説明

折りたたみ式容器

折りたたみ式の物品容器が、長方形の底板(10)を有し、該底板が、幅方向の辺(17、18)の間に延びる二つのヒンジ線(37、38)を備えている。該ヒンジ線は、長さ方向の辺(15、16)に平行であって、前記底板の中央領域に配置されている。第一の側壁(11)が、底板の第一の長さ方向の辺(15)にヒンジ式に取りつけられている。この側壁の高さは、底板の幅方向の辺(17)の長さの半分以下である。第二の側壁(12)が、第一および第二の側壁にヒンジ式に取りつけられた対向する一対の端壁(13、14)によって第一の側壁(11)に連結されている。前記各端壁は、第一の側壁と第二の側壁との間の実質的に中央に配置され、それぞれの端壁と側壁との共通辺に実質的に平行な折りたたみ線(23)を有している。ファスナーが、容器が完全に組み立てられたときに、底板と第二の側壁の隣接辺とを結合するために、備えられている。このファスナーの連結が解除されると、前記容器は、二つの端壁(13、14)を内側に折り曲げてたたみ、第一および第二の側壁(11、12)を互いに接近させ、側壁を底板のヒンジ線(37、38)の片側にヒンジ式に折り曲げて、底板の一つの部分(40)に重なるようにすることができる。次に、ヒンジ線のもう一つの側にある底板のもう一つの部分(41)を折りたたんで、前記一つの部分(40)に重なるようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の搬送または保管のための折りたたみ式容器に関する。より詳しくは、家庭環境における使用、または自動車たとえば乗用車またはステーションワゴン(estate vehicle)内での使用のための折りたたみ式容器に関するが、該容器はそれらの使用のみには限定されない。
【背景技術】
【0002】
しばしば、物品の搬送または一時的保管のための容器が必要になることがある。そのような一時的保管のためには、組み立てられたままの容器は不便である。そのような容器は、内容物の有無にかかわらず、同じスペースをとるからである。これは、自動車で使用する容器、たとえば自動車のトランクに入れられる容器の場合に、特にそうである。この容器は小売店やスーパーマーケットから品物を搬送するのに非常に便利なものでありうるが、自動車を別の目的に使用する場合には、トランク内に硬質の容器が存在すると、他の物品の搬送のためのトランク使用が制限されうる。
【0003】
この問題の克服のための試みとして、折りたたみ式の保管容器が公知である。これらの容器は、折りたたんで保管できるが、使用する必要があるときには組み立てることのできる簡単な段ボール箱から、あらかじめ成形されているプラスチックパネルから組み立てることのできる枠箱にまでわたっている。前者の容器は、重なりあうフラップが固定されない場合には、割合に強度が小さく、不安定な傾向があるが、フラップを固定した場合には、箱を簡単には折りたたむことができない。一方、後者の容器は割合に高価であり、また組み立てが簡単でないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前記問題を克服し、物品の搬送と保管とに適当な折りたたみ式容器であって、組み立てと折りたたみとが割合に簡単で、かつ割合に安価に製造できる折たたみ式容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明においては、
物品の搬送または保管のための折りたたみ式容器であって、
−大体長方形の底板であって、二対の直交する長さ方向の辺と幅方向の辺を定め、実質的に長さ方向の辺に平行で、底板の中央領域に配置されて底板を二つの側部領域に分割する、幅方向の辺の間に延びる少なくとも一つのヒンジ線を有する底板、
−底板の第一の長さ方向の辺にヒンジ式に取りつけられた第一の側壁であって、高さが底板の幅方向の辺の長さの半分以下である側壁、
−第二の側壁であって、第一および第二の側壁にヒンジ式に取りつけられた対向する一対の端壁によって第一の側壁に連結された側壁、
−底板上に備えられ、容器が完全に組み立てられたときに、底板と第二の側壁の隣接辺とを結合するのに適した結合手段、
から成り、
前記各端壁が、第一の側壁と第二の側壁との間の実質的に中央に配置され、それぞれの端壁と側壁との共通辺に実質的に平行な折りたたみ線を有し、
