説明

抗体の発現のための骨髄白血病起源のヒト細胞の使用

本発明は、(a)不死化ヒト血液細胞である宿主細胞内に、前記タンパク質の少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸を導入すること;および(b)前記宿主細胞を前記タンパク質分子組成物の産生を許容する条件下で培養すること;および(c)前記タンパク質分子組成物を単離することを含む、規定のグリコシル化パターンを有するタンパク質分子組成物を産生させる方法に関する。本発明は、ヒト不死化血液細胞株系、特に、骨髄性白血病起源の細胞系の新たな発現系を提供する。不死化ヒト血液細胞の使用は、このような細胞により、異なる組織(例えば、腎臓または網膜)に由来する他の既知のヒト細胞系とは異なるグリコシル化プロフィールがもたらされるため、従来技術において知られた系と比べて好都合である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質分子組成物を産生させる方法であって、
(a)不死化ヒト血液細胞である宿主細胞内に、前記タンパク質の少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸を導入すること;
(b)前記宿主細胞を前記タンパク質分子組成物の産生を許容する条件下で培養すること;ならびに
(c)前記タンパク質分子組成物を単離すること
を含む、方法。
【請求項2】
以下の工程:
(a)不死化ヒト血液細胞である宿主細胞内に、タンパク質またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸を導入すること;ここで、前記宿主細胞は、以下の特徴的グリコシル化:
(i)検出可能なNeuGcが含まれない;および/または
(ii)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて増大したガラクトシル化度を有する;および/または
(iii)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%多いG2構造量を有する;および/または
(iv)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%少ないG0構造量を有する;および/または
(v)検出可能な末端Galα1−3Galを含まない;および/または
(vi)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%少ないフコース量を含む;および/または
(vii)バイセクトGlcNAcを含有する少なくとも1つの糖鎖構造を含む;および/または
(viii)該細胞において発現させたとき、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物のシアリル化パターンと比べて改変されたシアリル化パターンを有する、
の少なくとも1つを有するタンパク質組成物が産生されるように選択される、
(b)前記宿主細胞を前記タンパク質分子組成物の産生を許容する条件下で培養すること;ならびに
(c)前記タンパク質分子組成物を単離すること、ここで、該タンパク質分子は特徴的グリコシル化(i)〜(viii)の少なくとも1つを有する、
を含む、タンパク質分子組成物、好ましくは抗体分子組成物を産生させるための請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シアリル化パターンが、以下の特徴:
−α2−6結合NeuNAcを含む;および/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも15%多い量のNeuNAcによる、増大したシアリル化度を有する、および/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物の同じ量のタンパク質分子よりも少なくとも15%少ない量のNeuNAcによる、減少したシアリル化度を有する、および/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖に荷電N−グリコシド結合糖鎖が、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも20%多く含まれる、および/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖に荷電N−グリコシド結合糖鎖が、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも20%少なく含まれる、
の少なくとも1つを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記宿主細胞が、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖の少なくとも10%の糖鎖構造を含み、フコースがない糖タンパク質が産生されるように選択される、請求項1〜3の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項5】
前記宿主細胞が、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖の少なくとも2%の糖鎖構造を含み、バイセクトGlcNAcを含有する糖鎖構造を含む糖タンパク質が産生されるように選択される、請求項1〜4の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項6】
前記宿主細胞が、
−前記タンパク質分子組成物中の糖鎖構造全体またはそのうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、35%より多くのG2構造を含む;および/または
−前記タンパク質分子組成物中の糖鎖構造全体またはそのうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、22%未満のG0構造を含む
糖タンパク質が産生されるように選択される、請求項1〜5の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項7】
産生される前記タンパク質分子組成物が、以下の特徴:
−特に細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物と比べて増大した活性および/または増大した収率を有する;
−特に細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物と比べて改善された均一性を有する;
