説明

抗体重鎖を用いたスクリーニング法

本発明は、各々ラクダの抗体及びベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)の様な、抗体重鎖及びレポーター遺伝子を含むスクリーニング方法、及び診断及び治療でのその使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、各々ラクダの抗体及びベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)の様な、抗体重鎖及びレポーター遺伝子を含むスクリーニング方法、及び診断及び治療でのその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍の抗原を同定することは時間を要し、そして労力を要するプロセスである。古典的な方法は、マウス又は他のげっ歯類を腫瘍細胞又は腫瘍抽出物で免疫化することを含む。これらのマウスのB細胞は、特定の腫瘍細胞と融合し、単クローン抗体を培養上清に分泌する、不死化のB細胞ハイブリドーマを作り出す。これらの抗体の結合特異性は、ウエスターンブロット(western blot)、FACS及び免疫組織化学を含み種々の方法の組合せにより確認することができる。
【0003】
しかしながら、このアプローチにはハイブリドーマを生成する上で低効率であるという重大な欠点があり、そのため、特に複雑な抗原が用いられる場合には、しばしば抗原特異の抗体の損失を招く結果となる。この問題を避けるため、抗体遺伝子をRT-PCRによりクローンし、他の宿主細胞において組み換え抗体タンパク質を発現させることによる新しいアプローチも用いられてきた。しかし、重鎖と軽鎖の間の、元のペアー構造は、クローンするプロセスの間に混乱する(get scrambled)ことがある。その結果、元の抗体のレパートリーをカバーするためには、非常に多くのクローンが更にスクリーニングされる必要がある(例えば、100の異なるB細胞によりコードされる多様性をカバーするためには10,000を超えるクローンがスクリーニングされる必要がある)。伝統的なアプローチはしばしば一貫性がなく又時間を要する。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の特徴として、本発明は少なくとも一つの抗原又は抗体を同定する方法に関し、以下を含む:
i) ラクダ科の動物に免疫性を与える;
ii) 免疫性を与えられたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 少なくとも一つの抗原又は抗原バインダを同定する。
【0005】
本発明の第二の特徴として、本発明は少なくとも一つの分離された抗原又は抗原バインダに関し、前記抗原又は抗体バインダは以下を含む方法により分離される:
i) ラクダ科の動物に免疫を与える;
ii) 免疫化されたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 少なくとも一つの抗原又は抗原バインダを同定する。
【0006】
本発明の第三の特徴として、本発明は標的上の抗原の量を数値化する方法に関し、以下を含む:
i) ラクダ科の動物に免疫を与える;
ii) 免疫化されたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;
vi) 少なくとも一つの標的と少なくとも一つの融合タンパク質間の結合を測定する;及び
vii) 抗原の量を数値化する。
【0007】
好ましい実施の形態においては、ステップvii)は更に抗原の密度を決定することを特徴として含む。
【0008】
本発明の第四の特徴として、本発明は親和性を決定する方法に関し、以下を含む:
i) ラクダ科の動物に免疫を与える;
ii) 免疫化されたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 少なくとも一つの標的と少なくとも一つの融合タンパク質間の親和性を測定する。
【0009】
これらの特徴の好ましい実施の形態においては、ラクダ科の動物にはラクダ又はラマの何れかを含む。ある好ましい実施の形態においては、ラクダ科の動物はラクダである。ある好ましい実施の形態においては、ラクダ科の動物はラマである。ある好ましい実施の形態においては、免疫化は細胞全体、細胞膜部分及び関心のある抗原、例えば、CEA, Muc-1, Tag72, αVβ3 及び αVβ5に特異のペプチド、に起こる。ある好ましい実施の形態においては、免疫化は腫瘍抽出物に起こる。
【0010】
これらの特徴の好ましい実施の形態においては、少なくとも一つのVHH遺伝子がRT-PCRにより分離される。これらの特徴のある好ましい実施の形態においては、種は大腸菌である。これらの特徴のある好ましい実施の形態においては、標的は少なくとも一つの癌細胞種(cancer cell line)である(その他の標的のリストについては、WO 03/105757 及び WO 03/107009を参照願いたい。本文献はその全ての図面を含み、参照により本明細書に組み入れられる)。
【0011】
これらの特徴の好ましい実施の形態においては、少なくとも一つの抗原又は抗原バインダが、融合タンパク質の活性を測定することにより同定される。これらの特徴の好ましい実施の形態においては、レポーター遺伝子はBLAである。これらの特徴の好ましい実施の形態においては、活性は実施例に開示されている様にニトロセフィン アッセイにより決定される。
【0012】
これらの特徴の好ましい実施の形態においては、結合はFACS, ELISA 又はIHCにより測定される。ある好ましい実施の形態においては、結合はFACSにより測定される。ある好ましい実施の形態においては、結合はELISAにより測定される。ある好ましい実施の形態においては、結合はIHCにより測定される。
【発明の詳細な説明】
【0013】
特に断らない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野の通常の知識を持つ者により通常理解されている意味と同じ意味を持つものである。本明細書に記載の方法及び材料と類似又は同等である方法又は材料は、どの様なものでも本発明の実施又は試験のために用いることができるが、本明細書には好ましい方法及び材料について記載されている。本発明の目的との関係において、次の用語は以下に記載される意味に用いられる。
【0014】
「ラクダ科の動物」(camelid)は、実施例のように、旧世界のラクダ科の動物(例えば、カメルス バクトリアヌス(Camelus bactrianus) 及び カメルス ドロマデリウス(Camelus dromaderius))及び新世界のラクダ科の動物(例えば、ラマ パッコス(Lama paccos)、ラマ グラマ(Lama glama)及びラマ ビクーナ(Lama vicugna))を含む。本発明の範囲の、ラクダ科の動物の例にはラクダ及びラマを含む。
【0015】
「レポーター」(reporter)は、本発明に開示されている様に、酵素活性の様な分子の特性の数量化をさせる、融合タンパク質の一部分の様な分子の一部分を指す。これに限定されるものではないが、本明細書にはレポーターとしてベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)(BLA)が開示されている。
【0016】
「レポーター 遺伝子」(reporter gene)は、本明細書ではレポーターである分子をコードする遺伝子を指すものとして用いられる。
【0017】
本明細書で用いる「遺伝子」(gene)は2以上のデオキシリボヌクレオチド(deoxyribonucleotide)又は リボヌクレオチドよりなる分子を指す。厳密なサイズは多くの要因に依るが、これらは又オリゴヌクレオチドの最終的機能又は使用法に依存する。遺伝子は、例えば、適当な配列のクローン及び制限により及び以下に示す様な方法による直接化学合成を含む適当な方法により作ることができる;その方法には、Narang 他1979, Meth. Enzymol. 68:90-99によるリン酸トリエステル法(phosphotriester method); Brown他1979, Meth. Enzymol. 68:109-151によるリン酸トリエステル法(phosphotriester method); Beaucage他1981, Tetrahedron Lett. 22:1859-1862によるジエチルリン酸アミダイト法(diethylphosphoramidite method); 及び米国特許4,458,066の固定支持法(solid support method)があり、これら文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【0018】