前記第一の側壁を開いて底板から立たせ、端壁をまっすぐにして、側壁が間隔をとって配置され、底板の長さ方向の対向辺に沿って延びるようにし、連結手段を動作させて前記容器が組み立てられた状態に保たれるようにして、前記容器を組み立てることができ、
二つの端壁を内側に折り曲げてたたみ、側壁を互いに接近させ、側壁をヒンジ式に折り曲げて底板の一つの側部領域に重なるようにし、次に底板のもう一つの側部領域を底板ヒンジ線のまわりに折りたたんで、最初の側部領域に平行に配置されるようにして、前記容器を折りたたむことができること、
を特徴とする折りたたみ式容器、
を提供する。
【0006】
本発明の折りたたみ式容器は、折りたたまれた状態からの組み立てが非常に簡単であるような構造になっており、あるいは組み立てられた状態からの折りたたみが非常に簡単であるような構造になっている。また、折りたたまれたとき、この容器は、事実上平面であり(ただし、ある厚さを有する)、したがって保管に最小限のスペースしかとらないが、組立てられたときには、割合に剛性の構造を与え、これは、いろいろな目的に適当でありうるが、特に、たとえばスーパーマーケットで買った小さな品物の搬送のために、自動車のトランクまたは載荷スペースで使用するのに適当でありうる。
【0007】
一つの好ましい折りたたみ方式においては、もう一つの底板を該底板ヒンジ線のまわりに折り曲げて側壁を包み、この場合に、もう一つの側部を固定するのに使用される結合手段が、前記最初の側部と実質的に平行であって、これらの側部の間に側壁と端壁とが配置されるようにする。
【0008】
容器をできるだけ小さく折りたたむことができるようにするために、各側壁と各端壁との高さが、幅方向の辺の方向における、底板の寸法の半分以下であるようにすることが重要である。その場合には、側壁は端壁を間にはさんで重なり合うように折りたたむことができ、重なり合った側壁と端壁とは、第一の側壁と底板との間のヒンジ線に隣接する底板の側部領域に重なるように折りたたむことができる。このようにしてから、底板のもう一つの側部領域を折りたたんで、折りたたまれた側壁および端壁と重なるようにすることができ、それから、結合手段を使用して、前記もう一つの側部領域を、実質的に最初の側部領域と平行に、第一の側壁に固定することができる。このように折りたたむと、折りたたんでまとめられた側壁は折りたたまれた端壁を包囲し、これらの側壁と端壁とは、底板の二つの側部領域の間にはさまれて保持される。
【0009】
前記の折りたたみを容易にするために、好ましくは、底板の中央領域に一対の平行ヒンジ線を備え、それによって、二つの側部領域の間に中心領域を定める。この場合、容器が折りたたまれたとき、前記中心領域が二つの側部領域に対して実質的に直交して延び、これら二つの側部領域を、折りたたまれた側壁および端壁を収容するのに十分な距離だけ離して保持することができるようにする。そのような構造の場合、側壁と端壁との高さは、中心領域の両側の側部領域の幅以下であるようにすべきである。
【0010】
さらに、底板にもう一つのヒンジ線を備え、このヒンジ線が、第一の長さ方向の辺に平行で、該辺から、折りたたまれた側壁と端壁との厚さに実質的に等しい距離だけ離れているようにすることができる。この場合、側壁と端壁との高さは、前記もう一つのヒンジ線と底板の中心領域を定める隣りのヒンジ線との間の距離以下となるように小さくしなければならない。そのような構造の場合、折りたたまれた側壁と端壁とは重なり合う側部領域の間に配置されるが、底板のもう一つの領域がこれらの側部領域に実質的に直交して延びることになる。そのようなもう一つの領域は底板の第一の長さ方向の辺ともう一つのヒンジ線との間に定められ、他のもう一つの領域は底板の中央領域の一対の平行ヒンジ線の間の中心領域である。
【0011】
もう一つの折りたたみ方式では、底板の第二の側部領域が底板の第一の側部領域のすぐ隣に来るように折り曲げて、折りたたまれた側壁と端壁とがこれらの側部領域の間に配置されないようにすることができる。しかし、そのような折りたたみ方式は好ましいやり方とは思われない。というのは、側壁と端壁とが底板の側部領域によって拘束されず、したがってこれらの壁が勝手に開くことが起こりうるからである。これは、適当な結合手段によって抑えることもできるが、これらの壁は底板の側部領域の間に収容するのが好ましい。
