説明

抗真菌液体調合剤

本発明は、3−ヨードプロパルギルブチルカルバメート(IPBC)およびn−オクチルイソチアゾリノン(NOIT)を含む、材料を保護するための安定な抗真菌液体調合剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−ヨードプロパルギルブチルカルバメート(IPBC)およびn−オクチルイソチアゾリノン(NOIT)を含む、材料を保護するための安定な抗真菌液体調合剤に関する。
【背景技術】
【0002】
IPBCおよびNOITを含む調合剤は、概ねよく知られている。例えば(特許文献1)には、特に、開放冷却システムおよび製紙において、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)の成長を防除するためのIPBCおよびNOITの相乗的な混合物が開示されている。
【0003】
(特許文献2)には、木、紙、テキスタイル、接着剤および染料を、カビの侵入から保護するのに好適なIPBCおよびNOITを含むキシレン−および水含有組成物が開示されている。
【0004】
(特許文献3)には、ハロアセチレン誘導体、イソチアゾリノンおよびエポキシ化合物を含む安定な組成物が記載されている。
【0005】
(特許文献4)には、ピリチオン塩および2−アルキルイソチアゾリノンと、IPBCもさらに含むことのできる相乗的な混合物が開示されている。
【0006】
上述した混合物および組成物の欠点は、VOCフリーでなく、かつ/または貯蔵安定性が不適切なことである。
【0007】
(特許文献5)には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールグリセロールエステル中に溶解した活性成分IPBCを含むVOC−フリーまたはVOCの減少した安定な液体調合剤が記載されている。
【0008】
NOITとIPBCを含む実質的にVOC−フリーの調合剤は、IPBCが熱または光の存在で分解するため、通常、安定化させるのが難しい。その結果、かかる調合剤は、変色し、多くの用途において適さなくなる。
【0009】
VOC−フリーの調合剤を得る1つの選択肢は、水性分散液として活性成分を、さらなる溶剤を添加せずに調合することである。IPBCおよびNOITは、それぞれについて、それ自体で安定な分散液または乳剤に調合することができるが、両活性成分を含む安定な分散液を得ることはできない。両活性成分の存在によって、深刻なヘテロ凝集となり、このことで、短時間で凝集体が形成され、調合剤がひどく沈殿し、かつ/またはNOITから油分が抜ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】カナダ特許第2053807号明細書
【特許文献2】特開平06−016506号公報
【特許文献3】特開2003−104801号公報
【特許文献4】国際公開第2002/015693号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/049543号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
実質的にVOC−フリーな、NOITおよびIPBCの安定な液体調合剤は今まで知られていない。
【0012】
従って、実質的にVOC−フリーな、NOITおよびIPBCの安定な液体調合剤を提供することが必要とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
少なくとも
・3−ヨードプロパルギルブチルカルバメート(IPBC)と、
・n−オクチルイソチアゾリノン(NOIT)と、
・標準圧力(1013.25hPa)を基準として250℃以上の沸点を有しかつエーテル、エステルまたはアミドまたはアルコール基から選択される少なくとも2種の官能基を含む溶剤とを含み、
標準圧力を基準として250℃未満の沸点を有する溶剤を実質的に含まない液体組成物が見出された。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の範囲には、成分の全ての任意かつ可能な組み合わせ、包括的または好ましい範囲で上述および後述される値の範囲および/またはプロセスパラメータが包含されることに留意されたい。
【0015】
本発明の範囲において、「液体組成物」という用語は、組成物が、室温で液体状態で存在し、固体構成成分の含量が、0〜1重量%、好ましくは、0〜0.5重量%であることを意味する。液体組成物は、固体成分がないのが特に好ましい。
【0016】
圧力を基準として、250℃未満の沸点を有する溶剤が実質的にないとは、調合剤におけるかかる溶剤の重量分率が、0〜3重量%、好ましくは、0〜1重量%、特に好ましくは、0〜0.5重量%であることを意味する。
【0017】
例えば、本発明による液体組成物は、IPBCおよびNOITを、90:1〜1:90、好ましくは、8:2〜2:8、特に好ましくは、7:3〜3:7の重量比で含む。
【0018】
本発明による液体組成物中のIPBCおよびNOITの活性成分含量の合計は、広い範囲で変えることができ、選択した溶剤の活性成分の最大溶解度によってのみ上限がある。概して、重量分率の合計を基準として、例えば、2〜90重量%、好ましくは、5〜85重量%、特に好ましくは、30〜80重量%、さらに好ましくは、50〜60重量%のIPBCおよびNOITが調合剤に存在していてよい。
【0019】