合成方法の検討はGoodchild, 1990, Bioconjugate Chemistry 1(3):165-187に記載があり、本文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【0019】
「融合遺伝子」(fusion gene)は、本明細書ではある一つの遺伝子が他の遺伝子に融合する場合の遺伝子構築を指す。全ての知られている融合方法は本発明の範囲に属すると考えられる。
【0020】
本明細書で用いる「タンパク質」(protein)は、技術分野のみならず本明細書においても「ペプチド」(peptide)及び「ポリペプチド」(polypeptide)と相互交換的に用いられ、ペプチド結合により結合された2以上のアミノ酸残基を含む分子を指す。
【0021】
同じ様な側鎖をもつアミノ酸残基のファミリーは技術分野において規定されている。これらのファミリーには、以下の側鎖を持つアミノ酸を含む:
塩基側鎖(basic side chain) (例えば、リシン(lysine), アルギニン(arginine,)、ヒスチジン(histidine))、酸性側鎖(acidic side chain) (例えば、 アスパラギン酸(aspartic acid)、 グルタミン酸(glutamic acid))、 非荷電極性側鎖(uncharged polar side chain) (例えば、アスパラギン(asparagine), グルタミン(glutamine),セリン (serine), テレオニン(threonine),チロシン (tyrosine)), 非極性側鎖(nonpolar side chain) (例えば、 アラニン(alanine), バリン(valine), ロイシン(leucine), イソロイシン(isoleucine), プロリン(proline), フェニルアラニン(phenylalanine), メチオニン(methionine), トリプトファン(tryptophan), システイン(cysteine), グリシン(glycine)), ベータ枝分れ側鎖(beta-branched side chain) (例えば、テレオニン(threonine), バリン(valine), イソロイシン(isoleucine)) 及び芳香族側鎖(aromatic side chain) (例えば、チロシン(tyrosine), フェニルアラニン(phenylalanine), トリプトファン(tryptophan),ヒスチジン (histidine))。
【0022】
標準的な3文字又は1文字のアミノ酸略語は、技術分野におけると同様本明細書でも使用されることもある。当業者は同等の置換をすることもあり(例えば、芳香族を芳香族で置換)、該当する場合には、その様な同等物による置換は本発明の範囲に属すると考える。
【0023】
本発明のペプチド、ポリペプチド及びタンパク質は、又一以上の非古典的アミノ酸を含むこともできる。非古典的アミノ酸は、これに限定されるものではないが、一般的アミノ酸のD異性体(D-isomers of the common amino acid), αアミノ酸イソ酪酸(α-amino isobutyric acid), 4アミノ酪酸(4-aminobutyric acid(4-Abu)), 2アミノ酪酸(2-aminobutyric acid (2-Abu)), 6アミノへキサン酸(6-amino hexanoic acid (Ahx)), 2アミノ酸イソ酪酸(2-amino isobutyric acid (2-Aib)), 3アミノ プロピオン酸(3-amino propionoic acid), オルニチン(ornithine), ノルロイシン(norleucine), ノルバリン(norvaline), ヒロドオキシプロリン(hydroxyproline), サルコシン(sarcosine), シトルリン(citrulline), システイン酸(cysteic acid), t-ブチルグリシン(t-butylglycine), t-ブチルアラニン(t-butylalanine), フェニルグリシン(phenylglycine), シクロヘキシルアラニン(cyclohexylalanine), βアラニン(β-alanine), フルオロアミノ酸(fluoro-amino acid)及びβメチルアミノ酸 (β-methyl amino acid)、Cα-メチルアミノ酸(Cα-methyl amino acid)、及びNα-メチルアミノ酸 (Nα-methyl amino acid)の様なデザイナーアミノ酸(designer amino acid)を含む。
【0024】
本明細書で用いる「融合タンパク質」は、どの様なタンパク質でも他のタンパク質に融合する場合、結果としてできるタンパク質を指す。融合タンパク質はまた、融合タンパク質を作る過程で、ある遺伝子が他の遺伝子に融合する場合に生まれることもあり、できた融合遺伝子は発現される。全ての知られている融合方法は本発明の範囲に入ると考えられる。
【0025】
本明細書で用いる「バインダ」は、本明細書に記載の様に、VHHタンパク質に結合することが決定された分子を指す。これは、結合を測定するどの様な既知の方法によっても確認することができる。全ての結合親和性は、意図されるアッセイの目的に依るが、本発明の意図する発明の範囲にあると考えられる。
【0026】
「細胞」(cell)、「細胞株」(cell line)及び「細胞培養」(cell culture)は、相互交換的に用いることができ、その様な記載はすべてその子孫を含む。
【0027】
「形質転換体」(transformant)、又は形質転換細胞(transformed cell)は、転移の回数によらずその細胞に由来する一次形質転換細胞及び培養を含む。全ての子孫は、意図的な又は意図しない変異により厳密にはDNAが同一でないこともある。元々形質転換された細胞でスクリーニングされたものと同じ機能を持つ変異種子孫は、形質転換体の定義に含まれる。これらの細胞は真核又は原核生物であっても良い。
【0028】
「Ab」又は抗体(antibody)はポリクローナル(polyclonal)及びモノクローナル(monoclonal)抗体、キメラ抗体(chimeric antibody)、ヒト化抗体 (humanized antibody)、ヒト抗体 (human antibody)、免疫グロブリン(immunoglobulin)又は抗原に結合する抗体、又は抗体の機能断片を言う。その様な機能部分は、完全な抗体分子、Fv、単鎖Fv、相補性決定領域(complementarity determining regions (CDRs)), VL (軽鎖可変領域;light chain variable region), VH (重鎖可変領域;heavy chain variable region)を含む抗体断片、及びこれらの何れもの組合せ、又は標的抗原に結合することのできる免疫グロブリンペプチド(immunoglobulin peptide)の他の如何なる機能部分をも含む。(例えば、図2を参照)。
【0029】
「VHH」は重鎖の抗体部分を指し、特に、例えば、ラクダ科の動物の重鎖の抗体部分を指す。(米国特許6,005,079 及び5,874,541を参照願いたい。これらの文献は、その全ての図面を含み、参照により本明細書に組み入れられる)。
【0030】
「標的」(target)は、本明細書に記載の様に、それに対して融合タンパク質が培養される、関心の対象である物質であって、抗原バインダ又は対象の抗原が、本発明の方法により同定されることのある物質を言う。
【0031】
標的は、これに限定されるものではないが、癌性細胞、細胞株又は細胞培養、腫瘍抽出物、又は癌性組織又は器官、癌性細胞、細胞株又は細胞培養、腫瘍抽出物、又は癌性組織又は器官に関連する分子、又は癌性細胞、細胞株又は細胞培養、腫瘍抽出物、又は癌性組織又は器官に関連する細胞、細胞株又は細胞培養、組織又は器官を含む。
【0032】
