが、これに限定されない。
【0032】
別の例となる化合物は、以下の構造式:
【0033】
【化4】

【0034】
の17α−アセトキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン(CDB−2914)である。
【0035】
他の例となる化合物は、17α−アセトキシ−21−クロロ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−ブロモ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17−,21−ジアセトキシ−llβ−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−ヒドロキシ−21−アセチルチオ−llβ−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−アセチルチオ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−エトキシ−1lβ−(4N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−メチル−11β−(4−N,N−ジメチルアミノ−フェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−メトキシ−11β−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−エトキシ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−(3’−シクロペンチルプロピオニルオキシ)1lβ−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−ヒドロキシ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジアセトキシ−l1β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)9−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン 3−オキシム;17α−アセトキシ−21−メトキシ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,2−ジオン 3−オキシム;および17α,21−ジアセトキシ−llβ−[4−(N−メチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオンを含むが、それらに限定されない。
【0036】
1が−N(CH32,−NC48、−NC410、−NC48O、−C(O)CH3、−O(CH22N(CH32、−O(CH22NC48、−O(CH22NC310、および−O(CH22NC510であり;R2が水素、アルキルオキシ、アルコキシ、−SAc、−SCN、−OC(O)CH2N(CH32および−OC(O)R6であり、ここでR6は、アルキル(例えば、−CH2CH3)、アルコキシエステル(例えば、−CH2OMe)およびアルコキシ(例えば、−OCH3)を含むが、これらに限定されない官能基であり;R3がアルキル、アルコキシ、アシルオキシおよびヒドロキシであり;R4がアルキル(例えば、メチルおよびエチル)であり;そしてXが=Oまたは=N−OR5であり、ここでR5は水素またはアルキルである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり;R2が水素であり;R3がメトキシメチルであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた好ましい。R1が−N(CH32であり;R2が水素であり;R3が−OC(O)H、−OC(O)CH2CH3または−OC(O)C613であり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−NC4s、−NC510、−NC48O、−C(O)CH3または−SCH3であり;R2が水素であり;R3がアセトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32または−NC510であり;R2が水素であり;R3がメトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−NC510または−C(O)CH3であり;R2およびR3がいずれもアセトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−C(O)CH3であり;R2が−SAcであり;R3がアセトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−C(O)CH3、−N(CH32、−NC4H;または−NC510であり;R2およびR3がいずれもメトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−NC510、−C(O)CH3または−O(CH22N(CH32であり;R2がメトキシであり;R3がアセトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり;R2が−OC(O)CH2CH3、−OC(O)OCH3、−OC(O)OCH2OCH3、−OCH=CH2、−OC(O)CH2N(CH32または−SCNであり;R3がアセトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり;R2が−OC(O)Hであり;R3がOC(O)Hであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−N(CH32であり;R2が−OC(O)Hであり;R3がヒドロキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=Oである化合物もまた含まれる。R1が−NC510であり;R2が水素であり;R3がアセトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=N−OR5であり、ここでR5は水素である化合物がまた含まれる。R1が−N(CH32または−NC510であり;R2が水素またはメトキシであり;R3がメトキシまたはエトキシであり;R4がメチルであり;そしてXが=N−OR5であり、ここでR5は水素である化合物がまた含まれる。
【0037】
