説明

抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維

【課題】抗菌剤を含有するポリマーからなり、抗菌性能に優れるとともに、熱収縮率が低い熱接着性繊維であって、この繊維を用いて得られる製品は熱接着処理後も寸法安定性に優れ、高温雰囲気下で使用しても接着強力の低下や変形が生じることのない抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維を提供する。
【解決手段】アルキレンテレフタレート単位を主体とする融点220℃以上のポリエステルAと融点が170〜210℃の熱接着性成分であるポリエステルBからなり、ポリエステルAを芯部にポリエステルBを鞘部に配した芯鞘型複合繊維であって、ポリエステルBの融点より20℃高い温度での乾熱収縮率が16%以下であり、かつ抗菌剤を繊維質量に対して0.2〜1.0質量%含有していることを特徴とする、抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱接着成分となる低融点ポリエステルを鞘部に配した芯鞘型のポリエステル長繊維であって、布帛やメッシュシート等の繊維構造物の接着用に好適に使用することができ、芯部及び又は鞘部に抗菌剤を含有することで、繊維構造物に抗菌性能を付与することができる抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル繊維は優れた機械特性及び化学特性を有するため、広範囲に使用されている。近年消費者の価値観の多様性、衛生に対する意識の高まりにより種々の抗菌性繊維が実用化されている。
【0003】
熱接着性複合繊維を用いて布帛やメッシュシート等の繊維構造体に抗菌性を付与する方法としては、繊維構造物を製造した後、後加工で抗菌剤を固定化する方法が提案されており、シリコン系第4級アンモニウム塩を用いる方法や脂肪族系第4級アンモニウム塩を用いる方法がある。
【0004】
しかしながら、これらは布帛やメッシュシート等の繊維表面に抗菌剤を固着させているので、洗浄や摩擦、摩耗により脱落し、抗菌性が低下するという欠点を有する。
【0005】
また、特許文献1には、イオン交換基を表面に含む繊維に銀イオンを結合させる方法や、同様の繊維に遷移金属イオンを結合させる方法が提案されている。しかしながら、これらはイオン交換基を繊維表面に導入させることが必要であり、アクリル繊維には有効であってもポリエステル繊維のような官能基の少ないポリマーには不適である。
【0006】
上記の問題を解決するために、ポリエステルに抗菌性を有する粉体を含有させて、抗菌ポリエステル繊維を得る方法もこれまでに数多く提案されており、抗菌ゼオライト(銀ゼオライト)を溶融紡糸前にポリエステルに混合し、溶融紡糸して得られた抗菌性繊維等が知られている。
【0007】
また、抗菌性繊維構造物を得る方法として、抗菌剤を含有させた熱接着繊維もしくはバインダー繊維を用いる方法が提案されており、例えば、特許文献2には低融点の鞘成分に抗菌剤を含有させた芯鞘型複合繊維が開示されている。
【0008】
しかしながら、この公報に開示された抗菌性複合繊維は、鞘成分にイソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートを使用するものであったため、熱収縮率が高くなるという問題があった。
【0009】
つまり、上記のような共重合ポリエステルは、非晶性であり明確な結晶融点を示さないため、ガラス転移点以上の温度で軟化が始まる。そのため、繊維の製造時に熱固定することができず、熱収縮率が高いものとなる。そしてこのような繊維を用いて布帛やメッシュシート等の製品とし、熱接着処理すると、繊維が大きく収縮するため、製品の寸法安定性が悪くなるという問題があり、また、このような製品を高温雰囲気下で使用すると、接着強力が低下して変形するという問題があった。
【特許文献1】特開昭56−148965号公報
【特許文献2】特開平7−54208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記のような問題点を解決するものであって、抗菌剤を含有するポリマーからなり、抗菌性能に優れるとともに、熱収縮率が低い熱接着性繊維であって、この繊維を用いて得られる布帛やメッシュシート等の製品は熱接着処理後も寸法安定性に優れ、高温雰囲気下で使用しても接着強力の低下や変形が生じることのない抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
【0012】
