説明

抗酸化組成物

【課題】
ヒトは常時呼吸をし、体に酸素を取り入れている。呼吸によって摂取した酸素のうち約2%〜4%が不安定な不対電子をもつ活性酸素となり、これらの活性酸素は早く安定しようと、安定を求めて細胞膜を攻撃する。活性酸素を消去させる為には、抗酸化物質を摂取すればよく、また、体内のSODが不足したらSODを補えばいいが、SODは経口摂取しても速やかに吸収する事は困難であり、また、胃酸に分解されて活性を失う。そこでSODと同様の活性を示す抗酸化物質をとることが有効な手段となる。本発明は、幅広い飲食品や医薬品に使用可能な抗酸化効果のある組成物及びそれを含有する飲食品、医薬部外品及び医薬品を提供することを目的とする。
【解決手段】 アムラー又はその抽出物を含有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有することを特徴とする抗酸化組成物及びそれを含有する飲食品、医薬部外品及び医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトは常時呼吸をし、体に酸素を取り入れている。呼吸によって摂取した酸素のうち約2%〜4%が不安定な不対電子をもつ活性酸素(分子内にひとつ以上の不対電子をもつものをフリーラジカルといい、酸素のフリーラジカルを活性酸素という)となり、これらの活性酸素は早く安定しようと、安定を求めて細胞膜を攻撃する。その後、細胞膜中の不飽和脂肪酸を酸化し、酸化された不飽和脂肪酸は脂質ペルオキシルラジカルに変化する。そして、脂質ペルオキシルラジカルは、再び不飽和脂肪酸を酸化し、酸化を繰り返しながら、過酸化脂質を生成する。活性酸素には、体内に侵入してきた細菌などから身を守る役割もあるが、問題なのは大量に活性酸素が発生した場合である。活性酸素が有害なのは、不飽和脂肪酸が体内で活性酸素によって酸化され、「過酸化脂質」になるからである。人間の身体はおよそ60兆個の細胞から構成されていて、その細胞の一番外側にある細胞膜は「不飽和脂肪酸」でできている。その不飽和脂肪酸が酸化して、過酸化脂質となり、細胞膜がボロボロになると、さらに細胞膜内にあるタンパク質までもが巻き込まれて酸化し、もっと有害な二次酸化物ができる。これによって、老化、脳卒中、自己免疫疾患、ガン、白内障、脂肪肝、心筋梗塞、虚血性心疾患、アルツハイマー症候群、糖尿病、糖尿病性腎症、動脈硬化、アレルギー、花粉症のような様々な疾病や皮膚のしわ形成や皮膚の弾力性低下等の老化、炎症、肌の色素沈着が引き起こされている。しかし幸いな事に人体には抗酸化物質が備わっており、体内のSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)をはじめ、カタラーゼ、グルタチオン・パーオキシターゼなどの抗酸化物質が備わっており、この活性酸素を消しさってくれる。しかしこのSODも歳をとると共に減少する。また、最近の農薬、殺虫剤、食品添加物、窒素化合物、紫外線、放射線、ストレス、タバコなど多くの環境汚染物質によって、環境汚染は我々の体内にある貴重なSODをさらに消費しているだけでなく、活性酸素が作られる環境になっている。
【0003】
活性酸素を消去させる為には、抗酸化物質を摂取すればよく、また、体内のSODが不足したらSODを補えばいいが、SODは経口摂取しても速やかに吸収する事は困難であり、また、胃酸に分解されて活性を失う。そこでSODと同様の活性を示す抗酸化物質をとることが有効な手段となる。
【0004】
抗酸化剤としては、例えばL−アスコルビン酸(ビタミンC)、還元型のグルタチオン、尿酸、ポリフェノール類などの水溶性抗酸化化合物や、α−トコフェロール(ビタミンE)、ユビキノン(コエンザイムQ)、カロチノイド類などの脂溶性抗酸化化合物およびBHT(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)などの合成化合物などが知られている。しかし、合成抗酸化剤のBHT、BHAには、発癌性の疑いが持たれている等の問題がある。日常的な抗酸化物質の摂取を考える上で、その経済性や安全性から主に抗酸化物質の製造における原料としては食品が用いられ、例えば茶葉からカテキン類や赤ワインからはプロシアニジン類等のポリフェノール類が製造されている。その他の天然成分での抗酸化剤としては、スモモ、セイヨウナツユキソウ、ベンガルカラタチ、ミラクルベリー、ヤーバサンタ、レモングラスから選ばれる抽出物(例えば、特許文献1参照。)、アガリクス、メシマコブ、及びプロポリス(例えば、特許文献2参照。)、椿花抽出物(例えば、特許文献3参照。)、サンショウ水性溶媒抽出物(例えば、特許文献4参照。)、カカオの葉、樹皮又は根抽出物(例えば、特許文献5参照。)、フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による抽出物(例えば、特許文献6参照。)、栄養的に優れているといわれる野菜類の、かぼちゃ、ホーレン草、モロヘイヤ、トマト、スイートコーン、人参、紫コーンなどの15種類以上の天然食品素材からなるもの(例えば、特許文献7参照。)が知られている。一方で、単一な物質の大量摂取より、多種・多様な抗酸化物質を少量ずつ摂取することのほうが、種々の疾病の予防については有効であることがわかってきた。そのためには多彩な抗酸化物質を提供することが必要である。