例となる化合物はまた、17α−アセトキシ−l1β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−メトキシ−19−ノルプレグナ−4,9(10)−ジエン−3,20−ジオン;17α−ホルミルオキシ−11β−[4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−プロピオノキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−ヘプタノイルオキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−メトキシメチル−llβ−[4−N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−11β−(4−N−ピロリジノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−11β−(4−N−ピペリジノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−11β−(4−N−モルホリノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ1lβ−(4−アセチルフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−1lβ−(4−メチルチオフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−メトキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−メトキシ−11β−(4−N−ピペリジノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジアセトキシ−11β−(4−N−ピペリジノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジアセトキシ−11β−(4−アセチルシフェニル)19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−11β−(4−アセチルフェニル)−21−チオアセトキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジメトキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジメトキシ−11β−(4−N−ピロリジノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジメトキシ−11β−(4−N−ピペリジノフェニル)19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジメトキシ−11β−(4−アセチルフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−11β−(4−アセチルフェニル)21−メトキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−llβ−{4−[2’−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−21−メトキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α,21−ジホルミルオキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−プロピオニルオキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−(2’−メトキシアセチル)オキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−21−ヒドロキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン−21−メチル カーボネート;17α−アセトキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−(1’−エテニルオキシ)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−(2’−N,N−ジメチルアミノ)アセトキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−チオシアネート−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;17α−アセトキシ−llβ−(4−N−ピペリジノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン 3−オキシム;17α−メトキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン 3−オキシム;17α−メトキシ−llβ−(4−N−ピペリジノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン 3−オキシム;および17α,21−ジメトキシ−11β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン 3−オキシムを含むが、それらに限定されない。
【0038】
一般式Iの化合物が好ましいが、幾つかの既知の抗プロゲスチンが、プロゲステロン受容体に対するその既知の拮抗薬効果のために、本発明の実施において使用され得る。前記抗プロゲスチンの例は、オナプリストン(11β−(p−(ジメチルアミノ)フェニル)−17α−ヒドロキシ−17−(3−ヒドロキシプロピル)−13α−エストラ−4,9−ジエン−3−オン)、ミフェプリストン(mifepristone)(11β−(4−ジメチルアミノフェニル)−17β−ヒドロキシ−17−(プロプ−1−イニル)−エストラ−4,9−ジエン−3−オン)、リロプリストン(lilopristone)(llβ−(p−(ジメチルアミノ)フェニル)−17β−ヒドロキシ−17−((Z)−3−ヒドロキシプロペニル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン)およびZK230211を含むが、それらに限定されない。抗プロゲスチンのさらなる例は、米国特許第4,814,327号、第4,829,060号、第5,089,635号、第6,339,098号、第6,391,907号および第6,417,214号の明細書に開示されたものを含み、そして当該内容は、それら全体で参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物の、哺乳動物の血流への吸収は、当該化合物が、固体基質上に噴霧により沈着される粒子の形態で、または微粒子化された粒子の形態で哺乳動物へ投与される時に著しく改善されるかもしれない。例えば、前記粒子は比較的小さくてもよく、そしてそれゆえに、溶解性およびバイオアベイラビリティの向上につながる広い表面積を提供してもよい。
