説明

抗菌性の弾道布および保護物品

本発明は、アラミド、ポリベンズアゾールまたは高性能ポリエチレンを含む抗菌性の弾道布および防護衣であって、キトサン剤によって抗菌性にされ、それによって臭気の発生ならびにカビおよび細菌の増殖を防ぐ物品の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性の弾道布および防護衣の製造方法に関する。かかる物品はキトサン剤によって抗菌性にされ、それによって臭気の発生を防ぎ、カビおよび細菌の増殖を防ぐ。
【背景技術】
【0002】
今のところ、弾道布でできた衣類は、すべての微量の洗剤を除去するために十分にすすいで、冷水および中性洗剤を使って手洗いされている。適切なすすぎは、水を吸収してある種のタイプの弾道布の耐弾道性を低下させ得る残留石鹸フィルムの蓄積を妨げる。かかる方法は時間がかかり、骨が折れるが、機械洗濯または乾燥は、家庭で行っても商業的に行っても布に損傷を与え、結局のところその弾道性能に影響を及ぼし得るので、それは必要である。さらに、幾つかの洗剤、ドライクリーニング溶剤、漂白剤および洗濯のりは衣類の耐弾道性のレベルを下げ、ほとんどの製造業者はそれらを使用しないよう強く勧めている。さらに、弾道布のほとんどの製造業者は、弾道布を決して水に入れないよう、または紫外線がある種のタイプの弾道布の劣化を引き起こすので、日陰でさえ屋外で乾燥しないよう勧めている。
【0003】
同様に、消防士出動具のような防護服、および膝当て、すね当て、ショルダーパッドなどのような競技用保護物品の手入れおよびクリーニングは骨が折れ、時間がかかる。クリーニングを繰り返すと、かかる衣類の耐用年数を下げ得る。
【0004】
弾道布でできた保護具および防護服の両方に共通の問題は着用者からの汗である。汗が除去されないと、カビおよび/または細菌の増殖がやがて起こる。このカビおよび/または細菌の増殖は結局のところ物品の保護特性を劣化させ、不快な臭気をもたらし、おそらく着用者に長期健康問題さえももたらす。特に消防士出動具に関しては、消防士保護衣の構築物に使用されるすべての布および構成要素は最低性能要件をパスしなければならない。従って、消防士のためにデザインされた防護服の内部内張りならびに火炎および高温への曝露の危険がある環境で働く他の者のためにデザインされた衣類は通常アラミド繊維および糸で作られている。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0115581号明細書は、弾道布および他の防護服での臭気およびカビ制御のための組成物および方法を開示している。組成物は本質的に、布を汚すもしくはそれに染みをつけ、または弾道布もしくは他の防護衣に悪影響を与えるいかなる材料も含まない。組成物は好ましくはシクロデキストリン(臭気トラップ剤として)および界面活性剤を含む。組成物は好ましくは、布または衣服上へ直接に、特にスプレー容器から小粒径液滴として塗布される。かかるコーティングの耐久性は実証されていない。
【0006】
米国特許第5,753,008号明細書および欧州特許出願第1,038,571号明細書はそれぞれ、架橋キトサンのような選択透過性の架橋ポリマーコーティングの塗布によって耐溶剤性にされているポリベンズアミダゾール膜および中空繊維を開示している。コーティングポリマーは架橋されていなければならない。キトサン・コーティングの分子量も脱アセチル化度も考慮されていない。
【0007】
米国特許第6,139,688号明細書、同第5,998,026号明細書、および同第5,827,610号明細書は、キトサンで被覆されたグラム当たり0.5〜20平方メートルの表面積の、長さが0.15〜10ミリメートルのアラミド繊維を開示している。かかる繊維を含むパルプまたはフロックは、未処理アラミドに対して改善された高温性能を有する摩擦紙を製造するために使用される。被覆アラミド繊維は、未被覆繊維をキトサンの水性溶液中に分散させ、溶液のpHを調節して繊維上へキトサンを沈殿させることによって製造することができる。被覆パルプはまた、未被覆フロックをキトサンの溶液中で精製して溶液中のパルプの分散系をもたらし、次にpHを調節してキトサンを沈殿させることによって製造することもできる。被覆フロックは、フロックの分散上へキトサンを共沈殿させることによって製造することができる。かかる繊維は衣服用途で使用するには短か過ぎる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、洗濯するのが困難な弾道布および他の防護衣上でのカビおよび/または細菌の増殖を抑えるまたは排除する信頼できる手段を求める要求が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、キトサン剤によって抗菌性にされ、それによって臭気の発生ならびにカビおよび細菌の増殖を防ぐアラミド、ポリベンズアゾール、または高性能ポリエチレン繊維を含む弾道布物品および保護具に関する。キトサン剤は、容易におよび費用効果的な方法で物品に直接にまたは繊維にまたは布仕上げ剤として塗布することができる。
【0010】
本発明は、アラミドまたはポリベンズアゾールを含む物品を抗菌性にする方法であって、