【0012】
一つの好ましい構造の場合、結合手段は少なくとも一つの連結解除できるファスナーから成り、このファスナーは、それぞれ、底板の第二の長さ方向の辺またはその近くの底板上、および第二の側壁上に、協働部品を有する。たとえば、そのような結合手段は、一つ以上の連結解除可能なスナップ、スナップ止め、または二つの部分から成るマジックテープ(登録商標)式のファスナー、から成ることができ、該ファスナーを動作させることにより、第二の側壁の下辺を底板に連結することができる。底板側のファスナーの部分は、底板の第二の長さ方向の辺にヒンジ式に取りつけられたタブまたはストリップ上に配置することができ、該タブまたはストリップを上に折り曲げて第二の側壁の下辺に沿って配置されるようにすることができる。さらに、底板のヒンジ近くの第一の側壁の外側にファスナーのもう一つの第二の部分を備えることができ、前記タブまたはストリップを前記第一の側壁に連結して、容器をその折りたたまれた状態に保つことができる。
【0013】
端壁は、容器が物品の保持のために組み立てられたとき、底板に沿って配置される下辺を有することができる。これらの端壁のうち少なくとも一つ、しかし好ましくは両方とも、それぞれの下辺を底板に結合する手段を備え、それによって、容器を組み立てられた状態に保持するのを容易にする。たとえば、この連結解除できる結合手段は、それぞれの端壁の下辺から突き出たタブを有することができ、該タブは、底板に該底板の幅方向の辺の近くに形成された対応するスロットで受けることができる。
【0014】
本発明の折りたたみ式容器の一つの好ましい実施形態は、少なくとも一つの内部横断壁を有し、該壁は、長さ方向の途中にあって、側壁の間に延びている。各横断壁は、端壁の折りたたみ線と同様に配置された折りたたみ線を有し、それによって、各横断壁は容器折りたたみ時に折り曲げることができる。そのような各横断壁は、側壁に、接着または他のやり方で該側壁に対して相対的に回転運動できるように固定されたヒンジストリップを有することができる。また、内部長さ方向壁を備えることができ、該壁は、一つの端壁の折りたたみ線と各横断壁の対応する折りたたみ線との間に延び、この場合にも、各横断壁が前記内部長さ方向壁にヒンジ式に結合されている。この場合、容器が組み立てられたとき、物品を収容するための複数の個別区画室が定められるが、容器の折りたたみまたは組み立てのための折りたたみ特性または開放特性が影響を受けることはない。
【0015】
この容器は、折りたたまれた状態での搬送を容易にする取っ手を備えることができる。そのような取っ手は、容器が完全に折りたたまれたときに使用できるように、容器の底板から開いて立たたせるようにすることもでき、あるいは底板の外部に永続的に備えることもできる。
【0016】
本発明の容器は、特に、プラスチックシート材料から製造するのに向いている。該シート材料を適当に切断して、刻み目を入れ、必要な輪郭およびヒンジ特性を与える。特に好ましい材料は、二重壁波形押出しシート(double-walled corrugated extruded sheet)であり、このシートは、割合簡単に必要な輪郭に切断することができるが、強度がありしかも低密度である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、限定を意図しない単なる例として、本発明の折りたたみ式容器の一つの特定実施形態について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
