説明

抗肥満組成物

本発明は、活性成分としてのメリッサ抽出物を含む抗肥満組成物、メリッサの抽出物使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法を提供する。 また、本発明は、活性成分としてメリッサ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物、メリッサ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法を提供する。
さらに、本発明は、活性成分としてメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物、メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法を提供する。
本組成物が遺伝性肥満マウス又は高脂肪食誘導肥満マウスに投与されると、本組成物は体重、体脂肪及び生殖腺脂肪を減少し、血中コレステロール値及び肥満関連血糖値を低下する。
また、本組成物は脂肪細胞の肥大化と、脂質液胞のサイズ及び数を減少することによって肝臓における脂質蓄積と、を阻害する。 さらに、ヒト臨床試験では、本組成物により、体重、PIBW、体脂肪、特に内臓脂肪、アポリポタンパク質B濃度、全コレステロール/HDLコレステロールの比率及びLDLコレステロール/HDLコレステロールの比率が有意に減少され、アテローム指数が改善され、筋肉質量が増大されることが明らかになる。
かくして、本組成物は抗肥満組成物として、体重の減少及び腹部脂肪、特に内臓脂肪の抑制に有用に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分としてのメリッサ抽出物を含む抗肥満組成物、メリッサの抽出物使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法に関するものである。また、本発明は、活性成分としてメリッサ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物、メリッサ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法に関するものでもある。さらに、本発明は、活性成分としてメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物、メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
肥満(症)は世界中で史上最悪の悩みの種として見なされており、1997年には世界保健機関によって疾病として宣言されている。過体重と肥満(症)の増加は1960年代以来継続しており、かかる傾向が低くなったことはほとんどない。
【0003】
米国では、過体重又は肥満(症)人口は継続的に増加している。
現在、20歳以上の成人の65%と30%がそれぞれ過体重と肥満(症)であると判定されている。
開発途上諸国においてさえも、経済的に発展した地域の肥満比率は先進国の比率と比べて低くない。現在、米国及び日本における肥満人口は最大およそ3億人に上っている。毎年、肥満(症)による死者は30万人を超え、肥満(症)に関連する費用は合計でおよそ100億ドルに達している。
【0004】
世界の肥満人口は、経済の発展、近代化、及び都市化に起因する環境的な変化にともなって急増している。なお、過体重比率は女性人口よりも男性人口において高いが、肥満比率は通常女性人口よりも男性人口において低くなっている。子供及び若者の肥満比率は開発途上国と先進国との両方において高い。
【0005】
肥満症に対して現在使用されている治療法には、食事性療法、身体活動、行動療法、薬物療法、併用療法・外科手術(胃切除)などが含まれる。
【0006】
肥満を制御するために広く利用されているほとんどの食品は植物繊維であるが、効用が医学的に証明されていない一部の食品も市販されている。
【0007】
FDAによって承認された抗肥満薬として、次に挙げる薬物が現在入手可能である。
オーリスタット(ブランド名:ゼニカル)、フェンテルミン(ブランド名: ファースティン、ザントレックスなど)、及びシブトラミン(ブランド名: リダクティル、メリディアなど)。
【0008】
最も最近に承認されたオーリスタット(ゼニカル)は、食品から摂取した脂肪のおよそ30%の吸収を防止する有効性を持ち、それによって体重を減らす。 一方、フェンテルミン及びシブトラミンは食欲を抑制する有効性を持つ。
【0009】
オーリスタット(ゼニカル)は、消化管内でリパーゼと結合し、次いで小腸内の脂肪分解を低下させ、それによって吸収の脂肪を防止する。しかしながら、腸内に残存する非分解性脂肪は、腹部の不快感又は疼痛、直腸の不快感又は疼痛、脂肪便又は油性便、嘔吐、うつ病、脚痛、足膨張などいくつかの副作用を生じる。かかる副作用は、より多くの脂肪が摂取される場合により重症になる可能性もある。
【0010】
フェンテルミンは脳におけるセロトニン値を変えて食欲を抑制するが、血圧と心拍数を上昇させ、中枢神経系を刺激する可能性もある。これらの副作用はアンフェタミンによる副作用と同一である。
【0011】
シブトラミンは、神経伝達物質であるノルエピネフリン、セロトニン及びドーパミンの再吸収を抑制することができ、それによって脳の食欲抑制作用を誘発するが、腹痛、不安、便秘、うつ病、頭痛、不眠症、関節痛、吐き気、神経過敏、胃痛などを含む多くの副作用を引き起こす可能性もある。その上、最近になってシブトラミン(リダクティル)が心臓死につながるという報告により安全問題が重大な問題として指摘された。
【0012】
よって、最適な肥満治療は、筋肉及び骨に影響を及ぼすことなしに体脂肪のみを選択的を低下でき、体重減少に成功後に体重を維持することが可能である必要があり、さらに、何よりも、長期投与によって生じる副作用があってはならない。
【0013】
上記問題点解決することができ、体脂肪及び体重を同時に低下する抗肥満薬を開発するため、本発明の発明者らは長年利用されている生薬の抗肥満効果を調査研究した。
【0014】
生薬の抗肥満効果に関連して、特許文献1では、肥満者の内分泌生理代謝を改善するためのイワヨモギのオリゴ糖、AIP1(イワヨモギ多糖画分1)を含有する抗肥満バイオヘルスの生成物が開示されており、特許文献2ではトチュウ抽出物又はソウハクヒ抽出物を含む抗肥満食品が記述されている。
