説明

折りたたみ可能な透析ユニット

【課題】容易に使用できる溶液交換のためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】溶液袋18は、絶縁ヒータ12を有するポーチ26内に設けられ、排出袋20は、スケール14を有する排出トレイ30上に配置されている。投与チューブ22は、排出袋20および溶液袋18をシステム1および自動バルブ16a、16bに接続している。延長ラインチューブ24は、投与チューブ22に接続し、腹膜透析処置を受けている患者まで延びている。交換システムの底部は、スケール14が組み込まれた排出トレイ30を有する。スケール14は、排出袋20に排出され、投与チューブ22から排出袋20に供給される流体の重量を測定し得る。排出袋20は、組み込まれたスケール14を用いて排出袋20の重量を決定するように排出トレイ30の任意の位置に配置され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ポンピングシステムに関する。さらに詳細には、本発明は、特に腹
膜透析のために流体をポンピングするシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、腹膜透析は、通常腎臓から排出される毒性の物質および代謝産物を除去
し、流体と電解質とのバランスを調整する助けをする手法である。腹膜透析は、腹膜透析
流体を、導管を通して個体の腹腔に注入することによって成し遂げられる。注入された腹
膜透析流体は、重炭酸塩前駆体として存在する乳酸塩以外は、生理学的細胞外流体中の電
解質と同様のイオン濃度の電解質を含む。
【0003】
流体および溶質は、患者の血漿と注入された透析流体との間の腹膜を通して移動する。
これらのプロセスの結果、血漿電解質のプロフィールが正常になる。血液中に高濃度で存
在する毒性の物質および代謝産物は、腹膜を通過して透析流体に入る。血漿に対して浸透
性の非常に高い溶液を生成するため、透析流体には種々の濃度のブドウ糖(dextrose)が
用いられ、患者の血漿から腹腔への流体除去を容易にする浸透勾配を形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある期間(休止期間)の後、使用済みのまたは使用された透析流体は、腹腔から除去さ
れる。腹膜透析は、非透析医学療法が不適切であると判断されるときに、急性または慢性
の腎臓疾患を有する患者に必要である。
【0005】
腹膜透析の1つの形態である、連続的歩行可能腹膜透析(continuous ambulatory peri
toneal dialysis, CAPD)では、全日にわたって、透析溶液を腹膜に絶えず接触させておく
ことが行われる。CAPDを行うためには、患者は、処置中に多数の必要な操作を行いながら
、使用済みの透析物を手動で排出させ、新しい透析物を手動で注入する。CAPDは、重力に
よって腹腔への流体の出し入れを行う。腹膜透析溶液は、1日に約3から5回、通常、1
日に4回交換される。通常、これらの交換のうちの3回は、4から6時間の休止期間を含
み、夜間の交換は、8から10時間の休止期間を含み得る。
【0006】
長い夜間の休止期間中、時間が経つにつれて患者がブドウ糖を摂取したために浸透勾配
が失われると、流体除去の能率は低下し得る。また、透析流体中の毒素の濃度が一旦分析
物の血漿濃度に達すると、尿毒症の毒素の浄化を促進する透析流体の能力も低下する。従
って、夜間に、使い果たされた流体を除去し、その流体を新鮮な透析溶液と交換(5回め
の腹膜透析交換を追加)することは、さらに流体または毒素除去を必要とする患者に有用
であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、5回目の腹膜透析交換(睡眠中)を必要とする患者、または日中の
交換を1回とばすことによって1日4回の交換を行うさらに便利な方法を望む患者のニー
ズを満足させるシステムおよび方法を提供する。従って、本発明は、患者への腹膜透析溶
液の注入および除去を助け、処置中に患者がより自由に動き回ることを可能にする、夜間
交換のためのシステムおよび方法を提供する。
【0008】
(発明の要旨)
1.流体フローを制御するシステムであって、
第1溶液を有する第1コンテナを保持し得るホルダと、
該ホルダに接続されたフローを制御する手段を有するプロセッサユニットであって、該
フローを制御する手段が、該ホルダ内の該第1コンテナからの該第1溶液のフローを制御
し得る、プロセッサユニットと、
第2コンテナを保持し得るトレイであって、該フローを制御する手段が、該第2コンテ
ナへの第2溶液のフローを制御し得る、トレイと、
を備えているシステム。
2.前記ホルダ内の前記第1コンテナの前記第1溶液を加熱し得る、該ホルダに組み込ま
れたヒータをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
3.前記トレイ上に配置された前記第2コンテナの重量を測定し得る、該トレイに組み込
まれたスケールをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
4.前記フローを制御する手段が、前記第1コンテナからの前記第1溶液のフローを制御
する充填バルブを有する、項目1に記載のシステム。
5.前記フローを制御する手段が、前記第2コンテナへの前記第2溶液のフローを制御す
る排出バルブを有する、項目1に記載のシステム。
6.前記ホルダを前記プロセッサユニットに接続するアームをさらに備えている、項目1
に記載のシステム。
7.前記プロセッサユニットを前記トレイに接続するアームをさらに備えている、項目1
に記載のシステム。
8.前記プロセッサユニットに操作可能に接続されているディスプレイをさらに備えてい
る、項目1に記載のシステム。
9.前記プロセッサユニットに操作可能に接続されている入力手段をさらに備えている、
項目1に記載のシステム。
10. 前記ホルダと前記プロセッサユニットと構造的関係を形成する手段をさらに備えてい
る、項目1に記載のシステム。
11. 前記ホルダ内の前記第1コンテナを実質的に封入するために、該ホルダに接続されて
いるカバーをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
12. 前記システムをアクティブ状態にするために、前記トレイに操作可能に接続されてい
る電源スイッチをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
13. 前記プロセッサユニットの位置を変更するための手段をさらに備えている、項目1に
記載のシステム。
14. 前記ホルダ、前記プロセッサユニットおよび前記トレイを解除して、非操作可能位置
に方向づけるための手段をさらに備えている、項目1に記載のシステム。
15. 前記プロセッサユニットに操作可能に接続された、可聴信号を生成し得る可聴手段を
さらに備えている、項目1に記載のシステム。
16. 前記プロセッサユニットに操作可能に接続された補助プロセッサを前記トレイ内にさ
らに備えている、項目1に記載のシステム。
17. 前記プロセッサユニットに操作可能に接続された実時間クロックをさらに備えている
、項目1に記載のシステム。
18. 前記システムのアクティブ状態を制御するために、前記プロセッサユニットに操作可
能に接続されたプログラム可能なタイミング手段をさらに備えている、項目1に記載のシ
ステム。
19. 前記プロセッサユニットのプログラミングを制御するために、オペレータ作動キーを
さらに備えている、項目1に記載のシステム。
20. 前記オペレータ作動キーが前記プロセッサユニットによって変更可能である、項目19
に記載のシステム。
21. 前記フローを制御する手段が、空気ポンプである、項目1に記載のシステム。
22. 前記コンテナ内の前記第1溶液の温度を検出する感知手段をさらに備えている、項目
1に記載のシステム。
23. 前記トレイと共に構築され配置された、該トレイ上の前記第2コンテナの重量を測定
し得る複数のひずみゲージをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
24. 流体フローを制御する方法であって、
第1溶液を有する第1コンテナを吊さずに該第1コンテナを保持し得るホルダを提供す
る工程と、
第2溶液を有する第2コンテナを吊さずに該第2コンテナを保持し得るトレイを提供す
る工程であって、該第1コンテナが該第2コンテナと離れて配置されている、工程と、
該第1コンテナからの該第1溶液のフローおよび該第2コンテナへの該第2溶液のフロ
ーを制御する工程と、
を包含する方法。
25. 前記第2コンテナを除去せずに、該第2コンテナ内の前記第2溶液の重量を測定する
工程をさらに包含する、項目24に記載の方法。
26. 前記ホルダ内の前記第1溶液を加熱する工程をさらに包含する、項目24に記載の方法

27. 前記第1コンテナを前記ホルダに選択的に封入する工程をさらに包含する、項目24に
記載の方法。
28. 前記第1コンテナ内の前記第1溶液の温度を感知する工程をさらに包含する、項目24
に記載の方法。
29. 前記第1コンテナの排出および前記第2コンテナの充填を制御する工程をさらに包含
する、項目24に記載の方法。
30. 前記第2コンテナの重量を測定した後にのみ前記第1コンテナを排出する工程をさら
に包含する、項目24に記載の方法。
31. 前記ホルダおよび前記トレイを、使用には不適切な第2位置に折り曲げる工程をさら
に包含する、項目24に記載の方法。
32. 行った機能を示すディスプレイを提供する工程をさらに包含する、項目24の方法。
33. 前記第1コンテナを前記ホルダ内に選択的に封入するためにカバーを提供する工程を
さらに包含する、項目24に記載の方法。
34. 前記フローの制御が、空気ポンピングによってなされる、項目24に記載の方法。
35. 袋ホルダで合って、
袋を保持するために選択的にオープン可能なコンテナと、
該袋ホルダ内に該コンテナを封入するカバーであって、該コンテナに蝶番式に取り付け
られているカバーと、
該袋内の溶液を加熱し得る、該コンテナに組み込まれている加熱素子と、
を有する袋ホルダ。
36. 前記カバーの延長部が挿入される前記コンテナの開口部をさらに有し、該カバーが該
開口部で回動可能である、項目35に記載の袋ホルダ。
37. 前記加熱素子が、前記コンテナ内にエッチングされたフィルムである、項目35に記載
の袋ホルダ。
38. 前記袋内の前記溶液の温度変化を検出するために、前記加熱素子と共に組み込まれて
いるセンサをさらに有する、項目35に記載の袋ホルダ。
39. 前記コンテナが絶縁されている、項目35に記載の袋ホルダ。
40. 排出袋を吊さずに該排出袋を保持し得る排出トレイと、
溶液袋を吊さずに該溶液袋を保持し得るポーチと、
該排出トレイを該ポーチに接続する折りたたみ可能な連結部と、
患者から該排出袋への流体のフローおよび該溶液袋から該患者への流体のフローを制御
するために、該排出袋および該溶液袋に操作可能に接続されているフロー制御手段を有す
るプロセッサと、
を有するポータブル腹膜透析交換システム。
41. 前記排出袋の重量を測定するために、前記排出トレイに組み込まれたスケールをさら
に有する、項目40に記載のシステム。
42. 前記溶液袋およびその内容物を加熱するために、前記ポーチに組み込まれた加熱手段
をさらに有する、項目40に記載のシステム。
43. 前記ポーチが絶縁されている、項目40に記載のシステム。
44. 前記フロー制御手段が流体のフローを制御することを助けるために、前記プロセッサ
と関連したバルブをさらに有する、項目40に記載のシステム。
45. 前記プロセッサが、前記排出トレイと前記ポーチとの間に構築され配置され、該ポー
チが前記溶液袋からの流体を該プロセッサの方へ重力によって供給する、項目40に記載の
システム。
46. 前記プロセッサの機能を表示する、該プロセッサと関連したディスプレイをさらに有
する、項目40に記載のシステム。
47. 前記プロセッサのプログラム可能な機能を制御するために、該プロセッサと関連した
キーをさらに有する、項目40に記載のシステム。
48. 前記ポーチを選択的に開閉するために、構築され配置されているカバーをさらに有す
る、項目40に記載のシステム。