本発明による液体組成物は、標準圧力(1013.25hPa)を基準として250℃以上の沸点を有しかつエーテル、エステルまたはアミドまたはアルコール基から選択される少なくとも2種の官能基を含む少なくとも1種の溶剤をさらに含む。
【0020】
かかる溶剤は、好ましくは、ポリエーテルアルコール、例えば、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、同じく、ジアルキルエステル、例えば、アジピン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキルおよびグルタル酸ジアルキルである。
【0021】
特に好ましい溶剤は、ポリエチレングリコール、同じく、アジピン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキルおよびグルタル酸ジアルキル、ならびに上述した溶剤の混合物である。
【0022】
ポリエチレングリコールは、少なくとも3つのエチレングリコール単位を有するものが好ましい。好ましいポリエチレングリコールは、3〜14、好ましくは、3〜12、特に好ましくは、3〜10のポリエチレングリコール単位を有する。さらに特に好ましいのは、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール500およびポリエチレングリコール600である。これらは、純粋な化合物またはその混合物であってよい。規定したポリエチレングリコールおよびその混合物は市販されている。
【0023】
グルタル酸、コハク酸およびアジピン酸ジアルキルは、例えば、個別に用いることができるが、好ましくは、工業生産プロセスで生成されるため、混合物として用いるのが好ましい。アルキルラジカルが直鎖または分岐で、3〜10個の炭素原子を有するエステルを用いるのが好ましい。特に好ましくは、プロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシルジエステルまたはこれらの混合物であり、さらに特に好ましくは、ジイソブチルジエステルの混合物である。
【0024】
かかる溶剤の量は、広い範囲で変えることができる。概して、5〜90重量%、好ましくは、5〜48重量%、特に好ましくは、40〜48重量%の溶剤を調合に用いる。
【0025】
本発明による組成物は、少なくとも1種の乳化剤をさらに任意で含むことができる。好適な乳化剤は、例えば、ノニオンおよびアニオン乳化剤である。
【0026】
例えば、以下の好適な乳化剤が挙げられる。ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン脂肪アルコールエーテル、アルキルフェニルエトキシレートまたはプロポキシレート、トリスアリールフェニルエトキシレートまたはプロポキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、アルキルポリグリコシド、脂肪アミンエトキシレート、脂肪酸アミドエトキシレート、アルキルポリアルキレングリコールコポリマー、アルコール、アルキルフェニル基またはトリスアリールフェニルラジカルで任意でエーテル化された、あるいはスルホネートまたはホスフェートラジカルをさらに有する上述したタイプの脂肪酸または界面活性剤によりエステル化されたポリオキシプロピレンとポリオキシエチレン単位のブロックコポリマー、およびさらに、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネート。
【0027】
乳化剤は、好ましくは、非イオノゲン乳化剤であり、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルフェニルエトキシレート、トリスアリールフェニルエトキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、アルコール、アルキルフェニル基またはトリスアリールフェニルラジカルで任意でエーテル化された、あるいは脂肪酸または上述した乳化剤によりエステル化されたポリオキシプロピレンとポリオキシエチレン単位のブロックコポリマーである。
【0028】
本発明による液体組成物は、0.001〜10重量%、好ましくは、1〜8重量%、特に好ましくは、1〜6重量%の乳化剤を含む。
【0029】
本発明による液体組成物に、活性成分、例えば、防かび剤、殺菌剤、殺藻剤および/または殺虫剤もさらに任意で含めることができる。
【0030】
用いることのできる任意でさらに存在する防かび剤、殺菌剤、殺藻剤および/または殺虫剤は、例えば、
トリアゾール類、例えば、アザコナゾール、アゾシクロチン、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フェンクロラゾール、フェンタニル、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、イソゾフォス、ミクロブタニル、メトコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、(±)−シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、2−(1−tert−ブチル)−1−(2−クロロフェニル)−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパ−2−ノール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアペンテノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、ウニコナゾールおよびこれらの金属塩および酸付加物、