【0015】
困難な諸調査研究の結果として、メリッサ抽出物を含む組成物、メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とを含む組成物、及びメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む組成物が体重及び体脂肪の減少に注目に値する効果を有することを確認して本発明を完成した。
【特許文献1】韓国特許第10-2004-0065427A1号
【特許文献2】韓国特許第10-2005-83066A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、活性成分としてメリッサ抽出物を含む抗肥満組成物、メリッサの抽出物使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法を提供することである。本発明の別の目的は、活性成分としてメリッサ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物、メリッサ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、活性成分としてメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物、メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法、及び前記組成物を用いる肥満抑制方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は活性成分としてメリッサ抽出物を含む抗肥満組成物を提供する。
【0018】
本発明の実施形態では、当該抗肥満組成物は前記組成物100重量部に対してメリッサ抽出物0.1〜100重量部を含み得る。
【0019】
また、本発明は活性成分としてメリッサ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物を提供する。
【0020】
本発明の実施形態では、当該抗肥満組成物は前記組成物100重量部に対してメリッサ抽出物0.1〜99重量部及びキク抽出物0.1〜99重量部を含み得る。
【0021】
さらに、本発明は活性成分としてメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物を提供する。
【0022】
本発明の実施形態では、当該抗肥満組成物は前記組成物100重量部に対してメリッサ抽出物0.1〜99重量部、ヨモギ抽出物0.1〜99重量部及びキク抽出物0.1〜99重量部を含み得る。
【0023】
本発明の別の実施形態では、当該抗肥満用組成物はメリッサ抽出物、ヨモギ抽出物、キク抽出物を1〜3:0.1〜1:1〜3乾燥重量部の比率で含み得る。
【0024】
本明細書中で使用されている用語「組成物」は特定成分の混合物によって直接的又は間接に形成された任意の生成物ならびに前記特定成分を含有する生成物を含む生成物を意味するものとする。
【0025】
「メリッサ」はシソ科の多年生のハーブであり、レモンバーム、バーム、又は慣用名及び民間名として浮腫の植物とも呼ばれる。メリッサ抽出物はフラボノイド、テルペン酸、揮発性オイル、アルコールやフェノール化合物などのグリコシド、コーヒー酸の誘導体及び同類のものを含む。メリッサの主要なフラボノイドとしてのロスマリン酸は非揮発性成分の1つである。ロスマリン酸が強力な抗炎症性及び解熱性を持つこと、またメリッサの精油が特にうつ病、神経性頭痛、記憶力の低下、神経痛、発熱及び同類のものに対して豊富な薬効があることは公知されている。その上、メリッサの精油を鎮静薬、抗菌薬、抗ウイルス剤、抗酸化剤及び抗ホルモン剤に適用できることも公知されている。現在、メリッサ乾燥抽出物は血液循環プロモーターの成分として用いられている。
【0026】
本発明の目的では、用語「メリッサ」はレモンバームを含むありとあらゆるメリッサ種属を含み得る。
【0027】
「ヨモギ」はキク科の多年生ハーブであり、解熱効果、抗炎症効果、鎮痛効果、抗湿効果を有し、黄疸、排尿障害、膿瘍及び疥癬、及び婦人病に使用されている。ヨモギはスコパロン、カピリン、カピロン、カピリン、カピラリンなどを含むいくつかの成分を含む。特に、スコパロンが胆汁の分泌を増加させ、ビリルビンの排泄を促進し、肝臓機能を寛解させ、アルコール解毒剤、抗酸化剤、抗菌薬及び抗腫瘍剤に使用することができることは公知されている。
【0028】
本発明の目的では、用語「ヨモギ」は、カワラヨモギ、イワヨモギ、カズザキヨモギ、クソニンジン、キダチヨモギ、ニガヨモギ、オトコヨモギ、シナヨモギなどを含むありとあらゆるヨモギ種属を含み得る。
【0029】
「ヨモギ」はクワ属の葉であり、脳卒中予防、解熱、視力改善の効力を有し、発熱、頭痛、目の充血、多飲症の治療に使用することができる。キクは、ルチン、クェルセチン、イソケルセチン及びモラセチンを含むフラボノイドと、イノコステロン、エクジステロンなどを含む昆虫変態ホルモンと、を含む。キク抽出物が低血糖剤に使用することができることは公知されている(韓国特許第10-1998-0021670A1号)。
【0030】
本発明の目的では、用語「キク」はアカミグワの葉を含むありとあらゆるクワ属種の葉を含み得る。
【0031】
本発明の組成物はその他の抗肥満成分ならびに1つ又は複数の上記ハーブ抽出物を含み得る。
【0032】
また、本組成物は、植物繊維、緑茶、人参及び同類のものを含む一般基準及び標準の物質又は医療組成物の成分、又は適量のビタミン、無機質などのその他の認可された食品添加物の少なくとも1つをさらに含み得る。
【0033】
当該植物繊維は、サイリウムハスク、セルロース、ヘミセルロース、結晶セルロース、リグニン、ペクチン、アルギン酸、ポリマンヌロン酸、グアーガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、コンニャクマンナン、イヌリン、レバン、ポリデキストロース及び難消化性のマルトデキストリンのうちの少なくとも1つであり得る。
【0034】
当該緑茶は緑茶粉末、緑茶抽出液又は緑茶抽出液の粉末であり得る。