49. 前記ポーチの向きに影響を与えずに、前記プロセッサの向きを調整する手段をさらに
有する、項目40に記載のシステム。
50. 前記連結部を選択的に折りたたむために、該連結部に構築され配置されているハンド
ルをさらに有する、項目40に記載のシステム。
【0009】

本発明は、交換された溶液の自動制御、特に、腹膜透析を受けている腎臓疾患を有する
患者を治療するためのシステムおよび方法を提供する。システムは、5回目の透析物溶液
交換を必要とする患者に特に適した装置を提供する。装置は、腹膜から使用済みの流体を
自動的に排出し、体温に暖められた所定容量の腹膜透析流体で腹膜を満たす。
【0010】
この目的のために、ある実施態様において、本発明は、流体のフローを制御するシステ
ムを提供する。システムは、第1溶液を含む第1コンテナを保持し得るホルダを有する。
プロセッサユニットは、ホルダに接続されたフローを制御する手段を有し、フローを制御
する手段は、ホルダ中の第1コンテナからの第1溶液のフローを制御し得る。第2コンテ
ナを保持し得るトレイが設けられており、フローを制御する手段は、第2コンテナへの第
2の溶液のフローを制御し得る。
【0011】
ある実施態様において、ホルダ内の第1コンテナの第1溶液を加熱し得るヒータが、ホ
ルダに組み込まれている。
【0012】
ある実施態様において、トレイ上に配置された第2コンテナの重量を測定し得るスケー
ルが、トレイに組み込まれている。
【0013】
ある実施態様において、システムは、第1コンテナからの第1溶液のフローを制御する
充填バルブを有する。
【0014】
ある実施態様において、システムは、第2コンテナへの第2溶液のフローを制御する排
出バルブを有する。
【0015】
ある実施態様において、アームは、ホルダをプロセッサユニットに接続している。
【0016】
ある実施態様において、アームは、プロセッサユニットをトレイに接続している。
【0017】
ある実施態様において、ディスプレイが、プロセッサユニットに操作可能に接続されて
いる。
【0018】
ある実施態様において、入力手段が、プロセッサユニットに操作可能に接続されている

【0019】
ある実施態様において、ホルダとプロセッサユニットとの間の構造的な関係を成し遂げ
る手段が設けられている。
【0020】
ある実施態様において、第1コンテナをホルダ内に実質的に封入するために、カバーが
ホルダに接続されている。
【0021】
ある実施態様において、システムをアクティブ状態にするために、電源スイッチがトレ
イに操作可能に接続されている。
【0022】
ある実施態様において、プロセッサユニットの位置を変更させる手段が設けられている

【0023】
ある実施態様において、ホルダ、プロセッサユニット、およびトレイを解除し、非操作
位置に方向づける手段が設けられている。
【0024】
ある実施態様において、可聴信号を生成し得る可聴手段が、プロセッサユニットに操作
可能に接続されて設けられている。
【0025】
ある実施態様において、補助プロセッサが、プロセッサユニットに操作可能に接続され
てトレイ中に設けられている。
【0026】
ある実施態様において、実時間クロックが、プロセッサユニットに操作可能に接続され
ている。
【0027】
ある実施態様において、システムのアクティブ状態を制御するために、プログラム可能
なタイミング手段が、プロセッサユニットに操作可能に接続されている。
【0028】
ある実施態様において、プロセッサユニットのプログラミングを制御するために、オペ
レータ作動キーが設けられている。オペレータ作動キーは、プロセッサユニットによって
変更可能である。
【0029】
ある実施態様において、システムのフローを制御する手段は、空気ポンプである。
【0030】
ある実施態様において、コンテナ内の第1溶液の温度を検出する感知手段が設けられて
いる。
【0031】
ある実施態様において、トレイ上の第2コンテナの重量を測定し得る複数のひずみゲー
ジがトレイと共に構築され配置されている。
【0032】
本発明の他の実施態様において、流体フローを制御する方法が提供される。方法は、第
1溶液を有する第1コンテナを吊さずに第1コンテナを保持し得るホルダを提供する工程
と、第2溶液を有する第2コンテナを吊さずに第2コンテナを保持し得るトレイを提供す
る工程であって、第1コンテナが第2コンテナから離れて位置づけられている、工程と、
第1コンテナからの第1溶液のフローおよび第2コンテナへの第2溶液のフローを制御す
る工程と、を包含する。
【0033】
ある実施態様において、方法は、さらに、第2コンテナを除去せずに、第2コンテナ内
の第2溶液の重量を測定する工程を包含する。
【0034】
ある実施態様において、方法は、さらに、ホルダ内の第1溶液を加熱する工程を包含す
る。
【0035】
ある実施態様において、方法は、さらに、第1コンテナをホルダ内に選択的に封入する
工程を包含する。
【0036】
ある実施態様において、方法は、さらに、第1コンテナ内の第1溶液の温度を感知する
工程を包含する。
【0037】
ある実施態様において、方法は、さらに、第1コンテナの排出および第2コンテナの充
填を制御する工程を包含する。
【0038】
ある実施態様において、方法は、さらに、第2コンテナの重量を測定した後にのみ、第
1コンテナを排出する工程を包含する。
【0039】
ある実施態様において、方法は、さらに、ホルダおよびトレイを、使用には不適切な第
2位置に折り曲げる工程を包含する。
【0040】
ある実施態様において、方法は、さらに、行った機能を示すディスプレイを提供する工
程を包含する。
【0041】
ある実施態様において、方法は、さらに、第1コンテナをホルダ内に選択的に封入する
ためにカバーを提供する工程を包含する。
【0042】
本発明の他の実施態様において、袋を保持するために選択的にオープンすることのでき
るコンテナを有する袋ホルダが提供される。カバーは、袋ホルダ内にコンテナを封入し、
コンテナに蝶番式に取り付けられている。袋内の溶液を加熱し得る加熱素子が、コンテナ
に組み込まれている。
【0043】
ある実施態様において、袋ホルダは、さらに、カバーの延長部が挿入されるコンテナの
