説明

抗菌薬としてのジアゼピンオキサゾリジノン

本発明は、新規なクラスのオキサゾリジノン誘導体、抗菌薬としてのそれらの使用、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびそれらの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規なクラスのオキサゾリジノン誘導体、抗菌薬としてのそれらの使用、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
抗菌薬耐性は、近年驚異的なほど急激に出現した臨床および公衆衛生上の大きな問題であり、近い将来拡大することは確実であろう。耐性は、地域社会、および細菌の伝播が大幅に増幅される健康管理施設において、問題となる。多剤耐性は拡大しつつある問題であるので、医師は現在、効果的な療法のない感染症に直面している。その結果、細菌感染症の処置においては新規な作用様式をもつ新規構造の抗菌薬がいっそう重要になってきた。
【0003】
比較的新しい抗菌薬のうちオキサゾリジノン化合物は、最も最近の合成抗菌薬クラスである。本発明は、ジアゼピン環を含む新規クラスのオキサゾリジノン誘導体を提供する。これらは、多剤耐性菌株を含めた多数のヒト病原体および動物病原体に対して有効である。
【0004】
情報の開示
WO 9323384、WO 20028084、WO 2003072553、WO 2003072576、WO 2003072575、WO 200142229、WO 200264575、WO 9615130、WO 200216960、WO 200027830、WO 200146185、WO 200281469、WO 200281470、WO 2001080841、WO 2003084534、WO 2003093247、WO 200202095、WO 200230395、WO 200272066、WO 2003063862、WO 2003072141、WO 2003072081、WO 2003119817、WO 2003008389、WO 2003007870、WO 200206278、WO 200032599、WO 9924428、WO 2004014392、WO 2004002967、WO 2004009587、WO 2004018439、米国特許出願公開No. US 2004/0044052、USP No. 5547950、USP No. 5700799、DE 10034627には、微生物感染症の処置に有用な抗菌活性をもつオキサゾリジノン化合物が開示されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、式Iの化合物
【0006】
【化1】

【0007】
またはその医薬的に許容できる塩を提供する:
式中:
Aは、次式i、ii、iii、またはivの構造であり:
【0008】
【化2】

【0009】
Wは、下記のものであり:
(a) CONHR2
(b) CH2NHCO(NH)C1-6アルキル、
(c) CH2NHCOOC1-6アルキル、
(d) CH2OH、
(e) CH(OH)-CH=CHR2
(f) CH(OH)C≡CR2
(g) CH2NH-het、
(h) CH2O-het、
(i) CH2S-het、または
(j) CH2het;
Y1は、CH、CF、またはNであり;
Y2およびY3は、独立してCHまたはCFであり;
Qは、OまたはSであり;
R1は、HまたはC1-6アルキルであり;
R2は、H、C1-6アルキル、またはOC1-6アルキルであり;
各”.....”は、独立して結合であるか、または存在せず;
それぞれの場合、C1-6アルキルは1以上のCF3、ハロ、OH、OC1-4アルキル、CN、N3、O(C=O)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、NH2、NHC(=O)C1-4アルキル、またはC(=O)C1-4アルキルで置換されていてもよく;そして
hetは、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を環内に有する5-または6-員複素環式環であり、その際、het中の各炭素原子は1以上のCF3、ハロ、OH、OC1-4アルキル、CN、N3、O(C=O)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、NH2、NHC(=O)C1-4アルキル、またはC(=O)C1-4アルキルで置換されていてもよい。
【0010】
他の観点において、本発明は下記をも提供する:
医薬的に許容できるキャリヤーおよび式Iの化合物を含む、医薬組成物、
必要な対象に療法有効量の式Iの化合物を投与することにより、哺乳類における微生物感染症を処置する方法、ならびに
微生物感染症の処置に用いる医薬の製造のための、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
【0011】
本発明は、式Iの化合物を製造するために有用な新規中間体および新規方法をも提供する。
発明の詳細な記述
別途記載しない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いる下記の用語は、以下の意味をもつ:
種々の炭化水素含有部分の炭素原子含量は、その部分の最小と最大の炭素原子数を表わす添字により示される。すなわち、添字Ci-jは、包括的に、整数”i”から整数”j”までの炭素原子を含む部分を示す。たとえばC1-6アルキルは、包括的に、炭素原子1〜6個のアルキルを表わす。
【0012】
用語アルキルまたはアルケニルなどは直鎖基および分枝鎖基の両方を表わすが、個々の基、たとえば”プロピル”という表現は直鎖基のみを含み、分枝鎖異性体、たとえば”イソプロピル”は具体的に表現される。
【0013】
用語”ハロ”は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、またはヨード(I)を表わす。
ある化合物の”医薬的に許容できる塩”という用語は、医薬的に許容でき、かつ目的とする親化合物の薬理活性をもつ化合物を意味する。
【0014】
用語”het”は、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を環内に有する5-または6-員複素環式環である。hetの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリノン、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリン、チオモルホリン(チアモルホリンとも呼ばれる)、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランなど。hetの他の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:ピリジン、チオフェン、フラン、ピラゾール、ピリミジン、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、3-ピラジニル、4-オキソ-2-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、4-オキソ-2-オキサゾリル、5-オキサゾリル、1,2,3-オキサチアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、3-イソチアゾール、4-イソチアゾール、5-イソチアゾール、2-フラニル、3-フラニル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-イソピロリル、4-イソピロリル、5-イソピロリル、1,2,3,-オキサチアゾール-1-オキシド、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、5-オキソ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,5-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、3-オキソ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-オキソ-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル、テトラゾール-1-イル、1,2,3,4-テトラゾール-5-イル、5-オキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリルおよび5-イソチアゾリル、1,3,4,-オキサジアゾール、4-オキソ-2-チアゾリニル、または5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル、チアゾールジオン、1,2,3,4-チアトリアゾール、または1,2,4-ジチアゾロン。
【0015】
用語”医薬的に許容できるキャリヤー”は、医薬組成物を調製するのに有用であって、一般に安全で無毒性であり、かつ生物学的にも他の形でも望ましくないものではないキャリヤーを意味し、これには動物医薬としてもヒトの医薬としても許容できるキャリヤーが含まれる。本明細書および特許請求の範囲で用いる”医薬的に許容できるキャリヤー”には、1種類の、または1種類より多い、そのようなキャリヤーが含まれる。
【0016】
用語”哺乳類”は、ヒトまたは温血動物を表わし、これには家畜および愛玩動物が含まれる。家畜とは、ヒトの食肉摂取に適切な動物を表わす。例には、ブタ、ウシ、ニワトリ、魚類、シチメンチョウ、ウサギなどが含まれる。愛玩動物は、ペットとして飼育される動物、たとえばイヌ、ネコなどを表わす。
【0017】
用語”任意”または”場合により”は、その後に記載される事象または状況が起きてもよいが、起きる必要はないことを意味し、この記載にはその事象または状況が起きる場合とそれが起きない場合とが含まれる。
【0018】
疾患を”処置する”または”処置”という用語には、下記のものが含まれる:(1)疾患を予防する:すなわち、その疾患を発症する可能性があり、またはその疾患の素因をもつけれども、まだその疾患の症状を経験または提示していない哺乳類において、その疾患の臨床症状を発症させない;(2)疾患を阻止する:すなわちその疾患またはそれの臨床症状の発達を停止または低下させる;あるいは(3)その疾患を軽減する:すなわちその疾患またはそれの臨床症状を退行させる。
【0019】
用語”療法有効量”は、疾患を処置するために哺乳類に投与する際に、その疾患のそのような処置を行うのに十分な化合物量を意味する。”療法有効量”は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置される哺乳類の年齢、体重などに応じて異なるであろう。
【0020】
用語”プロドラッグ”は、インビボで、たとえば血中での加水分解によって速やかに変換されて前記式の親化合物を生成する化合物を表わす。詳細な考察がT. Higuchi and V. Stella, ”Pro-drugs as Novel Delivery Systems” Vol. 14, the A.C.S. Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design, 編者Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に示されている。
【0021】
用語”脱離基”は、合成有機化学において一般にそれに伴う意味をもち、すなわち、求核基により置換しうる原子または基であり、ハロゲン、アルキルスルホニルオキシ、エステルまたはアミノ、たとえばクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロスルホニルオキシ、メトキシ、N,O-ジメチルヒドロキシル-アミノなどを含む。
【0022】
同一分子式をもつけれどもそれらの原子の結合の性質もしくは配列またはそれらの原子の空間配置が異なる化合物を”異性体”と呼ぶ。それらの原子の空間配置が異なる異性体を”立体異性体”と呼ぶ。
【0023】
キラル中心をもつ本発明化合物が光学活性形およびラセミ形で存在し、かつ単離される可能性があることは、当業者には認識されるであろう。ある化合物は多形を示す場合がある。本発明は、本明細書に記載する有用な特性をもつ本発明化合物のラセミ形、光学活性形、多形、互変異性体形もしくは立体異性体形、またはその混合物をいずれも含むと理解すべきである。光学活性形を製造する方法(たとえばラセミ形を再結晶法で分割することにより、光学活性出発物質からの合成により、キラル合成により、またはキラル固定相を用いるクロマトグラフィー分離により)、および本明細書に記載する標準試験法を用いて、または当技術分野で周知の他の同様な試験法を用いて抗菌活性を測定する方法は、当技術分野で周知である。
【0024】
本発明化合物は一般にIUPACまたはCAS命名方式に従って命名される。
当業者に周知の略号を用いる(たとえばフェニルについて”Ph”、メチルについて”Me”、エチルについて”Et”、時間について”h”、および室温について”rt”)。
【0025】
基、置換基および範囲について以下に挙げる具体的な意味および好ましい意味は例示のためにすぎない;それらは定義された他の意味、または基および置換基について定義された範囲内の他の意味を除外するものではない。
【0026】
具体的には、アルキルは直鎖基および分枝鎖基の両方を表わすが、個々の基、たとえば”プロピル”という表現は直鎖基のみを含み、分枝鎖異性体、たとえば”イソプロピル”は具体的に表現される。
【0027】
特に、アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびそれらの異性体形である。
特に、アルケニルはビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、およびそれらの異性体形である。
【0028】
特に、ハロはフルオロ(F)またはクロロ(Cl)である。
特に、本発明は式Iaの化合物を提供する:
【0029】
【化3】