【0035】
また、当該人参は人参粉末、人参抽出液又は人参抽出液の粉末であり得る。
【0036】
また、本組成物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミンと、銅、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、亜鉛などの無機質と、又は適量のその他の認可された食品添加物などと、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0037】
前記活性成分以外の前記成分の含有量は特に限定するものではないが、一般的には前記組成物100重量部に対して0〜98重量部の範囲である。
【0038】
本組成物の調製における前記ハーブ抽出物は、購入することも従来の方法で調製することも可能である。
【0039】
抽出プロセスは、乾燥ハーブ、未乾燥ハーブ、又は乾燥ハーブと未乾燥ハーブとの混合物のいずれかを用いて行ってもよい。
【0040】
当業者は上記ハーブの抽出物を抽出液又は抽出液の粉末として使用することもできる。抽出のため、前記ハーブは、乾燥するか、乾燥及びスライスするか、又は従来の乾燥方法に従って乾燥及び粉末化をしてから、従来の抽出方法、例えば熱湯抽出又は有機溶媒抽出によって抽出してもよい。また、市販されている抽出液の粉末を使用することもできる。
【0041】
例えば、前記ハーブ抽出物は、ハーブを微細にスライスすることによって調製し、前記スライスハーブを、前記ハーブの3〜20倍の量の水、低級アルコール又はその混合溶媒、又は有機溶媒を用いて室温から100°Cまでの温度にて約6時間〜10日間1〜5回繰り返して抽出し、次いで、前記抽出液を真空でろ過及び濃縮するか又は凍結乾燥することができる。前記抽出物は、冷水解離抽出法、超音波処理抽出法又は還流抽出法などの従来の抽出方法を介して処理してもよい。
【0042】
当該低級アルコールにはC1-4アルコールを含むこともでき、さらに、当該有機溶媒には、エチルアセテート、クロロホルム、ヘキサン及びジクロロメタンなどの非極性溶媒を含むこともできる。適切な抽出結果を得るため、前記溶媒はハーブの3倍を超える量で使用することが好ましい。ただし溶媒量がハーブの20倍を超える場合には、抽出量と比較して前記溶媒を過剰消費する可能性が高い。
【0043】
本発明の組成物は、前記組成物の目的、例えば体重及び体脂肪を減少させる目的の医薬組成物又は栄養補助食品組成物など、に応じていかなる形態においても使用することができる。
【0044】
本発明の医薬組成物は、顆粒、粉末、錠剤、被覆錠剤、カプセル、ピル、シロップ剤、ドロップ剤、溶液、懸濁液、及びエマルジョン、又は前記活性成分の持続放出製剤などのいかなる形態においても作ることができる。
【0045】
本発明の組成物には、投与用に適切に製剤される1つ又は複数の薬剤的又は生理学的に許容される担体をさらに含み得る。前記薬剤的又は生理学的に許容される担体は、例えば生理食塩水、加圧滅菌水、リンゲル液、緩衝生理食塩水、デキストロース、マルトデキストリン、グリセローム、エタノール、及びその混合物であり得る。必要があれば、本発明の組成物には、抗酸化剤、緩衝液及び防腐物質などの従来の添加物を含むことができる。また、本発明の組成物には、希釈液、分散剤、界面活性剤、溶媒、崩壊剤、甘味料、結合剤、コーティング剤、発泡剤、潤滑剤、流動促進剤又は風味剤などの薬剤的・生理学的に許容される添加物を含むこともできる。本発明の組成物は、従来の方法又はレミントン製剤科学(Mack Publishing Company, Easton PA)の刊行文書を用いることによって、疾病又は成分に応じて任意の好ましい形態で製剤することができる。
【0046】
本発明の組成物は、経口投与、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、胸腔内投与、経皮投与、経鼻投与、吸入投与、局所的投与、直腸投与、経眼投与、及び皮下投与を含むさまざまな経路を介して従来の投与方法に従って投与可能である。
【0047】
本発明の栄養補助食品組成物はいかなる食品形態をとることができる。例えば、該組成物を担体で乾燥し、次いで当技術分野の従来方法に従って、カプセルとして作製するか又は錠剤、顆粒、粉末、飲料、粥などに処理することも可能である。
【0048】
本組成物を含む食品の例として挙げられるのは、肉、茶、飲料、スナック、菓子、麺類、キャンディ、チョコレート、アイスクリーム、ガム、ビタミンの組み合わせ、機能性食品などである。
【0049】
本組成物を抗肥満のために用いて、体重及び体脂肪の増加を抑制することが可能である。
【0050】
本発明は、メリッサ抽出物を含む抗肥満組成物の有効量をそれを必要とする被験者に投与することを含む肥満抑制方法を提供する。また、本発明は、メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物の有効量をそれを必要とする被験者に投与することを含む肥満抑制方法を提供する。これらの方法における抗肥満組成物の説明は上記と同一である。
【0051】
本組成物を遺伝性肥満マウス及び高脂肪食誘導肥満マウスに5週間投与すると、前記マウスにおける体脂肪及び生殖腺脂肪が減少することが見出される。また、植物繊維、緑茶、人参などの補助成分をさらに含む前記組成物は、体重の減少及び体脂肪及び生殖腺脂肪の減少などの抗肥満効果に相乗効果を示す。
【0052】
また、本組成物を遺伝性肥満マウス及び高脂肪食誘導肥満マウスに投与すると、血中コレステロール値及び肥満関連血糖値は低下する。
【0053】
さらに、本組成物の投与直後に、脂肪細胞が肥大性になるという徴候はなく、その代わりに脂肪細胞のサイズ及び寸法は減少し、その肝臓における脂質液胞の数及びサイズは減少し、それによってその肝臓における脂質の蓄積は減少した。
【0054】
さらに、ヒト臨床試験で、体重、体脂肪パーセント、内臓脂肪、アポリポタンパク質B濃度、全コレステロール/HDLコレステロールの比率及びLDLコレステロール/HDLコレステロールの比率は有意に減少し、アテローム指数は改善され、筋肉質量は増大した。
【0055】
本発明の活性成分、メリッサ抽出物、イワヨモギ抽出物及びキク抽出物自体には毒性や副作用がほとんどがないため、本組成物は安全に長期間投与可能である。