【0005】
【特許文献1】特開2003−183120号公報(第1−2頁)
【特許文献2】特開2002−235084号公報(第1−2頁)
【特許文献3】特開2002−371092号公報(第1−2頁)
【特許文献4】特開2002−104985号公報(第2−3頁)
【特許文献5】特開2000−60485号公報(第1−2頁)
【特許文献6】特開平10−147779号公報(第1−2頁)
【特許文献7】特開平10−75740号公報(第2−5頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、幅広い飲食品や医薬品に使用可能な抗酸化効果のある組成物及びそれを含有する飲食品、医薬部外品及び医薬品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、このような状況を鑑み、従来技術の問題点を改善せんとして鋭意研究を重ねた結果、アムラーに強い抗酸化作用及びSOD様活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0008】
本発明で得られたアムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有する抗酸化組成物は、電子スピン共鳴(ESR)装置を用いた、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)フリーラジカル消去能の測定結果及び同じく、適当な方法で発生させた活性酸素種をDMPOなどのスピントラップ剤で捕捉し、各活性酸素種に特異的なESRシグナルを定量する方法によるSOD様活性測定結果及びストレプトゾトシン(STZ)を投与して誘発させた糖尿病性腎症ラットへの抗酸化組成物投与試験及び魚肉への添加試験により、酸化によって生体内で増加する過酸化脂質をチオバルビツール酸(TBA)と反応する物質(チオバルビツール酸反応性物質;TBARS)の量で測定した結果から、抗酸化効果が高いことがわかった。
特にアムラーは、昔から人間が日常食生活に使用してきた天然植物なので、従来使用していた薬剤とは違い、副作用が無く安全である。
本発明はアムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有する抗酸化組成物を各種飲食品及び医薬品等に利用して、老化、脳卒中、自己免疫疾患、ガン、白内障、脂肪肝、心筋梗塞、虚血性心疾患、アルツハイマー症候群、糖尿病、糖尿病性腎症、動脈硬化、アレルギー、花粉症のような様々な疾病やシミ・ソバカス等の異常な色素沈着の進行を抑制並びに食品の劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願発明に用いるアムラーとは、学名:エンビリカ・オフィシナル(Emblica officinale)又は、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus embilica)といい、トウダイグサ科コミカンソウ属に属する落葉の亜高木であり、インドからマレーシア地域及び中国南部にかけて分布しており、インドが原産地と考えられている。また、各地方又は言語により、各々固有の名称があり、余柑子、油甘、奄摩勒、エンブリック・ミロバラン、アーマラキー、マラッカノキ、マラッカツリー、インディアングーズベリー、アロンラ、アミラ、アミラキ、アミラキャトラ、ネリカイ、ネルリ、タシャ、カユラカ、ケムラカ、ナックホンポン等とも称されている。
【0010】
本発明において、アムラーの部位としては、特に限定されるものではないが果実、果汁、葉、茎、根等を用いることができるが、好ましくは果実、果汁が用いられる。その形態は、特に限定するものではなく、未熟果実、完熟果実、乾燥果実、果汁、果汁粉末等のいずれでも良い。
果汁又は果汁粉末の場合は、そのままでも使用できるが、生果実又は乾燥果実等、水不溶性成分を含む物を使用する場合は、抽出により、水不溶性成分が除去されていることが効果を上げる点で好ましい。
抽出の際、生果実を使用する場合は、種子を除去した後、水を添加又は無添加で、抽出効率を高めるためにミキサー等により破砕、均質化したものを用いることが好ましい。
乾燥果実を使用する場合は、抽出効率を高めるために40メッシュ以下の粒度になるように粉砕されていることが好ましい。
【0011】