【0030】
式中:Y1およびY2は独立してCHまたはCFであり;WはCONHR2またはCH2NHCO(NH)C1-6アルキルである。
特に、本発明は式Ibの化合物を提供する:
【0031】
【化4】

【0032】
式中:Y1およびY2は独立してCHまたはCFであり;R1はHまたはメチルであり;R2はH、CH3またはOCH3である。
本発明の例は下記のものである:
(1) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(2) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(3) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(4) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(5) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(6) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(7) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(8) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(9) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、または
(10) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド。
【0033】
本発明化合物は以下に述べる1以上のスキームに従って製造できる。出発物質はすべて市販されているか、あるいは有機化学の専門家に周知の方法により製造できる。スキーム中に用いた可変基は以下に定めるものであり、または本発明の概要もしくは特許請求の範囲に従う。
【0034】
【化5】

【0035】
スキームIには、市販のアニリン1から出発する、C-5カルボキサミド側鎖をもつオキサゾリジノン環の合成を記載する。最初にアニリン1と(2R)-エポキシプロパン酸アルキルおよびルイス酸、たとえばトリフル酸リチウム(米国特許出願公開No. US 2004/0044052に記載)と反応させて、アミノアルコール2にする。次いでこのアミノアルコール2を当業者に既知の方法で環化して、アリールオキサゾリジノン3を得る。たとえば、中間体2を1,1'-カルボニルジイミダゾールにより、溶媒、たとえばアセトニトリルまたはテトラヒドロフラン中において、適切な温度、一般に20〜80℃で処理して、オキサゾリジノン3にする。あるいは、2とホスゲンを、溶媒、たとえばトルエンもしくは塩化メチレンまたはその混合物中において、塩基、たとえばトリエチルアミンの存在下に、適切な温度、一般に-10〜25℃で反応させると、オキサゾリジノン3が得られる。この生成物を採集したまま使用でき、あるいはまず調製用TLCもしくはHPLC、クロマトグラフィー、沈殿法、または結晶化法などの常法により精製することができる。
【0036】
次いでオキサゾリジノンエステル3をアンモニアにより、または場合によっては置換アミン(R2NH2)により、適切な溶媒、たとえばメタノールまたはアセトニトリル中で処理すると、アミド4(R2= Hまたは場合により置換されたアルキル)が得られる。同様に、エステル3をO-アルキルヒドロキシルアミンで処理して、ヒドロキサメート(R2= O-アルキル)にする。この生成物を採集したまま使用でき、あるいはまず調製用TLCもしくはHPLC、クロマトグラフィー、沈殿法、または結晶化法などの常法により精製することができる。
【0037】
【化6】

【0038】
スキームIIには、ジアゼパノン環をもつアニリン中間体9の合成を記載する。ジアゼパノン5(合成についてはスキームIIIを参照)を求核芳香族置換反応によりフルオロニトロベンゼン類と(たとえば3,4,-ジフルオロニトロベンゼンと)反応させて、中間体、たとえば6にする。そのような反応は当業者に周知であり、これらの反応について記載した概説報文がある(Zoltewicz, Top. Curr. Chem. 1975, vol. 59, pp. 33-64を参照)。これらの変換は一般に約40〜約90℃の温度で、極性非プロトン溶媒、たとえばアセトニトリルまたはジメチルスルホキシドを用いて、酸捕捉用塩基、たとえばトリエチルアミンまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下に実施される。次いで中間体6を場合により窒素原子においてアルキル化して、中間体7を形成する。たとえば6とヨウ化メチルを、塩基としての水酸化カリウムおよび相間移動触媒としての臭化テトラブチルアンモニウムを用いて反応させて、中間体7(R1= メチル)にする。次いで中間体7を還元して、アニリン中間体8にする。この還元は一般に、7を還元性金属と(たとえば鉄粉と)反応させることにより達成される。この反応は、約60〜約90℃の温度で、溶媒としての水とアルコール類(メタノール、エタノールなど)の混合物中において、反応混合物を緩衝化するための塩化アンモニウムの存在下で実施するのが好ましい。場合により、このタイプの還元は、他の金属、たとえばスズもしくは亜鉛との反応により、またはパラジウムもしくは白金触媒下での水素化により実施される(Rylander, Hydrogenation Methods; Academic Press: ニューヨーク, 1985, pp. 104-116)。この生成物を採集したまま使用でき、あるいはまず調製用TLCもしくはHPLC、クロマトグラフィー、沈殿法、または結晶化法などの常法により精製することができる。次いでアニリン中間体、たとえば9を、スキームIの記載に従ってオキサゾリジノン類似体に変換することができる。
【0039】
【化7】

【0040】
スキームIIIには、ジアゼパノン複素環5の合成を記載する。この化合物は市販のピペリドン化合物、たとえば4-オキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジル(10、市販)または4-オキソピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルから、3工程で製造できる。10とヒドロキシルアミンをモレキュラーシーブ(反応中に生成した水を除去するために)の存在下に、溶媒、たとえばピリジン中で反応させて、オキシム中間体11にする。
【0041】
次いで中間体11を、保護したジアゼパノン中間体12に変換する。ベックマン転位として知られるこの反応は当業者に周知であり、多様な条件下で達成できる(概説についてはGawley, Organic Reactions, 1988, 35, pp 1-420を参照)。中間体11について、この反応は、オキシムを活性化するための塩化トシルを用いて、溶媒、たとえばアセトン、水、またはその混合物中で、酸捕捉用塩基、たとえば炭酸ナトリウムの存在下に実施するのが好ましい。この生成物を採集したまま使用でき、あるいはまず調製用TLCもしくはHPLC、クロマトグラフィー、沈殿法、または結晶化法などの常法により精製することができる。
【0042】
最後に、保護基(たとえばCbzまたはBoc)を中間体12から除去して、ジアゼパノン5にする。ベンジルカルバメート保護の除去は、水素化分解により、一般にパラジウム触媒を用いて水素ガス雰囲気下で、溶媒、たとえば酢酸エチル、アルコール類またはその混合物を用いて達成するのが好ましい。t-ブチルカルバメートの開裂は、一般に酸、たとえば塩酸またはトリフルオロ酢酸を用いる処理により達成される。より緩和な条件が要求される場合、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルおよび2,6-ルチジン(Ohfune, Y. and Sakaitani, M., J. Org. Chem. 1990, 55, 870-876が記載)による処理も有効である。次いでジアゼパノン5を、スキームIおよびIIに概説した最終類似体の合成に使用できる。
【0043】
【化8】