【0056】
本組成物の投与量を決定する際、メリッサ、ヨモギ、及びキク抽出物の1日投与量は、好ましくはそれぞれ0.1〜200mg/kg、0〜200mg/kg及び0〜200mg/kgとする。 前記投与量は、患者の症候の種類及び重症度、活性成分の含有量、その他成分の含有量及び種類、製剤タイプ、患者のパラメータ(年齢、体重、健康状態、性別)、食事、投薬回数、投与経路、組成物の比率、治療の時間、及びその他の併用投与薬などのさまざまな要因によって判定可能である。
【0057】
上記で説明したように、メリッサ抽出物は抗肥満に対して卓越した効果を有し、メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とを含む混合物、及びメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む混合物は、メリッサ抽出物単独の効果よりも優れた効果を有する。
かくして、本発明は、抗肥満組成物を製造するためのメリッサ抽出物の新規使用法、抗肥満組成物を製造するためのメリッサ抽出物とキク抽出物との混合物の新規使用法、及び抗肥満組成物を製造するためのメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物との混合物の新規使用法を提供するものである。
これらの使用法における抗肥満用組成物の説明は上記と同一である。
【0058】
本発明の利点と特色及びそれらを明らかにする方法は、次の詳細に説明する実施例から明確であろうが、
本発明がそれに限定されるものではなく、さまざまに例示かつ実践され得ることを明瞭に理解されたい。 次に挙げる実施例により本発明の開示が完全に行われること、本発明の範囲を当業者に完全に示すこと、及び本発明が特許請求の範囲によってのみ規定されることは明らかである。
【0059】
次に挙げる実施例は、本発明のさらなる認識を提供する役割を果たすものであるが、いかようにも本発明の有効範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
(例1)製剤1の調製
【0061】
活性成分を含むカプセルを以下のとおりに作製した。
【0062】
25gの公定メリッサ抽出物をカプセル製剤に調製した(従来のカプセル化法に従って「サンプル1」とする)。
【0063】
前記カプセルの構成物は以下のとおりである。
【0064】
公定メリッサ抽出物25g
【0065】
賦形剤 qs
【0066】
(例2)製剤2の調製
【0067】
活性成分を含むカプセルを以下のとおりに作製した。
【0068】
10の公定メリッサ抽出物、及び10のアカミグワ抽出物の葉を混合し、その混合物をカプセル製剤に調製した(従来のカプセル化法に従って「サンプル2」とする)。
【0069】
前記カプセルの構成物は以下のとおりである。
【0070】
公定メリッサ抽出物
10g
【0071】
アカミグワ抽出物の
葉 10g
【0072】
賦形剤 qs
【0073】
(例3)製剤3の調製
【0074】
活性成分を含むカプセルを以下のとおりに作製した。
【0075】
10gの公定メリッサ抽出物、5gのカワラヨモギ抽出物、及び10gのアカミグワ抽出物の葉を混合し、その混合物をカプセル製剤に調製した(従来のカプセル化法に従って「サンプル3」とする)。
【0076】
前記カプセルの構成物は以下のとおりである。
【0077】
公定メリッサ抽出物
10g
【0078】
イワヨモギ抽出物 5g
【0079】
アカミグワ抽出物の
葉 10g
【0080】
賦形剤 qs
【0081】
(例4)製剤4の調製
【0082】
活性成分を含む液体製剤を以下のとおりに作製した。
【0083】
0.1gの公定メリッサ抽出物、0.05gのイワヨモギ抽出物、及び0.1gのアカミグワ抽出物の葉を蒸留水に溶解して1000mlの製剤を作製した(「サンプル4」とする)。
【0084】
公定メリッサ抽出物
10g
【0085】
イワヨモギ抽出物 5g
【0086】
アカミグワ抽出物の
葉 10g
【0087】
蒸留水 qs
【0088】
(例5)製剤5の調製
【0089】
活性成分及び植物繊維を含む製剤を以下のとおりに作製した。
【0090】
6gの公定メリッサ抽出物、4gのイワヨモギ抽出物、6gのアカミグワ抽出物の葉、及び84gの植物繊維(コンニャクマンナン、難消化性のマルトデキストリン)を混合し前記製剤を作製した(「サンプル5」とする)。
【0091】
公定メリッサ抽出物
6g
【0092】
イワヨモギ抽出物 4g
【0093】
アカミグワ抽出物の葉
6g
【0094】
コンニャクマンナン
12g
【0095】
難消化性のマルトデキストリン
72g
【0096】
(例6)製剤6の調製
【0097】
活性成分及び緑茶抽出物を含む製剤を以下のとおりに作製した。
【0098】
6gの公定メリッサ抽出物、4gのイワヨモギ抽出物、6gのアカミグワ抽出物の葉、及び84gの緑茶抽出物(20%のカテキンを含む)を混合し前記製剤を作製した(「サンプル6」とする)。
【0099】
公定メリッサ抽出物
6g
【0100】
イワヨモギ抽出物 4g
【0101】
アカミグワ抽出物の
葉 6g
【0102】
緑茶抽出物 84g
【0103】
(例7)製剤7の調製
【0104】
活性成分及び人参抽出物を含む製剤を以下のとおりに作製した。
【0105】
6gの公定メリッサ抽出物、4gのイワヨモギ抽出物、6gのアカミグワ抽出物の葉、及び4gの人参抽出物粉末(人参含有量:
110mg/g)を混合し前記製剤を作製した(「サンプル7」とする)。
【0106】
公定メリッサ抽出物
6g
【0107】
イワヨモギ抽出物 4g
【0108】
アカミグワ抽出物の
葉 6g
【0109】
人参抽出物粉末 4g
【0110】
(比較実施例)前記ヨモギ抽出物と前記キク抽出物とを含む製剤の調製
【0111】
活性成分を含むカプセルを以下のとおりに作製した。
【0112】
5gのイワヨモギ抽出物及び10gのアカミグワ抽出物の
葉を混合し前記製剤を作製した(「比較サンプル」とする)。[129] カプセルの構成物は以下のとおりである。
【0113】
イワヨモギ抽出物 5g
【0114】
アカミグワ抽出物の
葉 10g
【0115】