イミダゾール類、例えば、クロトリマゾール、ビフォナゾール、クリムバゾール、エコナゾール、フェナパミル、イマザリル、イソコナゾール、ケトコナゾール、ロンバゾール、ミコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、チアゾールカー、1−イミダゾリル−1−(4’−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチルブタ−2−ノンおよびこれらの金属塩および酸付加物、
ピリジン類およびピリミジン類、例えば、アンシミドール、ブチオベート、フェナリモール、メパニピリン、ヌアリモール、ピロキシフル、トリアミロール、
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、例えば、ベノダニル、カルボキシム、カルボキシムスルホキシド、シクラフルラミド、フェンフラム、フルタニル、フルカルバニル、フルメシクロックス、メベニル、メプロニル、メトフロキサム、メトスルホバックス、ニコビフェン、ピラカルボリド、オキシカルボキシン、シルラン、シードバックス、
ナフタレン誘導体、例えば、テルビナフィン、ナフチフィン、ブテナフィン、3−クロロ−7−(2−アザ−2,7,7−トリメチルオクト−3−エン−5−イン)、
スルフェンアミド類、例えば、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、フォルペット、フルオロフォルペット、キャプタン、カプトホール、
ベンズイミダゾール類、例えば、カルベンダジム、ベノミル、フベリダゾール、チアベンダゾール、またはこれらの塩、
モルホリン誘導体、例えば、アルジモルフ、ジメトモルフ、ドデモルフ、ファリモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、トリモルファミド、およびこれらのアリールスルホン酸、例えば、p−トルエンスルホン酸およびp−ドデシルフェニルスルホン酸、
ベンゾトリアゾール類、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、
ベンゾチオフェンジオキシド類、例えば、シクロヘキシル−ベンゾ[b]チオフェンカルボキサミドS,S−ジオキシド、
ベンズアミド類、例えば、2,6−ジクロロ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、テクロフタラム、
ホウ素化合物、例えば、ホウ酸、ホウ酸エステル、ホウ砂、
ホルムアルデヒドおよびホルムアルデヒド放出化合物、例えば、ベンジルアルコールモノ(ポリ)ヘミホルマール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(DMDMH)、ビスオキサゾリジン、n−ブタノールヘミホルマール、シス−1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、1−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、ダゾメット、ジメチロール尿素、4,4−ジメチルオキサゾリジン、エチレングリコールヘミホルマール、7−エチルビシクロオキサゾリジン、ヘキサヒドロ−S−トリアジン、ヘキサメチレンテトラミン、N−ヒドロキシメチル−N’−メチルチオ尿素、メチレンビスモルホリン、N−(ヒドロキシメチル)グリシン酸ナトリウム、N−メチロールクロロアセトアミド、オキサゾリジン、パラホルムアルデヒド、タウロリン、テトラヒドロ−1,3−オキサジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミンメタノール、テトラメチロールアセチレンジ尿素(TMAD)、
イソチアゾリノン類、例えば、N−メチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−N−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−トリメチレンイソチアゾリノン、4,5−ベンゾイソチアゾリノン、
アルデヒド類、例えば、シンナムアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタルジアルデヒド、β−ブロモシンナムアルデヒド、o−フタルジアルデヒド、
チオシアネート、例えば、チオシアナトメチルチオベンゾチアゾール、メチレンビスチオシアネート、
第4級アンモニウム化合物およびグアニジン類、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、塩化ジクロロベンジルジメチルアルキルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化N−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化1−ヘキサデシルピリジニウム、イミノクタジントリス(アルベシレート)、