【0044】
スキームIVには、テトラヒドロジアゼピノン環をもつアニリン中間体の合成を概説する。用いる出発物質はジヒドロピリドン中間体、たとえば13(PCT公開WO2004/033449の記載に従って製造)である。13と前記のスキームIIIに記載したヒドロキシルアミンを反応させて、オキシム中間体14にする。次いでオキシム中間体14を、前記のスキームIIIに記載したベックマン転位反応により、保護したジアゼパノン中間体15に変換する。次いで中間体15を場合により、複素環の窒素原子がアルキル化された中間体16に変換する。最後に、中間体16のカルバメート官能基を除去して、目的とするアニリン中間体17にする。この工程の反応条件は、用いるカルバメートのタイプに依存するであろう(たとえばベンジルカルバメートは、好ましくは前記のスキームIIIに記載した水素化分解により除去される)。次いで中間体17を、スキームIに記載したオキサゾリジノン類似体の合成に使用できる。
【0045】
スキームV〜VIIIには、スキームI〜VIIに記載したタイプのジアゼパノンおよび関連複素環をもつアリールイソオキサゾリノン、アリールイソオキサゾリンおよびアリールブチロラクトン化合物の合成を記載する。以下のスキームは、Aが(ii)、(iii)または(iv)である本発明構造体を製造するための一般法を記載する。ジアゼパノンおよび関連複素環は前記スキームI〜VIIの記載に従って製造できるが、感受性官能基を保護してのちに出現させるのに適切な保護基が必要な場合があることは当業者に理解されるであろう。
【0046】
スキームVには、必要な置換ベンズアルデヒド中間体の合成をまとめる。前記の各スキームに記載した一般法を適用できるが、フッ素化ニトロベンゼンの代わりにフッ素化ベンゾニトリル(29)または安息香酸エステルなどの出発物質を用いる。必要な出発物質(たとえば3,4,5-トリフルオロベンゾニトリル)は市販されている。これらの出発物質から中間体30への変換は、スキームII〜IVにアニリン中間体の製造について記載したものと同じ方法を用いる一連の工程で達成できる。次いで当業者に周知の方法により、中間体30をたとえばSnCl2/HClで還元してイミンにし、続いて加水分解することにより、ベンズアルデヒド中間体31に変換する(ステフェン(Stephen)アルデヒド合成)。
【0047】
【化9】

【0048】
スキームVIには、アリールイソオキサゾリノン類似体の製造を記載する。第1工程は、ベンズアルデヒド中間体31とジアゾ酢酸エチルの反応(Mahmood et al., J. Org. Chem., 1998, 63, 3333-3336の記載に従う)を伴い、エステルアルデヒド中間体32を生成する。この物質とヒドロキシルアミンの反応、続いて水性メタノール中での加温還流により、イソオキサゾリノン環および中間体33が形成される。次いでこの中間体を、N-(ヒドロキシメチル)アセトアミドアセテート(BarnesらのUSP 5,284,863の記載に従って製造)と、極性非プロトン溶媒、たとえばDMF中で反応させることにより、対応するメチルアセトアミド34に変換する。
【0049】
【化10】

【0050】
スキームVIIには、前記の各スキームに記載したタイプのジアゼパノンまたは関連複素環をもつアリールイソオキサゾリン化合物を製造するための一般法を記載する。スキームXの第1工程では、ベンズアルデヒド中間体31とヒドロキシルアミン塩酸塩を、極性プロトン溶媒、たとえばメタノール中で、塩基、たとえばピリジンの存在下に反応させると、オキシム中間体35が得られる。次いでオキシム35をN-クロロスクシンイミド(NCS)により、適切な溶媒、たとえばジクロロメタン中で酸化して、ヒドロキシイミノイルクロリド中間体36を得る。次いでこの物質とアルケン、たとえばアリルアルコールを、塩基、たとえばトリエチルアミンの存在下に、溶媒、たとえばジクロロメタン中で反応させて、ヒドロキシメチル置換イソオキサゾリン37にする。次いで37のヒドロキシメチル官能基を確立された合成法(たとえばUS PCT公開US 2004/0127530に記載)によりアセトアミドメチルまたは関連部分(たとえば38においてR' = Et、OMeなど)に変換して、38にすることができる。あるいは、ヒドロキシイミノイルクロリド36をN-アセチルアリルアミンと反応させて、直接にアセトアミドメチル置換イソオキサゾリン生成物(38、W = OおよびR' = Me)にすることができる。場合により、ヒドロキシイミノイルクロリド中間体を前記に従ってその場で形成し、次いでアルケンで直接処理して、イソオキサゾリン中間体を35から直接生成することができる。
【0051】
【化11】

【0052】
スキームVIIIには、アリールブチロラクトン類似体、たとえば42の合成を記載する。飽和(41の場合のように)および不飽和(42の場合のように)3-アリールブチロラクトン環系の合成は文献に記載されている(たとえばBioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 1994, 4, 1925-1930を参照)。アルデヒド中間体31を、確立された方法でフェニル酢酸中間体39に変換する(たとえばHesterらのUSP 5,708,169に記載に従う)。次いで39のジアニオンとR-ベンジルオキシメチルオキシランを、THF中で反応させる。得られたヒドロキシ酸を酸触媒下で(たとえばp-トルエンスルホン酸を使用)環化して、ラクトン40にする。次いでベンジル基を水素化分解により除去し、得られたヒドロキシメチル官能基を確立された合成法(たとえばUSP公開US 2004/0127530)によりアセトアミドメチルまたは関連部分(たとえば41においてR' = Et、OMeなど)に変換して、41にする。最後に、臭素化(たとえばN-ブロモスクシンイミドを使用)、続いて適切な塩基、たとえばピリジンまたはDBUで処理することによる除去を伴う2工程プロトコルを用いてブチロラクトンを酸化して、42にする。
【0053】
【化12】