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物の収率よりも少なくとも10%高い平均または最大収率の増大を有する;および/または
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物と比べて改善されたグリコシル化の均一性である改善された均一性を有する;
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物と比べて増大した活性を有する;
−前記タンパク質分子が抗体分子である場合、細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物のFc媒介性細胞性細胞傷害より少なくとも2倍大きいFc媒介性細胞性細胞傷害の増大を有する;および/または
−前記タンパク質分子が抗体分子である場合、細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の結合よりも少なくとも15%、好ましくは20%、25%、30%、35%、40%、45%、好ましくは50%大きい抗原媒介性またはFc媒介性結合の増大を有する
の少なくとも1つを有する、請求項1〜6の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項8】
宿主細胞を無血清条件下で培養して該タンパク質分子組成物を産生させる、請求項1〜7の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項9】
宿主細胞が、以下の特徴的なグリコシル化の組合せ:
(a)
−検出可能なNeuGcが含まれない
−検出可能なGalα1−3Galが含まれない
−請求項2に記載のガラクトシル化パターンが含まれる
−請求項2に記載のフコース含量を有する
−bisecGlcNAcが含まれる
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子のタンパク質組成物と比べて、またはNM−F9およびNM−D4などのシアリル化のない細胞株と比べて増加した量のシアル酸が含まれる;
(b)
−検出可能なNeuGcが含まれない
−検出可能なGalα1−3Galが含まれない
−請求項2に記載のガラクトシル化パターンが含まれる
−請求項2に記載のフコース含量を有する
−bisecGlcNAcが含まれる
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子のタンパク質組成物と比べて減少した量のシアル酸が含まれる;
(c)
−検出可能なNeuGcが含まれない
−検出可能なGalα1−3Galが含まれない
−請求項2に記載のガラクトシル化パターンが含まれる
−請求項2に記載のフコース含量を有する
−bisecGlcNAcが含まれる
−2−6 NeuNAcが含まれる
を有するタンパク質分子を含むタンパク質組成物が産生されるように選択される、請求項1〜8の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項10】
以下のグループ1〜4:
(a)K562などの高いシアリル化活性を有する宿主細胞またはその誘導細胞株を含むグループ1;
(b)遺伝子欠失または発現抑制系のためシアリル化活性が低いか、または該活性がないNM−F9[DSM ACC2606]、NM−D4[DSM ACC2605]およびGT−2Xと同等の宿主細胞およびこれらを含む宿主細胞、またはその誘導細胞株を含むグループ2;
(c)NM−H9およびNM−H9D8などのK562よりも高いシアリル化度を有する宿主細胞またはその誘導細胞株を含むグループ3;
(d)NM−H9D8−E6およびNM−H9D8−E6Q12などのフコシル化活性が低いか、または該活性がない宿主細胞またはその誘導細胞株を含むグループ4
から選択される宿主細胞が使用される、請求項1〜9の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項11】
宿主細胞が、ヒト骨髄性白血病起源のものであり、好ましくは、K562、NM−F9[DSM ACC2606]、NM−D4[DSM ACC2605]、GT-2X[DSM ACC ]、NM−H9、NM−E−2F9、NM−C−2F5、NM−H9D8[DSM ACC 2806]、NM−H9D8−E6、NM−H9D8−E6Q12またはその誘導細胞もしくは誘導細胞株からなる群より選択される、請求項1〜10の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項12】
葉酸代謝拮抗薬耐性DHFRバリアントをコードする核酸が宿主細胞内に導入される、請求項1〜11の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項13】
前記葉酸代謝拮抗薬耐性DHFRバリアントをコードする核酸が、発現対象の前記タンパク質の少なくとも一部分をコードする核酸を含むベクターとは別の別個のベクターによって導入されるか、または発現対象の前記タンパク質の少なくとも一部分をコードする核酸と、該葉酸代謝拮抗薬耐性DHFRバリアントをコードする核酸とを少なくとも含むベクターが使用される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
宿主細胞が前記葉酸代謝拮抗薬とともに培養される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
発現対象の前記タンパク質分子の少なくとも一部分をコードする核酸配列を、培養液中の葉酸代謝拮抗薬濃度を段階的に上げることにより増幅する、請求項12〜14の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項16】
以下の特徴:
(a)葉酸代謝拮抗薬がメトトレキサートである
(b)前記葉酸代謝拮抗薬耐性DHFRバリアントをコードする核酸が、配列番号1〜9の群、好ましくは配列番号1のポリペプチドをコードする
の少なくとも1つを満足す、請求項12〜15の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項17】
前記タンパク質が抗体である、請求項1〜16の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項18】