「腫瘍抽出物」(tumour extract)は、癌性細胞、細胞株又は細胞培養、又は癌性組織又は器官からの分離株(isolate)を指す。
【0033】
「抗原」は、本明細書に記載の様に抗体に結合する分子を指す。例えば、本発明の関心の対象である抗原は、その過剰な発現が、例えば、癌の具体的な兆候である様な特異な病理と関連している癌性抗原であることもある本発明の第一の特徴として、本発明は少なくとも一つの抗原又は抗原バインダを同定する方法に関し、以下を含む:
i) ラクダ科の動物に免疫を与える;
ii) 免疫化されたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 少なくとも一つの抗原又は抗原バインダを同定する。
【0034】
本発明の第二の特徴として、本発明は少なくとも一つの分離された抗原又は抗原バインダに関し、前記抗原又は抗体バインダは以下を含む方法により分離される:
i) ラクダ科の動物に免疫を与える;
ii) 免疫化されたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 少なくとも一つの分離された抗原又は抗原バインダを同定する。
【0035】
本発明の第三の特徴として、本発明は標的上の抗原の量を数値化する方法に関し、以下を含む:
i) ラクダ科の動物に免疫を与える;
ii) 免疫化されたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;
vi) 少なくとも一つの標的と少なくとも一つの融合タンパク質間の結合を測定する;及び
vii) 抗原の量を数値化する。
【0036】
好ましい実施の形態においては、ステップvii) は更に抗原の密度を決定することを特徴として含む。
【0037】
本発明の第四の特徴として、本発明は親和性を決定する方法に関し、以下を含む:
i) ラクダ科の動物に免疫を与える;
ii) 免疫化されたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 少なくとも一つの融合遺伝子を、少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 少なくとも一つの標的と少なくとも一つの融合タンパク質間の親和性を測定する。
【0038】
これらの特徴の好ましい実施の形態においては、ラクダ科の動物にはラクダ又はラマの何れかを含む。ある好ましい実施の形態においては、ラクダ科の動物はラクダである。ある好ましい実施の形態においては、ラクダ科の動物はラマである。ある好ましい実施の形態においては、免疫化は細胞全体、細胞膜部分及び関心のある抗原、例えば、CEA, Muc-1, Tag72, αVβ3 及び αVβ5に特異のペプチドに起こる。ある好ましい実施の形態においては、免疫化は腫瘍抽出物に起こる。
【0039】
ラクダのVHH抗体は重鎖のみからなり、軽鎖を欠いている(例えば、米国特許6,005,079 及び5,874,541を参照願いたい。両文献は、その全ての図面を含み,参照により本明細書に組み入れられる)。その結果、全ての抗体レパートリーをカバーすることがより容易になった(例えば、上の例ではB細胞をコードする100VHHをカバーするために100のクローンで足りる)。又、VHHレポーター(例えば、BLA)融合構築体は、クローンするステップにおいて実質的にバックグラウンドを排除する。更に、検知のために第二次試薬を必要とする親和性標識と異なり、VHH-BLAの酵素的活性はVHH結合量と線形的に関連するため、BLAは、抗体の結合を直接モニターする便利な方法を提供し、これは標的細胞または細胞抽出物の抗原密度を決めるのに用いることができる。同様に、VHHとBLAが1:1の関係にあるため、抗体の親和性の情報を提供する抗体のオフレートを可也正確に決定することができる。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、少なくとも一つのVHH遺伝子がRT-PCRにより分離される。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態においては、レポーター遺伝子はBLAである。BLA配列の代表的な例を図1に示す。
【0042】
BLA酵素はグラム陰性及びグラム陽性バクテリアの両方に広く存在している。BLA酵素は、その特異性が種々異なるが、ベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)を加水分解し、置換されたβアミノ酸を作り出す点で共通している。この様に、BLA酵素はベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)を含む抗生物質に対する耐性を与える。 BLA酵素は哺乳動物に内在的に存在するものでないため、抑制物質、酵素基質又は内在性酵素システムから受ける干渉が最小であり(例えば、プロテアーゼと異なり)したがって、レポーター機能に特に適している。
【0043】
本発明の、 意図される特異的BLAの例には、これに限定されるものではないが、クラスA, B, C 又はDベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)、ベーターガラクトシダーゼ(β−galactosidase)(Benito 他、FEMS Microbiol. Lett. 123:107 (1994)を参照)、フィブロネクチン(fibronectin), グルコオキシダーゼ(glucose oxidase), グルタチオン S-トランセフェラーゼ(glutathione S-transferase)(Napolitano 他、Chem. Biol. 3:359 (1996)を参照)、及び組織プラスミノゲン活性剤(Smith他, J. Biol. Chem. 270:30486 (1995)を参照)を含む。
【0044】
本発明のある実施の形態においては、レポーター遺伝子は、エピポドフィル-ロキシン グルコシド(epipodophyl-lotoxin glucoside)の4’‐リン酸塩(4'-phosphate)誘導体を活性ドラッグに変換するアルカリ フォスファターゼ(alkaline phosphatase)を含む。その様な誘導体にはエトポシド-4’‐リン酸塩(etoposide-4'-phosphate)、エトポシド-4’‐チオリン酸塩(etoposide- 4'-thiophosphate)及びテニポシド-4’‐リン酸塩(teniposide-4'-phosphate)を含む。本発明の他の実施の形態においては、これらのグルコシドのリン酸塩誘導体を含むこともあり、リン酸塩小部分はグルコシドの他の水酸基の位置にある。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態においては、種は大腸菌である。大腸菌以外の微生物株、例えば、バチルス スブチリス (Bacillus subtilis)の様なバチルス、シュードモナス(Pseudomonas)、及びサルモネラ(Salmonella)、及び他の細菌種も用いることができる。その様な原核生物システムでは、宿主又は宿主と共存可能な種に由来する複製部位及び制御配列を含むプラスミド ベクターが、通常用いられる。
【0046】
殆んどのバクテリア プロモータの管理下での構築体の発現のために、大腸菌遺伝子ストックセンター(Genetic Stock Center)からGCSC #6135により入手可能な大腸菌K12 株MM294を宿主として用いることができる。
【0047】
PLNRBS 又はPLT7RBS 制御配列を持つ発現ベクターには、大腸菌KI2 株MC1000 ラムダ リソゲン(lambda lysogen)、N7N53CI857 SusP80, ATCC 39531を用いても良い。1987年4月7日にATCC (ATCC 53606)に寄託された大腸菌DG116、及び1985年3月29日にATCC (ATCC 53075) に寄託された大腸菌KB2もまた宿主細胞として有用である。M13ファージ組み換え体には、大腸菌K12 株DG98 (ATCC 39768)の様なファージ感染を受ける大腸菌が用いられる。DG98株は、1984年7月13日にATCCに寄託された。
【0048】
大腸菌は通常、例えば、Bolivar 他1977, Gene 2:95に記載されているpBR322の誘導体を用いて形質転換しても良い。
【0049】