【0054】
医薬および動物薬としての使用
本発明化合物は、多様な細菌により起きる感染性疾患の処置に使用できる。
例には、グラム陽性菌、たとえば多剤耐性ブドウ球菌属(staphylococci)、たとえば黄色ブドウ球菌(S. aureus)および表皮ブドウ球菌(S. epidermidis);多剤耐性連鎖球菌属(streptococci)、たとえば肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)および化膿連鎖球菌(S. pyogenes);ならびに多剤耐性腸球菌属(Enterococci)、たとえばエンテロコッカス-フェカーリス(E. faecalis);グラム陰性好気性菌、たとえばヘモフィルス属(Haemophilus)、たとえばインフルエンザ菌(H. influenzae)、およびモラクセラ属(Moraxella)、たとえばモラクセラ-カタラーリス(M. catarrhalis);ならびに嫌気性菌、たとえばバクテロイデス属(bacteroides)およびクロストリジウム属(clostridia)、ならびに抗酸菌、たとえばマイコバクテリウム属(Mycobacteria)、たとえば結核菌(M. tuberculosis)および/またはトリ型結核菌(Mycobacterium avium)が含まれる。他の例には、エシェリキア属(Escherichia)、たとえば大腸菌(E. coli)、細胞内微生物、たとえばクラミジア属(Chlamydia)およびリケッチア属(Rickettsiae)が含まれる。
【0055】
本発明化合物で処置できる感染症の例には、下記のものが含まれる:中枢神経系感染症、外耳感染症、中耳感染症、たとえば急性中耳炎、硬膜静脈洞感染症、眼感染症、口腔感染症、たとえば歯、歯肉および粘膜の感染症、上気道感染症、下気道感染症、泌尿生殖器感染症、消化器感染症、婦人科感染症、敗血症、骨および関節の感染症、皮膚および組織の感染症、細胞性心内膜炎、火傷、外科処置の抗菌予防、ならびに免疫抑制患者、たとえば癌化学療法を受けている患者または臓器移植患者の抗菌予防。特に、本発明化合物で処置できる感染性疾患は、グラム陽性菌感染症、たとえば骨髄炎、心内膜炎および糖尿病足である。
【0056】
抗菌活性
本発明化合物のインビトロ抗菌活性は、下記に推奨されている方法により評価することができる:(1) National Committee for Clinical Laboratory Standards(臨床検査室基準に関する米国委員会)(2003年1月), Methods for dilution antimicrobial tests for bacteria that grow aerobically, Approved Standard(好気的に増殖する細菌に関する希釈抗菌薬試験法、承認された基準)(第6版), M7-A6, NCCLS, ペンシルベニア州ウェイン; (2) National Committee for Clinical Laboratory Standards (2001年3月), Methods for antimicrobial susceptibility testing of anaerobic bacteria, Approved Standard(嫌気性菌の抗菌薬感受性試験法、承認された基準)(第5版) , M11-A4, NCCLS, ペンシルベニア州ウェイン; (3) National Committee for Clinical Laboratory Standards (2003年1月), MIC testing supplemental tables(MIC試験補足表), M100-S13 (M7-A6に使用), NCCLS, ペンシルベニア州ウェイン; および(4) Murray PR, Baron EJ, Jorgensen JH, et al., Manual of Clinical Microbiology (第8版) ワシントンDC: American Society for Microbiology Press, 2003。抗菌活性をMIC値の形で表わすことができる。MIC値は、肉眼で見える増殖を試験条件下で阻止した最小薬物濃度である。試験結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
医薬用塩類
式Iの化合物はその自然な形で、または塩として使用できる。安定な無毒性の酸塩または塩基塩を形成したい場合、本発明化合物を医薬的に許容できる塩として投与することが適切であろう。本発明化合物の医薬的に許容できる塩類の例には、無機塩類、たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、ならびに有機塩、たとえばトシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、エトグルタル酸塩(etoglutarate)、およびグリセロリン酸塩が含まれる。
【0059】
医薬的に許容できる塩類は、当技術分野で周知の標準法により、たとえば十分に塩基性の化合物、たとえばアミンと、生理的に許容できるアニオンを供給する適切な酸との反応により得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(たとえばナトリウム、カリウムまたはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(たとえばカルシウム)塩も調製できる。
【0060】
投与経路
哺乳類(たとえばヒトおよび動物)の細菌感染症を処置し、またはそれと戦うための療法用途においては、本発明化合物またはその医薬組成物を経口、非経口、局所、直腸、経粘膜、または腸内投与することができる。
【0061】
非経口投与には、全身効果を発生させるための間接注射、または罹患領域への直接注射が含まれる。非経口投与の例は、皮下、静脈内、筋肉内、皮内、クモ膜下(髄腔内)、眼内、鼻内、脳室内注射、または注入法である。
【0062】
局所投与には、局所適用によって容易に到達できる感染領域または臓器、たとえば眼、耳(外耳および中耳感染症を含む)、膣、開放創、皮膚(表皮および皮下組織を含む)または他の下部腸管の処置が含まれる。これには、全身効果を発生させるための経皮送達も含まれる。
【0063】
直腸投与には、坐剤の形が含まれる。
経皮投与には、鼻エアゾル剤または吸入投与が含まれる。
好ましい投与経路は経口および非経口である。
【0064】
組成物/配合物
本発明の医薬組成物は、当技術分野で周知の方法により、たとえば一般的な混合、溶解、造粒、糖衣丸製造、研和、乳化、カプセル封入、捕捉、凍結乾燥処理または噴霧乾燥により調製できる。
【0065】
本発明に従って使用するための医薬組成物は、常法により1種類以上の生理的に許容できるキャリヤーを用いて配合でき、これには有効化合物を医薬として使用できる製剤に加工するのを容易にする賦形剤および助剤が含まれる。適切な配合物は、選択した投与経路に依存する。
【0066】
経口投与のために、有効化合物と当技術分野で周知の医薬的に許容できるキャリヤーを組み合わせることにより、本発明化合物を配合することができる。そのようなキャリヤーにより、本発明化合物を患者が経口摂取するための錠剤、丸剤、トローチ剤、糖衣丸、カプセル剤、液剤(liquid、solution)、乳剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液剤などとして配合することができる。キャリヤーは、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、錠剤崩壊剤、および封入剤としても機能しうる少なくとも1種類の物質であってよい。そのようなキャリヤーまたは賦形剤の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ショ糖、ペクチン、デキストリン、マンニトール、ソルビトール、デンプン、ゼラチン、セルロース系材料、低融点ワックス、カカオ脂またはカカオ粉、ポリマー、たとえばポリエチレングリコール、および他の医薬的に許容できる材料。
【0067】
糖衣丸のコアに適切なコーティングを施すことができる。このためには濃縮した糖溶液を使用でき、これは場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポール(carbopol)ゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶剤または溶剤混合物を含有してもよい。異なる組合わせの有効化合物用量の識別または特徴付けのために、色素または顔料を錠剤または糖衣丸のコーティングに添加してもよい。
【0068】
経口用として使用できる医薬組成物には、ゼラチン製の滑りはめ(push-fit)型カプセル剤、ならびにゼラチンおよび可塑剤(たとえばグリセロールまたはソルビトール)から作成した密閉軟カプセル剤が含まれる。滑りはめ型カプセル剤は、有効成分を充填剤、たとえば乳糖、結合剤、たとえばデンプン、および/または滑沢剤、たとえばタルクもしくはステアリン酸マグネシウム、および場合により安定剤と混合したものを収容することができる。軟カプセル剤の場合、有効成分を適切な液体、たとえば脂肪油、流動パラフィン、液体ポリエチレングリコール、クレモフォール(cremophor)、カプムル(capmul)、中鎖または長鎖モノ-、ジ-またはトリグリセリドに溶解または懸濁することができる。これらの配合物に安定剤を添加することもできる。
【0069】
液状組成物には、液剤、懸濁液剤および乳剤が含まれる。たとえば、水、および水-プロピレングリコール、および水-ポリエチレングリコールの系に溶解した本発明化合物の液剤を提供することができる。これらは場合により、適切な一般的な着色剤、着香剤、安定剤および増粘剤を含有する。
【0070】
本発明組成物を、たとえば注射、ボーラス注射または連続注入による非経口投与用として配合することもできる。非経口投与用配合物は、単位剤形で、たとえばアンプルまたは多数回用量容器に入れ、保存剤を添加して提供することができる。本発明組成物は、油性または水性ビヒクル中における懸濁液剤、液剤または乳剤の形をとることができ、配合剤、たとえば懸濁化剤、安定剤および/または分散剤を含有することができる。
【0071】
注射用としては、本発明化合物を水性溶液、好ましくは生理的に適合性の緩衝液または生理的塩類緩衝液中に配合することができる。適切な緩衝剤には、オルトリン酸三ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、N-メチルグルカミン、L(+)-リシンおよびL(+)-アルギニンが含まれる。
【0072】
非経口投与には、有効化合物の水溶性形態、たとえば塩類(限定ではない)の水性液剤も含まれる。さらに、有効化合物の懸濁液剤を親油性ビヒクル中に調製することができる。適切な親油性ビヒクルには、脂肪油、たとえばゴマ油、合成脂肪酸エステル、たとえばオレイン酸エチルおよびトリグリセリド、またはリポソームなどの材料が含まれる。注射用水性懸濁液剤は、懸濁液の粘度を高める物質、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランを含有してもよい。場合により懸濁液剤は、適切な安定剤、および/または本発明化合物の溶解度を高めて高濃度液剤の調製を可能にする物質を含有することもできる。
【0073】
あるいは有効成分は、適切なビヒクル(たとえば発熱物質を含まない無菌水)を用いて使用前に構成するための、散剤の形であってもよい。
坐剤投与のために、室温では固体であるが直腸温度では液体であるため直腸内で融解して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤との混合により、本発明化合物を配合することもできる。そのような材料には、カカオ脂、密ろうおよび他のグリセリドが含まれる。
【0074】
吸入による投与のためには、本発明化合物を溶液、乾燥粉末または懸濁液の形で、エアゾルスプレーにより送達するのが好都合である。エアゾル剤は、加圧パックまたはネブライザーおよび適切な噴射剤を使用できる。加圧エアゾル剤の場合、投与単位は計量された量を送達する弁を設けることにより制御できる。たとえば吸入器に用いるゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは、粉末基剤、たとえば乳糖またはデンプンを含有するように配合できる。
【0075】
局所適用のために、1種類以上のキャリヤーに懸濁または溶解した有効化合物を含有する適切な軟膏剤中に、本発明の医薬組成物を配合することができる。本発明化合物の局所投与のためのキャリヤーには、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン配合物、乳化ワックスおよび水が含まれるが、これらに限定されない。あるいは医薬組成物を、1種類以上のキャリヤーに懸濁もしくは溶解した有効成分を含有する適切なローション剤、たとえば懸濁液剤、乳剤またはクリーム剤中に配合することができる。適切なキャリヤーには、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
眼および耳炎に使用するためには、本発明の医薬組成物を、pH調整した等張無菌塩類溶液中の微細懸濁液剤として、または好ましくはpH調整した等張無菌塩類溶液中の液剤として、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に、または保存剤なしで、配合することができる。あるいは眼用として、医薬組成物を軟膏剤、たとえばワセリン中に配合してもよい。
【0077】
以上に記載した配合物のほかに、本発明化合物をデポー製剤として配合することもできる。そのような長時間作用型配合物は埋込み剤の形であってもよい。本発明化合物をこの投与経路のために、適切なポリマー、疎水性材料と共に、または貧溶性誘導体、たとえば貧溶性塩類(限定ではない)として配合することができる。
【0078】
さらに、本発明化合物を持続放出系により送達することができる。多様な持続放出材料が確立されており、当業者に周知である。持続放出カプセル剤は、それらの化学的性質に応じて、化合物を24時間ないし数日間にわたって放出できる。
【0079】
投与量
本発明に使用するのに適切な医薬組成物は、意図する目的、すなわち感染性疾患の治療または予防を達成するのに十分な量の有効成分を含有する組成物を含む。より具体的には療法有効量とは、疾患の症状を予防、軽減もしくは改善するのに有効な、または処置される対象の生存を延長するのに有効な、化合物量を意味する。
【0080】
医薬組成物およびその単位剤形中の有効成分、すなわち本発明化合物の量は、投与様式、その化合物の力価および目的濃度に応じて、広範に変更または調整できる。療法有効量の決定は当業者が容易になしうる範囲のものである。一般に、有効成分の量は組成物の0.5〜90重量%であろう。
【0081】
一般に、有効成分の療法有効量は約0.1〜約400 mg/体重kg/日、より好ましくは約1.0〜約50 mg/体重kg/日であろう。投与量は各対象の要件および処置すべき細菌感染症の重症度に応じて変化する可能性があることを理解すべきである。平均して、有効成分の有効量は1日当たり約200〜800 mg、好ましくは600 mgである。
【0082】
目的量を、1日量として、またはたとえば1日に2、3、4回またはそれ以上の小用量を適宜な間隔で投与する分割量として提供するのが好都合である。この小用量自体をさらに分割して、たとえば多数回に分けて不規則な間隔で投与してもよい;たとえば吸入器からの多数回の吸入、または眼への複数滴の適用。
【0083】
速やかに目的とする血漿中濃度に達するために、初回投与量を上限より高めてもよいことも理解すべきである。他方、初回量が最適量より少量であり、その処置の経過中に状況に応じて1日量を漸増することもできる。所望により、1日量をたとえば1日2〜4回の複数の投与量に分割してもよい。
【0084】
局所投与または選択的取込みの場合、薬物の有効局所濃度が血漿中濃度と無関係である可能性があり、目的とする投与量を判定するために当技術分野で既知の他の方法を採用できる。
経口有効性
【実施例】
【0085】
実施例
以上の考察および以下の実施例において、下記の略号は下記の意味をもつ。略号が定義されていない場合、それは一般に受け入れられている意味をもつ。
【0086】
bm = 幅広い多重線
BOC =t-ブトキシカルボニル
bd = 幅広い二重線
bs = 幅広い一重線
bt = 幅広い三重線
CDI = 1,1'-カルボジイミダゾール
d = 二重線
dd = 二重の二重線
dq = 二重の四重線
dt = 二重の三重線
dm = 二重の多重線
DMF =ジメチルホルムアミド
DMAP =ジメチルアミノピリジン
DIEA =ジイソプロピルエチルアミン
DMSO =ジメチルスルホキシド
eq. = 当量
g = グラム
h = 時間
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
HATU = N-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イル-メチレン]-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェートN-オキシド
LG = 脱離基
m = 多重線
M =モル濃度
M% =モル%
max =最大
meq =ミリ当量
mg =ミリグラム
mL =ミリリットル
mm =ミリメートル
mmol =ミリモル
q = 四重線
s = 一重線
tまたはtr = 三重線
TBS = トリブチルシリル
TFA = トリフルオロ酢酸
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
p-TLC =調製用薄層クロマトグラフィー
μL =マイクロリットル
N = 規定度
MeOH = メタノール
DCM = ジクロロメタン
HCl = 塩酸
ACN = アセトニトリル
MS = 質量分析
rt = 室温
EtOAc = 酢酸エチル
EtO = エトキシ
Ac = アセテート
NMP = 1-メチル-2-ピロリジノン
μL =マイクロリットル
J = 結合定数
NMR = 核磁気共鳴
MHz = メガヘルツ
Hz = ヘルツ
m/z = 質量対電荷比
min = 分
Boc = t-ブトキシカルボニル
CBZ = ベンジルオキシカルボニル
BCC = 1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド
PyBop = ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート。
【0087】
実施例1 (5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0088】
【化13】