抽出方法は、抽出溶媒、抽出温度等、特に限定されるものではなく、抽出溶媒としては、水、塩基、酸、親水性溶媒、アセトンを使うことができる。親水性溶媒はメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールの低級アルコール群より選ばれる1種類以上が操作性、抽出効率の点から好ましい。特に好ましくは、水、塩基、酸のいずれかである。
酸又は塩基を抽出溶媒に使用する場合、抽出物を中和させることが好ましい。中和反応によって生成された塩は、透析法やゲル濾過等、公知の方法により、取り除くことができる。水を抽出溶媒として用いた場合には、上記のような中和反応は必要なく、生成された塩を取り除く必要もないため、水を用いることが更に好ましい。
この時使用する酸としては、特に限定するものではなく、大部分の酸を使うことができるが、好ましくは、入手しやすい及び操作性点により塩酸、硫酸より選ばれる1種又は両者の併用である。
また、塩基としては、特に限定するものではなく、大部分の塩基を使うことができるが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムより選ばれる1種又は両者の併用である。
抽出に使用される酸又は塩基の濃度は、抽出物を酵素処理する前であっても後であっても特に限定するものではなく、酸又は塩基の強さによって変化するが、操作性及び抽出効率の点より、0.01〜0.5モルの濃度を使用することが好ましい。
【0012】
上記の果汁又は抽出物は、そのままでも使用できるが、濾過、遠心分離及び分留により、不溶性物質及び溶媒を取り除くことにより、抗酸化効果が高くなり、応用範囲も広がるので好ましい。
不溶性物質及び溶媒を取り除いた後、果汁又は抽出液をそのまま又は濃縮した後に有機溶媒用いて分配を行い、それぞれの溶媒可溶画分を得る。これら溶媒可溶画分は、更に抗酸化効果が高くなるので好ましい。有機溶媒としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールの低級アルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、アセトン又はクロロホルムからなる群より選ばれる1種類以上が使用できる。また可溶画分の純度を上げる為には、他の疎水性溶媒による分配を組み合わせることもできる。これら溶媒の濃度としては、特に限定するものではないが、収率及び効果の点より、終濃度として10〜100%が好ましく、60〜100%が更に好ましい。
さらに純度を高める為に、フェノール系、スチレン系、アクリル酸系、エポキシアミン系、ピリジン系、メタクリル系など母体とした疎水性樹脂を用いることも可能である。その場合、樹脂吸着後の溶離液としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコール及びアセトンを単独又は水溶液として使用できる。
抽出物及び画分はそのままでの使用も可能だが、必要であれば噴霧乾燥や凍結乾燥等の手段により乾燥粉末化させて使用することも可能である。
【0013】
抗酸化作用効果は、フリーラジカル消去能や血液中の過酸化脂質を測定することによって確認できる。フリーラジカル消去能の測定は、ESRを用いた方法やチトクロームC還元法、亜硝酸法、ニトロブルーテトラゾリウム塩還元法(NBT還元法)などの化学的方法により、DPPHラジカル(ジフェニルピクリルヒドラジルラジカル)阻害率、スーパーオキシドラジカル消去能、SOD様活性値、ヒドロキシラジカル値を測定によって確認することができる。効果は特に限定されるものではないが、通常、SOD様活性値は1〜6、DPPH阻害率は30〜100%、好ましくは、SOD様活性値は4〜6、DPPH阻害率は50〜100%がよい。
【0014】
本願発明の抗酸化組成物は、飲食品、医薬品、飼料等に応用でき、好ましくは、人が手軽に摂食できる飲食品、医薬部外品及び医薬品が好ましい。
本願発明における飲食品とは溶液、懸濁物、粉末、固体成形物等経口摂取可能な形態であれば良く特に限定するものではない。より具体的には、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類、清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の飲料類、パン、パスタ、麺、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品、飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子等の菓子類、ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類等の調味料、加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂類、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類等の乳製品、冷凍食品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品等の水産加工品、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品、農産缶詰、ジャム・マーマレード類、漬け物、煮豆、シリアル等の農産加工品、栄養食品、錠剤、カプセル等が例示される。