(a)ヒト骨髄性白血病起源の宿主細胞内に、抗体分子またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸、および配列番号1〜配列番号9の群の少なくとも1つのポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸配列を含む少なくとも1つの核酸を導入すること;
(b)前記宿主細胞をメトトレキサートとともに培養することにより、前記抗体分子またはその少なくとも一部分をコードする核酸配列を増幅させること;
(c)前記抗体分子組成物の産生を許容する条件下で前記宿主細胞を培養すること;ならびに
(d)前記抗体分子組成物を単離すること
を含む、抗体分子組成物を産生させるための請求項1〜17の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項19】
(a)ヒト骨髄性白血病起源の宿主細胞内に、抗体分子またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸を導入すること;
(b)前記抗体分子組成物の産生を許容する条件下で前記宿主細胞を培養すること;ならびに
(c)増大した活性および/または増大した収率および/または改善された均一性を有する前記抗体分子組成物を単離すること
を含む、増大した活性および/または増大した収率および/または改善された均一性を有する抗体分子組成物を産生させるための請求項1〜18の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項20】
(a)ヒト骨髄性白血病起源の宿主細胞内に、抗体分子またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸、および配列番号1〜配列番号9の群の少なくとも1つのポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸配列を含む少なくとも1つの核酸を導入すること;
(b)前記宿主細胞をメトトレキサートとともに培養することにより、前記抗体分子またはその少なくとも一部分をコードする核酸配列を増幅させること;
(c)前記抗体分子組成物の産生を許容する条件下で前記宿主細胞を培養すること;ならびに
(d)増大した活性および/または増大した収率および/または改善された均一性を有する前記抗体分子組成物を単離すること
を含む、増大した活性および/または増大した収率および/または改善された均一性を有する抗体分子組成物を産生させるための請求項1〜19の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項21】
宿主細胞を、以下の特徴的グリコシル化:
(i)検出可能なNeuGcが含まれない;および/または
(ii)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造においてGlcNAc結合ガラクトースのガラクトシル化度が、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて増大している;および/または
(iii)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%多いG2構造量を有する;および/または
(iv)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%少ないG0構造量を有する;および/または
(v)検出可能な末端Galα1−3Galを含まない;および/または
(vi)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%少ないフコース量を含む;および/または
(vii)バイセクトGlcNAcを含有する少なくとも1つの糖鎖構造を含む;および/または
(viii)該細胞において発現させたとき、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物のシアリル化パターンと比べて改変されたシアリル化パターンを有する
の少なくとも1つを有するタンパク質組成物の産生に関して、
以下の工程
(a)相違するグリコシル化パターンをもたらす少なくとも2種類の異なる宿主細胞内に、タンパク質またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸を導入すること;ここで、前記宿主細胞の少なくとも1種類は不死化ヒト血液細胞である、
(b)前記少なくとも2種類の異なる宿主細胞を培養すること、ここで、異なる各宿主細胞は、その他の宿主細胞によってもたらされるグリコシル化パターンと相違するグリコシル化パターンを有するタンパク質組成物を産生する;
(c)該少なくとも2種類の異なる宿主細胞と異なるグリコシル化パターンを有する前記発現されたタンパク質組成物を単離すること;および
(d)(i)〜(viii)に規定した特徴的グリコシル化の少なくとも1つを有するタンパク質組成物を産生する前記宿主細胞を選択すること
によって選択するための方法。
【請求項22】
前記タンパク質組成物が、以下の特徴:
−抗体分子組成物である場合、細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物のFc媒介性細胞性細胞傷害より少なくとも2倍大きいFc媒介性細胞性細胞傷害の増大を有する;
および/または
−抗体分子組成物である場合、細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の結合より少なくとも50%高い抗原媒介性またはFc媒介性結合の増大を有する;
および/または
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物の収率よりも少なくとも10%高い平均または最大収率の増大を有する、
の少なくとも1つを示す、請求項21記載の方法。
【請求項23】
ヒト骨髄性白血病起源の前記少なくとも2種類の異なる宿主細胞の少なくとも一方が、K562、NM−F9[DSM ACC2606]、NM−D4[DSM ACC2605]、GT-2X[DSM ACC ]、NM−H9、NM−E−2F9、NM−C−2F5、NM−H9D8[DSM ACC 2806]、NM−H9D8−E6、NM−H9D8−E6Q12またはその誘導細胞もしくは誘導細胞株である、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
該少なくとも2種類の異なる宿主細胞が、以下のグループ1〜4:
(a)K562などの高いシアリル化活性を有する宿主細胞またはその誘導細胞株を含むグループ1;
(b)遺伝子欠失のためシアリル化が低いか、またはシアリル化がないNM−F9[DSM ACC2606]、NM−D4[DSM ACC2605]およびGT−2Xなどの宿主細胞またはその誘導細胞株を含むグループ2;