【0089】
(5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.14 g, 0.40 mmol)の、メタノール (5 mL)中における懸濁液に、23℃でメタノール性アンモニア溶液(5.0 mL, 2.0 M)を添加する。懸濁液を同温度で1時間撹拌し、濃縮し、調製用TLC (6% MeOH-CH2Cl2)により精製して表題化合物を得る;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.39分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.59 (m, 2H), 3.09 (m, 4H), 3.25 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 4.22 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 5.0 (m, 1H), 7.09 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.7 Hz 1H), 7.48 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.67 (m, 1H), 7.84 (s, 1H)。
【0090】
実施例1の製造のための中間体を下記に従って合成する:
I. 4-(ヒドロキシイミノ)ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルの製造
4-オキソピペリジン-1-カルボン酸t-ブチル(50 g, 251 mmol)の、ピリジン(500 mL)中における溶液に、モレキュラーシーブ(50 g)を添加し、混合物を室温で10分間撹拌し、続いてNH2OH.HCl (30.25 g, 427 mmol)を添加する。得られた反応物を室温で一夜撹拌し、反応混合物をセライトのパッドにより濾過してモレキュラーシーブを除去する。濾液を水で希釈し、層を分離し、水相をさらに酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して表題化合物を得る。この物質をさらに精製せずに次の工程に使用する;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 1.52 (s, 9H), 2.36 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.58 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.50-3.58 (m, 4H)。
【0091】
II. 5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-カルボン酸t-ブチルの製造
4-(ヒドロキシイミノ)ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチル(1.0 g, 4.67 mmol)の、アセトン(20 mL)中における溶液に、Na2CO3 (1.48 g, 14 mmol)の、水(20 mL)中における溶液に添加し、混合物を5分間撹拌し、次いでp-トルエンスルホン酸クロリド(1.33 g, 7 mmol)の、アセトン(5 mL)中における溶液に、徐々に添加する。反応物を室温で3時間撹拌し、次いでアセトンを真空中で除去し、水を添加し、この溶液をジクロロメタンで抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、クロマトグラフィー(ジクロロメタン中の6% MeOH)により精製して、表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 1.41 (s, 9H), 2.40 (m, 2H), 3.09 (m, 2H), 3.39-3.44 (m, 4H), 7.62 (m, 1H)。
【0092】
III. 1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
HCl溶液(20 mL, ジオキサン中2M)を、5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-カルボン酸t-ブチル(1.0 g, 4.67 mmol)に添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌する。溶媒を真空中で除去して、表題化合物を塩酸塩として得る。これをさらに精製せずに次の工程に使用する;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.36 (m, 2H), 2.65-2.72 (m, 4H), 3.05 (m, 2H), 3.17 (s, 1H), 7.47 (s, 1H)。
【0093】
IV. 1-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
1,4-ジアゼパン-5-オン(3.25 g, 28.5 mmol)の、アセトニトリル(30 mL)中における溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(24.8 mL, 142 mmol)、続いて3,4-ジフルオロニトロベンゼン(3.5 mL, 31.3 mmol)を添加する。反応混合物を70℃に一夜加熱し、室温に冷却し、溶媒を真空中で除去する。次いでジクロロメタンを添加し、この溶液をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して表題化合物を得る。この物質をさらに精製せずにそのまま次の工程に使用する;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.62 (m, 2H), 3.30 (m, 2H), 3.47-3.55 (m, 4H), 7.08-7.14 (m, 1H), 7.67 (m, 1H), 7.94-8.02 (m, 2H)。
V. 1-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
1-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オン(6.5 g, 25.7 mmol)およびNH4Cl粉末(13.7 g, 257 mmol)の、EtOH:H2O (2:1, 200 mL)中における溶液を、95℃に加熱し、鉄粉(4.3 g, 77 mmol)少量ずつで1時間かけて処理する。次いで反応混合物を95℃で2.5時間撹拌し、室温に冷却し、セライトのパッドにより、ジクロロメタンで補助して濾過する。濾液を濃縮し、残留物をジクロロメタンおよび水に装入する。層を分離し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して表題化合物を得る。これをさらに精製せずにそのまま次の工程に使用する;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.52 (m, 2H), 2.88-2.91 (m, 4H), 3.18 (m, 2H), 5.07 (s, 2H), 6.25-6.34 (m, 2H), 6.79 (m, 1H), 7.63 (m, 1H)。
【0094】
VI. (2R)-3-{[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチルの製造
1-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オン(500 mg, 2.24 mmol)の、アセトニトリル(5 mL)中における溶液に、23℃で、トリフル酸リチウム(380 mg, 2.46 mmol)、続いて(R)-グリシド酸メチル(0.22 mL, 2.46 mmol)を添加する。次いで反応混合物を60℃で20時間撹拌し、さらに(R)-グリシド酸メチル(0.06 mL, 0.67 mmol)で処理する。60℃でさらに1日後、反応混合物を23℃に冷却し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラム上でジクロロメタン中2%から5% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.51 (m, 2H), 2.89-2.93 (m, 4H), 3.12-3.19 (m, 3H), 3.61 (s, 3H), 4.09 (m, 1H), 4.17 (m, 1H), 5.61 (m, 1H), 5.68 (d, c, 1H), 6.25-6.43 (m, 2H), 6.79-6.89 (m, 1H), 7.63 (m, 1H)。
【0095】
VII. (5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチルの製造
(2R)-3-{[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチル(0.40 g, 1.23 mmol)および1,1'-カルボニルジイミダゾール(0.31 g, 1.84 mmol)の混合物に、23℃でアセトニトリル(15 mL)を添加する。得られた混合物を50℃で一夜撹拌し、次いで23℃に冷却し、濃縮する。残留物を酢酸エチル(300 mL)に装入し0.5 M HCl水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)、濾過、濃縮する。残留物を、シリカゲルカラム上でジクロロメタン中2%から5% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.57 (m, 2H), 3.06 (m, 4H), 3.27 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 4.12 (m, 1H), 4.32 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.30 (m, 1H), 7.09 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 7.20 (m, 1H), 7.43-7.48 (m, 1H), 7.66 (m, 1H)。
【0096】
実施例2 (5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0097】
【化14】