【0015】
本願発明の抗酸化組成物の飲食品としての摂取量は、本発明の病気の状態、病人の体重、年齢、体質、体調等によって調整されるべきであるが、一般に1日あたり、抗酸化組成物として0.05g〜20g、好ましくは0.1g〜5gの範囲で適宜選択することができる。これを病気の状態や食品等の形態によって1日1回ないし数回にわけて摂取することができる。
【0016】
本願発明において、抗酸化組成物又は、飲食品等に加工する際に、各種栄養成分を強化することができる。
強化できる栄養成分としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン(ニコチン酸)、パントテン酸、葉酸等のビタミン類、リジン、スレオニン、トリプトファン等の必須アミノ酸類や、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅等のミネラル類及び、例えば、α−リノレン酸、EPA、DHA、月見草油、オクタコサノール、カゼインホスホペプチド(CPP)、カゼインカルシウムペプチド(CCP)、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オリゴ糖等の人の健康に寄与する物質類、その他の食品や食品添加物として認可されている有用物質の1種又は2種以上が使用できる。
【0017】
本願発明における医薬部外品及び医薬品とは、経口または非経口投与に適した賦形剤、その他の添加剤を用いて、常法に従って、経口製剤または注射剤として調製することができる。好ましいのは、経口製剤であり、最も好ましいのは、容易に服用でき且つ保存、持ち運びに便利な経口固形製剤である。
経口固形製剤としては、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤等が用いられる。このような固形製剤においては、適宜の薬理学的に許容され得る坦体、賦形剤(例えばデンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例えばデンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピリドンなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなど)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロース、タルクなど)、などと混合し、常法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤等を調整することが出来る。経口液状製剤は、製薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エチルアルコールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与しての注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エチルアルコールのようなアルコール類、ポリソルベート80等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えばラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保管フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0018】
以下本発明を、実施例にて詳細に説明するが、次の実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0019】
(実施例1)抗酸化組成物の調製1
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80gに、蒸留水2Lを加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2Lを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせた後、凍結乾燥し、本願発明の抗酸化組成物A35.0gを得た。収率は43.8%であった。