(実験例1)遺伝性肥満マウス(ob/obマウス)における抗肥満効果
【0116】
遺伝性肥満マウスに経口投与を行うことによって上記製剤の抗肥満効果を観察した。
【0117】
本実験には、生後5週間の雄の肥満マウス(B6.V-Lep<ob>、ジャクソン研究所)を使用し、調整期間の数日後、対照群に生理食塩水溶液を投与した一方、各処理群に生理食塩水溶液中に溶解した各サンプル1〜7を投与した。
【0118】
比較製剤の場合、活性成分50mg/kgを含有せしめた25mgの前記比較サンプルを10mlの生理食塩水溶液中に溶解し、0.4mlの前記溶液を各マウスに経口で毎日5週間投与した。
【0119】
前記製剤1、2及び3の場合、活性成分50mg/kgを含有せしめた25mgの各サンプルを10mlの生理食塩水溶液中に溶解し、マウスに経口で1日あたり0.4mlを5週間投与した。
【0120】
前記製剤4の場合、活性成分40mg/kgを含有せしめた40mgのサンプル4を160mlの生理食塩水溶液中に溶解し、マウスに飲料水として5週間与えた。
【0121】
前記製剤5の場合、活性成分50mg/kgを含有せしめた1.56gのサンプル5を100mlの生理食塩水溶液中で懸濁し、マウスに経口で1日あたり0.4mlを5週間投与した。
【0122】
前記製剤6の場合、活性成分50mg/kgを含有せしめた1.56gのサンプル6を100mlの生理食塩水溶液中で懸濁し、マウスに経口で1日あたり0.4mlを5週間投与した。
【0123】
前記製剤7の場合、活性成分50mg/kgを含有せしめた312.5mgのサンプル7を100mlの生理食塩水溶液中で懸濁し、マウスに経口で1日あたり0.4mlを5週間投与した。
【0124】
サンプル投与日から毎日全処理期間にわたってその体重を測定し、前記マウスによって消費された食物量を推定することによって食物摂取量を判定した。
【0125】
5週間後、血液試料を採取して血糖値を測定し、頸部を脱臼させることで動物を屠殺し、脂肪組織を採取し、計量し、液体窒素中でスナップ冷凍し、使用するまで-80℃で保管した。その結果を下の表1に記載する。
【0126】
(表1)遺伝性肥満マウス(ob/obマウス)における抗肥満効果
【0127】
【表1】

【0128】
表1に示すように、サンプル1による処理群は、その対照群と比較して平均体重で6%減少し、体重増加で20%減少し、特に皮下脂肪において7%減少し、生殖腺脂肪において5%減少した。
【0129】
サンプル2による処理群は、その対照群と比較して平均体重で7%減少し、体重増加で21%減少、特に1皮下脂肪において0%減少し、生殖腺脂肪において6%減少した。
【0130】
サンプル3による処理群は、その対照群と比較して平均体重で8%減少し、体重増加で27%減少し、特に皮下脂肪において15%減少し、生殖腺脂肪において7%減少した。
【0131】
処理群の皮下脂肪の減少率をヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む比較サンプルと比較すると、メリッサ抽出物を含むサンプル1及び2による処理群の抗肥満効果は高まった。
【0132】
さらに、メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む組成物が体脂肪を相当に減少させる卓越した抗肥満効果を有するが明らかになった。
【0133】
特に、活性成分含有量が残った状態のサンプル3が、植物繊維、緑茶、又は人参などの機能性食品成分と併用されると抗肥満効果は増大した。
【0134】
体脂肪(皮下脂肪及び生殖腺脂肪)の減少に関しては、サンプル3に基づくと、植物繊維を含有する前記サンプル5によって135%減少し、緑茶抽出物を含有する前記サンプル6によって124%減少し、さらに人参抽出物粉末を含有する前記サンプル7によって112%減少し、抗肥満効果が増加することが実証された。
【0135】
さらに図1は、サンプル3の35日間投与に対する体重の変化を示すが、処理群における体重は対照群と比べて減少した。
【0136】
したがって、本発明の組成物が体重及び特に体脂肪を減少することによって抗肥満に有効であることが検証される。
【0137】
(実験例2)高脂肪食誘導肥満マウスにおける抗肥満効果
【0138】
高脂肪食誘導肥満マウスにおける本組成物の抗肥満効果を観察した。
【0139】
本実験では生後6週間の雄のマウス(C57BL/6Jマウス、ジャクソン研究所)を使用し、日本のオリエンタル酵母によって高脂肪食(15%[wt/wt]脂肪)を作製した。 調整期間の数日後、対照群に高脂肪食のみを給餌したが、各処理群にはそれぞれサンプル1〜7で補充した高脂肪食を16週間給餌した。
【0140】
サンプル投与日から毎日全処理期間にわたってその体重を測定し、前記マウスによって消費された食物量を推定することによって食物摂取量を判定した。
【0141】
5週間後、血液試料を採取し、頸部を脱臼させることで動物を屠殺し、脂肪組織を採取し、計量し、液体窒素中でスナップ冷凍し、使用するまで-80℃ で保管した。その結果を表2に記載する。
【0142】
(表2)高脂肪食誘導肥満マウス(C57BL/6Jマウス)における抗肥満効果
【0143】
【表2】

【0144】
サンプル1による処理群は、その対照群と比較して平均体重で4%減少し、体重増加で13%減少し、特に、皮下脂肪において20%減少し、生殖腺脂肪において16%した。
【0145】
サンプル2による処理群は、その対照群と比較して平均体重で4%減少し、体重増加で13%減少し、特に、皮下脂肪において22%減少し、生殖腺脂肪において20%した。
【0146】
サンプル3による処理群は、その対照群と比較して平均体重で6%減少し、体重増加で16%減少し、特に、皮下脂肪において24%減少し、生殖腺脂肪において27%減少した。
【0147】
これらの結果により、メリッサ抽出物を含有する本発明の組成物が、比較サンプルと比べて、明らかに体脂肪を減少させ、抗肥満効果を高めることが実証された。
【0148】
体脂肪(皮下脂肪及び生殖腺脂肪)の減少に関しては、サンプル3に基づくと、実験例1に示すように、植物繊維を含有する前記サンプル5によって132%減少し、緑茶抽出物を含有する前記サンプル6によって123%減少し、さらに人参抽出物粉末を含有する前記サンプル7によって107%減少し、抗肥満効果が増加することが実証された。