すなわち、本発明は、アルキレンテレフタレート単位を主体とする融点220℃以上のポリエステルAと融点が170〜210℃の熱接着性成分であるポリエステルBからなり、ポリエステルAを芯部にポリエステルBを鞘部に配した芯鞘型複合繊維であって、ポリエステルBの融点より20℃高い温度での乾熱収縮率が16%以下であり、かつ抗菌剤を繊維質量に対して0.2〜1.0質量%含有していることを特徴とする、抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の熱接着性ポリエステル長繊維は、抗菌剤を含有するポリマーからなり、抗菌性能に優れるとともに、熱収縮率が低い。このため、得られる織編物や不織布等の製品は熱接着処理後も寸法安定性に優れ、高温雰囲気下で使用しても接着強力の低下や変形が生じることがなく、様々な用途に使用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱接着性ポリエステル長繊維は、ポリエステルAを芯部にポリエステルBを鞘部に配した芯鞘型複合繊維である。
【0015】
まず、芯部となるポリエステルAは、アルキレンテレフタレート単位を主体とする融点220℃以上のものであり、中でも240〜280℃のものが好ましい。ポリアルキレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記する。)等が好ましく、これらの単独重合体、もしくは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を10モル%程度まで共重合させた共重合体でもよく、また、艶消し剤や滑剤等の添加物を含有していてもよい。
【0016】
芯部の融点(Tm)が220℃未満であると、布帛やメッシュシート等の製品を熱接着処理する際の安定性が悪く、また、熱接着処理により布帛やメッシュシート等の製品の強度が低下するため好ましくない。
【0017】
鞘部となるポリエステルBは、融点が170〜210℃のものであり、中でもテレフタル酸成分、エチレングリコール成分を有し、1,4−ブタンジオール成分、脂肪族ラクトン成分及びアジピン酸成分の少なくとも一成分を含有する共重合ポリエステルであることが好ましい。
【0018】
このようなポリエステルBとしては、テレフタル酸成分、エチレングリコール成分を含有し、かつ、1,4−ブタンジオール成分、脂肪族ラクトン成分及びアジピン酸成分の少なくとも一成分を含有する共重合ポリエステルであることが好ましい。
【0019】
まず、脂肪族ラクトン成分を共重合する場合、その共重合量は全酸成分に対して20モル%以下とすることが好ましく、10〜20モル%とするのがより好ましい。脂肪族ラクトン成分の割合が少ないと結晶性はよくなるが、融点が高くなりやすい。一方、20モル%より多いと結晶性が低下し、紡糸時に単糸密着が発生して製糸性が悪くなりやすい。
【0020】
脂肪族ラクトン成分としては、炭素数4〜11のラクトンが好ましく、特に好ましいラクトンとしては、ε−カプロラクトン(ε−CL)が挙げられる。
【0021】
1,4−ブタンジオール成分を共重合する場合、全グリコール成分に対して40〜60モル%となるようにすることが好ましい。共重合量が40モル%未満であったり、60モル%を超えると、融点が上がる傾向となり、本発明で規定する範囲外のものとなりやすい。
【0022】
アジピン酸成分を共重合する場合、その共重合量は全酸成分に対して、20モル%以下とすることが好ましく、10〜20モル%とするのがより好ましい。アジピン酸成分の共重合量が10モル%未満であると、結晶性はよくなるが、融点が高くなりやすい。一方、20モル%より多いと結晶性が低下し、紡糸時に単糸密着が発生して製糸性が悪くなりやすい。
【0023】
上記のような1,4−ブタンジオール成分、脂肪族ラクトン成分及びアジピン酸成分は、ポリエステルB中に少なくとも一成分が共重合されていればよく、二成分以上が共重合されているものでもよい。
【0024】
また、ポリエステルBはガラス転移温度(Tg)が20〜80℃、結晶開始温度(Tc)が90〜140℃のものが好ましい。Tgが20℃未満であると、溶融紡糸時に単糸密着の発生により製糸性が悪くなる。一方、80℃を超えると、高温で延伸熱処理することが必要となり、延伸による塑性変形と同時に部分的な結晶化が始まり、芯部と鞘部との間で結晶化に差異が発生じるため、繊維構造にムラが生じ、糸切れが発生する等延伸性が低下する。
【0025】
また、Tcが90℃未満であると、熱延伸工程で結晶化が進行してしまうため、延伸斑が生じ、延伸性が悪化するばかりか、次の熱処理工程において安定な結晶構造を再構築することが困難となり、十分な強度を有する繊維を得ることができない。
【0026】
一方、Tcが140℃を超えると、融点が210℃を超えることとなり、熱接着性繊維として不適当となる。
【0027】
ポリエステルB中にもその効果を損なわない範囲であれば、酸化防止剤、艶消し剤、着色剤、滑剤、結晶核剤の添加剤を含有していてもよい。
【0028】