(a)アラミド、ポリベンズアゾールを含む物品を提供する工程と、
(b)前記物品を水と接触させる工程と、
(c)場合により、物品を塩基性溶液と接触させる工程と、
(d)工程(b)または工程(c)で生み出された物品を、キトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体よりなる群から選択されるキトサン剤を含む溶液と接触させる工程と、
(e)物品を乾燥させる工程と、
(f)場合により、乾燥物品を30℃〜200℃の範囲の温度で30分〜18時間加熱する工程と
の順次工程を含む方法に関する。
【0011】
アラミドまたはポリベンズアゾールを含む物品を抗菌性にする連続法であって、
(a)その上に物品が配置される供給ステーションと物品を受け取ることができる引取ステーションとを提供する工程と、
(b)物品を供給ステーションから、前記物品が水で濡らされる第1処理ステーションを通して引き出す工程と、
(c)場合により、物品を第1処理ステーションから、前記物品が塩基性溶液に曝される第2処理ステーションを通して引き出す工程と、
(d)工程(b)−または工程(c)−処理物品を、物品がキトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体よりなる群から選択されるキトサン剤を含む溶液に曝される第3処理ステーションを通して引き出す工程と、
(e)工程(c)−または工程(d)−処理物品を、乾燥ステーションを通して引き出す工程と、
(f)場合により、工程(e)−処理物品を、それが乾燥ステーションを出た後で30℃〜200℃の範囲の温度で30分〜18時間加熱する工程と、
(g)工程(e)−または工程(f)−処理物品に引取ステーション上で受け取らせ、そして蓄積させる工程と
の順次工程を含む連続法がさらに開示される。
【0012】
抗菌性のキトサン処理弾道および保護物品がさらに開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、その上にキトサン剤が塗布されたアラミド、ポリベンズアゾール、または高性能ポリエチレン繊維を含む抗菌性の弾道および防護衣の製造を含む。
【0014】
用語「弾道布」は本明細書で用いるところでは、発射体の衝撃を吸収して着用者を危害から保護するためにデザインされている、防弾チョッキ、防弾ジャケットなどのような衣類での使用に好適である布を意味する。弾道布は、甲ちゅうおよび防弾チョッキに加えて多種多様な用途を有する。それらは、他のタイプの保護衣および保護具(例えば、自転車およびスケートボード・ヘルメット)、海洋および航空機部品、工業ベルト、ならびに帆船およびセイリング・クロスのようなリクレーション装備のために使用される。弾道布を製造するのに使用される繊維の典型的な商用例には、すべてイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)(E.I.du Pont de Nemours & Co.,Inc.(Wilmington,Delaware))から入手可能な、ケブラー(Kevlar)(登録商標)29、ケブラー(登録商標)129、およびケブラー(登録商標)プロテラ(Protera)アラミド;帝人(日本国)から入手可能なトワロン(Twaron)(登録商標)アラミド繊維;スペクトラ(Spectra)(登録商標)高性能ポリエチレン繊維(ハネウェル・インターナショナル社、ニュージャージー州モリス・タウンシップ(Honeywell International Inc.,Morris Township,New Jersey));ダインエマ(Dyneema)(登録商標)高性能ポリエチレン繊維(DSM、ヘールレン、オランダ国(DSM,Heerlen,the Netherlands))が挙げられるが、それらに限定されない。用語「弾道布」には、繊維で作られた布だけでなく、例えば、隠蔽可能な防弾チョッキならびにプレートおよびヘルメットのような硬い甲ちゅうで使用される複合材料も含まれる。
【0015】
隠蔽可能な防弾チョッキは典型的には多層の弾道布で構築される。層は「弾道パネル」へと組み立てられ、弾道パネルは順に、ナイロンまたは綿のような通常の衣類布で構築される「キャリア」中へ挿入される。
【0016】
用語「防護衣」は本明細書で用いるところでは、着用者を実際の危害および/または損傷から保護するためにデザインされているが、発射体の衝撃を吸収するために特にデザインされていない衣類または他の物品を意味する。一例は、消火中に高い対流熱および輻射熱からユーザーを保護する消防士出動服および頭巾である。本発明に好適な防護衣の他の例には、膝当て、レガーズ、フェイスマスク、手袋、胸部プレート、喉ガード、保護カップ、競技用サポーター、ショルダーパッド、膝当て、肘当て、手首当て、放射線服、自給式呼吸器(例えば、その上のストラップ)、呼吸マスク(例えば、面体上のウェビング)、ガスマスク、ならびに細菌および化学戦争服およびヘルメットが挙げられるが、それらに限定されない。本発明は特に、かかる防護服の詰物および/または内張り材料での臭気および/またはカビの増殖を抑制するのに好適である。
