説明

折丁取出し及び減速プロセスを備えた折り機

折り機(10)は、折丁の折り畳まれた縁部を受け取る第1の掴み装置を有しかつ折丁を第1の表面速度で回転させる胴(30)を有する。コンベヤは折丁を外面に対して押し付け、コンベヤは、第1の表面速度よりも低い第2の表面速度で折丁に接触する。本発明は、折丁を胴から取り出す方法をも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して印刷機、特に印刷機の折り機に関する。
【0002】
折丁を半分折りジョウから取り出すためにこれまで複数のプロセスが使用されてきた。引用したことにより本明細書に記載されたものとする米国特許第5102111号明細書は、印刷機のための折り機を開示している。第1のコンベヤは印刷機と同じ速度で与えられた速度で折丁を搬送し、折丁は次いで剥離装置によって剥離される。
【0003】
発明の簡単な概要
本発明は、
折丁の折り畳まれた縁部を受け取りかつ折丁を第1の表面速度で回転させる第1の掴み装置を有する胴と、
折丁を外面に対して押し付けるコンベヤとを有しており、コンベヤが、第1の表面速度よりも低い第2の表面速度で折丁に接触する、折り機を提供する。
【0004】
第1の表面速度よりも低い第2の表面速度を有することにより、コンベヤは、折丁を胴から取り出すことを補助することができる。
【0005】
本発明は、折丁を胴から取り出す方法をも提供し、この方法は、
折丁を胴の周囲を第1の表面速度で搬送するステップを有し、折丁は折り畳まれた縁部において掴み装置によって掴まれ、
折丁を第1のコンベヤによって胴に対して押し付けるステップを有し、第1のコンベヤは、第1の表面速度よりも低い第2の表面速度で移動し、
折丁を掴み装置から解放するステップを有し、
折丁をさらに搬送するステップを有する。
【0006】
図面の簡単な説明
本発明の好適な実施形態は図面を参照しながら説明される。
図1は、本発明による折り機を示している。
図2は、掴み装置の拡大図を示している。
図3は、本発明による折り機の第2の実施形態を示している。
図4は、図3の折り機の外面を示している。
【0007】
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、折り機10の好適な典型的な実施形態を示している。折り機10は、ジョウ胴30と、第1のコンベヤ20と、第2のコンベヤ60と、剥離装置90等の定置の支持体とを有する。ジョウ胴30は掴み装置40を有する。掴み装置40は、定置の部分42と、可動なジョウ44と、ジョウギャップ46とを有する。ジョウ胴30は、軸方向及び周方向に間隔を置いて配置された複数の掴み装置40を有する。ジョウ胴30は、速度V1で移動し、図1に示されたように、時計回り方向に、中心軸32を中心に回転方向に駆動される。ジョウ胴30は、軸方向に間隔を置いて配置された掴み装置40の間に周方向に延びた溝を備えた外面34を有しており、軸方向に間隔を置いて配置された複数の剥離装置90は、少なくとも部分的にこれらの溝に配置されている。
【0008】
第1のコンベヤ20はベルト22と複数のローラ24,25とを有している。ベルト22は、速度V2で、図1に示された方向にローラ24及びローラ25の周囲を移動する。第2のコンベヤ60はベルト62とローラ64とを有する。ベルト62は、速度V2で、図1に示された方向Dにローラ64の周囲を移動する。V2は、少なくともベルト22が折丁50を外面34に対して押し付けている場合にV1よりも小さい。
【0009】
引渡し胴72、例えば引用したことにより本明細書に記載されたものとする米国特許第6923753号明細書に開示された引渡し胴、からのタッキングブレード70は、折丁50をジョウギャップ46に押し込む。可動なジョウ44は、折り畳まれた縁部51を可動なジョウ44と定置の部分42(図2)との間のジョウギャップ46に配置するために折丁50に対して押し付けられる。
【0010】
掴み装置40は、折丁50が速度V1でジョウ胴30の周囲を走行する時に折丁50を保持する。ジョウ胴30がジョウ胴回転における箇所Aに達すると、カムとカムフォロアとの相互作用により、例えば可動なジョウ44が折丁50を解放する。
【0011】
箇所Aを越えた箇所において、ベルト22は折丁50をジョウ胴30に対して押し付ける。より遅い速度V2で移動するベルト22は、箇所Aと箇所Bとの間でジョウ胴30のセグメントに沿って折丁50を案内する。すなわち、V2とV1との差により、折り畳まれた縁部51は掴み装置40から滑り出る。