【0040】
一の実施形態において、担体基質上に沈着される抗プロゲスチン、好ましくは式Iの化合物の粒子を含む組成物が提供される。好ましい溶解性および/またはバイオアベイラビリティプロファイルを有する全てのサイズが本発明の範囲内であるが、粒子の平均の直径は、約50ナノメーター(nm)から約20,000nmであってもよい。好ましくは、平均粒径は、約50nmから約1000nmであり、より好ましくは、約200nmから約900nmであり、最も好ましくは、約300nmから約800nmである。平均粒径は、50nm〜20,000nmの範囲内であればどこに収まってもよく、または50nm未満または20,000nm超であってもよい。好ましくは、少なくとも90%の粒子が、10,000nm未満の直径を有する。
【0041】
本発明に従って、担体基質状に沈着される抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iを有する化合物の粒子を含む組成物は、少なくとも一の溶媒による前記化合物の溶液を、十分な量の溶媒を前記溶液から除去することのできる条件下で、担体基質粒子上へ噴霧することによって形成され、そしてれにより、所望の大きさ、好ましくは約20,000nm未満である平均粒径を有する前記化合物の粒子が担体基質上に沈着される。
【0042】
場合により、界面活性剤が、噴霧されるべき溶液中に存在してもよい。本発明に従って、用語「界面活性剤」とは、当業者によって理解される薬剤のような、湿潤性の、洗浄性のある、石けん様の性質を示す界面活性剤のことである。したがって、本明細書において使用される用語「界面活性剤」は、エトキシ化されたキャスターオイル、塩化ベンザルコニウム、多糖分解されたグリセリド、アセチル化されたモノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポロキサマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン誘導体、モノグリセリドまたはそのエトキシ化された誘導体、ジグリセリドまたはそのポリオキシエチレン誘導体、ドクサートナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、トリエタノールアミン、セトリミド、スクロースラウレートおよび他のスクロースエステル、グルコース(デキストロース)エステル、シメチコン、オコキシノール(ocoxynol)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル、セチルおよびステリルのような脂肪アルコール、コール酸またはその誘導体、レシチンならびにリン脂質のような、医薬の製剤化において通常使用される、イオン性および非イオン性の界面活性剤または湿潤剤のことを表す。好ましくは、存在する場合には、界面活性剤は多糖分解されたグリセリドである。
【0043】
担体基質は、好ましくは水溶性の化合物または重合体である。本発明において有用である担体基質は、糖(例えばラクトースまたはスクロース)のようなサッカライドおよび糖アルコール(例えばマンニトールまたはソルビトール)、デンプン、小麦粉、セルロース調製物ならびに/あるいは炭酸塩、重炭酸塩およびリン酸塩、例えばリン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、のような塩を含むが、それらに限定されない。担体基質として有用である糖および糖アルコールは、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、ラクトースなどを含む。好ましくは、前記糖または糖アルコールは、分子量500未満であり、そして容易に水中に分散および溶解することができ、そしてそれにより、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物の溶解速度を改善する。より好ましくは、前記糖は、約10μmから約3mmの範囲の粒子サイズを有するラクトースである。担体基質として好適な重合体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカライド重合体、アクリレート重合体、メチルアクリレート重合体、フタレート重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン、ポリエスエルおよびポリアミドフィルムの重合体および共重合体を含むが、それらに限定されない。担体基質として好適なセルロース調製物は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびエチルセルロースを含むが、それらに限定されない。本発明に従って、1重量部の抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iを有する化合物は、約1〜約50重量部、好ましくは約2.5〜約20重量部、より好ましくは約5〜約10重量部の担体基質と結合される。
【0044】
噴霧沈着のために、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物は、非水溶媒、または混合溶媒に溶解されることができ、ここで当該混合溶媒は、非水溶媒の混合のみならず非水溶媒と水性溶媒との混合を含む。有用な非水溶媒は、アルコール、ハロゲン化アルカン、ジアルキルケトンおよび芳香族性溶媒を含むが、それらに限定されない。特に有用な溶媒は、エタノール、好ましくは95%エタノール、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトンおよびトルエンを含む。好適な溶媒は、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物を有用な濃度で溶解させる特性を有し、ここで当該濃度は、少なくとも約0.5%(w/v)であり、好ましくは少なくとも約2%(w/v)であり、より好ましくは5%〜10%(w/v)の範囲内、または10%超(w/v)であるべきである。通常、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物は、その溶解限度をはるかに下回る濃度で溶解されるだろう。
【0045】
抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iを有する化合物の噴霧沈着は、当技術分野で既知である任意の方法によって行なわれてもよい。噴霧器の構造および操作は、粒子サイズおよびサイズ分布、容積および粒子密度、気孔率、水分含量、流動性および破砕性のような、最終産物の多くの特性を変化させ得る。好ましくは、噴霧器の構造および操作は、乾燥した化合物粒子が約20ミクロン以下の平均粒子サイズを有することを保証するようなものである。当業者は、当技術分野において利用可能な噴霧器を用いて同様の結果を得るために、パラメーターを調整し得るだろう。例えば、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iを有する化合物の噴霧沈着は、静電ジェット噴霧沈着法により行なわれてもよい。この方法において、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物、および場合により界面活性剤を有する溶液は、一定の領域における静電場の使用を通じて、基質の特定の領域上に濃縮される液滴を、微細に噴霧する装置中へ定量される。
【0046】
上部スプレー(液滴が上部から噴霧される)またはウルスター(Wurster)型のカラムを使用する下部スプレー(液滴が下部から噴霧される)もしくはローターディスクを使用する接線スプレー(tangential spray)(液滴が下部から噴霧される)のための挿入部を備えた、市販の流動層装置もまた有用である。ウルスター流動層装置において、担体基質粒子は高速ガス中に取り込まれ、そして、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物、および場合により界面活性剤を含む溶液の微細な液滴が、ジェットノズルから噴霧されるウルスターカラムを通過する。前記ガス流は、前記噴霧された溶液から溶媒を蒸留することができるように加熱される。その結果、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物(および場合により、界面活性剤)の複数の粒子を担体基質上に沈着させる。6インチのウルスターカラムを備えたベクター FL−M−1 流動層装置が特に有用である。
【0047】
本発明の製剤を得るために使用される噴霧法に関係なく、噴霧される溶液の液滴の直径、ならびに噴霧中および乾燥中に前記液滴が担体基質と衝突する速度は、噴霧された粒子の凝集および担体基質の凝集を最小化するように調節されるべきである。
【0048】
化合物、溶媒(複数)および噴霧のために使用される任意の界面活性剤の量は、場合により、得られる化合物粒子が、好ましくは20ミクロン以下であり、より好ましくは2ミクロン以下であり、もっとも好ましくは1ミクロン以下である、所望の粒子サイズを有するように選択される。
【0049】
粒子サイズ分析は、当技術分野において既知の任意の技術を使用して行われてもよい。例えば、光相関分光法(Nicomp C370)を使用したレーザー回折技術が使用されてもよい。当該結果は、容積−荷重平均粒径を単位にして報告される。容積−荷重平均粒径は、以下のように定義される:(Σnd4)/(Σnd3)、ここでn=直径“d”によって特徴づけられたサイズ間隔における粒子の数である。Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1990)。
【0050】
噴霧されるべき溶液は、多糖分解されたグリセリドのような界面活性剤を含んでもよい。噴霧沈着された、抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iを有する化合物の粒子の、哺乳動物の血流への吸収は、前記化合物が哺乳動物へ多糖分解されたグリセリドを用いた製剤として投与されるときに、著しく改善されるかもしれない。したがって、担体基質および前記担体基質上の沈着を含む組成物が提供され、ここで前記沈着は、抗プロゲスチン、好ましくは式Iの化合物の粒子、および多糖分解されたグリセリドを含む。前記組成物は、分子量200〜35000の範囲にあるようなポリエチレングリコール(PEG)または分子量400のPEG(PEG400)をさらに含んでもよい。あるいは前記組成物は、ペセオール、すなわち、腸における脂質消化の最終産物と非常に似ているオレイン酸のモノ−およびジグリセリドの混合物を主として含む、速やかに分散することのできる可溶化剤をさらに含んでもよい(Hausset al.1998.J.Pharm.Sci 87:164−169)。
【0051】
用語「多糖分解されたグリセリド」とは、モノ−、ジ−およびトリグリセリドならびにポリエチレングリコール(PEG)モノ−およびジエステルであってよく、そしてそれは分子量が200と600の間であってよく、好適には遊離のグリセロールおよび遊離のPEGであってもよく、そのHLB(親水性−親油性バランス)値が、PEGの鎖長によって調節されてもよく、そしてその融点が脂肪酸の鎖長、PEGの鎖長、および脂肪酸鎖の飽和度により、したがって出発原料の油の飽和度により調節されてもよく;そのような混合物の例は、ゲルシレ(GELUCIRE)である。別の好適な飽和の多糖分解されたグリセリドは、ラブラゾール、すなわちポリオキシエチレングリセリルカプリレートおよびポリオキシエチレングレセリルカプロエートの混合物である。
【0052】
別の実施形態において、本発明は、平均粒径が20ミクロン未満である、微粒子化された抗プロゲスチン、好ましくは一般式Iの化合物の粒子を含む組成物を提供する。好ましくは、平均粒径は0.5〜20ミクロンの間である。例えば、平均粒径は、0.5、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5ミクロンまたは0.5〜20ミクロンの範囲内のどこかに収まってもよい。より好ましくは、少なくとも90%の粒子が10ミクロン未満の直径を有する。
【0053】
一般式Iを有する化合物の微粒子化は、当技術分野で既知の任意の方法によって行なわれてもよい。例えば、一般式Iを有する化合物の微粒子化は、ラジエーターミル(ジェットエアーマイクロナイザー)中で行なわれてもよい。ピンディスクミル(pinned disc mill)またはハンマーミルもまた使用され得る。米国特許第2,032,827号、および第4,018,388号明細書は微粒子化技術について開示しており、そしてそれら全体で参照により本明細書に組み込まれる。製粉および破砕時間は、使用される装置の能力および種類によるだろう。
【0054】
本発明において有用な他の微粒子化の方法は、例えば、Steckel,et al,「超臨界二酸化炭素による肺への輸送のための、ステロイドの微粒子化」Int. J.of Pharmaceutics,(1997),Vol.152,No.1,pp.99−110(参照により、本明細書に組み込まれる)に記載されているエアロゾル溶媒抽出システム(ASES)を含み、そしてそれには、ジクロロメタン、メタノールまたはそれらの両方の混合物のような有機溶媒中に1%(w/w)の薬剤を含む噴霧液としての、多くのステロイドの調製物について記載されている。前記噴霧溶液は、超臨界酸素中に噴霧され、そして平均粒子サイズは、大部分の場合5ミクロン未満であると決定された。噴霧溶液への界面活性剤の添加により、より大きなサイズの粒子を生じた。当該微粒子化された粒子は、任意の利用可能な投与経路によって投与されてもよい。