添付の図面には、本発明の容器の一つの実施形態を示す。これらは、完全に組み立てられた状態(図1)と完全に折りたたまれた状態(図4)、および二つの一部折りたたまれた中間段階を示す。この容器は、底板10、第一および第二の側壁11、12、および対向端壁13、14を有する。底板10は、長方形であり、それぞれ、直交する長さ方向および幅方向の辺15、16および17、18で限られている。第一および第二の側壁11、12も長方形であり、第一の側壁の下辺が底板の長さ方向の辺15にヒンジ式に取りつけられている。第一および第二の側壁11、12はそれぞれ、長方形であり、第一の側壁11にヒンジ式に結合された一辺を有する。第一および第二の側壁11、12それぞれのそれぞれの対向辺は第二の側壁12にヒンジ式に結合されている。底板の長さ方向の辺16に沿って、ヒンジ式に取りつけられたストリップ19が備えられ、該ストリップは二部分から成るマジックテープ(登録商標)式のファスナー(たとえば、Velcro(登録商標)で販売されているもの)の半分を支持し、第二の側壁12の下辺は該ファスナーのもう一つの半分を支持している。これによって、第二の側壁12の下辺を、ストリップ19を上に折り曲げて、ファスナーの二つの半分を結合することによって、底板の長さ方向の辺16に固定することができる。マジックテープ(登録商標)式のファスナーの代わりに、他の固定具を使用して、第二の側壁の下辺を底板の長さ方向の辺16に固定することもできる。たとえば、いくつかのスナップ止めをそれぞれの辺に沿って備えることができ、あるいはひも装置を備えることができる。
【0019】
さらに、各端壁13、14の中央領域は、下方に突き出たタブ21を有し、底板は、該底板の幅方向の辺17、18の近くに形成された対応するスロット22を有する。容器が、図1に示すような完全に組み立てられた状態にあると、タブ21は、それぞれのスロット22内に受容され、これらの端壁を必要な位置に保持する。
【0020】
各端壁13、14は、中央ヒンジ線23を有し、該ヒンジ線により、容器の折りたたみ時に、端壁を内側に折りたたむことが可能になり、図2に示すように、第二の側壁12を第一の側壁11に近づけることができる。端壁のこの折りたたみ運動を続けて、第一および第二の側壁が互いに接近するが、折りたたまれた端壁がこれらの間に配置されるようにすることができる。
【0021】
容器の内部には、内部横断壁24、25、26が配置され、これらはそれぞれ端壁13、14と大体同様のやり方で配置され、それぞれ側壁11、12にヒンジ式に結合され、また中央ヒンジ線27を有する。さらに、端壁14のヒンジ線23から内部横断壁24のヒンジ線27まで延びる長さ方向の中央壁28が存在し、該壁は内部横断壁25、26のヒンジ線27を貫通している。この長さ方向の中央壁28は、第一および第二の側壁11、12に平行に延びており、容器の折りたたみ時にもそのように保たれ、このとき、すべての内部横断壁は、端壁の折りたたみにともなって、そのそれぞれのヒンジ線のまわりに折りたたまれる。
【0022】
図に示すように、内部横断壁24〜26は、横断壁上に備えられ、側壁に形成された対応するスロット31に受容される、突き出たタブ30によって、側壁11、12にヒンジ式に結合される。あるいは、これらの内部横断壁は、90゜折り曲げられ、側壁に接着その他の方法で固定されるタブを備えることができる。内部横断壁24、25、26の少なくとも一部、および長さ方向の中央壁28は、32で示すように穿孔し、搬送物品のまわりを空気が循環するようにすることができる。また、各種物品の搬送を容易にする仕組みを備えることができる。たとえば、図1に示すように、内部横断壁26の上部33にフラップを備え、容器が完全に組み立てられたとき、該フラップを折り下げて、閉じた区画室が備えられるようにすることができる。また、横断壁25が、底板に平行になるように折り下げることのできる部品34を有することができ、該部品は、ビンの底を通すことのできる割合に大きな穴を有することができる。部品34は、突き出たタブを有することができ、該タブは、となりの横断壁24のスロット35に受容され、該領域が、底板10に平行に、折り下げられた位置に保持されるようにすることができる。
【0023】
底板自身は、ヒンジ線37と38によって二つの側部領域40、41および中心領域42に分けられる。ヒンジ線37、38の間の中心領域42の幅、およびヒンジ線37と第一の長さ方向の辺15との間の側部領域40のへり領域43の幅は、図3に示すように、間に、折りたたまれた端壁13、14、折りたたまれた内部横断壁24〜26、および長さ方向の内壁28が配置された、折り重ねられた第一および第二の側壁11および12の厚さに実質的に等しい。さらに、底板の側部領域40、41の、幅方向の辺17、18の方向に測った幅は、側壁11、12ならびに端壁13、14および横断壁24、25、および26の高さよりもわずかに大きい。そのことにより、本発明の容器は、以下で述べるように、折りたたむことができる。