【0012】
箇所Bの後、ベルト22は折丁50を速度V2でジョウ胴30から運び去り続ける。定置の剥離装置90は、ジョウ胴30の周方向に延びた溝に部分的に当接し、折丁50が外面34に沿って走行するときに折丁50を捕捉するように位置決めされる。折丁50は、定置の剥離装置90に沿って、ベルト22とベルト62との間に配置されたギャップ66まで滑る。ベルト22とベルト62とは速度V2で移動し、折丁をさらなる処理のために搬送する。
【0013】
図2は、掴み装置40の拡大図を示している。掴み装置40は、定置の部分42と、ジョウギャップ46と、可動なジョウ44とを有しており、折丁50は、折り畳まれた縁部51と、下面52と、上面53とを有している。
【0014】
図2に示されているように、折丁50の上面53におけるより低い速度V2により、力Fは折丁50において発生し、この力Fは、可動なジョウ44が箇所Aにおいて解放した後にジョウギャップ46から折り畳まれた縁部51を引き出す。したがって、剥離装置90(図1)は、減じられた容量において使用されることができる。
【0015】
力Fが折丁50を引っぱりながら、上面53は力Fと同じ方向に滑る。折丁の折り畳まれた縁部51又はラップの折り畳まれた位置は、これにより、より低い速度V2によって交替されることができる。速度V2は、タッキングブレード70によって設定された折り位置に関して設定されることができ、これにより、折丁50がジョウ胴30から出るときに折り位置は、望みに応じて、例えば折丁のちょうど半分である。外面34は、好適には、比較的高い仕上げ又は摩擦減少物質を備えた円筒状であるので、力Fが上面53に加えられると折丁50は外面34において滑動する。剥離装置90も、好適には、接触面において高い仕上げ又は摩擦減少物質を有する。また、剥離装置90は、折丁の滑動を補助するために湾曲した又は円筒状の上面を有している。
【0016】
図3は、定置の支持体90ではなく可動な支持体190を備えた第2の実施形態を示している。可動な支持体190は、テープ192及び複数のローラ194,196,198を有している。テープ192は、ローラ198と、ローラ196と、ローラ194と、ジョウ胴30との周囲を移動する。テープ192は、掴み装置40又はタッキングブレード70を妨害しないように、複数の溝36(図4参照)において凹まされた外面34に沿って走行する。箇所Bにおいて又は箇所Bの直後に、テープ192はジョウ胴30から出て、テープ192が外面34に載置される時に折丁50に接触する。
【0017】
折丁50はジョウ胴30から出て、テープ192とベルト22との間を搬送される。第2のコンベヤ60は、折丁50をテープ192及びベルト22から受け取るために位置決めされている。これにより、折丁50は、ベルト22とベルト62との間に配置されたギャップ66に進入する。ベルト22とベルト62とは速度V2で移動し、折丁50をさらなる処理のために搬送する。コンベヤ20と、コンベヤ60と、ローラ198とは、重力効果がさらに低減されることができるようにジョウ胴30に関して異なる角度で配置されることができる。
【0018】
図4は、周方向に延びた溝36におけるテープ192を示している。溝36は外面34において凹まされている。テープ192は、掴み装置40を妨害しないように掴み装置40の周囲に間隔を置いて配置されている。テープ192は、外面34の周囲の溝36において移動する。テープ192は、溝36における胴30に関してスリップするように例えば速度V1又はV2で移動する。
【0019】
1に関するV2は、紙テープ、存在する表面摩擦、ベルト材料、使用される剥離装置の形式等の様々な変数に関して決定されることができる。速度V2は例えばV1の75〜95%、例えば86%である。しかしながら、本発明の範囲内でその他の速度パーセンテージが可能である。
【0020】
ここで定義された掴み装置は、折丁の折り目を受け取るためのあらゆる装置であることができる。
【0021】
テープ192は、丸味付けられたベルト又はその他のコンベヤ材料であることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による折り機を示している。
【図2】掴み装置の拡大図を示している。
【図3】本発明による折り機の第2の実施形態を示している。