【0020】
(比較例1)種々の抽出物の調製
かぶせ伊勢茶50gに70℃の温水1Lを加え、5分間振とうして抽出した。その後、遠心分離し、その上清を濾過し、濾液を濾液を減圧濃縮後、凍結乾燥して比較試料の茶抽出物18.4gを得た。また、同様の方法でウーロン茶(台湾製)50gよりウーロン茶抽出物17.6gを得た。さらに、グレープ種子抽出物はサビンサ(インド製)より入手した。また、ビタミンCは、和光純薬より、試薬グレードのものを入手した。
【0021】
(試験例1)ESRによるスーパーオキシドラジカル測定
ESRスペクトロメーター(JES−RE1X(X−バンド):日本電子社製)を用いたスピントラップ法による、SOD試薬(15000Unit:ラボテック社製)のスーパーオキシドラジカル(O2−)の測定した。
SOD試薬を蒸留水で希釈して0、0.78125、1.5625、3.125、6.25、12.5U/mLの各濃度の試料を調整した。ESR用の試験管にリン酸緩衝液(pH7.8)で調整した2mMヒポキサンチン(ラボテック社製)50μL、リン酸緩衝液(pH7.8)で調整した5.5mMDTPA(Diethylene triamine pentaacetic acid:ラボテック社製)35μL、試料50μL、蒸留水で調整した0.092μMDMPO(5,5Dimethi−1−pyroline−1−oxide)15μL及びリン酸緩衝液(pH7.8)で調整したキサンチンオキシダーゼ50μLを加えて10分間混合した。その後下記測定条件でESRシグナルを定量した。なお、Mn2+を内部標準とした。結果を表1に示す。
ESR測定条件:磁場336mT、変調周波数100KHz、変調幅0.1mT、返答時間0.03秒、出力8mW、掃引時間40秒
【0022】
【表1】

【0023】
表1に示すようにSOD試薬の50%SOD活性値を示すIC50は、0.8U/mLであった。各素材のSOD様活性値を求めるSOD濃度とアダクト比との関係式は、SOD様活性値(U/mL)=1.119×アダクト比+0.1053(r=0.996)であった。
【0024】
(試験例2)ESRによる各素材のSOD活性値測定
実施例1で得られた抗酸化組成物A、比較例で調整及び入手した茶抽出物、ウーロン茶抽出物、グレープ種子抽出物及びビタミンCをそれぞれ蒸留水で10μg/mLとなるように希釈し、試料を調整した。そして、試験例1と同様の方法で測定し、SOD様活性値を求めた。その結果を表2に示す。
【0025】
【表2】

【0026】
表2に示すように抗酸化組成物Aは、一般的な抗酸化剤であるビタミンCよりもSOD様活性値は非常に高く、またIC50の値よりも非常に高い値を示し、強力な抗酸化効果があることが確認できた。
【0027】
(実施例2)抗酸化組成物の調製2
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80gに、蒸留水2Lを加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2Lを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせて、減圧濃縮し、200mLとした。この濃縮液にエチルアルコールを加え、1Lになるように調製(最終エチルアルコール濃度80%)した後、4℃で24時間静置後、不溶性成分を沈殿させた。沈澱物を遠心分離(3000rpm、10分間)で分離除去し、上清を減圧濃縮後、水1Lに再溶解し、濾過して不溶性成分除去後、濾液を凍結乾燥して本願発明の抗酸化組成物B12.5gを得た。
同様にして、エチルアルコールの終濃度が20%、40%、60%にして、本願発明の抗酸化組成物組成物C13.6g、D20.8g、E21.2gを得た。
【0028】
(実施例3)抗酸化組成物の調製3
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80gに、蒸留水2Lを加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2Lを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせた後、凍結乾燥し、乾燥物約37.0gを得た。その乾燥物35gにエチルアルコール1Lを加え、4℃で24時間静置後、不溶性成分を沈殿させた。沈澱物を遠心分離(3000rpm、10分間)で分離除去し、上清を減圧濃縮後、水1Lに再溶解し、濾過して不溶性成分除去後、濾液を凍結乾燥して本願発明の抗酸化組成物F3.5gを得た。
【0029】
(実施例4)抗酸化組成物の調製3