開口部を有し、カバーは、開口部で回動可能である。
【0044】
ある実施態様において、加熱素子は、コンテナ内にエッチングされたフィルムである。
【0045】
ある実施態様において、袋内の溶液の温度変化を検出するために、センサが加熱素子と
共に組み込まれている。
【0046】
ある実施態様において、袋ホルダのコンテナは絶縁されている。
【0047】
本発明の他の実施態様において、ポータブル腹膜透析交換システムが提供される。シス
テムは、排出袋を吊さずに排出袋を保持し得る排出トレイを有する。ポーチは、溶液袋を
吊さずに溶液袋を保持し得る。折りたたみ可能な連結部は、排出トレイをポーチに接続し
、フロー制御手段を有するプロセッサは、患者から排出袋への流体のフロー、および溶液
袋から患者への流体のフローを制御するために、排出袋および溶液袋に操作可能に接続さ
れている。
【0048】
ある実施態様において、システムは、排出袋の重量を測定するために、排出トレイに組
み込まれたスケールを有する。
【0049】
ある実施態様において、システムは、溶液袋およびその内容物を加熱するために、ポー
チに組み込まれた加熱手段を有する。
【0050】
ある実施態様において、フロー制御手段が流体のフローを制御するのを助けるために、
バルブがプロセッサと関連している。
【0051】
ある実施態様において、システムのプロセッサは、排出トレイとポーチとの間に構築さ
れ配置され、ポーチは溶液袋からの流体をプロセッサの方へ重力によって供給する。
【0052】
ある実施態様において、ディスプレイがプロセッサと関連して、プロセッサの機能を表
示する。
【0053】
ある実施態様において、プロセッサのプログラム可能な機能を制御するために、キーが
プロセッサと関連している。
【0054】
ある実施態様において、ポーチを選択的に開閉するために、カバーが構築され配置され
ている。
【0055】
ある実施態様において、ポーチの向きに影響を与えずに、プロセッサの向きを調整する
手段が設けられている。
【0056】
ある実施態様において、連結部を選択的に折りたたむために、ハンドルが連結部に構築
され配置されている。
【発明の効果】
【0057】
従って、容易に使用できる溶液交換のためのシステムおよび方法を提供することが本発
明の利点である。
【0058】
本発明のさらに他の利点は、便利に使用できる溶液交換のためのシステムおよび方法を
提供することである。
【0059】
本発明の他の利点は、経済的に使用できる溶液交換のためのシステムおよび方法を提供
することである。
【0060】
本発明のさらに他の利点は、ポータブル装置の使用を必要とする溶液交換のためのシス
テムおよび方法を提供することである。
【0061】
さらに、本発明の利点は、特に腹膜透析を必要とする患者に適切な溶液交換のためのシ
ステムおよび方法を提供することである。
【0062】
そして、本発明の他の利点は、夜間および/または患者が睡眠中に成し遂げられ得る溶
液交換のためのシステムおよび方法を提供することである。
【0063】
本発明の他の利点は、プログラム可能な溶液交換のためのシステムおよび方法を提供す
ることである。
【0064】
本発明のさらに他の利点は、小型で容易に収容できる溶液交換のためのシステムおよび
方法を提供することである。
【0065】
そして、本発明の他の利点は、最小の電力を用い、熱損失を最小限にして溶液を加熱し
得る溶液交換のためのシステムおよび方法を提供することである。
【0066】
さらに、本発明の利点は、第2溶液を排出するまで一方の溶液を充填しない溶液交換の
ためのシステムおよび方法を提供することである。
【0067】
本発明の他の利点は、安全に使用できる溶液交換のためのシステムおよび方法を提供す
ることである。
【0068】
本発明のさらに他の利点は、患者にシステムの状態または故障を知らせるために、適切
なアラーム状態を提供する溶液交換のためのシステムおよび方法を提供することである。
【0069】
本発明の他の特徴および利点は、好ましい本実施態様の詳細な説明および図面に記載さ
れ、これらより明らかになり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
本発明は、腹膜透析を受けている慢性の腎臓疾患を煩う患者の治療における透析物溶液
交換の自動制御のためのシステムを提供する。システムは、腹膜からの使用済みの流体を
自動的に排出し、体温に暖められた所定容量の腹膜透析流体で腹膜を満たす機械を有する
。装置は、5回目の交換、夜間の交換などの腹膜透析交換を必要とする患者、または日中
の交換を1回とばすことによって、4回の交換を成し遂げる時間的により都合のよい方法
を必要とする患者のニーズを満たす。
【0071】
システムは、例えば、Deerfield、IllinoisのBaxter Healthcare Corporationによって
製造され販売されている、UltrabagTMコンテナにおけるDianealTMの腹膜透析溶液などの
腹膜透析溶液コンテナと共に使用されるように設計されている。このようなコンテナは、
溶液袋と、投与チューブと、排出袋とからなっている。他の同様のツイン袋システムは、
本発明のシステムと共に使用され得る。
【0072】
ツイン袋の滅菌した流体路は、透析治療中の患者へおよび患者から腹膜透析溶液を移動
させる。システムに接続されたときに、患者がより自由に動き回れるようにすべく流体路
を延長するために、延長ラインをさらに設けてもよい。このような延長ラインは、通常、
一回使用の製品である。
【0073】
ここで、同様の参照符号が同様の部分を示す図面を参照すると、本発明の交換システム
の実施態様は、一般に、1で示される。システム1は、オペレータタッチ制御パネル10、
ポーチ26に組み込まれた絶縁ヒータ12、排出トレイ30に組み込まれたスケール14、および
少なくとも2つの自動バルブ16a、16bの4つの主要な構成要素を有する。
【0074】
図1に示されるように、溶液袋18は、絶縁ヒータ12を有するポーチ26内に設けられ、排
出袋20は、スケール14を有する排出トレイ30上に配置されている。投与チューブ22は、排