【0149】
加えてサンプル3の16週間投与中の体重変化を示す図2は、処理群の体重増加率が対照群の増加率よりも遅いことを実証する。
【0150】
したがって、本発明の組成物が体重及び特に体脂肪を減少することによって抗肥満に有効であることが検証される。
【0151】
(実験例3)血液及び組織学的解析
【0152】
本組成物の経口投与により、遺伝性肥満マウスにおける血液及び生体組織の変化を分析した。
【0153】
まず、サンプル3を遺伝性肥満(ob/ob)マウスに5週間投与し、その血液を採取して血中コレステロール値の変化を測定した。
【0154】
組織学的解析のため、皮下脂肪の凍結切片を作製し、四酸化オスミウムで染色して脂肪細胞のサイズ及び数を測定した。肝臓を4%グルタルアルデヒド中に固定し、パラフィン切片の常用法で処理した。 切片を切断し、2%四酸化オスミウムで染色した。
【0155】
3-1)血中コレステロールの分析
【0156】
サンプル3を投与した処理群の血中コレステロール値は128±15.2mg/dlであったが、生理食塩水溶液のみ(媒介物)を与えた対照群の血中コレステロール値は140±17.6mg/dlであった。よって、本組成物が血中コレステロールを9%減少させることが見出された。
【0157】
3-2)血糖分析
【0158】
図3に示すように、サンプル3を投与した処理群の血糖値は244.4±115.2mg/dlであったが、対照群の血糖値は362.1±129.7mg/dlであり、処理群における血糖値が33%低下したことを実証した。
【0159】
したがって、本組成物が肥満に関連する血中コレステロール値及び血糖値を低下させることが検証された。
【0160】
3-3)本組成物を与えた肥満マウスの組織学的解析
【0161】
染色後、対照群及び処理群の皮下脂肪細胞のサイズを分析した。
【0162】
図4に示すように、対照群の脂肪細胞は処理群と比較して肥大性となり、脂肪細胞のサイズを画像分析器で算出して、そのサイズが11.2±2.9から6.1±1.5と46%ほども減少していることを見出した。
【0163】
さらに、四酸化オスミウムによって染色されたその肝臓における黒色脂質液胞のサイズ及び数は、図5に示すように対照群と比べて処理群において有意に減少した。脂質液胞の領域は5.4±0.5から0.92±0.1に83%も減少し(表3)、それによりサンプル3が肝臓における脂肪蓄積を抑制することが検証された。
【0164】
(表3)脂肪細胞及び脂質液胞のサイズに対するサンプル3の効果
【0165】
【表3】

【0166】
よって、本組成物は、脂肪細胞のサイズを縮小し、肝臓における脂質蓄積を減少させる抗肥満効果を有することが承認された。
【0167】
したがって、本組成物は抗肥満組成物として体重増加及び体脂肪増加の抑制に有用に適用することができる。
【0168】
(実験例4)本組成物の抗肥満効果に関する臨床試験
【0169】
本組成物の抗肥満効果は臨床試験を介して検証されている。
【0170】
4-1.ヒト被検者の収集及び試験方法
【0171】
ヒト被検者は、PIBW(理想体重百分率)が110%以上、又は腹部肥満者(腰周りが90cmを超える男性と80cmを超える女性)で年齢19歳〜60歳の志願者から公的に収集した。
【0172】
重大な疾病履歴、制御不可能な中血圧/高血圧、又は甲状腺疾患を有する者、又は現在疾病の治療を受けている者、妊娠中又は妊娠予定の者、又は授乳期の者、糖尿病と診断されて薬物療法を受けている者、又は体重に影響する薬物(ゼニカル、リダクティル、利尿薬、抗うつ薬、食欲抑制剤など)を服用している者、AngioLab, Inc. の従業員、研究参加者及び学生、及び上記者の知人を除く任意の志願者。
【0173】
このパイロット研究では、プラセボグループなしに、治療介入前後の効果を評価するために、試験グループのみを含んだ。合計25名の被検者が本試験に12週間参加し、その結果は統計分析により処理した(表4)。
【0174】
各被験者は、250mgのサンプル3を含有するカプセルを2つ、1日3回、12週間服用した。
【0175】
12週間の試験を完了した被験者の男性・女性比は3:22であり、その平均年齢は31.8±1.51(19〜47歳)、平均PIBWは133.3±3.17%、平均体重指数(BMI)は28.4±0.67kg/m(23.5-34.7)、及び平均体脂肪は39.4±1.46%であった。
さらに、喫煙者及び酒飲者の比率はそれぞれ20%及び72%であった。
【0176】
4-2.人体計測的パラメータ及び血圧における変化
【0177】
表4に示すように、平均値体重は、この研究開始時で75.2±2.11kgであり、12週間後には74.0±2.18kg(p<0.05)に減少し、平均値PIBW及び平均値BMIの両方における有意な減少を統計学的に示した。
【0178】
体脂肪は12週間後、39.4±1.46%から37.2±1.38%に減少した(p<0.01)が、除脂肪体重は45.3±1.40kgから46.2±1.40kgに増加し(p<0.05)、これは体組成の相当な改善を承認するものである(表 6)。
【0179】
平均腰周りは12週間後にある程度減少し、ヒップ周りは有意に減少した(p<0.01)。 さらに、平均拡張期血圧は12週間後に正常範囲以内で増加した(p<0.01)。
【0180】
(表4)本組成物の投与前後の人体計測的パラメータ及び血圧の変化
【0181】
【表4】

【0182】
4-3.CTスキャナーによって分析された脂肪及び筋肉領域の変化
【0183】
本組成物の投与前後の被験者体の異なる4部位にて脂肪及び筋肉領域における変化をコンピュータ断層撮影(CT)によって分析した。
【0184】
表5に示すように、CTによって第1腰椎にてスキャンした上腹部における脂肪は有意な変化を示さなかったが、前記CTによって第4腰椎にてスキャンした下腹部における脂肪は減少した。内蔵脂肪領域は9.5%と有意に減少し(p<0.01)、内臓脂肪と皮下脂肪との比率は決定的に減少した(p<0.01)(図7、表5)。
【0185】
(表5)被験者体の異なる4部位における脂肪及び筋肉領域の変化
【0186】
【表5】

【0187】
4-4.血清脂質、リポタンパク質、空腹時血漿グルコース、及びインスリンの濃度変化
【0188】