【0098】
実施例1の方法に従って同様な条件下で、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.14 g, 0.40 mmol)をメタノール性メチルアミン溶液(5.0 mL, 2.0 M)で処理する。この懸濁液を同温度で1時間撹拌し、濃縮し、残留物を調製用TLC (6% MeOH/CH2Cl2)により精製して表題化合物を得る;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.48分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.56 (m, 2H), 2.64 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 3.09 (m, 4H), 3.25 (m, 2H), 3.96 (m, 1H), 4.23 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 5.04 (m, 1H), 7.09 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.7 Hz 1H), 7.45-7.51 (m, 1H), 7.67 (m, 1H), 8.36 (s, 1H)。
【0099】
実施例3 (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0100】
【化15】

【0101】
(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.15 g, 0.41 mmol)の、メタノール(4 mL)中における懸濁液に、23℃でメタノール性アンモニア溶液(4.0 mL, 2.0 M)を添加する。この懸濁液を同温度で2時間撹拌し、濃縮し、残留物を調製用TLC (6% MeOH/CH2Cl2)により精製して表題化合物を得る;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.53分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.66 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.06-3.13 (m, 4H), 3.56 (m, 2H), 3.96 (m, 1H), 4.22 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.0 (m, 1H), 7.08 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 7.19-7.22 (m, 1H), 7.46-7.52 (m, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.84 (s, 1H)。
【0102】
実施例3の製造のための中間体を下記に従って合成する:
I. 1-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
粉末状KOH (1.16 g, 20.7 mmol)および臭化テトラブチルアンモニウム(0.91 g, 2.76 mmol)の、THF (250 mL)中における混合物に、1-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オン(3.5 g, 13.8 mmol)およびヨウ化メチル(1.3 mL, 20.7 mmol)の、THF (40 mL)中における溶液を添加する。得られた反応混合物を室温に一夜保持し、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)、濾過および濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の2% MeOH)により精製して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.74 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 3.46-3.52 (m, 4H), 3.61 (m, 2H), 7.07-7.13 (m, 1H), 7.95-8.02 (m, 2H)。
【0103】
II. 1-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
1-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オン(1.75 g, 6.55 mmol)およびNH4Cl (3.5 g, 65.5 mmol)の、エタノール-H2O (2:1, 125 mL)中における溶液を、95℃に加熱し、次いで鉄粉(1.1 g, 19.6 mmol)少量ずつで1時間かけて処理する。次いで反応混合物を95℃で4時間撹拌し、室温に冷却し、セライトのパッドにより、ジクロロメタンで補助して濾過する。溶媒を真空中で除去し、ジクロロメタンおよび水を添加する。層を分離し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して表題化合物を得る。この物質をさらに精製せずにそのまま次の工程に使用する;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.59-2.63 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 2.89-2.94 (m, 4H), 3.50 (m, 2H), 5.04 (s, 2H), 6.25-6.33 (m, 2H), 6.79 (t, J = 9.9 Hz, 1H)。
【0104】
III. (2R)-3-{[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチルの製造
1-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オン(1.47 g, 6.19 mmol)の、アセトニトリル(15 mL)中における溶液に、23℃でトリフル酸リチウム(1.16 g, 7.43 mmol)、続いて(R)-グリシド酸メチル(0.65 mL, 7.43 mmol)を添加する。反応混合物を65℃で2日間撹拌し、23℃に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラム上でジクロロメタン中2%から5% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
MS (m/z): [M+Na]+ = 362.3。
【0105】
IV. (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチルの製造
(2R)-3-{[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチル(1.0 g, 2.95 mmol)および1,1'-カルボニルジイミダゾール(0.74 g, 4.42 mmol)の混合物に、アセトニトリル(20 mL)を添加する。得られた混合物を50℃で一夜撹拌し、23℃に冷却し、真空濃縮する。残留物を酢酸エチル(300 mL)に装入し、0.5 M HCl水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)、濾過および濃縮する。残留物を、シリカゲルカラム上でジクロロメタン中2%から5% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.66 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.07-3.15 (m, 4H), 3.56 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 4.13 (m, 1H), 4.32 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.30 (m, 1H), 7.09 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 7.19-7.23 (m, 1H), 7.43-7.49 (m, 1H)。
【0106】
実施例4 (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0107】
【化16】

【0108】
実施例3の方法に従って同様な条件下で、(5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.15 g, 0.41 mmol)をメタノール性メチルアミン溶液(4.0 mL, 2.0 M)で処理する。この懸濁液を同温度で2時間撹拌し、濃縮し、調製用TLC (6% MeOH-CH2Cl2)により精製して表題化合物を得る;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.64分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.64 (d, J = 4.5 Hz, 3H), 2.68 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.06-3.13 (m, 4H), 3.56 (m, 2H), 3.97 (m, 1H), 4.23 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 5.03 (m, 1H), 7.07 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 7.19-7.23 (m, 1H), 7.46-7.51 (m, 1H), 8.38 (m, 1H)。
【0109】
実施例5 (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0110】
【化17】