出袋20および溶液袋18をシステム1および自動バルブ16a、16bに接続している。延長ライ
ンチューブ24は、投与チューブ22に接続し、腹膜透析処置を受けている患者2(図5に示
される)まで延びている。
【0075】
ここで、図5を参照すると、本発明のシステム1が流体をどのように患者2に循環させ
ているかを示す流体フロー図が示される。この目的のために、システム1は、2つの自動
バルブからなる。一方のバルブ16aは、溶液袋18と延長ライン24との間の充填バルブであ
り、他方のバルブ16bは、延長ラインチューブ24と排出袋20との間の排出バルブである。
投与チューブ22は、バルブ16aおよび16bを溶液袋18および排出袋20にそれぞれ接続してい
る。
【0076】
再び図1から4を参照すると、交換システム1は、概して、頂部、底部および中間部の
3つの個別の領域を有する折りたたみ可能なS型のポールからなっている。交換システム
1の頂部は、溶液袋18を保持するポーチ26のシェルに組み込まれた絶縁ヒータ12を有する
。ポーチ26は絶縁されており、溶液袋18およびその中の溶液を体温とほぼ同等の温度まで
徐々に暖めるように設計されたヒータ12を有する。溶液袋18は、ポーチ26の底端部から出
る投与チューブ22と共にポーチ26に積み込まれている。カバー28は、溶液袋18を保持する
ポーチ26を封入する。カバー28は、図2および図4に示されるように、ポーチ26を封入す
るために折り曲げられ得る。
【0077】
交換システムの底部は、スケール14が組み込まれた排出トレイ30を有する。スケール14
は、排出袋20に排出され、投与チューブ22から排出袋20に供給される流体の重量を測定し
得る。排出袋20は、組み込まれたスケール14を用いて排出袋20の重量を決定するように排
出トレイ30の任意の位置に配置され得る。図1に示されるように、排出袋20は、排出トレ
イ30の中央に設けられている。
【0078】
最後に、中央部は、オペレータタッチ制御パネル10および自動クランプまたはバルブ16
a、16bを有する。好ましい実施態様において、オペレータタッチ制御パネル10は、交換シ
ステム1を、種々の言語フォーマットに対して使いやすく順応させる種々のサイズのフォ
ントおよびアイコンを備えたLCDディスプレイ54である。この目的のために、3つのキー3
4が設けられ、情報の入力を可能にする。
【0079】
投与チューブ22を受け入れるために、2つの切り欠き領域36がさらに設けられている。
切り欠き領域36は、溶液袋18からの延長ラインチューブ24を通した患者2への流体のフロ
ーを制御するバルブ16aを有し、もう一方の切り欠き領域36は、バルブ16bを有し、患者2
からの溶液を受け入れ、その溶液を排出トレイ30上の排出袋20へ排出する。好ましくは、
溶液袋18からの投与チューブ22は、頂部切り欠き領域36を通過し、底部切り欠き領域36は
、排出袋20へとつながる投与チューブ22を受け入れる。
【0080】
上部アーム38は、頂部を中間部に接続している。解除ハンドル40は、上部アームの長手
方向に沿って設けられている。解除ハンドル40は、交換システム1を折り曲げて保管また
は輸送するために操作を必要とするレバーを有する。下部アーム42は、中間部を下部に接
続している。交換システム1をアクティブ状態にしたり、非アクティブ状態にしたりする
ために、電源スイッチ44が排出トレイ30に隣接して下部に設けられているのが好ましい。
【0081】
図3を参照すると、交換システム1は、オペレータタッチ制御パネル10の面の反対側の
中間部に上部ナックル46を有する。上部ナックル46は、オペレータタッチ制御パネル10の
視角を調整する傾き調整器48を有する。下部ナックル50は、交換システム1の下部に設け
られ、下部アーム42を排出トレイ30に接続している。上部ナックル46は、上部アーム38を
下部アーム42に接続し、さらにそれらの間にオペレータタッチ制御パネル10を接続してい
る。着脱式電源コード52は、排出トレイ30で下部に接続されている。
【0082】
ここで、図4を参照すると、充填バルブ16aおよび排出バルブ16bは、オペレータタッチ
制御パネル10に隣接して示されている。充填バルブ16aは、溶液袋18に接続する投与チュ
ーブ22に接続している。充填バルブ16aは、溶液袋18から患者2への溶液のフローを制御
する。同様に、排出バルブ16bは、排出ラインが挿入される位置にあり、患者2から排出
トレイ30上の排出袋20への溶液のフローを制御し得る。
【0083】
オペレータタッチ制御パネル10は、ディスプレイ54を有する。ディスプレイ54は、使用
前に交換システム1のセットアップに関する情報を表示する。使用中、ディスプレイ54は
、治療の進行に関する情報を表示する。オペレータタッチ制御パネル10の制御キー34は、
ディスプレイ54と共に治療のセットアップに使用される。
【0084】
交換システム1を使用するために、清潔で平坦な表面を有する十分に照明されている場
所が好ましい。交換システム1は、家庭での使用、特に夜間に交換を必要とする患者に特
に適合する。従って、患者のベッドの近くにあるナイトスタンドまたはテーブルは、通常
、システム1をセットアップするのに良好な選択である。電力を供給して交換システム1
を作動させるためには、電源コード52のプラグを差し込むのにコンセントがさらに必要で
ある。
【0085】
交換システム1を動作させるために、Deerfield、IllinoisのBaxter Healthcare Corpo
rationによって販売されているDianealTMなどの溶液を含む袋18が、個別のまたは予め取
り付けられたセットと共に用いられ得る。予備キットまたは分離キャップおよびCAPD交換
を行うのに通常必要な他のあらゆる付属品も必要である。延長ラインチューブ24などの延
長セットもさらに必要である。
【0086】
交換システム1は、通常、図4に示される位置で保管される。交換システム1をセット
アップするために、下部アーム42は、図2に示される位置まで起こされる。それから、交
換システム1を図1および図3に示されるようなまっすぐ立った位置に広げるために、上
部アーム38は引っ張られ得る。上部ナックル46および下部ナックル50は、交換システム1
