説明

折り畳み可能な容器

【課題】本発明は、使用時には堅固な箱状となり、未使用のときに折り畳みができる容器を提供する。
【解決手段】箱の各隅部と各稜部を曲折可能に結合し、稜部と稜部の間に囲い体を取り付けて側面を形成するものであり、縦稜部と縦稜部の結合部において開閉可能な開放部12が設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時には箱状となり、未使用のときに折り畳みができる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物品等の収納容器として、未使用状態では折り畳まれた状態であり、使用時には組み立てることによって箱状となる折り畳み可能な容器として、特開平8−53129号(特許第2968193号)公報に開示してある。
【0003】
【特許文献1】特開平8−53129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記開示の折り畳み可能な自立開口容器は、使用時において、箱状に立設して、その自立開口容器内に内装袋を内装した後に、その内装袋に廃棄容器を投入して収集をする。そして、その内装袋を自立開口容器から取り出すに当って、自立開口容器が拡開できないので、その取出しが困難であるという課題があるし、この折り畳み可能な容器を堅固に自立開口維持することは困難である。
そこで、本発明は、かかる不都合を解消する容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の折り畳み可能で自立開口する容器は、箱の各隅部と各稜部を曲折可能に結合し、稜部と稜部の間に囲い体を取り付けて側面を形成するものであり、縦稜部と縦稜部の結合部において開閉可能な開放部が設けてある。そして、前記自立開口容器内に内装の内装袋に廃棄物等を投入後に、その内装袋を取り出すに当たって、前記開放部を開放させることによって、容易に取り出すことができる。
また、請求項2の畳み可能で自立開口する容器は、請求項1の折り畳み可能で自立開口する容器であって、前記縦稜部に隣接して装脱可能に骨材を取り付けてある。
又、請求項3の折り畳み可能で自立開口する容器は、請求項1又は請求項2の折り畳み可能で自立開口する容器であって、骨材を相対する側面に取り付けてある。
又、請求項4の折り畳み可能で自立開口する容器は、請求項1から請求項3のいずれか1項の折り畳み可能で自立開口する容器であって、折り畳んだとき折り目がつかない側面の隅部と隅部の対角に補強材を取り付けか、又は折り目が生ずる隅部と隅部の対角に補強材を取り付けるか、或いは、前記した双方の面の隅部と隅部の対角に補強材を取り付けることによって自立開口する容器が堅固になる。
【発明の効果】
【0006】
本願の請求項1の折り畳み可能で自立開口する容器は、開放部を設けて開くことによって、内装袋を容易に自立開口の容器から取り出すことができる。
又、請求項2の折り畳み可能で自立開口する容器は、縦稜部に隣接して装脱可能に骨材を取り付けることによって、自立開口を堅固にすることができる。
また、請求項3の折り畳み可能で自立開口する容器は、骨材を相対する側面に取り付けることによって、自立開口を堅固にすることができる。
又、請求項4の折り畳み可能で自立開口する容器は、補強材によって、自立開口を堅固にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】自立開口した状態の容器の全体図である。
【図2】骨材の取り付けの詳細図である。
【図3】容器の折り畳む工程を示す図である。
【図4】容器に内装袋を内装した状態図である。
【図5】容器に内装の内装袋を落下させるときの状態図である。
【図6】容器の側面に補強材を取り付ける図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は自立開口した状態の容器の全体図である。
本願の折り畳み容器は、自立開口可能であり、上面Aと底面Bが開口(4角形)の箱状であり、縦稜部2aと縦稜部2bの間の正面C、縦稜部2cと縦稜部2dの間の裏面D、縦稜部2bと縦稜部2cの間の右側面E及び縦稜部2dと縦稜部2aの間の左側面Fには、折り畳み可能であるワリフや柔軟なポリプロピレン等の合成樹脂シート、布、ネット(網)等の囲い体が取り付けてある。従って、この容器1の各隅部と縦稜部(2a〜2d)、及び各面においても、曲折可能である。