pBR322プラスミドは、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性の遺伝子を含む。これらのドラッグ耐性マーカーは、所望のベクターを構築する際に維持され又は破壊することもでき、そのため所望の組み換え体の存在を検知するのを助ける。通常用いられる原核生物制御配列、すなわち、転写開始プロモータは、リボソーム結合部位配列と共に任意的にはオペレーターを持つこともあるが、ベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)(ペニシリナーゼ)及び乳糖(lactose (lac))プロモータ システム(Chang 他, 1977, Nature 198:1056を参照)、トリプトファン(tryptophan (trp))プロモータ システム(Goeddel他、1980, Nuc. Acids Res. 8:4057を参照)、及びラムダ由来のPLプロモータ(Shimatake他、1981, Nature 292: 128を参照)、及びNリボソーム結合部位(NRBS)を含む。運搬可能な制御システムカセット(portable control system cassette)は1987年12月8日に特許された米国特許4,711,845,に記載されている。このカセットはNRBSに動作可能にリンクされたPLプロモータを含み、NRBSは、NRBS配列の3’の6塩基ペアーの範囲内で開裂をさせる少なくとも一つの制限酵素認識部位を持つ第3のDNAの上流に位置する。また、Chang 他、により1986年10月8日に欧州特許公報196,864に記載されているフォスフォターゼ(phosphatase A (phoA))システムもまた有用である。しかし、原核生物と共存可能な利用可能なプロモータシステムであればどの様なものでも、本発明の発現ベクターの構築に用いることができる。
【0050】
バクテリアに加えて、イーストの様な真核微生物も又種として使用することができる。その他の多くの株も通常も用いられるが、サッカロミセス セレヴィシェ(Saccharomyces cerevisiae)の実験室株、パン酵母は最も頻繁に使用されるものである。二つのミクロン複製起点(origin of replication)を用いるベクターも普通使用される(Broach, 1983, Meth. Enz. 101:307を参照)が、イーストの発現に適した他のプラスミド ベクターも知られている。例えば、Stinchcomb 他、1979, Nature 282:39; Tschempe 他、1980, Gene 10:157; 及びClarke他、1983, Meth. Enz. 101:300を参照願いたい。イーストベクターの制御配列は糖分解酵素の合成のためのプロモータを含む(Hess 他、1968, J. Adv. Enzyme Reg. 7:149; Holland 他、1978, Biotechnology 17:4900; 及びHolland他、1981, J. Biol. Chem. 256: 1385を参照)。技術分野で知られている他のプロモータには、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(3- phosphoglycerate kinase)(Hitzeman他、1980, J. Biol. Chem. 255:2073を参照)を含み、及びグリセルアルデヒド3−リン酸ジヒドロゲナーゼ(glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase)、ヘキソキナーゼ (hexokinase)、ピルビン酸デカルボキシラーゼ(pyruvate decarboxylase), ホスホフルクトキナーゼ(phosphofructokinase)、グルコース−6‐リン酸イソメラーゼ (glucose-6-phosphate isomerase), 3−ホスホグリセリン酸ムターゼ (3-phosphoglycerate mutase), ピルビン酸キナーゼ(pyruvate kinase), トリオースリン酸 イソメラーゼ(triosephosphate isomerase), グルコースリン酸 イソメラーゼ(phosphoglucose isomerase) 及び グルコキナーゼ(glucokinase)の様な他の糖分解酵素(glycolytic enzyme)のプロモータを含む。
【0051】
成長条件によってコントロールされる転写の他の優位な点を持つ他のプロモータには、アルコール デヒドロゲナーゼ2(alcohol dehydrogenase 2)、アイソシトクロムC (isocytochrome C), 酸ホスファターゼ(acid phosphatase)、窒素代謝に関連する分解酵素 (degradative enzyme)、及びマルトース及びガラクトース利用に必要な酵素のためのプロモータ領域がある。
【0052】
ターミネータ配列もまた、コード配列の3’末端に置かれると発現を促進するために用いても良い。その様なターミネータは、イースト由来遺伝子のコード配列に続く3’非翻訳領域にある。イーストと共存可能なプロモータ、複製起点及び他の制御配列を含むベクターはどの様なものでもイースト発現ベクターを構築するのに適している。
【0053】
コード配列もまた、多細胞生物由来の真核宿主細胞培養で発現されうる。例えば、Tissue Culture, Academic Press, 編集者Cruz 及びPatterson, (1973)を参照。有用な宿主細胞株は、COS-7, COS-A2, CV-I、ネズミの骨髄腫N51 及び VEROの様なネズミの細胞、HeLa細胞及びチャイニーズハムスター卵巣(Chinese hamster ovary (CHO))細胞を含む。その様な細胞の発現ベクターは、通常、例えば、通常用いられるシミアンウイルス40(Simian Virus 40 (SV 40))(Fiers他、1978, Nature 273:113を参照)の初期及び後期のプロモータの様な哺乳動物の細胞と共存可能なプロモータ及び制御配列、又はポリオーマ 、アデノウイルス2、ウシのパピローマ ウイルス(bovine papilloma virus (BPV))、トリ肉腫ウイルス由来の様な他のウイルスプロモータ、又は免疫グロブリンプロモータ及び熱ショックプロモータを含む。
【0054】
エンハンサー領域も発現を最適化するために重要である。複製起源は、もし必要ならウイルス源から得ることができる。これらの種は又、植物細胞を含み、ノパリン シンターゼ プロモータ(nopaline synthase promoter)及びポリアデニル化シグナル配列(polyadenylation signal sequence)の様な植物細胞と共存可能な制御配列(Depicker他、1982, J. MoI. Appl. Gen. 1:561を参照)も利用可能である。バキュロ ウイルス ベクターにより提供される制御システムを使う昆虫細胞を用いる発現システムも記述されている。
【0055】
Miller他、Genetic Engineering (1986)、Setlow他、編集、Plenum Publishing, Vol. 8, pp. 277-97を参照。昆虫の細胞ベースの発現はスポドプテラ フルギピダ(Spodoptera frugipeida)において達成可能である。これらのシステムは、又組み換え酵素を作ることができる。
【0056】
種に依るが、形質転換の細胞に適した標準の技術を用いて行う。塩化カルシウムを用いたカルシウム治療は、Cohen, 1972, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:2110に記載の様に、原核生物又は実質的な細胞壁を持つ他の細胞にも用いられる。アグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)(Shaw 他、1983, Gene 23:315を参照)による感染はある種の植物細胞に用いられる。哺乳類細胞には、Graham 他、1978, Virology 52:546のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。イーストへの形質転換は、Van Solingen 他、1977, J. Bact. 130:946, 及び Hsiao他、1979, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:3829の方法により実施される。