(c)NM−H9およびNM−H9D8などのK562よりも高いシアリル化度を有する宿主細胞またはその誘導細胞株を含むグループ3;
(d)NM−H9D8−E6もしくはNM−H9D8−E6Q12などのフコシル化活性が低いか、または該活性がない宿主細胞またはその誘導細胞株を含むグループ4
から選択される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項25】
請求項2〜9に規定されたグリコシル化パターンを示すタンパク質組成物、好ましくは抗体組成物を産生する少なくとも1種類の宿主細胞が選択される、請求項21〜24の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項26】
請求項1〜20の少なくとも1項に記載の産生方法によって得られ得るタンパク質またはタンパク質分子組成物。
【請求項27】
前記組成物が、以下の特徴:
(i)検出可能なNeuGcが含まれない;および/または
(ii)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて増大したGlcNAc結合ガラクトースのガラクトシル化度を有する;および/または
(iii)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%多いG2構造量を有する;および/または
(iv)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%少ないG0構造量を有する;および/または
(v)検出可能な末端Galα1−3Galを含まない;および/または
(vi)該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の前記諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも5%少ないフコース量を含む;および/または
(vii)バイセクトGlcNAcを含有する少なくとも1つの糖鎖構造を含む;および/または
(viii)該細胞において発現させたとき、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物のシアリル化パターンと比べて改変されたシアリル化パターンを有する
の少なくとも1つを有する、請求項26に記載のタンパク質またはタンパク質分子組成物。
【請求項28】
該タンパク質分子組成物が、以下の特徴:
−α2−6結合NeuNAcを含む、および/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも15%多い量のNeuNAcによる増大したシアリル化度を有する、および/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物の同じ量のタンパク質分子よりも少なくとも15%少ない量のNeuNAcによる、減少したシアリル化度を有するおよび/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖に荷電N−グリコシド結合糖鎖が、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも20%多く含まれる、および/または
−該細胞において発現させたとき、前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖に荷電N−グリコシド結合糖鎖が、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物中の同じ量のタンパク質分子と比べて少なくとも20%少なく含まれる;および/または
−前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖の少なくとも10%糖鎖構造が含まれ、フコースがない;および/または
−前記タンパク質分子組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖単位全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定のグリコシル化部位の少なくとも1つの特定の糖鎖の少なくとも2%の糖鎖構造を含み、バイセクトGlcNAcを含有する;および/または
−前記タンパク質組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、35%より多くのG2構造が含まれる;および/または
−前記タンパク質組成物中の諸タンパク質分子の糖鎖構造全体またはその諸タンパク質分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、22%未満のG0構造が含まれる;および/または
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物と比べて増大した活性および/または増大した収率を有する;および/または
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物と比べて改善された均一性を有する;および/または
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物の収率よりも少なくとも10%高い平均または最大収率の増大を有する;および/または
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じタンパク質分子の少なくとも1種類のタンパク質分子組成物の収率よりも少なくとも10%大きく増大した活性を有する;および/または
−細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたとき、改善されたグリコシル化の均一性である改善された均一性を有し、ここで前記抗体分子組成物が、同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物のシアリル化度よりも小さいシアリル化度を有する;および/または
−前記タンパク質分子が抗体分子である場合、細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物のFc媒介性細胞性細胞傷害より少なくとも2倍大きいFc媒介性細胞性細胞傷害の増大を有する;および/または
−前記タンパク質分子が抗体分子である場合、細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の結合より少なくとも20%、好ましくは30%または50%高い抗原媒介性またはFc媒介性結合の増大を有する、