【0017】
用語「アラミド」は本明細書で用いるところでは、アミド(−CONH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香環に直接結合している芳香族ポリアミドを意味する。他の難燃性繊維(40%以下)が布の熱性能および着心地の良さに影響を与えるためにアラミドとブレンドされる。10パーセント程度の他のジアミンがアラミドのジアミンに置換したまたは10パーセント程度の他の二酸塩化物がアラミドの二酸塩化物に置換したコポリマーを使用することができる。p−アラミドは、本発明の繊維および布での第一のポリマーであり、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(PPD−T)が好ましいp−アラミドである。m−アラミドもまた本発明で使用され、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)(MPD−I)が好ましいm−アラミドである。本発明での使用に特に好適なm−アラミドおよびp−アラミド繊維および糸は、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)により商標ケブラー(登録商標)およびノメックス(Nomex)(登録商標)、帝人(日本国)によりテイジンコネックス(Teijinconex)(登録商標)、トワロン(登録商標)、およびテクノーラ(Technora)(登録商標)で販売されているもの、ならびに他により提供される同等の製品である。
【0018】
用語「ポリベンズアゾール」(PBZ)は本明細書で用いるところでは、窒素含有複素環モノマーを含む芳香族ポリマーを意味する。ポリベンズアゾールの構造、合成、および特性は、多数の参考文献、例えば、材料研究協会紀要(Materials Research Society Proceedings)(1989年)、134(Mater.Sci.Eng.Rigid−Rod Polymn.)、ダブリュ.ダブリュ.アダム(W.W.Adam)、アール.ケイ.エビィ(R.K.Eby)、およびディ.イー.マクレモア(D.E.McLemore)編ならびに米国特許第4,533,693号明細書および同第4,606,875号明細書に詳細に記載されている。本発明での使用に好ましいポリベンズアゾールは、ポリ(1,3−フェニレンビスベンズイミダゾール)(PBI)、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリ(p−フェニレンビスチアゾール)(PBT)、およびポリ(ピリドビスイミダゾール)(PIPD、M5繊維)である。PIPDはPCT特許出願国際公開特許出願第94/25506号パンフレットおよびディ.ジェー.シッケマ(D.J.Sikkema)著、ポリマー(Polymer)、39(1998−24)、5981−5986ページに記載されている。
【0019】
用語「高性能ポリエチレン繊維」(HPPE)は本明細書で用いるところでは、ゲル紡糸法(例えば、米国特許第4,137,394号明細書および同第4,403,012号明細書ならびに化学技術百科辞典(Encyclopedia of Chemical Technology)、第4版、ジェー.アイ.クロシェウィッツ(J.I.Kroschwitz)(編集主幹)、13(1995)、148以降を参照されたい)によって超高分子量ポリエチレンから製造された高強度配向繊維を意味する。HPPE繊維は、例えば、商標スペクトラ(登録商標)(ハネウェル・インターナショナル社、ニュージャージー州モリス・タウンシップ)およびダインエマ(登録商標)(DSM、ヘールレン、オランダ国)で商業的に入手可能である。
【0020】
下のテキスタイル定義は、完全テキスタイル用語集(Complete Textile Glossary)、セラニース・アセテート有限責任会社(Celanese Acetate LLC)(2001年)から取られている。
【0021】
用語「繊維」は本明細書で用いるところでは、糸へ紡績することができる、または製織、ニッティング、ブレーディング、フェルト化および加撚のような様々な方法によって布にすることができる、その幅の直径の少なくとも100倍の長さによって特徴づけられる物質の単位を意味する。
【0022】
用語「フィラメント」は無限のまたは極端な長さの繊維を意味する。
【0023】
用語「ステープル」または「ステープルファイバー」は天然繊維またはフィラメントからのカット長を意味する。製造された繊維は、それらが糸紡績システムで加工できるように、一定の長さ、8インチ〜約1インチにカットされる。用語「ステープル(ファイバー)」は繊維工業では天然繊維またはカット長に製造された繊維をフィラメントと区別するために用いられる。
【0024】
用語「糸」は織物繊維、フィラメント、または編んで、織って、または他のやり方で絡み合わせて織編布を形成するのに好適な形の材料の連続ストランドを意味する。例えば、糸は撚りによって結び付けられているステープルファイバー(「スフ糸」もしくは「紡績糸」)、撚りありもしくは撚りなしの多くの連続フィラメント(「マルチフィラメント糸」)、または撚りありもしくは撚りなしの単フィラメント(「モノフィラメント糸」)よりなることができる。