【0057】
ポリペプチドをコードするDNAの配列を修飾して、例えば、コードされたタンパク質のアミノ酸配列を修飾することなく、これらの種のコドンの使用とより適合する配列を提供することが望ましいこともある。その様な最初の5−6個のコドンを修飾することは発現の効率を向上させることもある。発現効率を向上させるために修飾されるが、同じアミノ酸配列をコードするDNA配列は同等と考えられ、本発明の範囲に含まれる。
【0058】
種々の、部位特異なプライマ指導の突然変異法は又利用可能であり、技術分野で周知である。Sambrook他、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, 1989, 第二版、15.51章, "Oligonucleotide- mediated mutagenesis"を参照願いたい。本文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【0059】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、部位特異な突然変異を行うのに用いることができる。現在技術分野で標準的な他の技術には、所望の変異種をコードする合成オリゴヌクレオチドが、突然変異するプライマの伸長製品構築のためのテンプレートとして働くpBSM13+誘導体の様な、単鎖に含まれる相補的核酸配列の合成を指揮するプライマとして用いられる。突然変異されたDNAは宿主バクテリアに形質転換され、形質転換されたバクテリアの培養は平板培地され、同定される。修飾されたベクターの同定は、選択された形質転換体のDNAのニトロセルロース フィルター又は他の膜への移転、及び、元の突然変異をしていない鎖とのハイブリッド化を阻止するが、修飾された配列に厳格にマッチするハイブリッド化は認める温度で、キナーゼによる合成突然変異プライマとハイブリッドする「高揚」(lifts) を含むこともある。
【0060】
プローブ(probe)とハイブリッドするDNAを含む形質転換体は、その後培養され(DNAの配列は、通常配列分析により確認される)、及び修飾されたDNAの貯蔵槽としての役割をする。
【0061】
遺伝子コードの多重性より、通常、多数のDNA配列は与えられたどのアミノ酸配列をもコードし、この意味において同等である。以下に記載の様に発現ベクターが挿入される宿主細胞の好ましいコドンの使用基づき、発現ベクターで用いる一つの、又は他の同等なDNA配列を選択するのが望ましいこともある。本発明は、開示されたタンパク質をコードする全てのDNA配列を含むことを意図しているものである。
【0062】
動作可能な発現クローンも用いることができ、発現ベクターにおいて、コード配列を適当な制御配列と動作可能にリンクされた状態に置くことにより構築されることもある。ベクターは、宿主細胞中で自動的に複製され、又は宿主細胞の染色体DNAと一体化する様にデザインすることもできる。結果のクローンは適当な宿主を形質転換するのに用いられ、形質転換された宿主はコード配列を発現させるのに相応しい条件で培養される。
【0063】
コード配列及び適当な制御配列を含む適当なクローンの構築には、標準的結紮、及び技術分野で良く理解されている標準的結紮及び制限技術を用いる。通常、分離されたプラスミド、DNA配列又は合成されたオリゴヌクレオチドが、所望の形に切り取られ、修飾され及び再結紮される。適当な制限酵素認識部位が、もし通常に利用できない場合には、発現クローンの構築を促進させるためにコード配列の末端に追加することもできる。
【0064】
部位特異なDNA開裂は、技術分野で通常理解され、市場で入手可能な制限酵素の製造者により具体的に記されている条件の下で、適当な(一以上の)制限酵素により処理することで実施される。Amersham (Arlington Heights, IL), Roche Molecular Biochemicals (Indianapolis, IN), 及びNew England Biolabs (Beverly, MA)を参照願いたい。特定の酵素に最適な温度で、約1から2時間の培養時間が普通である。各培養の後に、タンパク質がフェノール及びクロロフォルムにより抽出され除去される;この抽出に続き水成部分からエーテルによる抽出、及びエタノールによる沈殿によってDNAの回収をしても良い。もし望むなら、開裂された断片のサイズごとの分離を、標準の技術を用いてポリアクリルアミド ゲル又は寒天ゲル電気泳動法により行っても良い。Maxam他、1980, Methods in Enzymology 65:499-560を参照願いたい。
【0065】
結紮は、例えば、次の標準的条件及び温度で、15-30μl容量中で行うことができる:20mM Tris-Cl, pH 7.5, 10mM MgCl2, 10mM DTT, 33μg/ml BSA, 10-50mM NaCl、及び40μM ATP及び 0.01-0.02 (Weiss) 単位T4 DNA リガーゼ、温度0° C(相補的単鎖末端により断片を結紮)、又は1mM ATP 及び0.3-0.6単位 T4 DNA リガーゼ、温度14℃(平滑末端結紮)。相補的末端による断片の分子間結紮は、通常33-100μg/mlの全DNA濃度(5-100nM全末端濃度)で実施される。分子間平滑末端結紮は(通常20から30倍の余分のモルリンカーを、任意選択的に用いて行う)は1μM全末端濃度で実施される。
【0066】
プラスミド構築体が正しく結紮されているか否かは技術分野で知られているどの様な方法によって確認しても良い。例えば、プラスミド構築体が正しく結紮されているかは、まず大腸菌株DG101(ATCC 47043) 又は大腸菌株DG116 (ATCC 53606)の様な適当な宿主により、結紮混合物を用いて確認することができる。旨く転換された形質転換体は、技術分野で理解されている様に、プラスミド構築体の形態によりアンピシリン、テトラサイクリン又は他の抗生物質耐性又は抗生物質感受性により、又は他のマーカーを用いて選択される。そして任意選択的にクロラムフェニコール増幅に続いて、形質転換体からのプラスミドが、Clewell 他、1969, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 62:1159の方法により、準備される。Clewell, 1972, J. Bacteriol. 110:667を参照願いたい。
【0067】
代替的に、プラスミドDNAはBethesda Research Laboratories 刊行物Focus 5 (2)の11ページに記載の「Base-Acid」抽出法により作ることができ、非常に純粋なプラスミドDNAが、その手順の12から17のステップをDNAのCsCl/臭化エチジウム超遠心分離法により置換することにより得ることができる。他の代案として、市場で入手可能なプラスミドDNA分離キット、例えば、HISPEED(商標) QIAFILTER(商標) 及びQIAGEN(商標登録)プラスミドDNA分離キット(Qiagen, Valencia CA)を、販売者提供の手順に従い用いることができる。分離されたDNAは、例えば、制限酵素分解により分析され、及び/又はSanger他、1977, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463により、更にMessing 他、1981, Nuc. Acids Res. 9:309により記載されているジデオキシ法により、又はMaxam他、1980, Methods in Enzymology 65:499による方法によって配列決定されうる。
【0068】
本発明のある好ましい実施の形態においては、活性はニトロセフィン アッセイにより決定される(実施例に記載の様に、及び、又例えば、WO 03/105757 及び WO 03/107009を参照願いたい。これら文献は、その全ての図面を含み、参照により本明細書に組み入れられる)。
【0069】