表6に示すように、中性脂肪、全コレステロール、LDLコレステロール、及びHDLコレステロールの濃度変化はなかったが、アポリポタンパク質Bは相当に減少した(p<0.05)。
【0189】
しかしながら、全コレステロール/HDLコレステロール比率(p<0.05)及びLDLコレステロール/HDLコレステロールの比率(p<0.05)において相当な減少があり(表6)、アテローム指数における有意な改善が実証された(p<0.05)。
【0190】
(表6)本組成物の投与前後の脂質、アポリポタンパク質及び空腹時血糖値レベルの血清濃度変化
【0191】
【表6】

【0192】
4-5.血清、GOT、GPT、BUN及びクレアチニン、ヘモグロビン、及び血小板の濃度変化
【0193】
肝臓機能の指数であるGOT及びGTPの濃度及び腎臓機能の指数であるBUN及びクレアチニンの濃度は正常範囲内であり、表7に示すように、本発明の製剤の服用後に変化はなかった。
【0194】
しかしながら、赤血球値(p<0.05)及び白血球(p<0.001)は12週間後に正常範囲内で増加した。 ヘモグロビン及びヘマトクリットの濃度、及び血小板数の変化は観察されなかった(表
7)。
【0195】
(表7)本組成物の投与前後の生化学的検査値の変化
【0196】
【表7】

【0197】
4-6.食事摂取及びエネルギー消費の分析
【0198】
表8は、食事摂取、栄養摂取、及びエネルギー消費の0週目値と12週目値との間に有意差がなかったことを示す。
【0199】
(表8)日当たりのカロリー摂取及び総エネルギー消費
【0200】
【表8】

【0201】
4-7.酸化LDL及び脂質過酸化物の濃度変化
【0202】
本組成物を服用後、酸化LDL、血液中の脂質過酸化物であるMDA、及び尿中の脂質過酸化物である8-epi-PGF2の濃度変化はなかった(表。 9)
【0203】
(表9)酸化LDL及び脂質過酸化物の濃度変化
【0204】
【表9】

【0205】
4-8.異常反応ステータス
【0206】
本臨床試験に参加した25名の被検者のサンプル3の摂取に関連する異常反応は観察されなかった。
【産業上の利用可能性】
【0207】
上記のように本組成物は体重及び体脂肪を減少する。
本組成物は血中コレステロール値及び肥満関連血糖値を低下する。
【0208】
さらに、本組成物は脂肪細胞の肥大化と、脂質液胞のサイズ及び数を減少することによって肝臓における脂質蓄積と、を抑制する。
【0209】
ヒト臨床試験では、本組成物により、体重、PIBW、体脂肪、特に内臓脂肪、アポリポタンパク質B濃度、全コレステロール/HDLコレステロールの比率及びLDLコレステロール/HDLコレステロールの比率が有意に減少され、アテローム指数が改善され、筋肉質量が増大されることが明らかになる。
【0210】
したがって、本組成物は抗肥満組成物として、体重の減少及び腹部脂肪、特に内臓脂肪の抑制に有用に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】図1は本発明の組成物の投与後の遺伝性肥満マウスにおける体重の減少を経時的に示すグラフである。
【図2】図2は本発明の組成物の投与後の高脂肪食誘導肥満マウスにおける体重の減少を経時的に示すグラフである。
【図3】図3は本発明の組成物の肥満関連血糖値に対する効果を示すグラフである。
【図4】図4は本発明の組成物の皮下脂肪細胞に対する効果を示す図である。
【図5】図5は本発明の組成物の遺伝性肥満マウスの肝臓における脂質蓄積に対する効果を示す図である。
【図6】図6は、本発明の組成物投与前後の臨床試験のヒト被検者における体重、体脂肪、除脂肪体重の変化を示すグラフである。
【図7】図7は本発明の組成物投与前後の臨床試験のヒト被検者における内臓脂肪及び皮下脂肪の変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分としてメリッサ抽出物を含む抗肥満組成物。
【請求項2】
請求項1の組成物であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜100重量部のメリッサ抽出物を含むことを特徴とする組成物。
【請求項3】
活性成分としてメリッサ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物。
【請求項4】
請求項3の組成物であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜99重量部のメリッサ抽出物及び0.1〜99重量部のキク抽出物を含むことを特徴とする組成物。
【請求項5】
活性成分としてメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物。
【請求項6】
請求項5の組成物であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜99重量部のメリッサ抽出物、0.1〜99重量部のヨモギ抽出物及び0.1〜99重量部のキク抽出物を含むことを特徴とする組成物。
【請求項7】
請求項5の組成物であって、抗肥満用の該組成物がメリッサ抽出物とイワヨモギ抽出物とキク抽出物とをそれぞれ、1〜3:0.1〜1:1〜3乾燥重量部の比率で含むことを特徴とする組成物。
【請求項8】
請求項1〜7の任意の1項の組成物であって、該組成物が植物繊維、緑茶又は人参のうちの少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする組成物。
【請求項9】
請求項8の組成物であって、前記植物繊維がサイリウムハスク、セルロース、ヘミセルロース、結晶セルロース、リグニン、ペクチン、アルギン酸、ポリマンヌロン酸、グアーガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、コンニャクマンナン、イヌリン、レバン、ポリデキストロース、難消化性のポリデキストロース及び難消化性のマルトデキストリンのうちの少なくとも1つであることを特徴とする組成物。
【請求項10】
請求項8の組成物であって、緑茶が緑茶粉末、緑茶抽出液又は緑茶抽出液の粉末であることを特徴とする組成物。
【請求項11】
請求項8の組成物であって、人参が人参粉末、人参抽出液又は人参抽出液の粉末であることを特徴とする組成物。