【図4】図3の折り機の外面を示している。
【符号の説明】
【0023】
10 折り機、 20 第1のコンベヤ、 22 ベルト、 24,25 ローラ、 30 ジョウ胴、 32 中心軸、 34 外面、 40 掴み装置、 42 定置の部分、 44 可動なジョウ、 46 ジョウギャップ、 50 折丁、 51 縁部、 52 下面、 53 上面、 60 第2のコンベヤ、 62 ベルト、 64 ローラ、 70 タッキングブレード、 72 引渡し胴、 90 剥離装置、 190 可動な支持体、 192 テープ、 194,196,198 ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り機において、
折丁の折り畳まれた縁部を受け取る第1の掴み装置を有しかつ折丁を第1の表面速度で回転させる胴が設けられており、
折丁を外面に対して押し付けるコンベヤが設けられており、該コンベヤが、第1の表面速度よりも低い第2の表面速度で折丁に接触することを特徴とする、折り機。
【請求項2】
前記コンベヤがベルトである、請求項1記載の折り機。
【請求項3】
前記第2の表面速度が第1の表面速度よりも低い、請求項1記載の折り機。
【請求項4】
前記第2の表面速度が第1の表面速度の75〜95%である、請求項1記載の折り機。
【請求項5】
前記コンベヤから折丁を受け取る第2のコンベヤが設けられている、請求項1記載の折り機。
【請求項6】
前記胴がジョウ胴である、請求項1記載の折り機。
【請求項7】
前記胴に隣接して配置された定置の又は固定された剥離装置が設けられている、請求項1記載の折り機。
【請求項8】
前記胴の周方向溝内に配置された可動な支持体が設けられている、請求項1記載の折り機。
【請求項9】
折丁を胴から取り出す方法において、
折丁を胴の周囲において第1の表面速度で搬送するステップを含み、折丁が折り畳まれた縁部において掴み装置によって掴まれ、
前記折丁を第1のコンベヤによって胴に対して押し付けるステップを含み、前記第1のコンベヤが、前記第1の表面速度よりも低い第2の表面速度で移動しており、
前記折丁を前記掴み装置から解放させるステップを含み、
さらに折丁を搬送するステップを含むことを特徴とする、折丁を胴から取り出す方法。
【請求項10】
前記さらに折丁を搬送するステップが、折丁を第2のコンベヤにおいて受け取ることを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記さらに折丁を搬送するステップが、前記胴に隣接して配置された定置の又は固定された剥離装置を使用することを含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記さらに折丁を搬送するステップが、前記胴の周方向溝内に配置された可動な支持体を使用することを含む、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記折丁がさらに、第1の表面速度よりも低い速度で搬送される、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記第2の表面速度が、前記第1の表面速度の75〜95%である、請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記胴がジョウ胴である、請求項9記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−528966(P2009−528966A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558273(P2008−558273)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/003196
【国際公開番号】WO2007/102968
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(505332174)ゴス インターナショナル アメリカス インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Goss International Americas, Inc.
【住所又は居所原語表記】121 Broadway, Dover NH 03820, USA
【Fターム(参考)】