ヨウ素誘導体、例えば、ジヨードメチルp−トリルスルホン、3−ヨード−2−プロピニルアルコール、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルバメート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルアルコール、3−ヨード−2−プロピニルn−ヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルシクロヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルフェニルカルバメート、
フェノール類、トリブロモフェノール、テトラクロロフェノール、3−メチル−4−クロロフェノール、3,5−ジメチル−4−クロロフェノール、ジクロロフェン、2−ベンジル−4−クロロフェノール、トリクロサン、ダイクロサン、ヘキサクロロフェン、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸オクチル、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、4−(2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)フェノール、4−(2−イソプロピル−4−メチルフェノキシ)フェノール、4−(2,4−ジメチルフェノキシ)フェノール、ならびにこれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、
活性化されたハロゲン基を有する殺菌剤、例えば、ブロニドックス、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−4’−ヒドロキシアセトフェノン、1−ブロモ−3−クロロ−4,4,5,5−テトラメチル−2−イミダゾリジノン、β−ブロモ−β−ニトロスチレン、クロロアセトアミド、クロラミンT、1,3−ジブロモ−4,4,5,5−テトラメチル−2−イミダゾリジノン、ジクロラミンT、3,4−ジクロロ−(3H)−1,2−ジチオール−3−オン、2,2−ジブロモ−3−ニトリルプロピオンアミド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、ハラン、ハラゾン、ムコクロル酸、フェニル(2−クロロシアノビニル)スルホン、フェニル(1,2−ジクロロ−2−シアノビニル)スルホン、トリクロロイソシアヌル酸、
ピリジン類、例えば、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(およびこれらのCu、Na、Fe、Mn、Zn塩)、テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジン、ピリメタノール、メパニピリム、ジピリチオン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリジン、
メトキシアクリレート類またはその類似体、例えば、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[2−[[[[1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(CAS−No.185336−79−2)、
金属石鹸、例えば、高級脂肪酸、樹脂酸、ナフテン酸、およびリン酸の金属スズ、銅、および亜鉛の塩、例えば、ナフテン酸スズ、オクタン酸スズ、2−エチルヘキサン酸スズ、オレイン酸スズ、リン酸スズ、安息香酸スズ、ナフテン酸銅、オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、オレイン酸銅、リン酸銅、安息香酸銅、ナフテン酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、
金属塩、例えば、金属スズ、銅、および亜鉛の塩に加えて、クロム酸塩および二クロム酸塩、例えば、ヒドロキシ炭酸銅、二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム、クロム酸カリウム、硫酸銅、塩化銅、ホウ酸銅、フルオロケイ酸亜鉛、フルオロケイ酸銅、
酸化物、例えば、金属スズ、銅、および亜鉛の酸化物、例えば、トリブチルスズオキシド、CuO、CuO、ZnO、
酸化剤、例えば、過酸化水素、過酢酸、過硫酸カリウム、
ジチオカルバメート類、例えば、クフラネブ、フェルバン、N−ヒドロキシメチル−N’−メチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、マンコゼブ、マンネブ、メタム、メチラム、チラム、ジネブ、ジラム、
ニトリル類、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、シアノジチオイミドカルバミン酸二ナトリウム、
キノリン類、例えば、8−ヒドロキシキノリンおよびその銅塩、
その他の防かび剤および殺菌剤、例えば、ベトキサジン、5−ヒドロキシ−2(5H)−フラノン、4,5−ベンゾジチアゾリノン、4,5−トリメチレンジチアゾリノン、N−(2−p−クロロベンゾイルエチル)ヘキサミニウムクロリド、2−オキソ−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセトヒドロキシシンナモイルクロリド、トリス−N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)アルミニウム、N−(シクロ−ヘキシルジアゼニウムジオキシ)−トリブチルスズまたはそのカリウム塩、ビス−N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)銅、イプロバリカルブ、フェンヘキサミド、スピロキサミン、カルプロパミド、ジフルメトリン、キノキシフェン、ファモキサドン、ポリオクソリム、アシベンゾラルS−メチル、フラメトピル、チフルザミド、メタラキシ−M、ベンチアバリカルブ、メトラフェノン、シフルフェナミド、チアジニル、ティーツリーオイル、フェノキシエタノール、