【0024】
本発明の容器は、図1に示す完全に組み立てられた状態から、内部横断壁26の上部33および内部横断壁25の部品34を折りたたんで、これらの横断壁が実質的に平面になるようにしてから、折りたたまれる。端壁13、14のタブ21を底板のスロット22から引き抜いて、ヒンジ式に連結されたストリップ19を、マジックテープ(登録商標)式ファスナーの二つの部分を分離することにより、第二の側壁12の下端から離す。次に、第二の側壁12を、端壁13、14を内側に折り曲げ、また対応するやり方で内部横断壁24、25、26を折り曲げるかまたはこれらが折り曲げられるようにして、第一の側壁11の方向に移動させる(図2)。この操作を続け、第二の側壁12が第一の側壁11に近づいて、折りたたまれた端壁13、14、折りたたまれた内部横断壁24、25、26、および長さ方向の中央壁28がすべてこれらの間に配置されるようにする。
【0025】
側部領域40のへり領域43は、側部領域40の主要部分に対して90゜をなすように折り曲げられ、第二の側壁12が側部領域40に対向配置されるようにする。次に、側部領域41を、前記側壁、端壁、および内壁のまわりに折り曲げて、中心領域42が、へり領域43に平行に配置されるようにし(図3に示すように)、そのあと、底板の側部領域41が第一の側壁11の外表面に折り重ねられるようにすることができる。へり領域43に隣接する第一の側壁11の領域は、図3に44で示すように、二つの部分から成るファスナーの領域を備え、ヒンジ式ストリップ19上の、二つの部分から成るファスナーのもう一つの部分が前記領域に連結できるようになっている。このようにして、側部領域41が第一の側壁11に固定され、図4に示すように、容器を、完全に折りたたまれた状態に保持することができる。
【0026】
図4に示すように、この容器は、完全に折りたたまれた状態では、大体長方形のパッケージの形状を有する。そのため、使用する必要がないときの保管が非常に容易になる。この容器を使用する必要がある場合には、割合簡単に、側壁領域41を側壁11から開放してから、前記の操作を逆に実行することにより、容器を広げることができる。次に、この広げた容器を、端壁13、14上のタブ21を対応するスロット22に挿入し、第二の側壁12の下端とヒンジ式のストリップ19とにそれぞれ配置された二つの部分から成るファスナーの部分を連結することにより、図1に示す状態に保持する。
【0027】
図4には、底板の中心領域42の外部に取りつけることのできる簡単な取っ手も示されている。容器が組み立てられたとき、この取っ手は底板の下に平らに配置され、したがって容器の使用の邪魔にならない。
【0028】
前記容器は、二重壁波形押出しシートプラスチック材料で作るのが好ましい。そのような材料は、必要な形状に切断するのが容易であり、また必要な場合、接着剤で結合するのも容易であり、しかも低密度で高い強度を有する。ヒンジ線を作りつける必要があるときには、この材料には厚さ方向に部分的に切りこまれた刻み目をつけて、その領域を粘着テープストリップで補強することができる。
【0029】
図面には示さないが、容器の一つ以上の区画室に隔離(insulated)内張りを備えることができる。そのような内張りは、隔離(insulating)材料たとえば発泡ポリスチレンまたは発泡ポリウレタンで作られた底と四側面とを有することができ、またこの内張りは区画室にぴったりはまるような外部寸法にする。この種の隔離内張りは、この容器の全体を乗用車のトランク内で使用する場合に、店から住居まで買い物を簡単に搬送するために、有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の容器が完全に組み立てられ、使用できる状態になったときの、斜視図である。
【図2】図1の容器であるが、該容器の折りたたみの第一段階を示す図である。
【図3】図1の容器であるが、折りたたみの次の段階を示す図である。
【図4】図1の容器であるが、完全に折りたたまれた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
10 底板
11 第一の側壁
12 第二の側壁