【0009】
尚、縦稜部2aの下側における約1/3の長さに渡って、図5に示すように開閉可能な開閉部12が形成してある。具体的には、この開閉部12は縦稜部2aに長方形の合成樹脂や布等の下地材10を結合させて、その上に、例えば、マジックテープ(登録商標)を取り付ける。一方、そのマジックテープ(登録商標)に対応する位置における、縦稜部2aと縦稜部2bの間に形成の正面Cの囲い体の裏面に、長方形の合成樹脂や布等の上地材11を結合させて、その表面にマジックテープ(登録商標)を貼着する。
このように構成すると、前記下地材10と上地材11を装着させると、正面Cの囲い体は縦稜部2aで結合して、元の大きさの容器を形成し、一方、下地材10と上地材11を離脱させると、正面Cの囲い体は開放されるので、開口状の底面Bの大きさは、元の状態より拡開された状態になるので、内装袋20を容易に取り出すことができる。
尚、前記開閉部12は、縦稜部2aの下側における約1/3の長さで形成してあるが、容器1を固定して内装袋20を抜くのか、内装袋20を固定して容器1を抜くのかによって、開閉部12の形成個所(縦稜部2aの下側か、上側か、又は双方の個所か)及び長さは適宜選定でき、更には、開閉部12を縦稜部2aの全体に形成してもよい。また、前記マジックテープ(登録商標)に替えて、粘着材を貼着したり、ホック、或いはファスナー等で形成してもよい。
【0010】
次に、前記容器を折り畳み、又は自立開口するために、容器1の内側に設けてある骨材15について、図2を参照して説明する。
この骨材15は、湾曲可能な合成樹脂製、金属製等の棒体である。
又、前記縦稜部2cの左隣の裏面Dの囲い体の上部の稜部2eから下に向けて、合成樹脂製の長方形の上シート16が、前記2本の骨材15を挿通可能な隙間を形成して縫合等によって結合してある。
また、前記裏面Dの囲い体のほぼ中央にも、合成樹脂製の長方形の中シート17が、前記骨材15を挿通可能な隙間を形成して縫合等によって結合してある。更に、前記裏面Dの囲い体の下部の稜部2fから上に向けて、合成樹脂製の長方形の下シート18が、前記骨材15を挿通可能な隙間を形成して縫合等によって結合してある。
そして、前記上シート16、中シート17及び下シート18に形成の隙間の間に、前記骨材15を挿通する。
【0011】
又、前記と同様に、前記縦稜部2dの右隣の裏面Dの囲い体に、また、前記縦稜部2aの左隣の正面Cの囲い体には前記下地材10の裏面側に、更に、前記縦稜部2bの右隣の正面Cの囲い体には、それぞれの上シート16、中シート17及び下シート18が取り付けられてあり、それらのシートに形成の隙間の間に、前記骨材15が上稜部2e、2gから下稜部2f、2hに渡って挿通してある。即ち、骨材15は、相対する正面Cと裏面Dに取り付けてある。
【0012】
前記のように骨材15が、上シート16、中シート17及び下シート18に形成の隙間の間に挿通してあるので、容易に、骨材15の交換ができる。尚、その取り付ける骨材15の本数、骨材の口径、材質等は、容器の強度等を考慮して適宜選定する。また、骨材15は棒状である必要はなく、板状であってもよい。
又、骨材15は上稜部2e、2gから下稜部2f、2hに渡って挿通してあるので、容器を自立開口したとき、特に、上稜部が垂れることなく、上面Aの開口が型崩れすることなく自立開口することができる。又、前記各シートの端部が各縦稜部の位置から取り付けるため、骨材15は各縦稜部から僅かに離れた位置になり、この各縦稜部から離脱した状態における骨材15によって、容器を自立開口したとき堅固となる。
【0013】
次に、容器1の折り畳みの過程について説明する。
この箱状の容器1は図3(A)に示すように、各縦稜部2a〜2dは曲折可能に形成してあるので、図3(B)に示すように、正面Cと左側面Fを平坦にして右側面Eと裏面Dを合わせる。そして、縦稜部aと縦稜部cで折ることによって、1つの平面の大きさに折り畳むことができる(図3(C))。この状態は未使用状態であり、搬送において嵩ばらない利点がある。
この折り畳んだ状態において、前記と逆の操作をすると、骨材15によって自立開口した容器となり、廃棄容器等を投入することができる。