がその位置に配置し、上部アーム38および下部アーム42が完全に延びる前につぶれないよ
うに設計されている。
【0087】
交換システム1が図1および図3に示される位置に変形された後、電源コード52は、接
地コンセントにプラグが差し込まれる。次に、投与チューブ22の一部としての充填ライン
および排出ラインを有する溶液袋18および排出袋20は、図1に示されるようにシステム1
に搭載され得る。延長ラインチューブ24は、患者との接続のために投与チューブ22に取り
付けられ得る。この目的のために、投与チューブ22の充填ラインは、自動バルブ16aの位
置で充填バルブゲートに押しつけられる。チューブは、スロットに挿入され、自動充填バ
ルブ16aは、そのゲートと共に元の位置にはねかえる。排出ラインは、同様に排出バルブ1
6bに挿入される。
【0088】
初期のセットアップ前に、電源スイッチ44はシステムの電源を入れ、システム1をセッ
トアップするのに必要な各工程に関する指示が提供される。即ち、電源投入後、ディスプ
レイは、「LOADSET AND ATTACH EXTENSIONS」というメッセージを提供する。ディスプレ
イ54は、交換をアクティブ状態にするために、実時間クロックおよびプログラム可能な時
間を有する。セットアップ後、ディスプレイ54は、以下のような指示、即ち、「CONNECTS
ET, BREAK FRANGIBLES AND VERIFY FLOW」を提供する。これらの指示は、ユーザまたは投
与者に、自動フラッシュ(auto-flush)処置が起こることを示す。これにより、充填袋か
ら排出への流体フローが開始する。充填袋からのフラッシュ(flush)が完了した後、デ
ィスプレイ54は、「OPENTRANSFER SET」を表示し得る。次に、患者の移動セットクランプ
が開く。
【0089】
この時点で、患者からの流体は、排出袋から流れる。次に、適切なフラッシュ容量が排
出トレイ上で検出された後、排出バルブ16bは閉じる。それから、患者は寝床につくこと
が可能になる。
【0090】
夜間、交換は、ディスプレイ54上にプログラムされた指定時間に行われる。従って、フ
ラッシュ後、ディスプレイ54は、フラッシュが完了したこと(「FLUSHCOMPLETE」)を示
し、さらに、「GOOD NIGHT」などの適切なメッセージを提供することによって、セットア
ップが完了したことを示す。プログラムされた時間、例えば、午前2時に、交換システム
1は、排出バルブ16bを開き、患者の腹腔からの流体を排出袋20に排出する。排出が完了
した後、システム1は、充填バルブ16aを開き、新鮮な溶液は腹腔に流れ込む。この間、
ディスプレイ54は、排出トレイ30に組み込まれたスケール14によって感知され伝送された
情報によって、排出袋20内の流体の量を示し得る。
【0091】
次の日、患者2は、制御パネル10のキー34のいずれかに触れ得、ディスプレイ54はアク
ティブ状態になる。次に、患者2は、オペレータタッチ制御パネル10のディスプレイ54に
よって「CHECKFILL BAG」、「ATTACH CLAMPS」および「CLOSE TRANSFER SET AND CAP OFF
」するように指示される。従って、患者2は、除去中の流出を避けるためにクランプおよ
び各ラインを取り付け、新しい分離キャップを開き、移動セットのキャップをはずすよう
に要求される。次に、処理物は除去され、CAPDに必要な通常の手順を用いて廃棄される。
次に、「UNLOAD」という指示が提供される。同様に、排出容量も表示され得る。
【0092】
次に、交換システム1は、解除ハンドル40を押さえ、同時に上部アーム38を押し下げる
ことによって、患者2によって片づけられ得る。同時に、下部アーム42は、交換システム
1が力づくで図4に示されるような位置にされるように、ゆるめられる。
【0093】
オペレータタッチ制御パネル10によって、ユーザは、多数の治療パラメータをプログラ
ムすることが可能になる。例えば、交換時間、排出時間、設定時間、設定日、および前回
の充填容量がすべてプログラムされ得る。ディプレイ54は、オペレータタッチ制御パネル
10上のディプレイ54に隣接した3つのキー34のみを使用して、各パラメータのプログラム
を行うためのステップごとの指示を提供する。
【0094】
オペレータタッチ制御パネル10はまた、システム1が必要とするアラーム56またはオー
ディオプロンプトまたは他の特徴を有し得る。交換システム1がシステム1内の問題を確
認すると、システム1は、アラームを鳴らし、即座に溶液の移動を停止し得る。アラーム
のタイプは表示され得る。治療中に2つの基本的なタイプのアラームが起こり得る。患者
もしくは最小の補助プロンプトおよび援助によって訂正され得るアラーム、または交換シ
ステム1内の問題によって生じたシステムエラーを示すアラームである。アラーム後、デ
ィスプレイ54は、患者またはユーザに状態を訂正するように促す。多数のアラームメッセ
ージがディプレイ54上に表示され得、故障箇所をつきとめて修理するための適切なメッセ
ージが表示され得る。このようなアラームメッセージの例としては、「CHECKDRAIN LINE
」、「CHECK DRAIN TRAY」、「CHECK FILL LINE」、「CHECK HEATER BAG」、「CHECKPATI
ENT LINE」、[DRAIN NOT COMPLETE」および「SYSTEM ERROR」が挙げられる。
【0095】
交換システム1の絶縁ポーチ26に組み込まれたヒータ12は、上部アーム38の頂端部に接
続され、抵抗加熱素子、および溶液袋18を受け入れるための熱絶縁容器を有するアルミニ
ウム板によって提供される。熱回路遮断装置は、ヒータ板上に設けられ、熱制御が利かな
くなった状態のときにヒータを停止する。
【0096】
ここで、図6を参照すると、交換システム1を動作させるのに必要な電子機器回路のブ
ロック図が示される。プロセッサ58が設けられ、オペレータタッチ制御パネル10内に配置
されている。プロセッサ58は、システム1へのすべての入力をモニタし、ディスプレイ54