本発明のある好ましい実施の形態においては、標的は少なくとも一つの癌細胞株である。他の実施の形態においては、CEAを発現させ、またはCEAを自己に結合させ、またはCEAをその近辺に置く標的は、癌に関連した標的である。他の実施の形態においては、標的はMuc-1及びTag72、αVβ5である(他の標的についてはWO 03/105757 及び WO 03/107009を参照願いたい。両文献はその全ての図面を含み、参照により本明細書に組み入れられる)。細胞又は組織のソースはヒト、他の全ての動物、細菌、糸状菌、ウイルス及び植物を含む。
【0070】
組織は複雑な標的であり、単細胞タイプ、細胞タイプの集り又は、通常、ある特定の細胞の集合である。組織は人の手が入っていないことも、又は修飾されていることもある。ヒトの組織の一般的なクラスには、これに限定されるものではないが、上皮組織(epithelial tissue)、結合組織(connective tissue)、神経組織(nerve tissue)及び筋肉組織(muscle tissue)を含む。
【0071】
本発明のある好ましい実施の形態においては、結合特異性はFACS, ELISA又はIHCにより確認される。ある好ましい実施の形態においては、結合特異性はFACSにより確認される。
【0072】
本発明のある好ましい実施の形態においては、結合特異性がELISAにより確認される。(例えば、Yasuhito Abe, Teiri Sagawa, Ken Sakai 及びShigeru Kimura、ヒトの表皮性成長因子の酵素にリンクされた免疫吸着剤アッセイ(Enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) for human epidermal growth factor (hEGF))、Clinica Chimica Acta, 168: 87-95, 1987; Yasuhito Abe, Masazumi Miyake, Teiri Sagawa 及びShigeru Kimura、ヒトの腫瘍壊死因子の酵素にリンクされた免疫吸着剤アッセイ(Enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) for human tumor necrosis factor (hTNF))、Clinica Chimica Acta 176: 213-218, 1988、Yasuhito Abe, Masazumi Miyake, Atsushi Horiuchi, Teiri Sagawa, Hitoshi Ono and Shigeru Kimura。
【0073】
ヒトの腫瘍壊死因子-a (hTNF-a) のサンドイッチ免疫学的検定(sandwich immunoassay)での非特異的反応Clinica Chimica Acta 181: 223-230, 1989を参照願いたい。これらの何れも、参照により本明細書に組み入れられる)。
【0074】
好ましい実施の形態においては、 結合特異性はIHCにより確認される(例えば、診断免疫組織化学(Diagnostic Immunohistochemistry)、David J. Dabbs. W.B Saunders Company. Philadelphia, PA 2001を参照願いたい。本文献は参照により本明細書に組み入れられる)。
【0075】
実施例
実施例1:ラマの免疫性付与(IMMUNIZATION OF LLAMA)
ラマは細胞全体、細胞膜画分及び関心のある抗原、例えば、CEA, Muc-1, Tag72, αVβ3 又はαVβ5に特異のペプチドに免疫性を与えられることもある。現在の方法は、細胞全体について免疫性を与えることで知られている。
【0076】
(Current Protocols in Immunology (1995). John Wiley & Sonc, Inc. Pages:2.5.1-2.5.17.を参照)。膜画分は標準の技術で作っても良い。細胞は窒素爆弾を用いて均質化し、又は空洞を造っても良い。細胞分画は連続した遠心分離を用いて分離されても良い(無傷細胞上でScFvファージを、低いpH条件で選択することは挿入自由ファージ(insert free phages)を大部分失うことに繋がる(2001)。Tur M.K., Huhn S., Sasse S., Engert A. 及びBarth S. Biotechniques 30: 404-413を参照)。また、抗原による免疫性の付与は標準的技術により行っても良い。
【0077】
免疫性の付与は、Animal Experimental Committeeにより承認された方法を用いて油中水滴乳液中で250ug抗原により行っても良い (Boersma W. J.A., Bogarts E.J.C., Bianch A.T.J., Claassen E. (1992)の安定的な油中水滴乳液の補助的特性:specol.による経験の評価 (Adjuvant properties of stable water-in-oil emulsions: evaluation of the experience with specol.)、Res Immunol. 143:503))。
【0078】
例えば、ラマは標的細胞株ZR75-1 及び T47D又は1918により免疫性を付与しても良い。これらの細胞株はMucl 及びTag72 抗原を発現させる。最初の免疫性付与は全細胞を用いて行っても良い。続く高揚は(boost)、膜画分を用い、関心のある細胞の表面抗原に対して抗体レパートリーを濃くすることにより行っても良い。
【0079】
免疫性の取得は、若い大人のラマで0、21及び35日目に起きることもある(免疫反応の誘発及びラマ グラマ(Llama glama)の重鎖抗体レパートリーの分子クローニング。((2000) van der Linden R, de Geus B, Stok W, Bos W, van Wassenaar D, Verrips T, Frenken L. J Immunol Methods. 240(1-2): 185-95を参照)。
【0080】
他の実施例としては、ラマは、上で述べた免疫化手順に従い、市場で入手可能なインテグリンCEA, Muc-1, Tag72, αVβ3 又は αVβ5のタンパク質調剤によりで免疫性を付与されても良い。
【0081】
実施例2:ラマからの血液サンプルの収集(COLLECTION OF BLOOD SAMPLES FROM LLAMA)
通常、ラクダ科の動物の頸静脈から抹消血が取られる。針の進入ポイントはおおよそ背側縁と頸部縁(dorsal and neck margin)の略中間であるべきである。このポイントは、薄い筋肉部分とその上部の項靭帯(muchal ligament)を避けるものである。動物は一本足の足枷を使い拘束され、その頭部は作業者に怪我をさせないように固定される。注射器または真空収集管を用いても良い。推奨される針は18g X 37 mmである。血清サンプルは、他の哺乳動物の場合と同様に処理される。
【0082】
連続サンプルが必要な場合は、留置カテーテルを設置するのが最も便利である。カテーテルは 延長チューブに接続されても良い。装置はヘパリン(heparin):水を1:10の溶液で満たして置き、簡単な縫合又は強力接着剤を数滴落として皮膚に「縫って」留める。
【0083】
実施例3:重鎖断片のcDNA生成及びPCR増幅
(cDNA PREPARATION and PCR AMPLIFICATION OF HEAVY CHAIN FRAGMENTS)
RNAは、Chomzeynski 及びSachi, 1987に記載の方法により血液及びリンパ節から分離しても良い。cDNAは、100μg全RNA上で、M-MLV逆転写酵素(Reverse Transcroptase)(Gibco BRL)、及びへクサヌクレオチド ランダム プライマ(Amersham Biosciences)、又はすでに触れた様に(de Haard 他、1999)オリゴーdT プライマにより生成されることもある。cDNAは、エタノール沈殿と組合せてフェノール/クロラムフェニコール抽出により精製され、そして特にVHHレパートリーを増幅するためのテンプレートとして用いても良い。
【0084】
カメロイド重鎖抗体(Cameloid heavy chain antibodies)(1.3-kB)の完全重鎖由来のIgG遺伝子及び通常の抗体(1.65-kB)が、FRl特異プライマHR-NBFl