【0111】
(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.14 g, 0.40 mmol)の、メタノール(5 mL)中における懸濁液に、23℃でメタノール性アンモニア溶液(5.0 mL, 2.0 M)を添加する。この懸濁液を同温度で1時間撹拌し、濃縮し、調製用TLC (6% MeOH/CH2Cl2)により精製して表題化合物を得る;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.69分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.63 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.07-3.14 (m, 4H), 3.52 (m, 2H), 3.97 (m, 1H), 4.22 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.01 (m, 1H), 7.32 (m, 2H), 7.62 (s, 1H), 7.86 (s, 1H)。
【0112】
実施例5の製造のための中間体を下記に従って合成する:
I. 1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
1,4-ジアゼパン-5-オン塩酸塩(7.0 g, 46.7 mmol)の、アセトニトリル(60 mL)中における溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(50 mL, 280 mmol)、続いて3,4,5-トリフルオロニトロベンゼン(6.1 mL, 51 mmol)を添加する。反応混合物を70℃に一夜加熱し、室温に冷却し、溶媒を真空中で除去する。ジクロロメタンを添加し、この溶液をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(0-3% MeOH-ジクロロメタン)により精製して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.58 (m, 2H), 3.27 (m, 2H), 3.36 (m, 4H), 7.70 (br tr, 1H), 8.04 (d, J = 10 Hz, 2H)。
【0113】
II. 1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
粉末状KOH (0.79 g, 14 mmol)および臭化テトラブチルアンモニウム(0.60 g, 1.87 mmol)の、THF (60 mL)中における混合物に、1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オン(2.55 g, 9.4 mmol)およびヨウ化メチル(0.88 mL, 14 mmol)の、THF (40 mL)中における溶液を添加する。得られた反応混合物を室温に一夜保持し、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)、濾過および濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の2% MeOH)により精製して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.70 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.32-3.43 (m, 4H), 3.58 (m, 2H), 7.99 (d, J = 10 Hz, 2H)。
【0114】
III. 1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オン(2.2 g, 7.5 mmol)およびNH4Cl (4.1 g, 75 mmol)の、エタノール-H2O (2:1, 90 mL) 中における溶液を、95℃に加熱し、鉄粉(1.25 g, 23 mmol)少量ずつで1時間かけて処理する。次いで反応混合物を95℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、セライトのパッドにより、ジクロロメタンで補助して濾過する。溶媒を真空中で除去し、残留物を酢酸エチルおよび水に装入する。層を分離し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して表題化合物を得る。これをさらに精製せずにそのまま次の工程に使用する;
MS (m/z): [M+H]+ = 256.2。
【0115】
IV. (2R)-3-{[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチルの製造
1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-4-メチル-1,4-ジアゼパン-5-オン(1 g, 3.92 mmol)の、アセトニトリル(20 mL)中における溶液に、23℃でトリフル酸リチウム(0.73 g, 4.7 mmol)、続いて(R)-グリシド酸メチル(0.41 mL, 4.7 mmol)を添加する。反応混合物を95℃で20時間撹拌し、次いでさらにR-グリシド酸メチル(0.1 mL, 1.17 mmol)で処理する。95℃でさらに1日後、反応混合物を23℃に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラム上でジクロロメタン中2%から5% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
MS (m/z): [M+Na]+ = 380.1;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.85分。
【0116】
V. (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチルの製造
(2R)-3-{[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチル(0.60 g, 1.68 mmol)および1,1'-カルボニルジイミダゾール(0.42 g, 2.52 mmol)の混合物に、23℃でアセトニトリル(15 mL)を添加する。得られた混合物を75℃で2日間撹拌し、23℃に冷却し、真空濃縮する。残留物を酢酸エチル(300 mL)に装入し、0.5 M HCl水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)、濾過および濃縮する。残留物を、シリカゲルカラム上でジクロロメタン中2%から5% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
MS (m/z): [M+H]+ = 452.2;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 2.12分。
【0117】
実施例6 (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0118】
【化18】

【0119】
実施例1の方法に従って同様な条件下で、(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.15 g, 0.39 mmol)をメタノール性メチルアミン溶液(4.0 mL, 2.0 M)で処理する。この懸濁液を同温度で2時間撹拌し、濃縮し、調製用TLC (6% MeOH/CH2Cl2)により精製して表題化合物を得る;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.78分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.63-2.65 (m, 5H), 2.88 (s, 3H), 3.07-3.14 (m, 4H), 3.53 (m, 2H), 3.98 (m, 1H), 4.22 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 5.05 (m, 1H), 7.31 (m, 2H), 8.38 (m, 1H)。
【0120】
実施例7 (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0121】
【化19】

【0122】
(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.20 g, 0.54 mmol)の、メタノール(2 mL)中における懸濁液に、23℃でメタノール性アンモニア溶液(3.0 mL, 2.0 M)を添加する。この懸濁液を同温度で1時間撹拌し、濃縮し、調製用TLC (3% MeOH-ジクロロメタン)により精製して表題化合物を得る;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.54分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.53 (m, 2H), 3.09 (m, 4H), 3.22 (m, 2H), 3.97 (dd, J = 9, 6 Hz, 1H), 4.22 (tr, J = 9 Hz, 1H), 5.01 (dd, J = 9, 6 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 11 Hz, 2H), 7.62, (s, 1H), 7.67 (tr, J = 5 Hz, 1H), 7.86 (s, 1H)。
【0123】
実施例7の合成のための中間体を下記に従って製造する:
I. 1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オンの製造
1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オン(4.0 g, 14.7 mmol)およびNH4Cl (7.8 g, 147 mmol)の、エタノール-H2O (2:1, 90 mL) 中における溶液を、95℃に加熱し、鉄粉(2.5 g, 44 mmol)少量ずつで1時間かけて処理する。反応混合物を95℃で6時間撹拌し、室温に冷却し、セライトのパッドにより、ジクロロメタンで補助して濾過する。濾液を真空濃縮し、残留物を酢酸エチルおよび水に装入する。層を分離し、有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して表題化合物を得る。これをさらに精製せずにそのまま次の工程に使用する;
MS (m/z): [M + Na]+ = 264.0。
【0124】
II. (2R)-3-{[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチルの製造
1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1,4-ジアゼパン-5-オン(3.42 g, 14.2 mmol)の、アセトニトリル(80 mL)中における溶液に、23℃でトリフル酸リチウム(2.43 g, 15.6 mmol)、続いて(R)-グリシド酸メチル(1.36 mL, 15.6 mmol)を添加する。次いで反応混合物を80℃で20時間撹拌し、さらに(R)-グリシド酸メチル(0.62 mL, 7 mmol)およびトリフル酸リチウム(1.11 g, 7.1 mmol)で処理する。60℃でさらに2日後、反応混合物を23℃に冷却し、濃縮し、酢酸エチルおよび水に装入する。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)、濾過および濃縮する。粗製残留物を、シリカゲルカラム上でジクロロメタン中0%から10% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.48 (m, 2H), 2.97 (m, 4H), 3.18 (m, 3H), 3.27 (m, 1H), 3.62 (s, 3H), 4.17 (m, 1H), 5.73 (tr, J = 7 Hz, 1H), 6.10 (tr, J 5 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 12 Hz, 2H), 7.61 (tr, J = 5 Hz, 1H)。
【0125】
III. (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチルの製造
(2R)-3-{[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチル(3.97 g, 11.6 mmol)および1,1'-カルボニルジイミダゾール(5.6 g, 34.7 mmol)の混合物に、23℃でアセトニトリル(70 mL)を添加する。得られた混合物を60℃で一夜撹拌し、次いで23℃に冷却し、濃縮する。残留物を、シリカゲルカラム上でジクロロメタン中0%から3% MeOHまで極性を高める勾配により溶離するクロマトグラフィーによって精製する。関連画分を合わせて濃縮して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.53 (m, 2H), 3.1 (m, 4H), 3.21 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 4.13 (dd, J = 10, 5 Hz, 1H), 4.31 (tr, J = 10 Hz, 1H), 5.32 (dd, J = 10, 5 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 11 Hz, 2H), 7.66 (tr, J = 5 Hz, 1H)。
【0126】
実施例8 (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0127】
【化20】

【0128】
実施例7の方法に従って同様な条件下で、(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.20 g, 0.54 mmol)をメタノール性メチルアミン溶液(3.0 mL, 2.0 M)で処理する。この懸濁液を同温度で1時間撹拌し、濃縮し、残留物を調製用TLC (3% MeOH-ジクロロメタン)により精製して表題化合物を得る;
MS (m/z): [M+H]+ = 369.3;
HPLC (SYMMETRY C18 3.5μM, 4.6×30 mmのカラム; 勾配溶離2%-98% MeCN(0.1% TFAを含む), 5分間かけて; 2 mL/分の速度): 保持時間 = 1.64分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.55 (m, 2H), 2.64 (d, J = 4 Hz, 3H), 3.09 (m, 4H), 3.22 (m, 2H), 3.98 (dd, J = 9, 6 Hz, 1H), 4.22 (tr, J = 9 Hz, 1H), 5.05 (dd, J = 10, 6 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 12 Hz, 2H), 7.67 (tr, J = 5 Hz, 1H), 8.38 (q, J = 4 Hz, 1H)。
【0129】
実施例9 (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0130】
【化21】