、バルブ16a、16b、ヒータ60、ポンプ、およびアラーム56などの他のサブシステムを制御
する。
【0097】
補助プロセッサ62が設けられて、排出トレイ30のベースプラットフォームに配置されて
もよい。補助プロセッサ62は、ある制御を実施するためにスレーブ装置として使用され、
特に排出トレイ30の位置における構成要素の機能をモニタする。しかし、補助プロセッサ
62の主要な目的は、オペレータタッチ制御パネル10と排出トレイ30のベース部との間に必
要な内部接続ケーブルの量を最小にすることである。
【0098】
充填および排出バルブ16aおよび16bは、それぞれ、図7に示されるような空気回路を必
要とする空気システムによって動作される。空気回路は、一般に、図7において64で示さ
れ、モータ68で駆動される空気ポンプ66を有する。ポンプ66は、3つのソレノイド型空気
バルブ70、72および74に接続されている。3つのソレノイド型バルブ70、72および74は、
排出トレイ30の下のベース部に配置され、ベース部とパネル10との間の2つの空気管を介
した、オペレータタッチ制御パネル10に配置されている2つのバルブ16aおよび16bへの空
気圧の経路を提供する。
【0099】
充填バルブ16aを開けるために、まず、空気ポンプ66は、ポンプ66を始動させるために
ベント位置(ventedposition)にある主要ソレノイドバルブ70でターンオンされる。ポン
プ66の始動後、充填ソレノイドバルブ72および主要ソレノイドバルブ70が開けられる。ピ
ンチバルブダイヤフラム内に圧力がかかり、バルブは開く。バルブの位置によって、バル
ブが開いていることが示されると、主要ソレノイドバルブ70は、ベント位置に戻され、ポ
ンプ66はターンオフされる。充填ソレノイドバルブ72を閉じるために、充填ソレノイドバ
ルブ72は、ベント位置に配置される。
【0100】
排出ソレノイドバルブ74は、充填ソレノイドバルブ72と同様に動作する。バルブ16a、1
6bはばねで付勢されており、バルブが閉じた位置にならないことがばねによって確実にさ
れるように、エネルギーが与えられないときソレノイドバルブは通常ベントされる。
【0101】
好ましくは、主要プロセッサ58および補助プロセッサ62は、交換システム1のすべての
動作を制御およびモニタする。主要プロセッサ58は、好ましくは、16ビットマスタマイク
ロコントローラであり、補助プロセッサ62は、好ましくは、8ビットスレーブマイクロコ
ントローラである。図8において、タスク102、104、106および108を同時に動作するため
のソフトウェアアーキテクチャは、システム1が一般に100で示されるように初期化され
た後に示される。これらのタスクには、割り込みタスク102、モニタタスク104、制御タス
ク106および処理タスク108が含まれる。
【0102】
このシステムのすべてのタスクは、制御タスク、モニタタスクまたは割り込みタスクの
いずれかとして分類され得る。割り込みタスクは、例えば、バルブ、ヒータ、ポンプおよ
び/またはディスプレイパネルなどの物理的構成要素において変化を生じさせるための動
作である。モニタタスクは、温度、流体、バルブまたはユーザキーの位置などの物理的構
成要素の状態を読み出す動作である。制御およびモニタタスクは、シングルスレッドソフ
トウェア(single-threaded software)で通常行われているようにインタツイン(intert
win)されない。これに対して、完全にモジュラ式で簡単に確認できるソフトウェアを提
供するために、制御機能とモニタ機能との間には明確なソフトウェア境界が規定されてい
る。モジュールは、比較的ごくわずかな広域変数で互いにコミュニケートする。従って、
1つのモジュールにおける変化は、他のモジュールに不利に伝搬するのが防止される。割
り込みタスクは、外部または内部条件のいずれかによって生成され、即座に処理されなけ
ればならない。
【0103】
主要プロセッサ58および補助プロセッサ62は、直列周辺インターフェースを通して連
結されている。マスタ−スレーブプロトコルは、データイン、データアウト、データクロ
ックおよびスレーブ選択ラインからなる。主要プロセッサ58は、マスタとして動作し、コ
ミュニケーション全体を組織化する。補助プロセッサ62をスレーブとして選択することに
よって、2つのプロセッサ58、62は、8ビットのデータを交換する。マスタ−スレーブで
は、これは、コマンドバイトであり、スレーブ−マスタでは、これは、入力データバイト
である。より長いコマンドまたはデータ転送が必要な場合には、単一なマルチバイトプロ
トコルが使用され得る。
【0104】
データの保全性を保証するために、ベーシックな直列周辺インターフェースプロトコル
に加えて、さらに保護(safeguard)が構築される。何らかの理由で、プロセッサ58また
は62のいずれかが要求通りに機能していない場合、他方のプロセッサがそれを検出し、順
序立った故障処理が試みられ得るように、2つのプロセッサ58、62は、定期的にタイムス
タンプを交換する。
【0105】
上述のように、オペレータタッチ制御パネル10は、ユーザが交換システム1と相互作用
するように設けられたオペレータキー34を有する。好ましい実施態様において、キーは、
キー34の実際のメンブレンに名称を有さない「ソフト」キーであるが、むしろ、パネル10
の実際のキー34のすぐ上にソフトウェアによって規定されている。キー定義は、その時の
システム1の状態に基づいて変化し得る。キー34は、バックライトで照らされ、キーバッ
クライトの強度は、ディスプレイ54のバックライトの強度と共に変化する。3つの目に見
えるキーに加えて、例えば、サービスおよび看護婦のメニューに入力するために2つの目
に見えないキーが得られる。
【0106】
ユーザとのコミュニケーションのために、ディスプレイ54がさらに設けられている。好
ましい実施態様において、ディスプレイ54は、グラフィックスモードで302×240画素を有
し、テキストモードで40×30文字を有する。しかし、テキストおよびグラフィックスは、
より融通性を増すために重ねられ得る。ディスプレイ54は、冷陰極蛍光管(CCFT)によっ
て背面から照明され得、その強度は、ソフトウェア制御下で変化し得る。コントラストも