【0055】
本発明の微粒子化された薬剤を調製するための、他の好ましい方法は、米国特許第7,148,212号、第7,029,700号、第5,952,008号、第5,855,913号、第5,851,453号、第5,874,064号、第5,874,029号、第5,833,891号、第;5,043,280号および第4,384,975号明細書に記載されており、そしてこれらのすべては、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
粒子サイズの分析は、当技術分野で既知である任意の技術を使用して行われてもよい。例えば、粉末の粒子サイズ分布を測定するための自動装置である、コールターカウンター(Coulter Counter)モデルTA2が使用されてもよい。この装置は、粒子をその形態、密度または色とは無関係に検出することができ、そして当該サイズの測定結果は、それらの体積との、すなわちそれらの質量との一次関数である。
【0057】
微粒子化は、多糖分解されたグリセリドのような界面活性剤の存在中において行なわれてもよい。一般式Iを有する化合物の微粒子化された粒子の、哺乳動物の血流への吸収は、当該化合物が界面活性剤を用いた製剤として哺乳動物中へ投与される時に、著しく改善されるかもしれない。したがって、関連のある実施形態において、本発明は一般式Iの化合物の微粒子化された粒子、多糖分解されたグリセリド、および場合により薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。当該組成物は、分子量が200〜35000の範囲内にあるポリエチレングリコール(PEG)、または分子量が400であるPEG(PEG400)をさらに含んでもよい。あるいは当該組成物は、エタノールまたはペセオールをさらに含んでもよい。多糖分解されたグリセリドのような油性の賦形剤の存在下での微粒子化は、微粒子化の過程における冷却および潤滑の必要性のため、化合物の過熱が避けられる乾燥相中または水相中よりも、容易に行われるかもしれない。
【0058】
当該組成物は、これらの組成物を経口投与に好適なものとする改善された吸収と相まって、強い抗プロゲステロン活性および最小の抗グルココルチコイド活性を有してもよい。
【0059】
当該組成物は、内因性プロゲステロンと拮抗するために;月経を減らすために;子宮内膜症を治療するために;月経困難症を治療するために;内分泌性ホルモン依存性腫瘍を治療するために;髄膜腫を治療するために;子宮筋腫を治療するために;子宮類線維症を治療するために;子宮内膜増殖を阻害するために;分娩を誘発するために;ホルモン治療のために、子宮頸部熟化を誘導するために;そして避妊のために、とりわけ有利に使用され得る。
【0060】
抗プロゲステロン活性を有する前記組成物はまた、プロゲステロンの効果を遮断することによって特徴付けられてもよい。したがって、当該組成物は、月経周期におけるホルモン不全の調節において、子宮内膜症および月経困難症の調節のために、そして月経の誘導のために、特に価値があるかもしれない。加えて、当該組成物は、閉経後の女性において、またはそうでなければ卵巣ホルモンの産生が損なわれている女性において、単剤で、またはエストロゲン物質との併用のいずれかで、ホルモン療法を提供する方法として使用され得る。
【0061】
さらに、当該組成物は、生殖サイクルの間において、受精能を調節するために使用され得る。長期間の避妊のために、当該組成物は、用量に依存的に、連続的に、または定期的に投与され得る。加えて、当該組成物は、子宮が着床されないようにするために、性交後避妊薬として、そして「一月に一回」の避妊薬として、特に価値があるかもしれない。
【0062】
当該組成物のさらなる効用は、ホルモン依存性腫瘍および/またはホルモン応答性組織に存在する腫瘍の増殖を抑制する能力にある。当該腫瘍は、腎腫瘍、乳腺腫瘍、子宮内膜腫瘍、および前立腺腫瘍であって、例えばプロゲステロン受容体を有することにより特徴付けられる癌を含むが、それらに限定されない。さらに、当該腫瘍は髄膜腫を含む。当該組成物の他の効用は、乳房および子宮の線維嚢胞性疾患の治療を含む。
【0063】
当該組成物は、ヒト、家庭用ペット、および家畜のような任意の温血哺乳動物に投与され得る。家庭用ペットは、犬、猫などを含む。家畜は、ウシ、馬、豚、羊、ヤギなどを含む。
【0064】
単回投与剤形を製造するための、最適化された担体物質と結合され得る活性成分の量は、治療されるべき疾患、哺乳動物種および特定の投与形態に依存して変化するだろう。例えば、単位用量は0.1ミリグラム〜1グラムの、または0.001〜0.5グラムの活性成分を含んでもよい。しかし、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性;治療されるべき個人の年齢、体重、総体的な健康、性別および食習慣;投与時間および経路;排泄率;以前に投与された他の薬剤;ならびに治療中の特定の疾患の重症度を含む、様々な要因に依存するだろう。
【0065】
当該組成物は、様々な方法で投与され得る。例えば、当該組成物は溶液、懸濁液、乳液、舌下錠および頬内錠を含む錠剤、軟ゼラチンカプセル中に使用される溶液を含む軟ゼラチンカプセル、水性または油性懸濁液、乳液、丸薬、糖錠、トローチ剤、錠剤、シロップ剤またはエリキシル剤などの形態で、経口経路で投与され得る。
【0066】
当該組成物はまた、植込錠(implant)として投与され得る。サイラスティック(SILASTIC)および生物分解性の植込錠として投与され、または筋肉内および静脈内注射経由で投与され得る。
【0067】
当該組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される一またはそれ以上の薬剤を含み得る。錠剤の製造のために好適な、無毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合剤中に活性成分を含む錠剤は許容され得る。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤、とうもろこしデンプンまたはアルギン酸のような造粒剤および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴムのような結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルクのような潤沢剤であり得る。錠剤は、コーティングされていないか、または、それらは消化管中での崩壊および吸収を遅らせ、そしてそれにより、より長い期間に渡って持続的な作用を提供するための既知の手法によってコーティングされ得る。例えば、グリセリルモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンのような時間遅延剤を単剤で、またはワックスと共に使用され得る。