【0025】
本発明の物品はまた、これらの繊維を含有するブレンドを使用して製造することもでき、かかるブレンドは当該技術で一般に知られる方法によって製造される。
【0026】
本発明は特に消防士出動具での使用に好適である。かかる用具には通常、コートおよびパンツならびに熱および火炎からの保護を着用者に提供するために必要とされる衣服の任意の他の物品のような衣類が含まれる。一般に、かかる衣類は一連の個々の構成要素でできている。典型的には、かかる衣類は、通常は耐摩耗性材料でできた外殻、耐水性材料で作られた防湿層、および断熱層を有する。PBIならびにm−およびp−アラミドの両方は一般に出動コート外殻に使用される。
【0027】
一般に、m−アラミド布は、耐久性を高めるために断熱層の上張りとして使用される。この断熱層の上張りは本発明の布の好ましい用途であろうと期待される。本発明の布は、他のタイプの防護服で単独でまたは他の布と組み合わせて使用することができる。例えば、布は防護コートもしくはカバーオールで単独でまたはかかる衣類のための内張りとして使用されてもよい。
【0028】
本発明で有用なアラミド布は、m−アラミド、p−アラミド、またはそれらの混合物であってもよい。消防士出動具の内部内張りとしての使用のためには、本発明の布は、例えば紡績糸または低摩擦フィラメントで作られたm−アラミド布であることが特に好ましい。本発明の布は織布であってもまたは編布であってもよい。平織または綾織がこの布のほとんどの用途に好ましいが、布の任意の織り方パターンまたは布の製織またはニッティング方法が本発明の布を製造するのに用いられてもよい。
【0029】
布の重量の75%より多くをアラミド糸として有する布では、布は、アラミド布の、染料、布処理剤および仕上げ剤を吸収する点で少なくとも特徴を有する。防護衣用途は、マルチフィラメントまたはステープル・アラミド糸と他の糸とのある混合物を必要とするかもしれないし、または保護布が100重量%アラミド・フィラメントまたはマルチフィラメント糸であることを必要とするかもしれない。100%未満〜約75%m−アラミド繊維を含有する布については、残りの繊維は必要とされる保護性を求めて選択される。かかる糸は、p−アラミド、非晶質m−アラミド、(布で利用可能であるに過ぎない)羊毛、FRレーヨン、およびポリベンズイミダゾール糸のような高温安定性の他の糸であってもよい。かかる製品は均質繊維ブレンドである傾向がある。
【0030】
本発明の物品は、それらを抗菌性にするためにキトサンで処理され、それによってカビ、細菌の増殖、および臭気の発生を抑制する。キトサンはポリ−[1−4]−β−D−グルコサミンの名前で一般に使用されている。キトサンはポリ−[1−4]−β−N−アセチル−D−グルコサミンであるキチンから化学的に誘導され、それは順繰りにカビの細胞壁、昆虫および、特に、甲殻類の殻に由来する。HPPE繊維を含む物品は、参照により本明細書によって援用される米国特許出願第10/288,762号明細書に記載のようにキトサン溶液で処理することができる。
【0031】
キトサンで処理されるべきアラミドまたはポリベンズアゾール繊維を含む物品は先ず、水に約5〜30分間、好ましくは約10分間浸漬される。水の温度は決定的に重要ではなく、室温が好ましい。過剰の水は吸引または圧搾によって除去される。
【0032】
物品は次に場合により塩基性溶液に、室温〜約90℃で、約5〜30分間、好ましくは約10分間浸漬される。水の温度は決定的に重要ではなく、室温が好ましい。塩基性溶液は、可溶性第I族水酸化物、可溶性第II族水酸化物、可溶性第III族水酸化物、水酸化アンモニウム、およびアルキル置換された水酸化アンモニウムよりなる群から選択される塩基を含み、塩基は水または水とメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、およびジメチルアセトアミドよりなる群から選択される1つもしくはそれ以上の水溶性有機溶媒との混合物に溶解される。
【0033】
物品は次に該溶液から取り出され、過剰の塩基性溶液は減圧下の吸引または圧搾によって除去される。物品は次にキトサン処理を受ける。
【0034】
該処理は、物品を、キトサン剤を含有する溶液に浸漬するまたは溶液で濡らす工程を含む。用語「キトサン剤」は本明細書で用いるところでは、キトサン、キトサン塩、およびキトサン誘導体をはじめとする、すべてのキトサン−ベースの部分を意味する。好ましくは、キトサン剤の分子量は少なくとも50,000である。キトサンの脱アセチル化度は少なくとも85%であることもまた好ましい。
【0035】
キトサン剤を含む溶液は水性であってもよい。しかしながら、キトサンそのものは水に溶けないので、キトサンは溶液に可溶化されてもよい。溶解性は、モノ−、ジ−およびポリカルボン酸よりなる群から選択される水溶性有機酸の希薄溶液にキトサンを加えることによって得られる。これは、キトサンを酸と反応させて本明細書では「キトサン塩」と言われる水溶性塩を形成させる。あるいはまた、水溶性である、N−およびO−カルボキシアルキルキトサンをはじめとする「キトサン誘導体」をキトサン塩の代わりに水中で直接使用することができる。