ポリエステルBの融点は170〜210℃である。融点が170℃未満であると、紡糸性が悪化するばかりか、延伸時に十分な熱処理を行うことができず、乾熱収縮率の高い繊維となる。一方、融点が210℃を超えると、熱接着処理時に高温での熱処理が必要となりコスト高となる。また、熱接着処理時にポリマーの熱分解が起こりやすくなる。
【0029】
そして、本発明のポリエステル長繊維は、乾熱収縮率が16%以下であり、中でも15%以下であることが好ましい。特に、鞘成分のポリエステルBを上記のような成分を含有する共重合ポリエステルとすることによって、紡糸後、熱延伸や熱処理を良好に行うことができるため、熱収縮率を低くすることができる。
【0030】
乾熱収縮率は以下のように測定し、算出するものである。
本発明のポリエステル長繊維を筒編みして筒編地を作製し、編地上にペンでタテ10cm、ヨコ10cmの正方形を描く。ビロード板にこの筒編地を載せ、熱風乾燥機で150℃、15分間熱処理を行う。熱処理後、30分以上自然冷却させ、ペンで描いた正方形のタテ、ヨコの長さを測定する。次の算出式で面積比から乾熱収縮率を算出する。
乾熱収縮率(%)=[{処理前面積(100cm)−処理後面積}/処理前面積]×100
【0031】
乾熱収縮率が16%を超えると、本発明の繊維を用いた布帛やメッシュシート等の製品は、熱接着処理すると繊維が大きく収縮するため、製品の寸法安定性が悪くなり、さらには、このような製品を高温雰囲気下で使用すると、接着強力が低下して変形が生じる。
【0032】
さらに、本発明の熱接着性ポリエステル長繊維は抗菌剤を含有しているものである。抗菌剤はポリエステルA、ポリエステルBのいずれかもしくは両方に含有されていればよい。中でもポリエステルBに含有されていることが好ましい。つまり、ポリエステルBは熱接着成分であり鞘部に配されているものであるので、熱接着処理した際に鞘部が溶融すると、抗菌剤が繊維表面に露出するので抗菌効果が良好となる。
【0033】
本発明における抗菌剤としては、リン酸ジルコニウム、二酸化カルシウム、二酸化チタン等に銀を担持させたものが用いられるが、抗菌性、製糸性、色調、コストの点で、リン酸ジルコニウム銀を主成分とするものが特に好ましい。リン酸ジルコニウム銀を主成分とする抗菌剤としては、東亜合成社から市販されている「ノバロンAG−100」(銀担持量1〜3質量%)「ノバロンAG−300」(銀担持量3〜5質量%) 「ノバロンAG−1100」(銀担持量10〜11質量%)等がある。
【0034】
抗菌剤の含有量は、繊維質量に対して0.2〜1.0質量%、中でも0.3〜0.7質量%とすることが好ましい。抗菌剤の含有量が0.2質量%未満では十分な抗菌性を有する繊維が得られず、一方、1.0質量%を超えると抗菌効果が飽和するばかりでなく、製糸性が悪化したり、コスト高になったりして、好ましくない。
【0035】
複合繊維における芯部と鞘部の割合は、質量比で40/60〜80/20、好ましくは50/50〜70/30とする。芯部の割合が小さすぎると繊維の強度が低下したり、紡糸性が低下したりする。一方、鞘部の割合が小さすぎると熱接着性が低下するとともに、安定した紡糸が困難となる。
【0036】
本発明の熱接着性ポリエステル長繊維は、芯鞘型複合紡糸装置を用いて、溶融紡糸、延伸、熱処理することにより製造することができる。その際の製造方法については、紡糸工程で未延伸糸を得、延伸して製品とする二工程法、或いは紡糸の後に一旦捲き取ることなく延伸を行うスピンドロー法のどちらでもよい。
【0037】
また、本発明の熱接着性ポリエステル長繊維は、単糸が複数集束してなるマルチフィラメントであっても、モノフィラメントであってもよい。
【0038】
本発明の熱接着性ポリエステル長繊維は、単独で布帛やメッシュシート等にすることもできるが、主体繊維と併用して主体繊維の相互間を接着するバインダー繊維として用いることが好ましい。主体繊維とは、熱接着温度において溶融しない繊維を意味し、PET繊維やPBT繊維のようなポリエステル系のものが好ましく用いられる。
【実施例】
【0039】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、特性値の測定、評価方法は、次のとおりである。
(a)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合液を溶媒とし、温度20℃で測定した。
(b) Tm、Tg、Tc
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用い、昇温速度10℃/分で測定した。
(c)抗菌性
得られた熱接着性ポリエステル長繊維を用いて筒編地を作製し、回転式乾燥機を用いてポリエステルBの融点+20℃の温度で1分間熱処理した。この布帛を用い、繊維製品衛生加工協議会(SEK)のシェークフラスコ法により減菌率を測定し、減菌率差によって評価した。試料に黄色ブドウ状球菌の懸濁緩衝液(初発菌数A0 )を注加し、密閉溶液中で150回/分の頻度で1時間振盪し、振盪後の生菌数A1を計測し、下式で減菌率を求め、抗菌剤含有試料の減菌率と抗菌剤非含有試料の減菌率との差(減菌率差)で評価した。(減菌率差が26%以上の場合、抗菌性ありと判定した。)