13 端壁
14 端壁
15 長さ方向の辺
16 長さ方向の辺
17 幅方向の辺
18 幅方向の辺
19 ストリップ
21 タブ
22 スロット
23 中央ヒンジ線
24 内部横断壁
25 内部横断壁
26 内部横断壁
27 中央ヒンジ線
28 中央壁、長さ方向の内壁
30 タブ
31 スロット
32 穿孔
33 26の上部
34 部品
35 スロット
37 ヒンジ線
38 ヒンジ線
40 側部領域
41 側部領域
42 中心領域
43 へり領域
44 ファスナー領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬送または保管のための折りたたみ式容器であって、
−大体長方形の底板であって、二対の直交する長さ方向の辺と幅方向の辺を定め、実質的に長さ方向の辺に平行で、底板の中央領域に配置されて底板を二つの側部領域に分割する、幅方向の辺の間に延びる少なくとも一つのヒンジ線を有する底板、
−底板の第一の長さ方向の辺にヒンジ式に取りつけられた第一の側壁であって、高さが底板の幅方向の辺の長さの半分以下である側壁、
−第二の側壁であって、第一および第二の側壁にヒンジ式に取りつけられた対向する一対の端壁によって第一の側壁に連結された側壁、
−底板上に備えられ、容器が完全に組み立てられたときに、底板と第二の側壁の隣接辺とを結合するのに適した結合手段、
から成り、
前記各端壁が、第一の側壁と第二の側壁との間の実質的に中央に配置され、それぞれの端壁と側壁との共通辺に実質的に平行な折りたたみ線を有し、
前記第一の側壁を開いて底板から立たせ、端壁をまっすぐにして、側壁が間隔をとって配置され、底板の長さ方向の対向辺に沿って延びるようにし、連結手段を動作させて前記容器が組み立てられた状態に保たれるようにして、前記容器を組み立てることができ、
二つの端壁を内側に折り曲げてたたみ、側壁を互いに接近させ、側壁をヒンジ式に折り曲げて底板の一つの側部領域に重なるようにし、次に底板のもう一つの側部領域を底板ヒンジ線のまわりに折りたたんで、最初の側部領域に平行に配置されるようにして、前記容器を折りたたむことができること、
を特徴とする折りたたみ式容器。
【請求項2】
端壁が、物品を保持するために、容器が組み立てられたときに、底板に沿って配置される下辺を有し、また、少なくとも一つの前記下辺が、容器を組み立てられた状態に保つために、底板に連結するための手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式容器。
【請求項3】
二つの端壁の下辺が、底板の隣接部分に連結するための手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の折りたたみ式容器。
【請求項4】
連結のための前記手段が、それぞれの端壁の下辺から突き出たタブから成り、該タブを、底板の対応する幅方向の辺に隣接する底板部分に形成されるスロット内に受けることのできる請求項2または3に記載の折りたたみ式容器。
【請求項5】
底板の中央領域に一対の平行ヒンジ線が備えられ、それによって中心領域が二つの側部領域の間に定められ、この中心領域が、容器が折りたたまれたときに、前記二つの側部領域に実質的に直交して延び、前記二つの側部領域が間隔を取って配置されるように保つことを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項6】
底板にもう一つのヒンジ線が備えられ、該ヒンジ線が、第一の長さ方向の辺に平行に、折りたたまれた側壁と端壁との厚さに実質的に等しい距離だけ該辺から離して配置されることを特徴とする請求項1から5の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項7】
当該もう一つのヒンジ線の第一の長さ方向の辺からの距離が、底板の中央領域の一対の平行ヒンジ線の間隔と実質的に等しいことを特徴とする請求項5または6に記載の折りたたみ式容器。
【請求項8】
底板上に、該底板の第二の長さ方向の辺上またはこれに隣接して備えられた連結手段が、第一の側壁の底板へのヒンジ式連結部に隣接する、第一の側壁のへり領域と協働するのに適していることを特徴とする請求項1から7の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項9】