Ag、ZnまたはCu含有ゼオライトを単独とするかまたは高分子材料に組み込んだもの
である。
【0031】
防かび剤および殺菌剤は、特に好ましくは、
アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジニコナゾール、ヘキサコナゾール、メタコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、トリアジメホン、フルオロフォルペット、メスフロキサム、カルボキシン、シクロヘキシル−ベンゾ[b]チオフェンカルボキサミドS,S−ジオキシド、フェンピクロニル、4−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)−1H−ピロール−3−カルボニトリル、ブテナフィン、イマザリル、N−メチル−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−N−メチルイソチアゾリン−3−オン、ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン、メルカプトベンゾチアゾール、チオシアナトメチルチオベンゾチアゾール、チアベンダゾール、ベンゾイソチアゾリノン、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミノメタノール、ベンジルアルコール(ヘミ)ホルマール、N−メチロールクロロアセトアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミンメタノール、グルタルアルデヒド、オマジン、Zn−オマジン、二炭酸ジメチル、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ベトキサジン、o−フタルジアルデヒド、2,2−ジブロモ−3−ニトリル−プロピオンアミド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(DMDMH)、テトラメチロールアセチレンジ尿素(TMAD)、エチレングリコールヘミホルマール、p−ヒドロキシ安息香酸、カルベンダジム、クロロフェン、3−メチル−4−クロロフェノール、o−フェニルフェノールである。
【0032】
殺藻剤は、好ましくは、アセトクロール、アシフルオルフェン、アクロニフェン、アクロレイン、アラクロール、アロキシジム、アメトリン、アミドスルフロン、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アシュラム、アトラジン、アザフェニジン、アジプトロトリン、アジムスルフロン、
ベナゾリン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスルフィド、ベンタゾン、ベンゾフェンキャップ、ベンズチアズロン、ビフェノックス、ビスピリバック、ビスピリバック−ナトリウム、ホウ砂、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタミホス、ブトラリン、ブチレート、ビアラホス、ベンゾイルプロップ、ブロモブチド、ブトロキシジム、
カルベタミド、カルフェントラゾン−エチル、カルフェンストロール、クロメトキシフェン、クロラムベン、クロルブロムロン、クロルフルレノール、クロリダゾン、クロリムロン、クロルニトロフェン、クロロ酢酸、クロランスラム−メチル、シニドン−エチル、クロロトルロン、クロロクスロン、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタール、クロルチアミド、シンメチリン、シノスルフロン、クレフォキシジム、クレトジム、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、シアナミド、シアナジン、シクロエート、シクロキシジム、クロロキシニル、クロジナホップ−プロパルギル、クミルロン、クロメトキシフェン、シハロホップ、シハロホップ−ブチル、クロピラスルロン、シクロスルファムロン、
ジクロスラム、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、ジクロホップ、ジエタチル、ジフェノクスロン、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメチピン、ジニトラミン、ジノセブ、酢酸ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジクワット、ジチオピル、ジズロン、DNOC、DSMA、2,4−D、ダイムロン、ダラポン、ダゾメット、2,4−DB、デスメディファム、デスメトリン、ジカンバ、ジクロベニル、ジメタミド、ジチオピル、ジメタメトリン、
エグリナジン、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エチジムロン、エトフメセート、エトベンザニド、エトキシフェン、エタメツルフロン、エトキシスルフロン、
フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェヌロン、フラムプロップ、フラムプロップ−M、フラザスルフロン、フルアジホップ、フルアジホップ−P、フエナクロール、フルクロラリン、フルフェナセット、フルメツロン、フルオロクグリコフェン、フルオロニトロフェン、フルプロパネート、フルレノール、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フォメサフェン、ホサミン、ホサメチン、フラムプロップ−イソプロピル、フラムプロップ−イソプロピル−L、フルフェンピル、フルミルクロラック−ペンチル、フルミプロピン、フルミオキシジム、フルタモン、フルミオキシジム、フルピルスルフロン−メチル、フルチアセット−メチル、
グリホサート、グルホシネート−アンモニウム、
ハロキシホップ、ヘキサジノン、
イマザメタベンズ、イソプロツロン、イソキサベン、イソキサピリホップ、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、アイオキシニル、イソプロパリン、イマゾスルフロン、イマゾモックス、イソキサフルトール、イマザピック、
ケトスピラドックス、
ラクトフェン、レナシル、リニュロン、
MCPA、MCPA−ヒドラジド、MCPA−チオエチル、MCPB、メコプロップ、メコプロップ−P、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタベンズチアズロン、メタゾール、メトロプトリン、メチルダイムロン、イソチオシアン酸メチル、メトブロムロン、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、モリネート、マロリド、モノリニュロン、MSMA、メトラクロール、メトスラム、メトベンズロン、
ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプラタム、ネブロン、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、塩素酸ナトリウム、
オキサジアゾン、オキシフルオロフェン、オキシスルフロン、オルベンカルブ、オリザリン、オキサジアルギル、
プロピザミド、プロスルホカルブ、ピラゾレート、ピラゾールスルフロン、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリデート、パラコート、ペブレート、ペンディメタリン、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、ペンタノクロル、石油、フェンメディファム、ピクロラム、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザフォブ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、ピリミノバック−メチル、ペラルゴン酸、ピリチオバック、ピラフルフェン−エチル、
キンメラック、キノクロアミン、キザロホップ、キザロホップ−P、キンクロラック、
リムスルフロン、
セトキシジム、シフロン、シマジン、シメトリン、スルホスルフロン、スルホメツロン、スルフェントラゾン、スルコトリオン、スルホサート、
タール油、TCA、TCA−ナトリウム、テブタム、テブチウロン、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、チアザフルオロン、チフェンスルフロン、チオベンカルブ、チオカルバジル、トラルコキシジム、トリアレート、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリクロピル、トリジファン、トリエタジン、トリフルオラリン、タイコール、チジアジミン、チアゾピル、トリスルフロン、
ベルノレート
である。
【0033】
殺藻剤は、特に好ましくは、トリアジン化合物、例えば、テルブトリン、シブトリン、プロパジンまたはテルブトン、尿素化合物、例えば、ジウロン、ベンズチアズロン、メタベンズチアズロン、テブチウロンおよびイソプロツロン、またはウラシル、例えば、ターバシルである。
【0034】
本発明による液体組成物は、酸化防止剤、遊離基捕捉剤およびUV吸収剤の部類の安定剤を、それぞれ互いに独立していようといまいと任意でさらに含むことができる。
【0035】
好ましい一実施形態において、本発明による液体組成物は、防かび剤、殺菌剤、殺藻剤および/または殺虫剤をさらに含まない。
【0036】
さらに好ましい実施形態において、本発明による液体組成物は、エポキシドを含まない。
【0037】
さらに好ましい実施形態において、本発明による液体組成物は、ギ酸、ギ酸塩またはギ酸エステルの群からの安定剤を含まない。
【0038】
特に好ましい実施形態において、本発明による液体組成物は、20〜35重量%のIPBC、10〜25重量%のNOIT、40〜48重量%の溶剤および1〜6重量%の乳化剤を含み、上述した4つの成分の合計が、液体組成物の合計質量を基準として、90〜100重量%、好ましくは、95〜100重量%、特に好ましくは、98〜100重量%である。
【0039】
さらに好ましい実施形態において、上述した液体組成物は、さらなる活性成分、エポキシドおよびギ酸、ギ酸塩またはギ酸エステルの群からの安定剤を含まない。
【0040】