(5'- GAGGTBCARCCATGGGASTC YGG-3’;太字はNcoI部位を示す)と組み合わせたoligo-dT プライマにより、EPO 1205100.9に記載された方法により、oligo-dT プライマにより準備されたcDNAをテンプレートとして、増幅されることもある。本文献はその全ての図面を含め、参照により本明細書に組み入れられる。重鎖抗体由来のIgG単位複製配列(amplicon)はゲル精製され、HR-NBFlプライマに導入されたNcol酵素、及びFR4領域に自然に生ずることのあるPinAI 酵素により分解された後にクローンに用いられることもある。
【0085】
代替的に、vHHレパートリーは、WO03050531A2に記載の二つのIgG特異のオリゴヌクレオチド プライマを用いるヒンジ依存のアプローチにより増幅されうる。シングルPCR反応においては、HR-NBFl (5'- GAGGTBCARCCATGGGASTCYGG-3';太字はNcoI部位を示す)プライマは、短いHR-NBRl (5'-AACAGTTAAGCTTCCGCTTACCGGTGGAGCTGGGGTCTTCGCTGTGGTGCG- 3 '; 太字はPinAI部位を示す)又は長いHR-NBR2 (5’ − AACAGTTAAGCTTCCGCTTACCGGTTGGTTGTGGTTTTGGTGTCTTGGGTT-3’; 太字はPinAI部位を示す)ヒンジ プライマであって、重鎖可変領域遺伝子断片の増幅に特異であることが知られているヒンジプライマと組合せられるであろう。又WO 03/050531 A2を参照願いたい。本文献はその全ての図面を含み、参照により本明細書に組み入れられる。又Serge Muyldermansによる, 免疫を付与されたラマのvHH遺伝子をクローンし選択する戦略の概観説明のためのReviews in Molecular Biotechnology 74(2001) 277-302論文を参照願いたい。
【0086】
実施例4:vHH-BLA発現ライブラリーの生成(CREATION OF vHH-BLA EXPRESSION LIBRARY)
上記実施例3に記載のPCR増幅されたラマの抗体のvHH断片抗体は、図3に示す大腸菌の発現ベクターpNA31.1にクローンされることもある。pNA31.1プラスミドは、MFE-23 scFvの多くの部分を含む461-bp領域を除去するためにPstI酵素により分解されて、pME27.1プラスミド(例えば、CABl, WO 03/105757 及びWO 03/107009を参照願いたい。両文献はその全ての図面を含み、参照により本明細書に組み入れられる)に由来する不活性BLA遺伝子を持つスタッファーベクター(stuffer vector)である。上の実施例3に記載の様にして得られた、vHH PCR製品、及び、pNA31.1 をNcoI及びPinAI酵素で分解の後、0.6-kb挿入断片及び4.4-kbベクター断片はそれぞれゲルで精製される。それらは、その後結紮され、そして大腸菌TOP10F' (Invitrogen, Carlsbad, CA)コンピテント細胞に形質転換され、LA+Cm10+0.1 CTXプレートで選択される。vHH 断片のvHH-BLA融合タンパク質としての発現はラクトース プロモータ(lactose promoter (lacP))により推進され、そしてvHH-BLA融合タンパク質は、pelBシグナル配列により分泌のため大腸菌ペリプラズムを標的とする。
【0087】
重鎖及びBLAドメインは、GGGGS 又は (GGGGS)2の様な、より短いリンカー配列と、これらの間において、互いに融合されることもある。抗体操作において成功裡に用いられた種々のリンカーについての議論に関する、Carl A. Borrebaeck 編纂の書籍、「Antibody Engineering」(Second edition, Oxford University Press, 1995)中のJ. S. Huston他による「調整的折畳みによる単鎖Fvデザイン及び及び生産」(Single-chain Fv design and production by preparative folding)の題の第7章を参照願いたい。
【0088】
TOP10F'細胞からの形質転換体が採取され、96ウエルプレートでLB+10ppm cmp中で植菌されることもある。これらは30°Cで48時間培養されても良い。
【0089】
Bper試薬 (PIERCE)が各ウエルに加えられ、室温で30分間培養されても良い。
【0090】
Bper抽出物はPBS中で希釈され、BLA活性が、蛍光発生基質ニトロセフィン(fluorogenic substrate nitrocefin)(Oxoid)を用いて測定される。
【0091】
実施例5:融合タンパク質の癌細胞による培養及び結合クローンの同定
(INCUBATION QF FUSION PROTEIN WITH CANCER CELLS AND IDENTIFICATION OF BINDING CLONES)
癌細胞は96ウエル プレートに植菌され、37°Cで 24-48時間培養されても良い。これらは伝統的なフォルムアルデヒド又はエタノール固定法により固定されても良い。実施例4からのBper抽出による異なる濃度の融合タンパク質が、癌細胞を持つ96ウエル プレートに加えられる。プレートは室温で1時間培養されても良い。結合されない融合タンパク質はPBST (PBS + 0.1% Tween 20)によって洗い流されても良い。結合BLAは96ウエル プレートにニトロセフィン基質を加えることにより測定しても良い。最高の結合を示すクローンを選定することができる。BLAの負の制御は結合実験に含めることができ、そのため非特異結合のバックグラウンドを測定することができる。
【0092】
本発明が固有に持つもののみならず、本発明の対象物、且つその目的及び利益を得つつ本発明を改変して実施することは当業者であれば容易に行うことができると考えられる。
【0093】
本明細書に記載された分子複合体、及び方法、手順、処理、分子、特定化合物は好ましい実施の形態の代表例を記したもので、それらの典型例を示したものにすぎず本発明の範囲を限定するものと解してはならない。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に開示された本発明に種々の置換、及び修飾を加えることは、当業者であれば容易になしうることである。
【0094】
本明細書に記載した、全ての特許及び刊行物は、本発明の関係する技術分野の当業者の水準を示すものである。全ての特許及び刊行物は、各個々の刊行物が各個別に参照により本明細書に組み入れられると表示されている場合と同様に、参照により本明細書に組み入れられる。
【0095】
本明細書に具体的に記載された本発明は、本明細書に具体的に明記されていない如何なる要素、限定が欠けている場合においても適切に実施することが可能であろう。
【0096】
使用された用語及び表現は記載のための用語として用いられたものであり、限定を意味するものでなく、その様な用語及び表現を用いることにより、それらの特徴を示すものと同等なもの、又はその部分を排除する意図はなく、本発明の権利範囲にあって種々の修飾が可能であることを認めなければならない。したがって、本発明は、好ましい実施の形態、又は任意選択的な特徴、修飾を持つ形態により具体的に開示されているが、当業者であれば、本明細書に開示された概念の種々の変形したものを実施することができる。これらの修飾、変形は、本発明の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲に属するものと考えられる。
【0097】
本発明は本明細書において一般的及び総称的に記載されている。総称的に開示された範囲に含まれるより狭い種、及び下位の属に含まれるものも本発明の一部である。これには、本明細書において除外された材料が具体的に明示されているか否かを問わず、その属から、ある主題事項を除くとする条件又は否定的な限定を持つ総称的な発明の記載のある場合をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】ベータ−ラクタマーゼ(β-lactamase)タンパク質のアミノ酸配列を示す。
【図2】例えば、重鎖及び軽鎖を示すある典型的な抗体の構造を示す。更に、特にVHHに関する(米国特許6,005,079 及び 5,874,541を参照。本文献は参照により本明細書に組み入れられる)。