の少なくとも1つを有する、請求項27に記載のタンパク質またはタンパク質分子組成物。
【請求項29】
前記組成物が、MUC1エピトープに結合し、細胞外タンデム反復領域のアミノ酸配列DTRを含む少なくとも1つの抗体分子を含む、請求項26〜28の少なくとも1項に記載のタンパク質またはタンパク質分子組成物。
【請求項30】
前記抗体が、Tがグリコシル化されているアミノ酸配列DTRを含むTA−MUC1エピトープに結合する、請求項29に記載のタンパク質またはタンパク質分子組成物。
【請求項31】
前記抗体が該グリコシル化エピトープに、非グリコシル化エピトープよりも高い親和性で結合する、請求項30に記載の抗体または抗体分子組成物。
【請求項32】
前記抗体が、
−PankoMabと同じTA−MUC 1エピトープに競合的に結合する抗体PankoMabまたはそのバリアント;
−Panko1と同じTA−MUC 1エピトープに競合的に結合する抗体Panko1またはそのバリアント;
−Panko2と同じTA−MUC 1エピトープに競合的に結合する抗体Panko2またはそのバリアント
から選択される、請求項30または31に記載の抗体または抗体分子組成物。
【請求項33】
前記抗体が、以下の特徴的グリコシル化:
(a)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子よりも少なくとも15%多い量のN−アセチルノイラミン酸による増大したシアリル化度を有する;
(b)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子よりも少なくとも5%多い量のG2構造による高いガラクトシル化度を有する;
(c)bisecGlcNAcが含まれる、
の少なくとも1つを有する、請求項26〜32のうちの1項、特に請求項32に記載の抗体または抗体分子組成物。
【請求項34】
グリコシル化パターンにより、以下の活性パターン:
(a)CHO細胞において発現させた同じ抗体の活性よりも15%超高いCDC活性;
(b)検出可能なシアリル化がないか、または低い程度で有する抗体と比べて2倍長くなった血清半減期;
(c)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させたときの同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物のFc媒介性細胞性細胞傷害より少なくとも2倍大きいFc媒介性細胞性細胞傷害の増大を有する、
がもたらされる、請求項26〜33のうちの1項、特に請求項33に記載の抗体または抗体分子組成物。
【請求項35】
前記抗体が、以下の:
(a)
(i)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも2〜4倍高く増大したADCC活性;および/または
(ii)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも2倍高く増大したCDC活性;および/または
(iii)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも20%、好ましくは30%または40%高い高抗原結合活性;および/または
(iv)該細胞において発現させたとき、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも50%多い、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造におけるG2構造の量;および/または
(v)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも20%多いバイセクトGlcNAc構造の量
を有するPankoMab抗体またはそのバリアント、
ここで、該細胞において発現させたとき、前記PankoMab分子組成物は、宿主細胞NM−F9において産生させることにより、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離されたPankoMab分子組成物と比べて高収率で得られ得る;
(b)
(i)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも3倍高く増大したADCC活性;および/または
(ii)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも20%、好ましくは30%または40%高く増大したCDC活性;および/または
(iii)検出可能な2−6 NeuNAcおよび/または
(iv)該細胞において発現させたとき、NM−F9から単離された同じ抗体分子の抗体分子組成物と比べて少なくとも1.5倍長くなった血清半減期;および/または
(v)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその前記諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造における、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも50%多いG2構造の量;および/または
(vi)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちのタンパク質1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造において、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも20%多いバイセクトGlcNAc構造の量;
を有するPankoMab抗体またはそのバリアント、
ここで、該細胞において発現させたとき、前記PankoMab分子組成物は、宿主細胞NM−H9D8において産生させることにより、該細胞において発現させたときCHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離されたPankoMab分子組成物と比べて高収率で得られ得る;
(c)
(i)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも4倍高く増大したADCC活性;および/または
(ii)検出可能な2−6 NeuNAcおよび/または
(iii)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも30%、好ましくは40%または50%高い高抗原結合活性