【0036】
典型的には、キトサン溶液は水性酢酸溶液、例えば、2%キトサンおよび0.75%酢酸または2%キトサンおよび1.5%水性酢酸を含有する水性溶液である。処理の時間は典型的には5〜30分である。処理の温度は決定的に重要ではなく、室温が好ましい。キトサン溶液での処理後に、過剰の溶液は滴り出させてもよいし、または絞るもしくは回転させることによって除去されてもよい。処理物品は次にオーブン乾燥または周囲風乾とオーブン乾燥との組合せによって乾燥される。生じたコーティングは、洗濯された時に満足な耐久性を示す。
【0037】
上記方法によって製造された物品は抗菌性および抗臭性を示す。用語「抗菌性」は本明細書で用いるところでは、当該技術で一般に知られているように殺菌性および殺カビ性の両方を意味する。「抗菌性増殖が低減される」または「細菌(またはカビ)の増殖の低減」とは、下に記載される振盪フラスコ試験(Shake Flask Test)によって測定されるように、および細菌の増殖で3−対数低下の最低要件を示す抗菌機能性を測定するために一般に用いられるように、24時間での細菌(またはカビ)の99.9%死滅が満たされたことを意味する。
【0038】
さらに、本明細書で処理された繊維および布は、テナシティ、伸びおよび手触りに関して都合の良い物理的性質を示す。
【0039】
前記抗菌性は、場合により、可溶性金属塩、例えば、可溶性銀塩、可溶性銅塩および可溶性亜鉛塩での処理によってさらに強化されてもよい。本発明の好ましい金属塩は硫酸亜鉛、硫酸銅または硝酸銀の水溶液である。金属塩は典型的には水中の塩の希薄(0.1〜5%)溶液に浸漬するまたは溶液をパジングすることによって塗布される。強化の程度は、使用される特定の金属塩、その濃度、曝露の時間および温度、ならびに具体的なキトサン処理、すなわち、キトサン剤のタイプ、その濃度、曝露の温度および時間に依存する。
【0040】
好ましい実施形態では、本発明の方法は、ポリベンズアゾールまたはアラミド繊維を含むキトサン被覆物品を窒素または周囲環境下で30〜200℃の範囲の温度に30分〜18時間加熱する工程をさらに含む。キトサン・コーティングは実質的に架橋されないままであることが好ましい。
【0041】
特に繊維、糸、または布の形の、本発明に従って処理されるべきアラミドまたはポリベンズアゾール物品はまた、
アラミドまたはポリベンズアゾールを含む物品を抗菌性にする連続法であって、
(a)その上に物品が配置される供給ステーションと物品を受け取ることができる引取ステーションとを提供する工程と、
(b)物品を供給ステーションから、前記物品が水と接触させられる第1処理ステーションを通して引き出す工程と、
(c)場合により、物品を第1処理ステーションから、前記物品が塩基性溶液に曝される第2処理ステーションを通して引き出す工程と、
(d)工程(b)−または工程(c)−処理物品を、物品がキトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体よりなる群から選択されるキトサン剤を含む溶液に曝される第3処理ステーションを通して引き出す工程と、
(e)工程(c)−または工程(d)−処理物品を、物品が120℃の温度に曝される乾燥ステーションを通して引き出す工程と、
(f)場合により、工程(e)−処理物品を、それが乾燥ステーションを出た後で200℃で加熱する工程と、
(g)工程(e)−または工程(f)−処理物品に引取ステーション上で受け取らせ、そして蓄積させる工程と
の順次工程を含む連続法を用いて抗菌性にすることもできる。
【0042】
供給ステーション、処理ステーション、ヒーター、および引取構成要素は、繊維および糸の連続処理のための当該技術で公知の任意の便利な方法であってもよい(例えば、ウルマン工業化学百科辞典(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry)、第5版、ウォルフガング・ゲルハルツ編集主幹(Wolfgang Gerhartz,Executive Editor)、第A10巻、VCH出版会社、ワインハイム、独国(VCH Verlagsgesellschaftg,Weinheim,Federal Republic of Germany)、1987年、エッチ.リュッカー(H.Lucker)、ダブリュ.カギ(W.Kagi)、ユー.ケンプ(U.Kemp)、およびダブリュ.スチバル(W.Stibal)著、「繊維、3.一般生産技術(Fibers,3.General Production Technology)」、511−566ページを参照されたい)。連続法は特に商業規模での使用に適切である。
【0043】
本発明のキトサン−処理物品は、繊維、糸、織布および不織布、フィルム、ならびにそれらから製造された物品および構築物の形にある。
【0044】