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80gに、蒸留水2L加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2Lを入れ、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせて、減圧濃縮し、200mLとした。この濃縮液に酢酸エチルを加え、500mLになるように調製(最終酢酸エチル濃度60%)し、よく攪拌後、4℃で24時間静置した後、酢酸エチル層を分離し、減圧濃縮後、濾液を凍結乾燥して本願発明の抗酸化組成物G12.5gを得た。
【0030】
(試験例3)ESRによる活性酸素阻害測定
実施例1で得られた抗酸化組成物A、実施例2で得られた抗酸化組成物B、C、D、E、実施例3で得られた抗酸化組成物F及び実施例4で得られた抗酸化組成物Gをそれぞれ蒸留水で1μg/mLとなるように希釈し、試料を調整した。そして試験例1同様の方法で測定し、O2−阻害率を求めた。また、エチルアルコールで溶解して30mMDPPH(1,1dephenyl−2−picrylhydrazyl)を調整した。また、新たに各抗酸化組成物をエチルアルコールで1μg/mLとなるように希釈し、試料を調整した。DPPH溶液100μLと試料100μLをESR用の試験管に加え、10分間混合後、試験例1同様の条件でESRシグナルを定量し、DPPHフリーラジカル阻害率を求めた。これらの結果を表3に示す。
【0031】
【表3】

【0032】
表3に示すようにエチルアルコール濃度を変えた処理をしてもO2−阻害効果には、大きな差は認められなかったが、DPPHフリーラジカル阻害については、60%以上のアルコール濃度で処理した抗酸化組成物において高い効果が認められた。
【0033】
(試験例4)STZ誘発糖尿病性腎症ラットの作製
ウィスター系雄性ラット(日本SLC、8週齢)に24.0%カゼイン、3.5%脂質、60.5%糖質を含む試験飼料を与え、1週間予備飼育した後、STZ(50mg/kg)をクエン酸バッファーに溶解して腹腔内注射した。その後も試験が終了するまで継続して上記飼料を与えた。STZを腹腔内注射したラットについて1週間後に尾静脈から採血し、血中グルコース値及び体重を測定して糖尿病性腎症誘発ラットの作製確認をした。
【0034】
(試験例5)生体内抗酸化効果の確認
平均体重がほぼ等しくなるように10匹/群となるようにSTZ誘発糖尿病性腎症ラットを3群に分けた。
1)正常群:コントロールの為に、STZを注射せずに、飼育した正常ラット群
2)対照群:0.5%生理食塩液経口投与
3)抗酸化組成物A投与群:抗酸化組成物A20mg/試験開始時体重kg/日を経口投与
4)抗酸化組成物G投与群:抗酸化組成物G20mg/試験開始時体重kg/日を経口投与
STZ誘発糖尿病性腎症ラット群には、上記組成物を0.5%生理食塩液に懸濁して、20日間毎日経口投与し、試験例4の試験飼料で飼育した。正常群は、試験飼料のみで飼育した。試験終了前に採血を行い、得られた血液より、定法に基づき、血清グルコシル化蛋白値、血清クレアチニン値及びTBA反応物質濃度を測定した。その結果を表4に示す。
【0035】
【表4】

*p<0.05対照に対して
【0036】
生体内抗酸化効果
表4に示すようにSTZ誘発糖尿病性腎症ラットにおいて、抗酸化組成物投与群は、対照群に比べてTBA反応物質濃度が低く、糖尿病性腎症発症によって引き起こされる過酸化脂質の増加を抗酸化組成物摂取によって抑制すると共に糖尿病性腎症を改善する効果も認められ、抗酸化組成物は、生体内抗酸化効果を発揮することが認められた。
【0037】
(試験例6)食品の過酸化脂質阻害試験
ミンチ状にした鮭肉3gに実施例2で得られた抗酸化組成物E、実施例4で得られた抗酸化組成物G及びα−トコフェロールをエチルアルコールで0.1g/10mLに調製したもの50μL、またはエチルアルコール50μL(対照)を加え、よく混合する。そして混合後と4℃で4日間保存後のものについて、定法によりこれらのTBA反応物質濃度を測定した。対照のTBA反応物質濃度を100%とした時の抗酸化組成物を配合した時の割合を表5に示す。
【0038】
【表5】

【0039】
表5に示すように抗酸化組成物を食品に配合することにより、一般に良く用いられているα−トコフェロールよりも食品の劣化の原因となる過酸化脂質の減少及び生成を抑制する高い抗酸化効果が認められた。
【0040】
(実施例5)抗酸化組成物含有食品(錠菓)の調製
実施例1で得られた抗酸化組成物A5g、乳糖30g、DHA含有粉末油脂(サンコートDY−5;太陽化学株式会社製)12g、ショ糖脂肪酸エステル4g、ヨーグルト香料4gを混合し、この混合物をロータリー式打錠機を用いて加圧成形して1錠が300mgの本願発明の抗酸化組成物含有飲食品(錠菓)を得た。
【0041】
(実施例6)抗酸化組成物含有飲料の調製