【0068】
経口使用のための製剤はまた、担体基質上に沈着された活性成分粒子が、不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、あるいは担体基質上に沈着された活性成分粒子が、水、またはピーナッツオイル、流動パラフィンもしくはオリーブオイルのような油媒体と混合される軟ゼラチンカプセルとして提供され得る。
【0069】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造のために好適な賦形剤との混合剤中に、活性物質を含んでもよい。当該賦形剤は、カルボメトキシセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント・ゴムおよびアカシア・ゴムのような懸濁剤、ならびに天然に存在するホスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)のような分散剤または湿潤剤を含む。水性懸濁液はまた、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピルのような一またはそれ以上の保存剤、一またはそれ以上の着色剤、一またはそれ以上の香味剤およびスクロース、アスパルテームまたはサッカリンのような一またはそれ以上の甘味剤を含み得る。
【0070】
油性懸濁液は、担体基質上に沈着される活性成分の粒子を、植物油、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、またはココナッツ油中で、あるいは流動パラフィンのような鉱油中で懸濁させることによって製剤化され得る。当該油性懸濁液は、ビーズワックス、硬質パラフィンまたはセチルアルコールのような増粘剤を含み得る。甘味剤は、苦味の少ない経口用調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加によって保存され得る。
【0071】
水の添加による水性懸濁液の調製のために好適である分散性粉末および顆粒は、分散剤、懸濁剤および/または湿潤剤ならびに一またはそれ以上の保存剤と混合した活性成分から製剤化され得る。好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上に開示されたものによって例示される。さらなる賦形剤は、例えば、甘味剤、香味剤および着色剤が同様に示され得る。
【0072】
前記医薬組成物はまた、水中油型エマルションの形態で存在し得る。油性層は、オリーブオイルまたは落花生油のような植物油、流動パラフィンのような鉱油あるいはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、アカシアゴムおよびトラガカントゴムのような天然に存在するゴム、大豆レシチンのような、天然に存在するホスファチド、ソルビタンモノオレエートのような、脂肪酸とヘキシトール無水物から得られるエステルまたは部分エステル、ならびに、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのような、これらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物を含む。当該エマルションはまた、甘味剤および香味剤を含む。
【0073】
シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトールまたはスクロースのような甘味剤と共に製剤化され得る。当該製剤はまた、粘滑剤、保存剤、香味剤または着色剤を含み得る。
【0074】
当該医薬組成物は、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液のような、無菌の注射可能な調製物の形態であり得る。この懸濁液は、上で言及した好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用することによって製剤化され得る。当該無菌の注射可能な調製物はまた、1,3−ブタンジオール溶液のような無毒性であって非経口で許容され得る希釈剤または溶媒を用いた、無菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。水およびリンゲル液(Ringer’s solution)、すなわち生理食塩水が、使用され、許容され得るビヒクルおよび溶媒である。さらに、無菌の固定油は溶媒または懸濁媒体として使用され得る。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを含めて幾つかの無菌の固定油が使用され得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射剤の調製において同様に使用され得る。
【0075】
当該化合物はまた、薬剤の直腸投与のために坐剤の形態で投与され得る。これらの組成物は、当該薬剤を、常温で固体であるが直腸の温度で液体であり、したがって、直腸内で薬剤を放出するために溶解するだろう、好適な刺激性の無い賦形剤と混合することによって調製され得る。当該物質は、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
【0076】
それらはまた、坐剤、吸入剤、粉体およびエアロゾル製剤を含めて、鼻腔内、眼内、膣内および直腸内経路によって投与され得る。
【0077】
局所性経路によって投与される化合物は、塗布棒、溶液、懸濁液、エマルション、ゲル、クリーム、軟膏剤、ゼリー、塗布剤、粉末およびエアロゾルとして投与され得る。
【0078】
本発明は、以下の特定の、しかし非限定の例によって、より詳細に記載されるだろう。
【実施例】
【0079】
実施例1.ラクトースとの混合物中の、一般式Iの化合物の粒子を含む組成物の調製
生物学的に有効量の一般式Iの化合物、例えばCDB−4124またはCDB−2914を、好適な溶媒、例えばエタノールに溶解し、30℃でわずかに温めた。当該溶液を、例えば、6インチのウルスターカラムを備えたベクター FL−M−1 流動層装置中において、1kgのラクトース上へ噴霧した。噴霧速度、吸い込み静圧、および吸込温度を、一般式Iの化合物の粒子が、例えば光相関分光法を用いたレーザー回折技術によって測定される所望の平均粒径、好ましくは20ミクロン未満を有するように調製した。
【0080】
実施例2.ラクトースおよびゲルシレ44/14、PEG400との混合物中の、一般式Iの化合物の粒子を含む組成物の調製