当該連結手段が、それぞれ底板および側壁上に協働部分を有する一つ以上の連結解除可能な一つ以上のスナップまたはスナップ止めから成ることを特徴とする請求項8に記載の折りたたみ式容器。
【請求項10】
当該連結手段が二部分から成るマジックテープ(登録商標)式ファスナーから成り、一つの部分が底板状に配置され、他の部分が側壁上に配置されることを特徴とする請求項8に記載の折りたたみ式容器。
【請求項11】
連結手段が、底板の第二の長さ方向の辺にヒンジ式に連結されているストリップを有し、二部分から成るファスナーの一つの部分が該ストリップ上に備えられることを特徴とする請求項1から10の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項12】
第二の側壁の下辺へりに、ファスナーの当該他の部分が備えられ、それによって、容器が組み立てられたとき、当該ストリップをヒンジ式に持ち上げて、第二の側壁の下辺に連結することができることを特徴とする請求項11に記載の折りたたみ式容器。
【請求項13】
内部横断壁が、側壁の間に、該側壁の長さ方向の途中に備えられ、該横断壁が、端壁の折りたたみ線と同様に配置された折りたたみ線を有し、それによって、前記横断壁を容器の折りたたみ時に折りたたむことができることを特徴とする請求項1から12の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項14】
内部長さ方向壁が備えられ、該壁が一つの端壁の折りたたみ線とこれに対応する横断壁の折りたたみ線との間に延びていることを特徴とする請求項13に記載の折りたたみ式容器。
【請求項15】
当該内部横断壁と同様の少なくとも一つの別の横断壁が備えられ、前者の横断壁と端壁との間に配置されることを特徴とする請求項14に記載の折りたたみ式容器。
【請求項16】
当該横断壁のそれぞれが該横断壁の端にヒンジ式に連結されたストリップを有し、該ストリップが当該側壁に接着接合されていることを特徴とする請求項13から15の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項17】
当該横断壁のそれぞれが、横断壁の端辺に備えられたタブによって側壁にヒンジ式に連結されており、該タブが側壁を貫通するように備えられたスロットと係合していることを特徴とする請求項13から15の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項18】
当該容器が内壁によって個別の区画室に分割され、該内壁が物品の該容器内保管を容易にするように配置されていることを特徴とする請求項13から17の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項19】
底板から当該容器の外に突き出た取っ手が、前記容器の両端の中間に備えられていることを特徴とする請求項1から18の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項20】
少なくとも底板、側壁、および端壁がプラスチック材料シートから切り出されることを特徴とする請求項1から19の中のいずれか1つに記載の折りたたみ式容器。
【請求項21】
当該プラスチックシートが二重壁波形押出し品から成ることを特徴とする請求項20に記載の折りたたみ式容器。
【請求項22】
請求項1に記載し、実質的に添付の図面を参照しつつ説明し、また実質的に添付の図面に示した折りたたみ式容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−518640(P2007−518640A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550288(P2006−550288)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000247
【国際公開番号】WO2005/070775
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506253137)
【Fターム(参考)】