実施例2で得られた抗酸化組成物B5g及び、1/5濃縮グレープフルーツ透明果汁2.1g、エリスリトール30g、クエン酸結晶2.5g、クエン酸三ナトリウム0.5g、L−アスコルビン酸0.5g、乳酸カルシウム1.93g、CCP0.15g、グレープフルーツ香料1.0を水に混合溶解して、全量を1000mlとし、それを100mlの瓶に充填し、キャップで密栓した後、90℃、30分間加熱殺菌をして、本願発明の抗酸化組成物含有飲食品を得た。
【0042】
(実施例7)抗酸化組成物含有飲料(野菜果汁混合飲料)の調製
実施例2で得られた抗酸化組成物C1g及び、グアーガム分解物(サンファイバーR;太陽化学株式会社製)3gを市販の野菜果汁混合飲料100mlに添加混合溶解して、本願発明の抗酸化組成物含有飲食品(野菜果汁混合飲料)を得た。
【0043】
(実施例8)抗酸化組成物含有クッキーの調製
実施例2で得られた抗酸化組成物D4g及び、市販のケーキミックス粉200gを容器に入れた後、バター35gを入れ、木杓子で混ぜ合わせた。それに溶き卵25gを加えて、なめらかな生地になるまで良く練った。小麦粉を振った台の上に生地を取り出し、さらに小麦粉を振って麺棒で5mmの厚さに伸ばし、丸型で抜き、それを170℃のオーブンで10分間焼いて、1個約5gの本願発明の抗酸化組成物含有クッキーを得た。
【0044】
(実施例9)抗酸化組成物含有ヨーグルトの調製
実施例2で抗酸化組成物E10g、市販の脱脂乳(明治乳業社製。蛋白質含量34%)0.95kg、及び市販の無塩バター(雪印乳業社製)0.35kgを温水8Lに溶解し、均質化し、全量を10Lに調整した。次いで、90℃で15分間加熱殺菌し、冷却し、市販の乳酸菌スターター(ハンゼン社製)0.03kg(ストレプトコッカス・サーモフィラス0.02kg及びラクトバシラス・ブルガリクス0.01kg)を接種し、均一に混合し、100mlの容器に分注,充填し、密封し、37℃で20時間発酵させた後、冷却し、本願発明の抗酸化組成物含有ヨーグルトを得た。
【0045】
(実施例10)抗酸化組成物含有経口流動食の調製
カゼインナトリウム(DMV社製)100g、卵白酵素分解物(太陽化学社製)85g、デキストリン(松谷化学社製)200g水2Lに溶解し、水相をタンク内に調製した。これとは別に、MCT(花王社製)90g、パーム油(不二製油社製)35g、サフラワー油(太陽油脂社製)35g、レシチン(太陽化学社製)1.4g、消泡剤(太陽化学社製)2gを混合溶解し、油相を調製した。タンク内の水相に油相を添加し、攪拌して混合した後、70℃に加温し、更に、ホモゲナイザーにより14.7MPaの圧力で均質化した。次いで、90℃で10分間殺菌した後、濃縮し、噴霧乾燥して、中間製品粉末約510gを調製した。この中間製品粉末500gに実施例2で得られた抗酸化組成物C10g、デキストリン(松谷化学社製)390g、グアーガム分解物(サンファイバーR;太陽化学社製)45g、少量のビタミンとミネラルおよび粉末香料を添加し、均一に混合して、抗酸化組成物を含有する経口流動食約950gを得た。
【0046】
(実施例11)抗酸化組成物含有錠剤の調製
実施例1で得られた抗酸化組成物A20g、結晶セルロース10g、トウモロコシデンプン27.5g、乳糖65g、ヒドロキシプロピルセルロース6.5gを混合し、顆粒化した。この顆粒化物にステアリン酸マグネシウム2.0gを加え、均一に混合し、この混合物をロータリー式打錠機を用いて加圧成形して一錠が130mgの本願発明の抗酸化組成物含有錠剤を得た。
【0047】
(実施例12)抗酸化組成物組成物含有カプセルの調製
実施例4で得られた抗酸化組成物組成物G10g、乳糖99g、コーンスターチ9.4g、及びポリビニルピロリドン1.6gを均一混合しゼラチンカプセルにこの混合物500mgを充填して抗酸化組成物組成物含有カプセルを得た。
【0048】
本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1) アムラー又はその抽出物を含有することを特徴とする抗酸化組成物。
(2) アムラーの抽出物が、アムラー果実又は果汁から水、塩基、酸、親水性溶媒のいずれかにより抽出されていることを特徴とする前記(1)記載の抗酸化組成物。
(3) アムラーの抽出物が、アムラー果実又は果汁から水により抽出されていることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の抗酸化組成物。
(4) 親水性溶媒がメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールの群より選ばれる1種類以上の低級アルコールであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の抗酸化組成物。
(5) アムラー果実又は果汁の抽出物、又は果汁から、有機溶媒により分画されていることを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載の抗酸化組成物。