生物学的に有効量の一般式Iの化合物、例えばCDB−4124またはCDB−2914を、好適な溶媒、例えばエタノールに溶解し、30℃でわずかに温めた。PEG400およびゲルシレ44/14をその後、ゲルシレ44/14とPEG400との比が2.87:1となるように添加した。当該溶液を、例えば、6インチのウルスターカラムを備えたベクター FL−M−1 流動層装置中において、1kgのラクトース上へ噴霧した。噴霧速度、吸い込み静圧、および吸込温度を、一般式Iの化合物の粒子が、例えば光相関分光法を用いたレーザー回折技術によって測定される所望の平均粒径、好ましくは20ミクロン未満を有するように調製した。
【0081】
実施例3.一般式Iの化合物の微粒子化された粒子を含む組成物の調製
シエーリング(Schering)AG、西ドイツ、により製造されたスパイラルミル(Spiral−Mill)(流体エネルギーミル)のような、ジェットエアー粉砕機を、一般式Iの化合物、例えばCDB−4124またはCDB−2914を微粒子化するために使用した。製粉は、円筒形の製粉チャンバー内に窒素ガスを膨張させることによって、供給原料の強力で持続的な加速および減速を起こすことにより行なわれた。衝突が絶えず粒子間で起こり、結果的に粉砕された。サイクロンセパレーターを、内部で物質を分類するために使用した。当該最も微細な粒子を、製粉チャンバーから中央の排気口を通じて取り除き、一方、より大きな粒子を本流周辺で回転させ続けた。微粒子化される材料の微細性を、供給速度、粉砕機のガス圧力、およびガス噴射の方向を調節することによって操作した。粉砕機中の気流速度は、約300〜500メートル/秒であった。気流速度が高速であるため、約10秒未満の間、そしてそれは出発材料の粒子サイズに依存するが、当該化合物を粉砕機中に存在させた。好ましくは平均粒径が20ミクロン未満である粒子からなる微粒子化された化合物を、場合により、薬学的に許容される賦形剤と結合した。
【0082】
実施例4.ゲルシレ44/14、PEG400および微粒子化された一般式Iの化合物の粒子を含む、カプセル形状の組成物の調製
PEG400を50℃に加熱し、その後ゲルシレ44/14をゲルシレ44/14とPEG400との比が2.87:1となるように添加した。当該組成物をその後、ゲルシレ44/14が溶解し終わるまでよく混ぜながら加熱した。一般式Iの微粒子化された粒子をその後、3.42%の濃度となるように添加した。当該溶液を50℃で30分維持した。空のあらかじめ重量を量っておいたカプセルをその後、正味365mg/カプセルの目的重量となるように前記溶液で満たした。
【0083】
実施例5.ASESを使用した、微粒子化された抗プロゲスチン組成物の調製
本発明の抗プロゲスチンは、例えば、Steckel,et al,「超臨界二酸化炭素による肺への輸送のための、ステロイドの微粒子化」Int. J.of Pharmaceutics,(1997),Vol.152,No.1,pp.99−110(参照により、本明細書に組み込まれる)に記載されている、エアロゾル溶媒抽出システム(ASES)を使用することによって調製されてもよい。本発明の当該化合物を、ジクロロメタン、メタノールまたは両方の混合物のような有機溶媒中に1%(w/w)の薬剤を含む噴霧溶液として調製した。他の好適な有機溶媒もまた、当技術分野で周知である。当該噴霧溶液をその後、超臨界二酸化炭素中へ噴霧し、そして平均粒子サイズを決定した。大部分の場合において、粒子サイズは約5ミクロンと予想される。噴霧溶液への界面活性剤の添加によって、より大きいサイズの粒子となるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体基質および前記担体基質上の沈着を含む組成物であって、前記沈着が一般式:
【化1】

[式中、
1は、−N(CH32、−NHCH3、−NC48、−NC510、および−NC48Oからなる群から選択される基であり;
2は、水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルカーボネート、シピオニルオキシ、S−アルキル、−SCN、S−アシルおよび−OC(O)R6からなる群から選択される基であり、ここでR6は、アルキル、アルコキシエステルおよびアルコキシからなる群から選択される基であり;
3は、アルキル−アルコキシ、アルコキシおよびアシルオキシからなる群から選択される基であり;
4は、水素およびアルキルからなる群から選択される基であり;
Xは、=Oおよび=N−OR5からなる群から選択される基であり、ここでR5は水素およびアルキルからなる群から選択される基である。]
を有する化合物の粒子を含む、前記組成物。
【請求項2】
前記化合物が17α−アセトキシ−l1β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−メトキシ−19−ノルプレグナ−4,9(10)−ジエン−3,20−ジオンである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物が17α−アセトキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオンである、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記化合物が、構造式:
【化2】

を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記化合物が、構造式:
【化3】

を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記沈着が界面活性剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤が多糖分解されたグリセリドである、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
前記多糖分解されたグリセリドが、C8〜C18のグリセリドおよびポリエチレングリコールエステルからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記多糖分解されたグリセリドが、ゲルシレ(GELUCIRE)35/10、37/02、44/14、50/13、WL2514CSおよびラブラゾール(LABRASOL)からなる群から選択される、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む、請求項7記載の組成物。
【請求項11】
PEG400をさらに含む、請求項7記載の組成物。
【請求項12】
ペセオールをさらに含む、請求項7記載の組成物。
【請求項13】
前記粒子が、約50ナノメートル〜約20ミクロンの平均粒径を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