を有するPanko2抗体またはそのバリアント、
ここで、前記Panko2分子組成物は、宿主細胞NM−H9D8において産生させることにより得られ得る;
(d)
(i)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも4倍高く増大したADCC活性;および/または
(ii)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも30%、好ましくは40%または50%高い高抗原結合活性
を有するPanko2抗体またはそのバリアント、
ここで、前記Panko2分子組成物は、宿主細胞GT−2xにおいて産生させることにより得られ得る;
(e)
(i)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも8倍高く増大したADCC活性;および/または
(ii)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造における、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも50%多いG2構造の量;および/または
(iii)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造における、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも70%多い高量の非フコシル化構造
を有するPanko1抗体またはそのバリアント、
ここで、前記Panko1分子組成物は、宿主細胞NM−H9D8−E6において産生させることにより得られ得る;
(f)
(i)細胞株CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]において発現させた同じ抗体分子の抗体分子組成物の活性よりも少なくとも50%高く増大したADCC活性;および/または
(ii)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造における、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも50%多いG2構造の量;および/または
(iii)該細胞において発現させたとき、前記抗体分子組成物の前記諸抗体分子の糖鎖構造全体またはその諸抗体分子のうちの抗体1分子の特定の1つのグリコシル化部位の糖鎖構造における、CHOdhfr−[ATCC No.CRL−9096]から単離された同じ抗体分子の少なくとも1種類の抗体分子組成物の同じ量の抗体分子と比べて少なくとも50%多い高量の非フコシル化構造
を有するPanko1抗体またはそのバリアント、
ここで、前記Panko1分子組成物は、宿主細胞NM−H9D8において産生させることにより得られ得る、
からなる群より選択される、請求項29〜34の少なくとも1項に記載の抗体または抗体分子組成物。
【請求項36】
抗体セツキシマブまたはセツキシマブと同じエピトープに結合するそのバリアントである、請求項26〜34の少なくとも1項に記載の抗体。
【請求項37】
前記タンパク質がFSHである、請求項26〜30の少なくとも1項に記載のタンパク質。
【請求項38】
前記FSHが、検出可能な2−6結合NeuNAcを含む、請求項37に記載のタンパク質。
【請求項39】
適切な発現ベクター内にタンパク質分子またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸を含む、請求項26〜38の少なくとも1項に記載のタンパク質、特に抗体組成物を産生させるための不死化ヒト血液細胞、好ましくはヒト骨髄性白血病起源の宿主細胞。
【請求項40】
タンパク質分子またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸、および配列番号1〜配列番号9の群の少なくとも1つのポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸配列を含む少なくとも1つの核酸を含む、請求項39に記載の宿主細胞。
【請求項41】
宿主細胞が、タンパク質分子またはその少なくとも一部分をコードする少なくとも1つの核酸、および配列番号1〜配列番号9の群の少なくとも1つのポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸配列を含む少なくとも1つの核酸を含む、K562、NM−F9[DSM ACC2606]、NM−D4[DSM ACC2605]、NM−H9、H9、NM−H10、NM−E−2F9、NM−C−2F5、NM−H9D8、もしくはNM−H9D8−E6、または前記宿主細胞のいずれかに由来する細胞もしくは細胞株である、請求項39または36に記載の宿主細胞。
【請求項42】
請求項41または42の少なくとも1つの核酸(を含む、請求項39〜41の少なくとも1項に記載の宿主細胞。
【請求項43】
コードされた抗体分子が、請求項31〜36に記載の抗体である、請求項39〜42いずれかに記載の宿主細胞。
【請求項44】
コードされた抗体分子がキメラまたはヒト化抗体、特に、PankoMab、Panko1、Panko2もしくはセツキシマブ、または同じエピトープに結合するそのバリアントである、請求項39〜43いずれかに記載の宿主細胞。
【請求項45】
無血清条件下で培養して該抗体分子組成物を産生させる、請求項39〜44いずれかに記載の宿主細胞。
【請求項46】
(a)タンパク質分子またはその少なくとも一部分をコードする配列、および
(b)配列番号1〜配列番号9の群の配列をコードする少なくとも1つの配列
を含む核酸。
【請求項47】
(a)タンパク質分子またはその少なくとも一部分をコードする配列、および
(b)配列番号1の群の配列をコードする少なくとも1つの配列
を含む核酸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−502204(P2010−502204A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527066(P2009−527066)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007877
【国際公開番号】WO2008/028686
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(509067887)グリコトープ ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】