【図3】大腸菌においてラマvHH発現ライブラリーを作るために用いられるpNA31.1プラスミドのプラスミドマップを示す。vHH遺伝子レパートリーは、vHH PCR断片及びpNA31.1 ベクターの両方をNcol及びPinAI酵素で分解した後、インフレームで上流pelBシグナル配列及び下流BLA配列と融合される。発現は、示す様にlacPにより進展され、T7ターミネータにより終了される。
【図4A】pNA31.1プラスミドの完全ヌクレオチド配列を示す。
【図4B】pNA31.1プラスミドの完全ヌクレオチド配列を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの抗原又は抗原バインダを同定する方法であり、
i) ラクダ科の動物に免疫性を与える;
ii) 免疫性を与えられたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 前記少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 前記少なくとも一つの融合遺伝子を、前記少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ前記少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 前記少なくとも一つの抗原又は抗原バインダを同定する
ことを含む前記方法。
【請求項2】
前記ラクダ科の動物がラクダ又はラマの何れかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
免疫性の付与が、細胞全体、細胞膜部分又は、関心のある抗原に特異のペプチドに起きる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記関心のある抗原がCEA, Muc-1, Tag72, αVβ3又は、αVβ5を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
免疫性の付与が腫瘍抽出物に起きる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも一つのVHH遺伝子がRT-PCRで分離される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記種が大腸菌である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの抗原又は抗原バインダが前記融合タンパク質の活性を測定することにより同定される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記レポーター遺伝子がBLAである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
活性がニトロセフィン アッセイにより決定される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
結合がFACS, ELISA 又はIHCにより測定される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
結合がFACSにより測定される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
抗原又は抗原バインダであって、
i) ラクダ科の動物に免疫性を与える;
ii) 免疫性を与えられたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 前記少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 前記少なくとも一つの融合遺伝子を、前記少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ前記少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;及び
vi) 前記少なくとも一つの分離された抗原又は抗原バインダを同定する
ことを含む方法により分離される前記抗原又は抗原バインダ。
【請求項14】
前記抗原がCEA, Muc-1, Tag72, αVβ3又は、αVβ5である請求項13に記載の抗原又は抗原バインダ。
【請求項15】
免疫性の付与が腫瘍抽出物に起きる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも一つのVHH遺伝子がRT-PCRにより分離される請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも一つの抗原又は抗原バインダが融合タンパク質の活性を測定することにより同定される請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記レポーター遺伝子がBLAである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
活性がニトロセフィン アッセイにより決定される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
結合がFACS, ELISA 又はIHCにより測定される請求項13に記載の方法。
【請求項21】
結合がFACSにより測定される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
標的の抗原の量を定量化する方法であって、
i) ラクダ科の動物に免疫性を与える;
ii) 免疫性を与えられたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 前記少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 前記少なくとも一つの融合遺伝子を、前記少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;
v) 少なくとも一つの標的を持つ前記少なくとも一つの融合タンパク質を培養する;
vi) 前記少なくとも一つの標的と前記少なくとも融合タンパク質の間の結合を測定する;及び
vii) 抗原の量を定量化する
ことを含む前記方法。
【請求項23】
免疫性の付与が、細胞全体、細胞膜部分又は、関心のある抗原に特異のペプチドに起きる請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも一つの抗原又は抗原バインダが融合タンパク質の活性を測定することにより同定される請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記レポーター遺伝子がBLAである請求項22に記載の方法。
【請求項26】
活性がニトロセフィン アッセイにより決定される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
結合がFACSにより測定される請求項22に記載の方法。
【請求項28】
親和性を決定する方法であって、
i) ラクダ科の動物に免疫性を与える;
ii) 免疫性を与えられたラクダ科の動物から少なくとも一つのVHH遺伝子を分離する;
iii) 前記少なくとも一つのVHH遺伝子をレポーター遺伝子に融合し、それにより少なくとも一つの融合遺伝子を作る;
iv) 前記少なくとも一つの融合遺伝子を、前記少なくとも一つの融合遺伝子から少なくとも一つの融合タンパク質の分泌を可能にする種に形質転換させる;及び
v) 少なくとも一つの標的を持つ前記少なくとも一つの融合タンパク質を培養する
ことを含み、前記少なくとも一つの標的及び前記少なくとも一つの融合タンパク質の間の親和性を測定する前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2008−501337(P2008−501337A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515154(P2007−515154)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/016695
【国際公開番号】WO2005/121797
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(500284580)ジェネンコー・インターナショナル・インク (67)
【Fターム(参考)】