尚、この容器の折り畳み方であると、正面C、右側面E、裏面D及び左側面Fの対角の隅部と隅部に補強材を取り付けることができ、より、堅固に自立開口した容器となる。
【0014】
尚、この容器1は底部Bがないので、図4に示すように、内装袋20を装着した後に、廃棄容器21を投入する。そして、この容器1から、内装袋20を取り出すに当っては、図5に示すように、前記縦稜部の下側に形成の開閉部12を開放することによって、正面Cの囲い体は開放される。その結果、底部Bの大きさは、元の状態より拡開された状態になるので、内装袋20を容易に下に落とすことができる。
或いは、内装袋20を吊り上げた状態で、前記縦稜部の上側に形成の開閉部12を開放することによって、正面Cの囲い体は開放され、容器1を降下させて、内装袋20を取り出すこともできる。
【0015】
又、開閉部12を備える本願の容器1は、各隅部等で曲折可能に形成してあるので、前記図3に示す折り畳み方の他に、特許第2968193号公報に記載のように、隅部aと隅部cとを結ぶ対角線を内側に折り畳むと同時に90°ひねりながら隅部bと隅部e、隅部dと隅部gとを結ぶ対角線を内側に折り畳むこともできる。そして、この折り畳んだ状態の容器1において、図6(B)に示すように、折り目が生じない右側面Eの隅部cと隅部f、左側面Fの対角の隅部aと隅部hに補強材30を取り付けることによって、より、堅固に自立開口できる容器を形成することができるし、更に、図6(C)に示すように、折り目に沿って、即ち、隅部bと隅部e、隅部dと隅部gの対角線に補強材30を設けてもよい。
前記したように、容器1に開閉部12を備えることによって、容易に内装袋20を容器から取り出すことができるし、折り目に沿って、或いは折り目を作成しない面の隅部と隅部の対角において、更にはそれらの双方の対角において、補強材30を取り付けることによって、より堅固に、容器を自立開口することができるが、開閉部12を備えるか否か、補強材30を取り付けるか否か、また、開閉部12を備えることと補強材30を取り付けるにあたって、どのように形成するかは、容器の使用状態等を考慮して適宜選定する。
【符号の説明】
【0016】
1 容器
2a〜2d 稜部
2e 上稜部
2f 下稜部
10 下地材
11 上地材
12 開閉部
15 骨材
20 内装袋
21 廃棄容器
30 補強材
A 上面
B 底部
C 正面
D 裏面
E 右側面
F 左側面







【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱の各稜部を曲折可能に結合し、稜部と稜部の間に囲い体を取り付けて側面を形成する自立開口容器であって、
縦稜部と縦稜部の結合部において開閉可能な開放部を設け、
前記自立開口容器内に内装の内装袋を、前記結合部を開放させて取り出し可能とすることを特徴とする折り畳み可能な自立開口容器。
【請求項2】
請求項1の折り畳み可能な自立開口容器であって、
前記縦稜部に隣接して装脱可能に骨材を取り付けることを特徴とする折り畳み可能な自立開口容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の折り畳み可能な自立開口容器であって、
骨材は相対する側面に取り付けることを特徴とする折り畳み可能な自立開口容器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項の折り畳み可能な自立開口容器であって、
折り畳んだとき折り目がつかない側面の隅部と隅部の対角に、又は折り目が生ずる隅部と隅部の対角の、少なくともいずれか一方に補強材を取り付けることを特徴とする折り畳み可能な自立開口容器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−126417(P2012−126417A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278472(P2010−278472)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(598085526)ホツタ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】