本発明の物品は、防弾チョッキ;ジャケット、頭巾、オーバーオール、および手袋、特にかかる物品用のサーマルライナーのような消防士用具;電気、化学薬品、および石油化学製品保護のための工業服;レインウェア;限定用途防護服;耐カット性および耐熱性手袋、頭巾、およびヘルメット内張り;放射線服、自給式呼吸器(例えば、その上のストラップ)、呼吸マスク(例えば、面体上のウェビング)、ガスマスク、ならびに細菌および化学戦争服およびヘルメット;マットレス、椅子張り、および輸送座席用の火災遮断材;オートレース−カースーツおよび同スーツ用の内張り;戦車搭乗員およびパイロット用の軍服;ブーツ、手袋、および寒冷用具のための断熱材;ジーンズ、耐カット性および耐弾道性アウトドア用衣服、チェーンソー・ズボン;ならびに膝当て、腕当て、肋骨当て、レガーズ、フェイスマスク、顎パッド、手袋、胸部プロテクター、胸部プレート、喉ガード、保護カップ、競技用サポーター、ショルダーパッド、肘当ておよび手首当てのような競技用保護具で用途を見いだす。本発明は特に、防護服の詰物および/または布内張りでの臭気および/またはカビの増殖を抑制するのに好適である。
【実施例】
【0045】
実施例1
材料:典型的な消防士制服の保護具で使用されるタイプのケブラー(登録商標)/ノメックス(登録商標)アラミド・バット・サーマルライナーのサンプルは、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手した。バットは75%ケブラー(登録商標)および25%ノメックス(登録商標)繊維よりなった。バットを、ノメックス(登録商標)よりなる面クロスに縫い合わせた。試験片(4インチ×4インチ)を大きな一片からカットし、次の実験で使用した。
【0046】
水酸化ナトリウム処理ケブラー(登録商標)/ノメックス(登録商標)のキトサン沈積:上記布の2つの試験片(A=2.43g、B=2.51g)を水に30分間浸漬した。過剰の水を吸引によって排出させ、布試験片を次に10%水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬した。試験片を次に取り出し、過剰の水酸化ナトリウム溶液を減圧下の吸引によって除去した。試験片を次に0.75%水性酢酸中の2%キトサン(プリメックス、ノルウェー国(Primex, Norway)から入手したキトクリア(ChitoClear)(登録商標)TM656、分子量約70,000、90%を超える脱アセチル化度)溶液に30分間浸漬した。試験片を次に取り出し、過剰のキトサン溶液を減圧下の吸引によって除去した。試験片を次に空気中で24時間乾燥し、引き続き110℃に1時間加熱した。終了時には布の重量はA=2.72g、B=2.73gであった。
【0047】
ケブラー(登録商標)/ノメックス(登録商標)布上のキトサン沈積:上記布の2つの試験片(C=2.62g、D=2.59g)を水に浸漬した(30分)。過剰の水を吸引によって排出させ、試験片を次に0.75%水性酢酸中の2%キトサン(プリメックス、ノルウェー国から入手したキトクリア(登録商標)TM656、分子量約70,000、90%を超える脱アセチル化度)溶液に30分間浸漬した。試験片を次に取り出し、過剰のキトサン溶液を減圧下の吸引によって除去した。試験片を次に空気中で24時間乾燥し、引き続き110℃に1時間加熱した。終了時には布の重量はC=2.79g、D=2.72gであった。
【0048】
サンプルAおよびCを、未処理布(サンプルE)と一緒に大腸菌(E.Coli)ATCC 25922に対する抗菌性効能について試験し、結果を図1に示す。結果に基づき、水酸化ナトリウムでの布の前処理が抗菌性効能を高めると結論することができる。水酸化ナトリウム前準備キトサン・パッド入り布(充填三角架(filled triangles))は、前準備をしていない布(X)と比較してより急激に細菌コロニーを減らした。
【0049】
実施例2
実施例1に記載したケブラー(登録商標)/ノメックスアラミド・バット・サーマルライナー材料の10の4インチ×4インチ(10cm×10cm)試験片をカットし、1500ml水入りの容器に入れ、タンブラー上で30分間転がした。試験片を取り出し、過剰の水を、圧搾しながら吸引によって排出させた。試験片を次に1500mlの10%NaOH水溶液入り第2容器に入れ、タンブラー上で30分間転がした。試験片を次に取り出し、過剰の液体を、圧搾しながら吸引によって排出させた。試験片を、過剰のNaOHを除去するために水で1回洗浄した。試験片を次に0.75%水性酢酸中の1500mlの2%キトサン(プリメックス、ノルウェー国から入手したキトクリア(登録商標)TM656、分子量約70,000、90%を超える脱アセチル化度)溶液入り第3容器に入れ、タンブラー上で30分間転がした。試験片を取り出し、過剰の液体を、圧搾しながら吸引によって排出させた。試験片を、乾燥するために一晩周囲空気中で吊した。試験片を次に予熱された110℃オーブン中へ1時間入れ、取り出し、放冷した。それらを3リットル水入りの容器中へ入れ、タンブラー上で4時間転がし、取り出し、一晩乾燥するために周囲空気中で吊した。これらの処理布試験片の表面でのキトサンの存在および未処理布の表面でのその不存在を確認するために0.7%水性酢酸中の指示アゾ染料オレンジ(Orange)II 0.5g/lを使用した。
【0050】