本発明による液体組成物は、例えば、個々の成分を混合することにより、それ自体公知のやり方で調製することができる。
【0041】
本発明は、工業材料を保護するための本発明による液体組成物の使用にさらに関する。好適な工業材料は、特に、接着剤、のり、紙、カード、皮、木、木質系材料、木/プラスチック複合体、塗料、コーティング組成物、プラスター、冷却潤滑剤および熱伝達液体である。特に好ましいのは、塗料、コーティング組成物、プラスター、木および木質系材料である。
【0042】
本発明は、さらに、本発明による液体組成物を、希釈しない形態または希釈形態で、微生物またはその生息場所に対して作用させておくことを特徴とする、微生物による侵入および/または分解に対して、工業材料を保護する方法に関する。
【0043】
本発明は、さらに、工業材料を、本発明による液体組成物で処理することにより得られる工業材料に関する。
【0044】
塗料およびコーティング組成物の場合には、まだ液体のものと、乾燥系の両方が、微生物、特に、菌類および藻類の侵入から保護される。
【0045】
工業材料の劣化または変化を引き起こす可能性のある微生物としては、バクテリア、菌類、イースト、藻類および粘液生物が例示される。本発明による液体組成物は、好ましくは、真菌、特にカビ、木材脱色および木材破壊真菌(担子菌類(Basidiomycetes))ならびに藻類に抗するのに用いられる。
【0046】
以下の属の微生物を例として挙げることができる。
【0047】
アルテルナリア属(Alternaria)、例えば、アルテルナリア・テナース(Alternaria tenuis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ケトミウム属(Chaetomium)、例えば、ケトミウム・グロボサム(Chaetomium globosum)、コニオフォラ属(Coniophora)、例えば、コニオフォラ・ピュエタナ(Coniophora puetana)、レンティナス属(Lentinus)、例えば、レンティナス・チグリナス(Lentinus tigrinus)、ペニシリウム属(Penicillium)、例えば、ペニシリウム・グラウカム(Penicillium glaucum)、ポリポラス属(Polyporus)、例えば、ポリポラス・バージカラー(Polyporus versicolor)、オーレオバシジウム属(Aureobasidium)、例えば、オーレオバシジウム・プルーランス(Aureobasidium pullulans)、スクレオフォーマ属(Sclerophoma)、例えば、スクレオフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)、トリコデルマ属(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、エシェリヒア属(Escherichia)、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス属(Pseudomonas)、例えば、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、例えば、スタフィロコッカス・オーレウス(Staphylococcus aureus)。
【0048】
本発明による液体組成物の適用率は、防除される微生物の種類および発生率、同様に、保護される材料の組成に支配される。最適な使用量は、一連の試験により、当業者であれば、容易に、かつ十分に公知のやり方で求めることができる。概して、保護される材料を基準として、0.001〜5重量%、好ましくは、0.01〜1.0重量%の本発明による液体組成物を用いる。
【0049】
本発明による液体組成物の特別な利点は、それらは、高温でも非常に貯蔵安定性があり、0℃より低い温度でも結晶化しないということである。さらに、調合剤は、貯蔵しても僅かしか変色せず、保護される工業材料に最も簡単なやり方で組み込めることも見出された。さらに、本発明による組成物によって、予想外に高活性成分濃度のIPBCおよびNOITの調合が可能となる。
【実施例】
【0050】
実施例1
6.7gのRhodiasolv DIB(グルタル酸、コハク酸およびアジピン酸のイソブチルジエステルの混合物)、15.22gのポリエチレングリコール300および2.50gのAntarox B500(ブチルポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、CAS−No.9038−95−3)からなる溶液を、IPBCおよびNOIT(重量比5:3)と、何も溶解しなくなるまで、室温で混合した。得られた溶液は、34.51gのNOIT(合計溶液基準で29.5%)および57.95gのIPBC(合計溶液基準で49.4%)を含んでいた。室温で1週間の間、沈殿は観察されなかった。
【0051】
実施例2
15.22gのポリエチレングリコール300および2.50gのAntarox B500からなる溶液を、IPBCおよびNOIT(重量比5:3)と、何も溶解しなくなるまで、室温で混合した。得られた容器は、25.9gのNOIT(合計溶液基準で29.7%)および43.6gのIPBC(合計溶液基準で50.0%)を含んでいた。室温で1週間の間、沈殿は観察されなかった。
【0052】
実施例3