また、ソフトウェア制御下で変化し得る。
【0107】
アラーム56およびオーディオシステムは、患者への可聴フィードバックのために設けら
れている。キー34を押さえる度に短い可聴トーンが聞こえる。検出されるいかなるユーザ
セットアップエラーも、セットアップエラーを補正する指示にためにユーザがディスプレ
イ54を見るのを促すために、特有のトーンとなり得る。サービスメニューおよび看護婦の
メニューは、電源投入時に特定のキーの組み合わせを押さえることによってアクセスされ
る。これらのメニューへのアクセスは、他の時点では可能ではない。
【0108】
図9は、ディスプレイ54のユーザインターフェーススクリーンの概観を示す。ソフトキ
ーの方向もまた、システム1のソフトウェアによって定義された可変名称と共に示されて
いる。
【0109】
排出トレイ30における交換システム1のスケール14は、力感知抵抗器(不図示)を有す
る。抵抗器に与えられた力によって抵抗は変化する。さらに力が与えられると、抵抗はさ
らに低くなる。力感知抵抗器が簡易な電圧分離回路に設けられると、特定の力が分離器か
ら反復可能な電圧を与える。次に、4つの感知抵抗器は、システムを力の全範囲にわたっ
て動作させ、対応する電圧を記録することによって較正され得る。較正電圧のセットを用
いて、力感知抵抗器に対する力は、後続のすべての動作に対して決定され得る。勿論、排
出トレイ30上の排出袋20のレートを測定するために、他の公知のスケールが用いられ得る

【0110】
ポーチ26内の絶縁ヒータ12は、ホイルヒータアセンブリの温度をモニタするために、内
部センサ(不図示)を有し得る。内部センサは、ヒータ素子に電力を与え、センサの応答
をモニタすることによって、線形性精度がテストされ得る。素子およびセンサのニッケル
鉄材料の固有特性のために、温度が上がると、それらの抵抗も上がる。センサがブリッジ
回路に設けられると、抵抗の変化は、電圧の変化に直接関連し得る。センサは、ヒータト
レースと同時に同一材料でヒータにエッチングされる特別なトレースである。センサは、
ヒータトレースの薄い同等物で、その抵抗を増加させる。温度が上がると、トレースの抵
抗は増加する。この増加は、変化を増幅するブリッジ回路によって検出される。
【0111】
従って、交換システム1は、夜間にさらなる交換を提供するための簡単、便利かつ経済
性に優れる装置を提供する。システム1は、5回目のCAPDを必要する患者または4回の交
換を行うさらに便利な方法を所望する患者のニーズを満足する。システム1は、ポータブ
ルで、延長ラインを使用してツイン袋を用いて交換を行う。システム1は、2つの自動バ
ルブを有し、充填前に排出を確実にし、単一なユーザインターフェース、および流体温度
を上昇させ維持するための絶縁ヒータを提供する。
【0112】
本発明は、腹膜透析手法に関して説明したが、本発明は、静脈栄養補給などの他の流体
制御システムに適合し得ることが理解されなければならない。
【0113】
本願に記載の好ましい本実施態様に対する種々の改変および変更が当業者に明白であり
得ることが理解されなければならない。このような変更および改変は、本発明の精神およ
び範囲を逸脱せず、かつ、それに付随する利点を減少させずになされ得る。従って、この
ような改変および変更は、添付の請求の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、本発明のシステムの実施態様の前面斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明のシステムの実施態様において1つのアームが折り曲げられた斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明のシステムの実施態様の後部斜視図を示す。
【図4】図4は、折りたたまれた、または折り曲げられた位置にある、本発明のシステムの斜視図を示す。
【図5】図5は、腹膜透析を必要とする患者への、および患者からの溶液の概略的なフロー要件の環境図を示す。
【図6A】図6は、本発明の実施態様におけるハードウェア構成要素のブラックボックス図を示す。
【図6B】図6は、本発明の実施態様におけるハードウェア構成要素のブラックボックス図を示す。
【図7】図7は、本発明の実施態様におけるシステムに必要な空気力学の回路図を示す。
【図8】図8は、本発明の実施態様のシステムおよび方法を動作させるための主要プログラムの構造の概略的なフローチャートを示す。
【図9】図9は、本発明のシステムの実施態様によって表示される種々のユーザインターフェーススクリーンの斜視図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体フローを制御する方法であって、
第1溶液を有する第1コンテナを吊さずに該第1コンテナを保持し得るホルダを提供す
る工程と、
第2溶液を有する第2コンテナを吊さずに該第2コンテナを保持し得るトレイを提供す
る工程であって、該第1コンテナが該第2コンテナと離れて配置されている工程と、
該第1コンテナからの該第1溶液のフローおよび該第2コンテナへの該第2溶液のフロ
ーを制御する工程と、そして
使用には不適切な第2位置に該ホルダおよび該トレイを保持する工程であって、第1ア
ームは、ヒンジにより第2アームに接続されており、該第1アームおよび該第2アームは
、該ヒンジでお互いに対して回転可能である工程、
を包含する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−144210(P2007−144210A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27405(P2007−27405)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【分割の表示】特願2004−174856(P2004−174856)の分割
【原出願日】平成8年2月1日(1996.2.1)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】