(6) 有機溶媒がメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、又はクロロホルムからなる群より選ばれる少なくともの1種類であることを特徴とする前記(5)記載の抗酸化組成物抗酸化組成物。
(7) アムラー果実又は果汁の抽出物、又は果汁から、エチルアルコールにより抽出し、エチルアルコール可溶分画を特徴とする前記(1)〜(6)いずれか記載の抗酸化組成物。
(8) エチルアルコールで分画する際のエチルアルコール濃度が、終濃度として10〜100%であり、そのエチルアルコール可溶化成分であることを特徴とする前記(7)記載の抗酸化組成物。
(9) エチルアルコールで分画する際のエチルアルコール濃度が、終濃度として60〜100%であり、そのエチルアルコール可溶化成分であることを特徴とする前記(7)又は(8)記載の抗酸化組成物。
(10) アムラー果実又は果汁の抽出物、又は果汁から、酢酸エチルにより抽出し、酢酸エチル可溶分画を特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載の抗酸化組成物。
(11) 酢酸エチルで分画する際の酢酸エチル濃度が、終濃度として20〜80%であり、その酢酸エチル可溶化成分であることを特徴とする前記(10)記載の抗酸化組成物。
(12) 酢酸エチルで分画する際の酢酸エチル濃度が、終濃度として40〜80%であり、その酢酸エチル可溶化成分であることを特徴とする前記(10)又は(11)記載の抗酸化組成物。
(13) 前記(1)〜(12)いずれか記載の抗酸化組成物を含有することを特徴とする飲食品。
(14) 前記(1)〜(12)いずれか記載の抗酸化組成物を含有することを特徴とする医薬部外品。
(15) 前記(1)〜(12)いずれか記載の抗酸化組成物を含有することを特徴とする医薬品。
(16) 前記(1)〜(12)いずれか記載の抗酸化組成物を含有することを特徴とする飼料。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明で得られたアムラー抽出物を含有する抗酸化組成物は、ESR法による試験で活性酸素消去能、SOD様活性値やDPPHフリーラジカル消去能が高く、またSTZを投与して誘発させた糖尿病性腎症ラットへの抗酸化組成物投与試験及び魚肉への添加試験により、過酸化脂質であるTBARSの減少及び生成抑制を示し、生体内並びに食品への添加によっても高い抗酸化効果があることが確認でき、各種飲食品、医薬部外品及び医薬品等に利用して、老化、脳卒中、自己免疫疾患、ガン、白内障、脂肪肝、心筋梗塞、虚血性心疾患、アルツハイマー症候群、糖尿病、糖尿病性腎症、動脈硬化、アレルギー、花粉症のような様々な疾病やシミ・ソバカス等の異常な色素沈着の進行を抑制並びに食品の劣化を抑制することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アムラー又はその抽出物を含有することを特徴とする抗酸化組成物。
【請求項2】
アムラーの抽出物が、アムラー果実又は果汁から水、塩基、酸、親水性溶媒、アセトンのいずれかにより抽出されていることを特徴とする請求項1記載の抗酸化組成物。
【請求項3】
親水性溶媒がメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールの群より選ばれる1種類以上の低級アルコールであることを特徴とする請求項1又は2記載の抗酸化組成物。
【請求項4】
アムラー果実又は果汁の抽出物、又は果汁から有機溶媒により分画されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の抗酸化組成物。
【請求項5】
有機溶媒がメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、又はクロロホルムからなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項4記載の抗酸化組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載の抗酸化組成物を含有することを特徴とする飲食品。
【請求項7】
請求項1〜5いずれか記載の抗酸化組成物を含有することを特徴とする医薬部外品。
【請求項8】
請求項1〜5いずれか記載の抗酸化組成物を含有することを特徴とする医薬品。

【公開番号】特開2006−57012(P2006−57012A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241125(P2004−241125)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000204181)太陽化学株式会社 (244)
【Fターム(参考)】