15.22gのポリエチレングリコール300を、初期充填として導入し、IPBCおよびNOIT(重量比5:3)と、何も溶解しなくなるまで、室温で混合する。得られた容器は、25.8gのNOIT(合計溶液基準で29.7%)および43.6gのIPBC(合計溶液基準で51.5%)を含んでいた。室温で1週間の間、沈殿は観察されなかった。
【0053】
実施例4〜6
表に示した溶液を、混合により調製し、2週間、54℃で貯蔵してから、分析および目視により評価した。
【0054】
【表1】

【0055】
例7(比較)
Rhodiasolv DIBおよびPEG300中でのIPBCの溶解度
溶剤を、初期充填として、室温で導入し、堆積物が残るまで、IPBCを加えた。さらに12時間攪拌した後、固体を遠心分離し、残った上澄みを、HPLCにより分析した。Rhodiasolv DIB中でのIPBCの溶解度は36.1重量%、ポリエチレングリコール300では44.9重量%であることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
・3−ヨードプロパルギルブチルカルバメート(IPBC)と、
・n−オクチルイソチアゾリノン(NOIT)と、
・標準圧力を基準として250℃以上の沸点を有しかつエーテル、エステルまたはアミドまたはアルコール基から選択される少なくとも2種の官能基を含む溶剤とを含み、
標準圧力を基準として250℃未満の沸点を有する溶剤を実質的に含まない液体組成物。
【請求項2】
IPBCおよびNOITの活性成分含量の合計が、30〜80重量%であることを特徴とする請求項1に記載の液体組成物。
【請求項3】
ポリエチレングリコール、アジピン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキルおよびグルタル酸ジアルキルならびに上述した溶剤の混合物を、標準圧力を基準として250℃以上の沸点を有しかつエーテル、エステルまたはアミドまたはアルコール基から選択される少なくとも2種の官能基を含む溶剤として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の液体組成物。
【請求項4】
標準圧力を基準として250℃以上の沸点を有しかつエーテル、エステルまたはアミドまたはアルコール基から選択される少なくとも2種の官能基を含む溶剤の含量が、40〜48重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の乳化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の乳化剤の含量が、0.001〜10重量%であることを特徴とする請求項5に記載の液体組成物。
【請求項7】
さらなる活性成分を含まないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体組成物。
【請求項8】
エポキシドを含まず、かつ、ギ酸、ギ酸塩またはギ酸エステルの群からの安定剤を含まないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体組成物。
【請求項9】
20〜35重量%のIPBC、10〜25重量%のNOIT、40〜48重量%の溶剤および1〜6重量%の乳化剤を含み、上述の4つの成分の合計が、前記液体組成物の合計質量を基準として、90〜100重量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体組成物。
【請求項10】
工業材料を保護するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体組成物の使用。
【請求項11】
工業材料が、接着剤、のり、紙、カード、皮、木、木質系材料、木/プラスチック複合体、塗料、コーティング組成物、プラスター、冷却潤滑剤および熱伝達液体であることを特徴とする請求項10に記載の使用。
【請求項12】
工業材料を、請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体組成物で処理することにより得られる工業材料。
【請求項13】
本発明による液体組成物を、希釈しない形態または希釈形態で、微生物またはその生息場所に対して作用させておくことを特徴とする、微生物による侵入および/または分解に対して工業材料を保護する方法。
【請求項14】
NOIT、IPBC、および標準圧力を基準として250℃以上の沸点を有しかつエーテル、エステルまたはアミドまたはアルコール基から選択される少なくとも2種の官能基を含む溶剤の、請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体組成物を製造するための使用。
【請求項15】
請求項5〜9のいずれか1項に記載の液体組成物を製造するための乳化剤の使用。

【公表番号】特表2011−529937(P2011−529937A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521532(P2011−521532)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059760
【国際公開番号】WO2010/015552
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(505422707)ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー (220)
【Fターム(参考)】