減菌率(%)=〔(A0−A1)/A0〕×100
洗濯後の抗菌性は、次の条件で洗濯した試料について、上記と同様にして減菌率を差を求めて評価した。家庭用洗濯洗剤を2g/Lの濃度で含有する40℃の水溶液で5分間洗濯し、流水洗を2分間行って脱水し、更に流水洗を2分間行って脱水した後、乾燥する操作を50回繰り返す。
(d)乾熱収縮率
上記の方法で測定し、算出した。
(e)製糸性
24時間連続して紡糸を行い、この間の切れ糸回数により以下のように3段階で評価して、△以上を合格とした。
○:切糸なし
△:切糸1〜2回
×:切糸3回以上
【0040】
実施例1〜9、比較例1〜6
鞘部を構成するポリエステルBを次のようにして製造した。テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応で得られたテレフタル酸成分とエチレングリコール成分が1/1.13のオリゴマーに、1,4ブタンジオールをジオール成分に対して50モル%の割合で添加し、1時間のエステル化反応を行った後、重縮合触媒としてテトラブチルチタネートを添加し、温度260℃、圧力1hpaで3時間重縮合反応を行い、ポリエステルBを得た。ポリエステルBは、極限粘度0.67、Tm180℃、Tg50℃、Tc110℃であった。
芯部を構成するポリエステルAとして、極限粘度0.66、Tm256℃のPETを用いた。
そしてポリエステルBに表1に示すリン酸ジルコニウム銀を主成分とする抗菌剤を繊維質量中での含有量が表1に示す値となるように添加し、表1に示す芯鞘複合比(質量比)の芯鞘型複合繊維を製造した。このとき、2成分複合溶融紡糸装置を用い、紡糸温度285℃、紡糸口金孔数24孔、吐出量29.5g/分、引き取り速度3000m/分とし、得られた未延伸糸を延伸温度70℃、熱セット145℃、延伸倍率1.85で延伸し、56デシテックス/24フィラメントの熱接着性ポリエステル長繊維を得た。
【0041】
実施例10
ポリエステルAとして、極限粘度0.85、Tm225℃のPBTを用いた以外は実施例2と同様に実施した。
【0042】
比較例7
ポリエステルBを極限粘度0.67、Tg60℃、流動開始温度180℃のイソフタル酸成分を25モル%共重合したPETとし、芯鞘複合比、抗菌剤の種類及び含有量を表1に示す量とした以外は、実施例2と同様に実施した。
【0043】
実施例1〜10及び比較例1〜7で得られた熱接着性ポリエステル長繊維の特性値と評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
表1から明らかなように、実施例1〜10のポリエステル長繊維は、乾熱収縮率が16%以下であり、得られた布帛の寸法安定性に優れるものであった。また、抗菌性に優れ、製糸性よく得ることができた。一方、比較例1、3、5のポリエステル長繊維は、抗菌剤の含有量が少なかったため、抗菌性に劣るものであった。比較例2、4、6のポリエステル長繊維は、抗菌剤の含有量が多すぎたため、紡糸、延伸時に糸切れが発生し、製糸性に劣るものであった。比較例7のポリエステル長繊維は、ポリエステルBにイソフタル酸を共重合したPETを用いたため、乾熱収縮率が高くなり、得られた布帛は寸法安定性に劣るものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキレンテレフタレート単位を主体とする融点220℃以上のポリエステルAと融点が170〜210℃の熱接着性成分であるポリエステルBからなり、ポリエステルAを芯部にポリエステルBを鞘部に配した芯鞘型複合繊維であって、ポリエステルBの融点より20℃高い温度での乾熱収縮率が16%以下であり、かつ抗菌剤を繊維質量に対して0.2〜1.0質量%含有していることを特徴とする、抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維。
【請求項2】
ポリエステルBが、テレフタル酸成分、エチレングリコール成分を有し、1,4−ブタンジオール成分、脂肪族ラクトン成分及びアジピン酸成分の少なくとも一成分を含有する共重合ポリエステルである請求項1記載の抗菌性を有する熱接着性ポリエステル長繊維。


【公開番号】特開2008−223182(P2008−223182A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65140(P2007−65140)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000228073)日本エステル株式会社 (273)
【Fターム(参考)】