処理および未処理サンプルをAATCC試験方法61、試験Cに従って洗濯し、5、10、または30洗濯サイクルにさらした。追加の処理および未処理サンプルをタイド(Tide)(登録商標)洗濯洗剤(プロクター・アンド・ギャンブル(Proctor & Gamble))での5、10、または30洗濯サイクルにさらした。
【0051】
布サンプルをオレンジII染料に浸漬し、水で洗浄し、風乾した。強いオレンジ着色は、処理布サンプル上のキトサンの存在を示唆した。処理しなかった布は、オレンジII染料で同様に処理した時にかかる着色を示さなかった。5、10,および30洗濯サイクル後に、キトサン処理布はすべてオレンジのままであり、かなりの量のキトサンがポリエステル布の表面を依然として被覆していることを示唆した。オレンジ色合いの強さは、AATCCの30洗濯サイクル後に有意に減少した。タイド(登録商標)洗濯洗剤での30洗濯サイクルにさらされたサンプルの表面でオレンジ色合いの小さな色褪せがあったに過ぎなかった。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】塩基での前表面処理ありおよびなしで、キトサン−処理されたケブラー(登録商標)/ノメックス(登録商標)布の大腸菌ATCC 25922に対する抗菌性効能を示す線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラミドまたはポリベンズアゾールを含む物品を抗菌性にする方法であって、
(a)アラミドまたはポリベンズアゾールを含む物品を提供する工程と、
(b)前記物品を水と接触させる工程と、
(c)場合により、物品を塩基性溶液と接触させる工程と、
(d)工程(b)または工程(c)で生み出された物品を、キトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体よりなる群から選択されるキトサン剤を含む溶液と接触させる工程と、
(e)物品を乾燥させる工程と、
(f)場合により、乾燥物品を30℃〜200℃の範囲の温度で30分〜18時間加熱する工程と
の順次工程を含む方法。
【請求項2】
アラミドまたはポリベンズアゾールを含む物品を抗菌性にする連続法であって、
(a)その上に物品が配置される供給ステーションと物品を受け取ることができる引取ステーションとを提供する工程と、
(b)物品を供給ステーションから、前記物品が水で濡らされる第1処理ステーションを通して引き出す工程と、
(c)場合により、物品を第1処理ステーションから、前記物品が塩基性溶液に曝される第2処理ステーションを通して引き出す工程と、
(d)工程(b)−または工程(c)−処理物品を、物品がキトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体よりなる群から選択されるキトサン剤を含む溶液に曝される第3処理ステーションを通して引き出す工程と、
(e)工程(c)−または工程(d)−処理物品を、乾燥ステーションを通して引き出す工程と、
(f)場合により、工程(e)−処理物品を、それが乾燥ステーションを出た後で30℃〜200℃の温度で加熱する工程と、
(g)工程(e)−または工程(f)−処理物品に引取ステーション上で受け取らせ、そして蓄積させる工程と
の順次工程を含む連続法。
【請求項3】
塩基性溶液が、可溶性第I族水酸化物、可溶性第II族水酸化物、可溶性第III族水酸化物、水酸化アンモニウム、およびアルキル置換された水酸化アンモニウムよりなる群から選択される塩基を含み、そして塩基が水または水とメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、およびジメチルアセトアミドよりなる群から選択される1つもしくはそれ以上の水溶性有機溶媒との混合物に溶解される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
キトサン剤を含む溶液がモノ−、ジ−およびポリカルボン酸よりなる群から選択される希薄な水溶性有機酸中のキトサンの溶液である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
キトサン剤を含む溶液が希薄な水性酢酸中のキトサンである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記溶液が0.25容量%〜5.0容量%の希薄水性酢酸と溶液の0.25重量%〜8.0重量%のキトサンとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程(d)、(e)、または(f)で生み出された物品を、金属塩を含む溶液、カルボキシル含有ポリマーを含む溶液、キトサン剤を含む追加溶液、またはそれらの組合せと接触させる工程をさらに含み、製造された物品の表面がキトサン、金属塩、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程(d)−、(e)−、(f)−、または(g)−処理物品を、金属塩を含む溶液、カルボキシル含有ポリマーを含む溶液、キトサン剤を含む追加溶液、またはそれらの組合せを含有する後続ステーションを通して引き出す工程をさらに含み、製造された物品の表面がキトサン、金属塩、またはそれらの組合せを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