【0131】
メタノール性アンモニア(2.5 mL, 2.0 M溶液)を、(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.11 g, 0.3 mmol)の、メタノール(4 mL)中における溶液に添加する。反応混合物を23℃で2時間撹拌し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0-6% MeOH)により精製し、凍結乾燥して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 3.35 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 4.02 (m, 1H), 4.25 (t, J = 10 Hz, 1H), 4.48 (dd, J = 9, 2 Hz, 1H), 5.04 (m, 1H), 6.42 (d, J = 10 Hz, 1H), 7.42-7.48 (m, 3H), 7.63 (s, 1H), 7.89 (s, 1H)。
【0132】
実施例9の合成のための中間体を下記に従って製造する:
I. 3,5-ジフルオロ-4-[4-(ヒドロキシイミノ)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル]フェニルカルバミン酸ベンジルの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.96 g, 55.8 mmol)を、3,5-ジフルオロ-4-(4-オキソ-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)フェニルカルバミン酸ベンジル(8.0 g, 22.3 mmol, WO 2004/033449の記載に従って製造)の、モレキュラーシーブ(40 g)含有ピリジン(80 mL)中における溶液に添加する。反応物を室温で一夜撹拌し、反応混合物をセライトにより、酢酸エチルで補助して濾過する。濾液を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して表題化合物を異性体混合物として得る。この粗製残留物をさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0133】
II. 3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニルカルバミン酸ベンジルの製造
3,5-ジフルオロ-4-[4-(ヒドロキシイミノ)-3,4-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル]フェニルカルバミン酸ベンジル(1.2 g, 3.21 mmol)の、アセトン(20 mL)中における溶液に、Na2CO3 (1.36 g, 12.8 mmol)の、水(20 mL)中における溶液に添加する。混合物を5分間撹拌し、次いでp-トルエンスルホニルクロリド(1.33 g, 7.0 mmol)の、アセトン(10 mL)中における溶液を徐々に添加する。反応物を室温で一夜撹拌し、次いでアセトンを真空中で除去し、水を添加し、この溶液をジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の6% MeOH)により精製して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 3.34 (m, 2H), 3.59 (m, 2H), 4.45 (dd, J = 2.1, 8.1 Hz, 1H), 5.16 (s, 2H), 6.38 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 7.24 (m, 2H), 7.32-7.43 (m, 6H), 10.24 (s, 1H)。
【0134】
III. 1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1,4-ジアゼピン-5-オンの製造
パラジウム触媒(カーボン上20% Pd(OH)2, 0.5 g)を、3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニルカルバミン酸ベンジル(1.25 g, 3.35 mmol)の、酢酸エチル(200 mL)中における溶液に添加し、混合物を水素ガス雰囲気下で撹拌する。16時間後、反応混合物をセライトにより濾過し、濾液を濃縮して表題化合物を得る。これをさらに精製せずにそのまま次の工程に使用する;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d-6) 3.33 (m, 2H), 3.51 (m, 2H), 4.34 (dd, J = 2.1, 8.1 Hz, 1H), 5.79 (s, 2H), 6.19-6.25 (m, 1H), 6.28 (d, J = 10.2 Hz, 2H), 8.30 (m, 1H)。
【0135】
IV. (2R)-3-{[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチルの製造
トリフル酸リチウム(0.68 g, 4.35 mmol)、次いで(R)-グリシド酸メチル(0.38 mL, 4.35 mmol)を、1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-1,4-ジアゼピン-5-オン(0.8 g, 3.34 mmol)の、アセトニトリル(10 mL)中における溶液に添加する。反応混合物を95℃で16時間撹拌し、23℃に冷却し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0-5%メタノール)により精製して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 3.22 (m, 1H), 3.34 (m, 2H), 3.52 (m, 2H), 3.63 (s, 3H), 4.08 (m, 2H), 4.18 (m, 1H), 4.36 (dd, J = 2.1, 8.1 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 6.29-6.39 (m, 3H), 7.31 (m, 1H)。
【0136】
V. (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチルの製造
【0137】
【化22】

【0138】
(2R)-3-{[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]アミノ}-2-ヒドロキシプロパン酸メチル(0.85 g, 2.49 mmol)および1,1'-カルボニルジイミダゾール(0.83 g, 5.0 mmol)の混合物を、23℃でアセトニトリル(30 mL)に懸濁する。反応混合物を75℃で一夜撹拌し、次いで23℃に冷却し、真空濃縮する。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0-5% MeOH)により精製して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 3.35 (m, 2H), 3.61 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 4.17 (m, 1H), 4.37 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 4.48 (dd, J = 2.4, 8.1 Hz, 1H), 5.36 (m, 1H), 6.42 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 7.44 (m, 3H)。
【0139】
実施例10 (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミドの製造
【0140】
【化23】

【0141】
メタノール性メチルアミン(2.5 mL, 2.0 M溶液)を、(5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボン酸メチル(0.11 g, 0.3 mmol)の、メタノール(4 mL)中における溶液に添加する。反応混合物を23℃で4時間撹拌し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0-6% MeOH)により精製し、凍結乾燥して表題化合物を得る;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 2.64 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 3.35 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 4.02 (m, 1H), 4.25 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 5.09 (m, 1H), 6.42 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 7.44-7.48 (m, 3H), 8.42 (m, 1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

またはその医薬的に許容できる塩
[式中:
Aは、次式i、ii、iii、またはivの構造であり:
【化2】

Wは、下記のものであり:
(a) CONHR2
(b) CH2NHCO(NH)C1-6アルキル、
(c) CH2NHCOOC1-6アルキル、
(d) CH2OH、
(e) CH(OH)-CH=CHR2
(f) CH(OH)C≡CR2
(g) CH2NH-het、
(h) CH2O-het、
(i) CH2S-het、または
(j) CH2het;
Y1は、CH、CF、またはNであり;
Y2およびY3は、独立してCHまたはCFであり;
Qは、OまたはSであり;
R1は、HまたはC1-6アルキルであり;
R2は、H、C1-6アルキル、またはOC1-6アルキルであり;
各”.....”は、独立して結合であるか、または存在せず;
それぞれの場合、C1-6アルキルは1以上のCF3、ハロ、OH、OC1-4アルキル、CN、N3、O(C=O)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、NH2、NHC(=O)C1-4アルキル、またはC(=O)C1-4アルキルで置換されていてもよく;そして
hetは、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を環内に有する5-または6-員複素環式環であり、その際、het中の各炭素原子は1以上のCF3、ハロ、OH、OC1-4アルキル、CN、N3、O(C=O)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、NH2、NHC(=O)C1-4アルキル、またはC(=O)C1-4アルキルで置換されていてもよい]。
【請求項2】
式Ibの化合物
【化3】

(式中、R1はHまたはメチルである)である、請求項1の化合物。
【請求項3】
R2はH、CH3、またはOCH3である、請求項2の化合物。
【請求項4】
下記のものである、請求項1の化合物:
(1) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(2) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(3) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(4) (5R)-3-[3-フルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(5) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(6) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(4-メチル-5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(7) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(8) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、
(9) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド、または
(10) (5R)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)フェニル]-N-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-カルボキサミド。
【請求項5】
請求項1の化合物またはその医薬的に許容できる塩、および医薬的に許容できるキャリヤーを含む、医薬組成物。
【請求項6】
細菌感染性疾患の処置に用いる医薬の製造のための、請求項1の化合物の使用。
【請求項7】
請求項1の化合物を経口、非経口、局所、直腸、または鼻内に投与する、請求項6の使用。
【請求項8】
化合物を約0.1〜約100 mg/体重kg/日の量で投与する、請求項6の使用。
【請求項9】
耳感染症、眼感染症、呼吸器感染症、皮膚および皮膚組織の感染症、細菌性心内膜炎、骨髄炎、心内膜炎または糖尿病足である、請求項6の細菌感染性疾患。
【請求項10】
グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌、および抗酸菌により起きる、請求項6の細菌感染性疾患。
【請求項11】
ブドウ球菌属(staphylococci)、連鎖球菌属(streptococci)、腸球菌属(Enterococci)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、モラクセラ属(Moraxella)、バクテロイデス属(bacteroides)、クロストリジウム属(clostridia)、マイコバクテリウム属(Mycobacteria)、またはクラミジア属(Chlamydia)を含む細菌により起きる、請求項6の細菌感染性疾患。
【請求項12】
ブドウ球菌属(staphylococci)が黄色ブドウ球菌(S. aureus)および表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)であり;連鎖球菌属(streptococci)が肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)または化膿連鎖球菌(S. pyogenes)であり;腸球菌属(Enterococci)がエンテロコッカス-フェカーリス(E. faecalis)であり;ヘモフィルス属(Haemophilus)がインフルエンザ菌(H. influenzae)であり;モラクセラ属(Moraxella)がモラクセラ-カタラーリス(M. catarrhalis)であり;マイコバクテリウム属(Mycobacteria)が結核菌(M. tuberculosis)またはトリ型結核菌(Mycobacterium avium)である、請求項11の細菌。
【請求項13】
院外感染性肺炎または多剤耐性黄色ブドウ球菌(S. aureus)により起きる感染症である、請求項6の細菌感染性疾患。

【公表番号】特表2008−521792(P2008−521792A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542355(P2007−542355)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003559
【国際公開番号】WO2006/056877
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(307040004)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】