前記平均粒径が約200ナノメートル〜約900ナノメートルである、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
前記平均粒径が、約300ナノメートル〜約800ナノメートルである、請求項13記載の組成物。
【請求項16】
前記粒子の少なくとも90%が10ミクロン未満の直径を有する、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
前記担体基質が、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカライド重合体、アクリレート重合体、メチルアクリレート重合体、フタレート重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン、ポリエスエル、ポリアミドフィルム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびエチルセルロースからなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項18】
一般式:
【化4】

[式中、
1は、−N(CH32、−NHCH3、−NC48、−NC510、および−NC48Oであり;
2は、水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルカーボネート、シピオニルオキシ、S−アルキル、−SCN、S−アシルおよび−OC(O)R6からなる群から選択される基であり、ここでR6は、アルキル、アルコキシエステルおよびアルコキシからなる群から選択される基であり;
3は、アルキル−アルコキシ、アルコキシおよびアシルオキシからなる群から選択される基であり;
4は、水素およびアルキルからなる群から選択される基であり;
Xは、=Oおよび=N−OR5からなる群から選択される基であり、ここでR5は水素およびアルキルからなる群から選択される基である。]
を有する化合物を含む、微粒子化された粒子を含む組成物。
【請求項19】
前記化合物が17α−アセトキシ−l1β−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−21−メトキシ−19−ノルプレグナ−4,9(10)−ジエン−3,20−ジオンである、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
前記化合物が17α−アセトキシ−llβ−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオンである、請求項18記載の組成物。
【請求項21】
前記化合物が、構造式:
【化5】

を有する、請求項18記載の組成物。
【請求項22】
前記化合物が、構造式:
【化6】

を有する、請求項18記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が多糖分解されたグリセリドをさらに含む、請求項18記載の組成物。
【請求項24】
前記多糖分解されたグリセリドが、ゲルシレ35/10、37/02、44/14、50/13、WL2514CSおよびラブラゾールからなる群から選択される、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む、請求項23記載の組成物。
【請求項26】
前記PEGがPEG400である、請求項25記載の組成物。
【請求項27】
エタノールをさらに含む、請求項23記載の組成物。
【請求項28】
ペセオールをさらに含む、請求項23記載の組成物。
【請求項29】
前記微粒子化された粒子が約0.5ミクロン〜約20ミクロンの平均粒径を有する、請求項18記載の組成物。
【請求項30】
前記平均粒径が10ミクロン未満である、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
前記微粒子化された粒子の少なくとも80%が、10ミクロン未満の直径を有する、請求項30記載の組成物。
【請求項32】
請求項1または請求項18記載の組成物を含む、経口使用のためのカプセル剤。
【請求項33】
請求項1または請求項18記載の組成物を含む、経口使用のための錠剤。
【請求項34】
患者において抗プロゲスチン効果をもたらす方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項35】
患者において月経を誘導する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項36】
子宮内膜症を治療する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項37】
月経困難症を治療する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項38】
内分泌性ホルモン依存性腫瘍を治療する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項39】
髄膜腫を治療する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項40】
患者において子宮類線維症を治療する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項41】
患者において子宮内膜増殖を阻害する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項42】
分娩を誘発する方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項43】
避妊の方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
性交後避妊の方法であって、請求項1または請求項18記載の組成物の有効量を前記患者へ投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2010−514793(P2010−514793A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544257(P2009−544257)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/088891
【国際公開番号】WO2008/083192
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(509115199)レプロス セラピューティクス インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】