金属塩が可溶性銀塩、可溶性銅塩、および可溶性亜鉛塩よりなる群から選択される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
金属塩が硝酸銀、硫酸銅、および硫酸亜鉛よりなる群から選択される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
カルボキシル含有ポリマーがポリアクリル酸またはカルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項7または8に記載の方法。
【請求項12】
物品がフィラメント、繊維、糸、布またはフィルムの形にある、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
アラミドがポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンドよりなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
物品の表面がキトサン剤で処理された、アラミドまたはポリベンズアゾールを含む物品。
【請求項15】
物品の表面がキトサン剤で処理された、高性能ポリエチレンを含む物品。
【請求項16】
請求項1または2に記載の方法に従って製造された、請求項14に記載の物品。
【請求項17】
キトサン剤で処理されたアラミド、ポリベンズアゾール、または高性能ポリエチレン繊維を含む弾道布。
【請求項18】
防護服である、請求項14に記載の物品。
【請求項19】
防護服である、請求項15に記載の物品。
【請求項20】
内張りまたは詰物を有する防護服であって、内張りまたは詰物がキトサン剤で処理されたアラミド、ポリベンズアゾール、または高性能ポリエチレン繊維を含む防護服。
【請求項21】
コート、ジャケット、オーバーオール、防弾チョッキ、限定使用防護服、手袋、ブーツ、軍服、オートレース−カースーツ、ジーンズ、チェーンソー・ズボン、耐カット性アウトドア用衣服、または弾道アウトドア用衣服である、請求項18または19に記載の防護服。
【請求項22】
耐火服、放射線服;電気、化学薬品または石油化学製品からの保護のための工業服;レインウェア、または化学および細菌戦争に対する防護服である、請求項18に記載の防護服。
【請求項23】
キトサン剤で処理されたアラミド、ポリベンズアゾール、または高性能ポリエチレンを含むヘルメット、頭巾、自給式呼吸器、呼吸マスク、またはガスマスク。
【請求項24】
キトサン剤で処理されたアラミド、ポリベンズアゾール、または高性能ポリエチレンを含む内張り、ストラップ、またはウェビングを有するヘルメット、頭巾、自給式呼吸器、呼吸マスク、またはガスマスク。
【請求項25】
競技用保護物品である、請求項14または15に記載の物品。
【請求項26】
膝当て、肘当て、肋骨当て、腕当て、ショルダーパッド、手首当て、レガーズ、すね当て、手袋、フェイスマスク、顎パッド、胸部プレート、胸部プロテクター、喉ガード、保護カップ、または他の競技用サポーターである、請求項25に記載の競技用保護物品。
【請求項27】
キトサン剤で処理されたアラミド、ポリベンズアゾール、または高性能ポリエチレン繊維を含む内張りまたは詰物を有する競技用保護物品。
【請求項28】
請求項14に記載の物品を含むマットレス、椅子張り、または輸送座席用の火災遮断材。
【請求項29】
マットレス、椅子張り、または輸送座席用の内張りまたは詰物材であって、キトサン剤で処理されたアラミドを含む内張りまたは詰物材。
【請求項30】
キトサン剤の分子量が少なくとも50,000である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項31】
キトサン剤の脱アセチル化度が少なくとも85%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項32】
キトサン剤の分子量が少なくとも50,000である、請求項14または15に記載の物品。
【請求項33】
キトサン剤の脱アセチル化度が少なくとも85%である、請求項14または15に記載の物品。
【請求項34】
キトサン剤が実質的に架橋されていない、請求項14または15に記載の物品。

【図1】
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【公表番号】特表2007−500798(P2007−500798A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521932(P2006−521932)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/023672
【国際公開番号】WO2005/012630
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】