【請求項12】
抗肥満組成物を製造するためのメリッサ抽出物の使用法。
【請求項13】
請求項10の使用法であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜100重量部のメリッサ抽出物を含むことを特徴とする使用法。
【請求項14】
抗肥満組成物を製造するためのメリッサ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法。
【請求項15】
請求項14の使用法であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜99重量部のメリッサ抽出物及び0.1〜99重量部のキク抽出物を含むことを特徴とする使用法。
【請求項16】
抗肥満組成物を製造するためのメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物との混合物の使用法。
【請求項17】
請求項16の使用法であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜99重量部のメリッサ抽出物、0.1〜99重量部のヨモギ抽出物及び0.1〜99重量部のキク抽出物を含むことを特徴とする使用法。
【請求項18】
請求項12の使用法であって、抗肥満用の該組成物がメリッサ抽出物とイワヨモギ抽出物とキク抽出物とをそれぞれ、1〜3:0.1〜1:1〜3乾燥重量部の比率で含むことを特徴とする使用法。
【請求項19】
請求項12〜18の任意の1項の使用法であって、該組成物が植物繊維、緑茶又は人参のうちの少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする使用法。
【請求項20】
請求項19の使用法であって、前記植物繊維がサイリウムハスク、セルロース、ヘミセルロース、結晶セルロース、リグニン、ペクチン、アルギン酸、ポリマンヌロン酸、グアーガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、コンニャクマンナン、イヌリン、レバン、ポリデキストロース及び難消化性のマルトデキストリンのうちの少なくともの1つであることを特徴とする使用法。
【請求項21】
請求項19の使用法であって、緑茶が緑茶粉末、緑茶抽出液又は緑茶抽出液の粉末であることを特徴とする使用法。
【請求項22】
請求項19の使用法であって、人参が人参粉末、人参抽出液又は人参抽出液の粉末であることを特徴とする使用法。
【請求項23】
メリッサ抽出物を含む抗肥満組成物の有効量をそれを必要とする被験者に投与することを含む肥満抑制方法。
【請求項24】
請求項24の方法であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜100重量部のメリッサ抽出物を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
メリッサ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物の有効量を投与することを含む肥満抑制方法。
【請求項26】
請求項25の方法であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜99重量部のメリッサ抽出物及び0.1〜99重量部のキク抽出物を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
メリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを含む抗肥満組成物の有効量を投与することを含む肥満抑制方法。
【請求項28】
請求項27の方法であって、該組成物が該組成物100重量部に対して0.1〜99重量部のメリッサ抽出物、0.1〜99重量部のヨモギ抽出物及び0.1〜99重量部のキク抽出物を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項27の方法であって、抗肥満用組成物がメリッサ抽出物とヨモギ抽出物とキク抽出物とを1〜3:0.1〜1:1〜3乾燥重量部の比率で含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項23〜29の任意の1項の方法であって、該組成物が植物繊維、緑茶又は人参のうちの少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30の方法であって、前記植物繊維がサイリウムハスク、セルロース、ヘミセルロース、結晶セルロース、リグニン、ペクチン、アルギン酸、ポリマンヌロン酸、グアーガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、コンニャクマンナン、イヌリン、レバン、ポリデキストロース及び難消化性のマルトデキストリンのうちの少なくともの1つであることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項30の方法であって、緑茶が緑茶粉末、緑茶抽出液又は緑茶抽出液の粉末であることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項30の組成物であって、人参が人参粉末、人参抽出液又は人参抽出液の粉末であることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−511468(P2009−511468A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534469(P2008−534469)
【出願日】平成18年10月9日(2006.10.9)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004049
【国際公開番号】WO2007/040377
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(508099830)アンジオラブ インコーポレーテッド (1)
【出願人】(503213176)
【氏名又は名称原語表記】KIM Min−Young
【Fターム(参考)】